以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の金融機関連携システム10の全体構成が示されている。また、図2には、第1の口座データベースである証券総合口座データベース40の構成の一例が示され、図3には、普通預金ミラー残データベース41の構成の一例が示され、図4には、第2の口座データベースである普通預金データベース60の構成の一例が示されている。さらに、図5には、オンライン取引中の振替処理の流れがフローチャートで示され、図6には、バッチ処理での振替処理の流れがフローチャートで示され、図7には、オンライン取引中の振替処理の数値例が示され、図8には、バッチ処理での振替処理の数値例が示されている。また、図9には、銀行側単独で発生するバッチ・イベントについての処理の流れがフローチャートで示され、図10には、残高照合処理の流れがフローチャートで示され、図11には、全体の処理の流れがタイムチャートで示されている。
<金融機関連携システム10の全体構成>
図1において、金融機関連携システム10は、顧客による金融商品(例えば、有価証券等)の売買注文を受け付ける第1の金融機関(本実施形態では、一例として証券会社とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる第1の金融機関システムである証券会社システム20と、顧客の普通預金を預かる第2の金融機関(本実施形態では、一例として銀行とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる第2の金融機関システムである銀行システム50とが通信回線1で接続されて構成されている。
また、証券会社システム20には、通信回線2を介して証券会社ATM(Automatic Teller Machine;現金自動預け払い機)70が接続されるとともに、通信回線3を介して証券会社端末装置71が接続されている。この証券会社端末装置71は、証券会社の店舗やコールセンタ等に置かれた端末であり、コンピュータにより構成されている。
さらに、証券会社システム20には、通信回線4を介して顧客端末装置80が接続されている。この顧客端末装置80は、例えば自宅や勤務先や移動先等で顧客が操作するネット端末であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボードやタッチパネル等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置とを備えている。また、図示は省略されているが、顧客端末装置80は、通信回線4を介して銀行システム50にも接続され、顧客は、シングルサインオンで証券会社システム20から銀行システム50にもアクセスできるようになっている。なお、顧客端末装置80は、例えば携帯電話機(PHSを含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
ここで、証券会社システム20と銀行システム50とを接続する通信回線1は、本実施形態では、一例として専用線とするが、ネットワークとしてもよい。また、証券会社システム20と証券会社ATM70とを接続する通信回線2は、専用線でも、社内ネットワーク等でもよく、証券会社システム20と証券会社端末装置71とを接続する通信回線3も、専用線でも、社内ネットワーク等でもよい。さらに、証券会社システム20や銀行システム50と顧客端末装置80とを接続する通信回線4は、ネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。
なお、図示は省略されているが、以上の他に、証券会社システム20には、通信回線を介してシステム管理者が操作する管理者端末装置が接続され、システムトラブル等に対応できるようになっている。
また、図示は省略されているが、証券会社システム20には、通信回線を介して取引市場システムや時価データ提供システムも接続されている。ここで、取引市場システムは、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システム等の金融商品の取引所システム、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)、店頭市場システム等である。また、時価データ提供システムは、コンピュータにより構成され、例えば株式等の金融商品についての時価データを提供する情報ベンダーのシステムである。
証券会社システム20は、入出金要求受付処理手段21と、注文処理手段22と、決済処理手段23と、決済金額反映処理手段24と、オンライン処理用振替要否判断処理手段25と、バッチ処理用振替要否判断処理手段26と、オンライン処理用内部振替処理手段27と、バッチ処理用内部振替処理手段28と、預り金出金処理手段29と、普通預金出金要求送信処理手段30と、普通預金入出金結果受信処理手段31と、振替補正処理手段32と、普通預金取引明細データ受信処理手段33と、バッチ・イベント更新分普通預金ミラー残オンライン更新処理手段34と、普通預金残高受信処理手段35と、残高照合処理手段36と、第1の口座データベースである証券総合口座データベース40と、普通預金ミラー残データベース41と、普通預金出金ステータス記憶手段42と、普通預金取引明細データ記憶手段43とを含んで構成されている。
銀行システム50は、銀行側単独発生バッチ・イベント処理手段51と、普通預金出金要求受信処理手段52と、普通預金出金処理手段53と、普通預金入出金結果送信処理手段54と、普通預金取引明細データ送信処理手段55と、普通預金残高送信処理手段56と、第2の口座データベースである普通預金データベース60と、普通預金取引明細データベース61と、定期預金データベース62とを含んで構成されている。
<証券会社システム20の詳細構成>
入出金要求受付処理手段21は、証券会社ATM70から通信回線2を介して送信されてくる顧客の入出金要求信号(出金要求の場合には、出金要求額を含む。)や、証券会社端末装置71から通信回線3を介して送信されてくる顧客(但し、入力操作は代行者でもよい。)の入出金要求信号(出金要求の場合には、出金要求額を含む。)を、証券会社用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として証券総合口座の口座番号とする。)とともに受信する処理を実行するものである。この入出金要求受付処理手段21は、出金要求があった場合には、出金要求額を、証券会社用の顧客識別情報とともにオンライン処理用振替要否判断処理手段25に引き渡す処理を行う。また、入出金要求受付処理手段21は、パスワード認証や生体認証等による認証処理も行う。
なお、図示は省略されているが、証券会社システム20は、顧客端末装置80から通信回線4を介して証券会社システム20にアクセスしてきた顧客を、一旦、パスワード認証等により認証した場合は、その顧客については、シングルサインオンでそのまま銀行システム20へアクセスさせる機能を有している。
注文処理手段22は、顧客端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる顧客による金融商品(例えば、株式等)の売買注文を受け付ける注文受付処理と、買い注文の場合に顧客の買付余力を判断する買付余力判断処理と、注文を取引市場へ発注する発注処理とを実行するものである。
より詳細には、注文処理手段22は、注文受付処理では、顧客端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる顧客による金融商品(例えば、株式等)の注文データ(証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を受信し、受信した注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報と関連付けて注文データベース(不図示)に記憶させる処理を実行する。この際、注文処理手段22は、パスワード認証等による認証処理を行う。
また、注文処理手段22は、買付余力判断処理では、買い注文の注文データを受信した場合に、先ず、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高(A)またはこの預り金残高(A)に加えてMRF残高(B)を取得するとともに、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)から、当該顧客の普通預金ミラー残(C)を取得し、これらの預り金残高(A)、および普通預金ミラー残(C)を合計するか、または、これらの預り金残高(A)、MRF残高(B)、および普通預金ミラー残(C)を合計することにより、口座残高合計金額(A+C)または(A+B+C)を算出する。なお、口座残高合計金額にMRF残高を加算するか否かは、顧客との契約等により顧客毎に定めるものとしてもよく、全ての顧客について一律に定めてもよく、本実施形態では、システム処理としていずれも可能であることを示すために、MRF残高を加算する場合と加算しない場合の両方の処理を並記している。
次に、注文処理手段22は、既に発注した未受渡の買い注文がある場合には、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、未済残データベース(不図示)から、当該顧客の未受渡しの買い注文(約定済みだが未受渡しの買い注文、および発注済みだが約定していない買い注文)に係る買付金額(K)を取得し、上記の口座残高合計金額(A+C)または(A+B+C)から買付金額(K)を減算することにより、当該顧客の買付余力金額(A+C−K)または(A+B+C−K)を算出し、受け付けて注文データベース(不図示)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する買い注文)の買付金額が、算出した買付余力金額(A+C−K)または(A+B+C−K)以下であれば、買い注文の取引市場への発注を可とする決定を行う。なお、未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する買い注文)が成行注文の場合には、当該買い注文に係る注文数量(例えば株数等)に、時価データ提供システム(不図示)から取得した当該買い注文に係る金融商品の時価データを乗じて買付金額を算出する。
また、注文処理手段22は、上記の買付余力判断処理で買い注文の取引市場への発注を可とする決定が行われた場合に、注文データベース(不図示)に記憶されている当該買い注文の注文データを用いて、発注データ(注文識別情報、証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線を介して取引市場システム(不図示)へ送信するとともに、発注した注文データを「注文中」ステータスの注文データとして未済残データベース(不図示)に記憶させる処理を実行する。また、注文処理手段22は、取引市場システム(不図示)から通信回線を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、約定数量、売買区分、約定単価、約定金額等を含む。)を受信し、未済残データベース(不図示)に記憶されている「注文中」ステータスの注文データを「約定済み」ステータスに変更する処理を行う。
決済処理手段23は、受渡日が到来した注文について、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて未済残データベース(不図示)に記憶されている売り注文の約定金額(プラス分)と、買い注文の約定金額(マイナス分)とを相殺しながら合計する処理を、各顧客についての証券会社用の顧客識別情報について行うことにより、各顧客の受渡金額総額を算出する処理を実行するものである。ここでは、説明の便宜上、受渡金額総額は符号を持つものとし、売り注文の約定金額(プラス分)の合計額の方が大きい場合(相殺して売付金額が残る場合)には、プラスになり、買い注文の約定金額(マイナス分)の合計額の方が大きい場合(相殺して買付金額が残る場合)には、マイナスになるものとするが、その逆に定義してもよく、あるいは符号を持たない取り扱いとしてもよい。
決済金額反映処理手段24は、決済処理手段23により算出した各顧客の受渡金額総額を、各顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された各顧客の預り金残高に反映させる処理を実行する。決済処理で売付金額が残った場合は、プラスの受渡金額総額が預り金残高に加算されて預り金残高が増加し、一方、決済処理で買付金額が残った場合は、マイナスの受渡金額総額が預り金残高に加算されて預り金残高が減少する。従って、決済処理で買付金額が残った顧客については、決済金額反映処理手段24による処理後に、預り金残高がマイナスになることがある。
オンライン処理用振替要否判断処理手段25は、入出金要求受付処理手段21により顧客の出金要求信号(出金要求額(Y)を含む。)を受信した場合に、入出金要求受付処理手段21から、出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに出金要求額(Y)を受け取り、出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高(A)を取得し、またはMRF残高(B)を考慮するケースでは、この預り金残高(A)に加えてMRF残高(B)を取得し、出金要求額(Y)および取得した残高データを用いて振替の要否を判断し、普通預金ミラー残(C)からの振替が必要となる不足金額(F)やMRF売却金額(U)を算出決定する処理を実行するものである。
