JP5717671B2 - モデル定数取得方法およびモデル定数取得装置 - Google Patents

モデル定数取得方法およびモデル定数取得装置 Download PDF

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Description

本発明は、モデル定数取得方法およびモデル定数取得装置に関する。
電池の充電率推定は、電池を運用する上で極めて重要であり、高い推定精度が求められる。この充電率推定法の1つに電流積算法があるが、測定誤差や容量誤差による誤差が蓄積されるため、簡易等価回路モデルを適用して充電率(SOC;State Of Charge)推定を行う手法である回路モデル法が主流となっている。回路モデル法では、事前に充電率(SOC)または開放電圧(OCV; Open Circuit Voltage)と温度とをパラメータに、回路定数を同定算出する必要があり、代表的な方法に交流インピーダンス方がある。
また、特許文献1に記載の電池モデル同定方法では、M系列入力電流作成部2により周波数成分の異なるM系列信号を電流入力として電池に入力し、その際の電池の端子電圧を電圧センサで測定し、パラメータ推定部が、測定結果に基づいてシステム同定を行い、電池の周波数特性を算出し、算出した周波数特性に基づいて電池モデルのパラメータを同定する。
これにより、入力信号を実際の大きさとしつつ、電池の状態を変化させないように電池モデルの同定を行うことができる、とされている。
特開2010−157492号公報
交流インピーダンス法では、モデル定数の精度が得られない、電池状態が変化する、同定に時間を要するなどの欠点がある。
また、特許文献1に記載の電池モデル同定方法では、M系列信号を生成する必要があり、装置構成が複雑になってしまう。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、より簡単な構成の装置を用いて、電池状態を変化させずに、二次電池の回路モデルのモデル定数を取得することができるモデル定数取得方法およびモデル定数取得装置を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるモデル定数取得方法は、二次電池の温度を検出する電池温度検出ステップと、前記二次電池の充電率を求める充電率取得ステップと、前記電池温度検出ステップにて検出した前記二次電池の温度と、前記充電率取得ステップにて取得した前記二次電池の充電率とに基づいて、前記二次電池に印加する電力の大きさを制御する制御ステップと、前記制御ステップにて制御された同じ大きさで正負に変化する電力を前記二次電池に印加して、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる状態の各々について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップにて取得した、前記二次電池の電流値および電圧値に基づいて、前記二次電池の回路モデルのモデル定数を算出するモデル定数算出ステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得方法は、上述のモデル定数取得方法であって、前記データ取得ステップでは、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる複数周波数の正弦波交流電流を印加し、各周波数について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得方法は、上述のモデル定数取得方法であって、前記データ取得ステップでは、電流の向きが変化する矩形波の電力を印加し、前記二次電池の応答電力の大きさが異なるタイミングの各々で、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得方法は、上述のモデル定数取得方法であって、前記モデル定数算出にて、様々な劣化の程度の二次電池について前記モデル定数を算出し、得られたモデル定数に基づいて、二次電池の劣化の程度に応じて前記モデル定数の補間係数を示す補間式を算出することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得装置は、二次電池の温度を検出する電池温度検出部と、前記二次電池の充電率を求める充電率取得部と、前記電池温度検出部が検出した前記二次電池の温度と、前記充電率取得部が取得した前記二次電池の充電率とに基づいて、前記電力印加部が前記二次電池に印加する電力の大きさを制御する制御部と、前記制御部によって制御された同じ大きさで正負に変化する電力を前記二次電池に印加する電力印加部と、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる状態の各々について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得するデータ取得部と、前記データ取得部が取得した、前記二次電池の電流値および電圧値に基づいて、前記二次電池の回路モデルのモデル定数を算出するモデル定数算出部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得装置は、上述のモデル定数取得装置であって、前記電力印加部は、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる複数周波数の正弦波交流電流を印加し、前記データ取得部は、各周波数について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得装置は、上述のモデル定数取得装置であって、前記電力印加部は、電流の向きが変化する矩形波の電力を印加し、前記データ取得部は、前記二次電池の応答電力の大きさが異なるタイミングの各々で、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする。
また、本発明の一態様によるモデル定数取得装置は、上述のモデル定数取得装置であって、前記モデル定数算出部は、様々な劣化の程度の二次電池について前記モデル定数を算出し、得られたモデル定数に基づいて、二次電池の劣化の程度に応じて前記モデル定数の補間係数を示す補間式を算出することを特徴とする。
