JP5721770B2 - 超音波探傷方法とその装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、超音波探傷方法とその装置に関するものである。
特開2003−130859号公報 特許第3704065号公報 村上丈子、ドミニク ブラコニエ、三浦俊治、村井純一、西谷 豊:第13回超音波による非破壊評価シンポジュウム講演論文集、pp.33-38,(2006) 横野泰和:フェイズドアレイUTの標準化の現状、NDI資料21776 、pp.34-38(2006) 水野正志、中瀬久生、香田浩;非破壊検査、37(11)、pp.861-868,(1988) ( 社) 日本鉄鋼協会 共同研究会 品質管理部会非破壊検査小委員会編:条鋼の超音波探傷法、pp.79 、(1993)
従来の単一の振動子を用いる探傷法では、例えば角柱状の棒材などの内部探傷を行う場合、棒材の軸方向のみならず、軸方向と交差する断面について、被検材の断面が呈する矩形の辺に沿って、振動子を機械的に走査する必要があった。
近年普及した、フェーズドアレイプローブ(以下アレイプローブと呼ぶ。)を用いた、被検材の超音波探傷では、個々の振動子の超音波の発信するタイミングをずらして(位相制御して)、振動子の配置を変えずに、超音波の伝搬方向や、その収束位置(フォーカス)を自由に設定できる(特許文献1)。
このため、上記において、被検材の辺に沿って機械的に走査するのに代えて、電気的に走査することが行われている。
これは、個々の振動子自身を物理的に移動させるのではなく、特許文献1の図4に示す通り、配列した振動子を、振動子を所定個数の単位毎に、時分割に順次振動させるものである。即ち、走査方向に配列された振動子のうち、連続する所定グループから超音波を発信し、次に走査方向にシフトして次のグループから超音波の発信を行う。このようなシフトによって、物理的に振動子を走査するのと同様の効果を得ることができる。
そして、上記従来のフェイズドアレイ探傷技術をさらに高速でかつ高分解能、高検出能の探傷を可能とする探傷技術として、ボリュームフォーカスフェイズドアレイ(以下必要に応じてボリュームフォーカスと呼ぶ。)が提案されている(非特許文献1、特許文献2)。
上記のフェイズドアレイ探傷法は、この10年余りで著しい進歩を遂げポータブルタイプの探傷器から自動探傷装置まで数多くの装置が使用されるようになった。これは半導体技術、コンピュータ技術の進歩により探傷器の高性能、低価格化が可能となり、またコンポジット振動子の出現により高性能で品質のそろったアレイ探触子(アレイプロープ)が製作可能となったことによる。
その応用範囲は、原子力発電プラントのISI(In Service Inspection )、航空機の機体や翼の検査、鉄鋼関係のオンライン装置など幅広く応用されるようになった。また規格化、標準化の動きも活発になっており(非特許文献2)、国内においてはPD(Performance Demonstration )における超音波認証制度においてもフェイズドアレイ法が用いられ実績を上げている。
ボリュームフォーカスは、これらのアプリケーションにおいてさらに高速で検出能力、分解能の高い探傷を可能とする技術である。
以下、ボリュームフォーカスの原理からその応用例について述べる。
ボリュームフォーカス超音波探傷装置としては、デスクトップ型とオンライン対応型の装置とが提案されている。
デスクトップ型の装置は、フィールド用途或いは研究目的に適し、探傷データの解析機能を持ち、後述のマトリクスプローブの対応が可能である。
オンライン対応型の装置は、オンライン自動探傷に必要な機能を持ち、高速判定機能があり、並列運転により複数のプローブの使用が可能である。
ここで、ボリュームフォーカスの説明に先立って、上記のフェイズドアレイ探傷技術について、更に詳しく説明しておく。
従来のフェイズドアレイ検査技術は、振動子群( 同時に送信、受信している振動子グループ:バーチャルプローブ) が集束レンズと同じ結果を得るようバーチャルプローブにディレイパターンを設定することが基本である。アレイ探傷器の電気回路は、各送信パルス(サイクルまたはタイムスロットと呼ばれる)をそれぞれ異なる設定で高速で走査する。この動作は異なる設定のバーチャルプローブを順繰りに走査して探傷すると考えればよい。従って、このようなアレイ探傷は、シングルプローブの探傷に比べ非常にアドバンテージが高い。
しかし、この方法は、サイクル毎に送受信を行うため、マルチモード探傷同様に時間的な制限がある。PRF(パルス リピート フリクエンシー/繰り返し周波数)が増大すると表面による多重エコーや材料中の多重エコーなどで生じるゴーストエコーが発生し探傷スピードに影響する。この点はシングルプローブと同様である。
即ち、超音波を送受信した後、電子走査して更に超音波を送受信することを繰り返すものであるため、先の超音波の発信によって生じたゴーストエコーが減衰してその影響がなくなるまで、次の超音波の送受信が行えず、先の超音波の送受信から次の超音波の送受信までのサイクルを長くせざるを得なかったのである。
一方、高感度かつ高方位分解能の探傷を可能にする手法として、ゾーンフォーカス技術がある。ゾーンフォーカス技術は、深さ方向に設定したゾーンに対し送受信で焦点を結びリニア走査をしながら探傷を行うものである。焦点は、階層的に設定が可能であり、送信と受信で焦点を合わせることにより高感度で方位分解能の良い探傷が可能となる。また、ダイナミックデプスフォーカス(以下DDFと呼ぶ。)は、一つの送信に対して複数の受信フォーカスをかけることが出来、一つのバーチャルプローブに対して、深さの異なる焦点を持つと同様になり、高速化に有効である。
しかし、どちらの方法にしてもバーチャルプローブごとに超音波を送受信をしながら(電子)走査するため高速化に限界があり、また現状の16〜32チャンネル程度のバーチャルプローブでは、大きな開口が取れないため焦点距離が長く取れず肉厚の大きな探傷に限界がある。
ボリュームフォーカスは、上記従来のフェイズドアレイと異なり、一度にアレイプローブの全素子で送信し、その後全素子で受信し、メモリされた各素子のAスコープ波形を合成し評価するものである。
送信波は、広い開口を持ったプローブから発信されるためリニアプローブの場合平面波として伝播する。反射エコーはすべての素子に接続されたアンプにより増幅、A/ D変換され、その後メモリされる。即ち、一回の送信で、全素子分(例えば、128個)のA スコープ波形が、メモリされることになる。この探傷波形データは、高速のDSP(Digital Signal Processor)の信号処理により、設定されたアパーチャー毎にDDFなどの受信ディレー処理が行われ評価される。この処理は高速で行われ、また複数の処理を同時に行うことにより、さらに処理速度を上げることができる。全ての処理が終われば、次の送信が可能となり、この間にゴーストエコーが消滅していれば送信できる。即ち、一回の送信でゴーストの影響を受けずに、一断面全てのポイントの評価が可能となる。
ボリュームフォーカスが高速探傷に適しているのは、このためである。
例えば、棒状の被検材において、被検材の外周に沿ってアレイプローブを配置することにより被検材の断面の内部探傷を行い、当該断面の探傷が終わると被検材の軸方向について機械的にプローブを走査することにより軸方向の他の位置の断面の探傷を行うものとし、上記の各断面における探傷についてボリュームフォーカスを利用するものとすれば、軸方向の各位置における探傷時間を極めて短くできるので、一本の棒材について全体の探傷時間を大幅に低減することができるのである。
図10にボリュームフォーカスの信号処理のタイムチャートを示す。
図10の、T1は1回目の超音波の送信波を示し、図10のT2は2回目の超音波の送信波を示す。1回目2回目の何れにおいても、S1は被検材表面における反射エコーであり、B1は被検材底面における反射エコーであり、S2はB1が上記被検材表面にて再び反射することによって生じた反射エコーである。S2〜Snは、上記のゴーストエコーと呼ばれるものである。
図11(A)(B)を用いて、ゾーンフォーカス探傷とボリュームフォーカス探傷の違いを128素子のリニアアレイプローブを使用した探傷の例にて説明する。
ここでは、従来のゾーンフォーカス探傷として、128個の振動素子(振動子)を備えるアレイプローブを用い、32素子の同時励振を行い深さ方向に3階層を持たせる場合を考える。
具体的には、図11(A)の上方の升目の夫々は、アレイプローブの素子の夫々を示しており、左端の升目が示す素子を、1番目の素子として、その右隣を2番目、更にその右隣を3番目の素子とする。この場合、右端の素子は128番目の振動子となる。各素子は、送信と受信とを行う。
探傷する各階層について、第1番目乃至第32番目の素子を振動させて第1回の超音波の送受信を行い、次に、第2番目乃至第33番目の素子を振動させて第2回の超音波の送受信を行い、次に、第3番目乃至第34番目の素子を振動させて第3回の超音波の送受信を行う。このように、同時発信する32素子のグループを右側へシフトしてゆき、最後に第126番目乃至第128番目の素子を振動させて合計第97回の送受信を行う。このような動作がアレイプローブの電子走査である。
上記の探傷において、1回の送受信のグループを構成する32素子を励振する信号は、夫々異なるディレイ(遅延)がかけられている。また、当該32素子の受信による振動にて得られた信号にも、夫々ディレイがかけられている。このような送受信のディレイ処理によって、32素子が1回に発する超音波は、1点にフォーカスする。
そして、被検材の深さ方向について、第1階層となる位置z−1にアレイのフォーカスを設定して、図11(A)の矢印方向へ向けて上記の電子走査を行う(被検材の深さ方向を図11(A)では上下方向とし、矢印方向は図示の通り図の左右方向となる)。上記の第1階層において矢印方向の各位置の探傷が終わると、次に第1階層より深い第2階層となる位置z−2へアレイのフォーカスを設定して、上記と同様矢印方向へ電子走査を行う。この第2階層の探傷が終わると、次に第2階層より深い第3階層となる位置z−3へアレイのフォーカスを設定して、上記と同様矢印方向へ電子走査を行う。
このように、この例において、ゾーンフォーカス探傷では、3回の電子走査が必要となる。
従って、この例では、素子方向に97回、深さ方向に3回のスキャニングが必要であり97×3= 291回、実際の超音波の送受信が行われている。
一方ボリュームフォーカス探傷では、一回の送受信で上記の3階層やそれ以上の複数階層に対しDDFをかけた探傷が可能である。例えば、図11(B)では5階層のDDFをかけたボリュームフォーカス処理を示しているが、このDDFの階層数の増加はPRFに影響しない。
具体的に説明する。
図11(B)中、アレイプローブから出て下方に伸びる複数の平行な縦線は、全チャンネル同時励振の平面波を表し、破線は、受信のフォーカスビームを示す。黒丸点は受信側のフォーカス(焦点)を示す。即ち、ボリュームフォーカス探傷において、上記の128個の素子から同時に超音波を発信するものであり、当該送信時はフォーカスさせず、受信時において、ディレイ処理により、仮想的に焦点を得るのである。
図11(B)の上記縦線で示すように、上記の一回に全素子同時の超音波の発信を行うことにより、各素子が受信したエコーについて、ディレイをかけて仮想的にフォーカスを作り、例えば、第1番目乃至第32番目の素子が受信した超音波について、図11(B)の左側端の上下6個の黒丸点の夫々を焦点とする受信処理を一度に行え、次の受信処理によって、上記左端の右隣の上下6個の黒丸点の夫々を焦点とする受信処理を一度に行うことができる。このような受信処理を、97回行うことによって、深さ方向の各階層の処理を完了することができる。
