JPH10292175A - ゲストホスト液晶表示装置及びゲストホスト液晶組成物 - Google Patents

ゲストホスト液晶表示装置及びゲストホスト液晶組成物

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JPH10292175A
JPH10292175A JP14718497A JP14718497A JPH10292175A JP H10292175 A JPH10292175 A JP H10292175A JP 14718497 A JP14718497 A JP 14718497A JP 14718497 A JP14718497 A JP 14718497A JP H10292175 A JPH10292175 A JP H10292175A
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JP
Japan
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liquid crystal
guest
host liquid
dye
display device
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Application number
JP14718497A
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English (en)
Inventor
Seiichi Arakawa
清一 荒川
Masataka Matsute
雅隆 松手
Yasutoshi Kawate
靖俊 川手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲストホスト液晶表示装置に有用な混合型の
黒色二色性色素を提供する。 【解決手段】 ゲストホスト液晶表示装置は所定の間隙
を介して互いに接合した一対の基板1,2と、全体とし
て黒色を呈する混合型の二色性色素3を含有し両基板
1,2の間隙に保持されたゲストホスト液晶4と、各基
板1,2に形成されゲストホスト液晶4に電圧を印加す
る電極5,6とを備えている。二色性色素3は少くとも
チエノチアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素及び
ベンゾチアゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素
を含む混合物からなり、ゲストホスト液晶4に添加され
た時全体として黒色を呈する様に配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲストホスト液晶表
示装置に関する。より詳しくは、ホストとなるネマティ
ック液晶にゲストとして添加される二色性色素の組成に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゲストホスト液晶表示装置は、ネマティ
ック液晶中に二色性色素を溶解させ、電界の作用により
ネマティック液晶の分子と共に二色性色素の配向制御を
行う。二色性色素は光吸収に異方性を有し、これを利用
して液晶表示装置の透過光を制御する。このゲストホス
ト液晶表示装置は透過型と反射型がある。何れの場合も
白黒表示を行う時には黒色の二色性色素を用いる。更
に、これとマイクロカラーフィルターを組み合わせると
フルカラーのゲストホスト液晶表示装置が得られる。従
って、二色性色素としてはまず白黒表示に適した黒色色
素でなければならない。しかしながら、単色色素で黒色
を実現するのは困難である。通常、何種類かの単色色素
を配合して混合型の黒色色素を調製している。一般に、
二色性色素には次の様な特性が要求される。(1)二色
性比が高いこと、(2)吸光係数が高いこと及び(3)
液晶に対する相溶性又は溶解性が高いことである。すな
わち、二色性比が高い程光吸収の異方性が大きいのでコ
ントラストが高くなる。又、吸光係数が高い程少量の添
加量で十分なコントラストが得られる。更に、液晶に対
する溶解度が高い程低温でも析出が無く所望のコントラ
ストが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、黒色色素
は、例えば黄色色素、橙色色素、赤色色素、青紫色色素
及び青色色素を混合することで調製できる。これらの色
素を鋭意検討したが、黄色、橙色、及び赤色の色素につ
いては、種類も多く上述した3つの要件をほぼ満足する
ものが得られる。しかしながら、青紫色や青色の色素に
ついては、種類も少なく、上記要件を満足するものを得
るのは特に困難である。青紫色や青色の色素は、人間の
視感度が高い550〜620nm付近の吸収を構成する
ものであり、コントラストに大きな影響を及ぼす。従
来、これらの系統の色素としては、トリスアゾ系の色素
かアントラキノン系の色素が用いられてきた。しかしな
がら、後者は上述した3つの要件の内吸光係数と液晶に
対する相溶性の点で満足できるものがない。その点、前
者の通常のトリスアゾ系の二色性色素は、比較的これら
の要件を満たしているが、実用的な観点から十分とは言
えない。特に吸光係数が低いため、液晶に対する色素の
添加量が増加してしまう傾向があった。これは、色素の
低温における結晶析出が生じ易くなるだけでなく、液晶
に対しては不純物となる色素が多量に混入する為動作特
性を悪化させてしまう。特に最近は、薄膜トランジスタ
を画素スイッチング用に用いたアクティブマトリクス型
液晶表示装置が主流になるにつれ、液晶の動作特性を正
常に維持する必要がある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
に鑑み、本発明は二色性比、吸光係数及び液晶に対する
相溶性が高い混合型の黒色色素を用いたゲストホスト液
晶表示装置を提供することを目的とする。係る目的を達
成する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明に係るゲ
ストホスト液晶表示装置は基本的な構成として、所定の
間隙を介して互いに接合した一対の基板と、全体として
黒色を呈する混合型の二色性色素を含有し該間隙に保持
されたゲストホスト液晶と、各基板に形成され該ゲスト
ホスト液晶に電圧を印加する電極とを備えている。特徴
事項として、前記二色性色素は少くとも以下の構造式
(1)で表わされるチエノチアゾール環を有するジスア
ゾ系の青色色素及び構造式(2)で表わされるベンゾチ
アゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素を含む混
合物からなり、該ゲストホスト液晶に添加された時全体
として黒色を呈する様に配合されている。
【化8】
【0005】好ましくは、前記二色性色素は1.0重量
%〜5.0重量%の割合でゲストホスト液晶に添加され
ている。又好ましくは、前記ゲストホスト液晶は誘電異
方性が負のネマティック液晶を主体とし、上下の基板に
対して垂直に配向している。例えば、前記ネマティック
液晶はフッ化フェニルシクロヘキサン系化合物を含んで
いる。好ましくは、一方の基板は透明で入射側に位置
し、他方の基板は反射側に位置すると共に下から順に反
射層及び四分の一波長板層が形成されている。
【0006】本発明は二色性色素をゲスト物質としてホ
スト液晶中に溶解させたゲストホスト液晶組成物を包含
している。このゲストホスト液晶組成物の特徴事項とし
て、前記二色性色素は分子に含まれる発色団の構造がチ
エノチアゾール環を有するジスアゾ系の色素及びベンゾ
チアゾール環を有するトリスアゾ系の色素を含んでい
る。好ましくは、前記ホスト液晶は誘電異方性が負のネ
マティック液晶を主体とする。例えば、前記ネマティッ
ク液晶は室温でネマティック相を示すフッ化フェニルシ
クロヘキサン系化合物を含む。
【0007】本発明の好ましい態様では、所定の間隙を
介して互いに接合した一対の基板と、全体として黒色を
呈する混合型の二色性色素を含有し該間隙に保持された
ゲストホスト液晶と、各基板に形成され該ゲストホスト
液晶に電圧を印加する電極とを備えたゲストホスト液晶
表示装置において、前記二色性色素は少くとも以下の一
般式(1)で表わされる色素及び一般式(2)で表わさ
れる色素を必須の成分とし、さらに以下の一般式
(3)、(4)及び(5)で表わされる色素を一種類以
上含む混合物からなり、該ゲストホスト液晶に添加され
た時全体として黒色を呈するように配合されていること
を特徴とする。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0008】本発明の他の側面によれば、ゲストホスト
