JP6491558B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部に、横溝とブロック要素とからなるパターン列を具えた空気入りタイヤに関する。
従来、トレッド部に、複数本の横溝と、横溝間に区分されたブロック要素とからなるパターン列を具えた空気入りタイヤが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。このようなパターン列には、パターンノイズを抑制するために、タイヤ周方向長さの異なる複数のピッチがタイヤ周方向に、例えば、ランダムに配置されたバリアブルピッチ配列が採用されている。ここで、ピッチは、横溝の一つと、この横溝に隣接するブロック要素の一つとからなる。
バリアブルピッチ配列を有する下記特許文献1の空気入りタイヤでは、タイヤ周方向長さが大きいピッチは、横溝の溝底からブロック要素の踏面にのびる溝壁面の角度が、溝深さ方向に沿った基準線に対して大きく形成されている。逆に、タイヤ周方向長さが小さいピッチは、横溝の溝底からブロック要素の踏面にのびる溝壁面の角度が、溝深さ方向に沿った基準線に対して小さく形成されている。
特開2000−198321号公報
しかしながら、上記空気入りタイヤのパターン列では、タイヤ周方向に並ぶブロック要素に剛性差が生じる。このため、タイヤ周方向長さが小さいピッチのブロック要素が早期に摩耗し易い。さらに、タイヤ周方向長さが小さいピッチのブロック要素のタイヤ周方向両側の溝縁には、偏摩耗が生じ易い。この結果、操縦安定性能が低下するおそれがあった。
また、タイヤ周方向長さが小さいピッチのブロック要素は、接地時、大きく変形し易い。ブロック要素の大変形は、基準線に近似する溝壁面を介してその溝底に大きな歪を生じさせ、溝底クラックを早期に招くという問題があった。一方、上記タイヤ周方向長さが大きいピッチでは、溝壁面が基準線に対し大きな角度を有するため、溝容積が減少し、排水性が低下するおそれがあった。
本発明は、以上のような実状に鑑みなされたもので、偏摩耗を抑制して操縦安定性能を向上させるとともに、ランド比を高めて摩耗ライフを向上させうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、少なくとも一つのパターン列を具え、前記パターン列がタイヤ周方向に間隔をあけて設けられた複数本の横溝と、前記横溝間に区分されるブロック要素とからなる空気入りタイヤであって、前記パターン列は、前記横溝の一つと、この横溝に隣接している前記ブロック要素の一つとからなるピッチが、タイヤ周方向に繰り返して配置されており、前記パターン列の前記ピッチは、タイヤ周方向の長さが最も大きい第1ピッチと、タイヤ周方向の長さが最も小さい第2ピッチとを少なくとも含み、前記第1ピッチに属する前記横溝の前記ブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、溝深さ方向に沿った基準線に対して20度以下の第1角度α1でトレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜し、前記第2ピッチに属する前記横溝のブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、前記基準線に対して第2角度α2で前記トレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜する溝底側壁面部と、前記第2角度α2よりも大きい第3角度α3で前記トレッド踏面にのびる踏面側溝壁部とを含んでいることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、前記第2角度α2は、前記第1角度α1以下であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、前記踏面側溝壁部の溝深さ方向の長さは、1mm以上であり、かつ、前記横溝の深さの80%以下であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤでは、前記第2角度α2は、前記第1角度α1よりも小さく、前記パターン列は、タイヤ周方向の長さが、前記第2ピッチよりも大きくかつ前記第1ピッチよりも小さい