JP5719399B2 - 溶融ガラス塊成形用金型およびその製造方法 - Google Patents

溶融ガラス塊成形用金型およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融ガラス塊成形用金型およびその製造方法に関し、特に、溶融ガラス塊と接触する成形用金型内表面に形成する被覆層に特徴を有する新たな提案である。
一般に、ガラスびんなどは、次のような工程を経て製造される。例えば、ソーダー灰や石灰石、ガラス屑などの主原料と芭硝(NaSO)や各種着色剤、消色剤などの副原料とからなる原料を1500〜1600℃程度の温度に加熱して溶解し、その後、気泡などを除去した後に、びんの重量や形状などに応じた1100℃〜1200℃程度の温度に調整し、フィーダーを介して溶融ガラス塊(軟化状態にある高温の塊状ガラス)として最終的に製びん機、即ち成形用金型に供給している。
図1は、一般的なガラスびん製造工程の概要を示したものである。ここで、図示の1は、溶融ガラス、2はガラス溶解炉、3は作業室、4はフィーダ一、5はオリフイス、7は溶融ガラス塊を示している。上記溶解炉2内の溶融ガラス1は、作業室3とフィーダー4において処理された後、切断機6によって適当な大きさのガラス塊7に切断される。その後、ファンネル8、スクープ9、トラフ10、デフレクター11と呼ばれる一連の樋形状の搬送部材を経て成形のための製びん用金型(溶融ガラス塊成形用金型)12に送り込まれ、所要のガラスびんが成形される。
ところで、前記溶融ガラス塊と接する成形用金型等の鋳鉄製基材の表面としては、次のような性質が求められる。
(1)溶融ガラスとの摩擦係数が小さく、滑り性が良好であること。
(2)耐高温磨耗性に優れ、初期の性能を長期間維持できること。
(3)汚れが付着しにくく、また溶融ガラスを汚染しないこと。
(4)保守点検が容易で再生が可能であること。
(5)経済的であること
特に、溶融ガラス塊の成形用金型については、摩擦抵抗が小さく、ガラス塊の該金型内への挿入が円滑にでき、かつ成形後のガラス塊の離型性に優れることが重要である。
このような要求に対し、従来、溶融ガラス塊と接する成形用金型の内表面や搬送部材には、黒鉛粉末(グラファイト粉末)と樹脂や乾性油からなる潤滑剤を塗布する方法で対処している。この従来方法は、操作が容易で、溶融ガラス塊の滑りも良好で、しかも、ガラスの品質にも悪影響を与えないなどの利点がある一方で、黒鉛粉末の消耗速度が大きく、頻繁に塗布する必要があるという欠点もある。さらに、この黒鉛粉末を含んだ潤滑剤は、短時間で油成分が焼失して飛散しやすい性質があることから、作業環境の悪化を招くのみならず、作業者に付着して不快感を与えるという欠点もあった。
この対策として、溶融ガラス塊と接する成形用金型(部材)をはじめ、搬送用部材やプランジャーなどの表面に、各種の表面処理膜を施工する提案がなされている。確かに、これらの提案は、無処理の基材に比較すると、かなり改善されている。例えば、
(1)特許文献1〜5には、成形用プランジャーの表面やガラス塊搬送部材の表面に、自溶合金、炭化物(Cr)や酸化物の粒子を用いたサーメット溶射皮膜を被覆する方法、特許文献6〜7には、溶融ガラス塊の供給用治具の表面に、窒化物や炭化物、酸化膜などを被覆形成する方法などが開示されている。
(2)また、特許文献8には、CVD法あるいはPVD法によるTiNやTiCN、TiB、SiCなどの薄膜を被覆する技術が開示されている。
(3)さらに、特許文献9には、板ガラスの成形用ロールに耐熱、耐食性合金の皮膜を被覆する方法が開示されている。
一方、発明者らも、溶融ガラス塊の樋状搬送部材の表面に炭化物サーメットの金属成分として、Mo、Ta、Wなどの炭化物生成自由エネルギーの小さい金属を添加した皮膜を提案(特許文献10)し、さらに、潤滑性に優れた黒鉛粒子の表面に、NiやW、Ti、Alなどの薄膜を被覆した粒子を用いた溶射皮膜被覆部材を提案(特許文献11)した。
また、溶融ガラス塊の成形用金型についても、その内表面に各種の表面処理皮膜を被覆する提案がある。例えば、特許文献12、13には、CuやAl、Crを主成分とし、残部がFeからなる金属質皮膜を金型内表面に被覆したものが開示され、特許文献14、15には、金型内表面にBNとコロイダルシリカを分散させた水溶液を塗布した後、これを乾燥して皮膜化する技術が開示され、さらに、特許文献16〜18では、金型内表面に炭化物や炭化物サーメット皮膜を被覆する技術が開示されている。
その後、発明者らは、溶融ガラス塊の成形用金型の内表面に被覆する離型性とその耐久性に優れた溶射皮膜として、金属硼化物と耐熱合金とからなるサーメット溶射皮膜を開発(特許文献19、20)した。
特開昭54−146818号公報 特開平2−111634号公報 特開平4−139032号公報 特開平3−290326号公報 特開平11−171562号公報 特開平2−102145号公報 特開昭63−297223号公報 特開平1−239029号公報 特開平3−137032号公報 特開2002−20126号公報 特開2002−20851号公報 特開平8−109460号公報 特開平8−120435号公報 特開2003−119049号公報 特開2003−119047号公報 特開昭62−158122号公報 特開平2−146133号公報 特開2002−178034号公報 特開2012−136395号公報 特開2012−136396号公報
前記従来技術のうち、例えば、金型内表面に黒鉛粉末を含有する潤滑剤を塗布したりする表面処理皮膜の場合、次のような問題があった。それは、黒鉛粉末を塗布した金型表面は、良好な潤滑性を示すと共に溶融ガラスと接触しても疵がつかないという利点がある一方で、潤滑剤が揮発しやすく、作業環境が汚染されやすいという欠点がある。しかも、塗布方法および塗布時期の判断などは、すべて熟練作業者の経験に頼っているため、作業の自動化、ロボット化などの無人化が難しいという問題もある。また、溶射法やCVD、PVDなどによる炭化物サーメット、酸化物、窒化物、耐熱合金などの従来の表面処理技術は、無処理の場合に比較すると、それなりの効果はみとめられるものの不十分であり、しばしば黒鉛粉末塗布技術との併用が必要になるという問題がある。
ところで、溶融ガラス塊の搬送用部材と、本発明対象である「ガラス塊成形用金型」とは、これらに求められる条件や特性が異なるため、本来は、それぞれの要求特性に合った表面処理を行なう必要があるところ、実際には、これらについての十分な検討は行なわれておらず、未解決のままである。
