JP5720932B2 - 回転角検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシレスモータのロータ等の回転体の回転角を検出する回転角検出装置に関する。
電動パワーステアリング装置などに使用されるブラシレスモータを制御するためには、ロータの回転角度に合わせてステータ巻線に電流を通電する必要がある。そこで、ブラシレスモータの回転に応じて回転する検出用ロータを用いて、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置が知られている。具体的には、図9に示すように、検出用ロータ101(以下、「ロータ101」という)は、ブラシレスモータのロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石102を備えている。ロータ101の周囲には、2つの磁気センサ121,122が、ロータ101の回転中心軸を中心として所定の角度間隔をおいて配置されている。各磁気センサ121,122からは、所定の位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2つの正弦波信号に基づいて、ロータ101の回転角(ブラシレスモータのロータの回転角)が検出される。
この例では、磁石102は、5組の磁極対(M0,M1)(M2,M3)(M4,M5)(M6,M7)(M8,M9)を有している。つまり、磁石102は、等角度間隔で配置された10個の磁極M0〜M9を有している。各磁極M0〜M9は、ロータ101の回転中心軸を中心として、36°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。また、2つの磁気センサ121,122は、ロータ101の回転中心軸を中心として18°(電気角では90°)の角度間隔をおいて配置されている。
図9に矢印で示す方向を検出用ロータ101の正方向の回転方向とする。そして、ロータ101が正方向に回転されるとロータ101の回転角が大きくなり、ロータ101が逆方向に回転されると、ロータ101の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ121,122からは、図10に示すように、ロータ101が1磁極対分に相当する角度(72°(電気角では360°))を回転する期間を一周期とする正弦波信号V1,V2が出力される。
ロータ101の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対に対応して5つの区間に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ101の角度を、ロータ101の電気角θeということにする。この場合には、10個の磁極の角度幅は等しいので、ロータ101の電気角θeは、ブラシレスモータのロータの電気角と一致する。
ここでは、第1の磁気センサ121からは、V1=A1・sinθeの出力信号が出力され、第2の磁気センサ122からは、V2=A2・cosθeの出力信号が出力されるものとする。A1,A2は、振幅である。両出力信号V1,V2の振幅A1,A2が互いに等しいとみなすと、ロータ101の電気角θeは、両出力信号V1,V2を用いて、次式(1)に基づいて求めることができる。
θe=tan−1(sinθe/cosθe)
=tan−1(V1/V2) …(1)
このようにして、求められた電気角θeを使って、ブラシレスモータを制御する。
特開2003-241411号公報 特開2002-213944号公報
電動パワーステアリング装置などに使用されるブラシレスモータを制御する場合、操舵角や操舵角の角速度がブラシレスモータの制御に用いられることがある。操舵角や操舵角の角速度は、ブラシレスモータのロータの機械角に基づいて演算することができる。また、操舵角の角速度は、回転角演算処理開始時のロータの初期位置を基準としたロータの機械角(以下、「相対的機械角」という)に基づいて演算することができる。
ロータの機械角や相対的機械角を検出する場合には、磁気センサの出力信号の磁極の移り変わりを検出する必要がある。ここで、磁気センサの出力信号の磁極の移り変わりを検出するとは、当該磁気センサが感知している磁極が移り変わったことおよびその移動方向を検出することをいう。磁気センサの出力信号の磁極の移り変わりを、たとえば、図9に示される2つの磁気センサ121,122の出力信号V1,V2に基づいて、検出することが考えられる。
2つの磁気センサ121,122の出力信号V1,V2の振幅A1,A2が互いに等しい値Aであるとみなすか、あるいは両振幅が所定の規定値Aとなるように両信号V1,V2を正規化したとすると、一方の出力信号V1は、V1=A・sinθeと表され、他方の出力信号V2は、V2=A・cosθeと表される。さらに、A=1とすると、一方の出力信号V1は、V1=sinθeで表され、他方の出力信号V2は、V2=cosθeで表される。そこで、説明を簡単にするために、磁気センサ121,122の出力信号V1,V2を、V1=sinθe、V2=sin(θ+90°)=cosθeで表すことにする。
図10は、ロータ101の磁極M9と磁極M0との境界が第1の磁気センサ121に対向している場合のロータ101の回転角を0°にとった場合のロータ角度(機械角)に対する、各磁気センサ121,122の出力信号V1,V2を示している。ただし、ロータ角度は実際の機械角にロータ101の磁極対数(この例では”5”)を乗算した角度で表されている。また、図9おいて、磁極M0〜M9は、第1の磁気センサ121が感知している磁極を表している。
第1の磁気センサ121が感知している磁極の移り変わりには、次の4種類がある。
(a)ロータ101が正方向に回転している場合に、第1の磁気センサ121が感知している磁極がN極からS極に移り変わる場合。たとえば、図10に符号Qaで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ121が感知している磁極が磁極M2からM3に移り変わる場合。
(b)ロータ101が正方向に回転している場合に、第1の磁気センサ121が感知している磁極がS極からN極の磁極に移り変わる場合。たとえば、図10に符号Qbで示す楕円の矢印で示すように、第1の磁気センサ121が感知している磁極がM1からM2に移り変わる場合。
(c)ロータ101が逆方向に回転している場合に、第1の磁気センサ121が感知している磁極がN極からS極に移り変わる場合。たとえば、図10に符号Qcで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ121が感知している磁極がM5からM6に移り変わる場合。
(d)ロータ101が逆方向に回転している場合に、第1の磁気センサ121が感知している磁極がS極からN極の磁極に移り変わる場合。たとえば、図10に符号Qdで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ121が感知している磁極がM7からM6に移り変わる場合。
前記(a)の磁極の移り変わり(図10のQa参照)は、次の第1の判定条件を満たすか否かを判定することによって検出することができる。
第1の判定条件:「V2<0」かつ「V1の前回値>0」かつ「V1の今回値≦0」
前記(b)の磁極の移り変わり(図10のQb参照)は、次の第2の判定条件を満たすか否かを判定することによって検出することができる。
第2の判定条件:「V2>0」かつ「V1の前回値<0」かつ「V1の今回値≧0」
前記(c)の磁極の移り変わり(図10のQc参照)は、次の第3の判定条件を満たすか否かを判定することによって検出することができる。
第3の判定条件:「V2>0」かつ「V1の前回値≧0」かつ「V1の今回値<0」
前記(d)の磁極の移り変わり(図10のQd参照)は、次の第4の判定条件を満たすか否かを判定することによって検出することができる。
第4の判定条件:「V2<0」かつ「V1の前回値≦0」かつ「V1の今回値>0」
つまり、前記第1の判定条件を満たしていると判定されると、前記(a)の磁極の移り変わりが発生したと判別される。前記第2の判定条件を満たしていると判定されると、前記(b)の磁極の移り変わりが発生したと判別される。前記第3の判定条件を満たしていると判定されると、前記(c)の磁極の移り変わりが発生したと判別される。前記第4の判定条件を満たしていると判定されると、前記(d)の磁極の移り変わりが発生したと判別される。
ところで、磁気センサが故障すると、その出力信号は異常な状態となる。この異常には、次の3種類がある。
(1)上限張り付き異常:磁気センサの出力信号が正常時の上限値よりも大きな値に固定される異常。
(2)下限張り付き異常:磁気センサの出力信号が正常時の下限値よりも小さな値に固定される異常。
(3)中点張り付き異常:磁気センサの出力信号が正常時の上限値と正常時の下限値との中央値付近の値に固定される異常。
