JP6698339B2 - 光学系及び撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、広角化及び大口径化を図ると共に、高い光学性能を実現することのできる光学系及び当該光学系を備える撮像装置を提供することにある。
νd1b2 > 65.0 ・・・(2)
νd1n < 40 ・・・(13)
0 < Cr2f/f1 ・・・(9)
νd1b1は、前記第1レンズ群に含まれる前記正レンズLAのd線に対するアッベ数であり、
νd1b2は、前記第1レンズ群に含まれる前記正レンズLBのd線に対するアッベ数であり、
νd1nは、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズを負レンズL1nとしたとき、当該負レンズL1nのd線に対するアッベ数であり、
Cr2fは、前記第2レンズ群において最も物体側に配置される面の曲率半径であり、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離である。
1−1.光学系の構成
本件発明の実施の形態の光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とを備え、第1レンズ群を光軸方向に固定し、第2レンズ群を移動させることで無限遠物体から有限距離物体への合焦を行い、第1レンズ群は、少なくとも3枚の負レンズと、正レンズLA及び正レンズLBとを含み、後述する条件を満足することを特徴とする。まず、本実施の形態に係る光学系の構成について説明した後で、条件式に関する事項を説明する。
第1レンズ群は正の屈折力を有し、少なくとも3枚の負レンズと正レンズLA及び正レンズLBとを含む限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。しかしながら、第1レンズ群は、物体側の面が物体側に凹である物体側凹面を少なくとも一面有することが好ましい。第1レンズ群内に配置される物体側凹面では、軸上収差に対する軸外収差の影響度が大きい。換言すれば、軸上収差に対して影響を及ぼすことなく、軸外収差の発生量、特にコマ収差の発生量を小さくすることができる。そのため、より良好な光学性能を有する光学系を得ることが容易になる。
ここで、第1Aレンズ群に含まれる少なくとも1枚の正レンズが、第1Aレンズ群内における最も広い空気間隔よりも像側に配置されることが好ましい。第1Aレンズ群における正レンズの配置をこのようにすることにより、当該第1Aレンズ群の物体側に負の屈折力を配置し、像側に正の屈折力を配置することができる。すなわち、第1Aレンズ群内においても、さらにレトロフォーカス型の屈折力配置を採用することができ、当該光学系の広角化を図ることが容易になる。また、当該屈折力配置を採用することで、前玉径の一層の小型化を図る上でも有効である。
第1Bレンズ群において、最も物体側に配置される面は物体側に凹である物体側凹面であり、当該第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きい面であることが好ましい。このようにすることで、軸外収差、特に、大口径広角レンズに特有のサジタルコマ収差を良好に補正することができる。
第2レンズ群は、全体でみたときに正の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。しかしながら、本件発明に係る課題を解決する上で、以下の構成であることが好ましい。
本件発明に係る光学系において、第2レンズ群内に開口絞りを有することが好ましい。第2レンズ群に入射する軸上光束の光束径は、上述のとおり第1レンズ群により収束されているため、開口絞りの小型化を図ることができる。また、開口絞りを駆動するための駆動機構の小型化及び軽量化も図ることができる。そのため、当該光学系の小型化、軽量化を図ることが容易になる。なお、開口絞りの前後において、第2レンズ群を上記のように部分レンズ群に分割してもよい。
当該光学系は、上述した第1レンズ群及び第2レンズ群を備えていればよく、第2レンズ群の像側に後続レンズ群を備えていてもよい。例えば、第2レンズ群の像側に、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群等を配置することができる。このとき、後続レンズ群の具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。
本件発明に係る光学系において、第1レンズ群を光軸方向に固定し、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体から有限距離物体への合焦を行う限り、第2レンズ群に後続する後続レンズ群の固定/移動の別は特に限定されるものでない。しかしながら、フォーカス群の軽量化等の観点から、第2レンズ群の像側にレンズ群を備える場合、フォーカスの際に当該後続レンズ群は光軸方向に固定されることが好ましい。
次に、当該光学系が満足すべき条件、又は、満足することが好ましい条件について説明する。当該光学系は以下の条件を満足するものとする。
条件式(2):νd1b2 > 65.0
νd1b1は、第1レンズ群に含まれる正レンズLAのd線に対するアッベ数であり、
νd1b2は、第1レンズ群に含まれる正レンズLBのd線に対するアッベ数である。
条件式(2)は、第1レンズ群に含まれる正レンズLBのd線に対するアッベ数を規定する式である。当該正レンズLBは、第1レンズ群に含まれるいずれかの正レンズであって、上記正レンズLAとは異なるレンズをいうものとする。条件式(2)を満足することにより、軸上色収差の補正が容易になり、良好な光学性能を有する光学系を得ることができる。
当該光学系において、第1レンズ群が上記第1Aレンズ群と上記第1Bレンズ群とから構成されるとき、以下の条件を満足することが好ましい。
f1aは第1Aレンズ群の焦点距離であり、
f1bは、第1Bレンズ群の焦点距離である。
第1レンズ群が上記第1Aレンズ群と上記第1Bレンズ群とから構成されるとき、第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きな物体側凹面が以下の条件を満足することが好ましい。
