JP5726610B2 - 液晶ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ポリエステルの製造方法に関するものである。
近年、繊維、フィルムもしくは成形品用等において、耐熱性、機械的特性、耐薬品性等に優れた材料が求められている。これらに対応する材料として液晶性ポリマーが注目されている。その一種として、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸化合物と、芳香族ジオールを含むジヒドロキシ化合物とを縮重合して製造される液晶ポリエステルがある。
液晶ポリエステルの組成については、ポリマー特性の向上を目的とした検討がこれまでにもなされている。例えば、液晶ポリエステルの機械的特性を向上させる目的で、p−ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸化合物や、シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有する液晶ポリエステルが提案されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
特開平2−004822号公報
ところで、上記のような液晶ポリエステルは、通常、原料モノマーを反応容器に仕込んで加熱溶融して攪拌混合しながら縮重合反応を進める溶融縮重合によって製造される。このような溶融重縮合においては、反応が進行し重合度(分子量)増大によって重合体(ポリマー)の融点が上昇するので、溶融状態を保ちながら反応を均一に進めるため反応温度を上げていく必要がある。
しかし、上記の工程で耐熱性や機械的特性を確保するために重合度を高めていくと、熱履歴によって液晶ポリエステルが茶色に着色しやすくなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な耐熱性及び機械的特性を有し、且つ着色が十分抑制された液晶ポリエステルを得ることができる液晶ポリエステルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の化合物を含む組成物を特定の温度で溶融重縮合し、得られた反応生成物を特定の温度で固相重縮合することによって、十分な耐熱性及び機械的特性を有しながらも着色が十分抑制された液晶ポリエステルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の液晶ポリエステルの製造方法は、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物が含まれる組成物を溶融重縮合し、得られた反応生成物を固相重縮合することによって液晶ポリエステルを製造する方法であって、上記組成物が、上記ジカルボン酸化合物、上記ヒドロキシカルボン酸化合物及び上記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、ジカルボン酸化合物を10〜30モル%p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、及び芳香族ジヒドロキシ化合物を10〜30モル%含み(但し、これらの合計は100モル%である)、上記ジカルボン酸化合物は、下記式(1)で表されるジカルボン酸化合物、テレフタル酸及びイソフタル酸のうちの1種以上からなり、且つ、下記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を、上記ジカルボン酸化合物、上記ヒドロキシカルボン酸化合物及び上記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、2モル%以上含み、上記芳香族ジヒドロキシ化合物は、ハイドロキノン及び4,4’−ジヒドロキシビフェニルのうちの1種以上を含み、上記溶融重縮合の重縮合温度が315℃以下であり、上記固相重縮合の重縮合温度が315℃以下である。
Figure 0005726610

本発明の液晶ポリエステルの製造方法によれば、上記構成を有することにより、十分な耐熱性及び機械的特性を有しながらも着色が十分抑制された色の良い液晶ポリエステルを得ることができる。このような効果を得ることができる理由を本発明者らは以下のとおり考えている。まず、上記特定の組成物の溶融重縮合を上記の温度範囲に抑えて低い重合度で行うことにより、溶融体(液)の攪拌が容易となり重合度のばらつきが抑制できることが考えられる。そして、重合度が均一な反応生成物を固相重縮合に供することにより、上記の温度範囲に抑えても耐熱性や機械的特性が十分確保される重合度のポリマーを十分得ることができ、着色も十分抑制できることが考えられる。
ところで、LED(発光ダイオード)発光装置においてはLEDの光利用率を高めるために、LED素子の周囲にリフレクター(白色の反射枠)が設けられる。LEDリフレクター用の成形材料として、液晶ポリエステルと、酸化チタンなどの白色顔料とを配合した液晶ポリエステル樹脂組成物が用いられることがある。このとき液晶ポリエステルの着色の度合いが大きいと、リフレクターの光反射率を十分確保するためには白色顔料の配合量を高める必要がある。また、白色顔料の配合量の増加はリフレクターの物性に影響することもある。これに対して、本発明の液晶ポリエステルの製造方法によれば、特定の組成物を用いて溶融重縮合及び固相重縮合における反応温度を上記のとおり調整することにより、十分な機械的特性及び耐熱性を有しつつ着色が一層抑制された液晶ポリエステルを得ることができる。本発明の方法により得られる液晶ポリエステルを用いることにより、白色顔料の配合量を増加することなしに或いは低減しても十分な光反射率を得ることができ、耐光性、機械的特性及び耐熱性を更に高水準で満足する成形体を得ることが容易となる。
また、液晶ポリエステルが上記の用途に用いられる場合、本発明の方法により得られる液晶ポリエステルによれば、波長480nmの光に対して十分な光反射率が得られるのみならず、LEDの素子から発生する光による変色が少なく光反射率が低下しにくいという知見を本発明者らは得ている。
本発明の液晶ポリエステルの製造方法において、溶融時の液晶性の発現および耐熱性の観点から、上記組成物が、上記ジカルボン酸化合物、上記ヒドロキシカルボン酸化合物及び上記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、上記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を10〜30モル%、p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、及び下記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物を10〜30モル%含んでなるものであることが好ましい。
Figure 0005726610