例えば、搬送用部材については、高温の溶融ガラス塊とその表面に形成されている表面処理皮膜との接触圧が小さくかつ接触時間も短いため、一般的には、皮膜の潤滑性能が重要な管理目標となる。
これに対し、成形用金型については、溶融ガラス塊との接触時間が長いために耐熱性や耐高温磨耗性が求められると共に、表面処理皮膜表面の微小な粗さや僅かな痕などがガラス表面に転写され易いため、皮膜表面の研削、研磨などの加工が容易な皮膜や素材を用いることが求められる。しかも、製びん処理のための成形用金型の入り口は狭く、ここを通過する溶融ガラス塊の潤滑性および成形後の製品の離型性も重要な調整因子であるが、これらの諸特性を備えた表面処理皮膜、特に、溶射皮膜は未だに開発されていないのが実情である。
なお、近年では、作業環境およびガラス成形品に対する安全意識が向上していることから有害物質の発生についての対策、検討も必要である。この点、従来の溶射皮膜は、クロム炭化物(Cr)やNi−Cr合金、自溶合金などの含Cr化合物やCr含有合金がよく使われているが、これらの皮膜成分は、高温環境下では酸化され、その一部が有害な6価クロムの化合物を生成する惧れがあるが、これらの課題についてもまた未解決のままである。
本発明の目的は、耐熱性や耐高温磨耗性あるいは溶融ガラス塊との離型性に優れる他、ガラス製品の品質の向上ならびに製びん作業の安全性が高く、環境にやさしい溶融ガラス塊成形用金型およびその製造方法を提案することにある。
前記目的は、第1に、溶融ガラス塊と接触する金型内表面に、直接またはアンダーコートを介し、金属硼化物、耐熱金属・合金およびプラスチックからなる硼化物系サーメット溶射皮膜が被覆されたものであって、該硼化物系サーメット溶射皮膜は、この皮膜の開気孔部内にカーボン粒子が含浸処理によって充填されていると共に、該皮膜表面にもカーボン粒子が被覆されているカーボン粒子充填−被覆構造を有することを特徴とする溶融ガラス塊成形用金型の採用によって実現できる。
前記目的は、第2に、溶融ガラス塊と接触する成形用金型内表面に、直接またはアンダーコートを介し、金属硼化物、耐熱金属・合金およびプラスチックからなる硼化物系サーメット溶射粉末材料を大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、爆発溶射法のうちから選ばれるいずれかの溶射法によって溶射することにより、膜厚50〜1000μmの硼化物系サーメット溶射皮膜を被覆形成し、その後、その溶射皮膜表面の開気孔部からカーボン粒子を含浸させて充填すると同時に表面にも被覆し、その後、焼成することによって、カーボン粒子充填−被覆構造の硼化物系サーメット溶射皮膜にすることを特徴とする溶融ガラス塊成形用金型の製造方法採用によって実現できる。
なお、本発明においては、前述の基本的な構成に加えて、さらに、
(1)前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、TiB、ZrB2、、HfB、VB、TaB、NbB、W、CrB、NiB及びMoBから選ばれるいずれか一種以上の金属硼化物を20〜90mass%含有し、残部がNiもしくはCr含有量が50mass%未満のNi−Cr合金を含有する金属硼化物サーメット溶射粉末材料に対し、容量で0.5〜10%のプラスチックを混合してなる3成分含有溶射粉末材料を溶射して形成した皮膜であること、
(2)Ni−Cr合金を含む前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、Crの少なくとも一部が炭化クロム化合物に変化していること、
(3)前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、開気孔率が10〜45%の皮膜であること、
(4)前記硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部内に含浸によって充填されるカーボン粒子は、粒子径が1nm〜10μmの大きさであること、
(5)前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、表面粗さRaが5μm以下、Rzが15μm以下の平滑面を有すること、
(6)前記アンダーコートは、Ni−Al、Ni−Cr、Ni−Cr−Al、自溶合金、MCrAlX合金(但し、MはCoおよび/またはNi、Xは希土類元素から選ばれるいずれか1種以上の合金)の溶射皮膜であって、膜厚が50〜150μmであること、
(7)カーボン粒子充填−被覆構造の硼化物系サーメット溶射皮膜は、溶射皮膜の表面に対し、水、有機溶媒、オイルまたは粘稠な油脂類や流動性を有する高分子化合物から選ばれる1種以上の媒体に粒径0.1nm〜10μmのカーボン粒子を混合して得られるスラリーを吹き付け、浸漬あるいは塗布するなどして、まず、該硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部内にカーボン粒子を含浸処理し、その後、電気炉中で100℃〜550℃、1〜5時間の加熱処理を施こすることにより、カーボン質のみを該溶射皮膜の内部に充填すると同時に該皮膜表面に残留させて膜状に被覆したものであること、
などの構成がより好ましい実施の形態となると考えられる。
本発明に係るガラス塊成形用金型によれば、耐熱性や耐高温摩擦性、溶融ガラス塊との離型性に優れる他、金型寸法精度等の当初の金型特性を長期間にわたって維持できる他、品質の良いガラス成形製品の製造に大きく貢献する。
また、本発明に係るガラス塊成形用金型の製造方法によれば、溶射皮膜成分からの有害な6価クロム化合物の発生がなく、安全かつ衛生的な作業環境を提供することができると共に、安全なガラス製品を製造することができる。とくに、溶射皮膜の表面やその内部にプラスチック粉末が含まれることにより生成する空孔部や、プラスチック粉末の炭化物(燃焼残渣物)が適度な空孔の形成原因となるので、カーボン粒子の含浸−充填を容易に行なうことができる。従って、溶射皮膜の開気孔部にカーボン粒子を十分に含浸−充填することができ、その結果、金型部材表面に対する定期的な黒鉛粉末の塗布作業を省略ないしは塗布頻度を著しく低減することができるようになり、前記6価クロム化合物の発生防止とともに、作業環境の改善に大きく寄与する。
また、本発明のカーボン粒子充填型溶射皮膜を長期間使用して、その作用機能が低下した場合があっても、従来技術に係る黒鉛塗布作業を行なうと、一回の処理で多量のカーボン粒子を含浸させることができ、再度長期間使用することができる利点がある。
