実施の形態1.
図1及び図2は、本発明の実施の形態1における液晶表示装置を構成する液晶パネルの概略図である。以下、この液晶パネルの構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は液晶パネル全体を示した平面図、図2は図1における断面線A−Bでの断面図を示したものである。なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図面が煩雑とならない様、発明の主要部以外の省略や構成の一部簡略化などを適宜行っている。また、以下の図においては、図中、既出の図において説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ここでは、一例としてTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子に用いて動作される横電界方式の液晶パネルの特にFFS(Fringe Field Switching)方式を用いた液晶パネルへ本発明を適用した場合について説明を行うことにする。図1及び図2に示される様に、この液晶パネル100は、スイッチング素子としてTFTを備えたTFT基板110と、TFT基板110に対して対向して位置合わせして配置され、画像を表示する表示領域200を有する対向基板であるカラーフィルタ基板120と、表示領域200に対応する領域を囲うように配置され、カラーフィルタ基板120とTFT基板110との間の間隙を密封するシール材130を備えている。更にTFT基板110とカラーフィルタ基板120間には、基板間に所定の一定距離の間隙を形成し保持する柱状スペーサ(図示省略)が表示領域200内に多数配置される。このシール材130により密封され、柱状スペーサにより保持されたカラーフィルタ基板120とTFT基板110との間の間隙の少なくとも表示領域200に対応する領域に液晶層140が狭持されている。このシール材130は、表示領域200に対応する領域外側に配置される額縁領域190に形成される。また、TFT基板110及びカラーフィルタ基板120の外形は何れも矩形となっており、TFT基板110の外形の方が、カラーフィルタ基板120の外形よりも大きく、カラーフィルタ基板120の外形端面より一部突出する突出部110pを有して重ね合わせ配置されている。ここで説明したTFT基板110におけるカラーフィルタ基板120の外形端面より一部突出する突出部110pについても額縁領域190に配置される。なお、ここで使用した額縁領域190については、液晶パネル100のTFT基板110上、カラーフィルタ基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域において、表示領域200外側に位置する表示領域200を取り囲む額縁状の領域、即ち表示領域200を除く全ての領域のことを意味し、表示領域200についても、液晶パネル100のTFT基板110上、カラーフィルタ基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域の全てにおいて使用することとし、本明細書中においては全て同様の意味にて使用する。
上述のカラーフィルタ基板120は、第一の透明基板であるガラス基板121の一方の面の上の表示領域200に対応する領域に液晶を配向させる配向膜(図示省略)と、配向膜の下部に設けられるカラーフィルタ124及びカラーフィルタ124間を遮光するため、或いは表示領域200に対応する領域外側に配置される額縁領域190を遮光するために設けられる遮光層125などを有している。カラーフィルタ124としては、樹脂中に顔料などを分散させた色材層が選択でき、赤、緑、青などの特定の波長範囲の光を選択的に透過するフィルタとして機能し、これら異なる色の色材層が規則的に配列して構成される。遮光層125は、カラーフィルタ124間以外に表示領域200外側の額縁領域190にも配置され、カラーフィルタ基板120における額縁領域190のほぼ全域に渡り形成されており、表示に不要な額縁領域190におけるカラーフィルタ基板120中の光の透過を遮光している。遮光層125としては、酸化クロムなどを用いた金属系の材料や樹脂中に黒色粒子を分散させた樹脂系の材料などを選択することができる。なお、配向膜より下層に、カラーフィルタ124と遮光層125を覆うように透明樹脂膜よりなるオーバーコート層を設ける構成としても構わない。
また、カラーフィルタ基板120は、接地接続される静電気防止用透明導電層131をガラス基板121の他方の面に備えている。この静電気防止用透明導電層131は、ガラス基板121の少なくとも表示領域200を覆い設けられており、横電界方式の液晶パネルにおいて静電気による帯電や外部電界による表示不良防止に有効なものとして設けられる。更に静電気防止用透明導電層131の上層には偏光板132bを有している。この偏光板132bは、少なくとも表示領域200における静電気防止用透明導電層131を覆い配置されるとともに、先に説明したTFT基板110がカラーフィルタ基板120の外形端面より一部突出する突出部110pの配置される側(図1においては、−X方向)の端辺近傍まで延在して配置されており、更に偏光板132bの外側部分において静電気防止用透明導電層131が偏光板132bにより覆われない露出部が形成されている。この静電気防止用透明導電層131が偏光板132bにより覆われない露出部は、カラーフィルタ基板120の外形端面に沿って概ね所定の幅の等幅に形成されている。具体的な露出部の幅、或いはカラーフィルタ基板120の外形端面から偏光板132bの端部までの距離としては、本実施の形態1においては、1.0mmを目安として偏光板132bを配置した。また、本実施の形態1のカラーフィルタ基板120においては、遮光層125は、先に説明のとおり、原則、カラーフィルタ基板120における額縁領域190のほぼ全域に渡り形成されており、平面視において、先に説明したTFT基板110の突出部110pが配置される側において、カラーフィルタ基板120の端辺まで延在して形成されるとともに、この突出部110pが配置される側の端辺側に開口部を有した切り欠き125nが設けられた形状に構成されている。なお、ここで用いた平面視とは、基板面に平行な一枚の平面(本明細書では図中XY平面)上に正射影した位置、線、或いはパターンを意味し、基本的には各平面図上の位置、線、或いはパターンに対応するもので、本明細書中では同様の意味にて用いるものとする。
一方、上述のTFT基板110は、第二の透明基板であるガラス基板111のカラーフィルタ基板120と対向する側の表面の更に表示領域200に対応する領域に、液晶を配向させる配向膜(図示省略)と、配向膜の下部に設けられ、TFT基板110或いはカラーフィルタ基板120の基板面と平行な方向の電界を発生し液晶を駆動する電圧を印加する一対の電極である画素電極112及び対向電極113と、これら一対の電極の一方である画素電極112に電圧を書き込むスイッチング素子であるTFT114と、TFT114を覆う絶縁膜115と、TFT114に信号を供給する配線である複数のゲート配線21L及びソース配線25Lと、これら配線に接続されTFT114を構成するゲート電極(図示省略)及びソース・ドレイン電極(図示省略)などを有している。なお、液晶を駆動する電圧を印加する一対の電極である画素電極112と対向電極113については、本実施の形態1においては、一方の電極である画素電極112が平板形状の透明導電膜パターンより構成され、他方の電極である対向電極113は櫛歯形状や複数並列するスリット状の開口部を有する透明導電膜パターンより構成され、上記の画素電極112上に絶縁層を介して重なって配置される。また、上記構成は必須ではなく、画素電極112と対向電極113について、それぞれの形状と配置の上下関係を逆として、画素電極112を櫛歯形状や複数並列するスリット状の開口部を有するパターンとして対向電極113より上層に配置し、対向電極113を平板形状として画素電極112より下層に配置し、TFT114は、櫛歯形状や複数並列するスリット状の開口部を有するパターンよりなる画素電極112に接続し電圧を印加する構成としても構わない。なお、画素電極112と対向電極113の具体的な平面パターン形状の図示説明は省略するが、公知のFFS方式を用いた液晶パネルに用いられる画素電極と対向電極の平面パターン形状を採用すれば良い。また、TFT基板110を構成する絶縁膜である絶縁膜115、或いは画素電極112と対向電極113間に形成される絶縁膜などについては、単層の透明絶縁膜、或いは複数層の透明絶縁膜の積層膜により構成される。また、図1において概略の配置を示しているとおり、表示領域200に形成されたゲート配線21L及びソース配線25Lは其々が平行に複数本配列して配置されており、これら複数本のゲート配線21Lとソース配線25Lは其々が交差して配置されている。また、画素電極112及びTFT114、更にTFT114を構成するゲート電極及びソース・ドレイン電極はこれら複数本のゲート配線21Lとソース配線25Lの交差により囲まれる画素領域に対応してアレイ状に配列して配置されている。また、対向電極113に共通電位を供給する共通配線113Lがゲート配線21Lと平行にゲート配線21Lと同数配置され、各画素領域の対向電極113に接続され、各画素領域の対向電極113の電位を全て共通電位に共通化している。また、ガラス基板111のこれら電極や配線が形成された面と反対側である他方の面には偏光板132aを有している。この偏光板132aについては、偏光板132bと同種の素材からなる偏光板が用いられており、ガラス基板111表面の少なくとも表示領域200を覆うように配置されている。
更にTFT基板110上における額縁領域190の特にカラーフィルタ基板120の端面よりも一部突出する突出部110pにおけるカラーフィルタ基板120の配置される側の表面には、TFT114に供給される信号を外部から受け入れる信号端子118a、信号端子118bを備えている。信号端子118a、信号端子118bは、何れも少なくとも表面においては透明導電膜により構成されている。また、信号端子118a、信号端子118bは、図中では一体の構成で示しているが、詳細には複数の信号に対応して分離した複数の図中X方向に長手方向を有する矩形のパッドが図中Y方向に多数配列した構成となっている。
更に、この信号端子118aの其々のパッドに対しては、接続配線となるFFC(Flexible Flat Cable)136を介して駆動ICを制御する制御信号などを発生する制御IC(Integrated Circuit)チップなどを装備した制御基板135が接続されている。また、信号端子118bの其々のパッドに対しては、駆動ICチップ134が接続されている。更に駆動ICチップ134の入力側の信号端子118bには制御基板135が接続される信号端子118aが信号引き出し配線119aにより接続されており、制御基板135からの制御信号が駆動ICチップ134に入力される。一方、駆動ICチップ134の出力側の信号端子118bには表示領域200から引き出された多数の信号引き出し配線119aが接続されており、駆動ICチップ134からの出力信号が表示領域200内のTFT114に供給される。
