JP3704065B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、超音波探傷装置に関し、詳しくは、超音波変換器アレーを用いた超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波変換器アレーを用いた超音波探傷装置は、例えば、鋼材等各種材料の非破壊検査に利用する場合であっても、技術的に先行していた医療用の超音波診断装置の技術がほぼそのまま応用されていた。
【0003】
一方、超音波診断装置の場合の被検体は、人体という、多様多種な組織で構成されたものであり、各組織の形状も複雑であった。そして、その医療装置として診断の目的から、組織境界での反射エコーの反射量の量的評価、組織境界の位置評価、組織境界の動的な変動の評価などが主要な測定目的であった。
【0004】
そのため、超音波診断装置の基本性能で重要なことは、診断画像の高分解能化であり、その向上を目的として、周知のフェーズドアレー法に始まり、ダイナミックフォーカス法、多段送信ビームフォーカス法などの技術が開発された。このように高分解能の目的から、これら方法での超音波のビームの焦点は、かなり絞られており、一度に探傷可能な範囲は狭く、検査範囲全面を診断するには多数回の超音波送信サイクルにて、超音波ビームを移動させて行くことが必要であり、診断画像を得るには多くのサイクルタイムを必要とした。
【0005】
医療装置の超音波診断装置では、上述の通り、分解能を最優先するため、このサイクルタイムの改善は、軽視されがちである。
しかし、生産能率を重要視する鋼材などの各種材料の、非破壊検査という分野においては、サイクルタイムの短縮は、極めて現実的な問題であり、軽んずることはできない。
【0006】
ところが、冒頭述べた通り、従来の非破壊検査の分野に用いられる超音波探傷装置も、前記超音波診断装置と同様な構成であり、検査予定範囲全面を探傷する場合(以下全面探傷と呼ぶ。)のサイクルタイムは遅いものであった。最近の製造ライン、精製ラインでの操業速度はかなり高速であり、全面探傷ラインにこの種の超音波探傷装置を導入しようとするには、そのサイクルタイムの長さがネックとなっていた。
このため、超音波探傷装置を多重に設置したり、全面探傷を諦め、部分探傷で代用したり、また、検査ラインを別に設け、ここで、全面探傷する、等の対応が行われていた。
しかし、装置が複雑になったり、或いは、材料中の欠陥の有無の判定までの生産過程を総合的に見て飛躍的な時間短縮にはなっていなかったりと、何れの場合も、生産ライン操業過程の中で生産能率を落とさずに非破壊検査を済ませるという(オンライン探傷の)、ニーズに十分に対応できていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、超音波診断装置で行われているような送受信双方でのフォーカスを排除し、受信側のみでフォーカスを得るものとした、当該非破壊検査に適した超音波探傷装置を提供することにて、上述の全面探傷のサイクルタイムの短縮を飛躍的に向上せしめて、上記の課題の解決を図る。特に、本願発明は、最新の製造ライン、精製ラインの操業速度に見合うサイクルタイムを持つ、全面探傷が可能な超音波探傷装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
鋼材などの材料の製造分野において、通常行われている高速オンライン向け超音波探傷装置でテスト・試験される材料は均質なものが多く、また、形状も円柱、円筒、直方体等の単純なものが多い。そして、ほとんどは欠陥の無いものであるが、ごくまれに存在する空洞、割れ、異材混入等の欠陥部を、高速に流れるライン上で検出する目的で超音波探傷装置は利用される。このような目的で使用される超音波探傷装置としては、試験される材料の欠陥の有無と、欠陥が存在するときはその欠陥の超音波反射エコーの最大エコー高さとその概略位置が分かれば十分であり、医療用超音波診断装置で行われているような、高分解能での欠陥位置の空間的な連続的な視覚化は特に必要ない。
本願発明は、このような点に着目して、下記の構成を採る。
即ち、本願第1の発明に係る超音波探傷装置は、被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有する超音波変換器アレーと、超音波変換器アレーの各振動子をスパイクパルスで励振する励振手段と、各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と、電子走査範囲内でアレー素子配列方向ごとの深さ方向ゲート範囲を与えそのゲート範囲における前記位相合成された信号の最大エコー高さ及び最大エコー高さでの深さ方向位置を検出するゲート処理手段と、電子走査範囲の指定されたアレー素子配列位置における複数回の超音波サイクルでの前記位相合成された信号の各深さ方向のピークエコー高さをメモリするAスコープメモリ手段とを備える。
【0009】
このような構成を採ることによって、本願第1の発明に係る超音波探傷装置は、超音波変換器アレーの全振動子をスパイクパルスで励振する励振手段にて、超音波の送信側でのフォーカスを止め、超音波変換器アレーの前面に超音波の擬似平面波を放射する。即ち、フォーカスがない(或いは、ないに等しい程度遠方にフォーカスする、即ち探傷範囲以遠にてフォーカスする)超音波の疑似平面波を送信することにより、探傷範囲を、狭めない。