溶融ガラス塊の搬送状況ならびに成形用金型への供給工程の概要を示すガラスびん製造工程の略線図である。 カーボン粒子の充填−被覆構造の硼化物系サーメット溶射皮膜を被覆した金型の製造工程を示した図である。 開気孔部内にカーボン粒子を含浸処理する前後の硼化物系サーメット溶射皮膜のそれぞれ断面模式図である。(a)は含浸処理前、(b)は含浸処理後
従来技術が抱えている前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発明者らは以下に説明する解決手段に想到したので、その構成の詳細について説明する。図2は、溶融ガラス塊の成形用金型の内表面に、3つの主要成分(金属硼化物、耐熱合金、プラスチック)からなる硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部内にカーボン粒子を含浸させて充填すると共に、さらにその表面に膜状に被覆するための製造工程を示したものである。以下、この工程順に従って本発明の構成の詳細を説明する。
(1)基材
前述した硼化物系サーメット溶射皮膜を形成するための塊成形用金型の基材としては、鋳鉄や鋳鋼、炭素鋼、工具鋼、低合金鋼などの鋼鉄製のものが好適である。その他、Alおよびその合金、Ti及びその合金、Mg合金などの非鉄金属をはじめ、セラミック焼結体や焼結炭素、粉末焼結材なども用いることができる。
(2)前処理
前記サーメット溶射皮膜を形成するための基材は、その表面を予めJIS H 9302に規定されたセラミック溶射皮膜作業標準に準拠して、脱脂や脱スケールによる清浄化処理を行ない、その後、A1やSiCなどの研削材粒子を吹き付けてブラスト粗面化処理を行なうことが好ましい。ブラスト処理後の表面粗さは、Ra:1〜10μm、Rz:5〜40μmの程度にすることが好ましい。
(3)アンダーコート
前記金型基材の表面には必要に応じてアンダーコートを形成する。そのアンダーコート形成用材料としては、基材との密着性と耐熱性を向上させる機能を優先して、Ni−AlやNi−Cr、Ni−Cr−Al、自溶合金(JISH8303)、M(NiまたはCo)−Cr−Al−X合金(ただし、Xは、Y、Ce、Laなどの希土類元素)などが好適である。アンダーコート層の膜厚としては50〜150μm程度の厚さにするのがよく、特に、50〜100μm程度の厚さにすることが好ましい。その理由は、膜厚が50μmより薄い場合はアンダーコートの機能が十分でなく、また、150μm以上の膜厚を形成しても、アンダーコートの効果が飽和して、生産コストの上昇を招くからである。
(4)トップコート
前記金型基材の表面には、直接または前記アンダーコートを介して、トップコートとして硼化物系サーメット溶射皮膜を形成する。以下、その硼化物系サーメット溶射皮膜およびその溶射皮膜を形成するために用いられる硼化物サーメット溶射粉末材料について説明する。
まず、本発明で用いる硼化物系サーメット溶射皮膜は、下記の金属硼化物(A)、耐熱金属・合金(B)、プラスチック(C)の3成分によって構成される。
(A)金属硼化物:TiB、ZrB2、、HfB、VB、TaB、NbB、W、CrB、NiB、MoB(なお、硼化物の分子式は、製造条件によって変化するので絶対的なものではない。ここでは、市販品の表示に従ったものを記載した)
(B)耐熱金属・耐熱合金:
a.耐熱金属:金属Ni(単独または、Ni−Cr合金との混合使用も可)
b.耐熱合金:Crを50mass%未満含有するNi−Cr合金
(C)プラスチック:
a.熱硬化性樹脂:フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂など
b.熱可塑性樹脂:ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイトなど
この硼化物系サーメット溶射粉末材料の粒径は、金属硼化物、耐熱金属・合金とも5〜60μmの範囲のものが好適である。それは、粒径が5μmより小さいと、溶射ガンへの供給が不連続となり、一方、60μmより大きい粒子では、3つの成分を混合して一つの粒子に造粒した場合、粒径が大きくなり過ぎて、その取扱いが困難になるからである。
なお、本発明において特徴的なプラスチックの作用効果について説明する。金属硼化物サーメット材料へのプラスチックの添加は、溶射熱源中における軟化、分解、燃焼反応に伴ってガスを発生して減容することに加え、とくに大きな粒子では溶射熱源中における被曝時間が非常に短い(1/500〜1/1000秒)こともあって、前記のような現象(軟化、分解、燃焼)が完全に終了しないままに溶射皮膜の一部となったり、プラスチック状態でなく炭化物の状態でサーメット溶射皮膜中に存在することになる。このようなプラスチック粒子の溶射熱源中や溶射皮膜中における挙動は、サーメット溶射粒子の相互融合現象を妨げることとなるので、粒子間融合の不足による空隙部の増加や、皮膜全体の空孔部の生成を増大させる。
発明者らの経験によると、金属硼化物サーメット材料にさらにプラスチック粉末を添加した本発明で用いる3成分系材料によって形成されたプラズマ溶射皮膜の気孔率は、2成分系の金属硼化物サーメット材料を溶射して形成した皮膜に比較べて20〜60%程度多くなる。本発明は、このようなプラスチック粉末の挙動を利用して、比較的多孔質な硼化物系サーメット溶射皮膜の空孔部に、後で述べるような方法によって、カーボン粒子を多量に、かつ積極的に充填して、潤滑性に優れたカーボン粒子の内部供給型溶射皮膜とし、溶融ガラス塊との離型性を一段と向上させるとともに、その性能を長期間に亘って維持できるようにするものである。
金属硼化物サーメット粒子に添加されるプラスチックの粉末は、1〜60μmの大きさのものを用いる。もし、この粉末の粒径が1μmより小さいと、溶射熱源中で完全に分解してガス化するため、プラスチック添加の作用と効果が減殺さる。一方、この粉末が60μmより大きくなると、その大部分が溶射熱源中で不完全燃焼のまま溶射皮膜中に残留して、大きな空洞を多数生成し、皮膜全体の膜質、特に機械的強度を低下させるため好ましくない。また、このような性状の溶射皮膜の表面を研磨しても、平滑面を得ることは困難であり、溶融ガラス塊成形用金型の皮膜として適当でないからである。
