以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の金融機関連携システム10の全体構成が示されている。また、図2には、第1の口座データベースである証券総合口座データベース40の構成の一例が示され、図3には、普通預金ミラー残データベース41の構成の一例が示され、図4には、注文データベース42の構成の一例が示され、図5には、未済残データベース43の構成の一例が示され、図6には、保有残高データベース44の構成の一例が示され、図7には、普通預金口座(第2の口座)からの出金要求があった場合の処理に関する具体的数値例が示され、図8には、時価データベース46の構成の一例が示され、図9には、第2の口座データベースである普通預金口座データベース60の構成の一例が示され、図10には、出金指示データベース61の構成の一例が示されている。さらに、図11には、注文受付時の処理の流れがフローチャートで示され、図12には、バッチ処理の流れがフローチャートで示され、図13には、出金要求受付時の処理の流れがフローチャートで示されている。
<金融機関連携システム10の全体構成>
図1において、金融機関連携システム10は、顧客による金融商品(本実施形態では、一例として有価証券とする。)の売買注文を受け付ける第1の金融機関(本実施形態では、一例として証券会社とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる第1の金融機関システムである証券会社システム20と、顧客の普通預金を預かる第2の金融機関(本実施形態では、一例として銀行とする。)が管理する1台または複数台のコンピュータからなる第2の金融機関システムである銀行システム50とが通信回線1で接続されて構成されている。
また、証券会社システム20および銀行システム50には、通信回線2を介して顧客が操作する顧客端末装置70が接続されている。さらに、証券会社システム20には、通信回線3を介して取引市場システム80が接続されるとともに、通信回線4を介して時価データ提供システム90が接続されている。
ここで、証券会社システム20と銀行システム50とを接続する通信回線1は、本実施形態では、一例として専用線とするが、ネットワークとしてもよい。また、証券会社システム20や銀行システム50と顧客端末装置70とを接続する通信回線2は、本実施形態では、一例としてネットワークであり、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わない。また、証券会社システム20と取引市場システム80とを接続する通信回線3は、通常は専用線であるが、ネットワークとしてもよい。さらに、証券会社システム20と時価データ提供システム90とを接続する通信回線4は、専用線でもネットワークでもよい。
証券会社システム20は、普通預金残高受信処理手段21と、時価データ取得処理手段22と、注文受付処理手段23と、口座残高合計金額算出処理手段24と、取引金額総額算出処理手段25と、買付余力判断処理手段26と、発注処理手段28と、約定データ受信処理手段29と、出金指示送信処理手段30と、預り金側振替処理手段31と、決済処理手段32と、入金指示送信処理手段33と、買付余力金額算出処理手段34と、第1の口座データベースである証券総合口座データベース40と、普通預金ミラー残データベース41と、注文データベース42と、未済残データベース43と、保有残高データベース44と、時価データベース46と、約定データベース47とを含んで構成されている。
銀行システム50は、普通預金残高送信処理手段51と、出金指示受信処理手段52と、普通預金側振替処理手段53と、普通預金出金額送信処理手段54と、入金指示受信処理手段55と、入出金要求受付処理手段56と、買付余力金額取得処理手段57と、出金可否判断処理手段58と、入出金処理手段59と、第2の口座データベースである普通預金口座データベース60と、出金指示データベース61とを含んで構成されている。
<証券会社システム20の詳細構成>
普通預金残高受信処理手段21は、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として普通預金口座の口座番号とする。)または証券会社用の顧客識別情報(本実施形態では、一例として証券総合口座の口座番号とする。)とともに受信し、受信した普通預金残高を、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
この普通預金残高受信処理手段21は、銀行システム50の普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金残高の更新がある都度に、銀行システム50からリアルタイムで送信されてくる更新後の普通預金残高を、受信して直ぐに普通預金ミラー残データベース41(図3参照)に記憶させることにより、リアルタイムで普通預金ミラー残の更新処理を行う。
時価データ取得処理手段22は、時価データ提供システム90から、金融商品(本実施形態では、一例として株式とする。)の各銘柄の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)とともに、通信回線4を介して繰り返し取得し、取得した時価データを、銘柄識別情報と関連付けて時価データベース46(図8参照)に記憶させる処理を実行するものである。この時価データ取得処理手段22は、取引時間中には、最新の相場情報をリアルタイムまたは略リアルタイムで取得して時価データベース46に記憶させる。
注文受付処理手段23は、顧客端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる顧客による金融商品(本実施形態では、株式)の注文データ(顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を受信し、受信した注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報と関連付けて注文データベース42(図4参照)に記憶させる処理を実行するものである。
口座残高合計金額算出処理手段24は、注文受付処理手段23により買い注文の注文データを受信した場合に、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高またはこの預り金残高に加えてMRF残高を取得するとともに、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)から、当該顧客の普通預金残高を取得し、これらの預り金残高、および普通預金ミラー残を合計するか、または、これらの預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出する処理を実行するものである。なお、口座残高合計金額にMRF残高を加算するか否かは、顧客との契約等により顧客毎に定めるものとしてもよく、全ての顧客について一律に定めてもよく、本実施形態では、システム処理としていずれも可能であることを示すために、MRF残高を加算する場合と加算しない場合の両方の処理を並記している。
また、口座残高合計金額算出処理手段24は、顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求があった場合に、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる買付余力問合せ信号を受信した買付余力金額算出処理手段34から、出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに口座残高合計金額の算出指令を受け、買付余力金額算出処理手段34から受け取った証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高またはこの預り金残高に加えてMRF残高を取得するとともに、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)から、当該顧客の普通預金残高を取得し、これらの預り金残高、および普通預金ミラー残を合計するか、または、これらの預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出し、算出した口座残高合計金額を、買付余力金額算出処理手段34へ渡す処理を実行する。
取引金額総額算出処理手段25は、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、未済残データベース43(図5参照)から、当該顧客の未受渡しの注文(ステータスが約定済みだが未受渡しの状態を示す「約定済み」となっている注文、およびステータスが発注済みだが約定していない状態を示す「注文中」となっている注文)の取引金額を全て取得し、未済残データベース43から取得した全ての未受渡しの注文の取引金額、および注文受付処理手段23により受信して注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、買い注文の受信時における取引金額総額を算出する処理を実行するものである。そして、この取引金額総額算出処理手段25による処理で、買いの取引金額の合計金額の方が大きい場合に、買いの金額として残った取引金額総額を、本願では「買いの取引金額総額」といい、売りの取引金額の合計金額の方が大きい場合に、売りの金額として残った取引金額総額を、本願では「売りの取引金額総額」というものとする。
この際、取引金額総額算出処理手段25は、未済残データベース43(図5参照)に記憶されている約定済みだが未受渡しの注文の取引金額については、未済残データベース43に取引金額(約定金額)そのものが記憶されている場合には、その記憶されている取引金額(約定金額)を用いて取引金額総額の算出処理を行い、取引金額(約定金額)そのものが記憶されていない場合には、未済残データベース43に記憶されている約定単価と約定数量とを乗じて取引金額(約定金額)を算出してから取引金額総額の算出処理を行う。
また、取引金額総額算出処理手段25は、未済残データベース43(図5参照)に記憶されている発注済みだが約定していない注文の取引金額については、指値注文の場合には、指値と注文数量とを乗じた概算取引金額が未済残データベース43に記憶されていれば、その記憶されている概算取引金額を用いて取引金額総額の算出処理を行い、概算取引金額が記憶されていなければ、未済残データベース43に記憶されている指値と注文数量とを乗じて概算取引金額を算出してから取引金額総額の算出処理を行う。一方、成行注文の場合には、時価データ取得処理手段22により取得されて時価データベース46(図8参照)に記憶されている注文に係る銘柄についての最新の時価データと注文数量とを乗じて概算取引金額を算出してから取引金額総額の算出処理を行う。
