JP5708081B2 - 光ネットワークシステム - Google Patents
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Description
このように、光ネットワークシステムには様々な変調方式の信号が混在し、各波長の信号毎に変調方式が異なる。このとき、特に、ボーレートが異なる変調方式の信号光が隣接する波長位置にあると、伝送性能が劣化することが知られている。伝送性能の劣化を回避する手段としては、信号光の波長位置の横に一定の間隔(ガードバンド、図1参照)を設ける手法などがとられる。しかし、異なる変調方式の信号光がランダムな波長位置に配置されていると、波長ごとにガードバンドを設けなければいけなくなる。これにより、信号帯域内であっても、実際には信号が存在しないガードバンドの占める割合が大きくなり、波長帯域の利用効率が悪くなるという問題がある。したがって、波長帯域を効率的に利用するには、同じ変調方式の信号光を波長方向に集中的に配置し、信号帯域内のガードバンドの数を少なくすることが重要となる。
図3(b)の(1)の図は、経路変更によって波長方向に断片化した信号光配置を示す。太さの違う矢印は、異なる変調方式の信号光を示す。変調方式が異なる信号光の間にはガードバンド(点線)を設けている。このとき、図3(a)にあるネットワーク制御部10からの指示により、光送受信装置11−1〜11−4の波長の変更およびROADM装置12−1〜12−4の経路変更を行い、変調方式毎に、同じ変調方式の信号光が隣接する波長位置にくるように、信号光の波長位置を集約する。これにより、図3(b)の(3)のようにガードバンドを削減し、波長利用効率を向上することが可能となる。このように断片化された信号光を変調方式毎に隣り合う波長位置に来るように再配置する操作を波長デフラグメンテーションと呼ぶ。
図4において、上を向いた矢印は、各波長の信号光を示し、矢印の太さが異なる信号光は、異なる変調方式の信号光であることを示す。また、点線の長方形は、ガードバンドを示す。
(1)においては、各太さの信号光の波長位置が断片化されており、多くのガードバンドが設けられているのが示されている。このとき、太い矢印で示される信号光を、帯域拡大により拡張された波長帯域内に全て移動する。そして、(2)に示されるように、太い矢印で示される信号光がなくなったことによって生じた帯域を利用して、細い矢印の信号光と中位の太さの矢印の信号光を、それぞれ隣接する波長位置に移動する。そして、(3)に示されるように、細い信号光と中位の太さの信号光をそれぞれ集約することによって空いた帯域に、(1)で移動した太い信号光全てを移動し、(4)で帯域拡大を終了して、元の波長帯域に戻す。以上により、波長デフラグメンテーションを終了する。
図5にあるように、移動対象信号を決定後、光ネットワークの空き波長についてそれぞれ評価値を算出する。評価値の算出方法については図7で後述する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きい場合は、移動対象信号を評価値最大の波長に移動する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値と同じか、または、それより小さい場合は現在の移動対象信号は移動せず、移動対象信号を変更する。
波長デフラグメンテーションが開始されると移動対象信号を管理するパラメータiを初期値(=1)に設定する(ステップS10)。ステップS11において、波長λiの信号を移動対象信号に設定する。ステップS12において、移動対象信号に対して各空き波長の評価値を算出する。ステップS13において、空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きいか否かを判断する。大きい場合は移動対象信号を評価値が最大となる波長に移動する(ステップS14)。移動後、iを初期値に戻す(ステップS10)。空き波長の評価値が現在の波長と同じか、それより小さい場合は、ステップS15において、iが最大値か否かを判断する。iが最大値に達していなければ、ステップS16において、i=i+1として移動対象信号を変更する。このときiがすでに最大値の場合は処理を終了する。なお、各波長は、ステップS9において、毎回、波長の短いほうから順に、λ1、λ2・・・と番号が振られるものとする。
評価値は移動先波長の候補に隣接する信号から算出する。隣接する信号が移動対象信号と同一の変調方式である場合は評価値を1とする。このとき隣接する同一変調信号が複数である場合はその数を評価値とする。図7のように2本の同一変調方式信号が隣接する場合は2、4本の同一変調方式が隣接する場合は4とする。隣接する信号が異なる変調方式の変調信号あるいは隣接する信号がない場合は評価値を0とする。移動対象信号についても、移動対象信号と同一変調方式の信号が隣接している場合には、その波長の数を評価値とする。隣接した同一変調方式の信号が無い場合には0とする。
