JP5709380B2 - フッ素樹脂水性分散体および塗料組成物 - Google Patents

フッ素樹脂水性分散体および塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水性塗料組成物として好適で貯蔵安定性に優れたフッ素樹脂水性分散体に関する。
従来、水性の架橋型フッ素樹脂組成物を耐候性水性塗料用樹脂として利用する技術が知られているが、かかる架橋型水性塗料は一般に、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性、塗膜硬度などの点で架橋型溶剤塗料にくらべて性能が劣る。
これを改良するために、水性塗料に使用する架橋型フッ素樹脂の開発も検討されているが、現時点では不充分である。たとえばクロロトリフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンと架橋性官能基含有モノマーとの共重合体の例としては、特許文献1および特許文献2などがある。しかしながら、これらは乳化重合により官能基含有フルオロオレフィン共重合体を製造しており、樹脂の分子量が比較的高くなっているため樹脂と硬化剤の相溶性が低い。また架橋性官能基含有モノマーが水に対する安定性に劣ることもあって導入される架橋性官能基の含有量が少ないことから常温での硬化性が不充分であり、造膜性が低く、塗膜の架橋密度も低い。これらのため、塗膜の耐溶剤性、耐薬品性、耐久性、耐候性、硬度に劣る。
また、フッ化ビニリデン重合体と架橋性官能基を有するアクリル重合体との組成物として特許文献3および特許文献4などが知られている。しかしながら、これらのフッ素樹脂には架橋性官能基が導入されておらず、フッ素樹脂とアクリル樹脂との間に化学結合が生じず、得られた塗膜の塗膜全体の架橋密度は低く、またフッ素樹脂と架橋反応した後のアクリル樹脂とは相溶性が低いため、塗膜の耐水性、耐溶剤性、耐汚染性、硬度が不充分となっている。
特許文献5には、フルオロオレフィンと水酸基含有アルキルビニルエーテルとイソブチレンとクロトン酸またはトリメリット酸を溶液重合させた含フッ素共重合体を含む塗料組成物が、皮革などの軟質(可撓性に富む)基材の塗装に好適であり、防汚性や層間密着性に優れた塗膜が形成できると記載されている。
また特許文献6には、フルオロオレフィン、水酸基含有単量体および不飽和カルボン酸を溶液重合して得られるフッ素樹脂を中和して得た水性分散体を含む塗料組成物が、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性、硬度、耐候性、耐久性に優れた塗膜を与えることが記載されている。共重合可能な任意の単量体として、非フッ素系のオレフィン類などが記載されているが、具体的なそれらの共重合体についての開示はない。
米国特許第5,548,019号明細書 特開平7−324180号公報 特開平7−268163号公報 特開2001−072725号公報 特開2009−520087号公報 特開2009−046689号公報
本発明者らは、これらのフッ素樹脂水性塗料組成物を検討したところ、硬化剤との相溶性および貯蔵安定性(シェルフライフ)に改善の余地があることが分かり、これらの課題に焦点を合わせて検討し、本発明を完成するに至った。
本発明は、パーハロオレフィン単位と炭素数2〜4の非フッ素ビニル単量体単位とウンデシレン酸単位と水酸基含有ビニル単量体単位を含む含フッ素共重合体またはその中和物を含むフッ素樹脂水性分散体に関する。
本発明において、含フッ素共重合体は、パーハロオレフィン単位を30〜70モル%と非フッ素ビニル単量体単位を5〜35モル%、水酸基価を10〜200mgKOH/gの範囲にする量の水酸基含有ビニル単量体単位を含み、かつ酸価を10〜100mgKOH/gの範囲にする量のウンデシレン酸単位を含むことが好ましい。
また、パーハロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が、非フッ素ビニル単量体としては、イソブチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンおよび酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が、水酸基含有ビニル単量体としては、水酸基含有アルキルビニルエーテル、水酸基含有ビニルエステルおよび水酸基含有アリルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、本発明において、含フッ素共重合体は、芳香族ビニル単量体、水酸基非含有ビニルエーテル、水酸基非含有アリルエーテルおよび水酸基非含有ビニルエステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位をさらに含んでいてもよい。
含フッ素共重合体は、溶液重合で得られた共重合体であることが好ましい。
本発明はまた、本発明の含フッ素共重合体またはその中和物の水性分散体と硬化剤とを含むフッ素樹脂水性塗料組成物にも関する。
なお、本発明における酸価および水酸基価は、つぎの方法で算出した計算値である。
(水酸基価算出方法)
生成したポリマー、ポリマー溶液、残存モノマー量の分析およびモノマー仕込み量から、ポリマー中のモノマー組成を算出する。つぎに、その全モノマー組成と水酸基含有モノマーの組成からポリマー中の水酸基価を算出する。
