JP5723608B2 - ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、渦流ポンプ或いはカスケードポンプと呼ばれるポンプ装置に関するものである。
かかる液体圧送用のポンプ装置は特許文献1に記載されている。同文献のポンプ装置では、外周部分に羽根車を備えるロータが、ポンプケースの内部に形成された区画室内に回転可能な状態で配置されている。ロータの中心軸線方向の両側には、ポンプケースの区画室内周面と羽根車の円環状端面とを所定ギャップで対峙させた環状微小ギャップ部が形成されており、区画室内はこの環状微小ギャップ部によって、環状微小ギャップ部よりも外周側のポンプ室と、環状微小ギャップ部よりも内周側の内周側空間に区画されている。
特開2008−223659号公報
このようなポンプ装置では、環状微小ギャップ部における羽根車の円環状端面とポンプケースの内周面部分との間の所定ギャップが狭いほどポンプ室の密閉度を高めることができるので、流量の損失を抑制でき、ポンプ装置の効率を向上させることができる。しかし、所定ギャップを小さくすると、ポンプ装置を乾燥状態から運転する際に、内周側空間に液体が入り込まずに、内周側空間内に空気が滞留した状態となることがある。
ここで、滞留した空気は、環状微小ギャップ部の所定ギャップからポンプ室へと排出される。或いは、滞留した空気は液体に溶け込むことによって自然に消滅する。しかし、空気と比較して液体の比重は高いので、羽根車が形成する渦流の遠心力によって空気は内周側空間に閉じ込められてしまい、環状微小ギャップ部を介した空気の自然排出には時間がかかる。また、空気の液体への溶解も短時間では行われない。このため、ポンプ装置の運転開始時には、滞留している空気に起因してロータの挙動が不安定になることがある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ポンプ室の内周側の内周側空間に滞留した空気を比較的短時間でポンプ室に排出することができるポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のポンプ装置は、内部に区画室を備えるポンプケースと、外周部分に羽根車を備えており、予め定めた中心軸線回りに回転可能な状態で前記区画室内に配置されているロータと、前記羽根車における前記中心軸線方向の両側の円環状端面のそれぞれに対して、前記ポンプケースの区画室内周面が第1ギャップで対峙している環状微小ギャップ部と、前記区画室内において、前記環状微小ギャップ部の外側に形成された円環状のポンプ室と、前記ポンプ室に連通している吸入口と、前記吸入口に対して前記羽根車の回転方向の下流側の位置において前記ポンプ室に連通している吐出口と、を有し、少なくとも一方の前記環状微小ギャップ部には、この環状微小ギャップ部における周方向の少なくとも一箇所に、前記区画室における前記環状微小ギャップ部の内側の内周側空間と前記ポンプ室とを前記第1ギャップよりも大きな第2ギャップで連通させる連通路が形成されており、前記連通路は、前記ポンプケースの区画室内周面に前記環状微小ギャップ部を分断して形成した連通溝であり、少なくとも1本の前記連通溝は、前記羽根車の回転方向における前記吸入口と前記吐出口との中間位置に形成されているか、前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側であって当該吐出口よりも前記中間位置に近い側の位置に形成されているか、または、前記羽根車の回転方向における前記中間位置と前記吐出口との中間に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根車の中心軸線方向の両側に形成されている環状の環状微小ギャップ部のうちの少なくとも一方の環状微小ギャップ部には、この環状微小ギャップ部の外側のポンプ室と内側の内周側空間を連通させる連通路が形成されている。従って、環状微小ギャップ部の内側の内周側空間に滞留した空気は、連通溝を介して、比較的短時間のうちに、ポンプ室に排出される。
また、本発明において、前記連通路は、前記ポンプケースの区画室内周面に前記環状微小ギャップ部を分断して形成した連通溝である。従って、連通路を環状微小ギャップ部の周方向の所定の位置に形成することができる。
この場合において、前記区画室内周面は、前記ポンプケースにおいて前記羽根車の前記円環状端面に向って突出している円環状突出部分の先端面とすることができる。
また、この場合において、前記ポンプ室に連通している吸入口と、前記吸入口に対して前記羽根車の回転方向の下流側の位置において前記ポンプ室に連通している吐出口とを有し、少なくとも1本の前記連通溝は、前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側の位置に形成されていることが望ましい。このようにすれば、連通溝を介してポンプ室の側に移動した空気が吐出口を介してポンプ室の外に排出されやすくなる。
本発明において、前記連通溝として第1連通溝および第2連通溝を備えており、前記第1連通溝は前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側の位置に形成されており、前記第2連通溝は前記羽根車の回転方向において前記吐出口よりも前記吸入口に近い側の位置に形成されていることが望ましい。発明者らの実験によれば、ポンプケースの区画室内周面にこのような2本の連通溝を形成した場合には、ポンプケースの区画室内周面に1本の連通溝を形成した場合と比較して、内周側空間に滞留した空気が比較的短時間のうちにポンプ室に排出されることが確認されている。
