JP5718526B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レトロフォーカス型の撮像レンズおよび撮像装置に関し、より詳しくは、デジタルカメラ、放送用カメラ、監視用カメラ、映画撮影用カメラ等の電子カメラに用いられる撮像レンズおよび該撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を記録媒体とするビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に用いられる撮像レンズとして、例えば特許文献1〜3のように、画角が60度を超えるようなものが各種提案されている。
特開平8−094926号公報 特開2000−131606号公報 特開2004−219610号公報
しかしながら、特許文献1〜3で提案されているレンズはいずれもF値が2.8から3.6程度と暗いという欠点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、諸収差が良好に補正されているとともに、明るく、また全長の短い撮像レンズおよび該レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL11と、負の屈折力を有するレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズL14と、2枚もしくは3枚の正の屈折力を有するレンズとからなり、第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズL2pと負の屈折力を有するレンズL2nの2枚のレンズからなり、第3レンズ群は、物体側から順に連続して、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを接合した接合レンズと、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを接合した接合レンズとを有することを特徴とする。
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式を満足することが好ましい。
20<νd12−νd14 …(1)
ただし、νd12:レンズL12のd線基準アッベ数、νd14:レンズL14のd線基準アッベ数とする。
なお、下記条件式を満足することがより好ましい。
25<νd12−νd14 …(1a)
また、第3レンズ群は、少なくとも3枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも3枚の負の屈折力を有するレンズとを有することが好ましい。
また、第3レンズ群を光軸方向に移動してフォーカシングを行うことが好ましい。
また、下記条件式を満足することが好ましい。
0.4<f/f3<0.8 …(2)
ただし、f3:第3レンズ群の焦点距離とする。
なお、下記条件式を満足することがより好ましい。
0.5<f/f3<0.7 …(2a)
また、下記条件式を満足することが好ましい。
―0.6<f/f1<0.8 …(3)
ただし、f1:第1レンズ群の焦点距離とする。
なお、下記条件式を満足することがより好ましい。
―0.5<f/f1<0.6 …(3a)
また、下記条件式を満足することが好ましい。
20<νd1pave<45 …(4)
ただし、νd1pave:第1レンズ群中で、レンズL14よりも像側にある正レンズが2枚の場合は最も像側のレンズのアッベ数、3枚の場合は像側の2枚のレンズの平均アッベ数とする。
なお、下記条件式を満足することがより好ましい。
25<νd1pave<40 …(4a)
また、レンズL11とレンズL12とが接合されていることが好ましい。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、第1レンズ群と、第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、第1レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL11と、負の屈折力を有するレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズL14と、2枚もしくは3枚の正の屈折力を有するレンズとからなり、第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズL2pと負の屈折力を有するレンズL2nとからなるものとしたので、諸収差が良好に補正されているとともに、明るく、また全長の短い撮像レンズとすることができる。
また、本発明の撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えているため、明るく高画質の映像を得ることができ、また装置全体を小型化することができる。
本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例6の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施例5の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施例6の撮像レンズの各収差図(A〜E) 本発明の実施形態にかかる撮像装置の概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1の撮像レンズの構成と共通である。図1においては、左側が物体側、右側が像側である。
この撮像レンズは、光軸Zに沿って、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。なお、図1に示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、光学系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置することが好ましいため、図1では、これらを想定した平行平面板状の光学部材PPを第3レンズ群G3と像面Simとの間に配置した例を示している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL11と、負の屈折力を有するレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズL14と、正の屈折力を有する3枚のレンズL15,L16,L17とからなる。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と、負の屈折力を有するレンズL22(L2n)とからなる。
このように、最も物体側のレンズL11を正の屈折力とすることで、全長の短縮化、倍率色収差の補正に効果がある。
