JP2002218714A - 分割コア方式のサーボ・モータの製造方法及び製造装置、並びに固定装置 - Google Patents

分割コア方式のサーボ・モータの製造方法及び製造装置、並びに固定装置

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JP2002218714A
JP2002218714A JP2001005854A JP2001005854A JP2002218714A JP 2002218714 A JP2002218714 A JP 2002218714A JP 2001005854 A JP2001005854 A JP 2001005854A JP 2001005854 A JP2001005854 A JP 2001005854A JP 2002218714 A JP2002218714 A JP 2002218714A
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welding
stator core
stator
core
split
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JP2001005854A
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Masanori Okazaki
昌紀 岡崎
Shinji Hirai
真二 平井
Tetsuji Fukushima
哲治 福島
Yoshio Sugimoto
恵夫 杉本
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Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接する分割コア間のレーザ溶接箇所におけ
る熱収縮に拘わらず、良好な組立精度を持つ固定子コア
として一体化する。 【解決手段】 各分割コアを該円周方向に整列状に並べ
て仮組み状態となった固定子コアを、固定子コアの内径
側から径方向に力を印加することによりその外径が固定
的な基準面に従った所定形状で固定する。次いで、円周
上で略均等に分散して配置された各溶接位置に、単一の
レーザ発振機から分岐された照射ノズルをそれぞれ設置
して、同時に溶接処理を施す。さらに、固定子コアを軸
方向に回転させて他の接合箇所を順次レーザ溶接してい
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットを始めと
する各種産業機器のアクチュエータとして利用可能なサ
ーボ・モータに係り、特に、小型で且つ高出力に構成さ
れたサーボ・モータに関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、固定子に分割コ
アを用いて巻線密度を向上させることによって小型且つ
高出力に構成されたサーボ・モータに係り、特に、円周
方向に分割された各分割コアを接合して一体化した固定
子コアを製作するサーボ・モータの製造技術に関する。
【0003】
【従来の技術】産業用・民生用の各機器のアクチュエー
タ(actuator)としては、サーボ・モータを用いるのが
一般的である。何故ならば、サーボ・モータは、取扱い
が容易で、小型・高トルクで、しかも応答性に優れてい
るからである。特に、ACサーボ・モータは、ブラシが
なく、メンテナンス・フリーであることから、無人化さ
れた作業空間で稼動することが望まれるような自動機
械、例えば自由歩行を行う脚式ロボットの関節アクチュ
エータなどに適用することができる。この種のサーボ・
モータは、回転子(ロータ)側に永久磁石を、固定子
(ステータ)側にコイルを配置して、正弦波磁束分布と
正弦波電流によりトルクを発生させるものである。
【0004】近年、アクチュエータの小型化及び高性能
化の必要性はますます高まってきている。ロボット、と
りわけ自立型ロボットなどに使用されるサーボ・モータ
においては、小型化、高出力化、高速化、並びに安定し
た制御が要求されている。
【0005】サーボ・モータの小型化・高出力化は、例
えば、回転子(ロータ)側に磁束密度の高いマグネット
を使用することによって実現されることが当業界におい
て知られている。
【0006】マグネットは、磁性粉体を金型内で成形す
るときに磁場を印加するかしないかによって、等方性マ
グネット、異方性マグネットに区分される。すなわち、
成形時に磁界を印加しない場合にはマグネット内での磁
場は均一すなわち等方となる。これに対し、成形時に磁
界を印加すると、マグネット内での磁場には配向すなわ
ち異方性が与えられて、この結果としてマグネットは小
型でも高い磁束密度を得ることができる。
【0007】さらに、異方性マグネットは、マグネット
内に形成された磁場の向きによって、「ラジアル異方
性」マグネットと、「極異方性」マグネットとに区分さ
れる。図16及び図17には、リング型のラジアル異方
性及び極異方性マグネットそれぞれの断面におけるマグ
ネット内の磁場の向きを模式的に図解している。特に、
極異方性マグネットは、磁束密度が高いので、高出力化
の点で優れている。
【0008】例えば、特開平8−340652号公報に
は、回転子にリング型極異方性マグネットを有するAC
サーボ・モータにおいて、コギング・トルクを低減する
点について開示されている。すなわち、同公報に記載の
ACサーボ・モータによれば、ロータ側のリング型極異
方性マグネットを軸線方向に2個以上に分割するととも
に、各マグネットの磁極を所定のスキュー角度θだけず
らして固定することによって、見かけ上スキュー着磁し
たものと同様の効果によりコギング・トルクを低減する
ようにしている。
【0009】また、本出願人に既に譲渡されている特願
2000−128409号明細書には、リング型極異方
性マグネットを回転子に用いることによって、回転子
(ロータ)側に磁束密度の高いマグネットを構成する点
について開示されている。同明細書に開示されているサ
ーボ・モータは、軸線方向に2個以上分割されたリング
型極異方性マグネットを回転子に用いている。分割され
た各リング型極異方性マグネットの磁極は、磁極数と固
定子側の鉄心のスロット数とによって決まる回転子1回
転当たりに発生するトルク・リップル数によって定まる
スキュー角度θよりも大きな所定角度θ'だけずらして
設置されている。所定角度θ'は、スキュー角度θに対
して各マグネット間の磁気的干渉を考慮した値を加算し
た角度であり、コギング・トルクを最小限に抑制するこ
とができる。
【0010】また、サーボ・モータの小型化・高出力化
は、固定子(ステータ)側の巻線密度を向上し、巻線部
のスペースも最小にすることによって実現することが知
られている。
【0011】固定子側の巻線密度を高密度化するため
に、分割コア方式が採用されることが多い。この分割コ
ア方式とは、鉄心すなわちコアをその周方向に分割する
とともに、巻線を外部で整列状に巻き込んだ後、各鉄心
を組み立てることによって固定子を構成するものであ
り、コアへの高密度な巻線とアクチュエータの省スペー
ス化を可能にしている。
【0012】例えば、本出願人に既に譲渡されている特
願2000−281072号明細書には、固定子に分割
コアを用いて巻線密度を向上させた、小型且つ高出力の
サーボ・モータについて開示されている。同明細書に記
載の固定子の各分割コアは、隣接する一方の分割コアの
凸部が他方の凹部と好適に嵌合するように周方向に連結
することで円周状に組み立てるようになっている。この
結果、嵌合部のガタや磁気漏れを小さくして、以ってサ
ーボ・モータの小型化、高出力化がもたらされる。
【0013】かかる分割コア方式においては、円周方向
