JP5717062B2 - 新聞巻取紙 - Google Patents
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紙倉庫へ搬入される巻取りは、事前に開梱して包装紙を取り除き裸のままで、即ち巻取りそのものの形で取り扱われる場合が多く、しかも、印刷機の印刷速度向上と輪転機への給紙回数の減少を目的に巻取りの連数を増加させることに対する要求が高まっており、結果として巻取りの直径が著しく大きくなり(大径化)、それに伴い巻取りの重量も増加し、最近の新聞巻取紙では70連入りのものも出現し、その重量は、およそ1.4トンにも達する。
このようなトラブルが発生すると、工程の運転を一時的に停止し、作業員が破断した紙片の除去を行なわなければならず、自動化によって省力化を行なった意味が失われてしまう。その上、このようなトラブルが即時性の要請が極めて重要な新聞印刷のための新聞社の印刷工場で発生すると、新聞の遅配を生じるということになり許されない。
(1)ワインダーにおいて摩擦係数上昇剤を製品巻取りの巻き終わりから7〜25mの範囲の片面に噴霧して塗布し、塗布された部分の紙同士の動摩擦係数を、巻取りの上紙と別の巻取りの上紙との動摩擦係数よりも大きくする。(特許文献1)
(2)摩擦係数上昇剤を、巻取りを構成する紙の内面に塗布あるいは噴霧し、巻取りを構成する紙同士の動摩擦係数μ2を0.45以上、0.70以下とし、かつ巻取りの外面同士の動摩擦係数μ1との差(μ2−μ1)が0.14以上とする。(特許文献2)
(3)JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.37に基づく、巻取紙の硬さ(R)が、40〜60でかつ動摩擦係数が0.45〜0.65である新聞印刷用巻取紙。(特許文献3)
(4)内添サイズを行っていない原紙に、化工澱粉、アルキルケテンダイマー、および防滑剤を塗工し、動摩擦係数が、0.40〜0.70の範囲となるように特定した新聞印刷用紙。(特許文献4)
特許文献2では、摩擦係数上昇剤を紙の片面に塗布あるいは噴霧している。現在新聞用紙原紙への表面処理剤の塗布はゲートロールコータで行なわれることが多いが、同コーターはタンクや供給ラインを共有しているため片面にのみ摩擦係数上昇剤を含む表面処理剤を塗布するためには改良が必要となる。
また噴霧する場合は、特許文献1と同様の問題がある。すなわち摩擦係数上昇剤噴霧の工程が増えるし、1本の巻取りに摩擦係数上昇剤が噴霧された部分と噴霧されない部分ができるので、印刷適性に違いが生じ、均一な印刷仕上がりとならない問題がある。
特許文献3では、規定する条件のみでは、十分な効果が得られるものではなく、紙全体に摩擦係数調整剤等を添加することは、大幅なコストアップにつながる。
特許文献4では、高価な防滑剤を塗工層に使用する必要があるうえ、工程の複雑化につながる。
(1)坪量が40g/m2〜48g/m2の新聞巻取紙であって、引張強さ(縦)が3.4kN/m以下、静摩擦係数が0.44以上、0.61以下であり、引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が5.0kN/m以上、7.2kN/m以下であることを特徴とする新聞巻取紙。
(2)内部結合強さ(縦)が100mJ以上、170mJ以下であることを特徴とする、(1)記載の新聞巻取紙。
(3)巻取り外周面のみに滑剤が塗布されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の新聞巻取紙。
摩擦係数は搬送時巻取り同士が衝突したとき、巻取りを構成する上紙に作用する引張り力に関係する。静摩擦係数は摩擦係数で最大の値であるから、上紙に作用し、破ろうとする引張り力の最大値に関係する。一方、引張強さ(縦)は上紙が引張り力を受けたとき、幅方向単位長当たりでの耐えうる力を表している。
静摩擦係数が大きいと、上紙を破ろうとする引張り力が大きくなるのだから、これに対応して引張強さ(縦)が大きくすることで上紙破れを防ぐことができる。静摩擦係数が小さいと、上紙を破ろうとする引張り力も小さいのだから、これに対応した引張り強さがあれば、上紙破れを防ぐことができるので、静摩擦係数が大きいときほどの引張強さ(縦)を必要としない。引張強さ(縦)と静摩擦係数の比は、上紙が破れに耐えうる力と上紙を破ろうとする作用の比を示し、上紙破れを防ぐためには、この比が特定の範囲にあることが必要である。