液晶表示装置は基本的な構成として、所定の間隙を介し
て互いに接合した一対の基板と、全体として黒色を呈す
る混合型の二色性色素を含有し該間隙に保持されたゲス
トホスト液晶と、各基板に形成され該ゲストホスト液晶
に電圧を印加する電極とを備えている。特徴事項とし
て、前記二色性色素は以下の構造式(1)で表わされる
チエノチアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素、構
造式(2)で表わされるベンゾチアゾール環を有するト
リスアゾ系の青紫色色素及び構造式(3)で表わされる
チエノチアゾール環を有するジスアゾ系の赤紫色色素の
内少くとも二種を含む混合物からなり、該ゲストホスト
液晶に添加された時全体として黒色を呈する様に配合さ
れている。好ましくは、前記二色性色素は該ジスアゾ系
の青色色素、トリスアゾ系の青紫色色素及びジスアゾ系
の赤紫色色素の三種類を全て含み、更に追加の色素を配
合した混合物からなり、全体として黒色を呈する。
【化14】
【0009】本発明で用いられるチエノチアゾール環を
有するジスアゾ系の青色色素及びベンゾチアゾール環を
有するトリスアゾ系の青紫色色素、さらにチエノチアゾ
ール環を有するジスアゾ系の赤紫色色素は高い二色性比
を示し、かつ極めて高い吸光係数を有する為、ホスト液
晶に対する添加量が少くて済み、これらの色素をベース
に調合した黒色色素を用いると、極めて高いコントラス
トを有する反射型のゲストホスト液晶表示装置が得られ
る。本発明に係るゲストホスト液晶組成物は高い二色性
比を示すので、高コントラストの表示が可能である。特
に反射型のゲストホスト液晶表示装置に用いた場合、従
来の色素では実現できなかった高いコントラストの表示
が可能になり、カラーフィルターを使ったフルカラー化
が実現できる。又、二色性比が高い分色素の添加量を低
く抑えることが可能になり、粘度増大等による応答速度
の低下を招かない為、応答速度の速いネマティック液晶
との混合物とすることで、動画対応の反射型ゲストホス
ト液晶表示装置を実現できる。このような、フルカラー
で動画表示できる反射型のゲストホスト液晶表示装置は
従来に例がなく、次世代の携帯個人情報端末等のディス
プレイとしての用途が期待される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るゲストホ
スト液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
(A)は電圧無印加状態(オフ状態)を示し、(B)は
電圧印加状態(オン状態)を示している。図示する様
に、本ゲストホスト液晶表示装置は基本的な構成とし
て、所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板1,
2と、全体として黒色を呈する混合型の二色性色素3を
含有し両基板1,2の間隙に保持されたゲストホスト液
晶4と、各基板1,2に形成されゲストホスト液晶4に
電圧を印加する対向電極5及び反射電極6とを備えてい
る。特徴事項として、二色性色素は少くとも以下の構造
式(1)で表わされるチエノチアゾール環を有するジス
アゾ系の青色色素及び構造式(2)で表わされるベンゾ
チアゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素を含む
混合物からなり、ゲストホスト液晶4に添加された時全
体として黒色を呈する様に配合されている。
【化15】
【0011】好ましくは、二色性色素3は1.0重量%
〜5.0重量%の割合でゲストホスト液晶4に添加され
ている。二色性色素3の添加量が5.0重量%より多い
と低温で結晶析出したり、電気光学特性に悪影響を及ぼ
す。又、二色性色素3の添加量が1.0重量%より少い
と吸収が不十分でコントラストが取れなくなる恐れが生
じる。又好ましくは、ゲストホスト液晶4は誘電異方性
が負のネマティック液晶分子7を主体とし、上下の基板
1,2に対して垂直に配向している。但し、本発明はこ
れに限られるものではなく、ゲストホスト液晶4は水平
配向であっても良い。但し、実用上の観点から見ると水
平配向よりも垂直配向の方が好ましい。なぜなら、垂直
配向は白レベルが出易くコントラストも高くなるからで
ある。誘電異方性が負のネマティック液晶の例として
は、例えばフッ化フェニルシクロヘキサン系化合物が挙
げられる。このフッ化フェニルシクロヘキサン系化合物
からなるネマティック液晶はγ特性で優れた立ち上がり
を示す。なお、本実施形態に係るゲストホスト液晶表示
装置は反射型である。一方の基板1は透明で入射側に位
置し、他方の基板2は反射側に位置し下から順に反射層
及び四分の一波長板層8が形成されている。なお、本例
では反射層は反射電極6を兼ねている。
【0012】本実施形態では、四分の一波長板層8及び
反射層(反射電極)6を内蔵させることで、偏光板を用
いることなく反射型のゲストホスト液晶表示装置を得て
いる。白黒のコントラストを得る為に、印加電圧オフの
状態(A)ではネマティック液晶分子7は垂直配向して
いる。これに倣って二色性色素3も垂直配向しており、
入射光を吸収せず高い反射率が得られる。一方(B)に
示す電圧印加状態では、ネマティック液晶分子7と共に
二色性色素3も水平方向に移行し、光吸収が増大し反射
率が低くなる。従って、黒表示が得られる。この吸収の
変化は四分の一波長板層8を設けることにより一層強調
される。本ゲストホスト液晶表示装置は反射型で白黒表
示が可能である。場合によっては、マイクロカラーフィ
ルターを装着することによりフルカラーの画像表示を行
うことができる。
【0013】図2を参照して、図1に示したゲストホス
ト液晶表示装置の動作を詳細に説明する。(A)は電圧
無印加状態で、表示装置は透過状態となり白が表示され
る。(B)は電圧印加状態を示し、表示装置は吸収状態
となり黒が表示される。まず(A)の電圧無印加状態
で、外部から光が入射した場合を考える。入射光は互い
に直交する偏光成分である第1の振動成分Xと第2の振
動成分Yに分けて考えることができる。振動成分Xは紙
面と平行な直線偏光であり、他の振動成分Yは紙面に垂
直な直線偏光である。電圧無印加時では、ネマティック
液晶分子7は垂直配向している。これに合わせて、二色
性色素3も垂直配向している。従って、振動成分X及び
振動成分Y共にゲストホスト液晶4を全面的に透過す
る。反射光は振動成分Xと振動成分Yが互いに入れ代わ
るだけであり、何ら光偏重を受けない。これに対して
(B)の電圧印加状態では、負の誘電異方性を有するネ
マティック液晶分子7は垂直配向から水平配向に移行す
る。これに伴って二色性色素3も垂直配向から水平配向
に移行する。一方の振動成分Xは液晶分子7の水平配向
方向と同一である為、同じ方向に配向している黒色の二
色性色素3によって吸収される。しかし、他の振動成分
Yは色素分子の水平配向方向と直交している為全く吸収
されない。従って、振動成分Yはゲストホスト液晶4を
通過し、更に四分の一波長板層8に進入する。この後反
射電極6で反射され、再び四分の一波長板層8を通過す
る。振動成分Yは四分の一波長板層8を往復で2回通っ
たことになり、偏光方向が90度回転する。そうする
と、今度は二色性色素3の水平配向方向と一致する為、
光が吸収される。このようにして、入射光に含まれる全
ての振動成分が往路あるいは復路のどちらかで吸収され
る為、偏光板無しで偏光板付きの透過型ゲストホスト液
晶表示装置並のコントラストが得られる。
【0014】図3は、前述した構造式(1)で表わされ
るチエノチアゾール環を有するジスアゾ系の二色性色素
の具体例を示している。図3は各二色性色素の化学構造
式を示すと共に、吸収極大λmax(nm)と二色性比
を挙げてある。ここでは、各二色性色素をBDHケミカ
ル社製の液晶E−7に1.0重量%溶解し、この液晶混
合物を予め水平配向処理した一対の基板が約10μmの
間隙を保って対向配置された液晶セルに封入し、各二色
性色素の吸収極大波長λmax及び二色性比を測定し
た。図3の測定結果から明らかな様に、チエノチアゾー
ル環を有するジスアゾ系の二色性色素は人間の視感度が
高い領域に吸収極大を有し、かつ二色性比が従来の色素
に比べ高い。なお、前述した構造式(2)で示されるベ
ンゾチアゾール環を有するトリスアゾ系の二色性色素に
ついてもR2,R3及びR4にジスアゾ系の二色性色素
と同様な基を導入することにより、長波長側に吸収極大
を有しかつ二色性比の高い材料が得られる。
【0015】図4は、混合型の黒色二色性色素の参考例
を表わしている。この混合型の黒色色素は黄色色素Aと
橙色色素Bと赤色色素Cと青色色素Dを4:4:7:2
0(重量比)の割合で混合したものである。
【0016】図5は色素A,B,C及びDの吸収スペク
