JP4397941B2 - シールドフィルム、シールドプリント配線板、シールドフレキシブルプリント配線板、シールドフィルムの製造方法及びシールドプリント配線板の製造方法 - Google Patents

シールドフィルム、シールドプリント配線板、シールドフレキシブルプリント配線板、シールドフィルムの製造方法及びシールドプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータ、通信機器、プリンター、携帯電話機、ビデオカメラなどの装置内等において用いられるプリント配線板等をシールドするシールドフィルム及びその製造方法と、それを用いて製造されたシールドプリント配線板、シールドフレキシブルプリント配線板及びシールドプリント配線板の製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板(以下「FPC」ともいう。)は、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性絶縁フィルムの少なくとも一方の面に、接着剤を介するか、或いは接着剤を介することなく、プリント回路を有すると共に、必要に応じて、該プリント回路の上面に、回路部品搭載のための端子や、外部基板との接続のための端子を形成する部位に対応して開口を形成した可撓性絶縁フィルムを接着剤により接着するか、或いは、感光性絶縁樹脂の塗工、乾燥、露光、現像、熱処理等の工程により開口を形成する等の手法で表面保護層が形成されているものであり、小型化、高機能化が急速に進む携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、複雑な機構の中に回路を組み込むために多用されている。さらに、その優れた可撓性を生かして、プリンタヘッドのような可動部と制御部との接続にも利用されている。FPCが多用される電子機器においては、電磁波シールド対策が必須となっており、装置内で使用されるFPCにおいても、電磁波シールド対策を施したシールドフレキシブルプリント配線板(以下「シールドFPC」という。)が用いられるようになってきた。
また、近年では、フレックスリジッド基板やフレクスボード(登録商標)等のように、部分的にプリント配線板を積層し、部品搭載のための多層部と成し、該多層部から外部に伸張するケーブル部を併せ持つものに採用されてきている。特にこれら基板のケーブル部において、上記同様に、電磁波シールド対策が必要とされてきている。
シールドFPCは、可撓性絶縁フィルムをカバーフィルムとして用い、このカバーフィルムの片面にシールド層を設け、他面に剥離可能な粘着性を有する粘着性フィルムを貼り合わせて補強シールドフィルムを形成し、FPCの少なくとも一方の面側に導電性接着剤を用いて、加熱・加圧することで該シールドフィルムを貼付するとともに、該シールド層とFPCに設けられたグランド回路とを、導電性接着剤を介して電気的に接続した後、粘着性フィルムを剥離してなる。ここで、特段にシールド層とグランド回路との電気的接続を必要としない場合は、導電性接着剤に代えて、導電性が付与されていない通常の接着剤を用いて貼付すれば良い。FPCは直接リジッド配線板等に接続されたり、上記のフレックスリジッド基板やフレクスボード等のように部品搭載多層部がケーブル部と連続して形成されることもあり、この場合には必要に応じて、リジッド配線板や部品搭載多層部等の上にも上記と同様にしてシールド層を設けることで対処可能となる。
しかし、シールドフィルムに用いられるカバーフィルムはポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエステル、芳香族ポリアラミド等のエンジニアリングプラスチックからなる場合が多く、厚みが厚い(例えば9μm)か剛性が大きいため可撓性が悪くなる。また、シールドFPCにおいて、粘着性フィルムを剥離した後、カバーフィルム上にガラスエポキシ基板等を接着しシールドFPCを補強する場合に、PPSが難接着性であるためガラスエポキシ基板等と接着をすることが困難であった。
この問題を解決するために、特許文献1には、耐熱性・接着性に優れた樹脂をセパレートフィルムの片面に剥離剤層を介してコーティングすることでカバーフィルムを形成し、更に金属層を介して接着剤層を設けたシールドフィルムおよびその製造方法が開示されている。ここでのカバーフィルムは可撓性に優れるのはもちろん、コーティングによって形成されるため厚みが約5μmと薄く、また、接着性を有するため、セパレートフィルム剥離後にガラスエポキシ基板等を容易に接着させることができる。
特開2004−95566号公報
しかしながら、次のような問題がある。即ち、(1)ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性に優れた樹脂をコーティングすることによって形成されたカバーフィルムは柔らかいため、例えば、携帯電話やプリンターなどの可動部に使われるシールドFPCに用いられる場合、ハウジングなど他のものとこすれると磨耗してしまい、セパレートフィルム剥離後の保護層としての機能を果たさない。(2)そればかりか、加熱・加圧されると、下地となるカバーフィルムが柔らかいために、グランド回路接続用絶縁除去部の上部にへこみが生じ、金属層に亀裂・断裂等の破壊が生じる場合がある。(3)また、カバーフィルムは接着性に優れるために、回路部品搭載工程におけるリフロー工程等の加熱を要する工程中で、配線板を搭載して搬送する搬送用冶具や搬送ベルト等の他のものに接触するとくっついてしまい、耐ブロッキング性が悪い。
そこで、耐摩耗性に優れた樹脂を用いて高硬度なカバーフィルムを形成することも考えられるが、このようなカバーフィルムを用いたシールドフィルムをプリント回路を含む基体フィルム上に接着しようとすると、高硬度なカバーフィルムは脆性があるため絶縁フィルムの絶縁除去部の凹凸に起因して割れてしまう。
本発明の目的は、金属層に破壊が生じることがなく、耐磨耗性、耐ブロッキング性に優れ、割れたりしないカバーフィルムを備えたシールドフィルム、シールドプリント配線板、シールドフレキシブルプリント配線板、シールドフィルムの製造方法及びシールドプリント配線板の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明のシールドフィルムは、セパレートフィルムと、前記セパレートフィルムの片面に設けられたカバーフィルムと、前記カバーフィルムの前記セパレートフィルムに接する面とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層と、を備えた、絶縁層に形成された溝部と直に接するように形成されてなるグランド回路を含むプリント回路を有したフレキシブルプリント配線板の前記溝部側の面に貼付するためのシールドフィルムにおいて、前記カバーフィルムが、ハード層と、加熱・加圧する際に前記ハード層への圧力伝達を緩やかに行わせるクッション効果を有するソフト層とを各々少なくとも1層以上備えると共に、該カバーフィルムの前記セパレートフィルムに接する面はハード層であり、
