JP5725596B2 - 階段構造及びその構築方法 - Google Patents
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Description
一方、鉄筋コンクリートの階段部分は、配筋、型枠の形状が複雑となることから、工事に手間が掛かり、熟練した作業者が必要となるなど、工事の省力化の妨げとなっている。 また、コンクリートを精度良く打設することが難しく、後工事としてはつり工程や左官工事が必要となるなどの弱点があり、合理化が望まれている。
また、鉄筋コンクリートによる階段部分では、型枠が解体されるまでの期間、支保工などによる構築物が存在し、安全通路として使用することが難しくなるなど、工事安全上の問題も存在する。
また、鉄筋コンクリート構造の階段の型枠を施工するに当たり、階段の下面に当たる段裏型枠をセットした後、段裏型枠の上に鉄筋をセットすると共に、予め段型に加工した段型金具をセットし、この段型金具を支持スペーサーにより所定位置に固定した上で、段型金具に型枠兼用の蹴込部材を固定する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、鉄骨構造の建物に鋼板製の階段踏板を使用すれば、施工は容易であるが昇降時の騒音が大きい難点がある。
併せて、型枠解体までの期間にも支保工などによる構築物が少なく、工事用階段として安全に利用でき、工事安全上の課題も解決することも目的とする。
また、このALC製踏板は、容易に鉄骨構造の躯体に使用することも可能である。
ALCパネルの表面はコンクリートなどに比較してもろい性質があるが、モルタルなどによる保護層を設けることによって、耐摩耗性が向上し相当の長期間の使用に耐える材料を提供することが可能となる。
また、本発明の階段用踏板は、踏板の長手方向の両端に上部に座掘穴を有する複数の貫通孔を具備した階段用踏板である。
の安全通路の確保への効果が見込める。
また、モルタルなどによる保護層を設けることによって、踏板としての耐久性を確保することも可能である。
更に、踏板が損傷した場合に、その補修が容易に可能であり、万が一にも継続的に使用出来る限界を超えて損傷した場合であっても、交換が容易であるという特徴がある。
図1は、本発明の階段の取付構造を示す透視斜視図であり、踏板を鉄筋コンクリート躯体に取り付けた階段を示している。図に示す階段は、鉄筋コンクリート躯体30,30の間にALCからなる踏板1、1、・・・が掛けられている。
鉄筋コンクリート躯体30、30には、アンカーボルト23を埋設することにより取付金具2、2、2、・・・が取り付けてあり、その取付金具2、2、2、・・・の上に踏板1、1、・・・を載置してある。
踏板1、1、・・・は座掘穴を有する貫通孔1aを通して取付金具2、2、・・・に取付ボルト4、4、・・・によって締め付け固定されている。取付ボルト4、4、・・・は座金5、5・・・を介して締め付けた後、貫通孔1a上部の座掘穴を座掘穴埋材6、6・・を使用して穴埋めしておく。
なお、この穴埋め材は、合成樹脂製の成型品や、モルタルなどの不定形な硬化材料の、何れも使用出来る。
図2(a)、(b)に示すように、鉄筋コンクリート躯体30の内部には取付金具2がアンカーボルト23を埋設して固定されている。踏板1はその両端部を取付金具2上に載置して、取付ボルト4で固定してある。
踏板1はL字型の取付金具2に取付ボルト4で固定されている。踏板表面がステップに最適な間隔を保っている限り、踏板1の上下方向の間隔は多少空いていても良い。図2(c)に示すように、図1に示す階段では踏板1の厚さTがステップの高さHよりも小さ
いので蹴込み部分11に隙間が空いている。
本発明の踏板1は、細長い長尺のALCパネル10の長さ方向の両端に、固定用の貫通孔1a、1a・・・が複数個設けてある。ALCパネル表面は、モルタルやSL材(セルフレベリング材)による保護層1cで覆われている。
保護層1cとなるモルタルまたはSL材の厚さは、使用条件としての荷重、又は使用時に想定される落下物の種類などを考慮し、1〜50mmの範囲で建築設計者などによって適宜決定される。
表面(踏み面)と蹴込み面(段端)以外のALCパネル表面には、必要に応じて装飾を兼ねた塗装または吹き付け仕上げやモルタル仕上げ、タイル張り仕上げを行う場合がある。
本発明の踏板1には図4(a)に示すように、ALCパネルの長手方向に沿って主筋25が通っている。図4(a)及び(b)に示すように、主筋25はALCパネル10の表面側に2本のパネル上側配筋25aが、ALCパネルの裏面側の3本のパネル下側配筋25bが配置されている。また、図4(c)に示すように、2本のパネル上側配筋25aと3本のパネル下側配筋25bは、それぞれ副筋26によって連結して固定してある。