この場合において、前記第1連通溝と前記第2連通溝とは、前記吸入口および前記吐出口の間において左右対称に形成されていることが望ましい。このようにすれば、連通溝がポンプ室の吸入口に近い側の位置および吐出口に近い側の位置の2箇所に形成されるので、吸入口と吐出口を入れ替えてポンプ装置を使用する場合、すなわち、羽根車の回転方向を逆にしてポンプ装置を使用する場合において、連通溝を介して内周側空間からポンプ室に移動した空気をポンプ室の外に排出することが容易となる。また、2本の連通溝が吸入口および吐出口の間において左右対称に形成されているので、吸入口と吐出口を入れ替えてポンプ装置を使用する際に、環状微小ギャップ部における連通溝の周方向の位置が変化しない。従って、吸入口と吐出口を入れ替える前と後で流量が変化することを防止できる。
また、本発明において、前記ロータは、前記内周側空間に位置している部分に前記中心軸線方向の一方から他方に貫通する通気孔を備えていることが望ましい。このようにすれば、内周側空間においてロータの中心軸線方向の一方の側に滞留している空気を、通気孔を介して他方の側に移動させることができる。或いは、ロータの他方の側に滞留している空気を、通気孔を介して一方の側に移動させることができる。従って、連通溝が羽根車の一方の側および他方の側のいずれの側の環状微小ギャップ部に形成されている場合でも、内周側空間に滞留した空気を連通溝からポンプ室を介して外に排除できる。また、このような通気孔を備えれば、中心軸線方向におけるロータの一方の側と他方の側の圧力差を低減できるので、ロータを安定した状態で回転させることができる。
本発明において、前記区画室内で前記ロータを前記中心軸線回りに回転可能な状態で支持している支軸を有し、前記ロータに対向している前記支軸の支軸側対向面および前記支軸に対向している前記ロータのロータ側対向面のうちの少なくとも一方には、前記内周側空間に流入した液体を前記ロータおよび前記支軸の間に導入するための液体導入溝が形成されていることが望ましい。このようにすれば、ロータと支軸の間に液体を導入して、この液体を潤滑剤として利用することができるので、ロータおよび支軸に発生する磨耗を低減させることができる。また、本発明のポンプ装置は、前記ポンプケースに、周方向に複数の突極を備えたステータコアおよび当該突極に巻回されたコイルが搭載されており、前記ロータに、前記区画室内で前記突極に対して径方向で対向配置されているマグネットが搭載されているものとすることができる。
次に、本発明のポンプ装置は、内部に区画室を備えるポンプケースと、外周部分に羽根車を備えており、予め定めた中心軸線回りに回転可能な状態で前記区画室内に配置されているロータと、前記羽根車における前記中心軸線方向の両側の円環状端面のそれぞれに対して、前記ポンプケースの区画室内周面が第1ギャップで対峙している環状微小ギャップ部と、前記区画室内において、前記環状微小ギャップ部の外側に形成された円環状のポンプ室と、前記区画室内で前記ロータを前記中心軸線回りに回転可能な状態で支持している支軸と、を有し、少なくとも一方の前記環状微小ギャップ部には、この環状微小ギャップ部における周方向の少なくとも一箇所に、前記区画室における前記環状微小ギャップ部の内側の内周側空間と前記ポンプ室とを前記第1ギャップよりも大きな第2ギャップで連通させる連通路が形成されており、前記ロータに対向している前記支軸の支軸側対向面および前記支軸に対向している前記ロータのロータ側対向面のうちの少なくとも一方には、前記内周側空間に流入した液体を前記ロータおよび前記支軸の間に導入するための液体導入溝が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、区画室内をポンプ室と内周側空間に区画している環状の環状微小ギャップ部には、少なくとも周方向の1箇所にポンプ室と内周側空間とを第1ギャップよりも大きな第2ギャップで連通させる連通溝が形成されている。よって、内周側空間内に空気が滞留した場合でも、この空気は連通溝を介して比較的短時間のうちにポンプ室に移動する。従って、内周側空間に滞留した空気によってロータの挙動が不安定となることを低減することができる。
本発明を適用したポンプ装置の斜視図である。 本発明を適用したポンプ装置の断面図である。 本発明を適用したポンプ装置の分解斜視図である。 下側ケースを上方から見た斜視図および平面図である。 上側ケースを下方から見た斜視図および底面図である。 羽根車を上方から見た斜視図および下方から見た斜視図である。 運転開始時に区画室から空気が排出される様子を示す説明図である。 変形例のポンプ装置の下側ケースを示す平面図である。 別の変形例のポンプ装置の下側ケースを示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態のポンプ装置を説明する。なお、以下の説明において、説明の便宜上、図の上下に従ってポンプ装置の上下を説明する。
(全体構成)
図1はポンプ装置の外観を示す斜視図である。本形態のポンプ装置1は冷媒等の液体を圧送するものである。図1に示すように、ポンプ装置1は直方体形状のポンプケース2と、ポンプケース2に積層された基板3を有している。ポンプケース2はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等からなる樹脂製の下ケース(第1ケース)4および上ケース(第2ケース)5を備えている。下ケース4の前面からは吸入管6および吐出管7が装置前方に向って平行に突出している。基板3からは装置後方に向ってリード線8が引き出されている。
図2(a)は図1のX−X線におけるポンプ装置の縦断面図であり、図2(b)は図1のY−Y線におけるポンプ装置の縦断面図である。図3はポンプ装置の分解斜視図である。図2、図3に示すように、下ケース4と上ケース5はOリング9を間に介して上下に積層されており、これら下ケース4と上ケース5によって構成されたポンプケース2の内側に区画室10が設けられている。区画室10には外周部分に羽根車11が形成されたロータ12が配置されている。ロータ12は、上端部分が上ケース5に固定され、下端部分が下ケース4に固定されたステンレス鋼製の支軸13に支持されており、支軸13の中心軸線L回りに回転可能となっている。ロータ12には中心軸線Lと同軸に配置された円環状のマグネット14が搭載されている。