(酸価算出方法)
生成したポリマー、ポリマー溶液、残存モノマー量の分析およびモノマー仕込み量から、ポリマー中のモノマー組成を算出する。つぎに、その全モノマー組成とカルボキシル基含有モノマーの組成からポリマー中の酸価を算出する。
本発明は、硬化剤との相溶性および貯蔵安定性(シェルフライフ)が改善されたフッ素樹脂水性塗料組成物および該塗料組成物を与えるフッ素樹脂水性分散体を提供することができる。
本発明のフッ素樹脂水性分散体は、パーハロオレフィン単位と炭素数2〜4の非フッ素ビニル単量体単位とウンデシレン酸単位と水酸基含有ビニル単量体単位を含む含フッ素共重合体またはその中和物を含む。
以下、各単量体について説明する。
パーハロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などの1種または2種以上があげられる。好ましいフルオロオレフィンとしては、TFEまたはHFP、特にTFEがあげられ、フッ素含有量の多いフルオロオレフィン共重合体を提供でき、フッ素樹脂の有利な効果、たとえば耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性、耐候性などに優れた塗膜を与える。
パーハロオレフィン単位の含有量は、30〜70モル%が好ましい。この範囲で、硬化剤との相溶性が良好であり、耐候性、耐溶剤性などの好ましい特性が得られる。さらには35〜55モル%、特に40〜50モル%が好ましい。
炭素数2〜4の非フッ素ビニル単量体としては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、酢酸ビニルなどがあげられ、これらのなかでも、特にパーハロオレフィンとの共重合性が良好で、透明性の向上やガラス転移温度を下げて柔軟性を改善する点からイソブチレンが好ましい。
非フッ素ビニル単量体単位の含有量は、5〜35モル%が好ましい。この範囲でパーハロオレフィンとの共重合がスムーズに進行し、硬化剤との相溶性が特に良好になるなどの好ましい特性が得られる。さらには15〜30モル%が好ましい。
水酸基含有ビニル単量体としては、たとえば式(I):
CH2=CHR1 (I)
(式中、R1は−OR2または−CH2OR2(ただし、R2は水酸基を有するアルキル基である))で表わされる水酸基含有アルキルビニルエーテルや水酸基含有アルキルアリルエーテルがあげられる。R2としては、たとえば炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に1〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものである。これらの例としては、たとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられる。これらのなかでも、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルが重合反応性、硬化性が優れる点で好ましい。
他の水酸基含有ビニル単量体としては、たとえばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが例示できる。
水酸基含有ビニル単量体単位の含有量は、得られる含フッ素共重合体の水酸基価を10〜200mgKOH/gの範囲にする量が好ましい。この範囲の場合、耐溶剤性、耐汚染性などの好ましい特性が得られる。水酸基価としては、10mgKOH/g以上、さらには30mgKOH/g以上、特に50mgKOH/g以上の水酸基価を有していることが、架橋密度が高く、耐汚染性、耐候性、硬度に優れる点で好ましい。また水酸基価の上限は200mgKOH/g、好ましくは150mgKOH/gであることが塗膜に可とう性を付与する点で有利である。
ウンデシレン酸は炭素数11の直鎖の不飽和カルボン酸であり、クロトン酸に比べて炭化水素鎖が長く硬化剤との相溶性を大きく改善でき、また、トリメリット酸を用いてのカルボキシル基を導入した場合に生じるようなエステル結合を生じないので、エステルの開裂による貯蔵安定性の低下もない。しかも、単独重合体ができにくく、重合反応性が良好で難加水分解性であるなどの点で好ましい。
ウンデシレン酸単位の含有量は、得られる含フッ素共重合体の酸価を10〜100mgKOH/gの範囲にする量が好ましい。この範囲の場合、硬化剤との相溶性と水分散性とのバランスが良好となる。なかでも、酸価を10〜80mgKOH/g、特に15〜60mgKOH/gの範囲にする量が好ましい。
本発明において、本発明の課題の解決を損なわない範囲でさらに他の単量体を共重合してもよい。共重合可能な他の単量体としては、たとえば芳香族ビニル単量体、水酸基非含有ビニルエステル、水酸基非含有ビニルエーテルなどがあげられる。芳香族ビニル単量体は共重合体のガラス転移温度を上げる効果があり、塗膜の硬度や耐汚染性を向上させる効果がある。また、水酸基非含有ビニルエステル、水酸基非含有ビニルエーテルは、塗膜のガラス転移温度の調整や光沢の向上という効果がある。
本発明で用いる含フッ素共重合体は溶液重合法で製造することが、分子量の調整の点から好ましい。溶液重合で製造することで簡便に数平均分子量が数千から10万以下の高分子量体を得ることができ、この範囲の分子量の高分子量体は造膜性、レベリング性、塗膜の線密性が優れる点で好ましい。
