JP5767818B2 - 粒子ビーム装置および粒子ビーム装置の動作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子ビーム装置および粒子ビーム装置の動作方法に関する。
電子ビーム装置、特に、走査型電子顕微鏡(以下、本明細書においてはSEMとも称する)は、ある特定の条件下におけるこれら試料の特徴および挙動についての情報を得るために試料を検査するために使用される。
SEMの場合、ビーム発生器により電子ビーム(以下、本明細書においては「一次電子ビーム」とも称する)を生成し、ビーム案内システム、特に、対物レンズにより、検査対象試料にこの電子ビームを集束させる。偏向装置により、一次電子ビームを検査対象試料表面にわたりラスタ状に通過させる。この場合、一次電子ビーム中の電子は試料成分と相互作用する。この相互作用の結果として、特に、相互作用粒子が発生する。特に、検査対象試料表面から電子(いわゆる二次電子)が放出され、一次電子ビームから電子が後方散乱される(いわゆる後方散乱電子)。これら二次電子および後方散乱電子を検出し、画像生成に用いる。その結果、検査対象試料表面の画像が得られる。
さらに、従来技術によれば、試料を検査するために用いる組み合わせ装置が知られており、この装置においては、電子とイオンの両方を検査対象試料に通過させることができる。例として、SEMにイオンビームカラムを付加的に設けることが知られている。イオンビームカラム内に設けたイオンビーム発生器によりイオンを生成し、このイオンを用いて試料を結像するための前処理(例えば、試料からの層の除去または試料への材料の塗布)等を行う。この場合、SEMを使用して、特に、この前処理等の観察を行い、処理済または未処理の試料をさらに検査する。
例として、上記の従来技術に関し、特許文献1(独国特許出願公開第102006059162明細書)を参照する。
上記の画像生成に加え、相互作用粒子のエネルギーおよび/または質量をより詳細に分析することも可能である。例えば、質量分析法(mass spectroscopy)で知られる方法において、二次イオンをより詳細に検査する。この方法は、SIMS(secondary ion mass spectroscopy(二次イオン質量分析法))の略称で知られる。本方法において、検査対象試料表面に集束1次イオンビームを照射する。この過程で、相互作用粒子が発生し、これらの粒子は試料表面から放出された二次イオンとして、質量分析法により検出および検査される。この過程で、これらの二次イオンを、そのイオン質量およびイオン電荷に基づき選択および識別することにより、試料の組成について推断できる。
相互作用粒子を分析する際、可能な限り多くの相互粒子を検出することが望ましく、それにより、例えば、相互作用粒子の特徴について、ひいては検査対象試料の特徴についても、良好な画像形成または十分な表現が行われるようにする。その結果、相互作用粒子を検出する際の検出器の効率(以下、本明細書中においては検出器効率とも称する)向上に利することができる。さらに、相互作用粒子の分析において、相互粒子のエネルギーのエネルギー分解能向上にも利することができる。
相互粒子検出用の検出器を有する分析装置に入力アパーチャを設けて、例えば、一次電子ビームまたは一次イオンビームから電場を遮蔽することもできる。この場合にも、良好な検出器効率を達成するために、この入力アパーチャを検査対象試料にできるだけ近接して配置することが可能である。さらに、入力アパーチャに抽出電位を設定して抽出電場を発生させ、入力アパーチャを通過して分析装置に入射する相互作用粒子の数ができるだけ多くなるようにすることができる。
いわゆるエバーハート−ソーンリー(Everhart-Thornley)検出器を用いて、二次電子または後方散乱電子としての相互作用粒子を検出することが知られている。この検出器は、シンチレータおよび光電子増倍管を有する。シンチレータはコレクタで包囲され、コレクタは、内部にグリッドを配設した吸入口を有する。吸入口はグリッドで全面的に塞がれる。このコレクタとグリッドの電位は、例えば、(−400)Vから400Vの間で可変である。グリッドが正電位にあるとき、二次電子が引き寄せられ検出される。しかしながら、グリッドが(−50)Vを下回る負電位にあるとき、二次電子はグリッドを通過できなくなる。実際には、高エネルギーの後方散乱電子がグリッドを通過し、その後シンチレータに入射する。
グリッド上の電位により生じた抽出電場は、通常、試料および粒子ビーム装置の対物レンズの部品により変形する。これにより、抽出電場が図らずも変化してしまうことがあり、検出器効率にも影響を及ぼす。したがって、相互作用粒子の検出には、高エネルギー分解能および高検出器効率の両方が必要である。
独国特許出願公開第102006059162明細書
本発明は、したがって、高エネルギー分解能および/または高検出器効率で相互粒子を検出することのできる粒子ビーム装置を明示することを目的とする。
本発明によれば、上記目的は、請求項1に記載の特徴を有する粒子ビーム装置により達成される。本発明による方法は、請求項14に記載の特徴により定義される。本発明のさらなる特徴は、以下の発明の詳細な説明、特許請求の範囲、および/または添付の図面により明らかになるであろう。
本発明による粒子ビーム装置は、内部に検査対象試料を配置した試料チャンバを有する。粒子ビーム装置は、さらに、第1光軸を有する第1粒子ビームカラムを有する。第1粒子ビームカラムは、第1粒子ビームを生成する第1ビーム発生器および第1粒子ビームを試料に集束する第1対物レンズを有し、第1粒子ビームが試料に達すると、第1粒子ビームと試料との間の相互作用により、第1相互作用粒子が生じる。例として、第1粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成し、第1ビーム発生器は、第1粒子ビームとしてイオンビームを生成する。このイオンビームが試料と相互作用することにより、特に、二次イオンが発生し、試料から放出される。
