JP5722311B2 - 難溶性殺虫剤の土壌移動性を高めるためのポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、低水溶性殺虫剤の土壌移動性を高めるための特定ポリマーの使用、土壌移動性が高まった活性殺虫成分組成物、および土壌生息害虫、特にシロアリの防除方法に関する。
多くの農薬には、施用後の土壌移動性がほとんどないか、全くない活性成分が含まれている。しかし、特定の事例においては、例えば、土壌生息害虫(特にシロアリ)の防除においては、土壌移動性が高く、かつ調節されると都合がよい。
土壌移動性の低い活性成分を(制御された態様で)表土層深部に移動させることを目的とする場合、利用することができる選択は、ほぼ例外なく機械的なものである。その例は、溝の掘り起こしと溝壁の直接処理、ならびに表土層深部に圧力下で活性成分製剤を噴霧することなどである。こうした方法には、高度の労働力および/または設備が必要である。
また、活性成分の土壌移動性を高めるために特定の製剤補助剤を使用することも公知である。WO 03/053345には特定の製剤補助剤(アジュバント)の使用が開示されているが、これを使用すると、特定の活性成分(特にピレスロイド)の土壌移動性が少なくとも20%まで改善される。このアジュバントとしては、変性ポリエーテルなどのポリマーが挙げられる。US-A 4,303,642には、クロルピリホスおよびクロルピリホス-メチルの土壌移動性を改善するためのポリマーラテックスが開示されている。
しかし、開示されているこれらの方法で既に良好な結果が得られていたとしても、まだ多くの改善の余地がある。
WO 03/053345 US-A 4,303,642
本発明の目的は、土壌での吸収率が高く、そのため、たとえ少ない労働力でも活性成分が表土層のより深部に入り込む、難溶性殺虫剤の土壌移動性を改善する化合物を提供することである。
活性成分をポリマー可溶化剤と組み合わせて使用する場合に、難溶性殺虫剤の土壌移動性を高めることができることが分かっている。
WO 2008/064990、WO2008/065050、WO 2008/064986、WO 2008/064987、WO 2008/040786、WO 2008/058848およびWO 2006/018135には、特定のポリマーがフィプロニルおよび他の殺虫剤の水溶性および/または浸透作用を高めることが既に記載されている。
しかし、活性成分の土壌移動性は、いわゆる土壌吸収係数Ko/cに有意に依存するので、高水溶性が良好な土壌移動性を導くものではない。
したがって、本発明は、ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性殺虫成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性をポリマー可溶化剤が有し、かつ、活性成分と可溶化剤の重量比が≦1である、難溶性殺虫剤の土壌移動性を高めるためのポリマー可溶化剤の使用を提供する。
さらに、本発明は、難溶性殺虫剤の土壌移動性を改善する方法であって、難溶性活性殺虫成分と、ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性殺虫成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を持つポリマー可溶化剤とを、重量比≦1で、水性施用形態で処理しようとする土壌に施用する、前記方法を提供する。
本発明は、難溶性活性殺虫成分(特にKo/c値が高いもの)の土壌移動性を有意に高めることができる。本発明に係る活性成分と可溶化剤の組み合わせは、土壌に施用した場合に、生物学的活性の上昇も追加的に示す。その上、本製剤およびそれから得られる噴霧液の物理的安定性も改善される。
本発明の内容において、「殺虫剤」という用語は、明細書で明記のない限り、狭義の殺虫剤(すなわち、昆虫の防除に適する活性成分)だけでなく、さらには、土壌生息性の無脊椎動物害虫の防除に適する活性成分(特に線虫駆除剤およびダニ駆除剤)も含む。
本発明の内容における防蟻剤(termiticide)は、シロアリの防除に適する活性殺虫成分である。
明細書に他に明記のない限り、「難溶性」という用語は水に対する溶解度に関し、本発明の内容においては、活性殺虫成分が、25℃および1013 mbarで、1g/L未満、好ましくは0.65g/L未満、さらに好ましくは0.1g/L未満、特に0.01g/L未満の水溶性を有することを意味する。
本発明に従い用いられる難溶性防蟻剤は、好ましくは、>250、さらに好ましくは>400の土壌吸収係数Ko/cを有する。
Ko/cは、土壌の有機成分と水溶液の間の活性成分分布を示す。高Ko/c値は、活性成分の有機土壌物質への結合が強いことを示す。したがって、その土壌移動性は、低Ko/c値の活性成分の場合よりも低い。Ko/c値は、次式:
Ko/c = Kd × 100/Corg [%]
(式中、Kd値は活性成分平衡に関する土壌/水分分配係数を示し、Corgは、土壌の炭素含有量(%)を示す)
により算出される。
Ko/c値測定の実験方法は、OECDガイドラインNo.106に詳細に記載されている。この方法においては、土壌の懸濁液および0.01M CaCl2溶液を調製する。この懸濁液に、(最も簡単な場合には)非常に少量の有機溶媒に溶解したある濃度の(好ましくは放射標識した)活性成分を加え、その混合物を緩やかに振盪する。数時間後、二相に活性成分の濃度平衡が生じた時に、土壌中およびCaCl2溶液中の濃度を測定する。土壌中およびCaCl2溶液中の濃度の商を利用してKd値を求め、それから、特定の土壌に関するKo/c値を、土壌の有機炭素含有量を考慮して求める。本発明によれば、標準土壌は「LUFA 2.3」土壌([USDA分類による]砂質壌土であり、[CaCl2で測定した]pHが約7であり、有機炭素含有量が約1.1%である)であると考えられる。
低移動性の活性成分は、Ko/c値が>250であるものであると考えられる。
好ましくは、25℃および1013 mbarで≦1.0g/Lの水溶性を有し、かつ>250のKo/c値を有する殺虫剤の使用である。
好ましくは、フィプロニル、ピレスロイド、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ピリプロキシフェンおよびテブフェノジドの群から選択される難溶性殺虫剤、特に防蟻剤の使用である。
好ましい防蟻剤は、フィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンである。
特に好ましいのは、フィプロニル、アルファシペルメトリン、ビフェントリン、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シフルスリン、シペルメトリン、シアントラニリプロール、デルタメトリン、エトフェンプロックス、ヒドラメチルノン、インドキサカルブ、メタフルミゾンおよびペルメトリンである。
とりわけ特に好ましいのは、フィプロニル、アルファシペルメトリン、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シアントラニリプロール、デルタメトリン、ヒドラメチルノン、インドキサカルブおよびメタフルミゾンである。
フィプロニルがとりわけ好ましい。
好ましくは、1種の難溶性活性殺虫成分の使用である。
さらに好ましくは、2種以上、さらに好ましくは2種または3種の難溶性活性殺虫成分の使用、特に前述の殺虫剤の混合物の使用である。
好ましくは、1種または複数のピレスロイド系(特にアルファシペルメトリンおよび/もしくはデルタメトリン、またはメタフルミゾンまたはホウ酸塩)との混合物におけるフィプロニルの使用である。
適切な場合には、本発明に従って用いられる難溶性活性殺虫成分は、さらなる活性殺虫成分(特にさらなる活性殺虫成分または殺菌成分)との混合物で使用することもできる。好ましくは、例えば、フィプロニルとメタフルミゾンの混合物である。
前述の活性殺虫成分(特に殺昆虫成分)は市販されており、また、例えば、C.D.S. Tomlin (編), The Pesticide Manual, 第14版, British Crop Production Council, Alton 2006に記載されている。シアントラニリプロールは3-ブロモ-N-[4-シアノ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(DPX-HGW86、Cyazypyr(登録商標))である。
難溶性殺虫剤の土壌移動性を高めるため、1種または複数のポリマー可溶化剤を本発明に従い使用する。
本発明によれば、「ポリマー可溶化剤」とは、好ましくは>1000g/molのモル質量Mnを有するポリマーであって、25℃および1013 mbarでのポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性殺虫成分が純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍、好ましくは50倍高い溶解性を有するという特性を持つポリマーを意味する。
特定のポリマーに関し、本発明に従って使用するためのポリマー可溶化剤としての条件は、したがって特定の本発明に係る殺虫剤に関連する。
好ましいポリマー可溶化剤は、その1重量%水溶液中、殺虫剤フィプロニルが25℃および1013 mbarで少なくとも100mg/Lの溶解性を有する、ポリマーである。
溶解性は公知の方法により測定することができるが、本発明によれば、紫外分光法測定が好ましい。まず、測定しようとする活性成分による較正を異なる濃度で適切な波長にて実施する。ポリマー可溶化剤による可溶化の試験を行うには、1重量%ポリマー溶液を調製し、UV吸収を前記波長で測定する。ポリマー溶液を分析しようとする活性成分で飽和させ、24時間平衡に保つ。溶液を遠心分離にかけ、上清を前記波長でUV分析した後、較正曲線を超えるポリマー吸光度を差し引き、その後、溶解した活性成分濃度を決定することができる。
可溶化とは、特定の溶媒(特に水)に難溶性または不溶性である物質を界面活性化合物の可溶化剤により可溶化することを意味するものと理解されたい。可溶化剤は、難溶性または非水溶性である活性剤成分を透明の(悪くとも乳白色の)水溶液まで、この工程でこれらの物質の化学構造にいかなる変化も与えることなく変化させることができる(Rompp Chemie Lexikon, 第9版, 第5巻, p. 4203, Thieme Verlag, Stuttgart, 1992を参照)。
得られる可溶化物(solubilizates)中には、難水溶性または非水溶性の物質が、例えば疎水性ドメインまたはミセルといった、水溶液中で形成される界面活性化合物の分子会合中にコロイド的に溶解された形態で存在する。得られた溶液は、視覚的に透明〜乳白色の外観を有する、安定性または準安定性の単相系である。
本発明に従って用いられる可溶化剤は、ポリマー可溶化剤を使用しない同一の施用に比べて、好ましくは20%、さらに好ましくは50%、特に100%まで活性成分の垂直および/または水平土壌移動性を改善する。
好ましいポリマー可溶化剤は、次の群A〜Hのものである:
A. ポリカーボネート、ポリ尿素、ポリアミド、ポリチオ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド、ポリエステルアミン、ポリエーテルエステルカーボネートおよびポリエーテルウレタンカーボネートの群から選択される超分枝ポリマーであって、前記ポリマーが少なくとも500g/molの重量平均分子量(MW)を有し、その主鎖が分枝鎖であり、前記ポリマーが少なくとも0.05の分枝度(DB)を有するもの;
B. 次のB群から選択されるビニルラクタムコポリマー:
B1. 次のB1群から得ることができるビニルラクタムコポリマー:
B1-1. (コポリマー全体に対して)60〜99重量%の5〜7員1-ビニル-2-ラクタム、
B1-2. 次のB1-2群からなる群から選択される1〜40重量%の少なくとも1種のモノマー:
B1-21 モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸のC8-C30-アルキルエステル、
B1-22 C8-C30-アルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のN-アルキル-またはN,N-ジアルキル-置換アミド、
B1-23 脂肪族非分枝C8-C30-カルボン酸のビニルエステル、
B1-24 C8-C30-アルキルビニルエーテル
(ここで、それぞれの成分の重量パーセントは100重量%以下となるように加える);
B2. ポリビニルラクタム-ポリビニルアセテートブロックコポリマー;
B3. ポリアルキレンオキシド(モノアルキルエーテル)-変性側鎖を含むビニルラクタムコポリマー;
B4. 次のB4群から得ることができるビニルラクタムコポリマー:
B4-1. 式(I):
Figure 0005722311
(式中、記号はそれぞれ以下の通り定義する:
R1およびR2は、一緒になって-(CH2)x基を形成し、これは、窒素およびカルボキシル基と一緒になって、5〜8員環を形成する)
で表されるN-ビニルラクタムモノマー;ならびに、
B4-2. ビニルピリジン、ビニルピリジン誘導体およびN-ビニルイミダゾールの群から選択される少なくとも1種のモノマー;
B5. 次のB5群を重合することにより得ることができるコポリマー:
B5-1. 少なくとも1種の式(II)で表される化合物(モノマーA):
Figure 0005722311
(式中、
R3およびR4は、それぞれ独立して、HまたはCH3であり、
R5は、C6-C10-アリールまたはC7-C12-アラルキルであり、これらはそれぞれ、1個または複数の同一か異なるC1-C9-アルキルおよび/またはC1-C5-アルコキシ置換基を有していてもよく、
nは、0〜100、好ましくは1または2である);
B5-2. N-ビニルラクタムの群から選択される少なくとも1種の化合物(モノマーB)、
B5-3. 適切な場合には、1種または複数の異なる二官能性架橋剤成分、ならびに、
B5-4. 適切な場合には、1種または複数の異なる調節剤(regulators)、ならびに、
B5-5. 適切な場合には、1種または複数のさらなる共重合可能な成分(モノマーC);
C. 式(III)で表されるジイソシアネートをベースとしたコポリマー:
Figure 0005722311
(式中、記号はそれぞれ以下の通り定義する:
Raは、非分枝もしくは分枝C4-C24-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C1-C6-アルキルで置換されているC3-C8-シクロアルキル、フェニル、C1-C6-アルキルで置換されているフェニル、ベンジル、C1-C6-アルキルで置換されているベンジル、C4-C12-アルコキシで置換されているC4-C6-アルキル、またはジ(C1-C4-アルキル)アミノで置換されているC1-C4アルキルであり;
Rbは、ジイソシアネートから誘導体化され;
Rcは、式(IV):
(R6)n-X-(CHR7CH2O)w-(CHR8CH2O)x-(CHR9(CH2)yO)z- (IV)
で表される基であり;
R6は、Hxであるか、非分枝もしくは分枝の飽和もしくは不飽和C1-C40-アルキルであり;
R7、R8、R9は、それぞれ独立して、HまたはC1-C4-アルキルであり;
w、x、zは、それぞれ独立して、0〜300の整数であり;
yは、1〜20の整数であり;
Xは、NまたはOである);
D. 次のD群から得ることができるエチレン系不飽和ジカルボン酸モノ-およびジエステルをベースとしたコポリマー:
D1 オレフィン、ビニルエーテルおよびスチレンの群から選択される少なくとも1種のモノマー、ならびに、
D2 エチレン系不飽和ジカルボン酸のモノ-およびジエステルの群から選択される少なくとも1種のモノマーであって、この場合、前記エステルのアルコール基が次式(V)の構造を有するもの:
-(R10-O)n-(R11-O)p-R12 (V)
(式中、記号および指数はそれぞれ以下の通り定義する:
R10は、1,2-プロピレンまたは2,3-プロピレンであり;
R11は、エチレンであり;
R12は、H、非分枝もしくは分枝C1-C40-アルキル、好ましくはC1-C24-アルキル、フェニル、C1-C20-アルキルで置換されているフェニル、ベンジル、C1-C20-アルキルで置換されているベンジルであり;
nは、0〜140、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜20の整数であり、
pは、0〜100の整数であり、
ここで、nおよびpの合計は、少なくとも1、好ましくは1〜60、さらに好ましくは5〜40である);
E. 次のE群から得ることができるビニルアミドコポリマー:
E1. 次式(VI)で表されるN-ビニルアミドモノマー:
Figure 0005722311
(式中、記号はそれぞれ以下の通り定義する、
R13、R14は、それぞれ独立して、HまたはC1-C4-アルキルであり、好ましくはHである);ならびに、
E2. ビニルピリジン、ビニルピリジン誘導体およびN-ビニルイミダゾールの群から選択される少なくとも1種のモノマー;
F. 次のF群を含む、モノエチレン系不飽和モノマーMを共重合することにより得ることができる櫛型ポリマー:
F1. モノエチレン系不飽和C3-C8-モノカルボン酸とC1-C20-アルカノール、C5-C10-シクロアルカノール、フェニル-C1-C4-アルカノールもしくはフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのエステル、ならびに、モノエチレン系不飽和C4-C8-ジカルボン酸とC1-C20-アルカノール、C5-C10-シクロアルカノール、フェニル-C1-C4-アルカノールもしくはフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのジエステルから選択される、少なくとも1種のモノエチレン系不飽和モノマーMa;
F2. モノエチレン系不飽和C3-C8-モノカルボン酸のエステル、ならびに、モノエチレン系不飽和C4-C8-ジカルボン酸とポリ-(C2-C4-アルキレンエーテル)オールとのモノ-およびジエステルから選択される、少なくとも1種のモノエチレン系不飽和モノマーMb;
(ここで、モノマーMaおよびMbの総量は、櫛型ポリマーを構成するモノマーMの少なくとも60重量%を構成する);
G. 次のG群から得ることができるコポリマー:
G1. 次式(VII)で表される5〜99重量%の少なくとも1種のN-ビニルカルボキサミド:
Figure 0005722311
(式中、R15およびR16は、それぞれ独立して、水素またはC1-C6-アルキルである);
G2. 疎水性基を有し、式(V)のビニルカルボキサミドと共重合可能であり、また、次のG2群から選択される、1〜95重量%の少なくとも1種のモノマー:
G21. モノエチレン系不飽和のC3-C8-カルボン酸の脂肪族もしくは脂環式C8-C30-アルコールとのエステル;
G22. モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸の少なくとも1種の脂肪族もしくは脂環式C8-C30基を有する第一級もしくは第二級アミンとのアミド;
G23. 脂肪族もしくは脂環式C8-C30-カルボン酸のビニルエステル;または、
G24. 脂肪族もしくは脂環式C8-C30-アルコールのビニルエーテル;また、適切な場合には、
G3. 0〜94重量%の少なくとも1種のさらなる共重合可能なモノマー;
H. 次のH群をフリーラジカル共重合することにより得ることができるコポリマー:
H1. アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)および/またはその塩;
H2. 次のものを含む1種または複数のマクロモノマー:
i) 重合が可能であり、かつ反応媒体中で少なくとも部分的に可溶性である末端基と、
ii) 水素であるか、飽和もしくは不飽和で直鎖状、分枝鎖状、脂肪族、脂環式もしくは芳香族の(C1-C100)炭化水素基である疎水性成分と、
iii) ポリアルキレンオキシドをベースとした親水性成分;ならびに、
H3. 場合により、さらに少なくとも1種または複数のモノ-またはポリオレフィン系不飽和の酸素、窒素、硫黄、リン、塩素および/またはフッ素含有コモノマー。
群A
超分枝鎖ポリカーボネート、ポリ尿素、ポリアミド、ポリチオ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド、ポリエステルアミン、ポリエーテルエステルカーボネートおよびポリエーテルウレタンカーボネート、ならびにそれらの調製物は、例えば、WO 2009/021986に記載されている。
好ましくは、「Hyperbranched polycarbonates for solubilizing sparingly soluble active ingredients」という名称で同日に出願されている欧州特許出願EP 09159881.3の中でその調製ともに開示されている超分枝鎖ポリカーボネート(A1)であって、その場合、超分枝鎖ポリカーボネートが少なくとも1種の線状もしくは櫛型のポリマーおよび/または酸性基、アミノ基もしくは少なくとも2個のヒドロキシル基を含む少なくとも1種の官能性C1-C24単位に結合されているものである。
好ましくは、ポリカーボネートが、少なくとも3個のOH基を有するアルコールとC 3 -C 24 アルキレンオキシドとをベースとする三官能性または高官能性ポリエーテルオールであるアルコールAを含む、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
特に好ましいのは、線状ポリマーが、
a) 極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーまたはランダムコポリマー、
b) ポリエチレングリコールのブロックを含むブロックポリマーまたは極性エチレン系不飽和モノマーをベースとしたブロックポリマー、または、
c) ポリエチレングリコールを含む重縮合物(polycondensate)、または、
d) ポリエチレングリコール
である、超分枝鎖ポリカーボネートA1であって、ポリエチレングリコールd)がリンカーを介してポリカーボネート、好ましくはカーボネート、尿素またはウレタン基、さらに好ましくはウレタン基に結合されているものである。
また好ましくは、極性エチレン系不飽和モノマーがビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、スルホン酸含有モノマー、アミノ官能性モノマーまたはポリエチレングリコール誘導体の(メタ)アクリル酸エステルである、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
さらにまた好ましいのは、櫛型ポリマーがポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたはアリルアルコールアルコキシレートを重合形態で含む、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
またさらに好ましいのは、官能性C1-C24単位がカルボン酸基、スルホン酸基、スルフェン酸基、スルフィン酸基、硫酸エステル基(すなわち、有機硫酸塩)、アミノ基または少なくとも2個のヒドロキシ-C2-C10-アルキル基を含む、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