上記の通り、この図11(B)へ示す、ボリュームフォーカス探傷では、図11(A)に示すゾーンフォーカス探傷のように、電子走査を必要とせず、また、深さ方向の各位置に、フォーカスした結果が得られるので、1回の超音波の送受信で、ゾーンフォーカス探傷において複数回の電子走査で探傷を行っていた範囲の探傷を行うことができる。
棒状の被検材の例を採れば、上記の図10におけるT2というのは、T1の発信にて探傷した断面と、被検材の軸方向について異なる位置の、次の断面の探傷のための送信波を示している。この点、図11(A)のゾーンフォーカス探傷においては、T1は、例えば1階層の最初の焦点を得るために発した送信波であり、T2は、1階層において、当該焦点と電子走査方向について隣りに位置する、次の焦点を得るために発した送信波となる。
ゾーンフォーカスとダイナミックフォーカスの、何れの探傷においても、図10のS1と、B1(実際にはB1よりもやや右側のB2寄りの位置)との間において、欠陥エコーの有無を調べるものである。ボリュームフォーカスでは、このS1とB1間について、Aスコープ取り込み処理を行う(B1よりも、右側に現れるB2等のピーク波形はゴーストエコーによるものなので、不要であり、取り込まない)。
しかし、ゾーンフォーカスでは、被検材のT1を送信したのと同じ断面について次のT2を送信するものであるため、T1についてのゴーストエコーがなくなるまで、T2の送信が行えないのである。
本願発明者は、ゾーンフォーカスと比較して、ボリュームフォーカス探傷の処理の高速性について、角ビレットとして、アルミニュームテストピースを使用して検証を行った。このテストピースに設けた人工欠陥は、φ0.5mmのSDH(Side Drill Hole) である。ゾーンフォーカスとボリュームフォーカスの、どちらにおいても、10MHz、0.5mmピッチのアレイプローブを使用した。ゾーンフォーカス法では深さ方向に焦点深さを15mm間隔で3段階、長手方向に0.5mmピッチでスキャニングしている。ゴーストを避けるために各サイクルのPRFは2KHzとなり全体では2000÷97÷3= 6.8Hzであった。これに対してボリュームフォーカスでは128素子同時励振し受信は32素子のフォーカルロー、深さ方向に10mmのDDFをかけ0.5mmピッチの信号処理を行っている。このときのPRF波437Hzであった。これは、64倍の高速探傷である。
また、ゾーンフォーカスでは送受信とも焦点をしぼることができるため分解能に優れていることが確認できた。一方、ボリュームフォーカスでは、DDFの効果により深さ方向でビームが広がらず、焦点を持っていることが確認できた。ボリュームフォーカスでは、この探傷のBスコープが一度の送信により得られる。
上述の通り、ゾーンフォーカスといったそれまでの探傷方法に比して、探傷速度の低減において、極めて有利な上記のボリュームフォーカスであるが、特に、角ビレットと呼ばれる断面が四角形の角柱状の金属棒材の内部探傷を行う場合においては、十分な探傷が行えないデッドゾーンの存在が問題となる(従来の角ビレットの探傷について非特許文献3,4参照)。
この点について、詳述する。
上記のボリュームフォーカスを利用する探傷として、断面視において、角ビレット断面の四角形の一辺に沿って、ほぼ当該一辺の幅に渡り、複数の振動子が配列されるように、1本のアレイプローブを配置し、入射辺として当該一辺に対して、各振動子から同時に超音波を発信することで発生させた擬似平面波を垂直に入射させる所謂垂直探傷法を行えば、角ビレットの内部全域の探傷を1回の送受信で済ませることができるように思えるかもしれない。
しかし、現実には、上記入射辺(上辺)にて発生する反射エコー(表面エコー)により、角ビレット内部において当該入射辺付近の領域は、欠陥エコーを検出することが困難なデッドゾーン(不感帯)となっている。
更に、上記入射辺におけるデッドゾーンに比べると遥かに小さいものの、入射辺と対向する対向辺(底辺)において発生する反射エコー(底面エコー)により、角ビレット内部において当該対向辺付近にも僅かにデッドゾーンが生じる。
また、断面視四角形の角ビレットの、上記入射辺と隣接する2つの隣接辺付近においても、前述の図11(B)の左右端を見れば分かる通り、受信処理にてフォーカスを形成することができない領域が存在する。
本願発明者は、鋭意研究の末、断面が矩形の角柱の被検材について、ボリュームフォーカス探傷を利用して探傷時間の短縮を図りつつ、特に上記入射辺と隣接する隣接辺付近において(図11(B))デッドゾーンの発生を抑制することを課題とする。
本願第1の発明は、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を用いた超音波探傷装置において、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この装置は、角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり被検材の断面視において被検材一辺に沿ってアレイプローブの複数の振動子が配列され、励振手段は、前記振動子の夫々を漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせることができ、励振手段は、アレイプローブが沿う上記辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として超音波を、斜角探傷法により、複数の振動子の1回の振動にて、入射辺の各位置から被検材内部へ入射させ入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺の一方に到達させるものであり、励振手段は斜角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、被検材内部に超音波の現実の焦点を設定しないものである。
尚、上記の擬似電子走査とは、従来のアレイプローブの送受信において行う電子走査と異なり、送信側においては電子走査を行わずに一度に探傷する範囲について超音波を送信するものとし、受信側で受信した波形のメモリ読出しにおいて行われる振動子に対応するメモリ読出しの走査である。即ち、ボリュームフォーカスを得るための受信側の走査として、振動子の配列方向と対応するメモリのアドレスの配置方向(Y方向)の各位置におけるダイナミックフォーカスを全て得るために、個々のダイナミックフォーカスを得るに必要なメモリのアドレスを、順次、振動子の配列方向に対応するY方向にシフトさせて行くことをいう。
本願第2の発明では、上記本願第1の発明にあって、被検材が、断面が略矩形の角柱材である特徴とする超音波探傷装置を提供する。
本願第3の発明では、上記本願第1又は第2の発明にあって、上記の斜角探傷法による隣接辺に向けた探傷に際し、当該隣接辺と対向辺とがなすコーナー内部について、位相合成手段は、電子走査により屈折角を変化させるセクタスキャニングを、実際の電子走査に代え、波形メモリにメモリされた波形の合成により、擬似的に行う超音波探傷装置を提供する。
本願第4の発明は、以下の構成を備えた超音波探傷装置を提供する。
即ち、この装置は、角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり斜角探傷装置を備え、斜角探傷装置は、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものであり、斜角探傷装置のアレイプローブは、被検材の断面視において、角柱材である被検材の一辺に沿って、複数の振動子を配列するものであり、角探傷装置の励振手段は、振動子の夫々を漸次タイミングをずらして励振することにより、当該アレーが沿う夫々の辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として当該入射辺から超音波を、複数の振動子の1回の振動にて、斜めに被検材内部へ超音波を入射させ、被検材内部で超音波を収束させずに、入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺に到達させるものであり、
斜角探傷装置は、上記波形メモリの読み出しにおいて、入射角度に応じて受信タイミングを漸次ずらす補正値を各アドレスに加算した後、焦点手段に上記処理をさせる、角度補正手段を備える。
本願第の発明では、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段とを用い、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のA スコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものである、ボリュームフォーカス探傷法による超音波探傷方法において、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この装置は、角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり被検材の断面視において、被材の一辺に沿って、アレイプローブの複数の振動子を配列し、励振手段にて、振動子の夫々に漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせ、励振手段で、アレイプローブの夫々に、当該アレーが沿う夫々の辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として超音波を、斜角探傷法により、複数の振動子の1回の振動にて、入射辺の各位置から被検材内部へ入射させ、斜角探傷法により入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺の一方に到達させるものであり、角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、被検材内部に超音波の現実の焦点を設定しないものである。
本願第の発明では、上記本願第5の発明にあって、上記の探傷後、上記のアレイプローブを被検査材断面と交差する方向へ物理的に走査することにより、当該交差方向の他の位置にて上記の探傷を行うことを特徴とする超音波探傷方法を提供する。
本願第の発明では、本願の上記第の発明にあって、上記の角度補正手段は、入射辺に対して斜めとなる入射角度θでプローブから被検材へ入射するまでの各振動子の発信ビーム間の入射辺への到達時間差と、屈折角θ'にて入射後入射辺から隣接辺まで各ビーム間の隣接辺への到達時間差と、隣接辺にて反射後隣接辺から入射辺までの各ビーム子間の入射辺への到達時間差と、入射辺からプローブに至るまでの各ビーム間のプローブへの到達時間差とにて確定した補正量のパターンを、焦点手段に提供する超音波探傷装置を提供する。
本願第の発明は、本願の上記第の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、上記の焦点手段は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51と、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52と、ダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされるダイナミックフォーカス位相補正メモリ414とを備える。Y 方向カウンタ51と、D深さ方向カウンタ52のデータをこのダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給することにより、フォーカス位置(y,d)での位相補正量が得られるものである。上記の角度補正手段は、ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給される上記のカウンタのデータに、上記の入射角度θについての補正量のパターンを加算するものである。
