JP5722142B2 - ゴム組成物、それを用いてなる架橋ゴム成形体、電線・ケーブル、ヒーティングユニットおよび電線・ケーブル用電気絶縁性モールド成形品 - Google Patents

ゴム組成物、それを用いてなる架橋ゴム成形体、電線・ケーブル、ヒーティングユニットおよび電線・ケーブル用電気絶縁性モールド成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物、それを用いてなる架橋ゴム成形体、電線・ケーブル、ヒーティングユニットおよび電線・ケーブル用電気絶縁性モールド成形品に関する。
積雪地域や寒冷地では、路面の積雪および凍結を防止して車両や歩行者の交通安全を確保するために路面下に敷設するロードヒーティングシステムや、屋根の積雪やつらら等を防止することで落雪等の事故を防止するルーフヒーティングシステムなどの、融雪システムが設置される場合がある。また、前記融雪システムと同様のシステムとして、室内を床面から暖めることで頭寒足熱の快適な暖房を実現するフロアヒーティングシステム(床暖房)が例示される。
前記ロードヒーティングシステム、前記ルーフヒーティングシステム又は前記フロアヒーティングシステムなどで例示されるヒーティングシステムの一つとして、ヒーティングケーブルを用いたヒーティングシステムが挙げられる。前記ヒーティングシステムの主要部材はヒーティングユニット、温度センサおよび温度制御装置である。前記ヒーティングシステムは、前記ヒーティングケーブルを加工してなり、例えば導体にエチレンプロピレンゴムを絶縁体として被覆し、耐熱ビニル樹脂をシースとして被覆したヒーティングケーブルを熱源として用いた電熱式である。
前記ヒーティングケーブルの絶縁体は、高温使用時や浸水時においても、好適な電気絶縁性が要求されるため、例えば前記エチレンプロピレンゴムに、耐熱性および耐水性を向上することを目的として鉛系安定剤を添加することが一般的である(特許文献1)。前記鉛系安定剤としては、たとえば酸化鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛又は二塩基性ステアリン酸鉛などが例示される。
近年、製品含有物質から鉛化合物などの環境負荷物質の低減又は全廃などの自主規制や法規制が行われており、前記鉛系安定剤は前記鉛化合物の一種であるため、製品への使用が制限されつつあり、前記ヒーティングケーブルの絶縁体においても鉛を意図して含まないことが要求されている。
特開昭61−252252号公報
本発明は、上述した問題点に着目し、鉛系安定剤を使用しなくとも、耐熱性(加熱老化特性、高温時の電気特性)および耐水性(浸水時の電気特性)に優れる架橋成形体を得ることができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
(1)EPDM100質量部あたり、酸化亜鉛1〜20質量部、エポキシシクロヘキシル基又はグリシドキシ基を含むシランカップリング剤0.1〜3質量部、ケイ素を含む無機充填剤20〜150質量部、有機過酸化物系架橋剤を1〜5質量部、老化防止剤としてベンズイミダゾール系化合物1〜4質量部、プロセスオイルとしてナフテン系オイル30質量部以下(ただし、0質量部除く)、および架橋助剤0.1〜10質量部を、含むことを特徴とするゴム組成物。
(2)前記ケイ素を含む無機充填剤が、焼成カオリンであることを特徴とする上記(1)に記載のゴム組成物。
(3)前記シランカップリング剤が、グリシドキシ基を含むシランカップリング剤で、前記有機過酸化物系架橋剤がジクミルパーオキサイドで、前記架橋助剤がp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムであることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載のゴム組成物。
(4)上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載のゴム組成物を架橋してなることを特徴とする架橋ゴム成形体。
(5)上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載のゴム組成物を導体の外周に被覆した後、架橋してなることを特徴とする電線・ケーブル。
(6)ヒーティングケーブルとして用いることを特徴とする上記(5)に記載の電線・ケーブル。
(7)上記(5)又は上記(6)に記載の電線・ケーブルを用いることを特徴とするヒーティングユニット。
(8)上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載のゴム組成物を架橋成形してなることを特徴とする電線・ケーブル用電気絶縁性モールド成形品。
本発明において、「電線」とは単線又は撚り線の導体の外周に絶縁体を被覆したものであり、「ケーブル」とは前記電線の一本あるいは複数本を束ねたものの外周にシース材を被覆したものであり、それらを総称して「電線・ケーブル」と呼ぶ。また、本発明において、前記絶縁体および前記シース材を総称して「被覆材」と呼ぶ。