トルを表わしている。この吸収スペクトルはギャップが
5μmの水平配向セルに色素A〜Dを各々1wt%の割
合で誘電異方性が正のネマティック液晶(メルク社製Z
LI−1840)に溶解したゲストホスト液晶を注入
し、偏光子を1枚挿入した偏光顕微鏡を用い、液晶セル
を回転させ、その吸収が最も大きい位置に固定し、吸収
スペクトルを測定した結果である。即ち、この吸収スペ
クトルは液晶の配向方向と偏光軸方向が平行の時の吸光
度AXを測定したものである。この位置からセルを90
度回転した時最も吸収が小さくなり、これを吸光度AZ
で表わす。二色性比はAX/AZで定義される。図5の
グラフに示す様に、黄色色素A、橙色色素B及び赤色色
素Cの吸光度は比較的高いが、青色色素Dは約半分であ
る。従って、従来の混合型黒色二色性色素の組成に占め
る色素Dの割合が多くなっている。仮に、この青色色素
Dの吸収係数がより大きければ、合計の色素添加量は少
くすることが可能になる。なお、これらの色素A〜Dの
液晶に対する相溶性は比較的よい。ここでは、図4に示
した組成を有する混合型の黒色色素を誘電異方性が負の
ネマティック液晶に3wt%の割合で溶解し、比較試料
としてGH液晶Iを調製した。このGH液晶Iは低温
(−30℃)で1000時間放置しても結晶の析出は見
られなかった。
【0017】図6は、本発明に係る混合型の黒色二色性
色素の具体的な組成を表わしている。本例は橙色色素E
と赤色色素Fと青紫色色素Gと青色色素Hを2:1:
4:1(重量比)の割合で混合したものである。本発明
に従って、チエノチアゾール環を有するジスアゾ系の青
色色素Hとベンゾチアゾール環を有するトリスアゾ系の
青紫色色素Gを用いている。青色又は青紫色の色素で二
色性比が高く吸収係数も高い材料を調べた結果、ベンゾ
チアゾール環やチエノチアゾール環を有するトリスアゾ
化合物Gやジスアゾ化合物Hが高い二色性比と吸収係数
を示すことが分かった。
【0018】図7は、図6に示した各色素の吸収スペク
トルを示している。グラフから明らかな様に、青紫色色
素G及び青色色素Hは人間の視感度が高い長波長領域側
で大きな吸光度を備えている。図6に示した組成を有す
る混合型の黒色二色性色素を2wt%の割合で誘電異方
性が負の液晶に溶解し、試料としてGH液晶IIを調製
した。以下の表1に色素D、色素G及び色素Hの吸収極
大波長λmax、二色性比、吸光度AXをまとめて示し
ておく。
【表1】
【0019】図8は、GH液晶I及びGH液晶IIを注
入した垂直配向テストセルの電圧印加時における光透過
率変化を示している。なお、このテストセルのギャップ
は5.5μmである。前述した様に、GH液晶Iは図4
に示した組成を有する混合型の黒色色素を誘電異方性が
負のネマティック液晶に3wt%溶解した材料である。
又、GH液晶IIは図6に示した組成を有する混合型の
黒色色素を同じく誘電異方性が負のネマティック液晶に
2wt%溶解した材料である。GH液晶IとGH液晶I
Iとでは、青色系色素の吸収係数が高い分、GH液晶I
Iに対する黒色色素の添加量がGH液晶Iに比べ低く抑
えることが可能である。図8のグラフに示す様に、電圧
印加前の白レベルを比較すると、GH液晶IIはGH液
晶Iより光透過率が高く、より白いことが分かる。一
方、4.5V及び10V電圧印加時の透過スペクトルを
見た場合、波長450〜650nmの範囲での透過率を
比較すると、GH液晶IIの方がGH液晶Iより低く、
黒レベルもGH液晶IIの方がよいことが分かる。但
し、650〜700nm及び400〜450nmの波長
範囲では逆転するが、この範囲内では視感度が低く実用
的には450〜650nmの波長範囲で比較するのが妥
当である。このように、GH液晶IIは色素添加量が2
wt%とGH液晶Iに比べ低いにも関わらず、白黒両レ
ベル共優れていることが分かった。
【0020】GH液晶Iを注入した垂直配向セルの二色
性比を図9に示す。又GH液晶IIを注入した垂直配向
セルの二色性比を図10のグラフに示す。電圧印加前
は、垂直配向なので吸光度AZは少い。10Vの電圧印
加時は水平配向に移行し吸光度はAXとなる。この場
合、二色性比をAX/AZで定義した。グラフから明ら
かな様に、吸収の大きい550〜600nmの範囲にお
ける二色性比は、GH液晶Iが約8.5であるのに対
し、GH液晶IIは10〜12である。この様に、ベン
ゾチアゾール環やチエノチアゾール環を有するトリスア
ゾ化合物やジスアゾ化合物を二色性色素として含むゲス
トホスト液晶は、二色性比及び吸収係数が高く少量の添
加で白黒レベルを十分に出せることが判明した。又、液
晶に対する相溶性や溶解性も高く、低温(−30℃)で
1000時間放置しても結晶の析出は見られなかった。
【0021】次に、図11を参照して、本発明に係るゲ
ストホスト液晶表示装置の具体的な構成例を説明する。
本例は反射型でありかつアクティブマトリクス方式を採
用しマイクロカラーフィルターを内蔵してフルカラー表
示を可能にしている。図示する様に、本表示装置は所定
の間隙(5μm)を介して互いに接合した上下一対の基
板101,102を用いて構成されている。上側基板1
01は入射側に位置しガラス等の透明基材からなる。一
方、下側基板102は反射側に位置し、必ずしも透明材
料を用いる必要はない。一対の基板101,102の間
隙にはゲストホスト液晶103が保持されている。この
ゲストホスト液晶103は負の誘電異方性を有するネマ
ティック液晶分子104を主体とし、かつ本発明に従っ
て調製された混合型の黒色二色性色素105を所定の割
合で含有している。上側の基板101の内表面にはマイ
クロカラーフィルター150と対向電極106と配向層
107が形成されている。対向電極106はITO等の
透明導電膜からなる。配向層107は例えばポリイミド
フィルムからなり、ゲストホスト液晶103を垂直配向
している。なお、本発明はこれに限られるものではな
く、ゲストホスト液晶を水平配向してもよい。本実施例
では電圧無印加状態でゲストホスト液晶103は垂直配
向し、電圧印加状態では水平配向に移行する。下側の基
板102には少くとも薄膜トランジスタ108からなる
スイッチング素子と反射層109と四分の一波長板層1
10と画素電極111とが形成されている。基本的な構
成として、画素電極111は薄膜トランジスタ108や
反射層109の上にパタニングされている。従って、画
素電極111と対向電極106との間でゲストホスト液
晶103に十分な電界を印加することが可能である。こ
の画素電極111は四分の一波長板層110に開口した
コンタクトホール112を介して薄膜トランジスタ10
8に電気接続している。
【0022】以下、個々の要素について具体的な説明を
加える。本実施例では、四分の一波長板層110は一軸
配向した高分子液晶膜で構成されている。この高分子液
晶膜を一軸配向する為下地配向層113が用いられてい
る。薄膜トランジスタ108及び反射層109の凹凸を
埋める為平坦化層114が介在しており、上述した下地
配向層113はこの平坦化層114の上に形成される。
そして、四分の一波長板層110もこの平坦化層114
の表面に成膜されている。この場合、画素電極111は
四分の一波長板層110及び平坦化層114を貫通して
設けたコンタクトホール112を介して薄膜トランジス
タ108に接続することになる。反射層109は個々の
画素電極111に対応して細分化されている。個々に細
分化された部分は対応する画素電極111と同電位に接
続されている。係る構成により、反射層109と画素電
極111との間に介在する四分の一波長板層110や平
坦化層114に不要な電界が加わることがない。
【0023】反射層109は図示する様に散乱性の反射
面を備えており、入射光の鏡面反射を防止して画質の改
善を図っている。画素電極111の表面を被覆する様に
配向層115が形成されており、ゲストホスト液晶10
3に接してその配向を制御している。本例では、この配
向層115は対向する配向層107と一緒になってゲス
トホスト液晶103を垂直配向している。最後に、薄膜
トランジスタ108はボトムゲート構造を有しており、
下から順にゲート電極116、ゲート絶縁膜117、半
導体薄膜118を重ねた積層構造を有している。半導体
薄膜118は例えば多結晶シリコンからなり、ゲート電
極116と整合するチャネル領域は上側からストッパ1
19により保護されている。係る構成を有するボトムゲ
ート型の薄膜トランジスタ108は層間絶縁膜120に
より被覆されている。層間絶縁膜120には一対のコン
タクトホールが開口しており、これらを介してソース電
極121及びドレイン電極122が薄膜トランジスタ1
08に電気接続している。これらの電極121及び12
2は例えばアルミニウムをパタニングしたものである。
ドレイン電極122は反射層109と同電位になってい
