JP5454918B2 - 回転角検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転体の回転角を検出する回転角検出装置に関する。
電動パワーステアリング装置などに使用されるブラシレスモータは、ロータの回転角度に合わせてステータ巻線に電流を通電することによって制御される。そこで、ブラシレスモータの回転に応じて回転する検出用ロータを用いて、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置が知られている。回転角検出装置は、例えば、図14に示すように、検出用ロータ101(以下、「ロータ101」という)が、ブラシレスモータのロータに設けられている磁極対に相当する磁極対を有する円筒状の磁石102を備えている。この例では、磁石102は、2つの磁極N,S(一組の磁極対)を有している。ロータ101の周囲には、2つの磁気センサ121,122が、ロータ101の回転中心軸を中心として90°の角度間隔をおいて配置されている。各磁気センサ121,122からは、互いに90°の位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2つの正弦波信号に基づいて、ロータ101の回転角(ブラシレスモータのロータの回転角)が検出される。
図14に矢印で示す方向をロータ101の正方向の回転方向とする。そして、ロータ101が正方向に回転されるとロータ101の回転角が大きくなり、ロータ101が逆方向に回転されると、ロータ101の回転角が小さくなるものとする。ロータ101の回転角θに対して、一方の磁気センサ121からV1=φ1・sinθの出力信号V1が出力されるとすると、他方の磁気センサ122からは、V2=φ2・sin(θ+90°)=φ2・cosθの出力信号V2が出力される。φ1,φ2は、それぞれ振幅を表している。
これらの振幅φ1,φ2が互いに等しい値φとみなすか、あるいは両振幅が所定の規定値φとなるように両信号V1,V2を正規化したとすると、一方の出力信号V1はV1=φ・sinθと表され、他方の出力信号V2はV2=φ・cosθと表される。図15に、両磁気センサ121,122の出力信号波形の一例を示す。各磁気センサ121,122の出力信号V1,V2は、実際には、0[V]〜2φ[V]の間の値をとるが、ここでは、説明の便宜上、各出力信号V1,V2は−φ[V]〜+φ[V]の間の値をとるものとする。
ロータ101の回転角(ロータ角)θは、両出力信号V1,V2を用いて、次式(1)に基づいて求めることができる。
θ=tan−1(sinθ/cosθ)
=tan−1(V1/V2) …(1)
このようにして、求められたロータ角θを使って、ブラシレスモータを制御する。
特表平9-508214号公報
前述したような従来の回転角検出装置においては、2つの磁気センサ121,122のうちのいずれか一方のセンサが故障すると、正確なロータ角θを演算できなくなる。そこで、この回転角検出装置がブラシレスモータのロータの回転角を検出するために用いられている場合には、センサが故障したことを検出したときに、ブラシレスモータの駆動を停止させる必要がある。
センサの故障検出方法としては、次のような方法が考えられる。センサが故障した場合には、故障したセンサの出力信号は、+φまたは−φに固定されることが多い。そこで、両磁気センサ121,122の出力信号V1,V2の二乗和(V1+V2=(φ・sinθ)+(φ・cosθ))を、振幅の二乗値φと比較することにより、センサが故障しているか否かを判別する。具体的には、振幅の二乗値φより所定値だけ大きい故障判定用しきい値LAが予め設定される。そして、両磁気センサ121,122の出力信号V1,V2の二乗和(V1+V2)が故障判定用しきい値LAを超えたときに、いずれか一方のセンサに故障が発生したと判定する。
図16は、各磁気センサ121,122の出力信号V1,V2と、それらの二乗和(V1+V2=(φ・sinθ)+(φ・cosθ))を示している。図16の例では、時点t1で一方の磁気センサ121に故障が発生したため、時点t1以降においては、その出力信号V1が+φに固定されている。時点t1で一方の磁気センサ121に故障が発生すると、その後において、故障していない他方の磁気センサ122の出力信号V2の絶対値が所定値以上になったときに、両センサ121,122の出力信号V1,V2の二乗和(V1+V2)が故障判定用しきい値LAを超える。前記二乗和(V1+V2)が故障判定用しきい値LAを超えた時点t2で、故障の発生が検出される。
このような故障検出方法では、一方のセンサに故障が発生したとしても、他方のセンサの出力信号の絶対値が所定値以上になるまでは、センサ故障を検出することができない。このため、センサが故障してからセンサ故障が検出されるまで時間がかかるという問題がある。特に、図16に示すように、一方の磁気センサ21に故障が発生した時点t1においては、前記二乗和(V1+V2)が故障判定用しきい値LA以下であり、かつ他方の磁気センサ22の出力信号V2の絶対値が時点t1から減少していくような場合には、センサが故障してからセンサ故障が検出されるまでの時間が長くなる。このため、回転角検出装置がブラシレスモータのロータの回転角を検出するために用いられている場合には、センサが故障してからセンサ故障が検出されるまでの間において、不正確なロータ角に基づいてモータが制御されるおそれがある。
この発明の目的は、1つのセンサが故障した場合にも、回転体の回転角を検出することができる回転角検出装置を提供することである。
請求項1記載の発明では、第1の正弦波信号と第2の正弦波信号とに基づいて第1の評価値が演算される。また、第1の正弦波信号と第3の正弦波信号とに基づいて第2の評価値が演算される。また、第2の正弦波信号と第3の正弦波信号とに基づいて第3の評価値が演算される。そして、第1〜第3の評価値と基準値との比較結果に応じて、第1〜第3の正弦波信号のうちの2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。具体的には、第1〜第3の評価値のうち、基準値に最も近い評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて、回転体の回転角が演算される。これにより、3つのセンサのうち、より正確な2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角が演算されるようになる。
請求項2に記載の発明では、第1〜第3の評価値に、基準値に近いものから順に順位が付けられる。そして、基準値に最も近い順位1の評価値と基準値から最も遠い順位3の評価値との差の絶対値が第1の所定値未満であるときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。
順位1の評価値と順位3の評価値との差が第1の所定値以上である場合には、順位1の評価値と順位2の評価値との差の絶対値が第2の所定値以上であるという第1条件を満たしているか否かが、第1判別手段によって判別される。
第1判別手段によって第1条件を満たしていると判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用されていない1つのセンサが故障していると判定できる。そこで、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。これにより、センサが故障したことを検出できるとともに、故障したセンサ以外の2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角を演算することができる。また、故障したセンサを特定することができる。
第1判別手段によって第1条件を満たしていないと判別されたときには、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の差が第3の所定値以上であるという第2条件を満たしているか否かが、第2判別手段によって判別される。
第2判別手段によって第2条件を満たしていると判別されたときには、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値のうちの大きい方に対応するセンサが故障していると判定できる。そこで、当該故障していると考えられるセンサ以外の2つのセンサの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角が演算される。これにより、センサが故障したことを検出できるとともに、故障したセンサ以外の2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角を演算することができる。また、故障したセンサを特定することができる。
第2判別手段によって第2条件を満たしていないと判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転角が演算され、得られた回転角がその演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正されることにより、回転体の最終的な回転角が演算される。この場合には、センサが故障したことを検出することができるが、故障したセンサを特定することはできない。そこで、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて演算された回転角を、その演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正している。これにより、たとえば、当該回転角演算装置がブラシレスモータのロータの回転角を検出するために用いられている場合には、ブラシレスモータを正常な方向に駆動させることが可能となる。
請求項に記載の発明では、第1〜第3の評価値に、基準値に近いものから順に順位が付けられる。そして、基準値に最も近い順位1の評価値と基準値から最も遠い順位3の評価値との差の絶対値が第1の所定値未満であるときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。
順位1の評価値と順位3の評価値との差が第1の所定値以上である場合には、順位1の評価値と順位2の評価値との差の絶対値が第2の所定値以上であるという第1条件を満たしているか否かが、第3判別手段によって判別される。