金属硼化物サーメット材料に対し、粒径1〜60μmプラスチックの粉末を添加する場合、その量は容量(容積割合)で0.5〜10%の範囲がよく、特に3〜5%の範囲が好適である。その添加量が0.5%より少ないと、硼化物系サーメット溶射皮膜の気孔率が低く、一方、10%超添加すると気孔率が50%以上となって本発明の目的に使用できないし、溶射皮膜の機械的強度が低下する。従って、本発明では、3成分系の硼化物系サーメット溶射粉末材料を溶射して形成された複合型の硼化物系サーメット溶射皮膜の気孔率は10〜45%の範囲に規定する。なお、この気孔率は成膜後、その断面部を研磨し、市販の画像解析装置によって空孔部の面積を求めて得られた値である。
(6)硼化系サーメット溶射皮膜の形成方法
金型基材の表面に、前記3成分系からなる硼化物系サーメット溶射粉末材料を溶射して硼化物系サーメット溶射皮膜を形成する方法としては、大気プラズマ溶射法や減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、爆発溶射法などを適用することできる。その他、溶射雰囲気ガスの温度を低くしたワームスプレー、コールドスプレーなどによっても成膜は可能である。これらの方法による棚化物系サーメット溶射皮膜は、金型(基材)内表面に直接形成してもよく、また、基材表面にアンダーコートを施工した後、トップコートとして前記硼化物系サーメットの溶射皮膜を被覆して積層してもよい。
硼化物系サーメット溶射皮膜の厚さは、50〜1000μmの範囲がよく、特に100から300μmの厚さにすることが好ましい。その理由は、50μm未満の厚さでは、基材表面に均等な厚みで成膜することができないからであり、一方、1000μm超の厚さの溶射皮膜では、溶射時間が長くなるとともに、溶射材料使用量の増加に加え、カーボン粒子の含浸処理にも長時間を要するなど、生産コストの上昇を招くからである。
なお、本発明の硼化物系サーメット溶射皮膜は、金属・合金成分を10〜80mass%の割合で含ませているため、アンダーコートの施工は必須の条件ではないが、厚膜、例えば300μm以上の皮膜を形成する場合には、トップコートとの密着性を向上させることが望まれるので、できればアンダーコートを施工することが望ましい。
(6)硼化物系サーメット溶射皮膜中へのカーボン粒子の含浸−充填、被覆処理
溶射法によって形成された3成分含有硼化物系サーメット溶射皮膜には、通常、溶射皮膜特有の気孔が存在する。この溶射皮膜の気孔率は、溶射法や溶射条件によって変動するが、発明者らの知見によると、大体10〜45%(皮膜の断面を画像解析装置によって測定した面積率)程度であり、また、これらの気孔は存在形態によって、次のように分類される。
(i)密閉気孔:皮膜の内部に閉ざされている気孔(閉気孔ともいう)
(ii)開口気孔:皮膜の外部へ通じている気孔(開気孔ともいう)
(iii)貫通気孔:皮膜の表面から基材まで繋がっている気孔
(iv)連通気孔:皮膜の外部へ通じている気孔が皮膜の内部で複数の気孔同士が互いに連結している気孔
これらの気孔類の存在は、溶射皮膜の熱伝導率の低下には影響するものの、ガス状や液体状の腐食成分の侵入径路となって、溶射皮膜製品の耐食性低下の原因となるため、多くの用途では欠点として取り扱われている。さらに、これらの気孔の存在は皮膜の表面加工(研磨)時の精度向上の妨げる原因となり、成形後のガラス製品の品質(平滑性の欠如、表面症の転写など)低下の原因となることから生産技術上の大きな課題ともなっている。
そこで、本発明では、硼化物系サーメット溶射皮膜中に存在する前記開気孔の割合が面積率にして10〜45%になるように形成し、その気孔内部に下記のカーボンの微粒子を含浸させて充填することにより、溶射皮膜表面の平滑度を向上させると共に、該溶射皮膜に溶融ガラス塊との潤滑性や離型性に優れる特性を付与する。このことによって、本発明の場合、成形作業中のカーボン類の塗布や供給が不要となるほか、成形ガラス製品の品質向上を図ることができる。
(7)硼化物系サーメット溶射皮膜開気孔部中へのカーボン微粒子の含浸方法
硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部へ注入するカーボン粒子としては、次のような性状のものが推奨される。即ち、カーボンの種類としては、天然のグラファイト、石油や石炭などの化石燃料から得られるカーボン、植物油の燃焼、炭化処理によって得られる煤、高分子材料の焼成処理によって得られる炭素などが好適である。また、カーボンの微粒子の粒径としては、0.1nm〜10μm程度のものを用い、その微粉末を水スラリ、オイルスラリ状にして溶射皮膜に吹き付けたり、それらの中に溶射皮膜を浸漬することによって開気孔の内部へカーボンの粒子を供給して含浸させる。その他の供給方法としては、カーボンの粒子をグリースやワセリンなどの粘稠な油脂類中に混入し、これを溶射皮膜の表面に塗布することによっても含浸させることができる。なお、グリースやワセリンは含浸後の加熱工程において、それ自体が熱分解してカーボン源となってカーボン粒子の含浸効果を向上させる利点がある。
前記溶射皮膜開気孔中へのカーボン微粒子の含浸に際しては、環境を大気圧以下の減圧あるいは予め溶射皮膜を50〜150℃程度に加熱しておくと、グリースやワセリンの内部侵入が容易となるので好都合である。
次に、カーボンの微粒子を含浸させた溶射皮膜は、電気炉中で100℃〜550℃、1〜5時間程度加熱することによってスラリ中の水やオイルをはじめ有機溶媒などを蒸発・揮散させると共に、グリースやワセリンについては熱分解反応によって生じるカーボン成分のみが皮膜の気孔部にカーボン微粒子と一緒に残留する。なお、1回の前記含浸(加熱)処理では溶射皮膜の気孔部にカーボン微粒子を十分に含浸充填できないこともあるので、このような場合は、前記カーボン微粒子の含浸と加熱操作を繰返し実施することによって、該カーボン微粒子の充填率を高めることができる。このような操作によって、カーボン微粒子はサーメット溶射皮膜の表面にも付着して残留することになるが、これらのカーボン微粒子も皮膜表面の平滑度を向上させると共に、溶融ガラス塊との摩擦抵抗を下げ、成形後のガラス製品の剥離を容易にするという重要な役割を担う。このような処理を終えた溶射皮膜を、以下、カーボン粒子充填−被覆構造の溶射皮膜という。
なお、カーボンの微粒子の含浸・充填処理する時に100℃〜550℃に加熱する操作は、溶射熱源中で未完全燃焼の状態で溶射皮膜中に残留するプラスチック粉末を完全に分解・ガス化したり、炭化状態にしてプラスチック粉末の原形を消滅させ、その消滅部が気孔部となって、多くのカーボンの微粒子を含浸させる基点をつくる効果がある。