本発明によれば、より簡単な構成の装置を用いて、電池状態を変化させずに、二次電池の回路モデルのモデル定数を取得することができる。
本発明の一実施形態におけるモデル定数取得装置の概略構成を示す構成図である。 同実施形態における、二次電池を模擬する電池モデルの例を示す説明図である。 同実施形態において、電力印加部が二次電池に印加する高周波の正弦波交流、および、二次電池の応答電圧の例を示す説明図である。 同実施形態において、電力印加部が二次電池に印加する低周波の正弦波交流、および、二次電池の応答電圧の例を示す説明図である。 同実施形態の電池モデルにおける、インピーダンスおよびキャパシタンスを示す変数名を表記した説明図である。 同実施形態において、電力印加部が高周波電力を印加した状態での、回路モデルの電流値および電圧値を示す変数名を表記した説明図である。 同実施形態において、電力印加部が低周波電力を印加した状態での、回路モデルの電流値および電圧値を示す変数名を表記した説明図である。 同実施形態における波高値テーブル記憶部が記憶する波高値テーブルの例を示す説明図である。 同実施形態において、モデル定数取得装置が正弦波交流電力を印加してモデル定数を算出する処理手順を示すフローチャートである。 同実施形態において、電力印加部が印加するステップ電力の電流値と、二次電池の応答電圧値との例を示す説明図である。 同実施形態において、電力印加部がステップ電力を印加する場合に、波高値テーブル記憶部が記憶する波高値テーブルの例を示す説明図である。 同実施形態において、モデル定数取得装置がステップ電力を印加してモデル定数を算出する処理手順を示すフローチャートである。 同実施形態の実験結果を示す説明図である。 同実施形態における、二次電池の劣化度合いの各段階での抵抗値DCRに対する補正係数の例を示す説明図である。 同実施形態において、モデル定数算出部が求めた補正係数の平均値と、容量劣化率との関係を示す説明図である。 同実施形態において、モデル定数取得装置が、モデル定数の補間式を算出する処理手順を示すフローチャートである。 同実施形態において、モデル定数算出部が1つの補間式のみを算出する例を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるモデル定数取得装置の概略構成を示す構成図である。同図において、モデル定数取得装置1は、電流センサ101と、温度センサ103と、電流検出部111と、電圧検出部112と、電池温度検出部113と、データ取得部120と、モデル定数算出部130と、制御部140と、電力印加部150と、波高値テーブル記憶部190と、恒温器200とを具備する。また、モデル定数取得装置1には二次電池900が設置されている。
二次電池900は、例えばリチウムイオン電池または鉛電池などの二次電池である。二次電池900は、モデル定数取得対象であり、二次電池900のモデル定数をより正確に取得することで、二次電池900の充電率(State Of Charge;SOC)をより正確に求めることができる。このモデル定数について、図2を参照して説明する。
図2は、二次電池900を模擬する電池モデルの例を示す説明図である。同図に示す電池モデルは、抵抗903およびキャパシタ(コンデンサ)904が並列に接続された回路(以下、「並列回路部分」と称する)と、抵抗902と、直流電源901とが直列に接続されて構成されている。
直流電源901は、抵抗値を有さない仮想的な電池であり、二次電池900の開放電圧を示す。
抵抗902は、二次電池900の内部抵抗のうち、直流電流と交流電流とのいずれにも作用する成分を模擬する。以下では、抵抗902の抵抗値をDCR[Ω(オーム)]と表記する。
抵抗903およびキャパシタ904が並列に接続された回路は、二次電池900の内部抵抗のうち、直流電流と交流電流とで作用の度合いが異なる成分を示す。かかる抵抗成分は、例えば二次電池900の濃度分極現象に起因して生じる。この並列接続回路は、直流電流や比較的周波数の低い電流に対しては比較的大きい抵抗値を示し、比較的周波数の高い電流に対しては比較的小さい抵抗値を示す。以下では、抵抗903の抵抗値をACR[Ω]と表記し、キャパシタ904のキャパシタンスをACC[F(ファラッド)]と表記する。
電力印加部150は、制御部140の制御に従って、二次電池900に電力を印加する。特に、電力印加部150は、同じ大きさで正負に変化する電力を二次電池900に印加する。より具体的には、電力印加部150は、二次電池900の応答電力が異なる複数周波数の正弦波交流電流を印加する。
なお、以下では、電力印加部150が定電流にて二次電池900に電力を印加して、電圧検出部112が二次電池900の両端電圧値を検出することで二次電池900の応答電力を検出する場合について説明するが、本発明の適用範囲はこれに限らない。例えば、二次電池900が定電圧にて二次電池900に電力を印加し、電流検出部111が充放電電流値(二次電池900を流れる電流の値)を検出することで二次電池900の応答電力を検出するようにしてもよい。
電流センサ101は、例えば電流検出トランス(Current Trans;CT)を有し、充放電電流値に応じた電流を電流検出部111に出力する。
温度センサ103は、二次電池900に接して設置され、二次電池900の温度(以下、「電池温度」と称する)に応じた電流を電池温度検出部113に出力する。
電流検出部111は、電流センサ101からの電流に基づいて充放電電流値を検出(測定)し、得られた電流値をデータ取得部120に出力する。
電圧検出部112は、二次電池900の両端電圧値を検出(測定)し、得られた電圧値をデータ取得部120に出力する。
電池温度検出部113は、温度センサ103からの電流に基づいて二次電池900の温度を検出し、得られた温度(を示すデータ)をデータ取得部120に出力する。
データ取得部120は、二次電池900の応答電力が異なる状態の各々について、二次電池900の電流値および電圧値を取得する。より具体的には、データ取得部120は、電力印加部150が印加する各周波数について、二次電池900の電流値および電圧値を取得する。
