以下に本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
<金融機関連携システム10の全体構成>
図1には、第1実施形態の金融機関連携システム10の全体構成が示されている。また、図2には、証券総合口座データベース40の構成の一例が示され、図3には、信用取引口座データベース41の構成の一例が示され、図4には、代用有価証券データベース42の構成の一例が示され、図5には、信用残データベース43の一例が示され、図6には、時価データベース44の構成の一例が示され、図7には、定期預金口座データベース60の構成の一例が示され、図8には、普通預金口座データベース61の構成の一例が示されている。図9には、金融機関連携システム10による追加保証金の差入れに関する一連の処理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図10〜図12は、金融機関連携システム10による解約する定期預金の選択処理の具体例を示す説明図である。
図1において、金融機関連携システム10は、顧客による信用取引での金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の売買注文を受け付ける証券会社が管理する1台または複数台のコンピュータからなる証券会社システム20と、顧客の定期預金および普通預金を預かる提携金融機関(本実施形態では、一例として銀行とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる提携金融機関システムである銀行システム50とが通信回線1で接続されて構成されている。
また、証券会社システム20および銀行システム50には、通信回線2を介して顧客またはその入力代行者が操作する端末装置70が接続されている。さらに、証券会社システム20には、通信回線3を介して取引市場システム80が接続されるとともに、通信回線4を介して時価データ提供システム90が接続されている。
ここで、証券会社システム20と銀行システム50とを接続する通信回線1は、本実施形態では、一例として専用線とするが、ネットワークとしてもよい。また、証券会社システム20や銀行システム50と端末装置70とを接続する通信回線2は、本実施形態では、一例としてネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。また、証券会社システム20と取引市場システム80とを接続する通信回線3は、通常は専用線であるが、ネットワークとしてもよい。さらに、証券会社システム20と時価データ提供システム90とを接続する通信回線4は、専用線でもネットワークでもよい。
証券会社システム20は、売買処理手段21と、時価データ取得処理手段22と、委託保証金管理処理手段23と、追証要求処理手段24と、追証受信処理手段25と、追証差入処理手段26と、証券総合口座データベース40と、信用取引口座データベース41と、代用有価証券データベース42と、信用残データベース43と、時価データベース44とを含んで構成されている。
銀行システム50は、入出金処理手段51と、解約処理手段52と、追証送信処理手段53と、定期預金口座データベース60と、普通預金口座データベース61とを含んで構成されている。
<証券会社システム20の詳細構成>
売買処理手段21は、顧客またはその入力代行者により入力されて端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる顧客の信用取引の売買注文(建て注文および埋め注文)の注文データを受信し、受信した注文データを用いて作成した発注データを、通信回線3を介して取引市場システム80へ送信する発注処理を実行するものである。
より具体的には、売買処理手段21は、端末装置70から建て注文(買い建て、または売り建ての注文)の注文データ(証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値等を含む。)を受信した場合には、注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した建て注文の注文データを用いて発注データ(注文識別情報、証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して取引市場システム80へ送信するとともに、受信した建て注文の注文データを、自動付与した注文識別情報と関連付けて信用残データベース43(図5参照)に記憶させ、さらに、建て注文の約定金額(信用取引建玉金額)を、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された信用取引建玉金額合計額に加算することにより、信用取引建玉金額合計額を更新する。
また、売買処理手段21は、端末装置70から手仕舞いをするための埋め注文(売り埋め、または買い埋めの注文)の注文データ(証券会社用の顧客識別情報、埋めの対象となる建て注文の注文識別情報等を含む。)を受信した場合には、受信した埋め注文の注文データおよびこれに対応する建て注文の注文データを用いて、発注データ(注文識別情報、証券会社用の顧客識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して取引市場システム80へ送信するとともに、信用残データベース43(図5参照)から手仕舞いをした建て注文の注文データを消去し、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された信用取引建玉金額合計額から手仕舞いをした建て注文の約定金額(信用取引建玉金額)を減算することにより、信用取引建玉金額合計額を更新し、さらに、手仕舞いで未受渡の損金(決済損)が発生した場合には、発生した損金を、信用取引口座データベース41に記憶された決済損に加算することにより、決済損を更新する。
さらに、売買処理手段21は、信用取引の売買注文を受け付ける前の事前設定処理として、顧客またはその入力代行者により選択入力されて端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる解約定期預金選択処理方法を受信し、受信した解約定期預金選択処理方法を、事前設定を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報と関連付けて信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶させる処理を実行する。
時価データ取得処理手段22は、時価データ提供システム90から、金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の各銘柄の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)とともに、通信回線4を介して繰り返し取得し、取得した時価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価データベース44(図6参照)に記憶させる処理を実行するものである。この時価データ取得処理手段22は、取引時間中には、最新の相場情報をリアルタイムまたは略リアルタイムで取得して時価データベース44に記憶させる。
委託保証金管理処理手段23は、時価データベース44(図6参照)に記憶された最新の時価データを用いて、信用取引口座データベース41(図3参照)、代用有価証券データベース42(図4参照)、および信用残データベース43(図5参照)に記憶された各種データを更新するとともに、信用取引口座データベース41に記憶されたデータを用いて、委託保証金率Rの算出処理、追加保証金が必要か否かの判断処理、追加保証金が必要であると判断した場合における追加保証金の必要金額の算出処理を実行するものである。
より具体的には、委託保証金管理処理手段23は、時価データベース44(図6参照)に記憶された最新の時価データにより、代用有価証券データベース42(図4参照)に記憶された時価単価(株価)を更新し、代用有価証券データベース42に記憶された保有数量(株数)に最新の時価データを乗じることにより、時価評価額を算出して代用有価証券データベース42に記憶された時価評価額を更新し、更新後の時価評価額に代用有価証券データベース42に記憶された代用掛目(例えば、上場株式の場合には、80%等)を乗じることにより、代用有価証券評価額を算出して代用有価証券データベース42に記憶された代用有価証券評価額を更新し、さらに、同一顧客が担保としている全ての代用有価証券についての代用有価証券評価額を合計し、得られた代用有価証券評価額合計額により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された代用有価証券評価額合計額を更新し、信用取引口座データベース41に記憶された現金保証金に更新後の代用有価証券評価額合計額を加算することにより、委託保証金を算出し、算出した委託保証金により、信用取引口座データベース41に記憶された委託保証金を更新する。
また、委託保証金管理処理手段23は、時価データベース44(図6参照)に記憶された最新の時価データにより、信用残データベース43(図5参照)に記憶された時価単価(株価)を更新し、約定単価と更新後の時価単価(株価)との差額に信用残データベース43に記憶された約定数量(株数)を乗じることにより、建玉(建株)の評価損益を算出して信用残データベース43に記憶された評価損益を更新し、さらに、全ての建玉の評価損益を通算(プラスとマイナスの符号を考慮しながら加算)することにより、建玉の差引評価損益を算出し、損失が発生している場合には、その建玉差引評価損により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された建玉差引評価損を更新する。なお、委託保証金率Rを算出する際に、建玉差引評価損については、委託保証金から減算されるが、建玉の差引評価損益を算出し、利益が発生している場合であっても、その建玉差引評価益については、委託保証金に加算されることはないので、信用取引口座データベース41(図3参照)には、建玉差引評価損だけが記憶されており、損失が発生した場合だけ、建玉差引評価損の更新が行われる。
さらに、委託保証金管理処理手段23は、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されたデータを用いて、予め定められた式に従って、委託保証金率Rを算出し、算出した委託保証金率Rが、所定値(例えば、25%、20%等)未満であるか否かを判断し、所定値未満であると判断した場合、すなわち追加保証金(いわゆる「追証(おいしょう)」)の差入れが必要であると判断した場合には、信用取引口座データベース41に、追証発生日および差入期限最終日を記憶させる。例えば、委託保証金率Rは、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された委託保証金(現金保証金と、代用有価証券評価額合計額とを合計した金額)から、建玉差引評価損、未受渡しの損金(決済損)、諸経費を差し引いたものを、信用取引建玉金額合計額で除することにより算出される。そして、委託保証金率Rが、例えば、25%未満であり、かつ、20%以上であると判断された場合には、差入期限最終日として「翌々営業日」に相当する日付が記憶され、20%未満であると判断された場合には、差入期限最終日として「翌営業日」に相当する日付が記憶される。
そして、委託保証金管理処理手段23は、追加保証金の差入れが必要であると判断した場合には、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されたデータを用いて、予め定められた式に従って、追加保証金の必要金額を算出し、算出した追加保証金の必要金額を、信用取引口座データベース41に記憶させる。例えば、委託保証金率Rが、25%未満、20%以上であると判断された場合も、20%未満であると判断された場合も、30%以上にしなければならないとすると、追加保証金の必要金額は、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された信用取引建玉金額合計額に30%を乗じた金額から、現状の委託保証金(現金保証金と、代用有価証券評価額合計額とを合計した金額)を減算し、さらに、建玉差引評価損、未受渡しの損金(決済損)、諸経費を加算することにより算出される。
追証要求処理手段24は、委託保証金管理処理手段23により、信用取引を行う顧客について追加保証金の差入れが必要になったと判断した場合に、委託保証金管理処理手段23により算出されて信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されている追証発生顧客の追加保証金の必要金額、および信用取引口座データベース41に記憶されている追証発生顧客の解約定期預金選択処理方法を、当該追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム50へ送信する処理を実行するものである。なお、上記の証券会社用の顧客識別情報から提携金融機関用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
なお、本実施形態では、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座のMRF(Money
