JP5713053B2 - 製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法 - Google Patents

製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法に関する。より詳しくは、濾水性向上剤として好適に用いられる製紙用添加剤に関する。
従来から、紙を製造する製紙工程では、紙力増強剤、サイズ剤及び歩留濾水性向上剤といった様々な製紙用添加剤が使用されている。特に、製紙業界においては、製紙原料の節約や、製紙効率及び品質を高める観点などから、濾水性及び/又は歩留を向上させる添加剤(歩留・濾水性向上剤)が使用されることが多いものとなっている。
例えば、特許文献1には、カチオン性スターチ及びコロイドシリカを脱水前の紙料に添加して歩留を改善する方法が記載されている。また、特許文献2には、濾水性、歩留性、乾燥及び地合特性を改善すべく、特定の剪断ステップの前に第1の合成カチオン性ポリマーを加え、かつその剪断ステップの後でベントナイトを加える方法が開示されている。さらに特許文献3には、カチオン性ポリマーとアニオン性高分子微粒子を紙料中に含有させる歩留改善方法が開示されている。
一方、紙料に添加するポリマーの量を増加させると、製品の地合低下やコストアップの問題が生じることがある。こうした問題に対して、特許文献4には、架橋ポリマーとベントナイトを併用するデュアルシステムが開示されている。また、特許文献5には、フリーラジカル重合の条件下、モノマー水溶液の重合を開始して重合反応液を形成し、モノマー重合が30%以上進行後、1種以上の構造修飾剤を重合反応液へ加えて調整された構造修飾ポリマーが開示されている。
さらにまた、ポリマーとパルプ繊維を強固に反応させることを目的に、特許文献6には、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの併用方法が提案され、特許文献7には、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーを成分とする両性ポリマーが提案されている。
米国特許4388150号公報 特開昭62−191598号公報 特開平4−241197号公報 特表2002−518609号公報 特表2004−502802号公報 特開平9−296388号公報 特開平10−140495号公報
近年の製紙業界においては、廃棄物削減への対応、地球温暖化対策の観点などから、古紙を利用する機会が多くなってきている。しかしながら、製紙原料として古紙の利用が増加することで、原料事情はますます悪化し、さらなる濾水性や歩留の向上などが望まれる。
そこで本発明は、比較的少ない添加量で、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上させることができる製紙用添加剤を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のカチオン性ポリマーと、特定の両性ポリマーとを特定の割合で含む製紙用添加剤により、優れた濾水性向上効果を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマー100質量部と、
(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上である両性ポリマー0.01〜2質量部と、
を含有する、製紙用添加剤を提供する。
Figure 0005713053
本発明はまた、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーの溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを得てなるポリマー混合物を含有し、前記カチオン性ポリマーと前記両性ポリマーとの割合が、前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である、製紙用添加剤を提供する。
また、本発明は、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上である両性ポリマーの溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを合成し、前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるポリマー混合物を得る、製紙用添加剤の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、及びノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーとを、前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で添加する、紙の製造方法を提供する。
さらに本発明では、本発明に係る前記製紙用添加剤を紙料に添加する紙の製造方法を提供する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリル」との記載は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を意味し、本発明で製造される「紙」には、板紙も含まれる。
本発明に係る製紙用添加剤によれば、比較的少ない添加量で、従って、製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る実施形態の製紙用添加剤は、後記の一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーとノニオン性ビニルモノマーとを重合して得られるカチオン性ポリマー100質量部と、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、カチオン性ビニルモノマーに対するアニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる両性ポリマー0.01〜2質量部と、を含有する。
ここで、カチオン性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるもの(後述の第一の態様参照)、又は両性ポリマーの溶液中で合成されたもの(後述の第二の態様参照)が用いられる。また、両性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上であるものが用いられる。
<第一の態様の製紙用添加剤>
本実施形態の第一の態様としての製紙用添加剤は、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、及びノニオン性ビニルモノマーを含み、カチオン性ビニルモノマーに対するアニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーと、を含有する。
そして、この製紙用添加剤には、上記カチオン性ポリマーと上記両性ポリマーとが、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で含まれている。
Figure 0005713053