本発明により、鉛系安定剤を使用しなくとも、架橋することにより耐熱性および耐水性に優れるゴム組成物、それを用いてなる電線・ケーブルおよびゴム部材を提供することができる。したがって本発明は、ヒーティングケーブルおよびヒーティングユニットに好適に使用できる。
本発明を絶縁層に使用した電線・ケーブルの端末部又は接続部に用いる電気絶縁性モールド成形品(ゴムストレスコーン)の断面図である。 本発明を使用した電線の一例を説明するための断面図である。 本発明を使用したケーブルの一例を説明するための断面図である。 本発明を使用したヒーティングケーブルの一例を説明するための断面図であリ、(a)普通型の一例、(b)アース型の一例、(c)強化型の一例および(d)磁気対策型の一例である。 本発明を使用したヒーティングユニットの一例を説明するための模式図である。
本発明で用いるエチレン-α-オレフィン系共重合体とは、「エチレンモノマーおよびα-オレフィンモノマーが共重合して得られたポリマー」および「エチレンモノマー、α-オレフィンモノマーおよびジエンモノマーが共重合して得られたポリマー」からなる群より選ばれた少なくとも1種のポリマーであり、重合方法などは特に限定しない。前記エチレン−α-オレフィン系共重合体中のエチレン含有量は特に限定しないが、前記エチレン−α-オレフィン系共重合体100質量%あたり、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%である。前記エチレン含有量が30質量%以上であると、製造性すなわち混練時および成形時における本発明のゴム組成物の流動性、架橋速度が良好であり、且つ、本発明の架橋ゴム成形体の耐熱老化性が良好であり、前記エチレン含有量が80質量%以下であると、本発明の架橋ゴム成形体が柔軟であり耐加熱変形性が良好である。
前記α-オレフィンとしてはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどが例示される。前記エチレン-α-オレフィン系共重合体は一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
前記ジエンモノマーとしては特に限定しないが、エチリデンノルボルネン、メチルノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが挙げられ、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよく、本発明のゴム組成物の高速架橋性及び本発明の架橋ゴム成形体の耐熱老化特性の点からエチリデンノルボルネン(ENB)またはジシクロペンタジエン(DCPD)を用いることが好ましい。
本発明で用いることができる「エチレンモノマー、α-オレフィンモノマーおよびジエンモノマーが共重合して得られたポリマー(すなわち、エチレン-α-オレフィン-ジエン共重合体)」において、前記ジエンモノマーからなるジエン成分の含有量は特に限定しないが、好ましくは、前記エチレン-α-オレフィン-ジエン共重合体100質量%あたり、1〜10質量%、より好ましくは1.5〜8質量%である。前記ジエン成分が1質量%以上であると本発明の架橋ゴム成形体を製造するにあたり特に好適な架橋速度が得られる。また、前記ジエン成分が10質量%以下であると、本発明の架橋ゴム成形体の加熱老化特性が特に良好である。
前記エチレン-α-オレフィン系共重合体のうち、本発明の架橋ゴム成形体の柔軟性、耐加熱変形性、ゴム弾性が良好となる点から、エチレン−プロピレン系共重合体を使用することが好ましい。前記エチレン−プロピレン系共重合体として、「エチレンモノマーおよびプロピレンモノマーの二元共重合体」であるエチレン−プロピレン共重合体(EPM)および「エチレンモノマー、プロピレンモノマーおよびジエンモノマーの三元共重合体」であるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)が例示される。本発明においては、有機過酸化物系又は硫黄系のいずれの架橋方法においても架橋可能で、架橋速度が速い点からEPDMが好ましい。前記エチレン−プロピレン系共重合体のJIS K 6300−1により測定したムーニー粘度(ML(1+4)100℃)は特に限定しないが、好ましくは5〜90、より好ましくは15〜70、更に好ましくは20〜60である。前記ムーニー粘度が5以上であると本発明の架橋ゴム成形体の引張特性が特に良好であり、90以下であると本発明のゴム組成物の押出加工性が特に良好である。前記引張特性等の物性と前記押出加工性のバランスをとるため必要に応じて、ムーニー粘度の異なるものを2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に好適なエチレン-プロピレン系共重合体は、例えば、エスプレン(住友化学社製)、JSR EP(JSR社製)、三井EPT(三井化学社製)などとして商業的に入手しても良く、これらのエチレン-プロピレン系共重合体は、単独又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる酸化亜鉛は、前記エチレン−α-オレフィン系共重合体100質量部あたり1〜20質量部であり、好ましくは2〜15質量部であり、より好ましくは5〜10質量部であり、1質量部未満であると本発明の架橋ゴム成形体の加熱老化特性が低く問題であり、20質量部を超えると本発明の架橋ゴム成形体の引張特性が低下するため問題である。本発明に特に好適な前記酸化亜鉛の粒径及び比表面積は特に限定しないが、分散性の点から、空気透過法で測定した平均粒径が好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは0.3〜1.5μmであり、加熱老化特性の点から、JISK6217−7に準拠してBET法で測定した比表面積が好ましくは0.5〜10m/g、より好ましくは1〜7m/gである。
