JP5707968B2 - 照明装置およびプロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置およびプロジェクターに関する。
光源から射出されるビーム光により蛍光体を励起して蛍光を発色させ、赤色光、青色光、および緑色光を得て画像光に用いるプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この文献に開示された投影装置(プロジェクター)は、赤色、青色、および緑色の蛍光それぞれを発光する三枚の扇形状蛍光体を周状に分割配置した蛍光体ホイールを備えるものである。そして、この投影装置は、蛍光体ホイールを周方向に回転させ、光源から射出されるレーザー光を三枚の扇形状蛍光体に順次照射させて赤色光、青色光、および緑色光を得て画像光に用いる。
光源から蛍光体に照射されるレーザー光の出力レベルを上げると、蛍光体が発色する蛍光の輝度は高くなる一方、蛍光体の照射部分の温度が高くなり蛍光体の劣化を促進する。
そこで、同文献に開示された投影装置は、回転する蛍光体ホイール自体を径方向に往復移動させることによってレーザー光が照射される蛍光体上の位置をずらし、蛍光体の熱的損傷を低減させている。
特開2010−164846号公報
しかしながら、同文献に開示された投影装置は、蛍光体ホイールを回転させる第1のモーターの他に、クランク機構を作動させて蛍光体ホイールを径方向に往復移動させる第2のモーターを必要とするため、構造が複雑であり投影装置の小型化に支障をきたす。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で小型に実現でき、さらに蛍光体の劣化を抑制して高品位な蛍光を発光することができる、照明装置およびプロジェクターを提供することを目的とする。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である照明装置は、励起光を射出する固体光源と、前記励起光を蛍光に変換する蛍光体と、平板上の円の周方向に沿って連続して前記蛍光体が形成された蛍光板と、前記円の中心を貫く軸を中心に前記蛍光板を回転させるモーター部と、所定の周期を有する発光タイミング信号を生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミング信号の周期の非整数倍の回転周期を決定する回転周期決定部と、前記モーター部を駆動して前記蛍光板の回転の周期を前記回転周期に一致させるモーター駆動部と、前記発光タイミング信号の周期で前記固体光源を間欠に発光させる光源駆動部と、を備え、前記光源駆動部は、前記固体光源の出力レベル調整機能を有し、前記蛍光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に応じて前記光源駆動部の前記出力レベル調整機能を制御する光源出力レベル調整部と、をさらに備え、前記光源駆動部は、前記出力レベル調整機能の制御にしたがって前記固体光源からの前記励起光の出力レベルを補正することを特徴とする。
このように構成したことにより、本発明の第1の態様では、蛍光体における励起光の照射位置が常時移動するため、蛍光体の照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができ、よって高品位な蛍光を得ることができる。また、本発明の第1の態様では、単一のモーター部を用いて蛍光体への励起光の照射位置をずらす構成を有するため、簡単な構造で小型に実現することができる。
このように構成したことにより、本発明の第1の態様では、蛍光体からの発光量のばらつきを抑えてより高品位な蛍光を得ることができる。
[2]上記[1]記載の照明装置において、前記回転周期決定部は、前記発光タイミング信号の周期の非整数分の一倍の回転周期を決定することを特徴とする。
このように構成したことにより、本発明の第2の態様でも、蛍光体における励起光の照射位置が常時移動するため、蛍光体の照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができ、よって高品位な蛍光を得ることができる
]上記[1]または2]いずれか記載の照明装置において、前記固体光源は、青色光を射出し、前記蛍光体は、前記青色光の一部を赤色光と緑色光とに変換するとともに、前記青色光の他の一部を透過させることを特徴とする。
]上記の課題を解決するため、本発明の一態様であるプロジェクターは、励起光を射出する固体光源と、前記励起光を蛍光に変換する蛍光体と、前記蛍光を画像信号で変調して画像光を生成する光変調部と、前記画像光を投射する投射光学系と、平板上の円の周方向に沿って連続して前記蛍光体が形成された蛍光板と、前記円の中心を貫く軸を中心に前記蛍光板を回転させるモーター部と、前記画像信号のフレーム周期に同期した周期を有する発光タイミング信号を生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミング信号の周期の非整数倍の回転周期を決定する回転周期決定部と、前記モーター部を駆動して前記蛍光板の回転の周期を前記回転周期に一致させるモーター駆動部と、前記発光タイミング信号の周期で前記固体光源を間欠に発光させる光源駆動部と、を備え、前記光源駆動部は、前記固体光源の出力レベル調整機能を有し、前記蛍光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に応じて前記光源駆動部の前記出力レベル調整機能を制御する光源出力レベル調整部と、をさらに備え、前記光源駆動部は、前記出力レベル調整機能の制御にしたがって前記固体光源からの前記励起光の出力レベルを補正することを特徴とする。
このように構成したことにより、本発明の第の態様では、蛍光体における励起光の照射位置が常時移動するため、蛍光体の照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができ、よって高品位な蛍光を得ることができる。また、本発明の第の態様では、単一のモーター部を用いて蛍光体への励起光の照射位置をずらす構成を有するため、簡単な構造で小型に実現することができる。