さらに、取引金額総額算出処理手段25は、注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額については、指値注文の場合には、指値と注文数量とを乗じた概算取引金額が注文データベース42に記憶されていれば、その記憶されている概算取引金額を用いて取引金額総額の算出処理を行い、概算取引金額が記憶されていなければ、注文データベース42に記憶されている指値と注文数量とを乗じて概算取引金額を算出してから取引金額総額の算出処理を行う。一方、成行注文の場合には、時価データ取得処理手段22により取得されて時価データベース46(図8参照)に記憶されている注文に係る銘柄についての最新の時価データと注文数量とを乗じて概算取引金額を算出してから取引金額総額の算出処理を行う。
買付余力判断処理手段26は、取引金額総額算出処理手段25により算出した買い注文の受信時における取引金額総額が、買いの金額として残った買いの取引金額総額である場合(つまり、買い注文の取引金額の合計金額の方が、売り注文の取引金額の合計金額よりも大きい場合)に、口座残高合計金額算出処理手段24により算出した口座残高合計金額が、買いの取引金額総額以上であるか否かを判断することにより、買い注文の受付の可否を決定する処理を実行するものである。
また、買付余力判断処理手段26は、口座残高合計金額が、買いの取引金額総額未満であると判断した場合、すなわち買い注文を受け付けることができないと判断した場合には、買付資金が不足している旨の通知データを、通信回線2を介して顧客端末装置70へ送信する処理を行う。なお、この場合、買い注文の一部の数量を受け付けるということはなく、買い注文の全数量を一体として受け付けないことになるので、買付資金不足の通知を受けた顧客が、一部の数量について取引を成立させたい場合には、注文数量を減じた状態で、再度、買い注文を行う必要がある。
発注処理手段28は、注文受付処理手段23により受信した買い注文については、買付余力判断処理手段26により口座残高合計金額が買いの取引金額総額以上であると判断した場合、すなわち買い注文を受け付けることができると判断した場合に、一方、注文受付処理手段23により受信した売り注文については、その他の制限(例えばインサイダー取引等のコンプライアンス上の制限等)に掛からない限りにおいて全ての売り注文について、注文受付処理手段23により受信して注文データベース42(図4参照)に記憶されている注文データ(ステータスが「未発注」となっている注文)を用いて、発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して取引市場システム80へ送信する発注処理を実行するものである。
また、発注処理手段28は、発注した注文について、注文データベース42(図4参照)のステータスを「発注済み」に変更するとともに、発注した注文の注文データを、未済残データベース43(図5参照)に格納し、その注文のステータスを「注文中」にする。
約定データ受信処理手段29は、取引市場システム80から通信回線3を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、約定数量、売買区分、約定単価、約定金額等を含む。)を受信し、受信した約定データを、約定データベース47に記憶させる処理を実行するものである。
また、約定データ受信処理手段29は、未済残データベース43(図5参照)に記憶されているステータスが「注文中」となっている注文データの中から、約定データベース47に記憶させた約定データと同一の注文識別情報を有する注文データを検索し、検索した注文データのステータスを「約定済み」に変更する処理を行う。
出金指示送信処理手段30は、未済残データベース43(図5参照)に記憶された未受渡しの注文の取引金額のうち、受渡日が到来する注文(受渡日が決まっているので、当然に約定している注文となる。)の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、到来する受渡日の受渡金額総額を顧客毎に算出し、算出した受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額である場合に、算出した買いの受渡金額総額、受渡日、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくはこの証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む出金指示データを、銀行システム50へ通信回線1を介して受渡日の決済前(例えば、受渡日の前日の夜間等)に送信する処理を実行するものである。そして、この出金指示送信処理手段30による処理で、買いの取引金額の合計金額の方が大きい場合に、買いの金額として残った受渡金額総額を、本願では「買いの受渡金額総額」といい、売りの取引金額の合計金額の方が大きい場合に、売りの金額として残った受渡金額総額を、本願では「売りの受渡金額総額」というものとする。
この際、出金指示送信処理手段30による証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を用いて行う。証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を送信するか、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を送信するかは、銀行システム50で変換処理を行うか、証券会社システム20で変換処理を行うかの相違に過ぎない。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
また、出金指示送信処理手段30は、取引金額総額算出処理手段25の場合と同様に、未済残データベース43(図5参照)に記憶されている約定済みだが未受渡しの注文の取引金額については、未済残データベース43に取引金額(約定金額)そのものが記憶されている場合には、その記憶されている取引金額(約定金額)を用いて受渡金額総額の算出処理を行い、取引金額(約定金額)そのものが記憶されていない場合には、未済残データベース43に記憶されている約定単価と約定数量とを乗じて取引金額(約定金額)を算出してから受渡金額総額の算出処理を行う。
預り金側振替処理手段31は、出金指示送信処理手段30により算出した受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額である場合における処理として、銀行システム50から通信回線1を介して受渡日の決済前(例えば、受渡日当日の午前0時〜1時の時間帯等)に送信されてくる普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高からの出金額、および、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくは証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を含む振替済み出金額通知データを受信した場合に、受信した普通預金残高からの出金額と同じ金額を、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくは受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に加算する入金処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
また、預り金側振替処理手段31は、出金指示送信処理手段30により算出した受渡金額総額が、売りの金額として残った売りの受渡金額総額である場合における処理として、受渡日が到来した注文について決済を行って売りの金額として残って証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に入金処理された売りの受渡金額総額を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から減算する出金処理も実行する。つまり、売却代金は、一旦、証券総合口座(第1の口座)の預り金に入金され、その後、証券総合口座(第1の口座)の預り金から普通預金口座(第2の口座)の普通預金へ振り替えられるので、その振替処理を行う。
決済処理手段32は、受渡日が到来した注文について、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および銘柄識別情報と関連付けられて未済残データベース43(図5参照)に記憶されている数量(約定数量)を、売買区分に従って、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および同一の銘柄識別情報と関連付けられて保有残高データベース44(図6参照)に記憶されている数量(当該顧客の当該銘柄の保有数量)に加算または減算する保有数量更新処理を実行するものである。すなわち、売買区分が売り注文の場合には、保有数量から減算し、買い注文の場合には、保有数量に加算する処理を各顧客の各銘柄毎に行う。
また、決済処理手段32は、受渡日が到来した注文について、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて未済残データベース43(図5参照)に記憶されている各注文の売りの取引金額(約定金額)と買いの取引金額(約定金額)とを相殺しながら合計することにより、当該顧客の受渡金額総額を算出し、算出した当該顧客の受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額である場合には、当該顧客の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から、当該顧客の買いの受渡金額総額を減算する出金処理を、各顧客毎に実行する。なお、買付資金の不足時にMRF残高を買付資金に充当する契約等を行っている場合等には、預り金残高が不足する分についてMRF残高を預り金残高に振り替えてから、預り金残高からの出金処理を行う。一方、算出した当該顧客の受渡金額総額が、売りの金額として残った売りの受渡金額総額である場合には、当該顧客の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に、当該顧客の売りの受渡金額総額を加算する入金処理を、各顧客毎に実行する。なお、決済処理手段32は、未済残データベース43(図5参照)に取引金額(約定金額)が記憶されていない場合には、未済残データベース43に記憶されている各注文の単価(約定単価)と数量(約定数量)とを乗じて算出した取引金額(約定金額)を用いて、受渡金額総額を算出する。