溶液重合条件は特開昭62−143915号公報、特開昭63−152677号公報、特開平1−249866号公報などに記載のものが採用される。
好ましくは、有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、重合温度10〜90℃にて1〜20時間重合反応を行なう。
有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert−ブタノール、iso−プロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルスルホキシドなど、またはこれらの混合物などがあげられる。これらのなかでは、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルがフッ素樹脂の溶解性の点で有利である。
重合開始剤としては、たとえばオクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;イソプロポキシカルボニルパーオキサイド、tert−ブトキシカルボニルパーオキサイドなどのジアルコキシカルボニルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレートなどのアルキルパーオキシエステル類;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類(さらに必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元剤も併用できる);酸化剤(たとえば過酸化アンモニウム、過酸化カリウムなど)と還元剤(たとえば亜硫酸ナトリウムなど)および遷移金属塩(たとえば硫酸鉄など)からなるレドックス開始剤類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンテン酸)などのアゾ系化合物などが使用できる。
さらに必要に応じて、分子量調整剤としてメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類なども使用してもよい。
かくして得られる含フッ素共重合体の分子量は数平均分子量で100,000以下、好ましくは50,000以下のものが溶液重合性の点で好ましく、4,000以上、特に8,000以上のものが耐候性、耐久性に優れる点で好ましい。
以下に好ましい具体的な含フッ素共重合体を例示するが、これらに限定されるものではない。
TFE/ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)/イソブチレン(IB)/ウンデシレン酸/安息香酸ビニル(VBz)/ピバリン酸ビニル共重合体、TFE/ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)/酢酸ビニル/ウンデシレン酸/安息香酸ビニル/ピバリン酸ビニル共重合体、TFE/ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)/イソブチレン/バーサティック酸ビニル/ウンデシレン酸共重合体、TFE/酢酸ビニル/イソブチレン/バーサティック酸ビニル/ウンデシレン酸共重合体。
ウンデシレン酸によって導入されるカルボキシル基は、含フッ素共重合体を水に分散しやすくし、安定な水性分散体を形成するためのものだけでなく、架橋に用いてもよい。
本発明の水性分散体は、上記の含フッ素共重合体の重合反応溶液を撹拌下に水中に投入するか、撹拌下に重合反応溶液に水を加えることによって調製できる。
カルボキシル基はそのままでも水分散性を与えるが、アルカリで中和して水溶性または水分散性とすることにより、より一層水分散性が向上する。具体的には、たとえばアンモニウム塩、アミン塩またはアルカリ金属塩などとすることが好ましい。
中和は、水と混合する前、混合する際、または混合後に行ない、水溶性または水分散性の官能基に変換する。
中和に使用する中和剤としては、アンモニア;ジエチルアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、エチルアミノエチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルアミンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物などがあげられる。これらのうちアンモニア、トリエチルアミン、ジエタノールアミンが入手の利便性、エマルションの安定性などの点で好ましく、特にアンモニアとトリエチルアミンが取り扱い性容易の点で有利である。
中和剤は、水溶液の形態で使用することが好ましいが、ガスまたは固形分の形態で使用してもよい。
中和は、含フッ素共重合体が有する酸価のうち、5mgKOH/g以上、好ましくは10mgKOH/g以上、また70mgKOH/g以下、そして好ましくは50mgKOH/g以下に相当するカルボキシル基を中和剤で中和すればよい。
本発明のフッ素樹脂水性分散体の固形分濃度は、塗装効率がよいことから通常20質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、また貯蔵安定性の点から70質量%以下、好ましくは60質量%以下である。