また、後続のレンズL12,L13,L14を負の屈折力を有するレンズとすることで、広角化に効果がある。また、負の屈折力を3枚のレンズで分担することにより、物体に近い負レンズで発生しやすい歪曲収差を軽減することができる。また、レンズL13を像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることで、より歪曲収差の発生を軽減することができる。また、レンズL14を物体側に凹面を向けたレンズとすることで、負レンズで発生しやすい補正過剰な球面収差、特に高次の球面収差を軽減することができる。
また、レンズL14の像側に、正の屈折力のレンズを配置することで、レンズL12からレンズL14で発生する倍率色収差の補正に有利であり、レンズL14の像側の正レンズを2枚もしくは3枚とすることにより、1枚のみ配置する場合と比較して球面収差の発生を軽減することができる。
また、第2レンズ群G2を正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と、負の屈折力を有するレンズL22(L2n)とから構成することにより、コマ収差の補正に有利である。
さらに、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りStを配置することにより、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の径のバランスを良好にすることができ、小型化に有利である。
本実施形態の撮像レンズにおいては、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)を満足することにより、倍率の色収差と軸上の色収差を良好にバランスさせることができる。なお、下記条件式(1a)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
20<νd12−νd14 …(1)
25<νd12−νd14 …(1a)
ただし、νd12:レンズL12のd線基準アッベ数、νd14:レンズL14のd線基準アッベ数とする。
また、第3レンズ群G3は、少なくとも3枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも3枚の負の屈折力を有するレンズとを有することが好ましい。第3レンズ群G3において、正レンズを3枚以上の構成とすることで球面収差の発生を軽減させられるとともに、負レンズを3枚以上の構成とすることで補正過剰な高次の球面収差の発生を防ぐことができ、これによりF値を小さくすることができる。
また、第3レンズ群G3は、少なくとも2組の接合レンズを有することが好ましい。これにより、軸上色収差を良好に補正することができるとともに、球面収差の色収差による差を小さくすることができる。
また、第3レンズ群G3を光軸方向に移動してフォーカシングを行うことが好ましい。これにより、フォーカシングによる球面収差、像面湾曲の変動を押さえることができる。また、全体繰り出しの場合と比較してフォーカシングレンズ群を軽量化できる。
また、下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の下限を下回るとフォーカシングによる第3レンズ群G3の移動量が増大し、小型化が困難となる。逆に、条件式(2)の上限を上回ると、フォーカシングによる球面収差、像面湾曲の変動が大きくなる。なお、下記条件式(2a)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.4<f/f3<0.8 …(2)
0.5<f/f3<0.7 …(2a)
ただし、f3:第3レンズ群G3の焦点距離とする。
また、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の下限を下回ると、歪曲収差、倍率の色収差の補正に不利である。逆に、条件式(3)の上限を上回ると、バックフォーカスの維持が困難となる。なお、下記条件式(3a)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
―0.6<f/f1<0.8 …(3)
―0.5<f/f1<0.6 …(3a)
ただし、f1:第1レンズ群G1の焦点距離とする。
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)の下限を下回ると軸上の色収差が補正不足となる。逆に、条件式(4)の上限を上回ると軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせることが難しくなる。なお、下記条件式(4a)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
20<νd1pave<45 …(4)
25<νd1pave<40 …(4a)
ただし、νd1pave:第1レンズ群G1中で、レンズL14よりも像側にある正レンズが2枚の場合は最も像側のレンズのアッベ数、3枚の場合は像側の2枚のレンズの平均アッベ数とする。
また、レンズL11とレンズL12とが接合されていることが好ましい。これにより、レンズL11とレンズL12の間隔の誤差による歪曲収差、倍率色収差の変動を押さえることができる。
本撮像レンズにおいて、最も物体側に配置される材料としては、具体的にはガラスを用いることが好ましく、あるいは透明なセラミックスを用いてもよい。
また、本撮像レンズが厳しい環境において使用される場合には、保護用の多層膜コートが施されることが好ましい。さらに、保護用コート以外にも、使用時のゴースト光低減等のための反射防止コートを施すようにしてもよい。
また、図1に示す例では、レンズ系と像面Simとの間に光学部材PPを配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等を配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。なお、以下の表1〜13に示す数値および図7〜12の収差図は、無限遠物体に合焦時の全系の焦点距離が1.0となるように規格化されたものである。
まず、実施例1の撮像レンズについて説明する。実施例1の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図1に示す。なお、図1および後述の実施例2〜6に対応した図2〜6においては、光学部材PPも合わせて示しており、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
