JP5717955B2 - 建築板 - Google Patents

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Description

本発明は、建築板に関するものである。
従来から建築板への模様付けに関連して、多くの技術が提案されている。例えば、凹凸模様を有する建築板の表面にインクジェット式塗装機によって塗装が施された塗装建築板に関し、建築板の凹凸模様の隣合う凸部と凹部において、凸部の凸面と凹部の凹底面とを異なる色で着色塗装し、この凸面と凹底面の間の立上り面を、凸面の塗装色と凹底面の塗装色の中間の色で、インクジェット式塗装機によって着色塗装する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、下層着色塗膜を有する基板の表面に柄模様、特に天然石に擬似する外観模様を能率よく且つ精度よく描画でき、しかも耐久性に優れた基板を得ることのできる塗装方法を提供することを目的として、ピエゾ振動方式のインクジェットプリンター及びコンピューターの制御信号を組み合わせて用いることに加えて、インクの着色顔料として平均粒子径が60〜1000nmである顔料を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、耐褪色性を高く得ることができる化粧建築板を提供することを目的として、基材の表面に、下塗り層、インク受理層、インクジェット層、クリアー層、無機質塗料層、光触媒塗料層をこの順に積層して形成した化粧建築板が提案されている。インクジェット層は、黄色酸化鉄、Ti−Ni−Ba系イエロー、Ti−Sb−Ni系イエロー、Ti−Nb−Ni系イエロー、Ti−Sb−Cr系イエローから選ばれる顔料を含有するイエローのインクと、Co−Al系ブルー、Co−Al−Cr系ブルーから選ばれる顔料を含有するシアンのインクと、赤色酸化鉄、Fe−Zn系ブラウン、Fe−Zn−Cr系ブラウン、Fe−Ni−Al系ブラウンから選ばれる顔料を含有するマゼンタのインクとからなる、有機顔料を含有しない3色のインクで形成されている(例えば、特許文献3参照)。なお、出願人においても、屋外用着色板(屋外用着色物)に関連した技術を提案している(例えば、特許文献4および特許文献5参照)。
特開2007−177573号公報 特開平10−128231号公報 特開2008−63831号公報 特開2008−80629号公報 特開2009−52030号公報
ところで、建築板は、例えば屋外に設置(施工)されるため、長期期間、具体的には、5〜10年程度の耐候性が求められる。例えば、10年程度、熱、光(太陽光)、水(雨)に暴露されたとしても、建築板がほとんど変退色せず、その外観が維持されることが求められる。しかし、このような要求を満足することは、必ずしも容易なことではなく、変退色が発生してしまうこともあり得る。出願人は、このような抑制することが困難な変退色を許容した上で、新たな建築板を開発することとしたものである。
本発明は、好適な変退色を実現可能な建築板を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みなされた本発明は、模様付けされた建築板の変退色前後の色差について、イエロー成分の色差とマゼンタ成分の色差とシアン成分の色差とを略同一としたものである。
本発明を反映した第1の課題解決手段は、イエロー顔料を含むインクによるイエロードットと、マゼンタ顔料を含むインクによるマゼンタドットと、シアン顔料を含むインクによるシアンドットとで模様付けされている、建築板であって、前記イエロー顔料はシー・アイ・ピグメントイエロー42またはシー・アイ・ピグメントイエロー184で、前記マゼンタ顔料はシー・アイ・ピグメントレッド101で、前記シアン顔料はシー・アイ・ピグメントブルー28であり、シー・アイ・ピグメントイエロー42またはシー・アイ・ピグメントイエロー184である前記イエロー顔料を含むインクと、シー・アイ・ピグメントレッド101である前記マゼンタ顔料を含むインクと、シー・アイ・ピグメントブルー28である前記シアン顔料を含むインクとは、全て紫外線硬化型インクであり、前記イエロードットと前記マゼンタドットと前記シアンドットとで模様付けされた建築板のJTM G 01:2000にしたがった下記の超促進耐候試験条件による促進耐候試験による変退色前後のCIE1976L 色空間における色差(ΔE ab)について、イエロー成分とマゼンタ成分とシアン成分との各色間での前記促進耐候試験による試験時間600時間における変退色後の色差(ΔE ab)が0.99以内であることを特徴とする建築板である。
<超促進耐候試験条件>
光源:水冷式メタルハライドランプ
照度:90mW/cm
波長:295〜450nm
温度:60℃(照射),30℃(結露)
湿度:50%(照射),90%(結露)
サイクル:照射5時間,結露5時間
シャワー:結露前後10秒
これによれば、イエロー成分とマゼンタ成分とシアン成分とのうち、特定の色成分が変退色することを防止することができる。具体的に、建築板に形成された所定の模様から、特定の色成分の色味、例えばイエロー成分の色味が消えてしまうような状態を防止することができる。好適な画像品質で模様付けがされた建築板とすることができる。