さらに、本発明による粒子ビーム装置は、第2光軸を有する第2粒子ビームカラムを有する。第2粒子ビームカラムは、第2粒子ビームを生成する第2ビーム発生器およびこの第2粒子ビームを試料上に集束する第2対物レンズを有し、第2粒子ビームが試料に達すると、第2粒子ビームと試料との間の相互作用により、第2相互作用粒子が生じる。例として、第2粒子ビームカラムは電子ビームカラムとして構成する。特に、例示的な一実施形態においては、第2粒子ビームカラムを、走査型電子顕微鏡のビームカラムとして構成する。このような構成により、第2ビーム発生器を用いて一次電子ビームを生成し、その一次電子ビームを第2対物レンズにより試料上に集束する。この一次電子ビームを、検査対象試料表面にわたりラスタ状に走査する。この過程で、一次電子ビーム中の電子が試料の成分と相互作用する。この相互作用により、特に二次相互作用粒子が発生する。特に、二次電子は試料表面から放出され、一次電子ビーム中の電子が後方散乱される(後方散乱電子)。二次電子および後方散乱電子を検出し、画像形成に用いる。その結果、検査対象試料表面の画像が得られる。
本発明による粒子ビーム装置は、さらに、少なくとも1つの検出器を有する。検出器は、第1中空体内部の第1キャビティ内に配置され、この第1キャビティは第1吸入口を有する。
さらに、本発明による粒子ビーム装置において、第1粒子ビームカラムの第1光軸および第2粒子ビームカラムの第2光軸は同一平面上に配置される。対照的に、この平面に対し傾斜または直交するように配置した第3軸線が、第1吸入口(例えば、実質的には第1吸入口の中央)から検出器(例えば、実質的には検出器の中央)まで伸びている。それぞれの場合において、第3軸線は、第1光軸および第2光軸が存在する平面と同じ平面上には存在しない。第1粒子ビームカラム、第2粒子ビームカラム、および検出器の互いに対する配置をこのように考えた場合、この配置は、少なくとも2つの異なる次元、特に、3つの異なる次元における配置に相当する。
さらに、本発明の粒子ビーム装置において、試料は試料電位にある。さらに、第1中空体は第1中空体電位にあり、第1中空体電圧は、第1中空体電位と試料電位との間の第1電位差である。さらに、制御電極電位にある少なくとも1つの制御電極を第1粒子ビームカラム内に配置する。さらに、制御電極電圧を供給し、この制御電極電圧を制御電極電位と試料電位との間の第3電位差とする。次に、終端電極電位にある終端電極を、第2粒子ビームカラム上に配置する。さらに、終端電極電圧を供給し、この終端電極電圧は終端電極電位と試料電位との間の第4電位差とする。
第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1吸入口を経由して第1中空体内部の第1キャビティに入射するような抽出電場を生じるように、第1中空体電圧、制御電極電圧、および/または終端電極電圧を選択する。その結果、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が検出器に達する。
分析により、本発明による粒子ビーム装置は、一方では、エネルギー分解能を確実に良好なものとし、他方では、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子、例えば、二次イオン検出の際の検出器効率を確実に良好なものとすることがわかった。高検出器効率を達成するには、特に、試料電位、第1中空体電位、制御電極電位、および/または終端電極電位を互いに整合させて抽出電場を発生させ、キャビティの吸入口に十分な数の第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子を通過させて検出器により検出するようにする。第1粒子ビームカラムのビーム案内管および/または第2粒子ビームカラムのビーム案内管が同様に任意の電位にあるとすると、本発明の一実施形態においては、この電位も考慮して、試料電位、第1中空体電位、制御電極電位、および/または終端電極電位を整合させる。
上述したように、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子の数を十分なものとするために、試料電位、第1中空体電位、制御電極電位、および/または終端電極電位を互いに整合させるが、この整合は、例えば、あらかじめ実験的に測定した検出器効率または計算によりシミュレートした検出器効率が達成されるまで、上記の電位のうち少なくとも1つを変化させることにより達成される。この代案または追加として、さらなる実施形態においては、上記の電位のうち少なくとも1つについて読み出して利用することのできる値を設定し、これらの値はあらかじめデータメモリに記憶される。この場合、これらの値は、検出器に対する試料の位置の係数として、特に、試料の傾斜姿勢の関数としてデータメモリに記録される。代案または追加として、これらの値を、作動距離、すなわち、z軸線に沿った試料ホルダの位置の関数としてデータメモリに記憶することもできる。特に、第1中空体電位、制御電極電位、および/または終端電極電位に関する値の集合を、試料の複数の位置、特に、複数の傾斜姿勢および/または複数の作動距離に対応させて、データメモリに記憶する。この代案または追加として、上記の電位の少なくとも1つに対する値を、データメモリに記憶した値を用いて補間することができる。
本発明による粒子ビーム装置の一実施形態において、粒子ビーム装置は、追加または代案として、次の特徴、すなわち、第1中空体電圧は第1電圧源ユニットにより設定することができること、制御電極電圧は第3電圧源ユニットにより設定することができること、または終端電極電圧は第4電圧源ユニットにより設定することができること、という特徴のうち少なくとも1つを備える。