また、TFT基板110の額縁領域190の特にカラーフィルタ基板120の端面よりも一部突出する突出部110pにおけるカラーフィルタ基板120の配置される側の表面には、信号端子118bとFFC136を順次介して、外部にまで接地接続されるパッドであるアースパッド117を備えている。アースパッド117は、信号端子118a、信号端子118bと同様に、少なくとも表面においては透明導電膜により構成されている。更に、先に説明したカラーフィルタ基板120表面に形成される静電気防止用透明導電層131は、カラーフィルタ基板120上からTFT基板110上に跨って貼り付けられる導電テープ133を介して、アースパッド117に対して接続され、更に信号端子118bとFFC136を順次介して接地接続される。なお、導電テープ133としてはAl箔やCu箔などの金属箔よりなる母材に導電粘着剤を塗布したものを使用することができ、一般的な市販品の導電テープを利用することができる。具体的な導電テープ133のサイズとしては、一般的な市販品の導電テープを切断加工して準備することから、多少のバラツキが発生するが、ここでは、例えば、長手方向の幅(図中X方向の幅)を3mm程度、短手方向の幅(図中Y方向の幅)を5mm程度の矩形形状に加工したものを使用した。なお、本実施の形態1における導電テープ133は、外形端面を位置決めの目安として利用することから、矩形形状の対向する辺の平行度、或いは四隅の角の直角となる角度の正確性については、ある程度の精度で確保した切断加工により準備するのが望ましい。また、導電テープ133は、先に説明したとおり、静電気防止用透明導電層131における偏光板132bにより覆われない露出部において接続され、この露出部は、TFT基板110の突出部110pの配置される側(図1においては、−X方向或いは+Y方向)のうち、アースパッド117の設けられる突出部110pの配置される側(図1においては、−X方向)に設けられる。
続いて、より具体的な、導電テープ133と、カラーフィルタ基板120上の静電気防止用透明導電層131との間、或いはTFT基板110のアースパッド117との間の接続構造について、図3のアースパッド117近傍の詳細図面を用いて説明する。先ず、導電テープ133は、カラーフィルタ基板120上の静電気防止用透明導電層131表面に貼り付けられることにより接触し電気的に接続される。より具体的には、導電テープ133に塗布された導電粘着剤を介して静電気防止用透明導電層131に接続される。更に、詳細な位置関係としては、導電テープ133は先に説明したカラーフィルタ基板120の遮光層125に形成される端辺側に開口部を有した切り欠き125n部分に貼り付けられる。言い換えれば、切り欠き125nは、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分に設けられる。その結果、この切り欠き125n部分において、カラーフィルタ基板120は光を透過することから、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分において、光を透過する透光部TR1が備えられる。本実施の形態1では、導電テープ133の外形端面に沿って、切り欠き125nの端面が形成され、更に導電テープ133が遮光層125と平面的に重なることなく切り欠き125nの端面の内側のみに配置される。言い換えると、遮光層125は、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分において重なって配置されない。また、導電テープ133外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して、導電テープ133を両側より挟むように切り欠き125nの対向する一対の端面が配置されている。より具体的には、導電テープ133の幅(図中Y方向の幅)3mm程度と概ね等しい距離(例えば3.5mmに設定した)離れた対向する一対の端面を有して切り欠き125nが形成されている。
一方、TFT基板110上のアースパッド117は、アースパッド用透明導電層である透明導電膜117aと、アースパッド用透明導電層と一部重なって配置される遮光層である導電性遮光層117bより構成されている。導電テープ133は、アースパッド117表面を構成する透明導電膜117a表面に貼り付けられることにより接触し電気的に接続される。より具体的には、導電テープ133に塗布された導電粘着剤を介して透明導電膜117aに接続される。また、導電テープ133とアースパッド117を構成する透明導電膜117aの接続部分においては、透明導電膜117aの下層に配置される導電性遮光層117bは、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分において重なって配置されず、透明導電膜117aのみにより構成される部分において、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分が配置される。その結果、導電テープ133とアースパッド117を構成する透明導電膜117aの接続部分においても、光を透過する透光部TR2が備えられる。更に、導電性遮光層117bでは、平面視において導電性遮光層117bの外形端面(導電性遮光層117bと透光部TR2の境界)が導電テープ133の外形端面に沿って形成されている。より詳細には、導電テープ133の外形端面となる長手方向に平行な対向する二辺に対し、ほぼ平行に沿って近接して、導電テープ133を両側より挟むように一対の導電性遮光層117bが配置されている。更に言い換えると、導電テープ133の幅(図中Y方向の幅)3mm程度と概ね等しい距離(例えば3.5mmに設定した)離れた対向する一対の端面を有して一対の導電性遮光層117bが形成されている。また、信号端子118aのパッドには、上述の表示領域200内のTFT114に信号を供給するために設けられたパッド以外に、外部にまで接地接続されるパッドを少なくとも一つ備えており、その接地接続されるパッドはアース引き出し配線119bによりアースパッド117に接続される。より具体的には、アース引き出し配線119bはアースパッド117を構成する導電性遮光層117bと同じ金属材料により、導電性遮光層117bより引き出された形状で一体のパターンに形成されている。
なお、信号引き出し配線119aやアース引き出し配線119bは、透明導電膜117aや静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分と近接配置される場合、或いは一部重なって形成される場合においても、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分においては、光を透過する透光部TR1が、導電テープ133とアースパッド117の接続部分においては、光を透過する透光部TR2が形成されるように迂回して形成されるのが望ましい。本実施の形態1では、信号引き出し配線119aは、表示領域200より表示領域200の外周端辺より垂直方向に真っ直ぐに引き出すのではなく斜めに引き出したテーパー形状の配線領域の構成を採用することで、特に導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分を迂回して形成されている。その結果、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分において、接続部分に重なるTFT基板110が透光性となり、カラーフィルタ基板120の遮光層125に形成される切り欠き125nの構造との組み合わせにより、光を透過する透光部TR1が形成される。また、アース引き出し配線119bとアースパッド117を構成する導電性遮光層117bについても一体に形成され接地接続経路であることから配線として機能しており、透明導電膜117aと近接配置、或いは一部重なって形成される配線でもある。こちらについても導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分を迂回して形成されており、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分において、光を透過する透光部TR2が形成されている。なお、本実施の形態1においては、接続部分に重なるTFT基板110は、上述の遮光層の構成を除くと、透明基板であるガラス基板111と、絶縁膜115、或いは画素電極112と対向電極113間に形成される絶縁膜などの単層の透明絶縁膜或いは複数層の透明絶縁膜の積層膜により構成されることから透光性となるが、仮にTFT基板110を構成する絶縁膜の一部が透明でない絶縁膜を含む場合には、この接続部分に重なる部分においては透明でない絶縁膜に開口部などを形成することにより、接続部分に重なるTFT基板110を透光性として、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2を確保すると良い。
図3の詳細図面では、カラーフィルタ基板120表面に配置される偏光板132bの端面が、図中点線により示されているが、図1の断面図からも容易にわかる様に、導電テープ133は、偏光板132b上にはかからないように、偏光板132bに覆われず露出する領域の静電気防止用透明導電層131上のみにかかるように貼り付けられる。静電気防止用透明導電層131と導電テープ133を確実に接着させることができれば、導通を得ることができることから、導電テープ133を偏光板132b上にもかかるように貼り付ける構成を採用しても構わないが、液晶表示装置の薄型化が可能となる効果が得られる点からは、偏光板132b上にかからず静電気防止用透明導電層131上のみにかかるように導電テープ133を貼り付ける構成が望ましい。また、導電テープ133の厚みとしては、液晶表示装置の薄型化の観点から、偏光板132b上にかかる場合も含めて、より薄いことが好ましいが、本実施の形態の様に偏光板132b上にかからない構成の場合には、少なくとも偏光板132bの厚みと同等か、偏光板132bよりも薄い厚みであることがより好ましい。また、本実施の形態1においては、静電気防止用透明導電層131が偏光板132bにより覆われない露出部の幅、或いはカラーフィルタ基板120の外形端面から偏光板132bの端部までの(近接させる)距離として1.0mmを目安とする構成を採用した。狭額縁化が達成できることと、本実施の形態1の様に偏光板132b上にかからず静電気防止用透明導電層131上のみにかかるように導電テープ133を貼り付ける構成を採用した場合における導電テープ133の接続の安定性及び信頼性を確保することの両面から、この静電気防止用透明導電層131が偏光板132bにより覆われない露出部の幅、或いはカラーフィルタ基板120の外形端面から偏光板132bの端部までの(近接させる)距離を0.3mm以上1.5mm以下の範囲で設定することが望ましい。