中間ピッチを含み、前記中間ピッチに属する前記横溝の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、前記基準線に対して前記第1角度α1以下でありかつ前記第2角度α2以上である第4角度α4で前記トレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜する溝底側壁面部と、前記第4角度α4よりも大きくかつ前記第3角度α3よりも小さい第5角度α5で前記トレッド踏面にのびる踏面側溝壁部とを含んでいるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤのパターン列は、タイヤ周方向の長さが最も大きい第1ピッチと、タイヤ周方向の長さが最も小さい第2ピッチとを少なくとも含む複数種類のピッチを含んでいる。
第1ピッチに属する横溝のブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、溝深さ方向に沿った基準線と平行にのびるか又は基準線に対して20度以下の第1角度α1でトレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜している。このため、溝容積の低下が抑制され、ひいては排水性が向上する。
第2ピッチに属する横溝のブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、第2角度α2でトレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜する溝底側壁面部と、第2角度よりも大きい第3角度α3でトレッド踏面にのびる踏面側溝壁部とを含んでいる。
第3角度α3でトレッド踏面にのびる踏面側溝壁部は、第2ピッチに属するブロック要素の接地時、ブロック要素の変形を分散させて抑制する。このため、その溝底に作用する変形も小さくなり、溝底クラックが抑制され、タイヤの耐久性能が向上する。また、踏面側溝壁部がブロック要素のタイヤ周方向の変形を小さく抑制することにより、第2ピッチに属するブロック要素での早期の摩耗が抑制されるとともに、ブロック要素の溝縁でのヒール&トウ摩耗等の偏摩耗も抑制される。このため、タイヤの操縦安定性能が向上する。
各ブロック要素は、摩耗に伴ってブロック要素の高さが減少する。これに伴い、各ブロック要素のタイヤ周方向の剛性は大きく高められる。このため、第2ピッチに属するブロック要素は、摩耗により踏面側壁面部が消失した場合、溝底側壁面部のみとなっても偏摩耗が生じることはなく、操縦安定性能が維持される。さらに、第2ピッチに属するブロック要素の踏面は、摩耗による踏面側壁面部の消失に伴い、タイヤ周方向長さが大きくなる。このため、トレッド部のランド比が高められ、ひいてはトレッド部の摩耗ライフがより一層向上する。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。 図1のショルダーパターン列付近の部分拡大図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 (A)〜(C)は、各中間ピッチに属する横溝の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が、図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」と記載される場合がある。)のトレッド部2の展開図が示されている。本実施形態のタイヤは、例えば、乗用車用として描かれている。但し、本発明は、重荷重車用や二輪車用など、種々のカテゴリーのタイヤに適用されるのは言うまでもない。
トレッド部2には、例えば、タイヤ周方向に連続してのびる複数の周方向溝3と、周方向溝3により区分された複数のパターン列4とが設けられている。
本実施形態の周方向溝3は、例えば、一対のクラウン主溝3C、3C、一対のショルダー主溝3S、3S及び一対のミドル副溝3M、3Mを含んでいる。
クラウン主溝3C、3Cは、例えば、タイヤ赤道Cの両側に設けられている。ショルダー主溝3Sは、クラウン主溝3Cとトレッド接地端Teとの間に設けられている。ミドル副溝3Mは、クラウン主溝3Cとショルダー主溝3Sとの間に設けられている。これらショルダー主溝3C、ショルダー主溝3S及びミドル副溝3Mは、トレッド部2の排水性能を確保するのに役立つ。但し、周方向溝3の構成や配置は、上記態様に限定されるものではない。