上限張り付き異常および下限張り付き異常は、磁気センサからの入力信号が正常入力範囲外となるため、当該異常を検出することは容易である。一方、中点張り付き異常は、磁気センサからの入力信号が正常入力範囲内であるため、当該異常を検出することは容易ではない。
第1の磁気センサ121の出力信号V1または第2の磁気センサ122の出力信号V2に中点張り付き異常が発生すると、磁極の移り変わりを正確に検出できなくなる。たとえば、第2の出力信号V2に中点張り付き異常が発生し、第2の出力信号V2が”0”に固定されると、前記第1〜第4の判定条件のいずれの判定条件も満たされなくなる。このため、前記(a)〜(d)の磁極の移り変わりを検出できなくなる。
また、第2の出力信号V2が”0”付近であるが、”0”以外の値、たとえば、”0.1”に固定された場合にも、磁極の移り変わりを誤検出してしまう。図11は、第2の出力信号V2が”0.1”に固定された場合の、各磁気センサ121,122の出力信号V1,V2を示している。
図11において、楕円Qa内の矢印で示す磁極の移り変わりでは、本来V2<0となるべきところがV2>0となるため、前記第1の判定条件を満たさなくなくなり、前記第3の判定条件を満たしてしまうことになる。このため、前記(a)の磁極の移り変わりを、前記(c)の磁極の移り変わりと誤検出してしまう。同様に、図11において、楕円Qd内の矢印で示す磁極の移り変わりでは、本来V2<0となるべきところがV2>0となるため、前記第4の判定条件を満たさなくなくなり、前記第2の判定条件を満たしてしまうことになる。このため、前記(d)の磁極の移り変わりを、前記(b)の磁極の移り変わりと誤検出してしまう。
この発明の目的は、複数の正弦波信号のうちの1つの正弦波信号に中点張り付き異常が発生した場合でも、磁極の移り変わりを正確に検出できるようになる回転角検出装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、回転体(10)の回転に応じて回転しかつ複数の磁極(M0〜M9)が設けられた検出用ロータ(1)と、前記検出用ロータの回転に応じて、互いに所定の位相差を有する3つの正弦波信号(V1,V2,V3)を出力するセンサ(21,22,23)とを含み、これらの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、所定の演算周期毎に前記各正弦波信号を読み取る信号読取手段(20,S1)と、前記信号読取手段によって読み取られた前記各正弦波信号に基づいて、少なくとも1つの正弦波信号の磁極の移り変わりを検出する検出手段(20,S4)とを含み、前記検出手段は、前記各正弦波信号のうち、磁極の移り変わりが検出される正弦波信号を第1の正弦波信号(V1)とし、他の2つの正弦波信号のうちの一方を第2の正弦波信号(V2)とし、他方を第3の正弦波信号(V3)とすると、前記第2の正弦波信号の今回値と前記第3の正弦波信号の今回値のうち、その絶対値が大きい方の今回値と、前記第1の正弦波信号の前回値と、前記第1の正弦波信号の今回値とに基づいて、前記第1の正弦波信号の磁極の移り変わりを検出するものである、回転角検出装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
上記構成では、検出用ロータの回転に応じて、互いに所定の位相差を有する3つの正弦波信号を出力するセンサを含んでいる。所定の演算周期毎に各正弦波信号が読み取られる。そして、読み取られた各正弦波信号に基づいて、少なくとも1つの正弦波信号の磁極の移り変わりが検出される。具体的には、各正弦波信号のうち、磁極の移り変わりが検出される正弦波信号を第1の正弦波信号とし、他の2つの正弦波信号のうちの一方を第2の正弦波信号とし、他方を第3の正弦波信号とすると、第2の正弦波信号の今回値と第3の正弦波信号の今回値のうち、その絶対値が大きい方の今回値と、第1の正弦波信号の前回値と、第1の正弦波信号の今回値とに基づいて、第1の正弦波信号の磁極の移り変わりが検出される。
つまり、この構成では、第2の正弦波信号の今回値および第3の正弦波信号の今回値のうち、その絶対値が大きい方の今回値が、第1の正弦波信号の磁極の移り変わりを検出するために用いられる。第2の正弦波信号および第3の正弦波信号のうちの1つに中点張り付き異常が発生した場合には、中点張り付き異常が発生した正弦波信号の絶対値は小さくなる。このため、中点張り付き異常が発生した正弦波信号は、第1の正弦波信号の磁極の移り変わりの検出に用いられなくなる。したがって、この構成によれば、磁極の移り変わりが検出される第1の正弦波信号以外の2つの正弦波信号のうちの1つに中点張り付き異常が発生した場合でも、第1の正弦波信号の磁極の移り変わりを正確に検出できる。
これにより、3つの正弦波信号のうちの1つの正弦波信号に中点張り付き異常が発生した場合でも、少なくとも1つの正弦波信号の磁極の移り変わりを正確に検出することが可能となる。これにより、3つの正弦波信号のうちの1つの正弦波信号に中点張り付き異常が発生した場合でも、相対的機械角等の機械角を演算することが可能となる。
前記所定の位相差は、電気角で30°〜75°または105°〜150°の範囲内の角度であることが望ましい。
請求項2に記載の発明は、前記所定の位相差が、電気角で45°である、請求項1に記載の回転角検出装置である。
請求項3に記載の発明は、前記所定の位相差が、電気角で120°である、請求項1に記載の回転角検出装置である。
この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。 検出用ロータの構成を示す模式図である。 第1、第2および第3の磁気センサの出力信号波形および第1の磁気センサが感知している磁極を示す模式図である。 回転角演算装置による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 回転角演算装置による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 図5のステップS12の相対的極番号の設定処理の手順を示すフローチャートである。 相対的極番号の設定処理を説明するための模式図である。 第3の出力信号が零に固定された場合の各出力信号波形および第1の磁気センサが感知している磁極を示す模式図である。 従来の回転角検出装置による回転角検出方法を説明するための模式図である。 第1の磁気センサの出力信号波形および第2の磁気センサの出力信号波形を示す模式図である。 2つの磁気センサの出力信号のうちの一方の出力信号に中点張り付き異常が発生した場合に、磁極の移り変わりを誤検知してしまうことを説明するための模式図である。
以下では、この発明を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。
この回転角検出装置は、ブラシレスモータ10の回転に応じて回転する検出用ロータ(以下、単に「ロータ1」という)を有している。図2に示すように、ロータ1は、ブラシレスモータ10のロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石2を含んでいる。
磁石2は、5組の磁極対(M0,M1)(M2,M3)(M4,M5)(M6,M7)(M8,M9)を有している。つまり、磁石2は、等角度間隔で配置された10個の磁極M0〜M9を有している。各磁極M0〜M9は、ロータ1の回転中心軸を中心として、36°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。
ロータ1の周囲には、3つの磁気センサ21,22,23が、ロータ1の回転中心軸を中心として、所定角度(9°(前記電気角では45°))の角度間隔をおいて配置されている。これら3つの磁気センサ21,22,23を、それぞれ第1の磁気センサ21、第2の磁気センサ22および第3の磁気センサ23という場合がある。磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。
図2に矢印で示す方向をロータ1の正方向の回転方向とする。そして、ロータ1が正方向に回転されるとロータ1の回転角が大きくなり、ロータ1が逆方向に回転されると、ロータ1の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ21,22,23からは、図3に示すように、ロータ1が1磁極対分に相当する角度(72°(電気角では360°))を回転する期間を一周期とする正弦波信号V1,V2,V3が出力される。
図3は、ロータ1の磁極M9と磁極M0との境界が第1の磁気センサ21に対向している場合のロータ1の回転角を0°にとった場合のロータ角度(機械角)に対する、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3を示している。図3における横軸のロータ角度[deg]は、機械角に磁極対数(この実施形態では”5”)を乗算することにより得られた角度を表している。また、図3には、ロータ角度に対応して、第1の磁気センサ21が感知している磁極M0〜M9が示されている。