本発明による粒子ビーム装置の一実施形態において、追加または代案として、検出器は検出器電位にあり、検出器電圧は、この検出器電位と試料電位との間の第2電位差である。例として、この検出器電圧は第2電圧源ユニットにより設定することができる。第1中空体電圧、検出器電圧、制御電極電圧、および/または終端電極電圧は、抽出電場を生じるように選択され、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1吸入口を経由して第1中空体内の第1キャビティに入射するようにする。試料電位、第1中空体電位、検出器電位、制御電極電位、および/または終端電極電位は、したがって、抽出電場を生じるように互いに整合され、その結果、十分な数の第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1キャビティの第1吸入口を通過して、検出器により検出される。
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の実施形態において、追加または代案として、制御電極を第1粒子ビームカラムの外面上に配置する。代案として、または、この追加として、制御電極を第1粒子ビームカラムの外面上の凹所内に配置する。さらに、この追加または代案として、制御電極を凹所内に配置して、制御電極の外面と第1粒子ビームカラムの外面が連続平面を構成するようにする。しかしながら、本発明の制御電極は、特定のタイプ、形状、配置に限定されるものではない。実際は、任意の適切な制御電極を用いることができる。特に、本発明による粒子ビーム装置の一実施形態において、制御電極は第1粒子ビームカラムを部分的に包囲する。この代案として、制御電極は第1粒子ビームカラムを完全に包囲する。
本発明による粒子ビーム装置の一実施形態において、代案または追加として、試料電位は接地電位(0V)である。さらに、第1中空体電位は、この追加または代案として、(−100)Vから(−500)Vまでの範囲にある。この追加または代案として、検出器電位は(−10)Vから(−500)Vまでの範囲にある。本発明のさらなる実施形態において、制御電極電位は、追加または代案として、100Vから800Vの範囲にあり、および/または終端電極電位は(−50)Vから(−200)Vの範囲にある。本発明による粒子ビーム装置のさらなる実施形態において、第2粒子ビームカラムのビーム案内管の電位は、試料電位に対し1kVから30kVの範囲にあり、例えば、8kVである。
本発明による粒子ビーム装置のさらなる実施形態において、検出器を、追加または代案として、単独の中空体内のキャビティに配置するだけでなく、検出器を複数の中空体内に配置する。本実施形態の粒子ビーム装置は、したがって、第2キャビティを有する第2中空体を備える。第2中空体は第2中空体電位にある。第2中空体電圧は、第2中空体電位と試料電位との間の第5電位差である。第2中空体電圧は第5電圧源ユニットを用いて設定することができる。第1中空体および第2中空体は、例えば、管状電極として構成することができる。特に、第2中空体は第1中空体内部の第1キャビティ内に保持される。そして、検出器を第2中空体内部の第2キャビティ内に保持する。第1中空体電位および第2中空体電位は同じ大きさとすることができる。代替的な実施形態において、第1中空体電位および第2中空体電位は大きさが異なる。分析により、既に前述した試料電位、終端電極電位、検出器電位、および/または制御電極電位を考慮して第1中空体電位および第2中空体電位を適切に選択して抽出電場を発生させることにより、高い検出器効率が達成されることがわかった。十分な数の第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1キャビティの第1吸入口および第2キャビティの第2吸入口を通過し、検出器により検出される。
本粒子ビーム装置のさらなる実施形態において、第2中空体電位は、追加または代案として、接地電位(0V)であり、第1中空体電位は第2中空体電位とは異なるようにする。この代案として、第1中空体電位および第2中空体電位は接地電位(0V)ではないものとする。
本発明による粒子ビーム装置のさらなる実施形態において、第1中空体電圧、第2中空体電圧、および検出器電圧は、追加または代案として、単独の電圧源ユニットを用いて、例えば、第1電圧源ユニットを用いて設定することができる。さらなる実施形態において、第1中空体電圧および検出器電圧を、代案として、単独の電圧源ユニットを用いて、例えば第1電圧源ユニットを用いて設定することができる。さらに別の実施形態において、第2中空体電圧および検出器電圧を、代案として、単独の電圧源ユニットを用いて、例えば第5電圧源ユニットを用いて設定することができる。
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の実施形態において、粒子ビーム装置は次の特徴、すなわち、
第1粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成し、第2粒子ビームカラムを電子ビームカラムとして構成したこと、または
第1粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成し、第2粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成したこと、
という特徴のうち1つを備える。
本発明は、また、上記特徴のうち少なくとも1つ、または上記特徴の組み合わせを有する粒子ビーム装置の動作方法に関する。特に、本発明による方法において、第1中空体電圧、検出器電圧、制御電極電圧、および終端電極電圧を供給する。さらに、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1吸入口を経由して第1中空体内部の第1キャビティに入射するように、第1中空体電圧、検出器電圧、制御電極電圧、および/または終端電極電圧を設定し、その結果、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が検出器により検出される。原則として、試料電位、第1中空体電位、検出器電位、制御電極電位、および/または終端電極電位を互いに整合させて抽出電場を発生させ、十分な数の第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1キャビティの第1吸入口を通過して検出器により検出されるようにする。