本発明で用いるシランカップリング剤は、前記エチレン−α-オレフィン系共重合体100質量部あたり0.1〜3質量部であり、好ましくは0.2〜1.5質量部であり、より好ましくは0.3〜1質量部であり、0.1質量部未満であると本発明の架橋ゴム成形体の浸水時の電気特性に問題があり、3質量部を超えると本発明の架橋ゴム成形体の伸び及び耐熱老化特性が低下する問題がある。メトキシ基を含まないシランカップリング剤は空気中の水分と反応してもメタノールを発生しないため、本発明で用いるシランカップリング剤はメトキシ基を含まないものが好ましい。
本発明で用いるビニル基を含む前記シランカップリング剤とは、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン又はビニルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
ビニル基を含む前記シランカップリング剤は、市販品を用いることができ、ビニル基を置換基として含む前記シランカップリング剤の市販品としては、例えば、SILQUEST A−151 SILANE、SILQUEST A−171 SILANE、SILQUEST A−172 SILANE、SILQUEST A−2171 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、KA1003、KBM1003、KBE1003,KBM5103(信越化学工業社製)、Z−6075、Z−6300、Z−6519、Z−6550(東レ・ダウコーニング社製)などとして入手でき、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
本発明で用いるメタクリロキシ基を含む前記シランカップリング剤とは、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
メタクリロキシ基を置換基として含む前記シランカップリング剤の市販品としては、例えばSILQUEST Y−9936 SILANE、SILQUEST A−174 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、KBM502、KBM503,KBE502、KBE503(信越化学工業社製)、Z−6030、Z−6033、Z−6036(東レ・ダウコーニング社製)などとして入手でき、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
本発明で用いるエポキシシクロヘキシル基を含むシランカップリング剤としては、2-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが例示され、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
エポキシシクロヘキシル基を含む前記シランカップリング剤は、市販品を用いることができ、例えば、エポキシシクロヘキシル結合を含むシランカップリング剤としては、SILQUEST A−186 SILANE、Coatsil 1770 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、KBM−303(信越化学工業社製)又はZ−6043(東レ・ダウコーニング社製)などとして入手でき、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
本発明で用いるグリシドキシ基を含むシランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが例示され、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
グリシドキシ基を含む前記シランカップリング剤としては、例えば、SILQUEST A−187 SILANE、SILQUEST A−1871 SILANE、TSL8350、TSL8355(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、KBM−403、KBE−402、KBE−403(信越化学工業社製)、Z−6040、Z−6044、Z−6041、Z−6042(東レ・ダウコーニング社製)、G0261、G0210又はD2632(東京化成工業社製)などとして入手できる。