水性分散体の貯蔵安定性を向上させるために、さらに界面活性剤を使用してもよい。好ましい界面活性剤としては、たとえばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの組み合わせを使用することができ、場合により両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を使用することもできる。
アニオン性界面活性剤としては、たとえば高級アルコールの硫酸エステルのナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスクシネートスルホン酸のナトリウム塩またはアルキルジフェニルエーテルスルホン酸のナトリウム塩などを使用することができる。これらの中で好ましい具体例は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフェニル)エーテルスルホネート等である。非イオン性界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルなどを使用することができる。好ましい具体例は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等である。両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン等が好適である。カチオン性界面活性剤としては、たとえばアルキルピリジニウムクロリド、アルキルアンモニウムクロリド等を使用することができる。また、単量体と共重合性の乳化剤、たとえばスチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム等も使用することができる。
水性分散体中の含フッ素共重合体の粒子の粒子径は、通常50nm以上、好ましくは100nm以上であり、また300nm以下、好ましくは200nm以下である。
本発明はまた、本発明のフッ素樹脂水性分散体と硬化剤とを含む水性塗料組成物にも関する。
本発明のフッ素樹脂水性塗料組成物の硬化剤としては、非ブロック型イソシアネート化合物、ブロック型イソシアネート化合物、メラミン樹脂などがあげられる。
非ブロック型イソシアネート化合物は、常温での硬化性に優れており、また架橋反応性の点でも優れている。
なお非ブロック型イソシアネート化合物とは、アルコールやオキシム化合物とイソシアネート化合物との反応で得られるブロック型イソシアネート化合物以外の、通常のイソシアネート化合物のことをいう。
非ブロック型イソシアネート化合物としては、特開平11−310700号公報、特開平7−330861号公報、特開昭61−291613号公報などに記載されているポリエチレンオキシド化合物で変性された非ブロック型イソシアネート化合物が好適である。
具体的には、ポリエチレンオキシド化合物で変性した非ブロック型脂肪族ポリイソシアネート化合物または非ブロック型芳香族ポリイソシアネート化合物が例示される。これらのなかでは、耐候性に優れる点から非ブロック型脂肪族系イソシアネート化合物が好ましい。
脂肪族ポリイソシアネート化合物のうち鎖状脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、たとえばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(=ヘキサメチレンジイソシアネート)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプトロエートなどのジイソシアネート類;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタンなどのポリイソシアネート類が例示できる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物のうち脂環族ポリイソシアネート化合物としては、たとえば1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどのジイソシアネート類;1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどのポリイソシアネート類が例示できる。
芳香族系イソシアネート化合物としては、たとえばトリレンジイソシアネーなどがあげられる。
これらのイソシアネート化合物は単独でまたは2種以上組合わせて使用してもよい。