図3は、開気孔部内にカーボン微粒子を含浸させて充填した後、加熱して焼結する前後の溶射皮膜の断面模式図を示したものである。図3(a)は、溶射直後の金属硼化物・耐熱合金・プラスチックの3つを構成成分とする硼化物系サーメット溶射皮膜の断面を示したもので、基材31の表面に金属質のアンダーコート32を施工し、その上にトップコートとして金属硼化物と耐熱合金とプラスチックとからなる硼化物系サーメット粒子を溶射して堆積させた積層状態の硼化物系サーメット溶射皮膜33を形成した例を示している。
前記硼化物系サーメット溶射粉末材料の構成成分であるプラスチック粉末の大部分は、高温の溶射熱源中を通過する際に、分解してガス状物質となって気散するので、皮膜中に粉末として残留するものは非常に少ない。ただ、熱源の中心部から外れた粉末や比較的大きな粉末は、未完全な燃焼状態で皮膜中に丸い粒子形状の痕跡を残すようにして残留するものがある。しかし、これらの粉末は炭化状態で存在するので、カーボン粒子の含浸処理時には、油脂類を吸着しやすく好適な状態で体積の比較的大きい気孔を形成する。一方、金属硼化物と耐熱合金などの粒子は、溶射熱源中で強熱されても軟化現象を示しつつ、アンダーコートの表面に衝突し、溶射皮膜の主成分として、恰も硼化物サーメット粒子のみを溶射したような状態で皮膜を形成することとなる。
ただ、硼化物は高融点のものが多く(例えばZrB 3250℃、CrB 2200℃)、その上、高温環境に被曝されても。金属のように軟化したり流動現象を示すことがないので、プラズマ熱源で溶射された場合でも、硼化物粒子は不完全溶融状態でアンダーコート面に吹き付けられるため、積層粒子同士の融合化が十分でなく、大小様々な空隙が形成され、これが皮膜の気孔源となっているがその形状は一般に細長い樹枝状であり、球状を示すことはない。なお、34は閉気孔、35は開気孔、36は貫通気孔部を模式的に示したものである。
一般に、金属硼化物は高融点のものが多く(例えば、ZrB:3250℃、CrB:2200℃)、その上、高温環境に被曝されても金属のように軟化したり流動現象を示すことがないので、プラズマ熱源で溶射された場合でも多くの硼化物の粒子は不完全溶融状態でアンダーコート面または基材面に吹き付けることができる。従って、この場合、積層粒子同士の融合化が不十分になるため、どうしても大小様々な空隙が生成し、これがこの溶射皮膜の気孔源となっているが、その形状は一般に細長い樹脂状であり、球状を示すことはない。
一方、図3(b)はカーボン粒子を含浸処理した後の溶射皮膜の断面模式図を示したものである。該溶射皮膜は、硼化物系サーメット粒子どうしの融合が十分でない部分が空隙部となって存在する開気孔35内に、カーボン粒子を含浸させて充填した部分36(黒色部)、さらに、その充填部分の先端部は溶射皮膜の表面にまで露出して被覆したようなカーボン粒子層37の状態となっている。しかも、このカーボン微粒子は溶射皮膜表面にも堆積状態で形成されるので、溶射皮膜の全体にわたり、表面はもとより、皮膜内部の空隙部や気孔部は全てカーボンは溶射皮膜表面にも固着状態で形成されるので、カーボンの微粒子によって充填・被覆される。
従って、このようなカーボン微粒子の露出部は、皮膜表面の全体に斑点状もしくは膜状となって分布しているので、溶融ガラス塊の成形時、カーボン微粒子が露出した部分を有する硼化物系サーメット溶射皮膜の表面に溶融ガラスが接触すると、該溶融ガラスは金属硼化物−耐熱合金に加え、前記カーボン粒子露出部とも同時に接触し、溶融ガラスの流動性を高めると共に、成形後のガラス製品の離形を促進する作用を発揮する。なお、該カーボン微粒子の含浸処理時、溶射皮膜の表面に対してカーボン粒子が膜状となって形成(被覆)されるので、この膜状のカーボン微粒子堆積層38も溶融ガラス塊の成形に対し有用な働きを行う。
(6)膜表面の研削・研磨
カーボン粒子充填−被覆構造を有する硼化物系サーメット溶射皮膜は、その表面を機械加工によって研削・研磨加工を施すことが好ましい。カーボン微粒子を含浸させた溶射皮膜の表面は、Ra:5〜10μm程度、Rz:15〜25μm程度と非常に粗く、このままではガラスの成形面にその粗さがそのまま直接転写され、品質低下の原因となる。そこで本発明では、Ra:5μm未満程度、Rz:15μm未満程度の平滑面に仕上げることが好ましい。なお、溶射皮膜の表面を研削・研磨すると、前記カーボン微粒子の含浸処理時には閉気孔として存在していた気孔部が開気孔に変化するものがある。このため、研磨後の溶射皮膜は再度カーボン粒子の含浸充填処理を繰返すことが推奨される。
前記硼化物系サーメット溶射皮膜の表面粗さをRa≦5μmにする理由は、溶融ガラス塊との接触抵抗を小さくするとともに、平滑なガラス成形面を確保するためであり、一方、Rz<15μmにする理由は、ガラス成形面に溶射皮膜の荒さが転写して、不良品発生の原因となる倶れがあるからである。
(7)カーボン粒子充填−被覆構造を有する硼化物系サーメット溶射皮膜の特徴
溶射皮膜にカーボン微粒子を含浸させて得られるカーボン粒子充填−被覆構造を有する硼化物系サーメット溶射皮膜については、この皮膜表面に少なくともカーボンの一部が露出状態で存在しているため、成形用溶融ガラスと直接接触することになり、このことが優れた潤滑性と離型性とを発揮することになる。加えて、溶射皮膜の表面を被覆したり、開気孔内に充填されているカーボン微粒子と接触する皮膜成分の耐熱合金粒子(Cr)とが反応することで、カーボンと同等の潤滑性および離型性を有するクロム炭化物を合金粒子の表面に生成させる効果もある。
即ち、皮膜の開気孔内のカーボン微粒子は、含浸させるための加熱・焼成時および高温の溶融ガラス塊と接触する時、溶射皮膜内では、カーボン微粒子とサーメット成分として添加されているNi−Cr合金粒子のCr成分が互いに反応して、クロム炭化物(Cr、Cr23)を生成して合金粒子の表面を完全に被覆することとなる。そのため、溶融ガラスとの強い結合力を有する金属Cr成分の作用によって、頻発する狭い形状を有する成形用金型の入口部におけるガラス塊の通過障害を抑制し、ガラスと接触する溶射皮膜の表面では、潤滑性と離型性に優れる金属硼化物、クロム炭化物、カーボン粒子のみの皮膜となる。しかも、より特徴的なことは、本発明に係るカーボン粒子充填−被覆構造を有する硼化物系サーメット溶射皮膜を用いると、皮膜内部からのカーボン粒子の供給によって、前記カーボン粒子の効果を長期間にわたって維持できるほか、作業環境汚染物質となる6価クロムの発生を防止する上で有効な金型内表面処理を行なうことができる。