上記一般式(I)において、RはH又はCHであり、AはO又はNHであり、Rはヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数2〜4のアルキル基であり、RはH、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、RはH、ヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、Xはハロゲンイオン、スルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、又は水酸化物イオンである。
第一の態様の製紙用添加剤に含まれるカチオン性ポリマーは、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーと、そのカチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を共重合して得られる。このことから、このカチオン性ポリマーは、分子中に、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、そのカチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、を有する共重合体ともいえる。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分を構成するカチオン性ビニルモノマーは、上記一般式(I)で表される化合物を用いることができる。
上記一般式(I)において、RとしてはHがより好ましく、AとしてはOがより好ましい。また、Rとしては、置換基を有さない炭素数2〜4のアルキル基がより好ましく、エチル基がさらに好ましい。Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rとしては、H、又は置換基を有さない炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Xとしては、ハロゲンイオンがより好ましく、塩化物イオンがさらに好ましい。
上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルのような(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、その4級塩及び酸塩、並びに、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、その4級塩及び酸塩を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル並びにその4級塩及び酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化ベンジル4級塩、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩酸塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチル塩化ベンジル4級塩、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル塩酸塩などを挙げることができる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド並びにそれらの4級塩及び酸塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩などを挙げることができる。
これらのカチオン性ビニルモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
カチオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル4級塩が好適であり、このうち、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩が好ましく、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドがさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分を構成するノニオン性ビニルモノマーは、前述のカチオン性ビニルモノマーと共重合可能であれば特に限定されない。
ノニオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及びダイアセトンアクリルアミド等の水溶性であるN置換低級アルキルアクリルアミド、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アルキルアクリレート、ヒドロキシアクリレート、並びに酢酸ビニル等が挙げられる。これらのうち、例えば、(メタ)アクリルアミドが好適であり、アクリルアミドがより好ましい。
ノニオン性ビニルモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分は、前述のカチオン性ビニルモノマー及びノニオン性ビニルモノマーの他に、架橋性ビニルモノマーを含んでいてもよい。
架橋性ビニルモノマーは、カチオン性ポリマーに分岐構造をもたらすものであり、1分子中に2個以上の二重結合を有するモノマーを用いることができる。
代表的な好ましい架橋性ビニルモノマーとしては、N,N−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレンビスメタクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、及びジメタクリル酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのうち、N,N−メチレンビスアクリルアミドが好ましい。
これらの架橋性ビニルモノマーは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
カチオン性ポリマーの製造方法は、ラジカル重合であれば特に限定されず、水溶液重合、懸濁重合及び乳化重合など、必要に応じて選択することができる。
ラジカル重合において使用する重合開始剤は、特に限定されないが、水溶性のものが好ましい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩系及び過酸化物系では、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、及びtert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
重合開始剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で使用することが好ましい。また、重合開始剤を還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤として使用してもよい。この場合の還元剤としては、例えば亜硫酸、亜硫酸塩並びに亜硫酸水素塩、鉄、銅、並びにコバルト等の低次イオン価の塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルドース、ケトース等の還元糖などを挙げることができる。
