JP5723169B2 - ステータの製造方法及びステータの製造装置 - Google Patents
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Description
また、ステータコアの内周に挿入された調整用芯金にて該ステータコアの径が調整されるため、ステータコアの真円度を好適に調整することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、環状部と該環状部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有するステータコアがモータケースの内周面に固定され、前記ステータコアは、前記環状部を周方向に分割した形状の分割環状部と該分割環状部毎に設けられる前記ティース部とからなる分割コアが周方向に複数並列されて構成されたステータの製造方法であって、溶接用芯金の外周面に前記ティース部の径方向内側端部を当接させつつ該芯金の周りに前記分割コアを環状に配置した後、周方向に隣り合う前記分割環状部同士を接触させることなく該分割環状部同士の間に間隙を持たせた状態で該各分割環状部間を溶接する溶接工程と、前記溶接工程後、環状に配置された前記分割コアから前記溶接用芯金を引き抜く引き抜き工程と、前記引き抜き工程後、環状に配置された前記各分割コアからなる前記ステータコアの径を調整する調整工程と、前記調整工程後、前記ステータコアを前記モータケースに圧入固定又は焼嵌め固定する固定工程とを備えたことを特徴とする。
この発明では、溶接工程において周方向に隣り合う分割環状部同士の間に間隙を持たせた状態で該各分割環状部間が溶接されることで、ステータコアの径の調整が許容された状態で各分割コア間が連結される。このため、引き抜き工程後の調整工程において、ステータコアをモータケースに圧入固定又は焼嵌め固定するのに適切な寸法にステータコアの径を調整することが可能となる。これにより、真円度の高いステータコアを製造可能となるため、ステータコアをモータケースに圧入固定又は焼嵌め固定する際に、ステータコアやモータケースが削れてしまったり、ステータコアがモータケースに食い込んでしまったりする、所謂かしりの発生を抑えることができる。また、このかしりの発生が抑えられることで、モータケースに組み込まれたステータコアの寸法不良の発生を抑えることができる。このように本発明では、モータケースの外周面に設けられるリング部材等を必要としないため、部品点数の増加を抑えつつも、ステータコアの真円度を向上させることが可能となる。
まず、本実施形態のステータの製造方法及び製造装置を説明する前に、その製造方法及び製造装置にて製造されたステータを備えるブラシレスモータについて説明する。
次に、ブラシレスモータ1に備えられる上記のステータ3を製造する製造方法について図3〜図8に従って説明する。
まず、分割コア11を環状化してステータコア10を成形するための溶接用芯金21について説明する。図3に示すように、溶接用芯金21はシャフト22を備える。シャフト22は、軸方向下側部分が同一径をなす円柱部22aで構成されるとともに、軸方向上側部分には、軸方向上側端部に向かうにつれて縮径する略円錐形状をなすテーパ部22bが形成されている。
まず、ティース部13にコイル16が巻装された状態の各分割コア11を略環状にするとともに、その各分割コア11の内周側に溶接用芯金21の分割コア配置部25が挿入される。このとき、分割コア11は、溶接用芯金21の軸方向位置決め部28と軸方向に当接して位置決めされるようになっている。また、このとき、分割コア配置部25の外径D1は、各分割コア11の内周側への挿入を容易にすべく縮径されている。その後、分割コア配置部25を拡径させて、その外周面を各分割コア11のティース部13の先端部13a(径方向内側端部)に当接させるとともに、分割コア配置部25の外径D1を、ステータコア10の内径規格上限よりも若干大きい径で固定する。このとき、図6において分割環状部12の右側の周方向端部を第1端部12aとし、左側の周方向端部を第2端部12bとして、周方向に隣り合う分割環状部12同士の第1端部12aと第2端部12bとの間に間隙Sがそれぞれ形成される。
溶接工程において、隣り合う分割環状部12間に間隙Sを持たせた状態でその各分割環状部12間を溶接するため、その後のステータコア10の径の調整が許容される。そして、調整工程でステータコア10の外径の拡大量を最小限に抑えつつ内径の真円度が向上するように調整するため、その後の固定工程において、ステータコア10の外周面10aとモータケース2の内周面2aとの間のクリアランスZが周方向全体に亘って最大限確保されるようになっている。このため、ステータコア10をモータケース2に焼嵌め固定する際に、ステータコア10やモータケース2が削れてしまったり、ステータコア10がモータケース2に食い込んでしまったりする、所謂かしりの発生が抑えられ、その結果、かしりによって生じるステータコア10の寸法不良の発生が抑えられるようになっている。