従って、被検材に対する超音波変換器アレーの設置範囲を、被検材の検査範囲の全域に対応させることにて、一回の超音波の発信で検査範囲の全範囲に渡り超音波を伝播させることが可能である。
一方、検査範囲内の反射源からの反射エコーは、超音波変換器アレーの各振動子で受信され、波形データとして各波形メモリに記憶される。この波形メモリには、波形データとして、全検査範囲内の欠陥(超音波反射源)の位置とその大きさ(反射量)の情報が位相拡散して記憶される。即ち、1回の超音波の送信とそれに続く超音波の受信により、その全検査空間内の欠陥分布状況が位相拡散されて波形メモリに記憶されていることになる。この位相拡散された各波形メモリの内容から、検査空間内の任意位置の欠陥分布状況を高速に逆演算する手段があれば、全検査空間内の欠陥分布状況を再合成可能となり、検査時間は飛躍的に短縮され、検査スピードは向上する。これは、各波形メモリのアドレスを電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と、各波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段により可能となる。
【0010】
特に、上記のゲート処理手段において、電子走査範囲内の再合成された欠陥信号と電子走査範囲に位置情報とにより、欠陥の大きさとその位置が得られる。また、Aスコープメモリ手段において、電子走査範囲内の再合成された欠陥信号と電子走査範囲の位置情報とにより、波形表示サイクル毎にAスコープ波形が得られ、表示装置に波形表示することが可能である。
【0011】
本願第2の発明に係る超音波探傷装置では、上記本願第1の発明に係る超音波探傷装置について、材料製品である被検材の生産ラインにあって、被検材の生産ラインの流れと交差して、超音波変換器アレーが配置されることにより、ラインの移送に伴って、被検材のラインの移送方向の各位置における、被検材内部の探傷予定の全範囲を、順次探傷して行くことが可能なものである。
【0012】
本願第2の発明に係る超音波探傷装置は、上記本願第1の発明に係る超音波探傷装置が奏する作用を得ると共に、被検材のラインの移送方向の各位置における被検材内部の探傷予定の全範囲について、一度の超音波の発射で探傷を済ませることができる。また、ラインの稼働により、被検材の移送方向の各位置が、順次超音波変換器アレーを通過するので、別途に超音波変換器アレーの走査手段を要することなく、被検材の移送方向のある位置における探傷予定の全範囲を探傷した後、他の箇所における被検材内部の探傷予定の全範囲の探傷に移行することが可能である。従って、生産ラインを利用して、当該ラインの稼働を止めることなく、上記の各位置における探傷を探傷予定の全範囲を順次済ませる(オンライン探傷を行う)ことができる。
【0013】
本願第3の発明では、上記本願第1又は第2の発明にあって、上記の加算の出力を検波処理する検波回路と、検波回路の出力に接続されるゲート回路及び波形ピーク保存回路を備える超音波探傷装置を提供する。上記ゲート回路は、エコー高さメモリと、エコー深さメモリとを備える。そして上記ゲート回路は、走査位置毎にゲート範囲を個別に設定出来、走査位置毎の波形ピークエコー高さとそのビーム路程距離が検出可能であり、また、事前に走査位置毎のゲート範囲データが書き込まれている。更に上記ゲート回路は、ゲート範囲データと、電子走査平面の位置を比較し、当該位置がゲート範囲にあれば、エコー高さメモリに記憶している前回のゲート内ピークエコー高さと、検波回路からの現電子走査位置のエコー高さを比較し、現電子走査位置のエコー高さの方が大きいとき、現電子走査位置のエコー高さをエコー高さメモリに書き込み、また、その現電子走査位置を示す深さ方向のデータをエコー深さメモリに書き込む。上記波形ピーク保存回路は、表示サイクル周期内の仮想探傷ライン上の各超音波波形において、各深さ位置での超音波波形のピーク高さを保存し、その深さ位置での最大波形を保存する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。図1乃至図4へ、本願発明の一実施の形態を示す。図1は、本願発明の一実施の形態に係る超音波探傷装置のブロック図である。図2は、上記の超音波探傷装置1の制御手順を示すフローチャートである。図3は、この超音波探傷装置の電子操作のイメージを示す説明図である。図4は、この超音波探傷装置の波形メモリ上の位相合成曲線のイメージを示す説明図である。
【0015】
この超音波探傷装置は、被検材内部の探傷を望む範囲に対応し被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子1を有する超音波変換器アレー10と、超音波変換器アレー10の各振動子1をスパイクパルスで励振する励振手段と、各振動子1で受信した超音波受信エコーを振動子1ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段と、上記波形メモリの読み出しにおいてその各波形メモリのアドレスを電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と、電子走査範囲内でアレー素子配列方向ごとの深さ方向ゲート範囲を与えそのゲート範囲における前記位相合成された信号の最大エコー高さ及び最大エコー高さでの深さ方向位置を検出するゲート処理手段と、電子走査範囲の指定されたアレー素子配列位置における複数回の超音波サイクルでの前記位相合成された信号の各深さ方向のピークエコー高さをメモリするAスコープメモリ手段とを備えたことを特徴とする。
