JP2016170301A - プロジェクター - Google Patents

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洋一 宍戸
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Abstract

【課題】光の利用効率を向上させることができるプロジェクターを提供すること。
【解決手段】光源装置31Aと、3つの光変調装置35と、入出射面3411を介して内部に入射される光から3つの色光を分離して各光変調装置35に入射させ、各光変調装置35から入射される各色光を合成して入出射面3411から出射するダイクロイックプリズム34と、合成された光を投射する投射光学装置36と、を備え、ダイクロイックプリズム34は、第1〜第3プリズム341〜343と、第1及び第2プリズム341,342間に位置する第1色分離層344と、第2及び第3プリズム342,343間に位置する第2色分離層345と、を有し、各色分離層344,345への光の入射角はそれぞれ異なり、各色分離層344,345により分離される色光は、各色分離層344,345への光の入射角と、光源装置31Aからの出射光の波長分布と、に基づいて設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源と、当該光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射光学装置と、を備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、光源から出射された光から赤、緑及び青の色光を分離するとともに、各色光に応じて設けられた光変調装置による各色光の変調光を合成する1つの3色性プリズム・アセンブリを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクター(投射装置)は、光源と、当該光源から出射された光のうち、p偏光を透過し、s偏光を反射させるPBSと、3つのプリズム及び2つの2色性皮膜を有するプリズム・アセンブリと、光変調装置としての3つの反射型ライトバルブと、投射光学装置と、を備える。
このプロジェクターでは、プリズム・アセンブリの各2色性皮膜により、PBSにて反射されたs偏光から赤、緑及び青の色光が分離され、これら色光は、それぞれ対応する反射型ライトバルブに入射されて変調される。そして、当該反射型ライトバルブにより変調されてp偏光となった各色光は、プリズム・アセンブリに再度入射され、当該プリズム・アセンブリにて合成されて、PBSに入射される。これら色光は、PBSを通過して投射光学装置に入射され、当該投射光学装置によって投射される。
特表2003−522966号公報
ところで、上記2色性皮膜である色分離層は、当該色分離層に入射される光の入射角が大きくなると、p偏光での色分離特性とs偏光での色分離特性との乖離が大きくなる。具体的に、光の入射角(色分離層の法線に対する光の角度)が小さい場合、透過と反射とが切り替わる波長の閾値は、p偏光とs偏光とで略同じとなる。しかしながら、光の入射角が大きい場合には、当該波長の閾値は、p偏光とs偏光とで差異が大きくなる。
このため、上記特許文献1に記載のプロジェクターでは、採用される光源の出射光の波長分布によっては、プリズム・アセンブリにPBSを介して入射された光のうち、当該PBSに戻らない光(ロスされる光)が多くなるという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、光の利用効率を向上させることができるプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係るプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置から出射された出射光に含まれる3つの色光のそれぞれに応じて設けられ、対応する色光をそれぞれ変調する3つの光変調装置と、入出射面を介して内部に入射される前記出射光から前記3つの色光をそれぞれ分離して前記3つの光変調装置に入射させ、前記3つの光変調装置により変調されて入射される前記3つの色光を合成して前記入出射面を介して出射するダイクロイックプリズムと、前記ダイクロイックプリズムにより合成された光を投射する投射光学装置と、を備え、前記ダイクロイックプリズムは、前記3つの光変調装置のうち、対応する光変調装置にそれぞれ対向する第1プリズム、第2プリズム及び第3プリズムと、前記入出射面を有する第1プリズム、及び、前記第1プリズムに対向する前記第2プリズムの間に位置し、前記第1プリズム内に入射された前記出射光に含まれる前記3つの色光のうち、第1色光と、第2色光及び第3色光とを分離する第1色分離層と、前記第3プリズムの光入射側に位置し、前記第1色分離層により分離された前記第2色光及び前記第3色光のうち、前記第2色光を反射させ、前記第3色光を透過させる第2色分離層と、を有し、前記第1色分離層に対する前記3つの色光の入射角と、前記第2色分離層に対する前記第2色光及び前記第3色光の入射角とは、それぞれ異なり、前記第1色分離層及び前記第2色分離層により分離される色光は、前記第1色分離層に入射される前記3つの色光の入射角と、前記第2色分離層に入射される前記第2色光及び前記第3色光の入射角と、前記出射光の波長分布と、に基づいて設定されることを特徴とする。
上記一態様によれば、それぞれ光の入射角が異なる第1色分離層及び第2色分離層により分離される色光は、第1色分離層に対する色光の入射角と、第2色分離層に対する色光の入射角と、光源装置からの出射光の波長分布と、に基づいて設定される。すなわち、それぞれ波長が異なる第1色光、第2色光及び第3色光のうち、第1色分離層にて反射される色光、及び、第2色分離層にて反射される色光は、第1色分離層及び第2色分離層に対する色光の入射角と、光源装置からの出射光の波長分布と、に基づいて設定される。
これによれば、第1色分離層及び第2色分離層に対する色光の入射角に基づいて、当該第1色分離層及び第2色分離層の偏光光毎の色分離特性を把握でき、当該色分離特性と、光源装置からの出射光の波長分布とに基づいて、当該出射光から各色光を分離し、変調された各色光を合成する際の光のロスが低減されるように、第1色分離層及び第2色分離層にて分離される色光を設定できる。従って、光源装置から出射されて画像として投射される光の利用効率を向上させることができ、投射画像の輝度が高めることができる。
上記一態様では、前記第1色分離層は、前記第1色光を反射し、前記第2色光及び前記第3色光を透過させることが好ましい。
上記一態様によれば、第1色分離層が、第2色光及び第3色光を透過させるので、光源装置から出射されて入出射面を介して入射される光の中心軸に沿って、第1色分離層及び第2色分離層を直列に配置でき、これにより、第1プリズム、第2プリズム及び第3プリズムを当該中心軸に沿って直列に配置できる。このため、第1色分離層を透過した第1色光の進行方向側に第2プリズムが配置され、当該第1色分離層にて反射される第2色光及び第3色光の進行方向側に第3プリズムが配置されることによって、これら第2プリズム及び第3プリズムが互いに離れて配置される場合に比べて、ダイクロイックプリズムをコンパクトに構成できる。従って、小型のダイクロイックプリズムを採用でき、ひいては、プロジェクターを小型化できる。
上記一態様では、前記第1色光、前記第2色光及び前記第3色光は、青色光、緑色光及び赤色光であり、前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、青色光及び緑色光と、緑色光及び赤色光とのうち、ピーク波長の間隔が小さい2つの色光のうち一方を分離することが好ましい。
ここで、上記のように、光の入射角が大きい色分離層では、p偏光での色分離特性とs偏光での色分離特性との乖離が大きいことから、当該色分離層によってピーク波長の間隔が小さい2つの色光のうち一方を分離しようとすると、p偏光及びs偏光のうち、一方の偏光光(例えばp偏光)が上記出射光としてダイクロイックプリズムに入射され、光変調装置による変調光である他方の偏光光(例えばs偏光)がダイクロイックプリズムにて合成されて出射される際に、当該2つの色光のうち少なくとも一方の色光がロスされる。このロスされた光は、投射光学装置に入射されず、上記光の利用効率が低下する。
これに対し、上記一態様によれば、第1色分離層及び第2色分離層のうち、色光の入射角が小さく、p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい色分離層により、上記ピーク波長の間隔が小さい2つの色光のうちの一方を分離することにより、上記各色光の分離及び合成の際の光のロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を高めることができる。