第3判別手段によって第1条件を満たしていると判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用されていない1つのセンサが故障していると判定できる。そこで、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。これにより、センサが故障したことを検出できるとともに、故障したセンサ以外の2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角を演算することができる。また、故障したセンサを特定することができる。
第3判別手段によって第1条件を満たしていないと判別されたときには、第1の比および第2の比の両方が第3の所定値以上であるという第3条件を満たしているか、前記第1の比が前記第3の所定値未満でかつ前記第2の比が前記第3の所定値以上であるという第4条件を満たしているか、または前記第3条件および前記第4条件の両方を満たしていないかが、第4判別手段によって判別される。第1の比は、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和に対する、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和の比である。第2の比は、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和に対する、順位2の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和の比である。
第4判別手段によって第3条件を満たしていると判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用されていないセンサが故障していると判定できる。そこで、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転体の回転角が演算される。これにより、センサが故障したことを検出できるとともに、故障したセンサ以外の2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角を演算することができる。また、故障したセンサを特定することができる。
第4判別手段によって第4条件を満たしていると判別されたときには、順位2の評価値の演算に使用されていないセンサが故障していると判定できる。そこで、順位2の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて記回転体の回転角が演算される。これにより、センサが故障したことを検出できるとともに、故障したセンサ以外の2つのセンサの出力信号に基づいて、回転体の回転角を演算することができる。また、故障したセンサを特定することができる。
第4判別手段によって前記第3条件および前記第4条件の両方を満たしていないと判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転角が演算され、得られた回転角がその演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正されることにより、回転体の最終的な回転角が演算される。この場合には、センサが故障したことを検出することができるが、故障したセンサを特定することはできない。そこで、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて演算された回転角を、その演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正している。これにより、たとえば、当該回転角演算装置がブラシレスモータのロータの回転角を検出するものに用いられている場合には、ブラシレスモータを正常な方向に駆動させることが可能となる。
請求項に記載の発明では、第1の正弦波信号V1(V1=φ・sinθ)と第2の正弦波信号V2(V2=φ・sin(θ+α))とに基づいて、{(φ・sinθ)+(φ・cosθ)}に相当する第1の評価値Q1が演算される。また、第1の正弦波信号V1(V1=φ・sinθ)と第3の正弦波信号V3(V3=φ・sin(θ+β))とに基づいて、{(φ・sinθ)+(φ・cosθ)}に相当する第2の評価値Q2が演算される。また、第2の正弦波信号V2(V2=φ・sin(θ+α))と第3の正弦波信号V3(V3=φ・sin(θ+β))とに基づいて、{(φ・sinθ)+(φ・cosθ)}に相当する第3の評価値Q3が演算される。
第1の実施形態に係る回転角検出装置を、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。 ブラシレスモータの構成を示す模式図である。 検出用ロータとその周囲に配された磁気センサを示す模式図である。 回転角演算装置の動作を示すフローチャートである。 回転角演算装置の第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。 順位1〜順位3の各評価値の演算に用いられたセンサの組み合わせを、A,B,Cで表した模式図である。 第1〜第3の磁気センサが正常である場合の、それらの出力信号波形を示す模式図である。 第1の磁気センサが故障した場合の、第1〜第3の磁気センサの出力信号波形などを示すグラフである。 第2の磁気センサが故障した場合の、第1〜第3の磁気センサの出力信号波形などを示すグラフである。 第3の磁気センサが故障した場合の、第1〜第3の磁気センサの出力信号波形などを示すグラフである。 第1の磁気センサが故障しており、かつブラシレスモータのロータの回転角が特定不能領域に属している場合の、ブラシレスモータの状態を示す模式図である。 第3の磁気センサが故障しており、かつブラシレスモータのロータの回転角が特定不能領域に属している場合の、ブラシレスモータの状態を示す模式図である。 回転角演算装置の第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。 従来の回転角検出装置による回転角検出方法を説明するための模式図である。 第1の磁気センサおよび第2の磁気センサの出力信号波形を示す模式図である。 第1の磁気センサおよび第2の磁気センサの出力信号波形と、それらの出力信号の二乗和を示す模式図である。
以下では、この発明を、電動パワーステアリングのブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4に基づき、第1の実施形態に係る回転角検出装置を説明する。図1は、ブラシレスモータのロータの回転角を検出するための回転角検出装置に適用した場合の構成を示す模式図である。
この回転角検出装置は、モータ10の回転に応じて回転する検出用ロータ1を有している。モータ10は、この実施形態では、3相のブラシレスモータである。この3相のブラシレスモータは、図2に図解的に示すように、界磁としてのロータ50と、このロータ50に対向するステータ55に配置されたU相、V相およびW相のステータ巻線51,52,53とを備えている。
各相のステータ巻線51,52,53の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(U,V,W座標系)が定義される。また、ロータ50の磁極方向にd軸(磁極軸)をとり、ロータ50の回転平面においてd軸と直角な方向にq軸(トルク軸)をとった回転座標系(dq座標系)が定義される。dq座標系はロータ50とともに回転する座標系である。dq座標系では、q軸電流のみがロータ50のトルク発生に寄与するので、d軸電流を零とし、q軸電流が所望のトルクに応じて制御される。
ロータ50の回転角θは、U軸に対するd軸の回転角である。図2に矢印で示す方向をロータ50の正方向の回転方向とする。そして、ロータ50が正方向に回転されるとロータ50の回転角θが大きくなり、ロータ50が逆方向に回転されると、ロータ50の回転角θが小さくなるものとする。
図3に示すように、検出用ロータ(以下、単に「ロータ1」という)は、ブラシレスモータ10のロータ50に設けられている磁極対に相当する磁極対を有する円筒状の磁石2を含んでいる。この例では、磁石2は、2つの磁極N,S(一組の磁極対)を有している。ロータ1の周囲には、第1の磁気センサ21、第2の磁気センサ22および第3の磁気センサ23が、ロータ1の周方向に間隔をおいて配置されている。磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。
第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22とは、ロータ1の回転中心軸を中心として、角度間隔α(例えば45°)をおいて配置されている。第1の磁気センサ21と第3の磁気センサ23とは、ロータ1の回転中心軸を中心として、角度間隔β(例えば90°)をおいて配置されている。したがって、第2の磁気センサ22と第3の磁気センサ23との間の角度間隔は、(β−α)となる。この例では、(β−α)は、45°となる。
図3に矢印で示す方向(反時計まわり)が、ブラシレスモータ50のロータ50の正方向の回転方向である。ロータ1が正方向に回転されるとロータ1の回転角が大きくなり、ロータ1が逆方向に回転されると、ロータ1の回転角が小さくなる。ロータ1の回転角(ロータ角)θに対して、第1の磁気センサ21からV1=φ1・sinθの出力信号V1が出力されるとすると、第2の磁気センサ22からV2=φ2・sin(θ+α)の出力信号V2が出力され、第3の磁気センサ23からV3=φ3・sin(θ+β)の出力信号V3が出力される。φ1,φ2,φ3は、それぞれ振幅を表している。
これらの振幅φ1,φ2,φ3が全て等しい値φであるとみなすか、あるいは各振幅が所定の規定値φとなるように各信号V1,V2,V3を正規化したとする。さらに、各信号V1,V2,V3の周波数を揃えたとする。そうすると、各信号V1,V2,V3は、それぞれ、V1=φ・sinθ,V2=φ・sin(θ+α),V3=φ・sin(θ+β)と表される。そこで、以下の説明においては、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3を、それぞれV1=φ・sinθ,V2=φ・sin(θ+α),V3=φ・sin(θ+β)と表すことにする。