入金指示送信処理手段33は、預り金側振替処理手段31により出金処理された売りの受渡金額総額、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくはこの証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む入金指示データを、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。この際、出金指示送信処理手段30の場合と同様に、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段として機能する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
買付余力金額算出処理手段34は、顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求があった場合に、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる買付余力問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに受信し、口座残高合計金額算出処理手段24へ、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに口座残高合計金額の算出指令を送り、口座残高合計金額算出処理手段24から、算出された口座残高合計金額を受け取り、さらに、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、未済残データベース43(図5参照)から、当該顧客の未受渡しの注文(ステータスが約定済みだが未受渡しの状態を示す「約定済み」となっている注文、およびステータスが発注済みだが約定していない状態を示す「注文中」となっている注文)の取引金額を全て取得し、取得した全ての未受渡しの注文の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額を算出し、算出した買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、買いの金額として残った買いの取引金額総額である場合には、口座残高合計金額算出処理手段25から受け取った口座残高合計金額から、買付余力問合せ信号の受信時における買いの取引金額総額を減算し、一方、算出した買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、売りの金額として残った売りの取引金額総額である場合には、口座残高合計金額算出処理手段25から受け取った口座残高合計金額に、買付余力問合せ信号の受信時における売りの取引金額総額を加算することにより、出金要求を行った顧客についての買付余力金額を算出し、算出した買付余力金額を、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。
なお、前述した取引金額総額算出処理手段25による買い注文の受信時における取引金額総額の算出処理では、未済残データベース43(図5参照)から取得した全ての未受渡しの注文の取引金額、および注文受付処理手段23により受信して注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計したのに対し、買付余力金額算出処理手段34による買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額の算出処理では、未済残データベース43から取得した全ての未受渡しの注文の取引金額だけが合計対象となり、買付余力問合せ信号の受信時においては、注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)は無いので、その取引金額は合計対象とはならない。
また、買付余力金額算出処理手段34による買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額の算出処理において、約定していない注文(約定単価が決まっていない注文)の取引金額については、指値を用いたり、あるいは時価データ取得処理手段22により取得されて時価データベース46(図8参照)に記憶されている注文に係る銘柄についての最新の時価データを用いて算出する点は、前述した取引金額総額算出処理手段25の場合と同様である。
証券総合口座データベース40は、図2に示すように、証券会社(第1の金融機関)に開設された証券総合口座(第1の口座)のデータとして、現金を一時的に預ける預り金残高、およびMRF(マネー・リザーブ・ファンド)残高等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
普通預金ミラー残データベース41は、図3に示すように、銀行(第2の金融機関)に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高をコピーした普通預金ミラー残、および銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)等を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
注文データベース42は、図4に示すように、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)、銘柄識別情報、売買区分、指値注文の場合の指値(指値・成行の別を含む。)、数量、概算取引金額、および注文の処理状態を示すステータス等を、注文識別情報(注文番号)と関連付けて記憶するものである。
未済残データベース43は、図5に示すように、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)、銘柄識別情報、売買区分、単価(約定単価、または指値注文の場合の指値)、数量(約定数量、または注文数量)、取引金額(約定単価と約定数量とを乗じた約定金額、または指値と注文数量とを乗じた概算取引金額)、受渡日、約定しているが未受渡しの注文であることを示す「約定済み」と発注済みだが約定していない注文(当然に未受渡しの注文)であることを示す「注文中」との別を示すステータス等を、注文識別情報(注文番号)と関連付けて記憶するものである。
保有残高データベース44は、図6に示すように、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)、銘柄識別情報、および保有数量等を対応付けて記憶するものである。
時価データベース46は、図8に示すように、時価データ取得処理手段22により時価データ提供システム90からリアルタイムで取得した最新の時価データを、銘柄識別情報(銘柄コード等)と関連付けて記憶するものである。
約定データベース47は、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)、銘柄識別情報、売買区分、約定単価、約定数量、約定金額等を、注文識別情報(注文番号)と関連付けて記憶するものである。
そして、証券会社システム20の各処理手段21〜26,28〜34は、証券会社システム20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、証券会社システム20の各データベース40〜44,46,47は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、証券会社システム20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<銀行システム50の詳細構成>
普通預金残高送信処理手段51は、普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高が更新された場合に、更新後の普通預金残高を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)またはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介してリアルタイムで送信する処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
この普通預金残高送信処理手段51による証券会社システム20への普通預金残高の送信処理は、いかなる理由で普通預金残高が更新された場合でも行われ、例えば、証券会社システム20からの出金指示や入金指示に基づく普通預金側振替処理手段53による入出金処理(証券総合口座の預り金残高との振替処理)が行われた場合、顧客端末装置70の操作により他の銀行口座への振込や定期預金の購入等が行われた場合、普通預金の利息の入金があった場合、証券会社システム20に接続されたATM(不図示)で現金を引き出す際に証券総合口座の預り金残高を超える出金であれば普通預金から充当する契約や取決め等となっているときに普通預金からの充当が行われた場合、あるいは銀行システム50に接続されたATM(不図示)の操作により他の銀行口座への振込等が行われた場合等に行われる。
出金指示受信処理手段52は、証券会社システム20から通信回線1を介して受渡日の決済前(例えば、受渡日の前日の夜間等)に送信されてくる買いの受渡金額総額(出金額)、受渡日、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくは銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む出金指示データを受信し、受信した買いの受渡金額総額(出金額)および受渡日を、受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくは受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて出金指示データベース61(図10参照)に記憶させる処理を実行するものである。この際、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