なお、光源装置からの出射光は、当該光源装置の劣化状態や点灯状態に応じて、ピーク波長がずれる場合がある。このような場合でも、第1色分離層及び第2色分離層によって分離される色光を、上記のように設定することにより、出射光に含まれる色光のピーク波長がずれた場合でも、上記光のロスを低減でき、上記光の利用効率を確実に向上させることができる。
上記一態様では、前記光源装置は、前記青色光を出射する固体光源と、前記青色光が入射されて前記緑色光及び前記赤色光を含む蛍光を出射する蛍光体と、を備え、前記ダイクロイックプリズムには、前記青色光及び前記蛍光が入射され、前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、前記緑色光及び前記赤色光のうち、一方を反射させ、他方を透過させることが好ましい。
ここで、固体光源から出射される青色光の波長幅は比較的狭いが、当該青色光が入射されて出射される蛍光に含まれる緑色光及び赤色光の波長幅は比較的広い。このため、上記光の入射角が大きい色分離層(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が大きい色分離層)により、緑色光及び赤色光のうちの一方を分離(反射)させると、これら緑色光及び赤色光の少なくとも一方の色光のロスが大きくなる。
これに対し、上記一態様では、光の入射角が小さい色分離層(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい色分離層)によって、緑色光及び赤色光のうちの一方を分離(反射)させることにより、これら緑色光及び赤色光のロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を確実に高めることができる。
上記一態様では、前記光源装置は、前記青色光、前記緑色光及び前記赤色光をそれぞれ出射する固体光源を有し、前記ダイクロイックプリズムには、前記固体光源から出射された前記青色光、前記緑色光及び前記赤色光が入射され、前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、前記青色光及び前記緑色光のうち、一方を反射させ、他方を透過させることが好ましい。
固体光源から出射される青、緑及び赤の各色光は、波長幅が比較的狭い光である。しかしながら、固体光源から出射される各色光のピーク波長は、当該固体光源の点灯時の温度等によってずれる場合がある。
これに対し、上記一態様では、上記光の入射角が小さい色分離層(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい色分離層)によって、緑色光及び赤色光よりピーク間隔が小さい青色光及び緑色光のうちの一方を分離(反射)させる。これにより、上記各色光のピーク波長がずれた場合でも、これら青色光及び緑色光のロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を確実に高めることができる。
上記一態様では、前記光源装置及び前記ダイクロイックプリズムの間に配置され、入射される光の偏光方向を揃える偏光変換素子と、前記偏光変換素子及び前記ダイクロイックプリズムの間に配置され、前記偏光変換素子を介して入射される光を透過し、前記3つの光変調装置により変調されて前記ダイクロイックプリズムを介して入射される光を前記投射光学装置に向けて反射させる偏光分離装置と、を有することが好ましい。
上記一態様によれば、偏光変換素子により偏光方向が揃えられた上記出射光をダイクロイックプリズム、ひいては、各光変調装置に入射させることができるので、ランダムな偏光光がそれぞれに入射される場合に比べて、光の利用効率を一層が高めることができる。
また、偏光変換素子によって偏光方向が揃えられた上記出射光は、偏光分離装置を透過してダイクロイックプリズムに入射され、当該ダイクロイックプリズムから出射される各光変調装置の変調光は、当該偏光分離装置によって投射光学装置に向けて反射される。これによれば、偏光分離装置とダイクロイックプリズムとの間で光が往復するので、偏光分離装置と、ダイクロイックプリズム及び光変調装置と、投射光学装置との物理的な距離を短縮できる。従って、プロジェクターを小型化できる。
上記一態様では、前記ダイクロイックプリズムは、前記第1色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第1色光を変調する光変調装置と対向する第1出射面と、前記第2色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第2色光を変調する光変調装置と対向する第2出射面と、前記第3色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第3色光を変調する光変調装置と対向する第3出射面と、を有し、前記3つの光変調装置は、それぞれ、反射型光変調装置であることが好ましい。
なお、反射型光変調装置としては、反射型ライトバルブを例示できる。
上記一態様によれば、上記3つの光変調装置のそれぞれが反射型光変調装置であることから、第1〜第3出射面から出射された光が変調されて入射されるまでの光路を短縮できる。従って、プロジェクターをより小型化できる。
上記一態様では、前記第1色分離層と前記第2プリズムとの間には、隙間が設けられ、前記第1プリズムと前記第1色分離層との間、前記第2プリズムと前記第2色分離層との間、及び、前記第2色分離層と前記第3プリズムとの間には、それぞれ隙間がなく、前記第1色分離層への前記3つの色光の入射角は、前記第2色分離層への前記第2色光及び前記第3色光の入射角よりも大きいことが好ましい。
このようなダイクロイックプリズムでは、第1色分離層にて反射された光は、第1プリズムの上記入出射面にて全反射されて、対応する光変調装置に導かれる。また、第2色分離層にて反射された光は、第1色分離層との間に隙間が形成される第2プリズムの面にて、当該第2プリズムの内側にて全反射されて、対応する光変調装置に導かれ、当該第2色分離層を透過した光は、第3プリズムを透過して、対応する光変調装置に導かれる。このため、制御することが難しい第1色分離層と第2プリズムとの間に形成される隙間が必要となる。
しかしながら、このようなダイクロイックプリズムが採用される場合には、各色分離層及び各プリズムが隙間なく組み合わされたダイクロイックプリズムが採用される場合に比べ、第1色分離層及び第2色分離層の各入射角を小さくすることができる。従って、各色分離層の色分離特性を向上させることができる。
上記一態様では、前記第1プリズムと前記第1色分離層との間、前記第1色分離層と前記第2プリズムとの間、前記第2プリズムと前記第2色分離層との間、及び、前記第2色分離層と前記第3プリズムとの間には、それぞれ隙間がなく、前記第1色分離層への前記3つの色光の入射角は、前記第2色分離層への前記第2色光及び前記第3色光の入射角よりも小さいことが好ましい。
このようなダイクロイックプリズムでは、第1色分離層にて反射された光は、上記と同様に、第1プリズムの上記入出射面にて全反射されて、対応する光変調装置に導かれる。また、第2色分離層にて反射された光は、第2プリズム内を通過して、対応する光変調装置に導かれ、当該第2色分離層を透過した光は、上記と同様に、第3プリズムを透過して、対応する光変調装置に導かれる。このようなダイクロイックプリズムでは、上記隙間を設ける必要がなく容易に製造することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す模式図。 上記第1実施形態における偏光光の種別毎の第1色分離層及び第2色分離層の色分離特性を示す図。 上記第1実施形態における偏光光の種別毎の第1色分離層及び第2色分離層の色分離特性を示す図 上記第1実施形態における照明装置からの出射光の波長分布を示す図。 上記第1実施形態における出射光の波長分布と、第1色分離層が青色光を分離し、第2色分離層が赤色光を分離するダイクロイックプリズムを用いた場合の色分離特性とを示す図。 上記第1実施形態における出射光の波長分布と、第1色分離層が赤色光を分離し、第2色分離層が青色光を分離するダイクロイックプリズムを用いた場合の色分離特性とを示す図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクターが有する照明装置からの出射光の波長分布を示す図。 上記第2実施形態における照明装置の出射光の波長分布と、照明装置に応じて採用されるダイクロイックプリズムの色分離特性とを示す図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクターが有する照明装置からの出射光の波長分布と、照明装置に応じて採用されるダイクロイックプリズムの色分離特性とを示す図。 上記各実施形態におけるダイクロイックプリズムの変形を示す模式図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置31Aから出射された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される光学ユニット3と、を備える。