エポキシシクロヘキシル基又はグリシドキシ基を含む前記シランカップリング剤を用いた本発明のゴム組成物の架橋ゴム成形体は、70℃で60日浸水した時の電気特性の誘電正接が小さく、引張特性(特に伸び)への影響が小さいことから、本発明で使用するシランカップリング剤は、エポキシシクロヘキシル基およびグリシドキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種の置換基を含むシランカップリング剤が好ましく、本発明のゴム組成物の架橋ゴム成形体の加熱老化特性がやや良好である点から、グリシドキシ基を含む前記シランカップリング剤がより好ましい。
本発明に用いるケイ素を含む無機充填剤としては、公知のケイ素を含むゴム配合用無機充填剤を使用することができ、例えばケイ酸系無機充填剤(ホワイトカーボン、珪藻土、焼成珪藻土、石英、珪石又はクリストパライトなど)、ケイ酸塩系無機充填剤(カオリナイト、カオリンクレー、焼成カオリン、タルク、白雲母、絹雲母、ウォラストナイト、蛇紋石又はパイロフィライトなど)などを、単独又は二種以上を組み合わせて使用してよい。特に電気絶縁性に優れる、ケイ酸塩系無機充填剤が好ましく、カオリンクレーがより好ましく、構造水を消失させた焼成カオリンを使用することで、本発明のゴム組成物の架橋ゴム成形体浸水時の電気特性が特に良好となることから更に好ましい。
本発明のゴム組成物にケイ素を含む前記無機充填剤を用いることにより、ケイ素を含む前記無機充填剤と、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシシクロヘキシル基およびグリシドキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種の置換基を含む前記シランカップリング剤との相乗効果が生じ、ケイ素を含む前記無機充填剤の前記ゴム組成物中への分散性が向上し、前記ゴム組成物の架橋ゴム成形体の引張特性などが向上する。
前記エチレン-α-オレフィン系共重合体100質量部に対して、ケイ素を含む前記無機充填剤の配合量は20質量部から150質量部であり、30質量部から130質量部が好ましい。前記無機充填剤の配合量が20質量部未満であると前記ゴム組成物から得られる架橋ゴム成形体の引張特性が低くなる問題があり、150質量部を越えると前記ゴム組成物の流動性が悪くなり、前記架橋ゴム成形体の引張特性、加熱老化特性および柔軟性が低下し、浸水時の電気特性の低下も大きくなるという問題が生じる。
ケイ素を含む前記無機充填剤の粒径は特に限定しないが、前記ゴム組成物中への分散性が良好である点から、ケイ素を含む前記無機充填剤の平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.2〜5μm、更に好ましくは0.5〜3μmである。なお、前記平均粒径は次の方法で測定される。
測定対象物(粒状物)を水又はエタノールなどの有機液体に投入し、35kHz〜40kHz程度の超音波を付与した状態にて2分間分散処理して得た分散液を用い、且つその場合の粒状物の量は前記分散液のレーザー透過率(入射光量に対する出力光量の比)が70%から95%となる量とし、次いで前記分散液について、マイクロトラック粒度分析計にかけてレーザー光の散乱により個々の粒状物の粒径(D1、D2、D3、・・・)、および各粒径の存在個数(N1、N2、N3、・・・)を計測する(個々の粒状物の粒径(D)は、マイクロトラック粒度分析計によれば種々の形状の粒状物ごとに球相当径が自動的に測定される。)。視野内に存在する個々の粒子の個数(N)と各粒径(D)とから、下式(1)にて平均粒径を算出する。
Figure 0005722142
本発明のゴム組成物に添加する前記架橋剤は、例えば、有機過酸化物系架橋剤、硫黄系架橋剤などが挙げられるが、前記架橋ゴム成形体の加熱老化特性および浸水後の電気特性の点から、有機過酸化物系架橋剤の使用が好ましい。前記有機過酸化物系架橋剤としては、例えば、ジ第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートなどが例示される。これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記架橋剤の、前記エチレン−α-オレフィン系共重合体100質量部に対する添加量は、1質量部〜5質量部であり、好ましくは1.5質量部〜4質量部である。前記添加量が1質量部未満であると、本発明の架橋ゴム成形体の浸水時の電気特性および引張特性が低下する問題があり、5質量部を超えると、本発明の架橋ゴム成形体の柔軟性およびゴム弾性が低下するため問題である。
本発明のゴム組成物には、例えば、プロセスオイル、架橋助剤、老化防止剤、加工助剤、滑剤、可塑剤(例えば、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、重合型可塑剤など)、カーボンブラック又はグラファイトなど、ゴム工業で一般的に使用されている配合剤を、一種単独で又は二種以上を組み合わせて、必要に応じて適宜添加することができる。なお、各配合剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて適宜設定することができる。