[式(2)中、Xは芳香環を有する2価の基を示す。]
また、耐熱性、成形加工性の観点から、上記液晶ポリエステルが、上記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を2〜29モル%、p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、下記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物を10〜30モル%、及び下記一般式(3)で表される芳香族ジカルボン酸化合物を1〜28モル%含んでなるものであり、上記一般式(3)で表される芳香族ジカルボン酸化合物としてイソフタル酸を1モル%以上含むことが好ましい。
Figure 0005726610


[式(2)中、Xは芳香環を有する2価の基を示す。]
Figure 0005726610


[式(3)中、Yは芳香環を有する2価の基を示す。]
本発明によれば、十分な耐熱性及び機械的特性を有し、且つ着色が十分抑制された液晶ポリエステルを得ることができる液晶ポリエステルの製造方法を提供することができる。
本実施形態の液晶ポリエステル(以下「LCP」という場合もある。)の製造方法は、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物が含まれる組成物を溶融重縮合する第1工程と、第1工程で得られた反応生成物を固相重縮合する第2工程と、を備える。
まず、液晶ポリエステルの原料であり、上記第1工程の溶融重縮合に供される組成物について説明する。
本実施形態に係る組成物は、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物の合計を基準として、下記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を2〜30モル%及びp−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%含む。
Figure 0005726610

上記式(1)で表されるジカルボン酸化合物としては、1,3−シクロへキサンジカルボン酸及び1,4−シクロへキサンジカルボン酸が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種を組み合わせて用いることができる。
上記組成物における上記式(1)で表されるジカルボン酸化合物の上記含有割合が2モル%を下回ると、十分な機械的特性や耐光性能が得られず、30モル%を超えると、十分な耐熱性や成形加工性が得られない。耐光性、機械的特性、耐熱性、及び成形加工性のバランスの観点から、式(1)で表されるジカルボン酸化合物の含有割合は、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物の合計を基準として、5〜25モル%であることが好ましく、15〜20モル%であることがより好ましい。
本実施形態においては、十分な耐熱性、機械的特性を有し、且つ着色が十分抑制されたLCPを得る観点から、上記組成物が、1,4−シクロへキサンジカルボン酸を、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物の合計を基準として、5〜25モル%含むことが好ましい。
上記組成物におけるp−ヒドロキシ安息香酸の上記含有割合が40モル%を下回ると、十分な成形加工性、耐熱性が得られず、80モル%を超えると、十分な成形加工性、耐熱性が得られない。成形加工性及び耐熱性の双方を向上させる観点から、p−ヒドロキシ安息香酸の含有割合は、ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物の合計を基準として、50〜70モル%であることが好ましく、60〜70モル%であることがより好ましい。
上記組成物は、更に、下記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物、又は、下記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物と下記一般式(3)で表される芳香族ジカルボン酸化合物とを含有することができる。
Figure 0005726610


[式(2)中、Xは芳香環を有する2価の基を示す。]
Figure 0005726610


[式(3)中、Yは芳香環を有する2価の基を示す。]
上記組成物が上記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物又は上記一般式(3)で表される芳香族ジカルボン酸化合物を含有する場合、式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物はそれぞれ1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記一般式(2)及び(3)で表される化合物としてはそれぞれ、下記一般式(2−1)及び(3−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005726610


