JP5719507B2 - 単結晶半導体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

単結晶半導体の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、チャンバ内に配置された坩堝に貯留した半導体融液にシードを浸漬し、このシードを引き上げて単結晶半導体を成長させる単結晶半導体の製造方法及び製造装置に関するものである。
半導体基板等に用いられる単結晶シリコン等の単結晶半導体は、一般的にチョクラルスキー法により製造されている。チョクラルスキー法は、例えば特許文献1に示すように、高耐圧気密チャンバ内に配置した石英製の坩堝内に原料の多結晶シリコンを入れ、石英坩堝の周囲に配されたヒータによりこの多結晶シリコンを加熱溶融し、石英坩堝の上方に配置されたシードチャックにシード(種結晶)を取り付けるとともにこのシードを石英坩堝内のシリコン融液(半導体融液)に浸漬し、シード及び石英坩堝を回転させながらシードを引き上げて単結晶シリコン(単結晶半導体)を成長させるようになっている。尚、シリコン融液は1420℃以上に加熱されるため、一般的に、前記ヒータとしては高温加熱用のカーボンヒータが用いられている。また、前記坩堝を保温する断熱部材として、カーボン部材で構成された保温筒やカーボンフェルトを使用した保温筒が用いられている。
特開2001−278696号公報
ところで、前述した単結晶半導体の製造装置のチャンバ内には、空気中の水分が炉壁や、カーボン部材に吸着している。その吸着水分が存在していることで、次のような問題が生じている。
すなわち、カーボンヒータを構成する炭素(C)が水分(HO)と反応し一酸化炭素(CO)となってチャンバ外部へ排出されてしまい、これにより、カーボン組織が粗雑になり、カーボンヒータが早期に破損する原因となっていた。詳しくは、カーボンヒータの抵抗値が増大して早期に使用に適さなくなり、部材の交換を頻繁に行うことになって、設備費用が嵩んでいた。
また、炭素(C)と水分(HO)の反応により生じたメタン(CH)や二酸化炭素(CO)等の物質が、単結晶半導体の原料と反応して炭化物や酸化物となり、製造する単結晶半導体内に混入して、結晶欠陥や結晶歪の原因になることがあった。またこの場合、製品歩留まりが低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、カーボンヒータの寿命を延長して設備費用を削減でき、高品質な単結晶半導体を製出可能である単結晶半導体の製造方法及び製造装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、チャンバ内に配置された坩堝に貯留した半導体融液にシードを浸漬し、前記シードを引き上げて単結晶半導体を成長させる単結晶半導体の製造方法であって、前記チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧し、該チャンバ内の水分を除去する水分除去工程と、前記チャンバ内に不活性ガスを導入するガス導入工程と、前記坩堝内に収容した半導体原料をカーボンヒータで加熱し溶解させて前記半導体融液とする溶解工程と、前記半導体融液に浸漬したシードを引き上げ、単結晶半導体を成長させる成長工程と、を備え、前記水分除去工程では、前記カーボンヒータとは別に設けられた加熱手段により、前記チャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱し、前記チャンバ内へ前記半導体原料を入れる時、及び、製出された前記単結晶半導体を取り出す時には、前記チャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱し保持することを特徴とする。
本発明に係る単結晶半導体の製造方法によれば、チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧する水分除去工程を有しているので、チャンバ内に存在する水分が蒸発して水蒸気となり、チャンバの外部へ確実に排出される。これにより、従来のように、チャンバ内に存在する水分(HO)が、カーボンヒータの炭素(C)と反応して一酸化炭素(CO)となりチャンバ外部へ排出されてしまい、カーボンヒータが早期に劣化して使用できなくなるようなことが確実に防止される。よって、カーボンヒータの寿命が延長し、設備費用が削減される。
また、従来のように、チャンバ内に存在する水分(HO)とカーボンヒータの炭素(C)とが反応し生じたメタン(CH)や二酸化炭素(CO)等の物質が、単結晶半導体の原料と反応して炭化物や酸化物となり、製造する単結晶半導体内に混入して、結晶欠陥の原因になるようなことが防止される。よって、単結晶半導体の結晶品質が高められるとともに、製品歩留まりが向上する。