この他、図示を省略するが、外装筐体2内には、プロジェクター1の構成部品を冷却する冷却装置、プロジェクター1の構成部材に電力を供給する電源装置、及び、プロジェクター1の動作を制御する制御装置等を備える。
[光学ユニットの構成]
光学ユニット3は、上記制御装置から入力される画像情報に応じた画像を形成及び投射する光学装置である。この光学ユニット3は、照明装置31、リレー装置32、ダイクロイックプリズム34、光変調装置35及び投射光学装置36を備える。
[照明装置の構成]
照明装置31は、光源装置31A及び均一化装置31Bを備え、リレー装置32に、偏光方向が揃えられた均一な照明光を出射する。
[光源装置の構成]
光源装置31Aは、少なくとも1つの固体光源を有する固体光源装置311と、集光光学装置312と、回転蛍光板313と、モーター314と、を有する。
固体光源装置311は、励起光として、青色のレーザー光(発光強度のピーク:略455nm)を出射するレーザー光源である。なお、固体光源装置311は、1つのレーザー光源(LD:Laser Diode)を有するものでもよく、複数のレーザー光源を有するものでもよい。また、発光強度のピークが455nm以外の波長の青色光を出射する光源装置を用いることもできる。
集光光学装置312は、第1レンズ3121及び第2レンズ3122を備える。集光光学装置312は、固体光源装置311から回転蛍光板313までの光路に配置され、上記励起光を略集光して、回転蛍光板313に入射させる。これら第1レンズ3121及び第2レンズ3122は、凸レンズである。
回転蛍光板313は、モーター314によって回転される円板3131上に、入射される光の波長を変換する蛍光体層3132(蛍光体)が当該円板3131の周方向に沿って形成されたものである。この回転蛍光板313は、青色光が入射される側とは反対側に向けて赤色光及び緑色光を出射する。
円板3131は、青色光を透過する材料からなる。円板3131の材料としては、例えば、石英ガラス、水晶、サファイア、光学ガラス及び透明樹脂等を採用できる。固体光源装置311から出射された青色光は、円板3131側から蛍光体層3132に入射される。この円板3131と蛍光体層3132との間には、青色光を透過し、緑色光及び赤色光を反射させるダイクロイック膜3133が設けられている。
蛍光体層3132は、上記励起光によって励起されて、緑色光及び赤色光を含む黄色光を出射する。本実施形態では、蛍光体層3132は、波長が略445nmの青色光によって励起される。この蛍光体層3132は、固体光源装置311からの励起光の一部を緑色光及び赤色光を含む光に変換し、かつ、残りの一部を変換せずに通過させる。この蛍光体層3132は、例えば、YAG系蛍光体である(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceを含有する層である。
このような光源装置31Aでは、固体光源装置311から出射された励起光(青色光)の一部の光が、蛍光体層3132を通過し、他の一部が、蛍光体層3132によって赤色光及び緑色光に波長変換される。なお、波長変換された赤色光及び緑色光は、蛍光体層3132にて散乱される。このことから、一部の光は、円板3131側に出射されるが、円板3131と蛍光体層3132との間に位置するダイクロイック膜3133によって、円板3131側(すなわち固体光源装置311側)に進行することが抑制される。これら赤色光及び緑色光は、上記一部の光である青色光とともに均一化装置31Bに入射される。なお、これら赤色光、緑色光及び青色光は、それぞれ、本発明の第1色光、第2色光及び第3色光に相当する。
[均一化装置の構成]
均一化装置31Bは、光源装置31Aから入射される光の中心軸に直交する面内の強度分布(照度分布)を均一化する。この均一化装置31Bは、コリメートレンズ315、第1レンズアレイ316、第2レンズアレイ317、偏光変換素子318及び重畳レンズ319を有する。
コリメートレンズ315は、凸レンズであり、光源装置31Aから入射される光を略平行化する。
第1レンズアレイ316は、図示を省略するが、コリメートレンズ315から入射される光を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズを有する。これら第1小レンズは、照明光軸Ax(設計上の光軸であり、光源装置31Aから出射された光の中心軸)に直交する面内にマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ317は、図示を省略するが、上記複数の第1小レンズに対応する複数の第2小レンズを有する。この第2レンズアレイ317は、重畳レンズ319とともに、第1レンズアレイ316から入射される各第1小レンズの像を各光変調装置35R,35G,35Bの画像形成領域の近傍に結像させ、これにより、上記複数の部分光束は、各画像形成領域に重畳される。なお、各第2小レンズも照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子318は、第1レンズアレイ316により分割された各部分光束の偏光方向を揃える機能を有する。
具体的に、偏光変換素子318は、回転蛍光板313からの光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分(一方の偏光方向を有する直線偏光成分)をそのまま透過させるとともに、他方の直線偏光成分(他方の偏光方向を有する直線偏光成分)を照明光軸Axに垂直な方向に反射させる偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸Axに平行な方向に反射させる反射層と、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する位相差板と、を有する。なお、本実施形態では、偏光変換素子318は、p偏光を出射する構成とされているが、s偏光を出射する構成としてもよい。
[リレー装置の構成]
リレー装置32は、照明装置31から出射された出射光をダイクロイックプリズム34に導く機能を有する。このリレー装置32は、全反射ミラー321、平行化レンズ322及び偏光分離装置323を備える。
全反射ミラー321は、照明装置31から入射される光を、平行化レンズ322に向けて反射させる。
平行化レンズ322は、全反射ミラー321から入射される光を略平行化する。
偏光分離装置323は、いわゆるプレート型の偏光ビームスプリッター(PBS:Polarization Beam Splitter)であり、p偏光及びs偏光のうち、一方の偏光光を通過させ、他方の偏光光を反射させる。
本実施形態では、偏光分離装置323は、p偏光を透過し、s偏光を反射させる。このため、全反射ミラー321及び平行化レンズ322を介して入射される光、すなわち、偏光変換素子318によってp偏光に揃えられた光は、偏光分離装置323を通過して、ダイクロイックプリズム34に出射される。一方、後述する光変調装置35によって変調され、ダイクロイックプリズム34を介して入射される変調光は、偏光分離装置323によって反射されて、投射光学装置36に入射される。
[ダイクロイックプリズムの構成]
ダイクロイックプリズム34は、リレー装置32を介して入射される照明装置31の出射光(p偏光であり、青色光及び上記蛍光を含む光)から青、緑及び赤の3つの色光を分離して、対応する光変調装置35(35B,35G,35R)に入射させる機能を有する。また、このダイクロイックプリズム34は、これら光変調装置35により変調されて入射される各色光(s偏光)を合成した合成光を出射する機能を有する。
このようなダイクロイックプリズム34は、いわゆるギャップレスプリズムであり、第1プリズム341、第2プリズム342及び第3プリズム343と、第1プリズム341及び第2プリズム342の間に位置する第1色分離層344と、第2プリズム342及び第3プリズム343の間に位置する第2色分離層345と、を有し、これら各プリズム341〜343が組み合わされた構成を有する。
第1プリズム341は、三角柱状に形成されており、各プリズム341〜343のうち、偏光分離装置323に最も近い位置に配置される。この第1プリズム341は、偏光分離装置323を通過した光が入射されるとともに、上記合成光が出射される入出射面3411を有する。この入出射面3411は、リレー装置32から入射される光の中心軸に対して直交するように配置される。
第1プリズム341は、第2プリズム342と接合されている。これら第1プリズム341及び第2プリズム342の間には、入出射面3411を介して入射された光のうち、赤色光を反射させ、緑色光及び青色光を透過させる上記第1色分離層344が配置されている。この第1色分離層344は、入出射面3411を介して第1プリズム341内に入射された光の中心軸に対して傾斜するように配置されている。