このように踏板の配筋をすることにより、板厚が薄くても階段踏板としての耐荷重性能を発揮することができる。また、主筋及び副筋の本数は、必要に応じて2本〜20本の間で決定される。
本発明の踏板の取付金具2、2’はL字型鋼片21、21’からなり、L字型鋼片21、21’の底板21a、21a’の内側には、ネジ溝22a、を有する複数の突起22、が溶接固定されており、L字型鋼片21、21’の側板21b、21b’の外側には複数のアンカーボルト23が溶接固定されている。アンカーボルト23の先端には、ボルト頭24がある。又はボルト頭の代わりに、ボルトの先端にアンカー用のナットを螺合させても良い。更に、アンカーボルトとして、スタッドボルトも使用できる。L字型鋼片21、21’の側板21b、21b’及びアンカーボルト23を鉄筋コンクリート躯体の型枠に載置し、そのL字型鋼片21、21’の底板21a、21a’に図示省略の踏板を載置し、取付ボルト(図示省略)で固定する。しかる後、鉄筋コンクリート製の建物躯体の内部に埋設してコンクリートを打設して固定する。
また、予め鉄筋コンクリート製の建物躯体にL字型鋼片21、21’の側板21b、21b’及びアンカーボルト23を固定しておき、その後に踏板を載置、固定することも可能である。
図5及び図6の取付金具2、2’は、構造や使用方法は全く同じであり、図6の取付金具2’は、アンカーボルト23を3本有している点が異なるのみである。アンカーボルト23及び突起22の数は、荷重条件など、必要に応じて2本〜10本を使用する。
は正面図、(c)は側面図である。
図7(a)、(b)に示すとおり、鉄筋コンクリート製の建物躯体30にアンカーボルト23を使用して固定されている取付金具2に、踏板1がその端で取付ボルト4により締め付け固定されている。踏板1の両端には上部に座掘穴1bを有する貫通孔1aがあけてあり、踏板1は貫通孔1aに取付ボルト4を通して取付金具2の突起22にあるネジ溝に螺合させて締め付け固定する。取付ボルト4を締め付けた後、座掘穴埋材6で座掘穴1bを封止しておく。踏板1の取付部分詳細は、次の図8に示す。
鉄筋コンクリート製の建物躯体30と踏板1との接合面にはシーリング材7で封止してある。その状態を図7(c)に見ることができる。取付金具2と接する踏板1の底部を除いて、踏板1の3面を取り囲むようにシーリング材7で封止してある。
踏板1の端部には取付ボルト4用の貫通孔1aが搾孔されており、貫通孔1aの上部には座掘穴1bが形成されている。貫通孔1aの内径は前述の取付金具2に取り付けられた突起22の外形よりもやや大きくしておく。必要に応じて、突起22の金具2への溶接部を納めるために、面取りを設けることもある。
踏板1は、貫通孔1aを通して取付ボルト4、座金5を用いて取付金具2の突起22に螺合させて固定する。ボルト締めした後の貫通孔1a上部の座掘穴1bには、座掘穴埋材6を詰め込んで封止しておく。
図9に示す踏板の取付金具3は、1対のL字型鋼片31と平鋼片41とからなっている。
L字型鋼片31の底板31aの内側には、ネジ溝32aを有する複数の突起32が溶接固定されており、L字型鋼片31の側板31bには複数の穴31cが開けてある。この穴31cの内径は座金34を嵌め込めるような大きさとし、座金34を通して取付ボルト35を通す。
一方、平鋼片41のほぼ中央には穴42が開けてあり、その外側面には複数のアンカーボルト43が溶接固定されている。アンカーボルト43の先端には、固定用のボルト44が螺合させてある。また、アンカーボルト43の中心にはネジ溝45を搾孔してある。
平鋼片41及びアンカーボルト43を鉄筋コンクリート製の建物躯体の内部に埋設してコンクリートを打設して固定する。しかる後、平鋼片41のアンカーボルト43のネジ溝45に、前述の座金34を通して取付ボルト35を締め付けて固定する。
このようにしてコンクリート構造の建物躯体に取付金具を固定し、その取付金具のL字型鋼片31に前述と同様にして踏板を取り付ける。
鉄骨構造の建物躯体に階段を取り付ける場合は、建物躯体を組み立て後に取付金具を取り付けることができるので、使用する取付金具38は先の図9に示したL字型鋼片31と同様でよい。したがって構造の詳細説明は省略する。
L字型鋼片31側板には複数の穴33が開けてある。この穴33の内径は座金34を嵌め込めるような大きさとし、座金34を通して取付ボルト35を通す。図示省略の鉄骨構造の建物躯体の所定位置に設けた穴に取付ボルト35を通し、座金36を介してナット37を螺合させて、取付金具38を鉄骨構造の建物躯体に締め付け固定する。
このようにして鉄骨構造の建物躯体に取付金具38を固定し、その取付金具38に前述と同様にして踏板を取り付ける。
鉄骨構造の建物躯体50に、L字型鋼片からなる取付金具38がボルト締めで取り付け