回転角演算処理の開始時におけるロータ1の初期位置を基準としたロータ1の機械角を相対的機械角θmということにする。ただし、この実施形態では、相対的機械角θmを、回転角演算処理開始時におけるロータ1の初期位置を基準としたロータ1の機械角にロータ1の磁極対数(この例では”5”)を乗算した値で表すことにする。ロータ1の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対に対応して5つの区間に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ1の角度を、ロータ1の電気角θeということにする。この場合には、10個の磁極の角度幅は等しいので、ロータ1の電気角θeは、ブラシレスモータのロータの電気角と一致する。
ここでは、第1の磁気センサ21からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V1=A1・sinθeの出力信号が出力されるものとする。この場合、第2の磁気センサ22からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V2=A2・sin(θe+45°)の出力信号が出力される。また、第3の磁気センサ23からは、5つの磁極対に対応する区間毎に、V3=A3・sin(θe+90°)=A3・cosθeの出力信号が出力される。A1,A2,A3は、それぞれ振幅を表している。つまり、各磁気センサ21,22,23からは、所定の位相差45°(電気角)を有する正弦波信号が出力される。各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3を、それぞれ第1の出力信号V1,第2の出力信号V2および第3の出力信号V3という場合がある。
3つの磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3の振幅A1,A2,A3が互いに等しい値Aであるとみなすか、あるいは各振幅が所定の規定値Aとなるように各信号V1,V2,V3を正規化したとすると、第1、第2および第3の出力信号V1,V2,V3は、V1=A・sinθe,V2=A・sin(θe+45°)およびV3=A・sin(θe+90°)と表される。さらに、A=1とすると、第1、第2および第3の出力信号V1,V2,V3は、V1=sinθe、V2=sin(θe+45°)およびV3=sin(θe+90°)で表される。そこで、説明を簡単にするために、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3を、V1=sinθe、V2=sin(θe+45°)およびV3=sin(θe+90°)=cosθeで表すことにする。
図1に戻り、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3は、回転角演算装置20に入力される。回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3に基づいて、ロータ1の電気角θeを演算する。また、回転角演算装置20は、得られた電気角θe等に基づいて、ロータ1の相対的機械角θmを演算する。回転角演算装置20は、たとえば、マイクロコンピュータから構成され、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ等)を含んでいる。
回転角演算装置20によって演算された電気角θeおよび相対的機械角θmは、モータコントローラ30に与えられる。モータコントローラ30は、回転角演算装置20から与えられる電気角θeおよび相対的機械角θmを用いて、ブラシレスモータ10を制御する。
相対的機械角θmを演算するためには、出力信号V1,V2,V3のうちの少なくとも1つの出力信号の磁極の移り変わり(磁気センサ21,22,23のうち少なくとも1つの磁気センサが感知している磁極の移り変わり)を検出する必要がある。この回転角演算装置20の特徴は、第1または第3の磁気センサ21,23の出力信号V1,V3の磁極の移り変わりを検出する場合に、当該磁気センサ以外の2つの磁気センサの出力信号のうちの一方に中点張り付き異常が発生したとしても、当該磁気センサの移り変わりを正確に検出できる機能を備えていることにある。また、回転角演算装置20の特徴は、3つの磁気センサ21,22,23の出力信号のうちの1つの出力信号に中点張り付き異常が発生したとしても、相対的機械角θmを正確に演算できる機能を備えていることにある。
図4および図5は、回転角演算装置20による回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。
図4および図5に示される回転角演算処理は、所定の演算周期毎に繰り返し行なわれる。
回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極を基準磁極として、各磁極に相対的な番号を割り当てた場合の各磁極の番号を相対的極番号と定義する。第1の磁気センサ21が感知している相対的極番号(以下、「第1の相対的極番号」という)を変数p1で表し、第3の磁気センサ23が感知している相対的極番号(以下、「第3の相対的極番号」という)を変数p3で表すことにする。この実施形態では、回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極である場合には、当該磁極に”0”の相対的極番号が割り当てられる。一方、回転角演算処理の開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極である場合には、当該磁極に”1”の相対的極番号が割り当てられる。
回転角演算処理が開始されると、回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22,23の出力信号(センサ値)V1,V2,V3を読み込む(ステップS1)。なお、回転角演算装置20のメモリ(たとえば、RAM)には、所定回数前に読み込まれたセンサ値から最新に読み込まれたセンサ値までの、複数回数分のセンサ値が記憶されるようになっている。
前記ステップS1で各センサ値V1,V2,V3が読み込まれると、回転角演算装置20は、第1のセンサ値V1が上限張り付き異常判定用の閾値U1より大きいか否かを判別する(ステップS2)。閾値U1は、たとえば、第1のセンサ値V1の正常時の上限値(この例では”+1”)に所定値α(α≧0)を加算した値に設定される。αは、たとえば、0〜0.1の範囲内の値に設定される。
第1のセンサ値V1が閾値U1以下の場合には(ステップS2:NO)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1に上限張り付き異常が発生していないと判定し、第1のセンサ値V1が下限張り付き異常判定用の閾値D1より小さいか否かを判別する(ステップS3)。閾値D1は、たとえば、第1のセンサ値V1の正常時の下限値(この例では”−1”)から前記所定値αを減算した値に設定される。第1のセンサ値V1が閾値D1以上の場合には(ステップS3:NO)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1に下限張り付き異常が発生していないと判定し、ステップS5に移行する。
前記ステップS2において、第1のセンサ値V1が閾値U1より大きいと判別された場合には(ステップS2:YES)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1に上限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS4に移行する。また、前記ステップS3において、第1のセンサ値V1が閾値D1より小さいと判別された場合には(ステップS3:YES)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1に下限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS4に移行する。ステップS4では、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1に上限張り付き異常または下限張り付き異常が発生したことを記憶するとともに表示する。そして、ステップS5に移行する。
ステップS5では、回転角演算装置20は、第2のセンサ値V2が上限張り付き異常判定用の閾値U2より大きいか否かを判別する。閾値U2は、たとえば、第2のセンサ値V2の正常時の上限値(この例では”+1”)に前記所定値α(α≧0)を加算した値に設定される。