すなわち、オンライン処理用振替要否判断処理手段25は、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えるか否かを判断し、超える場合には、超える分の金額(Y−A)を不足金額(F)として算出し、一方、超えない場合には、不足金額(F)をゼロとする処理を実行する。
また、オンライン処理用振替要否判断処理手段25は、MRF残高(B)を考慮するケースでは、MRF残高があれば、先ずはMRF売却による換金で充当するので、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えるか否かに加えて顧客の預り金残高(A)およびMRF残高(B)の合計額(A+B)を超えるか否かを判断し、顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超える場合には、超える分の金額(Y−(A+B))を不足金額(F)として算出するとともに、MRF残高(B)の全額をMRF売却金額(U)とする処理を実行する。一方、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超え、かつ、顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超えない場合には、顧客による出金要求額(Y)から顧客の預り金残高(A)を減算した金額(Y−A)をMRF売却金額(U)として算出し、不足金額(F)をゼロとする処理を実行する。そして、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えない場合には、MRF売却金額(U)および不足金額(F)を共にゼロとする処理を実行する。なお、MRF残高を考慮してMRF売却を優先するか否かは、顧客との契約等により顧客毎に定めるものとしてもよく、全ての顧客について一律に定めてもよく、本実施形態では、システム処理としていずれも可能であることを示すために、MRF残高を考慮する場合と考慮しない場合の両方の処理を並記している。
バッチ処理用振替要否判断処理手段26は、決済金額反映処理手段24による証券総合口座データベース40(図2参照)の預り金残高への決済金額の反映処理後に、証券総合口座データベース40に記憶された預り金残高がマイナスになっている顧客を検出し、検出した顧客のマイナス金額の絶対値を不足金額(F)として算出する処理を実行するものである。
また、バッチ処理用振替要否判断処理手段26は、MRF残高(B)を考慮するケースでは、MRF残高があれば、先ずはMRF売却による換金で充当するので、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値よりも小さい場合には、マイナス金額の絶対値から顧客のMRF残高(B)を減算した差額を不足金額(F)として算出するとともに、MRF残高(B)の全額をMRF売却金額(U)とする処理を実行する。一方、顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値以上の場合には、マイナス金額の絶対値をMRF売却金額(U)として算出するとともに、不足金額(F)をゼロとする処理を実行する。
なお、上記において、バッチ処理用振替要否判断処理手段26が、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値よりも小さい場合に、マイナス金額の絶対値から顧客のMRF残高(B)を減算した差額を不足金額(F)として算出する処理には、これと等価な処理として、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されたマイナスになっている預り金残高に、MRF残高の全額に相当する金額(プラスの金額)を加算した後に、未だ残っている預り金残高のマイナス金額の絶対値を不足金額(F)として算出するという処理も含まれる。同様に、上記において、バッチ処理用振替要否判断処理手段26が、顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値以上の場合に、マイナス金額の絶対値をMRF売却金額(U)として算出するとともに、不足金額(F)をゼロとする処理には、これと等価な処理として、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されたマイナスになっている預り金残高に、そのマイナス金額の絶対値と同額のMRF売却金額(U)に相当する金額(プラスの金額)を加算して預り金残高をゼロにした後に、不足金額(F)をゼロと判断する処理(預り金残高がマイナスになっている顧客として検出されないようにしてもよい。)も含まれる。本実施形態では、これらの等価な処理について、後述する図6で詳細に説明するものとする。
オンライン処理用内部振替処理手段27は、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により算出した不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)するとともに、不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)することにより、証券会社の内部での振替処理を実行するものである。
また、オンライン処理用内部振替処理手段27は、MRF残高(B)を考慮するケースでは、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により顧客による出金要求額(Y)が顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超えると判断された場合には、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)からその全額を減算(売却)してMRF残高をゼロにし、かつ、不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)するとともに、減算前のMRF残高(B)の全額および不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)することにより、証券会社の内部での振替処理を実行する。一方、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により顧客による出金要求額(Y)が顧客の預り金残高(A)を超え、かつ、顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超えないと判断された場合には、MRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)から減算(売却)するとともに、MRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)することにより、証券会社の内部での振替処理を実行する。そして、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により顧客による出金要求額(Y)が顧客の預り金残高(A)を超えないと判断された場合には、MRF売却金額(U)および不足金額(F)は共にゼロであるから、MRF売却は行わず、普通預金ミラー残(C)からの減算(出金)も行わない。
バッチ処理用内部振替処理手段28は、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により算出した不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)するとともに、不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)して預り金残高をゼロにすることにより、証券会社の内部での振替処理を実行するものである。
また、バッチ処理用内部振替処理手段28は、MRF残高(B)を考慮するケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値よりも小さいと判断された場合には、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)からその全額を減算(売却)してMRF残高をゼロにし、かつ、不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)するとともに、減算前のMRF残高(B)の全額および不足金額(F)を、証券総合口座データベース40に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)して預り金残高をゼロにすることにより、証券会社の内部での振替処理を実行する。一方、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値以上であると判断された場合には、MRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)から減算(売却)するとともに、MRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)して預り金残高をゼロにすることにより、証券会社の内部での振替処理を実行する。
預り金出金処理手段29は、オンライン処理用内部振替処理手段27による処理後に、顧客による出金要求額(Y)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された、不足金額(F)やMRF売却金額(U)を加算した後の顧客の預り金残高から減算(出金)する処理を実行するものである。
普通預金出金要求送信処理手段30は、オンライン処理の場合には、オンライン処理用内部振替処理手段27および預り金出金処理手段29による処理後に、バッチ処理の場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28による処理後に、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)した不足金額(F)を銀行の普通預金残高から減算(出金)することを要求するための不足金額(F)を含む普通預金出金要求信号を、証券会社で内部振替を行った顧客(証券総合口座からの出金要求を行った顧客、または決済金額反映処理で証券総合口座の預り金残高がマイナスになった顧客)についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報とともに、銀行システム50へ通信回線1を介して送信し、証券会社で内部振替を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」にする処理を実行するものである。この際、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を用いて行う。その他の手段による変換処理も同様である。なお、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
なお、本実施形態では記載を省略しているが、証券会社システム20には、逆方向、すなわち証券会社側(証券総合口座の預り金残高)から銀行側(普通預金残高)への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行システム50への入金要求を実行する普通預金入金要求送信処理手段も設けられている。
普通預金入出金結果受信処理手段31は、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した普通預金入出金結果に従って、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」から「振込済」または「振込エラー」に変更する処理を実行するものである。なお、普通預金入出金結果受信処理手段31は、本実施形態では記載を省略しているが、逆方向、すなわち証券会社側から銀行側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での入金処理が行われた場合にも、普通預金入出金結果(入金完了額やエラー情報等を含む。)を、銀行システム50から通信回線1を介して受信する処理も実行する。
振替補正処理手段32は、普通預金入出金結果受信処理手段31により受信した普通預金入出金結果がエラーとなっていた場合、すなわち何らかの理由により銀行の普通預金残高からの出金ができなかった場合に、証券会社の内部で行った振替処理を自動補正する処理を実行するものである。