(実施例1)
この実施例では、金属硼化物、耐熱合金およびプラスチックの3成分からなるサーメット溶射皮膜の密着性を熱衝撃試験法により調査した。
(1)供試基材:供試基材として、SUS410鋼(寸法:幅50mm×長さ50mm×厚さ3.9mm)を用いた。
(2)溶射材料:金属硼化物として、CrB、MoB、ZrBを用い、それぞれの金属硼化物粒子に、NiまたはNi−20mass%Cr合金を50mass%配合してなる金属硼化物サーメット溶射粉末材料を準備し、この溶射粉末材料に粒径10〜30μmのポリエチレンを容量で3%の割合で添加した硼化物系サーメット溶射粉末材料を調整した。そして、この硼化物系サーメット溶射粉末材料を大気プラズマ溶射法によって基材の片面に溶射して150μm厚さの溶射皮膜を形成した。また、比較例の溶射皮膜として、金属硼化物サーメット粒子のみの皮膜とNi−Cr合金のみの皮膜を大気プラズマ溶射法によってそれぞれ150μm厚さに形成した。
(3)カーボン粒子の含浸:すべての供試溶射皮膜に対し、本発明に係るオイルスラリ状のカーボン粒子の含浸処理を行ない、含浸処理をしない供試皮膜との耐熱衝撃性を比較した。
(4)試験方法:上記溶射皮膜被覆試験片を、電気炉中で650℃×15分間加熱した後、これを炉外に取り出し、送風機の空気を流しながら、80℃以下の温度に冷却させる操作を1サイクルとし、合計10サイクルの試験を繰り返した。なお、1サイクルの試験毎に、溶射皮膜の表面を拡大鏡(×8)によって観察し、“ひび割れ”や局部剥離の有無を調べた。
(5)試験結果:試験結果を表1に示した。この試験結果から明らかなように、金属硼化物サーメットにプラスチック粉末を添加した本発明に適合す三成分系の硼化物系サーメット溶射材料を用いて形成した溶射皮膜(No.l、5、9)は、カーボン粒子の含浸の有無に拘らず、優れた密着性を示した。即ち、一般的に広く利用されている比較例のサーメット溶射皮膜(No.2〜4、6〜8、10〜12)及び金属皮膜(No.13、14)と比べると、同等の耐熱衝撃性を示し、昇温・降温が繰り返し行われる環境下において優れた密着性を発揮することが確認できた。
Figure 0005719399
(実施例2)
この実施例では、金属硼化物、Ni、Ni−Cr耐熱合金、プラスチックの3成分を含有する硼化物系サーメット溶射材料のNi、Ni−Cr耐熱合金中のCr含有量の相違による6価クロム化合物生成の有無と溶融ガラス塊との密着性について調査した。
(1)供試基材:実施例1と同じ基材を用いた。
(2)溶射材料:金属硼化物としてMoBを用い、これに添加するNi−Cr耐熱合金中のCr含有量を5〜55.5mass%の範囲で変化させた合金を用いて、金属硼化物サーメットを調製した後、粒径10〜30μmのポリエチン粉末を容量で5%添加し3成分系の溶射粉末材料をつくり、これを大気プラズマ溶射法によって、膜厚150μmの溶射皮膜とした。なお、金属硼化物と耐熱合金成分との割合は、50/50(mass%)とした。
(3)6価クロムの生成試験:この試験は、供試溶射皮膜を、電気炉中で980℃、100時間加熱した後、溶射皮膜表面に生成している金属酸化物を採取し、化学分析によって、酸化物中に含まれている6価クロム化合物の有無を定性的に調べた。
(4)溶融ガラスとの密着性試験方法:供試皮膜の表面に1200℃の溶融ガラス塊を圧着させた後、室温まで放冷し、皮膜表面に固着したガラス塊を木製のハンマーによって叩き落とすことによって、ガラス塊の密着性を定性的に調べた。
(5)試験結果:試験結果を表2に示した。この結果から明らかなように、Ni−Cr合金中のCr含有量が増加するほど、6価クロム化合物を生成する傾向が大きくなることが判明した。しかし、カーボン粒子を含浸させたサーメット溶射皮膜では、Cr含有量が28mass%以上含むNi−Cr合金(No、7、9、11、13、15)でも、6価クロム化合物の生成は認められず環境汚染の原因とならないことが判明した。この原因はカーボン粒子を含浸させた溶射皮膜ではNi−Cr合金粒子の表面が、カーボン粒子と反応して炭化クロム化合物(Cr、Cr23)を生成して、Ni−Cr合金と空気(酸素ガス)と接触を妨げ酸化反応より炭化反応が優先し、6価クロム酸化物の生成を抑制したものと推定される。さらに、N−Cr合金粒子の表面に膜状に生成する炭化クロム化合物は、耐高温環境性に優れるため、一旦合金の表面に生成をすると長時間にわたって耐高温酸化性を発揮して6価クロム化合物(例えばCrO)を生成を防止したものと考えられる。これらの結果からカーボン粒子の含浸処理は、環境汚染原因は6価クロム化合物の生成を抑制するのみならず、サーメット溶射皮膜の形成に必要な耐熱合金組成の選択範囲の拡大にも貢献することがうかがえる。
また、供試皮膜に対する溶融ガラス塊の密着性は、Ni−Cr合金中のCr含有量が多いほど強くなる傾向を示し、特に、Cr含有量を55.5mass%含む溶射皮膜(No.14、16)では、圧着したガラス塊の剥離が困難なほど強固であった。これに対してカーボン粒子を含浸させた供試溶射皮膜では、Ni−Cr合金中のCr量に関係なく、すべて良好な剥離性を示し、6価クロム化合物生成を抑制可能なクロム炭化物膜は、ガラス塊の剥離性にも大きな効果を有することが確認された。このように実施例2の実験においては、溶射粉末材料に対するプラスチックの添加の有無よりカーボン粒子の含浸効果の方が大きいことが判明した。プラスチックを添加した粉末材料によって形成される溶射皮膜の気孔率は大きくカーボン粒子の含有量も多くなっていることから、溶融ガラス塊との良好な剥離性などの性質を長期間にわたって維持できる効果を保有していることが推定される。
Figure 0005719399
(実施例3)
この実施例では、プラスチック粉末を添加するための金属硼化物と耐熱合金からなるサーメット材料における耐熱合金の含有量を変化させた際の溶射皮膜の密着性及び溶融ガ
ラス塊との剥離性に対するカーボン粒子の含浸効果について調査した。
(1)供試基材:供試基材としてSUS410鋼(寸法:幅50mm×長さ70mm×厚さ3.2mm)を試験片とした。
(2)供試溶射皮膜:金属硼化物としてMoBを用い、Ni−50mass%Cr合金粒子を質量添加率で10〜90%の割合で変化させた金属硼化物サーメット材料に粒径5〜30μmのポリエステル粉末を容量で3%添加したものを大気プラズマ溶射法によって、基材の片面に150μmの厚さに形成した。また、比較例の溶射皮膜としては、カーボン粒子の含浸処理をしていない溶射皮膜を用いた。