なお、TFT基板110表面に配置される偏光板132aの端面については、本実施の形態1においては、カラーフィルタ基板120表面に配置される偏光板132bの端面と一致させるようにした。これにより、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分、即ち、この接続部分に形成される光を透過する透光部TR1に偏光板132aがかからない。従って、偏光板132aの貼り付け後にも接続部分の観察が容易になることから好ましい。なお、実施の形態1と異なり、この接続部分に偏光板132aがかかる構成を採用する場合には、導電テープ133の貼り付け後に偏光板132aの貼り付けを行う工程フローを採用し、偏光板132aの貼り付けの実施前に接続部分の観察や検査などを実施する工程フローを採用すれば良い。また、TFT基板110とカラーフィルタ基板120間に形成されるシール材130についても、図1、図2に示す様に静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分、即ち、この接続部分に形成される光を透過する透光部TR1にかからずに形成されることが望ましい。シール材130は基本的には透明な透光性の材料よりなり、仮に透光部TR1にかかって形成される場合にも、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分の観察は可能である。然しながら、シール材130部分においては、透明基板や透明膜と比較すると輝度ムラなどを生じ易く、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分の観察に多少とも障害となる。従って、シール材130が透光部TR1にかからずに形成されることで、この接続部分の観察が容易になる。
以上説明のとおり、本実施の形態1の液晶パネル100は構成される。更に、液晶パネル100に対し、カラーフィルタ基板120の表示領域200に形成される表示面と反対側には、TFT基板110の基板面に対向して光源となるバックライトユニット(図示省略)が、バックライトユニットからの光を調整する機能を有する光学シート(図示省略)を介して配置され、これら部材と共に表示領域200の表示面の部分が開放された筐体(図示省略)の中に収納され、本実施の形態1の液晶表示装置が構成される。また、液晶表示装置として、更に表示面へ接触する接触物の表示面上の位置を検知するタッチパネル機能を付与するために、この筐体の内側或いは外側の表示領域200の部分に対向するように薄板状のタッチパネル機構のセンサ部を配置しても良い。なお、タッチパネル機構のセンサ部を備えた場合においては、本実施の形態1の静電気防止用透明導電層131は、このセンサ部と液晶パネル100内側の信号配線の配置される部分の間に配置されることとなり、このセンサ部に対して液晶パネル100より発生する信号電界を遮蔽する作用も有することから、タッチパネル機構のセンサ部での検出感度を向上する効果も得られる。
以上、構成について説明を行った本実施の形態1の液晶表示装置は次の様に動作する。例えば制御基板135から制御信号が入力され、駆動ICチップ134が動作し、表示領域200内の配線を介して信号が画素領域に伝わる。その結果、各画素領域に配置される画素電極112及び共通電極113間にTFT基板110或いはカラーフィルタ基板120の基板面と平行な方向の電界(より詳しくは、FFS方式では平行方向の電界と平行に近い方向の電界が混在して発生することから、平行方向の成分が主となる電界とも言える。)を発生する所定の駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光がTFT基板110、液晶層140及びカラーフィルタ基板120を介して観察者側に透過或いは遮断されることにより、液晶パネル100のカラーフィルタ基板120側の表示領域200に形成される表示面に映像などが表示される。
なお、本実施の形態1では、信号端子118aをTFT基板110の二つの端辺に設け、其々に制御基板135を接続する構成としたが、小型の液晶表示装置などの様に、一つの端辺にのみ信号端子118aを設け、一つの制御基板135のみを接続する構成としても良い。また、本実施の形態1では、シール材130において、液晶を注入する液晶注入口の図示を省略しているが、液晶の注入方法として、真空中で液晶注入口より注入する真空注入法を用いて形成する場合には信号端子118aを配置する端辺以外の端辺に液晶注入口を配置し、液晶注入口を封止する封止材を形成すると良い。また、液晶を液滴状で配置して真空中で基板を貼り合わせて注入する滴下注入法を用いる場合には、本実施の形態1で説明したとおり、液晶注入口及び封止材は省略可能である。
次に、本実施の形態1の液晶表示装置の製造方法について説明を行う。ここでは、本発明において特徴的な液晶パネルの製造工程について、図4に示すフローチャートに従って順次各工程の説明を行い、特に重要な工程、重要な部材の構成については、適宜、図5〜図9の詳細説明図面を用いながら説明を行うことにする。
先ず、基板準備工程において、図5に示す様に互いに貼り合わされる前のTFT基板110を取り出すマザーTFT基板とカラーフィルタ基板120を取り出すマザー基板であるマザーカラーフィルタ基板を準備する(S0)。説明については、其々のマザー基板上において、所定の枚数の同じ構成のTFT基板110或いはカラーフィルタ基板120が配列して形成されることから、其々一枚のTFT基板110或いはカラーフィルタ基板120を代表して説明を行う。図5、図6は、マザーTFT基板に形成される特に一つのTFT基板110について、更に表示領域200のTFT114の近傍と、額縁領域190のアースパッド117部近傍の構成を示すものであり、図6は図5における断面線C−Dでの断面図を示したものである。TFT基板110が形成された時点では、信号端子118a、信号端子118bへのFFC136、駆動ICチップ134の接続、或いはアースパッド117への導電テープ133の接続は実施前の状態である。先に図1〜図3を用い行った全体構成説明で説明済みの部分については重複説明を省略するが、ここでは全体構成説明では省略したTFT114、アースパッド117の詳細な層構成などについて説明を付加する。
先ずは、TFT114の層構成について説明を行う。TFT114は、ガラス基板111の上に、ゲート配線21Lと接続するゲート電極21が形成されている。また、基板1上には複数の共通配線113Lがゲート配線21Lと同じ層によって形成されている。ゲート電極21、ゲート配線21L及び共通配線113Lは、例えばCr,Al,Ta,Ti,Mo,W,Ni,Cu,Au,Agなどの高融点金属または低抵抗金属やこれらを主成分とする合金膜、或いはこれらの積層膜からなる導電膜によって形成されている。なお、これら導電膜は遮光層でもある。
これらゲート電極21、ゲート配線21L及び共通配線113L上を覆うように、ゲート絶縁膜22が形成される。更にゲート絶縁膜22の上には半導体層23が形成されている。この半導体層23は、ゲート電極21と重複する部分が、TFT114を構成する活性領域として機能し、非結晶シリコン、多結晶シリコンなどにより形成されている。更に、半導体層23の上には、導電性不純物がドーピングされたオーミックコンタクト膜24が一対の分離したパターン形状に形成されている。オーミックコンタクト膜24は、例えば、リン(P)などの不純物が高濃度にドーピングされたn型非結晶シリコンやn型多結晶シリコンなどにより形成されている。一対の分離したパターン形状のオーミックコンタクト膜24の上には、其々ソース電極25、ドレイン電極26が形成されており。ソース電極25と連続するパターンによりソース配線25Lが形成されている。ソース電極25、ドレイン電極26、及びソース配線25Lは例えばCr,Al,Ta,Ti,Mo,W,Ni,Cu,Au,Agなどの高融点金属または低抵抗金属やこれらを主成分とする合金膜、或いはこれらの積層膜からなる導電膜によって形成される金属パターンであり、同一材料により同層に構成される。この様にチャネルエッチ型のTFT114が構成されている。
また、ドレイン電極26上には、ITOなどの透明導電膜よりなる画素電極112がドレイン電極26と電気的に接続して形成されている。この画素電極112は、平面的には、ドレイン電極26の形成される領域から延在して、TFT114形成領域を除く、ほぼ画素領域全体に渡って形成されており、平板形状の透明導電膜パターンよりなる電極を構成している。本実施の形態1では、ドレイン電極26上と同様にソース電極25及びソース配線25Lの上にも画素電極112と共通部材よりなる透明導電膜パターン27が形成されている。これは、画素電極112(及び透明導電膜パターン27)のパターンニング工程とチャネルエッチ型のTFT114のオーミックコンタクト膜24を分離形成するパターンニング工程を共通化するのに有利な構成としたもので、透明導電膜パターン27は必須の構成では無い。更に、画素電極112上には、層間絶縁膜28を介して、ITOなどの透明導電膜よりなる対向電極113が設けられている。層間絶縁膜28は窒化シリコン、酸化シリコンなどの絶縁膜、塗布型の(塗布により形成される)絶縁膜、またはそれらの積層膜により形成されている。また、対向電極113は、層間絶縁膜28を介して画素電極112に対面に配設され、画素電極112との間にフリンジ電界を発生させるためのスリットが設けられている。逆に、スリット間には、複数本、ほぼ平行に櫛歯状電極が形成されることになり、この櫛歯状電極によって対向電極113が構成されているとも言える。以上の画素電極112と対向電極113の構成により、フリンジ電界を発生させ液晶を駆動することにより、FFSモードの液晶表示装置を構成することができる。
続いて、額縁領域190に配置されるアースパッド117部の詳細な構成について説明する。図3を用いた構成説明では省略したが、図6の断面図或いは図5の平面図からわかるとおり、アースパッド117を構成する透明導電膜117aと導電性遮光層117bは、ゲート絶縁膜22と層間絶縁膜28より構成される絶縁膜115を貫通して設けられたコンタクトホール29を介して接続される構造を採用している。また、本実施の形態1では、図6の断面図においてアースパッド117を構成する透明導電膜117aが層間絶縁膜28上に設けられることから明らかな様に、透明導電膜117aは対向電極113と同層に同一材料により構成されており、同時に成膜して同一のパターンニング工程により形成される。なお、アースパッド117において、層間絶縁膜28を開口することにより、層間絶縁膜28より下層の画素電極112と同一材料よりアースパッド117を構成する透明導電膜117aを形成した構成も選択可能である。また、導電性遮光層117bについては、本実施の形態1ではゲート電極21、ゲート配線21L及び共通配線113Lと同層に同一材料により構成されており、同時に成膜して同一のパターンニング工程により形成される。なお、遮光層であり、別途工程を増加することなく形成できる点では、ソース電極25、ドレイン電極26、及びソース配線25Lと同層に同一材料により構成し、同時に成膜して同一のパターンニング工程により形成しても構わない。更に、工程増加を招くが、これら構成と同時形成によらず別途遮光層を導電性遮光層117bと同様の平面パターン形状に形成して代用しても良い。また、本実施の形態1においては、先に説明した様に、導電性遮光層117bと同じ金属材料により構成される一体のパターンよりなるアース引き出し配線119bを用いて信号端子118aを介して接地接続される構造を採用している。その結果として、透明導電膜により接続する構造に比べ、アースパッド117と信号端子118a間を低抵抗にて接続することができる。つまり、アースパッド117を構成する導電性遮光層117bは、導電テープの位置合わせを容易とする役割に加えて、接地接続を低抵抗化することのできる配線としての役割を併せ持っている。