てある。取付金具38上に踏板1を載置し、座金5と取付ボルト35を用いて取付金具38に締め付け固定し、座掘穴に座掘穴埋材6を詰めて封止してある。
2、2’、3 取付金具
4 取付ボルト
5、36 座金
6 座掘穴埋材
7 シーリング材
10 ALCパネル
21、21’ L字型鋼片
22、32 突起
23、43 アンカーボルト
24 ボルト頭
25 主筋
26 副筋
30 鉄筋コンクリート躯体
31 L字型鋼片
33、42 穴
34 座金
35 取付ボルト
37 ナット
38 取付金具
41 平鋼片
44 固定用のボルト
45 ネジ溝
50 鉄骨構造の建物躯体
Claims (5)
- 鉄筋コンクリート構造からなる階段構造であって、ALCパネル表面にモルタル、ポリマーセメントモルタル、SL材(セルフレベリング材)、合成樹脂系左官材料のいずれか1種の材料からなる保護層が設けられた階段用踏板を用いた階段構造において、断面がL字型の鋼片の底板内部にネジ溝を有する複数の突起が溶接固定され、前記L字型の鋼片の側板外部には複数のアンカーボルトが溶接固定されている取付金具と、前記踏板の長手方向の両端に複数の座掘穴を有する貫通孔を具備した階段用踏板にて構成され、前記取付金具の底板内側に溶接固定されたネジ溝を有する突起に、取付ボルトを前記踏板の座堀穴を有する貫通孔を通して締め付け固定した構造となしたことを特徴とする階段構造。
- 鉄筋コンクリート構造からなる階段構造であって、ALCパネル表面にモルタル、ポリマーセメントモルタル、SL材(セルフレベリング材)、合成樹脂系左官材料のいずれか1種の材料からなる保護層が設けられた階段用踏板を用いた階段構造において、断面がL字型の鋼片と該鋼片の側板とほぼ同じ大きさの平鋼片の対からなり、前記L字型の鋼片の底板内側にネジ溝を有する複数の突起が溶接固定されており、前記L字型の鋼片の側板には取付ボルト用の穴を有し、前記平鋼片の側板外側には複数の中心にネジ溝を有するアンカーボルトが溶接固定されている取付金具と、前記踏板の長手方向の両端に複数の座掘穴を有する貫通孔を具備した階段用踏板にて構成され、前記取付金具の底板内側に溶接固定されたネジ溝を有する突起に、取付ボルトを前記踏板の座堀穴を有する貫通孔を通して締め付け固定した構造となしたことを特徴とする階段構造。
- 鉄骨構造からなる階段構造であって、ALCパネル表面にモルタル、ポリマーセメントモルタル、SL材(セルフレベリング材)、合成樹脂系左官材料のいずれか1種の材料からなる保護層が設けられた階段用踏板を用いた階段構造において、断面がL字型の鋼片の底板内側にネジ溝を有する複数の突起が溶接固定されており、前記L字型の鋼片の側板には取付ボルトを貫通させて取付金具を建物躯体にボルト締めするための穴を有する取付金具と、踏板の長手方向の両端に複数の座掘穴を有する貫通孔を具備した階段用踏板にて構成され、前記取付金具の底板内側に溶接固定されたネジ溝を有する突起に、取付ボルトを前記踏板の座堀穴を有する貫通孔を通して締め付け固定した構造となしたことを特徴とする階段構造。
- 鉄筋コンクリート構造の建物躯体に階段を設置するに当たり、コンクリート型枠の所定の位置に、あらかじめ前記請求項1または2に記載の取付金具のアンカーボルトを固定してコンクリートを打設し、しかる後、該取付金具に、ALCパネル表面にモルタル、ポリマーセメントモルタル、SL材(セルフレベリング材)、合成樹脂系左官材料のいずれか1種の材料からなる保護層が設けられた踏板であって該踏板の長手方向の両端に複数の座掘穴を有する貫通孔を具備した段板用踏板を、前記取付金具の底板内側に溶接固定されたネジ溝を有する突起に、取付ボルトを当該踏板の座堀穴を有する貫通孔を通して締め付け固定することを特徴とする、鉄筋コンクリート構造への階段の取付方法。
- 鉄骨構造の建物躯体に階段を設置するに当たり、あらかじめ建物躯体の所定の位置に取付ボルト用の穴を設け、断面がL字型の鋼片の底板内側にネジ溝を有する複数の突起が溶接固定されており、前記L字型の鋼片の側板には取付ボルトを貫通させて取付金具を建物躯体にボルト締めするための穴を有する取付金具を、前記穴に取付ボルトを通して固定し、しかる後、該取付金具に、ALCパネル表面にモルタル、ポリマーセメントモルタル、SL材(セルフレベリング材)、合成樹脂系左官材料のいずれか1種の材料からなる保護層が設けられた踏板であって該踏板の長手方向の両端に複数の座掘穴を有する貫通孔を具備した段板用踏板を、前記取付金具の底板内側に溶接固定されたネジ溝を有する突起に、取付ボルトを当該踏板の座堀穴を有する貫通孔を通して締め付け固定することを特徴とする、鉄骨構造への階段の取付方法。
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