JP2013190548A - 光源装置およびプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体層の性能劣化が生じにくい光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置は、蛍光体層13bと、蛍光体層13bを励起する励起光Lを射出する第1の光源11と、蛍光体層13bの励起光Lが照射される照射位置を蛍光体層13bに対して相対的に移動させる駆動部(モーター14およびモーター駆動部63)と、蛍光体層13bにおいて異常が発生している異常領域に照射される励起光Lの光量を異常領域とは異なる領域に照射される励起光Lの光量よりも小さくする光源出力レベル調整部74と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置およびプロジェクターに関するものである。
プロジェクターに用いられる光源装置の一つとして、レーザー光を励起光として蛍光体層に照射し、励起光とは異なる波長の蛍光を発生させる光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の光源装置では、高エネルギーの励起光が蛍光体層に集光して照射されるため、励起光の照射位置が高温になりやすい。そのため、特許文献1の光源装置では、蛍光体層を回転駆動される基板上に形成し、励起光の照射位置に生じた熱を基板の回転方向に分散させている。
特開2009−277516号公報
蛍光体層に埃や異物などが付着したり、蛍光体層の厚みに大きなバラツキが存在すると、蛍光体層の温度が局所的に上昇し、蛍光体層に変質(例えば、蛍光体を固着している樹脂の炭化)が生じる場合がある。本明細書では、蛍光体層にこのような変質が生じた領域を異常領域と呼ぶ。異常領域はさらに光を吸収して温度が上がり、周囲の蛍光体層に作用して異常領域が広がっていく。基板の径方向は光照射部が限られているため異常領域は広がらないが、基板の周方向(回転方向)は励起光の移動方向なので異常領域は基板の周方向に伸び、ゆっくりと成長していく。そして最後には異常領域が基板の全周に及んでしまう。異常領域は発光効率が落ちて性能が維持できず、寿命が短くなる上、温度上昇が生じて故障の原因になる。
本発明の目的は、蛍光体層の性能劣化が生じにくい光源装置およびプロジェクターを提供することにある。
本発明の光源装置は、蛍光体層と、前記蛍光体層を励起する励起光を射出する第1の光源と、前記蛍光体層の前記励起光が照射される照射位置を前記蛍光体層に対して相対的に移動させる駆動部と、前記蛍光体層において異常が発生している異常領域に照射される励起光の光量を、前記異常領域とは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくする光源出力レベル調整部と、を備えている。
この構成によれば、異常領域に照射される励起光の光量が他の領域に比べて低減されるので、異常領域の広がりが抑制され、蛍光体層の性能劣化が生じにくくなる。
前記光源出力レベル調整部は、前記蛍光体層から射出された光の光量に応じて前記励起光の光量を制御してもよい。
この構成によれば、異常領域を容易に検出することができる。
前記異常領域を検出する異常領域検出部をさらに備えてもよい。
この構成によれば、異常領域の位置が特定されるため、励起光の光量を蛍光体層の照射位置に応じて精密に制御することで、異常領域が広がることをよりよく抑制できる。
前記蛍光体層から放射される第1の光の光量を検出する光量検出部を備え、前記異常領域検出部は、前記光量検出部で検出された光量が予め設定された第1の光量以下となる前記蛍光体層の領域を前記異常領域として検出してもよい。
この構成によれば、異常領域を蛍光の光量変化に基づいて簡便に検出することができる。
前記光源出力レベル調整部は、前記異常領域に照射される前記励起光の光量と、前記異常領域に隣り合い、前記蛍光体層から射出された光の光量が前記第1の光量より大きく且つ予め設定された第2の光量より小さい隣接領域に照射される前記励起光の光量とを、前記異常領域および前記隣接領域以外の領域に照射される前記励起光の光量よりも小さくしてもよい。
この構成によれば、異常領域の隣接領域で変質が進行し、励起光の照射位置の移動方向に沿って異常領域が大きく広がることが抑制される。
前記光源出力レベル調整部は、前記隣接領域に照射される前記励起光の光量を、前記異常領域の中央部に照射される前記励起光の光量よりも小さくしてもよい。