(1)のaの信号光が(2)で、太い信号光の隣に移動されている。また、(2)のbの信号光が(3)で、細い信号光の隣に移動されている。(3)のcの信号光が(4)で、中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のdの信号光が、(5)で、左側の太い信号光の隣に移動されている。(5)のeの信号光が、(6)で、左側の中位の太さの信号光の集合の隣に移動されている。(6)のfの信号光が、(7)で、中程の細い信号光の隣に移動されている。(7)のgの信号光が、(8)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(8)のhの信号光が、(9)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(9)のiの信号光が、(10)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。(10)のjの信号光が、(11)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。
図9は、帯域拡大のある場合の波長デフラグメンテーションの概略フローチャートである。
拡大帯域を用いる場合は、波長デフラグメンテーション開始直後に、所定の変調方式信号(例えば、図11で最も太い矢印の信号)を拡大帯域に移動する。その後は、図6及び図7と同様の操作で波長の移動を行い、処理が終了したら、拡大帯域の信号を通常帯域に移動する。
(1)において、各波長の信号光は断片化された状態となっている。(2)において、太い信号光が全て、拡大帯域に移動される。そして、(2)のaの信号光が、(3)で、左側の細い信号光の隣に移動されている。また、(3)のbの信号光は、(4)で、中央の中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のcの信号光は、(5)で、左側の細い信号光の集合の隣に移動されている。(5)のdの信号光は、(6)で、中位の信号光の集合の隣に移動されている。(6)のeの信号光は、(7)で、細い信号光の集合の隣に移動されている。そして、(8)で、拡大帯域にあった太い信号光が通常帯域内に移動されている。
図12は、光ネットワークの構成を示す図である。
光ネットワークシステムは、波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4、ネットワークシステム制御部10によって構成される。ネットワーク制御部10は、光ネットワークシステムで使用されている波長及びパスの張り方、空き波長、各パスの変調方式・変調速度等を管理している。パスを張り替えたり、波長の切り替え等を行なう場合には、ネットワーク制御部10から波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4に対し、動作指示を行なう。
ROADM装置12は、分岐カプラ20と波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)21−1、21−2によって構成される。ROADM装置12に入力された波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号は分岐カプラ20によってドロップ信号として分岐される。ドロップ信号はWSS21−1に入力され、波長毎に分岐されて、光送受信装置の、対応する光受信機(Rx)22−1、22−2・・・22−iに入力される。一方、光送受信装置の、光送信機(Tx)23−1、23−2・・・23−iから出力された各アド信号はWSS21−2に入力され、分岐カプラ20をスルーしてきたWDM信号と合波され、ROADM装置12から出力される。
波長デフラグメンテーションが開始すると、光ネットワークシステムの空き波長の数を確認する(ステップS40)。ステップS41で、空き波長が一定数以下か否かを判断する。このとき、一定数より多い空き波長がある場合は光増幅器の帯域拡大を行わず、通常帯域の中で波長の再配置を行う。一方、空き波長が一定数以下の場合は、光増幅器の帯域を拡大し(ステップS42)、波長の再配置を行うため、ステップS43に進む。ここで、空き波長の情報は、ネットワーク制御部が有しているとする。
図15及び図16は、光増幅器の第1の構成例を示す図である。
図17において、図15と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
図19において、図15と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
前述の本実施形態の第1の構成では波長の再配置時に、波長を切り替える必要があるので、信号切断が発生する。
まず、λ2の信号をλ4に配置することを考える。(1)で、光送信機のスイッチ53を切り替えて、λ2に入力する送信データ信号をλ4にコピーする。この時点で、λ2とλ4に同じデータ信号が流れる。続いて、(2)で、光受信機のスイッチ52を切り替えて、λ4の出力とλ2の出力との論理和をとって、受信信号とする。この時点で、λ2の信号がλ4にコピーされる。続いて、(3)で、λ2の光送信機と光受信機をそれぞれ遮断し、λ2からλ4への再配置が完了する。次に、(4)で、(1)〜(3)と同様の操作で、λ3からλ5の再配置を行なう。また、(5)で、λ4からλ3の再配置を行い、(6)で、λ5からλ2の再配置を行なう。これを行うことでデータを切断することなく、波長の再配置が可能となる。