る。又、画素電極111は前述したコンタクトホール1
12を介してこのドレイン電極122と電気接続してい
る。一方、ソース電極121にはビデオ信号等の信号電
圧が供給される。画素電極111と対面する対向電極1
06側には各画素毎に分割化して異なる色に着色したマ
イクロカラーフィルター150が形成されている。係る
構成を有する反射型ゲストホスト液晶表示装置にビデオ
信号を入力して映像を表示した。鮮やかなフルカラーの
動画が表示されコントラストの高い画面が得られた。
【0024】以下、本発明の理解を容易にする為、二色
性色素につき更に詳細な説明を加える。ゲストホスト液
晶組成物は液晶をホスト物質とし、その中に二色性色素
をゲスト物質として溶解させたものである。このような
ゲストホスト液晶組成物を用いることにより、着色と非
着色の2つの状態を利用して表示を行うことができる。
この方式に基づく液晶表示はゲストホスト方式と呼ばれ
ている。ゲストホスト液晶表示に用いられる二色性色素
には、着色状態及び非着色状態の間で大きなコントラス
トを実現する為にホスト液晶中で配向秩序性が高いこ
と、用途に応じた色相を示すこと、光や熱あるいは空気
中の水分及び酸素に対して安定であること、ホスト液晶
に対して溶解性が高いこと、電圧保持率を低下させない
こと等の条件が要求される。更に、これらの条件に加
え、添加による粘度上昇が小さいことが要求される。即
ち、液晶表示装置の電圧印加時及び消去時における液晶
の応答速度は、それぞれ近似的に次の式で表わされる。
【数1】
【0025】上記式中、Ton及びToffはそれぞれ
電圧印加時の立ち上がり時間と電圧消去時の立ち下がり
時間を表わす。又ηは液晶の粘度、Kは弾性定数、Δε
は液晶の誘電異方性、dは液晶の厚み、Vは印加電圧を
表わす。上記式から明らかな様に、液晶素子の応答時間
はそれぞれ液晶組成物の粘度に比例する。即ち、液晶組
成物の粘度増大は応答速度の低下を招く。従って、動画
表示等応答速度の速い表示を実現する為には粘度の低い
液晶組成物が必須となる。ホストである液晶自体が低粘
度であることは勿論、ゲストである二色性色素による粘
度増大をできるだけ抑制することが必要である。この
為、二色性色素としては同量の添加でより大きな吸収が
得られる吸光係数の大きいかつ液晶に対する溶解度の大
きい材料が望ましい。
【0026】特に、長波長620nm以上の範囲では、
二色性比が10以上を示す色素は極めて少い。従来、長
波長領域に吸収を有する色素としてはアントラキノン系
の材料が使用されていた。アントラキノン系色素等公知
の二色性色素は吸光係数がそれ程大きくなく、明瞭な色
を表示する為には多めに添加する必要があった。前述の
様に、二色性色素の多量の添加は粘度増大や低温での二
色性色素の析出につながり、実使用上の制約を受けてい
た。又、アントラキノン系色素は溶解度も低い為十分な
表示濃度を得ることができないという問題があった。こ
の為、黒色表示としては色合いが赤っぽいものか、コン
トラストの十分取れないものであった。
【0027】この点に鑑み、本発明では、吸光係数が大
きく少量の添加により長波長領域においても十分なコン
トラストが取れ、粘度上昇を抑え、動画表示が可能な液
晶組成物を実現している。即ち、特定の分子構造を持つ
二色性色素と液晶を用いることで優れた性能を有するゲ
ストホスト液晶組成物が実現できた。具体的には、チエ
ノチアゾール環を有するジスアゾ系二色性色素をゲスト
として用いたゲストホスト液晶組成物を採用している。
合わせて、ベンゾチアゾール環を有するトリスアゾ系の
二色性色素も用いている。チエノチアゾール環を有する
ジスアゾ化合物は以下に示す一般式(1)で表わされ
る。
【化16】
【0028】このチエノチアゾール環を有するジスアゾ
化合物は、二色性比が高く、吸光係数が大きく、ネマテ
ィック液晶への溶解性が高いことを特徴とする。その為
少量の添加により粘度の増大を軽微に抑え、高いコント
ラストが得られる。一般式に含まれるA及びBはそれぞ
れ置換又は無置換のベンゼン環あるいはナフタレン環を
表わし、A及びBの内、少くとも一方が置換又は無置換
のナフタレン環である。この様な二色性色素の製造法は
例えば特開平1−1469605号公報に開示されてい
る。この様な吸光係数が大きく二色性比の大きいチエノ
チアゾール環を有するジスアゾ系二色性色素の添加量と
しては、一成分の量として0.05wt%から5.0w
t%程度が適当である。通常、ゲストホスト液晶表示装
置においてカラー表示を行う場合、二色性色素の役割は
吸光度の違いによる白黒のスイッチングであり、色の表
示はカラーフィルターを用いる。その為、ゲストホスト
液晶組成物としては黒を表示する必要があり、通常異な
る色の二色性色素を4種以上混ぜ合わせて黒色を合成す
る。その為黒を構成する一成分として加える場合、最低
0.05wt%の添加が必要である。又、一成分のみの
単色で用いる場合、5wt%以上の添加は溶解度におい
ても限界に近く、粘度の増大といった点からも好ましく
ない。最適な添加濃度としては0.2wt%〜4.0w
t%程度がよい。
【0029】本発明において使用する液晶としては、室
温においてネマティック相を示す材料が用いられる。こ
の中で誘電異方性が正のものをNp液晶と呼び、誘電異
方性が負を示すものをNn液晶と呼ぶ。本発明はNp液
晶及びNn液晶の何れを採用しても諸特性に大きな差は
出ないが、近年Nn液晶でγ特性上優れた立ち上がりを
示すものが出てきており、フッ化フェニルシクロヘキサ
ン系のNn液晶が特に良い特性を示す。この様なフッ化
フェニルシクロヘキサン系のNn液晶は例えば特開昭6
0−199840号公報に開示されており、これらが何
れも使用可能である。なお、参考の為、誘電異方性Δε
が−2〜−10の範囲にある液晶材料を図12に列挙し
ておく。これらの液晶材料はほとんどフッ素系のネマテ
ィック液晶であり、Δεが−2〜−10の範囲にある。
但し、他の重要な特性であるNI点や電圧保持特性につ
いてはばらつきが見られる。そこで、本発明では図12
に示したA〜Wの液晶材料から適宜選択しブレンドして
所望の液晶組成物を得ている。例えば、図12に示した
材料の内B,H,M,O,P,S,T等を適宜選択して
混合することにより、NI点が比較的高く電圧保持特性
に優れた液晶組成物を得ている。
【0030】図13に種々の構造を有する二色性色素を
サンプルとして挙げる。サンプル(1)〜(5)は比較
例であり、サンプル(6)及び(7)が実施例である。
(6)及び(7)の二色性色素は何れも分子に含まれる
発色団の構造がチエノチアゾール環を有するジスアゾ系
の色素である。一方比較例の化合物(1)及び(2)は
アントラキノン系であり、(3)〜(5)は通常のジス
アゾ系である。
【0031】以上に挙げた7種類のサンプルを用いてそ
れぞれゲストホスト液晶組成物を作成し、テスト用の液
晶セルに注入して、吸光係数、二色性比及び応答時間を
測定した。テストセルの構造を図14〜図16に示す。
図14は、テストセルに用いる基板の構造を表わしてい
る。ここでは、ガラス基板201の上にITO等からな
る電極202をパタニング形成し、その上をポリイミド
等からなる配向膜203で被覆している。図15に示す
様に、所定の間隙を介し一対のガラス基板201を上下
に対向して貼り合わせ、テストセルとしている。この中
に二色性色素204とホスト液晶205の混合物を封入
する。図16はこの様にして作成されたテストセルの断
面形状を模式的に表わしている。
【0032】以下の表2に吸光係数及び二色性比の測定
結果を示す。なお、吸光係数はAX=αcdの関係式か
ら求めた。ここで、AXは吸光度、αは吸光係数、cは
色素濃度、dは液晶層の厚みである。表2のデータは濃
度を重量%及び厚みをnmの単位にとって計算したもの
である。又、二色性比については垂直配向セルを用いて
AXとAZを測定し、AX/AZより算出した。又、表
3にTon及びToffの測定結果を示す。
【表2】
【表3】
【0033】まず、比較例1としてメルク社から販売さ
れている液晶中に図13の化合物(1)で示される公知
の二色性色素を溶解して調製した液晶組成物を、図15
及び図16に示した液晶セルに注入して、吸光係数、二
色性比及び応答時間を測定した。ここで使用したネマテ
ィック液晶はNn型のフッ化物系液晶である。色素の溶
解は1wt%として加熱攪拌して行った。結果は表2及
び表3に示した通りである。応答速度としては著しく問
題となる程悪くはないが、後述する実施例と比較して見
ると遅くなっていることが分かる。又、吸光係数及び二
色性比も比較的小さい。
【0034】比較例2について説明する。比較例1で用
いたものと同じホスト液晶に化合物(2)で表わされる
公知の二色性色素を溶解して調製した液晶化合物を比較