Reserve Fund)残高については、考慮されていないが、追証発生時にMRF残高があれば、MRFを追証に充当する取り決めになっている場合には、追証要求処理手段24により銀行システム50へ送信する追加保証金の必要金額(すなわち、銀行の普通預金で充当するか、または普通預金で足りなければ銀行の定期預金の解約で充当すべき金額)は、MRF残高(MRFで充当可能な金額)を差し引いた金額とすることができる。従って、本発明(本願の請求項の記載内容)における「追加保証金の必要金額」は、MRF残高考慮後の金額である場合も含まれる。
追証受信処理手段25は、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座の預り金残高に、受信した追加保証金を加算する処理を実行するものである。なお、上記の提携金融機関用の顧客識別情報から証券会社用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
追証差入処理手段26は、追証受信処理手段25による証券総合口座への追加保証金の入金が行われた場合に、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座の預り金残高から追加保証金を減算するとともに、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された信用取引口座の委託保証金残高(現金保証金カラムおよび委託保証金カラム)に、追加保証金を加算する処理を実行するものである。この追証差入処理手段26は、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された差入期限最終日における所定時刻(例えば16時30分等)になったときに、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座の預り金残高に、信用取引口座データベース41に記憶された追加保証金の必要金額以上の資金があった場合に、上記のような証券総合口座から信用取引口座への自動振替による追加保証金の差入処理を行う。
証券総合口座データベース40は、図2に示すように、証券会社に開設された顧客の証券総合口座の預り金残高およびMRF残高を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
信用取引口座データベース41は、図3に示すように、証券会社に開設された顧客の信用取引口座の委託保証金残高を構成する現金保証金および代用有価証券評価額合計額、委託保証金、信用取引建玉金額合計額、建玉差引評価損、決済損(未受渡しの損金)、追証発生日、差入期限最終日、追加保証金の必要金額、解約定期預金選択処理方法を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、委託保証金(現金保証金と、代用有価証券評価額合計額とを合計した金額)と、その他のデータとが、信用取引口座データベース41(図3参照)にまとめて記憶されているが、これらの各データは、別々のデータベースに記憶されていてもよい。また、信用取引口座データベース41には、現金保証金および代用有価証券評価額合計額を合計した委託保証金が記憶されているが、委託保証金管理処理手段23による判断処理を行う都度に、現金保証金と代用有価証券評価額合計額とを合計する処理を行うようにし、委託保証金の記憶を省略してもよい。さらに、信用取引口座データベース41には、代用有価証券評価額合計額、信用取引建玉金額合計額、建玉差引評価損が記憶されているが、これらのデータの記憶も省略し、委託保証金管理処理手段23による判断処理を行う都度に、代用有価証券データベース42(図4参照)に記憶された全ての代用有価証券評価額を合計し、信用残データベース43(図5参照)に記憶された全ての信用取引建玉金額を合計し、信用残データベース43に記憶された全ての建玉の評価損益を通算(プラスとマイナスの符号を考慮しながら加算)する処理を行うようにしてもよい。
代用有価証券データベース42は、図4に示すように、代用有価証券の銘柄を識別する代用有価証券銘柄識別情報(銘柄コード)、保有数量(本実施形態では、株数)、時価単価(本実施形態では、株価)、時価評価額(保有数量×時価単価)、代用掛目、代用有価証券評価額(時価評価額×代用掛目)を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。なお、本実施形態では、代用有価証券のみのデータ管理を行っているが、顧客の保有する代用有価証券以外の有価証券を合わせてデータ管理を行ってもよい。
信用残データベース43は、図5に示すように、顧客の信用取引建玉についての銘柄識別情報(銘柄コード)、売買区分、約定数量(本実施形態では、株数)、約定単価、信用取引建玉金額(約定金額)、時価単価(本実施形態では、株価)、評価損益等を、注文識別情報(注文番号)および証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
時価データベース44は、図6に示すように、時価データ取得処理手段22により時価データ提供システム90からリアルタイムで取得した最新の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)と関連付けて記憶するものである。
そして、証券会社システム20の各処理手段21〜26は、証券会社システム20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社システム20の各データベース40〜44は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、証券会社システム20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<銀行システム50の詳細構成>
入出金処理手段51は、顧客またはその入力代行者により入力されて端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる普通預金口座への入金要求信号および入金額を受信し、普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高に入金額を加算する入金処理、普通預金口座からの出金要求信号および出金額を受信し、普通預金口座データベース61に記憶された普通預金口座の普通預金残高から出金額を減算する出金処理、普通預金口座からの送金要求信号、送金額、および送金先情報を受信し、普通預金口座データベース61に記憶された普通預金口座の普通預金残高から送金額を減算し、送金先へ送金額を送信する送金処理、定期預金の組入要求信号および組入金額を受信し、普通預金口座データベース61に記憶された普通預金口座の普通預金残高から定期預金口座データベース60(図7参照)に記憶された定期預金口座の定期預金残高へ組入金額を振り替える定期預金組入処理、定期預金の解約要求信号および解約金額を受信し、定期預金口座データベース60に記憶された定期預金口座の定期預金残高から普通預金口座データベース61に記憶された普通預金口座の普通預金残高へ解約金額を振り替える定期預金解約処理等を実行するものである。なお、入出金処理手段51は、図示されないATM(現金自動預け払い機)からの要求信号に基づき、同様な処理を行ってもよい。
解約処理手段52は、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてきた追加保証金の必要金額および解約定期預金選択処理方法を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信したときに、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上であるか否か(普通預金の追証充当で足りるか否か)を判断し、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上である場合には、普通預金残高の追証充当で足りることから、定期預金の解約は必要ないので、解約する定期預金の選択処理は実行せず、一方、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額よりも少ない場合には、普通預金残高の追証充当では不足することから、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上になるように、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース60(図7参照)に記憶された少なくとも1つの定期預金を選択して中途解約し、解約金額またはその合計額を普通預金口座の普通預金残高に加算する処理を実行するものである。なお、上記の証券会社用の顧客識別情報から提携金融機関用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
より具体的には、解約処理手段52は、証券会社システム20から解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)を受信した場合には、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択する。
そして、解約処理手段52は、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、同額となる定期預金またはその組合せがある場合には、解約定期預金選択処理方法(1A)では、定期預金を満期まで維持した際に適用される定期預金利率αが低い定期預金若しくは定期預金残高による定期預金利率αの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(1B)では、定期預金利率αから定期預金の中途解約時に適用される中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い定期預金若しくは定期預金残高による差分利率γの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(1C)では、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い定期預金若しくは定期預金残高による経過期間Lの加重平均値の短い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(1D)では、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値α×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(1E)では、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値γ×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。なお、解約定期預金選択処理方法(1A)で、定期預金利率αやその加重平均値が最も低い値で同値となるものが複数存在し、解約する定期預金またはその組合せを選択することができなかった場合には、定期預金利率αやその加重平均値が最も低い値で同値となった定期預金またはその組合せの中から、他の4つの解約定期預金選択処理方法(1B)〜(1E)のいずれかで更なる絞り込みの選択をしてもよく、この際、他の解約定期預金選択処理方法(1B)〜(1E)を適用する順番は、システムで定められている順番でもよく、顧客が指定した順番でもよい。解約定期預金選択処理方法(1B)〜(1E)で選択を試みて同値のものが複数存在し、選択することができなかった場合も同様であり、他の4つの解約定期預金選択処理方法のいずれかで更なる絞り込みの選択をしてもよい。
また、解約処理手段52は、証券会社システム20から解約定期預金選択処理方法(2A)〜(2E)を受信した場合には、定期預金残高が追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上の定期預金、若しくは、定期預金残高が追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額未満の定期預金を組み合わせてこれらの定期預金残高の合計額が追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上となる定期預金の組合せを抽出し、抽出した定期預金またはその組合せの中から、解約定期預金選択処理方法(2A)では、定期預金を満期まで維持した際に適用される定期預金利率αが低い定期預金若しくは定期預金残高による定期預金利率αの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(2B)では、定期預金利率αから定期預金の中途解約時に適用される中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い定期預金若しくは定期預金残高による差分利率γの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(2C)では、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い定期預金若しくは定期預金残高による経過期間Lの加重平均値の短い定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(2D)では、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値α×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択し、解約定期預金選択処理方法(2E)では、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値γ×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。なお、解約定期預金選択処理方法(2A)で、定期預金利率αやその加重平均値が最も低い値で同値となるものが複数存在し、解約する定期預金またはその組合せを選択することができなかった場合には、定期預金利率αやその加重平均値が最も低い値で同値となった定期預金またはその組合せの中から、他の4つの解約定期預金選択処理方法(2B)〜(2E)のいずれかで更なる絞り込みの選択をしてもよく、この際、他の解約定期預金選択処理方法(2B)〜(2E)を適用する順番は、システムで定められている順番でもよく、顧客が指定した順番でもよい。解約定期預金選択処理方法(2B)〜(2E)で選択を試みて同値のものが複数存在し、選択することができなかった場合も同様であり、他の4つの解約定期預金選択処理方法のいずれかで更なる絞り込みの選択をしてもよい。