前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなることを特徴とする。
上記本発明のシールドフィルムによると、セパレートフィルムに接する面はハード層であり、セパレートフィルム剥離後に耐摩耗性に優れたハード層が保護層としての役割を果たすため、カバーフィルムの磨耗を防止することができる。また、ハード層は耐ブロッキング性に優れるため、加熱を要する工程中で、他のものにくっつくこともない。このようなハード層上にソフト層を介して設けられた金属層は、ハード層の優れた硬度により、加熱・加圧プレスされても亀裂・断裂等の破壊を生じない。また、シールドフィルムをプリント回路を含む基体上に接着する際に、ソフト層のクッション効果によって、ハード層の割れを防止することができる。
また、本発明のシールドフィルムにおいては、上述のハード層およびソフト層のうち、少なくとも1層がコーティング層であってよい。これによると、シールドフィルムの厚さを薄くすることができると共に、柔軟性に優れたシールドフィルムを提供することができる。
本発明のシールドプリント配線板は、少なくとも一層以上のプリント回路を含む基体の少なくとも片面上に、接着剤層を介して金属層と、該金属層の接着剤層とは反対の面にカバーフィルムとを有するシールドプリント配線板において、前記プリント回路が、グランド回路を有しているとともに、絶縁層を介して前記接着剤層と接着され、前記絶縁層が、前記グランド回路と直に接するように形成された溝部を有し、前記グランド回路と前記接着剤層とが前記溝部を介して接触しており、前記カバーフィルムが、ハード層と、加熱・加圧する際に前記ハード層への圧力伝達を緩やかに行わせるクッション効果を有するソフト層とを各々少なくとも1層以上備えると共に、該カバーフィルムの最表面層はハード層であり、
前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなることを特徴とする。
このような、本発明のシールドプリント配線板によると、カバーフィルムの最表面層が耐摩耗性、耐ブロッキング性に優れたハード層であるため、カバーフィルムの磨耗を防止することができる。また、ハード層は耐ブロッキング性に優れるため、回路部品搭載工程におけるリフロー工程等の加熱を要する工程中で、配線板を搭載して搬送する搬送用冶具や搬送ベルト等の他のものにくっつくこともない。
また、本発明のシールドプリント配線板においては、前記プリント回路は、ベースフィルム上に形成された信号回路とグランド回路とを含み、該グランド回路を被覆する絶縁材の一部が除去されていることを特徴とする。
本発明のシールドフレキシブルプリント配線板は、上述のシールドプリント配線板において、前記プリント回路を含む基体がフレキシブルプリント配線板からなることを特徴とする。
本発明のシールドフレキシブルプリント配線板によると、フレキシブルプリント配線板に必要な特性である耐摺動性に優れたものとすることができる。
本発明のシールドフレキシブルプリント配線板においては、前記プリント回路を含む基体がテープキャリアパッケージ用TABテープである場合は、シールドフィルムが柔軟性に優れることから、反発弾性が低下し、組み込み性が向上できる。
本発明のシールドフィルムにおいては、前記カバーフィルムの前記セパレートフィルム面側とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層が、導電性接着剤であってよい。これによると、確実にプリント配線板のグランド回路と金属層とが電気的に接続できる。
また、本発明のシールドフィルムにおいては、上述の導電性接着剤が異方導電性接着剤であってよい。これによると、前記導電性接着剤よりも薄膜になり、導電性フィラーの量が少ないため、可撓性の優れたものにすることができる。
本発明のシールドフィルムの製造方法は、セパレートフィルムと、前記セパレートフィルムの片面に設けられたカバーフィルムと、前記カバーフィルムの前記セパレートフィルム面側とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層と、を備えた、絶縁層に形成された溝部と直に接するように形成されてなるグランド回路を含むプリント回路を有したフレキシブルプリント配線板の前記溝部側の面に貼付するためのシールドフィルムの製造方法において、前記カバーフィルムは、前記セパレートフィルムの片面にハード層とクッション効果を有するソフト層とが成層されており、
前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなり、 加熱・加圧する際に、前記ソフト層の前記クッション効果により前記ハード層への圧力伝達が緩やかに行われるようにしたことを特徴とする。
上記本発明のシールドフィルムの製造方法によると、ハード層とソフト層が成層されるので、耐摩耗性、耐ブロッキング性に優れ、加熱・加圧されても亀裂・断裂等の破壊を生じないシールドフィルムを製造できる。
また、本発明のシールドフィルムの製造方法においては、上述のハード層およびソフト層のうち、少なくとも1層はコーティングされて成っていてよい。これによると、カバーフィルムを薄厚に形成でき、可撓性の良いシールドフィルムを製造できる。
また、更には、本発明のシールドフィルムの製造方法においては、上述のハード層およびソフト層は、セパレートフィルムの片面に順次コーティングされてなっていてよい。これによると、セパレートフィルムをコーティングの際のキャリアフィルムとして使用することができるため、ハード層およびソフト層とも容易に薄く形成することが可能となり、カバーフィルムを更に薄厚に形成した可撓性の良いシールドフィルムを提供することが可能となるばかりか、安価に安定的に供給する事が可能となる。
本発明のシールドプリント配線板の製造方法においては、上述のシールドプリント配線板は、上述のシールドフィルムを少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体の少なくとも片面上に載置し、加熱・加圧したのち、前記セパレートフィルムを剥離してなることを特徴とする。
上記の本発明のシールドプリント配線板の製造方法によると、金属層に破壊が生じることがなく、耐磨耗性、耐ブロッキング性に優れ、割れたりしないカバーフィルムを備えたシールドプリント配線板をきわめて容易に製造することができる。
更に、本発明のシールドプリント配線板の製造方法は、ベースフィルム上に形成された信号回路とグランド回路とを含むプリント回路のうち、グランド回路を被覆する絶縁材の一部が除去されて、該グランド回路が露出されている基体を用意し、該基体上に上述の接着剤層が導電性接着剤であるか、または異方導電性接着剤であるシールドフィルムを載置し、加熱・加圧して接着すると共に、上記グランド回路と金属層とを電気的に接続することを特徴とする。
上述した本発明のシールドプリント配線板の製造方法によると、カバーフィルムがハード層とソフト層からなるため、加熱軟化された導電性接着剤または異方導電性接着剤の絶縁除去部への埋め込み性が良く、グランド回路を通じて金属層、または金属層と接着剤層とからなるシールド層を接地できる。なお、接着剤層が非導電性の場合は、金属層を別の方法で筐体等に接続すれば良い。