本願第の発明は、本願の上記第の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、角度補正手段は、受信ディレイパターン保持部と、受信側選択保持部とを備え、受信ディレイパターン保持部は、入射角度に応じた補正量のディレイパターンを保持するものであり、受信側選択保持部は、入射角度の選択により、受信ディレイパターン保持部中の対応するディレイパターンを特定するものであることを特徴とする。
本願第10の発明は、本願の上記第の発明にあって、次の構成を採る超音波探傷装置を提供する。
即ち、受信側において、斜角探傷中、入射角度を一定とする隣接辺に向けた探傷と連続して、当該隣接辺と対向辺とがなすコーナー内部に向けた探傷を行うものであり、当該コーナー内部の探傷については、電子走査中入射角度を漸次変化させるセクタスキャニングを、実際の電子走査に代え、波形メモリにメモリされた波形の合成により、擬似的に行うものであることを特徴とする。
本願第1〜10の発明によって、ボリュームフォーカスを利用することにより、角柱状の被検材の探傷を、高速に行うことを可能とした。特に、ボリュームフォーカスを利用した斜角探傷法を行うことにより、被検材内部の、従来のボリュームフォーカスによる垂直探傷法のみではカバーできない領域についても、確実に探傷を行うことを可能として、欠陥の検出が困難なデッドゾーンを低減させた。
具体的には、斜角探傷法は、入射辺に対して斜めに超音波を入射させるものであり、この入射辺に隣接する隣接辺に対しても超音波は被検材内部において、斜めに当ることになる。このため、隣接辺の反射エコーは殆ど発生せず、隣接辺付近の欠陥エコーを確実に検出することができる。
本願発明は、ボリュームフォーカスによる斜角探傷法を、上記アレイプローブにて行うことにより、隣接辺の少なくとも一方に向けて、超音波の送信とその受信を行い、隣接辺付近の欠陥エコーの確実な検出を可能とする。そして、上記と別途の第2のアレイプローブを、上記の隣接辺の一方に沿って配置し、上記の隣接辺を入射辺として、上記と同様に斜角探傷法にて、超音波の送受信を行うことにより、第1のアレイプローブではデッドゾーンとなった入射辺付近や当該入射辺と対向する対向辺を、第2のアレイプローブにおける入射辺に隣接する隣接辺として、第2のアレイプローブによる斜角探傷にて、反射波の影響を受けることなく、第1のアレイプローブでの入射辺付近とその対向辺付近の欠陥エコーの検出を可能せしめた。
また、向きを変えた複数のアレイプローブにより、方向性を有する欠陥に対し、その評価が可能となった。
特に、この装置及び方法は、ボリュームフォーカスの、超音波変換器アレーの全振動子をスパイクパルスで励振する励振手段にて超音波の送信側でのフォーカスを廃止し、超音波変換器アレーの前面に超音波の擬似平面波を放射する、即ち、フォーカスがない(或いは、ないに等しい程度遠方にフォーカスする、即ち探傷範囲以遠にてフォーカスする)超音波の疑似平面波を送信することにより、探傷範囲を狭めない、というメリットを垂直探傷のみならず、斜角探傷においても獲得し、これによって、より欠陥検出の精度の高い探傷を行うことを可能とした。特に、この発明は、被検材に対する超音波変換器アレーの設置範囲を、被検材の検査範囲の全域に対応させることにて、一回の超音波の発信で検査範囲の全範囲に渡り超音波を伝播させるものとした。
そして、検査範囲内の反射源からの反射エコーは、超音波変換器アレーの各振動子で受信され、波形データとして各波形メモリに記憶される。この波形メモリには、波形データとして、全検査範囲内の欠陥(超音波反射源)の位置とその大きさ(反射量)の情報が位相拡散して記憶される。即ち、1回の超音波の送信とそれに続く超音波の受信により、その全検査空間内の欠陥分布状況が位相拡散されて波形メモリに記憶されていることになる。この位相拡散された各波形メモリの内容から、検査空間内の任意位置の欠陥分布状況を高速に逆演算する手段があれば、全検査空間内の欠陥分布状況を再合成可能となり、検査時間は飛躍的に短縮され、検査スピードは向上する。これは、各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と、各波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段により可能となる。
本願発明の一実施の形態に係る装置のアレイプローブの配置を示す略断面図である。 上記の配置を示す略側面図である。 上記の装置の概要を示すブロック図である。 図3のプロック図の要部を拡大したブロック図である。 上記装置の一つのアレイプローブの被検材に対する超音波の発信状態を示す略断面図である。 上記装置の斜角探傷についての説明図である。 上記の超音波探傷装置の制御手順を示すフローチャートである。 この超音波探傷装置の電子操作のイメージを示す説明図である。 この超音波探傷装置の波形メモリ上の垂直探傷における位相合成曲線のイメージを示す説明図である。 ボリュームフォーカスの信号処理のタイムチャートを示す。 (A)はゾーンフォーカス探傷の説明図であり、(B)はボリュームフォーカス探傷の説明図である。 (A)〜(C)は、本願発明の装置による探傷結果を示す説明図である。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図9へ、本願発明の一実施の形態を示す。
図1は、本願発明の一実施の形態に係る装置のアレイプローブの配置を示す略断面図である。図2は、上記の配置を示す略側面図である。図3は、この装置のブロック図である。図4は図3のプロック図の要部を拡大したブロック図である。図5は、上記装置の一つのアレイプローブの被検材に対する超音波の発信状態を示す略断面図である。図6は、上記装置の斜角探傷についての説明図である。図7は、上記の超音波探傷装置の制御手順を示すフローチャートである。図8は、この超音波探傷装置の擬似電子走査のイメージを示す説明図である。図9は、この超音波探傷装置の波形メモリ上の垂直探傷における位相合成曲線のイメージを示す説明図である。
この装置は、断面が略矩形の被検材の内部探傷を行うものである。ここでは、角ビレットと呼ばれる、断面が略正方形の角柱材を被検材とする場合を例に採って説明する。
この装置は、図3へ示す通り、第1乃至第4の4つの探傷手段k1〜k4と、統括制御部100と、画面表示部110とを備える。
この実施の形態において、探傷手段k1〜k4の夫々は、垂直探傷装置と斜角探傷装置とを兼ねる。
この実施の形態において、探傷手段k1〜k4は、同一の構成を採るので、何れも探傷手段kとして、纏めて説明する。
探傷手段kは、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子1…1を有するアレイプローブ10(以下必要に応じて超音波変換器アレー10と呼ぶ。)と、アレイプローブ10の各振動子1…1を励振する励振手段と、波形メモリと、位相合成手段と、焦点手段と、角度補正手段と、ゲート処理手段と、Aスコープメモリ手段とを備え、垂直探傷と斜角探傷の夫々において、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を行うことができる。
励振手段は、垂直及び斜角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、被検材内部に超音波の現実の焦点を設定しない。即ち、励振手段は、垂直及び斜角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、プローブに擬似平面波を発信させることができる。
角度補正手段は、上記波形メモリの読み出しにおいて、入射角度に応じて受信タイミングを漸次ずらす補正値を各アドレスに加算した後、焦点手段に上記処理をさせる。
尚、上記において、アレイプローブ10の全振動子1…1を振動させるものとしたが、例えば、振動子1…1の列の長さが、各ビレットの一辺の長さを超える場合、当該辺と対応する範囲の振動子1…1のみを励振するものとして実施できる。即ち、ここでいう全振動子というのは、アレイプローブ10中、被検材の一辺と対応する振動子1…1全てという意味である。
図1に示す通り、角棒である被検材の、軸方向と直交する断面視において、被検材mの4つの辺m1〜m4の夫々に沿って、上記探傷手段k1〜k4のアレイプローブ10…10(10a…10d)の夫々が配置される。
即ち、被検材mの断面視において、図1に示す通り、第1探傷手段k1のアレイプローブ10aは、対面する辺を第1辺m1として当該第1辺m1に沿って配置され、第2探傷手段k2のアレイプローブ10bが、対面する辺を第2辺m2として当該第2辺m2に沿って配置され、第3探傷手段k3のアレイプローブ10cが、対面する辺を第3辺m3として当該第3辺m3に沿って配置され、第4探傷手段k4のアレイプローブ10dが、対面する辺を第4辺m4として当該第4辺m4に沿って配置される。
上記において、各アレイプローブ10が備える複数の振動子1…1は、被検材mの対向する各辺と平行に配列される。
1つのアレイプローブ10の、振動子1…1の列の長さは、対応する辺の長さの60%以上とするのが好ましい。但し、このような数値は、変更可能である。
図1に示す通り、各アレイプローブ10a…10dと被検材m表面との間には、間隔(ギャップ)が開けられ、両者の間は、超音波の媒介となる探傷水Tが介される。
この探傷装置において、周知の水浸法又は局部水浸法を採用することができる。
図2へ示すように、第1乃至第4の各探傷手段k1〜k4の、アレイプローブ10a…10dの夫々については、互いが発信した超音波やその反射波(ゴーストエコーを含む。)の影響を受けないように、被検材の異なる断面に配置される。
例えば、角柱棒(角ビレット)である被検材mは、その製造ラインにおいて、棒の長手方向即ち、棒の軸方向に沿って移送される。図2に示す通り、この移送方向Eの異なる位置に、アレイプローブ10a…10dの夫々を配置しておくのである。
また、このように、当該移送ラインの途中に、上記各アレイプローブ10a…10dを配置し、その振動子1…1の列を、上記移送ラインと交差するように配置することによって、プローブを、角ビレットの生産ラインにおいて、オンラインで、機械的に走査することができる。
この実施の形態では、鋼材などの材料製品である被検材の生産ライン(図示しない。)において、被検材の生産ラインの流れと交差して、超音波変換器アレー10が配置されることにより、即ち、超音波変換器アレー10が生産ラインを横断し、横断した被検材の少なくとも検査予定の全幅(横幅)に渡って振動子1…1が配置された状態とされることにより、ラインの移送に伴って、被検材のラインの移送方向(縦幅方向)の各位置における、被検材内部の探傷予定の全範囲を、順次探傷して行くものとする。
但し、オンライン探傷を行わない場合は、上記のように、被検材の軸方向について、被検材に対して相対的に、移動させる別途プローブの物理的な走査手段を、この探傷装置が備えるものとして実施することができる。
この実施の形態において、4つのアレイプローブ10a〜10dは、被検材mの一断面の探傷において、個々に、3度超音波を送受信する。