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段の建築板であって、建築物の外装材として用いられることを特徴とする。これによれば、上述した第1の課題解決手段による優れた機能(作用)を発揮可能な建築物の外装材としての建築板とすることができる。
第3の課題解決手段は、第1または第2の課題解決手段の建築板であって、前記建築板は、さらに、ブラック顔料を含む紫外線硬化型インクによるブラックドットで模様付けされ、前記ブラック顔料は、無機顔料であることを特徴とする。これによれば、さらに、イエローとマゼンタとシアンとブラックとについて、全てを無機顔料とし、これらを含む紫外線硬化型インクそれぞれを使用し、模様付けされた建築板とすることができる。
本発明によれば、好適な変退色を実現可能な建築板を得ることができる。
建築板およびインクジェット層を説明する図である。
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略することもできる。
(建築板)
本実施形態の建築板は、建築物の外装材、より具体的には、例えば外壁、屋根材として用いられる。建築板500は、例えば図1(a)に示す構成を有し、基材510と、この基材510の表面に塗布などされて形成された各被覆層520〜560とで構成される。基材510は、例えば窯業系サイディング材からなる。基材510は、セメント質と繊維質とを主な原料として、高温・高圧の釜などを用い板状に形成される。基材510の表面には、例えば、シーラー520とベースコート530とが形成(塗布)される。
ベースコート530の表面には、インクジェット層540が形成(記録)される。換言すれば、ベースコート530を下地として、インクジェット層540が記録される。インクジェット層540は、通信可能に接続された外部装置からインクジェット記録装置に入力される所定の模様(画像)を表すデータにしたがい模様付けされた層である(図1(b)参照)。模様付けには、例えば紫外線硬化型インクが使用され、所定の模様(画像)を表すデータにしたがい、紫外線硬化型インク滴が、インクジェット記録装置の記録ヘッドから吐出され、ベースコート530の表面に着弾して行われる。インクジェット層540に付与された模様は、吐出された紫外線硬化型インク滴によるドットによって形成されている。例えば、模様付けのために、インクジェット記録装置で用いられたインク色が、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)およびブラック(blacK)である場合、付与された模様は、イエロードット540Yとマゼンタドット540Mとシアンドット540Cとブラックドット540Kとによって形成されている。
紫外線硬化型インクは、反応性オリゴマーと、反応性モノマーと、光重合開始剤と、着色材としての顔料とを含む。顔料は、イエロー、マゼンタ、シアンの場合、無機顔料または有機顔料のいずれとすることもできる。なお、ブラックは、無機顔料が用いられる。イエローの無機顔料としては、シー・アイ・ピグメントイエロー42,シー・アイ・ピグメントイエロー184が好適である。マゼンタの無機顔料としては、シー・アイ・ピグメントレッド101,シー・アイ・ピグメントレッド102が好適である。シアンの無機顔料としては、シー・アイ・ピグメントブルー28,シー・アイ・ピグメントブルー36が好適である。ブラックの無機顔料としては、シー・アイ・ピグメントブラック7が好適である。
また、イエローの有機顔料としては、シー・アイ・ピグメントイエロー120,シー・アイ・ピグメントイエロー150が好適である。マゼンタの有機顔料としては、シー・アイ・ピグメントレッド122,シー・アイ・ピグメントレッド178,シー・アイ・ピグメントレッド179,シー・アイ・ピグメントレッド202,シー・アイ・ピグメントレッド254,シー・アイ・ピグメントバイオレット19が好適である。シアンの有機顔料としては、シー・アイ・ピグメントブルー15,シー・アイ・ピグメントブルー15:1,シー・アイ・ピグメントブルー15:2,シー・アイ・ピグメントブルー15:3,シー・アイ・ピグメントブルー15:4,シー・アイ・ピグメントブルー15:6,シー・アイ・ピグメントブルー16が好適である。なお、紫外線硬化型インクは、模様付けが終了した後(所定の模様が記録された後)、紫外線が照射され、これにより硬化する。
紫外線が照射されて硬化したインクジェット層540の表面には、耐候性向上を目的として、トップコート550が形成されている。また、トップコート550の表面には、例えば防汚機能を付与するためのコーティング(以下、「付加価値コート層」ともいう。)560が形成されている。なお、トップコート550と付加価値コート層560とは、透明(無色透明)の被覆層であって、インクジェット層540に付与された模様は、トップコート550と付加価値コート層560とを介して視認される。
ここで、基材510は、15mm程度の板厚を有する。また、基材510の表面に形成される各被覆層520〜560は、それぞれ所定の厚み(膜厚)に形成される。なお、各被覆層520〜560の成分およびその厚みについては、次に記載の実施例に係る促進耐候試験に用いた試験用建築板と同様の成分および同程度の厚みとすることができるため、その説明は省略する。
(実施例)