また好ましいのは、両親媒性物質が、少なくとも1つの線状ポリマーまたは櫛型ポリマーに結合されている超分枝鎖ポリカーボネートを含む、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
さらに好ましいのは、ポリカーボネートが少なくとも1つの線状ポリマーまたは櫛型ポリマーに結合されている超分岐鎖のポリカーボネートA1であって、線状ポリマーが
a) 極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーまたはランダム共重合体、
b) ポリエチレングリコールのブロックを含むブロックポリマー、または極性エチレン系不飽和モノマーをベースとしたブロックコポリマー、あるいは、
c) ポリエチレングリコールを含む重縮合物、あるいは、
d) ポリエチレングリコール
であり、ポリエチレングリコールd)がリンカーを介してポリカーボネート、好ましくはカーボネート、尿素またはウレタン基、さらに好ましくはウレタン基に結合されているものである。
さらに好ましいのは、ポリカーボネートが、
a) 有機カーボネート(A)またはホスゲン誘導体を、少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアルコール(B1)と反応させることにより縮合生成物(K)を調製し、
b) Kを超分枝鎖ポリカーボネートへ分子間で変換するすることにより得ることができる超分枝鎖ポリカーボネートA1であって、OH基のカーボネートまたはホスゲン基に対する量比が、Kがi)1個のカーボネートまたは塩化カルバモイル基と複数のOH基か、ii)1個のOH基と複数のカーボネートまたはカルバモイル基のいずれかの平均を有するように選択されるものである。
さらにまた好ましいのは、櫛型ポリマーがポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを重合形態で含む、超分枝鎖ポリカーボネートA1である。
典型的には、超分枝鎖ポリカーボネートA1は、
a) 有機カーボネート(A)またはホスゲン誘導体を少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアルコール(B1)と反応させることにより縮合生成物(K)を調製するステップと、
b) Kを超分枝鎖ポリカーボネートへ分子間で変換するステップ
により得ることができ、OH基とカーボネート基またはホスゲン基の量比は、Kが平均でi)1個のカーボネート基または塩化カルバモイル基と複数のOH基か、ii)1個のOH基と複数のカーボネート基またはカルバモイル基のいずれかを有するように選択されるものである。ポリカーボネートは、この方法で得るのが好ましい。
縮合生成物(K)を調製するためには、有機カーボネート(A)またはホスゲン誘導体を使用することができる。好適なホスゲン誘導体は、例えば、ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンであり、好ましくはホスゲンである。好ましくは、有機カーボネートの使用である。
出発物質として使用される一般式RO[(CO)O]nRの有機カーボネート(A)のR基は、それぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の脂肪族、芳香族/脂肪族(araliphatic)または芳香族炭化水素基である。また、2個のR基を相互に連結して環を形成させることもできる。2個のR基は同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。カーボネートは、好ましくは、一般式RO(CO)OR(すなわち、この場合のnは1である)の単純カーボネートであってもよい。
好適なカーボネートの例は、脂肪族、芳香族/脂肪族または芳香族のカーボネートを含む。好ましくは脂肪族カーボネートの使用であり、特に、基が1〜5個の炭素原子を含むもの、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジ-n-ブチルカーボネートまたはジイソブチルカーボネートである。ジエチルカーボネートが特に好ましい。
少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアルコール(B1)は、通常、脂肪族アルコールまたは芳香族アルコールであるか、この種の混合物、すなわち2種以上の異なるアルコールである。アルコール(B1)は分枝鎖または非分枝鎖で置換または非置換であってもよく、かつ3〜26個の炭素原子を有する。好ましくは、脂肪族アルコールである。少なくとも3個のOH基を有する化合物の例には、グリセロール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,4-ヘキサントリオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミン、トリス(ヒドロキシエチル)アミン、トリス(ヒドロキシプロピル)アミン、ペンタエリトリトール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリングリセロール、ビス(トリメチロールプロパン)、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、フロログルシノール、トリヒドロキシトルエン、トリヒドロキシジメチルベンゼン、フロログルシデス(phloroglucides)、ヘキサヒドロキシベンゼン、1,3,5-ベンゼントリメタノール、1,1,1-トリス(4'-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(4'-ヒドロキシフェニル)エタン、糖類、例えばグルコース、糖誘導体、例えばソルビトール、マンニトール、ジグリセロール、トレイトール、エリトリトール、アドニトール(リビトール)、アラビトール(リキシトール)、キシリトール、ズルシトール(ガラクチトール)、マルチトール、イソマルチトールまたはポリエステルオールが含まれる。さらに、B1は、少なくとも3個のOH基を有するアルコールとC 2 -C 24 アルキレンオキシドとをベースとした三官能性または高官能性ポリエーテルオールであってもよい。特にポリエーテルオールは、通常、ヒドロキシル基当たり平均して1〜30、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜8個の分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはイソブチレンオキシドを含む。
超分枝鎖ポリカーボネートは、好ましくは、少なくとも3個のOH基を有するアルコールとC 3 -C 24 アルキレンオキシドとをベースとした三官能性または高官能性ポリエーテルオールであるアルコール(B1)を含む。少なくとも3個のOH基の好適なアルコールは上記の通りであるが、好ましくは、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,4-ヘキサントリオール、ペンタエリトリトールであり、さらに好ましくは、グリセロールおよびトリメチロールプロパンである。好ましいC3-C24アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキシドおよびそれらの混合物が挙げられ、さらに好ましくはプロピレンオキシドである。三官能性または高官能性ポリエーテルオールは、通常、好ましくは1〜30、好ましくは2〜30、さらに好ましくは3〜20個のC3-C24アルキレンオキシド分子を重合形態で含む。特に好ましいアルコール(B1)は、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタントリオールおよび/またはペンタエリトリトールと、プロピレンオキシドとをベースとした三官能性ポリエーテルオールであり、この場合、ポリエーテルオールは、少なくとも3、好ましくは3〜30、さらに好ましくは3〜20個のプロピレンオキシド分子を重合形態で含む。

アルコール(B1)に加え、ポリカーボネートA1は、一緒に使用する全アルコールBの平均OH官能性が2よりも大きいという条件の場合、形成成分として二官能性アルコール(B2)を有していてもよい。アルコール(B1)および(B2)は、本明細書では、まとめて(B)と呼ぶものとする。好適な二官能性アルコールB2としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-、1,3-および1,4-ブタンジオール、1,2-、1,3-および1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオール、1,1-、1,2-、1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキサイドまたはそれらの混合物をベースとした二官能性ポリエーテルポリオール、162〜2000のモル質量を有するポリテトラヒドロフラン、ジオールおよびジカルボン酸をベースとしたポリカプロラクトンまたはポリエステルオールが挙げられる。好ましい二官能性アルコール(B2)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキサイドまたはそれらの混合物をベースとした二官能性ポリエーテルポリオール、ならびにジオールおよびジカルボン酸をベースとしたポリエステルオールである。
ジオールはポリカーボネートA1の特性の微調整に有用である。二官能性アルコールが用いられる場合、二官能性アルコール(B2)と少なくとも三官能性アルコール(B1)との比は、ポリカーボネートの所望の特性に基づいて、当業者により決定される。一般的に、アルコール(類)(B2)の量は、アルコール(B1)および(B2)を一緒にした全体の総量に対して0〜50mol%である。好ましくは、その量は0〜35mol%であり、さらに好ましくは0〜25mol%、最も好ましくは0〜10mol%である。
ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンとアルコールまたはアルコール混合物との反応は、一般に、塩化水素を除去することにより行われる。本発明に係る高官能性の高分枝鎖ポリカーボネートを得るためのカーボネートとアルコールまたはアルコール混合物との反応は、カーボネート分子から単官能性アルコールまたはフェノールを除去することにより行われる。
この反応後、すなわち、それ以上のいかなる変更なく、超分枝鎖ポリカーボネートは、ヒドロキシル基を含み、かつカーボネート基または塩化カルバモイル基を含む高官能性末端を有する。高官能性ポリカーボネートとは、ポリマー骨格を形成するカーボネート基だけでなく、さらに末端位または側位に少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、さらに好ましくは少なくとも6個の官能基を有する生成物を意味するものと理解されたい。官能基は、カーボネート基または塩化カルバモイル基および/またはOH基である。基本的には、末端官能基または側位官能基の数に上限はないが、非常に多くの官能基を含む生成物には、好ましくない特性(例えば高粘度および低溶解性など)がある可能性がある。本発明の高官能性ポリカーボネートは、通常、500個以下の末端官能基または側位官能基、好ましくは100個以下の末端官能基または側位官能基を有する。
高官能性ポリカーボネートの調製においては、得られる最も単純な縮合生成物(これ以降、縮合生成物(K)という)が平均してi)1個のカーボネート基または塩化カルバモイル基と複数のOH基か、ii)1個のOH基と複数のカーボネート基または塩化カルバモイル基のいずれかを含み、好ましくは、平均してi)1個のカーボネート基または塩化カルバモイル基と少なくとも2個のOH基か、ii)1個のOH基と少なくとも2個のカーボネート基または塩化カルバモイル基のいずれかを含むように、OH基を含む化合物とホスゲンまたはカーボネート(A)との比を調節することが必要である。
ポリカーボネートの特性の微調整に関してさらに望ましいのは、少なくとも1種の二官能性カルボニル反応性化合物(A1)を使用することである。これは、2個のカーボネート基および/またはカルボキシル基を有するそのような化合物を意味するものと理解されたい。カルボキシル基は、カルボン酸、塩化カルボニル、カルボン酸無水物またはカルボン酸エステルであってもよく、好ましくは、カルボン酸無水物またはカルボン酸エステルであり、さらに好ましくは、カルボン酸エステルである。こうした二官能性化合物(A1)を使用する場合、(A1)とカーボネートまたはホスゲン(A)との比は、ポリカーボネートの所望する特性に基づき、当業者により決定される。一般的に、二価化合物(類)(A1)の量は、全カーボネート/ホスゲン(A)と化合物(A1)を一緒にした総量に対して0〜40mol%である。化合物(A1)の例は、ジオールのジカーボネートまたはジカルバモイルクロリドである。さらなる化合物(A1)は、ジカルボン酸および/またはジカルボン酸のエステルである。
カーボネート(A)とジ-またはポリアルコール(B)との反応の例により示される、縮合生成物(K)の最も単純な構造により、配置XYmまたはYmX(ここで、Xはカーボネート基またはカルバモイル基であり、Yはヒドロキシル基であり、mは一般に1〜6より大きい整数、好ましくは1〜4より大きい整数、さらに好ましくは1〜3より大きい整数である)が形成される。この場合に単一基として生じる反応基は、通常、これ以降「フォーカル基(focal group)」という。
また、この合成に複数の縮合生成物(K)を使用することも可能である。この場合、複数のアルコールか複数のカーボネートのいずれかを使用することができる。
さらに、使用するアルコールおよびカーボネートまたはホスゲンの比率を選択することによって、異なる構造の異なる縮合生成物の混合物を得ることができる。
縮合生成物(K)を得るための(A)と(B)との反応の代表的な反応条件を以下に詳述する。
一般に、成分(A)と(B)の化学量論比は、得られる縮合生成物(K)が、1個のカーボネート基または塩化カルバモイル基と複数のOH基か、1個のOH基と複数のカーボネート基または塩化カルバモイル基のいずれかを有するように選択する。これは、第1の事例の場合、1molのカーボネート基:>2molのOH基の化学量論比、例えば、1:2.1〜8、好ましくは1:2.2〜6、さらに好ましくは1:2.5〜4、最も好ましくは1:2.8〜3.5の化学量論比により達成される。第2の事例の場合、1mol以上のカーボネート基:<1molのOH基の化学量論比、例えば、1:0.1〜0.48、好ましくは1:0.15〜0.45、さらに好ましくは1:0.25〜0.4、最も好ましくは1:0.28〜0.35の化学量論比により達成される。
温度は、アルコールと当該カルボニル成分との反応にとって十分なものでなければならない。一般的に、ホスゲンとの反応においては、−20℃〜120℃、好ましくは0〜100℃、さらに好ましくは20〜80℃の温度で十分である。カーボネート使用の場合には、60〜280℃、好ましくは80〜250℃、さらに好ましくは100〜250℃、最も好ましくは120〜250℃の温度でなければならない。
この調製は、通常、バッチ式、部分連続式または連続式で作動されるリアクターまたはリアクターカスケード中で、0.1 mbar〜20 bar、好ましくは1 mbar〜5 barの圧力範囲内で行われる。
有用な溶媒としては、芳香族および/または(脂環式)炭化水素ならびにそれらの混合物、ハロゲン化炭化水素、ケトン、エステルおよびエーテル、好ましくは酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メトキシプロピルアセテート、イソブチルメチルケトン、2-ブタノン、芳香族炭化水素(例えば、Solvesso(登録商標)銘柄)、シクロヘキサン、クロロベンゼンおよびキシレンなどが挙げられる。好ましい実施形態は、溶媒無しで反応を行なうことである。
通常、それぞれの成分の添加順序はそれほど重要ではない。一般に、まず2種類の反応物の過剰成分を充填し、次いで不足の成分を加えることが望ましい。あるいは、同様に、反応開始前に2種類の成分を相互に混合し、次いで、必要な反応温度までこの混合物を加熱することも可能である。
本発明によれば、この単一縮合生成物(K)は、好ましくは、直ちにさらに分子間で反応させ、高官能性重縮合生成物(これ以降、重縮合生成物(P)として示す)を形成する。縮合生成物(K)への変換および重縮合生成物(P)への変換は、典型的には、バルク中または溶液中で、0〜300℃、好ましくは0〜250℃、さらに好ましくは60〜250℃、最も好ましくは80〜250℃の温度で行う。一般に、特定の反応物に対して不活性である全ての溶媒を使用することができる。好ましいのは有機溶媒の使用であり、例えば上に記載したもの、さらに好ましくは、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたはソルベントナフサである。好ましい実施形態では、縮合反応は物質中で行なわれる。この反応で遊離した単官能性アルコールまたはフェノールROHは、反応を促進するために、例えば、適切な場合には減圧下で、蒸留により、反応平衡から除去することができる。
またアルコールまたはフェノールの除去は、反応条件(ストリッピング)下に、本質的に不活性であるガス流、例えば窒素、蒸気、二酸化炭素、あるいはさらに酸素系気体、例えば空気、希薄空気を通過させることによりサポートすることができる。蒸留による除去を所望する場合、基本的には、この反応でアルコールまたはフェノールROHを遊離する、現圧力下での沸点が140℃未満のそれらのカーボネートを使用するのが望ましい。あるいは、遊離したアルコールは、連行剤(entraining agents)(例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン)による共沸蒸留により、または真空を用いることにより除去することが可能で、それにより、重縮合物の形成を促進することができる。
また、反応を促進するため、触媒または触媒混合物を添加することもできる。好適な触媒はエステル化反応またはエステル転移反応を触媒する化合物であって、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、好ましくはナトリウム、カリウムまたはセシウムの化合物、第三級アミン、グアニジン、アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物、有機アルミニウム、有機スズ、有機亜鉛、有機チタン、有機ジルコニウムまたは有機ビスマスの化合物、さらには、例えばDE 10138216またはDE 10147712に記載されているような、いわゆる二重金属シアン化物(DMC)触媒である。好ましいのは、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデケン(DBU)、イミダゾール類、例えばイミダゾール、1-メチルイミダゾールまたは1,2-ジメチルイミダゾールなど、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、スズジオクトエート、ジルコニウムアセチルアセトネートまたはそれらの混合物の使用である。触媒は、一般に、使用するアルコールまたはアルコール混合物の量に対して50〜10,000重量ppm、好ましくは100〜5000重量ppmの量で添加する。適切な場合、触媒を少量の好適な溶媒中で前もって溶解させておく必要がある場合がある。
さらに、適した触媒を添加するか、適した温度を選択するかのいずれかにより、分子間重縮合反応を制御することも可能である。さらに、出発成分の組成を介して、また滞留時間を介して、ポリマー(P)の平均分子量を調節することができる。
高い温度で調製された縮合生成物(K)または重縮合生成物(P)は、室温で、通常、より長期間にわたって(例えば、少なくとも6週間にわたって)、混濁、沈殿および/または粘度上昇を示すことなく安定である。縮合生成物(K)の特性に基づいて、縮合反応により、分枝を有するが架橋は有さない、異なる構造をもつ重縮合生成物(P)を得ることができる。さらに、重縮合生成物(P)は、理想的には、フォーカル基として1個のカーボネート基または塩化カルバモイル基と2個以上のOH基か、フォーカル基として1個のOH基と2個以上のカーボネート基または塩化カルバモイル基のいずれかを有する。反応性基の数は、使用する縮合生成物(K)の特性および重縮合度に基づく。
分子間重縮合反応の終止については、様々な可能性がある。例えば、反応が停止し、生成物(K)または重縮合生成物(P)が貯蔵安定性である範囲まで温度を低下させることができる。これは、通常、60℃未満、好ましくは50℃未満、さらに好ましくは40℃未満、特に好ましくは室温である場合である。さらには、触媒を、塩基性触媒の場合には、例えば、酸性成分、例えばルイス酸または有機もしくは無機のプロトン酸を添加することにより失活させることができる。さらに、反応は、予冷した溶媒で希釈することにより停止することが可能である。これは、特に、反応混合物の粘度を溶媒の添加により調節しなければならない場合に好まれる。
さらなる実施形態において、縮合生成物(K)の分子間反応に基づいて所望の重縮合度を有する重縮合生成物(P)が存在するとすぐに、生成物(P)に、(P)のフォーカル基に対する反応性基を有する生成物を添加し、反応を終結させることができる。例えば、フォーカル基がカーボネート基またはカルバモイル基の場合には、例えばモノアミン、ジアミンまたはポリアミンを添加することができる。フォーカル基がヒドロキシル基の場合には、生成物(P)に、例えば、モノイソシアネート、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネート、エポキシド基を含む化合物、またはOH基との反応性酸誘導体を添加することができる。
前記の反応条件の調節により、また適切な場合には好適な溶媒の選択により、本発明による生成物は、調製後にさらなる精製を行うことなく、それ以降の処理を行うことができる。必要に応じて、反応混合物は、例えば、活性炭または金属酸化物による処理を行うことにより脱色することができる。また、適切な場合には、反応混合物は、存在しているあらゆる沈澱を除去するため、濾過することもできる。さらなる好ましい実施形態においては、生成物はストリッピングされる。すなわち、低分子量の揮発性化合物が除去される。そのためには、所望の変換度を達成した後、触媒を場合により失活し、かつ低分子量の揮発性成分、例えばモノアルコール、フェノール、カーボネート、塩化水素または揮発性のオリゴマー化合物もしくは環式化合物を蒸留により、適切な場合にはガス、好ましくは窒素、二酸化炭素もしくは空気の導通下に、適切な場合には減圧下で除去することができる。
上記のようにして得ることができる超分枝鎖ポリカーボネートは、通常、50℃未満、好ましくは30℃未満、さらに好ましくは10℃未満のガラス転移温度を有する。OH価は、通常、30mg KOH/gまたはそれ以上、好ましくは50〜250mg/gである。質量平均モル質量Mwは、通常、1000〜150,000、好ましくは1500〜100,000g/molであり、数平均モル質量Mnは、500〜50,000、好ましくは1000〜40,000g/molである。本超分枝鎖ポリカーボネートは、通常、水には可溶性でないか、分散されない。すなわち、透明な(すなわち、肉眼で見ることができる粒子が存在しない)水溶液または分散液を調製することができない。