第2のセンサ値V2が閾値U2以下の場合には(ステップS5:NO)、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2に上限張り付き異常が発生していないと判定し、第2のセンサ値V2が下限張り付き異常判定用の閾値D2より小さいか否かを判別する(ステップS6)。閾値D2は、たとえば、第2のセンサ値V2の正常時の下限値(この例では”−1”)から前記所定値αを減算した値に設定される。第2のセンサ値V2が閾値D2以上の場合には(ステップS6:NO)、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2に下限張り付き異常が発生していないと判定し、ステップS8に移行する。
前記ステップS5において、第2のセンサ値V2が閾値U2より大きいと判別された場合には(ステップS5:YES)、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2に上限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS7に移行する。また、前記ステップS6において、第2のセンサ値V2が閾値D2より小さいと判別された場合には(ステップS6:YES)、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2に下限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS7に移行する。ステップS7では、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2に上限張り付き異常または下限張り付き異常が発生したことを記憶するとともに表示する。そして、ステップS8に移行する。
ステップS8では、回転角演算装置20は、第3のセンサ値V3が上限張り付き異常判定用の閾値U3より大きいか否かを判別する。閾値U3は、たとえば、第3のセンサ値V3の正常時の上限値(この例では”+1”)に前記所定値α(α≧0)を加算した値に設定される。
第3のセンサ値V32が閾値U3以下の場合には(ステップS8:NO)、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3に上限張り付き異常が発生していないと判定し、第3のセンサ値V3が下限張り付き異常判定用の閾値D3より小さいか否かを判別する(ステップS9)。閾値D3は、たとえば、第3のセンサ値V3の正常時の下限値(この例では”−1”)から前記所定値αを減算した値に設定される。第3のセンサ値V3が閾値D3以上の場合には(ステップS9:NO)、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3に下限張り付き異常が発生していないと判定し、図5のステップS11に移行する。
前記ステップS8において、第3のセンサ値V3が閾値U3より大きいと判別された場合には(ステップS8:YES)、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3に上限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS10に移行する。また、前記ステップS9において、第3のセンサ値V3が閾値D3より小さいと判別された場合には(ステップS9:YES)、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3に下限張り付き異常が発生したと判定し、ステップS10に移行する。ステップS10では、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3に上限張り付き異常または下限張り付き異常が発生したことを記憶するとともに表示する。そして、ステップS11に移行する。
図5を参照して、ステップS11では、回転角演算装置20は、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理であるか否かを判別する。今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理である場合には(ステップS11:YES)、回転角演算装置20は、相対的極番号の設定処理を行う(ステップS12)。
図6は、相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示している。
回転角演算装置20は、まず、第1の出力信号V1が0より大きいか否かを判別する(ステップS31)。第1の出力信号V1が0より大きい場合には(ステップS31:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がN極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号p1を0に設定する(ステップS34)。そして、ステップS36に進む。
一方、第1の出力信号V1が0以下である場合には(ステップS31:NO)、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1が0より小さいか否かを判別する(ステップS32)。第1の出力信号V1が0より小さい場合には(ステップS32:YES)、第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)がS極の磁極であると判別し、第1の相対的極番号p1を1に設定する(ステップS35)。そして、ステップS36に進む。
前記ステップS32において、第1の出力信号V1が0以上であると判別された場合には(ステップS32:NO)、つまり、第1の出力信号V1が0である場合には、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°であるか180°であるかを判別するために、第3の出力信号V3が0より大きいか否かを判別する(ステップS33)。第3の出力信号V3が0より大きい場合には(ステップS33:YES)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が0°であると判別し、第1の相対的極番号p1を0に設定する(ステップS34)。そして、ステップS36に進む。
一方、第3の出力信号V3が0以下である場合には(ステップS33:NO)、回転角演算装置20は、ロータ回転角(電気角)が180°であると判別し、第1の相対的極番号p1を1に設定する(ステップS35)。そして、ステップS36に進む。
ステップS36では、回転角演算装置20は、「V1≧0かつV3≦0」または「V1<0かつV3≧0」の条件を満たしているか否かを判別する。この条件を満たしている場合には(ステップS36:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが異なると判別し、第3の相対的極番号p3に、第1の相対的極番号p1より1だけ多い番号を設定する(ステップS38)。そして、図5のステップS14に戻る。
一方、前記ステップS36の条件を満たしていない場合には(ステップS36:NO)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じであると判別し、第3の相対的極番号p3に第1の相対的極番号p1と同じ番号を設定する(ステップS37)。そして、図5のステップS14に戻る。
前記ステップS36の条件を満たしている場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが異なると判別し、前記ステップS36の条件を満たしていない場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じであると判別している理由について説明する。
たとえば、ロータ1の磁極M0と磁極M1とからなる磁極対が第1の磁気センサ21を通過する際の、第1、第2および第3の磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3の信号波形を模式的に表すと、図7(a)(b)(c)に示すようになる。
図7(a)(c)において、S1で示す領域は、第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23が共に磁極M0を感知している領域である。S2で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M0を感知し、第3の磁気センサ23が磁極M1を感知している領域である。S3で示す領域は、第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23が共に磁極M1を感知している領域である。S4で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M1を感知し、第3の磁気センサ23が磁極M2を感知している領域である。
