JP5712566B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
ピッチバリエーションでは、ピッチ長の分散のさせ方の自由度が大きいため、様々なピッチバリエーションを適用した空気入りタイヤが提案されている。
すなわち、車両に対するタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部のタイヤ赤道Eを挟んで車両内側(IN)及び車両外側(OUT)の領域にそれぞれタイヤ周方向に配列された複数のブロック要素を形成し、車両内側のブロック要素のピッチ数を60〜80個とし、該車両内側のブロック要素のピッチ種類数を4種類以上とし、車両外側のブロック要素のピッチ数を50〜70個とし、該車両外側のブロック要素のピッチ種類数を4種類以上とする。さらに、車両内側のブロック要素のピッチ数を車両外側のブロック要素のピッチ数よりも多くし、かつ車両内側のブロック要素の平均ピッチ長に対する車両外側のブロック要素の平均ピッチ長の比を1.05〜1.20の範囲とする。
特に、近年の車両では、高速走行時の走行安定性を確保するために、空気入りタイヤがネガティブキャンバーで車両に取り付けられる。このような車両では、高速走行時にタイヤの車両装着内側部分に、外側部分よりも大きな負荷がかかり、ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生しやすくなる。
前記複数の周方向溝のうち最も車両内側に位置する周方向溝よりも車両内側には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第1ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、前記複数の周方向溝のうち最も車両外側に位置する周方向溝よりも車両外側には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第2ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、前記複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種とするとき、第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチ種が、互いに同じピッチ種あるいは前記隣接ピッチ種であるピッチ配列であり、第2ピッチ配列は、タイヤ周方向に沿って隣接するピッチのピッチ種が変化する部分であって、前記隣接ピッチ種以外のピッチ種が隣接する部分を備え、かつ、前記複数のピッチ種のうちピッチ長が最も短いピッチ種が連続する数が3個以下であるピッチ配列であることを特徴とする。
以下、本発明の空気入りタイヤについて、実施形態に基づいて説明する。
以下に説明する実施形態の空気入りタイヤは、例えば、JATMA YEAR BOOK 2009(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められる乗用車用タイヤに適用することができる。この他、本発明の空気入りタイヤは、B章に定められる小型トラック用タイヤあるいはC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
トレッドパターン10は、ブロック16とショルダーブロック18との間に設けられる周方向溝20により、センター領域とショルダー領域に分けられる。以下の説明では、タイヤ幅方向において最も外側に形成された周方向溝よりもタイヤ幅方向外方の領域をショルダー領域と定義する。特に、車両外側に位置するショルダー領域を外側ショルダー領域と定義し、車両内側に位置するショルダー領域を内側ショルダー領域と定義する。また、タイヤ幅方向において最も外側に形成された周方向溝よりもタイヤ幅方向内方の領域をセンター領域と定義する。
周方向リブ14は、周方向溝22と周方向細溝26との間に画されている。
ショルダーブロック18は、周方向溝20とショルダー端との間を連通するショルダーラグ溝30により画されている。また、ショルダーブロック18には、ショルダー端から延び、ショルダーブロック18の途中で閉塞するショルダー閉塞ラグ溝32が設けられている。
傾斜ラグ溝24の溝幅は、例えば、2mm以上6mm以下であり、傾斜ラグ溝24の溝深さは、例えば、3mm以上7mm以下である。また、傾斜ラグ溝28の溝幅は、例えば、2mm以上7mm以下であり、傾斜ラグ溝28の溝深さは、例えば、3mm以上7mm以下である。
また、ショルダーラグ溝30の溝幅は、例えば、2mm以上4mm以下であり、ショルダーラグ溝30の溝深さは、例えば、3mm以上6mm以下である。また、ショルダー閉鎖ラグ溝32の溝幅は、例えば、2mm以上4mm以下であり、ショルダー閉鎖ラグ溝32の溝深さは、例えば、3mm以上6mm以下である。
例えば、図2(a)に示される第1ピッチ配列のピッチ種A〜Eのピッチ長は、PA=39.00mm、PB=35.50mm、PC=30.90mm、PD=26.90mm、PE=25.40mmである。また、図2(b)に示される第2ピッチ配列のピッチ種A〜Eのピッチ長は、PA=37.20mm、PB=34.30mm、PC=31.20mm、PD=28.10mm、PE=25.00mmである。
また、本実施形態の空気入りタイヤでは、上述した第2ピッチ配列のピッチ配列が外側ショルダー領域に形成される。そのため、パターンノイズの発生への寄与が大きい外側ショルダー領域において、パターンノイズの発生を抑制することができる。
次に、第2の実施形態の空気入りタイヤについて説明する。本実施形態の空気入りタイヤの基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態の空気入りタイヤは、トレッドパターン10に施されるピッチバリエーションが第1の実施形態とは異なる。以下、本実施形態のトレッドパターン10に施されるピッチバリエーションについて説明する。
更に、本実施形態の空気入りタイヤのセンター領域には、ピッチ長が異なる複数(例えば、3つ)のピッチ種を第3ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成されている。
例えば、図3(a)に示される第3ピッチ配列は、ピッチ種Bが2つ、ピッチ種Cが2つ、ピッチ種Bが1つ、ピッチ種Aが1つ、…の順に、タイヤ周方向に各ピッチが配列されることを示す。
第1ピッチ配列と同様、第3ピッチ配列も、タイヤ周方向に隣接するピッチ種が、互いに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種であるピッチ配列である。
特に、ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生しやすい内側ショルダー領域に形成される第1ピッチ配列に用いられるピッチ種の数を、センター領域に形成される第3ピッチ配列に用いられるピッチ種の数よりも多くすることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗の発生をより効果的に抑制することができる。
次に、第3の実施形態の空気入りタイヤについて説明する。本実施形態の空気入りタイヤの基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。本実施形態の空気入りタイヤは、トレッドパターン10に施されるピッチバリエーションが第1の実施形態とは異なる。以下、本実施形態のトレッドパターン10に施されるピッチバリエーションについて説明する。