下ケース4は、羽根車11の下側円環状端面11aに向って突出する円環状突出部分15を備えており、この円環状突出部分15の上端面(区画室内周面)15aと羽根車11の下側円環状端面11aは第1ギャップG1を開けて対峙する下側の環状微小ギャップ部16を形成している。上ケース5は、羽根車11の上側円環状端面11bに向って突出する円環状突出部分17を備えており、この円環状突出部分17の下端面(区画室内周面)17aと羽根車11の上側円環状端面11bは第1ギャップG1を開けて対峙する上側の環状微小ギャップ部18を形成している。区画室10は、上側および下側の環状微小ギャップ部16、18によって、環状微小ギャップ部16、18の外周側の円環状のポンプ室19と内周側の内周側空間20に区画されている。ポンプ室19には羽根車11の外周部分が挿入された状態となっている。
ポンプ室19の中心軸線L方向の両側の内周面部分には、中心軸線L回りの所定の角度範囲に渡って液体流路21が形成されている。より詳細には、ポンプ室19の内周面の下側部分には半円形の断面形状を備える円弧溝からなる下側液体流路22が形成されており、ポンプ室19の内周面の上側部分には半円形の断面形状を備える円弧溝からなる上側液体流路23が形成されており、これら下側液体流路22および上側液体流路23は中心軸線L方向から見たときに重なっている。本例では、液体流路21は中心軸線L回りの270°を超える角度範囲に渡って形成されている。図3に示すように、ポンプ室19において液体流路21の一方の端が位置する部位は吸入管6が連通する吸入口19aとなっており、液体流路21の他方の端が位置する部位は吐出管7が連通する吐出口19bとなっている。
ここで、下側の環状微小ギャップ部16を構成している下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aには、周方向に180°離れた2箇所に半径方向に延びる第1連通溝24および第2連通溝25が形成されている。ロータ12が回転する第1方向D1(図3参照)において、第1連通溝24は吸入口19aよりも吐出口19bに近い側の位置に形成されており、第2連通溝25は吐出口19bよりも吸入口19aに近い側の位置に形成されている。第1連通溝24および第2連通溝25は、ポンプ室19と内周側空間20とを連通させる連通路である。
上ケース5の上面側、すなわち下ケース4とは反対側には、周方向に複数の突極26aを備えたステータコア26および各突極26aに巻回された複数のコイル27が搭載されている。ステータコア26および複数のコイル27は、中心軸線Lと同軸上に配置されており、各突極26aは、上ケース5を介して、区画室10内のロータ12のマグネット14と対応している。従って、コイル27を励磁することによってロータ12を中心軸線L回りの第1方向D1に回転させることができる。
(下ケース)
図2、図4を参照して下ケース4を詳細に説明する。図4(a)は下ケース4を斜め上方から見た斜視図であり、図4(b)は下ケース4の平面図である。下ケース4は矩形の底板部4aと、底板部4aの外周側部分から起立して上方に延びる環状の側壁部4bと、これら底板部4aおよび側壁部4bによって形成された円形凹部30を備えている。円形凹部30の円形底面30aの中心には円環状突部31が形成されており、この円環状突部31の内周側は支軸13を固定するための支軸固定用凹部31aとなっている。円環状突部31の外周側には円環状凹部32が円環状突部31と同軸上に形成されている。また、円形底面30aには、円形凹部30の外周縁に沿って支軸13の中心軸線Lを中心とする円弧形状の下側液体流路22が形成されている。下側液体流路22は、円環状凹部32よりも深く窪んでいる。
下側液体流路22と円環状凹部32との間は一定高さの突出部33となっている。突出部33は、羽根車11の下側円環状端面11aとともに環状微小ギャップ部16を構成している円環状突出部分15と、円環状突出部分15の前側部分から連続して前方に延びている封鎖部分34を備えている。封鎖部分34は下ケース4においてポンプ室19の吸入口19aと吐出口19bの間に位置する部分を封鎖している。円環状突出部分15の上端面(先端面)15aは、平坦面であり、下ケース4と上ケース5によって区画される区画室10内にロータ12が配置された状態では、羽根車11の下側円環状端面11aと第1ギャップG1を開けて対峙する。封鎖部分34の上端面34aは、円環状突出部分15の上端面15aに連続して前方に延びる平坦面である。
円環状突出部分15の上端面15aには、円環状突出部分15の周方向の一部分を分断することによって第1連通溝24および第2連通溝25が形成されている。第1連通溝24は、中心軸線L回りの第1方向D1において、吸入口19aよりも吐出口19bに近い下側液体流路22の下流側部位22aと内周側空間20とを連通させており、第2連通溝25は、吐出口19bよりも吸入口19aに近い下側液体流路22の上流側部位22bと内周側空間20とを連通させている。
第1連通溝24および第2連通溝25は、それぞれ一定幅および一定深さで半径方向に延びており、ポンプ室19と内周側空間20を第1ギャップG1よりも大きな第2ギャップG2で連通させるものとなっている。第1連通溝24および第2連通溝25の断面形状は矩形であり、その幅寸法はそれぞれ下側液体流路22の幅寸法(ポンプ室19の幅寸法)と同一寸法となっている。第1連通溝24および第2連通溝25の底面は、円環状凹部32の底面と同じ高さに位置しており、下側液体流路22の底よりも高い位置にある。第1連通溝24および第2連通溝25の深さ寸法は、図2(b)に示すように、下側液体流路22の深さ寸法の1/2よりも大きな寸法となっている。なお、各連通溝24、25の断面形状は、矩形に限られるものではなく、例えば、円弧形状、三角形状を備えていてもよい。