また、上述した本発明のシールドプリント配線板の製造方法においては、上述の少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体は、フレキシブルプリント配線板であってよい。これによると、可撓性が良く、耐摺動性にも優れたフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
更には、上述した本発明のシールドプリント配線板の製造方法においては、上述の少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体は、テープキャリアパッケージ用TABテープであってよい。これによると、柔軟で組み込み性に優れたテープキャリアパッケージ用TABテープを得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明のシールドFPCの実施の形態の一例について説明する。図1は、本実施の形態のシールドFPCの製造方法の説明図であり、図2は、このシールドFPCを製造する際に用いるシールドフィルムの横断面図である。図1(a)は、ベースフィルム2上に形成され、信号回路3aとグランド回路3bからなるプリント回路3のうちグランド回路3bの少なくとも一部(非絶縁部)3cを除いて絶縁フィルム4により被覆してなる基体フィルム5上に、シールドフィルム1を載置し、プレス機P(PA,PB)で加熱hしつつ、加圧pしている状態を示す。
ここで、ベースフィルム2とプリント回路3との接合は、接着剤によって接着しても良いし、接着剤を用いない、所謂、無接着剤型銅張積層板と同様に接合しても良い。また、絶縁フィルム4は、可撓性絶縁フィルムを接着剤を用いて張り合わせても良いし、感光性絶縁樹脂の塗工、乾燥、露光、現像、熱処理などの一連の手法によって形成しても良い。また、更には、基体フィルム5は、ベースフィルムの一方の面にのみプリント回路を有する片面型FPC、ベースフィルムの両面にプリント回路を有する両面型FPC、この様なFPCが複数層積層された多層型FPC、多層部品搭載部とケーブル部を有するフレクスボード(登録商標)や、多層部を構成する部材を硬質なものとしたフレックスリジッド基板、或いは、テープキャリアパッケージの為のTABテープ等を適宜採用して実施することができる。
シールドフィルム1は、ここでは図2(a)に示すものを用いている。図2(a)に示すように、シールドフィルム1は、セパレートフィルム6aと、セパレートフィルム6aの片面に形成された離型層6bと、シールドフィルム本体9とを備える。シールドフィルム本体9は、離型層6b上に耐摩耗性・耐ブロッキング性に優れた樹脂からなるハード層7aとクッション性に優れた樹脂からなるソフト層7bとを順次コーティングすることによって形成されたカバーフィルム7と、カバーフィルム7の離型層6bに接する面と反対の面に金属層8bを介して設けられた接着剤層8aとを有する。ここでは、導電性接着剤からなる接着剤層8aと金属層8bとでシールド層8が形成される。このシールド層8において、加熱hにより軟かくなった接着剤8a’は加圧pにより、絶縁除去部4aに矢印のように流れ込む(図1(a)参照)。また、セパレートフィルム6aに形成された離型層6bは、カバーフィルム7に対して剥離性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、シリコンがコーティングされたPETフィルム等を使用することができる。なお、セパレートフィルム6aの片面にハード層7aおよびソフト層7bを成層する方法としては、コーティングが好ましいが、コーティング以外の層形成方法としてラミネート、押し出し、ディピングなどを用いてもよい。
こうして、接着剤8a’がグランド回路3bの非絶縁部3c及び絶縁フィルム4と十分に接着したのち、図1(b)に示すように、形成されたシールドフレキシブルプリント配線板10をプレス機Pから取り出し、シールドフィルム1のセパレートフィルム6aを離型層6bとともに剥離fすると、図1(c)に示すシールドFPC10’が得られる。
図2(a)に示すように、シールドフィルム1は、シールドフィルム本体9よりもセパレートフィルム6aの分だけ厚くなっているので、所定のサイズに打ち抜きやすく、きれいに裁断でき、基体フィルム5上への位置合わせもしやすい。また、加熱・加圧の際、セパレートフィルム6によりクッション効果が増え、圧力伝達が緩やかに行われるので、絶縁除去部4aへの接着剤8a’の流入が容易になる。従って、接着剤8a’がグランド回路3bの非絶縁部3c面に十分接着するため、接続導電性が良くなる。また、セパレートフィルム6aを離型層6bとともに剥離すれば、薄くて可撓性のあるシールドFPC10’が簡単に得られる。なお、シールドフィルム1はリジッド配線板に用いられるものであってもよい。
ベースフィルム2、絶縁フィルム4はいずれもエンジニアリングプラスチックからなる。例えば、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリエステル、ポリベンツイミダゾール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂が挙げられる。あまり耐熱性を要求されない場合は、安価なポリエステルフィルムが好ましく、難燃性が要求される場合においては、ポリフェニレンサルファイドフィルム、さらに耐熱性が要求される場合にはポリイミドフィルムが好ましい。
カバーフィルム7を構成するハード層7aはJIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、ソフト層7bはJIS K
7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなる。後工程でセパレートフィルム6aをカバーフィルム7から剥離する必要があるため、ハード層7aはセパレートフィルム6a表面に形成された離型層6b上にコーティングされる。また、耐摩耗性に優れたハード層7aは、セパレートフィルム6aの剥離後に、保護層としての役割を果たし、カバーフィルム7の磨耗を防止する。また、ハード層7aは耐ブロッキング性に優れるため、回路部品搭載工程におけるリフロー工程等の加熱を要する工程中で、配線板を搭載して搬送する搬送用冶具や搬送ベルト等の他のものにくっつくこともない。カバーフィルム7のソフト層7b上に設けられた金属層8bは、下地となるカバーフィルム7がハード層7aの優れた硬度とソフト層7bのクッション効果によって、加熱・加圧されても亀裂・断裂等の破壊を生じない。また、シールドフィルム1をプリント回路3を含む基体フィルム5上に載置し、プレス機P(PA,PB)で加熱hしつつ加圧pする際に、ソフト層7bのクッション効果によってハード層7aへの圧力伝達が緩やかに行われるので、高硬度のハード層7aの割れが防止される。ハード層、ソフト層の樹脂としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電子線硬化樹脂等を使用することができる。