本発明のゴム組成物には必要に応じてプロセスオイルを用いても良く、前記プロセスオイルは一般にゴム配合剤として使用されるものであれば特に限定はなく、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系などのオイルを、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。前記プロセスオイルとしては、本発明のゴム組成物への相溶性、本発明の加硫ゴム成形体の引張特性が良好である点から、ナフテン系プロセスオイルが特に好ましい。
JIS K 2283(動粘度試験法)により測定したプロセスオイルの動粘度は、好ましくは30〜500mm/s、より好ましくは200〜500mm/s、さらに好ましくは300〜500mm/sである。動粘度が30mm/s以上であると、本発明の架橋ゴム成形体において非抽出性および非移行性が良好である。また、動粘度が500mm/s以下であるとゴム組成物の加工性が良好である。
前記プロセスオイルの添加量は特に限定しないが、前記エチレン−α-オレフィン系共重合体100質量部に対して、好ましくは0質量部〜30質量部であり、より好ましくは0質量部〜25質量部であり、更に好ましくは0質量部〜20質量部である。30質量部以下であると、本発明の架橋ゴム成形体の引張特性、非抽出性および非移行性が特に良好である。
前記プロセスオイルは、市販品を用いることができ、例えば、パラフィン系オイルとしては、例えばSunpar 107、110、115、150、2100、 2280(日本サン石油社製)など、ナフテン系オイルとしては、例えばSunthene 410、415、420、430、450、480、4130、4240(日本サン石油社製)など、芳香族系軟化剤としては、例えばJSO AROMA 790(日本サン石油社製)、ダイアナプロセスオイルAC−12(出光興産社製)などとして入手でき、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用してよい。
本発明のゴム組成物に前記架橋剤として前記有機過酸化物系架橋剤を使用する場合、前記架橋助剤を併用してもよい。前記架橋助剤としては、硫黄系化合物、イオウ、多官能化合物(N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレ−ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のような、官能基を2以上有する化合物)、キノンジオキシム系化合物(p-キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなど)などが例示され、これらは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができ、本発明の架橋ゴム成形体の物性(耐熱性、電気特性)のバランスが特に好適であることから、前記架橋助剤は多官能化合物もしくはキノンジオキシム系化合物が好ましく、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムがより好ましい。淡色系の製品が要求される場合及び、高度な圧縮永久歪特性や永久伸び特性が要求される場合、前記架橋助剤は多官能化合物が好ましい。
前記架橋助剤の、前記エチレン−α−オレフィン系共重合体100質量部に対する添加量は特に限定しないが、好ましくは0.1質量部〜10質量部であり、より好ましくは0.3質量部〜5質量部である。前記添加量が0.1質量部以上であると、本発明のゴム組成物の架橋速度及び本発明の架橋ゴム成形体の引張特性、加熱変形特性及び加熱老化特性が特に良好となり、10質量部以下であると、本発明の架橋ゴム成形体の引張特性、柔軟性及びゴム弾性が特に良好となる。
前記架橋助剤は、市販品を用いることができ、例えば、キノンジオキシム系化合物としては、バルノックGM、バルノックGM−P、バルノックDGM(大内新興化学工業社製)などとして入手できる。
前記老化防止剤の、前記エチレン−α−オレフィン系共重合体100質量部に対する添加量は特に限定しないが、好ましくは0.5質量部〜10質量部であり、より好ましくは1質量部〜5質量部である。前記添加量が0.5質量部以上であると、本発明の架橋ゴム成形体の加熱老化特性が良好となる。10質量部以下であると、本発明の架橋ゴム成形体の引張特性が良好であり、材料コスト面でも有利である。
前記老化防止剤としては、例えばアミン系化合物、フェノール系化合物又はベンズイミダゾール系化合物などが例示され、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができ、本発明のゴム組成物の架橋速度及び本発明の架橋ゴム成形体の引張特性及び加熱老化特性が良好であることから、前記老化防止剤はベンズイミダゾール系化合物が好ましく、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールがより好ましい。本発明の架橋ゴム成形体の加熱老化特性が極めて良好となる観点から、前記エチレン−α−オレフィン系共重合体100質量部に対する前記ベンズイミダゾール系化合物の添加量は、好ましくは1〜4質量部、より好ましくは1〜2質量部である。前記ベンズイミダゾール系化合物としては、ノクラックMMB、ノクラックMB、ノクラックMBZ(大内新興化学工業社製)などとして入手することが可能である。
