JP5727564B2 - 荷電粒子レンズ系における収差を調査及び補正する方法 - Google Patents

荷電粒子レンズ系における収差を調査及び補正する方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子レンズ系における収差を調査する方法に関する。当該荷電粒子レンズ系は、物体面を含む物体空間及び像面を含む像空間を有する。前記物体面上に位置する物体は、当該荷電粒子レンズ系によって前記像面上で結像されうる。当該荷電粒子レンズ系はさらに入射瞳を有する。
本発明はまた荷電粒子顕微鏡にも関する。当該荷電粒子顕微鏡は、
− 荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源
− 試料を保持及び位置設定する試料ホルダ
− 前記試料の少なくとも一部を像面上で結像する荷電粒子レンズ系
− 前記像面で前記試料の像を検出する検出器
を有する。
簡明さと一貫性を保証するため、本願において用いられている以下の語句は、次のように解されなければならない。
− 「荷電粒子」という語は、電子又はイオンを指称する(一般的には、たとえばガリウムイオン又はヘリウムイオンのような正のイオンだが、負イオンも可能である。問題のイオンは電荷を有する原子又は分子であって良い)。この語はまたたとえば陽子をも指称して良い。
− 「荷電粒子レンズ系」という語は、荷電粒子ビームを操作することで、その荷電粒子ビームをある程度集束若しくは偏向させ、たとえば、かつ/又はその荷電粒子ビーム内の収差を緩和するのに用いることのできる1つ以上の静電レンズ及び/又は磁気レンズからなる系を指称する。(様々な種類の)従来のレンズ素子に加えて、荷電粒子レンズ系(粒子光学鏡筒)はまた、偏向器、非点収差補正装置、多極子、開口(瞳)板等の素子をも有して良い。
− 「荷電粒子顕微鏡(CPM)」という語は、一般に裸眼で満足できるように詳細を見るには小さすぎる対象物、特徴部位、又は部材の拡大像を生成するのに用いられる装置を指称する。撮像機能を有することに加えて、係る装置はまた、加工機能をも有して良い。たとえば係る装置は、試料から材料を除去すること(「ミリング」又は「アブレーション」)により、又は前記試料に材料を加えること(「堆積」)により、前記試料を局所的に改質するのに用いられて良い。前記撮像機能及び加工機能は、同一種類の荷電粒子によって供されても良いし、又は、異なる種類の荷電粒子によって供されても良い。たとえば集束イオンビーム(FIB)顕微鏡は、加工目的で(集束された)イオンビームを用い、かつ撮像目的で電子ビームを用いる(所謂「デュアルビーム」顕微鏡たとえばFIB-SEM)。あるいはFIB顕微鏡は、相対的に高いエネルギーのイオンビームによって加工を行い、かつ、相対的に低いエネルギーのイオンビームによって撮像を行って良い。
− 「試料ホルダ」という語は、上に試料載置して所定の位置に保持することが可能な任意の種類のテーブル、載せ台、アーム等を指称する。一般的には当該試料ホルダは、ステージ集合体に含まれる。前記ステージ集合体によって、当該試料ホルダは、たとえば電気アクチュエータによって、複数の自由度で正確に位置設定されうる。
そのような基本概念は当業者にはよく知られている。
以降では、例示として、電子顕微鏡の特定の状況で本発明を説明する。しかしそのような単純化は、単に簡明を期すため/例示目的を意図したものでしかなく、限定と解されてはならない。
電子顕微鏡は、ミクロな対象物を撮像する周知の技術である。電子顕微鏡の基本概念は、たとえば透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、及び走査型透過電子顕微鏡(STEM)のような多数の種類の周知装置、並びに、たとえば「デュアルビーム」装置(さらに「加工用」イオンビームを用いることで、たとえばイオンビームミリング又はイオンビーム誘起堆積の支援を可能にする)様々な改良装置に進化してきた。従来の電子顕微鏡では、撮像ビームは、所与の撮像期間中での所定時間「オン」状態である。しかし、比較的短い電子の「フラッシュ」又は「バースト」に基づいて撮像する電子顕微鏡もまた利用可能である。そのような方法は、たとえば動く試料又は放射感受性を有する試料の撮像を試みるときに利点となる可能性を秘めている。
たとえばTEMのようなCPMは一般的に、複数のレンズからなる系を利用して、物体面を像面上で結像する。この系は従来、「投影系」(投影鏡筒、投影レンズ系)と呼ばれてきた。この投影系では、各連続するレンズは、前のレンズからの像を拡大して、最大で1000倍のオーダーの累積的な倍率を与えることができる。係る投影系の(物体端部での)第1レンズは従来、「対物レンズ」と呼ばれてきた。CPMを用いて試料を撮像するとき、得られた像の性質はとりわけ、用いられた投影系での収差の存在/大きさ/性質と、特に対物レンズでの収差による影響を受ける。対物レンズでの収差の影響は支配的になりがちである。その理由は、対物レンズでの収差は、投影系を構成するすべての連続するレンズによって拡大されるためである。係る収差の周知例には、球面収差、非点収差、及びコマ収差が含まれる。しかしより「奇妙な」収差もまた存在する。そのような収差とはたとえば、所謂3回非点収差や5回非点収差である。よって現在のTEM(CPM)は、投影系中(又は付近)で収差補正装置を用いる。前記収差補正装置は、(たとえば)対物レンズ(及び/又は他のレンズ素子)での顕著な収差を補償するために複数のレンズ及び多極子を有して良い。
最適に調整された補正量が得られるようにレンズ収差の存在を検出及び定量化できることは重要である。たとえば荷電粒子レンズでの非点収差の方向と大きさを知ることで、前記非点収差がかなりの程度打ち消されるように非点収差補正装置を励起させ、撮像結果を改善することが可能となる。非点収差補正装置の利用に加えて、レンズの収差はたとえば、光学素子−たとえば(一連の)適切な静電又は磁気多極子−用いることによっても緩和されうる。