普通預金側振替処理手段53は、出金指示受信処理手段52により受信されて出金指示データベース61(図10参照)に記憶されている買いの受渡金額総額を、この買いの受渡金額総額とともに受信されて出金指示データベース61に記憶されている受渡日の決済前(例えば、受渡日当日の午前0時〜1時の時間帯等)に、受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)に関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から減算する出金処理を実行するものである。
また、普通預金側振替処理手段53は、入金指示受信処理手段55により受信した売りの受渡金額総額を、受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)に関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高に加算する入金処理も実行する。
この際、普通預金側振替処理手段53による処理で、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)から銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
普通預金出金額送信処理手段54は、普通預金側振替処理手段53により出金処理された買いの受渡金額総額を、普通預金残高からの出金額として、受渡日の決済前(例えば、受渡日当日の午前0時〜1時の時間帯等)に、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
入金指示受信処理手段55は、証券会社システム20から通信回線1を介して受渡日の決済後に送信されてくる売りの受渡金額総額を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とともに受信する処理を実行するものである。
入出金要求受付処理手段56は、顧客端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる出金要求信号(出金要求額を含む。)を受信する処理を実行するものである。この出金要求信号には、例えば、他の銀行口座への振込や定期預金の購入等に伴う普通預金残高からの出金額と、出金要求に係る顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とが含まれる。なお、本実施形態では、銀行システム50には現金自動預け払い機(ATM)は接続されていないが、ATMを設け、ATMからの出金要求(例えば、現金の引き出しや振込等)を受け付ける構成としてもよい。なお、入出金要求受付処理手段56は、顧客端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる入金要求信号(入金要求額を含む。)や、ATMからの入金要求信号(入金要求額を含む。)も受信するが、入金要求の場合は特に問題となることはないため、詳しい説明を省略する。
買付余力金額取得処理手段57は、入出金要求受付処理手段56により顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求信号(出金要求額を含む。)を受信した場合に、買付余力問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)またはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信するとともに、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる買付余力金額を受信する処理を実行するものである。この際、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)から証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)への変換処理は、これらの顧客識別情報(口座番号)の対応関係を記憶する図示されない顧客識別情報(口座番号)変換テーブル記憶手段を用いて行う。なお、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とを共通化した場合には、この変換処理は不要となる。
出金可否判断処理手段58は、買付余力金額取得処理手段57により取得した買付余力金額と、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高とのうちの小さい方の金額により出金可能額を決定し、入出金要求受付処理手段56により受信した顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が、決定した出金可能額以下であるか否かを判断することにより、出金の可否を判断する処理を実行するものである。
なお、出金可否判断処理手段58は、上記の判断処理と等価な処理として、入出金要求受付処理手段56により受信した顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が、買付余力金額取得処理手段57により取得した買付余力金額以下であり、かつ、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高以下であるか否かを判断することにより、出金の可否を判断する処理を実行してもよい。
また、出金可否判断処理手段58は、顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が出金可能額以下ではない(出金可能額を超える)と判断した場合には、出金要求を認めずに、出金することができない旨の通知データを、通信回線2を介して顧客端末装置70へ送信する。なお、ATMを設ける場合には、出金不可の通知データをATMへ送信する。また、出金要求額の一部の金額について出金を許可することはなく、出金の可否は、出金要求額を一体として行われるので、出金不可の通知を受けた顧客が、一部の金額について出金したい場合には、出金要求額を減額した状態で、再度、出金要求を行う必要がある。
入出金処理手段59は、出金可否判断処理手段58により顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が出金可能額以下であると判断した場合、すなわち出金要求を許可する判断を行った場合に、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から、出金要求額を減算する出金処理を実行するものである。なお、入出金処理手段59は、入出金要求受付処理手段56により入金要求信号(入金要求額を含む。)を受信した場合には、入金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高に、入金要求額を加算する入金処理を実行する。
普通預金口座データベース60は、図9に示すように、銀行(第2の金融機関)に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高等を、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
出金指示データベース61は、図10に示すように、受渡日および出金額(買いの受渡金額総額)を含む出金指示データを、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて記憶するものである。
そして、銀行システム50の各処理手段51〜59は、銀行システム50を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、銀行システム50の各データベース60,61は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、銀行システム50は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
<その他の詳細構成>
顧客端末装置70は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。この顧客端末装置70は、例えば携帯電話機(PHSを含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器でもよい。
取引市場システム80は、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システム等の金融商品の取引所システム、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)、店頭市場システム等である。
時価データ提供システム90は、コンピュータにより構成され、例えば株式等の金融商品についての時価データを提供する情報ベンダーのシステムである。なお、時価データ提供システム90は、取引市場システム80自体であってもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして金融機関連携システム10により注文の受付、取引市場への発注、決済、および出金要求の受付等の処理が行われる。
図11において、顧客が顧客端末装置70を操作し、顧客端末装置70から金融商品(本実施形態では、株式)の注文データ(顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を送信すると(ステップS1)、証券会社システム20では、注文受付処理手段23により、顧客端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる注文データを受信し、受信した注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、受信した注文データを、自動付与した注文識別情報と関連付けて注文データベース42(図4参照)に記憶させる(ステップS2)。
続いて、口座残高合計金額算出処理手段24により、注文受付処理手段23により受信した注文データの売買区分を参照し、受信した注文が買い注文であるか否かを判断し(ステップS3)、買い注文であると判断した場合に、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高またはこの預り金残高に加えてMRF残高を取得するとともに、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)から、当該顧客の普通預金残高を取得し、これらの預り金残高、および普通預金ミラー残を合計するか、または、これらの預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出する(ステップS4)。