そして、解約処理手段52は、解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)および(2A)〜(2E)で、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額を超える場合には、この超過金額分について、余分な解約を回避するために、選択された定期預金に含まれる一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、定期預金を満期まで維持した際に適用される定期預金利率αが高い順、定期預金利率αから定期預金の中途解約時に適用される中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が高い順、定期預金を組んでからの経過期間Lの長い順、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの大きい順、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの大きい順のうち、予め定められた順序または追証発生顧客により指定された順序で、一部解約する定期預金を選択し、一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分を決定していく処理を実行する。換言すれば、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額を超える超過金額分を、一部解約残金額分として定期預金に残すように、一部解約金額を決定していく。
また、解約処理手段52は、解約定期預金選択処理方法(3A)では、定期預金を満期まで維持した際に適用される定期預金利率αが低い順、解約定期預金選択処理方法(3B)では、定期預金利率αから定期預金の中途解約時に適用される中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い順、解約定期預金選択処理方法(3C)では、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い順、解約定期預金選択処理方法(3D)では、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい順、解約定期預金選択処理方法(3E)では、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい順のうち、予め定められた順序または追証発生顧客により指定された順序で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する処理を実行する。
追証送信処理手段53は、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高(定期預金の解約が行われた場合には、解約金額の加算を行った解約処理後の普通預金残高となる。)から、解約処理手段52により受信した追加保証金の必要金額を減算するとともに、減算して得られた追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報またはこの提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する処理を実行するものである。なお、上記の提携金融機関用の顧客識別情報から証券会社用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
定期預金口座データベース60は、図7に示すように、定期預金識別情報、定期預金残高、定期預金利率α、中途解約利率β、一部解約可否情報、定期預金の開始時期、満期等を、提携金融機関用の顧客識別情報(定期預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
普通預金口座データベース61は、図8に示すように、銀行(提携金融機関)に開設された普通預金口座の普通預金残高等を、提携金融機関用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、定期預金口座の口座番号と普通預金口座の口座番号とを特に区別することなく、同一の顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報として説明しているが、これらは、異なる口座番号としてもよく、共通の口座番号としてもよく、異なる口座番号とする場合には、これらの口座番号の対応関係を定める口座番号変換テーブルを記憶する口座番号変換テーブル記憶手段(不図示)を設けておけばよい。
そして、銀行システム50の各処理手段51〜53は、銀行システム50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、銀行システム50の各データベース60,61は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、銀行システム50は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<その他の詳細構成>
端末装置70は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。この端末装置70は、例えば携帯電話機(PHSを含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
取引市場システム80は、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システム等の金融商品の取引所システム、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)、店頭市場システム等である。
時価データ提供システム90は、コンピュータにより構成され、例えば株式等の金融商品についての時価データを提供する情報ベンダーのシステムである。なお、時価データ提供システム90は、取引市場システム80自体であってもよい。
このような第1実施形態においては、以下のようにして金融機関連携システム10により、信用取引の委託保証金の管理処理が行われる。なお、以下の処理の流れは、任意の1人の顧客(例えば、大和太郎)について着目したときの委託保証金の管理処理の流れである。
図9において、営業日の取引時間終了後に、委託保証金管理処理手段23により、時価データベース44(図6参照)に記憶された最新の時価データで、代用有価証券データベース42(図4参照)に記憶された時価単価(株価)を更新し、代用有価証券データベース42に記憶された保有数量(株数)に最新の時価データを乗じることにより、時価評価額を算出して代用有価証券データベース42に記憶された時価評価額を更新し、更新後の時価評価額に代用有価証券データベース42に記憶された代用掛目(例えば、上場株式の場合には、80%等)を乗じることにより、代用有価証券評価額を算出して代用有価証券データベース42に記憶された代用有価証券評価額を更新する(ステップS1)。さらに、委託保証金管理処理手段23により、同一顧客が担保としている全ての代用有価証券についての代用有価証券評価額を合計し、得られた代用有価証券評価額合計額で、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された代用有価証券評価額合計額を更新し、信用取引口座データベース41に記憶された現金保証金に更新後の代用有価証券評価額合計額を加算することにより、委託保証金を算出し、算出した委託保証金により、信用取引口座データベース41に記憶された委託保証金を更新する(ステップS1)。
図3および図4の例では、代用有価証券である銘柄Aについては、時価評価額が5,000株×500円=250万円であり、代用有価証券評価額が250万円×80%=200万円となる。代用有価証券である銘柄Bについては、時価評価額が5,000株×600円=300万円であり、代用有価証券評価額が300万円×80%=240万円となる。これらの銘柄Aおよび銘柄Bを合わせて、代用有価証券評価額合計額は、200万円+240万円=440万円となり、これを現金保証金の100万円に加えると、大和太郎の委託保証金は、100万円+440万円=540万円となる。
また、委託保証金管理処理手段23により、時価データベース44(図6参照)に記憶された最新の時価データで、信用残データベース43(図5参照)に記憶された時価単価(株価)を更新し、約定単価と更新後の時価単価(株価)との差額に信用残データベース43に記憶された約定数量(株数)を乗じることにより、建玉(建株)の評価損益を算出して信用残データベース43に記憶された評価損益を更新し、さらに、全ての建玉の評価損益を通算(プラスとマイナスの符号を考慮しながら加算)することにより、建玉の差引評価損益を算出し、損失が発生している場合には、その建玉差引評価損により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された建玉差引評価損を更新する(ステップS1)。
図3および図5の例では、建玉(建株)の銘柄Cについては、評価損益が(700円−1,000円)×9,000株=△270万円となる。建玉(建株)の銘柄Dについては、評価損益が(750円−650円)×8,000株=80万円となる。これらの銘柄Cおよび銘柄Dを通算すると、建玉差引評価損は、△270万円+80万円=△190万円となる。
続いて、委託保証金管理処理手段23により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されたデータを用いて、予め定められた式に従って、委託保証金率Rを算出し、算出した委託保証金率Rが、所定値(例えば、25%、20%等)未満であるか否かを判断することにより、追加保証金(いわゆる「追証(おいしょう)」)の差入れが必要であるか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、算出した委託保証金率Rが、所定値(例えば、25%等)以上であり、追加保証金の差入れが必要でないと判断した場合には、ステップS1に戻り、翌営業日に、代用有価証券および信用残の評価を行い、再び、ステップS2で、委託保証金率Rが所定値(例えば、25%、20%等)未満であるか否かを判断することにより、追加保証金の差入れが必要であるか否かを判断し、以降、このような委託保証金率Rの監視を繰り返す。
一方、ステップS2で、算出した委託保証金率Rが、所定値(例えば、25%、20%等)未満であり、追加保証金の差入れが必要であると判断した場合には、委託保証金管理処理手段23により、委託保証金率Rの大きさに従って差入期限最終日を決定し、信用取引口座データベース41(図3参照)に、追証発生日および差入期限最終日を記憶させる(ステップS3)。この際、算出した委託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上である場合には、差入期限最終日として、追証発生日(例えば1月12日)の「翌々営業日」に相当する日付(例えば1月14日)が記憶され、算出した委託保証金率Rが20%未満である場合には、差入期限最終日として、追証発生日の「翌営業日」に相当する日付(例えば1月13日)が記憶される(ステップS3)。
図3の例では、委託保証金率Rは、諸経費を考慮しないものとすると、委託保証金の540万円から、建玉差引評価損の190万円および未受渡しの損金(決済損)の0万円を差し引いた金額の350万円を、信用取引建玉金額合計額の1,500万円で除することにより、23.3%と算出される。従って、委託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上であるから、信用取引口座データベース41(図3参照)に、追証発生日(例えば1月12日)が記憶されるとともに、差入期限最終日として、追証発生日(例えば1月12日)の「翌々営業日」に相当する日付(例えば1月14日)が記憶される。
それから、委託保証金管理処理手段23により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された差入期限最終日を参照し、追証発生顧客について、差入期限最終日に向けての準備タイミング(例えば、差入期限最終日の前営業日の夜間、または差入期限最終日の当日の早朝等)が到来したか否かを判断する(ステップS4)。