また、データ取得部120は、本発明における充電率取得部の一例であり、二次電池900の充電率を求める。例えば、データ取得部120は、充放電していない状態で、一定時間経過後の電池電圧(OCV)より、二次電池900の充電率を算出する。なお、データ取得部120が求める充電率は、制御部140が電力印加部150に印加させる電流値を決定するためのものである。
モデル定数算出部130は、データ取得部120が取得した、二次電池900の電流値(充放電電流値)および電圧値(両端電圧値)に基づいて、二次電池900の回路モデルのモデル定数を算出する。
制御部140は、電池温度検出部113が検出した二次電池900の温度と、データ取得部120が取得した二次電池900の充電率とに基づいて、電力印加部150が二次電池900に印加する電力の大きさを制御する。
波高値テーブル記憶部190は、電力印加部150が二次電池900に印加する電流の波高値を示す波高値テーブルを予め記憶している。制御部140は、この波高値テーブルを参照して、電力印加部150が二次電池900に印加する電力の大きさを決定する。
恒温器200は、恒温器200自らの内部の温度を設定温度に保つ。特に、恒温器200は、二次電池900を格納して、二次電池900の温度を一定に保つ。
次に図3および図4を参照して、電力印加部150が二次電池900に印加する交流電流について説明する。
図3は、電力印加部150が二次電池900に印加する比較的高周波(以下では、単に「高周波」と称する)の正弦波交流、および、二次電池900の応答電圧の例を示す説明図である。ここで、電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧値が、二次電池900の応答電圧値に該当する。
同図のグラフの横軸は、基準時刻からの経過時間にて時刻を示し、縦軸は、電力印加部150が印加する正弦波交流の電流値および二次電池900からの応答の電圧値を示す。
また、同図の線L11は、電力印加部150が印加する正弦波交流の電流値を示している。図3の例では、電力印加部150は、波高値が100Aの正弦波交流を印加している。
また、線L12は、電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧値(応答電圧値)を示している。
図4は、電力印加部150が二次電池900に印加する比較的低周波(以下では、単に「低周波」と称する)の正弦波交流、および、二次電池900の応答電圧の例を示す説明図である。図3の場合と同様、同図のグラフの横軸は、基準時刻からの経過時間にて時刻を示し、縦軸は、電力印加部150が印加する正弦波交流の電流値および二次電池900からの応答の電圧値を示す。
また、同図の線L21は、電力印加部150が印加する正弦波交流の電流値を示している。図3場合と同様、図4の例では、電力印加部150は、波高値が100Aの正弦波交流を印加している。
また、線L12は、電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧値(応答電圧値)を示している。
図3と図4とを比較すると、周波数の高い図3の場合のほうが、応答電圧値が小さくなっている。二次電池900のキャパシタ成分(図2のキャパシタ904)が電流を流すことで、二次電池900全体でのインピーダンスが小さくなったためである。
この電力印加部150が印加する正弦波交流の周波数について図5を参照して説明する。
図5は、図2で説明した電池モデルにおける、インピーダンスおよびキャパシタンスを示す変数名を表記した説明図である。
図2で説明したように、抵抗902の抵抗値をDCR[Ω]とし、抵抗903の抵抗値をACR[Ω]とし、キャパシタ904のキャパシタンスをACC[F]とする。これらと、ラプラス演算子sと、並列回路部分の時定数τとを用いて、等価回路モデルの電池インピーダンスZ[Ω]は式(1)のように示される。
Figure 0005717671
この時定数τよりも応答が充分短い高周波電力を二次電池900に印加した場合、s→∞と考えることができ、電池インピーダンスZは式(2)のように示される。
Figure 0005717671
一方、時定数τよりも応答が充分長い低周波電力を二次電池900に印加した場合、s→0と考えることができ、電池インピーダンスZは式(3)のように示される。
Figure 0005717671
ここで、時定数τは、二次電池(二次電池900)の特性に応じて定まる。例えば、時定数τが10秒程度である場合、時定数τの10倍の周期を有する0.01ヘルツ(Hz)の電力を比較的低周波の電力として用い、時定数τの10分の1の周期を有する1ヘルツの電力を比較的高周波の電力として用いることが考えられる。
低周波、高周波それぞれの周波数を決定して制御部140に記憶させておき、制御部140は、当該周波数にて電力印加部150の出力する電力を制御する。
あるいは、二次電池の特性が不明の場合、様々な周波数の電力を二次電池900に印加し、低周波側、高周波側の各々で、周波数の印加に対して応答電圧値の変化が検出されない周波数を取得することで、低周波、高周波それぞれの周波数を決定するようにしてもよい。
次に、図6および図7を参照して、モデル定数算出部130が行うモデル定数(抵抗値DCRおよびACRと、キャパシタンスACCと)の算出について説明する。
図6は、電力印加部150が高周波電力を印加した状態における、回路モデルの電流値および電圧値を示す変数名を表記した説明図である。同図に示すように、直流電源901の電圧値をOCV11とし、抵抗902の電圧値をVDとし、抵抗903とキャパシタンス904とで構成する並列回路の電圧値をVCRとする。また、二次電池900の両端電圧値をE11とし、充放電電流値をI11とする。
これらの変数を用いて、電圧値VDは、式(4)のように示される。
Figure 0005717671
また、電圧値VCRは、式(5)のように示され、上記のように、高周波においてはs→∞と考えることができるので、電圧値VCR→0と考えることができる。
Figure 0005717671
そうすると、電圧値VDは、式(6)のように示される。
Figure 0005717671