なお、マザーTFT基板を準備する製造方法の説明として、上記説明ではマザーTFT基板を構成する一単位のTFT基板110の詳細構成について説明を行ったが、上述のTFT基板110の構成を備えたマザーTFT基板は、TFT基板110の詳細構成がわかれば、公知のFFSモードの液晶表示装置のTFT基板の製造方法と公知の成膜工程とパターンニング工程の繰り返しを適宜組み合わせて製造することが可能である。従って、より具体的なマザーTFT基板自体の製造方法の説明については省略する。
続いて、マザーカラーフィルタ基板を準備するために、マザーカラーフィルタ基板を構成する一単位であるカラーフィルタ基板120の詳細構成について、図7を用いて説明する。図7は、マザーカラーフィルタ基板を構成するカラーフィルタ基板120の特に静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分が形成される遮光層125に設けられた切り欠き125n部の近傍の詳細図面である。図7においては、カラーフィルタ基板120の遮光層125の形成面側、即ち、液晶パネル100の完成時には液晶層140が配置される側から見た状態を示している。なお、マザーカラーフィルタ基板においては、図示しているカラーフィルタ基板120の周辺にも、当然、同様の構成を備えた他のカラーフィルタ基板が連続して配置されることとなるが、ここでは図が煩雑とならないように図示を省略している。
図2を用いた構成説明との重複説明を避けるが、図7に示すとおり、カラーフィルタ基板120では、ガラス基板121の一方の表面(図中表面)には、遮光層125と、表示領域200においてはカラーフィルタ124が形成される。また、ガラス基板121の他方の面(図中裏面)には、静電気防止用透明導電層131としてITOなどの透明導電膜が形成される。また、遮光層125は、カラーフィルタ基板120の端辺まで延在して形成され、カラーフィルタ基板120の端辺側に開口部を有した切り欠き125nが形成される。なお、遮光層125は、切り欠き125n部を除くと光漏れを防止する意味からはカラーフィルタ基板120の端辺に至るまで全て覆い形成されることが望ましいが、実用上で光漏れを防止できれば支障は無いことから、若干量離れて形成される程度までは許容できる。例えば、カラーフィルタ基板120外形の切断時における遮光層125の剥がれを防止する意味で、本実施の形態1では、カラーフィルタ基板120の端辺より0.2mm程度の距離を置いた位置まで遮光層125を形成する構成とした。
また、切り欠き125nの形成方法については、公知のパターンニング方法を選択して良い。例えば、遮光層125が酸化クロムなどを用いた金属系の材料の場合には、金属膜の形成後にレジストによるパターンニングを行う方法を選択できる。樹脂中に黒色粒子を分散させた樹脂系の材料の場合には、金属膜と同様にレジストによるパターンニングを用いても良いし、黒色粒子を分散させた感光性樹脂を用いて遮光層125自体を直接感光させパターンニングする方法を選択しても良い。また、表示領域200の画素領域に配置する遮光層125の開口部を形成するパターンニングの際に同時形成することが可能であり、切り欠き125nについて工程増加を招くことなく形成することも可能である。この様にして、遮光層125に形成された切り欠き125n部では、図7に示すとおり、カラーフィルタ基板120に光を透過する透光部TR1が形成される。その他、ガラス基板121上へのカラーフィルタ124の形成工程や静電気防止用透明導電層131の形成工程については公知の色材層やITOなどの透明導電膜を利用し、公知の成膜工程とパターンニング工程を適宜組み合わせて上述のカラーフィルタ基板120の構成を備えたマザーカラーフィルタ基板を製造することが可能である。従って、より具体的なマザーカラーフィルタ基板自体の製造方法については説明を省略する。
続いて、以上説明のとおり準備されたTFT基板110の形成されたマザーTFT基板に対して、基板を洗浄する基板洗浄工程を行う(S1)。次に、配向膜材料塗布工程において、マザーTFT基板の一方の面に、配向膜材料を塗布形成する(S2)。この工程は、例えば、印刷法により有機膜からなる配向膜材料を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。その後、ラビング工程において配向膜材料にラビングを行い、配向膜材料表面を配向処理しTFT基板110側の配向膜とする(S3)。また、S1〜S3と同様に、カラーフィルタ基板120が形成されているマザーカラーフィルタ基板についても、洗浄、配向膜材料の塗布、ラビングを行うことによりカラーフィルタ基板120側の配向膜を形成する。
続いて、シール材塗布工程において、スクリーン印刷装置により、シール材を印刷ペーストとして、マザーTFT基板或いはマザーカラーフィルタ基板の一方の面にシール材の塗布を行い、表示領域200を囲う形状のパターンにシール材130を形成する(S4)。そして、液晶滴下工程において、マザーTFT基板或いはマザーカラーフィルタ基板の一方の面に、シール材130で囲まれる領域内に多数の液滴状の液晶を滴下する(S5)。具体的には、例えば、マザーカラーフィルタ基板のカラーフィルタ基板120に対して、シール材130で囲まれる領域内に多数の液滴状の液晶を全体で所定量の液晶層140が形成されるように滴下する。また、ここでは、所謂、滴下注入法を用いて液晶を充填し、液晶層140を形成する方法を一例としたので、この様に形成したが、所謂、真空注入法を用いる場合には、シール材130は完全に閉じた形状ではなく一部開口させた液晶注入口が形成される。また、液晶は貼り合わせた後に前記液晶注入口より注入されることから、上記説明した液滴状の液晶の形成処理は省略される。
続いて、貼り合わせ工程において、マザーTFT基板及びマザーカラーフィルタ基板を貼り合わせてセル基板を形成する(S6)。具体的には、液滴状の液晶を載せた状態でマザーTFT基板及びマザーカラーフィルタ基板が近接され、位置合わせして重ね合わせられる。その結果、液滴状に形成された液晶がマザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板間に挟まれて均一に拡がり一体化した液晶層140の状態となり、マザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板間の其々のシール材130により囲まれる容積内に満たされる。更に、シール硬化工程において、マザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板を貼り合わせた状態で、シール材130を完全に硬化させる(S7)。この工程は、例えば、シール材130の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。本実施の形態1では、滴下注入法と相性の良い、紫外線を照射する方法により硬化を行った。この工程によりマザーTFT基板とマザーカラーフィルタ基板は位置合わせされた位置関係のまま固定される。また、液晶パネルを軽量化するために基板を薄型化する場合には、この貼り合わされた状態で薬液や機械的研磨による薄型化処理を実施すると良い。次に、セル分断工程において、セル基板を多数の個別セルに分断する(S8)。なお、所謂、真空注入法を用いる場合には、先に説明をしたとおりシール材130に一部開口させた液晶注入口を形成しておき、上記のセル分断工程後に行う液晶注入工程において、個々のセルに対して液晶注入口から液晶を注入する。この工程は、例えば、液晶を液晶注入口から真空注入により充填することにより液晶層140の形成が行われる。更に、封止工程において、液晶注入口を封止する。この工程は、例えば、光硬化型樹脂で封じ、光を照射することにより行われる。
この様に個々の液晶パネルの形状に分断された後、偏光板貼り付け工程において、セルのTFT基板110、カラーフィルタ基板120の其々の表面に偏光板132a、偏光板132bを貼り付ける(S9)。続いて、制御基板実装工程において、制御基板135を実装する(S10)。続いて、導電テープ貼り付け工程において、導電テープ133をカラーフィルタ基板120上からTFT基板110上に跨って貼り付ける(S11)。より具体的には、図8は液晶パネルの形状の個別セルの特に導電テープ133貼り付け部近傍を示す図であるが、図8(a)に示すとおり、カラーフィルタ基板120上の偏光板132aにより覆われず静電気防止用透明導電層131が露出する部分には、遮光層125に形成される切り欠き125n部が形成されており、TFT基板110上のアースパッド117部においては、一対の導電性遮光層117bが形成されている。導電テープ133を貼り付ける際には、これら切り欠き125n部と一対の導電性遮光層117bを位置決めの目安として貼り付けると良い。より具体的には、図8(b)に示すとおり、切り欠き125n部における対向して配置される端面間に挟まれる位置、更に一対の導電性遮光層117bの内側の対向する端面間に挟まれる位置に、平面視において導電テープ133を位置合わせして貼り付けると良い。また、貼り付け角度についても切り欠き125n部における対向して配置される端面の少なくとも一方、或いは一対の導電性遮光層117bの内側の対向する端面の少なくとも一方と導電テープ133の長手方向の端面が平行となることを目安として角度合わせして導電テープ133を貼り付けると良い。なお、本実施の形態1においては、導電テープ133の外側に導電性遮光層117bの端面或いは切り欠き125n部の端面が配置され、導電テープ133を両側より挟むように一対の導電性遮光層117bの内側の対向する端面或いは切り欠き125n部における対向して配置される端面が配置される。従って、導電テープ133の位置合わせ時において、一対の導電性遮光層117bの内側の対向する端面の少なくとも一方が、或いは切り欠き125n部における対向して配置される端面の少なくとも一方が、導電テープ133に隠れることなく視認でき、絶えず目安として機能させることができる。その結果として、より位置合わせが容易となり、導電テープ133の貼り付け時間が短くても正確な貼り付け処理ができる。また、図中X方向の位置合わせについては、導電テープ133を偏光板132a上に重なることなく形成することが液晶表示装置の薄型化に有効であることから、偏光板132a端面を目安として、偏光板132aにかからないように貼り付けると良い。より具体的には、偏光板132aの有無で形成される表面凹凸の特に偏光板132aの端面に導電テープ133を押し付けて沿わせることで図中X方向について位置決めするガイドとして機能させることができる。或いは、切り欠き125nにおける基板端と平行な端面を目安として、この切り欠き125n端面よりも内側に導電テープ133が配置されるように位置決めして貼り付けても良い。