セパレートフィルム6aにも、ベースフィルム2、絶縁フィルム4、カバーフィルム7と同様のエンジニアリングプラスチックが用いられるが、製造過程で除去されるものであるから、安価なポリエステルフィルムが好ましい。このセパレートフィルム6aの表面には、前述したように、ハード層7aとの剥離性を持たせるために、離型層6bを形成しておく。この離型層6bはセパレートフィルム6aの表面全面を被覆するように形成してもよいし、ハード層7aがコーティングされる面側のみに形成してもよい。また、この離型層6bとしては、シリコン皮膜を公知の手法で形成して使用することができる。
接着剤層8aは、接着性樹脂として、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキッド系などの熱硬化性樹脂で構成されている。また、これら接着性樹脂に金属、カーボン等の導電性フィラーを混合し、導電性を持たせた導電性接着剤を使用することもできる。また、導電性フィラーの量を少なくする等して異方性導電層を形成することもできる。耐熱性が特に要求されない場合は、保管条件等に制約を受けないポリエステル系の熱可塑性樹脂が望ましく、耐熱性もしくはより優れた可撓性が要求される場合においては、シールド層8を形成した後の信頼性の高いエポキシ系の熱硬化性樹脂が望ましい。また、そのいずれにおいても加熱・加圧時のにじみ出し(レジンフロー)の小さいものが望ましいことはいうまでもない。
導電性フィラーとしては、カーボン、銀、銅、ニッケル、ハンダ、アルミ及び銅粉に銀メッキを施した銀コート銅フィラー、さらには樹脂ボールやガラスビーズ等に金属メッキを施したフィラー又はこれらのフィラーの混合体が用いられる。銀は高価であり、銅は耐熱の信頼性に欠け、アルミは耐湿の信頼性に欠け、さらにハンダは十分な導電性を得ることが困難であることから、比較的安価で優れた導電性を有し、さらに信頼性の高い銀コート銅フィラー又はニッケルを用いるのが好ましい。
金属フィラー等の導電性フィラーの接着性樹脂への配合割合は、フィラーの形状等にも左右されるが、銀コート銅フィラーの場合は、接着性樹脂100重量部に対して10〜400重量部とするのが好ましく、さらに好ましくは20〜150重量部とするのがよい。400重量部を超えると、グランド回路(銅箔)3bへの接着性が低下し、シールドFPC10’の可撓性が悪くなる。また、10重量部を下回ると導電性が著しく低下する。また、ニッケルフィラーの場合は、接着性樹脂100重量部に対して40〜400重量部とするのが好ましく、さらに好ましくは100〜350重量部とするのがよい。400重量部を超えると、グランド回路(銅箔)3bへの接着性が低下し、シールドFPC10’の可撓性が悪くなる。また、40重量部を下回ると導電性が著しく低下する。金属フィラー等の導電性フィラーの形状は、球状、針状、繊維状、フレーク状、樹脂状のいずれであってもよい。
接着剤層8aの厚さは、前述のように、金属フィラー等の導電性フィラーを混合した場合は、これらフィラーの分だけ厚くなり、20±5μm程度となる。また、導電性フィラーを混合しない場合は、1μm〜10μmである。このため、シールド層8を薄くすることが可能となり、薄いシールドFPC10’とすることができる。
金属層8bを形成する金属材料としては、アルミニウム、銅、銀、金などを挙げることができる。金属材料は、求められるシールド特性に応じて適宜選択すればよいが、銅は大気に触れると酸化しやすいという問題があり、金は高価であることから、安価なアルミニウム又は信頼性の高い銀が好ましい。膜厚は、求められるシールド特性と可撓性に応じて適宜選択されるが、一般に0.01〜1.0μmとするのが好ましい。0.01μmを下回るとシールド効果が不十分となり、逆に1.0μmを超えると可撓性が悪くなる。金属層8bの形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング、CVD法、MO(メタルオーガニック)、メッキなどがあるが、量産性を考慮すれば真空蒸着が望ましく、安価で安定した金属薄膜を得ることができる。また、金属層は、金属薄膜に限られず、金属箔を用いてもよい。
図2(b)に示すシールドフィルム1’は、カバーフィルム7の片面に導電性フィラーが混合された導電性接着剤で形成された接着剤層8aのみからなるシールド層8’を設けてシールドフィルム本体9’とした点で図2(a)のものと異なる。金属層8bは、接着剤層8aに較べて導電率がよいので、図2(a)のように金属層8bを設けた場合は、導電性接着剤を使用する必要性が低く、このため、シールド層8を薄くすることができる。なお、シールド層8の構成はこれに限定されるものではないが、導電性と可撓性のよいものが好ましい。
図3は、以上のようにして得られたシールドFPCの横断面図であり、図3(a)は、図1(c)と同じである。本発明のシールドFPCには、図3(a)のシールドフィルム本体9に代えて図2(b)のようにシールド層8’を導電性接着剤で形成される接着剤層8aだけで形成したシールドフィルム本体9’も当然含まれる。また、シールドフィルム本体9を構成する各材料や形成方法も上述のとおり各種のものが含まれる。
さらに、片面シールドのものに限らず、図3(b)及び図3(c)のような両面シールドのものも含まれる。図3(b)の両面シールドFPC10Aにおいて、ベースフィルム2’は、接着剤層8aがグランド回路3bと接続されるようにするため、グランド回路3b上下の絶縁フィルム4及びベースフィルム2’側には絶縁除去部4a及び絶縁除去部2a’が設けられており、グランド回路3bの上下面の非絶縁部3cにおいて接着剤層8aと接続される。ここでは、ベースフィルム2’とプリント回路3(信号回路3a及びグランド回路3b)と絶縁フィルム4とが基体フィルム5’を構成する。
図3(c)の両面シールドFPC10Bは、図3(b)の例と同様グランド回路3b上下の絶縁フィルム4及びベースフィルム2’側には絶縁除去部4a及び絶縁除去部2a’が設けられているが、さらにグランド回路3bに貫通孔3d’を設けて、グランド回路3b’としたものであり、接着剤層8aが両面からこの貫通孔3d’内にも入り込み、界面sで合流する。そして、グランド回路3’はその上面の非絶縁部3c及び貫通孔内面3c’において接着剤層8aと接続される。ここでは、ベースフィルム2’とプリント回路3’(信号回路3a’及びグランド回路3b’)と絶縁フィルム4とが基体フィルム5’’を構成する。
また、図4に示すように、本発明に係るシールドFPCは、基体フィルム5の片面にシールドフィルム本体9を被覆し、その端部に矩形状のグランド部材13を設けることもできる。
グランド部材13は、幅Wの矩形状の金属箔11の片面に接着性樹脂層12を設けたものである。グランド部材13の幅Wは、大きいほど接地インピーダンスが小さくなるので好ましいが、取り扱い性と経済性の観点から適宜選定される。また、この例では幅Wのうち幅W1が露出し、幅W2が接着剤層8aと接着されている。この幅W1の露出部分を適宜の導電部材を用いて近傍のグランド部に接続すれば確実に接地することができる。また、接着が確実におこなわれるならば幅W2をもっと小さくしてもよい。そして、グランド部材13の長さはこの例では加工を容易にするため、シールドフィルム本体9や基体フィルム5の幅と一致させたが、それより短くても長くてもよく、導電性接着剤層12に接続される部分と、露出して近傍のグランド部に接続できるようにしたものであればよい。