「技術分野」で述べた方法を実行するための一の知られた方法は、レンズ系の物体面内にアモルファス試料(又は少なくとも試料のアモルファス領域)を設置すること、及び、荷電粒子ビームに前記アモルファス試料を通過させることを含む。ビーム路中での試料材料がアモルファスであるため、ビームは、散乱されて「扇状に広がる(ファニング)」ことで、レンズ系の入射瞳を実質的に占めるような広い錐体となる。その結果得られる像面での強度分布が検出され、そのフーリエ変換(FT)が計算される(上述の広い錐体の幾何学形状は、レンズ系におけるすべての空間周波数が十分にサンプリングされることを保証する役割を果たしている)。散乱ビーム成分と非散乱ビーム成分とのある特定の干渉過程によって、結果として得られた像中でのある空間周波数が消滅する。これらの消滅した(変換されない)空間周波数は、FTにおける暗い楕円として現れる。これは従来、「Thonリング」と呼ばれている。これらのThonリングの位置/形状を解析することで、対称な収差(たとえばデフォーカス、2回非点収差、球面収差等)の定量的な値を得ることができる。しかし非対称な収差(たとえばコマ収差、3回非点収差等)はThonリングの位置に影響を及ぼさず、係る収差は、荷電粒子ビームの様々な錐体角/ファニング角で取得された複数の像のFTを一まとめにしたものからしか測定できない。この既知方法に関するさらなる情報については、たとえば非特許文献1を参照して欲しい。
この既知の方法は、ある課題を抱えている。それはたとえば以下のようなものである。
− この既知の方法では、アモルファス試料(又は試料にアモルファス領域)が存在することが必要となる。これは、試料の搬送及び位置設定に時間を要するので、処理を遅らせがちである。
− この既知の方法は数学的に複雑である。計算されたFTの解析とThonリングの位置の定量化は大抵、特に像がノイズを含むときには、非常に難しいことがわかる。
− この既知の方法は、荷電粒子ビームとレンズ系が正確に位置合わせされているか、それに近い状態である場合でしか機能しない。この既知の方法は、位置がずれている場合には全く機能しない。より詳細には、この既知の方法は、Thonリングが生成されないほどに位置がずれている場合には機能しない。これは、たとえば大きなビームの傾斜、大きく軸を外れたビーム、大きなデフォーカス、ある一部の大きな収差(たとえばコマ収差又は非点収差)等が存在するときに起こりうる。
− 奇対称の収差(たとえばコマ収差)は、この既知の方法で得られる1つの像から得ることができず、(上述した)時間のかかる複数の結像処理を必要とする。
従ってこの既知の方法の有用性は限られてしまう。
F.Zemlin, K. Weiss, P. Schiske, W. Kunath and K-.H. Herrmann, "Coma-freealignment of electron microscopes with the aid of optical diffractograms",Ultramicroscopy誌、第3巻、1978年、pp.49-60
本発明の目的はこれらの問題を解決することである。より具体的には、本発明の目的は、「技術分野」で述べた方法であって、物体面での試料の存在を必要としない方法を提供することである。それに加えて、本発明の目的は、レンズ系と該レンズ系を通過する荷電粒子ビームとの間での位置合わせ(のずれ)の程度に対して影響を相対的に受けない方法を提供することである。具体的には、本発明の目的は、広範囲にわたるレンズ収差(コマ収差及び他の非対称な収差を含む)を満足行くように調査できる新規な方法を提供することである。それに加えて本発明の目的は、たとえば所定の最適条件からずれたレンズ系を(定期的に)補正するように、(手動又は自動(たとえばフィードバック制御)で)収差を補正するのに役立つ方法を提供することである。
上記及び他の課題は、「技術分野」に記載された方法であって以下の段階を有することを特徴とする方法によって実現される。
− 前記物体面上で一定の中心点を選ぶ段階
− 前記中心点、入射瞳、及びレンズ系を通り抜けて前記像面に衝突するように、前記入射瞳の面積よりも小さな断面積を有する荷電粒子ビームを導く段階
− 前記像の形状記録する段階
− 前記レンズ系の様々な焦点設定で前記中心点を選ぶ段階、荷電粒子ビームを導く段階、及び像の形状記録する段階を繰り返すことで、様々な焦点設定で記録された像の形状の組を取得する段階
− 前記像の形状の組を解析することで前記像の形状の組からレンズ収差を得る段階
ここで用いられている語句について、以下のことに留意して欲しい。
− 前記中心点とは、前記荷電粒子ビームが通り抜けて、前記入射瞳での図形を描くように「処理される」抽象的な点である。実際には、中心点とは、物体面と入射瞳との間の空間内で前記ビームによって描かれる錐体(様の)体積の頂点である。前記中心点は、前記の記録された像の組の取得中にのみ固定される。一旦前記記録された像の組が取得されると、必要に応じて、新たな測定のための新たな中心点が選ばれて良い、
− 前記荷電粒子ビームの断面積は相対的に小さい。その理由は、前記ビームは集束されるからである。あるいはその代わりに又はそれに加えて、断面積を小さくしてコリメートされたビームが用いられても良い。
− 前記像の形状記録は、様々な方法で実行されて良い。たとえば少なくとも1つの電子検出器(たとえばCMOS又はCCD検出器)が用いられて良い。あるいはその代わりに、
前記像の形状を裸眼で視認するため及び/若しくはデータキャリア上に記録する等のため、蛍光スクリーンが用いられても良い。
本発明による方法は、いくつかの重要な点で既知の方法と異なる。その違いはたとえば以下のようなものである。
− 既知の方法は、前記入射瞳を完全に占めるように広いビームを用いることで、様々な傾斜の線を同時に実現する。対照的に、本発明による方法は、前記入射瞳上である図形(たとえば円)を描くように相対的に細いビームを用いる(そのため前記ビームは前記入射瞳の一部しか通過しない)ことで、前記ビームの様々な傾斜方向が、同時ではなく順次実現される。一般的には、前記中心点でのビーム(の焦点)が小さければ小さいほど、結果は良好になる。また前記レンズ系の入射瞳でのビームが小さければ小さいほど、結果は良好になる。前記ビームの細さ/断面積はたとえば、ビーム操作装置(たとえば収束レンズ、ダイアフラム等)を用いて適切に調節されて良い。