変性剤であるポリエチレンオキシド化合物としては、たとえばポリオキシエチレンモノオクチルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノセチルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンC8〜24アルキルエーテル、好ましくはポリオキシエチレンC10〜22アルキルエーテル、特にポリオキシエチレンC12〜18アルキルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;たとえばポリオキシエチレンモノオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノデシルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC8〜12アルキル−C6〜12アリールエーテルなどのポリオキシエチレンモノアルキルアリールエーテル類;たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン−モノ、ジまたはトリC10〜24脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;たとえばポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンモノC10〜24脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンモノ高級脂肪酸エステル類などのノニオン性乳化剤として知られている化合物が例示できる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組合わせて使用できる。好ましいものとしては、水分散性が容易である点からポリオキシエチレンC8〜24アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8〜12アルキルフェニルエーテルがあげられる。
変性は、たとえば、溶液中にてイソシアネート化合物を変性剤と混合し、加熱して反応させるなどの方法で行なうことができる。
前記ポリイソシアネート化合物と変性剤との割合は、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基1当量に対して、変性剤の活性水素原子0.01〜0.034当量、好ましくは0.015〜0.03当量程度の範囲から選択できる。
ポリエチレンオキシド変性の非ブロック型イソシアネート化合物の市販品としては、たとえば住友バイエルウレタン(株)製のバイヒジュール3100、バイヒジュールTPLS2150など;旭化成(株)製のデュラネートWB40−100などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
非ブロック型イソシアネート化合物は、通常、水溶液または水分散液の形態で使用する。
ブロック型イソシアネート化合物としては、住化バイエルウレタン(株)製スミジュールBL3175、旭化成(株)製のデュラネートTPA−B80Eなどの公知の硬化剤が使用できる。
さらに硬化を促進するために、公知の硬化促進剤を併用してもよい。硬化促進剤としては、たとえばジブチル錫ジラウレートなどが例示できる。
フッ素樹脂水性分散体(固形分)100質量部に対する硬化剤の混合割合は、5〜100質量部であり、10〜30質量部が好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて他の樹脂や水性塗料に使用される通常の添加剤を配合してもよい。
他の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられる。
また、上記のように他の樹脂をブレンドする以外に、上記の溶液重合法で製造した含フッ素共重合体と他の樹脂とを複合化してもよい。この複合化は、たとえば溶液重合で製造した含フッ素共重合体を水性分散体とし、他の非フルオロオレフィンをシード重合(乳化重合)することにより行なうことができる(たとえば特開2002−179871号公報参照)。また、溶液重合で製造した含フッ素共重合体を高分子乳化剤または高分子分散剤として存在させ、非フルオロオレフィンを乳化重合することによっても製造できる(たとえば特開平7−238253号公報参照)。乳化重合で製造された複合化重合体はエマルションの形態で得られる。
本発明の水性塗料組成物には、たとえば界面活性剤、顔料、分散剤、増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤などを配合してもよい。
界面活性剤としては、水性分散体の安定化についての説明で例示したものが使用できる。
また、増粘剤としてはプライマルQR708(ロームアンドハース社製)などが、消泡剤としてはByk023(ビックケミージャパン(株))などが、分散剤としてはByk190(ビックケミージャパン(株))、SNディスパーサント5027(サンノプコ(株))などが例示できる。
本発明の水性塗料組成物は、耐候性塗料、電着塗料、コイルコート用塗料、自動車用塗料、落書き防止用塗料、重防食塗料など各種の塗料材料として有用である。塗装方法としてはそれらの塗料に採用されている通常の塗装方法、たとえばロールコート、ディッピング、刷毛塗り、スプレー、ローラーなどや、電着塗装法などが採用できる。
本発明の組成物から形成した塗膜は常温で硬化させてもよいし、加熱して硬化を促進させてもよい。
硬化して得られた塗膜は、充分に硬化(架橋)が進んでおり、塗膜強度、柔軟性(可撓性)、耐溶剤性、耐汚染性が向上しており、外観も平滑で、艶むら、くすみなどの塗膜欠陥も減少している。