つまり、領域S1およびS3では、第3の磁気センサ23が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と等しくなる。一方、領域S2およびS4では、第3の磁気センサ23が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きくなる。
領域S1においては、両センサ値V1,V3は、V1≧0かつV3>0の第1条件を満たす。領域S2においては、両センサ値V1,V3は、V1≧0かつV3≦0の第2条件を満たす。領域S3においては、両センサ値V1,V3は、V1<0かつV3<0の第3条件を満たす。領域S4においては、両センサ値V1,V3は、V1<0かつV3≧0の第4条件を満たす。
そこで、回転角演算装置20は、前記第2条件(V1≧0かつV3≦0)または前記第4条件(V1<0かつV3≧0)を満たしている場合には、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが異なると判別し、前記第2条件または前記第4条件を満たしていない場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じであると判別している。
図5に戻り、前記ステップS11において、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理ではないと判別された場合には(ステップS11:NO)、ステップS13に移行する。ステップS13では、回転角演算装置20は、磁極の移り変わりの検出および相対的極番号の更新処理を行なう。この実施形態では、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりおよび第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりを検出するための処理を行なう。そして、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりを検出したときには、第1の相対的極番号p1を更新する。また、回転角演算装置20は、第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりを検出したときには、第3の相対的極番号p3を更新する。
図3を参照して、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりの検出処理および第1の相対的極番号p1の更新処理について説明する。
第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりには、次の4種類がある。
(a)ロータ1が正方向に回転している場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極がN極からS極に移り変わる場合。たとえば、図3に符号Qaで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ21が感知している磁極がM2からM3に移り変わる場合。
(b)ロータ1が正方向に回転している場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極がS極からN極の磁極に移り変わる場合。たとえば、図3に符号Qbで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ21が感知している磁極がM1からM2に移り変わる場合。
(c)ロータ1が逆方向に回転している場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極がN極からS極に移り変わる場合。たとえば、図3に符号Qcで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ21が感知している磁極がM6からM5に移り変わる場合。
(d)ロータ1が逆方向に回転している場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極がS極からN極の磁極に移り変わる場合。たとえば、図3に符号Qdで示す楕円内の矢印で示すように、第1の磁気センサ21が感知している磁極がM7からM6に移り変わる場合。
回転角演算装置20は、前記(a)〜(d)の磁極の移り変わりが発生しているか否かを判別し、磁極の移り変わりが発生していると判別した場合には、第1の相対的極番号p1を更新する。
回転角演算装置20は、前記(a)の磁極の移り変わり(図3のQa参照)の有無を判定するために、次の第1の判定条件を満たしているか否かを判定する。
第1の判定条件:「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β(β>0)」かつ「V1の前回値>0」かつ「V1の今回値≦0」。βは、磁極の移り変わりを判定するために用いられる閾値であり、磁気センサの出力中点張り付き異常が発生した場合に、当該出力信号が固定される値の絶対値より大きな値に設定される。閾値βは、各出力信号V1、V2、V3の位相差を考慮して設定されることが好ましい。本実施形態(各出力信号V1、V2、V3の位相差は45°)では、閾値βは、たとえば、0.25に設定される。
回転角演算装置20は、前記第1の判定条件を満たしていると判定した場合には、第1の相対的極番号p1を1だけ大きい値に更新する。
また、回転角演算装置20は、前記(b)の磁極の移り変わり(図3のQb参照)の有無を判定するために、次の第2の判定条件を満たしているか否かを判定する。
第2の判定条件:「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V1の前回値<0」かつ「V1の今回値≧0」
回転角演算装置20は、前記第2の判定条件を満たしていると判定した場合には、第1の相対的極番号p1を1だけ大きい値に更新する。ただし、第1の相対的極番号p1が”9”である場合には、それより1だけ大きい値は”0”となる。
また、回転角演算装置20は、前記(c)の磁極の移り変わり(図3のQc参照)の有無を判定するために、次の第3の判定条件を満たしているか否かを判定する。
第3の判定条件:「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V1の前回値≧0」かつ「V1の今回値<0」
回転角演算装置20は、前記第3の判定条件を満たしていると判定した場合には、第1の相対的極番号p1を1だけ小さい値に更新する。ただし、第1の相対的極番号p1が”0”である場合には、それより1だけ小さい値は”9”となる。
また、回転角演算装置20は、前記(d)の磁極の移り変わり(図3のQd参照)の有無を判定するために、次の第4の判定条件を満たしているか否かを判定する。
第4の判定条件:「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」かつ「V1の前回値≦0」かつ「V1の今回値>0」
回転角演算装置20は、前記第4の判定条件を満たしていると判定した場合には、第1の相対的極番号p1を1だけ小さい値に更新する。
また、回転角演算装置20は、第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別するために、次の4つの条件(第5条件〜第8条件)を満たしているか否かを判別する。
第5の判定条件(回転方向が正方向である場合のN極からS極への移り変わり):「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V3の前回値>0」かつ「V3の今回値≦0」
第6の判定条件(回転方向が正方向である場合のS極からN極への移り変わり):「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」かつ「V3の前回値<0」かつ「V3の今回値≧0」
第7の判定条件(回転方向が逆方向である場合のN極からS極への移り変わり):「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」かつ「V3の前回値≧0」かつ「V3の今回値<0」
第8の判定条件(回転方向が逆方向である場合のS極からN極への移り変わり):「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V3の前回値≦0」かつ「V3の今回値>0」