このように構成したことにより、本発明の第4の態様では、蛍光体からの発光量のばらつきを抑えてより高品位な蛍光を発光させることができる。
]上記[]記載のプロジェクターにおいて、前記回転周期決定部は、前記発光タイミング信号の周期の非整数分の一倍の回転周期を決定することを特徴とする。
このように構成したことにより、本発明の第の態様でも、蛍光体における励起光の照射位置が常時移動するため、蛍光体の照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができ、よって高品位な蛍光を得ることができる
]上記[または5]いずれか記載のプロジェクターにおいて、前記固体光源は、青色光を射出し、前記蛍光体は、前記青色光の一部を赤色光と緑色光とに変換するとともに、前記青色光の他の一部を透過させることを特徴とする。
したがって、本発明の各態様によれば、簡単な構造で小型に実現することができ、さらに蛍光体の劣化を抑制して高品位な蛍光を発光することができる。
本発明の第1実施形態であるプロジェクターの全体構成を模式的に表す概略図である。 プロジェクターに設けられる回転蛍光板の構成を表す図である。 回転蛍光板に設けられる蛍光体の光学特性を表す図である。 同実施形態であるプロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。 同実施形態であるプロジェクターの制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態であるプロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。 同実施形態であるプロジェクターの制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。 同実施形態において、プロジェクターが生成する各種信号のタイミングを表すタイミングチャートである。 同実施形態において、プロジェクターが生成する各種信号のタイミングを表すタイミングチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態であるプロジェクターの全体構成を模式的に表す概略図である。
同図に示すとおり、プロジェクター1は、照明装置10と、色分離導光光学系20と、液晶表示素子30R,30G,30Bと、クロスダイクロイックプリズム40と、投射光学系50とを備える。なお、以下において、液晶表示素子30R,30G,30Bをまとめて液晶表示素子30と記載することもある。
プロジェクター1は、外部から供給される画像信号に基づく画像光をスクリーンSCRに向けて投射することにより、スクリーンSCR上に画像を表示する。
照明装置10は、照明光軸が光軸AXである白色光を射出する。この白色光は、画像光の基となる光である。照明装置10は、固体光源11と、集光光学系12と、回転蛍光板13と、モーター14と、コリメーター光学系15と、第1レンズアレイ16と、第2レンズアレイ17と、偏光変換素子18と、重畳レンズ19とを備える。
固体光源11は、例えば、励起光として青色レーザー光(以下、単に青色光ともいう。)を射出する。この青色レーザー光は、波長が約445nm(nanometre)や約460nmにおいて発光強度のピークが現れる特性を有するものである。本実施形態では、固体光源11として、波長が約445nmにおいて発光強度のピークが現れる青色レーザー光を射出するものを例に挙げて説明する。
固体光源11としては、例えば単一の半導体レーザー素子を備えるもの、または面状に配列形成した複数の半導体レーザー素子を備えるものを用いる。
集光光学系12は、単一または複数のレンズ、例えば、第1レンズ12aと第2レンズ12bとを備えており、固体光源11と回転蛍光板13との間の光路上に設けられる。集光光学系12は、固体光源11が射出した青色光を回転蛍光板13の所定位置に集光する。
回転蛍光板13は、モーター14によって回転自在に支持され、集光光学系12が集光した青色光の一部を赤色光と緑色光とを含む蛍光に変換し、前記の青色光の他方の一部と赤色光と緑色光とを射出するものである。回転蛍光板13の詳細については後述する。
モーター14は、回転蛍光板13を回転させる電動機である。モーター14は、後述するモーター駆動部から供給される回転指示信号を取り込み、この回転指示信号に応じた回転周期で回転軸を回転させる。また、モーター14は、例えばホール素子で実現される位置検出センサーを備え、この位置検出センサーによって検出される回転軸の基準位置を表す位置情報を出力する。
コリメーター光学系15は、単一または複数のレンズ、例えば、第1レンズ15aと第2レンズ15bとを備えており、回転蛍光板13から到来する光を略平行化する。
第1レンズアレイ16は、二次元状に配列された複数のマイクロレンズ16aを有しており、コリメーター光学系15で略平行化された光を複数の部分光束に分割する。具体的には、第1レンズアレイ16は、複数のマイクロレンズ16aが光軸AXと直交する面内において二次元状に配列するように設けられる。
なお、第1レンズアレイ16が有する複数のマイクロレンズ16aの外形形状は、液晶表示素子30R,30G,30Bの画像形成領域の外形形状に関して略相似形である。
第2レンズアレイ17は、第1レンズアレイ16が有する複数のマイクロレンズ16aに対応する複数のマイクロレンズ17aを有する。つまり、第2レンズアレイ17は、複数のマイクロレンズ16aに対応する複数のマイクロレンズ17aが光軸AXと直交する面内において二次元状に配列するように設けられる。第2レンズアレイ17は、重畳レンズ19とともに、第1レンズアレイ16が有する各マイクロレンズ16aによる像を液晶表示素子30R,30G,30Bの画像形成領域近傍に結像させる。