(3)カーボン粒子含浸:オイルスラリ状のカーボン粒子を含浸(含浸・焼成サイクルをr3回繰り返し)したサーメット溶射皮膜を発明例として調査した。
(4)試験方法‥皮膜の密着性は、実施例1に開示した熱衝撃試験方法、溶融ガラス塊との剥離性は実施例2で採用した試験方法によって実施した。
(5)試験結果:試験結果を表3に示した。この試験結果から明らかなように、皮膜の密着性は、耐熱合金粒子の含有量が多いほど良好であり、MoBのみの皮膜(No.1、2)では、カーボン粒子含浸処理の有無に関係なく、皮膜にクラックが発生するとともに、皮膜の一部に剥離現象が認められた。また、耐熱合金粒子を10mass%以上含むサーメット溶射皮膜(No.3〜14)では、10サイクルの熱衝撃試験後でも、全く異常はなく良好な状態を維持しており、カーボン粒子の含浸処理は、溶射皮膜の密着性に影響を与えないことが確認された。
一方、溶融ガラス塊との剥離性試験では、耐熱合金粒子の添加量10mass%以上の皮膜(No.4)でガラス塊の剥離性が悪くなり、20mass%以上のサーメット皮膜(No.6、8、10、12、14)及び耐熱合金のみの皮膜(No.16)を含めてガラス塊の剥離が困難なほど強固な結合性が確認された。これに対し、カーボン粒子を含浸させた皮膜では、カーボン粒子及びNi−Cr合金表面に生成する炭化クロム化合物の存在によって溶融ガラス塊とNi−Cr合金粒子との直接的な結合が妨げられるため、供試皮膜とガラス塊との剥離性は極めて良好であった(No.3、5、7、9、11、13、15)。
Figure 0005719399
(実施例4)
この実施例では、金属硼化物と耐熱合金からなる金属硼化物サーメット溶射粉末材料に添加するプラスチック(粉末)の添加量を変化させて形成した溶射皮膜の溶融ガラス塊との剥離性を調査した。
(1)供試基材:実施例3と同じ試験片を使用
(2)供試溶射皮膜:金属硼化物としてMoBを用い、これにNi−20mass%Cr耐熱合金粉末を質量で50%含むサーメット溶射粉末材料に粒径1〜5μmのポリエチレン粉末を容量で0.5〜20%の割合で変化させた3成分含有硼化物系サーメット溶射粉末材料を調整し、その後、これらを大気プラズマ溶射法によって、基材の片面に150μm厚さに形成した(3)カーボン粒子の含浸:実施例3と同じ条件にて処理
(4)溶融ガラス塊の圧着試験は実施例3と同じ条件で実施した。
(5)試験結果:試験結果を表4に示した。この試験結果から明らかなように、カーボン粒子を含浸させた溶射皮膜は溶融ガラス塊との剥離性が良好であった。ただ、試験片No.6、7のようにプラスチック粉末を15〜20%(容量%)添加した粉末材料で形成した溶射皮膜では、溶融ガラスの圧着面に凹凸部が比較的多く発生している傾向が見られた。この原因は、プラスチック粉末を多く含む粉末材料で形成された溶射皮膜では気孔の発生率が高くなり、皮膜表面に大きな凹部を形成したためと考えられる。このようなことから、本願発明ではプラスチック粉末の添加量は0.5〜10%(容量%)の範囲が好適と判断した。
Figure 0005719399
(実施例5)
この実施例では、製びん用金型の表面に、本発明に適合する3成分含有硼化物系サーメット溶射粉末材料を用いて形成した溶射皮膜にカーボン粒子を含浸させた硼化物系サーメット溶射皮膜を含む、各種の溶射皮膜や従来技術の黒鉛塗布などについて、実際の作業条件下における製びん作業性について調べた。
(1)供試金型:鋳鉄製のニッ割れ状の金型の表面に次に示す溶射皮膜を形成した。
本発明に適合する溶射皮膜として、MoB、Wに対して、Ni−40mass%Cr合金を50mass%混合した金属硼化物サーメット材料に、粒径1〜5μmのポリエチレン粉末を8%(容量)添加した材料を大気プラズマ溶射法によって250〜300μmの厚さの溶射皮膜を形成した。
その後、得られた溶射皮膜の開気孔部に、カーボン粉末を含むオイルスラリーを使ってカーボン粒子の充填処理を施した。また、比較例の皮膜としてAl、ZrO・8Yなどの酸化物に対し、Ni−20mass%Cr合金を50mass%混合した金属酸化物サーメット溶射皮膜を大気プラズマ溶射法によって250〜300μmの厚さに形成したものと、金属の表面に黒鉛粉末を直接塗布する方法を供試した。また、これらの供試皮膜の表面は機械加工によって、Ra:5μm以下、Rz:15μm以下の粗さに仕上げた。
(2)試験:実作業中の製びんプラントにおける供試皮膜の試験項目は、溶融ガラス塊の金型内部への挿入状況の観察と試験表面の観察(ひび割れ、局部剥離などの有無)である。
(3)試験結果:試験結果を表4に示した。この試験結果から明らかなように比較例のAlサーメット皮膜は(No.3)は溶融ガラス塊の金型内部への挿入抵抗が大きくたびたび黒鉛粉末の塗布作業が必要となった。また、試験終了後の溶射皮膜にはクラックが発生しており、耐熱衝撃性にも劣っていることが認められた。そこで、ZrO・8Yサーメット溶射皮膜は熱衝撃には強い抵抗力を発揮し、皮膜の表面には大きなクラックの発生は見られなかったが、溶融ガラス塊の金属内部への挿入抵抗が大きく実用性に乏しいことが判明した。
これに対し、硼化物系サーメット溶射皮膜にカーボン粒子を含浸させた皮膜(No.l、2)は180時間以上の連結作業を円滑に遂行できるとともに、成型後のガラスびんにも品質上の問題はなく、良好な製品が得られた。なお、比較例の金型に対する黒鉛塗布処理は、黒鉛による環境汚染に加え、熟練作業員を必要とするなどの問題点が多い。
Figure 0005719399
本発明の技術は、前述した溶融ガラス塊成型用金型の他、ガラス填製造工程における溶融ガラス塊の搬送用部材をはじめ、大型のガラス成形品やガラス板材、自動車用ウインドガラス成形品の熱処理ロール、そのほかの高温用搬送用ロールの表面処理技術としても有用である。
1 溶融ガラス
2 ガラス溶解炉
3 作業室
4 フィーダー
5 オリフイス
6 ガラス切断機
7 カラス塊
8 フアンネル
9 スクープ
10 トラフ
11 デフレクター
12 製びん用金型
13 成形されたびん
14 溶射皮膜
31 基材
32 アンダーコート
33 硼化物系サーメット溶射皮膜
34 閉気孔
35 開気孔
36 貫通気孔部
36´ 開気孔部内に充填されたカーボン微粒子
37 溶射皮膜表面を被覆したカーボン微粒子
38 カーボン微粒子堆積層

Claims (14)