蛍光体層の変質は、主に異常領域の端部およびその隣接領域から励起光の照射位置の移動方向に沿って進行する。これは、励起光の吸収および変質が励起光の照射位置の軌跡上で起こるからである。異常領域の中央部でも励起光の吸収および変質は生じるが、異常領域の広がりは励起光の吸収によって生じた熱が蛍光体層内を熱伝導される範囲である。そのため、照射位置の軌跡と交差する方向には、励起光の照射位置の軌跡に沿って異常領域が広がる場合のようにダイナミックに広がることはない。そのため、異常領域の中央部には、異常領域の端部およびその隣接領域に比べて強い励起光を照射することができる。本発明のように異常領域に照射する励起光の光量を小さくすると、光源装置から射出される第1の光の光量が小さくなるが、異常領域の中央部に照射する励起光の光量を大きくすれば、この光量の低下を抑えることができる。
前記照射位置は前記蛍光体層上を所定の軌跡を描いて周期的に移動し、前記異常領域検出部は、前記蛍光体層のうち一の位置から放射される前記第1の光の光量を複数回検出してもよい。
この構成によれば、1周期ごとの第1の光の光量のバラツキを平均化でき、異常領域を精度よく検出することができる。
前記蛍光体層から放射される光の色とは異なる色の第2の光を射出する第2の光源を備え、前記光源出力レベル調整部は、前記異常領域に照射される前記励起光の光量を前記異常領域とは異なる領域に照射される前記励起光の光量よりも小さくすることに対応して、前記第2の光源から射出される前記第2の光の光量を小さくしてもよい。
この構成によれば、色ずれの少ない画像表示が可能になる。
本発明のプロジェクターは、本発明の光源装置を備えている。
この構成によれば、蛍光体層の性能劣化が生じにくいプロジェクターが提供される。
第1実施形態のプロジェクターの概略図である。 プロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。 異常領域が回転蛍光板の回転方向に沿って成長する様子を示す図である。 蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。 プロジェクターの制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。 第2実施形態のプロジェクターにおける蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。 第3実施形態のプロジェクターの概略図である。 プロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。 第4実施形態のプロジェクターの励起光の制御方法の説明図である。 第5実施形態のプロジェクターの概略図である。 プロジェクターの動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。 蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のプロジェクター1の概略図である。
プロジェクター1は、赤色用光源装置10Rと、緑色用光源装置10Gと、青色用光源装置10Bと、赤色用液晶表示素子30Rと、緑色用液晶表示素子30Gと、青色用液晶表示素子30Bと、色合成光学系40と、投射光学系50と、を備えている。
緑色用光源装置10Gは、光源11と、集光レンズ12aと、コリメートレンズ12bと、回転蛍光板13と、モーター14と、ピックアップ光学系15と、ダイクロイックミラー16と、集光レンズ17と、ロッドインテグレーター18と、コリメートレンズ19と、を備えている。
光源11は、固体光源35と、固体光源35から射出された光を平行化するコリメートレンズ36とを1組とする光学素子が5×5の2次元配列状に並べられた固体光源アレイである。固体光源35としては、例えば、励起光として青色レーザー光を射出する半導体レーザー素子(Laser Diode; LD)が用いられる。励起光は、例えば、波長が約450nmにおいて発光強度のピークが現れる特性を有する。光源11は本発明における第1の光源である。
光源11から射出された励起光は、集光レンズ12aとコリメートレンズ12bで一旦光束が細められる。その後、ダイクロイックミラー16にて90度光路が折り曲げられ、ピックアップ光学系15で回転蛍光板13の蛍光体13b上に集光される。蛍光体13bに入射した励起光は、集光スポット全体で□1mmの略正方形状となる。