「トレッド接地端」とは、正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0°で平面に接地させたときの接地面のタイヤ軸方向最外端である。
「正規状態」とは、タイヤが、正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。本明細書及び特許請求の範囲において、特に断りがない場合、タイヤ1の各部の寸法は、正規状態での値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、例えば、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用の場合には、180kPaである。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、例えば、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重である。
本実施形態のクラウン主溝3C及びショルダー主溝3Sの溝幅は、排水性能及び操縦安定性能の観点から、例えば、好ましくは5.0mm以上、より好ましくは7.0mm以上であり、好ましくは12.0mm以下、より好ましくは10.0mm以下である。同様の観点から、クラウン主溝3C及びショルダー主溝3Sの溝深さは、例えば、6.0〜9.0mmの範囲であるのが望ましい。
本実施形態のミドル副溝3Mの溝幅は、トレッド部2の剛性を確保し、操縦安定性能を向上させるために、例えば、2.0〜6.0mmの範囲であるのが望ましい。同様の観点から、ミドル副溝3Mの溝深さは、4.0〜6.0mmの範囲であるのが望ましい。
本実施形態のパターン列4は、クラウンパターン列4C、内側ミドルパターン列4Mi、外側ミドルパターン列4Mo及びショルダーパターン列4Sを含んでいる。
クラウンパターン列4Cは、一対のクラウン主溝3Cの間に区分されている。内側ミドルパターン列4Miは、クラウン主溝3Cとミドル副溝3Mとの間に区分されている。外側ミドルパターン列4Moは、ショルダー主溝3Sとミドル副溝3Mとの間に区分されている。ショルダーパターン列4Sは、ショルダー主溝3Sとトレッド接地端Teとの間に区分されている。
本実施形態のクラウンパターン列4C、内側ミドルパターン列4Mi及び外側ミドルパターン列4Moは、例えば、タイヤ周方向に間隔をあけて設けられた複数の横溝5C、5Mi、5Moと、各横溝5C、5Mi、5Mo間に区分されたブロック要素6C、6Mi、6Moとからなる。
横溝5C、5Mi、5Moは、例えば、一端がクラウン主溝3C又はショルダー主溝3Sに連通し、他端が各パターン列4C、4Mi、4Mo内で終端している所謂ラグ溝である。これらの各横溝5C、5Mi、5Moは、各ブロック要素6C、6Mi、6Moの周方向剛性を維持しつつ、トレッド部2の排水性能を向上するのに役立つ。なお、「ブロック要素」とは、陸部を完全に横切る横溝で区分されたブロックと、上述のようなラグ溝で区分されたブロック状の陸部とを含む概念である。
横溝5C、5Mi、5Moの溝幅は、排水性能及び操縦安定性能の観点から、例えば、3.0〜8.0mmの範囲であるのが望ましい。同様の観点から、横溝5C、5Mi、5Moの溝深さは、6.0〜9.0mmの範囲であるのが望ましい。
図2には、図1のショルダーパターン列4S付近の部分拡大図が示されている。図1又は図2に示されるように、ショルダーパターン列4Sは、タイヤ周方向に間隔をあけて設けられた複数本の横溝7と、横溝7間に区分されたブロック要素としてのショルダーブロック8とからなる。
本実施形態の横溝7は、例えば、ショルダー主溝3Sとトレッド接地端Teとの間をタイヤ軸方向に対して傾斜してのびている。本実施形態のショルダーブロック8は、ショルダー主溝3S、トレッド接地端Te及びタイヤ周方向に隣り合う横溝7で区分されている。
本実施形態のトレッド部2のパターン列4は、複数のピッチPがタイヤ周方向に繰り返して配置されている。各パターン列4は、パターンノイズを抑制するために、タイヤ周方向長さの異なる複数のピッチPがタイヤ周方向にランダムに配置された所謂バリアブルピッチ配列が採用されているが、横溝の溝壁面について改善されている。以下、図2のショルダーパターン列4Sを例に挙げて、本実施形態が説明される。