好ましいのは、少なくとも1つの線状ポリマーまたは櫛型ポリマーに結合されている超分枝鎖ポリカーボネートA1である。超分枝鎖ポリカーボネートの、線状ポリマーもしくは櫛型ポリマーおよび官能性C1-C24ユニットの合計に対するモル比は、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:1〜1:50、さらに好ましくは1:1〜1:25の範囲である。通常、それは、リンカーによって結合されている。
線状ポリマーは、好ましくは、
a) 極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーまたはランダムコポリマー、
b) ポリエチレングリコールのブロックを含むか、少なくとも1種の極性エチレン系不飽和モノマーをベースとしたブロックポリマー、または、
c) ポリエチレングリコールを含む重縮合物、または、
d) ポリエチレングリコール
であり、前記ポリエチレングリコールd)は、リンカーを介してポリカーボネートに結合されているものである。線状ポリマーは、さらに好ましくは、前述のポリマーa)、b)またはc)の1つである。さらに特に好ましい実施形態では、線状ポリマーは、前述のポリマーa)、c)またはd)の1つである。線状ポリマーは、とりわけ好ましくは、前述のポリマーa)またはc)の1つであり、特にa)である。
一実施形態では、線状ポリマーは、極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーまたはランダムコポリマーであってもよい。数平均モル質量Mnは、通常、100,000g/mol未満、好ましくは50,000g/mol未満、さらに好ましくは20,000g/mol未満、最も好ましくは10,000g/molであり、これはGPCおよび適切な基準によって測定することができる。Mnは、典型的には、200g/mol以上、好ましくは500g/mol以上である。
好適な極性エチレン系不飽和モノマーは、電荷を保有またはイオン性基を保有し、重合性エチレン系不飽和結合を含むモノマーである。電荷保有基またはイオン性基の例は、カルボン酸、スルホン酸、ポリエチレングリコール、アルコール、ニトリル、アミド、アミン、ジアルキルアミンである。極性エチレン系不飽和モノマーの例は、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、スルホ基含有(メタ)アクリレート(例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、アミノ官能性(メタ)アクリレート(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレングリコール誘導体の(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート)、イタコン酸、無水マレイン酸、OH基で置換されているC1-C20-アルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミドである。好ましい極性エチレン系不飽和モノマーは、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。「(メタ)アクリル」という表現は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
極性エチレン系不飽和モノマーを含む線状ホモポリマーの例は、好ましくは、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの前述の極性エチレン系不飽和モノマーのホモポリマーである。
極性エチレン系不飽和モノマーを含むランダムコポリマーの例は、好ましくは、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの前述の極性エチレン系不飽和モノマーのコポリマーである。さらなるモノマーとして、ランダムコポリマーは次のものを含んでいてもよい:アクリル酸のC1-C10-アルカノールとのエステル類、例えば、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートおよび3-プロピルヘプチルアクリレート、メタクリル酸のC1-C10-アルカノールとのエステル類、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレートおよびn-ヘキシルメタクリレート、アクリル酸のおよびメタクリル酸のN-(C2-C10-アルキル)アミド類、ならびにアクリル酸のおよびメタクリル酸のN-(C1-C2-アルキル)-N-(C2-C10-アルキル)アミド類、例えば、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N-メチル-N-プロピルアクリルアミド、N-(n-ヘキシル)アクリルアミド、N-(n-オクチル)アクリルアミドならびに対応するメタクリルアミド、ビニル芳香族モノマー類、例えば、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、2〜10個の炭素原子を有するオレフィン類、好ましくは3〜10個の炭素原子を有するα-オレフィン類、例えば、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセン、脂肪族カルボン酸のビニルエステル類、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルラウレート、ビニルノナノエート、ビニルデカノエート、ビニルラウレートおよびビニルステアレート、不飽和ニトリル類、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、ハロゲン化オレフィン類、例えば塩化ビニル、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン系不飽和モノカルボン酸のC11-C20-アルキルエステル類、例えばC11-C20-アルキルアクリレートおよびC11-C20-アルキルメタクリエート、例えばラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソトリデシルアクリレート、イソトリデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、好ましくは4〜8個の炭素原子を有するエチレン系不飽和ジカルボン酸のジ-C1-C20-アルキルエステル類、例えばフマル酸のおよびマレイン酸のジ-C1-C20-アルキルエステル類、例えばジメチルフマレート、ジメチルマレエート、ジブチルフマレートおよびジブチルマレエート、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン系不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル類、例えばグリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート。好ましいさらなるモノマーは、アクリル酸のおよびメタクリル酸のC1-C10-アルカノールとのエステルである。
さらなる実施形態では、線状ポリマーは、ポリエチレングリコールの、または少なくとも1種の極性エチレン系不飽和モノマーのブロックを含むブロックポリマーであってもよい。モル質量Mnは、通常、200〜10,000g/mol、好ましくは300〜2000g/molの範囲にあり、これはGPCによって測定可能である。ブロックポリマーはA-BタイプまたはA-B-Aタイプであってもよく、好ましくはA-Bタイプである。これらのタイプのブロックポリマーの調製は、周知である。好適かつ好ましい極性エチレン系不飽和モノマーは上述した通りである。ポリエチレングリコールのブロックの例は、200〜10,000g/molのモル質量Mnを有するポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールモノアルキルエーテルである。少なくとも1種の極性エチレン系不飽和モノマーのブロックの例は、ポリビニルピロリドンまたはポリ(メタ)アクリル酸またはポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートである。別のブロックは、いずれの場合にも、先行技術から得たポリマーブロックから形成することができる。別のブロックは、好ましくは無極性であり;例えば、それはカプロラクトンまたはプロピレンオキシドから形成される。さらなる実施形態では、別のブロックは、ポリエステル(例えば、ジカルボン酸およびジオールをベースとしたもの)、ポリアミド(例えば、ジカルボン酸およびジアミンをベースとしたもの)、ポリカーボネート、ポリウレタンまたはポリ尿素を含む。好ましいブロックポリマーは、ポリエチレングリコール-ブロック-ポリカプロラクトンおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテル-ブロック-ポリカプロラクトンおよびポリプロピレングリコール-ブロック-ポリエチレングリコールである。
さらなる実施形態では、線状ポリマーは、ポリエチレングリコールを含む重縮合物であってもよい。本発明の内容においては、「重縮合物」という用語は、重付加生成物も包含する。ポリエチレングリコールの例は、200〜10,000g/molのモル質量Mnを有するポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールモノアルキルエーテルである。重縮合物の例は、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタンおよびポリ尿素であり、好ましくはポリエーテルおよびポリエステルである。好ましい重縮合物は、C3-C24アルキレンオキシド、特にプロピレンオキシドをベースとしたポリエーテル、およびヒドロキシカルボン酸化合物、ジアルコール化合物またはジ酸化合物、特にヒドロキシカルボン酸化合物をベースとしたポリエステルである。好ましいヒドロキシカルボン酸化合物はラクトンであり、特にC4〜C18-アルキルラクトン、最も好ましくはε-カプロラクトンである。
さらなる実施形態では、線状ポリマーは、ポリエチレングリコールがリンカーを介してポリカーボネートに結合されている場合のポリエチレングリコールであってもよい。リンカーは、好ましくはポリイソシアネートである。ポリエチレングリコールの例は、200〜10,000g/mol、好ましくは300〜2000g/molのモル質量Mnを有するポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールモノアルキルエーテルである。ポリエチレングリコールは、好ましくはポリエチレングリコールモノ-C1-C18-アルキルエーテルであり、特にポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。
櫛型ポリマーは、本明細書では、典型的には、線状の主鎖上にほぼ通常の間隔で、実質的には等しい長さの比較的長い側鎖(好ましくは脂肪族側鎖)を含む、櫛型ポリマーを意味するものと理解されたい。モル質量Mnは、通常、500〜100,000g/molの範囲にあり、これはGPCによって測定可能である。櫛型ポリマーは、好ましくは、重合形態でポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたはアリルアルコールアルコキシレート(例えば
ポリエチレングリコールアリルエーテル)を含み、好ましくは100〜5000g/molのモル質量Mnを有するポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートである。前記ポリマーは、さらに好ましくは、モル質量Mnがいずれの場合にも100〜3000g/mol、好ましくは200〜1500g/molである、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレートまたはポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレートを含む。ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたはアリルアルコールアルコキシレートの他に、櫛型ポリマーは、任意の所望する共重合性エチレン系不飽和モノマーを含み得る。好ましいさらなるモノマーは、無極性モノマーおよび/または前述の極性エチレン系不飽和モノマーである。好ましい無極性モノマーは、C1-C20-アルキル(メタ)アクリレートまたは20個以下の炭素原子を有するビニル芳香族化合物である。これらの例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートまたは4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。有用なビニル芳香族化合物としては、例えば、ビニルトルエン、α-ブチルスチレン、4-n-ブチルスチレン、4-n-デシルスチレンまたはスチレンが挙げられる。好ましいさらなるモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレン、ビニルピロリドンまたはそれらの混合物である。
線状ポリマーまたは櫛型ポリマーは、(例えば、米国特許第5,556,918号およびEP-A 742 238により)一般に公知の方法により調製することができる。一実施形態では、極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーまたはランダムコポリマー、ポリエチレングリコールのブロックを含むか、少なくとも1種の極性エチレン系不飽和モノマーをベースとするブロックポリマーである線状ポリマー、および櫛型ポリマーは、反応開始剤の存在下で、また適切な場合には調節剤の存在下で、フリーラジカル的に開始されるモノマーの溶液重合により調製される。好ましいのは、分解する際にヒドロキシル基(OH基)を形成する反応開始剤および/またはOH基またはNH2基を含む調節剤の使用である。これらのOH基またはNH2基は、リンカー反応基として後で使用することができる。
好適な反応開始剤は、有機ヒドロペルオキシド類、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド、テトラヒドロフランヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドまたは2,2'-アゾビス(2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)である。好適な調節剤はアミノアルコール、アミノフェノールであり、特にチオアルカノール類、例えば、3-ヒドロキシプロパンチオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、2-ヒドロキシエチル 3-メルカプトプロピオネート、特に2-ヒドロキシエタンチオール(メルカプトエタノール)である。こうした調節剤が使用される場合、重合は、従来の反応開始剤、例えば、従来のアゾ反応開始剤または有機過酸化物、具体的には、アゾビス(イソブチロニトリル)、ジ-(tert-ブチル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルアセテートまたはtert-ブチル 2-メチルパープロピオネートの存在下で行なうこともできる。重合が前述の1種の調節剤の存在下で行なわれる場合、調節剤は、一般には、モノマーの全量に対して0.1〜12重量%、多くの場合0.2〜8重量%、特に0.5〜5重量%の量で用いられる。開始剤は、一般には、重合しようとするモノマーに対して、0.05〜5重量%、多くの場合0.1〜4重量%、さらに好ましくは0.2〜3重量%の量で用いられる。より詳細については、特にEP 742 238の3ページを参照されたい(この記載は参考により本明細書に組み入れるものとする)。
さらなる好ましい実施形態では、超分枝鎖ポリカーボネートA1は、酸性基、アミノ基または少なくとも2個のヒドロキシル基を含む、少なくとも1つの官能性C1-C24単位に結合されている。官能性C1-C24単位は、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフェン酸基、スルフィン酸基、硫酸エステル基(すなわち有機硫酸塩)、ホスホン酸基、アミノ基または少なくとも2個のヒドロキシ-C2-C10-アルキル基、さらに好ましくはカルボン酸基を含む。場合により、官能性C1-C24単位は、同時に記載した複数の基を含んでいてもよい。
一実施形態では、官能性C1-C24単位はさらに、それによって、官能性C1-C24単位が直接的にまたはリンカーにより超分枝鎖ポリカーボネートに共有結合で結合され得る結合基も含む。好適な結合基は、OH基および/またはポリカーボネートのカーボネート基または塩化カルバモイル基と反応し得る。これらの例は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアネート、アミンおよびアルコールである。さらに、好適な結合基は、リンカーと反応し得るものである。これらの例は、アルコールまたはアミン類、好ましくはアルコールである。好適なリンカーは以下に記載する。
官能性C1-C24単位に結合されている超分枝鎖ポリカーボネートは、好ましくは、超分枝鎖ポリカーボネートを酸性基、アミノ基または少なくとも2個のヒドロキシル基を含んでなる官能性C1-C24単位および結合基を含む官能化剤と、また場合によりリンカーと反応させることにより得られる。
リンカーを用いない直接的な共有結合に適している官能化剤は無水物である。特に好適であるのは環状カルボン酸無水物であり、例えば、無水コハク酸または無水フタル酸、特に無水コハク酸である。一般的には、無水物は、高温で(通常80〜200℃で)超分枝鎖ポリカーボネートと反応させる。その反応は、溶媒を添加することにより、または添加せずに行うことができる。通常、精製をさらに行う必要はない。
リンカーによる共有結合に好適な官能化剤は、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボキシル酸、ヒドロキシスルホン酸、ヒドロキシ硫酸塩、アミノスルホン酸またはアミノ硫酸塩、ヒドロキシルアミン(例えばジエタノールアミン)、ポリアミン(例えばジエチレンテトラミン)またはポリオール(例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール)である。本目的で好ましいリンカーは、下に記載したポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネート、さらに好ましくは脂肪族ジイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソフォロンジイソシアネート)である。
線状ポリマーまたは櫛型ポリマーは、好ましくは、リンカーを用いて超分枝鎖ポリカーボネートに結合される。通常、リンカーは、まず、線状ポリマーまたは櫛型ポリマーに共有結合で結合され、次いで、リンカー含有ポリマーを超分枝鎖ポリカーボネートに結合させる。リンカー含有ポリマーを調製できるように、出発ポリマーは、通常、リンカーと反応可能な基(リンカー反応基)を含む。リンカー反応基の平均数は、一般に、ポリマー分子当たり2以下であり、好ましくは0.3〜1.8の範囲、特に0.5〜1.5の範囲、とりわけ0.6〜1.4の範囲である。リンカー反応基はポリマー鎖内に配置されていてもよく、好ましくは、ポリマー鎖の末端にある。
極性エチレン系不飽和モノマーを含むホモポリマーもしくはランダムコポリマー、ポリエチレングリコールのブロックを含むか、少なくとも1種の極性エチレン系不飽和モノマーをベースとするブロックポリマーである線状ポリマーまたは櫛型ポリマーの場合には、リンカー反応基は、好適な反応開始剤および/または調節剤によって、上記のようにして導入することができる。あるいは、リンカー反応基は、先行技術に従い、フリーラジカル反応により制御された態様で鎖末端に導入することができる(例えば、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、またはニトロキシド媒介重合(NMP))。同様に、ポリマー鎖中の官能基はリンカー反応基として(例えば、重合ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの可能ないくつかのOH基の1つとして)使用することもできる。
ポリエチレングリコールを含む重縮合物の場合には、リンカー反応基は、単官能性モノマーの好適な化学量論比および使用により重縮合物の鎖末端で得ることができる。リンカー反応基は、鎖末端で1個の官能性ヒドロキシル基が間違いなく形成されるように、ラクトンの開環重合により得るのが好ましい。
ポリエチレングリコールの場合には、使用されるリンカー反応基は、鎖末端にヒドロキシル基が存在していてもよい。好ましいのは、鎖末端に間違いなく1つのリンカー反応基を有するポリエチレングリコールモノアルキルエーテルである。
一般的に、有用なリンカーとしては、少なくとも2個の反応基を有する反応性多官能化合物が挙げられる。好ましいリンカーは、脂肪族、脂環式および芳香族のジ-およびポリイソシアネートを含む、少なくとも1.5、特に1.5〜4.5、とりわけ1.8〜3.5のイソシアネート基がベースの官能性を有するポリイソシアネート、およびイソシアヌレート、アロ
ファネート、ウレトジオン、ならびに脂肪族、脂環式および芳香族のジイソシアネートのビウレットである。ポリイソシアネートは、好ましくは、1分子当たり平均1.8〜3.5個のイソシアネート基を有する。好適なポリイソシアネートの例は、芳香族ジイソシアネート類、例えば、トルエン2,4-ジイソシアネート、トルエン2,6-ジイソシアネート、市販のトルエン2,4-および2,6-ジイソシアネートの混合物(TDI)、n-フェニレンジイソシアネート、3,3'-ジフェニル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'-ジクロロ-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、クメン2,4-ジイソシアネート、1,5-ナフタリンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4-メトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-クロロ-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-エトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4-ジメチレン-1,3-フェニレンジイソシアネート、5,6-ジメチル-1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4-ジイソシアナトジフェニルエーテル、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、エチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネート、プロピレン1,2-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,10-デカメチレンジイソシアネート、ならびに脂環式ジイソシアネート類、例えば、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシレン1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン1,4-ジイソシアネートおよびビス(4,4'-イソシアナートシクロヘキシル)メタンである。ポリイソシアネート類のうち、好ましいのは、イソシアネート基が異なる反応性のものであり、例えば、トルエン2,4-ジイソシアネート、トルエン2,6-ジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、cis-およびtrans-イソフォロンジイソシアネート、またはこれらの化合物の混合物である。