回転蛍光板13は、基板としての円板13aの一方の面に、蛍光体層としての蛍光体13bを円板13aの周方向に沿って連続的に形成したものである。回転蛍光板13は、モーター14によって回転自在に支持され、ピックアップ光学系15が集光した励起光を緑色の蛍光に変換して射出する。以下、緑色の蛍光を単に緑色光ということがある。また、回転蛍光板13から射出される蛍光は本発明における第1の光である。
円板13aは、例えば、アルミニウム基板等の金属基板で形成されている。円板13aの蛍光体13bが形成される面は、蛍光体13bから射出された緑色光を反射する反射面となっている。円板13aの円中心部には、モーター14の回転軸Axが貫通する穴が形成されている。なお、ここでは基板として円板13aを用いる例について説明したが、基板の形状は円板に限定されず平板であればよい。
蛍光体13bは、緑色蛍光体が混入された透明樹脂を円板13a上に塗布することにより形成されている。緑色蛍光体としては、例えば、βサイアロン(Si,Al)6(O,N)8:Euやシリケート系(Ca3Sc2Si3O12:Ce)などが使用できる。緑色蛍光体はこのほかにも各種存在するが、何を使用してもよい。透明樹脂はシリコーン樹脂であり、緑色蛍光体の粉末と混練され、塗布された後熱硬化され、円板13a上に固着されている。円板13aは、蛍光体にて発生した熱を効率よく放熱するための放熱板を兼ねている。
回転蛍光板13は、光源11から射出された励起光が円板13aとは反対側から蛍光体13bに入射するように、蛍光体13bが形成された面を励起光が入射する側に向けて設けられている。
モーター14は、回転蛍光板13を回転させる電動機である。モーター14は、後述するモーター駆動部から供給される回転指示信号を取り込み、回転指示信号に応じた回転周期で回転軸Axを回転させる。モーター14は、例えばホール素子で実現される位置検出センサーを備え、位置検出センサーによって検出される回転軸Axの基準位置を表す位置情報(以下、回転軸の基準軸を表す位置情報を単に回転軸の位置情報と呼ぶことがある)を出力する。
ピックアップ光学系15は、単一または複数のレンズ、例えば、第1レンズ15aと第2レンズ15bとを備えており、光源11から射出された励起光を蛍光体13b上に集光するとともに、蛍光体13bから射出された緑色光を略平行化する。
ダイクロイックミラー16は、光源11から射出された励起光を反射し、蛍光体13bから射出された緑色光を透過する波長選択透過反射部材である。蛍光体13bから射出された緑色光は、ピックアップ光学系15によって略平行化され、ダイクロイックミラー16によって残留励起光が除去された後、集光レンズ17によって再集光され、ロッドインテグレーター18を通過する。
ロッドインテグレーター18は、光路方向に延在する角柱状の光学部材である。ロッドインテグレーター18内では多重反射により光が混合して均一化される。ロッドインテグレーター18から射出された緑色光は、コリメートレンズ19によって略平行化され、光変調素子としての緑色用液晶表示素子30Gに入射する。
赤色用光源装置10Rは、光源20と、ロッドインテグレーター21と、コリメートレンズ22と、反射ミラー23と、を備えている。
光源20としては、例えば、赤色光を射出する発光ダイオード(Light Emitting Diode; LED)が用いられる。赤色光は、例えば、波長が約600nmにおいて発光強度のピークが現れる特性を有する。光源20から射出された赤色光は、ロッドインテグレーター21によって輝度が均一化された後、コリメートレンズ22で略平行化され、反射ミラー23を介して、光変調素子としての赤色用液晶表示素子30Rに入射する。
青色用光源装置10Bは、光源24と、ロッドインテグレーター25と、コリメートレンズ26と、反射ミラー27と、を備えている。
光源24としては、例えば、青色光を射出する発光ダイオード(Light Emitting Diode; LED)が用いられる。青色光は、例えば、波長が約450nmにおいて発光強度のピークが現れる特性を有する。光源24から射出された青色光は、ロッドインテグレーター25によって輝度が均一化された後、コリメートレンズ26で略平行化され、反射ミラー27を介して、光変調素子としての青色用液晶表示素子30Bに入射する。
ここで、光源20を本発明における第2の光源とし、光源20から射出される赤色光を本発明における第2の光とすることができる。あるいは、光源24を本発明における第2の光源とし、光源24から射出される青色光を本発明における第2の光としてもよい。第2の光の色は第1の光の色とは異なる。