本実施形態の建築板500による変退色特性を確認するために、促進耐候試験を行った。以下、この促進耐候試験の結果について、説明する。
(試験用建築板)
今回の促進耐候試験では、本実施形態の建築板500に関連した実施例1,2と、参考例1と、比較対象のための比較例1〜4との合計7種の試験用建築板を用いた。試験用建築板は、全ての種類について、図1に示す構成とした。すなわち、窯業系サイディング材による基材510の表面に、上記の各被覆層520〜560を形成した。インクジェット層540に付与した模様は、実施例1,2、参考例1および比較例1〜4ともに、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(参考例1を除く)それぞれの単色模様と、レンガ調模様とした。
ここで、インクジェット層540を除く各被覆層520,530,550,560の成分および厚みは、次のとおりであり、各試験用建築板について、同一とした。
<各被覆層の成分および厚み>
シーラー :水系塗料(アクリルスチレン)/50μm
ベースコート :水系塗料(アクリル)/100μm
トップコート :水系塗料(アクリルシリコン)/30μm
付加価値コート層:防汚機能(親水処理)/5μm
また、実施例1,2、参考例1および比較例1〜4について、インクジェット層540を形成するための紫外線硬化型インクに含まれる顔料は、表1のとおりである。ここで、実施例1および実施例2は、イエロー、マゼンタ、シアンともに無機顔料の組合せである。同じく、参考例1は、有機顔料の組合せである。これに対し、比較例1は、イエローが有機顔料で、マゼンタ、シアンが無機顔料の組合せである。比較例2は、イエロー、シアンが無機顔料で、マゼンタが有機顔料の組合せである。比較例3は、イエロー、マゼンタが無機顔料で、シアンが有機顔料の組合せである。比較例4は、イエロー、マゼンタ、シアンともに無機顔料の組合せである。なお、実施例1,2、参考例1および比較例1〜4について、ブラックは無機顔料である。また、各試験用建築板について、インクジェット層540の厚みは、全て10μmとした。
Figure 0005717955
(インクジェット記録装置による模様付条件)
インクジェット層540の模様付け、換言すれば、インクジェット層540を形成するためのインクジェット記録と、模様付けが終了した後の紫外線照射とは、次に示す各条件にて行った。
<模様付条件>
ノズル径 :70μm
印加電圧 :50V
パルス幅 :20μs
駆動周波数 :3kHz
解像度 :180dpi×180dpi
加熱温度 :60℃
<紫外線照射条件>
ランプ種類 :メタルハライドランプ
電圧 :200W/cm
照射時間 :1秒間
照射距離 :10cm
(促進耐候試験方法)
促進耐候試験は、超促進耐候試験機(岩崎電気株式会社製のアイ スーパーUVテスター、型式:SUV−W151)を用いて行った。試験時間は、600時間(屋外10年相当)とし、120時間毎に実施例1,2、参考例1および比較例1〜4における変退色を測定した。促進耐候試験は、日本試験機工業会 JTM G 01:2000にしたがった。試験条件の詳細は、以下のとおりである。変退色の測定には、色差計(コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計、型式:CM−3600d)を用い、L色差(ΔEab)(CIE1976/以下、L色差(ΔEab)を「色差(ΔE)」という。)を求めた。
<超促進耐候試験条件>
光源:水冷式メタルハライドランプ
照度:90mW/cm
波長:295〜450nm
温度:60℃(照射),30℃(結露)
湿度:50%(照射),90%(結露)
サイクル:照射5時間,結露5時間
シャワー:結露前後10秒
(促進耐候試験結果)
促進耐候試験結果、詳細には、単色模様付けとしたインクジェット層540を有する試験用建築板に基づく促進耐候試験結果について、表2〜7を参照して説明する。なお、表2は比較例1、表3は比較例2、表4は比較例3、表5は比較例4に関する色差(ΔE)の変化を示す。また、表6は実施例1、表7は実施例2、表8は参考例1に関する色差(ΔE)の変化を示す。
まず、比較例1〜4について説明する。比較例1では、表2に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.89、マゼンタで1.20、シアンで0.39である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.60(イエローおよびシアン間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲(出願人は、経験的に略5以内が好適であることを見出している。)であると認められる。
これに対し、屋外に10年暴露された状態に相当する600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで15.33、マゼンタで1.27、シアンで1.13である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で14.65(イエローおよびブラック間)であり、各色成分の色差に、顕著な差が認められる。なお、ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、14.2(イエローおよびシアン間)であり、顕著な差となる。なお、比較例1では、試験開始から360時間経過(屋外に5,6年暴露された状態に相当)した時点で、各色間での最大差が、5を超える(イエローおよびブラック間)。ブラックを除いたその他3色を対象とした場合についても、同じ結果である(イエローおよびシアン間)。