例えば、図2の例に示すように、預り金残高が10万円、MRF残高が190万円であり、図3の例に示すように、普通預金ミラー残が800万円であれば、口座残高合計金額は、MRF残高を考慮しない場合には、10万円+800万円=810万円となり、MRF残高を考慮する場合には、10万円+190万円+800万円=1,000万円となる。
それから、取引金額総額算出処理手段25により、買い注文を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、未済残データベース43(図5参照)から、当該顧客の未受渡しの注文(ステータスが約定済みだが未受渡しの状態を示す「約定済み」となっている注文、およびステータスが発注済みだが約定していない状態を示す「注文中」となっている注文)の取引金額を全て取得し、未済残データベース43から取得した全ての未受渡しの注文の取引金額、および注文受付処理手段23により受信して注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、買い注文の受信時における取引金額総額を算出する(ステップS5)。
例えば、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文を6月1日に受信したとすると、この買い注文は、成行注文であるため、時価データベース46(図8参照)から、当該買い注文に係る銘柄Aについての最新の時価データ=1,000円を取得し、取得した1,000円と、注文数量の5,000株とを乗じて概算取引金額500万円を算出する。一方、未済残データベース43(図5参照)から、当該買い注文を行った顧客の未受渡しの注文として、ステータスが「約定済み」で、受渡日が6月2日となっている注文識別情報(注文番号)=1〜4の注文の取引金額を相殺しながら合計すると、300万円−200万円+500万円−400万円=200万円であるから、200万円の買いとなり、ステータスが「約定済み」で、受渡日が6月3日となっている注文識別情報(注文番号)=5〜8の注文の取引金額を相殺しながら合計すると、−700万円+400万円+500万円−500万円=−300万円であるから、300万円の売りとなり、ステータスが「注文中」となっている注文識別情報(注文番号)=9,10の注文の取引金額を相殺しながら合計すると、400万円−300万円=100万円であるから、100万円の買いとなる。従って、これらを合計すると、取引金額総額は、500万円+200万円−300万円+100万円=500万円となり、買いの金額が残るので、買いの取引金額総額500万円が算出されることになる。
続いて、買付余力判断処理手段26により、取引金額総額算出処理手段25により算出した取引金額総額が、買いの金額として残った買いの取引金額総額である場合(つまり、買い注文の取引金額の合計金額の方が、売り注文の取引金額の合計金額よりも大きい場合)に、口座残高合計金額算出処理手段24により算出した口座残高合計金額が、買いの取引金額総額以上であるか否か、すなわち買付資金があるか否かを判断することにより、買い注文の受付の可否を決定する(ステップS6)。
例えば、口座残高合計金額が1,000万円(図2、図3の例)であり、買いの取引金額総額が500万円(図4、図5の例)であれば、口座残高合計金額が買いの取引金額総額以上であるから、買い注文を受け付けることができる。
そして、買付余力判断処理手段26により買付資金が無いと判断した場合(ステップS7)には、買付余力判断処理手段26により、買付資金が不足している旨の通知データを、通信回線2を介して顧客端末装置70へ送信する(ステップS8)。顧客端末装置70では、証券会社システム20からの買付資金不足の通知データを受信し(ステップS9)、これを画面表示して顧客に提示する。
一方、ステップS7で、買付余力判断処理手段26により買付資金があると判断した場合には、発注処理手段28により、注文受付処理手段23により受信して注文データベース42(図4参照)に記憶されている注文データ(ステータスが「未発注」となっている注文)を用いて、発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、注文数量、売買区分、指値注文の場合には指値等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して取引市場システム80へ送信する発注処理を実行する(ステップS10)。
また、発注処理手段28により、発注した注文について、注文データベース42(図4参照)のステータスを「発注済み」に変更するとともに、発注した注文の注文データを、未済残データベース43(図5参照)に格納し、その注文のステータスを「注文中」にする。
その後、約定データ受信処理手段29により、取引市場システム80から通信回線3を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、約定数量、売買区分、約定単価、約定金額等を含む。)を受信し、約定データベース47に記憶させる(ステップS11)。
また、約定データ受信処理手段29により、未済残データベース43(図5参照)に記憶されているステータスが「注文中」となっている注文データの中から、約定データベース47に記憶させた約定データと同一の注文識別情報を有する注文データを検索し、検索した注文データのステータスを「約定済み」に変更する。
一方、前述したステップS3で、口座残高合計金額算出処理手段24により買い注文ではないと判断した場合には、ステップS4〜S9の処理を行うことなく、ステップS10の発注処理へ移行する。
図12において、出金指示送信処理手段30により、夜間バッチ処理として、未済残データベース43(図5参照)に記憶された未受渡しの注文の取引金額のうち、受渡日が到来する注文(受渡日が決まっているので、当然に約定している注文となる。)の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、到来する受渡日の受渡金額総額を顧客毎に算出し(ステップS21)、算出した受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額であるか否かを判断する(ステップS22)。
例えば、6月1日の夜間に、翌日の6月2日に受渡日が到来する注文の取引金額を用いて受渡金額総額を算出するとすれば、図5の例では、受渡日が6月2日となっている注文識別番号(注文番号)=1〜4の注文の取引金額を、売りと買いを相殺しながら合計すると、300万円−200万円+500万円−400万円=200万円であるから、200万円の買いが残るので、買いの受渡金額総額となる。
一方、6月2日の夜間に、翌日の6月3日に受渡日が到来する注文の取引金額を用いて受渡金額総額を算出するとすれば、図5の例では、受渡日が6月3日となっている注文識別番号(注文番号)=5〜8の注文の取引金額を、売りと買いを相殺しながら合計すると、−700万円+400万円+500万円−500万円=−300万円であるから、300万円の売りが残るので、売りの受渡金額総額となる。
そして、ステップS22で、算出した受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額である場合には、出金指示送信処理手段30により、受渡日の前日の夜間バッチ処理として、算出した買いの受渡金額総額、受渡日、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくはこの証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む出金指示データを、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する(ステップS23)。
例えば、上述した図5の例における6月2日に受渡日が到来する注文についての6月1日の夜間バッチ処理では、買いの受渡金額総額が200万円であるから、銀行システム50へ送信する出金指示データは、「証券総合口座の口座番号=大和太郎の口座番号α、買いの受渡金額総額=200万円、受渡日=6月2日、…」あるいは「普通預金口座の口座番号=大和太郎の口座番号β、買いの受渡金額総額=200万円、受渡日=6月2日、…」となる。
その後、銀行システム50では、出金指示受信処理手段52により、証券会社システム20から通信回線1を介して受渡日の前日の夜間バッチ処理で送信されてくる買いの受渡金額総額(出金額)、受渡日、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくは銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む出金指示データを受信し、受信した買いの受渡金額総額(出金額)および受渡日を、受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくは受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けて出金指示データベース61(図10参照)に記憶させる(ステップS24)。
それから、普通預金側振替処理手段53により、受渡日当日の例えば午前0時〜1時の時間帯の夜間バッチ処理で、出金指示受信処理手段52により受信されて出金指示データベース61(図10参照)に記憶されているその日が受渡日となっている注文についての買いの受渡金額総額を、出金指示データベース61(図10参照)に記憶されている銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と同じ銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)に関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から減算する出金処理を実行する(ステップS25)。これにより、普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から証券総合口座(第1の口座)の預り金残高への振替処理(スイープ処理)のうちの銀行システム50側の処理が行われることになる。
続いて、普通預金出金額送信処理手段54により、ステップS25で普通預金側振替処理手段53により出金処理された買いの受渡金額総額を、普通預金残高からの出金額として、受渡日当日の例えば午前0時〜1時の時間帯の夜間バッチ処理で、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する(ステップS26)。