例1と同様にして吸光度及び応答速度を測定した。応答
速度は実施例と比較して見ると遅くなっている。又、吸
光度及び二色性比も小さいことが分かる。
【0035】比較例3では、比較例1で用いたものと同
じホスト液晶に化合物(3)で表わされる公知の二色性
色素を溶解して調製した液晶組成物を比較例1と同様に
して吸光度及び応答速度を測定した。応答速度は今回の
条件では著しく問題になることはないが、実施例と比較
して見ると遅くなっていることが分かる。又吸光度は良
くなり二色性比も良くなっているが実施例と比較すると
まだ小さい。
【0036】比較例4では、比較例1で用いたものと同
じホスト液晶に化合物(4)で表わされる公知の二色性
色素を溶解して調製した液晶組成物を比較例1と同様に
して吸光度及び応答速度を測定した。応答速度としては
今回の条件では著しく問題になることはないが実施例と
比較して見ると遅くなっていることが分かる。又吸光度
は良くなり二色性比も良くなっているが実施例と比較す
るとまだ小さい。
【0037】比較例5として、比較例1で用いたものと
同じホスト液晶に化合物(5)で表わされる公知の二色
性色素を溶解して調製した液晶組成物を比較例1と同様
にして吸光度及び応答速度を測定した。応答速度として
は今回の条件では著しく問題になることはないが実施例
と比較して見ると遅くなっていることが分かる。又吸光
度は良くなり二色性比も良くなっているが実施例と比較
するとまだ小さい。
【0038】実施例1として、比較例1で用いたものと
同じホスト液晶に化合物(6)で表わされる二色性色素
を溶解して調製した液晶組成物を比較例1と同様にして
吸光度及び応答速度を測定した。応答速度は動画表示に
十分適用できる速度であることが分かる。又吸光度はか
なり大きくなり二色性比も良くなっていることが分か
る。
【0039】実施例2として、比較例1で用いたものと
同じホスト液晶に化合物(7)で表わされる二色性色素
を溶解して調製した液晶組成物を比較例1と同様にして
吸光度及び応答速度を測定した。応答速度は動画表示に
十分適用できる速度であることが分かる。又吸光度はか
なり大きくなり二色性比も良くなっていることが分か
る。
【0040】本発明の好ましい態様では、二色性色素組
成物(即ち、混合型の黒色色素)は、以下の一般式
(1)で表わされるチエノチアゾール環を有するジスア
ゾ系の二色性色素及び一般式(2)で表わされるベンゾ
チアゾール環を有するトリスアゾ系の二色性色素を必須
の成分とし、加えて以下の一般式(3)、(4)及び
(5)で表わされる特定のアゾ系の二色性色素を一種類
以上含有している。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【0041】図17及び図18に、一般式(1)〜
(5)で表わされる二色性色素の具体例を挙げる。但
し、図17及び図18中、化合物(1)〜(5)は参考
として挙げたものであり、一般式(1)〜(5)に該当
しない。化合物(6)及び(7a)は一般式(1)に該
当し、化合物(8)及び(9)は一般式(2)に該当
し、化合物(10)は一般式(3)に該当し、化合物
(11)は一般式(4)に該当し、化合物(12)〜
(14)は一般式(5)に該当する。以上の対応関係を
以下の表4に示しておく。この表4では、併せて各化合
物の二色性比を挙げてある。
【表4】
【0042】表4に挙げた化合物(1)〜(14)を用
いて、以下の表5に示す比較例6〜9及び実施例3〜1
0を、先の比較例1〜5及び実施例1〜2と同様にして
作成した。表5は、各比較例6〜9及び実施例3〜10
毎に二色性色素の吸光度、配合及び組成をまとめてあ
る。比較例6〜9の吸光度を示す図19〜図22と、実
施例3〜10の吸光度を示す図23〜図30とを比較す
れば明らかな様に、実施例の方が全体的に見て視感度の
高い波長領域で吸光度が高くなっている。即ち、表5か
ら明らかな様に、一般式(1)及び(2)で表わされる
二色性色素を必須の成分とし、これに適宜一般式
(3)、(4)及び(5)で表わされる二色性色素を混
合することで、ゲストホスト液晶表示装置の画像品質を
改善できる。
【表5】
【0043】比較例6は一般式(1)〜一般式(5)で
表わされるアゾ系二色性色素以外のアゾ系二色性色素と
アントラキノン系の二色性色素(化合物(1)〜(5))
からなる色素を液晶に対して3重量%で溶かした液晶組
成物である。この液晶組成物の吸光度特性を図19に示
した。液晶はメルク社のNn液晶を用いた。
【0044】比較例7は一般式(3)で表わされる化合
物(10)および一般式(4)で表わされる化合物(1
1)の二色性色素をゲスト二色性色素全量の77重量
%、その他の二色性色素を23重量%で構成した二色性
色素を液晶に対して3重量%溶かした液晶組成物であ
る。この液晶組成物の吸光度特性を図20に示した。液
晶は比較例6と同じものを用いた。
【0045】比較例8は一般式(2)で表わされる化合
物(8)、一般式(3)で表わされる化合物(10)お
よび一般式(4)で表わされる化合物(11)の二色性
色素をゲスト二色性色素全量の85重量%、その他の二
色性色素を15重量%で構成した二色性色素を液晶に対
して3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成
物の吸光度特性を図21に示した。液晶は比較例6と同
じものを用いた。
【0046】比較例9は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(3)で表わされる化合物(10)お
よび一般式(4)で表わされる化合物(11)の二色性
色素をゲスト二色性色素全量の85重量%、その他の二
色性色素を15重量%で構成した二色性色素を液晶に対
して3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成
物の吸光度特性を図22に示した。液晶は比較例6と同
じものを用いた。
【0047】実施例3は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)およ
び一般式(3)で表わされる化合物(10)の二色性色
素をゲスト二色性色素全量の75重量%、その他の二色
性色素を25重量%で構成した二色性色素を液晶に対し
て3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成物
の吸光度特性を図23に示した。液晶は比較例6と同じ
ものを用いた。
【0048】実施例4は一般式(1)で表わされる化合
物(7a)、一般式(2)で表わされる化合物(8)お
よび一般式(3)で表わされる化合物(10)の二色性
色素をゲスト二色性色素全量の75重量%、その他の二
色性色素を25重量%で構成した二色性色素を液晶に対
して3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成
物の吸光度特性を図24に示した。液晶は比較例6と同
じものを用いた。
【0049】実施例5は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)およ
び一般式(4)で表わされる化合物(11)の二色性色
素をゲスト二色性色素全量の75重量%、その他の二色
性色素を25重量%で構成した二色性色素を液晶に対し
て3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成物
の吸光度特性を図25に示した。液晶は比較例6と同じ
ものを用いた。
【0050】実施例6は一般式(1)で表わされる化合
物(7a)、一般式(2)で表わされる化合物(9)お
よび一般式(5)で表わされる化合物(14)の二色性
色素をゲスト二色性色素全量の75重量%、その他の二
色性色素を25重量%で構成した二色性色素を液晶に対
して3重量%溶かした液晶組成物である。この液晶組成
物の吸光度特性を図26に示した。液晶は比較例6と同
じものを用いた。
【0051】実施例7は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)、一
般式(3)で表わされる化合物(10)および一般式
(5)で表わされる化合物(14)の二色性色素からな
るゲスト二色性色素を液晶に対して3重量%溶かした液
晶組成物である。この液晶組成物の吸光度特性を図27
に示した。液晶は比較例6と同じものを用いた。
【0052】実施例8は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)、一
般式(3)で表わされる化合物(10)、一般式(4)
で表わされる化合物(11)および一般式(5)で表わ
される化合物(12)の二色性色素からなるゲスト二色
性色素を液晶に対して3重量%溶かした液晶組成物であ