したがって、本発明の塗料組成物は、塗装時の臭気も少なく、耐溶剤性、レベリング性および耐久性に優れた塗膜を形成することができるため、幅広い用途で使用可能である。例えば重防食塗料として橋梁、タンクあるいは外装用としては外壁、手摺り、門扉、シャッター、窓枠などの一般住宅外装、ビル外装など、窯業系サイジング材、発泡コンクリートパネル、コンクリートパネル、アルミカーテンウォール、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、プラスチック(ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネートなど)などの建築用外装材、窓ガラス、自動車ボディ、航空機外装、その他幅広い用途の塗装に特に有効である。
つぎに本発明を合成例および実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
合成例1
2Lステンレス製オートクレーブに酢酸ブチル900g、安息香酸ビニル21.3g、ピバリン酸ビニル36.8g、ヒドロキシブチルビニルエーテル67.1g、ウンデシレン酸21.4gを加え、窒素置換し、イソブチレン42.3g、テトラフルオロエチレン100gを加え、槽内を60℃まで昇温した。これに撹拌下パーブチルPV(日本油脂(株)製のラジカル重合開始剤)3gを加え、反応を開始した。反応中は槽内が0.80MPaとなるようにテトラフルオロエチレンを連続供給した。反応開始1時間後に槽内の温度を65℃へ、反応開始2時間後には槽内の温度を70℃へ上昇させた。反応開始後3.5時間後にパーブチルPV1.5gを追加し、反応を継続した。重合開始6時間後にテトラフルオロエチレンが合計228g供給された時点でテトラフルオロエチレンの供給を止め、槽内を80℃で1時間加熱した。その後槽内を常温常圧に戻して重合を停止し、含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液1247g(固形分濃度28質量%)を得た。
得られた共重合体は、テトラフルオロエチレン45.0モル%、イソブチレン22.1モル%、安息香酸ビニル4.2モル%、ピバリン酸ビニル8.4モル%、ヒドロキシブチルビニルエーテル16.9モル%、ウンデシレン酸3.4モル%の組成で数平均分子量(Mn)13000、水酸基価100mgKOH/g、酸価20mgKOH/g、フッ素含有量36.4質量%であった。
得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、固形分濃度54質量%の濃縮液を得た。これを含フッ素共重合体1とする。
500mlポリカップに含フッ素共重合体1を100g、エタノール100g、トリエチルアミン1.98gを入れ、ホモディスパーで撹拌し、カルボキシル基を中和した。その後、撹拌しながら150gの純水を徐々に加えた。得られた溶液をエバポレーターを用いて有機溶剤を留去し、184gの水性分散体(固形分濃度30.4質量%)を得た。これをフッ素樹脂水性分散体1とする
合成例2(比較)
2Lステンレス製オートクレーブにアセトン850g、ピバリン酸ビニル185.9g、ヒドロキシブチルビニルエーテル57.1g、ウンデシレン酸46.7gを加え、窒素置換し、テトラフルオロエチレン119gを加え、槽内を65℃まで昇温した。これに撹拌下にパーブチルPV3.16gを加え、反応を開始した。反応中は槽内が0.80MPaとなるようにテトラフルオロエチレンを連続供給した。反応開始0.5時間後に槽内の温度を70℃へ上昇させた。重合開始1時間後にテトラフルオロエチレンが合計200g供給された時点でテトラフルオロエチレンの供給を止め、パーブチルPV0.5gを加え、槽内を75℃で1時間加熱した。その後槽内を常温常圧に戻して重合を停止し、含フッ素共重合体のアセトン溶液1251g(固形分濃度30質量%)を得た。これを含フッ素共重合体2とする。
得られた含フッ素共重合体2を分析するとフッ素含有量が25.0質量%であった。想定したフッ素含有量32.0質量%より大幅に低いことから、共重合性が悪く、TFEがポリマー内に組み込まれていないと考えられる。
合成例3(比較)
3000mlのステンレス製オートクレーブの中に250gの酢酸ブチル、35gのピバリン酸ビニル、32gのヒドロキシブチルビニルエーテル、20gの安息香酸ビニル、3.5gのクロトン酸および4.0gのイソプロポキシカルボニルパーオキシドを注入し、0℃へ水冷し、その後減圧下で脱気した。そこにイソブチレン40gおよびテトラフルオロエチレン140gを添加し、25時間撹拌しながら40℃に加熱した。反応器の内部の圧力が0.44MPaから0.24MPaに減少したときに反応を終了した。
得られた共重合体はテトラフルオロエチレン45モル%、イソブチレン28.5%、ピバリン酸ビニル10モル%、安息香酸ビニル5モル%、クロトン酸1.5モル%、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)10モル%の組成で数平均分子量(Mn)20000、水酸基価60mgKOH/g、酸価9mgKOH/g、フッ素含有量36質量%であった。これを含フッ素共重合体3とする。
200gの含フッ素共重合体3(固形分濃度50質量%)に、16gのアセトンに溶解した4.11gの無水トリメリット酸および0.82gのトリエチルアミンを加えた。33gのアセトンを加えた後、混合物を58℃に加熱し、9時間還流した。酸無水物の完全な転化を赤外分光法により観察した。反応混合物を40℃に冷却し、166gのエタノールで希釈し、4.86gのトリエチルアミンを加えた後、40℃で15分間保った。その後、40℃で激しく撹拌しながら1時間をかけて577gの純水を加えた。ポリマーの分散後、溶剤および純水を留去し、225gのエマルション(固形分濃度40質量%)を得た。これをフッ素樹脂水性分散体2とする。