同様に、グランド部材13の形状も、矩形状に限定されるものではなく、その一部が接着剤層8aに接続され、他の一部が近傍のグランド部に接続できる形状のものであればよい。
また、その配設位置は、必ずしもシールドFPC10’の端部に限らず、図4(a)に仮想線で示すように端部以外の位置13aであっても良い。ただし、この場合は近傍のグランド部に接続可能にするため、グランド部材13aは、シールドフィルム本体9から側部へはみ出して露出するようにする。両側へのはみ出し長さL1,L2は、機器の筺体などの近傍のグランド部に接続可能な長さであればよく、このはみ出し部は片端だけでもよい。グランド部へは金属層8bの表面が接するようにして、ビス止め又ははんだ付けなどにより接続する。
グランド部材13の金属箔11の材料は、導電性、可撓性、経済性などの点で銅箔が好ましいがそれに限定されるものではない。また、金属箔に代えて、導電性樹脂とすることもできるが導電性の点で金属箔が好ましい。
また、接着性樹脂層12としては、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、ポリイミド系、アルキッド系などの熱硬化性樹脂が用いられ、グランド部材13を構成する金属箔、接着性樹脂層や基体フィルム5の絶縁フィルム4に対して接着性のよいものが好ましい。さらに、グランド部材13は、それを端部以外の位置に設けてシールド層8で覆ってしまう場合は、金属箔や金属線だけで構成してもよい。
上記のように、シールドフィルム本体9のシールド層8はグランド部材13によって接地されるので、プリント回路の一部として幅の広いグランド線を設ける必要はなくなり、その分信号線の配線密度を高くすることができる。しかも、グランド部材13の接地インピーダンスを従来のシールドFPCのグランド線の接地インピーダンスに比べ小さくすることが容易であり、したがってシールド層の電磁波シールド効果も大きくなる。
また、従来同様幅の広いグランド線を設けてシールド層8と接続したシールドFPCにグランド部材を設けたものも当然本発明に含まれる。この場合、幅の広いグランド線による基板接地と、グランド部材によるフレーム接地との効果が加算されるから電磁波シールド効果はより優れ、より安定したものとなる。
基体フィルム5の先端部は、幅t1だけ露出しており、プリント回路3が露出している。また、この例では、グランド部材13は、その幅方向の片端が絶縁フィルム4の端部から幅t2だけ隔てられるように接着されており、この幅t2によって信号線4との間の絶縁抵抗が確保される。
なお、グランド部材は、図4に示した形態以外に様々な形態とすることもできる。例えば、グランド部材は銅、銀、アルミニウム等からなる金属箔であって、金属箔の片面から突出する複数の導電性バンプがカバーフィルムを貫いてシールド層に接続され、露出した金属箔がその近傍のグランド部に接続される形態であっても良い。
また、グランド部材は、複数の突起が片面に形成された銅、銀、アルミニウム等からなる金属板であって、突起がカバーフィルムを貫いてシールド層に接続され、露出した金属板がその近傍のグランド部に接続される形態も考えられる。
また、グランド部材は、銅、銀、アルミニウム等からなる金属箔であって、金属箔の片面から突出する複数の金属フィラーがカバーフィルムを貫いてシールド層の接着剤層及び金属層に接続され、露出した金属箔がその近傍のグランド部に接続される形態も考えられる。
また、エキシマレーザを用いてカバーフィルムが除去されることによってシールドフィルムの所定の位置に窓部が形成され、窓部に導電性フィラーが混合された導電性接着剤を介して導体であるグランド部材の一端が接続される形態であっても良い。グランド部材の他端は近くにあるグランド部へ接続される。或いは、グランド部材を介さずに、近くにあるグランド部がこの窓部に直接接続されてもよい。
次に、本発明の実施例について行った評価試験の結果を比較例とともに説明する。
(1)摩擦試験
試験片:表1に示す実施例1〜3、比較例1〜3に記載のカバーフィルム7を有するシールドフィルムを図7(a)に示すように、CCL20に貼着し、加熱・加圧して作成した幅50mm、長さ140mmのシートを用いた。ここで、CCL20は銅箔21に接着剤22を介してポリイミドフィルム23を貼り合わせたものである。各層の厚さは、ハード層7aが2μm、ソフト層7bが3μm、金属層8bが0.15μm、導電性の接着剤層8aが20μm、銅箔21が18μm、接着剤22が17μm、ポリイミドフィルム23が25μmである。
試験方法:摩擦試験は、図5に示すように、JIS L 0849:2004に規定された学振形摩擦試験機50を用いて行った。摩擦子51の質量を500グラムとし、上記試験片52を載置した試験片台53を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させ、試験片表面52aに擦り傷が生じないかどうか(耐磨耗性)について試験した。結果は表1において、擦り傷が生じないものを○、生じたものを×とした。
(2)耐ブロッキング性試験
試験片:表1に示す実施例1〜3、比較例1〜3に記載のカバーフィルム7を有するシールドフィルムを図7(b)に示すように、ポリイミドフィルム31(東レデュポン社製のカプトン100H)(カプトンは登録商標)を、(1)に記載の摩擦試験の試験片54に貼着し、265℃で30秒加熱したものを用いた。
試験方法:ポリイミドフィルム31をハード層7aから剥離し、ハード層7aの剥離面に変化が生じるかどうかについて試験した。結果は表1において、変化が生じないものを○、生じたものを×とした。
(3)弾性率試験
試験片:表1に示す実施例1〜3、比較例2に記載のソフト層7bとして用いられる変性エポキシからなる幅50mm、長さ100mm、厚さ15μmのシートと、比較例3に記載のPPSからなる幅50mm、長さ100mm、厚さ9μmのシートとを作成し、これを用いた。
試験方法:図6に示すように、JIS K 7244−4に規定された引張非共振振動法による動的弾性率測定機(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社:旧セイコーインスツルメンツ株式会社製 EXSTAR6100 DMS)60を用い、試験片SをクランプC1,C2で把持し、加振器Vで周波数1Hzの振動を加え、昇温速度毎分5℃で昇温しつつ、測定温度範囲−50℃〜150℃で弾性率を測定した。
(4)耐摺動性試験
試験片:実施例2と比較例3のカバーフィルムを用いて、図1(c)のように積層した、幅12mm、長さ150mmのシールドFPC10’を用いた。