重合開始剤として、アゾ化合物を用いることもできる。アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン及びその塩等を使用することができる。これらのアゾ化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カチオン性ポリマーを合成する際に、合成するカチオン性ポリマーの分子量を調節するために、連鎖移動剤を使用してもよい。
連鎖移動剤は特に限定されず、代表的な連鎖移動剤としては、例えば、アルコール、硫黄化合物、カルボン酸及びその塩、次亜リン酸ナトリウムなどのリン酸塩リン酸塩、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチルアルコール及びグリセロールなどが挙げられ、これらのうち、2−プロパノールが好ましい。
硫黄化化合物としては、アルキルチオール、チオウレア、亜硫酸塩及び二硫化物などのスルホン酸化合物が挙げられ、これらのうち、エタンチオール、チオウレア及び重亜硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
カルボン酸及びその塩としては、ギ酸及びリンゴ酸並びにそれらの塩が挙げられ、これらのうち、ギ酸及びその塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
これらの連鎖移動剤としては、次亜リン酸ナトリウム及び/又はギ酸ナトリウムを用いるのがより好ましい。
カチオン性ポリマーの重合方法としては、カチオン性ポリマーの原料となる全単量体成分を反応容器に一括で仕込んで重合する回分(バッチ)重合法が挙げられ、この際、重合開始剤は、重合器に予め又は重合時に一括添加してもよく、重合中に連続的又は間欠的に供給してもよい。重合時に供給する場合は必要に応じて添加速度を変更することができる。
カチオン性ポリマーを合成する際の重合温度は、単一の重合開始剤を用いる場合、一般に30〜100℃であり、レドックス系重合開始剤の場合はより低く、一般に5〜90℃である。重合温度は重合中一定に保っても変動させてもよく、必要に応じて冷却、加熱を実施することができる。
重合容器内の雰囲気は特に制限はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換した方が好ましい。
上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーと、上記ノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度(以下、「固有粘度」と略記することがある。)が8dl/g以上である性質を有する。カチオン性ポリマーの固有粘度が8dl/g以上であることにより、このカチオン性ポリマーは、分子量が高く、高い凝集力を有する。
カチオン性ポリマーの固有粘度の上限は特に限定されるものではないが、実際に製造可能なカチオン性ポリマーを考慮すると、20dl/g程度以下となる。カチオン性ポリマーの固有粘度の範囲は、8〜20dl/gが好ましく、9〜20dl/gがより好ましく、10〜20dl/gがさらに好ましい。
なお、本開示において、「固有粘度」は、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して流下時間を測定し、その測定値から、Hugginsの式及びMead−Fuossの式を用いて算出した値である。
また、カチオン性ポリマーは水溶性であることが好ましい。カチオン性ポリマーの分子構造は直鎖構造及び分岐構造のいずれであってもよい。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分中の前述のカチオン性ビニルモノマーの使用量(含有量)は、特に限定されないが、5〜50mol%が好ましく、5〜30mol%がより好ましく、5〜25mol%がさらに好ましい。
また、カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分中の前述のノニオン性ビニルモノマーの使用量(含有量)は、特に限定されないが、50〜95mol%が好ましく、70〜95mol%がより好ましく、75〜95mol%がさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの原料となるカチオン性ビニルモノマー及びノニオン性ビニルモノマーの使用比率は、処理対象となる水質に応じて、任意に選定することができる。例えば、カチオン性ビニルモノマー:ノニオン性ビニルモノマーは、モル比で5:95〜95:5が好ましく、5:95〜50:50がより好ましく、5:95〜35:65がさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの合成に際し、前述の架橋性ビニルモノマーを使用する場合、架橋性ビニルモノマーの導入比率は、カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分の全単量体に対して、5.0×10−3mol%以下が好ましく、2.0×10−3mol%以下がより好ましい。架橋性ビニルモノマーの導入比率が上記範囲であることにより、カチオン性ポリマーが不溶化し難く、また、固有粘度が8dl/g以上のカチオン性ポリマーが得易くなる。
本実施形態の製紙用添加剤は、前述のカチオン性ポリマーと共に、両性ポリマーを含有する。両性ポリマーは、分子内にアニオン性を有する構造単位と、カチオン性を有する構造単位を含むポリマーであり、さらにノニオン性を有する構造単位を有していてもよい。
ここで、この両性ポリマーは、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、カチオン性ビニルモノマーに対するアニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を共重合して得られるものである。この単量体成分により、得られる両性ポリマーにおいて、良好な両性の官能基の作用を有し易い。
この両性ポリマーは、単量体成分を共重合して得られるものであることから、分子中に、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、ノニオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、を有する共重合体ともいえる。
両性ポリマーの原料となる単量体成分において、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマーの含有量は10〜50mol%とし、より好ましくは12〜45mol%、さらに好ましくは15〜40mol%とする。
このアニオン性ビニルモノマーの含有量が上記範囲内にあることにより、アニオン性基の作用を有し易くなり、また、カチオン性ポリマーとの反応によるコンプレックスの生成を抑制し、カチオン及びアニオンの官能基の有効濃度の低下を抑制することができる。
また、このアニオン性ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ナトリウムがより好ましく、アクリル酸ナトリウムがさらに好ましい。
両性ポリマーの原料として用いられるカチオン性ビニルモノマーは、前述のカチオン性ポリマーの原料として説明したように、下記一般式(I)で表される。