そして、証券会社システム20では、預り金側振替処理手段31により、銀行システム50から通信回線1を介して受渡日当日の例えば午前0時〜1時の時間帯の夜間バッチ処理で送信されてくる普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高からの出金額、および、銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)若しくは証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を含む振替済み出金額通知データを受信し(ステップS27)、受信した普通預金残高からの出金額と同じ金額を、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくは受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に加算する入金処理を実行する(ステップS28)。これにより、普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から証券総合口座(第1の口座)の預り金残高への振替処理(スイープ処理)のうちの証券会社システム20側の処理が行われることになる。
その後、決済処理手段32により、受渡日が到来した注文について、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および銘柄識別情報と関連付けられて未済残データベース43(図5参照)に記憶されている数量(約定数量)を、売買区分に従って、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および同一の銘柄識別情報と関連付けられて保有残高データベース44(図6参照)に記憶されている数量(当該顧客の当該銘柄の保有数量)に加算または減算する保有数量更新処理を実行する(ステップS29)。すなわち、売買区分が売り注文の場合には、保有数量から減算し、買い注文の場合には、保有数量に加算する処理を各顧客の各銘柄毎に行う。
また、決済処理手段32により、受渡日が到来した注文について、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて未済残データベース43(図5参照)に記憶されている各注文の売りの取引金額(約定金額)と買いの取引金額(約定金額)とを相殺しながら合計することにより、当該顧客の受渡金額総額を算出し、算出した当該顧客の受渡金額総額が、買いの金額として残った買いの受渡金額総額である場合には、当該顧客の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から、当該顧客の買いの受渡金額総額を減算する出金処理を、各顧客毎に実行する(ステップS29)。なお、買付資金の不足時にMRF残高を買付資金に充当する契約等を行っている場合等には、預り金残高が不足する分についてMRF残高を預り金残高に振り替えてから、預り金残高からの出金処理を行う。
一方、前述したステップS22で、出金指示送信処理手段30により算出した受渡金額総額が、売りの金額として残った売りの受渡金額総額である場合には、ステップS23の出金指示の送信処理を行わずに、決済処理に移行する(ステップS30)。この場合の決済処理では、先ず、ステップS29と同様にして、決済処理手段32により、受渡日が到来した注文について、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および銘柄識別情報と関連付けられて未済残データベース43(図5参照)に記憶されている数量(約定数量)を、売買区分に従って、同一の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)および同一の銘柄識別情報と関連付けられて保有残高データベース44(図6参照)に記憶されている数量(当該顧客の当該銘柄の保有数量)に加算または減算する保有数量更新処理を実行する(ステップS30)。すなわち、売買区分が売り注文の場合には、保有数量から減算し、買い注文の場合には、保有数量に加算する処理を各顧客の各銘柄毎に行う。
また、ステップS29とは入出金が逆になる処理として、決済処理手段32により、当該顧客の証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)に関連付けられて証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に、当該顧客の売りの受渡金額総額を加算する入金処理を、各顧客毎に実行する(ステップS30)。
続いて、預り金側振替処理手段31により、ステップS30で証券総合口座(第1の口座)の預り金残高に入金処理された売りの受渡金額総額を、証券総合口座データベース40(図2参照)に記憶されている証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から減算する出金処理を実行する(ステップS31)。つまり、ステップS30で、一旦、売りの受渡金額総額を預り金残高に入金し、ステップS31で、同額を預り金残高から出金する。これにより、証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高への振替処理(スイープ処理)のうちの証券会社システム20側の処理が行われることになる。
それから、入金指示送信処理手段33により、預り金側振替処理手段31により出金処理された売りの受渡金額総額、および、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)若しくはこの証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を含む入金指示データを、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する(ステップS32)。
例えば、図5の例における6月3日に受渡日が到来する注文については、売りの受渡金額総額が300万円であるから、銀行システム50へ送信する入金指示データは、「証券総合口座の口座番号=大和太郎の口座番号α、売りの受渡金額総額=300万円、…」あるいは「普通預金口座の口座番号=大和太郎の口座番号β、売りの受渡金額総額=300万円、…」となる。
そして、銀行システム50では、入金指示受信処理手段55により、証券会社システム20から通信回線1を介して受渡日の決済後に送信されてくる売りの受渡金額総額を、証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とともに受信する(ステップS33)。
続いて、普通預金側振替処理手段53により、入金指示受信処理手段55により受信した売りの受渡金額総額を、受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)を変換して得られた銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)に関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高に加算する入金処理を実行する(ステップS34)。これにより、証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高への振替処理(スイープ処理)のうちの銀行システム50側の処理が行われることになる。
図13において、入出金要求受付処理手段56により、顧客端末装置70から通信回線2を介して送信されてくる出金要求信号(例えば、他の銀行口座への振込や定期預金の購入等に伴う普通預金残高からの出金要求額と、出金要求に係る顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)とが含まれる。)を受信すると(ステップS41)、買付余力金額取得処理手段57により、買付余力問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)またはこの銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、証券会社システム20へ通信回線1を介して送信する(ステップS42)。
証券会社システム20では、買付余力金額算出処理手段34により、銀行システム50から通信回線1を介して送信されてくる買付余力問合せ信号を、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)または証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに受信する(ステップS43)。
続いて、買付余力金額算出処理手段34により、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)とともに、口座残高合計金額の算出指令を口座残高合計金額算出処理手段24へ送る(ステップS44)。
そして、口座残高合計金額算出処理手段24により、買付余力金額算出処理手段34から受け取った出金要求を行った顧客についての証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、証券総合口座データベース40(図2参照)から、当該顧客の預り金残高またはこの預り金残高に加えてMRF残高を取得するとともに、普通預金ミラー残データベース41(図3参照)から、当該顧客の普通預金残高を取得し、これらの預り金残高、および普通預金ミラー残を合計するか、または、これらの預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出し、算出した口座残高合計金額を、買付余力金額算出処理手段34へ渡す(ステップS44)。
例えば、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の発注直後の状態、約定直後の状態、さらには、約定後に、預り金に300万円の入金があった場合(入金方法は、証券会社のATMからの入金等、任意である。)の状態を考えると、先ず、発注直後の状態および約定直後の状態では、図2および図7の例に示すように、預り金残高が10万円、MRF残高が190万円であり、図3および図7の例に示すように、普通預金ミラー残が800万円であれば、口座残高合計金額は、MRF残高を考慮しない場合には、10万円+800万円=810万円となり、MRF残高を考慮する場合には、10万円+190万円+800万円=1,000万円となる。そして、預り金に300万円が入金されると、図7の例に示すように、預り金残高が310万円、MRF残高が190万円、普通預金ミラー残が800万円となるので、口座残高合計金額は、MRF残高を考慮しない場合には、310万円+800万円=1110万円となり、MRF残高を考慮する場合には、310万円+190万円+800万円=1,300万円となる。