第5の判定条件または第6の判定条件を満たしている場合には、回転角演算装置20は、第3の相対的極番号p3を1だけ大きい値に更新する。ただし、第3の相対的極番号p3が”9”である場合には、それより1だけ大きい値は”0”となる。一方、第7の判定条件または第8の判定条件を満たしている場合には、回転角演算装置20は、第3の相対的極番号p3を1だけ小さい値に更新する。ただし、第3の相対的極番号p3が”0”である場合には、それより1だけ小さい値は”9”となる。
第1または第3の磁気センサ21,23が感知している磁極の移り変わりを、前記のような判定条件を用いて検出しているので、当該磁気センサ以外の2つの磁気センサの出力信号のうちの1つの出力信号に中点張り付き異常が発生していたとしても、当該磁気センサが感知している磁極の移り変わりを正確に検出することができる。このことについて、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりを検出する場合を例にとって検証する。図8は、第3の出力信号V3が中点張り付き異常により、”0”の値に固定された場合の各出力信号を示している。
図8に楕円Qa内の矢印で示す磁極の移り変わり(回転方向が正方向である場合のN極からS極への移り変わり)が、前記第1の判定条件によって検出されるか否かを検証する。第1の判定条件は、「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β(β>0)」かつ「V1の前回値>0」かつ「V1の今回値≦0」である。中点張り付き異常が発生した第3の出力信号V3は零付近の値(図8の例では零)となる。したがって、図8に楕円Qa内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V2の絶対値はV3の絶対値よりも大きくなる。
この結果、第1の判定条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」という要件は、中点張り付き異常が発生した第3の出力信号V3ではなく第2の出力信号V2を用いて判定されることになる。図8に楕円Qa内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V2<−0.25となるので、第1の判定条件が満たされることになる。つまり、第3の出力信号V3に中点張り付き異常が発生した場合でも、第1の判定条件に基づいて、回転方向が正方向である場合のN極からS極への移り変わりを正確に検出することができる。
図8に楕円Qb内の矢印で示す磁極の移り変わり(回転方向が正方向である場合のS極からN極への移り変わり)が、前記第2の判定条件によって検出されるか否かを検証する。第2の判定条件は、「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V1の前回値<0」かつ「V1の今回値≧0」である。図8に楕円Qb内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V3の絶対値はV2の絶対値よりも小さくなる。
この結果、第2の判定条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」という要件は、中点張り付き異常が発生した第3の出力信号V3ではなく第2の出力信号V2を用いて判定されることになる。図8に楕円Qb内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V2>0.25となるので、第2の判定条件が満たされることになる。つまり、第3の出力信号V3に中点張り付き異常が発生した場合でも、第2の判定条件に基づいて、回転方向が正方向である場合のS極からN極への移り変わりを正確に検出することができる。
図8に楕円Qc内の矢印で示す磁極の移り変わり(回転方向が逆方向である場合のN極からS極への移り変わり)が、前記第3の判定条件によって検出されるか否かを検証する。第3の判定条件は、「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」かつ「V1の前回値≧0」かつ「V1の今回値<0」である。図8に楕円Qc内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V3の絶対値はV2の絶対値よりも小さくなる。
この結果、第3の判定条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値>β」という要件は、中点張り付き異常が発生した第3の出力信号V3ではなく第2の出力信号V2を用いて判定されることになる。図8に楕円Qc内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V2>0.25となるので、第3の判定条件が満たされることになる。つまり、第3の出力信号V3に中点張り付き異常が発生した場合でも、第3の判定条件に基づいて、回転方向が逆方向である場合のN極からS極への移り変わりを正確に検出することができる。
図8に楕円Qd内の矢印で示す磁極の移り変わり(回転方向が逆方向である場合のS極からN極への移り変わり)が、前記第4の判定条件によって検出されるか否かを検証する。第4の判定条件は、「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」かつ「V1の前回値≦0」かつ「V1の今回値>0」である。図8に楕円Qd内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V3の絶対値はV2の絶対値よりも小さくなる。
この結果、第4の判定条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β」という要件は、中点張り付き異常が発生した第3の出力信号V3ではなく第2の出力信号V2を用いて判定されることになる。図8に楕円Qd内の矢印で示す磁極の移り変わり時点では、V2<−0.25となるので、第4の判定条件が満たされることになる。つまり、第3の出力信号V3に中点張り付き異常が発生した場合でも、第4の判定条件に基づいて、回転方向が逆方向である場合のS極からN極への移り変わりを正確に検出することができる。
第3の出力信号V3に代わりに、第2の出力信号V2に中点張り付き異常が発生した場合には、前記(a)〜(d)の磁極の移り変わり時点では、それに対応した第1〜第4の判定条件において、第3の出力信号V3がβまたは−βと比較されることになる。つまり、中点張り付き異常が発生した第2の出力信号V2は、磁極の移り変わり判定に用いられない。したがって、第2の出力信号V2に中点張り付き異常が発生した場合にも、前記第1〜第4の判定条件を用いて、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりを正確に検出できる。
なお、第3の磁気センサ23の出力信号V3の磁極の移り変わりを判定する場合も、同様に、他の磁気センサ21,22の出力信号V1,V2のいずれか一方に中点張り付き異常が発生したとしても、第3の磁気センサ23の出力信号V3の磁極の移り変わりを正確に検出できる。
また、図4のステップS1〜S10の処理において、第1、第2および第3の出力信号V1,V2,V3の全ての出力信号に上限または下限張り付き異常が発生していると判別されている場合には、回転角演算装置20は、前記ステップS11に移行する前に、モータ停止指令をモータコントローラ30に与えるとともに回転角演算処理を停止してもよい。
また、図4のステップS1〜S10の処理において、第1、第2および第3の出力信号V1,V2,V3のうちの1つの出力信号のみに上限または下限張り付き異常が発生していると判別されている場合には、前記ステップS13の磁極の移り変わりの検出および相対的極番号の更新処理においては、上限または下限張り付き異常が発生していない2つの出力信号に基づいて、磁極の移り変わりの検出および相対的極番号の更新処理を行なうようにしてもよい。
具体的には、上限または下限張り付き異常が発生している1つの出力信号が、第2の出力信号V2である場合には、回転角演算装置20は、前記第1の判定条件〜第4の判定条件と同様な判定条件に基づいて、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別し、その判別結果に応じて第1の相対的極番号p1を更新する。ただし、この場合には、前記第1の判定条件〜第4の判定条件における最初の条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値」として、「V3のセンサ値」が用いられる。また、回転角演算装置20は、前記第5の判定条件〜第8の判定条件と同様な判定条件に基づいて、第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別し、その判別結果に応じて第3の相対的極番号p3を更新する。ただし、この場合には、前記第5の判定条件〜第8の判定条件における最初の条件中の「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値」として「V1のセンサ値」が用いられる。