ショルダーパターン列4SのピッチPは、横溝7の一つと、横溝7に隣接しているショルダーブロック8の一つとからなる。ショルダーパターン列4Sには、ピッチPとして、タイヤ周方向の長さが最も大きい第1ピッチP1と、タイヤ周方向の長さが最も小さい第2ピッチP2とが含まれている。
図3には、図2のA−A断面図が示されている。A−A断面の位置は、第1ピッチP1、P1が隣り合っている。また、A−A断面は、横溝7の溝長さ方向と直角な横断面である。図3に示されるように、第1ピッチP1に属する横溝71は、溝底9と、一対の溝壁面10、11とを含んでいる。溝壁面10は、溝底9から横溝71と同一の第1ピッチP1に属するショルダーブロック81の端縁にのびている。
横溝71の溝壁面10は、A−A断面において、溝深さD7の方向に沿った基準線Hに対して20度以下の第1角度α1で踏面2Sに向かって溝幅W7が漸増する向きに傾斜している。本実施形態の溝壁面10は、例えば、溝底9から踏面2Sまで変化することなく直線状にのびている。このような溝壁面10は、ショルダーブロック81の踏面2Sの面積の減少を防ぐ。これにより、トレッド部2のランド比の低下が抑制され、ひいては、トレッド部2の摩耗ライフを向上させる。
ここで、「ランド比」とは、トレッド部2に設けられた全ての溝を埋めた状態で測定されるトレッド部の踏面の表面積に対する、前記正規状態のタイヤをキャンバー角0°で平面に接地させ、前記正規荷重を負荷させた状態において測定されるトレッド部2の踏面2Sの実際の合計接地面積の比で表される。
横溝71のもう一方の溝壁面11は、溝底9から横溝71が隣接する他のピッチP(この例では、第1ピッチP1)に属するショルダーブロック81の端縁にのびている。この溝壁面11は、例えば、横溝71が隣接するピッチPの種類(タイヤ周方向長さ)に応じて形成されるのが望ましい。図3に示される態様では、第1ピッチP1の横溝71が隣接しているのが第1ピッチP1であるため、横溝71の溝壁面11は、溝壁面10と同様に第1の角度α1で形成されている。
図4には、図2のB−B断面図が示されている。B−B断面の位置は、第2ピッチP2、P2が隣り合っている。また、B−B断面は、横溝7の溝長さ方向と直角な横断面である。図4に示されるように、第2ピッチP2に属する横溝72も、溝底9と、一対の溝壁面10、11とを含んでいる。
横溝72の溝壁面10は、溝底9から横溝72と同一の第2ピッチP2に属するショルダーブロック82の端縁にのびている。溝壁面10は、B−B断面において、溝底9側の溝底側壁面部10aと、踏面2S側の踏面側溝壁部10bとを含んでいる。
溝底側壁面部10aは、基準線Hに対して第1角度α1以下、より好ましくは、基準線Hに対して第1角度αより小さい第2角度α2で踏面2Sに向かって溝幅が漸増する向きに傾斜している。
望ましい態様として、本実施形態の第2角度α2は、トレッド部2の摩耗が進行し、踏面側溝壁部10bが消失した際、ランド比を効果的に高めるために、例えば、10度以下の範囲である。
踏面側壁面部10bは、第2角度α2よりも大きい第3角度α3で踏面2Sにのびている。従って、溝壁面10は、屈曲している。第3角度α3で踏面2Sにのびる踏面側溝壁部10bは、ショルダーブロック82の接地時の変形を分散させて抑制することができる。このため、踏面側溝壁部10bは、その溝底9に作用する変形を小さくし、溝底クラックの発生を抑制することにより、タイヤの耐久性能を向上させる。また、踏面側溝壁部10bは、ショルダーブロック82の接地時の変形を小さく抑制することにより、第2ピッチP2に属するショルダーブロック82の早期の摩耗が抑制されるとともに、ショルダーブロック82の溝縁でのヒール&トウ摩耗等の偏摩耗も抑制される。この結果、タイヤの操縦安定性能が向上する。
本実施形態の第3角度α3は、タイヤの耐久性能及び操縦安定性能を向上させるために、例えば、20〜70度の範囲であるのが望ましい。