本研究者は、上紙破れの課題を解決するためには、比の範囲が5.0kN/m以上、7.2kN/m以下となることが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が5.0kN/m未満では、分子の上紙が破れに耐えうる力に対し、分母である上紙を破ろうとする作用が大きいため、上紙破れ発生の可能性が高くなる。引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が7.2kN/m超過は(1)分子が過度に大きいまたは(2)分母が過度に小さいことを意味し、(1)のときは化学パルプの配合率を高くしたり、引張強さ(縦)を大きくするために紙力増強剤の過剰添加や、パルプの叩解を必要以上に行っている。化学パルプの配合率を高くした場合は散乱係数が下がるため紙の不透明度が低くなるという問題があり、化学パルプの配合を増やさず紙力増強剤を過剰添加したり、あるいはパルプを強叩解した場合は、紙の柔軟性がなくなるため応力集中に弱くなり、引裂の力を受けたとき破断しやすいという問題がある。また紙力増強剤の過剰添加は地合悪化やコストアップを招くおそれもある。一方(2)のときは印刷時の紙流れあるいはスタッカーでの不揃いや荷崩れなどの問題が発生する可能性が高くなる。
なお、静摩擦係数は縦方向同士かつ表面(巻取りの外側となる面)同士を接触させて得られた値である。
新聞巻取紙の製造に広く使用されるギャップフォーマー型抄紙機の場合、ジェット/ワイヤー比は0.97〜1.05の範囲で調整されるといわれているが、このなかで繊維の配向を、引張強さ(縦)を引張強さ(横)で割った商である引張強さの縦横比が2.6から3.6の範囲に調整することが望ましい。2.6より小さいと原料側で行った引張強さアップの操作が反映されにくいうえ、1000m/分を越えるような高速抄造が困難となる。3.6より大きくなると、繊維が縦方向に配向する傾向が強くなる。この場合、繊維において縦方向に対し横方向の伸縮率が大きい(およそ10倍〜30倍以上)性質が、各繊維からなる紙においてあらわれ、横方向(CD方向、Cross Direction)の伸びが顕著になる。そうすると吸湿したとき紙は横方向に伸びるが、巻取りのかたちに拘束されているため、吸湿ジワが発生しやすくなる。
なお、近年ユーザーから要求される古紙配合率の増加や操業性から引張強さ(縦)は、3.4kN/m以下であることが望ましい。
静摩擦係数は表面の粗さの影響を強く受けるため、カレンダー圧力を高くすることにより静摩擦係数を下げることができる。(新聞巻取紙の平滑度の範囲であれば平滑度を上げると摩擦係数は下がる)ただし、紙に圧力をかけるので高密度化してしまい、新聞巻取紙の重要なスペックである紙厚がかわってしまうために調整可能範囲は狭い。静摩擦係数を上げるには防滑剤、下げるには滑剤を使用することもできる。
摩擦係数を上げるには、スチレン・アクリル系の表面サイズ剤を用いることができる。同サイズ剤はゴム系の物質であり、一定の防滑効果を有するものがある。
静摩擦係数を下げるには、アルキルケテンダイマー系の表面サイズ剤を用いることができる。
なお、静摩擦係数は、パルプ配合、パルプフリーネス、填料の添加、顔料の塗工の変更等によっても変わってくる。
本発明の新聞巻取紙は、新聞古紙、雑誌古紙等を脱インキして得られるDIP、あるいは機械パルプ、あるいはその他パルプを含有するが、資源の再利用の観点から、DIPを高配合するのが好ましい。機械パルプとしては、サーモメカニカルパルプ(TMP)、グランドウッドパルプ(GP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)などが使用できる。これらの機械パルプは新聞巻取紙の不透明度向上に寄与する。その他のパルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)などの化学パルプを適宜配合することができる。化学パルプは、新聞巻取紙の引張強さ向上に寄与する。
本発明の新聞巻取紙では調成工程で原料となるパルプを混合した後、不透明度を向上させることを目的に填料を添加することができる。使用する填料としては、ホワイトカーボン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等が挙げられる。このなかでは、ホワイトカーボンや焼成カオリンを使用すると静摩擦係数が上昇し、タルク、カオリンを使用すると静摩擦係数が低下する。
必要に応じ、鹸化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等の内添サイズ剤を使用することができるが、アルキルケテンダイマーには、静摩擦係数を低下させる効果があるので、最終的な製品の引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が、5.0kN/m以上、7.2kN/m以下の範囲に収まるように留意して使用することが必要である。