波長変更処理が始まると、ステップS50において、光送信機のスイッチ53を切り替え、移動元の波長の信号光のデータを移動先の波長の信号光にものせる。ステップS51において、光受信機のスイッチ52を切り替え、移動元の波長の信号光にのっているデータと共に、移動先の波長の信号光にのっているデータを受信する。ステップS52において、移動元の波長の光送信機を停止し、ステップS53において、移動元の波長の光受信機を停止する。以上により、信号光の波長が、移動元から移動先に変更されたことになる。ステップS54において、波長デフラグメンテーションが終わったか否かを判断し、終わってない場合には、ステップS50に戻って処理を繰り返し、終わった場合には、処理を終了する。
ネットワーク制御部は、ガードバンドの数をモニタし、ガードバンドの数が一定数以上となったら波長デフラグメンテーションを実行する、あるいは、定期的に波長デフラグメンテーションを実行する。
11−1〜11−4 光送受信装置
12、12−1〜12−4 ROADM装置
13−1〜13−4 光増幅器
20、31−1〜31−3、46、47 カプラ
21−1、21−2 波長選択スイッチ
22−1〜22−i、50−i+1〜50−j 光受信機
23−1〜23−i、51−i+1〜51−j 光送信機
24、25 光増幅器
26 制御部
30−1、30−2 光アイソレータ
32−1〜32−3 励起光源
33−1、33−2 EDF
34 利得等化器
35、36 可変光減衰器
37 光増幅器制御回路
38 ROADM制御回路
40 動的利得等化器
45−1、45−2 ラマン励起光源
52、53 スイッチ
54−1〜54−i OR回路
55−1〜55−i 分岐回路
Claims (8)
- 少なくとも2つの変調方式の信号光を波長多重して伝送する光ネットワークシステムにおいて、
各波長の信号光を変調し、送信する各光送信機と、
該各光送信機からの各波長の信号光を受信する各光受信機と、
該各光送信機からの信号光を波長ごとに伝送路にアドする、あるいは、該各光受信機への信号光を、波長ごとに伝送路からドロップするアド・ドロップ波長多重装置と、
同一変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るように該光送信機、該光受信機及び該アド・ドロップ波長多重装置の動作波長を制御し、各波長の信号光の波長位置を再配置する制御部と、
を備えることを特徴とする光ネットワークシステム。 - 励起光の出力パワーを変えることができる、前記信号光を増幅する光増幅器を更に備え、
波長位置を再配置する際に、該励起光の出力パワーを変更して、該光増幅器の増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。 - 前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
可変減衰器とを備え、
波長位置を再配置する際に、該励起光源の出力パワーと該可変減衰器の減衰量を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。 - 前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
動的利得等化器とを備え、
波長位置を再配置する際に、該励起光源の出力パワーと該動的利得等化器の等化特性を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。 - 前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバ(EDF)と、
EDF励起光源と、
ラマン励起光源とを備え、
波長位置を再配置する際に、該EDF励起光源と該ラマン励起光源の出力パワーを制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。 - 増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域を用いて信号光を送信するための拡大帯域光送信機と、
該拡大帯域を用いて、該拡大帯域光送信機から送られてきた信号光を受信する拡大帯域光受信機と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。 - 前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報を保持し、
波長位置を再配置する際に、OSNR耐力特性の高い変調方式の信号光を、増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域に移動することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。 - 前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報と、波長帯域のうち、どの帯域がOSNR特性がよく、どの帯域がOSNR特性が悪いかを示す情報を保持し、
波長位置を再配置する際に、OSNR耐力特性の低い変調方式の信号光を、OSNR特性の良い波長帯域に移動することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
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