に分割された各コアに巻線を巻き込んだ後、円周方向に
整列させた状態で、隣接する各分割コア間を接合して一
体化することによって、鉄心を製作することができる。
隣接する分割コアどうしを接合する1つの手段として、
レーザ溶接技術の適用を挙げることができる。勿論、部
材間を接合する技術としては、その他に、圧入嵌合や電
子ビーム溶接、ガス又はアーク溶接などを挙げることが
できる。
【0014】レーザ溶接の特徴は、微小な照射スポット
のみに限定して高い出力パワーを与えることができ、微
細加工・精密加工に適している。特に、レーザ溶接に
は、以下に示す理由により、YAG(Yittrium Alumini
um Garnet)レーザが広汎に適用されている。
【0015】(1)比較的コンパクトな機器で構成する
ことができ、その取り扱いも容易である。また、有害な
ガスを使用しない。 (2)金属へのエネルギ吸収率が高い。 (3)光ファイバを利用して、レーザ光を加工機まで自
在に伝送することができる。
【0016】但し、レーザ溶接には、照射スポットのみ
が急激に加熱されるので、照射時の照射領域とそれ以外
の近隣の領域との温度勾配が高く、急加熱・急収縮に伴
う収縮歪みの問題がある。
【0017】分割されたコア・ブロックを組み合わせ
て、各合わせ目をレーザ溶接して一体化していく。この
とき、溶接時の収縮歪みによって、溶接箇所を中心にし
てコアが外径に開くような方向に変形してしまうという
現象が生じる。
【0018】図15には、このようなレーザ溶接時の収
縮歪みにより固定子コアが変形する様子を図解してい
る。同図に示すように、レーザ照射されたコア・ブロッ
ク接合部の外周には、急加熱・急収縮に伴う収縮力が印
加される。この結果、コア・ブロック間の接合部の一端
が支点となって、コアが外径に開くような方向に変形し
てしまう。
【0019】このため、ある合わせ目から例えば時計回
り方向(あるいはその反対方向)に、1箇所ずつ順次溶
接していくと、各溶接箇所におけるコアが外径に開く方
向への変形が加算されていく。最後の接合部を溶接する
と、それまでの歪みを無理矢理に矯正した状態で接合し
なければならなくなり、最後に接合した部分が特に大き
く変形した状態でコアが仕上がってしまう。この場合の
固定子の真円度は低いものとなる。
【0020】コアが大きく変形していると、回転子と固
定子の間を非常に狭いギャップにしたモータを製作する
場合、偏心を考慮に入れると、回転の一部で回転こと固
定子が接触することがある。
【0021】また、固定子の円周方向にコイルの層を数
組配列するが、固定子の真円度が悪いと、マグネットま
での距離(ギャップ)が近い極と遠い極とができてしま
い、回転ムラやモータの出力ムラなどの原因となるの
で、モータの性能を悪化させてしまう。特に設計ギャッ
プを小さくしたときには、このような問題が顕著に影響
する。
【0022】また、分割コア間の接合部分を1箇所ずつ
接合していると、処理時間を要してしまうので作業効率
もよくない。
【0023】また、各レーザ溶接部分で収縮歪みが生じ
て周方向に引張られる。したがって、外周の円周上のす
べての合わせ目を溶接すると、外周が短くなるので、コ
ア全体としては径方向に収縮することになる。
【0024】組立時のコアの真円度を保つために、コア
内周に内径の組立基準となる円柱状のマスタゲージを挿
入することが考えられる。しかしながら、このマスタゲ
ージに分割コアを合わせると、上述したようなレーザ溶
接に伴う径方向の収縮によってコアがマスタゲージに食
いついてしまい、溶接後はマスタゲージが抜けなくなっ
てしまうという問題が想定される。最悪の場合には、ハ
ンマーなどでマスタゲージを叩いてもコアから抜けなく
なる可能性があり、作業性がよくない。
【0025】また、マスタゲージなどを用いた内径基準
では、マスターゲージと固定子コアとの接触面を充分に
取ることができないので、溶接時のサンプル固定が安定
せず、溶接仕上がり後のコアの良好な組立精度(内外径
の寸法や真円度など)を得ることが困難である。
【0026】一般に、溶接に伴う収縮歪みは避けること
ができない問題である。したがって、より好ましくは、
収縮歪みが固定子コアの円周全体に分散してしまうこと
で真円度への影響を打ち消すことができるような溶接方
法を考案しなければならない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固定
子に分割コアを用いて巻線密度を向上させることによっ
て小型且つ高出力に構成されたサーボ・モータのため
の、優れた製造方法及び製造装置を提供することにあ
る。
【0028】本発明の更なる目的は、隣接する各分割コ
アをレーザ溶接により接合して正確な形状に一体化する
ことができる、サーボ・モータのための優れた製造方法
及び製造装置を提供することにある。
【0029】本発明の更なる目的は、隣接する分割コア
間のレーザ溶接箇所における熱収縮に拘わらず、良好な
組立精度を持つ固定子コアとして一体化することができ
る、サーボ・モータのための優れた製造方法及び製造装
置を提供することにある。
【0030】本発明の更なる目的は、隣接する各分割コ
アどうしをレーザ溶接により接合して、効率よく組み立
てることができる、サーボ・モータのための優れた製造
方法及び製造装置を提供することにある。
【0031】本発明の更なる目的は、隣接する各分割コ
アどうしをレーザ溶接により接合する際に、真円度への
影響を打ち消すことができる、サーボ・モータのための
優れた製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、円周方向に分割された各分割コアを該円周方向に整
列状に接合して一体化して構成される固定子コアを含
む、分割コア方式のサーボ・モータの製造方法であっ
て、各分割コアを該円周方向に整列状に並べて仮組み状
態の固定子コアを形成するステップと、前記仮組み状態
における分割コアの接合箇所の中から複数の溶接位置を
設定するステップと、該設定された溶接位置を同時に溶
接するステップと、を具備することを特徴とする分割コ
ア方式のサーボ・モータの製造方法である。
【0033】前記仮組み状態の固定子コアを形成するス
テップでは、該固定子コアの内径側から径方向に力を印
加することにより、該固定子コアの外径が固定的な基準
面に従った所定形状の仮組み状態に形成するようにして
もよい。このような場合、分割コアを円周方向に整列さ
せた組立状態の固定子の外径を基準にして固定するの
で、加工サンプルの固定が安定化する。また、溶接後の
収縮歪などで固定子コアの変形量が少なく、寸法制度が
良好な高品質の固定子コアを製作することができる。
【0034】また、各分割コア間の溶接処理が終了した
後、前記内径側から印加される径方向の力を解除するこ
とにより、固定子コアを取り外すステップをさらに備え
てもよい。レーザ照射による熱収縮の結果として、固定
子コアは径方向に収縮するが、内径方向に解放するの
で、溶接処理後に加工サンプルを確実に取り外すことが
できる。また、固定子の脱着が容易となるように構成さ
れているので、作業性が飛躍的に向上する。分割コアを
円周方向に整列させた組立状態の固定子の外径を基準に
して固定するので、加工サンプルの固定が安定化する。
また、溶接後の収縮歪などで固定子コアの変形量が少な
く、寸法制度が良好な高品質の固定子コアを製作するこ
とができる。
【0035】また、前記複数の溶接位置を設定するステ
ップでは、各溶接位置が該固定子コアの外周上で略均等
に分散するように接合箇所を選択するようにしてもよ
い。
【0036】また、前記溶接するステップでは、単一の
レーザ発振機から分岐された複数のレーザ照射ノズルを
各溶接位置に向けて配置して、レーザ照射により同時に
溶接するようにしてもよい。
【0037】また、前記仮組み状態における分割コアの