偏光変換素子18は、偏光分離層と、反射層と、位相差板と(いずれも図示を省略する。)を有しており、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束を、偏光方向がそろった略一種類の直線偏光にして射出する。偏光分離層は、回転蛍光板13から到来する光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過させ、他方の直線偏光成分を光軸AXに垂直な方向に反射する。反射層は、偏光分離層で反射された前記他方の直線偏光成分を光軸AXに平行な方向に反射する。位相差板は、反射層で反射された前記他方の直線偏光成分を前記一方の直線偏光成分に変換する。
重畳レンズ19は、その光軸が照明装置10の光軸AXと一致するように配置されており、偏光変換素子18から到来する各部分光束を集光して液晶表示素子30R,30G,30Bの画像形成領域近傍に重畳させる。上述した第1レンズアレイ16と第2レンズアレイ17と重畳レンズ19とは、固体光源11から到来する光を均一化するレンズインテグレーター光学系を構成している。
色分離導光光学系20は、照明装置10から到来する光を赤色光と緑色光と青色光とに分離し、各色光を液晶表示素子30R,30G,30Bにそれぞれ導光する。
色分離導光光学系20は、ダイクロイックミラー21,22と、反射ミラー23〜25と、リレーレンズ26,27と、集光レンズ28R,28G,28Bとを備える。
ダイクロイックミラー21,22は、所定の波長領域の光を反射する一方その所定の波長領域以外の波長領域の光を通過させる波長選択透過膜を透明基板上に形成したミラーである。具体的には、ダイクロイックミラー21は、赤色光を通過させて緑色光と青色光とを反射させ、ダイクロイックミラー22は、緑色光を反射させて青色光を通過させる。
反射ミラー23は、赤色光を反射するミラーである。
反射ミラー24,25は、青色光を反射するミラーである。
リレーレンズ26は、ダイクロイックミラー22と反射ミラー24との間に設けられる。
リレーレンズ27は、反射ミラー24と反射ミラー25との間に設けられる。これらリレーレンズ26,27は、青色光の光路長が他の色光の光路長よりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止および抑制するために設けられる。
集光レンズ28R,28G,28Bは、反射ミラー23で反射させた赤色光と、ダイクロイックミラー22で反射させた緑色光と、反射ミラー25で反射させた青色光とを、液晶表示素子30R,30G,30Bの画像形成領域にそれぞれ集光する。
ダイクロイックミラー21を通過した赤色光は、反射ミラー23で反射され、集光レンズ28Rを通過して液晶表示素子30Rの画像形成領域に入射する。また、ダイクロイックミラー21で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー22で反射され、集光レンズ28Gを通過して液晶表示素子30Gの画像形成領域に入射する。また、ダイクロイックミラー21で反射され、ダイクロイックミラー22を通過した青色光は、リレーレンズ26と反射ミラー24とリレーレンズ27と反射ミラー25と集光レンズ28Bとを順に通過して液晶表示素子30Bの画像形成領域に入射する。
液晶表示素子30R,30G,30Bは、入射された赤色光と緑色光と青色光とを外部から供給される画像信号に基づいて変調し、赤色の画像光と緑色の画像光と青色の画像光とをそれぞれ生成する。
なお、図1では図示を省略しているが、集光レンズ28R,28G,28Bと液晶表示素子30R,30G,30Bとの間には、入射側偏光板がそれぞれ介在配置され、液晶表示素子30R,30G,30Bとクロスダイクロイックプリズム40との間には、射出側偏光板がそれぞれ介在配置されている。
液晶表示素子30R,30G,30Bは、一対の透明なガラス基板の間に液晶を密閉封入した透過型表示素子であり、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)をスイッチング素子として備えたものである。液晶表示素子30R,30G,30Bは、上記の入射側偏光板を通過した赤色光と緑色光と青色光(いずれも直線偏光)の偏光方向を、画像信号に基づくスイッチング素子のスイッチング動作によって変調することにより、赤色の画像光と緑色の画像光と青色の画像光とを生成する。
クロスダイクロイックプリズム40は、上記の各射出側偏光板から到来する赤色の画像光と緑色の画像光と青色の画像光とを合成し、光の三原色によるカラー画像光を形成する。具体的には、クロスダイクロイックプリズム40は、4つの直角プリズムを貼り合わせて立方体に形成した光学部材である。直角プリズム同士を貼り合わせたX字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光を反射するものである。クロスダイクロイックプリズム40は、これら誘電体多層膜によって進行方向をそれぞれ変更した赤色光および青色光と、透過する緑色光との進行方向とそろえることにより、赤色光と緑色光と青色光とを合成する。
投射光学系50は、クロスダイクロイックプリズム40で合成されたカラー画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。
図2は、プロジェクター1に設けられる回転蛍光板13の構成を表す図である。同図(a)は回転蛍光板13の正面図であり、同図(b)は同図(a)中のA−A線に沿う断面矢視図である。
同図(a),(b)に示すように、回転蛍光板13は、光透過性を有する基板である円板13aの一方の面に、単一の蛍光層としての蛍光体13bを円板13aの周方向に沿って連続して形成させたものである。
円板13aは、例えば、石英ガラス、水晶、サファイア、光学ガラス、透明樹脂等の青色光を透過する材料を用いて形成されたものである。円板13aの円中心部には、モーター14の回転軸が貫通する穴が形成されている。なお、ここでは基板として円板13aを用いる例について説明したが、基板の形状は円板に限定されず平板であればよい。