Figure 0005713053
上記一般式(I)において、RはH又はCHであり、AはO又はNHであり、Rはヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数2〜4のアルキル基であり、RはH、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、RはH、ヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、Xはハロゲンイオン、スルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、又は水酸化物イオンである。
両性ポリマーの原料となる単量体成分を構成するカチオン性ビニルモノマーとしては、上記一般式(I)において、RとしてはH又はメチル基がより好ましく、AとしてはOがより好ましい。また、Rとしては、置換基を有さない炭素数2〜4のアルキル基がより好ましく、エチル基がさらに好ましい。Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rとしては、H、又は置換基を有さない炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Xとしては、ハロゲンイオンがより好ましく、塩化物イオンがさらに好ましい。
両性ポリマーを構成する単量体成分として用いられるカチオン性ビニルモノマーの具体例は、前述のカチオン性ビニルポリマーの原料となる単量体成分として用いられるものと同様であり、また、1種又は2種以上を用いることができる。
前述のカチオン性ビニルモノマーの具体例のうち、両性ポリマーの原料として用いられるカチオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル4級塩が好適であり、このうち、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩が好ましく、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの組み合わせがさらに好ましい。
両性ポリマーの原料となる単量体成分において、カチオン性ビニルモノマーの含有量は、濾水性向上の観点から、5〜45mol%とし、より好ましくは8〜40mol%、さらに好ましくは10〜30mol%とする。
両性ポリマーの原料として用いられるノニオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及びダイアセトンアクリルアミド等の水溶性であるN置換低級アルキルアクリルアミド等が挙げられる。
これらのノニオン性ビニルモノマーのうち、(メタ)アクリルアミドが好ましい。また、これらのノニオン性ビニルモノマーは1種又は2種以上を用いることができる。
両性ポリマーの原料となる単量体成分におけるノニオン性モノマーの含有量は、特に限定されないが、濾水性向上の観点から、5〜85mol%が好ましく、15〜80mol%がより好ましく、30〜75mol%がさらに好ましい。
なお、両性ポリマーを合成する際にも、カチオン性ポリマーの説明で述べた重合開始剤を用いて、両性ポリマーの原料となる単量体成分を重合することが可能である。
本実施形態の製紙用添加剤に用いられる両性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上である。
固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーを用いることにより、前述のカチオン性ポリマーとの相乗効果が得易くなる。
両性ポリマーの固有粘度の上限は特に限定されないが、実際に製造可能な両性ポリマーを考慮すると、12dl/g以下であることが好ましい。両性ポリマーの固有粘度の範囲は、5〜12dl/gが好ましく、5〜10dl/gがより好ましい。
本実施形態の製紙用添加剤には、上記カチオン性ポリマーと上記両性ポリマーとが、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で含まれている。この割合でカチオン性ポリマーと両性ポリマーとを併用しているため、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとの併用による相乗効果が奏され、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとの反応による析出物(ポリイオンコンプレックス)が生成し難くなり、その結果、有効成分の濃度を高めることが可能となる。
上記カチオン性ポリマーと上記両性ポリマーとを混合した後の本実施形態の第一の態様の製紙用添加剤では、その固有粘度の範囲は特に限定されないが、8〜20dl/gが好ましい。
本実施形態の製紙用添加剤は、例えば、上述のようにカチオン性ポリマー及び両性ポリマーをそれぞれ別々に合成する工程と、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとを混合する工程と、を行うことで製造することができる。
カチオン性ポリマーと両性ポリマーとの混合は、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーをそれぞれ合成したときの形態(例えば、粉末状、エマルション状及び液状など)で行ってもよい。また、カチオン性ポリマーと両性ポリマーを混合した後に溶解液を調製してもよく、各形態のそれぞれのポリマーを各々別に溶解し、その後に各溶解液を混合して一液とし、処理対象の紙パルプスラリーに添加してもよい。この場合、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとのポリマー混合物は、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であることが好ましく、8dl/g〜20dl/gであることが好ましい。
<第二の態様の製紙用添加剤>
次に本発明に係る実施形態の第二の態様の製紙用添加剤について説明する。
第二の態様としての製紙用添加剤は、上記両性ポリマーの溶液中で、カチオン性ポリマーを合成し、その結果得られる、両性ポリマーとカチオン性ポリマーを含むポリマー混合物を用いるものである。
すなわち、第二の態様の製紙用添加剤は、上記両性ポリマーの溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び上記ノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを得てなるポリマー混合物を含有する。さらに、このポリマー混合物を含有する製紙用添加剤は、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとが、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で含まれており、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分としてのカチオン性ビニルモノマー、ノニオン性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマー、並びにカチオン性ポリマーの合成の際に使用され得る重合開始剤及び連鎖移動剤、並びに両性ポリマーは、前述の第一の態様としての製紙用添加剤の説明で述べたものと同様である。