試験方法:IPC規格に則り、図8に示すように、固定板56と摺動板57との間にシールドFPC10’をU字型に屈曲させて装着し、試験雰囲気23℃において、摺動板57を30mmのストローク、摺動速度1000回/分で上下に摺動させて、曲率を変化させたときの屈曲寿命(断線するまでの回数)を測定した。シールドFPC10’のプリント回路3は、ライン数が6本で、ライン幅が0.12mm、スペース幅が0.1mmのものを使用した。結果は図9において、U字型の曲率半径Rの逆数を縦軸とし、屈曲寿命を横軸として、両対数グラフで表わした。
(5)耐埋め込み性試験
試験片:実施例1〜3、比較例1〜4のカバーフィルムを用いて、図1(c)のように積層し、加熱・加圧して、幅12mm、長さ150mmのシールドフレキシブルプリント配線板10を作成し、これを用いた。
試験方法:断面図である図10に示すように、シールドフレキシブルプリント配線板10を加熱・加圧したときに生じるへこみCによる金属層の亀裂・断裂や、カバーフィルムの割れが発生していないかどうかを肉眼で観察した。
[実施例1]
100重量部のUV硬化型多官能アクリレートと50重量部のUV硬化型2官能アクリレートとを配合してなる厚さ2μmのハード層、変性エポキシ樹脂からなる厚さ3μmのソフト層を形成し、更にそのソフト層側にシールド層を形成したシールドフィルムを実施例1とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その際、シールド層8の金属層8bである銀蒸着層は厚さ0.15μm、導電性の接着剤層8aは厚さ20μm、絶縁フィルムの厚さは40μm、絶縁除去部の直径は1.4mmφとした(以下、シールド層、絶縁フィルムの構成は実施例2,3及び比較例1〜4もみな同じ)。摩擦試験、耐ブロッキング性試験、耐埋め込み性試験による結果を表1に示す。
[実施例2]
100重量部のUV硬化型多官能アクリレートと150重量部のUV硬化型2官能アクリレートとを配合してなる厚さ2μmのハード層、変性エポキシ樹脂からなる厚さ3μmのソフト層を形成し、更にそのソフト層側にシールド層を形成したシールドフィルムを実施例2とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。また、耐摺動性試験により、屈曲寿命を評価した。その結果を図9に示す。
[実施例3]
100重量部のUV硬化型多官能アクリレートと250重量部のUV硬化型2官能アクリレートとを配合してなる厚さ2μmのハード層、変性エポキシ樹脂からなる厚さ3μmのソフト層を形成し、更にそのソフト層側にシールド層を形成したシールドフィルムを実施例3とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
ソフト層を形成せずに、UV硬化型2官能アクリレートからなる厚さ2μmのハード層を形成し、その片面にシールド層を形成したシールドフィルムを比較例1とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
ソフト層を形成せずに、UV硬化型多官能アクリレートからなる厚さ2μmのハード層を形成し、その片面にシールド層を形成したシールドフィルムを比較例2とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
ハード層を形成せずに、変性エポキシ樹脂で厚さ3μmのソフト層を形成し、その片面にシールド層を形成したシールドフィルムを比較例3とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
PPSで厚さ9μmのカバーフィルムを形成し、その片面にシールド層を形成したシールドフィルムを比較例4とし、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性を評価した。その結果を表1に示す。また、耐摺動性試験により、屈曲寿命を評価した。その結果を図9に示す。
Figure 0004397941
表1に示す摩擦試験と耐ブロッキング性試験と耐埋め込み性試験の試験結果から明らかなように、実施例1〜3はいずれも耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性がともにすぐれているのに対し、比較例には全てを満足するものはなかった。即ち、比較例1,3は、厚さは比較的薄いが、耐磨耗性、耐ブロッキング性、耐埋め込み性がともに悪く、比較例2は、厚さも薄く、耐磨耗性、耐ブロッキング性も良いが、耐埋め込み性が悪い。また、比較例4は、耐ブロッキング性、耐埋め込み性はよいが、厚さが厚すぎるという問題があり、耐磨耗性も悪いことが分った。
また、弾性率試験によって、実施例1〜3、比較例3に記載の変性エポキシのソフト層7bからなるシートの弾性率が0.1ギガパスカルであり、比較例4に記載のPPSのソフト層7bからなるシートの弾性率が6ギガパスカルであることが分った。これにより、変性エポキシのソフト層7bが極めて柔らかく、クッション効果に優れることが分った。
また、図9に示す耐摺動性試験の試験結果から明らかなように、実施例2の方が、比較例4に比べて屈曲寿命が長く、断線しにくいことが分った。
以上のように、本実施の形態のシールドフィルム1は、セパレートフィルム6aと、セパレートフィルム6aの片面に設けられたカバーフィルム7と、カバーフィルム7のセパレートフィルム6aに接する面とは反対側の面に金属層8bを介して設けられた接着剤層8aと、を備えたシールドフィルムにおいて、カバーフィルム7が、ハード層7aとソフト層7bとを各々少なくとも1層以上備えると共に、カバーフィルム7のセパレートフィルム6aに接する面はハード層7aである構成にされている。これによると、セパレートフィルム6aに接する面はハード層7aであり、セパレートフィルム6a剥離後に耐摩耗性に優れたハード層7aが保護層としての役割を果たすため、カバーフィルム7の磨耗を防止することができる。また、ハード層7aは耐ブロッキング性に優れるため、回路部品搭載工程におけるリフロー工程等の加熱を要する工程中で、配線板を搭載して搬送する搬送用冶具や搬送ベルト等の他のものにくっつくこともない。このようなハード層7a上にソフト層7bを介して設けられた金属層8bは、ハード層7aの優れた硬度により、加熱・加圧されても亀裂・断裂等の破壊を生じない。また、シールドフィルム1をプリント回路3を含む基体5上に接着する際に、ソフト層7bのクッション効果によって、ハード層7aの割れを防止することができる。
また、本実施の形態のシールドフィルム1は、上述のハード層7aおよびソフト層7bのうち、少なくとも1層はコーティング層である構成にされている。これによると、シールドフィルム1の厚さを薄くすることができる。
また、本実施の形態のシールドプリント配線板は、少なくとも一層以上のプリント回路3を含む基体5の少なくとも片面上に、接着剤層8aを介して金属層8bと、金属層8bの接着剤層8aとは反対の面にカバーフィルム7とを有するシールドプリント配線板において、カバーフィルム7が、ハード層7aとソフト層7bとを各々少なくとも1層以上備えると共に、カバーフィルム7の最表面層はハード層7aである構成にされている。これによると、カバーフィルム7の最表面層が耐摩耗性、耐ブロッキング性に優れたハード層7aであるため、カバーフィルム7の磨耗を防止することができる。また、ハード層7aは耐ブロッキング性に優れるため、回路部品搭載工程におけるリフロー工程等の加熱を要する工程中で、配線板を搭載して搬送する搬送用冶具や搬送ベルト等の他のものにくっつくこともない。