そして、この超音波探傷装置では、オンライン探傷が可能である。即ち、鋼材などの材料製品である被検材の生産ライン(図示しない。)において、被検材の生産ラインの流れと交差して、超音波変換器アレー10が配置されることにより、即ち、超音波変換器アレー10が生産ラインを横断し、横断した被検材の少なくとも検査予定の全幅(横幅)に渡って振動子1…1が配置された状態とされることにより、ラインの移送に伴って、被検材のラインの移送方向(縦幅方向)の各位置における、被検材内部の探傷予定の全範囲を、順次探傷して行くことが可能なものである。
【0016】
以下、図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1において、超音波変換器アレー10は、n素子の超音波振動子1で構成されており、パルサー部20、レシーバー部30に接続され、超音波の検査空間への発信、及び、検査空間からの反射超音波エコーの受信が行われる。
パルサー部20は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のスパイクパルサー回路より構成され、制御部90よりのパルス発信タイミング信号により、スパイクパルサー回路は一斉に動作し、超音波変換器アレー10が励振される。
レシーバー部30は超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数のレシーバー回路で構成され、超音波受信エコーはここで信号増幅され、信号処理部40に送られる。
【0017】
信号処理部40は、超音波変換器アレー10の素子数nと同じ個数の信号処理回路41−1〜41―nで構成される。各信号処理回路41はAD変換器411、超音波波形メモリ412、切替器413、ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414で構成される。
AD変換器411は、レシーバー部30から送られる超音波信号をAD変換し、超音波波形メモリ412に書き込まれる。AD変換のサンプリング周波数は超音波振動子の公称周波数の8倍以上で行われる。このサンプリング信号は、制御部90から第1信号線(図示しない。)で供給される。
【0018】
超音波波形メモリ412は、書き込みステップ(図2)ではAD変換器411から送られる超音波波形データを書き込み、また、読み出しステップ(図2)では同メモリ412に保存されている超音波波形データを読み出され、加算器53に接続される。この超音波波形メモリ412のアドレスは切替器413から供給される。
【0019】
切替器413は、書き込みステップ(図2)ではビーム路程カウンタ50の値を超音波波形メモリ412のアドレスに送り、読み出しステップではダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容を超音波波形メモリ412のアドレスに送る。
【0020】
ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414は、公知のダイナミックフォーカス法における各フォーカス位置での位相補正量がメモリされており、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51と、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52のデータをこのダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給することにより、フォーカス位置(yd)での位相補正量が得られ、この位相補正量が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスに与えられる。超音波波形メモリ412からは、そのフォーカス位置(yd)でダイナミックフォーカスを行う場合の、その振動子が寄与する超音波波形データが得られる。上記手順が各信号処理回路41−1〜41―nで同時に行われ、各信号処理回路41−1〜41―nの各超音波波形メモリ412の内容、すなわち超音波波形データは加算器53に送られ、ダイナミックフォーカスの位相合成が行われる。なお、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414の内容は、第2信号線(図示せず。)を通じ、制御部90に予め記憶される。
【0021】
加算器53は、素子数nと同じ個数の超音波波形メモリ412から来る各超音波波形データを位相合成する。この加算器53の出力は、検波回路54に送られる。検波回路54では全波整流、+半波整流、−半波整流等の検波処理が行われる。検波回路54の出力はゲート回路60と波形ピーク保存回路70に接続される。
【0022】