上記ポリマー混合物の固有粘度の上限は特に限定されないが、実際に製造可能なポリマー混合物を考慮すると、20dl/g以下であることが好ましい。ポリマー混合物の固有粘度の範囲は、8〜20dl/gが好ましく、9〜20dl/gがより好ましく、10〜20dl/gがさらに好ましい。
両性ポリマーの溶液を調製するための溶媒は特に限定されず、例えば、水を用いることができ、両性ポリマーの溶液として、両性ポリマーを希釈溶解した水溶液を用いることができる。この場合、両性ポリマーの溶液中の両性ポリマーの濃度は、特に限定されないが、例えば、0.01〜0.5質量%とすることが好ましく、0.1〜0.3質量%とすることがより好ましい。
<製紙用添加剤の製造方法>
前述の第二の態様の製紙用添加剤は、上記両性ポリマーの溶液中で、上記カチオン性ポリマーを合成し、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるポリマー混合物を得ることで、製造することができる。
例えば、カチオン性ポリマーを合成する際に用いられる重合開始剤の添加量を調整することで、得られる製紙用添加剤に所望の固有粘度をもたせることが可能である。
この製紙用添加剤の製造方法では、両性ポリマーの溶液中でカチオン性ポリマーを合成することから、カチオン性ポリマーの合成に伴い、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとの混合が行われ、高効率で製紙用添加剤を製造することができる。
さらには、この製紙用添加剤の製造方法を製紙工程の現場において採用することで、製紙用添加剤の製造と製紙とが一貫して行われ、紙の製造も効率的に行うことが可能となる。
<紙の製造方法>
本発明に係る実施形態の紙の製造方法は、前述のカチオン性ポリマーと両性ポリマーとを、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で紙料に添加することである。その後、脱水及び乾燥等の製紙業において従来から行われている工程を経て、紙の製造が行われる。
カチオン性ポリマー及び両性ポリマーは、それぞれ別々に合成したカチオン性ポリマー及び両性ポリマーをブレンドし、前述の第一の態様の製紙用添加剤として、紙料に添加することができる。
また、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーは、両性ポリマーの溶液中でカチオン性ポリマーを合成し、その結果得られる、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーを含むポリマー混合物を用いて、前述の第二の態様の製紙用添加剤として、紙料に添加することもできる。
さらに、カチオン性ポリマーと両性ポリマーをそれぞれ別々に溶解し、紙料に添加するに際し、処理対象となる紙パルプスラリーに対して、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとを別々に添加することもできる。この場合、カチオン性ポリマーと両性ポリマーとは同時に添加してもよく、時間差をつけて添加してもよい。
前述の実施形態(第一の態様及び第二の態様)に係る製紙用添加剤を紙料に添加する場合、又はカチオン性ポリマーと両性ポリマーを別々に紙料に添加する場合、その紙料への添加量は特に限定されない。例えば、その製紙用添加剤の紙料への添加量は、有効成分のカチオン性ポリマー及び両性ポリマーの合計量として、紙料の全固形分に対して、50〜300ppmとすることが好ましく、100〜250ppmとすることがより好ましい。
本実施形態の紙の製造方法では、前述の実施形態に係る製紙用添加剤のほかに、製紙業界において従来から使用されている添加剤を用いることができ、例えば紙力増強剤、サイズ剤、及び染料などの添加剤を紙料に添加してもよい。また、パルプスラリー等の紙料への填料として、炭酸カルシウム、クレー、タルク、及びシリカなどを添加してもよい。
以上詳述したように、実施形態に係る製紙用添加剤は、紙料への添加量が比較的少なくても、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができる。そのため、実施形態に係る製紙用添加剤は、濾水性向上剤として好適に用いられる。
また、実施形態に係る製紙用添加剤を紙料に添加することで濾水性が向上することから、歩留の向上を図ることも可能となる。そのため、実施形態に係る製紙用添加剤は、歩留・濾水性向上剤としても好適に用いられる。
この製紙用添加剤を用いる紙の製造方法によれば、古紙主体の原料を用いる場合であっても、高品質の紙を製造することが可能となる。
実施形態の製紙用添加剤が、優れた濾水性を示す理由は明らかではないが、次のように考えられる。
実施形態に係る製紙用添加剤は、カチオン性ポリマー100質量部に対して両性ポリマー0.01〜2質量部の範囲で、カチオン性ポリマー及び両性ポリマーが併用されていることで、沈殿を起こすようなカチオンとアニオンとの強い静電的吸着ではなく、緩やかな架橋構造をとるものと考えられる。その結果、パルプ繊維や炭酸カルシウムなどの無機微粒子を捕捉する効果が向上するものと考えられ、優れた濾水性を示すものと考えられる。
上記本実施形態の製紙用添加剤が奏する効果に対して、前述の背景技術で挙げられた特許文献6及び7に開示されたようなポリマーでは、そのポリマー中のカチオン基とアニオン基の反応が強固に起こるものと考えられる。そのため、ポリマーそのものの沈殿を生じて効率よくパルプ繊維と反応することができない可能性があり、汚れの原因となることや必要添加濃度が増えることなどが考えられる。
なお、本実施形態の製紙用添加剤におけるカチオン性ポリマーは、凝集効果に優れることから、例えば、白水に含まれるパルプ繊維を再利用するために、製紙用添加剤を白水に添加してパルプ繊維を凝集させ、これを回収する用途にも用いることができる。この際には、白水の質量に対して1〜2ppm程度の製紙用添加剤を添加することによってパルプ繊維を凝集させることができる。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー、及びノニオン性ビニルモノマーを所定量含む単量体成分を重合して得た両性ポリマーを用いた。この両性ポリマーとしては、単量体成分の組成が異なり、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が異なる8種を用いた。
具体的には、各単量体成分を表1に記載の組成比にて用い、全モノマー濃度を3mol/lとして、熱開始ラジカル水溶液重合を行い、両性ポリマーを合成した。重合の際には、開始剤として、単量体の全量に対して0.003〜0.03mol%の範囲で過硫酸カリウムを用い、重合温度45℃で12時間重合を行った。使用した両性ポリマーの組成と固有粘度を表1に示した。以下では、使用した両性ポリマーは、表1記載のサンプル番号(No.)を用いて示す。なお、表1に記載の単量体の略記は表1の欄外に示した。
Figure 0005713053
<製造例1>