以上のとおり、図中X方向の位置合わせ、図中Y方向の位置合わせと、図中X方向と平行となる角度合わせを適正に行うことができ、本実施の形態1の様に、カラーフィルタ基板120上の偏光板132aにより覆われず静電気防止用透明導電層131が露出する部分の幅が1mm程度の狭い領域に対しても、比較的容易にズレの少ない正確な位置決めができる。その結果、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117との間において安定した接続構造を得られる効果、或いは位置決めが容易となることから貼り付け時間が短くても正確な貼り付け処理ができ、導電テープ貼り付け工程S11のタクト時間短縮により生産性を高くする効果を得ることができる。また、導電テープ133が導電粘着剤により電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117に充分に接着すれば電気的接続を得ることができることから、それぞれの接着部近傍の導電テープ133を適宜押圧する程度で良く、比較的貼り付け時間が短くても電気的接続を得ることができる。なお、S9からS11の工程については、S9、S10、S11の順に実施することの必然性は無く、適宜、順番を変更しても良い。
以上の工程によって、本実施の形態1の液晶パネル100が完成する。更に、液晶パネル100の反視認側となるTFT基板110の裏面側に位相差板などの光学フィルムを介して、バックライトユニットを配設し、樹脂や金属などよりなるフレーム内に、液晶パネル及びこれら周辺部材を適宜収納し、本実施の形態1の液晶表示装置が完成する。
また、本実施の形態1の液晶パネル100の製造工程においては、S11の導電テープ貼り付け工程の後に導電テープ133の貼り付け状態の観察確認・検査工程を実施することが望ましい。この導電テープ133の貼り付け状態の確認・検査工程について、図9を用いて説明を行う。図9(a)は、本実施の形態1の液晶パネル100において、S11の導電テープ貼り付け工程が完了した状態を示すものであり、TFT基板110側から見た状態を示している。本実施の形態1の液晶パネル100においては、図9(a)に示すとおり、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分の其々において、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2が形成されている。図中では、例えば、人によって実施される観察確認工程を追加する場合の観察者の位置を示しているが、観察は一般的に遮光部材である導電テープ133が貼り付けられる側とは反対側、即ち液晶パネル100におけるTFT基板110側より行うのが適当である。このTFT基板110側の観察者の位置より、電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分までの間においては、TFT基板110を構成するガラス基板111、カラーフィルタ基板120を構成するガラス基板121の何れも光を透過する透明基板よりなり、その他の構成についても光を透過する構成とされる。言い換えると、以上の構成により、電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分において、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2が形成されている。従って、観察者の位置より、電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分までの間においては、或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分までの間においては、光を遮るものが無く、其々、接続部分の状態を光学的に観察し確認可能である。また、検査工程は、人(観察者)により、目視、或いは簡易のルーペ、光学顕微鏡などを適宜利用し行っても良いし、光学評価装置、光学顕微鏡或いは画像処理装置を適宜組み合わせることにより自動化しても良い。観察者ではなく、光学装置、機器などを用いる場合には、それらの光学情報を入手する入手部分を、図中の観察者の位置、即ち液晶パネル100におけるTFT基板110側に配置すると良い。また、全ての液晶パネル100について、導電テープ貼り付け工程S11の後に観察確認・検査工程を実施しても良く、適当な枚数の処理ごとに実施する抜き取りにより実施しても良い。また、上記説明の観察確認・検査工程時において、液晶パネル100に対して、観察者の位置と反対側より光などを照射することで、導電テープ133の貼り付け有無(或いは貼り付けズレ)を遮光層125に形成される切り欠き125nからの光漏れの有無により容易に把握することが可能であるので、評価項目として追加すると良い。
続いて、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分における接続状態についての具体的な評価ポイントについて図9(b)を用い説明する。図9(b)は観察者側より、或いは液晶パネル100におけるTFT基板110側より見た静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分の近傍、或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分の近傍を平面図で示したものである。導電テープ133における導電粘着剤が適正に静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117の透明導電膜117aに接着している部分においては、図示される様に透明導電膜形成部分に変色や輝度変化を伴う接着部CONが形成される。特に接着部CONにおいては、未接着部と比較すると暗く視認され、粘着層が透明導電膜に接着されている接着部と接着されない未接着部がミクロに混在することから不均一な明度に観察される。従って、接着部CONの形成部分は容易に判別がつく。また、光学的に検査を自動化する場合には、例えば、透明導電膜形成部分について光学顕微鏡により抽出される画像データに対し、二値化などの画像処理を行うことで接着部CONの面積などを自動抽出すると良い。特に透明導電膜と導電テープ間の接続の信頼性を含めた安定性を確保する適当な評価基準としては、この接着部CONの面積の値、或いは透明導電膜と導電テープの重なり部面積に対する占有率の値を基準とすると良い。より具体的には、アース接続に必要な抵抗値に対する透明導電膜と導電テープの重なり部面積の余裕設計の度合いにもよるが、例えば、透明導電膜と導電テープの重なり部面積を必要な抵抗値に対し2倍程度の設計として、占有率を50%以上であることを基準として評価すると良い。また、評価により接続状態に不具合があると評価された場合には、S11の導電テープ貼り付け工程の再実施や、導電テープ133への追加押圧の実施など、接続状態の不具合に対する適当な修復処理工程を追加した後、再度、導電テープ133の貼り付け状態の観察確認・検査工程を実施するなど、観察確認・検査工程と修復処理工程を循環させる工程フローを適宜採用すると良い。
以上説明の様に、本実施の形態1の液晶表示装置は、横電界方式の液晶パネルのカラーフィルタ基板120表面に設けられる静電気防止用透明導電層131について、カラーフィルタ基板120からTFT基板110に跨って貼り付けられる導電テープ133によりTFT基板110側に設けられる接地接続されるアースパッド117まで接続し、更にこの導電テープ133と静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117との接続部分において、導電テープ133と近接して或いは一部重なって配置される遮光層(遮光層125或いは導電性遮光層117b)に対して、導電テープ133とアースパッド用透明導電膜117a或いはアースパッド117の接続部分において光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2を備えることにより、透光部TR1或いは透光部TR2と遮光層(遮光層125或いは導電性遮光層117b)の境界部を導電テープ133の貼り付け時の目安とすることができる。また、この様に導電テープ133の貼り付け時の目安が得られることから、位置決めが容易となり、導電テープ貼り付け工程のタクト時間短縮により生産性を高くする効果を得ることができる。なお、このタクト時間短縮により生産性を高くする効果については、圧着工程などの強固な接着工程の追加が不要であり、貼り付け時に押圧する程度の簡単な処理により電気的接続を得ることのできる導電テープ133による接続構造を用いていることも作用して得ることができる。更に、導電テープ133の貼り付け後において、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117との接続部分における(言い換えると、接続部分に重なる)カラーフィルタ基板120とTFT基板110が透光性であることで形成される透光部TR1或いは透光部TR2を介して光学的に観察・検査などを実施することができる。その結果として、其々の透明基板上に形成される電極などの導電層間での導通に関して安定した接続構造が得られる。また、上記接続構造により、横電界方式の液晶パネルのカラーフィルタ基板120表面に設けられる静電気防止用透明導電層131が、導電テープ133とアースパッド117を介して接地接続されることから、安定した導通構造により、カラーフィルタ基板120表面に発生する静電気による電荷を液晶パネル外に安定して逃がすことができる。その結果として、信頼性も含めてチャージアップによる表示不良のない横電界方式の液晶表示装置を得ることができる。