  1. 溶融ガラス塊と接触する金型内表面に、直接またはアンダーコートを介し、金属硼化物、耐熱金属・合金およびプラスチックからなる硼化物系サーメット溶射皮膜が被覆されたものであって、該硼化物系サーメット溶射皮膜は、この皮膜の開気孔部内にカーボン粒子が含浸処理によって充填されていると共に、該皮膜表面にもカーボン粒子が被覆されているカーボン粒子充填−被覆構造を有することを特徴とする溶融ガラス塊成形用金型。
  2. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、TiB、ZrB2、、HfB、VB、TaB、NbB、W、CrB、NiB及びMoBから選ばれるいずれか一種以上の金属硼化物を20〜90mass%含有し、残部がNiもしくはCr含有量が50mass%未満のNi−Cr合金を含有する金属硼化物サーメット溶射粉末材料に対し、容量で0.5〜10%のプラスチックを混合してなる3成分含有溶射粉末材料を溶射して形成した皮膜であることを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  3. Ni−Cr合金を含む前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、Crの少なくとも一部が炭化クロム化合物に変化していることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  4. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、開気孔率が10〜45%の皮膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  5. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部内に含浸によって充填されるカーボン粒子は、粒子径が0.1nm〜10μmの大きさであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  6. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、表面粗さRaが5μm以下、Rzが15μm以下の平滑面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  7. 前記アンダーコートは、Ni−Al、Ni−Cr、Ni−Cr−Al、自溶合金、MCrAlX合金(但し、MはCoおよび/またはNi、Xは希土類元素から選ばれるいずれか1種以上の合金)の溶射皮膜であって、膜厚が50〜150μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型。
  8. 溶融ガラス塊と接触する金型内表面に、直接またはアンダーコートを介し、金属硼化物、耐熱金属・合金およびプラスチックからなる金属硼化物系サーメット溶射粉末材料を大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法、爆発溶射法のうちから選ばれるいずれかの溶射法によって溶射することにより、膜厚50〜1000μmの硼化物系サーメット溶射皮膜を被覆形成し、その後、その溶射皮膜表面の開気孔部からカーボン粒子を含浸させて充填すると同時に表面にも被覆し、その後、焼成することによって、カーボン粒子充填−被覆構造の硼化物系サーメット溶射皮膜にすることを特徴とする溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  9. カーボン粒子充填−被覆構造の硼化物系サーメット溶射皮膜は、溶射皮膜の表面に対し、水、有機溶媒、オイルまたは粘稠な油脂類や流動性を有する高分子化合物から選ばれる1種以上の媒体に粒径0.1nm〜10μmのカーボン粒子を混合して得られるスラリーを吹き付け、浸漬あるいは塗布するなどして、まず、該硼化物系サーメット溶射皮膜の開気孔部内にカーボン粒子を含浸処理し、その後、電気炉中で100℃〜550℃、1〜5時間の加熱処理を施こすることにより、カーボン質のみを該溶射皮膜の内部に充填すると同時に該皮膜表面に残留させて膜状に被覆したものであることを特徴とする請求項8に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  10. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、TiB、ZrB2、、HfB、VB、TaB、NbB、W、CrB、NiB及びMoBから選ばれるいずれか一種以上の金属硼化物を20〜90mass%含有し、残部がNiもしくはCr含有量が50mass%未満のNi−Cr合金を含有する金属硼化物サーメット粉材料に対し、容量で0.5〜10%のプラスチックを混合してなる3成分含有溶射粉末材料を溶射して形成した皮膜であることを特徴とする請求項8または9に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  11. Ni−Cr合金を含む前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、Crの少なくとも一部が炭化クロム化合物に変化していることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  12. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、開気孔率が10〜45%の皮膜であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  13. 前記アンダーコートは、Ni−Al、Ni−Cr、Ni−Cr−Al、自溶合金、MCrAlX合金(但し、MはCoおよび/またはNi、Xは希土類元素から選ばれるいずれか1種以上の合金)の溶射皮膜であって、膜厚が50〜150μmであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
  14. 前記硼化物系サーメット溶射皮膜は、表面粗さRaが5μm以下、Rzが15μm以下の平滑面を有することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の溶融ガラス塊成形用金型の製造方法。
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