− 前記ビームが広い錐体となるように散乱される必要がないので、ビーム路中に適切なアモルファス散乱材料が設けられた場合にしか機能しない既知の方法とは対照的に、本発明は、前記物体面にアモルファス試料(又は試料のアモルファス部分)を存在させることを要しない。前述したように、前記中心点が(固体又は液体材料からなる)試料の内部に/前記試料に接して設けられる場合でも、本発明による方法は機能する場合がある。しかし前記試料は、前記ビームに対して実質的に透明(少なくとも可能な限り透明)であることが好ましい。
− 既知の方法は、相対的に複雑な数学的解析法(暗いThonリングのFT計算と位置の認識)を必要とする。そのような数学的解析法によって、様々な収差からなる「混ぜ合わせられたバッグ」のデコンボリューションを行うことは相対的に難しい。他方、本発明で用いられる数学的解析法(様々な焦点設定での像の形状の解析)は、概して容易でかつ性質上安定している(とりわけ調査される像の形状が、平坦な背景上の明瞭な幾何学形状であるためである)。
− 本発明の方法は、前記レンズ系の様々な焦点設定(たとえば不足焦点/最適焦点/過焦点)で像の形状の組を取得する。既知の方法は、収差を調査するレシピの一部として前記レンズ系の焦点設定を調節しない。
上記及び他の差異について以降で詳述する。
本発明によると、上述した像の形状の組を解析する段階は、数学的モデルを用いて予測される理論上の像の形状の一団に対して、前記(の様々な焦点設定で記録された像の形状からなる)組を数学的に適合させる段階を有して良い。この方法では、前記レンズ系が、入力対象物を、収差を含む出力像へ変換する方法を表すパラメータを用いた数学的モデルが採用される。よってこのモデルが、用いられた入射瞳の図形(たとえば所与の半径の円)と焦点設定(たとえば最適焦点+最適焦点から不足焦点側又は過焦点側のそれぞれで100nmずつ距離を増やすステップを10ステップ)についての理論上の像の形状を予測するために用いられる。続く段階(数学的フィッティング)は2つの異なる方法を含んで良い。具体的には以下の通りである。
− 決定論的方法(受動的方法)。ここでは、モデルの様々なパラメータを適切に調節することによって、予測される図形の一団を測定された図形の組に一致させる。一旦(最適の)一致が実現されると、モデルパラメータの調節された値が、様々なレンズ収差の値を取り出すのに用いられ得る。
− 補正方法(能動的方法)。ここでは、レンズ収差の(ほとんど)ない状態に相当するパラメータを用いたモデルによって生成される理想化された予測図形の一団と一致する測定図形の組を探索する。この目的のため、(たとえば励起電流を調節することによって)レンズ系のある態様が調節され、かつ/あるいは、ビーム路近傍に設けられる専用の電気補正装置(たとえば非点収差補正装置、偏向コイル、偏向電極)が用いられることで、像面で観測されるレンズ収差が調節される。このようにして、理想の像に可能な限り一致するように現実の像が操作される。
本発明は、これらの方法の一方又は両方を進めることを可能にし、かつ、手動及び/若しくは自動で(たとえば自動化されたフィードバックループによって)これらの方法を実行することを可能にする。上述した補正装置は、電気的入力によって励起されるために「電気的」と呼ばれていることに留意して欲しい。他方、上述した補正装置の入力はたとえば電場又は磁場であって良い。たとえば非点収差補正装置は磁気多極子(たとえば六重極子)である。前記磁気多極子では、たとえば電気的励起は、電子ビームレンズ系における非点収差項かを緩和するのに用いられ得る磁場を生成する。非点収差補正装置の代わりとして、たとえばコマ収差を緩和するのに用いられ得るビーム傾斜を生成する相対的に単純な偏向器が用いられても良い。イオンビームレンズ系の場合、磁場よりも電場を発生させる補正装置を用いることが一般的には好ましい。
前段落で述べた方法の特別な実施例では、前記数学的モデルは、2次元関数を用いることによって、波面上での点毎の位相(及び位相勾配)の局所的変化を用いて、前記レンズ系による波面の変形を表す。たとえば様々な点が2次元座標系(この場合は直交座標系だが、たとえば極座標系も可能である)を用いて参照されうる平面波面を考える。波面がレンズ系(この光軸はz軸に対して平行に延びる)を通過することで、前記波面上の一点での所与の無限小の領域は、このモデルに従って、
− 位相シフトφ(x,y)、
− φ(x,y)の局在化した勾配値である傾斜T(z軸を基準とした上下及び/又は左右の傾き)
を受ける。φ(x,y)とTのいずれかは、所与の点でゼロの値を有して良い。ここで様々な収差が引き起こすことに関する物理的知識が用いられる。各収差に係る前記波面の幾何学形状を表すφ(x,y)とTが定式化される。たとえば単純な非点収差は、前記波面の円筒形の変形を生じさせる。他方球面収差は、球状の変形を生じさせる。そのような変形は、(パラメータ化された)幾何学関数を用いて表されて良い。前記レンズ系によって発生する(結果としての)累積的収差は、前記幾何学関数の総和である。
前段落で述べた方法の他の態様では、前記2次元関数はテーラー級数として展開される。テーラー級数の係数は、様々なレンズ収差の大きさに関する情報を与える。たとえばレンズ系を通過する波面が記号ψによって表される場合、(光軸zに対して平行に)前記レンズ系に入射する波面と前記レンズ系を飛び出す波面との間での関数の依存性は、次式によって表されうる。

ここで、φ(x,y)は位相を表し、λは波長を表す(x,y,zは直交座標である)。2次元関数φ(x,y)は、次式で表されるようにテーラー級数展開されうる。
上式は、x, y, xy, x2, y2, x2y,
y2x, x3, y3等の項を有する2次元の多項式を与える。この多項式の様々な係数anmはたとえば、サイデル収差係数(若しくはゼルニケ収差係数又はサイデル収差係数とゼルニケ収差係数の変化型/混合型)に対応するように一つの群にまとめられて良い。この関数を用いることによって、所与の入射瞳の図形からどのような像の形状が(z軸に沿った各異なる位置又は前記レンズ系の各異なる焦点強度(デフォーカス)を用いたz軸に沿った一定の位置で)生成されるのかを計算することができる。これらが、前記レンズ系が同一の入射瞳の図形から生成する実際の像の形状と比較されるとき、以下のことを行うことができる。