具体的には、図1に示す4つのアレイプローブ10a〜10dは、夫々、対向する辺を入射辺として、1回の超音波の発信により、上記の擬似平面波を、当該入射辺から被検材内部へ入射させ、入射辺と対向する対向辺へ到達させることにより垂直探傷を行う。更に、4つのアレイプローブ10a〜10dは、夫々他の1回の超音波の発信により、上記の擬似平面波を、当該入射辺から被検材内部へ入射させ、上記入射辺と隣接する一方の隣接辺に到達させることにより斜角探傷を行う。そして、4つのアレイプローブ10a〜10dは、夫々更に他の1回の超音波の発信により、上記の擬似平面波を、当該入射辺から被検材内部へ入射させ、上記入射辺と隣接する他方の隣接辺に到達させることにより斜角探傷を行う。
例えば、第1探傷手段k1のアレイプローブ10aについて見ると、図5へ示す通り、1回の超音波の発信により、第1辺m1を入射辺として第1辺m1から超音波を入射させ、第1辺m1と対向する第3辺m3に擬似平面波を到達させるものであり、他の1回の超音波の発信により、第1辺m1を入射辺として第1辺m1から超音波を入射させ、第1辺m1と隣接する第2辺m2に擬似平面波を到達させるものであり、更に他の1回の超音波の発信により、第1辺m1を入射辺として第1辺m1から超音波を入射させ、第1辺m1と隣接する第3辺m3に擬似平面波を到達させるものである。3回の超音波の送信の送信の順は、何れでもよい。
図示は省略するが、上記において、第2アレイプローブ10bでは第2片m2が入射辺となり、第3アレイプローブ10cでは第3片m3が入射辺となり、第4アレイプローブ10dでは第4片m4が入射辺となる。
図5に示す通り、被検材mの断面視において、第1探傷手段k1の、垂直探傷における探傷領域は、白丸の点が分布する領域である。この場合、入射辺(第1辺m1)付近、即ち、線分(仮想線)e0−e0より上方が、最も大きなデッドゾーン即ち反射波の不感帯である。更に、白丸の点が分布する領域の左右の領域も、垂直探傷における、デッドゾーンである。
また、この場合、図5において示していないが、対向辺(第3辺m3)付近にも、僅かではあるがデッドゾーンが存在する。
第1探傷手段k1の、斜角探傷における探傷領域は、図5に示す、黒丸の点が分布する領域、即ち、夫々楕円(仮想線)に囲まれた領域e2,e3,e4,e5である。
但し、通常、隣接辺の夫々と対向辺とがなすコーナー部分、即ち、領域e4,e5については、受信処理における平面波のみのスキャンでは、デッドゾーンとなり、確実な欠陥エコーの検出はできない。
図5において、第1探傷手段k1のプローブを例に採って説明したが、他の探傷手段k2〜k4においても、第1〜第4辺の何れを入射辺とするか等の配置の向きが異なるだけであり、入射辺、両隣接辺、対向辺に対する探傷領域、デッドゾーンの相対的な位置関係は、図5に示す場合と同様である。
第1探傷手段k1による探傷において、図5に示す、上記の線分(仮想線)e0−e0より上方のデッドゾーンは、当該第1探傷手段k1のアレイプローブ10と直交する或いは対向する、他の探傷手段k2〜k3の各アレイプローブ10によって、概ねカバーすることができる。
一方、垂直探傷のみでは、入射辺付近と対向辺付近のデッドゾーンについては、向きの異なる他の探傷手段のプローブによってもカバーすることはできないので、夫々の探傷装置の斜角探傷によって、カバーを行う。
また、上記の平面波による斜角探傷でも十分なカバーができない、上記の領域e4,e5については、受信処理における擬似セクタースキャンにより、カバーすることができる。この擬似セクタースキャンとは、従来の送信側における電子走査を伴うセクタースキャンに対して、送信側では電子走査を行わず、受信部のみで擬似電子走査を行い、セクタースキャンを擬似的に行うことを言う。
図3に示す、上記の各探傷手段k1〜k4は、夫々図4に示す構成を採る。
以下、図4を用いて、各探傷手段kの構成について、具体的に説明する。
図4へ示す通り、1つの探傷手段kは、複数の振動子1…1を備えた超音波変換器アレー10と、パルサー部20と、レシーバー部30と、超音波変換器アレー10の複数の振動子1…1の夫々に対応する複数の信号処理部40…40と、路程カウンタ50と、Y方向カウンタ51と、D深さ方向カウンタ52と、加算器53と、検波回路54と、ゲート回路60と、波形ピーク保存回路70と、制御部90とを有する。
図4に示す、この装置が有する、上記の、ビーム路程カウンタ50、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52、及び、制御部90において、各カウンタは、制御部90の信号により、クリアされたり、カウントアップされたりすることが可能である。
制御部90は、少なくとも、CPU、メモリ、プログラムROM、画面表示部、通信部で構成され、各種タイミングを作成し各部各回路に送り、各部にデータを与え、又、各部よりのデータを読み出し、その結果を表示し、他装置に通信することが可能な装置である。この制御部90には、市販のコンピュータを用いることが可能である。
図4において、超音波変換器アレー10は、n素子の超音波振動子1で構成されており、パルサー部20、レシーバー部30に接続され、超音波の検査空間への発信、及び、検査空間からの反射超音波エコーの受信を行う。
パルサー部20は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のスパイクパルサー回路より構成され、制御部90よりのパルス発信タイミング信号により、スパイクパルサー回路は一斉に動作し、超音波変換器アレー10が励振される。
制御部90は、送信処理設定部91と、受信処理設定部92と、焦点設定部(図示せず。)と、ゲート位置記憶部(図示せず。)とを備える。
送信処理設定部91は、入射辺に対する入射角度θ或いは隣接辺に対する角度φ(図6)に応じた、各振動子に与える励振信号のタイミングの遅延量(ディレイ量)のパターンを保持する送信ディレイパターン保持部(図示せず。)と、選択保持部(図示せず。)とを備える。オペレータは、探傷前に、隣接辺に対する角度φを入力することにより、送信処理設定部91において、送信ディレイパターン保持部から、当該角度に応じた、補正量のパターンを選択することができ、当該選択結果を選択保持部に保持しておくことができる。
上記の角度について詳述する。図6に示す通り、第1の探傷手段k1を例に採れば、隣接辺の一方(第2辺m2)について、被検材の上記入射辺(第1辺m1)に対する超音波の入射角度θの決定は、斜角探傷に際して、被検材の超音波の屈折角度θ'を考慮して、目的とする当該隣接辺(第2辺m2)に対する角度φが得られるように行われる。上記の屈折角度θ'は、各温度において探傷水T内における音速と被検材の材料内の音速によって決まる(材料と温度によって定まる)。また角度φは、S/N比など、材料によって異なる受信条件を、最良とするものが選択される。オペレータの統括制御部100の操作にて、材料、探傷水の温度と共に、上記角度φの入力を受け付ければ、制御部90において、送信処理設定部91が、屈折角度θ'から、対応する入射角度θを確定し、対応する送信のディレイパターンを選択する。また、上記のオペレータの入力により、後述する受信処理設定部92の受信側におけるディレイパターンの選択も同時に行われる。
上記の隣接辺m2と反対側の隣接辺m4に対する斜角探傷の設定についても、上記の角度θ,θ'φは、図6に示すものと、左右対称となる(ある入射角θの正負が逆になる)だけであり、上記と同様に設定される。
超音波の送信時、制御部90は、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とから、選択された上記のディレイパターンを参照して、ディレイパターンに応じたタイミング信号を、スパイクパルサー回路に与える。
プローブから擬似平面波を発信させるため、送信処理設定部91の上記ディレイパターンは、各振動子が略同一の入射角θにて超音波を発するように、配列された振動子群の一端から他端にかけて、隣接する振動子間の夫々において、略等しい励振の時間差を与えるものである。
また、垂直探傷の場合、入射角度θを0とする、即ち、隣接する振動子間の夫々において、各振動子の励振の時間差が0となる、ディレイパターンを、事前に、送信処理設定部91において、送信ディレイパターン保持部から選択し、選択保持部に保持させればよい。
統括制御部100は、上記のオペレータの統括制御部100の操作により、各探傷手段k1〜k4の制御部90における送受信のディレイパターンの選択を一括して行うことができる。また、オペレータは、受信処理におけるコーナー部の探傷の設定も、上記統括制御部100の操作により行うことができる。
制御部90の受信処理設定部92は、前記の受信角度補正手段を構成する。
受信処理設定部92は、受信側における、斜角探傷の補正量のパターンを保持する受信ディレイパターン保持部と、選択保持部とを備える。
オペレータによる前述の統括制御部100の事前の操作により、受信処理設定部92において、受信ディレイパターン保持部から、角度φに応じた、受信側におけるディレイパターンを選択することができ、当該選択結果を選択保持部に保持しておくことができる。
レシーバー部30は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のレシーバー回路で構成され、超音波受信エコーはここで信号増幅され、信号処理部40に送られる。
信号処理部40は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数の信号処理回路41−1〜41―nで構成される。各信号処理回路41はAD変換器411、超音波波形メモリ412、切替器413、ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414で構成される。
AD変換器411は、レシーバー部30から送られる超音波信号をAD変換し、AD変換された信号は、超音波波形メモリ412に書き込まれる。AD変換のサンプリング周波数は超音波振動子の公称周波数の8倍以上である。このサンプリング信号は、制御部90から第1信号線(図示しない。)で供給される。
この実施の形態において、超音波探傷装置の、前記の励振手段は、主としてパルサー部20にて構成されている。前記の波形メモリは、上記のレシーバー部30と、このAD変換器411と、超音波波形メモリ412とにて構成されている。また、前記の位相合成手段は、加算器53にて構成されている。そして前記の焦点手段は、上記のY 方向カウンタ51と、上記のD 深さ方向カウンタ52と、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414とにて構成されている。
超音波波形メモリ412は、書き込みステップ(図7のS12,S22,S32)では、AD変換器411から送られる超音波波形データを書き込み、また、読み出しステップ(図7のS13,S23,S33)では、同メモリ412に保存されている超音波波形データを読み出され、加算器53に接続される。この超音波波形メモリ412のアドレスは切替器413から供給される。
切替器413は、書き込みステップ(図7のS12,S22,S32)ではビーム路程カウンタ50の値を超音波波形メモリ412のアドレスに送り、読み出しステップ(図7のS13,S23,S33)ではダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容を超音波波形メモリ412のアドレスに送る。
上記のビーム路程カウンタ50は、波形メモリに取り込むデータの深さ方向の範囲を特定するカウンタである。
ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414は、上記の角度φが加味された上で公知のダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされており、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51と、フォーカスの深さ位置dを示すD深さ方向カウンタ52のデータをこのダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給することにより、フォーカス位置(y,d)での位相補正量が得られ、この位相補正量が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスに与えられる。超音波波形メモリ412からは、そのフォーカス位置(y,d)でダイナミックフォーカスを行う場合の、その振動子が寄与する超音波波形データが得られる。上記手順が各信号処理回路41−1〜41―nで同時に行われ、各信号処理回路41−1〜41―nの各超音波波形メモリ412の内容、すなわち超音波波形データは加算器53に送られ、ダイナミックフォーカスの位相合成が行われる。なお、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容は、第2信号線(図示せず。)を通じ、制御部90が備える焦点設定部に予め記憶される。
また、Y 方向カウンタ51の擬似電子走査位置yは、振動子の配列位置と対応する。
焦点設定部が保持する補正量は、受信処理設定部92にて設定された角度についての補正量を加味したものである。
即ち、制御部90は、上記の焦点設定部に対して、受信処理設定部92にて予め設定された角度(角度φ)についての補正量(ディレイパターン)を与えておき、上記フォーカスに必要な位相補正量(ディレイパターン)を加算して、加算後の補正量を焦点設定部に保持させる。
前述の通り、受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部は、被検材の材料、探傷水の温度、及び、材斜角探傷における前述の角度φに応じて受信処理のディレイパターンを保持しており、オペレータの統括制御部100への事前の操作により、被検材の材料、探傷水の温度、材斜角探傷における前述の角度φの入力を受付け、保持しているディレイパターンのうち、対応する受信ディレイパターンが選択され、当該選択された結果即ちパターンの設定が受信処理設定部92の選択保持部に保持される。
上記の焦点設定部への角度についての補正量の付与については、当該角度の設定後探傷前に、制御部90が、受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部及び選択保持部から、選択された角度補正用のディレイパターンを参照して行う。
1振動子のビームに相当するメモリに、一つの補正量が付与される。従って、斜角探傷を行う複数のビームに相当するメモリに与えられる、補正量夫々にて1つの(角度補正用)ディレイパターンが構成される。また、一つの角度に一つの(角度補正用)ディレイパターンが与えられる。
上記の角度の補正に用いる受信処理のディレイパターンは、図6に示す、探傷水中のプローブから入射辺(第1辺m1)への入射角度θに応じた各発信ビーム間の到達時間差と、被検材中の入射辺(第1辺m1)から隣接辺(第2辺m2)への上記角度φ(θ+θ')に応じた各ビーム間の到達時間差と、被検材中の隣接辺(第2辺m2)から入射辺(第1辺m1)への上記角度φ(θ+θ')に応じた各反射ビーム間の到達時間差と、探傷水中の入射辺(第1辺m1)からプローブへの入射角度θに応じた各反射ビーム間の到達時間差とによって、定まるものである。
上記の通り、制御部90は、このような角度補正のディレイパターンに、所望の位置(図5の黒丸点)に焦点させるための上記の補正パターンを加算したディレイパターンを焦点設定部に保持させるのである。角度補正用ディレイパターンは、ダイナミックフォーカスを形成するフォーカルロー毎の焦点用ディレイパターンに加算される。フォーカルロー毎の焦点ディレイパターンは、深さに応じた複数の角度に対応するディレイパターンである。
この実施の形態において、上記の受信ディレイパターンには、コーナー部(図5の領域e4,e5)に対する擬似セクタースキャンのパターンも隣接辺に向けた斜角探傷のパターンの一部として、受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部から選択され、受信処理設定部92の選択保持部に保持される。
上記擬似セクタースキャンのパターンの設定は、コーナー部(図5の領域e4,e5)に対する擬似セクタースキャンを行う際の中心角の設定により行う。
例えば、受信側の処理において、図5の第2辺m2向けた超音波による領域e2の処理と連続して、上記の擬似セクタースキャンで領域e4の探傷処理を行うものであり、仮に角度φを40度として受信側において領域e2の斜角探傷の処理を行い、領域e4については、35度を中心角として±5度の範囲、即ち、30〜40度の範囲にて、個々の振動子の受信波の角度を漸次変化させて、領域e2と領域e4を対象とする、受信側におけるボリュームフォーカスを行うことができる。この場合、領域e2を対象とするディレイパターンは、1つの角度φに対応するものとなるが、領域e4を対象とするセクタースキャンの角度補正用ディレイパターンは、複数の角度分必要となる。従って、セクタースキャンに必要な複数のディレイパターンが、受信処理設定部92にて設定される。即ち、このような設定を受信処理設定部92(の選択保持部)が保持する。
コーナー部(図5の領域e4,e5)の探傷は、上記のセクタースキャン以外に、領域e2,e3に対する斜角探傷と異なる角度に固定した斜角探傷とするものであってもよい。例えば、領域e2の探傷において、上記の角度φを、35度とすると、領域e4の探傷は、角度φを40度に固定して行うものとしても実施できる。
また、ボリュームフォーカスにおける受信側の処理は、各フォーカルロー(1つのダイナミックフォーカスを得るための振動子のグループである。例えば、図11(B)における32個の振動子を1つのフォーカルローとする。)をシフトして、複数のダイナミックフォーカスを得るものであり、上記において、第2辺m2に向けて発した超音波の受信側の処理において、30のフォーカルロー(30回のシフト走査)にて行うとすると、領域e2の斜角探傷にそのうちの20のフォーカルローを割り当て、領域e3の擬似セクタースキャンに10のフォーカルローを割り当てて、領域e2と領域e4の受信処理を行うことができる。
上記の焦点設定部は、この30のフォーカルロー夫々に与える焦点用ディレイのパターンを、補正量のパターンとして保持するのである。
加算器53は、素子数nと同じ個数の超音波波形メモリ412から来る各超音波波形データを位相合成する。この加算器53の出力は、検波回路54に送られる。検波回路54では全波整流、+半波整流、−半波整流等の検波処理が行われる。検波回路54の出力はゲート回路60と波形ピーク保存回路70に接続される。
ゲート回路60は、エコー高さメモリ61、コンパレータ62、書き込み制御回路63、エコー深さメモリ64、ゲート発生回路65、ゲート位置メモリ66、評価部(図示しない。)とを備える。
ゲート回路60は、検波回路54にて検波された波形データの、ビーム路程中において、欠陥の有無を判定する範囲を定めると共に、当該範囲内にて、欠陥の有無の判定を行う。
ゲート回路60は、各読み出しステップS13,S23,S33(図7)の時のみ能動的に機能し、制御部更新ステップS15,S27,S37(図7)ではメモリ61、メモリ64のアクセスのみ行われる。
エコー高さメモリ61は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎のゲート内ピークエコー高さを一時記憶する。コンパレータ62では検波回路54のエコー高さ値と、エコー高さメモリ61に記憶されているゲート内ピークエコー高さを比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路63に書き込み信号を送る。書き込み制御回路63ではゲート発生回路65のゲート信号を受け、ゲートがオンである間に、前記コンパレータ62の書き込み信号が来ると、エコー高さメモリ61とエコー深さメモリ64に書き込みパルスを送る。このパルスを受け、エコー高さメモリ61では、検波回路54の出力データであるエコー高さ値を同メモリ61に書き込み、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを更新する。制御部更新ステップS15(図7)では電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクル(次の断面位置の探傷)の準備を行う。
エコー深さメモリ64は擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎のゲート内ピーク深さ位置を一時記憶する。前記書き込み制御回路63よりの書き込み信号はこのエコー深さメモリ64の書き込みパルスともなる。この書き込みパルスが来ると、エコー深さメモリ64ではフォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値がメモリに書き込まれ、エコー深さメモリ64に記憶されているゲート内ピーク深さ位置は更新される。制御部更新ステップS15(図7)では擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー深さメモリ64のゲート内ピーク深さ位置を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。
ゲート位置メモリ66は擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、擬似電子走査位置y位置毎の、深さ方向のゲート起点位置データとゲート終点位置データが保存されている。擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51が更新されると、ゲート位置メモリ66の内容が読み出され、擬似電子走査位置y位置で決まる、深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値がゲート発生回路65に送られる。
ゲート位置メモリ66の内容は、第3信号線(図示しない。)を通じて、制御部90から与えられるものであり、制御部90のゲート記憶部に、予め記憶される。制御部90は、統括制御部100により、受信処理設定部92の選択保持部において、角度φに応じたディレイパターンが設定されると、当該受信処理設定部92の受信ディレイパターン保持部と角度保持部とを参照して、ゲート記憶部の深さ方向のゲート起点位置データとゲート終点位置データに、当該受信ディレイパターンを反映させる。具体的には、斜角探傷の場合、図6に示す、角度φが与えられた矢印の長さdwをビーム路程の長さとするように、ゲート記憶部の内容が補正される。垂直探傷では、ゲート記憶部のデータに与える補正値は0である。
ゲート発生回路65では、前記ゲート位置メモリ66より送られる深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値を受け、この2つの値と、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値を比較する。D 深さ方向カウンタ52が2つのゲート位置の間にあるときは、ゲート信号をオンとし、逆の時はオフとし、書き込み制御回路63にゲート信号を送る。