実施例1の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11と両凹レンズL12との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と両凸レンズL15との接合レンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズL16と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と負の屈折力を有するレンズL22(L2n)との接合レンズからなり、この接合レンズの接合面は像側に凸面を向けたものとなっている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL31とレンズL32との接合レンズと、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL33と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL34とレンズL35との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL36と、両凸レンズL37とからなる。
第1レンズ群G1において、レンズL11を両凸形状とすることで、歪曲収差の補正に効果がある。また、レンズL12を両凹形状とすることで、広角化のための負の屈折力を確保することができる。また、レンズL11とレンズL12とを接合することで、間隔の誤差による歪曲収差、倍率の色収差の変動を押さえることができる。レンズL13の像側に両凹形状のレンズL14と両凸レンズL15による接合レンズを配することにより、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに有利である。また、続いて2枚の正レンズL16,L17を配することで球面収差の発生を抑えながら、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに有利である。この2枚の正レンズは、平凸レンズL16、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL17の順に配することにより、球面収差の発生を抑えるのに有利であるばかりでなく、さらに2枚の正の屈折力を有するレンズの凸面を向かい合わせに配置することによりコマ収差を打ち消し合う効果がある。この2枚の正レンズに高分散の硝材を用いることで、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに更に有利である。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と、負の屈折力を有するレンズL22(L2n)とから構成することで、コマ収差の補正に効果がある。なお、レンズL2pとレンズL2nの順番は逆でもコマ収差に対する効果に大差は無い。
第3レンズ群G3においては、最も物体側に接合面が物体側に凸面を向けたレンズL31とレンズL32との接合レンズを配することにより軸上の色収差及び球面収差の補正に有利である。続いて、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL33を配することにより、球面収差を補正しつつ、非点収差の発生を抑えることに有利である。続いて、接合面が像側に凸面を向けたレンズL34とレンズL35との接合レンズを配することにより、軸上色収差、球面収差を補正しつつ、非点収差の発生を抑えることに有利である。続いて、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL36を配することにより、非点収差の補正に有利である。続いて、両凸レンズL37を配することにより、周辺光線の撮像素子への入射角を小さくすることに有利である。
実施例1の撮像レンズの基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に示す。
以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜6についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、Siの欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。また、Ndiの欄にはi番目の面とi+1番目の面との間の媒質のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄には最も物体側の光学要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線に対するアッベ数を示している。
なお、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りSt、光学部材PPも含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。
表2の諸元に関するデータに、焦点距離f´、バックフォーカスBf´、F値Fno.および全画角2ωの値を示す。
基本レンズデータおよび諸元に関するデータにおいて、角度の単位としては度を用いているが、その他については規格化をしているため単位はない。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
実施例1の撮像レンズの各収差図を図7(A)〜(E)に示す。図7(A)〜(E)はそれぞれ球面収差、正弦条件、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。
球面収差、正弦条件、非点収差、歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、点線で示す。非点収差図にはサジタル方向、タンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線と破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、g線(波長435.8nm)についての収差をそれぞれ長破線、短破線、点線で示す。なお、球面収差図および正弦条件図のFno.はF値、その他の収差図のωは半画角を意味する。
次に、実施例2の撮像レンズについて説明する。実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図2に示す。
実施例2の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカス形状のレンズL11と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL15と、両凸レンズL16とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と負の屈折力を有するレンズL22(L2n)との接合レンズからなり、この接合レンズの接合面は像側に凸面を向けたものとなっている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31と、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL32とレンズL33との接合レンズと、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL34と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL35とレンズL36との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL37と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカス形状のレンズL38とからなる。