Figure 0005726610


式(2−1)及び式(3−1)中、Ar及びArは2価の芳香族基を示し、X及びYは芳香環を有する2価の基を示し、s及びtは、0又は1の整数を示す。
Ar及びArとしては、耐熱性及び成形加工性の点で、下記式(Ar−1)又は(Ar−2)で表される2価の芳香族基が好ましい。なお、式(Ar−1)で表されるベンゼン環の2つの結合手はメタ位又はパラ位の関係にある。
Figure 0005726610


Figure 0005726610

としては、下記式(2−2)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 0005726610


式(2−2)中、Lは、2価の炭化水素基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、又は−SO−を示し、uは、0又は1の整数を示す。2価の炭化水素基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基が挙げられ、そのうち、−C(CH−又は−CH(CH)−が好ましい。なお、式(2−2)中のベンゼン環の2つの結合手はメタ位又はパラ位の関係にある。
としては、下記式(3−2)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 0005726610


式(3−2)中、Lは、2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−CO−、又は−SO−を示し、vは、0又は1の整数を示す。2価の炭化水素基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基が挙げられ、そのうち、−C(CH−又は−CH(CH)−が好ましい。なお、式(3−2)中のベンゼン環の2つの結合手はメタ位又はパラ位の関係にある。
上記組成物が、上記一般式(2)で表される化合物を更に含有する場合、式(1)で表される化合物、p−ヒドロキシ安息香酸及び式(2)で表される化合物の含有割合は、それらの合計が100モル%となり、式(1)の化合物の含有割合と式(2)の化合物の含有割合とが等しくなるように設定することができる。
具体的には、上記式(1)で表される化合物を10〜30モル%、p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、及び上記一般式(2)で表される化合物を10〜30モル%含む組成物(以下、第1の組成物という場合もある。)を溶融重縮合に供することができる。
上記一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ナフタレンジオール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、及びビスフェノールSなどが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1の組成物においては、上記一般式(2)で表される化合物として、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを15〜25モル%含有することが好ましい。
上記組成物が、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物とを更に含有する場合、式(1)で表される化合物、p−ヒドロキシ安息香酸、式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物の含有割合は、それらの合計が100モル%となり、式(1)の化合物及び(3)の化合物の含有割合の合計と式(2)の化合物の含有割合とが等しくなるように設定することができる。
具体的には、上記式(1)で表される化合物を2〜29モル%、p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、上記一般式(2)で表される化合物を10〜30モル%、及び上記一般式(3)で表される化合物を1〜28モル%含む組成物(以下、第2の組成物という場合もある。)を溶融重縮合に供することができる。
上記一般式(3)で表される化合物としては、具体的には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の組成物においては、成形加工性、耐熱性の点で、イソフタル酸を、組成物中に1〜5モル%含有させることが好ましい。
また、第2の組成物には、耐光性、耐熱性の観点から、1,4−シクロへキサンジカルボン酸を10〜20モル%含有させることが好ましい。更に、成形加工性、耐熱性の観点から、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを15〜20モル%含有させることが好ましい。
本実施形態の方法では、上述した組成物を溶融重縮合する第1工程が行われる。このとき、溶融重縮合時間を短縮し第1工程中の熱履歴の影響を低減させるため、モノマーの水酸基を予めアセチル化した後に溶融重縮合を行うことが好ましい。さらに、第1工程を簡略化するために、アセチル化は反応槽中のモノマーに無水酢酸を供給して行うのが好ましく、このアセチル化工程を溶融重縮合工程と同じ反応槽を用いて行うのが好ましい。すなわち、反応槽中で無水酢酸による原料モノマーのアセチル化反応を行い、反応終了後昇温して重縮合反応に移行するのが好ましい。また、無水酢酸は、無水酢酸過剰量がモノマーの水酸基のモル数に対して1〜10モル%となるように供給することが好ましい。無水酢酸過剰量が1モル%未満であると、反応速度が遅くなりLCPが着色する傾向にあり、10モル%を超えると残存無水酢酸の影響でLCPが着色する傾向にある。
アセチル化されたモノマーは、脱酢酸反応を伴いながら溶融重縮合反応を行うことができる。反応槽としては、モノマー供給手段、酢酸排出手段、溶融ポリエステル抜き出し手段および攪拌手段を備えた反応槽を用いることが好ましい。このような反応槽(重縮合装置)は公知のものから適宜選択することができる。
第1工程における溶融重縮合温度は315℃以下とすることが必要であるが、好ましくは290℃〜310℃である。この温度が290℃未満であると、十分な重合度のプレポリマーが得られなくなる傾向にあり、310℃を超えると、着色しやすくなる傾向にある。なお、上記の溶融重縮合温度とは、反応槽内部に設置した熱電対により検出できる溶融重合体の温度である。
また、溶融重縮合温度の昇温速度は0.1〜5.0℃毎分の範囲で昇温させることが好ましい。更に好ましくは0.3〜3.0℃毎分の範囲である。この昇温速度が0.1℃毎分以下であると、生産効率が著しく低下し、5.0℃毎分以上であると、未反応成分が多くなり、第2工程での着色の原因となる恐れがある。
本実施形態においては、アセチル化反応終了後、昇温して重縮合を開始し、0.1℃/分〜2℃/分の範囲で昇温して、最終到達温度として290〜315℃まで上昇させるのが好ましい。このように、重縮合の進行により生成重合体の溶融温度が上昇するのに対応して重縮合温度も上昇させることが好ましい。
重縮合反応では、ポリエステルの重縮合触媒として公知の触媒を使用することができる。触媒としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの金属触媒、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒等が挙げられる。
溶融重縮合において、その反応槽中の溶融重合体の温度が200℃以上、好ましくは220℃〜315℃に達したところで、低重合度の液晶ポリエステルを溶融状態のまま重合槽から抜き出し、スチールベルトやドラムクーラー等の冷却機へ供給し、冷却して固化させる。
ついで、固化した低重合度の液晶ポリエステルを、後続の固相重縮合反応に適した大きさに粉砕する。粉砕方法は特に限定されないが、例えば、ホソカワミクロン社製のフェザーミル、ビクトミル、コロプレックス、パルベラーザー、コントラプレックス、スクロールミル、ACMパルベラーザー等の衝撃式粉砕機、マツボー社製の架砕式粉砕機であるロールグラニュレーター等の装置を使用する方法が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、ホソカワミクロン(株)製のフェザーミルを使用する方法である。本実施形態においては、粉砕物の粒径に特に制限はないが、工業フルイ(タイラーメッシュ)で4メッシュ通過〜2000メッシュ不通の範囲が好ましく、5メッシュ〜2000メッシュ(0.01〜4mm)の範囲にあればさらに好ましく、9メッシュ〜1450メッシュ(0.02〜2mm)の範囲にあれば最も好ましい。
本実施形態に係る第2の工程では、上記の粉砕工程で得られた粉砕物(プレポリマー)を固相重縮合して目的の液晶ポリエステルを得る。
固相重縮合工程に使用する装置、運転条件には特に制限はなく、ロータリーキルンなど公知の装置および方法を用いることができる。
第2工程における固相重縮合温度は315℃以下とすることが必要であるが、好ましくは290℃〜310℃である。この温度が290℃未満であると、十分な重合度の液晶ポリエステルが得られにくくなる傾向にあり、310℃を超えると、着色しやすくなる傾向にある。なお、上記の固相重縮合温度とは、反応槽内部に設置した熱電対により検出できるポリマー粉体の温度である。
本実施形態の方法によってサーモトロピック液晶ポリエステルが得られる。このことは以下の手順により確認することができる。ジャパンハイテック(株)製の顕微鏡用冷却加熱ステージ10002型を備えたオリンパス(株)社製の偏光顕微鏡BH−2を用い、ポリエステル試料を顕微鏡加熱ステージ上にて加熱溶融させる。そして、溶融時に100倍、200倍の倍率にて観察することにより、光学異方性の有無を確認することができる。