そこで、モデル定数算出部130は、式(7)および式(4)に基づいて、抵抗値VDRを算出する。
Figure 0005717671
但し、MAX(VD)は、電圧値VDの最大値(波高値)を示し、MAX(I11)は、電流値I11の最大値(波高値)を示す
ここで、モデル定数算出部130は、電源電圧の電圧値OCV11を、以下の手順で求める。
(1)高周波電圧E11に対応するSOC(充電率)を、OCV−SOCテーブルを参照して求め、初期SOCとする。
(2)初期SC+((I11の積分値/3600)×100×計算周期)/電池定格容量にて、SOCを算出する。
(3)SOC−OCVテーブルを参照して、OCV11を求める。
抵抗値ACRおよびキャパシタンスACCについては、モデル定数算出部130は、低周波電力のデータから求める。
図7は、電力印加部150が低周波電力を印加した状態における、回路モデルの電流値および電圧値を示す変数名を表記した説明図である。同図に示すように、直流電源901の電圧値をOCV12とし、抵抗902の電圧値をVDとし、抵抗903とキャパシタンス904とで構成する並列回路の電圧値をVCRとする。また、充放電電流値をI12とする。
これらの変数を用いて、電圧値VCRは、式(8)のように示される。
Figure 0005717671
ここで、VCRの移動平均値(例えば前後1秒)をVCR2とすると、VCR2は、式(9)のように示される。
Figure 0005717671
そこで、モデル定数算出部130は、移動平均値VCR2と電流値I12とを比較して、以下の手順で抵抗値ACRおよびキャパシタンスACCを求める。
(1)移動平均VCR2と電流値I12との位相T1(ACR×ACC)を算出する。
(2)移動平均VCR2と{1/(1+T1×s)}×I12との振幅比を算出し、抵抗値ACRとする。
(3)位相Tと(ACR×ACC)/ACRより、ACCを算出する。
なお、モデル定数算出部130は、電圧値OCV11を求めた手順と同様にしてOCV12を求める。
また、低周波、高周波の各々について、1サイクル目では電圧変動が大きく、正確な測定を行えないことが考えられる。そこで、低周波、高周波の各々について、モデル定数算出部130は、2サイクル目以降のデータにてモデル定数を算出する。
次に、図8を参照して、電力印加部150が印加する電力(本実施形態では電流)の大きさについて説明する。
図8は、波高値テーブル記憶部190が記憶する波高値テーブルの例を示す説明図である。同図に示す波高値テーブルは、充電率(SOC)と、電池温度の各値について、低周波(同図の例では100s、すなわち周期100秒)電力として印加する電流値と、高周波(同図の例では1s、すなわち周期1秒)電力として印加する電流値とを格納している。
ここで、二次電池は、一般に、充電率と電池温度とによって印加可能な電力の大きさが異なる。一方、測定時のノイズの影響を低減させるためには、二次電池900に、なるべく大きい電流を印加することが好ましい。そこで、波高値テーブル記憶部190が、充電率および電池温度毎に、二次電池900に印加可能な電流値を波高値テーブルとして記憶しておき、制御部140は、電池温度検出部113が検出した電池温度と、データ取得部120が求めた充電率とに基づいて、波高値テーブルから電流値を読み出し、当該電流値の電力を電力印加部150に印加させる。
次に、図9を参照して、モデル定数取得装置1の動作について説明する。
図9は、モデル定数取得装置1が正弦波交流電力を印加してモデル定数を算出する処理手順を示すフローチャートである。モデル定数取得装置1は、二次電池900を設置された状態で、モデル定数算出を指示するユーザ操作を検出すると、同図の処理を開始する。
同図の処理において、まず、電池温度検出部113が、温度センサ103からの電流に基づいて電池温度を検出し、データ取得部120を介して制御部140に出力する(ステップS101)。
また、データ取得部120は、二次電池900の充電率を算出して制御部140に出力する(ステップS102)。例えば、データ取得部120は、充放電していない状態で、一定時間経過後の電池電圧(OCV)より、二次電池900の充電率を算出する。
次に、制御部140は、電池温度検出部113が検出した電池温度と、データ取得部120が算出した充電率とに基づいて、波高値テーブル記憶部190から電流値を読み出すことで、電力印加部150に印加させる電流値(波高値)を決定する(ステップS103)。
そして、制御部140は、電力印加部150を制御して高周波の正弦波交流電力を二次電池900に印加させ、データ取得部120は、電流値や電圧値のデータを取得する(ステップS104)。より具体的には、制御部140は、ステップS103で決定した電流値、および、予め設定されている高周波の周波数にて正弦波交流電力を二次電池900に印加するよう電力印加部150を制御し、電力印加部150は、制御部140の制御に従って二次電池900に電力を印加する。そして、データ取得部120は、電流検出部111が検出する充放電電流値および電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧値を取得する。
データ取得部120がデータを取得すると、制御部140は、電力印加部150を制御して低周波の正弦波交流電力を二次電池900に印加させ、データ取得部120は、電流値や電圧値のデータを取得する(ステップS105)。より具体的には、制御部140は、ステップS103で決定した電流値、および、予め設定されている低周波の周波数にて正弦波交流電力を二次電池900に印加するよう電力印加部150を制御し、電力印加部150は、制御部140の制御に従って二次電池900に電力を印加する。そして、データ取得部120は、電流検出部111が検出する充放電電流値および電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧値を取得する。
データ取得部120がデータを取得すると、モデル定数算出部130は、データ取得部120が取得したデータに基づいて、上述したようにモデル定数を算出する(ステップS106)。