この第1色分離層344にて反射された赤色光Rは、第1プリズム341の内側から入出射面3411に臨界角以上の角度で入射されて全反射され、第1プリズム341の出射面3412(第1出射面)から光変調装置35Rに向けて出射される。
一方、第1色分離層344を透過した青色光B及び緑色光Gは、第2プリズム342に入射される。
第2プリズム342は、断面が略台形の四角柱状に形成されており、上記第1プリズム341と第3プリズム343とに接合されている。これら第2プリズム342と第3プリズム343との間には、青色光Bを反射させ、緑色光Gを透過させる上記第2色分離層345が配置されている。
この第2色分離層345は、第1色分離層344を透過した青色光B及び緑色光Gの中心軸に対して傾斜するように配置されている。すなわち、第2色分離層345と第1色分離層344とは、入出射面3411に偏光分離装置323から入射される光の中心軸と略一致する照明光軸Axに対して、それぞれ異なる角度で傾斜している。これら第1色分離層344及び第2色分離層345の当該色光の中心軸に対する交差角は、第1色分離層344の方が、第2色分離層345より小さい。換言すると、第1色分離層344に対する光の入射角は、第2色分離層345に対する光の入射角より小さい。そして、第1色分離層344と第2色分離層345とは、当該中心軸に対する傾斜が逆となるように配置されている。なお、本実施形態では、第1色分離層344に対する光(青、緑及び赤の色光B,G,R)の入射角は+25度であるのに対し、第2色分離層345に対する光(青及び緑の色光B,G)の入射角は−40度である。
このような第2色分離層345に第1色分離層344を介して入射される青色光B及び緑色光Gのうち、青色光Bは、当該第2色分離層345にて反射される。この青色光Bは、第2プリズム342内を進行して、当該第2プリズム342の出射面3421(第2出射面)から光変調装置35Bに向けて出射される。
一方、緑色光Gは、第2色分離層345を透過し、第3プリズム343に入射される。
第3プリズム343は、上記第2プリズム342と同様に断面が略台形の四角柱状に形成されており、上記のように、第2プリズム342と接合されている。この第3プリズム343に、上記第2色分離層345を介して入射された緑色光Gは、当該緑色光Gの進行方向に位置し、かつ、上記入出射面3411と略平行な出射面3431、すなわち、照明光軸Axに直交する出射面3431(第3出射面)から光変調装置35Gに向けて出射される。
そして、光変調装置35R,35G,35Bにて変調された各色光B,G,Rは、当該各光変調装置35R,35G,35Bへの各色光B,G,Rの入射経路を逆に辿って合成され、上記入出射面3411から合成光として偏光分離装置323に向けて出射される。
[光変調装置の構成]
光変調装置35(青、緑及び赤の各色光用の光変調装置を、それぞれ35B,35G,35Rとする)は、それぞれ入射される青、緑及び赤の色光B,G,Rを変調して、画像情報に応じた色画像を形成するものである。詳述すると、各光変調装置35は、当該各色光B,G,Rを反射させる過程で変調する反射型光変調装置である。これら光変調装置35B,35G,35Rは、本実施形態では、反射型液晶ライトバルブにより構成されている。
各光変調装置35B,35G,35Rは、それぞれ、対応する出射面3421,3431,3412から入射される青、緑及び赤の色光B,G,Rの中心軸に直交するように、当該各出射面3421,3431,3412に対向配置される。そして、各光変調装置35B,35G,35Rは、入射される各色光を変調した変調光を、対応する出射面3421,3431,3412に入射させる。
[投射光学装置の構成]
投射光学装置36は、上記各光変調装置35により変調されて上記ダイクロイックプリズム34により合成された合成光(赤、緑及び青の変調光が合成された光)を、上記被投射面に向けて投射する。この投射光学装置36は、偏光分離装置323により反射された上記合成光が入射される位置に配置されている。このような投射光学装置36は、詳しい図示を省略するが、鏡筒と、当該鏡筒内にそれぞれ収納配置される複数のレンズとを有する組レンズとして構成されている。
[第1色分離層及び第2色分離層による偏光種別と分離特性との関係]
図2は、第1色分離層344が赤色光を分離し、第2色分離層345が青色光を分離する場合の偏光光の種別毎の各色分離層344,345の色分離特性を示す図である。なお、図2においては、第1色分離層344のp偏光及びs偏光の透過率を細かい点線(Tp)及び二点鎖線(Ts)によってそれぞれ示し、第2色分離層345のp偏光及びs偏光の透過率を実線(Tp)及び大きな点線(Ts)によってそれぞれ示している。以下の図においても同様である。
ここで、上記ダイクロイックプリズム34における第1色分離層344及び第2色分離層345の直線偏光の種別毎の色分離特性について説明する。
入射される光から所定閾値以上又は以下の光を反射させ、他の光を透過させる色分離層の色分離特性は、当該入射される光の入射角及び当該光の偏光方向によって変化する。
例えば、上記ダイクロイックプリズム34において、入射される光の入射角が略25度となる第1色分離層344が赤色光を分離する場合、透過と反射とが切り替わる波長の閾値は、図2に示すように、入射される光がp偏光である場合とs偏光である場合とで大きな差はない。具体的に、当該閾値は、入射光がp偏光である場合には略610nmであるのに対し、s偏光である場合には略605nmである。
これに対し、入射される光の入射角が略40度となる第2色分離層345が青色光を分離する場合、透過と反射とが切り替わる波長の閾値は、入射される光がp偏光であるかs偏光であるかによって大きく異なる。具体的に、当該閾値は、入射光がp偏光である場合には略480nmであるのに対し、s偏光である場合には略505nmである。
そして、第1色分離層344及び第2色分離層345に偏光分離装置323から入射される光はp偏光であり、各光変調装置35によって変調されて入射される変調光はs偏光である。
このダイクロイックプリズム34を介して偏光分離装置323と光変調装置35とを光が往復する間に、入射光がs偏光である場合の上記閾値(略605nm)からp偏光である場合の上記閾値(略610nm)までの波長範囲の赤色光、及び、入射光がp偏光である場合の閾値(略480nm)からs偏光である場合の上記閾値(略505nm)までの波長範囲の青色光は、偏光分離装置323に戻らず、ロスされる。
このようなダイクロイックプリズム34が採用される場合で、偏光分離装置323から当該ダイクロイックプリズム34に入射される光に、特に上記波長範囲の青色光が多く含まれている場合には、投射画像における色バランスが適正ではなくなる可能性や、当該投射画像の輝度が低下する可能性がある。
図3は、第1色分離層344が青色光を分離し、第2色分離層345が赤色光を分離する場合の偏光光の種別毎の各色分離層344,345の色分離特性を示す図である。なお、図3においては、第2色分離層345のp偏光及びs偏光の透過率を細かい点線(Tp)及び二点鎖線(Ts)によってそれぞれ示し、第1色分離層344のp偏光及びs偏光の透過率を実線(Tp)及び大きな点線(Ts)によってそれぞれ示している。
一方、入射される光の入射角が略25度となる第1色分離層344が青色光を分離する場合、図3に示すように、入射される光がp偏光である場合とs偏光である場合とで、上記閾値の差は小さくなる。具体的に、当該閾値は、入射光がp偏光である場合には略480nmであるのに対し、s偏光である場合には略495nmである。
これに対し、入射される光の入射角が略40度となる第2色分離層345が赤色光を分離する場合、入射される光がp偏光である場合とs偏光である場合とで、上記閾値の差は大きくなる。具体的に、当該閾値は、入射光がp偏光である場合には略610nmであるのに対し、s偏光である場合には略565nmである。
そして、上記のように、各色分離層344,345に偏光分離装置323から入射される光はp偏光であり、各光変調装置35から入射される変調光はs偏光である。
このダイクロイックプリズム34を介して偏光分離装置323と光変調装置35とを光が往復する間に、入射光がs偏光である場合の上記閾値(略565nm)からp偏光である場合の上記閾値(略610nm)までの波長範囲の赤色光、及び、入射光がp偏光である場合の閾値(略480nm)からs偏光である場合の上記閾値(略495nm)までの波長範囲の青色光は、偏光分離装置323に戻らず、ロスされる。
このようなダイクロイックプリズム34が採用される場合で、偏光分離装置323から当該ダイクロイックプリズム34に入射される光に、特に上記波長範囲の赤色光が多く含まれている場合には、投射画像における色バランスが適正ではなくなる可能性や、当該投射画像の輝度が低下する可能性がある。
[第1色分離層及び第2色分離層によって分離される色光の決定]