本発明の製造方法によって得られる液晶ポリエステルは、LEDリフレクター成形用の樹脂組成物の樹脂成分として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<液晶ポリエステルの製造>
まず、液晶ポリエステルの製造例を以下に示す。また、製造した各ポリエステルのモノマー組成(モル%)、重縮合温度及び融点を表1に示す。
(実施例1:液晶ポリエステル(A)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する内容積6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)0.83kg(6.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.37kg(2.0モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.34kg(2.0モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
アセチル化終了後、酢酸留出状態にした重合反応槽を0.5℃/分で昇温して、槽内の溶融体温度が310℃になったところで重合物を反応槽下部の抜き出し口から取り出し、冷却固化した。得られた重合物をホソカワミクロン株式会社製の粉砕機により目開き2.0mmの篩を通過する大きさに粉砕してプレポリマーを得た。
次に、上記で得られたプレポリマーを入江商会製固相重合装置(ロータリーキルン)に充填し、窒素を0.1Nm/hrの流速にて流通し、回転速度5rpmでヒーター温度を室温から190℃まで3時間かけて昇温した後、280℃まで5時間かけて昇温し、更に320℃まで3時間かけて昇温し、その温度を保持して固相重縮合を行った。キルン内のポリマー粉体温度が300℃に到達したことを確認して加熱を停止し、キルンを回転しながら4時間かけて冷却した。固相重縮合後のポリマーの溶融状態を偏光顕微鏡下で観察したところ光学異方性を示しており、液晶性が確認された。こうして、粉体状のサーモトロピック液晶ポリエステル(A)約1.5kgを得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステル(A)の融点は345℃であった。
(実施例2:液晶ポリエステル(B)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)1.10kg(8.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.19kg(1.0モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.17kg(1.0モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
次に、実施例1と同様にして、プレポリマーを得た後、固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(B)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は342℃であった。
(実施例3:液晶ポリエステル(C)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)0.55kg(4.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.56kg(3.0モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.52kg(3.0モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
次に、実施例1と同様にして、プレポリマーを得た後、固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(C)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は350℃であった。
(実施例4:液晶ポリエステル(D)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)0.83kg(6.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.37kg(2.0モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.29kg(1.7モル)、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル製)0.05kg(0.3モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
次に、実施例1と同様にして、プレポリマーを得た後、固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(D)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は340℃であった。
(実施例5:液晶ポリエステル(E)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)0.55kg(4.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.56kg(3.0モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.03kg(0.2モル)、テレフタル酸(三井化学株式会社製)0.38kg(2.3モル)イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル製)0.08kg(0.5モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
次に、実施例1と同様にして、プレポリマーを得た後、固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(E)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は338℃であった。
(比較例1:液晶ポリエステル(F)の製造)
実施例1と同様にしてアセチル化まで行った。アセチル化終了後、酢酸留出状態にした重合反応槽を0.5℃/分で昇温して、槽内の溶融体温度が320℃になったところで重合物を反応槽下部の抜き出し口から取り出し、冷却固化した。得られた重合物をホソカワミクロン株式会社製の粉砕機により目開き2.0mmの篩を通過する大きさに粉砕してプレポリマーを得た。プレポリマーは茶色くなった。
上記のプレポリマーを用いたこと以外は実施例1と同様にして固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(F)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は360℃であったが、茶色く着色していた。
(比較例2:液晶ポリエステル(G)の製造)
実施例1と同様にしてプレポリマーを得た。
次に、上記で得られたプレポリマーを入江商会製固相重合装置(ロータリーキルン)に充填し、窒素を0.1Nm/hrの流速にて流通し、回転速度5rpmでヒーター温度を室温から190℃まで3時間かけて昇温した後、280℃まで5時間かけて昇温し、更に340℃まで4.2時間かけて昇温し、その温度を保持して固相重縮合を行った。キルン内のポリエステル粉体温度が320℃に到達したことを確認して加熱を停止し、キルンを回転しながら4時間かけて冷却し、粉体状のサーモトロピック液晶ポリエステル(G)約1.5kgを得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステル(G)の融点は355℃であったが、茶色く着色していた。
(比較例3:液晶ポリエステル(H)の製造)
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する6Lの重合反応槽(日東高圧株式会社製)に、p−ヒドロキシ安息香酸(上野製薬株式会社製)0.41kg(3.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(本州化学工業株式会社製)0.65kg(3.5モル)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(イーストマンケミカル社製)0.60kg(3.5モル)、触媒として酢酸カリウム(キシダ化学株式会社製)0.15g、及び、酢酸マグネシウム(キシダ化学株式会社製)0.50gを仕込み、重合反応槽の減圧−窒素注入を2回行って窒素置換を行った後、無水酢酸1.07kg(10.5モル)を更に添加し、攪拌翼の回転速度を70rpmとし、1.5時間かけて150℃まで昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。
次に、実施例1と同様にして、プレポリマーを得た後、固相重合を行って、サーモトロピック液晶ポリエステル(H)を得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステルの融点は325℃であった。
(比較例4:液晶ポリエステル(I)の製造)
実施例1と同様にしてアセチル化まで行った。アセチル化終了後、酢酸留出状態にした重合反応槽を0.5℃/分で昇温して、槽内の溶融体温度が360℃になったところで重合物を反応槽下部の抜き出し口から取り出し、冷却固化した。得られた重合物をホソカワミクロン株式会社製の粉砕機により目開き2.0mmの篩を通過する大きさに粉砕して、粉体状のサーモトロピック液晶ポリエステル(I)約1.5kgを得た。得られたサーモトロピック液晶ポリエステル(I)の融点は345℃であっが、茶色く着色していた。
Figure 0005726610