また、第1連通溝24は、下ケース4の円環状突出部分15において、中心軸線L回りの第1方向D1における吸入口19aおよび吐出口19bの中間位置19cと、吐出口19bの中間に形成されている。第2連通溝25は、下ケース4の円環状突出部分15において、中間位置19cと吸入口19aの中間に形成されている。換言すれば、吸入口19aと吐出口19bの間の液体流路21(下側液体流路22)が形成されていない部分の中心軸線L回りの中央O(図4(b)参照)を0°の角度位置としたときに、第1連通溝24および第2連通溝25は、それぞれ反対方向に90°の角度位置に形成されている。
円形凹部30を取り囲んでいる側壁部4bの内周面の上端部分には、円環状段部35が形成されている。側壁部4bの上端面はフランジ部36となっている。円環状段部35にはOリング9が配置され、この状態で下ケース4の上方から上ケース5が被せられて固定される。
(上ケース)
図2、図3、図5を参照して上ケース5を説明する。図5(a)は上ケース5を斜め下方から見た斜視図であり、図5(b)は上ケース5の底面図である。上ケース5は中央に円盤形状の支軸保持部40を備えている。図5に示すように支軸保持部40は下端面40aの中心に支軸13を固定するための支軸固定用凹部41を備えている。図5に示す状態では、支軸13の上端部分が支軸固定用凹部41に圧入されて固定されている。支軸保持部40の上端面の中央部分401は上方に突出している。上ケース5を上方から見ると、図3に示すように、支軸保持部40の外周側には下方に窪む上側環状凹部42が支軸13の中心軸線Lと同軸上に形成されている。図2に示すように、上側環状凹部42には、コイル27が巻き回されたステータコア26が突極26aを外周側に向けて挿入される。また、コイル27が巻き回されたステータコア26と上側環状凹部42との間にはエポキシ系やアクリル系等の絶縁性の樹脂が充填され、これによりコイル27が巻き回されたステータコア26は上ケース5に固定される。上ケース5の外周縁にはフランジ部43が形成されており、フランジ部43と上側環状凹部42との間は円環状領域44となっている。ここで、上ケース5は、コイル27が巻き回されたステータコア26と、区画室10内に配置されるロータ12を液密状態で隔てる隔壁として機能する。
上ケース5を下方から見ると、図5に示すように、支軸保持部40の外周側には、支軸保持部40から下方に突出する内側円環状突出部45が形成されている。内側円環状突出部45は上ケース5の上面側の上側環状凹部42と対応するものであり支軸13の中心軸線Lと同軸上に形成されている。内側円環状突出部45の下端は内周縁部45aおよび外周縁部45bがそれぞれテーパー面となっている。内側円環状突出部45の内周面部分45cには上下方向に延びる3本の溝46が等角度間隔に形成されている。内側円環状突出部45の外周側には上側に窪む下側円環状凹部47が形成されている。図2に示すように、下側円環状凹部47にはロータ12のマグネット14が挿入され、マグネット14とステータコア26の突極26aが、中心軸線Lの径方向において、上ケース5を介して対向配置された状態となる。下側円環状凹部47の外周側には支軸13の中心軸線Lと同軸上に外側円環状突部48が形成されている。外側円環状突部48の外周側はフランジ部49となっている。
外側円環状突部48の円環状下端面には、中心軸線Lを中心とする円弧形状の上側液体流路23が形成されている。上側液体流路23は下ケース4の下側液体流路22とともに液体流路21を構成する。
上側液体流路23と下側円環状凹部47との間は一定高さの環状の突出部50となっている。突出部50は、羽根車11の上側円環状端面11bとともに上側の環状微小ギャップ部18を構成している円環状突出部分17と、円環状突出部分17の前側部分から連続して前方に延びている封鎖部分51を備えている。封鎖部分51は上ケース5においてポンプ室19の吸入口19aと吐出口19bの間に位置する部分を封鎖している。円環状突出部分17の下端面(先端面)17aは、平坦な円環状面であり、下ケース4と上ケース5によって区画される区画室10内にロータ12が配置された状態では、羽根車11の上側円環状端面11bと第1ギャップG1を開けて対峙する。封鎖部分51の下端面51aは、円環状突出部分17の下端面17aから連続して前方に延びる平坦面である。
(ロータ)
図2、図6を参照してロータ12を説明する。図6(a)はロータ12を斜め上方から見た斜視図であり、図6(b)はロータ12を斜め下方から見た斜視図である。ロータ12は、PPS等からなる樹脂製であり、円盤部60と、円盤部60の上面の中心から上方に突出する円筒状の軸受部61と、円盤部60の上面から上方に突出しており、軸受部61と所定の間隔を開けて当該軸受部61を同軸上で包囲している円筒部62と、円盤部60の下面において円筒部62よりも内周側に形成されている円環状突部63を備えている。
軸受部61の中心の貫通孔611の内周面(ロータ側対向面)611aには、内周側空間20内に流入した流体を支軸13とロータ12の間に導入するための液体導入溝612が形成されている。液体導入溝612は、中心軸線Lと平行に延びており、上端が軸受部61の上端面61aに露出し、下端が軸受部61の下端面61bに露出している。円筒部62の内周面には、円筒状のヨーク64が保持され、ヨーク64の内周面に円筒状のマグネット14が保持される。ヨーク64およびマグネット14はインサート成形によってロータ12と一体に形成される。
円盤部60において、円筒部62よりも内周側には複数の通気孔65が周方向において等角度間隔に形成されている。円盤部60において円筒部62よりも外周側の外周部分は羽根車11となっている。羽根車11の外周部分には上下2段形成された凹部66が周方向に等角度間隔で形成されている。凹部66は円盤部60の上面の外周縁を円弧形状に切り欠いて形成された上側凹部67と、円盤部60の下面の外周縁を円弧形状に切り欠いて形成された下側凹部68を備えており、周方向で隣接する凹部66の間はそれぞれ半径方向に延びる羽根69となっている。上下方向で隣接する上側凹部67と下側凹部68の間は、周方向に延びて各羽根69の間を上下に区画するリブ70となっている。