第1レンズ群G1において、レンズL11を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることにより、非点収差の発生を抑えることができる。また、レンズL12を像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることにより歪曲収差の発生を軽減できる。また、レンズ13については実施例1と同様である。また、レンズL14の像側の面を凹形状とすることで、球面収差の補正に有利であるが、このレンズの像側の面は曲率半径の絶対値が大きいため、物体側に凹面を向けた平凹レンズ、あるいは凸面側の曲率半径の絶対値が大きな、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズでも同等の効果が得られる。また、続いて2枚の正レンズを配することで球面収差の発生を抑えながら、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに有利である。実施例2では、像側に凸面を向けた正の屈折力のメニスカスレンズL15、両凸レンズL16の順に配されているが、それぞれ物体側の面、像側の面の曲率半径の絶対値が大きく、強い屈折力を有する凸面が向かい合わせに配置されているため、実施例1と同様、コマ収差の発生を打ち消す効果がある。また、最も像側の正レンズL16に高分散の硝材を用いることで、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに更に有利である。
第2レンズ群G2の構成および効果は実施例1と同様である。
第3レンズ群G3においては、最も物体側に両凸レンズL31を配したことにより、第3レンズ群G3の正の屈折力を分担でき、球面収差の軽減に効果がある。このレンズは屈折力が弱いため、両凸レンズに限らず、いずれの向きの平凸レンズ、正メニスカスレンズでも良い。続いて、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL32とレンズL33との接合レンズを配することにより軸上の色収差及び球面収差の補正に有利である。続いて、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL34を配することにより、球面収差を補正しつつ、非点収差の発生を抑えることに有利である。続いて、接合面が像側に凸面を向けたレンズL35とレンズL36との接合レンズを配することにより、軸上色収差、球面収差を補正しつつ、非点収差の発生を抑えることに有利である。続いて、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL37を配することにより、非点収差の補正に有利である。このレンズの凹面側は曲率半径の絶対値が大きいので像側に凸面を向けた平凸レンズでも同様の効果がある。続いて、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL38を配することにより、像面湾曲の補正と倍率色収差のバランスを取ることに効果がある。
また、実施例2の撮像レンズの基本レンズデータを表3に、諸元に関するデータを表4に、各収差図を図8(A)〜(E)に示す。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
次に、実施例3の撮像レンズについて説明する。実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図3に示す。
実施例3の撮像レンズは、物体側から順に、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカス形状のレンズL11と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と、両凸レンズL15と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL16とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸レンズL21(L2p)と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL22(L2n)とからなる。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL31と、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL32とレンズL33との接合レンズと、両凹レンズL34と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL35とレンズL36との接合レンズと、両凸レンズL37とからなる。
第1レンズ群G1において、レンズL11を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることにより、非点収差の発生を抑えることができる。また、レンズL12を像側に凹面を向けたメニスカス形状とすることにより、歪曲収差の発生を軽減できる。また、レンズ13については実施例1と同様である。また、レンズL14の像側の面を凹形状とすることで、球面収差の補正に有利であるが、このレンズの像側の面は曲率半径の絶対値が大きいため、物体側に凹面を向けた平凹レンズ、あるいは凸面側の曲率半径の絶対値が大きな、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズでも同等の効果が得られる。また、続いて2枚の正レンズを配することで球面収差の発生を抑えながら、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに有利である。実施例3では、両凸レンズL15および物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL16が配されているが、強い屈折力を有する凸面が向かい合わせに配置されているため、実施例1と同様、コマ収差の発生を打ち消す効果がある。また、最も像側の正レンズL16に高分散の硝材を用いることで、軸上の色収差と倍率の色収差をバランスさせるのに更に有利である。
第2レンズ群G2は、両凸レンズL21(L2p)と、像側に凹面を向けた負の屈折力のメニスカスレンズL22(L2n)とから構成することで、コマ収差を補正するとともに、球面収差の波長による差を小さくする効果がある。