粒子ビーム装置に2つの中空体を設けた場合、本発明による方法の一実施形態において、追加または代案として、第1中空体電圧および第2中空体電圧を供給する。さらに、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第1キャビティの第1吸入口および第2キャビティの第2吸入口を経由して第2中空体内部の第2キャビティに入射するように第1中空体電圧および第2中空体電圧を設定する。これら粒子は、その後、検出器により検出される。試料電位、第1中空体電位、第2中空体電位、検出器電位、制御電極電位および/または終端電極電位を互いに整合して抽出電場を発生させ、その結果、十分な数の第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子が第2キャビティの第2吸入口を通過して検出器により検出される。
本発明による方法の一実施形態において、試料電位は接地電位(0V)である。さらに、この追加または代案として、第1中空体電位および/または第2中空体電位の値を(−100)Vから(−500)Vの範囲で設定することができる。この追加または代案として、検出器電位の値を(−10)Vから(−500)Vの範囲で設定することができる。本発明による方法のさらなる実施形態において、制御電極電位の値を、追加または代案として、100Vから800Vの範囲で設定でき、および/または終端電極電位の値を(−50)Vから(−200)Vの範囲で設定することができる。本発明による方法のさらなる実施形態において、第2粒子ビームカラムのビーム案内管の電位を、試料電位に対し1kVから30kVの範囲で、例えば、8kVに設定することができる。
例として、第1相互作用粒子および/または第2相互作用粒子の数を十分なものとするため、試料電位、第1中空体電位、第2中空体電位、検出器電位、および/または終端電極電位を設定するが、これは、あらかじめ実験的に測定した検出器効率または計算によりシミュレートした検出器効率が達成されるまで、上記の電位のうち少なくとも1つを変化させることにより設定する。この代案または追加として、さらなる実施形態において、上記の電位のうち少なくとも1つについて読み出して利用することのできる値を設定し、これらの値はあらかじめデータメモリに記憶される。この場合、これらの値は、検出器に対する試料の位置の係数として、特に、試料の傾斜姿勢の関数としてデータメモリに記録される。代案または追加として、これらの値を、作動距離、すなわち、z軸線に沿った試料ホルダの位置の関数としてデータメモリに記憶することもできる。特に、第1中空体電位、制御電極電位、および/または終端電極電位に関する値の集合を、試料の複数の位置、特に、複数の傾斜姿勢および/または複数の作動距離に対応させて、データメモリに記憶する。この代案または追加として、上記の電位の少なくとも1つに対する値を、データメモリに記憶した値を用いて補間することができる。
以下に、本発明を、例示的な実施形態および図面に基づき、さらに詳細に説明する。
第1粒子ビームカラムおよび第2粒子ビームカラムを有する粒子ビーム装置の概略図である。 図1に示す粒子ビーム装置の概略斜視図である。 図2に示す粒子ビーム装置内に配置した試料の領域を示す概略図である。 図3に示す試料の領域における電位線を示す概略図である。 シミュレーションの基礎となる試料の領域を示す概略図である。 図5に示す試料の領域における電位線を示す概略図である。 図2に示す粒子ビーム装置内に配置した試料の領域を示す別の概略図である。 図2に示す粒子ビーム装置内に配置した試料の領域を示すさらに別の概略図である。 図2に示す粒子ビーム装置内に配置した試料の領域を示すさらに別の概略図である。
図1は、本発明による粒子ビーム装置の一実施形態を示す概略図である。粒子ビーム装置1は、イオンビームカラムとして構成した第1粒子ビームカラム2、および電子ビームカラムとして構成した第2粒子ビームカラム3を有する。この代案として、第1粒子ビームカラム2および第2粒子ビームカラム3の両方をイオンビームカラムとして構成することもできる。第1粒子ビームカラム2および第2粒子ビームカラム3は、内部に検査対象試料16を配置した試料チャンバ49に取り付ける。
図2は、図1に示す粒子ビーム装置1をさらに詳細に示す図である。明瞭に図示するため、試料チャンバ49は図示していない。イオンビームカラムとして構成した第1粒子ビームカラム2は第1光軸4を有する。さらに、電子ビームカラムとして構成した第2粒子ビームカラム3は第2光軸5を有する。
以下に、まず、電子ビームカラムとして構成した第2粒子ビームカラム3について説明する。第2粒子ビームカラム3は、第2ビーム発生器6、第1電極7、第2電極8、および第3電極9を有する。例として、第2ビーム発生器6は、熱電界エミッタである。第1電極7は抑制電極として機能し、一方、第2電極8は抽出電極として機能する。第3電極9は陽極として構成されるとともに、ビーム案内管10の一端部を形成する。第2ビーム発生器6は、第2粒子ビームを電子ビームとして生成する。第2ビーム発生器6から出射された電子は、第2ビーム発生器6と第3電極9との間の電位差により、陽極電位に加速される。この電位差は、例えば、1kVから30kVの範囲である。電子ビームとしての第2粒子ビームは、ビーム案内管10を通過し、検査対象の試料16上に集束される。これについては、以下により詳細に説明する。
ビーム案内管10は、第1環状コイル12およびヨーク13を有するコリメータ装置11を貫通する。第2ビーム発生器6から試料16の方向に見て、コリメータ装置11の後段に、可変ピンホールダイアフラム14および第1検出器15を、ビーム案内管10内に第2光軸5に沿って配置する。第1検出器は中央開口17を有する。その後、ビーム案内管10は、第2対物レンズ18の孔を貫通する。第2対物レンズ18により、第2粒子ビームを試料16上に集束する。この目的のため、第2対物レンズ18は磁気レンズ19および静電レンズ20を有する。磁気レンズ19には、第2環状コイル21、内側磁極片22、および外側磁極片23を設ける。静電レンズ20は、ビーム案内管10の一端部24および終端電極25を有する。ビーム案内管10の端部24は終端電極25とともに静電遅延装置を形成する。ビーム案内管10の端部24およびビーム案内管10は、ともに陽極電位にあり、一方、終端電極25および試料16の電位は陽極電位よりも低い。このような構成により、第2粒子ビーム中の電子を、試料16を検査する際に必要とされる所望のエネルギーレベルに制動することができる。第2粒子ビームカラム3は、さらに、ラスタ手段26を有し、このラスタ手段により第2粒子ビームを偏向して、試料16上をラスタ状に走査することができる。