(1)本実施形態では、溶接用芯金21(分割コア配置部25)の外周面にティース部13の先端部13aを当接させつつ該溶接用芯金21の周りに分割コア11を環状に配置した後、周方向に隣り合う分割環状部12同士の間に間隙Sを持たせた状態で該各分割環状部12間が溶接される。これにより、ステータコア10の径の調整が許容された状態で各分割コア11間が連結される。このため、ステータコア10から溶接用芯金21を引き抜いた後の調整工程において、ステータコア10をモータケース2に焼嵌め固定するのに適切な寸法にステータコア10の径を調整することが可能となる。これにより、真円度の高いステータコア10を製造可能となるため、ステータコア10をモータケース2に焼嵌め固定する際に、ステータコア10やモータケース2が削れてしまったり、ステータコア10がモータケース2に食い込んでしまったりする、所謂かしりの発生を抑えることができる。その結果、このかしりによって生じるステータコア10の寸法不良の発生を抑えることができる。このように本発明では、モータケース2の外周面に設けられるリング部材等を必要としないため、部品点数の増加を抑えつつも、ステータコア10の真円度を向上させることが可能となる。
・上記実施形態では、ステータコア10をモータケース2に焼嵌め固定した後に調整用芯金31をステータコア10から取り除いたが、調整用芯金31をステータコア10から取り除いた後に該ステータコア10をモータケース2に固定してもよい。
・上記実施形態では、溶接用芯金21の分割コア配置部25を拡縮可能に構成したが、これに特に限定されるものではなく、拡縮不能としてもよい。
(イ) ステータの製造方法、又はステータの製造装置を用いて製造されたことを特徴とするステータ。
Claims (5)
- 環状部と該環状部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有するステータコアがモータケースの内周面に固定され、
前記ステータコアは、前記環状部を周方向に分割した形状の分割環状部と該分割環状部毎に設けられる前記ティース部とからなる分割コアが周方向に複数並列されて構成されたステータの製造方法であって、
溶接用芯金の外周面に前記ティース部の径方向内側端部を当接させつつ該芯金の周りに前記分割コアを環状に配置した後、周方向に隣り合う前記分割環状部同士の間に間隙を持たせた状態で該各分割環状部間を溶接する溶接工程と、
前記溶接工程後、環状に配置された前記分割コアから前記溶接用芯金を引き抜く引き抜き工程と、
前記引き抜き工程後、環状に配置された前記各分割コアからなる前記ステータコアの径を前記ステータコアの内周に挿入された調整用芯金にて調整する調整工程と、
前記調整工程後、前記ステータコアを前記モータケースに圧入固定又は焼嵌め固定する固定工程と
を備えたことを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1に記載のステータの製造方法において、
前記固定工程において、前記調整用芯金が前記ステータコアの内周に挿入された状態で前記ステータコアを前記モータケースに圧入固定又は焼嵌め固定し、その後、前記調整用芯金を前記ステータコアから取り除くことを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1又は2に記載のステータの製造方法において、
前記ティース部の径方向内側端部と当接する前記調整用芯金の外周面の径が拡縮可能に構成されたことを特徴とするステータの製造方法。 - 環状部と該環状部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有するステータコアがモータケースの内周面に固定され、
前記ステータコアは、前記環状部を周方向に分割した形状の分割環状部と該分割環状部毎に設けられる前記ティース部とからなる分割コアが周方向に複数並列されて構成されたステータの製造装置であって、
環状に配置された前記分割コアの内周に配置され、その分割コアの環状状態を維持させるための溶接用芯金を備え、
前記溶接用芯金の外径は、周方向に隣り合う前記分割環状部同士の間に間隙を生じさせることが可能な寸法に設定され、
周方向に隣り合う前記分割環状部同士の間に間隙を持たせた状態で該各分割環状部間を溶接した後の前記ステータコアの径を前記ステータコアの内周に挿入し調整する調整用芯金を備えたことを特徴とするステータの製造装置。 - 環状部と該環状部から径方向内側に突出する複数のティース部とを有するステータコアがモータケースの内周面に固定され、
前記ステータコアは、前記環状部を周方向に分割した形状の分割環状部と該分割環状部毎に設けられる前記ティース部とからなる分割コアが周方向に複数並列されて構成されたステータの製造方法であって、
溶接用芯金の外周面に前記ティース部の径方向内側端部を当接させつつ該芯金の周りに前記分割コアを環状に配置した後、周方向に隣り合う前記分割環状部同士を接触させることなく該分割環状部同士の間に間隙を持たせた状態で該各分割環状部間を溶接する溶接工程と、
前記溶接工程後、環状に配置された前記分割コアから前記溶接用芯金を引き抜く引き抜き工程と、
前記引き抜き工程後、環状に配置された前記各分割コアからなる前記ステータコアの径を調整する調整工程と、
前記調整工程後、前記ステータコアを前記モータケースに圧入固定又は焼嵌め固定する固定工程と
を備えたことを特徴とするステータの製造方法。
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