また、本実施の形態のシールドフレキシブルプリント配線板(シールドFPC10’)は、プリント回路3を含む基体5がフレキシブルプリント配線板からなる構成にされている。これによると、フレキシブルプリント配線板に必要な特性である耐摺動性に優れたものとすることができる。
また、本実施の形態のシールドフレキシブルプリント配線板(シールドFPC10’)は、プリント回路3を含む基体5がテープキャリアパッケージ用TABテープである場合は、シールドフィルム1が柔軟性に優れることから、反発弾性が低下し、組み込み性が向上できる。
また、本実施の形態のシールドフィルム1は、カバーフィルム7のセパレートフィルム6a面側とは反対側の面に金属層8bを介して設けられた接着剤層8aが、導電性接着剤である構成にされている。これによると、確実にプリント配線板のグランド回路3bと金属層8bとが電気的に接続できる。
また、本実施の形態のシールドフィルム1は、上述の導電性接着剤は異方導電性接着剤である構成にされている。これによると、前記導電性接着剤よりも薄膜になり、導電性フィラーの量が少ないため、可撓性の優れたものにすることができる。
また、本実施の形態のシールドフィルムの製造方法は、セパレートフィルム6aと、セパレートフィルム6aの片面に設けられたカバーフィルム7と、カバーフィルム7のセパレートフィルム6a面側とは反対側の面に金属層8bを介して設けられた接着剤層8aと、を備えたシールドフィルムの製造方法において、カバーフィルム7は、セパレートフィルム6aの片面にハード層7aとソフト層7bとが成層されてなる構成にされている。これによると、耐摩耗性、耐ブロッキング性に優れ、加熱・加圧されても亀裂・断裂等の破壊を生じないシールドフィルム1を製造できる。
また、本実施の形態のシールドフィルムの製造方法は、上述のハード層7aおよびソフト層7bのうち、少なくとも1層はコーティングされて成る構成にされている。これによれば、カバーフィルム7を薄厚に形成でき、可撓性の良いシールドフィルム1を製造できる。
また、本実施の形態のシールドフィルムの製造方法は、上述のハード層7aおよびソフト層7bは、セパレートフィルム6aの片面に順次コーティングされてなる構成にされている。これによれば、セパレートフィルム6aをコーティングの際のキャリアフィルムとして使用することができるため、ハード層7aおよびソフト層7bとも容易に薄く形成することが可能となり、カバーフィルム7を更に薄厚に形成した可撓性の良いシールドフィルム1を提供することが可能となるばかりか、安価に安定的に供給する事が可能となる。
また、本実施の形態のシールドプリント配線板の製造方法においては、上述のシールドプリント配線板は、上述のシールドフィルム1を少なくとも1層以上のプリント回路3を含む基体5の少なくとも片面上に載置し、加熱・加圧したのち、セパレートフィルム6aを剥離してなる構成にされている。これによると、金属層8bに破壊が生じることがなく、耐磨耗性、耐ブロッキング性に優れ、割れたりしないカバーフィルム7を備えたシールドプリント配線板をきわめて容易に製造することができる。
更に、本実施の形態のシールドプリント配線板の製造方法は、ベースフィルム2上に形成された信号回路3aとグランド回路3bとを含むプリント回路3のうち、グランド回路3bを被覆する絶縁材の一部が除去されて、グランド回路3bが露出されている基体5を用意し、基体5上に上述の接着剤層が導電性接着剤であるか、または異方導電性接着剤であるシールドフィルム1を載置し、加熱・加圧して接着すると共に、グランド回路3bと金属層8bとを電気的に接続する構成にされている。これによると、加熱軟化された導電性接着剤または異方導電性接着剤の絶縁除去部4aへの埋め込み性が良いため、グランド回路3bを通じて金属層8b、または金属層8bと接着剤層8aとからなるシールド層8を接地できる。なお、接着剤層8aが非導電性の場合は、金属層8bを別の方法で筐体等に接続すれば良い。
また、本実施の形態のシールドプリント配線板の製造方法は、上述の少なくとも1層以上のプリント回路3を含む基体5は、フレキシブルプリント配線板である構成にされている。これによると、可撓性が良く、耐摺動性にも優れたフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
更には、上述した本実施の形態のシールドプリント配線板の製造方法は、上述の少なくとも1層以上のプリント回路3を含む基体5は、テープキャリアパッケージ用TABテープである構成にされている。これによると、柔軟で組み込み性に優れたテープキャリアパッケージ用TABテープを得ることができる。
また、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、カバーフィルムはハード層上にコーティングされたソフト層上に更にハード層をコーティングさせてなる3層構造であって良い。この場合であっても、カバーフィルム上に設けられた金属層の破壊がハード層の硬度により抑制されるとともに、ソフト層のクッション性によりハード層の割れも防止される。
本実施の形態のシールドFPCの製造方法の説明図であり、(a)は基体フィルム上にシールドフィルムを載置してプレス機で加熱しつつ加圧している状態を示し、(b)はセパレートフィルムを剥離している状態を示し、(c)はセパレートフィルムの剥離後の状態を示す。 シールドFPCを製造する際に用いるシールドフィルムの横断面図であり、(a)はシールド層が接着剤層と金属層とで形成されており、(b)はシールド層が接着剤層のみで形成されている。 シールドFPCの横断面図であり、(a)は図1(c)と同じであり、(b)、(c)は両面シールドのシールドFPCの横断面図である。 本発明に係るシールドFPCの端部に矩形状のグランド部材を設けた図であり、(a)は上面図、(b)は短手方向断面図、(c)はグランド部材側の長手方向断面図である。 JIS L 0849:2004に規定された学振形摩擦試験機の構成図である。 JIS K 7244−4に規定された引張非共振振動法による動的弾性率測定機の構成図である。 (a)は摩擦試験に用いられる試験片の横断面図であり、(b)は耐ブロッキング性試験に用いられる試験片の横断面図である。 耐摺動性試験の試験方法を示す図である。 耐摺動性試験の試験結果を示すグラフ図である。 耐埋め込み性試験におけるシールドフレキシブルプリント配線板の断面図である。
符号の説明
1,1’ シールドフィルム
2,2’ ベースフィルム
2a’ 絶縁除去部
3,3’ プリント回路
3a,3a’ 信号回路
3b,3b’ グランド回路
3c,3c’ 非絶縁部
3d’ 貫通孔
4 絶縁フィルム
4a 絶縁除去部
5,5’,5’’ 基体フィルム
6a セパレートフィルム
6b 離型層
7 カバーフィルム
7a ハード層
7b ソフト層
8,8’ シールド層
8a 接着剤層
8a’ 接着剤