ここで、図2に示すように、区画室10内にロータ12を配置する際には、軸受部61の上端面61aに2枚のワッシャー71が載置され、この状態で支軸13が貫通孔611に挿入される。そして、区画室10内にロータ12が配置された状態では、円環状突部63と下側凹部68との間の下側円環状端面11aは、下ケース4の円環状突出部分15とともに下側の環状微小ギャップ部16を構成する。また、円筒部62と上側凹部67との間の羽根車11の上側円環状端面11bは、上ケース5の円環状突出部分17とともに上側の環状微小ギャップ部18を構成する。
(基板)
図2、図3に示すように、基板3は、上ケース5と同一の平面輪郭形状を備えており、中央部に円形開口72を有している。基板3の下端面3aには、ホール素子等の電子部品が実装されている。また、基板3の下端面3aに形成された配線にはコイル27から引き出されたコイル線の端末とリード線8が接続されている。基板3は上ケース5に上方から被せられて上ケース5のフランジ部43に固定される。基板3が上ケース5に固定されると、上側環状凹部42内に配置されているステータコア26およびコイル27は基板3によって上方から覆われ、円形開口72には支軸保持部40の中央部分401が挿入された状態となる。
リード線8は外部の駆動制御装置(不図示)に電気的に接続される。駆動制御装置からコイル27に励磁電流が供給されるとロータ12が所定の第1方向D1に回転する。これにより、液体は吸入管6からポンプ室19内に吸い込まれ、ポンプ室19内で加圧されて、吐出管7から吐出される。なお、本例のポンプ装置1は、駆動制御装置からコイル27に極性が逆の励磁電流が供給されると、ロータ12が第1方向D1とは反対の第2方向D2に回転する。この場合には、液体を吐出管7から吸入し、ポンプ室19内で加圧して、吸入管6から吐出する。
(空気の排出)
図7は運転開始時に区画室10から空気が排出される様子を示す説明図である。図7(a)は本例のポンプ装置1において区画室10から空気が排出される様子を示しており、図7(b)は下ケース4の円環状突出部分15に第1連通溝24および第2連通溝25が形成されていない従来のポンプ装置1において区画室10から空気が排出される様子を示している。図7(a)、(b)はポンプ装置1を吸入管6および吐出管7を下方に向けた状態でポンプ装置1の上方から空気の様子を撮影している。図7(a)、(b)における左側の図はポンプ装置1の運転開始直後の状態を示しており、右側の図は運転開始から1分経過後の状態を示している。色が薄くなっている部分が区画室10に滞留している滞留空気80である。
本例のポンプ装置1では、下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aと羽根車11の下側円環状端面11aの間の第1ギャップG1、および、上ケース5の円環状突出部分17の下端面17aと羽根車11の上側円環状端面11bの間の第1ギャップG1を、それぞれ0.1mmと狭くすることによって、ポンプ室19の密閉度を高めて、流量の損失を低減させている。しかし、このように第1ギャップG1を狭くした場合には、ポンプ装置1を乾燥状態から運転する際に、内周側空間20に液体が入り込まず、内周側空間20に空気が残留することがある。
ここで、内周側空間20内の滞留空気80は、下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aと羽根車11の下側円環状端面11aの第1ギャップG1から、或いは、上ケース5の円環状突出部分17の下端面17aとロータ12と羽根車11の上側円環状端面11bの間の第1ギャップG1から、ポンプ室19および吐出管7を介して自然と外に排出される。或いは、滞留空気80は、液体に自然に溶け込むことにより消滅する。しかし、このような滞留空気80の自然排出や液体への溶解には時間がかかるので、ポンプ装置1の運転開始時には、滞留空気80に起因して発生するロータ12の上下の圧力差によりロータ12の挙動が不安定となることがある。また、滞留空気80が存在することによって内周側空間20内に液体が入り込んでいない場合には、ロータ12と支軸13などが液体を介さずに直接摺動する。より具体的には、ロータ12の軸受部61の貫通孔611の内周面611aと支軸13の環状の外周面13a、および、ロータ12の軸受部61とワッシャー71などが液体を介さずに直接摺動するので、これらの間に磨耗が発生し、経年使用による流量の低下並びに騒音および振動の増加、耐久性の低下などの原因となる。
これに対して、本例のポンプ装置1では、下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aに第1連通溝24および第2連通溝25が形成されており、内周側空間20とポンプ室19の間を第1ギャップG1よりも大きな第2ギャップG2(図2(b)参照)で連通させているので、図7(a)に示すように、区画室10内の滞留空気80はロータ12を第1方向D1に回転させた運転開始直後から減少しており、運転開始から1分経過した時点では、ごく僅かな気泡が滞留空気80として内周側空間20に滞留しているだけの状態となる。また、支軸13の周囲から滞留空気80が減少すると、貫通孔611の内周面611aに形成されている液体導入溝612を介して液体がロータ12と支軸13の間に導入される。さらに、液体導入溝612を介して液体が流通するようになるので、ロータ12と支軸13およびロータ12とワッシャー71が液体を介して摺動する。これにより、液体が潤滑剤として機能するようになる。
一方、従来のポンプ装置1では、図7(b)に示すように、運転開始から1分経過した時点においても滞留空気80が支軸13の回りに残っている。