図7に、出力信号V1,V2,V3の出力信号波形の一例を示す。各出力信号V1,V2,V3は、正弦波信号である。各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3は、実際には、0[V]〜2φ[V]の間の値をとるが、この実施形態(後述する第2,第3の実施形態も含む)では、説明の便宜上、各出力信号V1,V2,V3は、−φ[V]〜+φ[V]の間の値をとるものとする。図7の例では、φ=1である。以下において、これらの出力信号V1,V2,V3を、それぞれ第1の出力信号V1、第2の出力信号V2および第3の出力信号V3という場合がある。
図1に戻り、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3は、回転角演算装置20に入力される。回転角演算装置20は、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3に基づいて、ロータ角θを演算する。回転角演算装置20は、たとえば、マイクロコンピュータから構成され、CPU(中央演算処理装置)およびメモリ(ROM,RAM,書き換え可能な不揮発性メモリ等)を含んでいる。
回転角演算装置20によって演算されたロータ角θは、モータコントローラ30に与えられる。モータコントローラ30は、回転角演算装置20から与えられたロータ角θと、所与の目標値(トルク(q軸電流)の目標値)と、図示しない電流検出器によって検出される各相の電流とに基づいて、ブラシレスモータ10を制御する。
以下、回転角演算装置20の動作について説明する。第1の磁気センサ21の出力信号V1と第2の磁気センサ22の出力信号V2とに基づいて、ロータ角θに相当する第1のロータ角θ1を演算することができる。また、第1の磁気センサ21の出力信号V1と第3の磁気センサ23の出力信号V3とに基づいて、ロータ角θに相当する第2のロータ角θ2を演算することができる。さらに、第2の磁気センサ22の出力信号V2と第3の磁気センサ23の出力信号V3とに基づいて、ロータ角θに相当する第3のロータ角θ3を演算することができる。
第1のロータ角θ1の求め方について説明する。まず、第1の出力信号V1(=φ・sinθ)および第2の出力信号V2(=φ・sin(θ+α))から、φ・cosθ(=φ・sin(θ+90°))に相当する信号V12が、次式(2)に基づいて生成される。
Figure 0005454918
この式(2)は、sin(θ+α)を三角関数の加法定理により展開した式に基づいて、導出することができる。式(2)内のsinα,cosαは予めメモリに格納されている。この実施形態ではαは、45°であるので、sinα=cosα=1/√2となる。したがって、この実施形態では、信号V12は、次式(3)で表される。
12=√2×V2−V1 …(3)
このようにして生成された信号V12(=φ・cosθ)と第1の出力信号V1(=φ・sinθ)とから、第1のロータ角θ1が、次式(4)に基づいて演算される。
θ1=tan−1(V1/V12)…(4)
第2のロータ角θ2の求め方について説明する。まず、第1の出力信号V1(=φ・sinθ)および第3の出力信号V3(=φ・sin(θ+β))から、φ・cosθ(=φ・sin(θ+90°))に相当する信号V13が、次式(5)に基づいて生成される。
Figure 0005454918
この式(5)は、sin(θ+β)を三角関数の加法定理により展開した式に基づいて、導出することができる。式(5)内のsinβ,cosβは予めメモリに格納されている。この実施形態ではβは、90°であるので、sinβ=1,cosβ=0となる。したがって、この実施形態では、信号V13は、次式(6)で表される。
13=V3…(6)
このようにして生成された信号V13(=φ・cosθ)と第1の出力信号V1(=φ・sinθ)とから、第2のロータ角θ2が、次式(7)に基づいて演算される。
θ2=tan−1(V1/V13)…(7)
第3のロータ角θ3の求め方について説明する。まず、第2の出力信号V2(=φ・sin(θ+α))を三角関数の加法定理により展開することによって、次式(8)が得られる。
V2=φ・sinθ・cosα+φ・cosθ・sinα …(8)
同様に、V3=φ・sin(θ+β)を三角関数の加法定理により展開することによって、次式(9)が得られる。
V2=φ・sinθ・cosβ+φ・cosθ・sinβ …(9)
これらの式(8),(9)をsinθ,cosθを未知数とする連立方程式とみなして、その連立方程式を解くことにより、φ・sinθに相当する演算値V23Sと、φ・cosθに相当する演算値V23Cとが求められる。演算値V23S,V23Cは、それぞれ次式(10),(11)で表される。
Figure 0005454918
この実施形態では、αは45°であるので、sinα=cosα=1/√2となる。また、βは90°であるので、sinβ=1,cosβ=0となる。したがって、演算値V23S,V23Cは、それぞれ次式(12),(13)で表される。
23S =φ・sinθ
=√2×V2−V3 …(12)
23C=φ・cosθ
=V3 …(13)
このようにして得られたφ・sinθと、φ・cosθとから、第3のロータ角θ3が、次式(14)に基づいて演算される。
θ3=tan−1(φ・sinθ/φ・cosθ)…(14)
図4は、回転角演算装置20の動作を示すフローチャートである。図4に示される処理は、所定の演算周期毎に実行される。
まず、回転角演算装置20は、第1〜第3の磁気センサ21〜23の出力信号V1〜V3に基づいて、第1,第2,第3のロータ角θ1,θ2,θ3をそれぞれ評価するための評価値Q1,Q2,Q3を演算する(ステップS1)。ただし、この時点では、第1,第2,第3のロータ角θ1,θ2,θ3は演算されない。
具体的には、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1と第2の出力信号V2とに基づいて、第1のロータ角θ1を評価するための第1の評価値Q1を演算する。すなわち、回転角演算装置20は、次式(15)に基づいて、第1の評価値Q1を演算する。
Q1=(φ・sinθ)+(φ・cosθ)
=V1+V12
=V1+(√2×V2−V1) …(15)
また、回転角演算装置20は、第1の出力信号V1と第3の出力信号V3とに基づいて、第2のロータ角θ2を評価するための第2の評価値Q2を演算する。すなわち、回転角演算装置20は、次式(16)に基づいて、第2の評価値Q2を演算する。
Q2=(φ・sinθ)+(φ・cosθ)
=V1+V13
=V1+V3 …(16)
また、回転角演算装置20は、第2の出力信号V2と第3の出力信号V3とに基づいて、第3のロータ角θ3を評価するための第3の評価値Q3を演算する。すなわち、回転角演算装置20は、次式(17)に基づいて、第3の評価値Q3を演算する。
Q3=(φ・sinθ)+(φ・cosθ)
=V23S +V23C
=(√2×V2−V3) +V3 …(17)
これら3つの評価値Q1,Q2,Q3が求められると、回転角演算装置20は、3つの評価値Q1,Q2,Q3のうち、振幅φの二乗値φ(基準値)に最も近い評価値を特定する(ステップS2)。そして、基準値φに最も近い評価値の演算に使用された2つの出力信号に基づいて、ロータ角θを演算する(ステップS3)。
たとえば、基準値φに最も近い評価値がQ1である場合には、回転角演算装置20は、前記式(4)に基づいて第1のロータ角θ1を演算し、この演算結果をロータ角θとする。基準値φに最も近い評価値がQ2である場合には、回転角演算装置20は、前記式(7)に基づいて第2のロータ角θ2を演算し、この演算結果をロータ角θとする。基準値φに最も近い評価値がQ3である場合には、回転角演算装置20は、前記式(14)に基づいて第3のロータ角θ3を演算し、この演算結果をロータ角θとする。
図4の動作では、基準値φに最も近い評価値の演算に用いられた2つの出力信号に基づいて、ロータ角θが演算される。これにより、3つの磁気センサ21,22,23のうち、より正確な2つの磁気センサに基づいてロータ角θが演算される。したがって、1つの磁気センサが故障した場合には、故障が発生していないと推定される2つの磁気センサに基づいてロータ角θが演算される。
図5〜図12に基づき第2の実施形態を説明する。図5は、回転角演算装置20の動作を示すフローチャートである。図5に示される処理は、所定の演算周期毎に実行される。
まず、回転角演算装置20は、第1〜第3の磁気センサ21〜23の出力信号V1〜V3に基づいて、第1,第2,第3のロータ角θ1,θ2,θ3をそれぞれ評価するための評価値Q1,Q2,Q3を演算する(ステップS11)。この処理は、前述した図4のステップS1の処理と同じである。この時点では、第1,第2,第3のロータ角θ1,θ2,θ3は演算されない。
これら3つの評価値Q1,Q2,Q3が求められると、回転角演算装置20は、3つの評価値Q1,Q2,Q3に、振幅φの二乗値φ(基準値)に近いものから順に順位をつける(ステップS12)。Q1,Q2,Q3のうち、順位1に対応するもの(φに最も近いもの)をX1で表し、順位2に対応するもの(φに次に近いもの)をX2で表し、順位3に対応するもの(φに最も遠いもの)をX3で表すことにする。また、図6に示すように、順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサをA,Bで表し、順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサをB,Cで表し、順位3の評価値X3の演算に使用された2つの磁気センサをC,Aで表すことにする。
次に、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1と順位3の評価値X3との差の絶対値|X1−X3|が所定のしきい値K1未満であるか否かを判別する(ステップS13)。しきい値K1は、たとえば、振幅φの二乗値φの5%程度に設定される。前記絶対値|X1−X3|がしきい値K1未満であれば、各評価値Q1,Q2,Q3の間に大きな差がないので、全ての磁気センサ21,22,23が正常であると判断することができる。一方、前記絶対値|X1−X3|がしきい値K1以上であれば、順位3の評価値X3の演算に使用された2つの磁気センサA,C(図6参照)のうちのいずれか一方が故障していると判断することができる。
そこで、前記絶対値|X1−X3|がしきい値K1未満であるときには(ステップS13:YES)、回転角演算装置20は、全ての磁気センサ21,22,23が正常であると判別するとともに、順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,B(図6参照)の出力信号に基づいて、ロータ角θを演算する(ステップS14)。演算されたロータ角θは、モータコントローラ30に与えられる。そして、今回の処理を終了する。