更に、本実施の形態1の液晶表示装置においては、上記説明の構成に加え、平面視において遮光層(遮光層125或いは導電性遮光層117b)の外形端面(遮光層と透光部TR1或いは透光部TR2の境界)が導電テープ133の外形端面に沿って形成される構成を用いたことにより、より精度の高い位置決め効果或いは位置決めが容易となることから高い生産性が得られる。また、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117との接続部分において、導電テープ133と近接して或いは一部重なって配置される遮光層である配線(信号引き出し配線119a、アース引き出し配線119b、或いは導電性遮光層117b)について、導電テープ133とアースパッド用透明導電膜117a或いはアースパッド117の接続部分を迂回して配置し、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2を形成する構成としている。この構成により、額縁領域190を効率的に利用することができ、より高い狭額縁化効果を得ながら、透光部TR1或いは透光部TR2を形成することにより得られる高信頼性の効果を両立して得ることができる。更に、偏光板132bをカラーフィルタ基板120の基板端近傍まで配置するとともに、偏光板132b上にかからず静電気防止用透明導電層131上のみにかかるように導電テープ133を貼り付けた構成を用いていることから、薄型化、狭額縁化の効果と高信頼性の効果を両立して得ることができる。また、カラーフィルタ基板120の遮光層125を基板端まで延在することで遮光効果或いは狭額縁化効果が得られる構成であるとともに、遮光層125に基板端辺側に開口部を有した切り欠き形状(切り欠き125n)を備えることで透光部TR1を形成した構成としている。この構成により、前記説明の効果を特に製造工程を増加することなく得ることができ、更に、遮光部材よりなる導電テープ133の貼り付け有無(或いは貼り付けズレ)を遮光層125に形成される切り欠き125nからの光漏れの有無により容易に把握することが可能となる。その結果、導電テープ133の貼り付け工程時の作業ミスによる貼り付け忘れや、切り欠き125nに対し導電テープ133が斜めに貼り付けられるなどの貼り付け異常について、導電テープ133の貼り付け工程後の検査により容易に抽出することが可能となる。また、画素電極112と対向電極113が透明導電膜より構成されるFFS方式の液晶パネルであることから、アースパッド117を構成する透明導電膜117aを画素電極112と対向電極113の何れかの透明導電膜と共通材料を選択することにより製造時に同時形成することができる。従って、FFS方式の液晶パネルでは、透明導電膜117aと導電性遮光層117bにより上記説明の様にアースパッド117を構成することで、アースパッド117の導電テープ133との接続部分に透光部TR2を形成することについて別途工程を増加することなく安価にて、或いは容易に実施することができる。
なお、実施の形態1では、TFT基板110上で、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分或いはアースパッド117と導電テープ133の接続部分の其々において、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2を形成するために、信号引き出し配線119a、アース引き出し配線119b、或いはアースパッド117を構成する導電性遮光層117bについて、テーパー形状の配線領域の構成を採用することや、導電テープ133の両側に配置することにより、導電テープ133と透明導電膜117a或いは静電気防止用透明導電層131との接続部分を迂回して形成した。光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2が確保されれば良いことから、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分に重なって配線パターンを配置する必要が発生する場合には、例えば、広いピッチのラインアンドスペースを有する配線パターン、メッシュ構造の配線パターン(網目構造、格子構造なども含む)、或いは透明導電膜によりなる配線パターンを採用し、接続部分に透光部を確保しながら重なって配置しても良い。これらの配線パターンでは、配線に光を透過する開口部や透明部分が形成されることにより、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分に重なって配置される場合にも、この接続部分に重なるTFT基板110が透光性となり、光を透過する透光部TR1を確保することができる。
また、本実施の形態1においては、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分のアースパッド117の構成として、アースパッド117を構成する導電性遮光層117bが導電テープ133と近接しながらも平面的に重なることなく配置される構成を用いたが、導電テープ133が遮光層である導電性遮光層117bに近接して或いは一部重なって貼り付けられ、少なくともアースパッド117の特に透明導電膜117aのみが配置される部分において導電テープ133が貼り付けられる構成であれば、導電テープ133とアースパッド117を構成する透明導電膜117aの接続部分に透光部TR2が配置される。従って、透光部TR2を介して接続部分の観察が容易となるとともに、導電性遮光層117bと透光部TR2の境界が導電テープ133の貼り付け時の位置合わせの目安となることになり本実施の形態1の構成と同様の効果が得られる。同様に本実施の形態1においては、導電テープ133とカラーフィルタ基板120表面に設けられる静電気防止用透明導電層131の接続部分の構成として、導電テープ133の外形端面に沿って近接して、切り欠き125nの外形端面、即ち、遮光層125と透光部TR1の境界が形成され、更に導電テープ133が遮光層125と平面的に重なることなく切り欠き125nの端面の内側のみに配置される構成を用いたが、導電テープ133が少なくとも遮光層125に近接して或いは一部重なって貼り付けられ、特に遮光層125に形成される端辺側に開口部を有した切り欠き125n部分に貼り付けられる構成であれば、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133の接続部分に透光部TR1が配置される。従って、透光部TR1を介して接続部分の観察が容易となるとともに、遮光層125と透光部TR1の境界が導電テープ133の貼り付け時の位置合わせの目安となることになり本実施の形態1の構成と同様の効果が得られる。
つまり、上記説明の様に導電テープ133は、TFT基板110上のアースパッド117を構成する導電性遮光層117b或いはカラーフィルタ基板120に設けられる遮光層125と近接しながらも平面的に重なることなく配置される実施の形態1の構成のみではなく、これら遮光層(導電性遮光層117b或いは遮光層125)と一部重なって貼り付けられる構成でも、本実施の形態1の構成と同様の効果を得ることができる。この導電テープと導電性遮光層117b或いは遮光層125が一部重なって貼り付けられる構成の具体例について、実施の形態1の変形例として、図10を用いて説明を行う。この実施の形態1の変形例における静電気防止用透明導電層131とアースパッド117に跨って貼り付けられる導電テープ133aは、アースパッド117を構成する導電性遮光層117bを全て覆い貼り付けられる。また、導電テープ133aは、カラーフィルタ基板120の遮光層125に設けられる切り欠き125n2により形成される透光部TR1を隙間無く全て覆い貼り付けられ、遮光層125と一部重なって貼り付けられる。また、実施の形態1とは、導電テープ133aと切り欠き125n2の外形の位置関係について、内側外側の関係が反対となるが、遮光層125に設けられる切り欠き125n2には、導電テープ133a外形における図中X方向に平行な対向する二辺端面に沿って近接して形成される遮光層125の外形端面(遮光層125と透光部TR1の境界)を備えて形成される特徴が有る点は変わらない。また、アースパッド117を構成する導電性遮光層117bについてもアースパッド117の外側の遮光層と透過部の境界に変わるが、実施の形態1と同様に導電テープ133aの外形端面に沿って近接して導電性遮光層117bの外形端面(遮光層と透過部の境界)が配置される。より具体的には、例えば、この変形例の導電テープ133aは縦横5mm程度の方形のものが用いられ、導電テープ133aの幅(図中Y方向の幅)5mm程度に対し、概ね等しい距離(例えば4.5mmに設定した)離れた対向する一対の端面を有して切り欠き125n2が形成されている。
以上の図10の構成においても、遮光層125に設けられる切り欠き125n2の対向する一対の端面が、導電テープ133aの外形端面の内側である点では実施の形態1とは異なるが、導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して配置されている。従って、実施の形態1と同様に、この切り欠き125n2部分の遮光層125と透光部TR1の境界を目安として、図中Y方向の位置決めが可能である。また、導電性遮光層117bの端面についても導電テープ133aの外形端面の内側である点では実施の形態1とは異なるが、導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して配置されている。従って、この導電性遮光層117cが導電テープ133aの下部に配置され食み出さないことを目安として図中Y方向の位置決めが可能である。以上のとおり、この図10で説明した変形例においては、実施の形態1の構成と同様の効果を得ることができる。更に、遮光層125に設けられる切り欠き125n2部では、導電テープ133aが遮光層125と一部重なって貼り付けられ、切り欠き125n2により形成される光を透過する透光部TR1を導電テープ133aにより隙間無く全て覆っていることから、切り欠き125n2部における光漏れを防止することができる効果が実施の形態1の効果に付加される。なお、図10の構成と実施の形態1の構成の中間の構成となる、遮光層(導電性遮光層117b或いは遮光層125)と導電テープの其々の外形端面が平面視において完全に一致する構成(近接する距離がゼロである)についても、実施の形態1の構成と同様の構成の範囲内であり、同様の効果を得ることができることは明らかである。また、図10の構成で得られる光漏れを防止することができる効果についても、導電テープの貼り付け精度により若干量の光漏れが想定されるが、ほぼ同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1においては、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131或いはアースパッド117との接続部分の其々において、光を透過する透光部TR1或いは透光部TR2を備える構成について説明を行ったが、透光部TR1或いは透光部TR2を備えることにより生ずる個々の効果、更に透光部TR1と透光部TR2の其々の構成の周辺部において採用された特徴的構成により生ずる個々の効果については、其々単独に形成される場合にも得られる。例えば、静電気防止用透明導電層131の露出部分について幅や面積を十分確保でき、一方、TFT基板110のカラーフィルタ基板120からの突出部110pの幅に制限があり、アースパッド117と導電テープ133の重なり領域(接続部分)の面積を十分に確保できない場合には、静電気防止用透明導電層131と導電テープ133での接続不良に対する懸念は少なくなり透光部TR1のみを省略することも可能である。この様に実施の形態1より透光部TR1(或いは、遮光層125に設けられる切り欠き125n)のみを省略した構成においても、実施の形態1のTFT基板110における透光部TR2とその周辺部の遮光層、配線などの配置により生ずる効果については得ることができる。逆に、アースパッド117と導電テープ133の重なり領域(接続部分)の面積を十分に確保でき、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の接続部分については、静電気防止用透明導電層131の露出部分の幅が狭く、導電テープ133と静電気防止用透明導電層131の重なり領域(接続部分)の面積を十分に確保することが困難である場合などには、アースパッド117と導電テープ133での接続不良に対する懸念は少なくなり透光部TR2のみを省略することも可能である。以下では、この実施の形態1の構成より透光部TR2を省略して透光部TR1のみを備えた構成の具体例について、実施の形態1の変形例として、図11を用いて説明を行う。