さらに、買付余力金額算出処理手段34により、受信した銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)を変換して得られた証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)または受信した証券会社用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)をキーとして、未済残データベース43(図5参照)から、当該顧客の未受渡しの注文(ステータスが約定済みだが未受渡しの状態を示す「約定済み」となっている注文、およびステータスが発注済みだが約定していない状態を示す「注文中」となっている注文)の取引金額を全て取得し、取得した全ての未受渡しの注文の取引金額について、売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺しながら合計することにより、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額を算出する(ステップS45)。この際、ステータスが「注文中」となっている成行注文の取引金額については、取引金額総額算出処理手段25による処理の場合と同様に、時価データ取得処理手段22により取得されて時価データベース46(図8参照)に記憶されている注文に係る銘柄についての最新の時価データと注文数量とを乗じて概算取引金額を算出してから取引金額総額の算出処理を行えばよい。
例えば、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文(6月1日受信)の発注直後の状態を考えると、この注文を発注した段階で、発注処理手段28により、注文データベース42(図4参照)のステータスが「発注済み」に変更されるとともに、この注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の注文データが、未済残データベース43(図5参照)に格納され、ステータスが「注文中」になる。この状態で、未済残データベース43(図5参照)から、当該買い注文を行った顧客の未受渡しの注文として、ステータスが「約定済み」で、受渡日が6月2日となっている注文識別情報(注文番号)=1〜4の注文の取引金額を相殺しながら合計すると、300万円−200万円+500万円−400万円=200万円であるから、200万円の買いとなり、ステータスが「約定済み」で、受渡日が6月3日となっている注文識別情報(注文番号)=5〜8の注文の取引金額を相殺しながら合計すると、−700万円+400万円+500万円−500万円=−300万円であるから、300万円の売りとなり、ステータスが「注文中」となっている注文識別情報(注文番号)=9,10,11の注文(11の注文は格納直後であり、概算取引金額500万円である。)の取引金額を相殺しながら合計すると、400万円−300万円+500万円=600万円であるから、600万円の買いとなる。従って、これらを合計すると、図7の例に示すように、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額は、200万円−300万円+600万円=500万円となり、買いの金額が残るので、買いの取引金額総額500万円が算出されることになる。その後、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の約定直後の状態を考えると、上記の発注直後の状態では、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文は、成行注文であるため、時価データベース46(図8参照)から、当該買い注文に係る銘柄Aについての最新の時価データ=1,000円を取得し、取得した1,000円と、注文数量の5,000株とを乗じて概算取引金額500万円を算出して計算に用いていたが、図7の例に示すように、注文番号=11の注文が約定して約定単価が980円となったとすれば、約定単価980円と、注文数量5,000株とを乗じて取引金額490万円となるので、この取引金額490万円を用いて計算すると、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額は、200万円(注文番号=1〜4の注文)−300万円(注文番号=5〜8の注文)+100万円(注文番号=9,10の注文)+490万円(注文番号=11の注文)=490万円となり、買いの金額が残るので、買いの取引金額総額490万円となる。
続いて、買付余力金額算出処理手段34により、算出した買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、買いの金額として残った買いの取引金額総額である場合には、口座残高合計金額算出処理手段25から受け取った口座残高合計金額から、買付余力問合せ信号の受信時における買いの取引金額総額を減算し、一方、算出した買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、売りの金額として残った売りの取引金額総額である場合には、口座残高合計金額算出処理手段25から受け取った口座残高合計金額に、買付余力問合せ信号の受信時における売りの取引金額総額を加算することにより、出金要求を行った顧客についての買付余力金額を算出し(ステップS46)、算出した買付余力金額を、銀行システム50へ通信回線1を介して送信する(ステップS47)。
例えば、図7の例に示すように、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の発注直後(注文中)の状態においては、MRF残高を考慮しない場合の口座残高合計金額が810万円であり、MRF残高を考慮する場合の口座残高合計金額が1,000万円であり、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、買いの取引金額総額500万円であるとすれば、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額は、810万円−500万円=310万円となり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額は、1,000万円−500万円=500万円となる。また、図7の例に示すように、注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の約定直後の状態においては、MRF残高を考慮しない場合の口座残高合計金額が810万円であり、MRF残高を考慮する場合の口座残高合計金額が1,000万円であり、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、買いの取引金額総額490万円であるとすれば、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額は、810万円−490万円=320万円となり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額は、1,000万円−490万円=510万円となる。さらに、図7の例に示すように、預り金に300万円を入金後の状態においては、MRF残高を考慮しない場合の口座残高合計金額が1,110万円であり、MRF残高を考慮する場合の口座残高合計金額が1,300万円であり、買付余力問合せ信号の受信時における取引金額総額が、買いの取引金額総額490万円であるとすれば、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額は、1,110万円−490万円=620万円となり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額は、1,300万円−490万円=810万円となる。
銀行システム50では、買付余力金額取得処理手段57により、証券会社システム20から通信回線1を介して送信されてくる買付余力金額を受信すると(ステップS48)、出金可否判断処理手段58により、買付余力金額取得処理手段57により取得した買付余力金額と、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高とのうちの小さい方の金額により出金可能額を決定し、入出金要求受付処理手段56により受信した顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が、決定した出金可能額以下であるか否かを判断することにより、出金の可否を判断する(ステップS49)。
例えば、図7の例に示すように、図4の例に示す注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の発注直後(注文中)の状態においては、普通預金残高が800万円であり、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額が310万円であり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額が500万円であれば、MRF残高を考慮しない場合の出金可能額は、800万円と310万円との小さい方の金額である310万円となり、MRF残高を考慮する場合の出金可能額は、800万円と500万円との小さい方の金額である500万円となる。また、図7の例に示すように、注文識別情報(注文番号)=11の買い注文の約定直後の状態においては、普通預金残高が800万円であり、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額が320万円であり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額が510万円であれば、MRF残高を考慮しない場合の出金可能額は、800万円と320万円との小さい方の金額である320万円となり、MRF残高を考慮する場合の出金可能額は、800万円と510万円との小さい方の金額である510万円となる。さらに、図7の例に示すように、預り金に300万円を入金後の状態においては、普通預金残高が800万円であり、MRF残高を考慮しない場合の買付余力金額が620万円であり、MRF残高を考慮する場合の買付余力金額が810万円であれば、MRF残高を考慮しない場合の出金可能額は、800万円と620万円との小さい方の金額である620万円となり、MRF残高を考慮する場合の出金可能額は、800万円と810万円との小さい方の金額である800万円となる。後者の場合は、買付余力金額は810万円あるが、普通預金残高がそもそも800万円しかないので、普通預金残高からの出金可能額は800万円となる。