また、前記水分除去工程では、前記チャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱することで、チャンバ内のカーボンヒータ等の部材に付着した水分が加熱されて蒸発しやすくなるので、水分がより確実に除去されることになる。すなわち、チャンバ内の温度が室温よりも低く設定された場合には、前述の蒸発が十分に促進されないことがあるので、40℃以上に設定されることが好ましい。また、チャンバ内の温度が200℃を超えて設定された場合には、それ以上の温度(例えば300℃以下)に設定された場合との差が出にくくなり、加熱のためのエネルギー消費量が増大することになるので、200℃以下に設定されることが好ましい。
また、チャンバ内への半導体原料の充填時や製出された単結晶半導体の取り出し時には、電気炉開放により、カーボンヒータや断熱部材(保温筒)等のカーボン部材の大気暴露が生じる。この際にカーボン部材は大気中の水分を吸着するので、これを除去するために、次の水分除去工程での真空(減圧)排気の時間が大幅に増えてしまう。このような水分の吸着を抑制し、短時間で10−4Pa以下の真空度へ到達する手法として、電気炉開放中はチャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱し保持することが効果的である。
また、本発明に係る単結晶半導体の製造方法において、前記水分除去工程では、クライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかを用いて前記チャンバ内を減圧させることとしてもよい。
この場合、チャンバ内の圧力を迅速に減圧させることができるので、水分除去工程が効率よく短時間で行える。また一般に、チャンバ内のガス置換率を向上させるためには、減圧・昇圧を繰り返し行うので、このような減圧・昇圧のサイクル時間が大幅に短縮される。
また、本発明に係る単結晶半導体の製造方法において、前記半導体融液はシリコン融液であり、前記単結晶半導体は単結晶シリコンであることとしてもよい。
この場合、結晶欠陥がなく高品質な単結晶シリコンを製出可能である。
また、本発明に係る単結晶半導体の製造方法において、前記半導体融液はゲルマニウム融液であり、前記単結晶半導体は単結晶ゲルマニウムであることとしてもよい。
この場合、結晶欠陥がなく高品質な単結晶ゲルマニウムを製出可能である。
また、本発明は、前述した単結晶半導体の製造方法を用いて、半導体融液に浸漬したシードを引き上げて単結晶半導体を成長させる単結晶半導体の製造装置であって、チャンバ内に、半導体融液を貯留する有底筒状の坩堝と、前記坩堝の径方向外側に配置されたカーボンヒータとを備え、前記チャンバには、該チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧可能な減圧手段と、該チャンバ内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段とが備えられ、前記カーボンヒータとは別に、前記チャンバ内を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る単結晶半導体の製造装置によれば、チャンバが備える減圧手段が、該チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧可能であるので、チャンバ内の水分が蒸発して水蒸気となり、チャンバ外部へ確実に排出される。これにより、カーボンヒータの寿命が延長し、設備費用が削減される。また、前述した結晶欠陥が防止されるとともに、製出する単結晶半導体の結晶品質が高められ、製品歩留まりが向上する。
また、加熱手段が、チャンバ内のカーボンヒータ等の部材に付着した水分を加熱して蒸発させるので、水分がより確実に除去されることになる。
また、本発明に係る単結晶半導体の製造装置において、前記減圧手段は、クライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかであることとしてもよい。
この場合、減圧手段がクライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかであるので、チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に確実に減圧することができる。また、クライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプは、一般的な真空ポンプ等に比べて水蒸気の排気速度が大きいので、チャンバ内の水分をより確実に除去することができる。