る。この液晶組成物の吸光度特性を図28に示した。液
晶は比較例6と同じものを用いた。
【0053】実施例9は一般式(1)で表わされる化合
物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)、一
般式(3)で表わされる化合物(10)、一般式(4)
で表わされる化合物(11)および一般式(5)で表わ
される化合物(13)の二色性色素からなるゲスト二色
性色素を液晶に対して3重量%溶かした液晶組成物であ
る。この液晶組成物の吸光度特性を図29に示した。液
晶は比較例6と同じものを用いた。
【0054】実施例10は一般式(1)で表わされる化
合物(6)、一般式(2)で表わされる化合物(8)、
一般式(3)で表わされる化合物(10)、一般式
(4)で表わされる化合物(11)および一般式(5)
で表わされる化合物(14)の二色性色素からなるゲス
ト二色性色素を液晶に対して3重量%溶かした液晶組成
物である。この液晶組成物の吸光度特性を図30に示し
た。液晶は比較例6と同じものを用いた。
【0055】以上の実施形態では、種として青色系の二
色性色素に着目して説明を行なってきた。全体として黒
色を呈する二色性色素混合物を調製する為には、青色系
の色素に加えて赤色系の色素を添加する必要がある。以
下の実施形態では、青色系色素と赤色系色素を含めた関
係で複合型黒色色素の詳細な説明を行なう。結論とし
て、以下の実施形態に係る二色性色素は次の構造式
(1)で表わされるチエノチアゾール環を有するジスア
ゾ系の青色色素、構造式(2)で表わされるベンゾチア
ゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素及び構造式
(3)で表わされるチエノチアゾール環を有するジスア
ゾ系の赤紫色色素の内少くとも二種類を含む混合物から
なり、ゲストホスト液晶に添加された時全体として黒色
を呈する様に配合されている。好ましくは、本二色性色
素はジスアゾ系の青色色素、トリスアゾ系の青紫色色素
及びジスアゾ系の赤紫色色素の三種類を全て含み、さら
に追加の色素を配合した混合物からなり、全体として黒
色を呈する。本実施形態で用いられる青紫色色素、青色
色素及び赤紫色色素は、高い二色性比を有し、且つ極め
て高い吸収係数を有する為にホスト液晶に対する添加量
が少くて済み、これらの色素をベースに調合した黒色色
素を用いると極めて高いコントラストを有する反射型の
ゲストホスト液晶表示装置が得られる。青紫色色素及び
青色色素は既に先の実施形態で説明したものであるが、
ここで追加した赤紫色色素は従来の赤系色素に比べて液
晶に対する溶解度が高い点で優れている。
【化22】
【0056】構造式(1)で表わされるチエノチアゾー
ル環を有するジスアゾ系の青色色素の具体例を改めて図
31に挙げておく。図31は構造式(1)で表わされる
二色性色素の化学構造を示すとともに、最大吸収波長
(λmax)と二色性比の値を挙げてある。ここでは、
各二色性色素をBDH社製E−7からなるネマティック
液晶に1.0wt%の割合で溶解し、この液晶をあらか
じめ水平配向処理した一対の基板の間隙に封入し、偏光
板を備えた瞬間マルチ測光検出器により吸収極大波長と
二色性比を測定した。なお、一対の基板の間隙寸法は約
10μmである。二色性比は色素の分子軸に平行な直線
偏光を入射した時の吸収と、垂直な直線偏光を入射した
時の吸収との比で表わされる。又、図32に、構造式
(2)で表わされるベンゾチアゾール環を有するトリス
アゾ系の青紫色色素の具体例を示す。さらに、図33
に、構造式(3)で表わされるチエノチアゾール環を有
するジスアゾ系の赤紫色色素の具体例を示す。
【0057】以下、図34〜図36に挙げた種々の二色
性色素A〜Kを適宜調合してサンプルを作成し、評価を
行なった。二色性色素A〜Kの内、構造式(1)に対応
する色素はHであり、構造式(2)に対応する色素はG
であり、構造式(3)に対応する色素はF及びIであ
る。その他の色素A,B,C,D,E,J,Kは何れも
構造式(1),(2),(3)に該当しない。
【0058】まず、色素A,B,C及びDを調合して比
較例を作成した。図37に色素A,B,C及びDの吸収
スペクトルを示す。この吸収スペクトルはギャップが5
μmの垂直配向セルに色素を各々1wt%の割合で誘電
異方性が負のネマティック液晶に溶解したゲストホスト
液晶を注入し、偏光板を1枚挿入した偏光顕微鏡を用
い、液晶セルに4.5V、60Hzの交流電圧を印加し
てオン/オフした時の吸収スペクトルである。
【0059】各色素をA:B:C:D=4:4:7:2
0の割合で混合し、誘電異方性が負のネマティック液晶
(メルク社製)に3wt%となる様に溶解して、比較例
サンプルを作成した。この液晶組成物を、透明電極と垂
直配向膜が形成された基板2枚を5μmの間隙で平行に
重ね合わせた液晶セルに封入した。このテスト用の液晶
セルは図14〜図16に示されている。このセルの光学
的特性を瞬間マルチ測光検出器にて測定した。液晶セル
には60Hzの交流矩形波電圧が印加できる様に設定し
た。透過モードで色素の分子配向軸に平行な直線偏光を
セルに入射した時の印加電圧と直線偏光の透過率との関
係を図38に示す。この液晶を用いた場合、2V付近か
ら立ち上がり、10Vでほぼ飽和することが分かる。
【0060】透過率の変化が90%となる電圧が4.2
Vであることから、4.5Vを一つの基準値として評価
を行なった。図39に4.5Vと0V印加時の吸収スペ
クトルを示す。さらに、4.5Vと0Vのスペクトルの
比をコントラスト比として図40に示し、コントラスト
の評価基準とした。即ち、4.5V印加時の吸光度をA
on、0V印加時の吸光度をAoffとすると、Aon
/Aoffをコントラスト比としてグラフ化したものが
図40である。
【0061】この比較例では、図37に示す様に青色色
素Dは他の色素A,B,Cよりも吸光度が低い。黒色を
表示する際に赤みを少くする為、650nm以上の波長
の透過を少くし、視感度の高い600nm付近の吸収を
大きくする必要があり、この関係で青色色素Dの組成比
率が多くなっていた。この青色色素Dは他の色の色素
A,B,Cに比べ二色性比がやや劣る為、全体として黒
色に調合しようとすると青色色素の分量が占める割合が
多かった。
【0062】実施例1では、色素D,E,F,G及びH
を混合して黒色の二色性色素を調製した。これらの色素
をD:E:F:G:H=2:1:1:1:1の割合で混
合し、誘電異方性が負のネマティック液晶(メルク社
製)に3wt%となる様に溶解した。この液晶組成物を
比較例と同様に垂直配向膜が形成された液晶セルに封入
した。各色素の吸収スペクトルを図41に示す。又、こ
のセルの光学的特性を比較例と同様に、瞬間マルチ測光
検出器を用いて測定した。図42に、4.5Vと0V印
加時の吸収スペクトルを示す。さらに、4.5Vと0V
におけるスペクトルの比をコントラスト比として図43
に示す。前述した様に、本実施例では黄色色素E、赤色
色素F、青色色素H、青紫色色素G及び青色色素Dを各
々重量比で1:1:1:1:2の割合で混合したもので
ある。吸光係数が大きく二色性比の大きなチエノチアゾ
ール環を有するジスアゾ系の青色色素Hとベンゾチアゾ
ール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素Gを使用して
いる。さらに、チエノチアゾール環を有するジスアゾ系
の赤色色素Fも使用している。これらの色素は図41か
ら明らかな様に比較的大きな吸光度を示し、且つ図31
〜図33にも挙げた様に高い二色性比を持っている。こ
の為色素Dについては比較例よりも少い添加量で黒色を
作り出すことが可能である。図42に示す様に本実施例
の吸光度は比較例の吸光度よりも大きい。仮に、吸光度
レベルを同程度まで下げた場合、全体の濃度も薄めるこ
とができる為、低温での色素の析出に対する信頼性も向
上する。より大きな効果としては、図40及び図43で
明らかな様に、比較例では約5〜6であったコントラス
ト比が、本実施例では6〜8となっていることが挙げら
れる。これは、印加電圧を大きくするとさらに大きなコ
ントラスト比を示す。
【0063】実施例2では、色素K,J,H,I,Gを
混合して黒色の二色性色素を調製した。図44に各色素
の吸収スペクトルを示す。これらの色素をK:J:H:
I:G=6:9:5:5:5の割合で混合し、誘電異方
性が負のネマティック液晶(メルク社製)に3wt%と
なる様に溶解した。この液晶組成物を比較例と同様に垂
直配向膜が形成された液晶セルに封入した。このセルの
光学的特性を比較例と同様に瞬間マルチ測光検出器を用
いて測定した。図45に4.5Vと0V印加時の吸収ス
ペクトルを示す。又、4.5Vと0V印加時におけるス