− 計算と観測との間で良好に適合するように前記多項式の係数を調節する。その結果得られる係数の値は(たとえばサイデル係数によって)、様々な収差値を与える。
− 観察と理想化された計算との間で最適に適合するようにレンズパラメータ(たとえば励起、偏向器の設定、補正装置の設定)を調節する。前記レンズ系が予め選択された収差の組(たとえば最小収差)を採用するように「操作」される。
サイデル係数/ゼルニケ係数に関する詳細な情報については、http://www.sinopt.com/learning1/desnotes/seizern.htmを参照して欲しい。
上述したように、本発明と上述した既知の方法との差異は、本発明が、一連の様々な焦点設定で取得されたデータの組を利用することである。この差異の一の態様は、様々な焦点設定でデータを取得することによって、本発明が、既知の方法では不可能だった定量的解析を可能にすることである。たとえば図3Bと図3Dを視覚的に検討するだけで、当業者は、図に基づいてレンズ収差の性質に関する多くの情報を得る。その理由はとりわけ、様々な像の形状サイズが、デフォーカスの関数としてかなり変化しているからである。それに加えて、本発明の定量的な態様は、多数の利用可能な像の形状と、数学的解析において用いられている多数の変数とを適合させるため、焦点設定の多様性を利用している。データを数学的モデルに適合させるとき、優決定系のフィッティングを有する(又は少なくとも劣決定系のフィッティングを有しない)ことが望ましい。当業者はこのことを知っていて、適切な数の焦点設定を選択して、特定のモデルにおける多数の浮動変数を適合させることができる。この焦点設定適切な数は、定量化したい収差の数に依存する。多くの場合、6〜12の異なる焦点設定が、多数の低次の収差(たとえば球面収差、共通の非点収差、コマ収差)を決定するのに十分であることが分かっている。厳密には必要ないが、前記一連の焦点設定のうちの少なくとも1点を最適焦点(付近)に選ぶことが通常は好ましい。繰り返しになるが、図3A〜図3Dを簡単に調べることで、最適焦点付近では像の形状がかなり興味深い変化をしていることが分かる。多くの場合、最適焦点を含んで不足焦点と過焦点に及ぶように一連の焦点設定を選ぶことは有用である。
本発明による方法では、(前記物体面の上流で1つ以上の偏向器を適切に励起して、前記ビームを選択された中心点を通るように連続的に導くことによって)前記入射瞳上で描かれた入射瞳の図形は、様々な形状をとりうる。非限定的な例には、円、螺旋、複数の点からなる正方形のマトリックス、複数の同心円等が含まれる。当業者は、自分が用いている数学的モデル、及び/又は、自分が主として調査したいと考えている種類の収差を最適に適合させるように、入射瞳の(複数の)図形を選択することができる。たとえば入射瞳の図形として円を用いることの利点は、前記入射瞳の図形が様々なシナリオで特徴的な像の形状に変換されるので、様々な共通の収差を視覚的/定量的に特定することが容易になることである。
− 完全な収差の存在しないレンズ系では、入射瞳の円の最適焦点像は点(選択された中心点の完全な像)である。これが、前記像面の特定の位置Fで起こるものと仮定する。
− 球面収差しか存在しない場合、前記位置Fでの入射瞳の円の像は、点ではなく円になる。その円の半径は、球面収差の大きさを示す。
− 軸対称ではない収差(つまり球面収差以外の収差)が存在することで、入射瞳の円は、円(点状)ではない像の形状に変換される。これらの像の形状の一部はすぐに認識可能である。たとえば、非点収差は楕円を生成し、コマ収差は卵又は滴に似た形状を生成し、かつ、非点収差/コマ収差が結合することで星状の図形が生成される。(他の収差が存在しない)純粋な非点収差の場合、結果として得られた楕円の離心率から、非点収差の大きさに関する情報が得られる。
本発明による方法の特別な実施例は以下の段階を有する。
− 第1の入射瞳の図形を用いることによって、第1組の記録された像の形状が、第1組の様々な焦点設定で得られる。
− 前記第1の入射瞳の図形とは異なる第2の入射瞳の図形を用いることによって、第2組の記録された像の形状が、第2組の様々な焦点設定で得られる。
− 前記の解析する段階が、前記第1組と第2組からの結合されたデータ上で実行される。
この点では、前記第2の入射瞳の図形は、サイズ、形状、向き、及び位置のうちの1つ以上の点で前記第1の入射瞳の図形と異なる。たとえば、前記第1と第2の入射瞳の図形は、それぞれ半径の異なる円であって良いし、それぞれ異なる離心率及び/又は向きの楕円であって良いし、一方が円で他方が正方形等であっても良い。前記第2組の焦点設定での位置は、選択/条件に従って、前記第1組での位置に対応しても良いし、又は対応しなくても良いことにも留意して欲しい。この実施例の利点は、処理のためにさらにデータを与えることによって、前記の解析する段階の実行が容易になることである。たとえば上述の数学的フィッティングを(十分に)優決定系とみなすことが可能となる。この実施例の他の利点は、前記入射瞳の(実質的に)様々な領域に関するデータの取得が可能となることである。たとえば相対的に小さな入射瞳の円と相対的に大きな入射瞳の円が用いられる場合、前記入射瞳の内側領域と外側領域の両方に関するデータが取得される。言うまでもないことだが、この実施例は、他の入射瞳の図形について取得される他の組の像の形状を含むように拡張されて良い。
前段落の実施例の代わりとして、一定ではない半径を有する単一の入射瞳の図形が選ばれても良い。係るシナリオでは、前記入射瞳の図形が描かれるときに、前記入射瞳の様々な領域が自動的にサンプリング可能となる。
一部のCPMの設計では、対物レンズは、(光軸の方向において)非常に厚いので、前記物体面の下流では完全に適合せず、前記対物レンズの一部は前記物体面の上流に(つまり投影系内ではなく照明系内)位置してしまう。よって係る構成では、前記物体面の上流(つまり前記像面から遠い側)に補助レンズ系が実効的に設けられる。そのような場合、本発明による方法は実際、(前記物体面の下流に位置する)前記投影系と(前記物体面の上流に位置する)前記補助レンズ系の結合収差を測定している。前記補助レンズ系での収差は、前記投影系の収差と比較して無視できるものではない。しかし前記補助レンズ系の収差を補正するのは相対的に容易な解決法が存在するので、前記補助レンズ系での収差は考慮しなくても良い。前記解決法は、(前記物体面の上流での)前記照明系の周期的な校正を含む。それにより中心点が、前記物体面内部で正確に位置設定される。所与のCPMの特別な状況(熱ドリフト、試料のチャージアップ等)に依存して、前記校正はたとえば、必要に応じて1週間に1回(又はそれ以外の回数)実行されて良い。