ここで、差入期限最終日に向けての準備タイミングが到来していないと判断した場合には、ステップS3で、追証発生日(例えば1月12日)に、委託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上であると判断され、差入期限最終日として、追証発生日の「翌々営業日」に相当する日付(例えば1月14日)が記憶された場合であるから、前述したステップS1の場合と同様にして、追証発生日の翌営業日(例えば1月13日)における委託保証金管理処理手段23による代用有価証券や信用残の評価処理が行われる(ステップS5)。すなわち、託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上である場合には、追証差入処理手段26による追加保証金の差入処理(証券総合口座から信用取引口座への振替処理)は、追証発生日の翌々営業日(例えば1月14日)に行われるので、差入期限最終日に向けての準備(追証充当のための定期預金の解約処理等)は、追証発生日の翌営業日(例えば1月13日)の夜間または追証発生日の翌々営業日(例えば1月14日)の早朝に行えばよく、追証発生日(例えば1月12日)の夜間または追証発生日の翌営業日(例えば1月13日)の早朝に行う必要はないことから、差入期限最終日に向けての準備(追証充当のための定期預金の解約処理等)を行う前に、追証発生日の翌営業日(例えば1月13日)における委託保証金管理処理手段23による代用有価証券や信用残の評価処理(ステップS5)が行われることになる。
但し、この翌営業日(例えば1月13日)のステップS5の評価処理において、その後の相場変動に伴う代用有価証券の値上がりや建玉差引評価損の減少により、委託保証金率Rが、例えば、25%以上になっていたとしても、一旦発生した当該顧客の追加保証金の差入義務は消えず、当該顧客は、差入期限最終日(例えば1月14日)までに、委託保証金率Rが所定値(例えば30%等)以上になるように、追加保証金を差し入れなければならない。逆に、その後の相場変動に伴う代用有価証券の更なる値下がりや建玉差引評価損の更なる増加により、委託保証金率Rが、例えば、20%未満になっていたとすると、当該顧客は、その翌営業日(例えば1月14日)までに、追加保証金を差し入れなければならないことになるが、前営業日(例えば1月12日)から見て翌々営業日であるその日付(例えば1月14日)は、既に信用取引口座データベース41(図3参照)に差入期限最終日として記憶されているので、改めて差入期限最終日を記憶させる必要はない。また、ステップS5の評価処理の後に、ステップS2の場合と同様にして、他の顧客の委託保証金率Rの監視と横並びで、追証が発生したか否かを判断してもよいが、その時点(例えば1月13日)では、既にステップS3で信用取引口座データベース41に格納された追証発生日(例えば1月12日)が記憶されているので、追証が発生したという情報が記憶されている状態であることから、当該顧客については、追証が発生したか否かを判断しなくてもよい。
一方、ステップS4で、差入期限最終日に向けての準備タイミング(例えば、差入期限最終日の前営業日の夜間、または差入期限最終日の当日の早朝等)が到来したと判断した場合には、ステップS3で、追証発生日(例えば1月12日)に、委託保証金率Rが20%未満であると判断され、差入期限最終日として、追証発生日の「翌営業日」に相当する日付(例えば1月13日)が記憶された場合であるか、または、ステップS3で、追証発生日(例えば1月12日)に、委託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上であると判断され、差入期限最終日として、追証発生日の「翌々営業日」に相当する日付(例えば1月14日)が記憶され、ステップS5を通過して1日経過した場合であるから、差入期限最終日に向けての準備処理を開始する。
先ず、委託保証金管理処理手段23により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されたデータを用いて、予め定められた式に従って、追加保証金の必要金額を算出し、算出した追加保証金の必要金額を、信用取引口座データベース41に記憶させる(ステップS6)。
図3の例では、諸経費を考慮しないとすると、信用取引口座データベース41に記憶された信用取引建玉金額合計額の1,500万円に30%を乗じた金額の450万円から、現状の委託保証金の540万円(現金保証金の100万円と、代用有価証券評価額合計額の440万円とを合計した金額)を減算し、さらに、建玉差引評価損の190万円および未受渡しの損金(決済損)の0万円を加算することにより、追加保証金の必要金額は、100万円と算出される。
次に、追証要求処理手段24により、委託保証金管理処理手段23により算出されて信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されている追証発生顧客の追加保証金の必要金額、および信用取引口座データベース41に記憶されている追証発生顧客の解約定期預金選択処理方法を、当該追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム50へ送信する(ステップS7)。
銀行システム50では、解約処理手段52により、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてきた追加保証金の必要金額および解約定期預金選択処理方法を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS8)。
続いて、解約処理手段52により、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高が、受信した追加保証金の必要金額以上であるか否かを判断する(ステップS9)。そして、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上である場合には、普通預金残高の追証充当で足りることから、定期預金の解約は必要ないので、解約する定期預金の選択処理は実行しない。一方、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額よりも少ない場合には、普通預金残高の追証充当では不足することから、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上になるように、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース60(図7参照)に記憶された少なくとも1つの定期預金を選択して中途解約し、解約金額またはその合計額を普通預金口座の普通預金残高に加算する(ステップS9)。
例えば、図10に示すように、大和太郎の追加保証金の必要金額が100万円(図3参照)である場合に、大和太郎の普通預金残高が50万円であり、普通預金残高での追証充当による不足金額(追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額)が、100万円−50万円=50万円であり、大和太郎が、図示のような定期預金1〜4を組んでいたとする。
このとき、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(1A)を受信した場合には、処理(1A−1)として、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択する。図10の例では、定期預金1〜4の中から、定期預金残高が60万円である定期預金3および定期預金4を選択する。そして、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、60万円で同額となる定期預金またはその組合せがあったので、解約処理手段52により、処理(1A−2)として、定期預金利率αが低い定期預金若しくは定期預金残高による定期預金利率αの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金3の定期預金利率αが3%であり、定期預金4の定期預金利率αが2%であるから、低い方の定期預金4を選択する。
また、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(1B)を受信した場合には、処理(1B−1)として、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択する。図10の例では、定期預金1〜4の中から、定期預金残高が60万円である定期預金3および定期預金4を選択する。ここまでは、処理(1A−1)と同様である。そして、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、60万円で同額となる定期預金またはその組合せがあったので、解約処理手段52により、処理(1B−2)として、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い定期預金若しくは定期預金残高による差分利率γの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金3の差分利率γが2.5%であり、定期預金4の差分利率γが1.5%であるから、低い方の定期預金4を選択する。
さらに、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(1C),(1D),(1E)を受信した場合には、処理(1C−1),(1D−1),(1E−1)として、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択する。図10の例では、定期預金1〜4の中から、定期預金残高が60万円である定期預金3および定期預金4を選択する。ここまでは、処理(1A−1),(1B−1)と同様である。
そして、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、60万円で同額となる定期預金またはその組合せがあったので、解約処理手段52により、処理(1C−2)であれば、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い定期預金若しくは定期預金残高による経過期間Lの加重平均値の短い定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金3の経過期間Lが120日であり、定期預金4の経過期間Lが432日であるから、短い方の定期預金3を選択する。また、処理(1D−2)であれば、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値α×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金3の指標値α×Lが360.0であり、定期預金4の指標値α×Lが864.0であるから、小さい方の定期預金3を選択する。さらに、処理(1E−2)であれば、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値γ×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金3の指標値γ×Lが300.0であり、定期預金4の指標値γ×Lが648.0であるから、小さい方の定期預金3を選択する。
また、図10に示すように、大和太郎が、定期預金1〜8を組んでいる場合には、処理(1A−1),(1B−1),(1C−1),(1D−1),(1E−1)として、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択すると、定期預金残高の合計額が50万円である定期預金5,6の組合せ、および定期預金7,8の組合せが選択される。
そして、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、50万円で同額となる定期預金の組合せがあったので、解約処理手段52により、処理(1A−2)として、定期預金残高による定期預金利率αの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択する。図10の例では、定期預金5,6の組合せの定期預金利率αの加重平均値が、(20万円×3%+30万円×2%)÷(20万円+30万円)=2.4%であり、定期預金7,8の組合せの定期預金利率αの加重平均値が、(25万円×3%+25万円×2%)÷(25万円+25万円)=2.5%であるから、低い方の定期預金5,6の組合せを選択する。
なお、処理(1B−2),(1C−2),(1D−2),(1E−2)の場合も、定期預金5,6の組合せ、および定期預金7,8の組合せについて、差分利率γ(=α−β)、経過期間L、指標値α×L、指標値γ×Lの加重平均値を算出し、いずれかの組合せを選択する。
また、図11に示すように、大和太郎の追加保証金の必要金額が100万円(図3参照)である場合に、大和太郎の普通預金残高が50万円であり、普通預金残高での追証充当による不足金額(追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額)が、100万円−50万円=50万円であり、大和太郎が、図示のような定期預金9〜13を組んでいたとする。