その後、同図の処理を終了する。モデル定数算出部130が算出したモデル定数は、例えば、モデル定数取得装置1のユーザが、二次電池900のBMU(Battery Management Unit)のROM(Read Only Memory)に搭載する(記憶させる)。
以上のように、電力印加部150は、正弦波交流を印加し、モデル定数算出部130は、当該正弦波交流を印加した状態における測定値に基づいてモデル定数を算出する。
従って、電力印加部150として、正弦波交流を印加可能な電源回路を用いればよく、装置構成を簡単にすることができる。
また、電力印加部150が、同じ大きさで正負に変化する電力の一種である正弦波交流を二次電池900に印加するので、充電電流と放電電流とが同じになり、二次電池900の状態(特に、充電率や開放電圧値)が変化しない。従って、より正確に測定を行うことができ、より高精度なモデル定数を得ることができる。
例えば、当該モデル定数を、二次電池900のBMUのROMに搭載しておくことで、当該BMUは、より正確に二次電池900の充電率を算出することができる。
また、制御部140が、電池温度および充電率に基づいて、電力印加部150が印加する電流の大きさを制御するので、二次電池900の許容範囲内で比較的大電力を印加することができる。これにより、ノイズの影響を低減させ、より高精度なモデル定数を得ることができる。
その際、恒温器200が電池温度を一定に保つことで、制御部140は、より正確に電力印加部150が印加する電流の大きさを制御できる。
なお、電力印加部150が印加する電力は正弦波交流に限らない。例えば、電力印加部150が、同じ波高値および時間幅を有する正負それぞれのステップ波の電力(以下、「ステップ電力」と称する)を交互に印加するようにしてもよい。
図10は、電力印加部150が印加するステップ電力の電流値と、二次電池900の応答電圧値との例を示す説明図である。同図(A)および(B)のグラフの横軸は、基準時刻(電力印加部150がステップ電力を印加したタイミング)からの経過時間にて時刻を示す。また、同図(A)の縦軸は電流値を示し、同図(B)の縦軸は電圧値を示す。
また、同図(A)は、電力印加部150が印加するステップ電力の電流値を示している。
電力印加部150は、時刻0(基準時刻)以前の時間帯において、電流値0のステップ電力を二次電池900に印加している(すなわち、二次電池900に電力を印加していない)。以下では、この基準時刻以前の時間帯において電力印加部150が印加する電流値0のステップ電力、および、基準時刻以前の時間帯を、いずれもステップ番号N1にて表記する。
その後、電力印加部150は、時刻0から時刻t1までの時間帯において、電流値I21のステップ電力を二次電池900に印加している。以下では、この時刻0から時刻t1までの時間帯において電力印加部150が印加する電流値I21のステップ電力、および、時刻0から時刻t1までの時間帯を、いずれもステップ番号N2にて表記する。ステップ番号N2の電力は、電流値Aが正の電力、すなわち充電電力となっている。
さらにその後、電力印加部150は、時刻t1以後の時間帯において、電流値0のステップ電力を二次電池900に印加している(すなわち、二次電池900に電力を印加していない)。以下では、この時刻t1以後の時間帯において電力印加部150が印加する電流値0のステップ電力および、時刻t1以後の時間帯を、いずれもステップ番号N3にて表記する。
なお、電力印加部150は、ステップ番号N3の時間帯にて二次電池900の応答電圧値が安定した後、ステップ番号N2で印加したのと同じ大きさの電力かつ同じ時間幅で、電流が逆向きの電力を二次電池900に印加する(すなわち、二次電池900を放電させる)。そして、モデル定数算出部130は、放電側についても、以下に説明する充電側の場合と同様にモデル定数を算出し、充電側と放電側とでモデル定数の平均を取る。
一方、図10(B)は、二次電池900の応答電圧値を示している。
同図に示すように、電力印加部150が電力を印加すると、印加を開始したタイミングで応答電圧値が上昇し、その後も応答電圧値が上昇した後安定状態に至る。二次電池900のキャパシタ成分(図2のキャパシタ904で模擬される)に電位が蓄えられるためである。
なお、二次電池900の両端電圧値にノイズ(スパイク成分)が含まれている場合、例えば、電圧検出部112がローパスフィルタ(Low Pass Filter)を用いてノイズを除去する。
二次電池900の応答電圧値について、より詳細に説明すると、ステップ番号N1では、二次電池900が前回放電を行ってから時間が充分経過しており、二次電池900の応答電圧値(両端電圧値)は電圧値OCV20にて安定している。
その後、電力印加部150がステップ番号N2の電力の印加を開始した時刻0において、二次電池900の応答電圧値は電圧値E21まで上昇し、その後さらに電圧値E22まで上昇して安定する。
そして、電力印加部150がステップ番号N2の電力の印加を終了した時刻t1において、二次電池900の応答電圧は、時刻0における電圧上昇分と同じ分だけ降下して電圧値E23となり(すなわち、E21−OCV20=E22−E23)、その後も応答電圧値が降下した後、電圧値E24にて安定している。ここで、電圧値E24は、二次電池900のキャパシタ成分(図2のキャパシタ904で模擬される)に残存する電位の分だけ電圧値OCV20よりも大きくなっている。
これらの電圧値および電流値を用いて、抵抗値DCRは、式(10)のように示される
Figure 0005717671
そこで、モデル定数算出部130は、電圧検出部112が検出した電圧値OCV20およびE21と、ステップ番号N1における電流値I21とを式(10)に代入して、抵抗値DCRを算出する。
また、図10に示す時定数τは、式(1)における並列回路部分の時定数τと同一であり、時間t1から時刻t2までの時間(τ=t2−t1)を示す。ここで、時刻t2は、ステップ番号N3の時間帯における応答電圧の降下分Vp1(Vp1=E23−E24)のうち、1/eに相当する電圧値Vp2の電位が二次電池900のキャパシタ成分に蓄電されている状態となった時刻である。すなわち、時刻t2は、二次電池900の両端電圧値が、E24+Vp1×(1/e)に等しくなった時刻である。ここで、「e」はネイピア数(すなわち、自然対数の底)を示す。