接合部の中から溶接位置を再設定するステップをさらに
備えてもよい。この溶接位置を再設定するステップで
は、未溶接の接合部の中から溶接位置を選択する。ま
た、固定子コアを軸方向に所定角度だけ回転させること
によって溶接位置を再設定することができる。
【0038】また、分割コアの接合箇所を一通り溶接処
理した後、既に溶接済みの接合箇所を再度溶接位置に設
定して再溶接するステップを備えてもよい。二巡目以降
の再溶接処理は一巡目のそれと同様に手順で行えばよ
い。
【0039】本発明の第1の側面に係る分割コア方式の
サーボ・モータの製造方法によれば、各分割コアを該円
周方向に整列状に並べて仮組み状態となった固定子コア
を、固定子コアの内径側から径方向に力を印加すること
によりその外径が固定的な基準面に従った所定形状で固
定する。次いで、円周上で略均等に分散して配置された
各溶接位置に、単一のレーザ発振機から分岐された照射
ノズルをそれぞれ設置して、同時に溶接処理を施す。さ
らに、固定子コアを軸方向に回転させて他の接合箇所を
順次レーザ溶接していく。
【0040】すなわち、本発明の第1の側面に係る分割
コア方式のサーボ・モータの製造方法によれば、複数の
照射ノズルを用いて、回転位置が等間隔に離れた複数の
溶接位置で同時に溶接処理を行なうので、各溶接位置に
おいて発生する熱収縮に伴う真円度への影響を円周方向
に均等に分散させて、互いに打ち消することができる。
この結果、高い組立精度を実現することができる。ま
た、照射ノズル本数に相当する分だけ作業時間を短縮す
ることができる。
【0041】また、分割コアの接合箇所を一通り溶接処
理した後で再溶接処理を施すことにより、既に溶着され
ている接合部分が一旦溶けて、全体の変形歪みが解放さ
れた後に、再度安定した状態で凝固することになる。す
なわち、一巡目の溶接処理で残された熱収縮による変形
歪みが、二巡目以降の再溶接処理により好適に除去され
る。
【0042】また、本発明の第2の側面は、円周方向に
分割された各分割コアを該円周方向に整列状に接合して
一体化して構成される固定子コアを含む、分割コア方式
のサーボ・モータの製造装置であって、各分割コアを該
円周方向に整列状に並べて仮組み状態の固定子コアを保
持する保持手段と、前記仮組み状態における分割コアの
接合箇所の中から複数の溶接位置を設定する溶接位置設
定手段と、該設定された溶接位置を同時に溶接する溶接
手段と、を具備することを特徴とする分割コア方式のサ
ーボ・モータの製造装置である。
【0043】本発明の第2の側面に係る分割コア方式の
サーボ・モータの製造装置によれば、各分割コアを該円
周方向に整列状に並べて仮組み状態となった固定子コア
を、固定子コアの内径側から径方向に力を印加すること
によりその外径が固定的な基準面に従った所定形状で固
定する。次いで、円周上で略均等に分散して配置された
各溶接位置に、単一のレーザ発振機から分岐された照射
ノズルをそれぞれ設置して、同時に溶接処理を施す。さ
らに、固定子コアを軸方向に回転させて他の接合箇所を
順次レーザ溶接していく。
【0044】前記保持手段は、例えば、該固定子コアの
外径に対して固定的な基準面を与える外径受けと、該固
定子コアの内径側から径方向に力を印加する内径チャッ
クとで構成することができる。このような場合、前記内
径チャックによる該径方向の力によって固定子コアの外
径が前記外径受けの基準面に従った所定形状を持つ仮組
み状態で支持するとともに、該径方向の力を解除するこ
とによって固定子コアを取外し可能にすることができ
る。レーザ照射による熱収縮の結果として、固定子コア
は径方向に収縮するが、保持手段は内径方向に解放する
ので、溶接処理後に加工サンプルを確実に取り外すこと
ができる。また、固定子の脱着が容易となるように構成
されているので、作業性が飛躍的に向上する。分割コア
を円周方向に整列させた組立状態の固定子の外径を基準
にして固定するので、加工サンプルの固定が安定化す
る。また、溶接後の収縮歪などで固定子コアの変形量が
少なく、寸法制度が良好な高品質の固定子コアを製作す
ることができる。
【0045】また、前記溶接手段は、レーザ発振機と、
該レーザ発振機の発振レーザを分岐する分岐部と、前記
保持手段に取り付けられた固定子コアの外周をそれぞれ
異なる回転位置にて照射するように配置された複数のレ
ーザ照射ノズルと、分岐されたレーザ光を各レーザ照射
ノズルに伝達する伝達部とで構成することができる。
【0046】また、各レーザ照射ノズルを、固定子コア
の外周を略等間隔の回転位置にて照射するように配置す
ることで、回転位置が等間隔に離れた複数の溶接位置で
同時に溶接処理を行なうことができる。したがって、各
溶接位置において発生する熱収縮に伴う真円度への影響
を円周方向に均等に分散させて、互いに打ち消すること
ができる。この結果、高い組立精度を実現することがで
きる。また、照射ノズル本数に相当する分だけ作業時間
を短縮することができる。
【0047】前記保持手段は、固定子コアを軸方向に回
転可能に支持してもよい。また、前記溶接手段は、前記
保持手段に取り付けられた固定子コアの外周をそれぞれ
異なる回転位置から照射するように配置された複数のレ
ーザ照射ノズルを備えていてもよい。このような場合、
前記溶接位置設定手段は、前記保持手段が支持する固定
子コアの回転角度を変更することによって溶接位置を設
定並びに変更することができる。
【0048】また、前記溶接位置設定手段は、設定され
た溶接位置における溶接処理を完了した後、さらに他の
接合箇所の中から次の溶接位置を設定するようにしても
よい。
【0049】また、前記溶接位置設定手段は、分割コア
の接合箇所を一通り溶接処理した後、既に溶接済みの接
合箇所を再度溶接位置に設定するようにしてもよい。分
割コアの接合箇所を一通り溶接処理した後で再溶接処理
を施すことにより、既に溶着されている接合部分が一旦
溶けて、全体の変形歪みが解放された後に、再度安定し
た状態で凝固することになる。すなわち、一巡目の溶接
処理で残された熱収縮による変形歪みが、二巡目以降の
再溶接処理により好適に除去される。
【0050】また、本発明の第3の側面は、各分割コア
を該円周方向に整列状に並べて仮組み状態となった固定
子コアを固定する固定装置であって、該固定子コアの外
径に対して固定的な基準面を与える外径受けと、該固定
子コアの内径側から径方向に力を印加する内径チャック
とを備え、前記内径チャックによる該径方向の力によっ
て固定子コアの外径が前記外径受けの基準面に従った所
定形状を持つ仮組み状態で支持するとともに、該径方向
の力を解除することによって固定子コアを取外し可能に
する、ことを特徴とする固定装置である。
【0051】本発明の第3の側面に係る固定装置によれ
ば、前記内径チャックによる該径方向の力によって固定
子コアの外径が前記外径受けの基準面に従った所定形状
を持つ仮組み状態で支持するとともに、該径方向の力を
解除することによって固定子コアを取外し可能にするこ
とができる。
【0052】レーザ照射による熱収縮の結果として、固
定子コアは径方向に収縮するが、保持手段は内径方向に
解放するので、溶接処理後に加工サンプルを確実に取り
外すことができる。
【0053】また、分割コアを円周方向に整列させた組
立状態の固定子の外径を基準にして固定するので、加工
サンプルの固定が安定化する。また、溶接後の収縮歪な
どで固定子コアの変形量が少なく、寸法制度が良好な高
品質の固定子コアを製作することができる。
【0054】また、固定子の脱着が容易となるように構
成されているので、作業性が飛躍的に向上する。
【0055】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳
細な説明によって明らかになるであろう。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例を詳解する。
【0057】図1には、本発明の実施に供されるサーボ
・モータ1の軸方向の断面構成を模式的に図解してい
る。
【0058】同図に示すように、ケース11内には、複
数のスロットを持つ固定子(ステータ)鉄心12が収容
されている。また、この固定子(ステータ)鉄心12の
中空部には、回転子(ロータ)13が固定子(ステー
タ)鉄心12と同心状となるように配置されている。こ
の回転子(ロータ)13の両端は、それぞれベアリング
14によって回転可能に軸支されている。
【0059】また、図2には、本実施形態に係るサーボ
・モータ1に使用される固定子(ステータ)20を抜き
出して描写している。本実施例に係る固定子20は、鉄
心を円周方向に略等分に分割するとともに、それぞれの
分割されたコアに対して巻線を外部で整列状に巻き込ん
だ後、各鉄心を組み立てることによって、巻線密度が高
密度化することを可能とした分割コア方式の固定子であ
る。
【0060】図2に示すように、固定子20は、極歯単
位毎に出力軸方向に12個に略均等に分割された分割コ
ア21からなる。各々の分割コア21は、図示の通りの
略T字形状に打ち抜きなどのプレス成形された鉄片を極
歯単位ごとに積層化した後、極歯部毎に絶縁部23を形
成して、巻線機(図示しない)などを用いて極歯部に対
して直交するように整列状に高密度に巻線部24を形成
することによって、完成する。
【0061】本実施形態では、分割コア21の略T字頭
部の左右各端には、それぞれ凸部と凹部が形設されてい
る。したがって、隣接する各分割コア21どうしの間
で、ヨーク部の周方向の一端と対称な形状を有する他端
の凸部と凹部とを嵌合させることで、12個の分割コア
21を並べて円筒形状に組み立てることができる。さら
に、鉄心の分割面の外周端部を円筒中心軸方向にレーザ
溶接することによって、溶接部22で溶着され、必要な
固定子剛性を備えた一体構造の固定子20が形成され
る。
【0062】図3には、12個の分割コアを集めてリン
グ状の固定子20を仮組みした様子を上面並びに側面の
各方向から示している。
【0063】同図からも判るように、1つの固定子20
には、12箇所の分割コアの接合部すなわちレーザ溶接
箇所がある。例えば、12本の照射のずるに分岐したレ
ーザ溶接装置を用いて12箇所すべての接合部分をレー
ザ溶接することができれば、各溶接部において発生した
熱収縮を円周方向に均等に分散させることができるの
で、固定子20全体としては大きな変形は発生しないこ
とになる。しかしながら、このためには1000Wクラ
スの大型YAGレーザ発振装置並びにその周辺装置(レ
ーザ光を各溶接箇所に分岐する分岐装置、レーザ光を発
振器から伝送するファイバ、照射ノズルなど)が必要と
なり、固定子製作のために高価な装置コストを投資しな
ければならなくなる。他方、3本程度の分岐装置は現実
に広く普及している。また、丸棒を固定するための工作
機械(例えば旋盤など)では、3つ爪チャックが使用さ
れるように、丸物を扱う上で"3"という数字は最適であ
る。
【0064】そこで、本実施形態では、3本の照射ノズ
ルに分岐したレーザ溶接装置を用いて、3箇所ずつ同時
にレーザ溶接することによって、接合部分を1箇所ずつ
逐次溶接するときの3分の1の作業時間で固定子20の
溶接処理を完了させることができる。また、それぞれの
レーザ溶接時において、溶接部の熱収縮に伴う変形を3
箇所に分散させることによって、その影響を軽減するよ
うにした。この場合、350WクラスのYAGレーザ発
振装置でも充分に見合う。
【0065】例えば、工作機械などにおいて丸棒を固定
するためには、3つ爪チャックが一般に利用される。こ
の点からも、丸物である固定子20を扱う上で、3とい
う数字は好都合である。
【0066】以下では、3分岐ノズル式YAGレーザ溶
接装置を用いて固定子20コアを溶接・組立する場合を
例にとって説明する。
【0067】図4には、本発明に適用されるYAGレー
ザ溶接装置100の外観構成を示している。
【0068】参照番号101は、レーザ溶接処理を現実
に行なう加工ステーションを示している。加工ステーシ
ョン101は、前面の開閉自在な扉を介して作業空間と
なるステーション内部にアクセス可能であり、組立後の
固定子コア20を取り付ける固定治具200(後述)
と、固定子20のレーザ溶接箇所にレーザ照射する照射
ノズルと、照射レーザ光を伝送するファイバが、加工ス
テーション101内部に配設されている。
【0069】参照番号102は、溶接用のレーザを発振
するためのYAGレーザ発振装置を示している。また、
参照番号103は、加工ステーション101を始めとし
て、各部に給電を行なう電源装置である。また、参照番
号104は、高温のYAGレーザ発振器を冷却するチラ
ー・ユニットであり、例えば、2次冷却水を熱交換する
ことができる。
【0070】図5には、YAGレーザ溶接装置100の
機能構成を模式的に図解している。
【0071】加工ステーション101内には、組立対象
となる分割コア方式固定子20が、Z軸ステージ112
上で軸方向に回転可能に取り付けられている。12個の
分割コアが円周方向に整列状に組み立てられた固定子2
0は、実際には、固定治具200(図5には図示しな
い)を介してZ軸ステージ112上に設置される。
【0072】固定治具200は、固定子20の中心軸が
Z軸ステージ112の回転軸と略一致するように、組立
状態の固定子20を把持するものとする。固定治具20
0に関しては後述に譲る。
【0073】固定子20を構成する各分割コアの接合部
分は、加工ステーション101内において、YAGレー
ザ発振機102から供給されるYAGレーザを照射する
ことによって溶接処理される。本実施形態では、YAG
レーザ発振機102が発振するレーザ光は、3分岐ユニ
ット111により3本に分岐され、それぞれファイバー
を媒介として加工ステーション101まで伝送される。
【0074】各ファイバーの先端にはそれぞれ照射ノズ
ル115A,115B,115Cが取り付けられてお
り、各照射ノズル115A,115B,115Cの照射
口を固定子20の該当部位に向けることによって、分割
コアの接合部分の溶接を行なうことが可能となる。
【0075】本実施形態では、各照射ノズル115A,
115B,115Cは、Z軸ステージ112の回転方向
すなわち固定子20の円周方向に沿って配設されてい
る。3分岐ユニット111を介して供給されるYAGレ
ーザは、各照射ノズル115A,115B,115Cか
ら同時に照射される。図示の通り、各照射ノズル115
A,115B,115Cは120度毎の回転位相差を以
って配設されており、照射箇所が対称系となるよう構成
されている。この結果、それぞれの溶接部分に発生する
熱収縮に伴う変形を分散してその影響を相殺することが
できる。
【0076】図6には、照射ノズル115並びにその周
辺部分の様子を拡大して示している。同図に示すよう
に、照射ノズル115は、YAGレーザを伝送するファ
イバーの先端に取り付けられている。本実施形態では、
アシスト・ガスを供給するチューブと、レーザ照射部
(ここでは隣接する分割コア間の接合部を指す)を撮影
するCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)
カメラなどが、ノズルに装着されている。
【0077】アシスト・ガスは、レーザによる照射処理
をアシストするアルゴン・ガスなどで構成され、ガス・
ボンベ106から供給される。また、各照射ノズル11
5A,115B,115Bの照射場所を撮影したCCD
カメラの映像は、それぞれテレビ・モニタ105A,1
05B,105C上に表示される。したがって、装置1