表1中、CHDAは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、HBAはp−ヒドロキシ安息香酸、BPは4,4’−ジヒドロキシビフェニル、IPAはイソフタル酸、TPAはテレフタル酸を示す。
液晶ポリエステルの融点は、次の方法で測定した。
(融点の測定)
液晶ポリエステルの融点は、セイコー電子工業(株)製の示差走査熱量計(DSC)により、リファレンスとしてα−アルミナを用いて測定した。このとき、昇温速度20℃/分で室温から420℃まで昇温してポリマーを完全に融解させた後、速度10℃/分で150℃まで降温し、更に20℃/分の速度で420℃まで昇温するときに得られる吸熱ピークの頂点を融点とした。
液晶ポリエステルの光学異方性については、次の方法で確認した。
(光学異方性の確認)
ジャパンハイテック(株)製の顕微鏡用冷却加熱ステージ10002型を備えたオリンパス(株)社製の偏光顕微鏡BH−2を用い、ポリエステル試料を顕微鏡加熱ステージ上にて加熱溶融させ、溶融時に100倍、200倍の倍率にて観察して光学異方性の有無を確認した。
<光反射率測定用試験片の作製>
まず、以下の手順で液晶ポリエステル樹脂組成物のペレットを作製した。
上記の実施例及び比較例で得られた液晶ポリエステル(A)〜(I)それぞれ100質量部に対して、酸化チタン粒子(堺化学工業(株)製、SR−1)を100質量部の割合で予め混合し、その混合物をエアーオーブン中で150℃にて2時間乾燥した。この乾燥した混合物を、シリンダー最高温度370℃に設定した二軸押出機(池貝鉄鋼(株)製、PCM−30)のホッパーに供給し、更にガラス繊維(オーウェンスコーニング(株)製、PX−1)を22質量部の割合で二軸押出機のシリンダーの途中に供給(サイドフィード)し、15kg/hrにて、溶融混練して、液晶ポリエステル樹脂組成物のペレットをそれぞれ得た。
次に、上記で得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−25)を用いて、シリンダー最高温度350℃、射出速度100mm/sec、金型温度80℃で射出成形して、13mm(幅)×130mm(長さ)×3.0mm(厚み)の射出成形体を作製した。これを光反射率の測定用試験片とした。また、上記と同様の条件で射出成形を行って、ASTM D790に準じた曲げ試験片を作製し、荷重たわみ温度(DTUL)と曲げ弾性率の測定用試験片とした。
[液晶ポリエステル及び液晶ポリエステル樹脂組成物の評価]
上記の実施例及び比較例で得られたポリエステル粉体について、下記の方法により、L値及び光反射率を測定した。また、上記の方法によって得られた各試験片について、光照射試験前後の光反射率、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
(ポリエステル粉体のL値及び光反射率の測定)
得られたサーモトロピック液晶ポリエステル粉体を皿に敷き詰め、自記分光光度計(U−3500:(株)日立製作所製)の発光・受光部を上記粉体の上面に押し当てることにより、L値及び波長480nmの光に対する拡散反射率の測定を行った。なお、L値はJIS Z 8729に則り数値化されたLab表色系の数値であり、光反射率は、硫酸バリウム標準白板の拡散反射率を100%としたときの相対値である。なお、測定値は、5回の測定数値の平均値を用いた。
(光反射率測定用試験片の初期の光反射率の測定)
得られた光反射率測定用試験片の表面について、自記分光光度計(U−3500:(株)日立製作所製)を用いて波長480nmの光に対する拡散反射率の測定を行った。なお、光反射率は、硫酸バリウム標準白板の拡散反射率を100%としたときの相対値である。
(光照射試験後の光反射率の測定)
得られた光反射率測定用試験片に、(株)東洋精機製作所製サンテストXLS+を用い、キセノンランプにより、600W/m、BPT温度90℃の設定にて、500時間光照射する光照射試験を行った。この光照射試験後の試験片の表面について、自記分光光度計(U−3500:(株)日立製作所製)を用いて波長480nmの光に対する拡散反射率の測定を行った。なお、光反射率は、硫酸バリウム標準白板の拡散反射率を100%としたときの相対値である。
(荷重たわみ温度の測定)
上記で作製した曲げ試験の試験片を用い、ASTM D648に従い、荷重たわみ温度(DTUL)の測定を行った。
(曲げ弾性率の測定)
上記で作製した曲げ試験の試験片を用い、ASTM D790に従い、曲げ弾性率の測定を行った。
Figure 0005726610

