JP5718862B2 - プリント配線板上保護フィルムの剥離治具 - Google Patents
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Description
このとき、この種の電子機器は、内部で電磁波などのノイズを輻射することがあり、さらに、電磁波が外部から侵入すると誤動作を起こすことがある。このため、電磁波が電子機器内外を通り抜けることがないようにする必要があり、そのための電磁シールドといった遮蔽層は、筐体等に接続(接地)される。
このような状況下、FPCにおいても、電磁波シールド対策が必須となっており、電磁波シールド対策を施したフレキシブルプリント配線板(以下、「シールドFPC」とも言う。)が多用されている。
なお、シールドフィルム2をグランド材3でもって接地した場合、上記絶縁フィルム1cの開口部1dを介したシールドフィルム2のシールド層(金属薄膜層)2aとグランド線1b2との接続による接地は省略される場合が多い。
このとき、熱圧着前のグランド材3の表面には小片の保護フィルム4が接着層を介して貼着され、接続前にその保護フィルム4を剥がしている。
その保護フィルム4を剥がす(剥離)には、粘着テープや粘着剤塗布の棒をその保護フィルム4に当てがい、その粘着力で行なったり、剥離治具を使用したり、図7に示すように、保護フィルム4にタグ4aを付けてそのタグ4aでもって剥がしたりしている。
また、剥離治具は、特許文献2や同3に記載のものがあるが、何れも、大型であって、小さな片(例えば、5mm×5〜10mm四方形)の保護フィルム4の剥離には向いていない。さらに、大型であると、グランド材3やシールドフィルム2やさらに基体フィルム1に傷を付け易い。
タグ4aを有する保護フィルム4は、そのタグ4aを介した剥離は比較的容易ではあるが、上記圧着(プレス)時、そのタグ4aもグランド材3表面に押圧されるため、その表面に凹部が形成され(凹みとなり)、外観不良の原因となる。また、タグ4aに粘着剤が塗布されていた場合、保護フィルム4の剥離後においてもその粘着剤がグランド材3の表面に残る恐れもある。
剥離刃の先端縁の形状が直線状であると、直線的な接触であるため、剥がれ難いと共に傷付け易い。また、同形状が先の尖った形状であると、尖端で傷付け易い。これに対し、剥離刃が可撓性を有すれば、押圧されることによって、円弧状の先端縁がある程度の長さを有して接して、尖端による点接触とならないから、傷付け難いと共に、円弧縁で徐々に接触線が長くなって接触するため、剥がし易い。このとき、剥離刃の先端縁が保護フィルムに接する面側に向かい先側に下り傾斜面となっているので、その先端縁は薄いため、保護フィルムとプリント配線板等の表面の間に円滑に入り込んでその保護フィルムを円滑に剥がし得る。
上記プリント配線板は、プリント回路を有する基板の片面にシールドフィルムを被覆し、そのシールドフィルムの外側面に保護フィルムが貼着されたものとしたり、同基板の片面にグランド材を被覆し、そのグランド材の外側面に保護フィルムが貼着されたものとしたり、同基板の片面にシールドフィルムを被覆し、そのシールドフィルムの外側面にシールド層に接続されたグランド材が設けられ、そのグランド材の外側面に保護フィルムが貼着されたものとしたりすることができる。
剥離刃11の上面には副刃12が設けられており、その副刃12の先端縁12aは上方に向かって立上がっている。この円弧状先端縁12aは剥離刃11によって剥ぎ取られた保護フィルム4の剥ぎ取られ端が当ってその端を上方に押し上げたり、剥離刃11との間で剥ぎ取られた保護フィルム4を挟持したりして剥離作用を円滑にする。この副刃12も剥離刃11と同様に鉛筆硬度で「2H」とした。
このとき、剥離刃11は樹脂製で可撓性を有するため、押圧されることによって、円弧状の先端縁11aがある程度の長さを有して接して、尖端による点接触とならないから、傷付け難いと共に、円弧縁で徐々に接触線が長くなって接触するため、保護フィルム4を円滑に剥がし得る。また、剥離刃11の先端縁11aが保護フィルム4に接する面側に向かい先側に下り傾斜面11bとなっているので、その先端縁11aは薄くて保護フィルム4とグランド材3の間に円滑に入り込んでグランド材3を傷付けることなくその保護フィルム4を円滑に剥がし得る。
また、図4に示すシールドフィルム2にかえてグランド材3を貼りつけることもできる。この際の保護フィルム4の剥離にこの発明に関わる剥離治具を使用し得ることは勿論である。
なお、グランド材3の構成は、金属フィラー3bによる手段による態様に限らず、従来の種々の態様の物が採用できることは勿論である。
また、上記実施形態は、プリント回路1bを有する基板1を、ベースフィルム1aの一方の面にのみプリント回路を有する片面型FPCとしたが、その片面型FPCに限らず、ベースフィルム1aの両面にプリント回路を有する両面型FPC、この様なFPCが複数層積層された多層型FPC、さらに多層部品搭載部とケーブル部を有するフレクスボード(登録商標)や、多層部を構成する部材を硬質なものとしたフレックスリジッド基板、或いは、リジッドプリント配線板、テープキャリアパッケージの為のTABテープ等を使用できることは勿論である。
1a ベースフィルム
1b プリント回路
1b1 信号線
1b2 グランド線
2 シールドフィルム
2a シールド層(金属薄膜層)
2b 導電性接着剤層
2c 保護層
3 グランド材
3a グランド材の金属箔
3b 金属フィラー
3c 導電性接着剤層
4 保護フィルム
10 剥離治具本体
11 剥離刃
11a 剥離刃の先端縁
11b 同先端縁の傾斜面
12 副刃
12a 副刃の先端縁
Claims (5)
- プリント配線板上に貼着された保護フィルム(4)を剥離する治具であって、
治具本体(10)に突出して可撓性の片状剥離刃(11)が設けられ、その剥離刃(11)の先端縁(11a)は先側に突出する円弧状となっているとともに、上記保護フィルム(4)の接する面側に向かい前記先側に下り傾斜面(11b)となっていることを特徴とするプリント配線板上の保護フィルム剥離治具。 - 上記剥離刃(11)が、上記保護フィルム(4)の被貼着面より柔らかい樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板上の保護フィルム剥離治具。
- 上記プリント配線板が、プリント回路(1b)を有する基板(1)の片面にシールドフィルム(2)を被覆し、そのシールドフィルム(2)に上記保護フィルム(4)が貼着されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板上の保護フィルム剥離治具。
- 上記プリント配線板が、プリント回路(1b)を有する基板(1)の片面にグランド材(3)を被覆し、そのグランド材(3)に上記保護フィルム(4)が貼着されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板上の保護フィルム剥離治具。
- 上記プリント配線板が、プリント回路(1b)を有する基板(1)の片面にシールドフィルム(2)を被覆し、そのシールドフィルム(2)の外側の面にシールド層(2a)に接続されたグランド材(3)が設けられ、そのグランド材(3)に上記保護フィルム(4)が貼着されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板上の保護フィルム剥離治具。
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