第3レンズ群G3においては、最も物体側に正の屈折力を有するメニスカスレンズL31を配したことにより、第3レンズ群G3の正の屈折力を分散でき、球面収差の軽減に効果がある。続いて、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL32とレンズL33との接合レンズを配することにより、軸上の色収差及び球面収差の補正に有利である。続いて、両凹レンズL34を配することにより、球面収差、像面湾曲の補正に有利である。続いて、接合面が像側に凸面を向けたレンズL35とレンズL36との接合レンズを配することにより、軸上色収差、球面収差を補正しつつ、非点収差の発生を抑えることに有利である。続いて、両凸レンズL37を配することにより、周辺光線の撮像素子への入射角を小さくすることに有利である。
また、実施例3の撮像レンズの基本レンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、各収差図を図9(A)〜(E)に示す。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
次に、実施例4の撮像レンズについて説明する。実施例4の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図4に示す。
実施例4の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11と両凹レンズL12との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と両凸レンズL15との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL16と、両凸レンズL17とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズL21(L2n)と正の屈折力を有するレンズL22(L2p)との接合レンズからなり、この接合レンズの接合面は像側に凹面を向けたものとなっている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL31とレンズL32との接合レンズと、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL33と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL34とレンズL35との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL36と、両凸レンズL37とからなる。
第1レンズ群G1においては、最も像側の2枚の形状が実施例1と異なっているが、効果は実施例1とほぼ同等である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、負の屈折力を有するレンズL21(L2n)と正の屈折力を有するレンズL22(L2p)とからなり、実施例1と順番が逆であるが、実施例1でも述べている通り、逆の順番でもコマ収差に対する効果に大差はない。球面収差補正に関してはこの順番の方が有利である。
第3レンズ群G3の構成および効果は実施例1と同様である。
また、実施例4の撮像レンズの基本レンズデータを表7に、諸元に関するデータを表8に、各収差図を図10(A)〜(E)に示す。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
次に、実施例5の撮像レンズについて説明する。実施例5の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図5に示す。
実施例5の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11と両凹レンズL12との接合レンズと、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と両凸レンズL15との接合レンズと、両凸レンズL16と、両凸レンズL17とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と負の屈折力を有するレンズL22(L2n)との接合レンズからなり、この接合レンズの接合面は像側に凸面を向けたものとなっている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL31とレンズL32との接合レンズと、物体に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL33と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL34とレンズL35との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL36と、両凸レンズL37とからなる。
第1レンズ群G1においては、最も像側の2枚のレンズL16,L17がいずれも両凸レンズであるが、レンズL16の物体側の面およびレンズL17の像側の面の曲率半径の絶対値が大きいので、実施例1と同様の効果がある。
第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の構成および効果は実施例1と同様である。
また、実施例5の撮像レンズの基本レンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、各収差図を図11(A)〜(E)に示す。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
次に、実施例6の撮像レンズについて説明する。実施例6の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図6に示す。
実施例6の撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力有する第2レンズ群G2と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、両凹レンズL14と両凸レンズL15との接合レンズと、像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL16と、両凸レンズL17とからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL21(L2p)と負の屈折力を有するレンズL22(L2n)との接合レンズからなり、この接合レンズの接合面は像側に凸面を向けたものとなっている。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、接合面が物体側に凸面を向けたレンズL31とレンズL32との接合レンズと、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL33と、接合面が像側に凸面を向けたレンズL34とレンズL35との接合レンズと、両凸レンズL36と、両凸レンズL37とからなる。