更に、本実施形態の空気入りタイヤのセンター領域には、ピッチ長が異なる複数(例えば、6つ)のピッチ種を第4ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成されている。
例えば、図3(b)に示される第4ピッチ配列は、ピッチ種Bが2つ、ピッチ種Eが1つ、ピッチ種Bが1つ、ピッチ種Fが1つ、…の順に、タイヤ周方向に各ピッチが配列されることを示す。
第2ピッチ配列と同様、第4ピッチ配列も、複数のピッチ種A〜Fのうちピッチ長が最も短いピッチ種Fが連続する数が3個以下となるピッチ配列である。
平滑路面において、時速100kmで走行したときのパターンノイズをドライバーが官能評価した。後述する比較例1の評価結果を100とし、指数値が高いほど、パターンノイズが小さいことを示す。
各試験タイヤを装着した車両で10000km走行した後に、ヒール・アンド・トゥ摩耗の大きさを調べた。後述する比較例1の測定結果を100とし、指数値が高いほど、ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生しにくいことを示す。
まず、実施例1の空気入りタイヤのトレッドパターン10について説明する。実施例1の空気入りタイヤのトレッドパターン10は、内側ショルダー領域を含む、タイヤセンターラインCLよりも車両内側が、図2(a)に示されるような5種類のピッチ種を有する第1ピッチ配列で形成されている。また、外側ショルダー領域を含む、タイヤセンターラインCLよりも車両外側が、図2(b)に示されるような5種類のピッチ種を有する第2ピッチ配列で形成されている。
次に、比較例1の空気入りタイヤのトレッドパターン10について説明する。比較例1の空気入りタイヤのトレッドパターン10は、内側ショルダー領域、外側ショルダー領域、センター領域が図2(a)に示されるような5種類のピッチ種を有する第1ピッチ配列で形成されている。
次に、比較例2の空気入りタイヤのトレッドパターン10について説明する。比較例2の空気入りタイヤのトレッドパターン10は、内側ショルダー領域、外側ショルダー領域、センター領域が図2(b)に示されるような5種類のピッチ種を有する第2ピッチ配列で形成されている。
次に、実施例2,3の空気入りタイヤについて説明する。
実施例2の空気入りタイヤのトレッドパターン10は、内側ショルダー領域が図2(a)に示されるような5種類のピッチ種を有する第1ピッチ配列で形成されている。また、外側ショルダー領域が図2(b)に示されるような5種類のピッチ種を有する第2ピッチ配列で形成されている。また、実施例2の空気入りタイヤのトレッドパターン10は、センター領域が図3(a)に示されるような3種類のピッチ種を有する第3ピッチ配列で形成されている。
また、実施例3の空気入りタイヤでは、第1ピッチ配列のピッチ配列が内側ショルダー領域に形成され、第2ピッチ配列のピッチ配列が外側ショルダー領域に形成され、第4ピッチ配列のピッチ配列がセンター領域に形成されるため、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性能がより向上することが分かる。
12,14 周方向リブ
16 ブロック
18 ショルダーブロック
20,22 周方向溝
24,28 傾斜ラグ溝
26 周方向細溝
30 ショルダーラグ溝
32 ショルダー閉塞ラグ溝
Claims (6)
- 車両に対するタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝を備え、
前記複数の周方向溝のうち最も車両内側に位置する周方向溝よりも車両内側には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第1ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、
前記複数の周方向溝のうち最も車両外側に位置する周方向溝よりも車両外側には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第2ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、
前記複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種とするとき、
第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチ種が、互いに同じピッチ種あるいは前記隣接ピッチ種であるピッチ配列であり、
第2ピッチ配列は、タイヤ周方向に沿って隣接するピッチのピッチ種が変化する部分であって、前記隣接ピッチ種以外のピッチ種が隣接する部分を備え、かつ、前記複数のピッチ種のうちピッチ長が最も短いピッチ種が連続する数が3個以下であるピッチ配列であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 第2ピッチ配列は、前記複数のピッチ種のうちピッチ長が最も短いピッチ種のピッチ長に対して、ピッチ長が10%長い範囲に含まれるピッチ種が連続して隣接する数が3個以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記隣接ピッチ種のピッチ長の比は、0.85以上1.15以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 第1ピッチ配列に用いられるピッチ種の数と、第2ピッチ配列に用いられるピッチ種の数とは同じである、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記複数の周方向溝のうち最も車両内側に位置する周方向溝と最も車両外側に位置する周方向溝との間には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第3ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、
第3ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチ種が、互いに同じピッチ種あるいは前記隣接ピッチ種であるピッチ配列であり、
第1ピッチ配列に用いられるピッチ種の数は、第3ピッチ配列に用いられるピッチ種の数よりも多い、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。 - 前記複数の周方向溝のうち最も車両内側に位置する周方向溝と最も車両外側に位置する周方向溝との間には、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第4ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したトレッドパターンが形成され、
第4ピッチ配列は、タイヤ周方向に前記隣接ピッチ種以外のピッチ種が隣接する部分を備え、かつ、前記複数のピッチ種のうちピッチ長が最も短いピッチ種が連続する数が3個以下であるピッチ配列であり、
第4ピッチ配列に用いられるピッチ種の数は、第2ピッチ配列に用いられるピッチ種の数よりも多い、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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