普通預金取引明細データ受信処理手段33は、証券会社のオンライン立ち上げ後に、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる銀行の普通預金残高の変動分を示す普通預金取引明細データを、各顧客についての銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した普通預金取引明細データを、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報と関連付けて普通預金取引明細データ記憶手段43に記憶させる処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を用いて行う。その他の手段による変換処理も同様である。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
バッチ・イベント更新分普通預金ミラー残オンライン更新処理手段34は、普通預金取引明細データ受信処理手段33により受信されて普通預金取引明細データ記憶手段43に記憶されている各顧客の普通預金取引明細データを用いて、証券会社のオンライン立ち上げ後に、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された各顧客の普通預金ミラー残を更新するオンライン処理を実行するものである。
普通預金残高受信処理手段35は、証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる各顧客の銀行の普通預金残高を、各顧客についての銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信する処理を実行するものである。この普通預金残高の受信処理は、残高照合処理手段36による残高照合処理の前提となるものである。
また、普通預金残高受信処理手段35は、上記の証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に行う受信処理の他にも、銀行側で普通預金残高の更新が行われた場合に、更新後の普通預金残高をリアルタイムで受信する処理も行う。なお、本実施形態では、記載を省略しているが、証券会社システム20には、このリアルタイムでの普通預金残高の受信処理後に、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された普通預金ミラー残をリアルタイムで更新する処理を実行する普通預金ミラー残リアルタイム更新処理手段(不図示)も設けられている。
残高照合処理手段36は、証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に普通預金残高受信処理手段35により受信した各顧客の銀行の普通預金残高と、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された各顧客の普通預金ミラー残とを比較照合し、不一致が発生した場合に、その旨を管理者端末装置(不図示)に画面表示・印刷・音声出力等により報知する処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、記載を省略しているが、証券会社システム20には、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる買付余力金額問合せ信号を、銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信した場合に、注文処理手段22と同様にして、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報を用いて必要データを取得し、問合せに係る顧客の買付余力金額を算出し、算出した買付余力金額を、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する処理を実行する買付余力金額返信処理手段(不図示)も設けられている。
証券総合口座データベース40は、図2に示すように、証券会社(第1の金融機関)に開設された証券総合口座(第1の口座)のデータとして、現金を一時的に預ける預り金残高、およびMRF(マネー・リザーブ・ファンド)残高等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
普通預金ミラー残データベース41は、図3に示すように、銀行(第2の金融機関)に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高をコピーした普通預金ミラー残、および銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
普通預金出金ステータス記憶手段42は、銀行の普通預金残高から証券会社の預り金残高への振替処理を完了させるために銀行システム50へ普通預金残高からの出金要求を行った場合における銀行システム50での出金処理の進捗状況を示すステータスを、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。このステータスには、「振込中」、「振込済」、「振込エラー」等がある。
普通預金取引明細データ記憶手段43は、銀行の普通預金残高の変動分(各種取引に伴う残高の増減の明細)を示す普通預金取引明細データを、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
そして、証券会社システム20の各処理手段21〜36は、証券会社システム20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社システム20の各データベース40,41や各記憶手段42,43は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、証券会社システム20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<銀行システム50の詳細構成>
銀行側単独発生バッチ・イベント処理手段51は、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約、利息元加)に伴うデータ処理を行い、普通預金データベース60(図4参照)、普通預金取引明細データベース61、および定期預金データベース62に記憶されているデータの追加・更新処理を実行するものである。定期預金満期解約の場合は、定期預金データベース62から満期解約となった定期預金の金額データを消去し、普通預金データベース60(図4参照)の普通預金残高に定期預金満期解約金額を加算し、普通預金取引明細データベース61に普通預金残高への入金データとして定期預金満期解約金額を追加する処理を実行する。利息元加の場合は、普通預金データベース60(図4参照)の普通預金残高に利息金額を加算し、普通預金取引明細データベース61に普通預金残高への入金データとして利息金額を追加する処理を実行する。
普通預金出金要求受信処理手段52は、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる普通預金出金要求信号(不足金額(F)を含む。)を、証券会社で内部振替が行われた顧客(証券総合口座からの出金要求を行った顧客、または決済金額反映処理で証券総合口座の預り金残高がマイナスになった顧客)についての証券会社用の顧客識別情報または銀行用の顧客識別情報とともに受信する処理を実行するものである。
普通預金出金処理手段53は、普通預金出金要求受信処理手段52により受信した普通預金出金要求信号に含まれる不足金額(F)を、受信した証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報または受信した銀行用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金データベース60(図4参照)に記憶された当該顧客(証券会社で内部振替が行われた顧客)の普通預金残高から減算(出金)する処理(銀行側から証券会社側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での出金処理)を実行するものである。この際、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。その他の手段での変換処理も同様である。なお、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
また、普通預金出金処理手段53は、普通預金残高からの不足金額(F)の減算処理(出金処理)を実行したときに、不足金額(F)を、普通預金取引明細データベース61に出金データとして追加する処理を実行する。
さらに、普通預金出金処理手段53は、顧客端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる、顧客による銀行システム50の普通預金残高からの出金要求(例えば、他の金融機関(第3の金融機関)への振込(送金)要求等)を受け付けた場合に、買付余力金額問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信し、証券会社システム20から通信回線1を介して返信されてくる当該顧客の買付余力金額を受信し、顧客による出金要求額が、買付余力金額以下であれば、その出金要求額を、普通預金データベース60(図4参照)に記憶された当該顧客の普通預金残高から減算(出金)する処理も実行する。なお、顧客端末装置80を操作する顧客は、証券会社システム20を経由し、シングルサインオンで銀行システム20にアクセスすることができる。
なお、本実施形態では記載を省略しているが、銀行システム50には、逆方向、すなわち証券会社側から銀行側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での入金処理、あるいは他の金融機関(第3の金融機関)からの振込等による入金処理を実行する普通預金入金処理手段(不図示)も設けられている。
普通預金入出金結果送信処理手段54は、普通預金出金処理手段53による処理後に、普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、出金処理(スウィープ処理)を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。その他の手段での変換処理も同様である。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
なお、普通預金入出金結果送信処理手段54は、本実施形態では記載を省略しているが、逆方向、すなわち証券会社側から銀行側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での入金処理が行われた場合にも、普通預金入出金結果(入金完了額やエラー情報等を含む。)を、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する処理も実行する。
普通預金取引明細データ送信処理手段55は、各顧客についての銀行用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金取引明細データベース61に記憶されている、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約、利息元加)に伴う普通預金データベース60(図4参照)の各顧客の普通預金残高の更新分(残高の増減変動分)を含む普通預金取引明細データを、各顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20のオンライン立ち上げ後に、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。
普通預金残高送信処理手段56は、証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に、普通預金データベース60(図4参照)に記憶された各顧客の普通預金残高を、各顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。この普通預金残高の送信処理は、残高照合処理手段36による残高照合処理を実行する前提となるものである。
また、普通預金残高送信処理手段56は、上記の証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に行う送信処理の他に、普通預金データベース60(図4参照)に記憶された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高が更新された場合に、更新後の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)またはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介してリアルタイムで送信する処理も実行する。この普通預金残高の送信処理は、例えば、銀行システム50の普通預金残高から他の金融機関(第3の金融機関)への振込(送金)要求が、顧客端末装置80から通信回線4を介して行われ、その振込(送金)要求に従って普通預金残高からの出金処理が行われた場合に、その出金額(送金額)を、証券会社システム20の普通預金ミラー残に反映させたり(普通預金ミラー残から減算したり)、あるいは他の金融機関(第3の金融機関)から銀行システム50の普通預金残高への入金処理が行われた場合に、その入金額を、証券会社システム20の普通預金ミラー残に反映させる(普通預金ミラー残に加算する)ために行われるものである。