ポリイソシアネートとの反応は、溶融物または有機溶媒中で、好ましくは非プロトン性極性有機溶剤またはこうした溶媒の混合物中で行うことができる。これらの例は、ケトン類(例えばアセトン)、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン(THF)、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはジメチルホルムアミド(DMF)である。好ましい溶媒は、酢酸ブチル、キシレンおよびアセトンである。この反応は、典型的には高い温度で行われ、またその温度は選択する溶媒の沸騰温度により決まる。ポリイソシアネートは、20〜80℃で第1の成分と反応させることができるが、所望により100℃でもまた可能である。さらにイソシアネート基は、50〜100℃の温度で反応させることができる。
この反応は、官能化剤中で、または線状ポリマーもしくは櫛型ポリマー中で、変換しようとするヒドロキシル基1モル当たり1molのジイソシアネートが使用されるように量比が選択することを意味する、等モル法で行うことができる。好ましいのは、未変換ジイソシアネートの量を軽減するため、わずかに(例えば0〜15mol%)過剰のヒドロキシル基で行うことである。フリーラジカルコポリマーが反応開始剤または調節剤によりOH-官能基化される場合、ジイソシアネートは、このように導入されるOH基に対して等モルの量で、またはわずかに少ない量で反応させる。対称性ジイソシアネート(例えばHDI)の場合には、過剰量のジイソシアネートを使用し、蒸留により過剰分を除去するのが有利であり得る。
反応は、触媒の存在下で行なうのが好ましい。好適な触媒は、例えば、第三級アミン類、例えばトリエチルアミン、トリ-n‐プロピルアミン、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジンおよびジアザビシクロオクタン(DABCO)、亜鉛カルボキシレート類、ビスマスカルボキシレート類、チタンアルコキシド類、有機スズ化合物類、特に脂肪族カルボン酸のジアルキルスズ(IV)の塩、例えばジブチルスズジラウレートおよびジブチルスズオクトエート、スズ(II)ジアルキルカノエート類、例えばスズジオクトエート、ならびにセシウム塩、例えば酢酸セシウムなどである。一実施形態では、亜鉛カルボキシレート、ビスマスカルボキシレート、チタンアルコキシドが特に好適であり、カルボキシレートはC1-C20-カルボキシレートが好ましい(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ヘキサネート、オクタノエートまたはネオデカノエート)。触媒は、好ましくは、全固体に対して50〜50,000 ppm、好ましくは100〜5000 ppmの量で使用することができる。
この反応は、典型的には、40〜120℃の範囲の高い温度で行なわれる。それぞれの場合にどの温度が選択されるかは、使用する有機溶媒のタイプによって決まる。続いて、溶媒は、蒸留により除去することができる。
一般的に、この反応は、イソシアネート基で官能化しようとする成分(例えば、線状ポリマーもしくは櫛型ポリマーまたは官能性C1-C24単位)を、まず、反応混合物中のイソシアネート値が半分に減少するまで、触媒のおよび溶媒の存在下でジイソシアネートと反応させるような方法で行われる。わずかにヒドロキシル基を過剰量で使用する場合には、理論的な終了値がヒドロキシル基の完全な変換に対応するまで、反応を継続する。これは、例えば、公知の方法で滴定法の手段により測定することができる。次いで、続いて、別の成分(例えば、超分枝鎖ポリカーボネート)の添加を行う。超分枝鎖ポリカーボネートの線状ポリマー、櫛型ポリマーまたは官能性C1-C24単位に対するモル比は、1:1〜1:25、好ましくは1:2〜1:15である。この反応は、イソシアネート値が0に減少するまで継続される。
さらに好ましい本発明に係る超分枝ポリマーAは超分枝ポリエステルA2であるが、その構造および調製はWO 2007/125028に記載されている。
そこに記載されている超分枝ポリエステルA2は、
(a1) 少なくとも1種のジカルボン酸または1種または複数のその誘導体を1種または複数の少なくとも三官能性アルコールと重縮合させること、あるいは、
(a2) 少なくとも1種のトリカルボン酸もしくは高次ポリカルボン酸または1種または複数のそれらの誘導体を1種または複数のジオールと重縮合させること、あるいは、
(a3) 少なくとも1種のジカルボン酸または少なくとも1種のそれらの誘導体を少なくとも1種のジオールと少なくとも1種の少なくとも三官能性アルコールの混合物と重縮合させること、あるいは、
(a4) 少なくとも1種のジオールを少なくとも1種のジカルボン酸または少なくとも1種のそれらの誘導体および少なくとも1種のトリカルボン酸もしくはテトラカルボン酸またはそれらおの誘導体と重縮合させること、
また、適切な場合には、ポリエステルを、少なくとも1種のイソシアネートまたはカーボネート基、尿素基またはウレタン基を介して結合されている少なくとも1種のポリアルキレンオキシド単位を有するクロロ炭酸エステルと反応させること
により得ることができる、超分枝ポリエステル(a)およびその反応生成物(b)である。
さらに、KOH/gが1〜50mgの範囲の酸価を有する超分枝ポリエステル(A2)も好ましい。
また好ましいのは、超分枝ポリエステル(a)を、
(b1) 少なくとも1種のジイソシアネートとC1-C4-アルキル-保護(capped)ポリアルキレングリコールとの少なくとも1つの反応生成物
と反応させる、超分枝ポリエステル(A2)である。
またさらに好ましいのは、超分枝ポリエステル(a)の少なくとも90mol%の官能基を、イソシアネートまたはカーボネート基、尿素基またはウレタン基を介して結合されている少なくとも1つのポリアルキレンオキシド単位を有するクロロ炭酸エステルと反応させた、超分枝ポリマー(A2)である。
さらに、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルアミドおよびポリエステルアミンの群から選択される超分枝窒素含有ポリマーA3も好ましいが、この構造および調製はWO 2006/087227に記載されている。
好ましいポリマーA3は超分枝ポリ尿素であるが、ポリマーA3の文脈における「ポリ尿素」という用語はその反復単位が尿素基により相互に結合されているそれらのポリマーだけでなく、一般には、少なくとも1種のジ-および/またはポリイソシアネートをイソシアネート基に対して反応性のある少なくとも1個の基を有する少なくとも1種の化合物と反応ことにより得ることができるポリマーを含む。これらには、反復単位が、尿素基だけでなく、さらにウレタン、アロファネート、ビウレット、カルボジイミド、アミド、ウレトンイミン、ウレトジオン、イソシアヌレートまたはオキサゾリドン(オキサゾリジノン)基によって結合されているポリマーが包含される(例えば、Kunststofftaschenbuch [Plastics Handbook], Saechtling, 26th ed., p. 491ff., Carl-Hanser-Verlag, Munich 1995を参照されたい)。「ポリ尿素」という用語は、特に、尿素基および/またはウレタン基を有するポリマーを含む。
本発明により用いられる超分枝ポリマーA3は、好ましくは、尿素基および/またはウレタン基(またはイソシアネート基の反応から生じるさらなる基)だけでなく、少なくとも4個のさらなる官能基を有する。官能基の割合は、好ましくは4〜100、さらに好ましくは4〜30、特に4〜20である。
好ましいのは、約500〜100,000、好ましくは1000〜50,000の範囲の重量平均分子量を有するポリ尿素A3である。
尿素基および/またはウレタン基(ならびに、存在する場合、イソシアネート基と、それに対して反応性であり、かつ活性水素原子を有する基とを反応させることにより得られるさらなる基)のそれらの含有量は、好ましくは0.5〜10 mol/kg、さらに好ましくは1〜10 mol/kg、特に2〜8 mol/kgの範囲である。
有用なジ-およびポリイソシアネートとしては、先行技術から既知であって、実施例により下記に明示されている、脂肪族、脂環式および芳香族のジ-およびポリイソシアネートが挙げられる。これらの例としては、好ましくは、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、モノマージフェニルメタンジイソシアネートとオリゴマージフェニルメタンジイソシアネートの混合物(ポリマーMDI)、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー、イソフォロンジイソシアネートトリマー、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ドデシルジイソシアネート、アルキルがC1-C10-アルキルであるリジンアルキルエステルジイソシアネート、1,4-ジイソシアナートシクロヘキサンまたは4-イソシアナートメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリ尿素およびポリウレタンを形成するための好適なジ-またはポリイソシアネートは、さらに好ましくは、異なる反応性のNCO基を有するものである。これらの例としては、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'-MDI)、トリイソシアナートトルエン、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、2-ブチル-2-エチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4-または2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2-イソシアナートプロピルシクロヘキシルイソシアネート、3(4)-イソシアナートメチル-1-メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4-ジイソシアナート-4-メチルペンタン、2,4'-メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネートおよび4-メチルシクロヘキサン1,3-ジイソシアネート(H-TDI)が挙げられる。
ポリ尿素およびポリウレタンを形成するのにさらに適しているのは、そのNCO基が最初は同等の反応性を有するが、反応物のNCO基に対する第1の添加により、第2のNCO基における反応性の低下が誘発され得るイソシアネートである。それらの例は、NCO基が非局在化π電子系を介して結合されているイソシアネートであり、例えば、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネートまたは2,6-トリレンジイソシアナートである。
さらに、例えば、尿素、アロファネート、ウレタン、ビウレット、ウレトジオン、アミド、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトニミン、オキサジアジントリオンまたはイミノオキサジアジンジオン構造による結合によって、上述のジ-もしくはポリイソシアネートまたはそれらの混合物から調製可能なオリゴ-またはポリイソシアネートを使用することもできる。
使用する少なくとも2種のイソシアネート反応性基を有する化合物は、好ましくは、その官能基がNCO基に対して異なる反応性を有する二官能性、三官能性または四官能性の化合物である。
ポリ尿素の調製については、分子中に少なくとも2個のアミノ基を有するイソシアネート-反応性生成物を使用するのが好ましい。
これらは、例えば、エチレンジアミン、N-アルキルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N-アルキルプロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N-アルキルヘキサメチレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、フェニレンジアミン、イソフォロンジアミン、アミン末端ポリオキシアルキレンポリオール(いわゆるジェファミン(Jeffamines))、ビス(アミノエチル)アミン、ビス(アミノプロピル)アミン、ビス(アミノヘキシル)アミン、トリス(アミノエチル)アミン、トリス(アミノプロピル)アミン、トリス(アミノヘキシル)アミン、トリスアミノヘキサン、4-アミノメチル-1,8-オクタメチレンジアミン、N'-(3-アミノプロピル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、トリスアミノノナンまたはメラミンである。さらに、前述の化合物の混合物も使用可能である。
ポリウレタンおよびポリ尿素-ポリウレタンの調製に好ましい化合物は、少なくとも1個の第一級ヒドロキシル基および少なくとも1個の第二級ヒドロキシル基、少なくとも1個のヒドロキシル基、ならびに少なくとも1個のメルカプト基を有するもの、さらに好ましくは、分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基および少なくとも1個のアミノ基を有するもの、特に、イソシアネートとの反応性においてアミノ基はヒドロキシル基よりも反応性が有意に強いので、アミノアルコール、アミノジオールおよびアミノトリオールである。前述の少なくとも2個のイソシアネート反応基を有する化合物の例は、プロピレングリコール、グリセロール、メルカプトエタノール、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールまたはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。さらに、前述の化合物の混合物も使用可能である。
鎖が拡張された分枝を有する超分枝ポリウレタンおよびポリ尿素は、例えば、重合反応に関し、ABx分子だけでなく、さらにはジイソシアネートとイソシアネート基との反応性のある2個の基を有する化合物とを1:1のモル比で使用することにより得ることができる。これらの付加的なAA化合物およびBB化合物はまた、さらなる官能基を有していても良いが、それらの基は反応条件下で、AまたはB基に対して反応性であってはならない。このようにして、さらなる官能性を超分枝ポリマーへ導入することができる。
群B1
ビニルピロリドンコポリマーB1およびそれらの調製は、WO 99/27916、WO 2007/017452およびWO 2008/064990に記載されている。
適切な場合には、コポリマーB1は、0〜39重量%、好ましくは0〜10重量%の少なくとも1種のさらにフリーラジカル共重合性モノマーB3)を含んでいてもよい(ここで、それぞれの成分a)〜c)の重量パーセントc)は100重量%以下で加える)。
好ましいモノマーB1-1は、1-ビニルピロリドンである。
コポリマー中のモノマーB1-1の割合は、好ましくは、70〜95重量%の範囲内、さらに好ましくは75〜90重量%の範囲内である。
有用なモノマーB1-2としては、次のものが挙げられる:
モノエチレン性不飽和C3-C8-カルボン酸のN-C8-C30-アルキル置換アミドまたはN,N-C8-C30-ジアルキル置換アミドであって、前記アルキル基が8〜30個、好ましくは8〜18個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状の脂肪族もしくは脂環式アルキル基であるもの。これに関して、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和カルボン酸のうち有用な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ジメタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、アリル酢酸、ビニル酢酸、クロトン酸、フマル酸、メサコン酸およびイタコン酸、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、または記載したカルボン酸の混合物である。
好ましいアミド化コモノマーは、例えば、N-ステアリルアクリルアミド、N-ステアリルメタクリルアミド、N-(1-メチル)ウンデシルアクリルアミド、N-(1-メチル)ウンデシルメタクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミド、N-ドデシルメタクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-オクチルメタクリルアミド、N,N-ジオクチルアクリルアミド、N,N-ジオクチルメタクリルアミド、N-セチルアクリルアミド、N-セチルメタクリルアミド、N-ミリスチルアクリルアミド、N-ミリスチルメタクリルアミド、N-(2-エチル)ヘキシルアクリルアミド、N-(2-エチル)ヘキシルメタクリルアミドである。
コモノマーとして無水マレイン酸の場合、これをポリマー類似法(polymer-analogous manner)で開環によりN-アルキルアミンと反応させ、対応するアミドを得ることができる。
使用されるさらなるコモノマーB1-2は、C8-C30-アルコール、好ましくはC8-C18-アルコールとのモノエチレン性不飽和C3-C8-カルボン酸エステルである。
これに関して特に重要であるのは、鎖長が8〜18個の炭素原子の脂肪アルコールとのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルであり、この場合、アルキル基は、分枝状であっても非分枝状であってもよい。
これらの例としては、具体的には次のものが挙げられる:オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレート、ベヘニルアクリレート、オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オレイルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート。
さらなる成分B1-2として、長鎖脂肪族の飽和もしくは不飽和の非分枝状C8-C30-カルボン酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ネオデカン酸 (2,2,3,5-テトラメチルヘキサン酸)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸およびメリシン酸のビニルエステルを使用することができる。
さらに、共重合可能なモノマーB1-2として、C8-C30-アルキルビニルエーテル、好ましくはC8-C18-アルキルビニルエーテルが挙げられる。好ましいビニルエーテルのアルキル基としては、分枝状または非分枝状のC8-C18-アルキル鎖、例えば、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシルおよびn-オクタデシルが挙げられる。
特に好ましいモノマーB1-2は、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレートおよびビニルネオデカノエートである。
モノマーb)の割合は、好ましくは1〜25、最も好ましくは5〜15重量%である。
有用な追加のフリーラジカル共重合性モノマーB1-3としては、次のものを挙げることができる:3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸およびスルホン酸またはそれらの塩で、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ジメタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、アリル酢酸、クロトン酸、フマル酸、メサコン酸およびイタコン酸、ならびにアクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)。
このモノマーの群から、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、AMPSまたは前述の酸の混合物を使用する。
モノエチレン性不飽和カルボン酸は、遊離酸の形態で、無水物の形態で、さらには部分中和もしくは完全中和された形態で、共重合に使用することができる。好ましいのは、ナトリウム塩およびアンモニウム塩である。
好ましいコポリマーB1は、少なくとも1種のさらなる共重合性単量体B1-3を、好ましくは(コポリマー全体に対して)10重量%以下の割合で含む。
さらに好ましいコポリマーB1は、成分B1-2を1〜40重量%含む。
さらに好ましいコポリマーB1は、成分B1-2としてラウリルアクリレートおよび/またはミリスチルアクリレートを含み、特に成分B1-1としてのビニルピロリドンと成分B1-2としてのラウリルアクリレートおよび/またはミリスチルアクリレートを含む。
さらに好ましいビニルピロリドンコポリマーB1は、成分B1-2としてビニルネオデカノエートを含み、特に成分B1-1としてのビニルピロリドンと成分B1-2としてのビニルネオデカノエートとを含む。
群B2
ポリビニルラクタム-ポリビニルアセテートブロックコポリマーB2およびそれらの調製は、WO 2008/058848に記載されている。
好ましいのは、ポリビニルラクタムブロックがポリビニルピロリドンであるコポリマーB2である。
さらに好ましいのは、1000〜50,000、特に1000〜30,000の数平均分子量Mnを有するコポリマーB2である。
さらに好ましいのは、ポリビニルラクタム-ポリビニルアセテートブロックコポリマーがA-B、A-B-AまたはB-A-B構造を有するコポリマーB2である。
さらに好ましいのは、水溶性であるコポリマーB2である。
群B3
群B3のビニルラクタムコポリマーは公知であり、WO 2007/065845にそれらの調製とともに記載されている。
コポリマーB3は、N-ビニルラクタムを、ヒドロキシル基またはアミノ基を保有するか、加水分解によりヒドロキシル基またはアミノ基へ変換可能な基を含むモノオレフィン系不飽和コモノマーとフリーラジカル開始共重合を行い、次いで、ビニルラクタムコポリマーのアミノ基またはヒドロキシル基にポリアルキレンオキシド側鎖をカップリングさせることにより調製するのが好ましい。
