JP5711379B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
である。
しかし、複数の加熱コイルが近接して配置され、同時に高周波電流が流されている状態では、隣接する加熱コイル同士の磁気結合の影響により、その加熱コイルの上方に被加熱負荷があるか否かの判別や、被加熱負荷の大きさの判別が困難になり、被調理物を使用者の希望する加熱分布で加熱できない場合がある問題点があった。
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示す図である。
図1において、101は天板、102は本体筐体、103は高周波電流を供給する回路、104は操作部、105は表示手段、16は加熱コイルである。
天板101は、鍋などの被加熱物を載置するためのものであり、鍋の載置位置を表示する加熱口106が設けられている。本体筐体102の内部には、回路103、表示手段105、加熱コイル16が収納されており、その上面に天板101を被せ、本体筐体102の内部構造を収納する。
回路103は、後述の図2で説明する構成を有しており、加熱コイル16に高周波電流を供給する。
操作部104は、ユーザが加熱出力を調整するためのものであり、複数の加熱モードを選択できるものとする。例えば、ホットケーキ等を焼くための均一加熱モードや、加熱分布よりも加熱効率を優先する湯沸し等の加熱モードを選択可能とする。ここで、加熱効率が高いとは、加熱コイルの負荷抵抗値が大きく、少ないコイル電流により大きい加熱出力が得られることを意味する。
表示手段105は、液晶表示デバイス等で構成された画面表示装置で、誘導加熱調理器の動作状態を表示する。
加熱コイル16は、加熱口106ごとに複数個隣接して配置されている。本実施の形態では加熱口106ごとに5個の加熱コイル16が配置されている。
直流電源回路2は、交流電力を整流する整流ダイオードブリッジ3と、インバーター回路6a〜6eごとに設けられたリアクトル4a〜4eおよび平滑コンデンサ5a〜5eとにより構成され、後述するように、加熱コイル16a〜16eをそれぞれ有する負荷回路15a〜15eの数に応じて設けられた複数のインバーター回路6a〜6eに直流電力を供給している。
R=(出力電力値)/(出力電流値)2
この負荷抵抗値Rは、各加熱コイル15a〜15eに流れる高周波電流により発生した磁束がその加熱コイル上方に載置された鍋底に鎖交して発生する誘導渦電流による損失(発熱)により増減し、加熱コイルに対向する鍋底が広いほど負荷抵抗値Rは大きくなる。したがって、この負荷抵抗値Rの値により、その加熱コイル上方に載置されている鍋(負荷)の有無や大きさを判断できる。そこで、加熱コイル上方に適正な鍋が載置されている状態と載置されていない状態とを判別できるように閾値R1を設定する。閾値R1は加熱コイルの銅線の巻き数等により異なるが、例えば、数Ω程度(2Ω〜5Ω)に設定する。
Wa=Wall×Ra/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)
と設定する(ステップ4−1−3)。
Wb=Wall×Rb/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)・・・(ステップ4−2−3) Wc=Wall×Rc/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)・・・(ステップ4−3−3) Wd=Wall×Rd/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)・・・(ステップ4−4−3) We=Wall×Re/(Ra+Rb+Rc+Rd+Re)・・・(ステップ4−5−3)のように、各加熱コイルの負荷抵抗値Rに比例した値に設定される。このように設定すると、各コイル加熱コイル16b〜16eが同じコイルであれば各コイルの加熱密度[(加熱コイルの出力)/(加熱コイルの鍋に対向する部分の面積)]を同一にすることができる。
他の加熱コイル16b〜16eについても、加熱コイル16aと同様にインバーター回路6b〜6eを制御する(ステップ8〜11)。
ステップ12で加熱停止要求がなかった場合には、設定火力変更要求の有無を判断し(ステップ14)、火力変更要求が無ければそのままステップ6へ戻る。一方、火力変更要求があった場合には操作部104で選択されている加熱モードを判定し(ステップ15)、選択されていた加熱モードが加熱分布制御を優先する加熱モード(例えば均一加熱モード(大径鍋の鍋底全体を均一に加熱するモード、鍋外周部の加熱を高めるため外加熱コイルの加熱密度を高める、鍋外周部重視の加熱モード)等)の場合には、駆動回路11a〜11eを制御して全インバーター回路6a〜6eの駆動を停止し(ステップ16)、ステップ2の負荷検出手段に戻って加熱コイル毎の負荷検出処理を行い、各加熱コイル上方の被加熱物(鍋)の大きさに関連する負荷抵抗値Ra〜Reを検出する。その際のインバーター回路の駆動信号例を図7に示す。