たとえば、順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bが第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22である場合には、回転角演算装置20は、前記式(4)に基づいて第1のロータ角θ1を演算し、この演算結果をロータ角θとする。順位1の評価値X1の演算に使用された磁気センサA,Bが第1の磁気センサ21と第3の磁気センサ23である場合には、回転角演算装置20は、前記式(7)に基づいて第2のロータ角θ2を演算し、この演算結果をロータ角θとする。順位1の評価値X1の演算に使用された磁気センサA,Bが第2の磁気センサ22と第3の磁気センサ23である場合には、回転角演算装置20は、前記式(14)に基づいて第3のロータ角θ3を演算し、この演算結果をロータ角θとする。
前記ステップS13において、前記絶対値|X1−X3|がしきい値K1以上であると判別されたときには(ステップS13:NO)、回転角演算装置20は、「故障センサ判定用の第1条件」を満たしているか否かを判別する(ステップS15)。「故障センサ判定用の第1条件」は、順位1の評価値X1と順位2の評価値X2との差の絶対値|X1−X2|がしきい値K1以上であるいう条件である。この判別は、順位3の評価値X3の演算に使用された2つの磁気センサA,C(図6参照)のうちのいずれが故障しているかを判定するために行われる。
「故障センサ判定用の第1条件」を満たしている場合(|X1−X2|≧K1)には(ステップS15:YES)、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1の演算に使用されていない1つの磁気センサC(図6参照)を、故障が発生したセンサとして特定する。また、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力信号(故障と特定したセンサ以外の2つのセンサの出力信号)に基づいて、ロータ角θを演算する(ステップS16)。この理由は、「故障センサ判定用の第1条件」を満たしている場合には、評価値X2および評価値X3の両方が共に基準値φから離れた値となっているため、これらの評価値X2,X3の演算に共通して使用されている磁気センサCが故障していると考えられるからである。
ステップS16で演算されたロータ角θは、モータコントローラ30に与えられる。そして、今回の処理を終了する。なお、回転角演算装置20は、これ以後、故障していると判定された磁気センサCをロータ角θの演算に使用しないようにする。
前記ステップS15おいて、「故障センサ判定用の第1条件」を満たしていないと判別された場合(|X1−X2|<K1)には(ステップS15:NO)には、回転角演算装置20は、「故障センサ判定用の第2条件」を満たしているか否かを判別する(ステップS17)。
「故障センサ判定用の第2条件」は、図6を参照して、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との差の絶対値が、所定のしきい値K2以上であるという条件である。しきい値K2は、振幅φの5%程度の値に設定される。つまり、センサA,B,Cの出力値をそれぞれVA,VB,VCで表すと、「故障センサ判定用の第2条件」は、次式(18)で表される。
|(|VA|+|VB|)−(|VB|+|VC|)|≧K2 …(18)
前記式(18)の左辺は、|(|VA|−|VC|)|と変形できるので、「故障センサ判定用の第2条件」を満たしているか否かを判別することは、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサA,Cの出力値VA,VCの絶対値の差がしきい値K2以上であるか否かを判別することになる。つまり、「故障センサ判定用の第2条件」を満たしている場合には、センサAの出力の絶対値|VA|とセンサCの出力の絶対値|VC|との差がしきい値K2以上であることを意味する。センサが故障した場合にはそのセンサ出力は振幅値φまたは−φに固定されると考えられるので、センサAおよびセンサCのうち、その出力の絶対値が大きい方のセンサが故障していると判断することができる。
そこで、「故障センサ判定用の第2条件」を満たしていると判別された場合には(ステップS17:YES)、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1と順位2の評価値X2のうち、その演算に使用された2つの磁気センサの出力値の絶対値の和((|VA|+|VB|)または(|VB|+|VC|))の小さい方を、正常評価値XOKとする。そして、回転角演算装置20は、正常評価値XOKの演算に使用されていない1つのセンサを、故障が発生したセンサとして特定する。また、回転角演算装置20は、正常評価値XOKの演算に使用された2つの磁気センサの出力信号(故障と特定したセンサ以外の2つのセンサの出力信号)に基づいて、ロータ角θを演算する(ステップS18)。
たとえば、順位1の評価値X1が正常評価値XOKであると判定された場合には、図6を参照して、評価値X1の演算に使用されていない1つのセンサCが故障センサとして特定される。また、評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力信号に基づいて、ロータ角θが演算される。一方、順位2の評価値X2が正常評価値XOKであると判定された場合には、図6を参照して、正常評価値X2の演算に使用されていない1つのセンサAが故障センサとして特定される。また、正常評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力信号に基づいて、ロータ角θが演算される。
ステップS18で演算されたロータ角θは、モータコントローラ30に与えられる。そして、今回の処理を終了する。なお、回転角演算装置20は、これ以後、故障していると判定された磁気センサをロータ角θの演算に使用しないようにする。
ステップS17において、「故障センサ判定用の第2条件」を満たしていないと判別された場合には(ステップS17:NO)、回転角演算装置20は、故障が発生したセンサを特定できないと判断し、次のようにして、ロータ角を求める。まず、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサの出力信号に基づいて、ロータ角θを演算する(ステップS19)。次に、回転角演算装置20は、ロータ角θを補正するための補正角δを決定する(ステップS20)。具体的には、回転角演算装置20は、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサA,C(図6参照)のなす角の1/2を、補正角δの絶対値として決定する。また、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1の演算に使用された2つのセンサの組み合わせに基づいて、補正角δの符号(正負)を決定する。
詳細は後述するが、前記ステップS15の「故障センサ判定用の第1条件」および前記ステップS17の「故障センサ判定用の第2条件」のいずれをも満たさない場合(ステップS15:NOかつステップS17:NO)には、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサA,Cのうち、一方は第1の磁気センサ21となり、他方は第3の磁気センサ23となる。したがって、図3に示すように、第1の磁気センサ21と第3の磁気センサ23とのなす角はβとなるので、補正角δの絶対値はβ/2となる。この実施形態では、β=90°であるので、補正角δの絶対値は、45°となる。
順位1の評価値X1の演算に使用された2つのセンサの組み合わせが、第2の磁気センサ22と第3の磁気センサ23との組み合わせである場合には、補正角δの符号は正に決定される。したがって、この場合には、補正角δは+45°となる。一方、順位1の評価値X1の演算に使用された2つのセンサの組み合わせが、第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22との組み合わせである場合には、補正角δの符号は負に決定される。したがって、この場合には、補正角δは−45°となる。
なお、順位2の評価値X2の演算に使用された2つのセンサの組み合わせに基づいて、補正角δの符号を決定してもよい。つまり、順位2の評価値X2の演算に使用された2つのセンサの組み合わせが、第2の磁気センサ22と第3の磁気センサ23との組み合わせである場合には補正角δの符号は負に決定され、第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22との組み合わせである場合には、補正角δの符号は正に決定される。
このように、この実施形態では、補正角δは+45°または−45°となる。そこで、この実施形態では、回転角演算装置20は、順位1の評価値X1の演算に使用された2つのセンサの組み合わせが、第2の磁気センサ22と第3の磁気センサ23との組み合わせである場合には、補正角δを+45°に決定する。一方、順位1の評価値X1の演算に使用された2つのセンサの組み合わせが、第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22との組み合わせである場合には、補正角δを−45°に決定する。
前記ステップS20によって、補正角δが決定されると、回転角演算装置20は、前記ステップS19によって演算されたロータ角θに補正角δを加算することにより、最終的なロータ角θ’を演算する(ステップS21)。このように、前記ステップS19によって演算されたロータ角θに補正角δを加算することによって最終的なロータ角θ’を演算している理由については、後述する。ステップS21で演算された最終的なロータ角θ’は、モータコントローラ30に与えられる。そして、今回の処理を終了する。
前記ステップS15の「故障センサ判定用の第1条件」および前記ステップS17の「故障センサ判定用の第2条件」のいずれをも満たさない場合には、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサA,Cのうち、一方は第1の磁気センサ21となり、他方は第3の磁気センサ23となることについて説明する。