ペクトルの比をコントラスト比として図46に示す。本
実施例では、吸光係数が大きく二色性比の大きなチエノ
チアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素Hとチエノ
チアゾール環を有するジスアゾ系の赤紫色色素Iを使用
している。これらの色素は図44から明らかな様に大き
な吸光度を示し、図31〜図33にも挙げた様に高い二
色性比を持っている。その為比較例に比べると少い添加
量で黒色の混合色素を作り出すことができる。図45に
示す様に、本実施例の吸光度は比較例の吸光度よりも大
きく、仮に吸光度レベルを同程度まで下げた場合、全体
の濃度も薄めることができる為低温での色素の析出に対
する信頼性も向上する。より大きな効果としては図46
に示す様に、比較例で約5〜6であったコントラスト比
が本実施例では6〜8となっていることである。これは
印加電圧を大きくするとさらに大きなコントラスト比を
示す。
【0064】実施例3では、二色性色素をD:G:I:
J:K=20:5:3:10:3の割合で混合し、誘電
異方性が負のネマティック液晶(メルク社製)に3wt
%となる様に溶解した。この液晶組成物を比較例と同様
に垂直配向膜が形成された液晶セルに封入した。このセ
ルの光学的特性を比較例と同様に瞬間マルチ測光検出器
を用いて測定した。図47に4.5Vと0V印加時の吸
収スペクトルを示す。又、図48に4.5Vと0V印加
時におけるスペクトルの比をコントラスト比として示
す。本実施例では、吸光係数が大きく二色性比の大きな
ベンゾチアゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素
Gとチエノチアゾール環を有するジスアゾ系の赤紫色色
素Iを使用している。本実施例でもコントラスト比が6
〜7である。
【0065】最後に実施例4では、二色性色素をA:
D:E:G:H:I:J:K=4:10:2:2:2:
14:7の割合で混合し、誘電異方性が負のネマティッ
ク液晶(メルク社製)に3wt%となる様に溶解した。
この液晶組成物を、比較例と同様に垂直配向膜が施され
た液晶セルに封入した。このセルの光学的特性を比較例
と同様に瞬間マルチ測光検出器を用いて測定した。図4
9に4.5Vと0V印加時の吸収スペクトルを示す。
又、図50に4.5Vと0V印加時のスペクトルの比を
コントラスト比として示す。本実施例では、吸光係数が
大きく二色性比の大きなチエノチアゾール環を有するジ
スアゾ系の青色色素Hとベンゾチアゾール環を有するト
リスアゾ系の青紫色色素Gとチエノチアゾール環を有す
るジスアゾ系の赤紫色色素Iを使用している。本実施例
でもコントラスト比が6〜8を達成することができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明で用いられ
る青紫色色素及び青色色素さらには赤紫色色素は、高い
二色性比を有し、かつ極めて高い吸収係数を有する為に
ホスト液晶に対する添加量が少くて済み、これらの色素
をベースに調合した黒色色素を用いると極めて高いコン
トラストを有する反射型のゲストホスト液晶表示装置が
得られる。本発明のゲストホスト液晶組成物は高い二色
性比を示すので、高コントラストの表示ができる。特
に、反射型のゲストホスト液晶表示装置に用いた場合、
これまで従来の色素では実現できなかった高いコントラ
ストの表示が可能になり、カラーフィルターを使ったフ
ルカラー化が実現できる。又、粘度増大等による応答速
度低下を招かない為、応答速度の速いネマティック液晶
との混合物を用いることで動画対応の反射型ゲストホス
ト液晶表示装置を実現できる。この様な、フルカラーで
動画表示できる反射型のゲストホスト液晶表示装置は従
来に例がなく、次世代の携帯用個人情報端末等のディス
プレイとして応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゲストホスト液晶表示装置の基本
的な構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係るゲストホスト液晶表示装置の動作
説明に供する模式図である。
【図3】本発明に係るゲストホスト液晶表示装置に用い
る二色性色素の化学構造式を示す模式図である。
【図4】参考例となる二色性色素の組成例を示す模式図
である。
【図5】図4に示した二色性色素の吸収スペクトルを示
すグラフである。
【図6】本発明に係る二色性色素の組成例を示す模式図
である。
【図7】図6に示した二色性色素の吸収スペクトルを示
すグラフである。
【図8】ゲストホスト液晶表示装置の光透過率を示すグ
ラフである。
【図9】図4に示した二色性色素を用いたゲストホスト
液晶表示装置の二色性比を示すグラフである。
【図10】図6に示した二色性色素を用いたゲストホス
ト液晶表示装置の二色性比を示すグラフである。
【図11】本発明に係るゲストホスト液晶表示装置の具
体的な構成例を示す模式的な部分断面図である。
【図12】本発明に係るゲストホスト液晶表示装置に採
用可能なネマティック液晶材料を列挙した模式図であ
る。
【図13】種々の二色性色素の分子構造を示す模式図で
ある。
【図14】テストセルの作成に用いる基板を示す斜視図
である。
【図15】テストセルの模式的な斜視図である。
【図16】テストセルの模式的な部分断面図である。
【図17】種々の二色性色素の分子構造を示す模式図で
ある。
【図18】種々の二色性色素の分子構造を示す模式図で
ある。
【図19】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図20】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図21】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図22】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図23】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図24】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図25】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図26】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図27】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図28】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図29】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図30】二色性色素組成物の吸収スペクトルを示すグ
ラフである。
【図31】本発明に用いられる二色性色素の化学構造式
を示す表図である。
【図32】二色性色素の化学構造式を示す表図である。
【図33】二色性色素の化学構造式を示す表図である。
【図34】本発明の実施例に用いる二色性色素を示す化
学構造図である。
【図35】実施例に用いる二色性色素の化学構造図であ
る。
【図36】実施例に用いる二色性色素の化学構造図であ
る。
【図37】実施例に用いる二色性色素の吸光スペクトル
図である。
【図38】本発明の実施例として作成された液晶パネル
の駆動電圧/透過率特性を示すグラフである。
【図39】実施例として作成された液晶セルの吸収スペ
クトル図である。
【図40】実施例として作成された液晶セルのコントラ
スト比を示すグラフである。
【図41】色素の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図42】液晶セルの吸光度を示すグラフである。
【図43】液晶セルのコントラスト比を示すグラフであ
る。
【図44】二色性色素の吸収スペクトルを示すグラフで
ある。
【図45】液晶セルの吸光度を示すグラフである。
【図46】液晶セルのコントラスト比を示すグラフであ
る。
【図47】液晶セルの吸光度を示すグラフである。
【図48】液晶セルのコントラスト比を示すグラフであ
る。
【図49】液晶セルの吸光度を示すグラフである。
【図50】液晶セルのコントラスト比を示すグラフであ
る。
【符号の説明】 1・・・基板、2・・・基板、3・・・二色性色素、4
・・・ゲストホスト液晶、5・・・対向電極、6・・・
反射電極、7・・・ネマティック液晶分子、8・・・四
分の一波長板層

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隙を介して互いに接合した一対