図8は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の制御手段における負荷検出手段が実行する負荷検出処理を示すフローチャートであり、図9は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器の駆動信号例である。実施の形態1に係る誘導加熱調理器の制御手段の負荷検出手段が実行する負荷検出処理は、隣接して配置された加熱コイル間の磁気結合の影響を回避するために、加熱コイルを有する負荷回路一つ一つに順次高周波電流を流して当該加熱コイル上方に載置された被加熱物(鍋)を検出することとしたが、本実施の形態2は、負荷検出処理時に、隣接しない加熱コイルを有する負荷回路の組については同時に高周波電流を通電することにより、負荷検知時間の短縮を図ったものである。なお、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は実施の形態1と同様に、回路構成は図2、加熱コイルの配置は図3、制御手段19の加熱制御処理は図4のフローチャートであるものとする。
図10は、実施の形態3に係る誘導加熱調理器の制御手段における加熱制御処理を示すフローチャートである。図4と同一の処理については同一のステップ番号を付し、説明を省略する。なお、本実施の形態3に係る誘導加熱調理器は、実施の形態1と同様に、回路構成は図2であり、加熱コイルの配置は図3であるものとする。
Claims (4)
- 被加熱物である調理容器を載置する天板と、
前記天板の下方に配設され、一の加熱口に対して近接して配置された複数の加熱コイルと、
前記加熱コイルを有する複数の負荷回路にそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバーター回路と、
前記複数のインバーター回路から前記複数の負荷回路にそれぞれ出力する電力または前記複数のインバーター回路にそれぞれ入力する電力を検出する電力検出手段と、
前記複数のインバーター回路の出力電流をそれぞれ検出する出力電流検出手段と、
前記電力検出手段および前記出力電流検出手段の検出結果を用いて負荷検知を行う負荷検出手段と、
前記電力検出手段、前記出力電流検出手段および前記負荷検出手段の検出結果に基づき、前記複数のインバーター回路を駆動制御する制御手段と、
前記制御手段に加熱の開始・停止および設定火力、加熱モードの指示を入力する操作手段と、を備え、
前記負荷検出手段は、前記負荷回路毎に単独通電状態として負荷検知を行うものであり、
前記負荷検出手段は、火力設定変更の度に負荷検知を行い、前記制御手段は、その負荷検知結果に基づいて前記加熱コイル毎、または前記インバーター回路毎の電力配分を設定する加熱モードを含むことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 被加熱物である調理容器を載置する天板と、
前記天板の下方に配設され、一の加熱口に対して近接して配置された複数の加熱コイルと、
前記加熱コイルを有する複数の負荷回路にそれぞれ高周波電力を供給する複数のインバーター回路と、
前記複数のインバーター回路から前記複数の負荷回路にそれぞれ出力する電力または前記複数のインバーター回路にそれぞれ入力する電力を検出する電力検出手段と、
前記複数のインバーター回路の出力電流をそれぞれ検出する出力電流検出手段と、
前記電力検出手段および前記出力電流検出手段の検出結果を用いて負荷検知を行う負荷検出手段と、
前記電力検出手段、前記出力電流検出手段および前記負荷検出手段の検出結果に基づき、前記複数のインバーター回路を駆動制御する制御手段と、
前記制御手段に加熱の開始・停止および設定火力、加熱モードの指示を入力する操作手段と、を備え、
前記負荷検出手段は、前記負荷回路のうち、他の加熱コイルと隣接する加熱コイルを有する負荷回路には単独に通電して負荷検知を行い、隣接しない加熱コイルを有する負荷回路の組については当該組の負荷回路を同時に順次通電状態として負荷検知を行うものであり、
前記負荷検出手段は、火力設定変更の度に負荷検知を行い、前記制御手段は、その負荷検知結果に基づいて前記加熱コイル毎、または前記インバーター回路毎の電力配分を設定する加熱モードを含むことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記負荷検出手段は、所定時間の間隔で負荷検知を行い、前記制御手段は、その負荷検知結果に基づいて前記加熱コイル毎、または前記インバーター回路毎の電力配分を設定する加熱モードを含むことを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
- 前記複数の負荷回路には、隣接しない加熱コイルを複数有する負荷回路が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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