また、本発明に係る単結晶半導体の製造装置において、前記カーボンヒータの径方向外側には、黒鉛を含む断熱部材が配設されていることとしてもよい。
この場合、カーボンヒータが坩堝内の半導体原料や半導体融液を加熱(溶解)・保温する効率が高められるとともに、前述したようにチャンバ内の水分が確実に除去されるので、黒鉛(C)を含む断熱部材が早期に劣化するようなことがない。よって、断熱部材は長期に亘り安定して坩堝を保温できるとともにその寿命が延長し、設備費用がより削減される。
本発明に係る単結晶半導体の製造方法及び製造装置によれば、カーボンヒータの寿命を延長して設備費用を削減でき、高品質な単結晶半導体を製出可能である。
本発明の一実施形態に係る単結晶シリコンの製造装置を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る単結晶シリコンの製造手順を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係る単結晶シリコン(単結晶半導体)の製造装置の概略を模式的に示す図であり、符号1は単結晶シリコンの製造装置を示している。単結晶シリコンの製造装置1は、耐圧気密に構成された水冷ジャケット構造のチャンバ10内に、石英坩堝(坩堝)15、シードチャック17、カーボンヒータ19、坩堝支持台21を備えている。また、チャンバ10の上方にシードチャック駆動機構30を備えている。
チャンバ10は、水冷ジャケット構造のメインチャンバ11と、メインチャンバ11の上方に接続された水冷ジャケット構造のトップチャンバ12と、トップチャンバ12の上方に接続された水冷ジャケット構造のプルチャンバ13とを備えている。メインチャンバ11は、底部11Aと底部11Aに立設された筒状部11Bとから構成され、その中心部には石英坩堝15が配置されている。
また、メインチャンバ11の底部11A上には、スピルトレイ14が配置されていて、石英坩堝15が破損してシリコン融液(半導体融液)Mが流出することがあった場合に、シリコン融液Mが底部11Aと直接接触しチャンバ10が破損するのを防止できるようになっている。
プルチャンバ13は、略円筒形状に形成され、引き上げられた単結晶シリコンTを収納する空間を有しており、トップチャンバ12により該プルチャンバ13よりも大径のメインチャンバ11と連結されている。
また、トップチャンバ12は、その上部が下部よりも縮径された略多段円筒状をなし、上部と下部との間には天壁部12Aが形成されている。また、天壁部12Aには、ガス導入孔12Bが貫通し形成されており、このガス導入孔12Bには、チャンバ10内にアルゴンガス(不活性ガス)を導入する不活性ガス導入手段25が、配管により接続されている。
石英坩堝15は、有底筒状をなし、その内部に単結晶シリコンTの原料である塊状の多結晶シリコン(半導体原料)を収容可能とされているとともに多結晶シリコンが加熱、溶融されて生成したシリコン融液Mを貯留可能とされている。また、石英坩堝15は、有底筒状の黒鉛サセプタ16に収納されている。
黒鉛サセプタ16は、坩堝支持台21の上面に配置されたペディスタル21Cに保持されることにより一体に組み合わせて形成され、坩堝支持台21はその支持軸21Aがメインチャンバ11の底部11Aの中心部にて底部11A及びスピルトレイ14を貫通して形成された貫通孔11Hに挿入されており、支持軸21Aに接続された駆動モータ18によって、メインチャンバ11に対して相対的に回転及び昇降が可能とされている。
また、黒鉛サセプタ16の径方向外側には、円筒状のカーボンヒータ19が配設されている。カーボンヒータ19には、その発熱体の材料として炭素(C)繊維が用いられている。カーボンヒータ19は、その下方が電極継手19Aにボルト19Bで固定され、電極継手19Aは、スピルトレイ14の貫通孔に配置された黒鉛電極19Cを介して図示しない電源に接続されている。
また、図示しないが、チャンバ10内を40〜200℃の範囲内に加熱可能な加熱手段が設けられている。前記加熱手段は、例えば、チャンバ10の外部から配管等を通して熱風を該チャンバ10内に供給する構成や、或いはチャンバ10内においてカーボンヒータ19の周囲を囲むようにその径方向外側に配置された円筒状のヒータ等からなる構成を有している。
また、カーボンヒータ19の径方向外側には、円筒状の保温筒(断熱部材)22が配設されている。保温筒22は、円筒状の黒鉛からなる内側保温筒22Aと、内側保温筒22Aの外方に配置された円筒状の多孔質黒鉛からなる外側保温筒22Bと、内側保温筒22A及び外側保温筒22Bの下方に配置されこれら内側、外側保温筒22A、22Bを載置するロアリング22Cと、内側保温筒22A及び外側保温筒22Bの上方に配置されたアッパリング22Dとを有している。ロアリング22C及びアッパリング22Dは、略リング板状をなし、内側保温筒22Aの内径と略同じ内径の孔が夫々形成されている。
