JP5560926B2 - 空気入りタイヤ、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法およびタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法およびタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トレッドパターンが設けられた空気入りタイヤ、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法。およびタイヤの製造方法に関する。
従来より、トレッドパターンを有する空気入りタイヤには、パターンノイズを低減するために、パターンのピッチ長をタイヤ周方向で分散させたピッチバリエーションが施されている。
ピッチバリエーションは、タイヤが地面上を転動したとき、特定の周波数のパターンノイズのレベルが大きくならないように、ピッチ長をタイヤ周上で分散させて、パターンノイズの周波数を分散させることをいう。
ピッチバリエーションは、ピッチ長の分散のさせ方に非常に大きな自由度があるため、従来より多くのピッチバリエーションおよびピッチバリエーションを適用した空気入りタイヤが提案されている。
例えば、周方向の長さであるピッチPが異なる3つ以上の種類数sの模様構成単位がタイヤ周方向に配列されてなる模様構成単位列により、タイヤトレッドのトレッドパターンを形成するとともに、長さの順に隣り合う1つ以上のピッチを飛ばして並ぶ前記模様構成単位を含んで配列した模様構成単位列からなり、しかも所定の検定を行うことによりえられる被検定の模様構成単位列を具えるピッチバリエーションの空気入りタイヤが知られている(特許文献1)
また、ドライ路面での操縦安定性の向上とパターンノイズの低減とを両立することを可能にするための空気入りタイヤが知られている(特許文献2)。
すなわち、車両に対するタイヤ表裏の装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部のタイヤ赤道Eを挟んで車両内側(IN)及び車両外側(OUT)の領域にそれぞれタイヤ周方向に配列された複数のブロック要素を形成し、車両内側のブロック要素のピッチ数を60〜80個とし、該車両内側のブロック要素のピッチ種類数を4種類以上とし、車両外側のブロック要素のピッチ数を50〜70個とし、該車両外側のブロック要素のピッチ種類数を4種類以上とする。さらに、車両内側のブロック要素のピッチ数を車両外側のブロック要素のピッチ数よりも多くし、かつ車両内側のブロック要素の平均ピッチ長に対する車両外側のブロック要素の平均ピッチ長の比を1.05〜1.20の範囲とする。
特開2001−130226号公報 特開2009−262874号公報
上記特許文献1に記載されている空気入りタイヤでは、長さの順に隣り合う1つ以上のピッチを飛ばして並ぶ模様構成単位を含んで配列するので、長さが最も短い最短ピッチが並んで、トレッドのブロック剛性が小さくなることを防止することができる。したがって、操縦安定性においてブロック剛性の低下による応答性の低下を抑制することができる。
しかし、長さの順に隣り合う1つ以上のピッチを飛ばして並ぶ模様構成単位を含んで配列するので、タイヤ周方向において隣り合うピッチ長の変化が大きい部分が生じ、この部分が、ヒール&トウ摩耗の原因となる場合がある。ヒール&トウ摩耗とは、タイヤ周方向で隣り合う陸部の摩耗差が大きく異なり、タイヤ周方向にのこぎりの歯状に摩耗段差が生じる形態をいう。タイヤの転動時、ヒール&トウ摩耗が生じた部分が地面に接地するとき異音を発する場合も多い。
上記特許文献2に記載されている空気入りタイヤでは、ドライ路面での操縦安定性の向上とパターンノイズの低減とを両立することが可能であるが、ヒール&トウ摩耗の抑制については、何も言及していない。
そこで、本発明は、低パターンノイズを維持しつつ、操縦安定性を向上し、ヒール&トウ摩耗を抑制することのできる空気入りタイヤ、およびこの空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法、さらには、タイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、トレッドパターンが設けられた空気入りタイヤである。
当該空気入りタイヤは、
前記空気入りタイヤは、トレッド部に周方向溝を有し、
前記トレッド部は、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第1ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したショルダー側のパターン領域と、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第2ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したセンター側のパターン領域とを、前記周方向溝を境にして有する。