図7は、各磁気センサ21,22,23が故障していない場合の、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3の波形を示す波形図である。図7の縦軸が電圧を示し、横軸がロータ角(電気角:0°〜360°)を示している。
図8は、第1の磁気センサ21が故障した場合の各磁気センサ21,22,23の出力信号波形等を示すグラフである。ただし、図8においては、振幅φを1としている。したがって、各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3は、V1=sinθ,V2=sin(θ+α),V3=sin(θ+β)で表される。図8の各グラフは、シミュレーションによって得られた各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3に基づいて作成されている。
図8(a)は、ロータ角θに対する各磁気センサ21,22,23の出力信号を示している。この例では、故障した第1の磁気センサ21の出力信号V1は、−1(=−φ)に固定されている。
図8(b)は、ロータ角θに対する各評価値Q1,Q2,Q3を示している。第2の磁気センサ22および第3の磁気センサ23は正常であるため、これらの出力信号V2,V3に基づいて演算される評価値Q3は、図8(b)に示すように1(=φ)となる。
図5のステップS15の「故障センサ判定用の第1条件」は、順位1の評価値X1と順位2の評価値X2との差の絶対値|X1−X2|がしきい値K1以上であるという条件である。しきい値K1が振幅の二乗値φの5%に設定されているとすると、φ=1であるため、K1=0.05となる。したがって、図8(b)においては、順位1の評価値が1であり、順位2の評価値X2が1.05以上となる電気角領域においては、「故障センサ判定用の第1条件」を満たすことになる。
評価値Q3は常に1であるので、他の評価値Q1,Q2の少なくとも一方が1.05未満になる領域が、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域であると考えることができる。そうすると、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域は、図8(b)にハッチングで示す領域W1,W2,W3となる。領域W1は、電気角90°付近の領域であり、評価値Q2が1.05未満となる領域である。領域W2は、電気角180°付近の領域であり、評価値Q3が1.05未満となる領域である。領域W3は、電気角270°付近の領域であり、評価値Q2および評価値Q3の少なくとも一方が1.05未満となる領域である。
「故障センサ判定用の第1条件」を満たした場合には、故障センサが特定される(図5のステップS16参照)。一方、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない場合には、ステップS17に移行し、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすか否かが判別される。「故障センサ判定用の第2条件」は、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との差の絶対値が、所定のしきい値K2以上であるという条件である。
図8(c)に示されている曲線R2は、「評価値Q3の演算に使用された2つの磁気センサ22,23の出力値V2,V3の絶対値の和」と、「評価値Q1の演算に使用された2つの磁気センサ21,22の出力値V1,V2の絶対値の和」との差{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}を表している。この差{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}の絶対値を、|R2|で表すことにする。
また、図8(c)に示されている曲線R3は、「評価値Q2の演算に使用された2つの磁気センサ21,23の出力値V1,V3の絶対値の和」と、「評価値Q3の演算に使用された2つの磁気センサ22,23の出力値V2,V3の絶対値の和」との差{(|V1|+|V3|)−(|V2|+|V3|)}を表している。この差{(|V1|+|V3|)−(|V2|+|V3|)}の絶対値を、|R3|で表すことにする。
しきい値K2が振幅φの5%に設定されているとすると、φ=1であるので、K2=0.05となる。図8の例では、評価値Q3は常に1であるため、順位1の評価値X1と第2の評価値X2の組み合わせは、Q1とQ3の組み合わせか、あるいはQ2とQ3の組み合わせになると考えることができる。したがって、絶対値|R2|および絶対値|R3|のいずれもが0.05以上である電気角領域は、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。
図8(b)で説明した電気角領域W1,W3においては、図8(c)のグラフから、絶対値|R2|および絶対値|R3|のいずれもが0.05以上となるため、これらの領域W1,W3においては、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。このため、これらの電気角領域W1,W3においては、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との大小関係に基づいて、故障センサが特定される(図5のステップS18参照)。
一方、電気角180°付近の領域W2を含み、図8(c)にハッチングで示す電気角領域W11においては、絶対値|R2|が0.05未満となっている。この電気角領域W11においては、図8(b)から明らかなように、順位1の評価値X1と第2の評価値X2の組み合わせは、Q1とQ3の組み合わせとなる。したがって、{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}の絶対値である|R2|が0.05未満であれば、「故障センサ判定用の第2条件」を満たさなくなる。つまり、電気角領域W11では、「故障センサ判定用の第2条件」を満たさなくなる。
この結果、「故障センサ判定用の第1条件」および「故障センサ判定用の第2条件」のいずれもを満たさない電気角領域は、領域W11内に存在する領域W2となる。したがって、第1の磁気センサ21が故障した場合において、実際のロータ角が領域W2に属しているときには、故障しているセンサを特定できなくなる。そこで、この領域W2を「特定不能領域W2」という場合がある。この特定不能領域W2においては、順位3の評価値X3は、図8(b)から明らかなように、評価値Q2となる。したがって、実際のロータ角が特定不能領域W2に属しているときには、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサは、第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23となる。
図8(d)は、実際のロータ角(実角度)と演算によって求められるロータ角との差(角度誤差)を表している。この場合、正常な2つの磁気センサ22,23の出力信号V2,V3から演算される第3のロータ角θ3が、実角度θactを示す。曲線S1は、実角度θactと第1のロータ角θ1(V1,V2から演算されるロータ角)との差(θact−θ1)を示している。曲線S2は、実角度θactと第2のロータ角θ2(V1,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ2)を示している。曲線S3は、実角度θactと第3のロータ角θ3(V2,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ3)を示している。図8(d)から分るように、特定不能領域W2における角度誤差の最大値は、領域W2における電気角が小さい方の境界に曲線S1が交差する箇所の角度誤差(θact−θ1)となるから、−110°程度となる。この場合、第1のロータ角θ1は、実角度θactより約110°大きい角度になる。
図9は、第2の磁気センサ22が故障した場合の各磁気センサ21,22,23の出力信号波形等を示すグラフである。ただし、図9においては、図8と同様に、振幅φを1としている。図9の各グラフは、シミュレーションによって得られた各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3に基づいて作成されている。
図9(a)は、ロータ角θに対する各磁気センサ21,22,23の出力信号を示している。この例では、故障した第2の磁気センサ22の出力信号V2は、−1(=−φ)に固定されている。
図9(b)は、ロータ角θに対する各評価値Q1,Q2,Q3を示している。第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23は正常であるため、これらの出力信号V1,V3に基づいて演算される評価値Q2は、図9(b)に示すように1(=φ)となる。
図5のステップS15の「故障センサ判定用の第1条件」は、順位1の評価値X1と順位2の評価値X2との差の絶対値|X1−X2|がしきい値K1以上であるという条件である。前述したようにK1=0.05とすると、図9(b)においては、順位1の評価値が1であり、順位2の評価値X2が1.05以上となる電気角領域においては、「故障センサ判定用の第1条件」を満たすことになる。
評価値Q2は常に1であるので、他の評価値Q1,Q3の少なくとも一方が1.05未満になる領域が、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域であると考えることができる。そうすると、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域は、図9(b)にハッチングで示す領域W4,W5,W6となる。領域W4は、電気角135°付近の領域であり、評価値Q3が1.05未満となる領域である。領域W5は、電気角225°付近の領域であり、評価値Q1および評価値Q3の少なくとも一方が1.05未満となる領域である。領域W6は、電気角315°付近の領域であり、評価値Q1が1.05未満となる領域である。