実施例1
フッ素樹脂水性分散体1を70質量部、Bayhydur 3100(住化バイエルウレタン(株)製:イソシアネート硬化剤)14質量部、純水14質量部を充分に混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物をスプレーガンを用い、ガラス板に塗布し、80℃で4時間乾燥させ、硬化塗膜(乾燥膜厚:23μm)を得た。
比較例1
フッ素樹脂水性分散体2を70質量部、Bayhydur 3100(住化バイエルウレタン(株)製:イソシアネート硬化剤)9.2質量部、純水27質量部を充分に混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物をスプレーガンを用い、ガラス板に塗布し、80℃で4時間乾燥させ、硬化塗膜(乾燥膜厚:25μm)を得た。
比較例2
OH基含有アクリル樹脂水性分散体であるバイヒドロールA−145(住化バイエルウレタン(株)製:固形分濃度45質量%、水酸基価109mgKOH/g、酸価10mgKOH/g)70質量部、Bayhydur 3100(住化バイエルウレタン(株)製:イソシアネート硬化剤)22質量部、純水50質量部を充分に混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物をスプレーガンを用い、ガラス板に塗布し、80℃で4時間乾燥させ、バイヒドロールA−145の硬化塗膜(乾燥膜厚:25μm)を得た。
これらを試験片として、次の特性を調べた。結果を表1に示す。
(塗膜外観)
目視で塗膜外観を観察する。
A:艶むらがなく、くすみもない
B:艶むらがある、または多少くすみがある
C:艶むらがある、またはくすみが多い
(耐溶剤試験)
塗膜表面をメチルエチルケトン(MEK)を含浸させた不織布で拭き取る操作を行なう。拭き取り操作は100回往復が終了するまで行なう。試験終了後、目視により塗膜を観察し、以下の基準で評価する。
A:塗膜に溶解または光沢低下が見られない
B:塗膜に僅かな溶解、または光沢低下が認められる
C:著しい溶解、または光沢低下が認められる
(耐汚染性試験)
赤色インクのフェルトペン(サクラクレパス(株)製のサクラペンタッチ。商品名)により、塗膜の10mm×10mmの面積を塗りつぶし、40℃で24時間放置した後にエタノールで拭き取り、赤色インクの残存状態を目視で観察する。評価は次の段階で行なう。
A:完全に除去された。
B:僅かに残った。
C:やや残った。
D:著しく残った。
(貯蔵安定性)
水性分散体をサンプル瓶に入れ、密封し、50℃の恒温槽で30日間放置し、30日後のエマルションの状態を目視で確認する。評価は次の段階で行なう。
A:固形分の沈降が見られない
B:固形分の沈降が少し見られる
C:多くの固形分の沈降が見られる
Figure 0005709380

Claims (7)

  1. パーハロオレフィン単位と炭素数2〜4の非フッ素ビニル単量体単位とウンデシレン酸単位と水酸基含有ビニル単量体単位を含む含フッ素共重合体またはその中和物を含み、含フッ素共重合体が、パーハロオレフィン単位を30〜70モル%と非フッ素ビニル単量体単位を5〜35モル%、水酸基価を10〜200mgKOH/gの範囲にする量の水酸基含有ビニル単量体単位を含み、かつ酸価を10〜100mgKOH/gの範囲にする量のウンデシレン酸単位を含み、含フッ素共重合体の数平均分子量が4000以上、50000以下であるフッ素樹脂水性分散体。
  2. パーハロオレフィンが、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の水性分散体。
  3. 非フッ素ビニル単量体が、イソブチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンおよび酢酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の水性分散体。
  4. 水酸基含有ビニル単量体が、水酸基含有アルキルビニルエーテル、水酸基含有ビニルエステルおよび水酸基含有アリルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜のいずれかに記載の水性分散体。
  5. 含フッ素共重合体が、芳香族ビニル単量体、水酸基非含有ビニルエステル、水酸基非含有ビニルエーテルおよび水酸基非含有アリルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位を含む請求項1〜のいずれかに記載の水性分散体。
  6. 含フッ素共重合体が溶液重合で得られた共重合体である請求項1〜のいずれかに記載の水性分散体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の含フッ素共重合体またはその中和物の水性分散体と硬化剤とを含むフッ素樹脂水性塗料組成物。
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