両性ポリマーX1の0.01質量%水溶液50mlに、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下「DAA」と略す、分子量193.5)の80質量%水溶液10.9g、粉末アクリルアミド(以下「AAm」と略す、分子量71)18.5g、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド(以下「MBA」と略す、分子量140)の0.009質量%水溶液2.5mlを混合し、最終的に純水にて全体を100mlにメスアップした。その水溶液を、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた300mlセパラブルフラスコに入れ、窒素バブリング後、1.36質量%に調製した過硫酸カリウム(以下「KPS」と略す)水溶液を1ml添加し、40℃に加熱して重合を12時間行った。
得られた重合ゲルの一部をアセトンで沈殿させ、析出物を真空乾燥することにより求めた固形物濃度は27.1質量%で、重合率は99.6%であった。このポリマー混合物の固有粘度は10.9dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX1」とする。
なお、両性ポリマーの溶液中で合成したカチオン性ポリマーの原料単量体の組成比は、DAA/AAm/MBA=15/85/5×10−4(mol%)であった。また、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX1の比率は0.02質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X1は0.02質量部)であった。なお、カチオン性ポリマーの組成比において、MBAの比率は、DAA及びAAmに比べて微量のため、DAAとAAmの合計に対するモル%として記し、後記表2及び表3の記載も同様とした。
<製造例2>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.06質量%のX2とした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.2質量%、重合率は100%、固有粘度は11.1dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX2」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX2の比率は0.11質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X2は0.11質量部)であった。
<製造例3>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度1.0質量%のX3とし、1.36質量%のKPS水溶液を1mlから0.7mlとした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.4%、固有粘度は、13.2dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX3」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX3の比率は1.84質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X3は1.84質量部)であった。
<製造例4>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.3質量%のX1とし、また、MBAを用いなかった以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.6%、固有粘度は、11.4dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX4」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX1の比率は0.55質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X1は0.55質量部)であった。
<製造例5>
製造例1における両性ポリマーを用いず、1.36質量%のKPSを0.8ml添加した以外は製造例1と同じ条件で合成を行い、カチオン性ポリマーを得た。固形物濃度は27.2質量%、重合率は100%、固有粘度は12.4dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「D1」とする。
<製造例6>
製造例1における両性ポリマーを用いなかった以外は、製造例1と同じ条件で合成を行い、カチオン性ポリマーを得た。固形物濃度は27.2質量%、重合率は100%、固有粘度は11.8dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「D2」とする。
<製造例7>
製造例1における両性ポリマー及びMBAを用いなかった以外は、製造例1と同じ条件で合成を行い、カチオン性ポリマーを得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.6%、固有粘度は10.9dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「D3」とする。
<製造例8>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.3質量%のX1とし、1.36質量%のKPS水溶液を10mlとした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.0質量%、重合率は99.2%、固有粘度は6.5dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX5」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX1の比率は0.55質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X1は0.55質量部)であった。
<製造例9>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.01質量%のX4とした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.6%、固有粘度は10.5dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX6」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX4の比率は0.02質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X4は0.02質量部)であった。
<製造例10>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.06質量%のX5とした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は26.9質量%、重合率は98.8%、固有粘度は10.8dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX7」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX5の比率は0.11質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X5は0.11質量部)であった。