結像の際は、ビーム案内管10内に配置した第1検出器15により、第2粒子ビームが試料16と相互作用することにより生じる二次電子および/または後方散乱電子を検出する。第1検出器15が発生する信号を電子ユニット(図示せず)に送信し、結像を行う。
試料16を試料ステージ(図示せず)に配置することにより、試料16は、互いに直交する3本の軸線(具体的には、x軸線、y軸線、およびz軸線)上を移動可能に配置される。さらに、試料ステージは、互いに直交する2本の回転軸を中心に回転させることができる。したがって、試料16を所望の位置に移動することが可能である。
既述のように、第1粒子ビームカラム2はイオンビームカラムとして構成される。第1粒子ビームカラム2は、イオン源として構成した第1ビーム発生器27を有する。第1ビーム発生器27を用いて、第1粒子ビームをイオンビームとして生成する。さらに、第1粒子ビームカラム2には、抽出電極28およびコリメータ29を設ける。コリメータ29の後段には、試料16の方向に第1光軸4に沿って可変アパーチャ30を設ける。集束レンズとして構成した第1対物レンズ31により、第1粒子ビームを試料16上に集束する。ラスタ電極32を設けて、第1粒子ビームで試料16上をラスタ状に走査するようにする。
第1粒子ビームが試料16に達すると、第1粒子ビームは試料16の成分と相互作用する。この過程で、第1相互作用粒子、特に、二次イオンが生じ、試料16から放出される。ここで、これら第1相互作用粒子を第2検出器34により検出するが、この検出については以下により詳細に説明する。
管状電極として構成した第1中空体36内部の第1キャビティ35内に、第2中空体37を配置する。第2中空体は第2キャビティ38を有する。第2中空体37も管状電極として構成される。第2検出器34を第2キャビティ38内に配置する。第1キャビティ35は、第1吸入口39を有する。さらに、第2キャビティ38は第2吸入口40を有する。第3軸線33は、実質的に第1吸入口39の中央から、および実質的に第2吸入口40の中央から、実質的に第2検出器34の中央へ延在している(図3参照)。
第1粒子ビームカラム2の第1光軸4および第2粒子ビームカラム3の第2光軸5は、同一平面上に配置される。一方、第3軸線33は、前述の平面に対し傾斜または直交するように位置合わせされる。第3軸線33は、第1光軸4および第2光軸5を配置した平面上には存在しない。第1粒子ビームカラム2、第2粒子ビームカラム3、および第2検出器34の相互配置は、3つの異なる次元における配置に相当する。
図3は、図2に示す領域、具体的には、試料16の領域をより詳細に示す概略図である。図3において、試料16の領域に配置した第1粒子ビームカラム2の端部、ならびに第2検出器34のほか、第1中空体36および第2中空体37を示す。図3には第2粒子ビームカラム3は図示しない。試料16の領域に配置した第1粒子ビームカラム2の端部は制御電極41を有する。制御電極41は、第1粒子ビームカラム2を部分的に、または、完全に包囲することを意図したものである。さらに、制御電極41は、第1粒子ビームカラム2の外面43上の凹所42内に配置される。制御電極41の外面および第1粒子ビームカラム2の外面43は連続平面を構成する。しかしながら、本発明による制御電極41の配置は上記の構成に限られるものではないことを、明示的に述べておく。実際には、制御電極41は任意の形状とすることができ、本発明に適した方法で配置することができる。例えば、制御電極41はフィルム状に設計することもでき、このフィルム状の制御電極41を第1粒子ビームカラム2の周囲に巻回した構成とする。追加として、代替的な実施形態においては、第1粒子ビームカラム2の外面43に凹所を設けない構成とする。
第1中空体36は、第1中空体電位にある。第1中空体電圧は、第1中空体電位と試料電位との間の第1電位差である。例示的な本実施形態において、接地電位(0V)を試料電位とするが、試料電位は接地電位に限らない。実際には、異なる値を取ることもできる。第1中空体電圧すなわち第1中空体電位は、第1電圧源ユニット44を用いて設定することができる。
さらに、第2検出器34は検出器電位にある。検出器電圧は、検出器電位と試料電位との間の第2電位差である。検出器電圧すなわち検出器電位は、第2電圧源ユニット45を用いて設定することができる。
制御電極41も、任意の電位、具体的には制御電極電位にある。制御電極電圧は、制御電極電位と試料電位との間の第3電位差である。制御電極電圧すなわち制御電極電位は、第3電圧源ユニット46を用いて設定することができる。
第2粒子ビームカラム3の終端電極25にも、ある程度同様の条件が適用される。終端電極25は、任意の電位、具体的には終端電極電位にある。終端電極電圧は、終端電極電位と試料電位との間の第4電位差である。終端電極電圧すなわち終端電極電位は、第4電圧源ユニット47(図2参照)を用いて設定することができる。
第2中空体37は、任意の電位、具体的には第2中空体電位となるであろうと想定される。第2中空体電圧は、第2中空体電位と試料電位との間の第5電位差である。第2中空体電極電圧すなわち第2中空体電位は、第5電圧源ユニット48を用いて設定することができる。第1中空体電位および第2中空体電位は同じ大きさとすることができる。さらなる実施形態においては、第1中空体電位および第2中空体電位は大きさが異なる。