また、必要に応じ、硫酸バンド、カチオン澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂等の定着剤を内添することができ、その他、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤の紙力増強剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、染料等の添加剤も使用することができる。
抄紙pHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。これらの原料を混合したパルプ懸濁液を、公知の抄紙機によって抄紙する。
表面サイズ剤として、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤と、高分子系表面サイズ剤を併用するとよい。2種の表面サイズ剤を利用するのは、以下の理由による。
アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤を新聞巻取紙に使用した場合、高いサイズ効果を得ることはできるものの、その添加量が多くなると印刷時の滑りや紙流れによるしわ入り、断紙等が発生する可能性が高くなる。
しかし、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤とともに高分子系表面サイズ剤を使用すれば、アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤の塗工量を抑えることができるし、高分子系表面サイズ剤による滑り防止効果が得られるので、上記問題が発生することを防ぐことができる。つまり、高いサイズ効果を得つつ、印刷時の滑りや紙流れによるしわ入り、断紙等を防ぐことができる。
新聞巻取紙に必要とされるサイズ度は、表面サイズ剤と内添サイズ剤によって調整することができる。アルキルケテンダイマー系表面サイズ剤に比べ、他の表面サイズはサイズ効果が低いが、表面サイズ剤のみでサイズ度が不足する場合には内添サイズ剤や湿潤紙力増強剤の添加により補うことができる。
また、表面処理剤を塗工された紙は乾燥工程を経てカレンダー処理を施される。ここで使用されるカレンダー装置としては両面が金属ロールで処理されるマシンカレンダー、弾性ロールと金属ロールから構成されるソフトカレンダー、シューカレンダー等が使用される。
本発明の新聞巻取紙は、引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が5.0kN/m以上、7.2kN/m以下の範囲であることを特徴とするが、滑剤を巻取最表面に塗布し、上紙部分のみの摩擦係数を低くすることで、傾斜紙庫における上紙破れの発生の可能性を更に抑えることができる。滑剤を塗布しても巻取最表面は印刷時に除去されるので、新聞巻取紙全体の紙質に影響を与えることがない。
滑剤としては、粉体状のタルクを使用するのが、効果、入手しやすさと費用の点で望ましく、塗布の方法として、包装機手前のテーブル上に敷いたスポンジや布などのシートにタルクを撒き、巻取りを転がす際に表面に塗布する方法がある。
しかし静摩擦係数が小さくなると、印刷時の紙流れによるシワ入り、見当ズレなどのトラブルが生じるおそれがあるので、過度の対応はできない。また、引張強さを高くするには、強度の高いパルプの使用やパルプの叩解が考えられるが、新聞巻取紙は脱墨古紙パルプ(DIP)を主体に使用しているため、強度の高い古紙を選定して使用することは困難であるし、叩解についてもDIPのフリーネスはバージンパルプに比べて低いので、調整可能範囲が狭い。また、紙力増強剤の添加による強度アップは、地合悪化による制約があるうえ、コストアップになる。
上紙破れの対策には制約が多い上、新聞巻取紙は各印刷工場の要求に従って異なる製造条件で製造されているため、巻取紙に上紙破れが発生し難い新しい基準を示すことで、新聞巻取紙の製造条件の自由度が増えることから、課題をクリアしつつ操業を容易にし、新聞巻取紙を安価に提供することができる。
パルプ原料としてDIP(カナダ標準濾水度219ml)を80%、TMP(カナダ標準濾水度110ml)を20%の割合で混合したパルプ原料100質量部に対し、カチオン澱粉(製品名:CATO304、日本エヌエスシー株式会社製)を1%、歩留まり向上剤(製品名:ND260、ハイモ株式会社製)を0.020質量部、ホワイトカーボン(丸住エンジニアリング株式会社製)を紙中灰分1.5%、軽質炭酸カルシウム(製品名:タマパールTP−121S、奥多摩工業株式会社製)を紙中灰分4.5%含むよう添加し、硫酸バンド(丸住エンジニアリング株式会社製)でpHを5.8に調整して、J/W比0.99によりギャップフォーマー型抄紙機を用い抄紙した。次に、ゲートロールサイズプレスを用いて、接着剤と表面サイズ剤を含む表面処理剤を下記のように塗工した。