図4は、照明装置31から出射される出射光の波長分布を示す図である。
ここで、照明装置31から出射される光、すなわち、ダイクロイックプリズム34に入射される光は、上記のように、青色光Bと、緑色光G及び赤色光Rを含む蛍光Yとである。これらのうち、青色光Bは、図4に太い実線によって示すように、略455nmにピークを有し、当該蛍光Yは、図4において一点鎖線によって示すように、略475nmから700nm以上に亘る広い波長範囲の光である。このような蛍光Yに含まれる緑色光G及び赤色光Rでは、それぞれのピーク波長の間隔は、青色光B及び緑色光Gのピーク波長の間隔より小さい(狭い)ということができる。
図5は、上記出射光の波長分布と、第1色分離層344が青色光を分離し、第2色分離層345が赤色光を分離するダイクロイックプリズム34を用いた場合の色分離特性とを示す図である。
上記図4にて示した波長分布の光を、上記図3に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34にて分離及び合成する場合、図5に示すように、略455nmにピークを有する青色光Bは、第1色分離層344にてロスなく分離(反射)される。
しかしながら、広い波長範囲に亘る蛍光では、第2色分離層345にて光変調装置35Bにて変調された変調光(s偏光)が反射される際に、略565nmから略610nmまでの波長範囲の色光(緑色光及び赤色光の一部)が第2色分離層345を透過してしまうことから、当該波長範囲の色光は、上記入出射面3411に戻らず、偏光分離装置323に向けて出射されない。換言すると、投射画像に含まれる緑色光Gは、略490nmから略565nmまでの波長範囲の光に限定され、また、赤色光Rは、略610nm以上の波長範囲の光に限定される。
このように、光の入射角が小さい第1色分離層344にて青色光Bを分離(反射)させ、光の入射角が大きい第2色分離層345にて赤色光Rを分離(反射)させるダイクロイックプリズム34では、上記波長分布の光を出射する照明装置31が採用される場合に、光のロスが大きく、投射画像の輝度が低い他、当該投射画像の色バランスが適正でなくなるおそれがある。
図6は、上記出射光の波長分布と、第1色分離層344が赤色光を分離し、第2色分離層345が青色光を分離するダイクロイックプリズム34を用いた場合の色分離特性とを示す図である。
これに対し、上記図4に示した波長分布の光を、上記図2に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34にて分離及び合成する場合、図6に示すように、略455nmにピークを有する青色光Bは、第2色分離層345にてロスなく分離(反射)される。
一方、第1色分離層344にてロスが生じる上記波長範囲(略605nmから略610nmの波長範囲)は比較的狭いことから、当該第1色分離層344にて赤色光Rを分離することにより、上記図5にて示した場合(第2色分離層345が赤色光Rを分離する場合)に比べて、光のロスは少ない。
このように、照明装置31から出射される光の波長分布に応じて、光の入射角が小さい第1色分離層344と、光の入射角が大きい第2色分離層345とにより分離される色光(波長)を設定することにより、光のロスを低減でき、投射画像の輝度の低下を抑制できる他、当該投射画像の色バランスを維持できる。従って、本実施形態においては、上記波長分布の光を出射する照明装置31が採用される場合に、第1色分離層344により赤色光が分離(反射)され、第2色分離層345により青色光が分離(反射)されるダイクロイックプリズム34を採用することにより、当該効果を好適に奏することができる。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
それぞれ光の入射角が異なる第1色分離層344及び第2色分離層345にて分離される色光は、第1色分離層344に対する光の入射角と、第2色分離層345に対する光の入射角と、光源装置31Aからの出射光の波長分布と、に基づいて設定される。これによれば、各色分離層344,345に対する光の入射角に基づいて、当該各色分離層344,345の偏光光毎の色分離特性を把握できる。そして、当該色分離特性と、出射光の波長分布とに基づいて、第1色分離層344及び第2色分離層345にて分離される色光を、光源装置31Aの出射光から各色光を分離し、変調された各色光を合成する際の光のロスが低減されるように設定できる。従って、光源装置31Aから出射されて画像として投射される光の利用効率を向上させることができ、投射画像の輝度が高めることができる。
第1色分離層344は、赤色光Rを反射させ、青色光B及び緑色光Gを透過することにより、照明装置31から出射された光から、これら色光を分離する構成である。これによれば、照明装置31(光源装置31A)から出射されて入出射面3411を介して入射される光の中心軸(照明光軸Ax)に沿って、第1色分離層344及び第2色分離層345を直列に配置でき、これにより、第1プリズム341、第2プリズム342及び第3プリズム343を当該中心軸に沿って直列に配置できる。このため、例えば、第1色分離層344を透過した第1色光の進行方向側に第2プリズム342が配置され、当該第1色分離層344にて反射される第2色光及び第3色光の進行方向側に第2色分離層345及び第3プリズム343が配置されることによって、これら第2プリズム342及び第3プリズム343が互いに離れて配置される場合に比べて、ダイクロイックプリズム34をコンパクトに構成できる。従って、小型のダイクロイックプリズム34を採用でき、ひいては、プロジェクター1を小型化できる。
ピーク波長の間隔が小さい緑色光G及び赤色光Rのうちの赤色光Rを、光の入射角が大きい第2色分離層345によって分離すると、上記のように、p偏光及びs偏光のうち、偏光変換素子318によって揃えられたp偏光がダイクロイックプリズム34に入射され、各光変調装置35によって変調された変調光であるs偏光が当該ダイクロイックプリズム34にて合成されて出射される際に、緑色光G及び赤色光Rのうちの少なくとも一方の色光がロスされる。このロスされた光は、投射光学装置36に入射されず、上記光の利用効率が低下する。
これに対し、光の入射角が小さい第1色分離層344(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい第1色分離層344)により、上記ピーク波長の間隔が小さい緑色光G及び赤色光Rのうちの赤色光Rを反射させて分離することにより、各色光B,G,Rの分離及び合成の際の光のロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を高めることができる。
励起光である青色光Bが蛍光体層3132に入射されて出射される蛍光Yに含まれる緑色光G及び赤色光Rの波長幅は比較的広く、ピーク波長間の輝度も高い。このため、光の入射角が大きい第2色分離層345(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が大きい第2色分離層345)によって、赤色光Rを分離(反射)させると、これら緑色光G及び赤色光Rの少なくとも一方の色光のロスが大きくなる。
これに対し、光の入射角が小さい第1色分離層344(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい第1色分離層344)によって、赤色光Rを反射させて分離することにより、緑色光G及び赤色光Rのロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を確実に高めることができる。
偏光変換素子318により偏光方向が揃えられた上記出射光をダイクロイックプリズム34、ひいては、各光変調装置35(35R,35G,35B)に入射させることができるので、光の利用効率を一層が高めることができる。
また、偏光変換素子318によって偏光方向が揃えられた上記出射光は、偏光分離装置323を透過してダイクロイックプリズム34に入射され、当該ダイクロイックプリズム34から出射される各光変調装置35の変調光は、当該偏光分離装置323によって投射光学装置36に向けて反射される。これによれば、偏光分離装置323とダイクロイックプリズム34との間で、光が往復するので、偏光分離装置323と、ダイクロイックプリズム34及び光変調装置35と、投射光学装置36との物理的な距離を短縮できる。従って、プロジェクター1を小型化できる。
各光変調装置35は、反射型光変調装置であることから、各出射面3412,3421,3431から出射された光が、各光変調装置35によって変調されて、再度各出射面3412,3421,3431に入射されるまでの光路を短縮できる。従って、プロジェクター1をより小型化できる。
