JP5742727B2 - 二色性色素組成物及び該組成物を含む液晶組成物 - Google Patents
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Description
現在用いられている液晶素子の多くはTN型やSTN型が主流である。しかし、これらの素子は偏光板を用いるため、光の利用効率が低いという欠点がある。これに対して、二色性色素を用いるゲストホスト型液晶組成物を適用した液晶素子は、二色性色素の吸収異方性を利用するため、偏光板不要で光の利用効率が高く、特にバックライトを用いない反射型表示素子の場合は明るい表示が可能となる。
溶解性及び二色性を維持しながら、広い波長範囲において吸光度の波長分散が少ない二色性色素組成物が示されている(特許文献1)。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、広い波長領域において光量を一定にカットすることが可能であり、色再現性に優れた二色性色素組成物及び該組成物を有する液晶組成物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
(1) 下記(I)群〜(V)群で示される二色性色素を各々の群から少なくとも1種ずつ含むことを特徴とする二色性色素組成物。
Aは置換基を有していても良い1,4−ナフチレン環を示し、
Dは置換基を有していても良いチエノチアゾール環、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン環を示し、
nは0または1を示し、
mは2以上の整数を示し、一般式(V)1分子中に2以上存在する一般式(VI)は同一であっても異なっていてもよい。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。]
(2)前記(1)に記載の二色性色素組成物とホスト液晶を含むことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物。
(3)前記(2)に記載のゲストホスト型液晶組成物を、少なくとも一方が透明な1対の電極基板間に挟持したことを特徴とする液晶素子。
本発明の液晶組成物は、上記(I)群〜(V)群で示される二色性色素の組み合わせにより効果を奏するものである。
本発明に用いられる(I)群〜(V)群で示される二色性色素について、詳細に説明する。
Aは置換基を有していても良い1,4−ナフチレン環を示し、
Dは置換基を有していても良いチエノチアゾール環、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン環を示し、
nは0または1を示し、
mは2以上の整数を示し、一般式(V)1分子中に2以上存在する一般式(VI)は同一であっても異なっていてもよい。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。]
Aは置換基を有していても良い1,4−ナフチレン環を示す。Aが有していても良い置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、-NHCOCH3基が挙げ
られる。
Dは置換基を有していても良いチエノチアゾール環、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン環を示す。
mは2以上の整数を示し、一般式(V)1分子中に2以上存在する一般式(VI)は同一であっても異なっていてもよい。
mは2以上の整数を示す。mは通常4以下であり、好ましくは2又は3である。mをこの範囲とすることにより、ホスト液晶に対する溶解性を高くでき、また製造を容易なものとすることができる。
Dが有していても良い置換基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基等の直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、オクトキシ基等の直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。Dが有していても良い置換基がアルキル基又はアルコキシ基の場合、好ましく
は炭素数1〜4であり、より好ましくは炭素数1〜3である。なかでも、電子供与性の基としてはメチル基又はメトキシ基が特に好ましい。
Dが有していても良い置換基において、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などの炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜4であり、より好ましくは炭素数1〜3である。
X1〜X17は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルコキシ基または一般式(VII)で表される基を示す。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10アルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。
環E及びGの1,4−フェニレン基またはシクロヘキサン−1,4−ジイル基が有していてもよい置換基としては、コントラストを低下させず、また透過率スペクトルの水平性を妨げないものであれば特に制限はなく、例えばメチル基;メトキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;およびモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基
、トリフルオロメチル基等のフルオロメチル基が挙げられる。コントラスト及び透過率スペクトルの水平性の点から好ましくは、メチル基、メトキシ基、フルオロメチル基であり更に好ましくは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基である。
具体的には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基、あるいはそれらを組み合わせた基が挙げられる。この中でも、連結方向の構成原子数が2であるものがさらに好ましい。もっとも好ましいのは、-CH2O -基、-OCH2-
基または-C≡C-基である。
pが2以上であるとき、1分子中に2つ存在するEは同一であっても異なっていてもよ
い。
なお、式(VII)に含まれる1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基の合計数(p+r)が1〜4であって、かつq=0であるとき、1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基とはいずれも環Eとみなす。
なお、上記X1〜X17の好適構造のうち、各々において特に好適に用いられる構造を以下に挙げる。
一般式(I)の置換基X1としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(VII)において、p=1かつq=r=0であるもの、p=2かつq=r=1であるもの、が好ましく、中でも以下の置
換基が好ましい。
また、一般式(II)の置換基X5としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(VII)において、p=1かつq=r=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
の点から、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