ゲート回路60は、エコー高さメモリ61、コンパレータ62、書き込み制御回路63、エコー深さメモリ64、ゲート発生回路65、及び、ゲート位置メモリ66より構成される。ゲート回路60は読み出しステップ(図2)の時のみ能動的に機能し。制御部更新1ステップ(図2)ではメモリ61、メモリ64のアクセスのみ行われる。
【0023】
エコー高さメモリ61は電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、電子走査位置y位置毎のゲート内ピークエコー高さを一時記憶する。コンパレータ62では検波回路54のエコー高さ値と、エコー高さメモリ61に記憶されているゲート内ピークエコー高さを比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路63に書き込み信号を送る。書き込み制御回路63ではゲート発生回路65のゲート信号を受け、ゲートがオンである間に、前記コンパレータ62の書き込み信号が来ると、エコー高さメモリ61とエコー深さメモリ64に書き込みパルスを送る。このパルスを受け、エコー高さメモリ61では、検波回路54の出力データであるエコー高さ値を同メモリ61に書き込み、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを更新する。制御部更新1ステップ(図2)では電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー高さメモリ61のゲート内ピークエコー高さを順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。
【0024】
エコー深さメモリ64は電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、電子走査位置y位置毎のゲート内ピーク深さ位置を一時記憶する。前記書き込み制御回路63よりの書き込み信号はこのエコー深さメモリ64の書き込みパルスともなる。この書き込みパルスが来ると、エコー深さメモリ64ではフォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値がメモリに書き込まれ、エコー深さメモリ64に記憶されているゲート内ピーク深さ位置は更新される。制御部更新1ステップ(図2)では電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51を0より+1しながら、エコー深さメモリ64のゲート内ピーク深さ位置を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。
【0025】
ゲート位置メモリ66は電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51をアドレスとし、電子走査位置y位置毎の、深さ方向のゲート起点位置データとゲート終点位置データが保存されている。電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51が更新されると、ゲート位置メモリ66の内容が読み出され、電子走査位置y位置で決まる、深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値がゲート発生回路65に送られる。
ゲート位置メモリ66の内容は、第3信号線(図示しない。)を通じ、制御部90に、予め記憶される。
【0026】
ゲート発生回路65では、前記ゲート位置メモリ66より送られる深さ方向のゲート起点位置の値とゲート終点位置の値を受け、この2つの値と、フォーカスの深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52の値を比較する。D 深さ方向カウンタ52が2つのゲート位置の間にあるときは、ゲート信号をオンとし、逆の時はオフとし、書き込み制御回路63にゲート信号を送る。
【0027】
波形ピーク保存回路70は、波形ピーク保存メモリ71、コンパレータ72、レジスタ73、コンパレータ74、及び、書き込み制御回路75より構成される。
波形ピーク保存メモリ71のアドレスには、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52がつながれ、各深さでの超音波エコー波形が記憶される。
コンパレータ72は、検波回路54のエコー高さ値と、波形ピーク保存メモリ71の内容を比較し、検波回路54のエコー高さ値の方が高いときは、書き込み制御回路75に書き込み信号を送る。
【0028】
レジスタ73は、Y 方向電子走査アドレスysの内容が保持され、波形ピーク保存回路70ではこのアドレスys走査線上の各深さ毎の最大値がホールドされる。このレジスタ73のデータは制御部90より書き込まれる。
コンパレータ74は、レジスタ73の内容(ys)と、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とを比較し、一致しているとき、書き込み制御回路75に電子走査位置一致信号を送る。
【0029】
書き込み制御回路75は、コンパレータ74からの電子走査位置一致信号が来ている時に、コンパレータ72から書き込み信号があると、波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを出力する。この書き込みパルスを受け、波形ピーク保存メモリ71では検波回路54の出力データをメモリに書き込み、メモリ内容は更新される。