CPMにおいて実行される調査の一部は、たとえば試料の磁気特性が調査されるので、前記物体面での如何なる電場又は磁場をも許容できないこと留意して欲しい。そのようなCPMでは、前記対物レンズのスイッチがオフにされる。それにより前段落で述べた前記補助レンズ系が実効的に取り除かれる。この種類の(低倍率)顕微鏡は「ローレンツ顕微鏡」と呼ばれる。ローレンツ顕微鏡では、本発明による方法は、前記投影系での収差を測定するだけである。
上述したように、本発明による方法は、前記物体面を前記像面上に結像する際に含まれるすべてのレンズの結合収差を測定する。特定のレンズ素子の寄与を分離するため、本発明は、必要に応じて、1つの中心点での傾斜から2点以上の適切に選ばれた中心点での傾斜に拡張されて良い。ここでは、所与の注視点が、特定のレンズ素子の中心に位置するように選ばれる場合(同時に残りのレンズ素子を結合したものの物体面内にも位置する。これは、適切なレンズ素子の焦点設定を用いることによって実現可能である)、前記特定のレンズ素子の収差は、前記像面での像の生成に寄与しない。これは、前記特定のレンズ素子に由来する収差と他のすべてのレンズ素子の結合した作用に起因する収差とを区別するのに用いられ得る。CPMにおける応用に関しては、TEMの光学系が顕著な結像機能を有するので、本発明が、TEMでのレンズ収差の調査/補正において特に有用であることは、当業者には明らかである。とはいえ本発明は、他の種類のCPM(たとえばSTEM)でのレンズ収差の調査/補正に用いられても良い。上述したように、イオンに基づく(又は光子に基づく)CPMもまた、本発明による方法の適用による利益を享受できる。
前記物体面が問題となっているレンズ系から相対的に遠く離れることで、(無限遠方にあると近似される物体面について)前記荷電粒子ビームが前記レンズ系に対して実質的に垂直に衝突するとみなすことができる本発明の変化型も考えられ得ることに留意して欲しい。そのような場合、前記レンズ系の後焦点面上で像の形状が観測されうる。そのような構成も、本発明の技術的範囲内にあることに留意して欲しい。
本発明による方法が実行可能な荷電粒子顕微鏡(TEM)の一部の断面図を表している。 本発明のある態様を説明するのに用いることのできるある幾何学/光学上の構成を表している。 途中で最適焦点となるように焦点を増大させながら計算一連の像の形状及び同じようにして観測された一連の像の形状を表している。前記の計算及び観測された一連の像の形状は、所与の環状の入射瞳の図形から得られ、かつ、本発明による方法を用いて調査された荷電粒子レンズ系に関する。 途中で最適焦点となるように焦点を増大させながら計算一連の像の形状及び同じようにして観測された一連の像の形状を表している。前記の計算及び観測された一連の像の形状は、所与の環状の入射瞳の図形から得られ、かつ、本発明による方法を用いて調査された荷電粒子レンズ系に関する。 途中で最適焦点となるように焦点を増大させながら計算一連の像の形状及び同じようにして観測された一連の像の形状を表している。前記の計算及び観測された一連の像の形状は、所与の環状の入射瞳の図形から得られ、かつ、本発明による方法を用いて調査された荷電粒子レンズ系に関する。 途中で最適焦点となるように焦点を増大させながら計算一連の像の形状及び同じようにして観測された一連の像の形状を表している。前記の計算及び観測された一連の像の形状は、所与の環状の入射瞳の図形から得られ、かつ、本発明による方法を用いて調査された荷電粒子レンズ系に関する。
図1は、本発明による方法が実行可能な荷電粒子顕微鏡(TEM)の一部の断面図を表している。本願では、CPMはTEMである。
図示されたTEMは、真空ポンプ122と接続する管121を介して排気される真空筐体120を有する。電子銃101として表されている粒子源は、粒子光学軸(結像軸)100に沿った電子ビームを生成する。電子銃101はたとえば、電界放出銃、ショットキーエミッタ、又は熱電子エミッタであって良い。粒子源101によって生成される電子は、典型的には80〜300keVの調節可能なエネルギーにまで加速される(ただし、たとえば調節可能なエネルギーが50〜500keVの電子を用いたTEMも知られている)。続いて加速された電子ビームは、プラチナのシート内に供されたビームを制限するアパーチャ/ダイアフラム103を通過する。電子ビームをアパーチャ103に対して適切に位置合わせするため、ビームは、偏向器102の助けを借りることで移動及び傾斜されて良い。それによりビームの中心部は、軸100に沿ってアパーチャ103を通過する。ビームの集束は、最終収束レンズ105(の一部)と共に、コンデンサシステムの磁気レンズ104を用いることによって実現される。偏向器(図示されていない)は、試料の関心領域上の中心に入射するようにビームを合わせる、及び/又は試料表面全体をビームで走査するのに用いられて良い。図1では、機能を表すため、偏向器102はCPM中で相対的に高い位置に図示されていて、かつ、最終収束レンズ105は相対的に小さく図示されている。しかし当業者は、偏向器102はCPM内ではるかに低い位置で(たとえばレンズ105内部で入れ子となっていて)良いこと、及び、最終収束レンズ105は図示されているよりもはるかに大きくて良いことをすぐに理解する。
被検査試料は、投影系106の物体面111内に位置するように、試料ホルダ112によって保持される(投影系106の最上部のレンズ素子は従来対物レンズと呼ばれている)。試料ホルダ112は、様々な位置/運動の自由度(1つ以上の並進自由度、回転自由度、横方向の傾斜、縦方向の傾斜)を与え、かつ、温度制御機能(加熱又は冷却)をも有して良い。試料ホルダ112は、容器面内で静的な試料を保持する従来型の試料ホルダであって良い。あるいはその代わりに、試料ホルダ112は、水流又は他の溶液流を含むことのできる流れ面/チャネル内に、動く試料を収容する特別な型であっても良い。