データ取得部120は、電圧検出部112が検出する二次電池900の両端電圧に基づいて、時刻t2を取得(測定)する。
また、時定数τを用いて、抵抗903(図2)の抵抗値ACRとキャパシタ904のキャパシタンスACCとの関係は、式(11)のように示される。
Figure 0005717671
また、ステップ番号N3の時間帯における応答電圧の降下分Vp1は、式(12)のように示される。
Figure 0005717671
これら式(11)および(12)に基づいて、抵抗値ACRは、式(13)のように示される。
Figure 0005717671
また、式(11)より、キャパシタンスACCは、式(14)のように示される。
Figure 0005717671
そこで、モデル定数算出部130は、データ取得部120が取得する電圧値E22およびE23に基づいて応答電圧の降下分Vp1を算出し、このVp1と、ステップ番号N2における電流値I12と、ステップ番号N2からN3への切り替わりの時刻t1と、データ取得部120が検出する時刻t2とを、式(13)に代入して抵抗値ACRを算出する。さらに、モデル定数算出部130は、時刻t1およびt2と、算出した抵抗値ACRとを式(14)に代入してキャパシタンスACCを算出する。
また、電力印加部150が交流電力を印加する場合と同様、電力印加部150は波高値テーブル記憶部190は、波高値テーブルを記憶し、制御部140は、当該波高値テーブルを参照して電力印加部150が印加する電圧の電流値を制御する。
図11は、電力印加部150がステップ電力を印加する場合に、波高値テーブル記憶部190が記憶する波高値テーブルの例を示す説明図である。同図に示す波高値テーブルは、充電率(SOC)と、電池温度の各値について、ステップ電力として印加する電流値を格納している。図8で説明したのと同様、電力印加部150がステップ電力を印加する場合も、波高値テーブル記憶部190が、充電率および電池温度毎に、二次電池900に印加可能な電流値を波高値テーブルとして記憶しておく。そして、制御部140は、電池温度検出部113が検出した電池温度と、データ取得部120が求めた充電率とに基づいて、波高値テーブルから電流値を読み出し、当該電流値の電力を電力印加部150に印加させることで、二次電池900に対して可及的に大きい電力を印加して、ノイズの影響を低減させる。
次に、図12を参照して、モデル定数取得装置1の動作について説明する。
図12は、モデル定数取得装置1がステップ電力を印加してモデル定数を算出する処理手順を示すフローチャートである。モデル定数取得装置1は、二次電池900を設置された状態で、モデル定数算出を指示するユーザ操作を検出すると、同図の処理を開始する。
同図の処理において、ステップS201〜S203は、図1のステップS101〜S103と同様である。なお、データ取得部120は、制御部140が決定した電流値を電流値I21として取得する。あるいは、データ取得部120が、電流検出部111の検出した電流値を電流値I21として取得するようにしてもよい。
次に、電力印加部150は、制御部140の制御に従ってステップ電力(図10のステップ番号N2のステップ電力に相当する)の印加を開始する(ステップS204)。
そして、二次電池900の両端電圧値が安定(静定)した後、電力印加部150は、制御部140の制御に従って、ステップS204で開始したステップ電力の印加を終了し、データ取得部120は、印加終了時刻t1を取得する(ステップS205)。
その後、データ取得部120は、二次電池900の両端電圧値を時刻と対応付けて記録し、二次電池900の両端電圧が安定(静定)した後、電圧値の降下分Vp1と、時定数τに対応する時刻t2(図10参照)とを算出する(ステップS206)。あるいは、モデル定数取得装置1が電圧値の降下分Vp1を予め測定しておくなど取得しておき、時刻t2をリアルタイムで検出するようにしてもよい。
次に、モデル定数算出部130は、データ取得部120が取得したデータに基づいて、上述したようにモデル定数を算出する(ステップS207)。
次に、モデル定数取得装置1は、逆向きの充放電電流についても同様にモデル定数を算出する(ステップS208)。
そして、モデル定数取得装置1(モデル定数算出部130)は、ステップS207で算出したモデル定数と、ステップS208で算出したモデル定数との平均値を算出して、最終的なモデル定数とする(ステップS209)。
その後、同図の処理を終了する。
以上のように、電力印加部150は、電流の向きが変化する矩形波の電力を印加し、データ取得部120は、二次電池900の応答電力の大きさが異なるタイミングの各々で、二次電池900の電流値および電圧値を取得する。そして、モデル定数算出部130は、データ取得部120が取得した電流値および電圧値に基づいて、モデル定数を算出する。
従って、電力印加部150として、ステップ電力を印加可能な電源回路を用いればよく、装置構成を簡単にすることができる。
また、電力印加部150が、同じ大きさで正負に変化するステップ電力を二次電池900に印加するので、充電電流と放電電流とが同じになり、二次電池900の状態(特に、充電率や開放電圧値)が変化しない。従って、より正確に測定を行うことができ、より高精度なモデル定数を得ることができる。
例えば、当該モデル定数を、二次電池900のBMUのROMに搭載しておくことで、当該BMUは、より正確に二次電池900の充電率を算出することができる。
また、モデル定数算出部130が、充電電流、放電電流の各々についてモデル定数を算出して平均を取ることで、より高精度なモデル定数を得ることができる。
また、制御部140が、電池温度および充電率に基づいて、電力印加部150が印加する電流の大きさを制御するので、二次電池900の許容範囲内で比較的大電力を印加することができる。これにより、ノイズの影響を低減させ、より高精度なモデル定数を得ることができる。
その際、恒温器200が電池温度を一定に保つことで、制御部140は、より正確に電力印加部150が印加する電流の大きさを制御できる。
なお、本願発明者は、正弦波交流電力の印加によるパラメータ定数の算出と、ステップ電力の印加によるパラメータ定数の算出について実験を行った。
図13は、本実施形態の実験結果を示す説明図である。