好ましいのは、モノオレフィン系不飽和コモノマーとして、C2-C8-カルボン酸のビニルエステル、C2-C8-ジオールのモノビニルエーテル、ビニルアミド、ヒドロキシアルキルならびにアクリル酸のおよびメタクリル酸のアミノアルキルエステルからなる群から選択されるモノマーを含む、コポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、N-ビニルラクタムと酢酸ビニルをフリーラジカル開始共重合させ、続いてエステル基の加水分解を行うことにより得られるコポリマーB3である。
さらに好ましいのは、N-ビニルラクタムとしてN‐ビニルピロリドンを含むコポリマーB3である。
さらに好ましいのは、50〜99.9mol%のN-ビニルラクタムと0.1〜50mol%のコモノマーの反応により得ることができるコポリマーB3である。
さらに好ましいのは、80〜99mol%のN-ビニルラクタムと1〜20mol%のコモノマーの反応により得られるコポリマーB3である。
好ましいのは、1000〜50,000の分子量を有するコポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびそれらのモノアルコキシル化誘導体からなる群から選択されるコポリマーB3である。ただし、「モノアルコキシル化誘導体」という用語は、いかなるアラルキルモノエーテルも含まない。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシドとしてポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを含むコポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシド側鎖のカップリングがジイソシアネートを介して行われるコポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシドが、ジイソシアネートと反応させ、その後ビニルラクタムコポリマーと反応させることにより官能基化させる、コポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシドが、ビニルラクタムコポリマーのアミノ基またはヒドロキシル基に対して等モル量で使用されるコポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、使用するジイソシアネートがイソフォロンジイソシアネートである、コポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、ポリアルキレンオキシド側鎖のカップリングがアルキレンオキシドとの直接アルコキシル化による、コポリマーB3である。
好ましいのは、さらに、1000〜50,000g/molの分子量Mwを有するコポリマーB3である。
群B4
N-ビニルラクタムコポリマーB4およびそれらの調製は、WO 2008/064987に記載されている。
好ましいのは、90〜10重量%の成分B4-1と10〜40重量%の成分B4-2を含む(特に前記成分からなる)コポリマーB4である。
さらに好ましくは、成分B4-2が2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジンまたは2-ビニル-5-メチルピリジンを含む、コポリマーB4である。
特に好ましいのは、成分B4-1が1-ビニル-2-ピロリドンを含む、コポリマーB4である。
同様に好ましいのは、成分B4-1として1-ビニル-2-ピロリドンおよび成分B4-2として4-ビニルピリジンを含む(とりわけ、これらの成分からなる)、コポリマーB4である。
群B5
コポリマーB5およびその調製は、WO 2006/018135に記載されている。
さらに好ましくは、
B5-1 1〜50mol%の少なくとも1種のモノマーA
B5-2 50〜99mol%の少なくとも1種のモノマーB
B5-3 0〜5mol%の1種または複数の異なる二官能性架橋剤成分
B5-4 0〜4mol%の1種または複数の異なる調節剤、および、
B5-5 0〜49mol%の少なくとも1種のモノマーC
を重合することにより得ることができるコポリマーB5である(ここで、それぞれの成分の分子百分率は100mol%以下で加えなければならない)。
さらに好ましくは、
B5-1 1〜30mol%の少なくとも1種のモノマーA
B5-2 50〜99mol%の少なくとも1種のモノマーB
B5-3 0〜3mol%の1種または複数の異なる二官能性架橋剤成分
B5-4 0〜3mol%の1種または複数の異なる調節剤、および、
B5-5 0〜49mol%の少なくとも1種のモノマーC
を重合により得ることができるコポリマーB5である(ここで、それぞれの成分の分子百分率は100mol%以下で加えなければならない)。
さらに好ましいのは、
B5-1 1〜30mol%の少なくとも1種のモノマーA
B5-2 50〜99mol%の少なくとも1種のモノマーB
B5-3 0〜3mol%の1種または複数の異なる二官能性架橋剤成分、および、
B5-4 0〜3mol%の1種または複数の異なる調節剤、および、
B5-5 0〜49mol%の少なくとも1種のモノマーC
を重合することにより得ることができるコポリマーB5である(ここで、それぞれの成分の分子百分率は100mol%以下で加えなければならない)。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーAがモノマーB5-1の群から選択されるコポリマーB5である(ここで、R3およびR4はそれぞれHであり、R5はフェニルであり、nは1〜10の整数である)。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーBがN‐ビニルピロリドンおよびN-ビニルカプロラクタムの群から選択される、特にN‐ビニルピロリドンである、コポリマーB5である。
群C
ジイソシアネート(F)をベースとしたコポリマーおよびその調製は、WO 2008/065050に記載されている。
好ましくは、RCが式(IVa):
R6-O-(C2H4O)z- (IVa)
(式中、
R6は、Hxであるか、非分枝状または分枝状の飽和または不飽和C1-C40-アルキルであり、
zは、1〜100、好ましくは5〜100の整数である)
で表される化合物である、コポリマーFである。
さらに好ましくは、Rbが1,4-ブチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス(4,4'-イソシアナートシクロヘキシル)メタンまたは任意の所望の異性体含有量を有するそれらの混合物、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、4-イソシアナートメチル-1,8-オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアナート)、C1-C8-アルキル基を有するアルキル2,6-ジイソシアナートヘキサノエート(リジンジイソシアネート)、トルエン2,4-ジイソシアネート(TDI)、トルエン2,6-ジイソシアネート(TDI)またはそれらの混合物、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)および/または1,4-フェニレンジイソシアネート(PDI)から、特にトルエンジイソシアネートまたはイソフォロンジイソシアネートから誘導体化されるコポリマーCである。さらに好ましくは、Raが分枝状もしくは非分枝状のC6-C24-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、C1-C3-アルキル置換フェニル、ベンジル、C4-C12-アルコキシで置換されているC4-C6-アルキル、またはジ(C1-C4-アルキル)アミノで置換されているC1-C4-アルキルであるコポリマーCである。
群D
エチレン系不飽和ジカルボン酸モノ-およびジエステルをベースとしたコポリマーDおよびその調製は、WO 2008/064986に記載されている。
好ましいのは、成分D2のアルコール基(IV)において、nが0〜50であり、pが1〜60であるコポリマーDである。
さらに好ましいのは、R11が1、2、3または4個の同一であるか異なるC1-C20-アルキル基(特にノニルフェニル)で置換されているフェニル基である、コポリマーDである。
さらに好ましくは、成分D2が4〜8個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸のモノ-またはジエステル、特にマレイン酸モノ-またはジエステルである、コポリマーDである。
群E
N-ビニルアミドコポリマーEおよびその調製は、WO 2008/064987に記載されている。
好ましいのは、90〜10重量%の成分E1および10〜40重量%の成分E2を含む(とりわけ、前記成分からなる)コポリマーEである。
さらに好ましくは、成分E2が2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジンまたは2-ビニル-5-メチルピリジンを含むコポリマーEである。
同様に好ましいのは、成分E1としてのビニルアセトアミドおよび成分E2としての4-ビニルピリジンとを含むコポリマーE、特にこれらの成分からなるコポリマーEである。
群F
櫛型ポリマーFおよびその調製は、WO 2008/040786に記載されている。
好ましいのは、ポリ(C2-C4-アルキレンエーテル)オールを形成する反復単位の少なくとも50重量%が式CH2CH2Oを有する、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、ポリ(C2-C4-アルキレンエーテル)オールが200〜2000の範囲の分子量を有する、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、ポリ(C2-C4-アルキレンエーテル)オールがポリ-C2-C4-アルキレングリコールモノ-C1-C10-アルキルエーテルである、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーMbがモノエチレン系不飽和C3-C8-モノカルボン酸のポリ(C2-C4-アルキレンエーテル)オールとのエステルから選択され、特にアクリル酸の、およびメタクリル酸のポリ(C2-C4-アルキレンエーテル)オールとのエステルから選択される、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーMaがアクリル酸の、およびメタクリル酸のC1-C20-アルカノール、C5-C10-シクロアルカノール、フェニル-C1-C4-アルカノールまたはフェノキシ-C1-C4-アルカノールとのエステルから選択される、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーMbがモノマーMの全量に対して10〜90重量%を占める、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、少なくとも1種のモノマーMaがモノマーMの全量に対して10〜90重量%を占める、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、モノマーMが20℃で60g/Lよりも大きい水溶性を有する1種または複数のモノマーMcをさらに含む、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、モノマーMcがモノエチレン系不飽和C3-C8-モノカルボン酸およびモノエチレン系不飽和C4-C8-ジカルボン酸から選択される、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、モノマーMcがモノマーMの全量に対して5〜40重量%を占める、櫛型ポリマーFである。
さらに好ましくは、1000〜500,000の範囲の数平均分子量を有する櫛型ポリマーFである。
群G
コポリマーGおよびその調製は、EP-A 0 947 243に記載されている。
好ましいのは、式(VIII)のN-ビニルカルボキサミドがN-ビニルホルムアミドまたはN-ビニル-N-メチルアセトアミドである、コポリマーGである。
さらに好ましくは、モノマーG21およびG22が式(VIII)で表される化合物:
Figure 0005722311
(式中、
R17は水素原子またはメチル基であり、
R18はC8-C30-アルキル、C8-C30-シクロアルキルまたはC8-C30-アルケニルであり、
XはOまたはNR19であり、
R19はHまたはC1-C30-アルキルである)
から選択される、コポリマーGである。
さらに好ましくは、さらなる共重合性モノマーが次のものからから選択されるコポリマーGである:
G31 モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸
G32 モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸の脂肪族もしくは脂環式C1-C7-アルコール、C1-C4-ジオール、モノ-もしくはジ-C1-C4-アルキルアミノ C1-C4-アルコールとのエステル;
G33 C3-C8-カルボン酸モノエチレン系不飽和のアミド、モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸のモノ-またはジ-C1-C7-アルキルアミド;
G34 モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸のニトリル;
G35 N-ビニルラクタムおよびN-ビニルイミダゾール;
G36 スルホン酸基を有するモノエチレン系不飽和化合物;
G37 ホスホン酸基を有するモノエチレン系不飽和化合物;
G38 脂肪族または脂環式C1-C7-カルボン酸のビニルエステル;
G39 脂肪族および脂環式C1-C7-アルコールのビニルエーテル;
G310 ビニル芳香族化合物;
G311 アクリルアミドグリコール酸またはジアリルアンモニウムクロリド。
さらに好ましいのは、さらなる共重合性モノマーがアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、N‐ビニルピロリドンおよびN-ビニルカプロラクタムから選択される、コポリマーGである。
さらに好ましいのは、次のコポリマーGである:
G1 ビニルホルムアミドおよび/またはN-ビニル-N-メチルアセトアミド;
G2 12〜24個の炭素原子を有する脂肪アルコールの少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルおよび/または8〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のビニルエステル;および、
G3 場合により、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルピロリドンまたはN-ビニルカプロラクタム。
群H
コポリマーHおよびその調製は、WO 03/055944に記載されている。
好ましいのは、コモノマーH1がアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩および/またはアンモニウム塩を含む、コポリマーHである。
さらに好ましくは、マクロモノマーH2が式(IX):
R20-Y-(R21-O)x(R23-O)z-R22 (IX)
(式中、
R20は、ビニル、アリル、アクリロイル、メタクリロイル、セネシオニルまたはクロトニル基であり;
R21およびR23は、それぞれ独立して(C2-C4)-アルキレンであり、
xおよびzは、それぞれ独立して0〜500の整数であり、好ましくは、x+zが1以上である場合であり;
Yは、O、S、PHまたはNHであり、好ましくはOであり;
R22は、水素であるか、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状、脂肪族、脂環式または芳香族の(C1-C100)-炭化水素基、好ましくは(C1-C30)-炭化水素基である)
のものである、コポリマーH1である。
さらに好ましくは、
R20がアクリロイル基またはメタクリロイル基であり;
R21およびR23がそれぞれ独立してC2-アルキレンまたはC3-アルキレンであり;
xおよびzがそれぞれ独立して0〜50の整数であり、好ましくはx+zが1以上である場合であり;
R22が以下の、
脂肪族(C4-C22)-アルキルまたは-アルケニル基、好ましくは(C10-C22)-アルキルまたは-アルケニル基;
フェニル基;
(C1-C22)-アルキルフェニル基、好ましくは(sec-ブチル)-および(n-ブチル)アルキルフェニル基;
ポリ((C1-C22)アルキル)フェニル基、好ましくはトリス(sec-ブチル)フェニル基およびトリス(n-ブチル)フェニル基;または、
ポリスチリルフェニル基、好ましくはトリスチリルフェニル基
である、
コポリマーHである。
さらに好ましくは、R16基が2,4,6-トリス(sec-ブチル)フェニル基または2,4,6-トリス(1-フェニルエチル)フェニル基である、コポリマーHである。
さらに好ましくは、次のもののフリーラジカル共重合により得ることができるコポリマーHである:
H1. アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩および/またはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸のアンモニウム塩、好ましくはアクリルアミドプロピルメチレンスルホン酸(AMPS)のアンモニウム塩;
H2. メタクリル酸またはアクリル酸、好ましくはメタクリル酸と、式(X)の化合物:
HO-(CH2-CH2-O)x-R22 (X)
(式中、
xは0〜50、好ましくは1〜50、さらに好ましくは5〜30であり、
R22は(C10-C22)-アルキル基である)
とから形成されるエステルの群から選択される1種または複数のマクロモノマー、ならびに、
H3. 場合により、アクリルアミド、ビニルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、メタリルスルホネートナトリウム、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メタクリルアミド、酢酸ビニル、N‐ビニルピロリドン、ビニルホスホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸(ナトリウム塩)、t-ブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの群から選択される1種または複数のコモノマー。
さらに好ましくは、マクロモノマーK2がアクリル酸またはメタクリル酸と次の群:
8個のEO単位を含む(C10-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル;
8個のEO単位を含むC11-オキソアルコールポリグリコールエーテル、
7個のEO単位を含む(C12-C14)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
11個のEO単位を含む(C12-C14)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
8個のEO単位を含む(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
15個のEO単位を含む(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
11個のEO単位を含む(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
20個のEO単位を含む(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
25個のEO単位を含む(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
25個のEO単位を含む(C18-C22)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、
25個のEO単位を含むiso-(C16-C18)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル、および/または、
25個のEO単位を含むC22-脂肪アルコールポリグリコールエーテル
から選択されるアルキルエトキシレートから形成されるエステルである、コポリマーHである。
さらに好ましくは、ポリマーの数平均分子量が1000〜20,000,000g/mol、好ましくは、10,000〜5,000,000g/mol、特に好ましくは、15,000〜1,500,000g/molである、コポリマーHである。
さらに好ましくは、架橋結合コポリマーHである。
好ましいのは、群A(特にA1、A2および/またはA3)の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Bの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群B1の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群B2の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群B3の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群B4の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群B5の可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Cの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Dの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Eの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Fの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Gの可溶化剤の使用である。
さらにまた好ましいのは、群Hの可溶化剤の使用である。
特に好ましいのは、群A、特にA1、B、特にB1、B2、B3および/またはB5の可溶化剤の使用である。さらに特に好ましいのは、群A、特にA1、および/またはB1の可溶化剤の使用である。
特に非常に好ましいのは、可溶化剤A、特にA1の使用である。
好ましくは、1種の可溶化剤の使用である。
またさらに好ましいのは、2種以上の可溶化剤、特に2、3または4種の可溶化剤の混合物の使用である。好ましいのは、群A〜Hの1つからの可溶化剤のみを含む可溶化剤混合物である。さらにまた好ましいのは、群A〜Hの2つ以上からの2種以上の可溶化剤を含む可溶化剤混合物である。
活性成分(類)および可溶化剤(類)の(重量)比は、好ましくは1:1〜1:200、さらに好ましくは1:1〜1:20、最も好ましくは1:1〜1:10である。