【0030】
制御部更新2ステップ(図2)において、深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52を0より+1しながら、波形ピーク保存メモリ71にメモリされている超音波波形、すなわちAスコープ波形を順次読み出し、読み出し後は同内容をクリアし、つぎのサイクルの準備を行う。そして、この読み出されたAスコープ波形は制御部90内の画面表示部に表示される。
【0031】
図1に示す通り、この装置は、ビーム路程カウンタ50、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52、及び、制御部90を有する。各カウンタは、制御部90の信号により、クリアされたり、カウントアップされたりすることが可能である。
制御部90は、少なくとも、CPU 、メモリ、プログラムROM 、画面表示部、通信部で構成され、各種タイミングを作成し各部各回路に送り、各部にデータを与え、又、各部よりのデータを読み出し、その結果を表示し、他装置に通信することが可能な装置である。この制御部90には、市販のコンピュータを用いることが可能である。
この実施の形態において、超音波探傷装置の、上記の励振手段は、主としてパルサー部20にて構成されている。上記の波形メモリは、レシーバー部30と、このAD変換器411と、超音波波形メモリ412とにて構成されている。また、前記の位相合成手段は、加算器53にて構成されている。そして前記の焦点手段は、上記のY 方向カウンタ51と、上記のD 深さ方向カウンタ52と、D 深さ方向カウンタ52と、各ダイナミックフォーカス位相補正メモリ414とにて構成されている。
【0032】
次に図2を用いて、本願発明の動作を説明する。
超音波発信ステップS 1では、制御部90より1つのパルス発信タイミング信号が作られ、パルサー部20に送られる。パルサー部20では、この信号を受け、超音波変換器アレー10のn素子の超音波振動子に同時にスパイクパルスを送る。これにより、各超音波振動子は同時に励振され、超音波は、超音波変換器アレー10の放射面方向に、擬似平面波状に放射される。超音波は検査空間を伝播するが、欠陥等の音響反射面に遭遇すると、超音波の一部は反射され、超音波変換器アレー10で受信される。
【0033】
書き込みステップS2では、超音波変換器アレー10で受信された各振動子の超音波受信エコーがレシーバー部30で増幅され、振動子素子数分nの信号処理回路41−1〜41―nに送られる。各信号処理回路41では超音波受信エコーをAD変換し、超音波波形メモリ412にメモリされる。このときのメモリアドレスはビーム路程カウンタ50で与えられ、同カウンタのクロックはAD変換器411のクロックと同じである。例えば、この実施の形態では、超音波振動子の公称周波数を5MHz以下とし、AD変換のクロックを50MHzとしている。但し、このような周波数に限定するものではなく、必要に応じて、変更可能である。
通常、ビーム路程カウンタ50は、超音波発信タイミングで0クリアされ、その後AD変換器のクロックでカウントされるが、電子走査範囲の始点が遠方である場合、0クリアされるタイミングは制御部により適切にコントロールされる。これにて、超音波波形メモリ412の容量を有効に利用することができる。このステップは電子走査範囲の最大ビーム路程伝播時間まで行われる。
【0034】
読み出しステップS3では、検査空間の深さ方向D と探触子配列方向Y について、超音波波形メモリ412に保存されている超音波受信エコー波形を読み出しながら、ダイナミックフォーカス法により電子走査が行われる。図3に電子走査のイメージ図を示す。この図では、超音波変換器アレーと、同アレーの超音波が放射された検査空間内でこの深さd0からdeの区間、及び探触子の配列方向Y方向のy0からyeの区間で示される電子走査平面が示される。
【0035】
読み出しステップS3では、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52をクリアないしは始点位置y0、d0にセットし、その後、Y 方向カウンタ51をカウントアップしながら、カウンタ値がyeになるまで行う。カウンタがyeを超えると、つぎに同カウンタをクリアないしは始点位置y0にセットし、D 深さ方向カウンタ52を+1カウントアップする。この動作を繰り返し行い、D 深さ方向カウンタ52がdeになり、この位置でY 方向カウンタ51が一巡するまで行われる。これらカウンタ51,カウンタ52のクロックはAD変換のクロックと同じ50MHzで行われる。この間、各信号処理回路41−1〜41―nでは、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52の値がダイナミックフォーカス位相補正メモリ414のアドレスに供給される。同メモリ414は、その電子走査位置(y、d)での位相合成される各超音波振動子(1からn)の位相補正量すなわちビーム路程位置が出力される。さらに、このビーム路程位置が超音波波形メモリ412の読み出しアドレスとなる。このビーム路程位置は、図3の電子走査イメージ上における電子走査位置P1の2つの矢印L1、L2で例示される。