このように、本例によれば、ポンプ室19と内周側空間20とを区画する環状微小ギャップ部16を構成する下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aには、ポンプ室19と内周側空間20とを連通させる第1連通溝24および第2連通溝25が形成されているので、内周側空間20内に空気が滞留している場合でも、この空気は第1連通溝24および第2連通溝25を介して比較的短時間のうちにポンプ室19の側に移動し、吐出口19bおよび吐出管7を介してポンプ装置1の外に排出される。従って、内周側空間20に滞留した空気によってロータ12の挙動が不安定となることを低減することができる。
また、滞留した空気を除去することによって内周側空間20内に液体を入り込ませることができるとともに、内周側空間20内に流入する液体を、液体導入溝612を介して液体がロータ12と支軸13の間に導入することができる。よって、ロータ12と支軸13などが液体を介して摺動し、液体が潤滑剤として機能する。この結果、摺動する部材間で発生する磨耗を抑制することができるので、経年使用による流量の低下、並びに、騒音および振動の増加を抑制でき、耐久性を向上させることができる。
さらに、本例では、内周側空間20内に位置しているロータ12には、ロータ12の上面から下面に貫通する通気孔65が形成されているので、内周側空間20においてロータ12の上側に滞留している空気を、通気孔65を介して下側に移動させ、しかる後に、第1連通溝24および第2連通溝25を介してポンプ室19から外に排出することができる。また、ロータ12にこのような通気孔65が形成されているので、ロータ12の上側と下側の圧力差を低減でき、ロータ12を安定した状態で回転させることができる。
また、本例では、第1連通溝24が、下側液体流路22において吸入口19aよりも吐出口19bに近い下流側部位22aと内周側空間20とを連通させているので、ロータ12を第1方向D1に回転駆動したときに、内周側空間20に滞留した空気が第1連通溝24を介してポンプ室19の側に移動し、吐出管7から外に排出され易い。
さらに、本例では、第2連通溝25が、下側液体流路22において吐出口19bよりも吸入口19aに近い上流側部位22bと内周側空間20とを連通させている。従って、吸入管6と吐出管7を入れ替えてポンプ装置1を使用する場合、すなわち、ロータ12を第1方向D1とは反対の第2方向D2に回転させて、吐出管7から液体を吸入して吸入管6から吐出する場合においても、内周側空間20内に滞留した空気を第2連通溝25からポンプ室19に移動させ、ポンプ室19から吸入口19a、吸入管6を介して外に排出できる。従って、吸入管6と吐出管7を入れ替えてポンプ装置1を使用する場合でも、区画室10内に滞留した空気は比較的短い時間で除去される。
さらに、本例では、第1連通溝24と第2連通溝25が吸入口19aおよび吐出口19bの間において左右対称に形成されている。従って、吸入管6と吐出管7を入れ替えてポンプ装置1を使用する際に、中心軸線L回りの周方向における連通溝の位置が変化しない。従って、吸入口19aと吐出口19bを入れ替える前と後で流量が変化することを防止できる。
ここで、第1連通溝24を設けることによって、ポンプ室19の吐出口19bの近傍と内周側空間20を連通させると流量が低下してポンプ装置1の効率を低下させることがあるが、本例によれば、第1連通溝24は、下ケース4の円環状突出部分15において、吐出口19bと中間位置19cの中間に形成されており、吐出口19bから離れている。従って、ポンプ装置1の流量の低下を抑制できる。また、第2連通溝25は、下ケース4の円環状突出部分15において、吸入口19aと中間位置19cの中間に形成されており、吸入口19aから離れている。従って、吸入管6と吐出管7を入れ替えてポンプ装置1を使用する場合でも、ポンプ装置1の流量の低下を抑制できる。
なお、ポンプ装置1の吸入管6と吐出管7を入れ替えて使用することがない場合には、すなわち、ロータ12の回転方向が中心軸線L回りの第1方向D1に決められている場合には、第2連通溝25を設けずに、吐出管7に近い側に位置する第1連通溝24のみを設けてもよい。ただし、発明者らは、ポンプ室19と内周側空間20とを連通させる連通溝を円環状突出部分15の上端面15aの1箇所に設ける場合と比較して、本例のポンプ装置1のように、ポンプ室19と内周側空間20とを連通させる連通溝を、円環状突出部分15の上端面15aの周方向の異なる2箇所に設けた場合に、内周側空間20に滞留した滞留空気80をポンプ室19の側に短時間で排出させることができることを実験により確認しているので、第1連通溝24および第2連通溝25の双方を形成しておくことが滞留空気80を排出するという観点からは、望ましい。
(その他の実施の形態)
ここで、第1連通溝24および第2連通溝25の形成位置は、上記の例に限られるものではない。図8(a)および図8(d)は第1連通溝および第2連通溝の形成位置を変更した変形例のポンプ装置の下ケース4を示す平面図である。図8(b)および図8(c)は参考例のポンプ装置の下ケース4を示す平面図である。なお、図8に示すいずれの例においても各連通溝は円環状突出部分15の上端面15aに形成されている。
図8(a)に示すポンプ装置1Aでは、第1連通溝24Aおよび第2連通溝25Aは、中心軸線Lよりも装置後側に位置している。換言すれば、第1連通溝24Aおよび第2連通溝25Aは、中心軸線L回りにおいて吸入口19aと吐出口19bの間の液体流路21(下側液体流路22)が形成されていない部分の中央Oを0°の角度位置としたときに、90°から180°未満の角度範囲に形成されている。図8(b)に示すポンプ装置1Bでは第1連通溝24Bおよび第2連通溝25Bは、中心軸線Lよりも装置前側に位置している。すなわち、第1連通溝24Bおよび第2連通溝25Bは、中心軸線L回りにおいて吸入口19aと吐出口19bの間の液体流路21が形成されていない部分の中央Oを0°の角度位置としたときに、90°未満の角度範囲にある。図8(c)に示すポンプ装置1Cでは、第1連通溝24Cは内周側空間20と液体流路21の吐出口19bの近傍を連通させており、第2連通溝25Cは内周側空間20と液体流路21の吸入口19aの近傍を連通させている。図8(d)に示すポンプ装置1Dでは、一つの連通溝24Dを備えており、この連通溝24Dは、ポンプ室19の中間位置19cと内周側空間20を連通させている。すなわち、中心軸線L回りにおいて、吸入口19aと吐出口19bの間の液体流路21が形成されていない部分の中央Oを0°の角度位置としたときに180°の角度位置に形成されている。