同図(A)、(B)、(C)、(D)は、正弦波交流電力の印加における、それぞれ、抵抗値DCR、抵抗値ACR、キャパシタンスACC、時定数τを示している。また、同図(E)、(F)、(G)、(H)は、ステップ電力の印加における、それぞれ、抵抗値DCR、抵抗値ACR、キャパシタンスACC、時定数τを示している。
同図において、抵抗値DCR、抵抗値ACR、キャパシタンスACCおよび時定数τのいずれについても、正弦波交流電力の印加とステップ電力の印加とで同様の傾向が得られているように、正弦波交流電力の印加とステップ電力の印加とのそれぞれで良好な結果が得られ、本発明が有効であることが確認された。
なお、モデル定数算出部130が、二次電池900の劣化に応じたモデル定数の補正係数を算出するようにしてもよい。
例えば、モデル定数取得装置1のユーザが、モデル定数取得対象の二次電池900と同一規格(同レシピ)かつ製造ロッド同一の二次電池を複数用意し、寿命サイクル試験を行って段階的な劣化度合いの二次電池を生成しておく。そして、モデル定数取得装置1は、劣化度合いの各段階の二次電池に対して、上述した正弦波電力ないしステップ電力を印加してのモデル定数算出を行い、得られたモデル定数に基づいて補正係数を算出する。
例えば、モデル定数算出部130は、二次電池の劣化によるモデル定数の変化において支配的である抵抗値DCRについて補正係数を算出する。
図14は、二次電池の劣化度合いの各段階における抵抗値DCRに対する補正係数の例を示す説明図である。同図(A)、(B)、(C)は、それぞれ、容量劣化率6.6%(パーセント)、16.4%、28.1%の各々の二次電池における補正係数を示している。ここで、容量劣化率とは、二次電池の初期状態(劣化していない状態)における容量を100%として、減少した容量(劣化した二次電池の容量から、初期状態における容量を減算した差)の割合を%で示した値である。
同図(A)、(B)、(C)の各々のグラフの横軸は、いずれも温度を示し、縦軸は、いずれも抵抗値DCRに対する補正係数(抵抗値DCRに乗算すべき係数)の値を示している。モデル定数算出部130は、劣化した状態におけるDCRを、初期状態における抵抗値DCRで除算して、当該補正係数を算出する。
また、同図(A)、(B)、(C)の各々には、充電率20%から80%までの10%刻みの各値について、電池温度15℃(度)、25℃、40℃の各々における補正係数と、当該補正係数の温度毎の平均値が示されている。線L31、L32、L33は、いずれも温度毎の平均値を結んだ線である。
図14に示すように、容量劣化率いのいずれにおいても、また、電池温度のいずれにおいても、補正係数のばらつきは比較的小さい。そこで、モデル定数算出部130は、容量劣化率および電池温度の各々について補正係数の平均を算出し、当該平均値にて補正係数を近似する。
さらに、モデル定数算出部130は、補正係数の直線近似を行う。
図15は、モデル定数算出部130が求めた補正係数の平均値と、容量劣化率との関係を示す説明図である。同図のグラフの横軸は容量劣化率を示し、縦軸は抵抗値DCRに対する補正係数の値を示している。また、線L41、L42、L43は、それぞれ、電池温度15℃、25℃、40℃における補正係数の平均値を結んだ線である。
同図に示すように、線L41、L42、L43は、いずれもおおよそ直線的であり、モデル定数算出部130は、これら線L41、L42、L43の各々について(すなわち、電池温度毎に)、例えば最小二乗法を用いて直線近似を行う。同図の線L51、L52、L53は、それぞれ、線L41、L42、L43を直線近似して得られた線の例を示している。
以上のようにして、モデル定数算出部130は、電池温度15℃の場合の補間式として、式L51を示す式(15)を算出する。
Figure 0005717671
この式(15)の変数xに二次電池の容量劣化率を代入することで、変数yの値として、抵抗値DCRに対する補正係数を得られる。
また、モデル定数算出部130は、電池温度25℃の場合の補間式として、式L52を示す式(16)を算出する。
Figure 0005717671
また、モデル定数算出部130は、電池温度40℃の場合の補間式として、式L53を示す式(17)を算出する。
Figure 0005717671
以上のように、モデル定数算出部130は、二次電池の劣化によるモデル定数の変化において支配的である抵抗値DCRについて補正係数を算出する。従って、二次電池の容量が劣化している場合にも、より正確な補正係数を得ることができる。
例えば、当該モデル定数を、二次電池900のBMUのROMに搭載しておき、BMUが当該補正係数に基づいてモデル定数を補正することで、当該BMUは、より正確に二次電池900の充電率を算出することができる。
また、モデル定数算出部130は、式(15)〜(17)のように直線を表す式にて補間式を取得する。従って、例えば二次電池900のBMUのROM当該補間式を搭載する場合などに、傾きと切片を記憶する容量があればよく、記憶容量が少なくて済む。
また、補間式から補間係数を算出する際も、簡単な式で算出できるので、例えば二次電池900のBMUなど補間係数を算出する装置は、軽い計算量で済み、また、より迅速に補間係数を得ることができる。
なお、電池温度に合致する補間式が無い場合、例えば二次電池900のBMUなど補間係数を算出する装置は、補間式から得られる補正係数を、電池温度に関して補間して用いる。
例えば、BMUが電池温度15℃、25℃、40℃の各々について補間式を記憶しており、測定した電池温度が35℃の場合、BMUは、まず、35℃に近い温度25℃および40℃について補間係数を算出する。そして、25℃の補間係数と、40℃の補間係数とを、式(18)に示すように、それぞれ、温度差に反比例した比で重み付け平均して補間係数を算出する。
Figure 0005717671
次に、図16を参照して、モデル定数取得装置1の動作について説明する。
図16は、モデル定数取得装置1が、モデル定数の補間式を算出する処理手順を示すフローチャートである。モデル定数取得装置1は、補間式の算出を指示するユーザ操作を検出すると、同図の処理を開始する。