ここでL1は電子走査位置P1で超音波が最初にくる伝搬経路を示し、通常は電子走査位置P1ともっとも近い振動子との距離となる。また、L2は電子走査位置P1で超音波が反射された場合の各振動子(図3では振動子位置nで例示)で受信される超音波の伝搬経路を示す。この2つの伝播経路の和(L1+L2)を電子走査位置P1での振動子nにおける位相合成時のビーム路程位置となる。よって、超音波波形メモリ412からは、その電子走査位置(y、d)での位相合成される各超音波振動子での超音波波形データが出力される。この超音波波形データは各信号処理回路41−1〜41―nで超音波振動子素子数分出力され、これが、加算器53に送られ位相合成が行われる。上記手順により、Y 方向カウンタ51、D 深さ方向カウンタ52で示される電子走査位置(y、d)での位相合成された波形が加算器53で出力される、上記の関係は図3、図4で示される。図3のP1点、P2点は電子走査されている平面上の2点を示し、その2点のアドレス(y1、d1)、(y2、d2)はその時のD 深さ方向カウンタ52、Y 方向カウンタ51を示す。図4は各超音波波形メモリ412のアドレスとメモリを示し、電子走査平面上の2点P1,P2での各超音波波形メモリ412の位相合成曲線を示し、位相合成ではこの曲線にそって、各メモリ412の内容が同時に読み出され、加算器53で位相合成される。ここでは、このような方法を電子走査平面によるダイナミックフォーカス法と言う。この電子走査平面によるダイナミックフォーカスが行われている間、加算器53は各々電子走査位置での位相合成結果データを出力し、検波回路54を経由し、ゲート回路60と波形ピーク保存回路70に送られる。
【0036】
ゲート回路60では、ゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の検出が行われる。図3に示すよう、Y走査位置毎にゲート範囲は個別に設定出来、また、Y走査位置毎の波形ピークエコー高さとそのビーム路程距離が検出可能である。ゲート位置メモリ66は、事前にY走査位置毎のゲート範囲データが書き込まれている。読み出しステップS3の、電子走査平面によるダイナミックフォーカスにおいて、電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51の値はゲート位置メモリ66のアドレスに与えられる。同メモリ66のメモリ内容はそのy位置でのゲート範囲データ(起点位置、終点位置)であり、そのデータはゲート発生回路65に接続される。ゲート発生回路65では、このゲート範囲データと、電子走査平面のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52を比較し、d位置がゲート範囲にあれば、書き込み制御回路63にゲートオン信号を送る。ゲートがオンの間、コンパレータ62では、エコー高さメモリ61に記憶されている前回のゲート内ピークエコー高さと、検波回路54からの現電子走査位置のエコー高さを比較し、現電子走査位置のエコー高さの方が大きいときは、現電子走査位置のエコー高さをエコー高さメモリ61に書き込み、また、その現電子走査位置のd位置を示すD 深さ方向カウンタ52のデータをエコー深さメモリ64に書き込む。エコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64のアドレスには、電子走査平面のy位置を示すY 方向カウンタ51が与えられているので、y位置毎にゲート内の波形ピークエコー高さとその深さ方向位置の保存が出来る。
【0037】
波形ピーク保存回路70では図3に示す電子走査平面上のY位置がysである仮想探傷ライン上の超音波波形の波形ピーク保存処理が行われる。この超音波波形はパソコンの画面表示部で表示されるが、通常、この表示サイクル周期は長く、20msec程度(周波数で50Hz前後)である。これに比べ、本願発明の上記装置では、電子走査平面の全範囲を走査する周期はこれより短く、仮想探傷ライン上の超音波波形をすべて表示することは出来ない。そこで、波形ピーク保存回路70は、表示サイクル周期内の仮想探傷ライン上の各超音波波形において、各深さ位置での超音波波形のピーク高さを保存し、すべての深さ位置でその位置での最大波形を保存するものである。レジスタ73は、仮想探傷ライン上のY位置を示すデータ(ys)が制御部90により書き込まれる。このデータはコンパレータ74に送られる。コンパレータ74では、電子走査位置yを示すY 方向カウンタ51とこのレジスタ73(ys)と比較し、一致しているときには一致信号を書き込み制御回路75に出し、以下の動作が有効に行われる。波形ピーク保存メモリ71のアドレスには深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ52が接続され、波形ピーク保存メモリ71からは同じ深さ位置dにおける1回前の超音波ピーク波形がコンパレータ72に与えられ、検波回路54からはその同じ深さ位置dにおける最新超音波エコー高さが与えられる。検波回路54の方が高いときは書き込み制御回路75に書き込み信号を送り、書き込み制御回路75では波形ピーク保存メモリ71に書き込みパルスを送り、深さ位置dにおける超音波ピーク波形は、前回より高いエコー高さに更新される。この動作が各深さで行われ、また、次次に来る探傷サイクルの各読み出しステップS3でも同様に行われる。