00のオペレータは、これらモニタ画面を介して照射場
所を目視で確認しながら、レーザ溶接作業を行なうこと
ができる。
【0078】YAGレーザ発振機102によるレーザ照
射すなわち溶接処理や、加工ステーション101内での
Z軸ステージ112の回転駆動など、本YAGレーザ溶
接装置100内部の動作は、コントローラ110によっ
て統括的に制御される。溶接処理の詳細については後述
に譲る。
【0079】Z軸ステージ112は、各照射ノズル11
5A,115B,115Cからのレーザ照射すなわち接
合部分のレーザ溶接処理が完了する度に、所定角度だけ
回転して、各照射ノズル115A,115B,115C
の照射口をさらに次の溶接場所へと導くようになってい
る。そして、少なくとも4回の照射工程を経ることによ
って、合計12箇所の接合部分の溶接を一通り行なうこ
とができる。但し、Z軸ステージ112による固定子2
0を回転させる手順については、後述に譲る。
【0080】装置の近隣に設置されたチラー・ユニット
104は、2次冷却水をYAGレーザ発振機102との
間で循環させることによって、発振機102内部を好適
に冷却する。また、電源装置103は、加工ステーショ
ン101、YAGレーザ発振機102、チラー・ユニッ
ト104、モニタ105A〜105C、コントローラ1
10などの各部に対して、駆動電力を供給する。
【0081】固定治具200は、12個の分割コアが円
周方向に整列状に組み立てられた固定子20を把持し
て、レーザ溶接処理を適用可能な状態に設置する。本実
施形態では、3分岐タイプのYAGレーザ溶接装置を用
いてレーザ溶接時における熱収縮の影響を除去するため
に、専用の固定治具200を採用する。
【0082】図7には、固定治具200全体の断面構成
を図解している。また、図8には、この固定治具200
の上面図を示している。また、図9には、円周方向に整
列状に組み立てられた固定子20を把持する内径チャッ
ク並びにその周辺部分の断面を拡大して示している。
【0083】参照番号201は内径チャックであり、参
照番号202は外径受けである。内径チャック201と
外径受け202は、互いの中心軸が一致する、すなわち
同軸となるように取り付けられ、内径チャック201と
外径受け202の間隙に組立状態の固定子20を装着し
た後、これらの上面開口を蓋体203で被覆した後に、
レーザ溶接処理に供される。
【0084】外径受け202は、中空の略円筒形状の構
造体であり、その内周には組立状態の固定子20の外周
が当接して、固定子20の外周に対して固定的な基準面
を提供する。
【0085】内径チャック201は、外径寸法が可変に
構成され、「コレット・チャック」とも呼ばれる。より
具体的には、内径チャック201は、貫通孔を持つ中空
円筒体201Aと、中空円筒体201Aの貫通孔に挿通
されたシャフト204の組み合わせで構成される。シャ
フト204の先端にテーパが形成されている。また、中
空円筒体201Aの先端部には、軸方向に伸びる多数の
スリットが、円周方向に略均等に形設されている。した
がって、シャフト204のテーパ部分の上下位置に応じ
て、内径チャック201の先端部分の外径寸法が変化す
る。
【0086】図9に示すように、複数の分割コアを円周
方向に整列させて組み立てた状態の固定子20を内径チ
ャック201と外径受け202の間隙に挿入し、さらに
シャフト201Bの上下位置を調整することによって、
固定子20を固定することができる。
【0087】外径受け202が固定子20の外周に対し
て固定的な基準面を提供するのに対して、内径チャック
201は、固定子20の内周に対して可変の基準面を提
供することができる。固定子20を取り付けるときに
は、シャフト201Bを上方に移動させて、内径チャッ
ク201の外径を拡張することによって、外径受け20
2の内周すなわち固定基準面に対して固定子20の外周
を押し付けるようにして、固定子20を固定することが
できる。
【0088】分割コアの接合部分を外周からレーザ溶接
を施す結果として、熱収縮により周方向に引張られて外
周が短くなって、固定子20は径方向に収縮する。本実
施形態によれば、内径チャック201が与える内周の基
準面は可変であり、シャフト201Bを下方に移動させ
ることによって内径チャック201の外径は減少する。
したがって、レーザ溶接後の固定子20が内径チャック
201に食いついて抜けなくなるという事態を回避し、
加工サンプルとしての固定子20を確実に取り外すこと
ができる。
【0089】すなわち、固定治具200によれば、分割
コアを円周方向に整列させた組立状態の固定子の外径を
基準にして固定するので、加工サンプルの固定が安定化
する。また、溶接後の収縮歪などで固定子コアの変形量
が少なく、寸法制度が良好な高品質の固定子コアを製作
することができる。
【0090】参照番号205はベース体である。シャフ
ト204は、このベース体205に切られたネジを使っ
て、回転操作により上下に移動することができる。
【0091】参照番号206はノブである。シャフト2
04の上下位置を調整したいときには、オペレータは、
ノブ206に指をかけて回転操作すればよい。ノブ20
6は、2個のスラスト・ベアリング207を介してシャ
フト204に連結されている。スラスト・ベアリング2
07は、ノブ206の回転がシャフト204に伝わらな
いようにすることと、締めたときの摩擦力を緩和する作
用を及ぼす。
【0092】参照番号214は、滑り軸受けであり、シ
ャフト204を中空円筒体201Aの貫通穴内で軸方向
すなわち上下方向に案内するようになっている。
【0093】参照番号215は、ストッパであり、ネジ
(図示しない)による螺着機構によりシャフト204の
上下動を制限して、内径チャック201の開閉操作の繰
り返し再現性を担保する。
【0094】参照番号208は、コロ軸受けであり、図
示の固定治具200全体を機械的に支持する。
【0095】参照番号209は、インナー・ホルダであ
り、コロ軸受け208の内径に固定されて、固定治具2
00を受けるようになっている。また、参照番号210
は、アウター・ホルダであり、コロ軸受け208の外輪
に固定され、固定治具200を台211に固定する。
【0096】参照番号212は、回転止めであり、固定
治具200のベース205に刻設されたV溝にはまり込
むことで回転方向を規制する。一箇所のレーザ溶接作業
が終了する度に、回転止め212を解放して、固定治具
200の位相を変えて、再度固定して次の接合部分のレ
ーザ溶接作業を行なう。
【0097】参照番号213は、イジェクタ・プレート
であり、これを付勢することによって取り付け中の固定
子20を固定治具200から取り外すことができる。す
なわち、固定治具200は、加工サンプルとしての固定
子20の脱着が容易となるように構成されている、とい
う点を充分理解されたい。
【0098】光学系で絞られたレーザ光軸が治具に固定
された固定子20の表面で焦点を結べる空間を確保でき
るようにするために、内径チャック201は放射状に開
いている。可能であれば、この空間は最小限にして、固
定子20を支持する外径受け202の部分を大きくする
ことが、レーザ溶接によって発生する熱を放熱する経路
を確保するために望ましい。願わくば、固定治具200
の各構成部品のうち外気にさらされる部分は、放熱効果
が高まるような処理を施すとよい。例えば、治具200
の表面に放熱効果を高める表面処理を施したり、あるい
は、放熱フィンを配設してもよい。
【0099】図10には、上述した固定治具200を用
いたレーザ溶接作業の処理手順をフローチャートの形式
で示している。但し、図示の例では、固定子20は、1
2個の分割コアで構成され、3分岐レーザ照射ノズルを
用いて12箇所の溶接場所を4回の照射動作により溶接