蛍光体13bは、固体光源11から到来する青色光の一部を赤色光と緑色光とを含む蛍光に変換し、且つ青色光の他の一部を通過させる性質を有する。この蛍光体13bは、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体である(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceを含有するものを用いることができる。図2(b)に示すように、蛍光体13bは、青色光を透過する一方赤色光と緑色光とを反射するダイクロイック膜13cを介して円板13aの一方の面に形成されている。
図3は、回転蛍光板13に設けられる蛍光体13bの光学特性を表す図である。同図(a)は、蛍光体13bに入射する青色光のスペクトルを表す図であり、同図(b)は、蛍光体13bで変換された蛍光のスペクトルを表す図である。同図(a)において符号Bで示すグラフは、固体光源11が励起光として射出する青色光の光学特性である。また、同図(b)において符号Rで示すグラフは、蛍光体13bで変換された蛍光のうち赤色光として利用可能な色成分の光学特性である。また、同図(b)において符号Gで示すグラフは、蛍光体13bで変換された蛍光のうち緑色光として利用可能な色成分の光学特性である。つまり、回転蛍光板13に形成された蛍光体13bは、同図(a)に示すスペクトルを有する青色光Bの一部を、同図(b)に示す赤色光Rと緑色光Gとを含む黄色光(蛍光)に変換する。
回転蛍光板13は、固体光源11から到来する青色光が円板13a側から蛍光体13bに入射するように、蛍光体13bが形成された面を青色光が入射する側とは反対の側に向けて設けられる。また、回転蛍光板13は、モーター14によって回動している状態で、蛍光体13bが形成された領域に青色光が入射するように、集光光学系12の集光位置の近傍に設けられる。
次に、本実施形態であるプロジェクター1の制御系の構成を説明する。
図4は、プロジェクター1の動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。なお、同図では、図1に示した構成のうち、説明上必要となる構成のみを抜き出し簡略化して図示している。
図4に示すように、プロジェクター1は、制御系として、制御部61と、光源駆動部62と、モーター駆動部63と、画像信号供給部64とを備える。
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と(いずれも図示を省略する。)を含んで実現される。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを読み出してRAMに展開しこのRAM上のプログラムのステップを実行する。このCPUによるプログラム実行によって、制御部61は、プロジェクター1全体の動作を制御する。制御部61は、制御プログラムの実行により、画像出力要求信号を画像信号供給部64に供給する。
制御部61は、その機能構成として、発光タイミング生成部101と、回転周期決定部102とを備える。
発光タイミング生成部101は、画像信号供給部64から供給されるフレーム同期信号を取り込み、固体光源11が射出する励起光である青色光の射出期間を制御するための発光タイミング信号をフレーム同期信号に同期させて生成し、その発光タイミング信号を光源駆動部62と回転周期決定部102とに供給する。フレーム同期信号は、映像のフレーム周期を決定する同期信号であり、例えば、60フレーム/秒(fps;frame par second)のフレームレートを有するパルス信号である。発光タイミング信号は、上記のとおりフレーム同期信号に同期した、例えば正アクティブのパルス信号である。つまり、例えばフレーム同期信号のフレームレートが60fpsである場合、発光タイミング信号は、フレーム周波数に同期した1/60秒や1/120秒の周期を有する正アクティブのパルス信号である。
回転周期決定部102は、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、この発光タイミング信号のパルス周期に非同期である回転蛍光板13の回転周期を計算し、この回転周期の値(回転周期値)をモーター駆動部63に供給する。つまり、回転周期決定部102は、発光タイミング信号のパルス周期の非整数倍であって、且つ非整数分の一倍である回転周期値を求め、この回転周期値をモーター駆動部63に供給する。
また、回転周期決定部102は、モーター駆動部63から供給されるモーター14の回転軸の位置情報を取り込み、この位置情報に基づいてモーター14の回転軸が回転しているか否かを判定する。
光源駆動部62は、制御部61の発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、この発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて固体光源11を間欠に発光させる。すなわち、光源駆動部62は、発光タイミング信号が正アクティブのパルス信号である場合、発光タイミング信号の正の期間において固体光源11を発光させる。本実施形態においては、光源駆動部62が射出する励起光のレベル値は一定である。
モーター駆動部63は、制御部61の回転周期決定部102から供給される回転周期値を取り込み、この回転周期値を指定する回転指示信号を生成しモーター14に供給して駆動する。また、モーター駆動部63は、モーター14から供給される回転軸の位置情報を取り込み、その位置情報を回転周期決定部102に供給する。
画像信号供給部64は、図示しない同期信号生成部を含み、この同期信号生成部が生成するフレーム同期信号を制御部61の発光タイミング生成部101に供給する。また、画像信号供給部64は、制御部61から供給される画像出力要求信号を取り込み、この画像出力要求信号に応じて、外部から供給される画像信号をフレーム同期信号に同期させて液晶表示素子30R,30G,30Bにそれぞれ供給する。