<製造例11>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度1.0質量%のX6とし、1.36質量%のKPS水溶液を0.6mlとした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.6%、固有粘度は10.5dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX8」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX6の比率は0.02質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X6は0.02質量部)であった。
<製造例12>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.03質量%のX7とした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.1質量%、重合率は99.6%、固有粘度は11.0dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX9」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX7の比率は0.02質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X7は0.06質量部)であった。
<製造例13>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.6質量%のX8とし、1.36質量%のKPS水溶液を0.6mlとした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.0質量%、重合率は99.2%、固有粘度は10.5dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX10」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX8の比率は1.1質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X8は1.1質量部)であった。
<製造例14>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度0.0025質量%のX1とした以外は製造例1と同じ条件にて、両性ポリマー溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は27.2質量%、重合率は100%、固有粘度は11.2dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX11」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX1の比率は0.005質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X1は0.005質量部)であった。
<製造例15>
製造例1における両性ポリマーを濃度0.01質量%のX1から濃度1.36質量%のX2とし、MBAを用いなかった以外は製造例1と同じ条件で合成を行い、ポリマー混合物を得た。固形物濃度は26.9質量%、重合率は98.8%、固有粘度は、11.1dl/gであった。このポリマー混合物のサンプル名を「DX12」とする。
なお、このカチオン性ポリマーに対する両性ポリマーX2の比率は2.5質量%(カチオン性ポリマー100質量部に対し、X2は2.5質量部)であった。
以上述べた各製造例のサンプル一覧を表2に示した。
Figure 0005713053
次に、後述する実施例及び比較例において以下の濾水試験を行った。なお、各実施例及び比較例で使用した製紙用添加剤については後述する。
<濾水試験>
カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)450mlに叩解した新聞故紙を絶乾質量が0.6質量%になるように添加した後、これに軽質炭酸カルシウム(ブリリアント1500 白石工業株式会社製)を絶乾紙料に対して40質量%になるように加えたものを試料(パルプスラリー)とした。
パルプスラリー180mlを容量300mlのポリビーカーにとり、そこに後述する各実施例及び比較例で用いる「添加剤」の0.1質量%水溶液を添加し、タービン羽根を備えた撹拌機を用いて、250rpmで20秒間撹拌を行った。次いで、ナイロン濾布を敷いたヌッチェロートに、内径50mmの金属製の円筒を置き、その中へ凝集したパルプスラリーを注ぎ込み、メスシリンダーを用いて10秒後のろ液量を測定した。さらに、濾布上に残った湿紙をポリエステル濾布にとり、3.0kg/cmの圧力をかけて60秒圧搾し、プレス後の湿紙の含水率を測定した。
<実施例1〜4>
実施例1では、上記製造例1で得たポリマー混合物「DX1」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例2では、上記製造例2で得たポリマー混合物「DX2」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例3では、上記製造例3で得たポリマー混合物「DX3」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例4では、上記製造例4で得たポリマー混合物「DX4」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
<実施例5〜7>
実施例5では、上記製造例5で得たカチオン性ポリマー「D1」の100質量部に対して、両性ポリマー「X1」を0.06質量部(「D1」に対して「X1」を0.06質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例6では、上記製造例6で得たカチオン性ポリマー「D2」の100質量部に対して、両性ポリマー「X2」を0.55質量部(「D2」に対して「X2」を0.55質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例7では、上記製造例7で得たカチオン性ポリマー「D3」の100質量部に対して、両性ポリマーX3を1.10質量部(「D3」に対して「X3」を1.10質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
<比較例1>
比較例1では、上記製造例5で得たカチオン性ポリマー「D1」を添加剤として用い、の濾水試験を行った。
<比較例2〜9>
比較例2では上記製造例8で得たポリマー混合物「DX5」を用い、比較例3では上記製造例9で得たポリマー混合物「DX6」を用い、比較例4では上記製造例10で得たポリマー混合物「DX7」を用い、それぞれ濾水試験を行った。