【0038】
制御部更新1ステップS4では、制御部90は、メモリ61、メモリ64のアドレスを与えるY 方向カウンタ51を操作しながら、ゲート回路60のエコー高さメモリ61、エコー深さメモリ64の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
【0039】
画面更新サイクルGでは、画面の表示を更新するか、しないかの判断が行われる。画面の更新を行わない場合は、表示及び通信ステップS6に移行し、画面の更新を行う場合は、次の制御部更新2ステップS5に移行する。
【0040】
制御部更新2ステップS5では、制御部90は、メモリ71のアドレスを与えるD深さ方向カウンタ52を操作しながら、波形ピーク保存回路70の波形ピーク保存メモリ71の内容を読み出し、同読み出し後はそのメモリの内容をクリアする。
【0041】
表示及び通信ステップS6では、制御部更新1ステップS4で読み出した各ゲート内のエコー高さ及びエコー深さの値を表示し、その内容を外部に通信する。また、制御部更新2ステップS5で読み出したピーク保存された超音波波形は画面表示部にAスコープ波形として表示し、その波形データを外部に通信する。
なお、この実施例ではゲート回路60は1組のみであるが、これに限定されるものではなく、複数のゲート回路を用意し、複数のゲート範囲でのゲート処理を付加することも可能である。
【0042】
このように本願発明の上記超音波探傷装置において、超音波変換器アレーの各振動子に同じタイミングでスパイクパルス状の送信パルスを送り、各振動子で受信した受信超音波エコーをAD変換し、これを振動子素子数分の波形メモリに記憶させる。電子走査においては、その位置における位相合成曲線にそって、振動子素子数分の波形メモリから波形データが同時に読み出され、位相合成される。即ち、電子走査位置1点の位相合成された波形は1回のメモリ読み出しサイクルで行われる。この実施の形態では50MHzのクロックを用いているので、一点の計算は20nsecで完了する。深さ方向200点、Y軸方向200点の電子走査平面で考えれば、この範囲をすべて走査するには 20*200*200nsec=800μsec となる。また、この電子走査している間にゲート回路ではゲート処理が、波形ピーク保存回路ではAスコープ波形保存処理が同時進行している。超音波繰り返しサイクルとしては上記800μsecの時間以外に、超音波発信時間、超音波受信時間、及びゲートデータとAスコープ波形の読み出し時間も必要であるが、200μsec程度とすれば、1000μsec(=1msec)で上記電子走査範囲の探傷サイクルが完了することになる。Y軸方向に電子的に探傷ビームを動かし、深さ方向にはダイナミックフォーカス法で計測する従来技術の装置では、一回の超音波繰り返しサイクルで1つのビーム方向の探傷が完了することになり、上記と同じ電子走査範囲を探傷するには200回の超音波繰り返しサイクルが必要となる。超音波繰り返し周波数を10KHzとしても、上記電子走査範囲を探傷するには20msecの時間が必要となる。本願発明の上記装置は、この実施の形態において、従来技術の装置と比較し20倍高速に探傷することが可能となる。
【0043】
上述の実施の形態では、電子走査のY方向とD方向の処理順において、Y方向カウンタ51を先にカウントし、Y方向カウンタ51が一巡した後にD深さ方向カウンタ52を進めているが、これを逆にして、D深さ方向カウンタ52を先にカウントし、D深さ方向カウンタ52が一巡した後にY方向カウンタ51Dを進めるようにしても実施可能である。
また、上記の実施の形態において、超音波変換器アレー10は、超音波発信に際し、全ての振動子1…1を振動させものである。但し、交差方向における探傷予定(希望)範囲を超える長さを有するものであって、一部の振動子1…1のみで(一度の超音波の発信にて)上記探傷予定面全面をカバーすることが可能であれば、全ての振動子1…1を振動するものに限定しない。更に、生産ライン上で探傷(オンライン探傷)を行わない場合、超音波変換器アレー10を走査可能として、当該走査により全面探傷する位置を順次変えるものとしても実施可能である(尚、上記の通り全面探傷を行っても、通常、その範囲中、検査作業者が観察したい場所にのみに、ゲートが設定される)。また、この場合探傷予定の全範囲を一度に探傷するもの(全面探傷)に限らず、探傷予定の範囲を複数回の探傷で行うものとしてもよい。このように設定しても、従来に比して一度の超音波の発射でカバーできる範囲は広いので、探傷回数を低減されることができる。但し、一度の超音波の発射で全面探傷を行うものとするのが、最も能率がよく、また、オンライン探傷に適する。
【0044】
最後に本願発明に係る探傷の原理を総括すると、これは、超音波送信時の超音波の現実のフォーカスを排除して、探傷する被検材内部の各位置(座標)を、区画された波形メモリーのアドレスと対応させておき、実際の受信時の電気的な処理による各波形メモリー位置における波形データの位相合成とを比べ、異常ある波形メモリーのアドレスを知得することにより、対応する被検材の内部欠陥の位置を検出するものであり、これにて、疑似平面波による広範な探傷範囲を獲得し、探傷サイクルを低減させて、高速な探傷を可能としたものである。
【0045】
【発明の効果】
【0046】