「故障センサ判定用の第1条件」を満たした場合には、故障センサが特定される(図5のステップS16参照)。一方、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない場合には、ステップS17に移行し、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすか否かが判別される。「故障センサ判定用の第2条件」は、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との差の絶対値が、所定のしきい値K2以上であるという条件である。
図9(c)に示されている曲線R1は、評価値Q1の演算に使用された2つの磁気センサ21,22の出力値V1,V2の絶対値の和」と、「評価値Q2の演算に使用された2つの磁気センサ21,23の出力値V1,V3の絶対値の和」との差{(|V1|+|V2|)−(|V1|+|V3|)}を表している。この差{(|V1|+|V2|)−(|V1|+|V3|)}の絶対値を、|R1|で表すことにする。
また、図9(c)に示されている曲線R3は、「評価値Q2の演算に使用された2つの磁気センサ21,23の出力値V1,V3の絶対値の和」と、「評価値Q3の演算に使用された2つの磁気センサ22,23の出力値V2,V3の絶対値の和」との差{(|V1|+|V3|)−(|V2|+|V3|)}を表している。この差{(|V1|+|V3|)−(|V2|+|V3|)}の絶対値を、|R3|で表すことにする。
前述したように、K2=0.05とする。図9の例では、評価値Q2は常に1であるため、順位1の評価値X1と第2の評価値X2の組み合わせは、Q1とQ2の組み合わせか、あるいはQ2とQ3の組み合わせになると考えることができる。したがって、絶対値|R1|および絶対値|R3|のいずれもが0.05以上である電気角領域は、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。
図9(b)で説明した電気角領域W4,W5,W6においては、図9(c)のグラフから、絶対値|R1|および絶対値|R3|のいずれもが0.05以上となるため、これらの領域W4,W5,W6においては、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。このため、これらの電気角領域W4,W5,W6においては、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との大小関係に基づいて、故障センサが特定される(図5のステップS18参照)。
つまり、第2の磁気センサ22が故障した場合には、「故障センサ判定用の第1条件」および「故障センサ判定用の第2条件」のいずれもを満たさない電気角領域(「特定不能領域」)は存在しない。
図9(d)は、実際のロータ角(実角度)と演算によって求められるロータ角との差(角度誤差)を表している。この場合、正常な2つの磁気センサ21,23の出力信号V1,V3から演算される第2のロータ角θ2が、実角度θactを示す。曲線S1は、実角度θactと第1のロータ角θ1(V1,V2から演算されるロータ角)との差(θact−θ1)を示している。曲線S2は、実角度θactと第2のロータ角θ2(V1,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ2)を示している。曲線S3は、実角度θactと第3のロータ角θ3(V2,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ3)を示している。
図10は、第3の磁気センサ23が故障した場合の各磁気センサ21,22,23の出力信号波形等を示すグラフである。ただし、図10においては、図8と同様に、振幅φを1としている。図10の各グラフは、シミュレーションによって得られた各磁気センサ21,22,23の出力信号V1,V2,V3に基づいて作成されている。
図10(a)は、ロータ角θに対する各磁気センサ21,22,23の出力信号波形を示している。この例では、故障した第3の磁気センサ23の出力信号V3は、−1(=φ)に固定されている。
図10(b)は、ロータ角θに対する各評価値Q1,Q2,Q3を示している。第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22は正常であるため、これらの出力信号V1,V2に基づいて演算される評価値Q1は、図10(b)に示すように1(=φ)となる。
図5のステップS15の「故障センサ判定用の第1条件」は、順位1の評価値X1と順位2の評価値X2との差の絶対値|X1−X2|がしきい値K1以上であるという条件である。前述したように、K1=0.05とすると、図10(b)においては、順位1の評価値が1であり、順位2の評価値X2が1.05以上となる電気角領域においては、「故障センサ判定用の第1条件」を満たすことになる。
評価値Q1は常に1であるので、他の評価値Q2,Q3の少なくとも一方が1.05未満になる領域が、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域であると考えることができる。そうすると、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない電気角領域は、図10(b)にハッチングで示す領域W7,W8,W9となる。領域W7は、電気角180°付近の領域であり、評価値Q2および評価値Q3の少なくとも一方が1.05未満となる領域である。領域W8は、電気角180°付近の領域であり、評価値Q3が1.05未満となる領域である。領域W9は、電気角0°(360°)付近の領域であり、評価値Q2が1.05未満となる領域である。
「故障センサ判定用の第1条件」を満たした場合には、故障センサが特定される(図5のステップS16参照)。一方、「故障センサ判定用の第1条件」を満たさない場合には、ステップS17に移行し、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすか否かが判別される。「故障センサ判定用の第2条件」は、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との差の絶対値が、所定のしきい値K2以上であるという条件である。
図10(c)に示されている曲線R1は、「評価値Q1の演算に使用された2つの磁気センサ21,22の出力値V1,V2の絶対値の和」と、「評価値Q2の演算に使用された2つの磁気センサ21,23の出力値V1,V3の絶対値の和」との差{(|V1|+|V2|)−(|V1|+|V3|)}を表している。この差{(|V1|+|V2|)−(|V1|+|V3|)}の絶対値を、|R1|で表すことにする。
また、図10(c)に示されている曲線R2は、「評価値Q3の演算に使用された2つの磁気センサ22,23の出力値V2,V3の絶対値の和」と、「評価値Q1の演算に使用された2つの磁気センサ21,22の出力値V1,V2の絶対値の和」との差{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}を表している。この差{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}の絶対値を、|R2|で表すことにする。
しきい値K2が振幅φの5%に設定されているとすると、φ=1であるので、K2=0.05となる。図10の例では、評価値Q1は常に1であるため、順位1の評価値X1と第2の評価値X2の組み合わせは、Q1とQ2の組み合わせか、あるいはQ1とQ3の組み合わせになると考えることができる。したがって、絶対値|R1|および絶対値|R2|のいずれもが0.05以上である電気角領域は、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。
図10(b)で説明した電気角領域W7,W9においては、図10(c)のグラフから、絶対値|R1|および絶対値|R2|のいずれもが0.05以上となるため、これらの領域W7,W9においては、「故障センサ判定用の第2条件」を満たすことになる。このため、これらの電気角領域W7,W9においては、「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」と、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」との大小関係に基づいて、故障センサが特定される(図5のステップS18参照)。
一方、電気角270°を中心とする領域W8を含み、図10(c)にハッチングで示す領域W12においては、絶対値|R2|が0.05未満となっている。この電気角領域W12においては、図10(b)から明らかなように、順位1の評価値X1と第2の評価値X2の組み合わせは、Q1とQ3の組み合わせとなる。したがって、{(|V2|+|V3|)−(|V1|+|V2|)}の絶対値|R2|が0.05未満であれば、「故障センサ判定用の第2条件」を満たなくなる。つまり、電気角領域W12では、「故障センサ判定用の第2条件」を満たさなくなる。
この結果、「故障センサ判定用の第1条件」および「故障センサ判定用の第2条件」のいずれもを満たさない電気角領域は、領域W12内に存在する領域W8となる。したがって、第3の磁気センサ23が故障した場合において、実際のロータ角が領域W8に属しているときには、故障しているセンサを特定できなくなる。そこで、この領域W8を「特定不能領域W8」という場合がある。この特定不能領域W8においては、順位3の評価値X3は、図10(b)から明らかなように、評価値Q2となる。したがって、実際のロータ角が特定不能領域W8に属しているときには、順位3の評価値X3の演算に使用された2つのセンサは、第1の磁気センサ21および第3の磁気センサ23となる。
図10(d)は、実際のロータ角(実角度)と演算によって求められるロータ角との差(角度誤差)を表している。この場合、正常な2つの磁気センサ21,22の出力信号V1,V2から演算される第1のロータ角θ1が、実角度θactを示す。曲線S1は、実角度θactと第1のロータ角θ1(V1,V2から演算されるロータ角)との差(θact−θ1)を示している。曲線S2は、実角度θactと第2のロータ角θ2(V1,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ2)を示している。曲線S3は、実角度θactと第3のロータ角θ3(V2,V3から演算されるロータ角)との差(θact−θ3)を示している。図10(d)から分るように、特定不能領域W8における角度誤差の最大値は、領域W8における電気角が大きい方の境界に曲線S3が交差する箇所の角度誤差(θact−θ3)となるから、−110°程度となる。この場合、第3のロータ角θ3は、実角度θactより約110°小さい角度になる。