本発明のゴム組成物を、従来公知のインタミックス、ニーダ又はバンバリーミキサなどの混練機、オープンロール又は二軸混練押出機などを用いて混練した後、射出成形機、圧縮成形機、加熱プレス機又は押出成形機などを用いて所望の形状に成形し架橋する、あるいは架橋成形(架橋と同時に成形)することで、本発明の架橋ゴム成形体を得ることができる。前記架橋あるいは架橋成形においてゴム工業において通常用いられる条件で本発明のゴム組成物を架橋することができ、本発明のゴム組成物について、140℃〜200℃で2分間〜120分間という条件で架橋を施すことが好ましい。
本発明で得られるゴム組成物は、加工特性が良好である。すなわち、JIS K 6300−1に準拠して測定したムーニースコーチ試験(試験温度125℃)において、最低粘度(Vm)が5M〜50M程度、さらには20M〜45M程度であり、スコーチタイム(t)が概ね7分以上、さらには7分〜30分程度であり、押出架橋加工性・圧縮架橋成形性が良好である。
また、本発明で得られる架橋ゴム成形体は、特に電線・ケーブルの被覆材、電線・ケーブルの端末部又は接続部に用いる電気絶縁性モールド成形品などとして好適に使用できる。すなわち、基本特性に関し、JIS K 6251に準拠して測定した引張特性は、200%伸び時の引張応力が2MPa〜10MPa程度であり、引張強さが5.0MPa以上、さらには6.0MPa〜20MPa程度であり、切断時伸びが概ね300%以上、さらには300%〜700%程度であり、JIS K 6253に準拠して測定した硬さ(タイプAデュロメータ)が50〜80程度、さらには60〜75程度の架橋ゴム成形体を得ることが出来る。ここで、電線・ケーブルの端末部又は接続部に用いる電気絶縁性モールド成形品として、絶縁層1および導電層2などで構成されるゴムストレスコーン(図1)が例示され、前記ゴムストレスコーンの絶縁層1に、本発明で得られる架橋ゴム成形体は極めて好適である。
また、本発明の架橋ゴム成形体は、極めて耐熱性が良好である。すなわち、試験条件としては高温長時間である135℃で168時間での加熱老化特性において、引張強さ残率が90%以上、及び切断時伸び残率が80%以上である。また、前記架橋ゴム成形体の高温(80℃)での体積抵抗率は5.0×1014Ω・cm以上である。
また、本発明の架橋ゴム成形体は、耐水性が極めて優れている。すなわち、70℃60日間の条件で浸水した本発明の架橋ゴム成形体について室温で測定した電気特性に関し、JISK6271に準拠して測定した体積抵抗率が、いずれも、5.0×1015Ω・cm以上と、従来耐水品である鉛系安定剤を用いた架橋ゴム成形体と同等レベルである。
本発明の電線は、本発明の架橋ゴム成形体を被覆した電線であり、例えば、図2に例示するように、単心の導体11に、前記ゴム組成物を絶縁体12として被覆し架橋してなる電線が挙げられる。前記導体11は複数本からなる多心としても良く、前記絶縁体12を複数層とし、前記複数層のうちの少なくとも一層として、本発明のゴム組成物を架橋成形した絶縁体としても良い。
本発明のケーブルは、例えば、本発明の架橋ゴム成形体を絶縁体とし、さらにシースを施したものであり、例えば図2に例示するような、単心の導体11に本発明のゴム組成物を絶縁体12として被覆し架橋してなる電線(一本)に、さらにシースを被覆してなるケーブルや、図3に例示するように、単心の導体11に本発明のゴム組成物を被覆し架橋した絶縁体12を被覆した電線(二本)にシース層13を被覆したケーブルや、前記電線について二本以上を一括して、シース層13で被覆したケーブルが挙げられる。前記導体11は複数本からなる多心としても良く、前記絶縁層12は複数層とし前記複数層の少なくとも一層を本発明のゴム組成物を被覆し架橋したものとしても良い。また、前記シースに本発明の架橋ゴム成形体を用いても良い。
前記ヒーティングケーブルは、例えば、図4(a)のとおり、本発明のゴム組成物を導体11に被覆した後、架橋して絶縁体12としたのちシース13を施した普通型と呼ばれる構造、図4(b)のとおり、本発明のゴム組成物を導体11に被覆した後、架橋して絶縁体12としたのちシース13を施し、さらに、遮蔽層として軟銅線などからなる編組15を設け、さらに保護シース14を施した、アース型と呼ばれる構造、図4(c)のとおり、本発明のゴム組成物を導体11に被覆した後、架橋して絶縁体12としたのち、外周側に長手方向に複数の空洞の溝部16を設けて長手方向と直行する断面の形状がギア型となるようなシース13を施し、さらに保護シース14を施した、強化型と呼ばれる構造、または、図4(d)のとおり、本発明のゴム組成物を導体11に被覆して架橋して絶縁体12としたヒーター線17およびリード線18を、並行に配置して、シース13を施し、ヒーター線17から発生する電磁波(磁界)をリード線18から発生する磁界により打ち消す磁気対策型などが挙げられる。ここで、図4に記載の導体11は単心としても複数本からなる多心としても良い。本発明のゴム組成物を架橋成形して絶縁体12とした前記ヒーティングケーブルは、優れた耐水レベルである。すなわち、前記ヒーティングケーブルの、JIS C 3005に準拠して測定した、80℃90日間温水に浸漬したヒーティングケーブルの温水に浸漬した状態での絶縁抵抗が50MΩ以上、さらには70〜500MΩ程度である。