このとき、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(2A),(2B),(2C),(2D),(2E)を受信した場合には、処理(2A−1),(2B−1),(2C−1),(2D−1),(2E−1)として、定期預金残高が追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上の定期預金を抽出するとともに、定期預金残高が追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円未満の定期預金を組み合わせてこれらの定期預金残高の合計額が追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上となる定期預金の組合せを抽出する。
図11の例では、単独で50万円以上となる定期預金として、定期預金残高が60万円の定期預金11、および定期預金残高が70万円の定期預金12を抽出する。なお、定期預金9,10,13は、定期預金残高が50万円未満であるから、単独では抽出されない。また、定期預金残高が合計で50万円以上となる定期預金の組合せとして、定期預金残高の合計額が70万円となる定期預金9,10の組合せ、定期預金残高の合計額が60万円となる定期預金9,13の組合せ、および、定期預金残高の合計額が70万円となる定期預金10,13の組合せを抽出する。なお、3つの定期預金9,10,13の組合せは、合計で50万円以上となる定期預金の組合せであるが、2つの定期預金を組み合わせれば、合計で50万円以上となるときに、更に余分な定期預金を追加して組み合わせていることになるので、このような余分な定期預金が含まれている組合せは、抽出しない。しかし、3つ以上の定期預金を組み合わせなければ、50万円以上とならない場合には、当然に、3つ以上の定期預金の組合せを抽出する。
そして、解約処理手段52により、処理(2A−1)で抽出した定期預金またはその組合せの中から、処理(2A−2)として、定期預金を満期まで維持した際に適用される定期預金利率αが低い定期預金若しくは定期預金残高による定期預金利率αの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択する。
図11の例では、定期預金11の定期預金利率αが2%であり、定期預金12の定期預金利率αが3%であり、定期預金9,10の組合せの定期預金利率αの加重平均値が、(30万円×1%+40万円×2%)÷(30万円+40万円)=1.6%であり、定期預金9,13の組合せの定期預金利率αの加重平均値が、(30万円×1%+30万円×3%)÷(30万円+30万円)=2%であり、定期預金10,13の組合せの定期預金利率αの加重平均値が、(40万円×2%+30万円×3%)÷(40万円+30万円)=2.4%であるから、最も低い定期預金9,10の組合せを選択する。
さらに、処理(2A−3)として、定期預金9,10の組合せの定期預金残高の合計額が70万円であるから、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超える超過金額分が、20万円発生する。従って、この超過金額分20万円について、解約を回避するために、定期預金9,10の中から、一部解約する定期預金を選択する。
図11の例では、定期預金9の定期預金利率αが1%であり、定期預金10の定期預金利率αが2%であるから、定期預金利率αが高い方の定期預金10を残すために、これを一部解約し、定期預金10の定期預金残高40万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を20万円とし、一部解約金額を20万円とする決定を行う。なお、超過金額分20万円について、定期預金10の一部解約だけで、一部解約残金額分への割り当てが終了したので、定期預金9については、一部解約せずに全部解約とし、一部解約残金額分をゼロとする。
また、解約処理手段52により、処理(2B−1)で抽出した定期預金またはその組合せの中から、処理(2B−2)として、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い定期預金若しくは定期預金残高による差分利率γの加重平均値の低い定期預金の組合せを選択する。
図11の例では、定期預金11の差分利率γが1.5%であり、定期預金12の差分利率γが2.5%であり、定期預金9,10の組合せの差分利率γの加重平均値が、(30万円×0.5%+40万円×1.5%)÷(30万円+40万円)=1.1%であり、定期預金9,13の組合せの差分利率γの加重平均値が、(30万円×0.5%+30万円×2.5%)÷(30万円+30万円)=1.5%であり、定期預金10,13の組合せの差分利率γの加重平均値が、(40万円×1.5%+30万円×2.5%)÷(40万円+30万円)=1.9%であるから、最も低い定期預金9,10の組合せを選択する。
さらに、処理(2B−3)として、定期預金9,10の組合せの定期預金残高の合計額が70万円であるから、処理(2A−3)の場合と同様にして、定期預金9,10の中から、一部解約する定期預金を選択する。図11の例では、定期預金10の定期預金残高40万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を20万円とし、一部解約金額を20万円とする決定を行う。なお、定期預金9については、一部解約せずに全部解約とし、一部解約残金額分をゼロとする。
また、解約処理手段52により、処理(2C−1)で抽出した定期預金またはその組合せの中から、処理(2C−2)として、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い定期預金若しくは定期預金残高による経過期間Lの加重平均値の短い定期預金の組合せを選択する。
図11の例では、定期預金11の経過期間Lが120日であり、定期預金12の経過期間Lが432日であり、定期預金9,10の組合せの経過期間Lの加重平均値が、(30万円×265日+40万円×756日)÷(30万円+40万円)=546日であり、定期預金9,13の組合せの経過期間Lの加重平均値が、(30万円×265日+30万円×555日)÷(30万円+30万円)=410日であり、定期預金10,13の組合せの経過期間Lの加重平均値が、(40万円×756日+30万円×555日)÷(40万円+30万円)=670日であるから、最も短い定期預金11を選択する。
さらに、処理(2C−3)として、定期預金11の定期預金残高が60万円であるから、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超える超過金額分が、10万円発生する。従って、この超過金額分10万円について、解約を回避するために、定期預金11を一部解約する。図11の例では、定期預金11の定期預金残高60万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を10万円とし、一部解約金額を50万円とする決定を行う。
また、解約処理手段52により、処理(2D−1)で抽出した定期預金またはその組合せの中から、処理(2D−2)として、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値α×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。
図11の例では、定期預金11の指標値α×Lが240.0であり、定期預金12の指標値α×Lが1296.0であり、定期預金9,10の組合せの指標値α×Lの加重平均値が、(30万円×265.0+40万円×1512.0)÷(30万円+40万円)=977.6であり、定期預金9,13の組合せの指標値α×Lの加重平均値が、(30万円×265.0+30万円×1665.0)÷(30万円+30万円)=965.0であり、定期預金10,13の組合せの指標値α×Lの加重平均値が、(40万円×1512.0+30万円×1665.0)÷(40万円+30万円)=1577.6であるから、最も小さい定期預金11を選択する。
さらに、処理(2D−3)として、定期預金11の定期預金残高が60万円であるから、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超える超過金額分が、10万円発生する。従って、この超過金額分10万円について、解約を回避するために、処理(2C−3)の場合と同様にして、定期預金11を一部解約する。図11の例では、定期預金11の定期預金残高60万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を10万円とし、一部解約金額を50万円とする決定を行う。
また、解約処理手段52により、処理(2E−1)で抽出した定期預金またはその組合せの中から、処理(2E−2)として、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい定期預金若しくは定期預金残高による指標値γ×Lの加重平均値の小さい定期預金の組合せを選択する。
図11の例では、定期預金11の指標値γ×Lが180.0であり、定期預金12の指標値γ×Lが1080.0であり、定期預金9,10の組合せの指標値γ×Lの加重平均値が、(30万円×132.5+40万円×1134.0)÷(30万円+40万円)=704.8であり、定期預金9,13の組合せの指標値γ×Lの加重平均値が、(30万円×132.5+30万円×1387.5)÷(30万円+30万円)=760.0であり、定期預金10,13の組合せの指標値γ×Lの加重平均値が、(40万円×1134.0+30万円×1387.5)÷(40万円+30万円)=1242.6であるから、最も小さい定期預金11を選択する。
さらに、処理(2E−3)として、定期預金11の定期預金残高が60万円であるから、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超える超過金額分が、10万円発生する。従って、この超過金額分10万円について、解約を回避するために、処理(2C−3),(2D−3)の場合と同様にして、定期預金11を一部解約する。図11の例では、定期預金11の定期預金残高60万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を10万円とし、一部解約金額を50万円とする決定を行う。
また、図12に示すように、大和太郎の追加保証金の必要金額が100万円(図3参照)である場合に、大和太郎の普通預金残高が50万円であり、普通預金残高での追証充当による不足金額(追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額)が、100万円−50万円=50万円であり、大和太郎が、図示のような定期預金14〜17を組んでいたとする。
このとき、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(3A)を受信した場合には、処理(3A−1)として、定期預金利率αが低い順で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、処理(3A−2)として、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する。
図12の例では、定期預金14、定期預金15、定期預金16の順で選択していき、定期預金16を選択した時点で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が70万円となり、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超え、超過金額分の20万円が発生するので、最後に選択した定期預金16の定期預金残高30万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を20万円とし、一部解約金額を10万円とする決定を行う。
また、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(3B)を受信した場合には、処理(3B−1)として、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)が低い順で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、処理(3B−2)として、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する。
図12の例では、定期預金14、定期預金15、定期預金16の順で選択していき、定期預金16を選択した時点で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が70万円となり、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超え、超過金額分の20万円が発生するので、最後に選択した定期預金16の定期預金残高30万円のうち、定期預金として残す方の一部解約残金額分を20万円とし、一部解約金額を10万円とする決定を行う。
また、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(3C)を受信した場合には、処理(3C−1)として、定期預金を組んでからの経過期間Lの短い順で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、処理(3C−2)として、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する。