前記第1ピッチ配列及び前記第2ピッチ配列のそれぞれにおいて、複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種というとき、
前記第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列であり、
前記第2ピッチ配列は、タイヤ周方向で隣接するピッチにおいてピッチ種が変化するとき、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である。
なお、前記第2ピッチ配列は、さらに、ピッチ長が前記最短ピッチ長に対して10%長い範囲に含まれるピッチ種が隣接して連続する数が3個以下である配列である、ことが好ましい。
前記隣接ピッチ種のピッチ長の比は、0.85〜1.15である、ことが好ましい。
また、前記第1ピッチ配列に用いる複数のピッチ種の数と、前記第2ピッチ配列に用いる複数のピッチ種の数は同じであってもよい。
さらに、前記トレッド部のセンターラインを境にして両側の半トレッド部のそれぞれに、前記周方向溝および前記ショルダーパターン領域が設けられ、
前記空気入りタイヤを正規リムに装着して、正規内圧の条件および正規荷重の80%の条件で計測される接地形状から前記トレッド部における接地幅を定めたとき、前記周方向溝は、センターラインを中心として前記トレッド部の接地幅の30〜80%の範囲内に位置する、ことが好ましい。
前記半トレッド部それぞれにおける前記第1ピッチ配列に用いる複数のピッチ種は同じである、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の態様は、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法であって、
トレッド部のセンターラインからショルダー側に位置する所定位置におけるショルダー周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、ショルダー側の領域に第1ピッチ配列でピッチを配するステップと、
前記センターラインにおけるセンター周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、センター側のパターン領域に第2ピッチ配列でピッチを配するステップと、
前記センター側のパターン領域に配したピッチと前記ショルダー側のパターン領域に配したピッチを統合して次数分析を行うステップと、
前記次数分析の結果に応じて、前記センター側のパターン領域の前記第2ピッチ配列と前記ショルダー側のパターン領域の前記第1ピッチ配列との間で、タイヤ周方向に位置ずらしを行うことにより、トレッドパターンを決定するステップと、を有する。
前記第1ピッチ配列及び前記第2ピッチ配列のそれぞれにおいて、複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種というとき、
前記第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチ同士に同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列であり、
前記第2ピッチ配列は、タイヤ周方向で隣接するピッチにおいてピッチ種が変化するとき、タイヤ周方向に隣接するピッチ同士に隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である。
本発明の更に他の態様は、前記空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法を用いて作成されたトレッドパターンに基づいて加硫用金型を作製し、トレッドパターン付タイヤを製造するタイヤの製造方法である。
上記空気入りタイヤおよび空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法によれば、低パターンノイズを維持しつつ、操縦安定性を向上し、ヒール&トウ摩耗を抑制することができる。
本実施形態の乗用車用空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図である。 (a),(b)は、図1に示すトレッドパターンにおけるピッチバリエーションを説明する図である。 従来のピッチバリエーションによる次数分析結果のグラフである。 本実施形態のピッチバリエーションによる次数分析結果のグラフである。
以下、本発明の空気入りタイヤ、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法およびタイヤの製造方法について詳細に説明する。
(トレッドパターン)
図1は、本実施形態の乗用車用空気入りタイヤ(以降、タイヤいう)のトレッドに設けられるトレッドパターン10の展開図である。トレッドパターン10は、タイヤセンターラインCLを中心に点対称パターンである。
本実施形態の乗用車用タイヤとは、例えば、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、本発明の空気入りタイヤは、B章に定められる小型トラック用タイヤあるいはC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