先ず、図11(a)は、この実施の形態1より透光部TR2を省略した一つの変形例を示すものであり、特に変形を行ったアースパッド117の近傍を示している。図示される様に、このアースパッド117においては、実施の形態1と同様に表層に配置される透明導電膜117aと、透明導電膜117aの下層に重なって設けられる導電性遮光層117cよりなるが、導電性遮光層117cには、光を透過する透光部TR2は形成されない。また、この様な構成とする場合にも導電テープ133aと静電気防止用透明導電層131の接続部分に設けた透光部TR1を活用することにより接続状態の確認が可能であり、導電テープ133aの貼り付け時の目安についても確保することができる。更に、図示される様に、切り欠き125n2の対向する一対の端面が、導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して、導電テープ133aを両側より挟むように配置されている。より具体的には、例えば、この変形例の導電テープ133aは縦横5mm程度の方形のものが用いられ、導電テープ133aの幅(図中Y方向の幅)5mm程度に対し、概ね等しい距離(例えば4.5mmに設定した)離れた対向する一対の端面を有して切り欠き125n2が形成されている。従って、実施の形態1と同様に、この切り欠き125n2部分の遮光層125外形端面(遮光層125と透光部TR1の境界)を目安として、図中Y方向の位置決めが可能である。また、導電性遮光層117cの端面についても導電テープ133aの外形端面の内側である点が実施の形態1とは異なるが、具体的には、導電テープ133aの幅(図中Y方向の幅)5mm程度と概ね等しい距離(例えば4.5mmに設定した)離れた対向する一対の端面を有して導電性遮光層117cが形成されている。また、図11(a)からもわかるとおり、導電性遮光層117cの端面について、導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して配置されている特徴を有する点では実施の形態1と同じである。従って、この導電性遮光層117cが導電テープ133aの下部に配置され食み出さないことを目安として図中Y方向の位置決めが可能である。以上のとおり、この図11(a)で説明した変形例においては、アースパッド117と導電テープ133aの接続部分における接続状態についての確認のみできなくなるが、その他の効果については、実施の形態1の構成と同様の効果を得ることができる。また、図11(a)の構成のみに限られず、導電テープ133aの幅(図中Y方向の幅)5mm程度に対して、導電性遮光層117cの幅(図中Y方向の幅)を大きく形成(例えば6.0mmに設定)しても、或いは等幅に形成(例えば5.0mmに設定)しても良く、その場合にも、導電性遮光層117cの端面が導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して配置されていれば、同様に導電性遮光層117cが導電テープ133aの両側からの食み出し量を目安として(等幅の場合には、両側からほぼ食み出さないことを目安として)図中Y方向の位置決めが可能であり、図11(a)の構成と同様の効果を得ることができる。
また、透光部TR2を省略した別の変形例の構成として、図11(b)に示す様に、透光部TR1を形成する遮光層125に設けられた切り欠き125nやアースパッド117を構成する導電性遮光層117cが導電テープ133aの幅に比べて小さく(具体的には、例えば、導電テープ133aが縦横5mm程度の方形で、図中Y方向の幅5mm程度に対し、切り欠き125nの図中Y方向の幅が3.0mmに設定した)、切り欠き125nの対向する端面、或いは導電性遮光層117cの端面が導電テープ133aの外形端面に近接されない場合には、導電テープ133aの図中Y方向、或いは図中X方向の位置合わせ精度が実施の形態1の構成と比べて低下する。従って、この変形例においては、アースパッド117を構成する導電性遮光層の代わりに、別途、一対の導電テープ133a外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して、導電テープ133aを両側より挟むように配置される一対の導電性遮光層117dを備えた構成とした。更に、導電テープ133a外形端面の残る端面にも近接して配置される導電性遮光層117eを備えた構成とした。これらの構成を追加することにより、平面視において、導電テープ133a外形端面に沿って、一対の導電性遮光層117d或いは導電性遮光層117eの外形端面が形成されることから、図中Y方向、或いは図中X方向の位置合わせ精度を実施の形態1と同等にすることが可能となる。
なお、導電性遮光層117dと導電性遮光層117eについては、状況により一方のみを配置する構成を採用しても良く、其々独立して、図中Y方向或いは図中X方向の位置合わせ精度向上効果が得られる。また、導電性遮光層117c、導電性遮光層117d、及び導電性遮光層117eについては、実施の形態1における導電性遮光層117bと同様にゲート電極21、ゲート配線21L及び共通配線113Lと同一材料で形成するのが容易であり低コスト化がはかれる点で優れるが、別の材料により形成しても良い。更に、図11(a)或いは図11(b)を用いて説明を行ったアースパッド117に設ける透光部TR2を省略した構成では、アースパッド117を構成する透明導電膜117a及び導電性遮光層117cについて、透明導電膜117aは必ずしも必須の構成ではなく、導電性遮光層117cのみによりアースパッド117を構成し透明導電膜117aの形成を省略することもできる。逆に導電性遮光層117cについて図11(b)の様に位置合わせ目安として用いない場合には透明導電膜117aのみによりアースパッド117を構成し導電性遮光層117cの形成を省略することもできる。この導電性遮光層117cの形成を省略した場合には、アースパッド117の全面が透明導電膜117aのみにより構成されることから、アースパッド117の全面にわたって透光部TR2が形成され、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分に透光部TR2が形成されることにより実施の形態1で得られた効果については得ることができる。
上述の変形例の説明においては、アースパッド117より光を透過する透過部TR2について省略した変形例について説明を行ったが、透過部TR2を備えた構成の範囲でも様々な変形が可能である。例えば、実施の形態1のアースパッド117を構成する導電性遮光層117bを具体的に変形した別の変形例について、図12を用いて説明を行う。先ず一つの変形例においては、図3を用いて説明した導電テープ133を両側より挟むように配置される一対の導電性遮光層117bについて、図12(a)に示す様に導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分に光を透過する透光部TR2が配置される構成のまま、コの字形状の導電性遮光層117b2と変更した。その他の偏光板132b、遮光膜125などの構成は図3の実施の形態1の構成から変更なく、アースパッド117を構成する透明導電膜117aについても、導電性遮光層117b2上を全て覆う矩形に形成される点は実施の形態1の構成と同様としている。なお、透明導電膜117aと導電性遮光層117b2間の絶縁膜115を開口し、両者を接続するコンタクトホール29については図示省略しているが、導電性遮光層117b2のコの字形状の外形に沿った内側の領域に形成とすると良い。或いは実施の形態1と同様に少なくともアースパッド117の両端に一対コンタクトホール29を設ける構成としても良い。同様に、アース引き出し配線119bについても図示省略しているが、導電性遮光層117b2は連続したパターンよりなることから、導電性遮光層117b2の外形端部の何れかの位置に接続すれば良い。また、この導電性遮光層117b2は、図3の一対の導電性遮光層117bより、導電テープ133のアースパッド117側の外形端面の残る一辺に、ほぼ平行に沿って近接して配置される導電性遮光層が追加され、一対の導電性遮光層117bが互いに接続された構成とも言える。
このコの字形状の導電性遮光層117b2を備えた構成についても、導電性遮光層117bと同様にアースパッド117を構成する透明導電膜117aと一部重なって配置され、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分に光を透過する透光部TR2が配置されるので、実施の形態1と同様の効果が得られる。特にこの変形例においては、導電性遮光層117b2をゲート電極21、ゲート配線21L及び共通配線113Lと同一材料で形成した場合には、導電性遮光層117b2は、比較的抵抗の高い透明導電膜117aと比較してかなり抵抗が低い低抵抗体となる(透明導電膜117aが実用的な膜厚範囲の場合)。従って、アースパッド117を構成する透明導電膜117aの周辺の三辺に配置される低抵抗体である導電性遮光層117b2によりアースパッド117内の電位が均一化される効果が得られることから、実施の形態1の構成と比べアースパッド117と導電テープ133間の接続抵抗を低く安定化する追加効果が得られる。また、導電テープ133のアースパッド117側の外形端面の残る一辺に対しても、導電性遮光層117b2の端面が沿って形成されることから、実施の形態1の一対の導電性遮光層117bによる導電テープ133の貼り付け時における図中Y方向の位置合わせ効果に加え、追加された導電性遮光層117b2の端面を目安とすることで、図中X方向の位置合わせ効果も新規に得られることとなる。また、透明導電膜117aの周辺の三辺に配置される導電性遮光層117b2は一体に形成され接地接続経路であることから配線として機能しており、透明導電膜117aと近接配置、或いは一部重なって形成されるとともに導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分を迂回して形成されることで、額縁領域190を効率的に利用することができる。その結果として、より高い狭額縁化効果を得ながら、透光部TR2を形成することによる高信頼性の効果を両立して得ることができる。