踏面側溝壁部10bの溝深さ方向の長さL2は、タイヤの耐久性能及び操縦安定性能を向上させるために、例えば、1mm以上である。一方、L2が大きくなると、ショルダーブロック82の踏面の面積が低下するので、好ましくは、横溝72の溝深さD7の80%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下であるのが望ましい。
第2ピッチP2に属するショルダーブロック82は、摩耗により高さが減少するに伴いタイヤ周方向の剛性が大きく高められる。このため、ショルダーブロック82は、摩耗により踏面側壁面部10bが消失した場合、偏摩耗が生じないレベルまでタイヤ周方向の剛性が向上することで、偏摩耗が抑制され、操縦安定性能が維持される。また、ショルダーブロック82の踏面2Sは、踏面側壁面部10bの消失に伴い、タイヤ周方向長さが大きくなる。このため、トレッド部2のランド比が高められ、トレッド部2の摩耗ライフがより一層向上する。
横溝72の溝壁面11は、溝底9から横溝72が隣接するピッチ(この例では、第2ピッチP2)に属するショルダーブロック82の端縁にのびている。この溝壁面11は、上述の横溝71の溝壁面11と同様に、横溝72が隣接するピッチPに応じて形成されるのが望ましい。図4に示される態様では、第2ピッチP2の横溝72が隣接しているのが第2ピッチP2である。このため、横溝72の溝壁面11は、溝壁面10と同様に、第2角度α2の溝底側壁面部11aと、第3角度α3の踏面側溝壁部11bとを含んで形成されている。
本実施形態では、第2ピッチP2に属するショルダーブロック82の端縁にのびる横溝7の溝壁面10、11は、いずれも溝底側壁面部10a、11aと、踏面側溝壁部10b、11bとを含み屈曲している。この場合、パターン列4のピッチPの境界は、踏面側溝壁部11bと踏面とが交わる端縁Jである。
図5には、図2のC−C断面図が示されている。C−C断面の位置は、第1ピッチP1と第2ピッチP2とが隣り合っている。また、C−C断面は、横溝7の溝長さ方向と直角な横断面である。図5に示されるように、第1ピッチP1に属する横溝71の溝壁面11は、溝底9から横溝71が隣接する第2ピッチP2に属するショルダーブロック82の端縁にのびている。
図3乃至図5に示されるように、横溝7の溝幅W7は、踏面2Sでの溝縁間の距離であり、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは4.0mm以上であり、好ましくは8.0mm以下、より好ましくは7.0mm以下である。横溝7の溝幅W7が3.0mm未満の場合、排水性能が低下するおそれがある。逆に、横溝7の溝幅W7が8.0mmより大きい場合、トレッド部2の剛性が低下し、操縦安定性能が低下するおそれがある。
横溝7の溝深さD7は、溝幅W7と同様の観点から、例えば、好ましくは6.0mm以上、より好ましくは6.5mm以上であり、好ましくは9.0mm以下、より好ましくは8.0mm以下である。
図1に示されるように、本実施形態のピッチPは、タイヤ周方向の長さが、第2ピッチP2よりも大きく第1ピッチP1よりも小さい少なくとも1つ、好ましくは複数の中間ピッチP3、P4、P5を含んでいる。本実施形態の中間ピッチP3、P4、P5は、例えば、タイヤ周方向長さが第2ピッチP2より大きく第1ピッチP1より小さい第3ピッチP3と、タイヤ周方向長さが第2ピッチP2より大きく第3ピッチP3より小さい第4ピッチP4と、タイヤ周方向長さが第2ピッチP2より大きく第4ピッチP4より小さい第5ピッチP5とからなる。即ち、ピッチPの関係は、次の通りである。
第1ピッチP1>第3ピッチP3>第4ピッチP4>第5ピッチP5>第2ピッチP2
パターンノイズを効果的に抑制するために、第1ピッチP1のタイヤ周方向長さは、例えば、30〜50mmの範囲であり、第2ピッチP2のタイヤ周方向長さが、例えば、15〜30mmの範囲である。第1ピッチP1のタイヤ周方向長さは、例えば、第2ピッチP2のタイヤ周方向長さの150〜200%であるのが望ましい。また、同様の観点から、各ピッチP1、P2、P3、P4、P5の各タイヤ周方向長さの比は、例えば、105〜125%の範囲で異なるのが望ましい。