図12の例では、定期預金16、定期預金14の順で選択していき、定期預金14を選択した時点で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が50万円となり、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円と同額となるので、超過金額分は発生しない。従って、最後に選択した定期預金14は、全部解約とする。
また、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(3D)を受信した場合には、処理(3D−1)として、定期預金利率αと経過期間Lとを乗じた指標値α×Lの小さい順で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、処理(3D−2)として、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する。
図12の例では、定期預金14、定期預金16の順で選択していき、定期預金16を選択した時点で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が50万円となり、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円と同額となるので、超過金額分は発生しない。従って、最後に選択した定期預金16は、全部解約とする。
また、解約処理手段52により、解約定期預金選択処理方法(3E)を受信した場合には、処理(3E−1)として、定期預金利率αから中途解約利率βを減じた差分利率γ(=α−β)と経過期間Lとを乗じた指標値γ×Lの小さい順で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円以上になるまで、一部解約することができる一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していき、処理(3E−2)として、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円を超えた場合には、この超過金額分が一部解約後に定期預金として残す方の一部解約残金額分となるように、最後に選択した定期預金についての一部解約金額を決定する。
図12の例では、定期預金14、定期預金16の順で選択していき、定期預金16を選択した時点で、選択した定期預金についての定期預金残高の合計額が50万円となり、追加保証金の必要金額100万円から普通預金残高50万円を減じた不足金額50万円と同額となるので、超過金額分は発生しない。従って、最後に選択した定期預金16は、全部解約とする。
続いて、追証送信処理手段53により、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高(定期預金の解約が行われた場合には、解約金額の加算を行った解約処理後の普通預金残高となる。)から、追加保証金を減算するとともに、減算した追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム20へ送信する(ステップS10)。
証券会社システム20では、追証受信処理手段25により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信し、受信した提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報または受信した証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座の預り金残高に、受信した追加保証金を加算する(ステップS11)。
その後、追証差入処理手段26により、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された差入期限最終日における所定時刻(例えば、16時30分等)になった時点で、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶された証券総合口座の預り金残高から追加保証金を減算するとともに、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報に関連付けられて信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶された信用取引口座の委託保証金残高(現金保証金カラムおよび委託保証金カラム)に、追加保証金を加算することにより、証券総合口座から信用取引口座へ追加保証金を振り替える差入処理を行う(ステップS11)。
このような第1実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、金融機関連携システム10は、追証要求処理手段24、解約処理手段52、追証送信処理手段53、および追証受信処理手段25を備えているので、信用取引を行う顧客について追加保証金の差入れが必要になった場合に、定期預金を中途解約して追加保証金に充当することができる。
このため、追加保証金の差入れが必要になった場合に、顧客は、差入期限までに行わなければならない証券総合口座への入金作業を自らの操作で行う必要がなくなるので、追加保証金の発生時における顧客の手間を軽減することができる。
また、定期預金の解約は、普通預金による追証充当では不足する場合に、その不足金額分を確保するために行われるので、普通預金による追証充当で足りれば、定期預金の解約が行われることはないことから、必要以上に定期預金の解約が行われることはなく、顧客に不測の損害が生じるおそれも回避することができる。
また、解約処理手段52は、顧客が解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)を指定した場合、またはシステムで解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)の適用が定められている場合には、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上で、かつ、最も少額となるように、解約する定期預金またはその組合せを選択することができる。このため、定期預金の解約金額を必要最小限に抑えることができ、定期預金の解約に伴う顧客の不利益を必要最小限に抑えることができる。
さらに、解約処理手段52は、顧客が解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)を指定した場合、またはシステムで解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E)の適用が定められている場合に、定期預金残高またはその合計額が同額となる定期預金またはその組合せがあるときには、定期預金利率α、差分利率γ(=定期預金利率α−中途解約利率β)、経過期間L、指標値α×L、指標値γ×Lのいずれかを用いて、解約する定期預金またはその組合せを選択することができる。このため、顧客にとって維持しておく相対価値の低い定期預金を解約することができ、定期預金の解約に伴う顧客の不利益を、より一層抑えることができる。
また、解約処理手段52は、顧客が解約定期預金選択処理方法(2A)〜(2E)を指定した場合、またはシステムで解約定期預金選択処理方法(2A)〜(2E)の適用が定められている場合には、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上の定期預金またはその組合せの中から、定期預金利率α、差分利率γ(=定期預金利率α−中途解約利率β)、経過期間L、指標値α×L、指標値γ×Lのいずれかを用いて、解約する定期預金またはその組合せを選択することができる。このため、顧客にとって維持しておく相対価値の低い定期預金を解約することができ、定期預金の解約に伴う顧客の不利益を抑えることができる。
さらに、解約処理手段52は、顧客が解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E),(2A)〜(2E)を指定した場合、またはシステムで解約定期預金選択処理方法(1A)〜(1E),(2A)〜(2E)の適用が定められている場合には、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額に、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額を超える超過金額分が生じたときに、余分な解約を回避するために、一部解約可能定期預金の中から、定期預金利率α、差分利率γ(=定期預金利率α−中途解約利率β)、経過期間L、指標値α×L、指標値γ×Lのいずれかを用いて、一部解約する定期預金の選択およびその一部解約残金額分の決定を行うことができる。このため、一部解約により超過金額分の解約を回避し、さらに、顧客にとって維持しておく相対価値の高い定期預金をなるべく多く残しておくという一部解約を実現することができるので、定期預金の解約に伴う顧客の不利益を、より一層抑えることができる。
また、解約処理手段52は、顧客が解約定期預金選択処理方法(3A)〜(3E)を指定した場合、またはシステムで解約定期預金選択処理方法(3A)〜(3E)の適用が定められている場合には、定期預金利率α、差分利率γ(=定期預金利率α−中途解約利率β)、経過期間L、指標値α×L、指標値γ×Lのいずれかを用いて、所定の順序で、一部解約可能定期預金の中から、解約する定期預金を選択していくことができる。このため、顧客にとって維持しておく相対価値の低い定期預金から順番に選択していくことができ、定期預金の解約に伴う顧客の不利益を抑えることができる。
さらに、金融機関連携システム10は、委託保証金管理処理手段23および追証差入処理手段26を備えているので、追加保証金の必要金額の算出から、信用取引口座への追加保証金の差入までの一連の処理を円滑に実行することができる。
[第2実施形態]
<金融機関連携システム200の全体構成>
図13には、第2実施形態の金融機関連携システム200の全体構成が示されている。また、図14には、金融機関連携システム200による追加保証金の差入れに関する一連の処理の流れがフローチャートで示されている。なお、前記第1実施形態の金融機関連携システム10と同様の構成を有する部分には、同一の符号を付して詳しい説明は省略し、以下では、異なる部分を中心に説明する。
図13において、金融機関連携システム200は、顧客による信用取引での金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の売買注文を受け付ける証券会社が管理する1台または複数台のコンピュータからなる証券会社システム220と、顧客の定期預金および普通預金を預かる提携金融機関(本実施形態では、一例として銀行とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる提携金融機関システムである銀行システム250とが通信回線1で接続されて構成されている。
また、証券会社システム220および銀行システム250には、通信回線2を介して顧客またはその入力代行者が操作する端末装置70が接続されている。さらに、証券会社システム220には、通信回線3を介して取引市場システム80が接続されるとともに、通信回線4を介して時価データ提供システム90が接続されている。
ここで、証券会社システム220と銀行システム250とを接続する通信回線1は、本実施形態では、一例として専用線とするが、ネットワークとしてもよい。また、証券会社システム220や銀行システム250と端末装置70とを接続する通信回線2は、本実施形態では、一例としてネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。また、証券会社システム220と取引市場システム80とを接続する通信回線3は、通常は専用線であるが、ネットワークとしてもよい。さらに、証券会社システム220と時価データ提供システム90とを接続する通信回線4は、専用線でもネットワークでもよい。
証券会社システム220は、売買処理手段221と、時価データ取得処理手段222と、委託保証金管理処理手段223と、追証要求処理手段224と、追証受信処理手段225と、追証差入処理手段226と、預金残高取得処理手段227と、解約定期預金選択処理手段228と、証券総合口座データベース240と、信用取引口座データベース241と、代用有価証券データベース242と、信用残データベース243と、時価データベース244とを含んで構成されている。
銀行システム250は、入出金処理手段251と、解約処理手段252と、追証送信処理手段253と、預金残高送信処理手段254と、定期預金口座データベース260と、普通預金口座データベース261とを含んで構成されている。
<証券会社システム220の詳細構成>
売買処理手段221、時価データ取得処理手段222、委託保証金管理処理手段223、追証受信処理手段225、および追証差入処理手段226は、前記第1実施形態の売買処理手段21、時価データ取得処理手段22、委託保証金管理処理手段23、追証受信処理手段25、および追証差入処理手段26とそれぞれ同様である。