(表面処理剤塗工、カレンダー等条件)
接着剤として酸化澱粉(製品名:MS9000、日本食品化工株式会社製)を使用し、高分子系表面サイズ剤(オレフィン系表面サイズ剤、製品名:ポリマロンOM−25、荒川化学工業株式会社製)を使用した。
接着剤の片面当りの塗工量が0.50g/m2、高分子系表面サイズ剤の片面当りの塗工量が0.028g/m2となるように、原紙両面に同じ塗工量で塗工した。
塗工後に、乾燥させ、カレンダー圧42kN/m、温度81℃で処理して、坪量44.0g/m2の新聞用紙をリールで得た。このリールでの巻取りからワインダーにおいて70連のA巻取りの新聞巻取紙を得た。なおリールでの抄速は1,220m/分であった。
カチオン澱粉のかわりに紙力増強剤(ポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤、製品名:ポリストロン1280、荒川化学工業株式会社製)を0.3%添加した以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
DIPをカナダ標準濾水度190mlまで叩解し、カチオン澱粉の添加を0とした以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とし、J/W比を0.98になるように調整した以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とし、表面処理剤の表面サイズ剤を、オレフィン系表面サイズ剤とAKD系表面サイズ剤(製品名:SE2395、星光PMC株式会社製)を1:1の割合で使用し、J/W比を1.00になるように調整した以外は実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とし、坪量47.2g/m2とした以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
DIPをカナダ標準濾水度190mlまで叩解し、坪量を40.3g/m2とした以外は、実施例4と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
TMPのかわりに、NBKP(カナダ標準濾水度504ml)を使用し、カチオン澱粉の添加を0とした以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
TMPを全てDIPに置き換えて、DIP100%とした以外は、実施例3と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とし、表面処理剤の表面サイズ剤を、オレフィン系表面サイズ剤とAKD系表面サイズ剤(製品名:SE2395、星光PMC株式会社製)を1:1の割合で使用した以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
紙力増強剤を0.3%添加し、表面サイズ剤に全てAKD系表面サイズ剤を使用した以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉を0.5%添加し、表面サイズにスチレン・アクリル系表面サイズ剤(製品名:SS2754、星光PMC株式会社製)を使用した以外は、実施例4と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
DIP50%(カナダ標準濾水度205ml)、TMP50%とし、表面サイズに全てAKD系表面サイズ剤を使用した以外は、実施例4と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とし、カレンダー圧55kN/m、温度90℃とした以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
DIPをカナダ標準濾水度190mlまで叩解し、表面処理剤の表面サイズ剤を、オレフィン系表面サイズ剤とAKD系表面サイズ剤を1:1の割合で使用した以外は、実施例14と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
カチオン澱粉の添加を0とした以外は、実施例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