赤色用液晶表示素子30R、緑色用液晶表示素子30Gおよび青色用液晶表示素子30Bは、液晶パネルの両面(光入射面および光射出面)に偏光板を貼着した透過型の光変調素子である。赤色用液晶表示素子30R、緑色用液晶表示素子30Gおよび青色用液晶表示素子30Bは、赤色用光源装置10R、緑色用光源装置10Gおよび青色用光源装置10Bから入射した赤色光、緑色光および青色光を外部から供給される画像信号に基づいて変調し、赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光を生成する。
色合成光学系40は、赤色用液晶表示素子30R、緑色用液晶表示素子30Gおよび青色用液晶表示素子30Bで生成された赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光を合成し、光の三原色によるカラー画像光を形成するクロスダイクロイックプリズムである。クロスダイクロイックプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて立方体に形成した光学部材である。直角プリズム同士を貼り合わせたX字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光を反射するものである。クロスダイクロイックプリズムは、これら誘電体多層膜によって進行方向をそれぞれ変更した赤色光および青色光と、透過する緑色光との進行方向をそろえることにより、赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光を合成する。
色合成光学系40で合成された赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光は、投射光学系50によってスクリーンSCR上に拡大投射され、ユーザーの目にカラー画像として認識される。
図2は、プロジェクター1の動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。図2では、図1に示した構成のうち、主に光源11の動作説明を行う上で必要となる構成を中心に抜き出し簡略化して図示している。
プロジェクター1は、制御系として、制御部65と、光源駆動部66と、モーター駆動部63と、画像信号供給部64と、光量検出部60と、を備える。
制御部65は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と(いずれも図示を省略する。)を含んで実現される。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを読み出してRAMに展開しこのRAM上のプログラムのステップを実行する。このCPUによるプログラム実行によって、制御部65は、プロジェクター1全体の動作を制御する。制御部65は、制御プログラムの実行により、画像出力要求信号を画像信号供給部64に供給する。
制御部65は、その機能構成として、発光タイミング生成部72と、回転周期決定部71と、異常領域検出部73と、光源出力レベル調整部74と、を備えている。
発光タイミング生成部72は、画像信号供給部64から供給されるフレーム同期信号を取り込み、光源11が射出する励起光Lである青色光の射出期間を制御するための発光タイミング信号をフレーム同期信号に同期させて生成し、その発光タイミング信号を光源駆動部66と回転周期決定部71とに供給する。フレーム同期信号は、映像のフレーム周期を決定する同期信号であり、例えば、60フレーム/秒(fps: frame par second)のフレームレートを有するパルス信号である。発光タイミング信号は、フレーム同期信号に同期した信号であり、例えばフレーム同期信号のフレームレートが60fpsである場合、発光タイミング信号は、フレーム周波数に同期した1/60秒や1/120秒の周期を有する正アクティブのパルス信号とされる。光源11は間欠的に発光させてもよく、画像表示期間中常に発光させてもよい。本実施形態では、画像表示期間中常に光源11を発光させている。
回転周期決定部71は、発光タイミング生成部72から供給される発光タイミング信号を取り込み、回転蛍光板13の回転周期を計算し、この回転周期の値(回転周期値)をモーター駆動部63に供給する。また、回転周期決定部71は、モーター駆動部63から供給されるモーター14の回転軸Axの位置情報を取り込み、この位置情報に基づいてモーター14の回転軸の回転角を検出する。モーター14の回転軸の回転角は回転蛍光板13の回転角に相当する。