上記のとおり、本発明の架橋ゴム成形体は、電線・ケーブルの被覆材、又は、電線・ケーブルの端末部又は接続部に用いる電気絶縁性モールド成形品などのゴム部材に好適である。また、本発明の架橋ゴム成形体は、基本特性、加熱老化特性および電気特性のいずれもが良好であり、特に浸水後の電気特性が極めて良好であることから、例えば、従来鉛系安定剤を配合して耐水性を付与していた、エチレン−α-オレフィン系共重合体を含む組成物を用いた耐水性架橋ゴム成形体に対して、鉛の使用に制限が生じた場合の代替品として好適であり、ロードヒーティングケーブル、ルーフヒーティングケーブル又はフロアヒーティングケーブルなどのように長期にわたり高温で使用するヒーティングケーブルの絶縁体に特に好適であり、融雪設備用のヒーティングシステムに用いられるヒーティングケーブルの絶縁体など、ロードヒーティングケーブル、ルーフヒーティングケーブルなどのように長期にわたり高温で浸水するなどの理由により、温水浸漬時の電気特性について高い信頼性が要求されるヒーティングケーブルに極めて好適である。また、前記ヒーティングケーブル21、リードケーブル22、接続体23およびスペーサー24により、例えば図5のとおりに施工することにより、鉛系安定剤を意図して使用しなくとも、耐熱性および耐水性が優れた前記ヒーティングユニットを提供することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例などで使用した材料は以下のとおりである。
エチレン-α-オレフィン系共重合体としては、
・ EPDM:ML(1+4)100℃:35、
EPDM100質量%中のエチレン成分含有量:63質量%、
EPDM100質量%中のジエン成分含有量:4.5質量%、
ジエン成分種:5−エチリデン−2−ノルボルネン
酸化亜鉛としては、
・ 酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(平均粒径0.60μm、比表面積3.5m/g)
ビニル基を含むシランカップリング剤としては、
・ ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン
メタクリロキシ基を含むシランカップリング剤としては、
・ 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
エポキシシクロヘキシル基を含むシランカップリング剤としては、
・ 2-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン
3-グリシドキシ基を含むシランカップリング剤としては、
・ 3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
その他のシランカップリング剤としては、
・ 3−メルカプトプロピルトリエトキシラン(メルカプト基を含むシランカップリング剤)
・ N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基を含むシランカップリング剤)
アルコキシシリコーンオリゴマー(分子末端がアルコキシシリル基(≡Si−OR)で封鎖されたシリコーンオリゴマー)としては、
・ ポリメチルフェニルメトキシシロキサン
ケイ素を含む無機充填剤としては、
・ 焼成カオリン(平均粒径1.4μm)
プロセスオイルとしては、
・ ナフテン系オイル(動粘度430mm2/s)
その他の配合剤としては、
・ ステアリン酸
・ カーボンブラック:HAFカーボン
酸化防止剤としては、
・ 2-メルカプトメチルベンズイミダゾール
・ 2-メルカプトベンズイミダゾール
架橋剤としては、
・ ジクミルパーオキサイド
架橋助剤としては、
・ p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム(キノンジオキシム系化合物)
・ トリアリルイソシアヌレート(多官能化合物)
・ N,N’−m−フェニレンジマレイミド(多官能化合物)
鉛系安定剤としては、
・ 二塩基性ステアリン酸鉛
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例4について、表1に示す配合割合(表中配合の単位は質量部)の配合剤をオープンロールにて混練してゴム組成物を調整した。次いで、前記ゴム組成物をプレス成形装置にて170℃で20分間プレス架橋成形してゴムシートを得た。
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例4を混練して得られたゴム組成物、および前記ゴム組成物を架橋成形して得られたゴムシートを試験片として、以下の(1)〜(6)の測定および評価を行なった結果を表2〜4に示す。
(1)鉛系安定剤の有無
以下の基準で判定した。
○:ゴム組成物に鉛化合物を意図して使用していない
×:ゴム組成物に鉛化合物を意図して使用している
(2)耐スコーチ性
JIS K 6300−1のムーニースコーチ試験に準拠して、ムーニースコーチ試験(試験温度125℃)を行い、最低粘度(Vm)とスコーチタイム(t)を測定する。