Cr1bfは、第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きな物体側凹面の曲率半径であり、f1aは上記と同様である。
当該光学系において、第1レンズ群が上記第1Aレンズ群と上記第1Bレンズ群とから構成されるとき、第1Aレンズ群と、第1Bレンズ群との間の空気間隔からなる空気レンズが以下の条件を満足することが好ましい。
−0.5<(Cr1ar+Cr1bf)/(Cr1ar−Cr1bf)<1.0
Cr1arは、第1Aレンズ群において最も像側に配置される面の曲率半径であり、
Cr1bfは、第1Bレンズ群において最も物体側に配置される物体側凹面の曲率半径である。
当該光学系において、第1レンズ群が上記第1Aレンズ群と上記第1Bレンズ群とから構成されるとき、第1Bレンズ群と第1レンズ群とが以下の条件を満足することが好ましい。
当該光学系において、第1レンズ群が上記第1Aレンズ群と上記第1Bレンズ群とから構成されるとき、第1Aレンズ群が以下の条件を満足することが好ましい。
但し、f1a及びf1は上記と同様である。
当該光学系において、第1レンズ群と第2レンズ群とが以下の条件を満足することが好ましい。
f1は上記と同様であり、f2は第2レンズ群の焦点距離である。
本件発明に係る光学系では、第2レンズ群において、最も物体側に配置される面が以下の条件を満足することが好ましい。
Cr2fは、第2レンズ群において最も物体側に配置される面の曲率半径であり、f1は上記と同様である。
当該光学系において、第2レンズ群が以下の条件を満足することが好ましい。
f2は、第2レンズ群の焦点距離であり、fは上記と同様である。
当該光学系において、第2レンズ群は、負の屈折力を有する空気レンズを少なくとも1枚含み、当該負の屈折力を有する空気レンズは以下の条件を満足することが好ましい。
R1は、第2レンズ群に含まれる負の屈折力を有する空気レンズの物体側面の曲率半径であり、
R2は、第2レンズ群に含まれる負の屈折力を有する空気レンズの像側面の曲率半径である。
当該光学系では、第1レンズ群において最も物体側に配置される面が以下の条件を満足することが好ましい。
Cr1fは、第1レンズ群において最も物体側に配置される面の曲率半径であり、
fは、当該光学系全系の焦点距離である。
当該光学系において、第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズを負レンズL1nとしたとき、当該負レンズL1nが以下の条件を満足することが好ましい。
但し、
νd1nは、負レンズL1nのd線に対するアッベ数を表す。
当該光学系において、第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、上記負レンズL1nよりも像側に配置される負レンズを負レンズL2nとしたとき、当該負レンズL2nが以下の条件を満足することが好ましい。
νd2nは、負レンズL2nのd線に対するアッベ数を表す。
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る光学系と、当該光学系の像側に設けられた、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。本件発明に係る光学系は、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置に要求されるバックフォーカスを確保することができるから、これらのレンズ交換式の撮像装置の交換レンズとして好適である。
図1は、本件発明に係る実施例1の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該光学系のレンズデータを示す。表1において、「面番号」は物体側から数えたレンズ面の順番、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、面番号の次の欄に表示する「ASP」は当該レンズ面が非球面であることを表し、「S」開口絞りを表している。
BF= 39.0331
図6は、本件発明に係る実施例2の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表3は、当該光学系のレンズデータであり、表4は、当該光学系の緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表7に条件式(1)〜条件式(14)の数値を示す。さらに、図7〜図10は、当該光学系の無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0353
図11は、本件発明に係る実施例3の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表5は、当該光学系のレンズデータであり、表6は、当該光学系の緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表7に条件式(1)〜条件式(14)の数値を示す。さらに、図12〜図15は、当該光学系の無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0376
G1A ・・・第1Aレンズ群
G1B ・・・第1Bレンズ群
G2 ・・・第2レンズ群
S ・・・開口絞り
IP ・・・像面
Claims (14)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、
前記第1レンズ群を光軸方向に固定し、前記第2レンズ群を移動させることで無限遠物体から有限距離物体への合焦を行い、
前記第1レンズ群は、少なくとも3枚の負レンズと、正レンズLA及び正レンズLBとを含み、
前記第1レンズ群は、物体側の面が物体側に凹である物体側凹面を少なくとも一面有すると共に、物体側から順に、負の屈折力を有する第1Aレンズ群と、正の屈折力を有する第1Bレンズ群とから構成され、当該第1Bレンズ群において最も物体側に配置される面が、当該第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きな物体側凹面であり、