8b 金属層
9,9’ シールドフィルム本体
10 シールドフレキシブルプリント配線板
10’ シールドFPC
10A 両面シールドFPC
10B 両面シールドFPC
11 金属箔
12 接着性樹脂層
13 グランド部材
13a グランド部材
s 界面

Claims (15)

  1. セパレートフィルムと、
    前記セパレートフィルムの片面に設けられたカバーフィルムと、
    前記カバーフィルムの前記セパレートフィルムに接する面とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層と、を備えた、絶縁層に形成された溝部と直に接するように形成されてなるグランド回路を含むプリント回路を有したフレキシブルプリント配線板の前記溝部側の面に貼付するためのシールドフィルムにおいて、
    前記カバーフィルムが、ハード層と、加熱・加圧する際に前記ハード層への圧力伝達を緩やかに行わせるクッション効果を有するソフト層とを各々少なくとも1層以上備えると共に、該カバーフィルムの前記セパレートフィルムに接する面はハード層であり、
    前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
    前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなることを特徴とするシールドフィルム。
  2. 請求項1に記載のハード層およびソフト層のうち、少なくとも1層はコーティング層であることを特徴とするシールドフィルム。
  3. 少なくとも一層以上のプリント回路を含む基体の少なくとも片面上に、
    接着剤層を介して金属層と、該金属層の接着剤層とは反対の面にカバーフィルムとを有するシールドプリント配線板において、 前記プリント回路が、グランド回路を有しているとともに、絶縁層を介して前記接着剤層と接着され、
    前記絶縁層が、前記グランド回路と直に接するように形成された溝部を有し、
    前記グランド回路と前記接着剤層とが前記溝部を介して接触しており、
    前記カバーフィルムが、ハード層と、加熱・加圧する際に前記ハード層への圧力伝達を緩やかに行わせるクッション効果を有するソフト層とを各々少なくとも1層以上備えると共に、該カバーフィルムの最表面層はハード層であり、
    前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
    前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなることを特徴とするシールドプリント配線板。
  4. 請求項3に記載のシールドプリント配線板において、
    前記プリント回路は、ベースフィルム上に形成された信号回路とグランド回路とを含み、該グランド回路を被覆する絶縁材の一部が除去されていることを特徴とするシールドプリント配線板。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のシールドプリント配線板において、
    前記プリント回路を含む基体がフレキシブルプリント配線板からなることを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
  6. 請求項5に記載のシールドフレキシブルプリント配線板において、
    前記プリント回路を含む基体がテープキャリアパッケージ用TABテープであることを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
  7. 請求項1又は請求項2に記載のシールドフィルムにおいて、前記カバーフィルムの前記セパレートフィルム面側とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層が、導電性接着剤であることを特徴とするシールドフィルム。
  8. 請求項7に記載の導電性接着剤は異方導電性接着剤であることを特徴とするシールドフィルム。
  9. セパレートフィルムと、
    前記セパレートフィルムの片面に設けられたカバーフィルムと、
    前記カバーフィルムの前記セパレートフィルム面側とは反対側の面に金属層を介して設けられた接着剤層と、
    を備えた、絶縁層に形成された溝部と直に接するように形成されてなるグランド回路を含むプリント回路を有したフレキシブルプリント配線板の前記溝部側の面に貼付するためのシールドフィルムの製造方法において、
    前記カバーフィルムは、前記セパレートフィルムの片面にハード層とクッション効果を有するソフト層とが成層されており、
    前記ハード層は、JIS L 0849に規定された学振形摩擦試験機による摩擦試験方法により、摩擦子の質量を500グラムとし、試験片台を毎分30回往復の速度で120mmの間を水平に往復運動させたとき、1000回往復運動させても擦り傷が生じない耐磨耗性を有する樹脂で形成され、
    前記ソフト層は、JIS K 7244−4に規定された動的機械特性の試験方法により、周波数1Hz、測定温度範囲−50℃〜150℃、昇温速度毎分5℃、として測定した弾性率が3ギガパスカル以下の樹脂からなり、
    加熱・加圧する際に、前記ソフト層の前記クッション効果により前記ハード層への圧力伝達が緩やかに行われるようにしたことを特徴とするシールドフィルムの製造方法。
  10. 請求項9に記載のハード層およびソフト層のうち、少なくとも1層はコーティングされてなることを特徴とするシールドフィルムの製造方法。
  11. 請求項9に記載のハード層およびソフト層は、セパレートフィルムの片面に順次コーティングされてなることを特徴とするシールドフィルムの製造方法。
  12. 請求項3に記載のシールドプリント配線板の製造方法において、請求項1又は請求項2に記載のシールドフィルムを少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体の少なくとも片面上に載置し、加熱・加圧したのち、前記セパレートフィルムを剥離してなることを特徴とするシールドプリント配線板の製造方法。
  13. ベースフィルム上に形成された信号回路とグランド回路とを含むプリント回路のうち、グランド回路を被覆する絶縁材の一部が除去されて、該グランド回路が露出されている基体を用意し、該基体上に請求項7又は請求項8に記載のシールドフィルムを載置し、加熱・加圧して接着すると共に、上記グランド回路と金属層とを電気的に接続することを特徴とするシールドプリント配線板の製造方法。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体は、フレキシブルプリント配線板であることを特徴とするシールドプリント配線板の製造方法。
  15. 請求項12又は請求項13に記載の少なくとも1層以上のプリント回路を含む基体は、テープキャリアパッケージ用TABテープであることを特徴とするシールドプリント配線板の製造方法。
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