(3)基本特性
JIS K 6251引張試験方法に準拠して、前記ゴムシート(厚さ約2mm)から切り出したダンベル状3号形試験片を用いて、100%および200%伸び時の引張応力(100%M、200%M)、引張強さ(Ts)および切断時伸び(Elo)を測定する。また、JIS K 6253により、タイプAデュロメータ試験機で前記ゴムシートの硬さ(0秒値)を測定する。
(4)加熱老化特性
JIS K 6251引張試験方法に準拠して、前記ゴムシート(厚さ約2mm)から切り出したダンベル状3号形試験片を、空気を循環した加熱炉で、135℃で168時間で加熱した後、引張強さ(Ts′)および切断時伸び(Elo′)を測定し、下式(2)により引張強さ残率(Ts残)を、下式(3)により切断時伸び残率(El残)を算出する。
Figure 0005722142
(5)電気特性
JISK6271に準拠して、以下の2条件で、前記ゴムシートの体積抵抗率を測定する。
・ 標準状態に調整した厚さ約1mmのゴムシートを標準状態で測定する。
・ 80℃に調整した恒温槽中に厚さ約1mmのゴムシートを、加熱後60分間以上保持した後、80℃恒温槽内で測定する。
(6)電気特性
JISK6271に準拠して、以下の2条件で、前期コ゛ムシートの体積抵抗率を測定する。
・標準状態に調整した厚さ約2mmのゴムシートを標準状態で測定する。
・70℃、60日間、水道水に浸漬した厚さ約2mmのゴムシートを、表面の水分をふき取った直後に、標準状態で測定する。
Figure 0005722142
Figure 0005722142
Figure 0005722142
Figure 0005722142
実施例1〜実施例10は、耐スコーチ性が良好であり、基本特性は電線・ケーブルの被覆材として問題なく、加熱老化特性も引張強さ残率90%以上、破断時伸び残率80%以上と良好であり、体積抵抗率、絶縁破壊電圧が浸水前、浸水後とも、鉛系安定剤を意図して含んでいる比較例4と同様に、1.0×1015Ω・cm以上の高い体積抵抗率を示すことから、比較例4に例示される従来の鉛系安定剤を含む加硫ゴム成形品体が用いられている用途、例えば、高温浸水時に良好な電気特性が要求される用途などで使用する電線・ケーブルの絶縁被覆材用として好適である。
一方、比較例1(メルカプト基を含むシランカップリング剤を含む)は、加熱老化特性における伸び残率が低く、ヒーティングケーブルの絶縁被覆材のように高温で連続して使用される用途には不向きである。また、比較例2(アミノ基を含むシランカップリング剤を含む)は、加熱老化特性が低く、ヒーティングケーブルの絶縁被覆材のような高度な耐熱性が求められるゴム材料には不向きである。また、比較例3(分子末端がアルコキシシリル基(≡Si−OR)で封鎖されたシリコーンオリゴマーを含む)は、80℃での電気特性の体積抵抗率が低く、ヒーティングケーブルなどに例示されるように高温で電気絶縁材として使用する電線・ケーブルの絶縁被覆材には不向きである。比較例4は従来品であり特性良好であるが、鉛系安定剤を使用しているため、環境負荷の点で、使用に制限が生じる場合があり、問題である。
1 絶縁層
2 導電層
11 導体
12 絶縁体
13 シース層
14 保護シース層
15 編組
16 溝部
17 ヒーター線
18 リード線
21 ヒーティングケーブル
22 リードケーブル
23 接続体
24 スペーサー

Claims (8)

  1. EPDM100質量部あたり、酸化亜鉛1〜20質量部、エポキシシクロヘキシル基又はグリシドキシ基を含むシランカップリング剤0.1〜3質量部、ケイ素を含む無機充填剤20〜150質量部、有機過酸化物系架橋剤を1〜5質量部、老化防止剤としてベンズイミダゾール系化合物1〜4質量部、プロセスオイルとしてナフテン系オイル30質量部以下(ただし、0質量部除く)、および架橋助剤0.1〜10質量部を、含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ケイ素を含む無機充填剤が、焼成カオリンであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記シランカップリング剤が、グリシドキシ基を含むシランカップリング剤で、前記有機過酸化物系架橋剤がジクミルパーオキサイドで、前記架橋助剤がp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を架橋してなることを特徴とする架橋ゴム成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を導体の外周に被覆した後、架橋してなることを特徴とする電線・ケーブル。
  6. ヒーティングケーブルとして用いることを特徴とする請求項5に記載の電線・ケーブル。
  7. 請求項5又は6に記載の電線・ケーブルを用いることを特徴とするヒーティングユニット。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を架橋成形してなることを特徴とする電線・ケーブル用電気絶縁性モールド成形品。
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