ダイクロイックプリズム34は、いわゆるギャップレスプリズムにより構成され、第1色分離層344にて反射された赤色光Rは、第1プリズム341の入出射面3411にて全反射されて、対応する光変調装置35Rに導かれる。また、第2色分離層345にて反射された青色光Bは、第2プリズム342内を通過して、対応する光変調装置35Bに導かれ、当該第2色分離層345を透過した緑色光Gは、第3プリズム343を透過して、対応する光変調装置35Gに導かれる。このようなダイクロイックプリズム34では、第1プリズム341と第1色分離層344との間、第1色分離層344と第2プリズム342との間、第2プリズム342と第2色分離層345との間、及び、第2色分離層と第3プリズム343との間に、隙間がない。このため、ダイクロイックプリズム34では、いわゆるフィリップスプリズムにより構成される場合に必要とされる制御することが難しい隙間を要しない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有する、照明装置の構成と、上記第1色分離層344及び第2色分離層345により分離される色光とが異なる。これらの点で、本実施形態に係るプロジェクターと、上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るプロジェクターが有する照明装置31からの出射光の波長分布を示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、照明装置31及びダイクロイックプリズム34の構成が異なる他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
これらのうち、照明装置31は、上記固体光源装置311から出射された励起光としての青色光を緑色光及び赤色光に波長変換する光源装置31Aを備える構成ではなく、赤、緑及び青の各色光を出射する3種のLD(Laser Diode)を有する光源装置を備える。
具体的に、これら3種のLDは、図7に示すように、略445nmにピークを有する青色光Bと、略525nmにピークを有する緑色光Gと、略638nmにピークを有する赤色光Rと、を出射する。そして、これら3つの色光B,G,Rは、均一化装置31Bを介して、リレー装置32に入射される。
図7に示す波長分布の光を出射する光源装置を有する照明装置31が採用される場合、図2に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34、及び、図3に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34のいずれが採用される場合でも、各色光B,G,Rを分離可能である。しかしながら、LDは、温度によって出射される光の波長が変化することから、各色光のピーク波長が、第1色分離層344及び第2色分離層345の上記閾値から離れる方が好ましい。
従って、本実施形態における照明装置31が採用される場合には、青色光Bのピーク波長(略445nm)と緑色光Gのピーク波長(略525nm)との間の幅の方が、緑色光Gのピーク波長と赤色光Rのピーク波長(略638nm)との間の幅より狭いことから、図3に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34が採用される。すなわち、この場合には、光の入射角が小さい第1色分離層344が青色光Bを反射させて分離し、光の入射角が大きい第2色分離層345が赤色光Rを反射させて分離するダイクロイックプリズム34が採用される。
図8は、本実施形態における照明装置31の出射光の波長分布と、当該照明装置31に応じて採用されるダイクロイックプリズム34の色分離特性とを示す図である。
これによれば、図8に示すように、図2に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34が採用される場合に比べて、各色光B,G,Rのピーク波長を第1色分離層344及び第2色分離層345の閾値から離すことができる。従って、照明装置31から出射された光から3つの色光を分離し、各色光の変調光を合成する際に光のロスを低減でき、投射画像の輝度の低下を抑制できる。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
固体光源であるLDから出射される青色光、緑色光及び赤色光は、波長幅が比較的狭い光である。しかしながら、上記のように、LDから出射される各色光のピーク波長は、当該LDの点灯時の温度等によってずれる場合がある。
これに対し、本実施形態に係るプロジェクターでは、光の入射角が小さい第1色分離層344(p偏光とs偏光とで色分離特性の差が小さい第1色分離層344)によって、緑色光G及び赤色光Rよりピーク間隔が小さい青色光B及び緑色光Gのうち青色光Bを反射させて分離する。これによれば、上記各色光のピーク波長がずれた場合でも、これら青色光B及び緑色光Gのロスを低減できる。従って、上記光の利用効率を確実に向上させることができ、投射画像の輝度を確実に高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有する。ここで、上記第2実施形態にて示したプロジェクターでは、出射光のピークの波長幅が比較的狭いLDを有する光源装置が採用された。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターでは、出射光のピークの波長幅がやや広いLED(Light Emitting Diode)を有する光源装置が採用されている。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施形態に係るプロジェクターが有する照明装置31から出射される光の波長分布と、当該照明装置31に応じて採用されるダイクロイックプリズム34の色分離特性とを示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、照明装置31及びダイクロイックプリズム34の構成が異なる他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
これらのうち、照明装置31は、上記第2実施形態における照明装置31と同様に、3色の固体光源を有する光源装置を備え、当該3色の固体光源は、赤、緑及び青の各色光をそれぞれ出射するLEDである。
これら3色のLEDは、図9に示すように、略460nmにピーク波長を有する青色光Bと、略525nmにピーク波長を有する緑色光Gと、略613nm及び略623nmにピーク波長を有する赤色光R(R1,R2)と、を出射する。そして、これら3つの色光B,G,Rは、均一化装置31Bを介して、リレー装置32に入射される。なお、これら赤、緑及び青の色光B,G,Rは、上記LDから出射される赤、緑及び青の色光B,G,Rに比べて波長幅が広い。
上記3色のLEDを有する照明装置31が採用される場合、上記3色のLDを有する照明装置31が採用される場合と同様に、図2に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34、及び、図3に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34のいずれでも、各色光B,G,Rを分離可能である。しかしながら、各LEDから出射される色光B,G,Rの各波長幅は比較的広いことから、各色光B,G,Rのピーク波長が、上記第1色分離層344及び上記第2色分離層345の閾値から離れる方が好ましい。
従って、本実施形態における照明装置31が採用される場合でも、青色光Bのピーク波長(略460nm)と緑色光Gのピーク波長(略525nm)との間の幅の方が、緑色光Gのピークと赤色光R(R1,R2)のピーク波長(略613nm及び略623nm)との間の幅より狭いことから、図3に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34が採用される。すなわち、この場合には、光の入射角が小さい第1色分離層344が青色光Bを反射させて分離し、光の入射角が大きい第2色分離層345が赤色光Rを反射させて分離するダイクロイックプリズム34が採用される。
これによれば、図9に示すように、図2に示した色分離特性を有するダイクロイックプリズム34が採用される場合に比べて、各色光B,G,Rのピーク波長を第1色分離層344及び第2色分離層345の閾値から離すことができる。従って、上記と同様に、照明装置31から出射された光から3つの色光B,G,Rを分離し、各色光B,G,Rの変調光を合成する際に光のロスを低減でき、投射画像の輝度の低下を抑制できる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記第2実施形態にて示したプロジェクターと同様の効果を奏することができる。