試料は、投影系(投影レンズ系、投影鏡筒)106によって、蛍光スクリーン107上で結像され、かつ窓108を介して視認することができる。そのスクリーン上に生成された拡大像は典型的には、103〜106倍の倍率を有し、かつ、たとえば0.1mm以下の細部を示すことができる。蛍光スクリーン107は、蝶番109と接続し、かつ、投影系106によって生成される像が1次検出器151に衝突するように引っ込められて良い。そのような場合では、投影系106は、蛍光スクリーン107の代わりに1次検出器151上に像を生成するように(わずかに)再集束される必要があることに留意して欲しい。投影系106は概して、中間画像面(図示されていない)にて中間像をさらに生成することにも留意して欲しい。
1次検出器151はたとえば、衝突する電子を検出する電荷結合素子(CCD)又はCMOS素子を有して良い。電子を検出する代替手法として、たとえばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)結晶(図示されていない)によって放出される光を検出するCCDが用いられても良い。このときYAG結晶はそのCCDと結合するか、又はそのCCDと光ファイバを介して接続される。そのような間接型の検出器では、YAG結晶は、電子がその結晶に衝突するときに、ある数の光子を放出し、かつ、これらの光子の一部はCCDカメラによって検出される。直接型の検出器では、電子はCCDの半導体チップに衝突して電子正孔対を生成することによって、そのCCDチップによって検出される電荷を生成する。検出器151は、処理装置(制御装置)及び表示装置(図示されていない)と接続される。

蛍光スクリーン107上及び1次検出器151上に生成される像は概して、たとえば投影系106内で生成される不完全性に起因した収差を有する。係る収差を補正するため、様々な多重極が投影系106内/付近で用いられる。係る多重極は、図面の混乱を回避するため図示されていない。しかし当業者は、多重極の設計、位置設定、及び実装についてよく理解している。
一部のTEMでは、光軸100から外れた方向に電子ビームを発散させて、EELS(電子エネルギー損失分光)検出器へ入射するように導くことが望ましい。そのような発散は、たとえば偏向器152の助けを借りることによって実現されて良い。
図1は、(簡略化された)TEMを概略的に表しているだけであり、実際には、TEMは、より多くの偏向器、アパーチャ等を有していることに留意して欲しい。
本発明においては、以下の行為の一方又は両方を実行することが望ましい場合がある。
− 投影レンズ系106内で生じる収差(の種類や大きさ)の調査、
− 結像動作中に観測されるレンズ収差がある値(たとえばゼロ、最低の実行可能な値、又は他の所定の値の組)をとるようなTEMの1つ以上の構成要素のパラメータの調節
この目的のため、以下のような処理が続いて行われて良い。
− 試料ホルダ112は、試料から離れるか、又は、試料ホルダ112の上に保持された試料が光軸100と交差しないように位置設定される。これは厳密には必要ないが、ビームが通り抜ける試料材料は、本発明の方法の精度に悪影響を及ぼしがちである。試料材料が存在する場合、その試料材料は、可能な限り使用されるビームを透過させることが好ましい。
− 偏向器102、アパーチャ103、及び/又は収束レンズ104の助けを借りることによって、相対的に狭い電子ビームが生成される。このビームは、投影系106の対物レンズの(図示されていない)入射瞳の面積よりも(たとえば約30%以下の)小さな断面積を有する。
− 一定の中心点が選ばれる。軸上収差が調査される場合、この中心点は、投影系106の物体面111と光軸100との交点である。しかし物体面111の内部であって光軸100から離れた位置に存在する中心点を選ぶことも可能である。その場合、軸外し収差が調査され得る。光軸100に対する傾斜にかかわらず、電子ビームは常にこの中心点を通るように導かれる。
− たとえば偏向器102を用いることによって、電子ビームは、光軸100に対して傾斜し、かつ、前記入射瞳上で(図示されていない)図形(たとえば円又は楕円)を描くように、光軸100の周りで「処理」される。続いて投影系106は、前記図形を対応する像の形状(図1には図示されていないが図3に図示されている)に変換する。この像の形状は、装置利用者の必要/要求に応じて、スクリーン107上で視覚的に観察され、かつ/又は、検出器151によって電子的に記録されうる。前者は、収差の定性的な調査に役立つ。他方後者は、より定量的な調査に適している。
− このような入射瞳の図形を対応する像の形状に変換する処理は、一連の異なる(増大する)焦点設定について繰り返される。これらの焦点設定は、投影系106のあるパラメータを適切に変化させることによって調節されて良い。
− 一旦このようにして1組の像の形状が取得されると、前記1組の像の形状は、様々な(種類及び大きさの)レンズ収差が導かれるように解析され得る。このようなことが如何にして実現されうるのかについて次の実施例で説明する。
図2は、本発明のある態様を説明するのに用いることのできるある幾何学/光学上の構成を表している。
図2では、図示されていないレンズ系の光軸は、直交座標系のz軸に沿って延びている。z軸に沿って左から右へ、3つの面が図示されている。前記3つの面は左から順にそれぞれ、物体面、入射瞳(等価な薄いレンズのレンズ面)、及び、前記レンズ系の像面を表す。これらの面は、互いに平行で、かつ、zに対して垂直である。入射瞳と像面との間の距離はvである。
一定の中心点Oが物体面上に図示されている。一定の中心点Oはこの場合、z軸上に存在する。光線が、この中心点Oから入射瞳上の点Pへ向かい、そこから像面上の点GI(ガウス像)へ向かう。この光線は、収差のない完全なレンズでの光ビームの光路を表す。また点Pから像面上の像Iへの光線も図示されている。この光線は、収差の存在する現実的なレンズでの光ビームの光路を表す。前記収差は、現実的な像Iを完全な像GIから変位させる効果を及ぼす。この変位は、角度で表すとΔαである。このΔαは、x軸成分Δαxとy軸成分Δαyを有するとみなすことができる。