    の基板と、全体として黒色を呈する混合型の二色性色素
    を含有し該間隙に保持されたゲストホスト液晶と、各基
    板に形成され該ゲストホスト液晶に電圧を印加する電極
    とを備えたゲストホスト液晶表示装置であって、 前記二色性色素は少くとも以下の構造式(1)で表わさ
    れるチエノチアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素
    及び構造式(2)で表わされるベンゾチアゾール環を有
    するトリスアゾ系の青紫色色素を含む混合物からなり、
    該ゲストホスト液晶に添加された時全体として黒色を呈
    するように配合されていることを特徴とするゲストホス
    ト液晶表示装置。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記二色性色素は1.0重量%〜5.0
    重量%の割合でゲストホスト液晶に添加されていること
    を特徴とする請求項1記載のゲストホスト液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ゲストホスト液晶は誘電異方性が負
    のネマティック液晶を主体とし、上下の基板に対して垂
    直に配向していることを特徴とする請求項1記載のゲス
    トホスト液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記ネマティック液晶はフッ化フェニル
    シクロヘキサン系化合物を含むこことを特徴とする請求
    項3記載のゲストホスト液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 一方の基板は透明で入射側に位置し、他
    方の基板は反射側に位置すると共に下から順に反射層及
    び四分の一波長板層が形成されていることを特徴とする
    請求項1記載のゲストホスト液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 二色性色素をゲスト物質としてホスト液
    晶中に溶解させたゲストホスト液晶組成物であって、前
    記二色性色素は分子に含まれる発色団の構造がチエノチ
    アゾール環を有するジスアゾ系の色素及びベンゾチアゾ
    ール環を有するトリスアゾ系の色素を含むことを特徴と
    するゲストホスト液晶組成物。
  7. 【請求項7】 前記ホスト液晶は誘電異方性が負のネマ
    ティック液晶を主体とすることを特徴とする請求項6記
    載のゲストホスト液晶組成物。
  8. 【請求項8】 前記ネマティック液晶は室温でネマティ
    ック相を示すフッ化フェニルシクロヘキサン系化合物を
    含むことを特徴とする請求項7記載のゲストホスト液晶
    組成物。
  9. 【請求項9】 所定の間隙を介して互いに接合した一対
    の基板と、全体として黒色を呈する混合型の二色性色素
    を含有し該間隙に保持されたゲストホスト液晶と、各基
    板に形成され該ゲストホスト液晶に電圧を印加する電極
    とを備えたゲストホスト液晶表示装置であって、 前記二色性色素は以下の一般式(1)で表わされる色素
    及び一般式(2)で表わされる色素を必須の成分とし、
    さらに以下の一般式(3)、(4)及び(5)で表わさ
    れる色素を一種類以上含む混合物からなり、該ゲストホ
    スト液晶に添加された時全体として黒色を呈するように
    配合されていることを特徴とするゲストホスト液晶表示
    装置。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  10. 【請求項10】 前記二色性色素は1.0重量%〜5.
    0重量%の割合でゲストホスト液晶に添加されているこ
    とを特徴とする請求項9記載のゲストホスト液晶表示装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ゲストホスト液晶は誘電異方性が
    負のネマティック液晶を主体とし、上下の基板に対して
    垂直に配向していることを特徴とする請求項9記載のゲ
    ストホスト液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 前記ネマティック液晶はフッ化フェニ
    ルシクロヘキサン系化合物を含むことを特徴とする請求
    項11記載のゲストホスト液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 一方の基板は透明で入射側に位置し、
    他方の基板は反対側に位置すると共に下から順に反射層
    及び四分の一波長板層が形成されていることを特徴とす
    る請求項9記載のゲストホスト液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の基板と、全体として黒色を呈する混合型の二色性色
    素を含有し該間隙に保持されたゲストホスト液晶と、各
    基板に形成され該ゲストホスト液晶に電圧を印加する電
    極とを備えたゲストホスト液晶表示装置であって、 前記二色性色素は以下の構造式(1)で表わされるチエ
    ノチアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素、構造式
    (2)で表わされるベンゾチアゾール環を有するトリス
    アゾ系の青紫色色素及び構造式(3)で表わされるチエ
    ノチアゾール環を有するジスアゾ系の赤紫色色素のうち
    少くとも二種を含む混合物からなり、該ゲストホスト液
    晶に添加された時全体として黒色を呈するように配合さ
    れていることを特徴とするゲストホスト液晶表示装置。 【化7】
  15. 【請求項15】 前記二色性色素は該ジスアゾ系の青色
    色素、トリスアゾ系の青紫色色素及びジスアゾ系の赤紫
    色色素の三種類を全て含み、さらに追加の色素を配合し
    た混合物からなり全体として黒色を呈することを特徴と
    する請求項14記載のゲストホスト液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 前記二色性色素は1.0重量%〜5.
    0重量%の割合でゲストホスト液晶に添加されているこ
    とを特徴とする請求項14記載のゲストホスト液晶表示
    装置。
  17. 【請求項17】 前記ゲストホスト液晶は誘電異方性が
    負のネマティック液晶を主体とし、上下の基板に対して
    垂直に配向していることを特徴とする請求項14記載の
    ゲストホスト液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 前記ネマティック液晶はフッ化フェニ
    ルシクロヘキサン系化合物を含むこことを特徴とする請
    求項17記載のゲストホスト液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 一方の基板は透明で入射側に位置し、
    他方の基板は反射側に位置すると共に下から順に反射層
    及び四分の一波長板層が形成されていることを特徴とす
    る請求項14記載のゲストホスト液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 二色性色素をゲスト物質としてホスト
    液晶中に溶解させたゲストホスト液晶組成物であって、
    前記二色性色素は分子に含まれる発色団の構造がチエノ
    チアゾール環を有するジスアゾ系の青色色素、ベンゾチ
    アゾール環を有するトリスアゾ系の青紫色色素及びチエ
    ノチアゾール環を有するジスアゾ系の赤紫色色素の内少
    くとも二種を含むことを特徴とするゲストホスト液晶組
    成物。
  21. 【請求項21】 該ジスアゾ系の青色色素、トリスアゾ
    系の青紫色色素及びジスアゾ系の赤紫色色素を全て含む
    ことを特徴とする請求項20記載のゲストホスト液晶組
    成物。
  22. 【請求項22】 前記ホスト液晶は誘電異方性が負のネ
    マティック液晶を主体とすることを特徴とする請求項2
    0記載のゲストホスト液晶組成物。
  23. 【請求項23】 前記ネマティック液晶は室温でネマテ
    ィック相を示すフッ化フェニルシクロヘキサン系化合物
    を含むことを特徴とする請求項22記載のゲストホスト
    液晶組成物。
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