好ましいのは、活性成分(類)および可溶化剤(類)が濃縮形態で存在し、これを施用にあたって好ましくは1:5000〜1:10、特に1:1000〜1:50の希釈係数で水により希釈する製剤の本発明による使用である。
これらの濃縮物は、好ましくは、活性成分(類)および可溶化剤(類)の混合物を(全濃縮物に対して)1〜75重量%で含む。
また、同様に活性成分の製剤を希釈し、次に、可溶化剤を加えることもでき、または、可溶化剤を含む水でこの製剤を希釈することができる。
本発明の一実施形態では、活性成分(類)(a)および可溶化剤(類)(b)だけでなく、1種または複数のアジュバント(c)が用いられる。第1に好ましいのは、WO 03/053345に記載されているアジュバントである。すなわち、次の群から選択される1種または複数の物質である:
Z1 トリスチリルアルキルエーテルサルフェートまたはホスフェート、例えば、2,4,6-トリス[1-(フェニル)エチル]フェニル-オメガ-ヒドロキシ-ポリ(オキシエチレン)サルフェート、これは、例えば、Soprohor(登録商標) 4D-384、Soprophor(登録商標) 30-33、Soprophor(登録商標) BSUおよびSoprophor(登録商標) 796IP (Rhodia製)として市販されている;
Z2 ペルフルオロアルキルエトキシレートをベースとした非イオン性界面活性剤(例えば、Fluowet(登録商標) OTV、Clariant製として入手できる);
Z3 83%のパラフィンをベースとした高精製石油系油分および17%のアルキルアリールポリオキシエチレングリコールの混合物(Drexel Activate Oil、Drexel Chemical Company製として入手できる);
Z4 ポリエーテルまたはオルガノ変性トリ-およびポリシロキサン、例えば、変性ポリシロキサンポリエーテル、例えば、Break Thru(登録商標) S240 (Evonik製)またはSilwet L-77 (Momentive製)として入手できる;
Z5 式:CH3CH[(CH2)nCH3][O(C2H4O)mH](式中、n=9〜15およびm=3〜40)で表されるアルキルオキシポリエチレンオキシエタノールの非イオン性界面活性剤混合物(Safe Materials, Inc.製のSM-9(登録商標)として入手できる)
Z6 100%の2-(3-ヒドロキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、エトキシ化アセテート、アリルオキシポリエチレングリコールモノアリルアセテートおよびポリエチレングリコールジアセテートのシリコーン界面活性剤混合物(Sylgard(登録商標) 309、Wilber-Ellis-Company製として入手できる);
Z7 第一級アルキルポリオキシエチレンエーテル、遊離脂肪酸およびアジュバントを含む生物分解性の低泡立性非イオン性界面活性剤(Aktivator 90(登録商標)、Laveland Industries, Inc.製として入手できる);
Z8 ダイズ系の脂肪酸およびアルコールエトキシレートの非イオン性界面活性剤混合物(Preference(登録商標) NIS、Cenex/Lan O'Lakes Agronomy Company製として入手できる);
Z9 58%のアンモニウムn-アルコールエーテルサルフェートを含むアニオン界面活性剤混合物(Rhodapex(登録商標) CO-436、Rhodia製として入手できる);
Z10 58%のアンモニウムノニルフェノールエーテルサルフェートを含むアニオン界面活性剤混合物(Rhodapex(登録商標) CE-128、Rhodia製として入手できる);
Z11 ポリアルキレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンおよび非イオン性界面活性剤の混合物(Thoroughbred(登録商標)、Estes Inc.製として入手できる);ならびに、
Z12 100%ポリオキシエチレン(10)-イソオクチルシクロヘキシルエーテルからなる非イオン系洗剤(Triton(登録商標) x-100、Aldrich Chemical Company製として入手できる)。
さらに好ましいのは、群Z13から選択されるアジュバント(c)としての化合物である:
Z13 アルコキシル化脂肪アルコールおよび/または脂肪酸(これらはそれぞれ、さらにエーテル化、スルホン化またはリン酸化されていてもよい)、例えば、Genapol(登録商標) XM 100もしくはGenapol(登録商標) 060、Clariant製、またはAlkamul(登録商標) BもしくはAlkamul(登録商標)、Rhodia製として入手できる。
好ましいのは、群Z1、Z4およびZ13、特にZ1およびZ4のアジュバントである。
本発明の一実施形態では、群Z1〜Z14の1種または複数のアジュバントを使用する。本発明のさらなる実施形態では、群Z1〜Z13、好ましくは群Z1〜Z12のアジュバントは使用しない。
群Z1〜Z13のアジュバントを使用する場合、これらは濃縮物に、さもなければ施用液にのみ加えることができる。施用液への添加は、例えば、可溶化剤の添加と同時であってもよい。
もし使用するならば、アジュバントZ1〜Z13の量は、好ましくは少なくとも半分、さらに好ましくは、使用される活性成分の量(g)と厳密には同じであり、また使用する活性成分の量(g)の50倍以下、好ましくは25倍以下、さらに好ましくは20倍以下である。
活性成分(a)、可溶化剤(類)(b)および適切な場合にはアジュバント(c)だけでなく、活性成分組成物(すなわち、稀釈により得られる製剤および水性施用形態)は、成分(d)として、それに関して慣用の量の慣用の補助剤を含んでいてもよい。
これらの例としては、例えば、レオロジー改質剤(増粘剤)、消泡剤、殺菌剤、不凍剤、pH調節剤、安定剤および可塑剤が挙げられる。
好適な増粘剤は、水性組成物に偽塑性流動特性(すなわち、静止状態での高粘性および動的状態で低粘性)を付与する化合物である。ここでの例としては、多糖類、例えばキサンタン(Kelzan(登録商標)、Kelco製;Rhodopol(登録商標) 23、Rhone Poulenc製;またはVeegum(登録商標)、R.T. Vanderbilt製)、および無機層状鉱物、例えばAttaclay(登録商標)(Engelhardt製)またはVan Gel B (R.T. Vanderbilt製)を挙げることができる。
好適な安定剤は、低分子量成分、例えばモノ-およびジグリセリド、モノグリセリドのエステル、アルキルグルコシド、レシチン、尿素の脂肪酸誘導体およびウレタンであってもよい。
好適な可塑剤は、スクロース、グルコース、ラクトース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールまたはグリセロールである。
本発明に係る組成物に適する有用な消泡剤の例としては、シリコンエマルジョン(例えばSilicon(登録商標) SRE、Wacker製またはRhodorsil(登録商標)、Rhodia製)、長鎖アルコール、脂肪酸およびそれらの混合物が挙げられる。
殺菌剤は、微生物の侵入に対する安定化を目的として本発明に係る組成物に加えることができる。これらは、典型的にはイソチアゾロン(isothiazolone)化合物であり、例えば、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチルイソチアゾール-3-オン、2-メチルイソチアゾール-3-オンまたは2-オクチルイソチアゾール-3-オンであって、例えば、商標名Proxel(登録商標)、Arch Chemical Inc.製、Acticide(登録商標) RS、Thor Chemie製およびKathon(登録商標) MK、Rohm & Haas製を利用することができる。
好適な不凍剤は、有機ポリオール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールである。これらは、水性製剤中で、水性活性成分製剤の全重量に対して典型的には20重量%以下の量で、例えば1〜20重量%、特に2〜10重量%で使用する。
適切な場合、活性成分組成物は、製剤または希釈施用形態のpHを調整するためのpH調節剤を、調製する製剤の全量に対して0.1〜5重量%を含んでいてもよい。使用する調節剤の量およびタイプは、活性成分および可溶化剤の化学的性質ならびに量により決定される。バッファーの例としては弱無機酸または有機酸、例えばリン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸およびコハク酸のアルカリ金属塩がある。
慣用の界面活性剤の例としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性もしくは両性イオンの乳化剤、湿潤剤、または分散剤(以下に記載する)であり、例えば、群b1)〜b15)の非イオン性物質
b1) 例えば、好ましくは1〜60個のアルキレンオキシド単位で、好ましくは1〜60個のEOおよび/または1〜30個のPOおよび/または1〜15個のBOで、任意の所望の順序でアルコキシル化されていてもよい脂肪族C8-C30-アルコール。これに関し、EOはエチレンオキシドから誘導される反復単位を表し、POはプロピレンオキシドから誘導されるものを表し、BOはブチレンオキサイドから誘導されるものを表す。これらの化合物の末端ヒドロキシル基は、1〜24個、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基またはアシル基で保護されている(capped)末端基であってもよい。こうした化合物の例は次のとおりである:Genapol(登録商標)C, L, O, T, UD, UDD, Xの製品、Clariant製、Plurafac(登録商標)およびLutensol(登録商標)A, AT, ON, TO, Mの製品、BASF SE製、Marlipal(登録商標)24および013の製品、Condea製、Dehypon(登録商標)の製品、Henkel製、Ethylan(登録商標)の製品、Akzo-Nobel製、例えばEthylan CD 120;
b2) EO、POおよび/またはBO単位からなるコポリマー、特にEO/POブロックコポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)の製品、BASF SE製、および400〜106ダルトンの分子量を有するUniqema製のSynperonic(登録商標)の製品、さらにC1-C9アルコールのアルキレンオキシド付加物、例えばAtlox(登録商標)5000、Uniqema製またはHoe(登録商標)-S3510、Clariant製;
b3) 脂肪酸およびトリグリセリドアルコキシレート、例えばSerdox(登録商標)NOGの製品、Condea製、およびアルコキシル化植物油、例えば、ダイズ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、アマニ油、ヤシ油、パーム油、サフラワー油、クルミ油、落花生油、オリーブ油またはヒマシ油、特にナタネ油であり、例えば、Emulsogen(登録商標)の製品、Clariant製;
b4) 脂肪酸アミドアルコキシレート、例えばComperlan(登録商標)の製品、Henkel製、またはAmam(登録商標)の製品、Rhodia製;
b5) アルキンジオールのアルキレンオキシド付加物、例えばSurfynol(登録商標)の製品、Air Products製、糖誘導体、例えばClariant製のアミノ糖およびアミド糖、Clariant製のGlukitole、Henkel製のAPG(登録商標)製品の形態のアルキルポリグリコシド、または例えばSpan(登録商標)もしくはTween(登録商標)製品、Uniqema製の形態のソルビタンエステル、またはWacker製のシクロデキストリンエステルまたはエーテル;
b6) 界面活性セルロースならびにアルギン、ペクチンおよびグア誘導体、例えば、Clariant製のTylose(登録商標)製品、Kelco製のManutex(登録商標)製品およびCesalpina製のグア誘導体;
b7) ポリオール系アルキレンオキシド付加物、例えばClariant製のPolyglykol(登録商標)製品;
b8) Clariant製の界面活性ポリグリセリドおよびその誘導体;
b9) 糖型界面活性剤、例えば、アルコキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシドおよびそのアルコキシル化誘導体;
b10) 脂肪アミンのアルキレンオキシド付加物;
b11) シリコーンまたはシラン系界面活性化合物、例えば、Goldschmidt製のTegopren(登録商標)製品およびWacker製のSE(登録商標)製品、ならびにRhodia(Dow Corning、Reliance、GE、Bayer)製のBevaloid(登録商標)、Rhodorsil(登録商標)およびSilcolapse(登録商標)の製品;
b12) 界面活性スルホンアミド、例えば、Lanxess製のもの;
b13) 中性界面活性ポリビニル化合物、例えば、変性ポリビニルピロリドン、例えばBASF製のLuviskol(登録商標)製品およびISP製のAgrimer(登録商標)製品、あるいは誘導体化されたポリビニルアセテート、例えばClariant製のMowilith(登録商標)製品、またはブチレート、例えば、BASF製のLutonal(登録商標)製品、Wacker製のVinnapas(登録商標)およびPioloform(登録商標)製品、または変性ポリビニルアルコール、例えばClariant製のMowiol(登録商標)製品、さらにモンタン、ポリエチレンおよびポリプロピレンワックスの界面活性型誘導体、例えば、BASF製のLuwax(登録商標)製品またはClariant製のLicowet(登録商標)製品;
b14) ポリ−又はペルハロゲン化ホスホネートおよびホスフィネート、例えばClariant製のFluowet(登録商標)-PL;
b15) ポリ−またはペル−ハロゲン化中性界面活性剤、例えば、Clariant製のEmulsogen(登録商標)-1557;
b16) (ポリ)アルコキシル化(特にポリエトキシル化)芳香族化合物、例えば(ポリ)アルコキシル化フェノール[=フェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]、例えば、(ポリ)アルキレンオキシ部分に1〜50個のアルキレンオキシ単位を有し、アルキレン部分が好ましくは各部分で2〜4個の炭素原子を有しているもの、好ましくは3〜10モルのアルキレンオキシドと反応させたフェノール、(ポリ)アルキルフェノールアルコキシレート[=ポリアルキルフェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]、例えば、アルキル基当たり1〜12個の炭素原子を有し、ポリアルキレンオキシ部分に1〜150個のアルキレンオキシ単位を有しているもの、好ましくは1〜50モルのエチレンオキシドと反応させたトリ(n−ブチル)フェノールまたはトリイソブチルフェノール、ポリアリールフェノールまたはポリアリールフェノールアルコキシレート[=ポリアリールフェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル]、例えば、ポリアルキレンオキシ部分に1〜150個のアルキレンオキシ単位を有するトリスチリルフェノールポリアルキレングリコールエーテル、好ましくは1〜50モルのエチレンオキシドと反応させたトリスチリルフェノール、さらにはそのホルムアルデヒドとの縮合物。これらの中で好ましいのは、4〜10モルのエチレンオキシドと反応させたアルキルフェノール、例えば、Agrisol(登録商標)製品(Akcros製)の形態で販売されているもの、4〜50モルのエチレンオキシドと反応させたトリイソブチルフェノール、例えば、Sapogenat(登録商標)T製品(Clariant製)の形態で販売されているもの)、4〜50モルのエチレンオキシドと反応させたノニルフェノール、例えば、Arkopal(登録商標)製品(Clariant製)の形態で販売されているもの、または4〜150モルのエチレンオキシドと反応させたトリスチリルフェノール、例えば、Soprophor(登録商標)シリーズからのもの、例えばSoprophor(登録商標)FLまたはSoprophor(登録商標) CY/8(Rhodia製);
群b17)〜b23)のアニオン性物質:
b17) b1)に記載されている物質のエーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェート(=硫酸モノエステル)およびホスフェート(リン酸モノ−またはジエステル)の形態であるb1)に記載した製品のアニオン性誘導体、ならびにその無機塩(例えば、NH4 +、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩)およびその有機塩(例えば、アミン系またはアルカノールアミン系)、例えば、Clariant製のGenapol(登録商標)LRO、Sandopan(登録商標)製品、Hostaphat/Hordaphos(登録商標)製品;
b18) b17)に記載されている物質のエーテルカルボキシレート、スルホネート、スルフェート(=硫酸モノエステル)およびホスフェート(リン酸モノ−またはジエステル)の形態であるb17)に記載の製品のアニオン性誘導体、例えば2〜10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されているC1-C16-アルキルフェノールの酸性リン酸エステル、例えば3モルもしくは9モルのエチレンオキシドと反応させたノニルフェノールの酸性リン酸エステル、および20モルのエチレンオキシドと1モルのトリスチリルフェノールとの反応生成物のトリエタノールアミンで中和されたリン酸エステル;
b19) ベンゼンスルホネート、例えばアルキル−またはアリールベンゼンスルホネート、例えば酸性(ポリ)アルキル−および(ポリ)アリールベンゼンスルホネートならびに適切な塩基で中和されているもの、例えば1アルキル基当たり1〜12個の炭素原子を有しているもの、またはポリアリール基中に3個のスチレン単位を有しているもの、好ましくは(線状)ドデシルベンゼンスルホン酸およびその油溶性の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩またはイソプロピルアンモニウム塩、ならびに酸性(線状)ドデシルベンゼンスルホネート、例えば、Marlon(登録商標)製品(Sasol製)の形態で販売されているもの);
b20) リグノスルホネート、例えばナトリウム、カルシウムまたはアンモニウムリグノスルホネート、例えば、Ufoxane(登録商標)3A、Borresperse AM(登録商標)320またはBorresperse(登録商標)NA;
b21 アリールスルホン酸(例えばフェノールスルホン酸またはナフタレンスルホン酸)とホルムアルデヒドおよび場合によっては尿素(特にはその塩、特にアルカリ金属塩およびカルシウム塩)との縮合生成物、例えば、BASF SE製のTamol(登録商標)およびWettol(登録商標)という商品名で販売されているもの、例えばWettol(登録商標)D1;
b22) 脂肪族、環式脂肪族およびオレフィンカルボン酸およびポリカルボン酸の塩、ならびにα−スルホ脂肪酸エステル、例えばHenkel製で入手可能なもの;
b23) アルカンスルホネート、パラフィンスルホネートおよびオレフィンスルホネート、例えば、Clariant製のNetzer IS(登録商標)、Hoe(登録商標)S1728、Hostapur(登録商標)OS、Hostapur(登録商標)SAS;
さらに、群b24)およびb25)のカチオン性および両性イオンの製品:
b24) 8〜22個の炭素原子を有する(C8-C22)四級アンモニウム化合物、例えば、Clariant製のGenamin(登録商標)C、L、O、T製品;
b25) 界面活性両性イオン化合物、例えば、Evonik製のTegotain(登録商標)製品、Clariant製のHostapon(登録商標)TおよびArkopon(登録商標)T製品の形態にあるタウリド、ベタインおよびスルホベタイン。
アルキレンオキシ単位の中では、エチレンオキシ、プロピレンオキシおよびブチレンオキシ単位、特にはエチレンオキシ単位、ならびにエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物が好ましいる。「アルコキシル化」という用語は、界面活性物質がポリアルキレンエーテル基、特にポリ-C2-C4-アルキレンエーテル基、とりわけポリ-C2-C3-アルキレンエーテル基を有していることを意味する。
好ましい実施形態では、本発明に従って用いられる活性成分および可溶化剤は、製剤(すなわち濃縮形態で)の形態で存在する。本発明に関する製剤は、少なくとも10g/L(好ましくは少なくとも50g/L)の濃度で本発明に係る活性成分(類)を含む。好適な製剤は、例えば、液剤(SL、LS)、分散剤(DC)、乳剤(EC)、エマルション剤(EW、EO、ES、ME)、フロアブル剤(SC、OD、FS)、サスポエマルション剤(SE)または顆粒水和剤および顆粒水溶剤(WG、SG)、粉末水和剤および粉末水溶剤(WP、SP、SS、WS)またはゲル剤(GF)である。本組成物は、好ましくは、液剤(SL)、乳剤(EC)、フロアブル剤(SC)、顆粒水和剤および顆粒水溶剤(WG、SG)または分散剤(DC)、水中油型エマルションもしくはマイクロエマルションの形態をしている。
本製剤は、通常、使用前に希釈される。有用な希釈剤は、水だけでなく、中〜高沸点の鉱油画分、例えばケロセンまたはディーゼルオイル、さらにはコールタールオイル、および植物または動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンもしくはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、高極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドまたはN-メチルピロリドンである。好ましいのは、水または水性の系である。また、希釈段階で可溶化剤を加えることもできる。この実施形態では、本発明に係る使用は、タンク混合の形態である。
水性の系とは、純水、または緩衝系もしくは塩もしくはさらなる添加剤(例えば水混和性溶媒)を含む水、またはそれらの混合物を意味するものと理解されたい。水性の系のpHは、一般に、2〜13、好ましくは3〜12、さらに好ましくは4〜10の範囲である。
適切な場合、希釈組成物は、pH調整用に生産された製剤の全量に対して0.1〜5重量%のバッファーを含んでいてもよい。使用するバッファーの量およびタイプは、特定の活性成分または活性成分類の化学的性質により決まる。バッファーの例は、弱無機酸または有機酸、例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸およびコハク酸のアルカリ金属塩である。
希釈組成物(好ましくは水性の施用形態)は、典型的には、スプレーまたは噴霧することにより施用される。タンク混合の施用直前に、各種タイプの油、湿潤剤、アジュバント、さらなる活性成分(例えば除草剤、殺細菌剤または殺真菌剤)を加えることもできる。これらの薬剤は、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で本発明に係る組成物に加えることができる。タンク混合における防蟻剤濃度は、比較的広い範囲で変わる可能性がある。