ここで、試料電位、第1中空体電位、第2中空体電位、検出器電位、制御電極電位、および/または終端電極電位を相互に整合させて抽出電場が生じるようにし、それにより、適切な数の第1相互作用粒子が二次イオンとして発生し、第1中空体36内部の第1キャビティ35に設けた第1吸入口39および第2中空体37内部の第2キャビティ38に設けた第2吸入口40を確実に通過し、第2検出器34により確実に検出される。
先に述べたように、本実施形態において、試料電位は接地電位である。また、第1中空体電位および/または第2中空体電位は(−100)Vから(−500)Vの範囲で、検出器電位は(−10)Vから(−500)Vの範囲で、制御電極電位は100Vから800Vの範囲で、および/または終端電極電位は(−50)Vから(−200)Vの範囲であろうと想定する。
第2粒子ビームカラム3のビーム案内管10における電位が8kVであるとき、実質的に8%の二次イオンが第2検出器34に到達するのは、第1中空体電位を(−200)Vに、第2中空体を(−20)Vに、検出器電位を(−20)Vに、終端電極電位を(−81)Vに、および制御電極電位を355Vにそれぞれ設定したときであることがわかった。第1中空体電位を(−400)Vとし、第2中空体電位を(−50)Vとし、検出器電位を(−50)Vとし、終端電極電位を(−90)Vとし、および制御電極電位を600Vとしたとき、実質的に15%の二次イオンが第2検出器34に到達する。
図4に、図3に示す領域において第1中空体電位を(−200)Vに、第2中空体電位を(−20)Vに、検出器電位を(−20)Vに、終端電極電位を(−81)Vに、および制御電極電位を355Vにそれぞれ設定した場合の概略図を示す。図4に、抽出電場の電位線のプロファイルを示す。このプロファイルにより、二次イオンとして発生する第1相互作用粒子が第2検出器34に確実に到達する。個々の電位線の間隔は、実質的に10Vとする。
本発明の検出器効率を確認するため、比較配置においてシミュレーションを行った。比較配置を図5に示す。図5に、粒子ビーム装置1の試料16の領域を示す。本シミュレーションにおいては、粒子ビーム装置1に粒子ビームカラムを設けない場合を想定する。本シミュレーションにおいては、妨害影響等の影響は全くないものとし、特に、粒子ビームカラムから発生する可能性のある影響を受けないものとする。図1〜図3における同一の部品は、図5において同一の参照符号を付して示す。例示的な本実施形態において、第1中空体36、第2中空体37、および第2中空体37内部の第2キャビティ38内に配置した第2検出器34は、実質的に、試料16の正面における試料16に対して直角な位置に配置される。このような配置は、検出器効率を良好なものとするには有利である。なぜなら、この配置を試料16のすぐ近くに隣接させることで、第2検出器34により非常に多数の二次イオンを検出することが可能となるからである。しかしながら、図5に示すこのような配置は、通常、実行可能ではない。なぜなら、粒子ビーム装置内にはこの配置を可能とする物理的空間がない場合が多く、および/またはその他の条件(例えば、試料16の移動)はこのような配置は不可能だからである。図5に示す配置では、各部品はそれぞれ任意の電位にあるように計画される。試料16は試料電位にあり、この試料電位は、本実施形態においては、接地電位に相当する。さらに、第2検出器34は検出器電位にあり、この電位は第2電圧源ユニット45により設定することができる。第1中空体36は第1中空体電位にあり、この電位は第1電圧源ユニット44により設定することができる。さらに、第2中空体37は任意の電位、具体的には第2中空体電位にあり、この電位は第5電圧源ユニット48により設定することができる。電位の設定可能性については、先に述べた内容も参照されたい。
図5に示す例示的な実施形態において、第2検出器34の検出器電位および第2中空体電子は互いに等しくなるように選択する。別の例示的な実施形態においては、検出器電位と第2中空体電位は異なる値をとる。
先に述べたように、本実施形態における試料電位は接地電位(0V)とする。また、第1中空体電位および第2中空体電位は(−200)Vから(−500)Vの範囲であろうと想定され、検出器電位は(−10)Vから(−500)Vの範囲であろうと想定される。第1中空体電位を(−200)Vとし、第2中空体電位を(−20)Vとし、および検出器電位を(−20)Vとすると、実質的に9%の二次イオンが第2検出器34に到達するような抽出電場を生じることがわかった。第1中空体電位を(−400)Vとし、第2中空体電位を(−50)Vとし、および検出電位を(−50)Vとしたとき、実質的に17%の二次イオンが第2検出器34に到達するような抽出電場を生じる。図5Aに、抽出電場の電位線のプロファイルを示す。ここまでにおいて、シミュレーションにより、本発明は、図5に示す比較配置と実質的に同等の検出器効率を有することがわかった。
図6に、試料16の領域の別の概略図を示す。図6は図3に基づくため、まずは先に述べた内容を参照されたい。図3に示した例示的な実施形態とは対照的に、図6に示す例示的実施形態の場合には、第1中空体電圧、第2中空体電圧、および検出器電圧の設定は、単独の電圧源ユニットを用いて、具体的には、第1電圧源ユニット44を用いて行う。
図7に、さらに別の例示的な実施形態を示す。図6は図3に基づくため、まずは先に述べた内容を参照されたい。図3に示した例示的な実施形態とは対照的に、図7に示す例示的実施形態の場合には、第1中空体電圧および検出器電圧の設定は単独の電圧源ユニットを用いて、具体的には、第1電圧源ユニット44を用いて行う。第2中空体電圧の設定は、第5電圧源ユニット48を用いて行う。
図8にも同様に、さらに別の例示的実施形態を示す。図8は図3に基づくため、まずは先に述べた内容を参照されたい。図3に示した例示的な実施形態とは対照的に、図8に示す例示的実施形態の場合には、第2中空体電圧および検出器電圧の設定は単独の電圧源ユニットを用いて、具体的には、第5電圧源ユニット48を用いて行う。第1中空体電圧の設定は、第1電圧源ユニット44を用いて行う。