上限または下限張り付き異常が発生している1つの出力信号が、第1の出力信号V1である場合には、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かの判別を行なわない。一方、回転角演算装置20は、前記第5の判定条件〜第8の判定条件と同様な判定条件を用いて、第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別し、その判別結果に応じて第3の相対的極番号p3の更新を行う。ただし、この場合には、前記第5の判定条件〜第8の判定条件における最初の条件中の「V1とV2のうちその絶対値が大きい方のセンサ値」として「V2のセンサ値」が用いられる。
また、上限または下限張り付き異常が発生している1つの出力信号が、第3の出力信号V3である場合には、回転角演算装置20は、第3の磁気センサ23が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別を行なわない。一方、回転角演算装置20は、前記第1の判定条件〜第4の判定条件と同様な判定条件を用いて、第1の磁気センサ21が感知している磁極の移り変わりが発生したか否かを判別し、その判別結果に応じて第1の相対的極番号p1の更新を行う。ただし、この場合には、前記第1の判定条件〜第4の判定条件における最初の条件中の「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値」として「V2のセンサ値」が用いられる。
前記ステップS13の処理が終了すると、ステップS14に移行する。ステップS14では、回転角演算装置20は、前記ステップS1で読み込まれたセンサ値V1,V2,V3の全てが正常であるか否かを判別する。具体的には、回転角演算装置20は、まず、各出力信号V1,V2,V3に中点張り付き異常が発生しているか否かの判定を行う。各出力信号V1,V2,V3に中点張り付き異常が発生しているか否かの判定は、たとえば、出力信号V1,V2,V3毎に所定回数にわたってセンサ値がほとんど変化しないか否かを調べることによって行うことができる。つまり、回転角演算装置20は、所定回数にわたってセンサ値がほとんど変化しない場合には、そのセンサ値に対応する出力信号に中点張り付き異常が発生していると判定する。
そして、回転角演算装置20は、中点張り付き異常の判別結果と、前記ステップS1〜S10の処理における上限または下限張り付き異常の判別結果との両方の判別結果に基づいて、前記ステップS1で読み込まれたセンサ値(出力信号)V1,V2,V3の全てが正常であるか否かを判別する。
3つのセンサ値V1,V2,V3の全てが正常である場合と判別された場合には(ステップS14:YES)、回転角演算装置20は、前記ステップS1で読み込まれた3つのセンサ値V1,V2,V3からロータ1の回転角に相当する電気角θeを演算する(ステップS15)。
具体的には、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1と第2の出力信号V2とに基づいて、ロータ1の回転角に相当する第1の電気角θe1を演算する。また、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1と第3の出力信号V3とに基づいて、ロータ1の回転角に相当する第2の電気角θe2を演算する。また、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2と第3の出力信号V3とに基づいて、ロータ1の回転角に相当する第3の電気角θe3を演算する。第1、第2および第3の電気角θe1,θe2,θe3の演算方法については後述する。
そして、回転角演算装置20は、たとえば、次式(2)に基づいて、最終的な電気角θeを演算する。つまり、回転角演算装置20は、第1、第2および第3の電気角θe1,θe2,θe3の平均値を、最終的な電気角θeとして演算する。
θe=(θe1+θe2+θe3)/3 …(2)
なお、全ての出力信号V1,V2,V3が正常であると判定された場合には、回転角演算装置20は、第1、第2および第3の電気角θe1,θe2,θe3の中央値を、最終的な電気角θeとして演算することができる。また、この場合、第1、第2および第3の電気角θe1,θe2,θe3のうち、最も外れているものを除外し、他の2つの平均値を、最終的な電気角θeとして演算することもできる。さらに、この場合、回転角演算装置20は、第1,第2および第3の電気角θe1,θe2,θe3のいずれか1つの電気角を、最終的な電気角θeとして決定してもよい。
第1の電気角θe1の演算方法について説明する。回転角演算装置20は、まず、第1の出力信号V1(=sinθe)と第2の出力信号V2(=sin(θe+45°))とから、第1の出力信号V1に対する位相差が90°となる信号V12(=sin(θe+90°)=cosθe)を演算する。より具体的には、回転角演算装置20は、次式(3)に基づいて、信号V12を演算する。
Figure 0005720932
前記式(3)は、sin(θe+45°)を三角関数の加法定理により展開した式に基づいて、導出することができる。そして、回転角演算装置20は、前記信号V12(=cosθe)と第1の出力信号V1(=sinθe)とを用い、次式(4)に基づいて、第1の電気角θe1を演算する。
Figure 0005720932
第2の電気角θe2の演算方法について説明する。回転角演算装置20は、次式(5)に基づいて、第2の電気角θe2を演算する。
Figure 0005720932
第3の電気角θe3の演算方法について説明する。回転角演算装置20は、まず、第2の出力信号V2(=sin(θe+45°)と第3の出力信号V3(=cosθe)とから、sinθeに相当する信号V23を演算する。より具体的には、回転角演算装置20は、次式(6)に基づいて、信号V23を演算する。
Figure 0005720932
前記式(6)は、sin(θe+45°)を三角関数の加法定理により展開した式に基づいて、導出することができる。そして、回転角演算装置20は、前記信号V23(=sinθe)と第3の出力信号V3(=cosθe)とを用い、次式(7)に基づいて、第3の電気角θe3を演算する。
Figure 0005720932
前記ステップS15による電気角θeの演算が終了すると、回転角演算装置20は、第1の相対的極番号p1の値を、相対的機械角θmの演算に用いられる機械角演算用極番号pとして設定する(ステップS15)。機械角演算用極番号pは、第1の磁気センサ21が感知している磁極の相対的極番号を表すものである。第1の出力信号V1が正常である場合には、第1の相対的極番号p1は第1の磁気センサ1が感知している磁極の相対的極番号を正しく表していると考えられるので、第1の相対的極番号pの値が機械角演算用極番号pとして設定される。そして、ステップS24に移行する。
前記ステップS14において、センサ値V1,V2,V3のいずれか1つでも異常であると判別された場合には(ステップS14:NO)、回転角演算装置20は、センサ値V1,V2,V3のうちの2つが正常であるか否かを判別する(ステップS17)。センサ値V1,V2,V3のうちの2つが正常である場合には、回転角演算装置20は、正常な2つのセンサ値(出力信号)からロータ1の回転角に相当する電気角θeを演算する(ステップS18)。
具体的には、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1が異常であり、第2および第3の出力信号V2,V3が正常であると判定した場合には、第2の出力信号V2と第3の出力信号V3とに基づいて、ロータ1の回転角に相当する電気角θe(前記第3の電気角θe3に相当する)を演算する。
また、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2が異常であり、第1および第3の出力信号V1,V3が正常であると判定した場合には、第1および第3の出力信号V1,V3に基づいて電気角(前記第2の電気角θe2に相当する)を演算する。
また、回転角演算装置20は、第3の出力信号V3が異常であり、第1および第2の出力信号V1,V2が正常であると判定した場合には、第1および第2の出力信号V1,V2に基づいて電気角(前記第1の電気角θe1に相当する)を演算する。
次に、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1が正常であると判定されているか否かを判別する(ステップS19)。第1の出力信号V1が正常であると判定されている場合には(ステップS19:YES)、回転角演算装置20は、第1の相対的極番号p1の値を、相対的機械角θmの演算に用いられる機械角演算用極番号pとして設定する(ステップS16)。そして、ステップS24に移行する。