追証要求処理手段224は、委託保証金管理処理手段223により、信用取引を行う顧客について追加保証金の差入れが必要になったと判断した場合に、委託保証金管理処理手段223により算出されて信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている追証発生顧客の追加保証金の必要金額、並びに、解約定期預金選択処理手段228により選択された定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を、当該追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム250へ送信する処理を実行するものである。なお、上記の証券会社用の顧客識別情報から提携金融機関用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
従って、前記第1実施形態の追証要求処理手段24は、前記第1実施形態の金融機関連携システム10が、銀行側で、解約する定期預金の選択処理を行う構成であることから、信用取引口座データベース41(図3参照)に記憶されている追証発生顧客の解約定期預金選択処理方法を、銀行システム50へ送信していたのに対し、本第2実施形態の追証要求処理手段224は、本第2実施形態の金融機関連携システム200が、証券会社側で、解約する定期預金の選択処理を行う構成であることから、解約定期預金選択処理手段228により選択された定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を、銀行システム50へ送信する点が異なっている。
預金残高取得処理手段227は、預金残高取得要求信号を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム250へ送信するとともに、銀行システム250から通信回線1を介して送信されてくる、銀行に開設された追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高、および銀行に開設された追証発生顧客の定期預金口座の全ての定期預金についての定期預金残高を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信する処理を実行するものである。なお、上記の証券会社用の顧客識別情報から提携金融機関用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
解約定期預金選択処理手段228は、信用取引を行う顧客について追加保証金の差入れが必要になったときに、当該追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高が、委託保証金管理処理手段223により算出されて信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている当該追証発生顧客の追加保証金の必要金額以上であるか否かを判断し、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上である場合には、普通預金残高の追証充当で足りることから、定期預金の解約は必要ないので、解約する定期預金の選択処理は実行せず、一方、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額よりも少ない場合には、普通預金残高の追証充当では不足することから、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上になるように、当該追証発生顧客の定期預金口座の中から、中途解約する少なくとも1つの定期預金を選択するとともに、選択した定期預金についての解約金額(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を含む。)を決定し、選択した定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を、追証要求処理手段224へ引き渡す処理を実行するものである。
なお、解約定期預金選択処理手段228による解約する定期預金の選択およびその解約金額の決定処理は、前記第1実施形態の解約処理手段52による解約する定期預金の選択およびその解約金額の決定処理と同様であり、信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている解約定期預金選択処理方法((1A)〜(1E),(2A)〜(2E),(3A)〜(3E)のいずれか)を適用して実行される。
証券総合口座データベース240、信用取引口座データベース241、代用有価証券データベース242、信用残データベース243、および時価データベース244は、前記第1実施形態の証券総合口座データベース40(図2参照)、信用取引口座データベース41(図3参照)、代用有価証券データベース42(図4参照)、信用残データベース43(図5参照)、および時価データベース44(図6参照)とそれぞれ同様である。
そして、証券会社システム220の各処理手段221〜228は、証券会社システム220を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社システム220の各データベース240〜244は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、証券会社システム220は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<銀行システム250の詳細構成>
入出金処理手段251、定期預金口座データベース260、および普通預金口座データベース261は、前記第1実施形態の入出金処理手段51、定期預金口座データベース60(図7参照)、および普通預金口座データベース61(図8参照)とそれぞれ同様である。
解約処理手段252は、証券会社システム220から通信回線1を介して送信されてきた追加保証金の必要金額、並びに、解約する定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を含む。)を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信したときに、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース260(図7と同様)に記憶された定期預金口座の中の受信した定期預金識別情報の定期預金を中途解約し(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を受信した場合には、一部解約し)、解約金額またはその合計額を、普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された普通預金口座の普通預金残高に加算する処理を実行するものである。なお、上記の証券会社用の顧客識別情報から提携金融機関用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
また、解約処理手段252は、証券会社システム220から、解約する定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を受信しなかった場合には、普通預金の追証充当で足りるときであるから、定期預金の解約処理は行わない。この場合は、定期預金を解約しなくても、普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された普通預金口座の普通預金残高が、解約処理手段252により受信した追加保証金の必要金額以上であることになる。
従って、前記第1実施形態の解約処理手段52は、解約する定期預金の選択処理を行う構成とされていたが、本第2実施形態では、証券会社システム220の解約定期預金選択処理手段228により、解約する定期預金の選択処理を行うので、本第2実施形態の解約処理手段252は、既に証券会社側で選択されている定期預金の解約処理を行うだけである。
追証送信処理手段253は、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された定期預金解約処理後における普通預金口座の普通預金残高(定期預金解約処理後であるから、追加保証金の必要金額以上の残高があることになる。)から、解約処理手段252により受信した追加保証金の必要金額を減算するとともに、減算して得られた追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム220へ送信する処理を実行するものである。なお、上記の提携金融機関用の顧客識別情報から証券会社用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
預金残高送信処理手段254は、証券会社システム220から通信回線1を介して送信されてくる預金残高取得要求信号を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信し、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース260(図7と同様)に記憶された追証発生顧客の定期預金口座の全ての定期預金についての定期預金残高を含む情報(定期預金識別情報、定期預金残高、定期預金利率、中途解約利率、一部解約可否情報、定期預金の開始時期、満期等)、および普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報またはこの提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム220へ送信する処理を実行するものである。なお、上記の提携金融機関用の顧客識別情報から証券会社用の顧客識別情報への変換処理は、図示されない変換テーブル記憶手段に記憶された双方の識別情報の対応関係を定める変換テーブルを用いて行われる。
そして、銀行システム250の各処理手段251〜254は、銀行システム250を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、銀行システム250の各データベース260,261は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、銀行システム250は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
このような第2実施形態においては、以下のようにして金融機関連携システム200により、信用取引の委託保証金の管理処理が行われる。なお、以下の処理の流れは、前記第1実施形態の図9の場合と同様に、任意の1人の顧客(例えば、大和太郎)について着目したときの委託保証金の管理処理の流れである。
図14において、前記第1実施形態のステップS1〜S5の処理(図9参照)と同様にして、ステップS201〜S205の処理を行う。
そして、ステップS204で、委託保証金管理処理手段223により、信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶された差入期限最終日を参照し、追証発生顧客について、差入期限最終日に向けての準備タイミング(例えば、差入期限最終日の前営業日の夜間、または差入期限最終日の当日の早朝等)が到来したか否かを判断し、差入期限最終日に向けての準備タイミングが到来したと判断した場合には、ステップS203で、追証発生日(例えば1月12日)に、委託保証金率Rが20%未満であると判断され、差入期限最終日として、追証発生日の「翌営業日」に相当する日付(例えば1月13日)が記憶された場合であるか、または、ステップS203で、追証発生日(例えば1月12日)に、委託保証金率Rが、25%未満であり、かつ、20%以上であると判断され、差入期限最終日として、追証発生日の「翌々営業日」に相当する日付(例えば1月14日)が記憶され、ステップS205を通過して1日経過した場合であるから、差入期限最終日に向けての準備処理を開始する。
先ず、預金残高取得処理手段227により、預金残高取得要求信号を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム250へ送信する(ステップS206)。
銀行システム250では、預金残高送信処理手段254により、証券会社システム220から通信回線1を介して送信されてくる預金残高取得要求信号を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS207)。
続いて、預金残高送信処理手段254により、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース260(図7と同様)に記憶された追証発生顧客の定期預金口座の全ての定期預金についての定期預金残高を含む情報(定期預金識別情報、定期預金残高、定期預金利率、中途解約利率、一部解約可否情報、定期預金の開始時期、満期等)、および普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報またはこの提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム220へ送信する(ステップS208)。
証券会社システム220では、預金残高取得処理手段227により、銀行システム250から通信回線1を介して送信されてくる、銀行に開設された追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高、および銀行に開設された追証発生顧客の定期預金口座の全ての定期預金についての定期預金残高を含む情報(定期預金識別情報、定期預金残高、定期預金利率、中途解約利率、一部解約可否情報、定期預金の開始時期、満期等)を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または証券会社用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS209)。