望ましい例示的な実施形態においては、第1中空体36および第2中空体37を用いることを想定している。しかしながら、本発明は、2つの中空体を使用することに限定されないことを明示的に述べておく。実際には、本発明のさらなる実施形態においては、中空体を3つ以上設けることを想定する。また、別のさらなる実施形態においては、単独の中空体36のみを使用することを想定し、その中空体内部の第1キャビティ35内に第2検出器34を配置する。
第2検出器34は、任意に選択した検出器とすることができ、例えば、シンチレーション検出器または半導体検出器とすることができる。さらに別の実施形態においては、第2検出器34を分光検出装置、例えば、SIMSを実行する装置として構成されるであろうと想定することは、既に前述したとおりである。
本発明のさらなる実施形態において、各電圧源ユニット、具体的には、第1電圧源ユニット44、第2電圧源ユニット45、第3電圧源ユニット46、第4電圧源ユニット47、および第5電圧源ユニット48のうち少なくとも1つをバイポーラ電圧源ユニットとして構成する。この構成により、正または負に帯電した第1相互作用粒子が第2検出器34に達するように数学記号を設定することができる。
本発明のさらに別の実施形態において、試料電位を接地電位以外の電位に設定することができる。この場合、制御電極電位、終端電極電位、検出器電位、第1中空体電位、および/または第2中空体電位を接地電位に設定することができる。
本発明のさらに別の実施形態において、第1中空体36全体および第2中空体37全体には電位を与えずに、第1中空体36の第1端部50にのみ第1中空体電位を与え、第2中空体37の第2端部51にのみ第2中空体電位を与える。
本発明の全ての実施形態は、第1相互作用粒子を二次イオンとして検出する場合に良好な検出器効率が確保される点において有利である。試料電位、第1中空体電位、第2中空体電位、検出器電位、終端電極電位、および/または制御電極電位を相互に整合させて抽出電場が生じるようにし、それにより、適切な数の第1相互作用粒子が第1吸入口39および第2吸入口40を通過し、第2検出器34により検出されるようにする。
1 粒子ビーム装置
2 第1粒子ビームカラム(イオンビームカラム)
3 第2粒子ビームカラム(電子ビームカラム)
4 第1光軸
5 第2光軸
6 第2ビーム発生器
7 第1電極
8 第2電極
9 第3電極
10 ビーム案内管
11 コリメータ装置
12 第1環状コイル
13 ヨーク
14 可変ピンホールダイアフラム
15 第1検出器
16 試料
17 中央開口
18 第2対物レンズ
19 磁気レンズ
20 静電レンズ
21 第2環状コイル
22 内側磁極片
23 外側磁極片
24 ビーム案内管の端部
25 終端電極
26 ラスタ手段
27 第1ビーム発生器
28 抽出電極
29 コリメータ
30 可変アパーチャ
31 第1対物レンズ
32 ラスタ電極
33 第3軸線
34 第2検出器
35 第1キャビティ
36 第1中空体
37 第2中空体
38 第2キャビティ
39 第1吸入口
40 第2吸入口
41 制御電極
42 凹所
43 外面
44 第1電圧源ユニット
45 第2電圧源ユニット
46 第3電圧源ユニット
47 第4電圧源ユニット
48 第5電圧源ユニット
49 試料チャンバ
50 第1端部
51 第2端部

Claims (15)

  1. 試料チャンバ(49)、
    前記試料チャンバ(49)内に配置した試料(16)、
    第1光軸(4)を有する第1粒子ビームカラム(2)であって、該第1粒子ビームカラム(2)は、第1粒子ビームを生成する第1ビーム発生器(27)および該第1粒子ビームを前記試料(16)上に集束する第1対物レンズ(31)を有し、前記第1粒子ビームが前記試料(16)に達すると、該第1粒子ビームと該試料(16)との間の相互作用により、第1相互作用粒子が生じることを特徴とする、第1粒子ビームカラム、
    第2光軸(5)を有する第2粒子ビームカラム(3)であって、該第2粒子ビームカラム(3)は第2粒子ビームを生成する第2ビーム発生器(6)および該第2粒子ビームを前記試料(16)上に集束する第2対物レンズ(18)を有し、前記第2粒子ビームが前記試料(16)に達すると、該第2粒子ビームと該試料(16)との間の相互作用により、第2相互作用粒子が生じることを特徴とする、第2粒子ビームカラム、および
    第1中空体(36,37)内部の第1キャビティ(35,38)内に配置した少なくとも1つの検出器(34)であって、該第1キャビティ(35,38)は第1吸入口(39,40)を有し、第3軸線(33)は第1吸入口(39,40)から検出器(34)へ伸びていることを特徴とする、少なくとも1つの検出器、
    を備えた粒子ビーム装置であって、
    前記第1粒子ビームカラム(2)の前記第1光軸(4)および前記第2粒子ビームカラム(3)の前記第2光軸(5)は同一平面上に配置され、
    前記第3軸線(33)は前記平面に対して傾斜または直交するように配置され、
    前記試料(16)は試料電位にあり、
    前記第1中空体(36,37)は第1中空体電位にあり、第1中空体電圧は、前記第1中空体電位と前記試料電位との間の第1電位差であり、
    制御電極電位にある少なくとも1つの制御電極(41)が第1粒子ビームカラム(2)上に配置され、
    制御電極電圧は、前記制御電極電位と前記試料電位との間の第3電位差であり、
    前記第2粒子ビームカラム(3)は、終端電極電位にある終端電極(25)を有し、
    終端電極電圧は、前記終端電極電位と前記試料電位と間の第4電位差であり、
    前記第1相互作用粒子および/または前記第2相互作用粒子が前記第1吸入口(39,40)を経由して前記第1中空体(36,37)内部の前記第1キャビティ(35,38)に入射するように、前記第1中空体電圧、前記制御電極電圧および/または前記終端電極電圧を選択した、
    粒子ビーム装置。
  2. 請求項1に記載の粒子ビーム装置(1)であって、次の特徴、すなわち、
    前記第1中空体電圧は第1電圧源ユニット(44)を用いて設定可能であること、
    前記制御電極電圧は第3電圧源ユニット(46)を用いて設定可能であること、または