以上の結果から明らかなとおり、比較例1では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、イエロー成分(のみ)が、激しく退色する。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板で、イエロー成分の色味(黄味)が消えた状態が確認された。
Figure 0005717955
比較例2では、表3に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで0.77、マゼンタで2.33、シアンで0.39である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.94(マゼンタおよびシアン間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。
これに対し、試験開始から600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.99、マゼンタで16.66、シアンで1.13である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で15.98(マゼンタおよびブラック間)であり、各色成分の色差に、顕著な差が認められる。ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、15.53(マゼンタおよびシアン間)であり、顕著な差となる。なお、比較例2では、試験開始から360時間経過した時点で、各色間での最大差が、5を超える(マゼンタおよびブラック間)。ブラックを除いたその他3色を対象とした場合についても、同じ結果である(マゼンタおよびシアン間)。
以上の結果から明らかなとおり、比較例2では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、マゼンタ成分(のみ)が、激しく退色する。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板で、マゼンタ成分の色味(赤味)が消えた状態が確認された。
Figure 0005717955
比較例3では、表4に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで0.77、マゼンタで1.20、シアンで3.80である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で3.22(シアンおよびブラック間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。なお、ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、3.03(イエローおよびシアン間)であり、略同一の範囲であると認められる。
これに対し、試験開始から600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.99、マゼンタで1.27、シアンで19.87である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で19.19(シアンおよびブラック間)であり、各色成分の色差に、顕著な差が認められる。ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、18.6(マゼンタおよびシアン間)であり、顕著な差となる。なお、比較例3では、試験開始から240時間経過(屋外に3,4年暴露された状態に相当)した時点で、各色間での最大差が、5を超える(シアンおよびブラック間)。ブラックを除いたその他3色を対象とした場合についは、360時間経過した時点で、各色間での最大差が、5を超える(マゼンタおよびシアン間)。
以上の結果から明らかなとおり、比較例3では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、シアン成分(のみ)が、激しく退色する。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板で、シアン成分の色味(青味)が消えた状態が確認された。
Figure 0005717955
比較例4では、表5に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで0.77、マゼンタで1.20、シアンで3.45である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で2.87(シアンおよびブラック間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。なお、ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、2.68(イエローおよびシアン間)であり、略同一の範囲であると認められる。