J/W比を1.01になるように調整した以外は、比較例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
表面サイズ剤にスチレン・アクリル系表面サイズ剤を使用した以外は、実施例2と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
ホワイトカーボンを紙中灰分3.5%、軽質炭酸カルシウム(製品名:タマパールTP−121S、奥多摩工業株式会社製)を紙中灰分1.0%とした以外は、実施例3と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
坪量を40.5g/m2とし、表面処理剤の高分子系表面サイズ剤に、オレフィン系表面サイズ剤とAKD系表面サイズ剤)を1:1の割合で使用した以外は、比較例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
DIP50%(カナダ標準濾水度219ml)、TMP50%とした以外は、比較例5と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
坪量を47.8g/m2とし、表面サイズ剤にスチレン・アクリル系表面サイズ剤を使用した以外は、比較例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
表面サイズ剤の塗工量を0.035g/m2とした以外は、実施例11と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
紙力増強剤を0.5%添加とし、表面サイズ剤の塗工量を0.028g/m2とした以外は、比較例8と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
J/Y比を0.97になるように調整した以外は、比較例1と同じ操業を行ない、新聞巻取紙を得た。
[引張強さ(縦)(横)及び引張強さ縦横比の測定方法]
巻取りの外側から上紙破れの損傷がある全ての層に加えて3層分を取り除いたときの、最外層となる上紙を採取する。この上紙を幅方向500mm幅で等分割し、各部分から採取したシートから引張強さ測定用の、縦方向と横方向の試験片を採取した。この試験片についてJISP8113:2006に基づき測定し、測定値を平均することで引張強さ(縦)(横)及び引張強さ縦横比の測定値を得た。
[静摩擦係数]
引張強さの測定方法に準じ、縦方向の静摩擦係数測定用の試験片を2枚採取した。この試験片についてJISP8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に基づき測定し、測定値を平均することで静摩擦係数の測定値を得た。なお測定は幅方向が同じシートから得られた試験片同士で行い、測定の組合せは、紙の縦横については縦方向同士、測定面については表面(巻取の外側となる面)同士とした。
[内部結合強さ(縦)の測定方法]
引張強さの測定方法に準じ、縦方向の内部結合強さ測定用の試験片を採取した。JAPAN TAPPI No.18−2「紙及び板紙−内部結合強さ試験方法―第2部:インターナルボンドテスタ法」により、押さえ圧4.0kgf/cm2、押さえ時間10秒の条件での値を測定した。得られた測定値を平均することで、内部結合強さ(縦)の測定値を得た。
[新聞巻取紙の上紙破れの頻度]
得られた新聞巻取紙(各実施例、各比較例につき20本)を、2本の巻取りを8mの間隔をあけて傾斜角2度の斜面に置き、斜面の下方にある巻取りはストッパーにより固定しておき、斜面の上方にある巻取りを自然に転がして衝突させ、上紙破れが発生した本数を頻度とした。
実施例1〜15、比較例1〜10で作製した新聞巻取紙の、引張強さ縦、引張強さ縦横比、静摩擦係数、内部結合強さ、上紙破れの回数について測定を行なった。その結果を表1に示す。
Claims (3)
- 坪量が40g/m2〜48g/m2の新聞巻取紙であって、
引張強さ(縦)が3.4kN/m以下、静摩擦係数が0.44以上、0.61以下であり、引張強さ(縦)/静摩擦係数の値が5.0kN/m以上、7.2kN/m以下であることを特徴とする新聞巻取紙。 - 内部結合強さ(縦)が100mJ以上、170mJ以下であることを特徴とする、請求項1記載の新聞巻取紙。
- 巻取り外周面のみに滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の新聞巻取紙。
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