するものとする。以下、このフローチャートを参照しな
がら、レーザ溶接作業について説明する。
【0100】まず、12個の分割コアを円周方向に配列
して組み立てた状態の固定子20を、上述した固定治具
200に取り付ける(ステップS1)。
【0101】次いで、蓋体203を止めて、ノブ206
を回して、取り付けた固定子0をチャッキングする(ス
テップS2)。
【0102】次いで、レーザを照射して、第1回目の溶
接を行なう(ステップS3)。溶接作業においては、円
筒物の接合に最適である3本の照射ノズルを固定子20
の軸方向にパルス照射による痕が重なり合う程度の速度
で移動させて、パルス状のレーザ光を照射することによ
って行なわれる(以下同様)。
【0103】次いで、Z軸テーブルを回転駆動して溶接
位置を変更した後(ステップS4)、レーザを照射し
て、第2回目の溶接を行なう(ステップS5)。
【0104】次いで、Z軸テーブルをさらに回転駆動し
て溶接位置を変更した後(ステップS6)、レーザを照
射して、第3回目の溶接を行なう(ステップS7)。
【0105】次いで、Z軸テーブルをさらに回転駆動し
て溶接位置を変更した後(ステップS8)、レーザを照
射して、第4回目の溶接を行なう(ステップS9)。
【0106】すべての分割コア間の接合箇所に対して溶
接処理を終了すると、溶接位置を変更して、取り付け中
の固定子20を取外し可能な位置に移動する(ステップ
S10)。
【0107】次いで、ノブ206を回してチャックを解
放して、蓋体203を開ける(ステップS11)。そし
て、イジェクタ・プレート213を付勢することによっ
て、装着中の固定子20を固定治具200から取り出す
(ステップS12)。
【0108】なお、固定治具200への固定子20の取
り付け並びに取外し作業は、例えばFA(Factory Auto
mation)用ステッピング・モータとセンサを適用して自
動化することが可脳である。かかる取り付け/取外し工
程の自動化により、溶接システム全体を自動化すること
ができ、作業能率を向上させることができる。固定子2
0の取り付け/取外し工程において自動化処理が可能な
項目を以下に挙げておく。
【0109】(1)ノブ206の回転駆動によるシャフ
ト204の上下動、内径チャック201の開閉 (2)イジェクタ・プレート213の上昇による固定子
20の取り出し (3)ベース205の回転駆動による溶接位置の移動 (4)蓋体203の取り付け、取外し、 (5)固定子20の固定治具200への搬送
【0110】図10を参照しながら説明したように、本
実施形態では、12箇所ある溶接場所を、3分岐レーザ
照射ノズルを用いて、4回の溶接段階に分けてレーザ照
射する。熱収縮が特定の場所に偏らず、円周方向に均等
に分散するように、溶接位置のローテーションすなわち
溶接する順番を定めることが好ましい。
【0111】図11には、図5に示すような、固定治具
200に取り付けられた固定子20の軸回りに120度
間隔で3本の照射ノズルを配置した溶接システムにおい
て、12箇所の分割コアの接合部を溶接していく順番の
一例を図解している。但し、同図において、固定子20
の外周に沿って付された参照番号は溶接位置を示す。ま
た、ノズル内に付された参照番号は各照射ノズルの識別
子である(すなわち、ノズル1は照射ノズル115Aに
相当し、同様に、ノズル2は照射ノズル115Bに、ノ
ズル3は照射ノズル115Cにそれぞれ相当する)。
【0112】溶接Aは、第1回の溶接作業における溶接
位置に相当する。同様に、溶接B、溶接C、溶接Dは、
それぞれ第2回、第3回、第4回の溶接作業における溶
接位置に相当する。したがって、ノズル1は、第1回の
溶接で溶接位置12を照射した後、位相を180度だけ
図中時計回りに移動して、第2回の溶接では溶接位置6
を照射する。さらに、位相を90度だけ図中時計回りに
移動して、第3回の溶接では溶接位置9を照射し、次い
で、位相を180度だけ図中時計回りに移動して、第4
回の溶接では溶接位置3を照射する。
【0113】他のノズル2及びノズル3も、ノズル1の
移動に追従して溶接位置を移動する。すなわち、ノズル
2は、溶接位置を4→10→1→7の順で移動し、ノズ
ル3は、溶接位置を8→2→5→11の順で移動する。
【0114】各溶接位置では、円筒物の接合に最適であ
る3本の照射ノズル115A,115B115Cの各々
を、固定子20の軸方向にパルス照射による痕が重なり
合う程度の速度で移動させて、パルス状のレーザ光を照
射することによって行なわれる。
【0115】図11に示すような順番でレーザを撃つ
と、熱収縮が特定の場所に偏らず、円周方向に比較的均
等に分散させることができる。
【0116】また、図12には、120度間隔で3本の
照射ノズルを配置した同様の溶接システムを用いて6極
構成の固定子における分割コアの接合部を接合していく
順番の一例を図解している。
【0117】この場合、ノズル1は溶接位置を6→3の
順で移動し、ノズル2は溶接位置を2→5の順で移動
し、ノズル3は溶接位置を4→1の順で移動する。
【0118】この場合も、図11に示した12極分割コ
ア構成の場合と同様に、熱収縮が特定の場所に偏らず、
円周方向に比較的均等に分散させることができる。この
結果、固定子コアを高精度に組み立てることができる。
【0119】図5に示すような、固定治具200に取り
付けられた固定子20の軸回りに120度間隔で3本の
照射ノズルを配置した溶接システムにおいて、12極構
成の固定子コアを図11に示すような順番で溶接処理し
た場合における固定子の真円度測定結果を、図13に示
している。
【0120】図13に示す例では、溶接後の固定子コア
の真円度は向上しているもののオムスビ型になってしま
う。
【0121】回転子と固定子の間を非常に狭ギャップに
したモータを製作する場合、当然、
【0122】
【数1】(公称)固定子内径>回転子外径
【0123】を満たさなければならない。しかしなが
ら、図13に示すようなオムスビ型の真円度を示す場合
には、同図中の点Aを結ぶ円の半径が
【0124】
【数2】固定子内径<回転子外径
【0125】となり、固定子〜回転子間で半径方向のギ
ャップを形成することができない。このような場合、組
立後のモータが回転しない、すなわちモータとして機能
しないという事態が発生し得る。
【0126】さらに、固定子の回転中心に対する偏心を
考慮すると、固定子〜回転子間が上述したような関係ま
で悪化していなくても、一部の回転位置において回転子
と固定子が接触する事態が発生し得る。
【0127】また、分割コア方式においては固定子の円
周方向にコイルの相を数組だけ配列するが、固定子の真
円度が悪いと、マグネットまでの距離(ギャップ)が近
い極と遠い極ができてしまう。その結果、回転ムラや出
力ムラが発生して、モータ特性が悪化してしまう。特に
設計ギャップを小さくしたときにこのような問題が顕著
に影響する。
【0128】本実施形態では、図13に示したようなオ
ムスビ型をさらに真円度を向上するために、既に溶接で
固定されている接合部分を、再度、前回の溶接処理と同
じ順番(図11を参照のこと)でレーザ照射することに
した。これは、図10に示したフローチャートにおい
て、ステップS3〜S10の工程を再度繰り返すことに
相当する。
【0129】このような再溶接処理の結果、既に溶着さ
れている接合部分が一旦溶けて、全体の変形歪みが解放
された後に、再度安定した状態で凝固することになる。
すなわち、一巡目の溶接処理で残された熱収縮による変
形歪みが、二巡目以降の再溶接処理により好適に除去さ
れる。
【0130】勿論、2巡目のレーザ溶接においても収縮
歪みは発生するが、1順目のレーザ溶接時とは異なり全
周が固定されているので、各分割コアは溶接部を中心と