図8、図9および図10を用いて説明したように、「故障センサ判定用の第1条件」および「故障センサ判定用の第2条件」のいずれもを満たさない電気角領域(特定不能領域)は、図8に示される領域W2と、図10に示される領域W8となる。そして、いずれの領域W2,W8においても、順位3の評価値X3は、評価値Q2となる。したがって、「故障センサ判定用の第1条件」および「故障センサ判定用の第2条件」のいずれもを満たさない場合には、順位3の評価値X3の演算に使用されるセンサのうち、一方は第1の磁気センサ21となり、他方は第3の磁気センサ23となる。
次に、図5のステップS19によって演算されたロータ角θに補正角δを加算する理由について説明する。
図11は、第1の磁気センサ21が故障した場合に、実際のロータ角が特定不能領域W2(図8参照)に属しているときの、ブラシレスモータ10のロータ50の状態を図解的に示している。
図8(b)に示すように、特定不能領域W2においては、評価値Q3は常に1であるが、評価値Q1も1またはそれに近い値になる場合がある。このため、特定不能領域W2においては、評価値Q3が順位1の評価値X1として選択されるとは限らず、評価値Q1が順位1の評価値X1として選択される可能性もある。
特定不能領域W2において評価値Q3が順位1の評価値X1として選択されたときには、図5のステップS19においては、正常な2つの磁気センサ22,23の出力信号V2,V3から第3のロータ角θ3が演算される。したがって、ステップS19で演算された第3のロータ角θ3は、図11に示すように、ブラシレスモータ10のロータ50の実際の回転角θと等しくなる。第3のロータ角θ3から推定される制御上のd軸候補およびq軸候補を、それぞれ「第1のd軸候補d1」および「第1のq軸候補q1」と定義する。そうすると、特定不能領域W2においては、「第1のd軸候補d1」および「第1のq軸候補q1」は、それぞれ実際のd軸およびq軸と一致する。
一方、特定不能領域W2において評価値Q1が順位1の評価値X1として選択されたときには、図5のステップS19においては、故障している第1の磁気センサ21の出力信号V1と正常な第2の磁気センサ22の出力信号V2とに基づいて第1のロータ角θ1が演算される。この場合には、図8(d)に示すように、最大−110°程度の角度誤差が発生する。したがって、角度誤差が最大値付近である場合には、図11に示すように、ステップS19で演算された第1のロータ角θ1は、ロータ50の実際の回転角θ(=θ3)より約110°大きな角度となる。
第1のロータ角θ1から推定される制御上のd軸候補およびq軸候補を、それぞれ「第2のd軸候補d2」および「第2のq軸候補q2」と定義する。そうすると、特定不能領域W2においては、「第2のd軸候補d2」および「第2のq軸候補q2」は、それぞれ実際のd軸およびq軸に対して角度誤差分だけ進んだ軸となる。この角度誤差が90°より大きい場合には、モータ10によって発生するトルクの方向が、正しい方向に対して反対方向となり、モータ10が正しい方向と反対方向に回転してしまう。
図11において、正しい方向のトルクを発生させるためには、実際のq軸を中心とする180°の角度範囲η内に、制御上のq軸候補を設定できればよい。角度誤差が最大値の−110°である場合に、前記第2のq軸候補q2を前記角度範囲η内に補正するには、前記第2のq軸候補q2を30°(110°−90°=30°)以上、実際のq軸側(図11では時計方向)に移動させればよい。そこで、この実施形態では、図5のステップS19において、第1のロータ角θ1が演算された場合には、それによって推定される制御上の第2のq軸候補q2が実際のq軸側に45°移動するように、第1のロータ角θ1を補正している。
より具体的には、図5のステップS19において、第1のロータ角θ1が演算された場合には、図5のステップS20において、補正角δが−45°に決定され、ステップS21において、θ1に−45°が加算されることにより、最終的なロータ角θ’が演算される。
図12は、第3の磁気センサ23が故障した場合に、実際のロータ角が特定不能領域W8(図10参照)に属しているときの、ブラシレスモータ10のロータ50の状態を図解的に示している。
図10(b)に示すように、特定不能領域W8においては、評価値Q1は常に1であるが、評価値Q3も1またはそれに近い値になる場合がある。このため、特定不能領域W8においては、評価値Q1が順位1の評価値X1として選択されるとは限らず、評価値Q3が順位1の評価値X1として選択される可能性もある。
特定不能領域W8において評価値Q1が順位1の評価値X1として選択されたときには、図5のステップS19においては、正常な2つの磁気センサ21,22の出力信号V1,V2から第1のロータ角θ1が演算される。したがって、ステップS19で演算された第1のロータ角θ1は、図12に示すように、ブラシレスモータ10のロータ50の実際の回転角θと等しくなる。この場合、ステップS19で演算された第1のロータ角θ1から推定される制御上のd軸候補(「第2のd軸候補d2」)およびq軸候補(「第2のq軸候補q2」)は、それぞれ実際のd軸方向およびq軸方向と一致する。
一方、特定不能領域W8において評価値Q3が順位1の評価値X1として選択されたときには、図5のステップS19においては、故障している第3の磁気センサ23の出力信号V3と正常な第2の磁気センサ22の出力信号V2とに基づいて第3のロータ角θ(=θ3)が演算される。この場合には、図10(d)に示すように、最大+110°程度の角度誤差が発生する。したがって、角度誤差が最大値付近である場合には、図12に示すように、ステップS19で演算された第3のロータ角θ3は、ロータ50の実際の回転角θ(=θ1)より約110°小さな角度となる。
この場合、ステップS19で演算された第3のロータ角θ3から推定される制御上のd軸候補(「第1のd軸候補d1」)およびq軸候補(「第1のq軸の候補q1」)は、それぞれ実際のd軸およびq軸に対して角度誤差分だけ遅れた軸となる。この角度誤差が90°より大きい場合には、モータ10によって発生するトルクの方向が、正しい方向に対して反対方向となり、モータ10が正しい方向と反対方向に回転してしまう。
図12において、正しい方向のトルクを発生させるためには、実際のq軸を中心とする180°の角度範囲η内に、制御上のq軸候補を設定できればよい。角度誤差が最大値の+110°である場合に、前記第1のq軸候補q1を前記角度範囲η内に補正するには、前記第1のq軸候補q1を30°(110°−90°=30°)以上、実際のq軸側(図12では反時計方向)に移動させればよい。そこで、この実施形態では、図5のステップS19において、第3のロータ角θ3が演算された場合には、それによって推定される制御上の第1のq軸候補q1が実際のq軸側に45°移動するように、第3のロータ角θ3を補正している。
より具体的には、図5のステップS19において、第3のロータ角θ3が演算された場合には、図5のステップS20において、補正角δが+45°に決定され、ステップS21において、第3のロータ角θ3に+45°が加算されることにより、最終的なロータ角θ’が演算される。
以上のような補正が行われると、図11に示すように、正常な2つのセンサ信号に基づいて第3のロータ角θ3が演算されたときにも、第3のロータ角θ3が補正されることになる。具体的には、第3のロータ角θ3に+45°が加算されることにより、第3のロータ角θ3が補正される。そうすると、補正後のロータ角によって推定される制御上のq軸候補は、図11に示すように、第1のq軸候補q1より45°進んだ軸の方向となる。図11から明らかなように、補正後のq軸候補は、角度範囲η内に収まるため、モータ10の回転方向は正しい方向となる。
同様に、図12に示すように、正常な2つのセンサ信号に基づいて第1のロータ角θ1が演算されたときにも、第1のロータ角θ1が補正されることになる。具体的には、第1のロータ角θ1に−45°が加算されることにより、第1のロータ角θ1が補正される。そうすると、補正後のロータ角によって推定される制御上のq軸候補は、図12に示すように、第2のq軸候補q2より45°遅れた軸の方向となる。図12から明らかなように、補正後のq軸候補は、角度範囲η内に収まるため、モータ10の回転方向は正しい方向となる。
図13は、回転角演算装置20の第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。図13に示される処理は、所定の演算周期毎に実行される。図13において、図5に示されるステップと同じ処理を行なうステップには、同じステップ番号が付されている。
図13の動作においては、「故障センサ判定用の第2条件」の内容が図5の動作と異なっている。つまり、図6を参照して、「順位2の評価値X2の演算に使用された2つの磁気センサB,Cの出力値の絶対値の和」を「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」で除算した値をJ1とする。また、「順位3の評価値X3の演算に使用された2つの磁気センサA,Cの出力値の絶対値の和」を「順位1の評価値X1の演算に使用された2つの磁気センサA,Bの出力値の絶対値の和」で除算した値をJ2とする。J1およびJ2は、それぞれ次式(19),(20)で表される。
J1=|(|VB|+|VC|)/(|VA|+|VB|)…(19)
J2=|(|VA|+|VC|)/(|VA|+|VB|)…(20)
「故障センサ判定用の第2条件」は、「J1およびJ2の両方がしきい値K3以上という第3条件」ならびに「J2がしきい値K2以上でかつJ1がしきい値K3未満であるという第4条件」のいずれか一方を満たしているという条件である。K3は、たとえば、(1+0.05)φに設定される。
「J1およびJ2の両方がしきい値K3以上という第3条件」を満たしている場合には、センサCの出力の絶対値|VC|がセンサAの出力の絶対値|VA|より一定値以上大きくなっていると推定できるから、センサCが故障していると判定することができる。一方、「J1がしきい値K2未満でかつJ2がしきい値K2以上であるという第4条件」を満たしている場合には、センサAの出力の絶対値|VA|がセンサCの出力の絶対値|VC|より一定値以上大きくなっていると推定できるから、センサAが故障していると判定することができる。