好ましい実施形態では、活性殺虫成分およびポリマー可溶化剤は、SL製剤として用いられる。定義によれば、SL製剤は、活性成分(類)を含み、適切な場合には、好適な溶媒に溶解させたさらなる補助剤を含み、透明または乳白色の液体として存在する、水溶性濃縮物である。これらは、噴霧液で稀釈した後であっても、水中で活性成分の真溶液を形成することを特徴とする(FAO&WHO Specification for Pesticides (March 2006))。
さらに好ましいのは、WG、SC、EW、MEまたはDC製剤としての使用である。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、活性成分、ポリマー可溶化剤および任意のアジュバントの組み合わせは、タンク混合として用いられる。すなわち、ポリマー可溶化剤および/または任意のアジュバントは、水性施用形態(噴霧液)の段階でのみ加えられる。
本発明に従って用いられる製剤またはタンク混合、およびそれらから得られる水性施用形態は、使用する難溶性防蟻剤の土壌移動性を増強することを示す。従って、これらは、例えば材料および建造物または植物の保護において、土壌生息害虫の防除に適している。さらに好ましくは、本発明に係る製剤は、シロアリ、アリおよび線虫の防除に、特にシロアリの防除に適している。
したがって、本発明は、土壌に生息する無脊椎動物害虫の防除方法であって、
a) 少なくとも1種の難溶性の活性殺虫成分、特にフィプロニルと、
b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、また、上記で明示した可溶化剤A(特にA1、A2および/またはA3)、B1、B3、B5、GおよびHの群から選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤とを、
水性施用形態中、重量比(a:b)≦1で、害虫が利用している土壌に、または土壌中に施用する、防除方法も提供する。
好ましい実施形態では、害虫はアリである。
さらなる好ましい実施形態では、テンサイ作物が土壌上に存在する。
さらに特に好ましい実施形態では、害虫はアリであり、かつ、テンサイ作物は土壌上に存在する。
さらなる好ましい実施形態では、害虫は線虫である。
さらに本発明は、シロアリの防除方法であって、
a) 少なくとも1種の難溶性の活性殺虫成分、特にフィプロニルと、
b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、また、上記で明示した可溶化剤A(特にA1、A2、A3)、B1、B3、B4、C、D、E、F、GおよびH、好ましくはA(特にA1、A2、A3)、B1、B3およびB5、さらに好ましくはA(特にA1)およびB1の群から選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤とを、
水性施用形態中、重量比(a:b)≦1で、シロアリが利用している土壌に、または土壌中に施用する、防除方法も提供する。
好ましい実施形態では、土壌は建造物下の土壌、または建造物の周囲半径10m以内の土壌である。
シロアリからの建造物の保護において、一部の国々の法的要求事項は、特定の幅および深さの溝で防蟻剤を施用することを定めている。例えば米国では、通常、6×6インチ(15.24×15.24cm)の大きさの溝が規定されている。
本発明に係る活性防蟻剤成分の土壌移動性の増加により、より寸法の小さい溝中に防蟻剤を施用することができ、あるいは、土壌に直接施用することができる。適切な場合、使用する水の量を減らすために、より高濃度の散布溶液も使用することができる。本発明による方法のさらに特に好ましい実施形態では、これはシロアリから建造物を保護するために実施され、また防蟻剤(特にフィプロニル)は、深さが3インチ(7.62cm)未満の溝の中で、好ましくは深さが3〜1インチ(7.62〜2.54cm)の溝の中で、シロアリが利用している土壌に施用される。さらに好ましいのは、水性施用形態中の活性防蟻剤成分の濃度が少なくとも1000ppm、好ましくは少なくとも1250ppmである施用形態である。
上記の方法で好ましいのは、フィプロニル、ピレスロイド、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ピリプロキシフェンおよびテブフェノジドの群から選択される難溶性殺虫剤の使用である。
好ましい防蟻剤は、フィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンである。特に好ましいのは、フィプロニル、アルファシペルメトリン、ビフェントリン、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シフルスリン、シペルメトリン、シアントラニリプロール、デルタメトリン、エトフェンプロックス、ヒドラメチルノン、インドキサカルブ、メタフルミゾンおよびペルメトリンである。極めて特に好ましいのは、フィプロニル、アルファシペルメトリン、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シアントラニリプロール、デルタメトリン、ヒドラメチルノン、インドキサカルブおよびメタフルミゾンである。フィプロニルが特に好ましい。
好ましい可溶化剤(類)は、群A(特にA1、A2および/またはA3)、B1およびB3および/またはB5のポリマーであり、さらに好ましくはA(特にA1)および/またはB1である。
また好ましいのは、好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい、とりわけ好ましい活性成分の適切な可溶化剤(類)との組み合わせである。
好ましいのは、製剤として活性成分、ポリマー可溶化剤、適切な場合にはアジュバントを使用することである。同様に好ましくは、ポリマー可溶化剤を、適切な場合にはアジュバントとともに、水性施用形態にタンク混合として加える。
特に好ましいのは、フィプロニル(a)と、群A(特にA1、A2および/もしくはA3)ならびに/またはB1の少なくとも1種の可溶化剤(b)との組み合わせである。
本発明に係る方法は、好ましくはシロアリ(等翅目)、好ましくは土壌シロアリ、特にヤマトシロアリ属、例えば、次の種:レチクリテルメス・フラビペス(R. flavipes)、レチクリテルメス・バージニカス(R. virginicus)、レチクリテルメス・ハジェニ(R. hageni)、レチクリテルメス・ヘスペルス(R. Hesperus)、レチクリテルメス・オカナガネンシス(R. okanaganensis)、レチクリテルメス・マレテイ(R. malletei)、レチクリテルメス・フィビアリス(R. fibialis);レチクリテルメス・グラッセイ(R. grassei)、レチクリテルメス・バニウレンシス(R. banyulensis)、レチクリテルメス・バルカネンシス(R. balkanensis)およびレチクリテルメス・ウルビス(R.urbis);イエシロアリ(コプトテルメス(Coptotermes))属、例えば次の種:C. テスタコイス(C. testaceus)、C. ゲストロイ(C. gestroi)およびC. ホルモサヌス(C.formosanus);ヘテロテルメス(Heterotermes)属、例えば次の種:ヘテロテルメス・オーレウス(H. aureus)、ヘテロテルメス・テヌイス(H. tenuis)、ヘテロテルメス・コンベキシノタツス(H. convexinotatus)およびヘテロテルメス・カルジニ(H.cardini);さらに乾燥木材シロアリ、特にインシシテルメス(Incisitermes)属のもの、とりわけ次の種:インシシテルメス・スニデリ(I. snyderi)およびアメリカカンザイシロアリ(I. minor);およびクリプトテルメス(Cryptotermes)属、とりわけ次の種:クリプトテルメス・ブレビス(C. brevis)およびクリプトテルメス・カビフロンス(C.cavifrons)の防除に好適である。
本発明に従って防除可能なアリは、例えば、アッタ(Atta)属のもの、例えば、ハキリアリ(Atta cephalotes)、アッタ・カピグラ(Atta capigura)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・ラエビガタ(Atta laevigata)、アッタ・ロブスタ(Atta robusta)、チャイロハキリアリ(アッタ・セキスデンス(Atta sexdens))、テキサスハキリアリ(アッタ・テキサナ(Atta texana));クレマトガステル(Crematogaster)属のもの;ラシウス(Lasius)属のもの;モノリウム(Monorium)属のもの、例えば、モノリウム・ファラオニス(Monorium pharaonis)、ソレノプシス(Solenopsis)属のもの、例えば、アカカミアリソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminate)、ヒアリソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri)、ソレノプシス・キシロニ(Solenopsis xyloni);収穫アリ(ポゴノミルメキス(Pogonomyrmex))属のもの、例えば、アカシュウカクアリ(ポゴノミルメキス・バルバツス(Pogonomyrmex barbatus))、ポゴノミルメキス・カリホルニクス(Pogonomyrmex californicus);フェイドール(Pheidole)属のもの、例えば、ツヤオオヅアリ(フェイドール・メガセファラ(Pheidole megacephala))、ダシムチラ(Dasymutilla)属のもの、例えば、ダシムチラ・オッシデンタリス(Dasymutilla occidentalis);カンポノツス(Camponotus)属のもの、例えば、カンポノツス・フロリダヌス(Camponotus floridanus);ならびにリネピテマ(Linepithema)属のもの、例えばアルゼンチンアリ(リネピテマ・フミル(Linepithema humile))である。
本発明に従って防除可能な植物線虫は、例えば、アングニナ属の種(Angunina spp.)、アフェレンコイデス属の種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属の種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属の種(Bursaphelenchus spp.)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属の種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属の種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属の種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属の種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属の種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属の種(Pratylenchus spp.)、ラダホルス・シミリス(Radapholus similis)、ロチレンカス属の種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属の種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属の種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属の種(Tylenchulus spp.),ミカンネセンチュウ(チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans))およびキシフィネマ属の種(Xiphinema spp.)である。
本発明に従って使用される製剤の一部は公知であり、またそれらの一部は新規である。
また、本発明は、
a) フィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンの群から選択される1種または複数の活性成分と、
b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、上記の群A1、B1、B3、B5、GおよびHから選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤
とを重量比(a:b)≦1で含む、製剤(F1)も提供する。
好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい、またとりわけ好ましい活性成分(a)は、本発明の方法でいずれの場合にも指定されるものである。
好ましい可溶化剤(類)(b)は、成分A1、B1、B3および/またはB5、さらに好ましくはA1の群から選択されるポリマーである。
さらに好ましくは、活性成分(類)とポリマー可溶化剤(類)の(重量)比は、1:1〜1:20、さらに好ましくは1:1〜1:10、最も好ましくは1:1〜1:8である。
本発明の一実施形態では、本製剤は、活性成分(類)および可溶化剤(類)だけでなく、群Z1〜Z13から選択される1種または複数の上記アジュバントを含む。さらなる好ましい実施形態では、製剤(F1)は、群Z1〜Z13、好ましくはZ1〜Z12から選択されるアジュバントは含まない。
製剤(F1)は、好ましくはSL製剤である。同様に好ましくは、製剤(F1)は、WG、SC、ME、EWまたはDC製剤である。
また本発明は、
a) フィプロニルと、
b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、上記の群A〜Hから選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤
とを重量比(a:b)≦1で含む、SL、SC、WGまたはDC製剤、好ましくはSLまたはDC製剤、特にSL製剤(F2)を提供する。
好ましい可溶化剤(b)は、群A(A1、A2、A3)、B1、B2、B3および/またはB5、さらに好ましくはA(A1、A2、A3)および/またはB1、特にA(好ましくはA1)の化合物である。
活性成分(類)と可溶化剤(類)の(重量)比は、好ましくは1:1〜1:20、さらに好ましくは1:1〜1:10、最も好ましくは1:1〜1:8である。
本発明の一実施形態では、本製剤(F2)は、活性成分(類)および可溶化剤(類)だけでなく、群Z1〜Z13から選択される1種または複数の上記アジュバントを含む。さらなる好ましい実施形態では、本SL製剤(F2)は、群Z1〜Z13、好ましくはZ1〜Z12から選択されるアジュバントは含まない。
さらに本発明は、
a) フィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンの群から選択される1種または複数の活性成分と、
b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、上記の群A〜Hから選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤
とを重量比(a:b)≦1で含み、また、
c) 群Z1〜Z13、好ましくはZ1〜Z12)から選択される1種または複数の上記アジュバントを含む、
製剤(F3)を提供する。
好ましい、特に好ましい、極めて特に好ましい、またとりわけ好ましい活性成分(a)は、本発明の方法でいずれの場合にも指定されるものである。
好ましい可溶化剤(類)(b)は、群A1(特にA1、A2、A3)、B1、B2、B3および/またはB5、さらに好ましくはA(特にA1、A2、A3)および/またはB1、とりわけA(特にA1)の群から選択されるポリマーである。
活性成分(類)と可溶化剤(類)の(重量)比は、好ましくは1:1〜1:20、さらに好ましくは1:1〜1:10、最も好ましくは1:1〜1:8である。
好ましいのは、活性成分(類)および可溶化剤(類)が濃縮形態で存在し、施用時に水で、好ましくは1:3000〜1:10、特に1:1000〜1:50の希釈係数に希釈される、WG、SC、DC、SC、MEまたはEW製剤である。
本発明の好ましい実施形態では、本製剤F3は、群Z1、Z4および/またはZ13、特にZ1および/またはZ4から選択される1種または複数の上記アジュバントを含む。
本発明に係る製剤F1、F2、F3は、好ましくは、本発明による方法で使用するのに好適である。
特に可溶化剤A〜Hの記載に関して、以下の文献をここに参照する。これらは、参照により本明細書の一部を形成するものとする:WO 2009/021986 (A)、欧州特許出願 EP 09159881.3 (A1)、WO 2007/125028 (A2)、WO 2006/087227 (A3)、WO 99/27916 (B1)、WO 2007/017452 (B1)、WO 2008/064990 (B1)、WO 2008/058848 (B2)、WO 2007/065845 (B3)、WO 2008/064987 (B4) (E)、WO 2006/018135 (B5)、WO 2008/065050 (C)、WO 2008/064986 (D)、WO 2008/040786 (F)、EP-A 0 947 243 (G)、およびWO 03/055944 (H)。
本発明を実施例により詳細に説明するが、これらに制限されるものではない。
略語
AIBN:アゾビス(イソブチロニトリル)
AMPS:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸
DBTL:ジブチルスズジラウレート
IP:イソプロパノール
IPDI:イソフォロンジイソシアネート
IT:内部温度
LA:ラウリルアクリレート
MA:無水マレイン酸
NaA:アクリル酸ナトリウム
PEGMEMA 475:ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(M=475g/mol)
S:スチレン
T:供給時間
TBPPiv:t-ブチルパーピバレート
TMP × 15.7 PO:トリメチロールプロパンと15.7モル過剰量のプロピレンオキシドとの反応生成物
VP:ビニルピロリドン
使用材料
a) 活性防蟻剤成分
フィプロニルは、市販のSC製剤としてTermidor(登録商標)(96g/Lのフィプロニル含有、BASF SE)を使用するか、純度約90%の工業用等級活性成分として使用した。
b) 可溶化剤
群B1の可溶化剤:
Figure 0005722311
群Dの可溶化剤:
S7:MA/S (50:50 mol%)、50%のMA単位がC13脂肪アルコールアルコキシレートでエステル化されているもの。
群A(A1)の可溶化剤:
可溶化剤S8 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンと15.7モル過剰量のPEG鎖で官能化されているプロピレンオキシド(官能化の程度100%)との反応生成物をベースとする超分枝ポリカーボネート)
可溶化剤S9 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンと15.7モル過剰量の櫛型PVP-co-Pラウリルアクリレート(Plauryl acrylate)-co-PEGMEMAコポリマーで官能化されているプロピレンオキシド(官能化の程度50%)との反応生成物をベースとする超分枝ポリカーボネート)
可溶化剤S10 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンと15.7モル過剰量のPEG-b-ポリカプロラクトンブロックコポリマーで官能化されているプロピレンオキシド(官能化の程度100%)の反応生成物をベースとする超分枝ポリカーボネートコア)
c) アジュバント
Soprophore 4D384:
Figure 0005722311
Break Thru(登録商標) S 240 (Evonik):変性ポリシロキサンポリエーテルをベースとする非イオン性界面活性剤
可溶化剤に関する合成実施例
実施例1 可溶化剤S1 (N-ビニルピロリドン/ラウリルアクリレートコポリマー[90/10重量%]
初期充填物(350gのイソプロパノール、10gのN‐ビニルピロリドン)に窒素を供給し、内部リアクター温度を80℃に加熱した。次に、供給原料1〜3の添加を開始した。供給原料1(400gのイソプロパノール、40gのラウリルアクリレート)を5.5時間以内で加え、供給原料2(300gのイソプロパノール、350gのNビニルピロリドン)を6時間以内で加え、供給原料3(19gのε-ブチルパーピバレート75%、100gのイソプロパノール)を6.5時間以内で加えた。さらにこの混合物を2時間後重合させた。次に、イソプロパノールを留去し、反応混合物を水蒸気蒸留に付した。蒸留後、ポリマー溶液を200gの水で希釈した。
これにより、K値が14、モル質量Mnが4400g/mol、MWが7600g/molのポリマーが得られた。
同様に、可溶化剤S2およびS3を調製した:
S2:80gのラウリルアクリレートおよび310gのN‐ビニルピロリドンを含む供給原料2
Mn = 2500 g/molおよびMW = 5000 g/mol、K値 = 12
S3:120gのラウリルアクリレートおよび270gのN‐ビニルピロリドンを含む供給原料2
Mn = 1300 g/molおよびMW = 2900 g/mol、K値 = 7
実施例2 可溶化剤S4 (VP/LA/アクリル酸ナトリウムコポリマー[78/20/2])
初期充填物(19.13gの供給原料1)に窒素を供給し、内部リアクター温度を80℃に加熱した。次に、供給原料1〜4の添加を開始した。供給原料1(400gのイソプロパノール、80gのラウリルアクリレート)を5.5時間以内で加え、供給原料2(300gのイソプロパノール、312gのVP)および供給原料3(50gのH2O、21gの37.5重量%アクリル酸ナトリウム)を6時間以内で加え、供給原料4(100gのイソプロパノール、19gのt-ブチルパーピバレート)を6.5時間以内で加えた。さらにこの混合物を2時間後重合させた。次に、イソプロパノールを留去し、反応混合物を水蒸気蒸留に付した。蒸留後、ポリマー溶液を200gの水で希釈した。
これにより、K値が12でモル質量Mnが2300g/molのポリマーが得られた。
可溶化剤S5を同様に調製した:
S5 (VP/LA/NaAの[70/20/10])コポリマー
280gのVPと105gの37.5重量%アクリル酸ナトリウム溶液を用いて、実施例2と同様にして行った。これにより、K値が12でモル質量Mnが2100g/molのポリマーが得られた。
実施例3 可溶化剤S6 (VP/LA/AMPS-Na/NaA 76:20:2:2)