一般式(III)の置換基X8としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶
解性等の点から、炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(VII)において、p=1かつq=r=0、p=2かつq=r=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
一般式(IV)の置換基X12としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(VII)において、p=1〜3かつq=r=0であるもの、p=2かつq=r=1であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
一般式(V)の置換基X17としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(VII)において、p=1かつq=r=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。]
また、一般式(V)の好ましい他の例は、下記構造式(X)で表されるアゾ系二色性色素である。
ても良い炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルコキシ基または下記式(VII)で表される基を示す。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。
D1は置換基を有してもよい1,4−フェニレン環又は置換基を有してもよい1,4−ナフチレン環を示す。D2は置換基を有してもよい1,4−フェニレン環又は置換基を有してもよい1,4−ナフチレン環を示し、少なくとも1つのD2は置換基を有してもよい1,4−ナフチレン環を含む。mは2〜4の整数を示す。]
より好ましくは、一般式(X)において、D1が1,4−フェニレン環であり、mが3である。
一般式(I)〜(X)において、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。このような置換基としては、二色性色素の性能を妨げるものでなければ特に制限はなく、例えばメチル基;メトキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;およびモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のフルオロメチル基、ヒドロキシル基が挙げられる。コントラスト及び透過率スペクトルの水平性の点から好ましくは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基である。
以下に本発明で使用できる各の色素の例をまとめて示すが、本発明の要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
一般式(I)〜(IV)で表される二色性色素は、既知の方法で製造できるが、例えば下記の文献が参考になる。
「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)
およびこれに引用されている文献
「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)
およびこれに引用されている文献
特開2009−007485号公報
特開2009-007486号公報
一般式(V)で表される二色性色素は、下記式に示す、中間体(a)と中間体(b)とのアゾカップリング反応により得ることができる。中間体(a)は公知の方法により合成で
き、例えば特開平10−60446号公報に記載の方法に準じて合成できる。中間体(b
)は公知の方法により合成でき、例えば特願2011−16940号実施例に記載の方法で合成できる。
本発明の二色性色素組成物は、上述の一般式(I)〜(V)で示される化合物からなる(I)群〜(V)群の各群から、少なくとも1種ずつの二色性色素を含むことを特徴とする。
(I)群〜(V)群で表される各色素群の使用量は、得ようとする色相によって適宜選択されるが、特に400nm〜700nmの波長領域で平坦な吸収を得ようとする場合には、全色素量を100質量部とした場合、(I)群色素20〜30質量部、(II)群色素15〜20質量部、(III)群色素18〜30質量部、(IV)群色素5〜15質量部、(V)群色素10〜20質量部の割合で使用することが好ましい。
本発明の二色性色素組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含んでいてもよい。
例えば、(I)群〜(V)群の二色性色素以外の色素を含んでいてもよい。そのような色素としては、光の吸収が一定である色素が好ましいが、例えば下記(X)群〜(XII)群で示される色素があげられる。
(XI)群:一般式(XI)で表されるアゾ系二色性色素
Zは炭素原子、窒素原子を示し、
X20〜X27は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルコキシ基または一般式(XX)で表される基を示す。
E´及びG´は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
R´は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
L´は2価の連結基であり、
p´は1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するE´は同一であっても異なっていてもよく、
q´及びr´はそれぞれ独立に、0又は1を示す。]
一般式(XX)において用いられるE´は、一般式(I)において前述したEと同義であり、同様に、G´はG、RはR´、LはL´、pはp´、qはq´とそれぞれ同義である。
一般式(X)の置換基X20としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基又は、一般式(XX)において、p´=1かつq´=r´=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
また、一般式(XI)の置換基X24としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、一般式(XX)において、p´=2または3かつq´=r´=0、p´=2かつq´=r´=1であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
一般式(XIII)の置換基X27としては、化合物の製造法、安定性、ホスト液晶への溶解性等の点から、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、一般式(XX)において、p´=1かつq´=r´=0であるもの、p´=2かつq´=r´=0であるもの、p´=3かつq´=r´=0であるもの、p´=2かつq´=1かつr´=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
以下に(XI)群〜(XIII)群で示される色素例をまとめて示すが、本発明の要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
本発明の液晶組成物は、上述の本発明の二色性色素組成物と、ホスト液晶材料を含むことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物である。
本発明のゲストホスト型液晶組成物は長波長領域(450―700nm)に高いコントラ