トレッドパターン10は、タイヤセンターラインCLから順に、周方向リブ12,14と、ブロック16と、ショルダーブロック18と、を有する。
トレッドパターン10は、ブロック16とショルダーブロック18との間に設けられる周方向溝20により、センター側のパターン領域とショルダー側のパターン領域に分けられる。
周方向リブ12は、2つの周方向溝22によって画され、周方向リブ12には一端が閉塞した傾斜ラグ溝24が設けられている。
周方向リブ14は、周方向溝22と周方向細溝26との間に画されている。
ブロック16は、周方向細溝26と、周方向溝20と、周方向細溝26と周方向溝20を結ぶ傾斜ラグ溝28とによって画されている。
ショルダーブロック18には、周方向溝20とショルダー端との間を連通するショルダーラグ溝30と、ショルダー端から延び、途中で閉塞するショルダー閉塞ラグ溝32と、が設けられている。
周方向溝20,22については、例えば溝幅が6〜9mmであり、溝深さが7〜9mmである。周方向細溝26については、例えば溝幅が1〜3mmであり、溝深さが4〜5mmである。傾斜ラグ溝24については、例えば溝幅が2〜6mmであり、溝深さが3〜7mmである。
また、傾斜ラグ溝28については、例えば溝幅が2〜7mmであり、溝深さが3〜7mmである。
ショルダー側のパターン領域のショルダーラグ溝30については、例えば溝幅が2〜4mmであり、溝深さが3〜6mmである。ショルダー閉鎖ラグ溝32については、例えば溝幅が2〜4mmであり、溝深さが3〜6mmである。
トレッドパターン10の両側の周方向溝20はセンターラインを中心としてトレッド部の接地幅の30〜98%の範囲内に位置することが好ましく、50〜70%の範囲内に位置することがより好ましい。トレッド部の接地幅とは、タイヤを正規リムに装着して、正規内圧の条件および正規荷重の80%の条件で計測される接地形状の幅をいう。
ここで、正規リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
このように、周方向溝20をトレッド部の接地幅の30〜98%の範囲内に設けるのは、装着される車両の前輪または後輪の一方、例えば前輪駆動車の後輪のトレッド部において、両側の周方向溝20の間のパターン領域(センター側のパターン領域)では、該後輪荷重時に接地する領域でのトレッドのブロック剛性がタイヤ周上の一部分で小さくなることを防止し、操舵に対する応答性の低下を抑制するためであり、両側の周方向溝20の外側のパターン領域(ショルダー側のパターン領域)では、ヒール&トウ摩耗を抑制するためである。
このようなトレッドパターン10は、以下のようなピッチバリエーションが施されている。
ここで、トレッドパターン10のピッチは、同じパターンが繰り返される最小単位をいう。例えば、図1では、ショルダー側のパターン領域のピッチ長P1およびセンター側のパターン領域のピッチ長P2が示されている。
具体的には、トレッド部の周方向溝20を境にして、ショルダー側のパターン領域とセンター側のパターン領域では、ピッチ長が異なる複数のピッチ種をタイヤ周方向に分散配置した配列形態が異なる。ここで、複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種というとき、ショルダー側領域のピッチ配列はいずれのピッチにおいても、タイヤ周方向に隣接するピッチに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列である。センター側領域のピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である。
図2(a)は、センター側領域のピッチ配列の一例を説明する図である。ここで、A〜Eは、ピッチ長が異なるピッチ種であり、図2(a)中の“A3”や“C2”は、ピッチ種Aが3つ連続することを意味し、ピッチ種Cが2つ連続して配置されることを意味する。したがって、図2(a)の場合、左から順番に言うと、ピッチ種Bが2つ、ピッチ種Cが2つ、ピッチ種Aが3つ、ピッチ種Bが1つ、ピッチ種Cが1つ、・・・タイヤ周方向に順番に配置されることを表す。
図2(a)に示すピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である。例えば、図2(a)中の左から2つ目の“C2”に対して隣接ピッチ種でないピッチ種Aが配置されている。また、最短ピッチ種Eは、連続して設けられる個数が1または2以下である。
なお、本実施形態では、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数は2以下であるが、その数は3以下であればよい。
さらに、図2(a)に示すピッチ配列は、ピッチ長が最短ピッチ長に対して10%長い範囲に含まれるピッチ種が隣接して連続する数が3個以下であることが、操縦安定性を向上させる点で好ましい。