同図の処理において、まず、モデル定数取得装置1は、容量劣化率が異なる二次電池の設置を順に受けて、それぞれについて、また、設定された電池温度および充電率の各々について、上述した正弦波交流電力の印加、あるいは、ステップ電力の印加にて、補正係数を算出する(ステップS301)。
次に、モデル定数取得装置1(モデル定数算出部130)は、容量劣化率毎、かつ、電池温度毎に、補正係数の平均値(充電率間における平均値)を算出する(ステップS302)。
さらに、モデル定数取得装置1(モデル定数算出部130)は、電池温度毎に、容量劣化率と補正係数の関係を直線近似し、近似した直線を示す式を算出して補正係数の補間式とする(ステップS303)。
その後、同図の処理を終了する。
なお、空調の効いた室内など、環境温度の変化が小さい用途の二次電池に対しては、モデル定数算出部130が当該環境温度に応じた1つの補間式のみを算出するようにしてもよい。
図17は、モデル定数算出部130が1つの補間式のみを算出する例を示す説明図である。同図のグラフの横軸は容量劣化率を示し、縦軸は抵抗値DCRに対する補正係数の値を示している。また、容量劣化率−7%、−16%、−28%の各々について、環境温度の範囲で3点の補正係数が得られているのに対し、モデル定数算出部130は、1本の線L61を示す式(19)を算出している。
Figure 0005717671
このように、モデル定数算出部130が、1つの補間式を算出することで、例えば二次電池900のBMUなど補間係数を算出する装置が当該補間式を記憶する際に必要な記憶容量が少なくて済む。
また、補間式から補間係数を算出する際も、簡単な式で算出できるので、例えば二次電池900のBMUなど補間係数を算出する装置は、軽い計算量で済み、また、より迅速に補間係数を得ることができる。
なお、データ取得部120やモデル定数算出部130や制御部140の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 モデル定数取得装置
101 電流センサ
103 温度センサ
111 電流検出部
112 電圧検出部
113 電池温度検出部
120 データ取得部
130 モデル定数算出部
140 制御部
150 電力印加部
190 波高値テーブル記憶部
200 恒温器
900 二次電池

Claims (8)

  1. 二次電池の温度を検出する電池温度検出ステップと、
    前記二次電池の充電率を求める充電率取得ステップと、
    前記電池温度検出ステップにて検出した前記二次電池の温度と、前記充電率取得ステップにて取得した前記二次電池の充電率とに基づいて、前記二次電池に印加する電力の大きさを制御する制御ステップと、
    前記制御ステップにて制御された同じ大きさで正負に変化する電力を前記二次電池に印加して、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる状態の各々について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップにて取得した、前記二次電池の電流値および電圧値に基づいて、前記二次電池の回路モデルのモデル定数を算出するモデル定数算出ステップと、
    を具備することを特徴とするモデル定数取得方法。
  2. 前記データ取得ステップでは、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる複数周波数の正弦波交流電流を印加し、各周波数について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする請求項1に記載のモデル定数取得方法。
  3. 前記データ取得ステップでは、電流の向きが変化する矩形波の電力を印加し、前記二次電池の応答電力の大きさが異なるタイミングの各々で、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする請求項1に記載のモデル定数取得方法。
  4. 前記モデル定数算出にて、様々な劣化の程度の二次電池について前記モデル定数を算出し、得られたモデル定数に基づいて、二次電池の劣化の程度に応じて前記モデル定数の補間係数を示す補間式を算出することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のモデル定数取得方法。
  5. 二次電池の温度を検出する電池温度検出部と、
    前記二次電池の充電率を求める充電率取得部と、
    前記電池温度検出部が検出した前記二次電池の温度と、前記充電率取得部が取得した前記二次電池の充電率とに基づいて、前記電力印加部が前記二次電池に印加する電力の大きさを制御する制御部と、
    前記制御部によって制御された同じ大きさで正負に変化する電力を前記二次電池に印加する電力印加部と、
    前記二次電池の応答電力の大きさが異なる状態の各々について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部が取得した、前記二次電池の電流値および電圧値に基づいて、前記二次電池の回路モデルのモデル定数を算出するモデル定数算出部と、
    を具備することを特徴とするモデル定数取得装置。
  6. 前記電力印加部は、前記二次電池の応答電力の大きさが異なる複数周波数の正弦波交流電流を印加し、
    前記データ取得部は、各周波数について、前記二次電池の電流値および電圧値を取得することを特徴とする請求項5に記載のモデル定数取得装置。
  7. 前記電力印加部は、電流の向きが変化する矩形波の電力を印加し、
    前記データ取得部は、前記二次電池の応答電力の大きさが異なるタイミングの各々で、前記二次電池の電流値および電圧値を取得する
    ことを特徴とする請求項5に記載のモデル定数取得装置。
  8. 前記モデル定数算出部は、様々な劣化の程度の二次電池について前記モデル定数を算出し、得られたモデル定数に基づいて、二次電池の劣化の程度に応じて前記モデル定数の補間係数を示す補間式を算出することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のモデル定数取得装置。
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