普通預金データベース60は、図4に示すように、銀行(第2の金融機関)に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高等を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
普通預金取引明細データベース61は、普通預金データベース60(図4参照)の各顧客の普通預金残高の更新分(残高の増減変動分)を示す普通預金取引明細データを、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
定期預金データベース62は、銀行(第2の金融機関)で組まれた定期預金の残高を、銀行用の顧客識別情報と関連付けて記憶するものである。
そして、銀行システム50の各処理手段51〜56は、銀行システム50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、銀行システム50の各データベース60〜62は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、銀行システム50は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして金融機関連携システム10により、証券会社システム20と銀行システム50との間のデータ連携が行われる。
図5に示されたオンライン取引中の振替処理の流れは、図11の例では、朝6時から21時までの証券会社側のオンライントレードの受付時間帯に、証券会社ATM70や証券会社端末装置71から顧客の出金要求を受けた場合の流れである。従って、図5は、夜間等に行われるバッチ処理ではなく、顧客の個々のアクセスに対応する処理の流れを示すものである。
図5において、入出金要求受付処理手段21により、証券会社ATM70から通信回線2を介して送信されてくる顧客の出金要求信号(出金要求額(Y)を含む。)、または、証券会社端末装置71から通信回線3を介して送信されてくる顧客(但し、入力操作は代行者でもよい。)の出金要求信号(出金要求額(Y)を含む。)を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに受信する(ステップS1)。この際、入出金要求受付処理手段21により、パスワード認証や生体認証等による認証処理を行う。
次に、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により、入出金要求受付処理手段21から、出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに出金要求額(Y)を受け取り、出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高(A)を取得し、またはMRF残高(B)を考慮するケースでは、この預り金残高(A)に加えてMRF残高(B)を取得し、出金要求額(Y)および取得した残高データを用いて振替の要否を判断し、普通預金ミラー残(C)からの振替が必要となる不足金額(F)やMRF売却金額(U)を算出決定する(ステップS2)。
すなわち、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えるか否かを判断し、超える場合には、超える分の金額(Y−A)を不足金額(F)として算出し、一方、超えない場合には、不足金額(F)をゼロとする(ステップS2)。
例えば、図7の上側の表の数値例では、出金要求額(Y)は200万円であり、振替処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は0円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1150万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1150万円である。従って、出金要求額(Y)の200万円は、預り金残高(A)の0円を超えていると判断され、不足金額(F)は、F=Y−A=200万円−0万円=200万円と算出される。
また、MRF残高(B)を考慮するケースでは、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えるか否かに加えて顧客の預り金残高(A)およびMRF残高(B)の合計額(A+B)を超えるか否かを判断し、顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超える場合には、超える分の金額(Y−(A+B))を不足金額(F)として算出するとともに、MRF残高(B)の全額をMRF売却金額(U)とする(ステップS2)。この場合は、MRF残高(B)の全額を売却しても不足するので、普通預金による充当分とするための不足金額(F)を算出する。
例えば、図7の下側の表の数値例では、出金要求額(Y)は200万円であり、振替処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は0円であり、MRF残高(B)は150万円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1000万円である。従って、出金要求額(Y)の200万円は、預り金残高(A)の0円およびMRF残高(B)の150万円の合計額である150万円を超えていると判断され、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額150万円とされ、不足金額(F)は、F=Y−(A+B)=200万円−(0万円+150万円)=50万円と算出される。
一方、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超え、かつ、顧客の預り金残高およびMRF残高の合計額(A+B)を超えない場合には、顧客による出金要求額(Y)から顧客の預り金残高(A)を減算した金額(Y−A)をMRF売却金額(U)として算出し、不足金額(F)をゼロとする(ステップS2)。この場合は、MRF残高(B)を売却するだけで足りるので、普通預金による充当分は不要である。
そして、顧客による出金要求額(Y)が、顧客の預り金残高(A)を超えない場合には、MRF売却金額(U)および不足金額(F)を共にゼロとする(ステップS2)。この場合は、預り金残高(A)だけで足りているので、MRF売却は不要であり、普通預金による充当分も不要である。
続いて、オンライン処理用振替要否判断処理手段25によりMRF売却金額(U)が算出された場合には、オンライン処理用内部振替処理手段27により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)から減算(売却)する(ステップS3)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS3の処理は省略される。
例えば、図7の下側の表の数値例では、振替処理前における証券会社システム20のMRF残高(B)は150万円であり、前述したステップS2で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額150万円とされたので、このステップS3では、MRF残高(B)の150万円から全額150万円を減算(売却)し、ステップS3の処理後には、MRF残高がゼロとなる。
さらに、オンライン処理用振替要否判断処理手段25により不足金額(F)が算出された場合には、オンライン処理用内部振替処理手段27により、その不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)する(ステップS4)。
例えば、図7の上側の表の数値例では、振替処理前における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1150万円であり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−A=200万円−0万円=200万円と算出されたので、このステップS4では、普通預金ミラー残(C)の1150万円から不足金額(F)の200万円を減算(出金)し、ステップS4の処理後には、普通預金ミラー残が950万円となる。
また、図7の下側の表の数値例では、振替処理前における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−(A+B)=200万円−(0万円+150万円)=50万円と算出されたので、このステップS4では、普通預金ミラー残(C)の1000万円から不足金額(F)の50万円を減算(出金)し、ステップS4の処理後には、普通預金ミラー残が950万円となる。
それから、前述したステップS3で、MRF残高(B)からのMRF売却金額(U)の減算(売却)が行われた場合には、オンライン処理用内部振替処理手段27により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS5)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS5の処理は省略される。
例えば、図7の下側の表の数値例では、振替処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は0円であり、前述したステップS2で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額150万円とされたので、このステップS5では、預り金残高(A)の0円にMRF売却金額(U)の150万円を加算(入金)し、ステップS5の処理後には、預り金残高が150万円となる。
さらに、前述したステップS4で、普通預金ミラー残(C)からの不足金額(F)の減算(出金)が行われた場合には、オンライン処理用内部振替処理手段27により、その不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS6)。
例えば、図7の上側の表の数値例では、振替処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は0円であり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−A=200万円−0万円=200万円と算出されたので、このステップS6では、預り金残高(A)の0円に不足金額(F)の200万円を加算(入金)し、ステップS6の処理後には、預り金残高が200万円となる。
また、図7の下側の表の数値例では、前述したステップS5で、証券会社システム20の預り金残高(A)は150万円となり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−(A+B)=200万円−(0万円+150万円)=50万円と算出されたので、このステップS6では、預り金残高(A)の150万円に不足金額(F)の50万円を加算(入金)し、ステップS6の処理後には、預り金残高が200万円となる。
そして、預り金出金処理手段29により、以上のオンライン処理用内部振替処理手段27によるステップS3〜S6の処理後に、顧客による出金要求額(Y)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された、不足金額(F)やMRF売却金額(U)を加算した後の顧客の預り金残高から減算(出金)する(ステップS7)。
例えば、図7の上側の表および下側の表のいずれの数値例でも、出金要求額(Y)は200万円であり、前述したステップS6までの処理で、証券会社システム20の預り金残高(A)は、200万円になっているので、このステップS7では、補填後の預り金残高の200万円から出金要求額(Y)の200万円を減算(出金)し、ステップS7の処理後には、預り金残高がゼロとなる。
なお、以上のオンライン処理用内部振替処理手段27および預り金出金処理手段29によるステップS3〜S7の処理は、同期処理として実行される。ここで、同期処理とは、それらの処理をまとめて1群の処理とみなし、その1群の処理を1単位として成立(終了)・不成立(未終了)が判断されるものであり、例えば、ステップS3の処理だけ完了したとか、ステップS5の処理まで完了した等の途中の状態での判断は行われず、1群の処理(ステップS3〜S7の処理)の全部が完了しなければ、何の処理も完了していない取り扱いとなるものである。
その後、普通預金出金要求送信処理手段30により、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)した不足金額(F)を銀行の普通預金残高から減算(出金)することを要求するための不足金額(F)を含む普通預金出金要求信号を、証券会社で内部振替を行った顧客(証券総合口座からの出金要求を行った顧客)についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報とともに、銀行システム50へ通信回線1を介して送信し、証券会社で内部振替を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」にする(ステップS8)。