次に、上述した構成の制御系により実行されるプロジェクター1の制御について説明する。
図5は、本実施形態であるプロジェクター1の制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。制御部61が制御プログラムを起動し、また、画像信号供給部64の同期信号生成部がフレーム同期信号の生成を開始すると、同図のフローチャートによる処理が開始される。
まず、ステップS1において、発光タイミング生成部101は、画像信号供給部64から供給されるフレーム同期信号を取り込み、このフレーム同期信号に同期する発光タイミング信号を生成して光源駆動部62と回転周期決定部102とに供給する。例えば、発光タイミング生成部101は、画像信号供給部64から周期が1/60秒であるフレーム同期信号を取り込み、このフレーム同期信号に同期する1/120秒周期である発光タイミング信号(正アクティブ期間は、例えば0.1/120秒)を生成して光源駆動部62と回転周期決定部102とに供給する。
次に、ステップS2において、回転周期決定部102は、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、この発光タイミング信号のパルス周期に非同期である回転蛍光板13の回転周期を計算し、この回転周期値をモーター駆動部63に供給する。例えば、発光タイミング信号のパルス周期が1/120秒である場合、回転周期決定部102は、非整数である4.3を適用して1/120秒の4.3倍である4.3/120秒を回転周期値として求めてモーター駆動部63に供給する。非整数値(この例では4.3を指す。)は、あらかじめ決定されたものであってもよいし、適宜オペレーターにより設定されるものであってもよい。
次に、ステップS3において、モーター駆動部63は、回転周期決定部102から供給される回転周期値を取り込み、この回転周期値を指定する回転指示信号を生成しモーター14に供給して駆動する。例えば、モーター駆動部63は、回転周期決定部102から供給される回転周期値である4.3/120を取り込み、この回転周期値を指定する回転指示信号、すなわち、モーター14の回転軸を120/4.3=約27.9回転/秒で回転させるよう指示する内容の回転指示信号を生成してモーター14に供給する。
次に、モーター駆動部63は、モーター14から供給される回転軸の位置情報を取り込み、その位置情報を回転周期決定部102に供給する。
次に、回転周期決定部102は、モーター駆動部63から供給される回転軸の位置情報を取り込み、この位置情報に基づいてモーター14が回転動作しているか否かを判定する。回転周期決定部102は、モーター14が回転動作していないと判定した場合、異常状態を示す異常フラグを設定する。そして、制御部61は、異常フラグが設定されたときに、例えばアラーム信号を生成して外部に出力する。
ステップS4において、光源駆動部62は、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、この発光タイミング信号に基づいて固体光源11を発光させる。例えば、発光タイミング信号のパルス周期が1/120秒(正アクティブ期間は、例えば0.1/120秒)である場合、光源駆動部62は、発光タイミング信号の正の期間(0.1/120秒の期間)において固体光源11を発光させる。
次に、ステップS5において、制御部61は、画像出力要求信号を画像信号供給部64に供給する。
次に、画像信号供給部64は、制御部61から供給される画像出力要求信号を取り込み、この画像出力要求信号に応じて、外部から供給される画像信号をフレーム同期信号に同期させて液晶表示素子30R,30G,30Bにそれぞれ供給する。
以上説明したようにプロジェクター1の制御系が動作することにより、プロジェクター1は、以下のように動作する。
モーター14がモーター駆動部63から供給される回転指示信号を取り込み、この回転指示信号に応じた回転周期で回転軸を回転させると、この回転軸に固定された回転蛍光板13はその回転周期で回転する。例えば、モーター14は、回転軸を120/4.3(約27.9)回転/秒で回転させるよう指示する内容の回転指示信号をモーター駆動部63から供給を受けて取り込むと、約27.9回転/秒の回転周期で回転蛍光板13を回転させる。
次に、固定光源11は、光源駆動部62の駆動によって、励起光である青色光を射出する。例えば、固定光源11は、パルス周期が1/120秒(正アクティブ期間は、例えば0.1/120秒)である発光タイミング信号に基づく光源駆動部62の駆動により、発光タイミング信号の正の期間(0.1/120秒の期間)に青色光を射出する。つまり、固定光源11は、0.1/120秒間の青色光の射出を1/120秒の周期で繰り返す。
固体光源11が射出する青色光の射出周期(例えば、1/120秒)と、回転蛍光板13の回転周期(例えば、4.3/120秒)とは非同期であるため、回転蛍光板13の蛍光体13b上の青色光の照射位置は時間経過とともに周回移動する。
よって、本実施形態であるプロジェクター1では、蛍光体13bにおける青色光の照射位置が常時移動するため、蛍光体13bの照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができ、よって高品位な蛍光を得ることができる。また、プロジェクター1は、一つのモーター14を用いて蛍光体13bへの青色光の照射位置をずらす構成を有するため、照明装置10を簡単な構造で小型に実現することができる。