一方、図2(b)は、ショルダー側のパターン領域のピッチ配列の一例を説明する図である。ここで、A〜Eは、ピッチ長が異なるピッチ種であり、図2(a)中のピッチ種A〜Eと同じであってもよいし、異なってもよい。なお、図2(a),(b)に示す例では、ピッチ種A〜Eは、互いに異なっている。なお、図中の“A3”や“B3”は、上記説明と同様に、ピッチ種Aが3つ連続することを意味し、ピッチ種Bが3つ連続することを意味する。
図2(b)に示すピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列である。すなわち、ピッチ種が変化するとき、必ず隣接ピッチ種が配置される。例えばピッチ種Bが変化するとき、必ずピッチ種Aかピッチ種Cが隣接するピッチに配置される。
ここで、ピッチ種A〜Eの隣接ピッチ種のピッチ長の比は、0.85〜1.15である。このようにピッチ長の比を定めることにより、低パターンノイズを維持しつつ、操縦安定性を向上し、ヒール&トウ摩耗を効率よく抑制することができる。
図3は、図2(a)に示すピッチ配列により、センター側領域およびショルダー側領域にピッチバリエーションを行ったときの、次数分析結果を示している。また、図2(b)に示すピッチ配列により、センター側領域およびショルダー側領域にピッチバリエーションを行ったときの、次数分析結果を示している。
いずれもピッチ数を66とするので、66次成分を中心に次数成分が分散していることがわかる。特に、図2(a)に示すピッチ配列は、大きなピークを形成することとなく、次数のレベルが分散されている。
図4は、図2(a)に示すピッチ配列をセンター側のパターン領域に、図2(b)に示すピッチ配列をショルダー側領域に配したときの次数分析結果、すなわち、本実施形態のピッチ配列における次数分析結果を示している。このピッチ配列においても、66次の次数成分が分散していることがわかる。
このように、センター側の領域に図2(a)に示すピッチ配列を、ショルダー側の領域に図2(b)に示すピッチ配列を採用することにより、従来と同様に、効率よくパターンノイズを低減することができる。
トレッドパターン10におけるセンター側のパターン領域は、図2(a)に示すように、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備える。このため、ピッチ数に起因する次数成分を効率よく分散することができる。しかも、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備えても、センター側領域は、ヒール&トウ摩耗が発生し難い領域であるため、隣接ピッチ種以外のピッチ種を配しても問題は生じない。しかも、このピッチ配列では、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数を3以下とするため、最短ピッチ種が連続することによって最短ピッチ種だけが接地面内を占めることはなくなる。このため、タイヤにおいて、接地面内で最短ピッチ長に起因してブロック剛性が低下する部分がタイヤ周上で生じることはない。このため、操縦安定性において、ブロック剛性の低下による操舵の応答性の低下もない。
一方、トレッドパターン10におけるショルダー側のパターン領域は、ヒール&トウ摩耗の影響を、操縦安定性に比べて大きく受ける領域である。しかし、図2(b)に示すように、タイヤ周方向に隣接するピッチに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列を用いる。このため、ショルダー側のパターン領域では、隣接するピッチとの間でブロックの剛性の差が小さい。このため、ヒール&トウ摩耗が発生し難い。
このように、トレッドパターン10は、センター側のパターン領域とショルダー側のパターン領域がタイヤ性能に与える影響を考慮して、ピッチ配列を異ならせることにより、低パターンノイズを維持しつつ、操縦安定性の低下を抑制しつつ、ヒール&トウ摩耗を抑制することができる。
なお、本実施形態では、センター側のパターン領域とショルダー側のパターン領域のピッチ種の数はA〜Eの5つでありピッチ種の数は同じであるが、必ずしも同じでなくてもよい。
また、ショルダー側のパターン領域それぞれにおけるピッチ種は同じであるが、異なってもよい。また、ピッチ配列も同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(トレッドパターンの決定方法)
次に、トレッドパターン10におけるピッチ配列の決定方法を説明する。決定方法は、具体的には、コンピュータが行う。
トレッドパターンの決定方法では、まず、トレッド部のセンターラインCLからショルダー側に位置する所定位置、図1に示す例では、周方向溝20の位置におけるショルダー周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、ショルダー側のパターン領域に、図2(b)に示すようなピッチ配列でピッチを配する。