本願第1の発明の実施によって、受信側のみでフォーカスを得るものとした、当該非破壊検査に適した超音波探傷装置を提供し得た。これにて、各種材料探傷のサイクルタイムを飛躍的に短縮せしめた。特に、最新の製造ライン、精製ラインの操業速度に見合うサイクルタイムを持つ、全面探傷が可能な超音波探傷装置を提供し得た。
【0047】
本願第1〜3の発明では、特に、上記のゲート処理手段によって、電子走査範囲内の再合成された欠陥信号と電子走査範囲に位置情報とにより、欠陥の大きさとその位置が得られる。また、Aスコープメモリ手段によって、電子走査範囲内の再合成された欠陥信号と電子走査範囲の位置情報とにより、波形表示サイクル毎にAスコープ波形が得られ、表示装置に波形表示することが可能である。
【0048】
また、本願第2の発明の実施によって、特に、一度の超音波の発射で、その位置における被検材の探傷予定の全範囲について、探傷を済ませることが可能であり、更に、このような探傷予定面の全範囲の探傷を、オンライン(稼働中の被検材の生産ライン上)で行うことが可能であり、生産能力を落とさず、極めて能率的に、被検材の探傷を済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施の形態の超音波探傷装置のブロック図である。
【図2】上記実施の形態の制御フローチャートである。
【図3】上記実施の形態の電子走査のイメージを示す説明図である。
【図4】上記実施の形態の超音波波形メモリ上の位相合成曲線のイメージを示す説明図である。
【符号の説明】
1 振動子
10 超音波変換器アレー
20 パルサー部
30 レシーバー部
40 信号処理部
41 各信号処理回路(41−1 〜 41−n)
411 AD変換器
412 超音波波形メモリ
413 切替器
414 ダイナミックフォーカス位相補正メモリ
50 ビーム路程カウンタ
51 電子走査位置yを示すY 方向カウンタ
52 深さ位置dを示すD 深さ方向カウンタ
53 加算器
54 検波回路
60 ゲート回路
61 エコー高さメモリ
62 コンパレータ
63 書き込み制御回路
64 エコー深さメモリ
65 ゲート発生回路
66 ゲート位置メモリ
70 波形ピーク保存回路
71 波形ピーク保存メモリ
72 コンパレータ
73 レジスタ
74 コンパレータ
75 書き込み制御回路
90 制御部

Claims (3)

  1. 被検材表面に沿って配列可能な複数の振動子を有する超音波変換器アレーと、
    超音波変換器アレーの各振動子をスパイクパルスで励振する励振手段と、
    各振動子で受信した超音波受信エコーを振動子ごとの波形データとして記憶する波形メモリと、
    振動子ごとの波形データが記憶された前記波形メモリの内容を読み出し、加算器にて位相合成する位相合成手段と、
    上記波形メモリの読み出しにおいて、その各波形メモリのアドレスを電子走査範囲内の任意位置に対するダイナミックフォーカスのビーム路程距離に相当するアドレスとして与える焦点手段と
    電子走査範囲内でアレー素子配列方向ごとの深さ方向ゲート範囲を与え、そのゲート範囲における前記位相合成された信号の最大エコー高さ、及び最大エコー高さでの深さ方向位置を検出するゲート処理手段と、
    電子走査範囲の指定されたアレー素子配列位置における、複数回の超音波サイクルでの前記位相合成された信号の各深さ方向のピークエコー高さをメモリするAスコープメモリ手段とを備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 材料製品である被検材の生産ラインにおいて、
    被検材の生産ラインの流れと交差して、超音波変換器アレーが配置されることにより、
    ラインの移送に伴って、被検材のラインの移送方向の各位置における、被検材内部の探傷予定の全範囲を、順次探傷して行くことが可能なことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 上記の加算の出力を検波処理する検波回路と、検波回路の出力に接続されるゲート回路及び波形ピーク保存回路を備え、
    上記ゲート回路は、エコー高さメモリと、エコー深さメモリとを備えるとともに、走査位置毎にゲート範囲を個別に設定出来、走査位置毎の波形ピークエコー高さとそのビーム路程距離が検出可能であり、また、事前に走査位置毎のゲート範囲データが書き込まれており、ゲート範囲データと、電子走査平面の位置を比較し、当該位置がゲート範囲にあれば、エコー高さメモリに記憶している前回のゲート内ピークエコー高さと、検波回路からの現電子走査位置のエコー高さを比較し、現電子走査位置のエコー高さの方が大きいとき、現電子走査位置のエコー高さをエコー高さメモリに書き込み、また、その現電子走査位置を示す深さ方向のデータをエコー深さメモリに書き込む構成とされており、
    上記波形ピーク保存回路は、表示サイクル周期内の仮想探傷ライン上の各超音波波形において、各深さ位置での超音波波形のピーク高さを保存し、その深さ位置での最大波形を保存するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の超音波探傷装置。
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