なお、蛍光体を透明樹脂に混ぜて平板の面上に形成した場合には、透明樹脂が劣化して光の透過率が低下し蛍光が暗くなるという問題を抑えることもできる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施形態であるプロジェクターについて説明する。本実形態のプロジェクターの全体構成は、図1に示す第1実施形態のプロジェクター1と同様である。ただし、本実施形態であるプロジェクターは、制御系が第1実施形態であるプロジェクター1と相違する。以下、構成の説明をするにあたり、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、本実施形態であるプロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。なお、同図では、図1に示した構成のうち、説明上必要となる構成のみを抜き出し簡略化して図示している。
同図において、本実施形態であるプロジェクター1aは、第1実施形態であるプロジェクター1と比較すると、制御系として光センサー65を新たに備えるとともに、プロジェクター1における制御部61と光源駆動部62とを、制御部61aと光源駆動部62aとに変更した構成を有している。
光センサー65は、例えば光量センサーであり、蛍光体13bが発光する蛍光の光量を検出して制御部61aに供給する。この光センサー65は、回転蛍光板13に設けられた蛍光体13bと液晶表示素子30との間であって、液晶表示素子30に入射する光束が遮られない位置に設けられる。ただし、光センサー65は、その光路に極力近接して設けられる。これは、蛍光体13bから液晶表示素子30に向かう光束のうち、液晶表示素子30に照射されない光(この光を漏光とよぶ。)を検出するためである。光センサー65は、この漏光を検出することにより、蛍光体13bから発光される蛍光を検出することができる。
具体的に、光センサー65は、白色光を射出する照明装置10と液晶表示素子30R,30G,30Bいずれかの液晶表示素子との間であって、液晶表示素子30R,30G,30Bへの入射光を遮らない位置に設けられる。照明装置10と色分離導光光学系20に設けられたダイクロイックミラー21との間の光路近傍に光センサー65を設けた場合、光センサー65は、照明装置10から射出される白色光の光量を検出することができる。
また、ダイクロイックミラー21と液晶表示素子30Rとの間の光路近傍に光センサー65を設けた場合、光センサー65は、赤色光の光量を検出することができる。また、ダイクロイックミラー22と液晶表示素子30Gとの間の光路近傍に光センサー65を設けた場合、光センサー65は、緑色光の光量を検出することができる。また、ダイクロイックミラー22と液晶表示素子30Bとの間の光路近傍に光センサー65を設けた場合、光センサー65は、青色光の光量を検出することができる。また、ダイクロイックミラー21,22間の光路近傍に光センサー65を設けた場合、光センサー65は、緑色光と青色光との光量を検出することができる。
第1実施形態と同様に、制御部61aは、CPUとROMとRAMと(いずれも図示を省略する。)を含んで実現される。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを読み出してRAMに展開しこのRAM上のプログラムのステップを実行する。このCPUによるプログラム実行によって、制御部61aは、プロジェクター1a全体の動作を制御する。
制御部61aは、第1実施形態における制御部61と比較すると、その機能構成として、光源出力レベル調整部103をさらに備える。
光源出力レベル調整部103は、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、回転周期決定部102から供給される、回転蛍光板13の回転周期値とモーター14の回転軸の位置情報を含む基準位置信号とを取り込み、光センサー65から供給される光量の値(光量値)を取り込む。そして、光源出力レベル調整部103は、取り込んだ回転周期値と位置情報における基準位置と光量値とに基づいて、蛍光体13bにおける光量が低い部位を、蛍光の劣化部位として特定する。さらに、光源出力レベル調整部103は、光量が低い部位の位置とその光量値と発光タイミング信号とに基づいて、当該部位に対する発光レベル補正信号を生成し、この発光レベル補正信号を光源駆動部62aに供給する。光源出力レベル調整部103の動作の詳細については後述する。
光源駆動部62aは、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号と、光源出力レベル調整部103から供給される発光レベル補正信号とを取り込み、発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値で補正した出力値で固体光源11を間欠に発光させる。すなわち、光源駆動部62は、発光タイミング信号が正アクティブのパルス信号である場合、発光タイミング信号の正の期間において固体光源11を発光させる。本実施形態においては、光源駆動部62aが射出する励起光のレベル値は発光レベル補正値で補正された値である。
次に、上述した構成の制御系により実行されるプロジェクター1aの制御について図7〜図9を併せ参照して説明する。
図7は、本実施形態であるプロジェクター1aの制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。制御部61aが制御プログラムを起動し、また、画像信号供給部64の同期信号生成部がフレーム同期信号の生成を開始すると、同図のフローチャートによる処理が開始される。
なお、ステップS21からステップS23までの処理は、第1実施形態におけるステップS1からステップS3までの処理と同様であるため、ステップS21からステップS23までの処理についての説明は省略する。
ステップS23の処理の次に、ステップS24において、光源出力レベル調整部103は、発光レベル補正値を0(ゼロ;補正しない)とした発光レベル補正信号を光源駆動部62aに供給する。
次に、光源駆動部62aは、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、光源出力レベル調整部103から供給される発光レベル補正信号を取り込む。