異常領域検出部73は、光量検出部60から供給される緑色光Gの光量の情報(光量値)と回転周期決定部71から供給される回転軸Axの位置情報およびモーター14の回転周期値の情報とを取り込み、これらの情報に基づいて、蛍光体13bにおいて異常が生じている領域、すなわち異常領域を検出する。さらに異常領域検出部73は、その異常領域の位置情報を、光量検出部60から供給された光量値の情報と回転周期決定部71から供給された回転軸Axの位置情報およびモーター14の回転周期値の情報とともに光源出力レベル調整部74に供給する。
異常領域とは、回転蛍光板13から射出される緑色光Gの光量が設計仕様で定められた光量に比べて著しく低下している領域をいう。緑色光Gの光量が低下する原因としては、蛍光体13bの表面に付着した埃や異物などの光吸収体が、励起光Lによって発熱して蛍光体13bを変質させる場合などが挙げられる。異常領域は例えば、蛍光体13bを構成するシリコーン樹脂が黒色炭化した領域である。
なお、工場出荷時において蛍光体13bに厚みむらなどの欠陥がある場合も、蛍光体13bが局所的に発熱し、蛍光体13bを変質させる原因となる。このような欠陥部分も異常領域として検出することができるが、本実施形態では、説明の便宜上、このような工場出荷時から内在する欠陥は存在しないものとし、工場出荷後の事後的な原因、例えば埃や異物などの付着によって異常領域が発生するものとする。
本実施形態の場合、例えば、工場出荷時に回転蛍光板13の各回転位置における緑色光Gの光量を測定し、初期データとして、光源装置10Gに備えられた図示略の記憶装置に記憶する。そして、光源装置10Gを使用するときに、常時又は定期的に同様の測定を行い、初期データとの比較を行う。比較を行った結果、初期データから光量が低下(例えば初期から80%以下に低下)している部分が存在すれば、その部分を蛍光体13bの異常領域として検出する。
光源出力レベル調整部74は、異常領域検出部73から供給された異常領域の位置情報および異常領域の光量値の情報と発光タイミング生成部72から供給された発光タイミング信号とを取り込む。さらに光源出力レベル調整部74は、異常領域および該異常領域の隣接領域に対する発光レベル補正信号を生成し、この発光レベル補正信号を光源駆動部66に供給する。異常領域の隣接領域については、後で説明する。発光レベル補正信号は、異常領域および該異常領域の隣接領域に照射する励起光Lの光量を、異常領域および該異常領域の隣接領域以外の領域(光量の低下が生じていない部分)に照射する励起光Lの光量に比べてどの程度減光するかを示す信号である。本実施形態の場合、例えば、異常領域および該異常領域の隣接領域には50%程度減光した励起光Lを射出し、異常領域および該異常領域の隣接領域以外の領域には減光しない励起光Lを射出するように発光レベル補正信号が生成される。異常領域および該異常領域の隣接領域以外の領域に対する発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値はゼロである。
光源駆動部66は、発光タイミング生成部72から供給される発光タイミング信号と、光源出力レベル調整部74から供給される発光レベル補正信号とを取り込み、発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値で補正した出力値で光源11を発光させる。すなわち、励起光Lが蛍光体13bの異常領域および該異常領域の隣接領域を照射するタイミングで、発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値で補正した出力値で光源11を発光させ、励起光Lが蛍光体13bの異常領域および該異常領域の隣接領域以外の領域を照射するタイミングで、補正値がゼロである出力値(補正しない出力値)で光源11を発光させる。光源駆動部66は、発光タイミング信号が正アクティブのパルス信号である場合、発光タイミング信号の正の期間において光源11を発光させる。
モーター駆動部63は、回転周期決定部71から供給される回転周期値を取り込み、この回転周期値を指定する回転指示信号を生成し、回転指示信号をモーター14に供給してモーター14を所定の回転周期で駆動する。また、モーター駆動部63は、モーター14から供給される回転軸の位置情報を取り込み、その位置情報を回転周期決定部71に供給する。モーター14とモーター駆動部63は、励起光Lが照射される蛍光体13b上の照射位置を時間とともに移動させる駆動部として機能する。