    前記終端電極電圧は第4電圧源ユニット(47)を用いて設定可能であること、
    という特徴のうち、少なくとも1つを備える粒子ビーム装置。
  3. 請求項1または2に記載の粒子ビーム装置(1)において、
    前記検出器(34)は検出器電位にあり、検出器電圧は、前記検出器電位と前記試料電位との間の第2電位差であり、
    前記第1相互作用粒子および/または前記第2相互作用粒子が前記第1吸入口(39,40)を経由して前記第1中空体(36,37)内部の前記第1キャビティ(35,38)に入射するように、前記第1中空体電圧、前記検出器電圧、前記制御電極電圧、および/または前記終端電極電圧を選択した、
    粒子ビーム装置。
  4. 請求項3に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記検出器電圧は第2電圧源ユニット(45)を用いて設定可能である、粒子ビーム装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)であって、次の特徴、すなわち、
    前記制御電極(41)を前記第1粒子ビームカラム(2)の外面(43)上に配置したこと、
    前記制御電極(41)を前記第1粒子ビームカラム(2)の外面(43)上の凹所(42)内に配置したこと、または
    前記制御電極(41)は前記第1粒子ビームカラム(2)の外面(43)上の凹所(42)内に配置され、前記制御電極(41)の外面と前記第1粒子ビームカラム(2)の前記外面(43)が連続平面を構成すること、
    という特徴のうちの1つを備える粒子ビーム装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)であって、次の特徴、すなわち、
    前記制御電極(41)は前記第1粒子ビームカラム(2)を部分的に包囲すること、または
    前記制御電極(41)は前記第1粒子ビームカラム(2)を完全に包囲すること、
    という特徴のうちの1つを備える粒子ビーム装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)であって、次の特徴、すなわち、
    前記第1中空体電位は(−100)Vから(−500)Vの範囲にあること、
    前記制御電極電位は100Vから800Vの範囲にあること、または
    前記終端電極電位は(−50)Vから(−200)Vの範囲にあること、
    という特徴のうち、少なくとも1つを備える粒子ビーム装置。
  8. 請求項3又は請求項3に従属する請求項4〜7のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記検出器電位は(−10)Vから(−500)Vの範囲にある、粒子ビーム装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)において、
    該粒子ビーム装置(1)は、前記第1キャビティ(35)内に配置された第2中空体(37)を備え、当該第2中空体は第2キャビティ(38)を有し、前記検出器(34)が前記第2キャビティ(38)内に配置され
    前記第2中空体(37)は第2中空体電位にあり、
    第2中空体電圧は、前記第2中空体電位と前記試料電位との間の第5電位差である、
    粒子ビーム装置。
  10. 請求項9に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記第2中空体電圧は第5電圧源ユニット(48)を用いて設定可能である、粒子ビーム装置。
  11. 請求項9または10に記載の粒子ビーム装置(1)において、
    前記第2中空体電位は接地電位であり、
    前記第1中空体電位は前記第2中空体電位とは異なるようにした、
    粒子ビーム装置。
  12. 請求項9または10に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記第1中空体電位および前記第2中空体電位は接地電位ではない、粒子ビーム装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)であって、次の特徴、すなわち、
    前記第1粒子ビームカラム(2)をイオンビームカラムとして構成し、前記第2粒子ビームカラム(3)を電子ビームカラムとして構成したこと、または
    前記第1粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成し、前記第2粒子ビームカラムをイオンビームカラムとして構成したこと、
    という特徴のうち1つを備える粒子ビーム装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の粒子ビーム装置(1)の動作方法であって、
    第1中空体電圧を供給するステップ、
    制御電極電圧を供給するステップ、
    終端電極電圧を供給するステップ、および
    前記第1相互作用粒子および/または前記第2相互作用粒子が前記第1キャビティ(35,38)の前記第1吸入口(39,40)を経由して前記第1中空体(36,37)内部の該第1キャビティ(35,38)に入射するように、前記第1中空体電圧、前記制御電極電圧、および/または前記終端電極電圧を設定するステップ、
    を含む、動作方法。
  15. 請求項14に記載の動作方法であって、
    検出器電圧を供給するステップ、および
    前記第1相互作用粒子および/または前記第2相互作用粒子が前記第1キャビティ(35,38)の前記第1吸入口(39,40)を経由して前記第1中空体(36,37)内部の該第1キャビティ(35,38)に入射するように、前記第1中空体電圧、前記検出器電圧、前記制御電極電圧、および/または前記終端電極電圧を設定するステップ、
    を含む、動作方法。
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