次に、光源駆動部62aは、発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値で補正した出力値で固体光源11を発光させる。ただし、ここでは、発光レベル補正値は0(ゼロ)であるため、出力値の補正は行われない。例えば、発光タイミング信号のパルス周期が1/120秒(正アクティブ期間は、例えば0.1/120秒)である場合、光源駆動部62は、発光タイミング信号の正の期間(0.1/120秒の期間)において、出力値を補正せずに固体光源11を発光させる。
次に、ステップS25において、制御部61aは、画像出力要求信号を画像信号供給部64に供給する。
次に、画像信号供給部64は、制御部61aから供給される画像出力要求信号を取り込み、この画像出力要求信号に応じて、外部から供給される画像信号をフレーム同期信号に同期させて液晶表示素子30R,30G,30Bにそれぞれ供給する。
次に、ステップS26において、光源出力レベル調整部103は、モーター14の回転の位相と、光センサー65が検出する光量とを監視する。具体的には、光源出力レベル調整部103は、発光タイミング生成部101から供給される発光タイミング信号を取り込み、回転周期決定部102から供給される、回転蛍光板13の回転周期値とモーター14の回転軸の位置情報を含む基準位置信号とを取り込み、光センサー65から供給される光量値を取り込む。
次に、ステップS27において、光源出力レベル調整部103は、取り込んだ光量値をチェックする。例えば、光源出力レベル調整部103は、光量値があらかじめ決定された閾値以下であるか否かを判定する。光源出力レベル調整部103が、光量値が閾値以下であると判定した場合はステップS28の処理に移り、光量値が閾値を超えると判定した場合はステップS26の処理に戻る。具体的には、例えば、図8に示すタイミングチャートにおいて、光源出力レベル調整部103は、光量値201について閾値以下であると判定した場合にステップS28の処理に移る。
ステップS28において、光源出力レベル調整部103は、光量値(閾値以下の値である。)を取り込んだときの時刻と、位置情報における基準位置に対応する時刻と、回転蛍光板13の回転周期値とに基づいて、蛍光体13bにおける光量が低い部位を、蛍光の劣化部位として特定する。具体的には、例えば、図8に示すタイミングチャートにおいて、光源出力レベル調整部103は、光量値201を取り込んだときの時刻と、直近の基準位置信号における基準位置に対応する時刻との時間差である時間tを計算する。次に、光源出力レベル調整部103は、時間tと、回転蛍光板13の回転周期値Tとに基づいて、回転蛍光板13が基準位置から時間tをかけて進む周回距離を計算し、その到達地点を、蛍光体13bにおいて光量値が閾値以下となる部位Sの位置として取得する。
次に、ステップS29において、光源出力レベル調整部103は、閾値以下の値である光量値を補正するための発光レベル補正値を計算する。具体的には、例えば、光源出力レベル調整部103は、閾値以下の値である光量値の近傍の所定数の光量値の平均値を計算し、この平均値と当該閾値以下の光量値との差分を計算し、その差分値を発光レベル補正値として決定する。
次に、ステップS30において、光源出力レベル調整部103は、光量が低い部位の位置と発光タイミング信号とに基づいて、光量が低い部位に対応する時間と発光タイミング信号における照射期間を示す時間とが一致するタイミングと発光レベル補正値とを表す発光レベル補正信号を生成して光源駆動部62aに供給する。具体的には、例えば、図9に示すタイミングチャートにおいて、光源出力レベル調整部103は、光量が低い部位Sに対応する時間と発光タイミング信号における照射期間を示す時間とが一致するタイミング(符号202で示す時間)と発光レベル補正値とを表す発光レベル補正信号を生成して光源駆動部62aに供給する。同図において、符号203は、出力レベルが補正された青色光の光量値を示すものである。
ステップS30の処理の後は、ステップS26の処理に戻る。
以上説明したようにプロジェクター1aの制御系が動作することにより、プロジェクター1aは、以下のように動作する。
モーター14がモーター駆動部63から供給される回転指示信号を取り込み、この回転指示信号に応じた回転周期で回転軸を回転させると、この回転軸に固定された回転蛍光板13はその回転周期で回転する。例えば、モーター14は、回転軸を120/4.3(約27.9)回転/秒で回転させるよう指示する内容の回転指示信号をモーター駆動部63から供給を受けて取り込むと、約27.9回転/秒の回転周期で回転蛍光板13を回転させる。
次に、固定光源11は、光源駆動部62aの駆動によって、励起光である青色光を射出する。例えば、固定光源11は、パルス周期が1/120秒(正アクティブ期間は、例えば0.1/120秒)である発光タイミング信号に基づく光源駆動部62aの駆動により、発光タイミング信号の正の期間(0.1/120秒の期間)に青色光を射出する。つまり、固定光源11は、0.1/120秒間の青色光の射出を1/120秒の周期で繰り返す。
固体光源11が射出する青色光の射出周期(例えば、1/120秒)と、回転蛍光板13の回転周期(例えば、4.3/120秒)とは非同期であるため、回転蛍光板13の蛍光体13b上の青色光の照射位置は時間経過とともに周回移動する。
回転蛍光板13の円板13aの一方の面に周方向に沿って連続して形成された蛍光体13bは、成分のばらつきや塗布状態等によって発光する光量にばらつきを生じ得る。よって、初期状態であっても、蛍光体13bの部位によって発光量にばらつきが発生することがある。
また、蛍光体13bの部位によって劣化の進行の度合いが異なることもあり得る。よって、蛍光体13bからの発光量のばらつきが時間経過とともに大きくなることがある。
本実施形態であるプロジェクター1aは、これらのような、蛍光体13bからの発光量のばらつきが発生する場合に、所定の光量値を閾値として光量値が低下した部位を検出し、固体光源11がその部位を照射する際には、出力レベルを上げて照射するように光源駆動部62aを制御するようにした。