銀行システム50では、普通預金出金要求受信処理手段52により、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる普通預金出金要求信号(不足金額(F)を含む。)を、証券会社で内部振替が行われた顧客(証券総合口座からの出金要求を行った顧客)についての証券会社用の顧客識別情報または銀行用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS9)。
続いて、普通預金出金処理手段53により、普通預金出金要求受信処理手段52により受信した普通預金出金要求信号に含まれる不足金額(F)を、受信した証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報または受信した銀行用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金データベース60(図4参照)に記憶された当該顧客(証券会社で内部振替が行われた顧客)の普通預金残高から減算(出金)する(ステップS10)。これは、銀行側から証券会社側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での出金処理である。
例えば、図7の上側の表の数値例では、振替処理前における銀行システム50の普通預金残高(D)は、1150万円であり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−A=200万円−0万円=200万円と算出されたので、このステップS10では、普通預金残高(D)の1150万円から不足金額(F)の200万円を減算(出金)し、ステップS10の処理後には、普通預金残高が950万円となる。
また、図7の下側の表の数値例では、振替処理前における銀行システム50の普通預金残高(D)は、1000万円であり、前述したステップS2で、不足金額(F)は、F=Y−(A+B)=200万円−(0万円+150万円)=50万円と算出されたので、このステップS10では、普通預金残高(D)の1000万円から不足金額(F)の50万円を減算(出金)し、ステップS10の処理後には、普通預金残高が950万円となる。
また、普通預金出金処理手段53により、普通預金残高からの不足金額(F)の減算処理(出金処理)を実行したときに、不足金額(F)を、普通預金取引明細データベース61に出金データとして追加する(ステップS10)。
それから、普通預金入出金結果送信処理手段54により、普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、出金処理(スウィープ処理)を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する(ステップS11)。
証券会社システム20では、普通預金入出金結果受信処理手段31により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した普通預金入出金結果に従って、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」から「振込済」または「振込エラー」に変更する(ステップS12)。
そして、普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスが「振込エラー」に変更された場合(ステップS13)には、何らかの理由により銀行の普通預金残高からの出金ができなかった場合であるから、振替補正処理手段32により、証券会社の内部で行った振替処理を自動補正する(ステップS14)。
図6に示されたバッチ処理での振替処理の流れは、図11の例では、バッチ処理の時間帯に入ってからの深夜0時過ぎに、全ての顧客を対象として行われるバッチ処理の流れを示すものであり、図5に示された顧客の個々のアクセスに対応する処理の流れとは異なるものである。
図6において、顧客がオンライントレード受付時間帯(図11参照)に金融商品の売買注文を行うと、注文処理手段22により、その注文が受け付けられて取引市場に発注され、その注文が約定すると、決済処理手段23により決済処理が行われて各顧客の受渡金額総額が算出される。
それから、決済金額反映処理手段24により、決済処理手段23により算出した各顧客の受渡金額総額を、各顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された各顧客の預り金残高に反映させる(ステップS21)。この際、決済処理手段23による決済処理で買付金額が残った顧客については、マイナスの受渡金額総額が預り金残高に加算されて預り金残高が減少するので、預り金残高がマイナスになることがある。
続いて、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された預り金残高がマイナスになっている顧客を検出する。そして、MRF残高(B)を考慮するケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値よりも小さい場合には、MRF売却だけでは足りずに、マイナス金額の絶対値から顧客のMRF残高(B)を減算した差額が不足金額(F)となる場合(後述するステップS25参照)であるから、MRF残高(B)の全額をMRF売却金額(U)とする(ステップS22)。なお、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS22の処理は省略される。
例えば、図8の下側の表の数値例では、決済金額(K)はマイナス100万円(売付金額よりも買付金額の方が100万円だけ多い場合)であり、決済処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は50万円であり、MRF残高(B)は30万円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1000万円である。従って、前述したステップS21の処理後には、預り金残高は、50万円−100万円=△50万円でマイナス金額となっているので、このステップS22では、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円と、MRF残高(B)の30万円とを比較する。そして、MRF残高(B)の30万円が、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円よりも小さいので、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされる。
一方、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値以上の場合には、MRF売却だけで足りる場合であるから、マイナス金額の絶対値をMRF売却金額(U)として算出する(ステップS22)。なお、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS22の処理は省略される。
続いて、バッチ処理用振替要否判断処理手段26によりMRF売却金額(U)が算出された場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)から減算(売却)する(ステップS23)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS23の処理は省略される。
例えば、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20のMRF残高(B)は30万円であり、前述したステップS22で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされたので、このステップS23では、MRF残高(B)の30万円から全額30万円を減算(売却)し、ステップS23の処理後には、MRF残高がゼロとなる。
それから、前述したステップS23で、MRF残高(B)からのMRF売却金額(U)の減算(売却)が行われた場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS24)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS24の処理は省略される。
例えば、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20の預り金残高(A)は△50万円であり、前述したステップS22で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされたので、このステップS24では、預り金残高(A)の△50万円にMRF売却金額(U)の30万円を加算(入金)し、ステップS24の処理後には、預り金残高が△20万円となる。
なお、以上のバッチ処理用内部振替処理手段28によるステップS23,S24の処理は、同期処理として実行される。
続いて、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された預り金残高がマイナスになっている顧客を検出し、検出した顧客のマイナス金額の絶対値を不足金額(F)として算出する(ステップS25)。MRF残高(B)を考慮するケースでは、上記のステップS22〜S24の処理(MRF売却による補填)を経ても、なお預り金残高がマイナスになっている顧客を検出することになる。なお、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、上記のステップS22〜S24の処理は省略されるので、ここで初めて預り金残高がマイナスになっている顧客を検出することになる。
例えば、図8の上側の表の数値例では、決済金額(K)はマイナス100万円(売付金額よりも買付金額の方が100万円だけ多い場合)であり、決済処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は80万円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1000万円である。従って、前述したステップS21の処理後には、預り金残高は、80万円−100万円=△20万円となっているので、このステップS25では、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出される。
また、MRF残高(B)を考慮するケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、前述したステップS22で、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)が預り金残高のマイナス金額の絶対値よりも小さい場合には、MRF残高(B)の全額がMRF売却金額(U)とされているので、前述したステップS22の時点における預り金残高のマイナス金額の絶対値から顧客のMRF残高(B)を減算した差額が、このステップS25の時点における預り金残高のマイナス金額の絶対値となっており、これが、不足金額(F)として算出されることになる。
例えば、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20の預り金残高(A)は△50万円であり、前述したステップS22で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされ、前述したステップS24で、預り金残高(A)の△50万円にMRF売却金額(U)の30万円が加算(入金)され、ステップS24の処理後には、預り金残高が△20万円となっているので、このステップS25では、不足金額(F)は、この時点における預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出される。
一方、MRF残高(B)を考慮するケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、前述したステップS22で、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)が預り金残高のマイナス金額の絶対値以上の場合には、マイナス金額の絶対値がMRF売却金額(U)として算出され、前述したステップS24の処理後には、預り金残高がゼロとなっているので、このステップS25では、不足金額(F)は、ゼロとされる。換言すれば、ステップS25では、預り金残高がマイナスになっている顧客として検出されない。MRF売却だけで足りるので、普通預金による充当分は不要な場合である。