第1レンズ群G1においては、最も像側の2枚が像側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL16および両凸レンズL17であるが、レンズL16の物体側の面およびレンズL17の像側の面の曲率半径の絶対値が大きいので、実施例1と同様の効果がある。
第2レンズ群G2の構成および効果は実施例1と同様である。
第3レンズ群G3においては、実施例1と比較して像側から2枚目のレンズL36が両凸レンズとなっているが、このような構成とすることで球面収差の軽減に効果がある。
また、実施例6の撮像レンズの基本レンズデータを表11に、諸元に関するデータを表12に、各収差図を図12(A)〜(E)に示す。
Figure 0005718526
Figure 0005718526
実施例1〜6の撮像レンズの条件式(1)〜(4)に対応する値を表13に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表13に示す値はこの基準波長におけるものである。
Figure 0005718526
以上のデータから、実施例1〜6の撮像レンズは全て、条件式(1)〜(4)を満たしており、諸収差が良好に補正されているとともに、F値が1.9程度と明るく、また全長の短い撮像レンズであることが分かる。
次に、本発明の実施形態にかかる撮像装置について説明する。図13に、本発明の実施形態の撮像装置の一例として、本発明の実施形態の撮像レンズを用いた撮像装置の概略構成図を示す。なお、図13では各レンズ群を概略的に示している。この撮像装置としては、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を記録媒体とするビデオカメラや電子スチルカメラ等を挙げることができる。
図13に示すように、例えばビデオカメラのような撮像装置10は、撮像レンズ1と、撮像レンズ1の像側に配置されたローパスフィルタ等の機能を有するフィルタ6と、フィルタ6の像側に配置された撮像素子7と、信号処理回路8とを備えている。撮像素子7は撮像レンズ1により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えば、撮像素子7としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。撮像素子7は、その撮像面が撮像レンズ1の像面に一致するように配置される。
撮像レンズ1により撮像された像は撮像素子7の撮像面上に結像し、その像に関する撮像素子7からの出力信号が信号処理回路8にて演算処理され、表示装置9に像が表示される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。

Claims (13)

  1. 物体側から順に、第1レンズ群と、第2レンズ群と、絞りと、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL11と、負の屈折力を有するレンズL12と、像側に凹面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL13と、物体側に凹面を向けた負の屈折力を有するレンズL14と、2枚もしくは3枚の正の屈折力を有するレンズとからなり、
    前記第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズL2pと負の屈折力を有するレンズL2nの2枚のレンズからなり、
    前記第3レンズ群は、物体側から順に連続して、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを接合した接合レンズと、負の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズを接合した接合レンズとを有する
    ことを特徴とする撮像レンズ。
  2. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
    20<νd12−νd14 …(1)
    ただし、
    νd12:前記レンズL12のd線基準アッベ数
    νd14:前記レンズL14のd線基準アッベ数
    とする。
  3. 前記第3レンズ群は、少なくとも3枚の正の屈折力を有するレンズと、少なくとも3枚の負の屈折力を有するレンズとを有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
  4. 前記第3レンズ群を光軸方向に移動してフォーカシングを行う
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  5. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項記載の撮像レンズ。
    0.4<f/f3<0.8 …(2)
    ただし、
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    とする。
  6. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    ―0.6<f/f1<0.8 …(3)
    ただし、
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    とする。
  7. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
    20<νd1pave<45 …(4)
    ただし、
    νd1pave:前記第1レンズ群中で、前記レンズL14よりも像側にある正レンズが2枚の場合は最も像側のレンズのアッベ数、3枚の場合は像側の2枚のレンズの平均アッベ数
    とする。
  8. 前記レンズL11と前記レンズL12とが接合されている
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
  9. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項2記載の撮像レンズ。
    25<νd12−νd14 …(1a)
  10. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項記載の撮像レンズ。
    0.5<f/f3<0.7 …(2a)
  11. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項記載の撮像レンズ。
    ―0.5<f/f1<0.6 …(3a)
  12. 下記条件式を満足する
    ことを特徴とする請求項記載の撮像レンズ。
    25<νd1pave<40 …(4a)
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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