した一端の自由度がなく、したがって、図15に示した
ような変形は起こりにくくなっている。
【0131】可能であれば、2巡目の溶接時におけるレ
ーザ照射は、与えた熱がゆっくり解放されるような照射
条件に設定することが好ましい。(溶接するときには、
短い時間で高いエネルギを与えて、すぐに冷やす条件と
なる。)
【0132】また、可能であれば、このような再照射を
数回繰り返すと、歪みが円周方向でさらに均一化して、
固定子コア全体の新円度がさらに良好なものとなる。
【0133】図11に示すような順番で1順目のレーザ
溶接を行なった固定子コアに対してさらに2巡目のレー
ザ溶接を施した場合における固定子コアの真円度測定結
果を図14に示しておく。
【0134】[追補]以上、特定の実施例を参照しなが
ら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や
代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示とい
う形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈
されるべきではない。本発明の要旨を判断するために
は、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきで
ある。
【0135】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
固定子に分割コアを用いて巻線密度を向上させることに
よって小型且つ高出力に構成されたサーボ・モータのた
めの、優れた製造方法及び製造装置を提供することがで
きる。
【0136】また、本発明によれば、隣接する各分割コ
アをレーザ溶接により接合して正確な形状に一体化する
ことができる、サーボ・モータのための優れた製造方法
及び製造装置を提供することができる。
【0137】また、本発明によれば、隣接する分割コア
間のレーザ溶接箇所における熱収縮に拘わらず、良好な
組立精度を持つ固定子コアとして一体化することができ
る、サーボ・モータのための優れた製造方法及び製造装
置を提供することができる。
【0138】また、本発明によれば、隣接する各分割コ
アどうしをレーザ溶接により接合して、効率よく組み立
てることができる、サーボ・モータのための優れた製造
方法及び製造装置を提供することができる。
【0139】また、本発明によれば、隣接する各分割コ
アどうしをレーザ溶接により順次接合する過程で、熱収
縮に伴う真円度への影響を打ち消すことができる、サー
ボ・モータのための優れた製造方法及び製造装置を提供
することができる。
【0140】本発明によれば、良好な精度(径寸法並び
に真円度)を持ったサーボ・モータ用固定子を製作する
ことができる。これにより、モータ組立時に他の部品に
固定子を組み込み易くなる。
【0141】本発明によれば、複数の照射ノズルを用い
て、回転位置が等間隔に離れた複数の溶接位置で同時に
溶接処理を行なうので、各溶接位置において発生する熱
収縮に伴う真円度への影響を互いに打ち消されることに
よって、高い組立精度を実現することができる。
【0142】また、本発明によれば、複数の照射ノズル
を用いて複数の溶接位置で同時に溶接作業を行なうの
で、照射ノズル本数に相当する分だけ作業時間を短縮す
ることができる。
【0143】また、本発明によれば、分割コアの接合箇
所を一通り溶接処理した後で再溶接処理を施すことによ
り、既に溶着されている接合部分が一旦溶けて、全体の
変形歪みが解放された後に、再度安定した状態で凝固す
ることになる。すなわち、一巡目の溶接処理で残された
熱収縮による変形歪みが、二巡目以降の再溶接処理によ
り好適に除去される。
【0144】本発明に係る固定子溶接用の固定治具は、
加工サンプルとしての固定子の脱着が容易となるように
構成されているので、作業性が飛躍的に向上する。
【0145】また、本発明に係る固定子溶接用の固定治
具は、分割コアを円周方向に整列させた組立状態の固定
子の外径を基準にして固定するので、加工サンプルの固
定が安定化する。また、溶接後の収縮歪などで固定子コ
アの変形量が少なく、寸法制度が良好な高品質の固定子
コアを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供されるサーボ・モータ1の軸
方向の断面構成を示した図である。
【図2】本実施形態に係るサーボ・モータ1に使用され
る固定子(ステータ)20を抜き出して描写した図であ
る。
【図3】12個の分割コアを集めてリング状の固定子2
0を仮組みした様子を示した図である。
【図4】本発明に適用されるYAGレーザ溶接装置10
0の外観構成を示した図である。
【図5】YAGレーザ溶接装置100の機能構成を模式
的に示した図である。
【図6】レーザ照射ノズル並びにその周辺部分を拡大し
て示した図である。
【図7】本実施形態に係る固定治具200全体の断面構
成を示した図である。
【図8】固定治具200の上面図である。
【図9】固定子20を把持する内径チャック並びにその
周辺部分の断面を拡大して示した図である。
【図10】固定治具200を用いたレーザ溶接作業の処
理手順を示したフローチャートである。
【図11】固定治具200に取り付けられた固定子20
の軸回りに120度間隔で3本の照射ノズルを配置した
溶接システムにおいて、12箇所の分割コアの接合部を
溶接していく順番の一例を示した図である。
【図12】120度間隔で3本の照射ノズルを配置した
溶接システムを用いて6極構成の固定子における分割コ
アの接合部を接合していく順番の一例を示した図であ
る。
【図13】固定治具200に取り付けられた固定子20
の軸回りに120度間隔で3本の照射ノズルを配置した
溶接システムにおいて、12極構成の固定子コアを図1
1に示すような順番で溶接処理した場合における固定子
の真円度測定結果を示した図である。
【図14】図11に示すような順番で1順目のレーザ溶
接を行なった固定子コアに対してさらに2順目のレーザ
溶接を施した場合における固定子コアの真円度測定結果
を示した図である。
【図15】レーザ溶接時の収縮歪みにより固定子コアが
変形する様子を示した図である。
【図16】リング型のラジアル異方性マグネットそれぞ
れの断面におけるマグネット内の磁場の向きを模式的に
示した図である。
【図17】リング型の極異方性マグネットそれぞれの断
面におけるマグネット内の磁場の向きを模式的に示した
図である。
【符号の説明】
1…サーボ・モータ 11…ケース,12…固定子(ステータ)鉄心 13…回転子(ロータ),14…ベアリング 20…固定子 21…分割コア,22…溶接部 23…絶縁部,24…巻線部 100…YAGレーザ溶接装置 101…加工ステーション,102…YAGレーザ発振
装置 103…電源装置,104…チラー・ユニット 105…テレビ・モニタ,106…ガス・ボンベ 111…3分岐ユニット 112…Z軸ステージ 115…照射ノズル 200…固定治具 201…内径チャック,201A…中空円筒 202…外径受け 203…蓋体,204…シャフト 205…ベース体,206…ノブ 207…スラスト・ベアリング,208…コロ軸受け 209…インナー・ホルダ,210…アウタ・ホルダ 211…台,212…回転止め 213…イジェクタ・プレート,214…滑り軸受け 215…ストッパ
フロントページの続き (72)発明者 福島 哲治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 杉本 恵夫 静岡県浜松市新貝町1128番地 ソニー浜松 株式会社内 Fターム(参考) 4E068 BF00 CD04 DA09 DA12 DB01 5H002 AA07 AB05 AB06 AC02 AE08 5H615 AA01 BB01 BB14 PP01 PP07 SS03 SS05 SS17