図8に示すいずれのポンプ装置1A〜1Dにおいても、内周側空間20に滞留した空気を比較的短時間のうちに外に排出することができる。なお、ポンプ装置1B、1Cについては、ポンプ装置1、1A、1Dと比較して流量の低下が認められるので、第1、第2連通溝24、25を形成する位置は、下ケース4の円環状突出部分15において、吸入口19aおよび吐出口19bよりも中間位置19cに近い側の位置とすることが好ましい。すなわち、液体流路21が270°以上の角度範囲に渡って形成されているポンプ装置においては、第1、第2連通溝24、25は、吸入口19aと吐出口19bの間の液体流路21が形成されていない部分の中心軸線L回りの中央を0°の角度位置としたときに、90°以上180°未満の角度範囲に形成されていることが好ましい。
図9は連通溝の形状を変更した変形例のポンプ装置の下ケース4を示す平面図である。なお、図9に示すいずれの例においても各連通溝は円環状突出部分15の上端面15aに形成されている。上記の例では、第1連通溝24および第2連通溝25は、それぞれ支軸13の中心軸線Lを中心として半径方向に一定幅で延びているが、図9(a)に示すポンプ装置1Eでは、第1連通溝24Eを外周側に向って吐出口19bの側に傾斜させ、第2連通溝25Eを外周側に向って吸入口19aの側に傾斜させている。図9(b)に示すポンプ装置1Fでは、第1連通溝24Fおよび第2連通溝25Fの平面形状を外周側が狭く内周側が広い扇型形状としている。図9(c)に示すポンプ装置1Gでは、第1連通溝24Gおよび第2連通溝25Gの平面形状を外周側が広く内周側が狭い扇型形状としている。図9に示すポンプ装置1E〜1Gにおいても、内周側空間20に滞留した空気を比較的短時間のうちに外に排出することができる。
また、上記の例では第1連通溝24および第2連通溝25の幅寸法はポンプ室19の幅寸法と同一に形成されているが、第1連通溝24および第2連通溝25の幅の幅寸法は、これに限られるものではなく、適宜に変更してもよい。また、上記の例では、第1連通溝24および第2連通溝25の深さ寸法は、下側液体流路22の深さ寸法に近い寸法となっているが、この深さ寸法は、第1ギャップG1より大きければよく、2倍以上であれば好ましい。
さらに、上記の例では、第1連通溝24および第2連通溝25はいずれも下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aに形成されているが、上ケース5の円環状突出部分17の下端面17aに形成しておくこともできる。或いは、下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aおよび上ケース5の円環状突出部分17の下端面17aの双方に形成しておくこともできる。
また、上記の例では、内周側空間20とポンプ室19とを連通させる連通路は溝として形成されているが、このような連通路として、環状微小ギャップ部16、18を構成している下ケース4の円環状突出部分15或いは上ケース5の円環状突出部分17を半径方向に貫通して内周側空間20とポンプ室19とを連通させる連通孔を設けてもよい。
さらに、上記の例では、ポンプケース2の側に連通溝を形成することにより、内周側空間20とポンプ室19とを第1ギャップG1よりも大きなギャップで連通させているが、下ケース4の円環状突出部分15の上端面15aとともに環状微小ギャップ部16を形成している羽根車11の下側円環状端面11a、或いは、上ケース5の円環状突出部分17の下端面17aとともに環状微小ギャップ部18を構成している羽根車11の上側円環状端面11bの側に連通溝を形成することによって、内周側空間20とポンプ室19とを第1ギャップG1よりも大きなギャップで連通させても、内周側空間20に滞留した空気を、この連通溝を介して外に排出することができる。
また、上記の例では、支軸13とロータ12の間に液体を導入するための液体導入溝612をロータ12の側に形成しているが、ロータ12と対向する支軸13の外周面(支軸側対向面)13aに形成してもよい。
なお、上記のポンプ装置1では、ロータ12は支軸13の回りを回転可能な状態で配置されているが、ロータ12に回転軸を備え、下ケース4の支軸固定用凹部31aおよび上ケース5の支軸固定用凹部41を回転軸の軸受けとすることにより、ロータ12を区画室10内に回転可能な状態に配置してもよい。
1・1A〜1G・ポンプ装置、2・ポンプケース、3・基板、3a・下端面、4・下ケース、4a・底板部、4b・側壁部、5・上ケース、6・吸入管、7・吐出管、8・リード線、9・リング、10・区画室、11・羽根車、11a・下側円環状端面、11b・上側円環状端面、12・ロータ、13・支軸、13a・外周面(支軸側対向面)、14・マグネット、15・円環状突出部分、15a・上端面、16・下側の環状微小ギャップ部、17・円環状突出部分、17a・下端面、18・上側の環状微小ギャップ部、19・ポンプ室、19a・吸入口、19b・吐出口、19c・中間位置、20・内周側空間、21・液体流路、22・下側液体流路、22a・下流側部位、22b・上流側部位、23・上側液体流路、24・24A〜24G・第1連通溝、24a・底面、25・25A〜25G・第2連通溝、26・ステータコア、26a・突極、27・コイル、30・円形凹部、30a・円形底面、31・円環状突部、31a・支軸固定用凹部、32・円環状凹部、33・突出部、34・封鎖部分、34a・上端面、35・円環状段部、36・フランジ部、40・支軸保持部、40a・下端面、41・支軸固定用凹部、42・上側環状凹部、43・フランジ部、44・円環状領域、45a・内周縁部、45b・外周縁部、45c・内周面部分、45・内側円環状突出部、46・溝、47・下側円環状凹部、48・外側円環状突部、49・フランジ部、50・突出部、51・封鎖部分、51a・下端面、60・円盤部、61・軸受部、61a・上端面、61b・下端面、62・円筒部、63・円環状突部、64・ヨーク、65・通気孔、66・凹部、67・上側凹部、68・下側凹部、69・羽根、70・リブ、71・ワッシャー、72・円形開口、80・滞留空気、401・中央部分、611・貫通孔、611a・内周面(ロータ側対向面)、612・液体導入溝、D1・第1方向、D2・第2方向、G1・第1ギャップ、G2・第2ギャップ、L・中心軸線、O・中央(0°の角度位置)