ストを示す。ここでコントラストとは、液晶組成物を液晶セルに注入後、電圧印加により液晶組成物の配向を変化させた際の透過率の比をいい、次式で計算される。
本発明のゲストホスト型液晶組成物のコントラストは、30以上が好ましく、さらに40以上であることが好ましい。
本発明の二色性色素組成物及びゲストホスト型液晶組成物は、色彩に影響を与えることなく、光量を一定に低下させる、つまり、色再現性に優れている。この光量を一定に低下
させる指標として、本発明では最低透過率スペクトルの変化率で示す。
該スペクトル変化率は、波長400nm〜700nmで±10%、波長450nm〜700nmで±5%以内であることが、色再現性の点から好ましい。
本発明の二色性色素組成物及びゲストホスト型液晶組成物は、最低透過率スペクトルの変化率が小さく、スペクトルが「水平性」を有することにより色再現性に優れているのである。
−J−は、単結合、−COO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、または−C≡C−を表す。
R201はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜7の置換アルキル基、炭素数1〜7の置換アルコキシ基、炭素数1〜7の置換アルケニル基;または前記置換アルキル基、前記置換アルコキシ基および前記置換アルケニル基を置換基として有する、置換シクロヘキシル基または置換フェニル基を表す。なお、前記置換アルキル基、前記置換アルコキシ基および前記置換アルケニル基が有する置換基は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子である。
ン原子を表す。
R205、R206は、それぞれ独立に、シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を表す。
R200、R204、R207、R208、R209、R210、R211は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基を表す。)
なお、本発明のゲストホスト型液晶組成物に用いるホスト液晶材料は、好ましくは以下の特性を有する。
ネマチック相−等方性液体相転移温度(NI点)が60℃以上、好ましくは80℃以上であり、また、130℃以下、好ましくは110℃以下である。一般にNI点が過度に低いと動作温度範囲が狭くなる。過度に高いとホスト液晶の粘度増大を招きやすく、応答性能が低下する。
Δεの絶対値が2以上、好ましくは3以上であり、また、20以下、好ましくは10以下である。一般にΔεが過度に低いと高い駆動電圧が必要となる。過度に高いとホスト液晶の粘度増大を招きやすく、応答性能が低下する。
更に上記の液晶化合物にはコレステリルノナノエートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加物を含有しても良い。
本発明の液晶組成物は、前記(I)〜(V)群の各々の群から選ばれる少なくとも1種ずつの二色性色素、またはこれらを含む本発明の二色性色素組成物を、上記のホスト液晶化合物に、公知の方法に従って溶解させることにより、容易に調製することができる。
この際、本発明の二色性色素組成物は1種を用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明の二色性色素組成物を2種以上用いる場合には、その合計量が上記範囲内となるようにする。
このように調製された本発明のゲストホスト型液晶組成物は、少なくとも一方が透明な1対の電極基板間に挟持させることにより、例えば、「液晶デバイスハンドブック、日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社発行、第315頁から第329頁」等に記
載されているHeilmeier型ゲストホスト、相転移型ゲストホスト等のゲストホスト効果を応用した各種液晶素子を構成することができる。
なお、以下において、ゲストホスト型液晶組成物および液晶素子の評価は次の方法により行った。
実施例1、2、比較例2に示す組成で室温下において調製されたゲストホスト型液晶組成物を、液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。用いた液晶セル用の基板は、ITO透明電極層が形成されたガラス基板(厚み1.1mm)であり、セルギャップ6μmで、エポキシ樹脂シール付きであり、一対の基板の対向面には、水平配向用のポリイミド配向膜が形成されたものである。
実施例1、2、比較例1、2において、最高透過率と最低透過率を分光光度計日立製作所製、U―4100、商品名)を用いて測定した。各波長でのコントラスト比は液晶がNp型の場合は(電圧無印加の透過率(%)/電圧印加時(24V)の吸光度)、液晶がNn型の場合は(電圧印加時(20V)の透過率/電圧無印加時の透過率(%))を求めた。ま
た、電圧印加は1kHz矩形波を使用した。
上記素子の各々において、最低透過率スペクトルの変化率(水平性)を求めた。
スペクトル変化率=(1−各波長での透過率/平均透過率(500nm〜600nm))x100
二色性色素組成物1を、Np型液晶混合物(NI点100℃、Δε6.8)1gに溶解させて液晶組成物1を調製した。二色性色素組成物1で用いた二色性色素及び該色素の量は表9に示す。
二色性色素組成物2を、Np型液晶混合物(NI点100℃、Δε6.8)1gに溶解させて液晶組成物2を調製した。二色性色素組成物2で用いた二色性色素及び該色素の量は表9に示す。
[比較例1]
二色性色素組成物3を、Nn型液晶混合物(NI点91℃、Δε-4.1)1gに溶解させて
液晶組成物を調製した。二色性色素組成物3で用いた二色性色素及び該色素の量は表9に
示す。
二色性色素組成物4を、Np型液晶混合物(NI点100℃、Δε6.8)1gに溶解させて液晶組成物2を調製した。二色性色素組成物4で用いた二色性色素及び該色素の量は表9に示す。
実施例及び比較例で示した二色性色素組成物を上記の方法により素子を作製して、コントラストを求めた結果を表10に、最低透過率スペクトル変化率を求めた結果を表11に示した。
Claims (3)
- 下記(I)群〜(V)群で示される二色性色素を各々の群から少なくとも1種ずつ含むことを特徴とする二色性色素組成物。
Aは置換基を有していても良い1,4−ナフチレン環を示し、
Dは置換基を有していても良いチエノチアゾール環、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよい1,4−ナフチレン環を示し、
nは0または1を示し、
mは2以上の整数を示し、一般式(V)1分子中に2以上存在する一般式(VI)は同一であっても異なっていてもよい。
E及びGは、それぞれ独立に、置換基を有していても良い1,4−フェニレン環または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル環を示し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、
Lは2価の連結基であり、
pは1〜4の整数を示し、1分子中に2以上存在するEは同一であっても異なっていてもよく、
q及びrはそれぞれ独立に、0又は1を示す。] - 請求項1に記載の二色性色素組成物とホスト液晶を含むことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物。
- 請求項2に記載のゲストホスト型液晶組成物を、少なくとも一方が透明な1対の電極基板間に挟持したことを特徴とする液晶素子。
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