同様に、センターラインCLにおけるセンター周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、センター側のパターン領域に、図2(a)に示すようなピッチ配列でピッチを配する。図2(a),(b)に示すようなピッチ配列は、予め次数解析を用いて調べておくことにより定める。ショルダー周長およびセンター周長の寸法に応じて、ピッチ種A〜Eの長さをコンピュータが算出することにより、ショルダー周長およびセンター周長に適合した図2(a),(b)に示すようなピッチ配列をコンピュータは求めることができる。
次に、センター側のパターン領域に配したピッチとショルダー側のパターン領域に配したピッチを統合して次数分析をコンピュータが行う。具体的には、ピッチ長に応じて振動の振幅を変化させたタイヤ1周分の波形、あるいは、ピッチ長に応じて周期を変化させることにより得られたタイヤ1周分の波形が次数分析される。
次に、次数分析の結果に応じて、センター側のパターン領域のピッチ配列とショルダー側のパターン領域の第1ピッチ配列との間で、コンピュータがタイヤ周方向に位置ずらしを行うことにより、次数分析の結果最もピーク値が最も低下するように、コンピュータがトレッドパターンを決定する。
図2(a)に示すピッチ配列は、センター側のパターン領域において操縦安定性の低下を抑制し、図2(b)に示すピッチ配列は、ショルダー側のパターン領域においてヒール&トウ摩耗を抑制する配列であるので、センター側のパターン領域のピッチ配列とショルダー側のパターン領域の第1ピッチ配列との間で、位相ずらしをおこなうことにより、操縦安定性を維持し、ヒール&トウ摩耗を抑止しつつ、パターンノイズを最適に低減したパターンを決定することができる。
こうしてコンピュータが決定して作成したトレッドパターンに基づいて加硫用金型を作製し、トレッドパターン付タイヤを製造する。
(実施例)
本実施形態のタイヤおよび従来のタイヤを作製して、操縦安定性とヒール&トウ摩耗について評価した。評価するタイヤのタイヤサイズは、205/60R16である。
タイヤを、正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、1.5lクラスの前輪駆動車の4輪に装着して正規荷重の80%の荷重を加えて評価した。ここでいう正規リム、正規内圧、正規荷重は、上述したJATMA、ETRTO、およびTRAに規定されるものである。
操縦安定性の評価は、ドライ路面を100km/時で走行したときのドライバーの官能評価である。一方、ヒール&トウ摩耗の評価は、上記前輪駆動車を10000km走行下後のトレッドパターンの摩耗状態をノギスを用いて計測し、ヒール&トウ摩耗を評価した。具体的には、トレッドパターンの隣り合うピッチ間の段差を測定して段差量を求めた。
官能評価の結果および段差量の結果は、従来例1を基準にして指数化した。指数の値は、大きいほど評価が良好であることを意味する。
評価したタイヤは、図1および図2(a),(b)に示すトレッドパターンを用いた実施例のタイヤと、図1に示すトレッドパターンであって、図2(b)に示すピッチ配列をセンターおよびショルダー側のパターン領域全体に用いた従来例1のタイヤと、図1に示すトレッドパターンであって、図2(a)に示すピッチ配列をセンターおよびショルダー側のパターン領域全体に用いた従来例2のタイヤである。
実施例におけるタイヤのセンターラインCLにおけるセンター周長は、2045mmであり、周方向溝20におけるショルダー周長は2020mmであり、これに合わせて、図2(a)におけるピッチ種A〜Eについては、A=37.2mm、B=34.3mm、C=31.2mm、D=28.1mm、E=25.0mmとした。また、図2(b)におけるピッチ種A〜Eについては、A=39.0mm、B=35.5mm、C=30.9mm、D=26.9mm、E=25.4mmとした。
一方、従来例1におけるショルダー側の各ピッチ種のピッチ長さは、図2(b)に示すピッチ長さを用い、センター側領域の各ピッチ種のピッチ長さは、ショルダー周長に対するセンター周長の比率を、図2(b)に示すピッチ種A〜Eの各ピッチ長さに乗算することにより修正して用いた。
また、従来例2におけるセンター側領域の各ピッチ種のピッチ長さは、図2(a)に示すピッチ長さを用い、ショルダー側の各ピッチ種のピッチ長さは、センター周長に対するショルダー周長の比率を、図2(a)に示すピッチ種A〜Eの各ピッチ長さに乗算することにより修正して用いた。
下記表に評価結果を示す。
上記表から、実施例は、従来例1,2対比、操縦安定性とヒール&トウ摩耗の両立を可能にすることがわかる。したがって、本実施形態は、低パターンノイズを維持しつつ、操縦安定性を向上しつつ、図2(b)に示すピッチ配列と同様にヒール&トウ摩耗を抑制することができる。
以上、本発明の空気入りタイヤ、空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法およびタイヤの製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 トレッドパターン
12,14 周方向リブ
16 ブロック
18 ショルダーブロック