比較例5では上記製造例11で得たポリマー混合物「DX8」を用い、比較例6では上記製造例12で得たポリマー混合物「DX9」を用い、比較例7では上記製造例13で得たポリマー混合物「DX10」を用い、それぞれ濾水試験を行った。
また、比較例8では上記製造例14で得たポリマー混合物「DX11」を用い、比較例9では上記製造例15で得たポリマー混合物「DX12」を用い、それぞれ濾水試験を行った。
<比較例10〜13>
比較例10では、上記製造例5で得たカチオン性ポリマー「D1」の100質量部に対して、両性ポリマー「X4」を0.11質量部(「D1」に対して「X4」を0.11質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
比較例11では、上記製造例6で得たカチオン性ポリマー「D2」の100質量部に対して、両性ポリマー「X5」を1.1質量部(「D2」に対して「X5」を1.1質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
比較例12では、上記製造例7で得たカチオン性ポリマー「D3」の100質量部に対して、両性ポリマー「X2」を0.005質量部(「D3」に対して「X2」を0.005質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
比較例13では、上記製造例5で得たカチオン性ポリマー「D1」の100質量部に対して、両性ポリマー「X3」を2.3質量部(「D1」に対して「X3」を2.3質量%)加えたものを添加剤として用い、濾水試験を行った。
各実施例及び比較例の試験条件一覧を表3に示し、各試験結果を表4に示す。
Figure 0005713053
Figure 0005713053
実施例1〜7においては、比較例1〜13よりも、10秒後のろ液量が多く、プレス後の含水率が低いことが確認された。
比較例1では、両性ポリマーを用いず、カチオン性ポリマー「D1」のみを添加剤として用いたため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例2では、使用したポリマー混合物「DX5」の固有粘度が6.5dl/gと低かったために、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例3及び10では、使用した両性ポリマー「X4」の原料単量体成分の一つであるアクリル酸ナトリウムの使用量が55mol%と多かったため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例4及び11では、使用した両性ポリマー「X5」の原料単量体成分の一つであるアクリル酸ナトリウムの使用量が8mol%と少なかったため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例5では、カチオン性ポリマーの重合の際に用いた両性ポリマー「X6」の原料単量体成分であるカチオン性ビニルモノマーの使用量が3mol%と少なかったため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例6では、カチオン性ポリマーの重合の際に用いた両性ポリマー「X7」の原料単量体成分において、カチオン性ビニルモノマーに対するアニオン性ビニルモノマーのモル比が1未満であったため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例7では、カチオン性ポリマーの重合の際に用いた両性ポリマー「X8」の固有粘度が4.3dl/gと低かったために、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例8及び12では、使用した添加剤における両性ポリマーの含有量が少なかったために、また、比較例9及び13では、使用した添加剤における両性ポリマーの含有量が多かったために、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
以上の結果より、実施例の製紙用添加剤は、特定のカチオン性ポリマーと特定の両性ポリマーとをそれぞれ特定割合で併用することにより、紙料に対し比較的少ない添加量で、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができることが確認された。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマー100質量部と、
    (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上である両性ポリマー0.01〜2質量部と、
    を含有する、製紙用添加剤。
    Figure 0005713053
  2. (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーの溶液中で、
    下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを得てなるポリマー混合物を含有し、
    前記カチオン性ポリマーと前記両性ポリマーとの割合が、前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である、製紙用添加剤。
    Figure 0005713053
  3. (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、並びにノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上である両性ポリマーの溶液中で、
    下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを合成し、
    前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるポリマー混合物を得る、製紙用添加剤の製造方法。
    Figure 0005713053
  4. 下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、及び該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、
    (メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸ナトリウムのアニオン性ビニルモノマー10〜50mol%、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー5〜45mol%、及びノニオン性ビニルモノマーを含み、前記カチオン性ビニルモノマーに対する前記アニオン性ビニルモノマーのモル比が1以上である単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が5dl/g以上の両性ポリマーとを、
    前記カチオン性ポリマー100質量部に対して前記両性ポリマー0.01〜2質量部の割合で添加する紙の製造方法。
    Figure 0005713053
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