一方、第1の出力信号V1が異常であると判定されている場合には(ステップS19:NO)、第1の相対的極番号p1は信頼できないので、回転角演算装置20は、機械角演算用極番号pを第3の相対的極番号p3に基づいて演算する。具体的には、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と、第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じであるか異なるかを判定する(ステップS20)。より具体的には、前記ステップS18で演算された電気角θeが、90°<θe≦180°または270°≦θe<360°の範囲内であるか否かを判定する。図7(a)(c)において、領域S1および領域S3では、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じである。一方、領域S2および領域S4では、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが異なる。
領域S2は、電気角θeが90°<θe≦180°の範囲にある領域であり、領域S4は、電気角θeが270°≦θe<360°の範囲にある領域である。したがって、電気角θeが、90°<θe≦180°または270°≦θe<360°の範囲内である場合には(ステップS20:YES)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが異なると判定する。そこで、この場合には、回転角演算装置20は、第3の相対的番号p3より1だけ小さい値を機械角演算用極番号pとして設定する(ステップS21)。そして、ステップS24に移行する。
一方、前記ステップS20において、電気角θeが、90°<θe≦180°の範囲内でなく、かつ270°≦θe<360°の範囲内でもないと判別された場合には(ステップS20:NO)、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第3の磁気センサ23が感知している磁極とが同じであると判定する。したがって、この場合には、回転角演算装置20は、第3の相対的番号p3の値を機械角演算用極番号pとして設定する(ステップS22)。そして、ステップS24に移行する。
なお、3つの出力信号V1,V2,V3のうちの2以上の出力信号が異常である場合には、ステップS17とNOとなる。この場合には、電気角θeを演算できないので、回転角演算装置20は、異常処理を行なう(ステップS23)。具体的には、回転角演算装置20は、モータコントローラ30にモータ停止指令を出力するとともに、回転角演算処理を停止する。
ステップS24では、回転角演算装置20は、前記ステップS15またはS18で演算された電気角θeと機械角演算用極番号pとを用い、次式(8)に基づいて、相対的機械角θmを演算する。そして、前記ステップS15またはS18で演算された電気角θeと、ステップS24で演算された、相対的機械角θmとをモータコントローラ30に与える。
θm=θe+n×360° …(8)
ただし、p=0または1の場合、n=0、
p=2または3の場合、n=1、
p=4または5の場合、n=2、
p=6または7の場合、n=3、
p=8または9の場合、n=4である。
ステップS24の処理が終了すると、今演算周期での処理を終了する。
前記実施形態によれば、回転角演算装置20は、所定の演算周期毎に、電気角θeと相対的機械角θmとを演算して、モータコントローラ30に与えることができる。3つの磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3のうちの1つに異常(下限張り付き異常、上限張り付き異常または中点張り付き異常)が発生したとしても、回転角演算装置20は、正確な電気角θeを演算することができる。また、3つの磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3のうちの1つに中点張り付きが発生したとしても、回転角演算装置20は、第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23のうちの少なくとも1つの磁気センサが感知している磁極の移り変わりを正確に検出することができる。これにより、正確な相対的機械角θmを演算することができる。
以上、この発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3の位相差は電気角で45°であるが、2つの出力信号に関して、そのゼロクロス付近において、他の2つの出力信号が同符号でかつそれらの絶対値が比較的大きくなるような位相差であれば、45°以外の角度であってもよい。具体的には、出力信号V1,V2,V3の位相差は、電気角で30°〜75°の範囲内の角度であってもよい。
さらに、出力信号V1,V2,V3の位相差は、1つの出力信号のゼロクロス付近において、他の2つの出力信号が異符号でかつそれらの絶対値が比較的大きくなるような位相差であってもよい。具体的には、出力信号V1,V2,V3の位相差は、電気角で105°〜150°の範囲内の角度(好ましくは120°)であってもよい。この場合、前記位相差ψとし、V1をsinθe、V2をsin(θe+ψ)、V3をsin(θe+2ψ)とすると、ロータ1が正方向に回転している場合に、第1の磁気センサ21が感知している磁極がN極からS極に移り変わる場合には、V2はその絶対値が比較的大きな負の値となり、V3はその絶対値が比較的大きな正の値となる。そこで、前記第1の判定条件における「V2とV3のうちその絶対値が大きい方のセンサ値<−β(β>0)」という最初の条件は、「V2とV3のうちその絶対値が大きいほうのセンサ信号がV2の場合にはV2<−β(β>0)、V3の場合にはV3>β(β>0)」に置き換えられる。他の第2〜第8の判定条件においても同様に、磁極の移り変わりの判別対象となる1つの出力信号のゼロクロス付近における他の2つの出力信号のうちの絶対値が大きい方のセンサ信号をViとすると、Viが正である場合には、Vi>βが最初の条件とされ、Viが負である場合にはVi<−βが最初の条件とされる。
また、前記実施形態では、第1の磁気センサ21が感知している相対的極番号p1と、第3の磁気センサ23が感知している相対的極番号p3とが設定されるとともに、更新されているが、第1の磁気センサ21が感知している相対的極番号p1と、第2の磁気センサ22が感知している相対的極番号p2とを設定するとともに、更新するようにしてもよい。さらに、第1の磁気センサ21が感知している相対的極番号p1と、第2の磁気センサ22が感知している相対的極番号p2と、第3の磁気センサ23が感知している相対的極番号p3とを設定するとともに更新するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ロータ1には、5組の磁極対が設けられているが、5組より少ない数または多い数の磁極対が設けられていてもよい。
また、この発明は、ブラシレスモータのロータ以外の回転体の回転角を検出する場合にも、適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…検出用ロータ、21,22,23…磁気センサ、10…ブラシレスモータ、20…回転角演算装置、M0〜M9…磁極

Claims (3)

  1. 回転体の回転に応じて回転しかつ複数の磁極が設けられた検出用ロータと、前記検出用ロータの回転に応じて、互いに所定の位相差を有する3つの正弦波信号を出力するセンサとを含み、これらの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    所定の演算周期毎に前記各正弦波信号を読み取る信号読取手段と、
    前記信号読取手段によって読み取られた前記各正弦波信号に基づいて、少なくとも1つの正弦波信号の磁極の移り変わりを検出する検出手段とを含み、
    前記検出手段は、
    前記各正弦波信号のうち、磁極の移り変わりが検出される正弦波信号を第1の正弦波信号とし、他の2つの正弦波信号のうちの一方を第2の正弦波信号とし、他方を第3の正弦波信号とすると、
    前記第2の正弦波信号の今回値と前記第3の正弦波信号の今回値のうち、その絶対値が大きい方の今回値と、前記第1の正弦波信号の前回値と、前記第1の正弦波信号の今回値とに基づいて、前記第1の正弦波信号の磁極の移り変わりを検出するものである、回転角検出装置。
  2. 前記所定の位相差が、電気角で45°である、請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記所定の位相差が、電気角で120°である、請求項1に記載の回転角検出装置。
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