画像信号供給部64は、図示しない同期信号生成部を含み、この同期信号生成部が生成するフレーム同期信号を発光タイミング生成部72に供給する。また、画像信号供給部64は、制御部65から供給される画像出力要求信号を取り込み、この画像出力要求信号に応じて、外部から供給される画像信号をフレーム同期信号に同期させて赤色用液晶表示素子30R、緑色用液晶表示素子30Gおよび青色用液晶表示素子30Bにそれぞれ供給する。
光量検出部60は、ビームスプリッター61と、パワーメーター62と、を備えている。回転蛍光板13から射出された緑色光Gの一部はビームスプリッター61で分岐され、パワーメーター62に入射する。パワーメーター62は、高速で回転する回転蛍光板13の所定回転角ごとに光量を高い分解能で測定できるものであり、例えば、帯域が1MHzのフォトディテクター(Photo Ditector;PD)が使用される。パワーメーター62で検出された緑色光Gの光量の情報(光量値)は、異常領域検出部73に供給される。
なお、上述したプロジェクター1の制御系のうち、制御部65、光源駆動部66、モーター駆動部63および光量検出部60は、赤色用光源装置10R、緑色用光源装置10Gおよび青色用光源装置10Bを含む複数の色光源装置からなる光源装置の制御系を構成する。この光源装置の制御系は、光源装置の一部を構成する。
図3は、蛍光体13bの異常領域Tが回転蛍光板13の回転方向に沿って成長する様子を示す図である。
本実施形態の光源装置では、励起光による熱が一箇所に集中しないように、励起光が蛍光体13bに照射される照射位置Sを時間とともに回転蛍光板13に対して相対的に移動させている。照射位置Sは蛍光体13b上を所定の軌跡rを描いて周期的に移動する。移動の態様としては、円運動や往復運動などが挙げられるが、本実施形態では、励起光を照射しつつ回転蛍光板13を回転させることによって、励起光の照射位置Sが円軌道を描くようにしている。
ここで、蛍光体13bに埃や異物などが付着すると、励起光の照射によって異物が光を吸収して急激に温度が上がり、蛍光体13bを固着しているシリコーン樹脂が分解されて黒色炭化(変質)する場合がある。炭化したシリコーン樹脂は更に光を吸収して温度が上がり、周囲のシリコーン樹脂に作用して異常領域Tが広がってゆく。回転蛍光板13の径方向は光照射領域が励起光のビームスポットのサイズに限られているため炭化の広がりはある範囲、すなわち光照射領域から熱伝導によって熱が伝わる範囲で止まるが、回転蛍光板13の回転方向は照射位置Sの移動方向と一致するので異常領域Tが伸び、時間と共にゆっくり成長していく。そして最後には回転蛍光板13の全周に異常領域Tが及んでしまう。異常領域Tは発光効率が極端に落ちて性能が維持できない上、温度が上昇して光源装置10Gおよびその周辺部の機器の故障の原因となる。
図4は、蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。図4(a)は、初期状態(工場出荷時)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された緑色光(蛍光)の相対光量との関係を示す図である。相対光量とは、光量検出部で検出された緑色光の光量を所定の光量で規格化した光量である。図4(b)は、製品使用時(工場出荷時から所定時間経過後)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された緑色光の相対光量との関係を示す図である。図4(b)においても、光量検出部で検出された緑色光の光量を前記所定の光量で規格化して得られる相対光量をプロットしてある。図4(c)は、図4(b)の測定結果に基づいて検出された蛍光体の異常領域を示す図である。図4(d)は、回転蛍光板の回転角と励起光の相対光量との関係を示す図である。励起光の相対光量は、励起光の最大値が1になるように規格化してある。前述したように、励起光は発光レベル補正値を用いて補正されている。