点Pはx座標とy座標を有する。本発明による本実施例のシナリオでは、中心点Oを通るビームの向きは、入射瞳上での入射瞳の図形を描くように変化する。図示されているように、入射瞳の図形は半径rの円である。rは、x2+y2=r2の関係を満たす。完全なレンズでは、この円上のすべての点は、点GI上で結像される。しかし(収差を有する)現実のレンズでは、点Iは、入射瞳上の点Pによって描かれる(円形の)入射瞳の図形に応答して、像面上に像の形状を描く。
本発明の方法は、所与の入射瞳の図形と一連の焦点(デフォーカス)設定についての像の形状の組を記録する。前記像の形状の組は、z軸に沿った像面の様々な位置に対応するとみなすことができる。当該方法は、入射瞳で生じる波面に対する波面の変化を表す位相関数φ(x,y)に基づく数学的モデルを得る。このモデルに関するさらなる詳細は以降で論じられる。
必要に応じて、関数φ(x,y)によって表される全体的なレンズ作用は、完全な結像を生じさせる理想的な成分φideal(x,y)と収差を生じさせるχ(x,y)とに分離されて良い。このときφ(x,y)=φideal(x,y)+χ(x,y)が成立する。
そのような場合、上述の変位角度成分ΔαxとΔαyはそれぞれ以下のようにχ(x,y)のベクトル勾配として表すことができる。
Δαx=∂χ(x,y)/∂x
Δαy=∂χ(x,y)/∂y
他方、収差の存在しない完全な屈折は、φideal(x,y)の勾配として表すことができる。
良好な次数について、図2は、本発明に従って軸を外れた中心点が選ばれうることを表している。これは、物体面上の軸上中心点Oから上方に延びる破線の矢印によって表される。像面上での中心点の位置が移動することで、像面上での破線矢印によって概略的に表されているように、像面上の像の位置も対応して移動する。
図3A〜図3Dは、途中で最適焦点となるように焦点を増大させながら計算一連の像の形状及び同じようにして観測された一連の像の形状を表している。前記の計算及び観測された一連の像の形状は、所与の環状の入射瞳の図形から得られ、かつ、本発明による方法を用いて調査されたTEM内の荷電粒子レンズ系に関する。図3A〜図3Dの各々では、以下のことがわかる。
− 左側の列は、問題のレンズ系の一連の100nmずつ異なる様々な焦点(デフォーカス)設定に対応する計算された像の形状の組を表す。縦軸は、所与の図形のデフォーカスの(累積的な)大きさを表し、横軸は、その図形のサイズをミクロン単位で表している。
− 右側の列は、TEM投影系によって実際に生成される左側の図形に対応する記録/観測図形を表す。これらの図形は、1度に1回記録されるが、左側の列との比較を容易にするために列をなすように表示されている。
計算された図形の組と観測された図形の組とは非常に良く一致している。その理由は、計算された図形を生成するのに用いられるモデル(級数展開の係数)の様々なパラメータは、観測された図形と正確に適合されるからである。
ここで詳細には、以下のことが分かる。
− 図3Aの状況は基本的に、球面収差のみを有する完全に位置合わせされたレンズ系に対応する。最適焦点での像の形状は点であり、かつ、他の像の形状は円であることに留意して欲しい。
− 図3Bの状況は基本的に、共通の(2回)非点収差のみを有するレンズ系に対応する。ここで像の形状は、遠心率がデフォーカスの大きさに依存する楕円である。
− 図3Cの状況は基本的に、コマ収差のみ(場合によっては球面収差が存在する可能性もある)が存在するレンズ系に対応する。ここでは像の形状はまくらのような形状(pillow-shaped)である。
− 図3Dの状況は、共通の非点収差とコマ収差(場合によっては球面収差が存在する)を有するレンズ系に対応する。像の形状は、デフォーカス値に依存して、しずく形状、星状形状、豆状形状にまで変化する。
これらの像の形状を単に視覚的に調べるだけで、問題となっているレンズ系内に存在する収差に関してより定性的な情報を得ることができる。上述したように、より定量的な情報は、計算された像の形状の組と観測された像の形状の組とが互いに適合/調節されるときに得ることができる。図3Aの状況では、2つの異なる(半径の)入射瞳の円を用いて2組の像の形状を得ることで、観測された球面収差の値を計算することが可能となる。
上の(数2)によると、位相関数φ(x,y)は2次元の多項式として展開されうる。この多項式中の様々な項anmxnymは、特定のクラスタに再グループ化されうる。

上式中、様々なクラスタは以下のような物理的意味を有する。
第1クラスタ(a00):z軸に沿った移動量
第2クラスタ(a10x+…):偏向(傾斜)
第3クラスタ(a20x2+…):偏向+1次収差
第4クラスタ(a30x3+…):2次収差
第5クラスタ(a40x4+…):3次収差
第6クラスタ(a50x5+…):4次収差
などである。
これらの各クラスタ内の多項式は、他の係数(たとえば(擬)サイデル収差係数)で再定式化できる。たとえば上の第3クラスタは次式のように再定式化することが可能である。
このとき、次式が成立する。

よって、C10=a20+a02 C12b=a11 C12a=a20-a02 である。
ここで、C10はデフォーカスに係るサイデル収差係数で、C12bとC12aは共通/2回非点収差に係るサイデル収差係数である。
上の他のクラスタも同様に、サイデル係数によって再定式化することができる。たとえば第4クラスタ(2次収差:a30x3+…)は以下のように再定式化することができる。
ここで、C21aはコマ収差に係るサイデル収差係数で、C23aとC23bは3回非点収差に係るサイデル収差係数である。
(数3)から(数6)、C10=a20+a02、C12b=a11、及びC12a=a20-a02は、極座標で表されうる。その場合、サイデル係数C12aとC12bの対は、1つの係数C12に「まとめ」られる。サイデル対C21aとC21b及びサイデル対C23aとC23bも同様に「まとめ」られる。
このようにして、特定の係数(たとえばサイデル係数、あるいはゼルニケ係数等)で(数3)を再定式化することが可能である。それにより本発明の方法を用いて様々なレンズ収差のモデル化/特定が容易になる。
100 粒子光学軸(結像軸)
101 電子銃
102 偏向器
103 アパーチャ(ダイアフラム)
104 磁気レンズ