図6(A)には、本実施形態の一例として、第3ピッチP3に属する横溝73の断面図が示されている。図6(A)に示されるように、横溝73の溝壁面10は、溝底9側の溝底側壁面部10aと、踏面2S側の踏面側溝壁部10bとを含んでいる。溝底側壁面部10aは、溝長さ方向と直角な横断面において、基準線Hに対して第1角度α1よりも小さくかつ第2角度α2よりも大きい第4角度α4で踏面2Sに向かって溝幅が漸増する向きに傾斜している。踏面側壁面部10bは、第1角度α1よりも大きくかつ第3角度α3よりも小さい第5角度α5で踏面2Sにのびている。
図6(B)には、本実施形態の一例として、第4ピッチP4に属する横溝74の断面図が示されている。図6(B)に示されるように、横溝74の溝底側壁面部10aは、溝長さ方向と直角な横断面において、基準線Hに対して第4角度α4よりも小さくかつ第2角度α2よりも大きい第6角度α6で踏面2Sに向かって溝幅が漸増する向きに傾斜している。横溝74の踏面側壁面部10bは、第5角度α5よりも大きくかつ第3角度α3よりも小さい第7角度α7で踏面2Sにのびている。
図6(C)には、本実施形態の一例として、第5ピッチP5に属する横溝75の断面図が示されている。図6(C)に示されるように、横溝75の溝底側壁面部10aは、溝長さ方向と直角な横断面において、基準線Hに対して第6角度α6よりも小さくかつ第2角度α2よりも大きい第8角度α8で踏面2Sに向かって溝幅が漸増する向きに傾斜している。横溝75の踏面側壁面部10bは、第7角度α7よりも大きくかつ第2角度α2よりも小さい第9角度α9で踏面2Sにのびている。
なお、本実施形態の中間ピッチP3、P4、P5は、第2ピッチP2と同様に、それぞれ溝底側壁面部10a及び踏面側壁面部10bを含む溝壁面10を有している。このため、溝壁面10が屈曲する中間ピッチP3、P4、P5の各境界は、第2ピッチP2と同様に、踏面側溝壁部と踏面とが交わる端縁J(図4に示す)である。
本実施形態のショルダーパターン列4Sでは、各ピッチP毎に、タイヤ周方向長さに応じた溝壁面10の角度が設定される。このため、各ピッチP毎の横溝7の溝底9に生じる溝底クラックをより効果的に抑制し、タイヤの耐久性能をより一層向上しうる。また、各ピッチPに属するブロック要素8の先行した摩耗がより効果的に抑制されるとともに、各ブロック要素8の溝縁でのヒール&トウ摩耗等の偏摩耗もより効果的に抑制される。この結果、タイヤの操縦安定性能をより一層向上しうる。
本実施形態のショルダーパターン列4Sでは、各ブロック要素8の高さが摩耗に伴って減少する。これに伴い、各ブロック要素8の剛性は高められる。このため、各ピッチPに属するブロック要素8は、踏面側壁面部10bが摩耗により消失した場合、偏摩耗が抑制され、操縦安定性能が維持される。また、ブロック要素8の踏面2Sは、踏面側壁面部10bの摩耗による消失に伴い、タイヤ周方向長さが大きくなる。このため、トレッド部2のランド比を高め、タイヤの摩耗ライフをより一層向上しうる。
本実施形態では、ショルダーパターン列4Sにおいて、横溝7にピッチP毎に異なる溝壁面10、11の構成が採用されたものについて説明された。但し、他の実施形態では、この構成を、例えば、クラウンパターン列4Cやミドルパターン列4M等、いずれのパターン列4に採用されても良く、同様の効果が発揮される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示される基本パターンを有し、かつ、表1の仕様に基いて空気入りタイヤが試作され、各タイヤの性能がテストされた。なお、比較例のタイヤは、全てのピッチに属する横溝の溝壁面が、基準線に対して15度の角度で傾斜されている。
タイヤの共通仕様は、次の通りである。
タイヤサイズ:205/55R16
横溝の溝幅W:3.0〜5.0mm
横溝の溝深さD:7.0mm
第1ピッチP1のタイヤ周方向長さ:25.0mm
第3ピッチP3のタイヤ周方向長さ:29.0mm
第4ピッチP4のタイヤ周方向長さ:33.0mm
第5ピッチP5のタイヤ周方向長さ:37.0mm
第2ピッチP2のタイヤ周方向長さ:41.0mm
テスト方法は、次の通りである。
<耐偏摩耗性能>
各テスト用タイヤが、テスト内圧にてテスト車両の全輪に装着され、ドライバー1名乗車によりサーキットコースにて10000km走行された後、ショルダーパターン列のブロック要素で、最も大きい高さと最も小さい高さとが測定された。結果は、高さの差に基づいて、比較例を100とする指数で示される。数値が小さい程、耐偏摩耗性能に優れる。
<操縦安定性能>