図2に示したように、本実施形態の光源装置10Gでは、回転蛍光板13から射出された緑色光Gの光路の一部にビームスプリッター61を設け、分岐した緑色光Gをパワーメーター62に導入して光量測定を行っている。本実施形態ではまず、図4(a)に示すように、光源装置10Gの製造、出荷時に回転蛍光板13からの緑色光Gの光量(強度)を回転蛍光板13の所定回転角ごとに測定し、回転蛍光板13の所定回転角ごとの相対光量を求める。そして、各回転角における緑色光Gの相対光量のデータを初期データとして記憶装置に保存する。そして、図4(b)に示すように、光源装置10Gを使用するときに常時又は定期的に同様の測定を行い、回転蛍光板13の所定回転角ごとの相対光量を求める。そして、光源装置10Gの使用時における相対光量を初期データと比較する。
図4(c)に示すように、比較を行った結果、初期データから相対光量が低下(例えば初期から80%以下に低下)している部分があったら、その部分を蛍光体13bの異常領域T(図3参照)と認定する。そして、図4(d)に示すように、蛍光体13bの異常領域Tを励起光が照射するタイミングで光源11に供給する電流を低減して励起光の光量(強度)を減光する。例えば励起光の光量を50%程度に減光する。こうすることによって、蛍光体13bの異常領域Tの温度上昇を防ぎ、異常領域Tが周方向に成長するのを防ぐことができる。
蛍光体13bの異常領域Tを認定する場合には、回転蛍光板13の1回転のみの測定値で決定するのでなく、複数回の回転において測定を行い、測定値に再現性があることを確認してから認定するのがよい。これによれば、異常領域Tの認定の精度が高くなる。すなわち、図3に示したように、励起光の照射位置Sは蛍光体13b上を所定の軌跡rを描いて周期的に移動し、その移動の周期ごとに励起光が蛍光体13bの同一箇所を照射するように構成されている。そのため、図2に示した異常領域検出部64は、回転蛍光板13の複数回の回転において測定した各回転角における緑色光Gの光量を平均することによって、その平均値を各回転角における緑色光Gの光量とすることが好ましい。つまり、1カ所について1回の測定で異常領域を認定するのではなく、1カ所について複数回の測定によって異常領域を認定することが好ましい。
なお、本実施形態では、初期データとの比較を行うことで緑色光Gの経時的な光量変化を検出したが、初期状態の相対光量が回転角に対して十分平坦な場合は初期状態の緑色光Gの相対光量を測定し記憶装置に保存しておく必要はない。この場合、光源装置の使用時に常時又は定期的に緑色光Gの光量を測定し、1周内で緑色光Gの光量が他の回転角に比べて著しく低下している部分を検出すればよい。また、本実施形態では蛍光体13bの異常領域Tに対して励起光を減光したが、スイッチにより完全にOFF、すなわち励起光の光量をゼロにしてもよい。
図5は、プロジェクター1の制御系が実行する処理の手順を表すフローチャートである。制御部65が制御プログラムを起動し、また、画像信号供給部64の同期信号生成部がフレーム同期信号の生成を開始すると、同図のフローチャートによる処理が開始される。
まず、ステップS1において、モーター駆動部63は、回転周期決定部71から供給される回転周期値を取り込み、この回転周期値を指定する回転指示信号を生成し、この回転指示信号をモーター14に供給してモーター14を所定の回転周期で駆動する。また、モーター駆動部63は、モーター14から供給される回転軸の位置情報を取り込み、その位置情報を回転周期決定部71に供給する。
次に、ステップS2において、光源駆動部66は、発光タイミング生成部72から供給される発光タイミング信号を取り込み、光源出力レベル調整部74から供給される発光レベル補正信号を取り込む。このとき、光源出力レベル調整部74は、発光レベル補正値を0(ゼロ;補正しない)とした発光レベル補正信号を光源駆動部66に供給する。光源駆動部66は、発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、発光レベル補正信号が示す発光レベル補正値で補正した出力値で光源11を発光させる。ここでは、発光レベル補正値は0(ゼロ)であるため、出力値の補正は行われない。
次に、ステップS3において、制御部65は、画像出力要求信号を画像信号供給部64に供給し、画像信号供給部64は、制御部65から供給される画像出力要求信号を取り込み、この画像出力要求信号に応じて、外部から供給される画像信号をフレーム同期信号に同期させて赤色用液晶表示素子30R、緑色用液晶表示素子30Gおよび青色用液晶表示素子30Bにそれぞれ供給する。