それから、委託保証金管理処理手段223により、信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されたデータを用いて、予め定められた式に従って、追加保証金の必要金額を算出し、算出した追加保証金の必要金額を、信用取引口座データベース241に記憶させる(ステップS210)。
続いて、解約定期預金選択処理手段228により、預金残高取得処理手段227により取得した追証発生顧客の普通預金口座の普通預金残高が、委託保証金管理処理手段223により算出されて信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている追証発生顧客の追加保証金の必要金額以上であるか否かを判断し、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上である場合には、普通預金残高の追証充当で足りることから、定期預金の解約は必要ないので、解約する定期預金の選択処理は実行せず、一方、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額よりも少ない場合には、普通預金残高の追証充当では不足することから、選択した定期預金についての定期預金残高またはその合計額が、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額以上になるように、追証発生顧客の定期預金口座の中から、中途解約する少なくとも1つの定期預金を選択するとともに、選択した定期預金についての解約金額(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を含む。)を決定し、選択した定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を、追証要求処理手段224へ引き渡す(ステップS211)。この際、解約定期預金選択処理手段228により、前記第1実施形態の解約処理手段52による解約する定期預金の選択およびその解約金額の決定処理と同様にして、信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている解約定期預金選択処理方法((1A)〜(1E),(2A)〜(2E),(3A)〜(3E)のいずれか)を適用して、解約する定期預金を選択するとともに、その解約金額を決定する。
次に、追証要求処理手段224により、委託保証金管理処理手段223により算出されて信用取引口座データベース241(図3と同様)に記憶されている追証発生顧客の追加保証金の必要金額、並びに、解約定期預金選択処理手段228により選択された定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報またはこの証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた提携金融機関用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して銀行システム250へ送信する(ステップS212)。
銀行システム250では、解約処理手段252により、証券会社システム220から通信回線1を介して送信されてきた追加保証金の必要金額、並びに、解約する定期預金についての定期預金識別情報およびその解約金額(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を含む。)を、追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報または提携金融機関用の顧客識別情報とともに受信する(ステップS213)。
続いて、解約処理手段252により、受信した追証発生顧客についての証券会社用の顧客識別情報を変換して得られた追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報または受信した追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて定期預金口座データベース260(図7と同様)に記憶された定期預金口座の中の受信した定期預金識別情報の定期預金を中途解約し(一部解約可能定期預金の場合における一部解約金額を受信した場合には、一部解約し)、解約金額またはその合計額を、普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された普通預金口座の普通預金残高に加算する(ステップS214)。
それから、追証送信処理手段253により、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報に関連付けられて普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶された定期預金解約処理後における普通預金口座の普通預金残高(定期預金解約処理後であるから、追加保証金の必要金額以上の残高があることになる。)から、解約処理手段252により受信した追加保証金の必要金額を減算するとともに、減算して得られた追加保証金を、追証発生顧客についての提携金融機関用の顧客識別情報またはこの提携金融機関用の顧客識別情報を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報とともに、通信回線1を介して証券会社システム220へ送信する(ステップS215)。
以降の証券会社システム220におけるステップS216,S217の処理は、前記第1実施形態のステップS11,S12の処理と同様である。
このような第2実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、金融機関連携システム200は、預金残高取得処理手段227、解約定期預金選択処理手段228、追証要求処理手段224、解約処理手段252、追証送信処理手段253、および追証受信処理手段225を備えているので、信用取引を行う顧客について追加保証金の差入れが必要になった場合に、定期預金を中途解約して追加保証金に充当することができる。
このため、前記第1実施形態の場合と同様に、追加保証金の差入れが必要になった場合に、顧客は、差入期限までに行わなければならない証券総合口座への入金作業を自らの操作で行う必要がなくなるので、追加保証金の発生時における顧客の手間を軽減することができる。
また、前記第1実施形態の場合と同様に、定期預金の解約は、普通預金による追証充当では不足する場合に、その不足金額分を確保するために行われるので、普通預金による追証充当で足りれば、定期預金の解約が行われることはないことから、必要以上に定期預金の解約が行われることはなく、顧客に不測の損害が生じるおそれも回避することができる。
そして、本第2実施形態の解約定期預金選択処理手段228は、前記第1実施形態の解約処理手段52の場合と同様に、解約定期預金選択処理方法として、(1A)〜(1E),(2A)〜(2E),(3A)〜(3E)を適用して、解約する定期預金を選択するとともに、その解約金額を決定することができるので、前記第1実施形態の場合と同様に、これらの解約定期預金選択処理方法の適用による効果を得ることができる。
さらに、金融機関連携システム200は、委託保証金管理処理手段223および追証差入処理手段226を備えているので、前記第1実施形態の場合と同様に、追加保証金の必要金額の算出から、信用取引口座への追加保証金の差入までの一連の処理を円滑に実行することができる。
[変形の形態]
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、信用取引の売買対象の金融商品は、株式とされていたが、これに限定されるものではなく、例えば、債券や投資信託等のその他の有価証券でもよく、あるいは、外国為替証拠金取引(FX)、ストックオプション等でもよい。
また、前記第1実施形態では、銀行システム50において、解約処理手段52により、普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶された普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上であるか否か(普通預金の追証充当で足りるか否か)を判断していたが、証券会社システム20に、銀行システム50に設けられた普通預金口座データベース61に記憶された普通預金口座の普通預金残高を取得する処理を実行する預金残高取得処理手段が設けられている場合、すなわち証券会社システム20側にも銀行システム50側と同じ普通預金口座の普通預金残高の情報がある場合には、証券会社システム20において、委託保証金管理処理手段により、普通預金口座の普通預金残高が、追加保証金の必要金額以上であるか否か(普通預金の追証充当で足りるか否か)を判断し、追加保証金の必要金額から普通預金残高を減じた不足金額を算出し、算出した不足金額(不足金額がゼロ円の場合には、普通預金の追証充当で足りるという情報となる。)を、追加保証金の必要金額とともに、追証要求処理手段により、銀行システム50へ通信回線1を介して送信するようにしてもよい。なお、この場合、証券会社システム20に設けられた預金残高取得処理手段は、演算処理上、普通預金残高が必要になったときに、銀行システム50から普通預金残高のデータを取得する構成としてもよく、あるいは、銀行システム50の普通預金口座データベース61(図8参照)に記憶されている普通預金口座の普通預金残高の更新がある都度に、銀行システム50からリアルタイムで送信されてくる更新後の普通預金残高を受信し、証券会社システム20に設けられた普通預金ミラー残データベースに記憶させる構成としてもよい。
さらに、前記第2実施形態では、預金残高取得処理手段227は、差入期限最終日に向けての準備タイミング(例えば、差入期限最終日の前営業日の夜間、または差入期限最終日の当日の早朝等)が到来してから、銀行システム250から定期預金残高および普通預金残高を取得する構成、すなわち、演算処理上、定期預金残高および普通預金残高が必要になったときに、これらのデータを銀行システム250から取得する構成とされていたが、本発明における預金残高取得処理手段は、銀行システム250の普通預金口座データベース261(図8と同様)に記憶されている普通預金口座の普通預金残高の更新がある都度に、銀行システム250からリアルタイムで送信されてくる更新後の普通預金残高を受信し、証券会社システム220の普通預金ミラー残データベースに記憶させたり、あるいは、銀行システム250の定期預金口座データベース260(図7と同様)に記憶されている定期預金口座の定期預金残高を含む情報の更新がある都度に、銀行システム250からリアルタイムで送信されてくる更新後の定期預金残高を含む情報を受信し、証券会社システム220の定期預金ミラー残データベースに記憶させる構成としてもよい。このような普通預金ミラー残データベースや定期預金ミラー残データベースを設けておけば、これらに記憶されたデータを用いて、追加保証金の差入に関する一連の処理を行うことができる。なお、普通預金ミラー残データベースまたは定期預金ミラー残データベースのいずれか一方を設け、他方のデータは、演算処理上、必要になったときに、銀行システム250から取得するようにしてもよい。
そして、前記各実施形態では、提携金融機関システムは、銀行システム50,250となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、信用金庫システム、信用組合システム、労働金庫システム等であってもよい。
また、前記各実施形態では、図9のステップS4,S5や図14のステップS204,S205に示すように、委託保証金管理処理手段23,223により、委託保証金率Rが、例えば、25%未満であり、かつ、20%以上であると判断された場合には、信用取引口座データベース41(図3参照)に、差入期限最終日として追証発生日の「翌々営業日」に相当する日付が記憶され、この差入期限最終日が参照されることにより、追証発生日の「翌々営業日」の差入のための準備処理が行われるようになっていた。このため、追証発生日の「翌営業日」に、代用有価証券や信用残の評価(図9のステップS5や図14のステップS205)が行われるものの、差入期限最終日に向けての準備処理(追加保証金の必要金額を銀行システム50,250へ送信する処理等)は、1日置いてから(つまり、図9のステップS4や図14のステップS204で、1回、「NO」という判断をしてから)、行われるようになっていた。しかし、本発明は、このような処理の流れに限定されるものではなく、1日置くことなく、差入のための準備処理(追加保証金の必要金額を銀行システム50,250へ送信する処理等)を行い、追証発生日の「翌営業日」にも、追加保証金を証券総合口座へ入金してもよく、この場合に、追証発生日の「翌営業日」における代用有価証券や信用残の評価で、代用有価証券の更なる値下がりや、建玉差引評価損の更なる増大により、更なる追加保証金が必要になったときには、再度、差入期限最終日に向けての準備処理(更なる追加保証金の必要金額を銀行システム50,250へ送信する処理等)を行い、前日(追証発生日の「翌営業日」)の証券総合口座への入金で不足する追加保証金について、追証発生日の「翌々営業日」に証券総合口座へ入金するようにしてもよい。