なお、上記3色のLEDのうち、赤色光Rを出射するLEDとして、ピーク波長が1つである赤色光を出射するLEDを採用してもよい。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、色分離/合成装置としてのダイクロイックプリズム34は、いわゆるギャップレスプリズムであるとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、ダイクロイックプリズム34は、他の形状のダイクロイックプリズムでもよく、いわゆるフィリップスプリズムであってもよい。
図10は、フィリップスプリズムにより構成されるダイクロイックプリズム37を示す模式図である。
フィリップスプリズムにより構成されるダイクロイックプリズム37は、ギャップレスプリズムにより構成されたダイクロイックプリズム34と同様に、図10に示すように、第1プリズム371、第2プリズム372及び第3プリズム373と、第1色分離層374及び第2色分離層375と、を有し、これらプリズム371〜373が組み合わされた構成を有する。
第1プリズム371は、上記第1プリズム341と同様に、略三角柱状に形成され、第1〜第3プリズム371〜373のうち最も偏光分離装置323に近い位置に配置される。この第1プリズム371は、照明光軸Axに直交する入出射面3711を有し、当該入出射面3711を介して、偏光分離装置323を通過した光が第1プリズム371内に入射される。
このような第1プリズム371と、当該第1プリズム371に接合される第2プリズム372との間には、第1色分離層374が、照明光軸Axに対して傾斜するように配置されている。具体的に、第1色分離層374は、第1プリズム371において入出射面3711とは反対側の面に形成されている。
この第1色分離層374は、上記第1色分離層344と同様に、所定閾値以上又は以下の光を反射させ、その他の波長の光を透過させる。
例えば、第1色分離層374が、入射される光のうち、青色光Bを反射させ、緑色光G及び赤色光Rを透過させる構成である場合には、当該第1色分離層374によって反射された青色光Bは、第1プリズム371の内側から上記入出射面3711に臨界角以上の角度にて入射される。そして、当該青色光Bは、第1プリズム371の出射面3712(第1出射面)から、当該出射面3712に対向する青色光用の光変調装置35B(図示省略)に入射される。
一方、第1色分離層374に入射された緑色光G及び赤色光Rは、当該第1色分離層374を通過し、更に、第1プリズム371と第2プリズム372との間に形成された隙間GPを通過して、当該第2プリズム372に入射される。
第2プリズム372は、略三角柱状に形成されており、第1プリズム371との間に数μm程度の隙間GPを介して配置されている。この第2プリズム372と、第3プリズム373との間には、第2色分離層375が、照明光軸Axに対して上記第1色分離層374とは反対側に傾斜するように配置されている。
この第2色分離層375は、第2色分離層345と同様に、隙間GPを介して第1プリズム371から入射される光のうち、第1色分離層374とは異なる閾値以上又は以下の光を反射させ、その他の波長の光を透過させる。
例えば、第2色分離層375が、入射される緑色光G及び赤色光Rのうち、赤色光Rを反射させ、緑色光Gを透過させる構成である場合には、当該第2色分離層375によって反射された赤色光Rは、第2プリズム372の内側から第1プリズム371に対向する端面3721に臨界角以上の角度で入射される。そして、当該赤色光Rは、第2プリズム372の出射面3722(第2出射面)から、当該出射面3722に対向する赤色光用の光変調装置35R(図示省略)に入射される。
一方、第2色分離層375を透過した緑色光Gは、第2プリズム372と隙間なく接合される第3プリズム373に入射される。
第3プリズム373は、断面が略台形の四角柱状に形成されている。この第3プリズム373は、第2プリズム372から光が入射される面とは反対側に、上記入出射面3711と平行な出射面3731、すなわち、照明光軸Axに直交する出射面3731を有する。そして、第3プリズム373に入射された緑色光Gは、出射面3731(第3出射面)から、当該出射面3731に対向する緑色光用の光変調装置35G(図示省略)に入射される。
そして、光変調装置35B,35G,35Rにて変調された各色光B,G,Rは、当該各光変調装置35B,35G,35Rへの各色光B,G,Rの入射経路を逆に辿って合成され、上記入出射面3711から合成光として偏光分離装置323に向けて出射される。
このようなダイクロイックプリズム37においても、第1色分離層374及び第2色分離層375は、それぞれ異なる角度で照明光軸Axに対して交差しており、各色分離層374、375への光の入射角もそれぞれ異なる。
例えば、第1色分離層374は、照明光軸Axに沿って入射される光の入射角が−28度となるように傾斜しているのに対し、第2色分離層375は、当該照明光軸Axに沿って入射される光の入射角が+11度となるように傾斜している。
このため、フィリップスプリズムにより構成されたダイクロイックプリズム37が採用される場合でも、上記ギャップレスプリズムにより構成されたダイクロイックプリズム34が採用される場合と同様に、第1色分離層374及び第2色分離層375は、入射される直線偏光の種別毎に色分離特性がそれぞれ異なる。
このようなダイクロイックプリズム37が、上記ダイクロイックプリズム34に代えてプロジェクターに採用される場合でも、各色分離層374,375への光の入射角と、当該プロジェクターに用いられる照明装置31(詳しくは光源装置31A)による出射光の波長分布とに基づいて、第1色分離層374及び第2色分離層375にて分離される色光を設定することにより、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる。
なお、フィリップスプリズムにより構成されたダイクロイックプリズム37では、上記数μm程度の隙間GPを隔てて配置する必要があるが、第2色分離層375にて反射された光を、第2プリズム372において第1プリズム371と対向する面にて内面反射させて、対応する光変調装置35に導く構成であるため、上記ギャップレスプリズムにより構成されたダイクロイックプリズム34において、色分離層に対する光の入射角の大きい第2色分離層345に対する光の入射角を小さくすることができる。このため、ダイクロイックプリズム37は、ダイクロイックプリズム34に比べて、直線偏光の種別毎の色分離特性が良い。
一方、ダイクロイックプリズム34では、上記のように、ダイクロイックプリズム37にて必要とされる隙間GPが不要であるため容易に製造できる。
また、ダイクロイックプリズム34の他の構成としては、図示を省略するが、照明装置31から出射された光が入射される入出射面を有する第1プリズムと、当該第1プリズムに対向配置される第2プリズムと、同じく第1プリズムに対向する第3プリズムと、を有し、第1プリズムと第2プリズムとの間に第1色分離層が位置し、第1プリズムと第3プリズムとの間に第2色分離層が位置するダイクロイックプリズムが挙げられる。
このようなダイクロイックプリズムでは、例えば、第1プリズムの入出射面から入射された照明光(例えば、照明装置31からの出射光)のうち、第1色光は、当該照明光の中心軸に対して傾斜する第1色分離層を透過し、第2色光及び第3色光は当該第1色分離層にて反射されるように構成できる。この場合、第1色分離層を透過した第1色光は、第2プリズムに入射され、必要に応じて第2プリズム内で内面反射された後、当該第2プリズムの出射面(第2出射面)から対応する光変調装置に向けて出射させることができる。また、第1色分離層にて反射された第2色光及び第3色光は、必要に応じて第1プリズム内で内面反射された後(例えば入出射面にて内面反射された後)、当該第2色光及び第3色光の中心軸に対して傾斜する第2色分離層(第3プリズムにおいて第2色光及び第3色光の入射側に位置する第2色分離層)に入射させることができる。
第2色分離層に入射された第2色光及び第3色光のうち、一方の光は、第2色分離層にて反射され、更に必要に応じて第1プリズム内にて内面反射された後、当該第1プリズムの出射面(第1出射面)から対応する光変調装置に出射され、他方の光は、第2色分離層を透過して第3プリズムに入射され、必要に応じて第3プリズム内にて内面反射された後、当該第3プリズムの出射面(第3出射面)から対応する光変調装置に出射されるように構成できる。そして、各光変調装置にて反射される過程にて変調された各色光は、当該各光変調装置に入射される光路を逆に辿って合成されて、第1プリズムの入出射面から出射される。このようなダイクロイックプリズムを用いることにより、第1色分離層が第1色光を透過し、第2色光及び第3色光を反射させる構成をプロジェクターに採用できる。
そして、このようなダイクロイックプリズムが採用される場合には、それぞれ入射される光の中心軸に対して傾斜した各色分離層、すなわち、光の入射角がそれぞれ異なる各色分離層によって分離される色光は、第1色分離層に入射される各色光の入射角と、第2色分離層に入射される第2色光及び第3色光の入射角と、照明装置(光源装置)からの出射光の波長分布と、に基づいて設定される。これにより、上記と同様に、画像として投射される光の利用効率を向上させることができ、投射画像の輝度が高めることができる。