また、チャンバ10内において、保温筒22の上端には、リング板状のアダプタ23を介してフロー管24が取り付けられている。フロー管24は、石英坩堝15の上方に配置され、シリコン融液Mに浸漬するシードSの径方向外側を囲むように筒状に形成されている。詳しくは、フロー管24は、下端開口部よりも上端開口部が大径とされた逆円錐台形筒状に形成されている。
シードチャック17は、その下方を向く先端側がカーボンにより形成されたカーボンチャック部17Aとされ、カーボンチャック部17Aの先端面中央には、先端側から上方の基端側に向かって延びる孔(不図示)が形成されている。この孔には、シード(種結晶)Sが挿入されて、カーボンチャック部17Aに固定されている。
また、シードチャック17は、その上方を向く基端側がワイヤWに接続され、ワイヤWがシードチャック駆動機構30に接続されることにより、シードSがメインチャンバ11に対して相対的に回転及び昇降自在とされている。
シードチャック駆動機構30は、プルチャンバ13の上部に設けられ、ワイヤWの基端側が接続されるとともに巻き回されるプーリ31と、石英坩堝15の中央を通る回転軸線Oを中心として、ワイヤWをプルチャンバ13に対して相対的に回転可能とする回転駆動部32とを備えている。また、このプーリ31を駆動させてワイヤWを巻き取る引上駆動モータ33と、回転駆動部32をプルチャンバ13に対して回転させる回転駆動モータ34とを備えている。
このような構成によって、プーリ31がワイヤWを巻き取ることによりシードチャック17が昇降し、回転駆動部32が回転することによりシードチャック17が回転軸線O回りに回転するようになっている。
そして、メインチャンバ11の底部11Aに形成された排気孔11Dには、チャンバ10内の圧力を減圧する減圧手段としてのクライオポンプ20が、配管により接続されていて、チャンバ10内を高真空状態にすることが可能とされている。詳しくは、クライオポンプ20は、チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧可能であり、本実施形態においては、チャンバ10内の圧力を10−4〜10−5Paの範囲内に減圧することができるようになっている。
また、排気口11Dは、配管に設けられた切替弁(不図示)を操作することによって、クライオポンプ20以外のドライポンプ(不図示)にも接続可能とされている。このドライポンプとしては、例えば、チャンバ10内の圧力を10−2Pa程度に減圧可能なものが用いられる。
次に、この単結晶シリコンの製造装置1を用いた単結晶シリコンTの製造手順について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(水分除去工程)
図2のS10において、まず、前記切替弁を操作して、チャンバ10内とクライオポンプ20とを接続させる。そして、クライオポンプ20を作動させ、チャンバ10内の圧力を10−4Pa以下に減圧して高真空状態にするとともに、チャンバ10内の水分(HO)を蒸発させ水蒸気として外部へ排気し除去する。尚、本実施形態では、チャンバ10内の圧力を10−4〜10−5Paの範囲内に減圧している。
また、このようにチャンバ10内を減圧した状態で、前記加熱手段によりチャンバ10内を40〜200℃の範囲内に加熱する。好ましくは、カーボンヒータ19の温度が100℃程度になるように維持しつつ、1時間程度加熱する。
(ガス導入工程)
次いで、図2のS20において、前記切替弁を操作して、チャンバ10内と前記ドライポンプとを接続させる。そして、ドライポンプを作動させ、減圧されたチャンバ10内の圧力を10−2Pa以上に昇圧させる。好ましくは、ドライポンプを用いて、チャンバ10内の圧力を10−2Paに維持する。この状態で、不活性ガス導入手段25によりチャンバ10内にアルゴンガスを導入して、該チャンバ10内の圧力を30torr程度に設定する。
(溶解工程)
次いで、図2のS30において、カーボンヒータ19で石英坩堝15を加熱し、該石英坩堝15内に充填した塊状の多結晶シリコンを溶解して、1420℃のシリコン融液Mとする。またその一方で、シリコン融液Mにおいて、シードSを浸漬する部分近傍(以下「シード浸漬部」)は過冷却状態とする。
(成長工程)
次いで、図2のS40において、シードチャック17のカーボンチャック部17AにシードSを挿入し固定した状態で、シードチャック駆動機構30を駆動し、シードチャック17を下降させて、シードSをシリコン融液Mの前記シード浸漬部に浸漬する。この状態で、シードSをシリコン融液Mになじませる。