20,22 周方向溝
24,28 傾斜ラグ溝
26 周方向細溝
30 ショルダーラグ溝
32 ショルダー閉塞ラグ溝

Claims (8)

  1. トレッドパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
    前記空気入りタイヤは、トレッド部に周方向溝を有し、
    前記トレッド部は、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第1ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したショルダー側のパターン領域と、ピッチ長が異なる複数のピッチ種を第2ピッチ配列によりタイヤ周方向に分散配置したセンター側のパターン領域とを、前記周方向溝を境にして有し、
    前記第1ピッチ配列及び前記第2ピッチ配列のそれぞれにおいて、複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種というとき、
    前記第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチに同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列であり、
    前記第2ピッチ配列は、タイヤ周方向で隣接するピッチにおいてピッチ種が変化するとき、タイヤ周方向に隣接するピッチに隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第2ピッチ配列は、さらに、ピッチ長が前記最短ピッチ長に対して10%長い範囲に含まれるピッチ種が隣接して連続する数が3個以下である配列である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記隣接ピッチ種のピッチ長の比は、0.85〜1.15である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1ピッチ配列に用いる複数のピッチ種の数と、前記第2ピッチ配列に用いる複数のピッチ種の数は同じである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部のセンターラインを境にして両側の半トレッド部のそれぞれに、前記周方向溝および前記ショルダーパターン領域が設けられ、
    前記空気入りタイヤを正規リムに装着して、正規内圧の条件および正規荷重の80%の条件で計測される接地形状から前記トレッド部における接地幅を定めたとき、前記周方向溝は、センターラインを中心として前記トレッド部の接地幅の30〜98%の範囲内に位置する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記半トレッド部それぞれにおける前記第1ピッチ配列に用いる複数のピッチ種は同じである、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法であって、
    トレッド部のセンターラインからショルダー側に位置する所定位置におけるショルダー周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、ショルダー側のパターン領域に第1ピッチ配列でピッチを配するステップと、
    前記センターラインにおけるセンター周長に対応して、ピッチ長が異なる複数のピッチ種とピッチ種それぞれの配置数を定めて、センター側のパターン領域に第2ピッチ配列でピッチを配するステップと、
    前記センター側のパターン領域に配したピッチと前記ショルダー側のパターン領域に配したピッチを統合して次数分析を行うステップと、
    前記次数分析の結果に応じて、前記センター側のパターン領域の前記第2ピッチ配列と前記ショルダー側のパターン領域の前記第1ピッチ配列との間で、タイヤ周方向に位置ずらしを行うことにより、トレッドパターンを決定するステップと、を有し、
    前記第1ピッチ配列及び前記第2ピッチ配列のそれぞれにおいて、複数のピッチ種をピッチ長の順番に並べたとき、互いに隣り合うピッチ種を隣接ピッチ種というとき、
    前記第1ピッチ配列は、タイヤ周方向に隣接するピッチ同士に同じピッチ種あるいは隣接ピッチ種を配した配列であり、
    前記第2ピッチ配列は、タイヤ周方向で隣接するピッチにおいてピッチ種が変化するとき、タイヤ周方向に隣接するピッチ同士に隣接ピッチ種以外のピッチ種を配した部分を備え、かつ、最短ピッチ長のピッチ種が連続して隣接する数が3以下である配列である、ことを特徴とする空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法。
  8. 請求項7に記載の空気入りタイヤのトレッドパターンの決定方法を用いて作成されたトレッドパターンに基づいて加硫用金型を作製し、トレッドパターン付タイヤを製造するタイヤの製造方法。
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