図13を参照して、「故障センサ判定用の第1条件」を満たしていないと判別された場合には(ステップS15:NO)、回転角演算装置20は、「J1およびJ2の両方がしきい値K3以上という第3条件」を満たしているか否かを判別する(ステップS31)。前記第3条件を満たしている場合には(ステップS31:YES)、回転角演算装置20は、センサCが故障していると判定するとともに、順位1の評価値X1の演算に使用されたセンサAおよびセンサBの出力信号VA,VB(故障と判定されたセンサ以外の2つセンサの出力信号)に基づいてロータ角θを演算する(ステップS32)。
一方、ステップS31において、前記第3条件を満たしていないと判別された場合には(ステップS31:NO)、回転角演算装置20は、「J1がしきい値K2未満でかつJ2がしきい値K2以上であるという第4条件」を満たしているか否かを判別する(ステップS33)。前記第4条件を満たしている場合には(ステップS33:YES)、回転角演算装置20は、センサAが故障していると判定するとともに、順位2の評価値X2の演算に用いられたセンサBおよびセンサCの出力信号VB,VC(故障と判定されたセンサ以外の2つセンサの出力信号)に基づいてロータ角θを演算する(ステップS34)。
ステップS33において、前記第4条件を満たしていないと判別された場合には(ステップS33:NO)、ステップと19に移行する。
図5または図13に示す動作では、3つの磁気センサ21,22,23のうちの1つの磁気センサが故障したときには、いずれかのセンサに故障が発生したことを検出することができる。また、1つの磁気センサが故障したときに、実際のロータ角が特定の比較的小さな電気角領域(特定不能領域W2,W8)内に属していない場合には、故障したセンサを特定することができるとともに、故障したセンサ以外の正常な2つのセンサによってロータ角を演算することができる。また、1つの磁気センサが故障したときに、実際のロータ角が特定の領域内に属しているために、故障したセンサを特定できない場合にも、モータ10を正常な方向に回転させることができる。さらに、1つの磁気センサが故障したときに、実際のロータ角が特定の領域に存在していために故障したセンサを特定できないときでも、ロータ1が回転して実際のロータ角が前記特定の領域から外れると、故障したセンサを特定できるようになる。
前記実施形態では、第1の磁気センサ21と第2の磁気センサ22との角度間隔αは45°に設定され、第1の磁気センサ21と第3の磁気センサ22との角度間隔βは90°に設定されているが、これらの角度間隔α,βを前記角度以外の任意の角度に設定するようにしてもよい。また、前記補正角δの絶対値は角度間隔βに応じて変化するので、前記実施形態のように45°に限られない。
この発明は、ブラシレスモータのロータ以外の回転体の回転角を検出する場合にも、適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…検出用ロータ、21,22,23…磁気センサ、10…ブラシレスモータ

Claims (4)

  1. 回転体の回転に応じて、互いに位相差を有する第1、第2および第3の正弦波信号をそれぞれ出力する第1、第2および第3のセンサを含み、これらのセンサの出力信号に基づいて前記回転体の回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記第1の正弦波信号と前記第2の正弦波信号とに基づいて、第1の評価値を演算する第1演算手段と、
    前記第1の正弦波信号と前記第3の正弦波信号とに基づいて、第2の評価値を演算する第2演算手段と、
    前記第2の正弦波信号と前記第3の正弦波信号とに基づいて、第3の評価値を演算する第3演算手段と、
    前記第1〜第3の評価値と所定の基準値との比較結果に応じて、前記第1〜第3の正弦波信号のうちの2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する第4演算手段とを含み、
    前記第4演算手段は、前記第1〜第3の評価値のうち、前記基準値に最も近い評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて、前記回転体の回転角を演算するものである、回転角演算装置。
  2. 前記第4演算手段は、
    前記第1〜第3の評価値に、前記基準値に近いものから順に順位を付ける手段と、
    前記基準値に最も近い順位1の評価値と前記基準値から最も遠い順位3の評価値との差の絶対値が第1の所定値未満であるときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    順位1の評価値と順位3の評価値との差が前記第1の所定値以上である場合に、順位1の評価値と順位2の評価値との差の絶対値が第2の所定値以上であるという第1条件を満たしているか否かを判別する第1判別手段と、
    前記第1判別手段によって前記第1条件を満たしていると判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    前記第1判別手段によって前記第1条件を満たしていないと判別されたときには、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の差が第3の所定値以上であるという第2条件を満たしているか否かを判別する第2判別手段と、
    前記第2判別手段によって前記第2条件を満たしていると判別されたときには、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値のうちの大きい方に対応するセンサ以外の2つのセンサの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    前記第2判別手段によって前記第2条件を満たしていないと判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転角を演算し、得られた回転角をその演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正することにより、前記回転体の最終的な回転角を演算する手段と、
    を含む請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記第4演算手段は、
    前記第1〜第3の評価値に、前記基準値に近いものから順に順位を付ける手段と、
    前記基準値に最も近い順位1の評価値と前記基準値から最も遠い順位3の評価値との差の絶対値が第1の所定値未満であるときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    順位1の評価値と順位3の評価値との差が前記第1の所定値以上である場合に、順位1の評価値と順位2の評価値との差の絶対値が第2の所定値以上であるという第1条件を満たしているか否かを判別する第判別手段と、
    前記第判別手段によって前記第1条件を満たしていると判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    前記第判別手段によって前記第1条件を満たしていないと判別されたときには、順位の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和に対する、順位3の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和の比を第1の比とし、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和に対する、順位2の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号の絶対値の和の比を第2の比として、前記第1の比および前記第2の比の両方が第3の所定値以上であるという第3条件を満たしているか、前記第1の比が前記第3の所定値未満でかつ前記第2の比が前記第3の所定値以上であるという第4条件を満たしているか、または前記第3条件および前記第4条件の両方を満たしていないかを判別する第判別手段と、
    前記第判別手段によって前記第条件を満たしていると判別されたときには、順位の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    前記第4判別手段によって前記第4条件を満たしていると判別されたときには、順位2の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて前記回転体の回転角を演算する手段と、
    前記第判別手段によって前記第条件および前記第4条件の両方を満たしていないと判別されたときには、順位1の評価値の演算に使用された2つの正弦波信号に基づいて回転角を演算し、得られた回転角をその演算に使用されたセンサの組み合わせに応じて補正することにより、前記回転体の最終的な回転角を演算する手段と、
    を含む請求項1に記載の回転角検出装置。
  4. 前記第1のセンサは、前記回転体の回転角θに対して、V1=φ・sinθで表される第1の正弦波信号V1を出力するものであり、
    前記第2のセンサは、前記回転体の回転角θに対して、前記第1および第2の正弦波信号の位相差αを用いてV2=φ・sin(θ+α)で表される第2の正弦波信号V2を出力するものであり、
    前記第3のセンサは、前記回転体の回転角θに対して、前記第1および第3の正弦波信号の位相差βを用いてV3=φ・sin(θ+β)で表される第3の正弦波信号V3を出力するものであり、
    前記基準値がφ であり、
    前記第1演算手段は、前記第1の正弦波信号V1と前記第2の正弦波信号V2とに基づいて、{(φ・sinθ) +(φ・cosθ) }に相当する第1の評価値Q1を演算するものであり、
    前記第2演算手段は、前記第1の正弦波信号V1と前記第3の正弦波信号V3とに基づいて、{(φ・sinθ) +(φ・cosθ) }に相当する第2の評価値Q2を演算するものであり、
    前記第3演算手段は、前記第2の正弦波信号V2と前記第3の正弦波信号V3とに基づいて、{(φ・sinθ) +(φ・cosθ) }に相当する第3の評価値Q3を演算するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転角検装置。
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