表1に示すように、式(1)成分の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)の含有割合が2〜30モル%でp−ヒドロキシ安息香酸(HBA)の含有割合が40〜80モル%の範囲にあり、溶融重縮合および固相重縮合の温度を310℃以下にして重合して得られた実施例1〜5の液晶ポリエステル(A)〜(E)は、表2に示すようにL値が75以上と大きく色調が明るく、着色が抑制されていることが分かった。そして、これらの初期反射率は40%以上となっていた。また、これらの液晶ポリエステルを用いて得られる樹脂組成物はいずれも380℃以下で射出成形可能であり、表2に示すように、成形品の480nmの光に対する初期の光反射率は全て80%以上と高く、かつ、500時間光照射試験後の光反射率は、初期に対して高々7%程度しか低下せず、80%以上の高いレベルを保持していることが分かった。また、成形体表面の変色も見られなかった。更に、実施例1〜5の樹脂組成物から得られる射出成形体は、いずれも荷重たわみ温度(DTUL)が220℃を超え、曲げ弾性率も6GPa以上と十分に高く、高度な耐熱性及び機械的特性を有していることが確認された。
一方、表1に示すように、ポリエステル(A)と同じ組成でも、溶融重縮合あるいは固相重縮合の温度が315℃を超えて重合して得られた比較例1、2、4の液晶ポリエステル(F),(G),(I)は、ポリマーが茶色く着色してしまったため、表2に示すようにL値が低くなり反射率も低下した。また、これらを用いて得られる樹脂組成物の成形品の初期光反射率は80%を下回った。また、CHDAの含有割合が35モル%、HBAの含有割合が30モル%と本発明の範囲を外れるポリエステル(H)は、液晶性ではあるもののDTULが200℃を下回り耐熱性が劣る結果となった。