さらに、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により不足金額(F)が算出された場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、その不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)する(ステップS26)。
例えば、図8の上側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出されたので、このステップS26では、普通預金ミラー残(C)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS26の処理後には、普通預金ミラー残が980万円となる。
また、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、20万円(前述したステップS22の時点における預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額に相当する。)と算出されたので、このステップS26では、普通預金ミラー残(C)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS26の処理後には、普通預金ミラー残が980万円となる。
さらに、前述したステップS26で、普通預金ミラー残(C)からの不足金額(F)の減算(出金)が行われた場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、その不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS27)。
例えば、図8の上側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における証券会社システム20の預り金残高(A)は△20万円であり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出されたので、このステップS27では、預り金残高(A)の△20万円に不足金額(F)の20万円を加算(入金)し、ステップS27の処理後には、預り金残高がゼロとなる。
また、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS24で、証券会社システム20の預り金残高は△20万円となり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円(前述したステップS22の時点における預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額に相当する。)と算出されたので、このステップS27では、預り金残高の△20万円に不足金額(F)の20万円を加算(入金)し、ステップS27の処理後には、預り金残高がゼロとなる。
なお、以上のバッチ処理用内部振替処理手段28によるステップS26,S27の処理は、同期処理として実行される。
その後、普通預金出金要求送信処理手段30により、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)した不足金額(F)を銀行の普通預金残高から減算(出金)することを要求するための不足金額(F)を含む普通預金出金要求信号を、証券会社で内部振替を行った顧客(決済金額反映処理で預り金残高がマイナスになった顧客)についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報とともに、銀行システム50へ通信回線1を介して送信し、証券会社で内部振替を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」にする(ステップS28)。
銀行システム50では、普通預金出金要求受信処理手段52により、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる普通預金出金要求信号(不足金額(F)を含む。)を、証券会社で内部振替が行われた顧客(決済金額反映処理で預り金残高がマイナスになった顧客)についての証券会社用の顧客識別情報または銀行用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS29)。
続いて、普通預金出金処理手段53により、普通預金出金要求受信処理手段52により受信した普通預金出金要求信号に含まれる不足金額(F)を、受信した証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報または受信した銀行用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金データベース60(図4参照)に記憶された当該顧客(証券会社で内部振替が行われた顧客)の普通預金残高から減算(出金)する(ステップS30)。これは、銀行側から証券会社側への資金のスウィープ処理を完了させるための銀行側での出金処理である。
例えば、図8の上側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における銀行システム50の普通預金残高(D)は、1000万円であり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出されたので、このステップS30では、普通預金残高(D)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS30の処理後には、普通預金残高が980万円となる。
また、図8の下側の表の数値例では、前述したステップS21の処理後における銀行システム50の普通預金残高(D)は、1000万円であり、前述したステップS25で、不足金額(F)は、20万円(前述したステップS22の時点における預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額に相当する。)と算出されたので、このステップS30では、普通預金残高(D)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS30の処理後には、普通預金残高が980万円となる。
また、普通預金出金処理手段53により、普通預金残高からの不足金額(F)の減算処理(出金処理)を実行したときに、不足金額(F)を、普通預金取引明細データベース61に出金データとして追加する(ステップS30)。
それから、普通預金入出金結果送信処理手段54により、普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、出金処理(スウィープ処理)を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する(ステップS31)。
証券会社システム20では、普通預金入出金結果受信処理手段31により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる普通預金入出金結果(出金完了額やエラー情報等を含む。)を、銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した普通預金入出金結果に従って、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスを「振込中」から「振込済」または「振込エラー」に変更する(ステップS32)。
そして、普通預金出金ステータス記憶手段42に記憶されたステータスが「振込エラー」に変更された場合(ステップS33)には、何らかの理由により銀行の普通預金残高からの出金ができなかった場合であるから、振替補正処理手段32により、証券会社の内部で行った振替処理を自動補正する(ステップS34)。
図9は、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約、利息元加)についての処理の流れであり、図11の例では、銀行側において、バッチ処理の時間帯に入ってからの深夜0時過ぎに行われるバッチ処理から、証券会社において、オンライン立ち上げ後に行われるオンライン更新処理へと移る流れを示すものである。
図9において、バッチ処理の時間帯に入って例えば深夜0時を過ぎると、銀行システム50では、銀行側単独発生バッチ・イベント処理手段51により、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約、利息元加)に伴うデータ処理を行う(ステップS41)。
すなわち、銀行側単独発生バッチ・イベント処理手段51により、定期預金満期解約の場合は、定期預金データベース62から満期解約となった定期預金の金額データを消去し、普通預金データベース60(図4参照)の普通預金残高に定期預金満期解約金額を加算し、普通預金取引明細データベース61に普通預金残高への入金データとして定期預金満期解約金額を追加する(ステップS41)。
また、銀行側単独発生バッチ・イベント処理手段51により、利息元加の場合は、普通預金データベース60(図4参照)の普通預金残高に利息金額を加算し、普通預金取引明細データベース61に普通預金残高への入金データとして利息金額を追加する(ステップS41)。
続いて、普通預金取引明細データ送信処理手段55により、各顧客についての銀行用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金取引明細データベース61に記憶されている、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約、利息元加)に伴う普通預金データベース60(図4参照)の各顧客の普通預金残高の更新分(残高の増減変動分)を含む普通預金取引明細データを、各顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20のオンライン立ち上げ後に、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する(ステップS42)。図11の例では、証券会社システム20のオンライン立ち上げは、早朝4時30分頃であるから、例えば、早朝5時頃、あるいは日曜日であれば早朝6時頃に、このステップS42の送信が行われる。
証券会社システム20では、普通預金取引明細データ受信処理手段33により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる銀行の普通預金残高の変動分を示す普通預金取引明細データを、各顧客についての銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した普通預金取引明細データを、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報と関連付けて普通預金取引明細データ記憶手段43に記憶させる(ステップS43)。
それから、バッチ・イベント更新分普通預金ミラー残オンライン更新処理手段34により、普通預金取引明細データ受信処理手段33により受信されて普通預金取引明細データ記憶手段43に記憶されている各顧客の普通預金取引明細データを用いて、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された各顧客の普通預金ミラー残を更新するオンライン処理を実行する(ステップS44)。
図10は、銀行システム50の普通預金残高と、証券会社システム20の普通預金ミラー残とを比較照合する残高照合処理の流れであり、図11の例では、証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了(21時頃)後の例えば21時15分頃、および、証券会社のオンライン立ち上げ(早朝4時30分頃)後の例えば早朝5時頃または日曜日であれば例えば早朝6時頃に行われるものである。
図10において、銀行システム50では、普通預金残高送信処理手段56により、証券会社のオンライン取引サービス時間帯の終了後(図11の例では、21時15分頃)および証券会社のオンライン立ち上げ(図11の例では、4時30分頃)以降に、普通預金データベース60(図4参照)に記憶された各顧客の普通預金残高を、各顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する(ステップS61)。
証券会社システム20では、普通預金残高受信処理手段35により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる各顧客の銀行の普通預金残高を、各顧客についての銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS62)。
続いて、残高照合処理手段36により、普通預金残高受信処理手段35により受信した各顧客の銀行の普通預金残高と、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された各顧客の普通預金ミラー残とを比較照合し(ステップS63)、不一致が発生した場合(ステップS64)に、その旨を管理者端末装置(不図示)に画面表示・印刷・音声出力等により報知する(ステップS65)。
また、図11において、証券会社のオンライン取引サービス時間帯に示されているように、銀行システム50では、他の金融機関(第3の金融機関)への振込等を受け付ける。この流れは、次のようになる。