初期充填物(250gのイソプロパノール、25gのN-ビニルピロリドン、25gのラウリルアクリレート)に窒素を供給し、内部リアクター温度を75℃に加熱した。次いで、供給原料1(350gのイソプロパノール、165gのN‐ビニルピロリドン、25gのラウリルアクリレート)、供給原料2(222gの水、28gのAMPSナトリウム塩、pH7)および供給原料3(27gの水、13gのアクリル酸ナトリウム)を3時間以内に加えた。供給原料4(47.5gの水、2.5gの2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド[WAKO(登録商標) V 50、Wako Chemicals])を4.5時間以内に加えた。重合を時間継続した後、供給原料5(10gの水、0.65gの2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド[WAKO(登録商標) V 50])を加え、重合を2時間継続した。イソプロパノールを留去し、反応混合物を水蒸気蒸留に付した。
これにより、K値が22、モル質量Mnが9700g/mol、MWが31,300g/molのポリマーが得られた。
実施例4 可溶化剤S7 (C13脂肪アルコールアルコキシレートで部分的にエステル化されている無水マレイン酸/スチレン(50/50)コポリマー)
初期充填物(100gのMA/Sコポリマー[SMA(登録商標) 100 F、Sartomer])、575gのC13脂肪アルコールアルコキシレート)に窒素を供給し、内部リアクター温度を150℃に加熱した。次いで、反応混合物をこの温度で4時間撹拌した。
これにより、K値が12でモル質量Mnが2300g/molのポリマーが得られた。
実施例5:可溶化剤S8 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンとPEG鎖で官能化されている15.7モル過剰量のプロピレンオキシド(官能化の程度100%)との反応生成物をベースとした超分枝ポリカーボネート)。
5.1 末端ヒドロキシル基を含む超分枝ポリカーボネートコア
2298gのTMP×15.7 PO、284gのジエチルカーボネートおよび2gのDBTL触媒を最初に充填し、沸騰するまで加熱した。放出したエタノールの蒸発冷却の結果、反応混合物の沸騰温度が約143℃の一定温度に下がるまで、沸騰反応混合物を撹拌した(約14時間)。次いで、還流冷却器を蒸留装置と交換し、反応で形成されたエタノールを留去した。その間に、反応混合物の温度は230℃まで上昇した。エタノールを冷却した丸底フラスコ中に回収し、秤量した。それにより、変換は、理論上可能性のある全変換に対する割合として測定された。変換が89%に達した後、乾燥窒素を160℃の温度で1時間、反応混合物を通過させ、依然存在している残存量のモノマーを除去した。その後、混合物を室温まで冷却した。
形成されたポリマー(Mn = 2400 g/mol; Mw = 4600 g/mol; OH数: 87 mg KOH/ポリマーg)が黄色の高粘稠液の形態で得られた。これは水溶性ではなかった。
5.2 PEG鎖で官能化されている(官能化の程度100%)超分枝ポリカーボネートコア
5.2.1 123.5gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn=500g/mol)を最初に充填し、減圧下で80℃において水性残留物を除去した。室温まで冷却した後、混合物を窒素下に置き、ポリマーを123.5gの酢酸ブチル中に溶解させた。次いで、50.0gのイソフォロンジイソシアネートを加え、混合物を50℃に加熱した。1mlの酢酸ブチル中に溶解させた19mgのネオデカン酸亜鉛を添加して反応を開始し、反応は2.87%のNCO含有量になるまで3.5時間かけて50℃で行われた。次に、この反応を-20℃まで冷却することにより終止した。この反応生成物は、それ以上のさらなる後処理を行うことなく、第5.2.2段階に直接用いた。
5.2.2 第5.1段階で得た30.1gの疎水性超分枝ポリカーボネートコアを最初に充填し、71.0gの反応混合物5.2.1と一緒に窒素下で混合した。次いで、混合物を80℃に加熱し、1mlの酢酸ブチルに溶解させた7mgのDBTLを添加して反応を開始した。全NCO基が完全に変換した後(NCO含有量0%)、混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。最終的に、可溶化剤S8(Mn=5070g/mol)が黄色の高粘稠液の形態で得られた。これは完全に水溶性であった。
実施例6:可溶化剤S9 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンと櫛型PVP-co-Pラウリルアクリレート(PLauryl acrylate)-co-PEGMEMAコポリマーで官能化されている15.7モル過剰量のプロピレンオキシド(官能化の程度50%)との反応生成物をベースとした超分枝ポリカーボネート)
6.1 末端ヒドロキシル基を含む超分枝ポリカーボネートコア
1149gの三官能性アルコールTMP×15.7 PO、144gのジエチルカーボネートおよび1gのDBTL触媒を合成実施例5.1で行ったように反応させた。形成されたポリマー(Mn = 4200 g/mol;Mw = 14 500 g/mol; OH数: 85 mg KOH/ポリマーg)は、水溶性でない黄色の高粘稠液の形態で得られた。
6.2 櫛型PVP-co-Pラウリルアクリレート-co-PEGMEMAコポリマーで官能化されている(官能化の程度50%)超分枝ポリカーボネートコア
6.2.1 最初に100.0gのTHFを窒素下で充填し、次いで、還流下で加熱した。200.0gのTHF中に溶解させた、155.9gのラウリルアクリレート、144.2gのN‐ビニルピロリドンおよび163.3gのPEGMEMA 475の混合物1を3時間以内に、同時に、200.0gのTHF中に溶解させた、8.8gのAIBNおよび27.8gのメルカプトエタノールの混合物2を4時間以内に、2つの定量ポンプを利用して混合物にゆっくりと加えた。混合物2の添加が終了した後、反応混合物を還流下でさらに18時間加熱した。その後、GCによる残留モノマーをモニタリングし、ラウリルアクリレートの含有量が<1%を示した。そこで混合物を冷却し、生成物(Mn=1000g/mol)は、さらに第2段階で直接使用した。
6.2.2 まず、278.4gの反応混合物6.2.1を充填し、減圧下でTHF溶媒を除去した。室温に冷却後、混合物を窒素下に置き、残留物を140.0gの酢酸ブチル中に溶解させた。次いで、20.0gのイソフォロンジイソシアネートを加え、混合物を50℃に加熱した。1mlの酢酸ブチル中に溶解した21mgのネオデカン酸亜鉛を添加して反応を開始した。これは、6時間かけて60℃で、また1.16%のNCO含有量に下がるまでの計16時間室温で行った。この反応は、-20℃に冷却することにより停止させた。反応生成物は、それ以上の後処理を行うことなく、第3段階に直接使用した。
6.2.3 まず、6.0gの疎水性超分枝ポリカーボネートコア6.1を充填し、窒素下で6.0gの酢酸ブチル中に溶解させた。次いで、この混合物を19.2gの反応混合物6.2.2と混合し、80℃に加熱し、1mlの酢酸ブチルに溶解させた13mgのDBTLを添加して反応を開始した。全NCO基の変換完了後(NCO含有量0%)、混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。最終的に、可溶化剤S9(Mn=8110g/mol)が黄色の高粘稠液の形態で得られたが、これは完全に水溶性であった。
実施例7:可溶化剤S10 (ジエチルカーボネートおよびトリメチロールプロパンと15.7モル過剰量のPEG-b-ポリカプロラクトンブロックコポリマーで官能化されているプロピレンオキシド(官能化の程度100%)との反応生成物をベースとした超分枝ポリカーボネートコア)
7.1 末端ヒドロキシル基を有する超分枝ポリカーボネートコア
1149gの三官能性アルコールTMP×15.7 PO、144gのジエチルカーボネートおよび1gのDBTL触媒を合成実施例2で行ったようにして変換した。形成されたポリマー(Mn = 4200g/mol;Mw = 14,500g/mol;OH数:85 mg KOH/ポリマーg)は、水溶性でない黄色の高粘稠液の形態で得られた。
7.2 PEG-b-ポリカプロラクトンブロックコポリマーで官能化されている超分枝ポリカーボネートコア(官能化の程度100%)
7.2.1 まず、150.0gのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn=500g/mol)を充填し、減圧下で90℃において水残留物を除去した。室温まで冷却した後、混合物を窒素下に置き、ポリマーを205.0gのε-カプロラクトンと混合した。混合物を90℃に加熱し、355mgのブチルスズトリス(2-エチルヘキサノエート)を加えることにより、カプロラクトンの開環重合を開始した。混合物をさらに18時間90℃で加熱し、反応が終了した後、室温まで冷却した。こうして得られたOH末端ブロックコポリマー(Mn=1180g/mol)は、それ以上精製することなく、第2段階に直接使用した。
7.2.2 まず、200.0gのブロックコポリマー7.2.1を充填し、窒素下に置き、34.1gのイソフォロンジイソシアネートと混合した。混合物を50℃に加熱した。1mlの酢酸ブチル中に溶解させた30mgのネオデカン酸亜鉛を添加することにより反応を開始した。これは2.23%のNCO含有量まで50℃で4時間かけて行った。次に、反応を-20℃に冷却することにより終了させた。反応生成物は、それ以上の後処理を行うことなく、第7.2.3段階で直接使用した。
7.2.3 まず、7.0gの疎水性超分枝ポリカーボネートコア7.1を充填し、窒素下で10.0gの酢酸ブチルに溶解させた。次いで、混合物を20.0gの反応混合物7.2.2と混合し、80℃に加熱し、1mlの酢酸ブチルに溶解させた27mgのDBTLを添加することにより反応を開始した。全NCO基の変換が完了したら(NCO含有量0%)、混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。最終的に、可溶化剤S10(Mn=13,190g/mol)が黄色の高粘稠液の形態で得られたが、これは完全に水溶性であった。
施用実施例
実施例8 フィプロニル(工業等級活性成分、純度89.8%)の本発明に従い用いられる市販のアジュバントおよび可溶化剤による可溶化
Figure 0005722311
フィプロニル濃度は278nmで紫外分光法により測定した。これに関し、ポリマー(水中1重量%)の吸光度を最初に単独で測定した。次に、過剰量のフィプロニルを添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。遠心分離にかけた溶液をUV機器において278nmで再度分析した。適切な可溶化剤スペクトルを減じ、事前に得たフィプロニル検量線により比較した後、溶解させたフィプロニルの濃度を測定することができた。
試験セットアップ
長さ27.5cm、直径5cmおよび表面(断面)が19.6cm2の6区画からなるガラスカラムに、バイブレータを用いて、土壌(LUFA 2.3(砂質壌土)[USDA]、pH 7.2、風乾、TOC 1%、密度1.24g/cm3、max WHC、28.9g/100g)を充填した。本発明に係る製剤および比較製剤をこのカラムに施用した(60ml、37.5mgのフィプロニル(625ppm)を含み、適切な量の可溶化剤は、含む場合と含まない場合がある)。施用後、さらに水40mlを施用した。
HPLC-MSDを使用し、施用された最初のフィプロニルの%量(625ppm、37.5mg)がどのくらいカラムの区画(0〜2.5cm、2.5〜7.5cm、7.5〜12.5cm、12.5〜17.5cmおよび17.5〜22.5cm)中に存在するのか測定した。
市販品のTermidor SCに対する土壌移動性は下記方法により計算した:
土壌移動性=(区画1中のフィプロニル含有量[%])×2.5+(区画2中のフィプロニル含有量[%])×7.5+(区画3中のフィプロニル含有量[%])×12.5+ ... +(区画6中のフィプロニル含有量[%])×27.5 / (区画1 Termidor SC中のフィプロニル含有量[%])×2.5+(区画2 Termidor SC中のフィプロニル含有量[%])×7.5+(区画3 Termidor SC中のフィプロニル含有量[%])×12.5+.... + (区画6 Termidor SC中のフィプロニル含有量[%])×27.5)
タンク混合製剤(表1)
適量のフィプロニル(Termidor(登録商標) SC)は、フィプロニル濃度が625ppmとなるように、アジュバントと一緒に、またはアジュバントを用いずにポリマー水溶液に加えた。得られた60mlの各溶液を、記載したカラムに施用した。
土壌移動性は上記のようにして計算した。再度、Termidor SCを基準として使用した。
Figure 0005722311
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Figure 0005722311
これらの実施例は、(特に活性成分濃度よりも高い濃度の)本発明に係る可溶化剤を添加することにより土壌移動性が有意に高まり、またこれがアジュバントによりさらに幾分改善され得ることを示している。土壌移動性の改善は、タンク混合系(試験9-24)、および本発明に係るポリマー可溶化剤を含む、そのまま利用可能な製剤(試験25-35)で認められる。

Claims (24)

  1. ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性殺虫成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性をポリマー可溶化剤が有し、かつ、活性成分と可溶化剤の重量比が≦1であり、かつ、可溶化剤が次の群A1、B1およびDから選択される、難溶性殺虫剤およびポリマー可溶化剤の、難溶性殺虫剤の土壌移動性を高めるための組み合わせ:
    A1.超分枝鎖ポリカーボネートが少なくとも1種の線状もしくは櫛型のポリマーおよび/または酸性基、アミノ基または少なくとも2種のヒドロキシル基を含む少なくとも1種の官能性C1-C24単位に結合されており、ここで前記超分枝鎖ポリカーボネートが、少なくとも3個のOH基を有するアルコールとC 3 -C 24 アルキレンオキシドとをベースとする三官能性または高官能性ポリエーテルオールであるアルコールを含む、超分枝ポリカーボネート;
    B1. 次のB1群から得ることができるビニルラクタムコポリマー:
    B1-1. (コポリマー全体に対して)60〜99重量%の5〜7員1-ビニル-2-ラクタム、
    B1-2. 次のB1-2群からなる群から選択される1〜40重量%の少なくとも1種のモノマー:
    B1-21 モノエチレン系不飽和C3-C8-カルボン酸のC8-C30-アルキルエステル、
    B1-22 C8-C30-アルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のN-アルキル-またはN,N-ジアルキル-置換アミド、
    B1-23 脂肪族非分枝C8-C30-カルボン酸のビニルエステル、
    B1-24 C8-C30-アルキルビニルエーテル
    (ここで、それぞれの成分の重量パーセントは100重量%以下となるように加える);
    D. 次のD群から得ることができるエチレン系不飽和ジカルボン酸モノ-およびジエステルをベースとしたコポリマー:
    D1 オレフィン、ビニルエーテルおよびスチレンの群から選択される少なくとも1種のモノマー、ならびに、
    D2 エチレン系不飽和ジカルボン酸のモノ-およびジエステルの群から選択される少なくとも1種のモノマーであって、この場合、前記エステルのアルコール基が次式(V)の構造を有するもの:
    -(R10-O)n-(R11-O)p-R12 (V)
    (式中、記号および指数はそれぞれ以下の通り定義する:
    R10は、1,2-プロピレンまたは2,3-プロピレンであり;
    R11は、エチレンであり;
    R12は、H、非分枝もしくは分枝C1-C40-アルキル、フェニル、C1-C20-アルキルで置換されているフェニル、ベンジル、C1-C20-アルキルで置換されているベンジルであり;
    nは、0〜140の整数であり、
    pは、0〜100の整数であり、
    ここで、nおよびpの合計は、少なくとも1である)。
  2. 殺虫剤がフィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンの群から選択される、請求項1に記載の組み合わせ。
  3. 殺虫剤がフィプロニルである、請求項2に記載の組み合わせ。
  4. 可溶化剤が群A1から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  5. 可溶化剤が群B1から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  6. 可溶化剤が群Dから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  7. 2種以上のポリマー可溶化剤の混合物を使用する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  8. 活性成分と可溶化剤の重量比が1:1〜1:200である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  9. 殺虫剤(a)および可溶化剤(b)だけでなく、次の群から選択される1種または複数のアジュバント(c)を使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組み合わせ:
    Z1 トリスチリルアルキルエーテルサルフェートまたはホスフェー
    Z2 ペルフルオロアルキルエトキシレートをベースとした非イオン性界面活性剤
    Z3 83%のパラフィンをベースとした高精製石油系油分および17%のアルキルアリールポリオキシエチレングリコールの混合物;
    Z4 ポリエーテルまたはオルガノ変性トリ-およびポリシロキサ
    Z5 式:CH3CH[(CH2)nCH3][O(C2H4O)mH](式中、n=9〜15およびm=3〜40)で表されるアルキルオキシポリエチレンオキシエタノールの非イオン性界面活性剤混合物
    Z6 100%の2-(3-ヒドロキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、エトキシ化アセテート、アリルオキシポリエチレングリコールモノアリルアセテートおよびポリエチレングリコールジアセテートのシリコーン界面活性剤混合物
    Z7 第一級アルキルポリオキシエチレンエーテル、遊離脂肪酸およびアジュバントを含む生物分解性の低泡立性非イオン性界面活性剤;
    Z8 ダイズ系の脂肪酸およびアルコールエトキシレートの非イオン性界面活性剤混合物;
    Z9 58%のアンモニウムn-アルコールエーテルサルフェートを含むアニオン界面活性剤混合物;
    Z10 58%のアンモニウムノニルフェノールエーテルサルフェートを含むアニオン界面活性剤混合物;
    Z11 ポリアルキレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンおよび非イオン性界面活性剤の混合物;
    Z12 100%ポリオキシエチレン(10)-イソオクチルシクロヘキシルエーテルからなる非イオン系洗剤、ならびに/あるいは、
    Z13 アルコキシル化脂肪アルコールおよび/または脂肪酸(これらはそれぞれ、さらにエーテル化、スルホン化またはリン酸化されていてもよい)。
  10. 請求項9に記載のアジュバントを使用しない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の殺虫剤およびポリマー可溶化剤の組み合わせを水性施用形態で処理しようとする土壌に施用する、難溶性殺虫剤の土壌移動性の改善方法。
  12. 土壌生息している無脊椎動物害虫の防除方法であって、
    a) 少なくとも1種の難溶性の活性殺虫成分と、
    b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性防蟻剤成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、また、請求項1に記載の可溶化剤A1およびB1の群から選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤とを、
    水性施用形態中、重量比(a:b)≦1で、害虫が利用している土壌に、または土壌中に施用する、防除方法。
  13. 害虫がアリであり、かつ/またはテンサイ作物の土壌に存在する、請求項12に記載の方法。
  14. 害虫がシロアリであり、活性殺虫成分が防蟻剤である、請求項12に記載の方法。
  15. 土壌が建造物の下に存在するか、またはその半径10m以内に存在する、請求項14に記載の方法。
  16. 防蟻剤を深さが1〜3インチの溝に施用する、請求項14または15に記載の方法。
  17. 水性施用形態での防蟻剤の濃度が少なくとも1000ppmである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 活性殺虫成分がフィプロニルである、請求項12〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項1に記載の可溶化剤A1を使用する、請求項12〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 製剤として難溶性の活性殺虫成分、ポリマー可溶化剤を使用し、さらに適切な場合には1種または複数のアジュバントを使用する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ポリマー可溶化剤および/または1種もしくは複数のアジュバントをタンク混合として水性施用形態に加える、請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. a) フィプロニル、アレスリン、アルファシペルメトリン、ベータシフルスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン(CAS-RN:120955-77-3)、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、シアントラニリプロール、シフルスリン、シハロスリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フルフェノクスロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、テブフェノジドおよびトラロメトリンの群から選択される1種または複数の活性成分と、
    b) ポリマー可溶化剤1重量%水溶液中の活性成分が25℃および1.01325 barで、純水中の同一条件下に比べて少なくとも40倍高い溶解性を有するという特性を有し、請求項1に記載の群A1から選択される、少なくとも1種のポリマー可溶化剤
    とを重量比(a:b)≦1で含む、製剤。
  23. 活性成分がフィプロニルであり、WG、SC、SLまたはDC製剤の形態である、請求項22に記載の製剤。
  24. c) 請求項9に記載の群Z1〜Z13から選択される1種または複数のアジュバントをさらなる成分として含む、請求項22または23に記載の製剤。
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