また、同様の変形例としては、図12(b)に示す様に、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分に光を透過する透光部TR2が配置される構成のまま、ロの字形状の導電性遮光層117b3と変更しても良い。この導電性遮光層117b3を備えた構成についても、実施の形態1の導電性遮光層117bと同様にアースパッド117を構成する透明導電膜117aと一部重なって配置され、導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分に光を透過する透光部TR2が配置されるので、実施の形態1と同様の効果が得られる。更に、導電性遮光層117b3について、図示のとおり、ロの字形状の導電性遮光層117b3の内側の端面を導電テープ133のアースパッド117側の外形端面の其々の三辺に対して、ほぼ平行に沿って近接して配置することにより、図12(a)の構成と同様の位置合わせ効果についても得ることができる。なお、アースパッド117と導電テープ133間の接続抵抗を低く安定化する効果については、透明導電膜117aよりも低抵抗となる導電性遮光層117b3がアースパッド117を構成する透明導電膜117aの周辺の四辺全てに配置されることから、図12(a)の構成よりも優れている。また、導電性遮光層117b3は導電テープ133と一部重なりを有して配置されるが、光を透過する透光部TR2を形成することができる点では実施の形態1と同様の構成であり、実施の形態1形態において説明した効果を得ることに支障はない。また、図12(a)の構成と同様に、配線として機能する導電性遮光層117b3が導電テープ133と透明導電膜117aの接続部分を迂回して形成されることで、図12(a)の構成と同様に高い狭額縁化効果と高信頼性の効果を両立して得ることができる。
続いて、実施の形態1或いは実施の形態1の変形例との組み合わせに好適なカラーフィルタ基板120上に配置される偏光板に関する変形例について図13を用い説明する。先ず一つの変形例においては、図13(a)に示す様にカラーフィルタ基板120上に配置される偏光板132cについて、カラーフィルタ基板120の基板端辺まで延在して形成されるとともに、カラーフィルタ基板120の基板端辺側に開口部を有した偏光板切り欠き132nが形成された形状に構成されている。本変形例のカラーフィルタ基板120においては、実施の形態1と同様にカラーフィルタ基板120に形成される遮光層125に切り欠き125nが形成されており、偏光板132cに形成される偏光板切り欠き132nの平面視における形状は切り欠き125nと概ね一致する。また、カラーフィルタ基板120表面には実施の形態1と同様に静電気防止用透明導電層131が形成されており、偏光板132cについては、この静電気防止用透明導電層131上を覆い配置され、偏光板切り欠き132n部分において、静電気防止用透明導電層131が偏光板132cにより覆われない露出部が形成される。なお、偏光板132cについては、実施の形態1における偏光板132bと同様に、少なくとも表示領域200において静電気防止用透明導電層131上を覆い形成されることが必要である。更に、実施の形態1と同様にカラーフィルタ基板120上の静電気防止用透明導電層131からTFT基板110上のアースパッド117に跨って貼り付けられる導電テープ133を備えるが、この導電テープ133は、偏光板切り欠き132n部分において、静電気防止用透明導電層131が偏光板132cにより覆われない露出部において、静電気防止用透明導電層131との接続部分が形成される。更に、この偏光板切り欠き132n部分における偏光板132cの端面は、導電テープ133の外形端面に沿って形成されている。より具体的には、導電テープ133外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して、導電テープ133を両側より挟むように偏光板切り欠き132nの対向する一対の端面が配置されている。
以上の様に構成される図13(a)で示した変形例においては、実施の形態1或いは変形例における単純な矩形の偏光板132bと比較して、偏光板切り欠き132nを形成する加工工程の増加による若干のコスト増加は発生すると思われる。然しながら、この偏光板切り欠き132nによって、導電テープ133の貼り付け部分において、カラーフィルタ基板120表面に導電テープ133が勘合する表面凹凸が形成される。この導電テープ133が勘合する表面凹凸は、導電テープ133の貼り付け時において、導電テープ133を偏光板切り欠き132nの凹部領域内に納まるように貼り付けることにより、強制的に位置決めするガイドとして機能する。従って、導電テープ133を貼り付ける際の位置決め効果を格段に向上することができる。同様の効果を持つ別の変形例としては、図13(b)で示す様に、導電テープ133の両側より挟むように配置される一対の偏光板突出部132pを備えた偏光板132dと変更しても良い。この場合にも、この偏光板突出部132p部分における偏光板132dの端面は、導電テープ133の外形端面に沿って形成されている。より具体的には、一対の偏光板突出部132pの内側において対向する一対の端面が導電テープ133外形の長手方向に平行な対向する二辺端面に対し、ほぼ平行に沿って近接して配置されることから、偏光板132cにおける偏光板切り欠き132nと同様の導電テープ133を貼り付ける際の位置決め効果が得られる。なお、以上、図13(a)或いは図13(b)を用い説明を行った偏光板132bに関する変形例では、図中アースパッド117の構成を特定せず詳細な構成を示していない。これは、実施の形態1或いは実施の形態1の変形例において説明したアースパッド117の何れの構成とも組み合わせることが可能であることから構成を特定しなかったものである。つまり、実施の形態1或いは実施の形態1の変形例において説明した何れの構成のアースパッド117を選択しても良く、其々の組み合わせに応じた複合効果を得ることができる。
なお、上記説明を行った実施の形態1の液晶表示装置或いは変形例で用いた導電性遮光層117b、導電性遮光層117b2、導電性遮光層117b3、導電性遮光層117c、導電性遮光層117d、及び導電性遮光層117eに関し、導電性遮光層117d及び導電性遮光層117eについては、元々配線経路として活用しない構成であれば、特に導電性を有することは必須ではない。従って、導電性を有さない遮光層により形成しても構わない。また、導電性遮光層117b、導電性遮光層117b2、導電性遮光層117b3、及び導電性遮光層117cについては、アース引き出し配線119bと連続するパターンとして形成し、透明導電膜117aと接続して導通経路としてアースパッド117を構成することで、アースパッド117内の電位を均一化或いは接続抵抗を低く安定化する効果、更に工程増加を防止する効果の得られる構成とした。然しながら、導電テープ133の貼り付け目安としての役割のみを得るためには必ずしも導電性を有することは必須ではなく、導電性を有さない遮光層により形成しても構わない。つまり、導電性遮光層117b、導電性遮光層117b2、導電性遮光層117b3、導電性遮光層117c、導電性遮光層117d、及び導電性遮光層117eについては、どの様な遮光層に変更しても良く、導電テープ133の貼り付け目安として機能することによる効果については得ることができる。また、遮光層としての遮光機能についても、導電テープ133の貼り付け目安としての役割のみを得るためには、多少の透光性を有する遮光層であっても良く、ガラス基板や透明導電膜117aとの境界が充分に貼り付け目安として視認できれば良い。つまり、ガラス基板や透明導電膜117aの様な透明でなければ良く、一般的な透明膜と比べ光透過性の低いアモルファスシリコン膜などの膜を有色層として視認できる所定の膜厚形成した層(所定の膜厚としては、例えばアモルファスシリコン膜であれば、有色層として視認できる少なくとも30nm以上程度)であっても良い。
なお、上記説明を行った実施の形態1の液晶表示装置或いは変形例では、カラーフィルタ基板上に接地接続が必要な静電気防止用透明導電層を備えた横電界方式の液晶パネルであって、更に画素電極と対向電極が透明導電膜より構成されアースパッドに透明導電膜を容易に用いることができる点において、本発明が最適に効果を発揮することから、FFS方式の液晶表示装置へ本発明を組み合わせた適用例について説明を行った。同じ、横電界方式の液晶パネルを用いた例として、カラーフィルタ基板と平行な方向の電界を発生し駆動するために形成された一対の電極として、画素電極と対向電極の両者に櫛歯電極を用いるIPS方式においても、カラーフィルタ基板上への静電気防止用透明導電層の配置と接地接続が不可欠であることから、アースパッド、導電テープを用いた本実施の形態1或いは変形例での接続構造は有効に作用し、FFS方式の液晶表示装置特有で得られる効果を除き、同様の効果が得られる。また、横電界方式の液晶パネルを用いない液晶表示装置の場合においても、本実施の形態1と同様に一方の表面に透明導電層を備える一枚の透明基板と、対向して前記の透明基板の端面より一部突出する突出部を有して配置され、前記の透明基板との間に液晶を挟持し、前記の突出部における前記の透明基板と対向する側の表面に透明導電層を備えるもう一枚の透明基板と、これら二枚の透明基板に跨って導電テープを貼り付けることにより、これら二種の透明導電層の間を電気的に接続する導電テープを備え、更に本実施の形態1と同様に、導電テープとこれら二種の透明導電層の接続部分に重なる部分におけるこれら二枚の透明基板が何れも透光性であること、更に、これら二枚の透明基板表面において、導電テープと近接して或いは一部重なって遮光層が配置される場合には、この遮光層における前記の接続部分に透光部を形成すること、或いは更に導電テープ外形端面に沿って前記遮光層の外形端面(遮光層と透光部の境界)を形成することにより、本実施の形態1で得られる基本的な効果については同様に得ることができる。なお、上記説明の二枚の透明基板についても、実施の形態1では一例としてガラスを用いたが、透明であれば透明プラスチックや石英など、他の材質であっても良く、本実施の形態1で得られる基本的な効果については同様に得ることができる。
以上の様に説明を行った実施の形態1の液晶表示装置或いは変形例については全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変形が含まれる。