先ず、普通預金出金処理手段53(但し、ここでは、図5のステップS10や図6のステップS29の処理機能とは別途の機能である。)により、顧客端末装置80から通信回線4を介して送信されてくる、顧客による銀行システム50の普通預金残高からの出金要求(例えば、他の金融機関(第3の金融機関)への振込(送金)要求等)を受け付けた場合に、買付余力金額問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報またはこの銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する。なお、顧客端末装置80を操作する顧客は、証券会社システム20を経由し、シングルサインオンで銀行システム20にアクセスすることができる。
証券会社システム20では、買付余力金額返信処理手段(不図示)により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる買付余力金額問合せ信号を、銀行用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信した場合に、注文処理手段22と同様にして、受信した銀行用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報を用いて必要データを取得し、問合せに係る顧客の買付余力金額を算出し、算出した買付余力金額を、当該顧客の証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた銀行用の顧客識別情報とともに、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する。
銀行システム50では、普通預金出金処理手段53(但し、ここでは、図5のステップS10や図6のステップS29の処理機能とは別途の機能である。)により、証券会社システム20から通信回線1を介して返信されてくる当該顧客の買付余力金額を受信し、顧客による出金要求額が、買付余力金額以下であれば、その出金要求額を、普通預金データベース60(図4参照)に記憶された当該顧客の普通預金残高から減算(出金)する。
続いて、上記のように普通預金データベース60(図4参照)に記憶された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高が更新されると、普通預金残高送信処理手段56(但し、ここでは、図10のステップS61の処理機能とは別途の機能である。)により、更新後の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)またはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介してリアルタイムで送信する。
証券会社システム20では、普通預金残高受信処理手段35(但し、ここでは、図10のステップS62の処理機能とは別途の機能である。)により、更新後の普通預金残高をリアルタイムで受信し、普通預金ミラー残リアルタイム更新処理手段(不図示)により、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された普通預金ミラー残をリアルタイムで更新する。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、金融機関連携システム10は、オンライン処理用振替要否判断処理手段25、オンライン処理用内部振替処理手段27、預り金出金処理手段29、および普通預金出金要求送信処理手段30を備えているので、顧客による証券総合口座(第1の口座)からの出金要求があり、出金要求額(Y)に対し、証券総合口座の預り金残高(A)では不足する場合、または預り金残高(A)にMRF残高(B)を加えても不足する場合に、先ず、証券会社側の普通預金ミラー残(C)から不足金額(F)を出金することにより、預り金残高の不足金額を補填し、その後に、銀行側の普通預金残高(D)から不足金額(F)を出金するため、最初の段階では、証券会社システム20の内部で、不足金額(F)の補填のための振替処理を完結させることができる。換言すれば、銀行システム50側の普通預金残高(D)からの出金が無い段階でも、証券総合口座の預り金残高からの出金要求額(Y)の出金処理を行うことができる。このため、銀行システム50とのデータ連携を待たない分だけ、迅速に出金要求額(Y)を出金することができ、顧客の出金時の待ち時間を短縮することができるとともに、銀行システム50側の遅延や障害の影響を受けることもない。そして、このように、先ず、証券会社側の普通預金ミラー残(C)から出金させることで、銀行側の普通預金残高(D)からの出金が無い段階でも、証券会社システム20で、預り金への入金後に出金するという順序(図5のステップS5〜S7参照)での預り金残高の記帳が可能となる同期処理を実現することができるため、一時的に立替金が発生してしまうという不都合を回避することもできる。
すなわち、銀行システム50からの証券総合口座への入金処理を待って証券総合口座の預り金残高からの出金要求額(Y)の出金を完結させようとした場合、より詳細に言えば、証券会社システム20から銀行システム50へ不足金額(F)を伝達して振替依頼をし、銀行システム50側の普通預金残高(D)から不足金額(F)を出金し、出金した不足金額(F)を銀行システム50から証券会社システム20へ送金し、証券会社システム20で、送金データを受信してから、証券総合口座の預り金残高に不足金額(F)を入金し、その後に、証券総合口座の預り金残高から出金要求額(Y)を出金しようとした場合には、途中に、銀行システム50との連携に伴う非同期処理を挟むことになるので、出金要求額(Y)の出金処理の完了までのレスポンス面での性能を保証することが困難となり、迅速な処理を行うことができないおそれがあるが、本発明では、このような不都合を回避することができる。
また、仮に、出金要求額(Y)の出金処理を迅速に行うべく、先に、証券総合口座の預り金残高からの出金要求額(Y)の出金を行い、その後に、銀行システム50の普通預金残高(D)からの証券総合口座の預り金残高への振替による入金を行った場合には、預り金残高の記帳が、出金後に入金するという本来とは逆の順序になってしまうので、証券会社において、一時的に立替金が発生してしまい、例えば、立替金発生顧客としてアラーム検知等も行われてしまうが、本発明では、このような不都合を回避することができる。
さらに、普通預金出金要求送信処理手段30による証券会社システム20から銀行システム50への普通預金出金要求信号(即時振替依頼)の送信(図5のステップS8参照)は、証券会社システム20における証券総合口座の預り金残高からの出金要求額(Y)の出金処理(図5のステップS7参照)が完了してから行われるので、この普通預金出金要求信号の送信による振替依頼が、銀行システム50側のシステムトラブル等により処理できなくなった場合でも、証券会社システム20側では、既に出金要求に伴う各システム処理が完結していることから、オンライン中のシステム的なリカバリ処理を行う必要がなくなる。
なお、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)は、証券会社において、顧客の預り金残高やMRF残高だけではなく、銀行に預けられている顧客の普通預金残高も含めて顧客の買付余力を判断するために設けられている。従って、この普通預金ミラー残データベース41(図3参照)の普通預金ミラー残は、あくまでも証券会社システム20に銀行システム50の普通預金データベース60(図4参照)の普通預金残高のコピーを置くという発想で設けられているので、銀行側の普通預金残高(D)が更新されれば、それに伴って証券会社側の普通預金ミラー残(C)も更新されるという順序になるのが通常である。ところが、本発明では、先に、証券会社側の普通預金ミラー残(C)から出金し、その後、銀行側の普通預金残高(D)から出金するという順序になるので、通常の発想では思い付かないような特異な発想に基づく処理が行われている。
また、本実施形態で記載されているように、金融機関連携システム10における全ての処理について、先に、証券会社側の普通預金ミラー残(C)から出金し、その後、銀行側の普通預金残高(D)から出金するという順序になっているわけではなく、これとは逆の通常の順序で更新される処理も存在する。従って、処理内容によって、特異な更新順序と、通常の更新順序とに分けられ、両者が混在していることも、金融機関連携システム10の大きな特徴となっている。
さらに、金融機関連携システム10は、バッチ処理用振替要否判断処理手段26、バッチ処理用内部振替処理手段28、および普通預金出金要求送信処理手段30を備えているので、決済金額反映処理が行われ、証券総合口座の預り金残高がマイナスになって不足金額(F)が生じた場合、またはMRFを売却しても不足金額(F)が生じた場合に、先ず、証券会社側の普通預金ミラー残(C)から不足金額(F)を出金することにより、預り金残高の不足金額(F)を補填し、その後に、銀行側の普通預金残高(D)から不足金額(F)を出金するため、最初の段階では、証券会社システム20の内部で、不足金額(F)の補填のための振替処理を完結させることができる。換言すれば、銀行システム20側の普通預金残高(D)からの出金が無い段階でも、証券総合口座の預り金残高のマイナス分をゼロにする補填処理を完結させることができる。このため、銀行システム50の影響を受けることなく、証券総合口座の預り金残高の補填処理を迅速に行うことができ、銀行システム50側の遅延や障害の影響を受けることもない。
すなわち、約定した金融商品の買付注文の資金決済のバッチ処理で、決済金額を預り金残高に反映し、預り金残高(A)がマイナスになったときには、そのマイナス分をゼロにする補填処理を行う必要がある。オンライン取引の受付時間帯に行われるオンライン処理の場合とは異なり、夜間等に行われるバッチ処理の過程では一時的に預り金残高(A)がマイナスになっても立替金発生顧客にはならないが、次のオンライン取引サービスの開局までには、このマイナスの状態は解消しておかなければならないからである。このとき、銀行システム50からの証券総合口座への入金処理を待って証券総合口座の預り金残高の補填を完結させようとした場合、より詳細に言えば、証券会社システム20から銀行システム50へ不足金額(F)を伝達して振替依頼をし、銀行システム50側の普通預金残高(D)から不足金額(F)を出金し、出金した不足金額(F)を銀行システム50から証券会社システム20へ送金し、証券会社システム20で、送金データを受信してから、証券総合口座の預り金残高に不足金額(F)を入金しようとした場合には、万一、銀行システム50のシステムトラブル等によりデータ連携ができない状況に陥ると、銀行システム50の普通預金残高(D)から証券総合口座の預り金残高への振替処理が行われず、証券会社システム20でのバッチ処理が完了しないことから、例えば、翌朝のオンライン取引サービスの開局を迎えることができないか、または開局が遅れるという事態になるおそれがある。しかし、本発明では、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)を用いて、証券会社システム20の内部での振替処理を行うので、そのような事態を回避することができる。
さらに、金融機関連携システム10は、普通預金取引明細データ送信処理手段55、普通預金取引明細データ受信処理手段33、およびバッチ・イベント更新分普通預金ミラー残オンライン更新処理手段34を備えているので、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約・利息元加)に伴う銀行システム50の普通預金残高(D)の更新分について、証券会社システム20で、オンライン立ち上げ後に、普通預金ミラー残(C)をオンライン更新することができる。換言すれば、銀行側で、バッチで処理したデータを、証券会社側では、バッチではなく、オンライン立ち上げ後にオンラインで処理することができる。このため、銀行システム50からの普通預金残高変動結果を示す普通預金取引明細データの受信が遅延しても、それに影響されることなく、証券会社システム20で、オンライン取引サービスの開局を迎えることができる。
すなわち、仮に、銀行システム50においてバッチ処理で作成された普通預金残高変動分のデータの取込を、証券会社システム20でもバッチ処理で行うようにした場合には、その証券会社システム20におけるバッチ処理の完了が、オンライン取引サービスの開局の条件となる。従って、万一、銀行システム50のシステムトラブル等により、銀行システム50から普通預金残高変動分のデータを受信できなかった場合には、例えば、翌朝のオンライン取引サービスの開局を迎えることができないか、または開局が遅れるという事態になるおそれがある。しかし、本発明では、証券会社システム20において、バッチ処理ではなく、オンライン立ち上げ後に、普通預金ミラー残(C)をオンライン処理で更新するので、そのような事態を回避することができる。