これに対し、試験開始から600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.99、マゼンタで1.27、シアンで15.44である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で14.76(シアンおよびブラック間)であり、各色成分の色差に、顕著な差が認められる。ブラックを除いたその他3色を対象としても、最大差は、14.17(マゼンタおよびシアン間)であり、顕著な差となる。なお、比較例4では、試験開始から240時間経過(屋外に3,4年暴露された状態に相当)した時点で、各色間での最大差が、5を超える(シアンおよびブラック間)。ブラックを除いたその他3色を対象とした場合についても、同じ結果である(マゼンタおよびシアン間)。
以上の結果から明らかなとおり、比較例4では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、シアン成分(のみ)が、激しく退色する。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板で、シアン成分の色味(青味)が消えた状態が確認された。
Figure 0005717955
次に、実施例1,2および参考例1について説明する。実施例1では、表6に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで0.77、マゼンタで1.20、シアンで0.39である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で0.81(マゼンタおよびシアン間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。
また、屋外に10年暴露された状態に相当する600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.99、マゼンタで1.27、シアンで1.13である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.31(イエローおよびブラック間)であり、この場合についても、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。ブラックを除いたその他3色を対象としたとき、最大差は、0.86(イエローおよびシアン間)であり、その差はさらに縮小する。
以上の結果から明らかなとおり、実施例1では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、時間の経過に関わらず、略同一の範囲に維持することができる。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板では、特定の色成分の色味が消えた状態は確認されなかった。
Figure 0005717955
実施例2では、表7に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで0.17、マゼンタで1.20、シアンで0.39である。ブラックの色差(ΔE)は、0.58である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.03(イエローおよびマゼンタ間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。
また、試験開始から600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで2.12、マゼンタで1.27、シアンで1.13である。ブラックの色差(ΔE)は、0.68である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.44(イエローおよびブラック間)であり、この場合についても、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。ブラックを除いたその他3色を対象としたとき、最大差は、0.99(イエローおよびシアン間)であり、その差はさらに縮小する。
以上の結果から明らかなとおり、実施例2では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、時間の経過に関わらず、略同一の範囲に維持することができる。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板では、特定の色成分の色味が消えた状態は確認されなかった。
Figure 0005717955
参考例1では、表8に示すとおり、例えば試験開始から120時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで1.89、マゼンタで2.33、シアンで3.80である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で1.91(イエローおよびシアン間)であり、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。