Claims (9)

  1. 内部に区画室を備えるポンプケースと、
    外周部分に羽根車を備えており、予め定めた中心軸線回りに回転可能な状態で前記区画室内に配置されているロータと、
    前記羽根車における前記中心軸線方向の両側の円環状端面のそれぞれに対して、前記ポンプケースの区画室内周面が第1ギャップで対峙している環状微小ギャップ部と、
    前記区画室内において、前記環状微小ギャップ部の外側に形成された円環状のポンプ室と
    前記ポンプ室に連通している吸入口と、
    前記吸入口に対して前記羽根車の回転方向の下流側の位置において前記ポンプ室に連通している吐出口と、を有し、
    少なくとも一方の前記環状微小ギャップ部には、この環状微小ギャップ部における周方向の少なくとも一箇所に、前記区画室における前記環状微小ギャップ部の内側の内周側空間と前記ポンプ室とを前記第1ギャップよりも大きな第2ギャップで連通させる連通路が形成されており、
    前記連通路は、前記ポンプケースの区画室内周面に前記環状微小ギャップ部を分断して形成した連通溝であり、
    少なくとも1本の前記連通溝は、前記羽根車の回転方向における前記吸入口と前記吐出口との中間位置に形成されているか、前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側であって当該吐出口よりも前記中間位置に近い側の位置に形成されているか、または、前記羽根車の回転方向における前記中間位置と前記吐出口との中間に形成されていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 請求項1において、
    少なくとも1本の前記連通溝は、前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側の位置に形成されていることを特徴とするポンプ装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記区画室内周面は、前記ポンプケースにおいて前記羽根車の前記円環状端面に向って突出している円環状突出部分の先端面であることを特徴とするポンプ装置。
  4. 請求項2において、
    前記連通溝として第1連通溝および第2連通溝を備えており、
    前記第1連通溝は前記羽根車の回転方向において前記吸入口よりも前記吐出口に近い側の位置に形成されており、前記第2連通溝は前記羽根車の回転方向において前記吐出口よりも前記吸入口に近い側の位置に形成されていることを特徴とするポンプ装置。
  5. 請求項4において、
    前記第1連通溝と前記第2連通溝とは、前記吸入口および前記吐出口の間において左右対称に形成されていることを特徴とするポンプ装置。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
    前記ロータは、前記内周側空間に位置している部分に前記中心軸線方向の一方から他方に貫通する通気孔を備えていることを特徴とするポンプ装置。
  7. 請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、
    前記区画室内で前記ロータを前記中心軸線回りに回転可能な状態で支持している支軸を有し、
    前記ロータに対向している前記支軸の支軸側対向面および前記支軸に対向している前記ロータのロータ側対向面のうちの少なくとも一方には、前記内周側空間に流入した液体を前記ロータおよび前記支軸の間に導入するための液体導入溝が形成されていることを特徴とするポンプ装置。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれかの項において、
    前記ポンプケースには、周方向に複数の突極を備えたステータコアおよび当該突極に巻回されたコイルが搭載されており、
    前記ロータには、前記区画室内で前記突極に対して径方向で対向配置されているマグネットが搭載されていることを特徴とするポンプ装置。
  9. 内部に区画室を備えるポンプケースと、
    外周部分に羽根車を備えており、予め定めた中心軸線回りに回転可能な状態で前記区画室内に配置されているロータと、
    前記羽根車における前記中心軸線方向の両側の円環状端面のそれぞれに対して、前記ポンプケースの区画室内周面が第1ギャップで対峙している環状微小ギャップ部と、
    前記区画室内において、前記環状微小ギャップ部の外側に形成された円環状のポンプ室と、
    前記区画室内で前記ロータを前記中心軸線回りに回転可能な状態で支持している支軸と、を有し、
    少なくとも一方の前記環状微小ギャップ部には、この環状微小ギャップ部における周方向の少なくとも一箇所に、前記区画室における前記環状微小ギャップ部の内側の内周側空間と前記ポンプ室とを前記第1ギャップよりも大きな第2ギャップで連通させる連通路が形成されており、
    前記ロータに対向している前記支軸の支軸側対向面および前記支軸に対向している前記ロータのロータ側対向面のうちの少なくとも一方には、前記内周側空間に流入した液体を前記ロータおよび前記支軸の間に導入するための液体導入溝が形成されていることを特徴とするポンプ装置。
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