上述のテスト走行が実施された後、ドライバーの官能により操縦安定性能が評価された。結果は、100点満点の評点で示される。数値が大きい程、操縦安定性能に優れる。
<磨耗ライフ>
上記サーキットコースにて、溝深さが新品時の50%になるまで走行させた時の走行距離が測定された。結果は、走行距離に基づいて、比較例を100とする指数で示される。数値が大きい程、摩耗ライフに優れる。
<排水性>
下記テストコースに速度を段階的に増加させながら上記テスト車両を進入させ、このテスト車両の前輪の横加速度(横G)が計測され、55〜80km/hの速度における前輪の平均横Gが計算された。結果は、比較例を100とする指数で表示されている。数値が大きい程、排水性が優れていることを示す。
テストコース:半径100mの周回コース
路面:アスファルト路面上に水深6mm、長さ6mの水溜まりを設置
結果が表1に示される。
Figure 0006491558
表1に示されるように、各実施例のタイヤは、耐偏摩耗性能及び操縦安定性能に優れ、トレッド部の剛性がバランス良く維持されていることが確認できた。また、各実施例のタイヤは、磨耗ライフが向上されることが確認できた。
2 トレッド部
2S 踏面
3 周方向溝
4 パターン列
7 横溝
8 ブロック要素
9 溝底
10 溝壁面
10a 溝底側壁面部
10b 踏面側壁面部
11 溝壁面
11a 溝底側壁面部
11b 踏面側壁面部
P ピッチ
P1 第1ピッチ
P2 第2ピッチ
α1 第1角度
α2 第2角度
α3 第3角度
H 基準線
C タイヤ赤道

Claims (4)

  1. トレッド部に、少なくとも一つのパターン列を具え、前記パターン列がタイヤ周方向に間隔をあけて設けられた複数本の横溝と、前記横溝間に区分されるブロック要素とからなる空気入りタイヤであって、
    前記パターン列は、前記横溝の一つと、この横溝に隣接している前記ブロック要素の一つとからなるピッチが、タイヤ周方向に繰り返して配置されており、
    前記パターン列の前記ピッチは、タイヤ周方向の長さが最も大きい第1ピッチと、タイヤ周方向の長さが最も小さい第2ピッチと、タイヤ周方向の長さが、前記第2ピッチよりも大きくかつ前記第1ピッチよりも小さい中間ピッチとを含み、
    前記第1ピッチに属する前記横溝の前記ブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、溝深さ方向に沿った基準線に対して20度以下の第1角度α1でトレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜し、
    前記第2ピッチに属する前記横溝のブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、前記基準線に対して第2角度α2で前記トレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜する溝底側壁面部と、前記第2角度α2よりも大きい第3角度α3で前記トレッド踏面にのびる踏面側溝壁部とを含み、
    前記中間ピッチに属する前記横溝の前記ブロック要素に隣接する側の溝壁面は、溝長さ方向と直角な横断面において、第4角度α4で前記トレッド踏面に向かって溝幅が漸増する向きに傾斜する溝底側壁面部と、
    前記第4角度α4よりも大きくかつ前記第3角度α3よりも小さい第5角度α5で前記トレッド踏面にのびる踏面側溝壁部とを含んでいることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第2角度α2は、前記第1角度α1以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記踏面側溝壁部の溝深さ方向の長さは、1mm以上であり、かつ、前記横溝の深さの80%以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2角度α2は、前記第1角度α1よりも小さく、
    前記第4角度α4は、前記第1角度α1以下でありかつ前記第2角度α2以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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