また、試験開始から600時間経過後の各色の色差(ΔE)は、イエローで15.33、マゼンタで16.66、シアンで19.87である。したがって、色差(ΔE)について各色間での差は、最大で4.54(イエローおよびシアン間)であり、この場合についても、各色成分の色差は、略同一の範囲であると認められる。
以上の結果から明らかなとおり、参考例1では、模様付けされた試験用建築板(インクジェット層540に形成された所定の模様)の変退色前後の色差について、時間の経過に関わらず、略同一の範囲に維持することができる。このような状態は、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板においても確認された。すなわち、レンガ調の模様付けがされた試験用建築板では、全体として激しく退色しているが変色はしておらず、特定の色成分の色味が消えた状態は確認されなかった。なお、屋外に10年暴露された状態に相当する600時間経過後において、わずかではあるがレンガ調の模様が確認された。
Figure 0005717955
(本実施形態の構成に基づく有利な効果)
建築板500は、模様付けされた建築板500の変退色前後の色差について、イエロー成分の色差とマゼンタ成分の色差とシアン成分の色差とを略同一、または、これらに加え、ブラック成分の色差を略同一とし、屋外に10年暴露された状態に相当する、促進耐候試験開始後600時間経過後においても、特定の色成分の色味が激しく退色することを防止することとしたものである。これによれば、インクジェット記録装置による、イエロードット540Yとマゼンタドット540Mとシアンドット540Cとによって、または、これらに加えブラックドット540Kによって模様付けされた建築板500の色イメージを、変退色が進行した場合においても維持することができる。
なお、本実施形態の建築板500は、換言すれば、模様付けされた建築板500の変退色前後の色差について、イエロードット540Yの色差とマゼンタドット540Mの色差とシアンドット540Cの色差とが、略同一であるともいえる(ブラックドット540Kについても同じ)。
(変形例)
本実施形態の建築板500は、次のような構成とすることもできる。
(1)上記では、建築板500の基材510を窯業系サイディング材とした構成を例に説明した。しかし、これ以外の構成とすることもできる。例えば、基材510を金属板とすることもできる。この場合、シーラー520は省略される。なお、シーラー520,ベースコート530,トップコート550,付加価値コート層560のそれぞれは、各種の点を考慮し、省略できる。また、これら以外の層を形成することもできる。
)上記では、建築板500が、外壁、屋根材などの建築物の外装材である場合を例に説明した。しかし、本実施形態が採用する技術的思想は、内装材として用いられる建築板へも適用することもできる。
500 建築板
540 インクジェット層
540Y イエロードット
540M マゼンタドット
540C シアンドット

Claims (3)

  1. イエロー顔料を含むインクによるイエロードットと、マゼンタ顔料を含むインクによるマゼンタドットと、シアン顔料を含むインクによるシアンドットとで模様付けされている、建築板であって、
    前記イエロー顔料はシー・アイ・ピグメントイエロー42またはシー・アイ・ピグメントイエロー184で、前記マゼンタ顔料はシー・アイ・ピグメントレッド101で、前記シアン顔料はシー・アイ・ピグメントブルー28であり、
    シー・アイ・ピグメントイエロー42またはシー・アイ・ピグメントイエロー184である前記イエロー顔料を含むインクと、シー・アイ・ピグメントレッド101である前記マゼンタ顔料を含むインクと、シー・アイ・ピグメントブルー28である前記シアン顔料を含むインクとは、全て紫外線硬化型インクであり、
    前記イエロードットと前記マゼンタドットと前記シアンドットとで模様付けされた建築板のJTM G 01:2000にしたがった下記の超促進耐候試験条件による促進耐候試験による変退色前後のCIE1976L 色空間における色差(ΔE ab)について、イエロー成分とマゼンタ成分とシアン成分との各色間での前記促進耐候試験による試験時間600時間における変退色後の色差(ΔE ab)が0.99以内であることを特徴とする建築板。
    <超促進耐候試験条件>
    光源:水冷式メタルハライドランプ
    照度:90mW/cm
    波長:295〜450nm
    温度:60℃(照射),30℃(結露)
    湿度:50%(照射),90%(結露)
    サイクル:照射5時間,結露5時間
    シャワー:結露前後10秒
  2. 建築物の外装材として用いられることを特徴とする請求項1に記載の建築板。
  3. 前記建築板は、さらに、ブラック顔料を含む紫外線硬化型インクによるブラックドットで模様付けされ、
    記ブラック顔料は、無機顔料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建築板。
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