シードSがシリコン融液Mになじんだら、シードチャック17を回転軸線Oを中心に時計回り又は反時計回りに回転させながら、0.5mm/分から6.0mm/分の速度で上昇させる。このとき、石英坩堝15は、シードチャック17の回転方向と同じ方向に回転されていて、その回転速度は、例えば、シードチャック17の回転速度に対して90〜110%の範囲内に設定される。
このように、シードチャック17を引き上げるとともにシードSを引き上げて、単結晶シリコンTを成長させ、略円柱状の単結晶シリコンTを製造する。
以上のような構成とされた本実施形態の単結晶シリコンの製造装置1及びこれを用いた単結晶シリコンの製造方法によれば、チャンバ10に接続されたクライオポンプ20を用いて、該チャンバ10内の圧力を10−4Pa以下に減圧するので、チャンバ10内の水分(HO)が蒸発して水蒸気となり、チャンバ10外部へ確実に排出される。これにより、下記(1)〜(5)式に示されるような各化学反応が防止される。
Si+HO=SiO+H …(1)
2C+2HO=CH+CO …(2)
CH+Si=SiC+2H …(3)
C+O=CO …(4)
CO+Si=SiO+SiC …(5)
上記(1)式の一酸化珪素(SiO)の発生が防止されるので、該SiOからなる黄色い粉体がチャンバ10の内面に付着するようなことが防止される。これにより、前記内面から剥がれ落ちたSiOがシリコン融液Mに混入して、単結晶シリコンTの結晶欠陥の原因になるようなことが防止される。
また、上記(2)式の化学反応が防止されるので、カーボンヒータ19を構成する炭素(C)が一酸化炭素(CO)となって、チャンバ10外部へ排出されることが防止される。よって、カーボンヒータ19が早期に劣化して使用できなくなるようなことが確実に防止されて寿命が延長し、設備費用が削減される。
また同様に、黒鉛(C)を含む保温筒22が早期に劣化するようなことがなく、保温筒22は長期に亘り安定して石英坩堝15を保温できるとともにその寿命が延長し、設備費用がより削減される。
また、チャンバ10内には、これらカーボンヒータ19及び保温筒22以外に、炭素(C)を含む黒鉛サセプタ16、黒鉛電極19C、及び、カーボンチャック部17Aが設けられているが、当然にこれらの劣化も防止されて寿命が延長する。
また、上記(2)式のメタン(CH)の発生が防止されることから、上記(3)式の化学反応が防止されている。これにより、シリコン(Si)の炭化物すなわち炭化珪素(SiC)の発生が防止されるので、該SiCが単結晶シリコンT内に混入して結晶欠陥の原因になるようなことが防止される。よって、製造する単結晶シリコンTの結晶品質が高められ、製品歩留まりが向上する。
また、上記(4)式の二酸化炭素(CO)の発生が防止されるので、上記(5)式の化学反応が防止され、シリコン(Si)の酸化物すなわち二酸化珪素(SiO)の発生が防止されて、単結晶シリコンTの結晶欠陥が防止される。また、上記(5)式の化学反応が防止されるので、前述したSiCに起因する結晶欠陥がより確実に防止される。
また、この単結晶シリコンの製造装置1は、減圧手段としてクライオポンプ20を用いているので、チャンバ10内の圧力を10−4Pa以下に確実に減圧することができる。詳しくは、チャンバ10内の圧力を10−4〜10−5Paの範囲内に確実かつ迅速に減圧できる。また、クライオポンプ20によれば、一般的な真空ポンプ等に比べて水蒸気の排気速度が大きいので、チャンバ10内の水分をより確実に除去することができる。
また、前記加熱手段が設けられているので、水分除去工程の際、この加熱手段がチャンバ10内のカーボンヒータ19を加熱することで、カーボンヒータ19に付着した水分が蒸発して確実に除去されることになり、カーボンヒータ19の寿命が延長する。また、チャンバ10内全体が加熱されることから、カーボンヒータ19以外の部材に付着した水分も蒸発しやすくなり、チャンバ10内の水分の除去がより確実に行われる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、単結晶シリコンの製造装置1を用いて、シリコン原料を溶解したシリコン融液Mから単結晶シリコンTを製出する手順について説明したが、これに限定されるものではない。
すなわち、例えば、半導体原料としてゲルマニウム原料を用い、これを溶解してゲルマニウム融液(半導体融液)とし、チャンバ10内で該ゲルマニウム融液を引き上げて単結晶ゲルマニウム(単結晶半導体)を製出する単結晶ゲルマニウムの製造装置においても、本発明を適用可能である。