よって、本実施形態であるプロジェクター1aでは、蛍光体13bにおける青色光の照射位置が常時移動するため、蛍光体13bの照射部位の温度上昇を抑えることができ、蛍光体の劣化を極めて遅くすることができる。また、プロジェクター1aは、一つのモーター14を用いて蛍光体13bへの青色光の照射位置をずらす構成を有するため、照明装置10を簡単な構造で小型に実現することができる。さらに、プロジェクター1aは、蛍光体13bからの発光量のばらつきを抑えてより高品位な蛍光を発光させることができる。
なお、蛍光体を透明樹脂に混ぜて平板の面上に形成した場合には、透明樹脂が劣化して光の透過率が低下し蛍光が暗くなるという問題を抑えることもできる。
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態では、光透過性を有する基板(円板13a)の一方の面に蛍光体13bを形成し、円板13a側から励起光を入射させることにより蛍光体13bを照射する構成としたが、蛍光体13b側から励起光を入射させることにより蛍光体13bを照射し、発生した蛍光を円板13aで反射させて蛍光を取り出す構成を採用することもできる。この場合には、基板(円板13a)は光透過性を有しなくてもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、透過型の液晶表示素子30R,30G,30Bを適用したプロジェクター1,1aを示した。これ以外にも、例えば、3枚の反射型の液晶表示素子を用いることとし、これら反射型の液晶表示素子に適合するように色分離導光光学系を構成してもよい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はそれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1,1a プロジェクター 10 照明装置 11 固体光源 13 回転蛍光板 13a 円板 13b 蛍光体 13c ダイクロイック膜 14 モーター 15 コリメーター光学系 20 色分離導光光学系 30R,30G,30B 液晶表示素子 40 クロスダイクロイックプリズム 50 投射光学系 61,61a 制御部 62,62a 光源駆動部 63 モーター駆動部 64 画像信号供給部 65 光センサー 101 発光タイミング生成部 102 回転周期決定部 103 光源出力レベル調整部 SCR スクリーン

Claims (6)

  1. 励起光を射出する固体光源と、
    前記励起光を蛍光に変換する蛍光体と、
    平板上の円の周方向に沿って連続して前記蛍光体が形成された蛍光板と、
    前記円の中心を貫く軸を中心に前記蛍光板を回転させるモーター部と、
    所定の周期を有する発光タイミング信号を生成する発光タイミング生成部と、
    前記発光タイミング信号の周期の非整数倍の回転周期を決定する回転周期決定部と、
    前記モーター部を駆動して前記蛍光板の回転の周期を前記回転周期に一致させるモーター駆動部と、
    前記発光タイミング信号の周期で前記固体光源を間欠に発光させる光源駆動部と、
    を備え
    前記光源駆動部は、前記固体光源の出力レベル調整機能を有し、
    前記蛍光を検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出結果に応じて前記光源駆動部の前記出力レベル調整機能を制御する光源出力レベル調整部と、
    をさらに備え、
    前記光源駆動部は、前記出力レベル調整機能の制御にしたがって前記固体光源からの前記励起光の出力レベルを補正する
    とを特徴とする照明装置。
  2. 前記回転周期決定部は、前記発光タイミング信号の周期の非整数分の一倍の回転周期を決定する
    ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記固体光源は、青色光を射出し、
    前記蛍光体は、前記青色光の一部を赤色光と緑色光とに変換するとともに、前記青色光の他の一部を透過させる
    ことを特徴とする請求項1または2いずれか記載の照明装置。
  4. 励起光を射出する固体光源と、
    前記励起光を蛍光に変換する蛍光体と、
    前記蛍光を画像信号で変調して画像光を生成する光変調部と、
    前記画像光を投射する投射光学系と、
    平板上の円の周方向に沿って連続して前記蛍光体が形成された蛍光板と、
    前記円の中心を貫く軸を中心に前記蛍光板を回転させるモーター部と、
    前記画像信号のフレーム周期に同期した周期を有する発光タイミング信号を生成する発光タイミング生成部と、
    前記発光タイミング信号の周期の非整数倍の回転周期を決定する回転周期決定部と、
    前記モーター部を駆動して前記蛍光板の回転の周期を前記回転周期に一致させるモーター駆動部と、
    前記発光タイミング信号の周期で前記固体光源を間欠に発光させる光源駆動部と、
    を備え
    前記光源駆動部は、前記固体光源の出力レベル調整機能を有し、
    前記蛍光を検出する光検出部と、
    前記光検出部の検出結果に応じて前記光源駆動部の前記出力レベル調整機能を制御する光源出力レベル調整部と、
    をさらに備え、
    前記光源駆動部は、前記出力レベル調整機能の制御にしたがって前記固体光源からの前記励起光の出力レベルを補正する
    とを特徴とするプロジェクター。
  5. 前記回転周期決定部は、前記発光タイミング信号の周期の非整数分の一倍の回転周期を決定する
    ことを特徴とする請求項記載のプロジェクター。
  6. 前記固体光源は、青色光を射出し、
    前記蛍光体は、前記青色光の一部を赤色光と緑色光とに変換するとともに、前記青色光の他の一部を透過させる
    ことを特徴とする請求項4または5いずれか記載のプロジェクター。
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