105 最終収束レンズ
106 投影系
107 蛍光スクリーン
108 窓
109 蝶番
111 物体面
112 試料ホルダ
120 真空筐体
121 管
122 真空ポンプ
151 1次検出器
152 偏向器

Claims (18)

  1. 物体面を含む物体空間及び像面を含む像空間を有する荷電粒子レンズ系における収差を調査する方法であって、
    前記物体面上に位置する物体は、当該荷電粒子レンズ系によって前記像面上で結像され、当該荷電粒子レンズ系はさらに入射瞳を有し:
    前記物体面上で一定の中心点を選ぶ段階;
    前記中心点、前記入射瞳、及び前記レンズ系を通り抜けて前記像面に衝突するように、前記入射瞳の面積よりも小さな断面積を有する荷電粒子ビームを導く段階;
    前記像の形状記録する段階;
    前記レンズ系の様々な焦点設定で前記中心点を選ぶ段階、荷電粒子ビームを導く段階、及び像の形状記録する段階を繰り返すことで、様々な焦点設定で記録された像の形状の組を取得する段階;並びに、
    前記像の形状の組を解析することで前記像の形状の組からレンズ収差を得る段階;
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記像の形状の組を解析する段階が、数学的モデルを用いて予測される理論上の像の形状の一団に対する前記像の形状の組の数学的適合を実行する段階を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記数学的モデルが、2次元関数を用いることによって、波面上での点毎の位相と位相勾配における局所的変化で、前記レンズ系による波面の変形を表す、請求項2に記載の方法。
  4. 前記2次元関数がテーラー級数展開され、
    前記テーラー級数の係数は、様々なレンズ収差の大きさに関する情報を与える、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記様々な焦点設定が、最適焦点付近での点を少なくとも1点含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記様々な焦点設定が、不足焦点と過焦点に及ぶように、最適焦点を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記入射瞳の図形が円である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第1入射瞳の図形を用いることによって、第1組の記録した像の形状が、第1組の様々な焦点設定で得られ、
    第2入射瞳の図形を用いることによって、第2組の記録した像の形状が、第2組の様々な焦点設定で得られ、かつ、
    前記像の形状の組を解析する段階が、前記第1組と第2組からの結合データ上で実行される、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記様々な焦点設定のうちの多数の焦点設定が、前記数学的適合を優決定系にする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記像の形状の組を解析する段階が、前記レンズ系における球面収差、非点収差、及びコマ収差のうちの少なくとも1つを得るのに用いられる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記物体面の上流で、ビーム操作装置が、前記荷電粒子ビームの断面積を調節するのに用いられ、
    前記ビーム操作装置が、収束レンズとダイアフラムからなる群から選ばれる少なくとも1つの装置を含む、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記像の形状の組を解析する段階を実行するため、少なくとも1つの電気的補正装置が、少なくとも1つの得られた収差に影響を及ぼすように、前記荷電粒子ビームのビーム路付近で励起される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記電気的補正装置が、非点収差補正装置、多極子、偏向コイル、及び/又は偏向電極からなる群から選ばれる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ビーム操作装置が励起及び調節されることで、前記レンズ系における少なくとも1つの観測値が前記収差の計算値と一致する、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 各入射瞳の図形を描く間、前記荷電粒子ビームは、前記物体面付近で固体材料又は液体材料と相互作用しない、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記中心点が、前記レンズ系の光軸と交差しないように選ばれる、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 第1中心点を用いることによって、第1組の記録した像の形状が、第1組の様々な焦点設定で得られ、
    前記第1中心点とは異なる第2中心点を用いることによって、第2組の記録した像の形状が、第2組の様々な焦点設定で得られ、かつ、
    前記像の形状の組を解析する段階が、前記第1組と第2組からの結合データ上で実行される、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  18. 荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源;
    試料を保持及び位置設定する試料ホルダ;
    前記試料の少なくとも一部を像面上で結像する荷電粒子レンズ系;並びに、
    前記像面で前記試料の像を検出する検出器;
    を有する荷電粒子顕微鏡であって、
    請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法を、前記中心点に試料が存在しない場合に実行するように構成される、荷電粒子顕微鏡。
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