評価部は、欠陥エコーとされるピーク高さのデータを保持し、ゲート位置の間において、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さと、保持している上記のピーク高さとを比較して、欠陥の有無を判定する。評価部は、判定結果の信号を、生産ラインの角ビレットの良・不良の選別手段に出力する。
波形ピーク保存回路70は、波形ピーク保存メモリ71、コンパレータ72、レジスタ73、コンパレータ74、及び、書き込み制御回路75より構成される。波形ピーク保存メモリ71のアドレスには、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52がつながれ、各深さでの超音波エコー波形が記憶される。
コンパレータ72は、検波回路54のエコー高さ値と、波形ピーク保存メモリ71の内容を比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路75に書き込み信号を送る。
レジスタ73は、Y 方向電子走査アドレスysの内容が保持され、波形ピーク保存回路70ではこのアドレスys走査線上の各深さ毎の最大値がホールドされる。このレジスタ73のデータは制御部90より書き込まれる。
コンパレータ74は、レジスタ73の内容(ys)と、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とを比較し、一致しているとき、書き込み制御回路75に電子走査位置一致信号を送る。
書き込み制御回路75は、コンパレータ74からの電子走査位置一致信号が来ている時に、コンパレータ72から書き込み信号があると、波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを出力する。この書き込みパルスを受け、波形ピーク保存メモリ71では検波回路54の出力データをメモリに書き込み、メモリ内容は更新される。
表示及び通信ステップS40(図7)において、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52を0より+1しながら、波形ピーク保存メモリ71にメモリされている超音波波形、すなわちAスコープ波形を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。そして、この読み出されたAスコープ波形は制御部90内の画面表示部に表示される。
波形ピーク保存回路70は、オペレータにおいて、探傷の状況をモニタするための画像を、画面表示部110に表示させるものである。従って、製品(被検材m) の合否判定即ち、欠陥の存在より不良品とされるべき製品の選別が行えればよく、オペレータによるモニタが不要である場合は、波形ピーク保存回路70及び画面表示部110を設けずに実施することもできる。
次に図7を用いて、本願発明の動作を説明する。
この図7において、1つの探傷手段kにおけるフロー(工程図)を示している。各探傷手段k1〜k4の夫々において、この図7に示すのと同様のフローを採る。
以下、図7を、第1探傷手段k1のフローとして説明する。
図7に示す、この装置の探傷工程は、垂直探傷についての各ステップS11〜S15と、一方の斜角探傷(+斜角探傷)についての各ステップS21〜S27と、他方の斜角探傷(−斜角探傷)についての各ステップS31〜S37と、表示及び通信ステップS40を備える。
即ち、垂直探傷についての工程として、垂直探傷発信ステップS11と、垂直探傷書込みステップS12と、垂直探傷読出しステップS13と、垂直探傷ゲート評価処理ステップS14と、制御部更新ステップS15と備える。また、一方の斜角探傷(+斜角探傷)の工程として、+斜角探傷発信ステップS21と、+斜角探傷書込みステップS22と、+斜角探傷読出しステップS23と、+斜角探傷ゲート評価処理ステップS24と、+コーナー部読出しステップS25と、+コーナー部探傷ゲート評価処理ステップS26と、制御部更新ステップS27とを備える。更に、他方の斜角探傷(−斜角探傷)の工程として、−斜角探傷発信ステップS31と、−斜角探傷書込みステップS32と、−斜角探傷読出しステップS33と、−斜角探傷ゲート評価処理ステップS34と、−コーナー部読出しステップS35と、−コーナー部探傷ゲート評価処理ステップS36と、制御部更新ステップS37とを備える。
このように、第1探傷手段k1は、被検材mの入射辺(第1辺m1)の垂直探傷、一方の隣接辺(第2辺m2)の斜角探傷、他方の隣接辺(第4辺m4)の斜角探傷の順で、探傷処理を行うものとして説明する。但し、この順は、変更できる。
この図7へ示す通り、ステップS11〜S37の各ステップの処理が一巡すれば、被検材mの軸方向(図2のE方向)の他の位置の探傷に移行し、再び、ステップS11〜S37を繰り返す。
表示及び通信ステップS40については、必要に応じて遂行する。
各ステップについて、順に説明する。
垂直探傷発信ステップS 11では、制御部90より、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とを参照して、1つのパルス発信タイミング信号が作られ、パルサー部20に送られる。垂直探傷では、角度φ或いは入射角度θが0のパターンが設定されている。
パルサー部20では、この信号を受け、超音波変換器アレー10のn素子の超音波振動子に同時にスパイクパルスを送る。これにより、各超音波振動子は同時に励振され、超音波は、超音波変換器アレー10の放射面方向、即ち対向辺に向けて、擬似平面波状に放射される。超音波は検査空間を伝播するが、欠陥等の音響反射面に遭遇すると、超音波の一部は反射され、超音波変換器アレー10で受信される。
垂直探傷書き込みステップS12では、超音波変換器アレー10で受信された各振動子の超音波受信エコーがレシーバー部30で増幅され、振動子素子数分nの信号処理回路41−1〜41―nに送られる。各信号処理回路41では超音波受信エコーをAD変換し、超音波波形メモリ412にメモリされる。このときのメモリアドレスはビーム路程カウンタ50で与えられ、同カウンタのクロックはAD変換器411のクロックと同じである。例えば、この実施の形態では、超音波振動子の公称周波数を5MHz以下とし、AD変換のクロックを50MHzとしている。但し、このような周波数に限定するものではなく、必要に応じて、変更可能である。
通常、ビーム路程カウンタ50は、超音波発信タイミングで0クリアされ、その後AD変換器のクロックでカウントされるが、電子走査範囲の始点が遠方である場合、0クリアされるタイミングは制御部により適切にコントロールされる。これにて、超音波波形メモリ412の容量を有効に利用することができる。このステップは電子走査範囲の最大ビーム路程伝播時間まで行われる。
垂直探傷読み出しステップS13では、検査空間の深さ方向D と探触子配列方向Y について、超音波波形メモリ412に保存されている超音波受信エコー波形を読み出しながら、ダイナミックフォーカス法により擬似電子走査が行われる。図8に擬似電子走査のイメージ図を示す。この図では、超音波変換器アレーと、同アレーの超音波が放射された検査空間内でこの深さd0からdeの区間、及び探触子の配列方向Y方向のy0からyeの区間で示される擬似電子走査平面が示される。
垂直探傷読み出しステップS13では、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52をクリアないしは始点位置y0、d0にセットし、その後、Y 方向カウンタ51をカウントアップしながら、カウンタ値がyeになるまで行う。カウンタがyeを超えると、つぎに同カウンタをクリアないしは始点位置y0にセットし、D 深さ方向カウンタ52を+1カウントアップする。この動作を繰り返し行い、D 深さ方向カウンタ52がdeになり、この位置でY 方向カウンタ51が一巡するまで行われる。これらカウンタ51,カウンタ52のクロックはAD変換のクロックと同じ50MHzで行われる。この間、各信号処理回路41−1〜41―nでは、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52の値がダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給される。同メモリ414は、その電子走査位置(y、d)での位相合成される各超音波振動子(1からn)の位相補正量すなわちビーム路程位置が出力される。さらに、このビーム路程位置が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスとなる。フォーカス位相補正メモリ414の内容は、受信処理設定部92を参照して格納された焦点設定部の内容である。但し垂直探傷であるので、角度についての補正は0である。
このビーム路程位置は、図8の擬似電子走査イメージ上における擬似電子走査位置P1の2つの矢印L1、L2で例示される。ここでL1は擬似電子走査位置P1で超音波が最初にくる伝搬経路を示し、通常は擬似電子走査位置P1ともっとも近い振動子との距離となる。また、L2は擬似電子走査位置P1で超音波が反射された場合の各振動子(図8では振動子位置nで例示)で受信される超音波の伝搬経路を示す。この2つの伝播経路の和(L1+L2)を擬似電子走査位置P1での振動子nにおける位相合成時のビーム路程位置となる。よって、超音波波形メモリ412からは、その擬似電子走査位置(y、d)で位相合成される各超音波振動子での超音波波形データが出力される。この超音波波形データは各信号処理回路41−1〜41―nで超音波振動子素子数分出力され、これが、加算器53に送られ位相合成が行われる。上記手順により、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52で示される擬似電子走査位置(y、d)での位相合成された波形が加算器53で出力される、上記の関係は図8、図9で示される。図8のP1点、P2点は電子走査されている平面上の2点を示し、その2点のアドレス(y1、d1)、(y2、d2)はその時のD 深さ方向カウンタ52、Y 方向カウンタ51を示す。図9は各超音波波形メモリ412のアドレスとメモリを示し、擬似電子走査平面上の2点P1,P2での各超音波波形メモリ412の位相合成曲線を示し、位相合成ではこの曲線にそって、各メモリ412の内容が同時に読み出され、加算器53で位相合成される。ここでは、このような方法を擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカス法と言う。この擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカスが行われている間、加算器53は各々擬似電子走査位置での位相合成結果データを出力し、検波回路54を経由し、ゲート回路60と波形ピーク保存回路70に送られる。
ゲート回路60では、ゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の検出が行われる。図8に示すよう、Y走査位置毎にゲート範囲は個別に設定出来、また、Y走査位置毎の波形ピークエコー高さとそのビーム路程距離が検出可能である。ゲート位置メモリ66は、事前にY走査位置毎のゲート範囲データが書き込まれている。読み出しステップS13の、擬似電子走査平面によるダイナミックフォーカスにおいて、擬似電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51の値はゲート位置メモリ66のアドレスに与えられる。同メモリ66のメモリ内容はそのy位置でのゲート範囲データ(起点位置gs、終点位置ge)であり、そのデータはゲート発生回路65に接続される。ゲート発生回路65では、このゲート範囲データと、擬似電子走査平面のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52を比較し、d位置がゲート範囲にあれば、書き込み制御回路63にゲートオン信号を送る。ゲート位置メモリ66の内容は、前述の通り制御部のゲート位置記憶部の内容であり、受信処理設定部92の補正の内容が反映されたものであるが、垂直探傷であるので、ここでは角度による補正値は0である。