例えば、図11の例では、万が一、普通預金残高変動結果を示す普通預金取引明細データを、オンライントレード開局の朝6時までに受信できなかった場合においても、朝6時からのオンライントレードサービスの提供は可能であり、受信が完了した後に、銀行の普通預金変動分について、証券会社の普通預金ミラー残を自動的にオンラインにて更新することができる。従って、普通預金ミラー残の更新が完了するまでは、当該顧客の買付余力には、銀行側単独で発生するバッチ・イベント(定期預金満期解約・利息元加)に伴う普通預金の増加分が取り込まれていないことになるが、全顧客のサービス停止を招くことと比較すれば影響は極めて少なく、また、買付余力金額の増加方向の変動の反映が遅れるだけなので、反映の遅れによるリスクの発生も回避することができる。
また、金融機関連携システム10は、普通預金残高送信処理手段56、普通預金残高受信処理手段35、および残高照合処理手段36を備えているので、本発明では、銀行システム50とのデータ連携を待たずに、証券会社システム20の内部で処理を完結させるために、銀行システム50の普通預金残高(D)の更新に先立って、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)を更新することから、何らかの理由により不一致が発生する事態もあり得るが、そのような事態を検知し、普通預金ミラー残(C)を補正することができる。
そして、銀行の普通預金残高が更新されたら、それに伴って証券会社の普通預金ミラー残を更新するという通常の順序の更新処理のみを行う方式を採用した場合には、いずれかのタイミングで同期点を設けて、銀行の普通預金残高で証券会社の普通預金ミラー残を置き換える処理を行う必要があり、サービスを中断せずに処理を行うのは困難である。しかし、以上に述べたような本発明の処理を行うことにより、証券会社システム20内にて普通預金ミラー残の自力走行(銀行の普通預金残高の増減変動とは切り離した状態での増減処理)が可能となるので、シームレスなサービス提供(例えば24時間を含めたサービス時間の延長等)を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、第1の金融機関システムは、証券会社システム20となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、証券仲介業を営む業者のシステムや、銀行システム等であってもよい。
また、前記実施形態では、第2の金融機関システムは、銀行システム50となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、信用金庫システム、信用組合システム、労働金庫システム等であってもよい。
さらに、前記実施形態では、図5のステップS3〜S7の処理は、同期処理とされているが、これらのステップS3〜S7の処理の順序は、図5に記載された順序に限定されるものではなく、預り金残高への入金(ステップS5,S6)の後に、預り金残高からの出金(ステップS7)が行われるようにして立替金の発生を防ぐことができれば、他の順序でもよく、例えば、ステップS5とステップS6の順序を入れ替えてもよく、ステップS3とステップS4の順序を入れ替えてもよい。
そして、前記実施形態の図5のオンライン取引中の振替処理では、ステップS2において、MRF売却金額Uの算出と、不足金額F(普通預金からの出金必要額)の算出とを行ってから、ステップS3〜S7の同期処理を行う順序となっているが、例えば、前記実施形態の図6のバッチ処理での振替処理の流れ(ステップS22〜S27)と同様に、MRF売却金額Uの算出後に、MRF残高からのMRF売却金額Uの減算(売却)および預り金残高へのMRF売却金額Uの加算(入金)を同期処理で行い、続いて、不足金額Fの算出後に、普通預金ミラー残からの不足金額Fの減算(出金)および預り金残高への不足金額Fの加算(入金)を同期処理で行うようにしてもよい。このように、オンライン取引中の振替処理でも、図6のバッチ処理での振替処理の流れと同様な流れにすると、MRFに関連する処理とそれ以外の処理とが切り分けられるため、例えば、MRFを利用したシステム運用を廃止・中止するときに、プログラムの修正・整備を容易に行うことができるようになる。
一方、前記実施形態の図6のバッチ処理での振替処理では、ステップS23,S24の処理と、ステップS26,27の処理とが、それぞれ同期処理とされていたが、これらのステップS22〜S27の処理の順序も、図6に記載された順序に限定されるものではなく、図6の場合には、バッチ処理であるから、預り金残高が一時的にマイナスになってもよく、図5の場合のような立替金の発生防止のための処理順序の制限もない。
例えば、バッチ処理での振替処理を、図12に示すように、MRFに関連する処理とそれ以外の処理とが切り分けられていない流れとしてもよい。前記実施形態の図6の流れに対し、MRFを利用したシステム運用の廃止時・中止時への対応の容易化効果は得られなくなるものの、その他の効果は、図6の流れの場合と同様に得ることできる。
図12において、ステップS81の決済金額反映処理は、図6のステップS21と同様である。なお、説明の便宜上、以降、各部の符号は、前記実施形態と同様とする。
続いて、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された預り金残高がマイナスになっている顧客を検出し、検出した顧客のマイナス金額の絶対値を不足金額(F)として算出する(ステップS82)。
例えば、図13の上側の表の数値例では、決済金額(K)はマイナス100万円(売付金額よりも買付金額の方が100万円だけ多い場合)であり、決済処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は80万円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1000万円である。従って、前述したステップS81の処理後には、預り金残高は、80万円−100万円=△20万円となっているので、このステップS82では、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出される。
また、MRF残高(B)を考慮するケースでは、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値よりも小さい場合には、マイナス金額の絶対値から顧客のMRF残高(B)を減算した差額を不足金額(F)として算出するとともに、MRF残高(B)の全額をMRF売却金額(U)とする(ステップS82)。この場合は、MRF売却だけでは足りないので、普通預金による充当分とするための不足金額(F)を算出する。
例えば、図13の下側の表の数値例では、決済金額(K)はマイナス100万円(売付金額よりも買付金額の方が100万円だけ多い場合)であり、決済処理前における証券会社システム20の預り金残高(A)は50万円であり、MRF残高(B)は30万円であり、証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、銀行システム50の普通預金残高(D)も同額の1000万円である。従って、前述したステップS81の処理後には、預り金残高は、50万円−100万円=△50万円でマイナス金額となっているので、このステップS82では、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円と、MRF残高(B)の30万円とを比較する。そして、MRF残高(B)の30万円が、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円よりも小さいので、不足金額(F)は、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額20万円と算出され、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされる。
一方、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により、顧客のMRF残高(B)がマイナス金額の絶対値以上の場合には、マイナス金額の絶対値をMRF売却金額(U)として算出するとともに、不足金額(F)をゼロとする(ステップS82)。この場合は、MRF売却だけで足りるので、普通預金による充当分は不要である。
続いて、バッチ処理用振替要否判断処理手段26によりMRF売却金額(U)が算出された場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客のMRF残高(B)から減算(売却)する(ステップS83)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS83の処理は省略される。
例えば、図13の下側の表の数値例では、前述したステップS81の処理後における証券会社システム20のMRF残高(B)は30万円であり、前述したステップS82で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされたので、このステップS83では、MRF残高(B)の30万円から全額30万円を減算(売却)し、ステップS83の処理後には、MRF残高がゼロとなる。
さらに、バッチ処理用振替要否判断処理手段26により不足金額(F)が算出された場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、その不足金額(F)を、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶された顧客の普通預金ミラー残(C)から減算(出金)する(ステップS84)。
例えば、図13の上側の表の数値例では、前述したステップS81の処理後における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、前述したステップS82で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出されたので、このステップS84では、普通預金ミラー残(C)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS84の処理後には、普通預金ミラー残が980万円となる。
また、図13の下側の表の数値例では、前述したステップS81の処理後における証券会社システム20の普通預金ミラー残(C)は1000万円であり、前述したステップS82で、不足金額(F)は、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額20万円と算出されたので、このステップS84では、普通預金ミラー残(C)の1000万円から不足金額(F)の20万円を減算(出金)し、ステップS84の処理後には、普通預金ミラー残が980万円となる。
それから、前述したステップS83で、MRF残高(B)からのMRF売却金額(U)の減算(売却)が行われた場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、そのMRF売却金額(U)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS85)。従って、MRF残高(B)を考慮しないケースでは、このステップS85の処理は省略される。
例えば、図13の下側の表の数値例では、前述したステップS81の処理後における証券会社システム20の預り金残高(A)は△50万円であり、前述したステップS82で、MRF売却金額(U)は、MRF残高(B)の全額30万円とされたので、このステップS85では、預り金残高(A)の△50万円にMRF売却金額(U)の30万円を加算(入金)し、ステップS85の処理後には、預り金残高が△20万円となる。
さらに、前述したステップS84で、普通預金ミラー残(C)からの不足金額(F)の減算(出金)が行われた場合には、バッチ処理用内部振替処理手段28により、その不足金額(F)を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された顧客の預り金残高(A)に加算(入金)する(ステップS86)。
例えば、図13の上側の表の数値例では、前述したステップS81の処理後における証券会社システム20の預り金残高(A)は△20万円であり、前述したステップS82で、不足金額(F)は、預り金残高△20万円の絶対値である20万円と算出されたので、このステップS86では、預り金残高(A)の△20万円に不足金額(F)の20万円を加算(入金)し、ステップS86の処理後には、預り金残高がゼロとなる。
また、図13の下側の表の数値例では、前述したステップS85で、証券会社システム20の預り金残高は△20万円となり、前述したステップS82で、不足金額(F)は、預り金残高のマイナス金額の絶対値の50万円からMRF残高(B)の30万円を減算した差額20万円と算出されたので、このステップS86では、預り金残高の△20万円に不足金額(F)の20万円を加算(入金)し、ステップS86の処理後には、預り金残高がゼロとなる。
なお、以上のバッチ処理用内部振替処理手段28によるステップS83〜S86の処理は、同期処理として実行される。
その後、前記実施形態の図6のステップS28〜S34と同様にして、ステップS87〜S93の処理を実行する。