なお、出金可否判断処理手段58により、上記の判断処理と等価な処理として、入出金要求受付処理手段56により受信した顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が、買付余力金額取得処理手段57により取得した買付余力金額以下であり、かつ、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高以下であるか否かを判断することにより、出金の可否を判断してもよい(ステップS49)。
そして、出金可否判断処理手段58により、顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が出金可能額以下ではない(出金可能額を超える)と判断した場合には、出金要求を認めずに、出金することができない旨の通知データを、通信回線2を介して顧客端末装置70へ送信する(ステップS49)。
続いて、出金可否判断処理手段58により顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求額が出金可能額以下であると判断した場合、すなわち出金要求を許可する判断を行った場合には、入出金処理手段59により、出金要求を行った顧客についての銀行用の顧客識別情報(普通預金口座の口座番号)と関連付けられて普通預金口座データベース60(図9参照)に記憶されている普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から、出金要求額を減算する出金処理を実行する(ステップS50)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、金融機関連携システム10は、証券会社システム20に、銀行に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高をコピーした普通預金ミラー残を記憶する普通預金ミラー残データベース41(図3参照)を備えているので、買い注文の受付時に、証券会社に開設された証券総合口座(第1の口座)の預り金残高やMRF残高に、この普通預金ミラー残を加算することにより、買付余力を算出することができる。このため、金融商品の買付を行うにあたり、顧客が、銀行に開設された普通預金口座(第2の口座)から、証券会社に開設された証券総合口座(第1の口座)へ資金を移動させる作業を行う必要がなくなることから、金融商品の買付時の顧客の作業負担を軽減することができるとともに、買い注文を迅速に処理することができる。
また、金融機関連携システム10は、証券会社システム20に、買付余力金額算出処理手段34および口座残高合計金額算出処理手段24を備え、銀行システム50に、買付余力金額取得処理手段57および出金可否判断処理手段58を備えているので、顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求があったときには、銀行システム50から証券会社システム20へ買付余力問合せ信号を送信し、証券会社システム20で、証券会社に開設された証券総合口座(第1の口座)の預り金残高やMRF残高に普通預金ミラー残を加算することにより算出された口座残高合計金額を用いて、買付余力金額を算出し、算出した買付余力金額を、銀行システム50へ送信し、銀行システム50で、証券会社システム20から取得した買付余力金額を用いて、出金の可否を判断することができる。このため、証券会社に開設された証券総合口座(第1の口座)の預り金残高やMRF残高の変化、および普通預金ミラー残(すなわち、銀行に開設された普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高のコピー)の変化をすべて反映させた買付余力金額を用いて、出金の可否を判断することができるので、例えば、証券会社に開設された証券総合口座(第1の口座)への預り金の入金があれば、それを反映させて銀行に開設された普通預金口座(第2の口座)からの出金可能額を判断することができ、普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から証券総合口座(第1の口座)の預り金残高への決済前の振替処理(スイープ処理)で必要となる資金を普通預金口座(第2の口座)に確保しつつ、顧客による資金移動の融通性を向上させることができる。
また、金融機関連携システム10は、受渡日が到来する注文の取引金額を、売りと買いを相殺しながら合計し、買いの金額として残った買いの受渡金額総額について、普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高から証券総合口座(第1の口座)の預り金残高へ振り替える処理(スイープ処理)を行う構成とされているので、証券会社での決済に要する資金を確保することができるため、円滑に決済処理(受渡しの処理)を実行することができる。
さらに、金融機関連携システム10は、決済を行って売りの金額として残った売りの受渡金額総額を、証券総合口座(第1の口座)の預り金残高から普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高へ振り替える処理(スイープ処理)を行う構成とされているので、売却で得られた資金(売りの取引金額と買いの取引金額とを相殺した結果、売りの金額として残った分)を、普通預金口座(第2の口座)の普通預金残高へ容易に移動させることができるため、顧客の資金移動の手間を軽減することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、売買対象の金融商品は、株式とされていたが、これに限定されるものではなく、例えば、債券や投資信託等のその他の有価証券でもよく、あるいは、外国為替証拠金取引(FX)、ストックオプション等でもよい。
また、前記実施形態では、第1の金融機関システムは、証券会社システム20となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、証券仲介業を営む業者のシステムや、銀行システム等であってもよい。
さらに、前記実施形態では、第2の金融機関システムは、銀行システム50となっていたが、これに限定されるものではなく、例えば、信用金庫システム、信用組合システム、労働金庫システム等であってもよい。
また、前記実施形態では、注文受付処理手段23により買い注文の注文データを受信したとき、および顧客による普通預金口座(第2の口座)からの出金要求があったときに、口座残高合計金額算出処理手段24により、預り金残高および普通預金ミラー残を合計するか、または、預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出する構成とされていたが、これに限定されるものではなく、口座残高合計金額を、第1の金融機関用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて記憶する口座残高合計金額データベースを設け、次のような構成としてもよい。すなわち、第1の口座データベースである証券総合口座データベース40に記憶された預り金残高やMRF残高が更新された場合、または、普通預金ミラー残データベース41に記憶された普通預金ミラー残が更新された場合に、口座残高合計金額算出処理手段により、当該更新に係る顧客の預り金残高、および普通預金ミラー残を合計するか、または、当該更新に係る顧客の預り金残高、MRF残高、および普通預金ミラー残を合計することにより、口座残高合計金額を算出し、算出した口座残高合計金額を、当該更新に係る顧客についての第1の金融機関用の顧客識別情報(証券総合口座の口座番号)と関連付けて口座残高合計金額データベースに記憶させておき、買付余力判断処理手段による判断処理時には、この口座残高合計金額データベースに記憶されている買い注文を行った顧客の口座残高合計金額を用いて、口座残高合計金額が、買いの取引金額総額以上であるか否かを判断することにより、買い注文の受付の可否を決定する処理を行い、また、買付余力金額算出処理手段による算出処理時には、この口座残高合計金額データベースに記憶されている出金要求を行った顧客の口座残高合計金額を用いて、買付余力金額を算出する処理を行ってもよい。
さらに、前記実施形態では、取引金額総額算出処理手段25により、未済残データベース43(図5参照)に記憶されている未受渡しの注文(ステータスが約定済みだが未受渡しの状態を示す「約定済み」となっている注文、およびステータスが発注済みだが約定していない状態を示す「注文中」となっている注文)の取引金額(A1とする。)のみならず、注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額(A2とする。)を含めて、買い注文の受信時における取引金額総額を算出し、買付余力判断処理手段26により、口座残高合計金額算出処理手段24により算出した口座残高合計金額(Bとする。)が、取引金額総額算出処理手段25により算出した買い注文の受信時における買いの取引金額総額以上であるか否か(B≧A1+A2であるか否か)を判断することにより、買い注文の受付の可否を決定する構成(構成K1とする。)とされていたが、取引金額総額算出処理手段により、注文データベース42(図4参照)に記憶されている未発注の買い注文(これから発注可能か否かを判断する注文)の取引金額A2を含めずに、未済残データベース43(図5参照)に記憶されている未受渡しの注文の取引金額A1だけで買い注文の受信時における買いの取引金額総額を算出し、買付余力判断処理手段により、口座残高合計金額算出処理手段24により算出した口座残高合計金額Bから、取引金額総額算出処理手段により算出した買いの取引金額総額(これから発注可能か否かを判断する注文の取引金額を含めていない状態の金額)を減算して買付余力金額(B−A1)を算出し、買付余力金額(B−A1)が、これから発注可能か否かを判断する注文の取引金額A2以上であるか否か(B−A1≧A2であるか否か)を判断することにより、買い注文の受付の可否を決定する構成(構成K2とする。)としてもよい。なお、これらの構成K1,K2の処理は、B≧A1+A2を判断するか、B−A1≧A2を判断するかの相違であり、実質的に同等な処理であるため、本願の請求項において双方を並記する体裁をとっていないが、請求項において、構成K1のみを記載していることは、構成K2を排除する趣旨ではなく、構成K2が構成K1に含まれるものとしている。