ゲートがオンの間、コンパレータ62では、エコー高さメモリ61に記憶されている前回のゲート内ピークエコー高さと、検波回路54からの現擬似電子走査位置のエコー高さを比較し、現擬似電子走査位置のエコー高さの方が大きいときは、現擬似電子走査位置のエコー高さをエコー高さメモリ61に書き込み、また、その現擬似電子走査位置のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52のデータをエコー深さメモリ64に書き込む。
エコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64のアドレスには、擬似電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51が与えられているので、y位置毎にゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の保存が出来る。
尚、図8は、擬似電子走査の時間関係のイメージを示すものであり、実際にメモリー上に、図8に示すようなゲートが設定されるのではない。
波形ピーク保存回路70では図8に示す擬似電子走査平面上のY位置がysである仮想探傷ライン上の超音波波形の波形ピーク保存処理が行われる。この超音波波形はパソコンの画面表示部で表示されるが、通常、この表示サイクル周期は長く、20msec程度(周波数で50Hz前後)である。これに比べ、本願発明の上記装置では、電子走査平面の全範囲を走査する周期はこれより短く、仮想探傷ライン上の超音波波形をすべて表示することは出来ない。そこで、波形ピーク保存回路70は、表示サイクル周期内の仮想探傷ライン上の各超音波波形において、各深さ位置での超音波波形のピーク高さを保存し、すべての深さ位置でその位置での最大波形を保存するものである。レジスタ73は、仮想探傷ライン上のY位置を示すデータ(ys)が制御部90により書き込まれる。このデータはコンパレータ74に送られる。コンパレータ74では、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とこのレジスタ73(ys)と比較し、一致しているときには一致信号を書き込み制御回路75に出し、以下の動作が有効に行われる。波形ピーク保存メモリ71のアドレスには深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52が接続され、波形ピーク保存メモリ71からは同じ深さ位置dにおける1回前の超音波ピーク波形がコンパレータ72に与えられ、検波回路54からはその同じ深さ位置dにおける最新超音波エコー高さが与えられる。検波回路54の方が高いときは書き込み制御回路75に書き込み信号を送り、書き込み制御回路75では波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを送り、深さ位置dにおける超音波ピーク波形は、前回より高いエコー高さに更新される。この動作が各深さで行われ、また、次次に来る探傷サイクルの各読み出しステップS13でも同様に行われる。
垂直探傷ゲート評価処理のステップS14では、評価部により、ゲート位置の間において、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さと、保持している上記のピーク高さとを比較して、欠陥の有無を判定する。評価部は、判定結果の信号を、生産ラインの角ビレットの良・不良の選別手段に出力する。
制御部更新ステップS15では、制御部90は、メモリ61、メモリ64のアドレスを与えるY 方向カウンタ51を操作しながら、ゲート回路60のエコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
上記の制御部更新ステップS15の後、+斜角探傷発信ステップS21に移行する。
+斜角探傷発信ステップS21では、制御部90より、送信処理設定部91の、送信ディレイパターン保持部と選択保持部とを参照して、1つのパルス発信タイミング信号が作られ、パルサー部20に送られる。+斜角探傷では、角度φ或いは入射角度θに応じたパターンが設定されている。
このような角度の設定により、超音波は、入射辺から一方の隣接辺に向け、擬似平面波状に放射される。このステップS21において、上記以外の点については、前述のステップS11と同様である。
また、+斜角探傷書込みステップS22における処理は、上記の垂直探傷書き込みステップS12における処理と同様である。
+斜角探傷読出しステップS23においても、垂直探傷読み出しステップS13と同様の処理が行われるが、斜角探傷であるので、フォーカス位相補正メモリ414の内容は、受信処理設定部92で角度φに応じて設定したディレイパターンが加算されたものである。また、ゲート位置メモリ66の内容は、受信処理設定部92の補正の内容が反映されたものであり、図6の角度φに応じたdwの長さがビーム路程の長さとなるように、補正されている。
このような角度φに応じたフォーカス位相補正メモリ414及びゲート位置メモリ66の内容に基いて、+斜角探傷読出しステップS23において、垂直探傷読み出しステップS13と同様の処理が行われる。
+斜角探傷ゲート評価処理のステップS24においても、角度の補正が反映された上記ゲート位置メモリ66の内容に基き、上記の垂直探傷ゲート評価処理のステップS14同様の評価処理が行われる。
+斜角探傷ゲート評価処理のステップS24の処理の後、各メモリをクリアせずに、続けて+コーナー部読出しステップS25が遂行される。このステップS25において、前述の通り、受信処理設定部92にて斜角探傷における角度φに対応するディレイパターンには、擬似セクタースキャンや角度φ以外の固定角度によるスキャンを行うための、選択されたディレイパターンが付加されており、このパターンを包含するフォーカス位相補正メモリ414及びゲート位置メモリ66の内容に基いて、+斜角探傷読出しステップS23と同様の処理が行われる。
+コーナー部探傷ゲート評価処理ステップS26において、コーナー部に対する上記角度の補正が反映された上記ゲート位置メモリ66の内容に基き、ゲート内エコー評価処理が行われる。この他の点については、+斜角探傷ゲート評価処理のステップS24と同様である。
制御部更新ステップS27では、制御部更新ステップS15と同様、制御部90が、メモリ61、メモリ64のアドレスを与えるY 方向カウンタ51を操作しながら、ゲート回路60のエコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
他方の斜角探傷(−斜角探傷)の工程である、−斜角探傷発信ステップS31と、−斜角探傷書込みステップS32と、−斜角探傷読出しステップS33と、−斜角探傷ゲート評価処理ステップS34と、−コーナー部読出しステップS35と、−コーナー部探傷ゲート評価処理ステップS36と、制御部更新ステップS37とにおいて、受信処理設定部92に設定されたディレイパターンは、上記一方の斜角探傷(+斜角探傷)の各ステップにおける角度φと正負が逆の角度に基くものである。このことを除けば、上記他方の斜角探傷(−斜角探傷)の各ステップの処理は、一方の斜角探傷(+斜角探傷)の各ステップにおける処理と同様である。
表示及び通信ステップS40では、画面の表示を更新するか、しないかの判断が行われる。画面の更新を行わない場合は、当該ステップS40における処理を終了し、画面の更新を行う場合は、制御部90が、メモリ71のアドレスを与えるD深さ方向カウンタ52を操作しながら、波形ピーク保存回路70の波形ピーク保存メモリ71の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。そして、制御部更新ステップS15,S27,S37で読み出した各ゲート内のエコー高さ及びエコー深さの値を表示し、その内容を外部に通信する。また、表示及び通信ステップS40で読み出したピーク保存された超音波波形は画面表示部にAスコープ波形として表示し、その波形データを外部に通信する。
なお、この実施例ではゲート回路60は1組のみであるが、これに限定されるものではなく、複数のゲート回路を用意し、複数のゲート範囲でのゲート処理を付加することも可能である。
このように本願発明の上記超音波探傷装置において、超音波変換器アレーの各振動子に垂直探傷や斜角探傷に応じたタイミングでスパイクパルス状の送信パルスを送り、各振動子で受信した受信超音波エコーをAD変換し、これを振動子素子数分の波形メモリに記憶させる。電子走査においては、その位置における位相合成曲線にそって、振動子素子数分の波形メモリから波形データが同時に読み出され、位相合成される。即ち、電子走査位置1点の位相合成された波形は1回のメモリ読み出しサイクルで行われる。この実施の形態では50MHzのクロックを用いているので、一点の計算は20nsecで完了する。深さ方向200点、Y軸方向200点の電子走査平面で考えれば、この範囲をすべて走査するには20*200*200nsec=800μsecとなる。また、この電子走査している間にゲート回路ではゲート処理が、波形ピーク保存回路ではAスコープ波形保存処理が同時進行している。超音波繰り返しサイクルとしては上記800μsecの時間以外に、超音波発信時間、超音波受信時間、及びゲートデータとAスコープ波形の読み出し時間も必要であるが、200μsec程度とすれば、1000μsec(=1msec)で上記電子走査範囲の探傷サイクルが完了することになる。Y軸方向に電子的に探傷ビームを動かし、深さ方向にはダイナミックフォーカス法で計測する従来技術の装置では、一回の超音波繰り返しサイクルで1つのビーム方向の探傷が完了することになり、上記と同じ電子走査範囲を探傷するには200回の超音波繰り返しサイクルが必要となる。超音波繰り返し周波数を10KHzとしても、上記電子走査範囲を探傷するには20msecの時間が必要となる。本願発明の上記装置は、この実施の形態において、従来技術の装置と比較し20倍高速に探傷することが可能となる。
上述の実施の形態では、電子走査のY方向とD方向の処理順において、Y方向カウンタ51を先にカウントし、Y方向カウンタ51が一巡した後にD深さ方向カウンタ52を進めているが、これを逆にして、D深さ方向カウンタ52を先にカウントし、D深さ方向カウンタ52が一巡した後にY方向カウンタ51Dを進めるようにしても実施可能である。
また、上記の実施の形態において、超音波変換器アレー10は、超音波発信に際し、全ての振動子1…1を振動させるものである。但し、交差方向における探傷予定(希望)範囲を超える長さを有するものであって、一部の振動子1…1のみで(一度の超音波の発信にて)上記探傷予定面全面をカバーすることが可能であれば、全ての振動子1…1を振動するものに限定しない。更に、生産ライン上で探傷(オンライン探傷)を行わない場合、超音波変換器アレー10を走査可能として、当該走査により全面探傷する位置を順次変えるものとしても実施可能である(尚、上記の通り全面探傷を行っても、通常、その範囲中、検査作業者が観察したい場所にのみに、ゲートが設定される)。また、この場合探傷予定の全範囲を一度に探傷するもの(全面探傷)に限らず、探傷予定の範囲を複数回の探傷で行うものとしてもよい。このように設定しても、従来に比して一度の超音波の発射でカバーできる範囲は広いので、探傷回数を低減されることができる。但し、一度の超音波の発射で全面探傷を行うものとするのが、最も能率がよく、また、オンライン探傷に適する。