Claims (2)

  1. ジカルボン酸化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物及びジヒドロキシ化合物が含まれる組成物を溶融重縮合し、得られた反応生成物を固相重縮合することによって液晶ポリエステルを製造する方法であって、
    前記組成物が、前記ジカルボン酸化合物、前記ヒドロキシカルボン酸化合物及び前記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、ジカルボン酸化合物を10〜30モル%p−ヒドロキシ安息香酸を40〜80モル%、及び芳香族ジヒドロキシ化合物を10〜30モル%含み(但し、これらの合計は100モル%である)
    前記ジカルボン酸化合物は、下記式(1)で表されるジカルボン酸化合物、テレフタル酸及びイソフタル酸のうちの1種以上からなり、且つ、下記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を、前記ジカルボン酸化合物、前記ヒドロキシカルボン酸化合物及び前記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、2モル%以上含み、
    前記芳香族ジヒドロキシ化合物は、ハイドロキノン及び4,4’−ジヒドロキシビフェニルのうちの1種以上を含み、
    前記溶融重縮合の重縮合温度が315℃以下であり、前記固相重縮合の重縮合温度が315℃以下である、液晶ポリエステルの製造方法。
    Figure 0005726610
  2. 前記組成物が、前記ジカルボン酸化合物、前記ヒドロキシカルボン酸化合物及び前記ジヒドロキシ化合物の合計を基準として、前記式(1)で表されるジカルボン酸化合物を10〜30モル%含んでなるものである、請求項1に記載の液晶ポリエステルの製造方法。
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