また、本実施形態では、減圧手段としてクライオポンプ20を備え、水分除去工程ではこのクライオポンプ20を用いてチャンバ10内を減圧させることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、減圧手段としてクライオポンプ20以外の拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかを備え、水分除去工程では、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかを用いてチャンバ10内を減圧させることとしてもよい。
また、本実施形態では、水分除去工程において、前記減圧手段によりチャンバ10内の圧力を10−4〜10−5Paの範囲内に減圧することとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、水分除去工程においては、チャンバ10内の圧力が10−4Pa以下に減圧されればよいことから、前述した範囲内以外の例えば10−5Paよりも小さい圧力になるように減圧することとしても構わない。
1 単結晶シリコンの製造装置(単結晶半導体の製造装置)
10 チャンバ
15 石英坩堝(坩堝)
19 カーボンヒータ
20 クライオポンプ(減圧手段)
22 保温筒(断熱部材)
25 不活性ガス導入手段
M シリコン融液(半導体融液)
S シード
S10 水分除去工程
S20 ガス導入工程
S30 溶解工程
S40 成長工程
T 単結晶シリコン(単結晶半導体)

Claims (7)

  1. チャンバ内に配置された坩堝に貯留した半導体融液にシードを浸漬し、前記シードを引き上げて単結晶半導体を成長させる単結晶半導体の製造方法であって、
    前記チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧し、該チャンバ内の水分を除去する水分除去工程と、
    前記チャンバ内に不活性ガスを導入するガス導入工程と、
    前記坩堝内に収容した半導体原料をカーボンヒータで加熱し溶解させて前記半導体融液とする溶解工程と、
    前記半導体融液に浸漬したシードを引き上げ、単結晶半導体を成長させる成長工程と、を備え、
    前記水分除去工程では、前記カーボンヒータとは別に設けられた加熱手段により、前記チャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱し、
    前記チャンバ内へ前記半導体原料を入れる時、及び、製出された前記単結晶半導体を取り出す時には、前記チャンバ内を40〜200℃の範囲内に加熱し保持することを特徴とする単結晶半導体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の単結晶半導体の製造方法であって、
    前記水分除去工程では、クライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかを用いて前記チャンバ内を減圧させることを特徴とする単結晶半導体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の単結晶半導体の製造方法であって、
    前記半導体融液はシリコン融液であり、前記単結晶半導体は単結晶シリコンであることを特徴とする単結晶半導体の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の単結晶半導体の製造方法であって、
    前記半導体融液はゲルマニウム融液であり、前記単結晶半導体は単結晶ゲルマニウムであることを特徴とする単結晶半導体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の単結晶半導体の製造方法を用いて、半導体融液に浸漬したシードを引き上げて単結晶半導体を成長させる単結晶半導体の製造装置であって、
    チャンバ内に、半導体融液を貯留する有底筒状の坩堝と、前記坩堝の径方向外側に配置されたカーボンヒータとを備え
    記チャンバには、該チャンバ内の圧力を10−4Pa以下に減圧可能な減圧手段と、該チャンバ内に不活性ガスを導入する不活性ガス導入手段とが備えられ、
    前記カーボンヒータとは別に、前記チャンバ内を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする単結晶半導体の製造装置。
  6. 請求項5に記載の単結晶半導体の製造装置であって、
    前記減圧手段は、クライオポンプ、拡散ポンプ、分子ポンプ及びイオンポンプのいずれかであることを特徴とする単結晶半導体の製造装置。
  7. 請求項5又は6に記載の単結晶半導体の製造装置であって、
    前記カーボンヒータの径方向外側には、黒鉛を含む断熱部材が配設されていることを特徴とする単結晶半導体の製造装置。
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