前記第2レンズ群は、負の屈折力を有する空気レンズを少なくとも1枚含み、
以下の条件を満足することを特徴とする光学系。
νd1b1 < 35.0 ・・・(1)
νd1b2 > 65.0 ・・・(2)
νd1n < 40 ・・・(13)
0 < Cr2f/f1 ・・・(9)
但し、
νd1b1は、前記第1レンズ群に含まれる前記正レンズLAのd線に対するアッベ数であり、
νd1b2は、前記第1レンズ群に含まれる前記正レンズLBのd線に対するアッベ数であり、
νd1nは、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズを負レンズL1nとしたとき、当該負レンズL1nのd線に対するアッベ数であり、
Cr2fは、前記第2レンズ群において最も物体側に配置される面の曲率半径であり、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離である。 - 前記第1Bレンズ群に、前記正レンズLA及び前記正レンズLBが含まれる請求項1に記載の光学系。
- 前記第1Aレンズ群と前記第1Bレンズ群とが以下の条件を満足する請求項1又は請求項2に記載の光学系。
−0.95 < f1a/f1b < −0.40 ・・・(3)
但し、
f1aは、前記第1Aレンズ群の焦点距離であり、
f1bは、前記第1Bレンズ群の焦点距離である。 - 前記第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きな物体側凹面が以下の条件を満足する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学系。
0.48 < Cr1bf / f1a < 1.70 ・・・(4)
但し、
Cr1bfは、前記第1レンズ群に含まれる物体側凹面のうち最も曲率の大きな物体側凹面の曲率半径であり、
f1aは、前記第1Aレンズ群の焦点距離である。 - 前記第1Aレンズ群と、前記第1Bレンズ群との間の空気間隔からなる空気レンズが以下の条件を満足する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学系。
−0.5<(Cr1ar+Cr1bf)/(Cr1ar−Cr1bf)<1.0・・・(5)
但し、
Cr1arは、前記第1Aレンズ群において最も像側に配置される面の曲率半径であり、
Cr1bfは、前記第1Bレンズ群において最も物体側に配置される前記物体側凹面の曲率半径である。 - 前記第1Bレンズ群と前記第1レンズ群とが以下の条件を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学系。
0.10 < f1b/f1 < 0.47 ・・・(6)
但し、
f1bは、前記第1Bレンズ群の焦点距離である。 - 前記第1Aレンズ群が以下の条件を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学系。
−0.40 < f1a/f1 < −0.05 ・・・(7)
但し、
f1aは、前記第1Aレンズ群の焦点距離である。 - 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群とが以下の条件を満足する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学系。
3.2 < f1 /f2 < 9.0 ・・・(8)
但し、
f2は、前記第2レンズ群の焦点距離である。 - 前記第2レンズ群が以下の条件を満足する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学系。
1.75 < f2/f < 3.00 ・・・(10)
但し、
f2は、前記第2レンズ群の焦点距離であり、
fは、当該光学系全系の焦点距離である。 - 前記負の屈折力を有する空気レンズは以下の条件を満足する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学系。
−0.5 < (R1+R2)/(R1−R2) < 0.5 ・・・(11)
但し、
R1は、前記第2レンズ群に含まれる負の屈折力を有する空気レンズの物体側面の曲率半径であり、
R2は、前記第2レンズ群に含まれる負の屈折力を有する空気レンズの像側面の曲率半径である。 - 前記第1レンズ群において最も物体側に配置される面が以下の条件を満足する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学系。
0 < Cr1f/f ・・・(12)
但し、
Cr1fは、前記第1レンズ群において最も物体側に配置される面の曲率半径であり、
fは、当該光学系全系の焦点距離である。 - 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズが物体側に凸の形状を有するメニスカスレンズである請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光学系。
- 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも3枚の負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズよりも像側に配置される負レンズを負レンズL2nとしたとき、当該負レンズL2nが以下の条件を満足する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学系。
νd2n > 54.0 ・・・(14)
但し、
νd2nは、前記負レンズL2nのd線に対するアッベ数である。 - 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光学系と、当該学系の像側に、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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