上記各実施形態では、光変調装置35は、反射型光変調装置であった。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、光変調装置35は、透過型ライトバルブ等の透過型光変調装置であってもよい。この場合、青、緑及び赤の各色光が出射されるダイクロイックプリズムの出射面に、各光変調装置による変調光を入射させる構成であればよい。また、反射型光変調装置が採用される場合でも、反射型液晶ライトバルブに限らず、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
上記各実施形態では、光学ユニット3は、図1において示した光学部品を有する構成であった。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、光源装置は、LDやLED等の固体光源から青色光を出射する第1光源部と、当該第1光源部とは異なる固体光源から出射された励起光を蛍光体に入射させて、上記蛍光を出射する第2光源部と、これら第1光源部及び第2光源部から出射される光を合成して、均一化装置31Bに入射させる構成であってもよい。また、蛍光体層3132は、モーター314によって回転される円板3131に形成される構成に限らず、固定される基板上に形成されていてもよい。
上記各実施形態にて示した光源装置31Aが出射する青色光、緑色光及び赤色光の波長は一例であり、他の波長の青色光、緑色光及び赤色光を出射する光源装置を採用してもよい。また、ダイクロイックプリズム34,37における第1色分離層344,374及び第2色分離層345,375への光の入射角も、上記に限らず他の角度でもよい。
また、偏光変換素子318は、入射される光をp偏光に揃え、偏光分離装置323は、p偏光を透過し、s偏光を反射させる構成であった。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、偏光変換素子318は、入射される光をs偏光に揃え、偏光分離装置323は、s偏光を透過し、p偏光を反射させる構成であってもよい。
1…プロジェクター、31A…光源装置、311…固体光源装置(固体光源)、3132…蛍光体層(蛍光体)、318…偏光変換素子、323…偏光分離装置、34,37…ダイクロイックプリズム、341,371…第1プリズム、3411,3711…入出射面、3412,3712…出射面(第1出射面)、342,372…第2プリズム、3421,3722…出射面(第2出射面)、343,373…第3プリズム、3431,3731…出射面(第3出射面)、344,374…第1色分離層、345,375…第2色分離層、35(35R,35G,35B)…光変調装置、36…投射光学装置。

Claims (9)

  1. 光源装置と、
    前記光源装置から出射された出射光に含まれる3つの色光のそれぞれに応じて設けられ、対応する色光をそれぞれ変調する3つの光変調装置と、
    入出射面を介して内部に入射される前記出射光から前記3つの色光をそれぞれ分離して前記3つの光変調装置に入射させ、前記3つの光変調装置により変調されて入射される前記3つの色光を合成して前記入出射面を介して出射するダイクロイックプリズムと、
    前記ダイクロイックプリズムにより合成された光を投射する投射光学装置と、を備え、
    前記ダイクロイックプリズムは、
    前記3つの光変調装置のうち、対応する光変調装置にそれぞれ対向する第1プリズム、第2プリズム及び第3プリズムと、
    前記入出射面を有する第1プリズム、及び、前記第1プリズムに対向する前記第2プリズムの間に位置し、前記第1プリズム内に入射された前記出射光に含まれる前記3つの色光のうち、第1色光と、第2色光及び第3色光とを分離する第1色分離層と、
    前記第3プリズムの光入射側に位置し、前記第1色分離層により分離された前記第2色光及び前記第3色光のうち、前記第2色光を反射させ、前記第3色光を透過させる第2色分離層と、を有し、
    前記第1色分離層に対する前記3つの色光の入射角と、前記第2色分離層に対する前記第2色光及び前記第3色光の入射角とは、それぞれ異なり、
    前記第1色分離層及び前記第2色分離層により分離される色光は、前記第1色分離層に入射される前記3つの色光の入射角と、前記第2色分離層に入射される前記第2色光及び前記第3色光の入射角と、前記出射光の波長分布と、に基づいて設定されることを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1色分離層は、前記第1色光を反射し、前記第2色光及び前記第3色光を透過させることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1色光、前記第2色光及び前記第3色光は、青色光、緑色光及び赤色光であり、
    前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、青色光及び緑色光と、緑色光及び赤色光とのうち、ピーク波長の間隔が小さい2つの色光のうち一方を分離することを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光源装置は、
    前記青色光を出射する固体光源と、
    前記青色光が入射されて前記緑色光及び前記赤色光を含む蛍光を出射する蛍光体と、を備え、
    前記ダイクロイックプリズムには、前記青色光及び前記蛍光が入射され、
    前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、前記緑色光及び前記赤色光のうち、一方を反射させ、他方を透過させることを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光源装置は、前記青色光、前記緑色光及び前記赤色光をそれぞれ出射する固体光源を有し、
    前記ダイクロイックプリズムには、前記固体光源から出射された前記青色光、前記緑色光及び前記赤色光が入射され、
    前記第1色分離層及び前記第2色分離層のうち、前記入射角が小さい色分離層は、前記青色光及び前記緑色光のうち、一方を反射させ、他方を透過させることを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光源装置及び前記ダイクロイックプリズムの間に配置され、入射される光の偏光方向を揃える偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子及び前記ダイクロイックプリズムの間に配置され、前記偏光変換素子を介して入射される光を透過し、前記3つの光変調装置により変調されて前記ダイクロイックプリズムを介して入射される光を前記投射光学装置に向けて反射させる偏光分離装置と、を有することを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記ダイクロイックプリズムは、
    前記第1色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第1色光を変調する光変調装置と対向する第1出射面と、
    前記第2色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第2色光を変調する光変調装置と対向する第2出射面と、
    前記第3色光が出射されるとともに、前記3つの光変調装置のうち前記第3色光を変調する光変調装置と対向する第3出射面と、を有し、
    前記3つの光変調装置は、それぞれ、反射型光変調装置であることを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1色分離層と前記第2プリズムとの間には、隙間が設けられ、
    前記第1プリズムと前記第1色分離層との間、前記第2プリズムと前記第2色分離層との間、及び、前記第2色分離層と前記第3プリズムとの間には、それぞれ隙間がなく、
    前記第1色分離層への前記3つの色光の入射角は、前記第2色分離層への前記第2色光及び前記第3色光の入射角よりも大きいことを特徴するプロジェクター。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1プリズムと前記第1色分離層との間、前記第1色分離層と前記第2プリズムとの間、前記第2プリズムと前記第2色分離層との間、及び、前記第2色分離層と前記第3プリズムとの間には、それぞれ隙間がなく、
    前記第1色分離層への前記3つの色光の入射角は、前記第2色分離層への前記第2色光及び前記第3色光の入射角よりも小さいことを特徴するプロジェクター。
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