上述の通り、この装置は、ボリュームフォーカス探傷として、超音波送信時の超音波の現実のフォーカスを排除して、探傷する被検材内部の各位置(座標)を、区画された波形メモリーのアドレスと対応させておき、実際の受信時の電気的な処理による各波形メモリー位置における波形データの位相合成とを比べ、異常ある波形メモリーのアドレスを知得することにより、対応する被検材の内部欠陥の位置を検出するものであり、これにて、疑似平面波による広範な探傷範囲を獲得し、探傷サイクルを低減させて、高速な探傷を可能としたものである。
即ち、ボリュームフォーカス法は、送信側において、一度のプローブの励振で被検材に対して超音波を幅広く発信させ、受信側において実際のスキャン(電子走査)を行わずに擬似電子走査を行い、Aスコープ波形を位相合成し評価するものである。
本願発明において、このようなボリュームフォーカスを、垂直探傷法のみならず、斜角探傷法へ応用したものであり、ボリュームフォーカスによる垂直探傷法では十分カバーできていなかった、断面視略矩形の被検材について、ボリュームフォーカスによる斜角探傷法を用いて、処理の高速性を損なわずに確実に行えるものとした。
この実施の形態では、上記の通り、ボリュームフォーカス法では全断面探傷のために4 方向4 個のアレイ探触子を使用し、1 個のアレイ探触子は垂直探傷、+斜角探傷、−斜角探傷の3回の送信で全断面の約60%の探傷を行う。
またコーナー部に対しては斜角の送信に対して、受信側の処理でセクタースキャンまたは屈折角を変えるなどの方法で探傷するため、コーナー用に専用の送信を行う必要がない。このため3回の送信で探傷が可能なためゴーストの影響を受けることなくビレット長手方向のパルス密度を上げることが可能である。またDDFの併用が可能なため、全断面に渡り検出能力を高めることが出来る。搬送速度30m/mimでパルス密度5mm以下が可能である。ボリュームフォーカス探傷の採用により従来法に比べ検出能力および処理能力の非常に高い検査が可能となった。
この実施の形態の装置による、図12(A)〜(C)へ示すAスコープの画像を見れば、図1に示す被検材の断面中央部の欠陥v1がw1として現れ、隣接辺付近の欠陥v2がw2として現れ、欠陥コーナー部の欠陥v3がw3として現れているのが分かる。
この装置では、上記4つの探傷手段k1〜k4による探傷の結果、探傷手段k1〜k4の何れか1つが、欠陥エコーを検出した場合、被検材を不良品と判定する。但し、探傷手段k1〜k4による探傷結果を、総合して、被検材の良・不良の判定を行うものとしても実施できる。
また、上記の実施の形態において、斜角探傷装置が、垂直探傷装置を兼ねるものとしたが、夫々別々の装置とし、夫々の装置が備えるアレイプローブを別々に被検材表面に配置するものとしても実施できる。
更に、上記の実施の形態において、k1〜k4の4つの探傷手段kを用いるものとしたが、探傷手段kを1〜3つ用意するものとして、実施することもできる。例えば探傷手段k1,k2の2つのみ用意するものとして、被検材の4つの辺を2回に分けて探傷を行うものとしても実施できる。この場合プローブは、隣接する辺同士に夫々配置するものとしてもよく、また、対向する辺の夫々に配置するものとしてもよい。但し、デッドゾーンの確実な排除という点では、隣接する辺同士に夫々配置するのが望ましい。
1 振動子
10 アレイプローブ

Claims (10)

  1. 被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するボリュームフォーカス探傷法を用いた超音波探傷装置において、
    角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり
    被検材の断面視において被検材一辺に沿ってアレイプローブの複数の振動子が配列され、
    励振手段は、前記振動子の夫々を漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせることができ、
    励振手段は、アレイプローブが沿う上記辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として超音波を、斜角探傷法により、複数の振動子の1回の振動にて、入射辺の各位置から被検材内部へ入射させ入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺の一方に到達させるものであり、
    励振手段は斜角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、被検材内部に超音波の現実の焦点を設定しないものであることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 被検材は、断面が略矩形の角柱材であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 上記の斜角探傷法による隣接辺に向けた探傷に際し、当該隣接辺と対向辺とがなすコーナー内部について、位相合成手段は、電子走査により屈折角を変化させるセクタスキャニングを、実際の電子走査に代え、波形メモリにメモリされた波形の合成により、擬似的に行うことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探傷装置。
  4. 角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり、
    斜角探傷装置を備え、
    斜角探傷装置は、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを擬似電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段とを備え、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のAスコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものであり、
    斜角探傷装置のアレイプローブは、被検材の断面視において、角柱材である被検材の一辺に沿って、複数の振動子を配列するものであり、
    角探傷装置の励振手段は、振動子の夫々を漸次タイミングをずらして励振することにより、当該アレーが沿う夫々の辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として当該入射辺から超音波を、複数の振動子の1回の振動にて、斜めに被検材内部へ超音波を入射させ、被検材内部で超音波を収束させずに、入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺に到達させるものであり、
    斜角探傷装置は、上記波形メモリの読み出しにおいて、入射角度に応じて受信タイミングを漸次ずらす補正値を各アドレスに加算した後、焦点手段に上記処理をさせる、角度補正手段を備えるものであることを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有するアレイプローブと、アレイプローブの各振動子を励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し位相合成する位相合成手段とを用い、被検材に対して、アレイプローブの全振動子から一度に超音波を送信し、その反射エコーを、全振動子で受信し、波形メモリにメモリされた各素子のA スコープ波形を位相合成手段にて合成し評価するものである、ボリュームフォーカス探傷法による超音波探傷方法において、
    角柱材である被検材の内部探傷を行うものであり
    被検材の断面視において、被材の一辺に沿って、アレイプローブの複数の振動子を配列し、
    励振手段にて、振動子の夫々に漸次タイミングをずらして励振することにより、斜角探傷法にて、被検材の探傷を行わせ、
    励振手段で、アレイプローブの夫々に、当該アレーが沿う夫々の辺を入射辺とし入射辺と対向する辺を対向辺として超音波を、斜角探傷法により、複数の振動子の1回の振動にて、入射辺の各位置から被検材内部へ入射させ、斜角探傷法により入射させた超音波を入射辺と隣接する隣接辺の一方に到達させるものであり、
    角探傷法にて入射させた超音波の現実の焦点を、上記対向辺又は隣接辺の外側に設定するか、或いは焦点させないことにより、被検材内部に超音波の現実の焦点を設定しないものであることを特徴とする超音波探傷方法。
  6. 上記の探傷後、上記のアレイプローブを被検査材断面と交差する方向へ物理的に走査することにより、当該交差方向の他の位置にて上記の探傷を行うことを特徴とする請求項記載の超音波探傷方法。
  7. 上記の角度補正手段は、入射辺に対して斜めとなる入射角度θでプローブから被検材へ入射するまでの各振動子の発信ビーム間の入射辺への到達時間差と、屈折角θ'にて入射後入射辺から隣接辺まで各ビーム間の隣接辺への到達時間差と、隣接辺にて反射後隣接辺から入射辺までの各ビーム子間の入射辺への到達時間差と、入射辺からプローブに至るまでの各ビーム間のプローブへの到達時間差とにて確定した補正量のパターンを、焦点手段に提供するものであることを特徴とする請求項4記載の超音波探傷装置。
  8. 上記の焦点手段は、擬似電子走査位置yを示すY 方向カウンタと、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタと、ダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされるダイナミックフォーカス位相補正メモリとを備え、
    Y 方向カウンタと、D深さ方向カウンタのデータをこのダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給することにより、フォーカス位置での位相補正量が得られるものであり、
    上記の角度補正手段は、ダイナミックフォーカス位相補正メモリのアドレスに供給される上記のカウンタのデータに、上記の入射角度についての補正量のパターンを加算するものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  9. 角度補正手段は、受信ディレイパターン保持部と、受信側選択保持部とを備え、受信ディレパターン保持部は、入射角度に応じた補正量のディレイパターンを保持するものであり、受信側選択保持部は、入射角度の選択により、受信ディレイパターン保持部中の対応するディレイパターンを特定するものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
  10. 受信側において、斜角探傷中、入射角度を一定とする隣接辺に向けた探傷と連続して、当該隣接辺と対向辺とがなすコーナー内部に向けた探傷を行うものであり、当該コーナー内部の探傷については、電子走査中入射角度を漸次変化させるセクタスキャニングを、実際の電子走査に代え、波形メモリにメモリされた波形の合成により、擬似的に行うものであることを特徴とする請求項記載の超音波探傷装置。
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