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円周方向に分割された各分割コアを該円周
    方向に整列状に接合して一体化して構成される固定子コ
    アを含む、分割コア方式のサーボ・モータの製造方法で
    あって、 各分割コアを該円周方向に整列状に並べて仮組み状態の
    固定子コアを形成するステップと、 前記仮組み状態における分割コアの接合箇所の中から複
    数の溶接位置を設定するステップと、 該設定された溶接位置を同時に溶接するステップと、を
    具備することを特徴とする分割コア方式のサーボ・モー
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】前記仮組み状態の固定子コアを形成するス
    テップでは、該固定子コアの内径側から径方向に力を印
    加することにより、該固定子コアの外径が固定的な基準
    面に従った所定形状の仮組み状態に形成する、ことを特
    徴とする請求項1に記載の分割コア方式のサーボ・モー
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】各分割コア間の溶接処理が終了した後、前
    記内径側から印加される径方向の力を解除することによ
    り、固定子コアを取り外すステップ、をさらに備えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の分割コア方式のサーボ
    ・モータの製造方法。
  4. 【請求項4】前記複数の溶接位置を設定するステップで
    は、各溶接位置が該固定子コアの外周上で略均等に分散
    するように接合箇所を選択する、ことを特徴とする請求
    項1に記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記溶接するステップでは、単一のレーザ
    発振機から分岐された複数のレーザ照射ノズルを各溶接
    位置に向けて配置して、レーザ照射により同時に溶接す
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の分割コア方式の
    サーボ・モータの製造方法。
  6. 【請求項6】前記仮組み状態における分割コアの接合部
    の中から溶接位置を再設定するステップ、をさらに備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の分割コア方式のサ
    ーボ・モータの製造方法。
  7. 【請求項7】前記溶接位置を再設定するステップでは、
    未溶接の接合部の中から溶接位置を選択する、ことを特
    徴とする請求項6に記載の分割コア方式のサーボ・モー
    タの製造方法。
  8. 【請求項8】前記溶接位置を再設定するステップでは、
    固定子コアを軸方向に所定角度だけ回転させることによ
    って溶接位置を再設定する、ことを特徴とする請求項6
    に記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造方法。
  9. 【請求項9】分割コアの接合箇所を一通り溶接処理した
    後、既に溶接済みの接合箇所を再度溶接位置に設定して
    再溶接するステップ、をさらに備えることを特徴とする
    請求項1に記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造
    方法。
  10. 【請求項10】円周方向に分割された各分割コアを該円
    周方向に整列状に接合して一体化して構成される固定子
    コアを含む、分割コア方式のサーボ・モータの製造装置
    であって、 各分割コアを該円周方向に整列状に並べて仮組み状態の
    固定子コアを保持する保持手段と、 前記仮組み状態における分割コアの接合箇所の中から複
    数の溶接位置を設定する溶接位置設定手段と、 該設定された溶接位置を同時に溶接する溶接手段と、を
    具備することを特徴とする分割コア方式のサーボ・モー
    タの製造装置。
  11. 【請求項11】前記保持手段は、該固定子コアの外径に
    対して固定的な基準面を与える外径受けと、該固定子コ
    アの内径側から径方向に力を印加する内径チャックとを
    備え、 前記内径チャックによる該径方向の力によって固定子コ
    アの外径が前記外径受けの基準面に従った所定形状を持
    つ仮組み状態で支持するとともに、該径方向の力を解除
    することによって固定子コアを取外し可能にする、こと
    を特徴とする請求項10に記載の分割コア方式のサーボ
    ・モータの製造装置。
  12. 【請求項12】前記溶接手段は、 レーザ発振機と、 該レーザ発振機の発振レーザを分岐する分岐部と、 前記保持手段に取り付けられた固定子コアの外周をそれ
    ぞれ異なる回転位置にて照射するように配置された複数
    のレーザ照射ノズルと、 分岐されたレーザ光を各レーザ照射ノズルに伝達する伝
    達部と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の
    分割コア方式のサーボ・モータの製造装置。
  13. 【請求項13】各レーザ照射ノズルは、前記保持手段に
    取り付けられた固定子コアの外周を略等間隔の回転位置
    にて照射するように配置される、ことを特徴とする請求
    項12に記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造装
    置。
  14. 【請求項14】前記保持手段は、固定子コアを軸方向に
    回転可能に支持し、 前記溶接手段は、前記保持手段に取り付けられた固定子
    コアの外周をそれぞれ異なる回転位置から照射するよう
    に配置された複数のレーザ照射ノズルを備え、 前記溶接位置設定手段は、前記保持手段が支持する固定
    子コアの回転角度を変更することによって溶接位置を設
    定及び/又は変更する、ことを特徴とする請求項10に
    記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造装置。
  15. 【請求項15】前記溶接位置設定手段は、設定された溶
    接位置における溶接処理を完了した後、さらに他の接合
    箇所の中から次の溶接位置を設定する、ことを特徴とす
    る請求項10に記載の分割コア方式のサーボ・モータの
    製造装置。
  16. 【請求項16】前記溶接位置設定手段は、分割コアの接
    合箇所を一通り溶接処理した後、既に溶接済みの接合箇
    所を再度溶接位置に設定する、ことを特徴とする請求項
    10に記載の分割コア方式のサーボ・モータの製造装
    置。
  17. 【請求項17】各分割コアを該円周方向に整列状に並べ
    て仮組み状態となった固定子コアを固定する固定装置で
    あって、該固定子コアの外径に対して固定的な基準面を
    与える外径受けと、該固定子コアの内径側から径方向に
    力を印加する内径チャックとを備え、前記内径チャック
    による該径方向の力によって固定子コアの外径が前記外
    径受 けの基準面に従った所定形状を持つ仮組み状態で支持す
    るとともに、該径方向の力を解除することによって固定
    子コアを取外し可能にする、ことを特徴とする固定装
    置。
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