次に、ステップS4において、異常領域検出部73は、モーター14の回転の位相と、光量検出部60が検出する回転蛍光板13からの緑色光Gの光量とを監視する。具体的には、異常領域検出部73は、発光タイミング生成部72から供給される発光タイミング信号と、回転周期決定部71から供給される回転周期値の情報および回転軸の位置情報を含む基準位置信号と、光量検出部60から供給される光量値と、を取り込む。
次に、ステップS5において、異常領域検出部73は、取り込んだ光量値をチェックする。例えば、異常領域検出部73は、回転蛍光板13の回転角によらず、光量値があらかじめ設定された第1の光量より常に大きいか否か、例えば工場出荷時の初期状態の光量値の80%より大きいか否かを判定する。異常領域検出部73が、ある回転角において光量値が第1の光量以下であると判定した場合はステップS6の処理に移り、回転角によらず光量値が常に第1の光量よりも大きいと判定した場合はステップS4の処理に戻る。
ステップS6において、異常領域検出部73は、第1の光量以下の光量値が検出されたときの時刻と、回転軸の位置情報における基準位置に対応する時刻と、回転蛍光板13の回転周期値とに基づいて、蛍光体13bにおける光量が低い部位を、異常領域として特定する。具体的には、異常領域検出部73は、第1の光量以下の光量値が検出されたときの時刻と、直近の基準位置信号における基準位置に対応する時刻との時間差を計算する。次に、異常領域検出部73は、前記時間差と回転蛍光板13の回転周期値とに基づいて、回転蛍光板13が基準位置から前記時間差をかけて進む周回距離を計算し、その到達地点を、蛍光体13bにおいて光量値が第1の光量以下となる部位の位置として取得する。
次に、ステップS7において、光源出力レベル調整部74は、異常領域検出部73から供給された異常領域の位置情報および異常領域の光量値の情報と発光タイミング生成部72から供給された発光タイミング信号とを取り込み、異常領域および該異常領域の隣接領域に照射する励起光の光量値を補正するための発光レベル補正値を計算する。異常領域の隣接領域とは、励起光の照射位置Sの軌跡r上において異常領域よりも移動方向前方側または移動方向後方側に隣り合う領域であって、光量値が第1の光量よりも大きいが第2の光量よりも小さい部分をいう。第2の光量とは、初期状態において当該隣接領域から放射される蛍光の光量値である。ただし、初期状態の発光特性が十分平坦な場合は、光量値が概ね均一な領域の光量値の平均値が第2の光量に相当する。
具体的には、光源出力レベル調整部74は、工場出荷時に定められた励起光の光量値(初期設定値)の50%の光量値を異常領域に対する発光レベル補正値として決定し、異常領域に対して初期設定値の50%の光量値で励起光が照射されるようにする。異常領域の隣接領域では、異常領域から離れるに従って光量値が徐々に大きくなるように発光レベル補正値が決定される。すなわち、異常領域では、初期設定値の50%の光量値で励起光が照射されるようにし、異常領域の隣接領域では、異常領域から離れるに従って徐々に励起光の光量値が初期設定値に近付くように励起光の光量値が制御される。
次に、光源出力レベル調整部74は、発光レベル補正信号を光源駆動部66に供給する。発光レベル補正信号は、発光レベル補正値と、光源11がこの発光レベル補正値で補正された出力値で光源11が発光するタイミングと、を表す信号である。
ステップS8の処理の後は、ステップS4の処理に戻る。
以上のように本実施形態のプロジェクター1では、異常領域Tに照射される励起光の光量を異常領域Tとは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくしている。そのため、異常領域Tの広がりが抑制され、蛍光体13bの性能劣化が生じにくいプロジェクターが提供される。さらに、本実施形態のプロジェクター1では、光源出力レベル調整部74は、異常領域Tに照射される励起光の光量および異常領域の隣接領域に照射される励起光の光量を、異常領域Tおよび該異常領域の隣接領域以外の領域に照射される励起光の光量よりも小さくしている。そのため、異常領域Tの隣接領域で変質が進行し、励起光の照射位置Sの移動方向に沿って異常領域Tが大きく広がることが抑制される。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態のプロジェクターにおける蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。図6(a)は、初期状態(工場出荷時)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された緑色光(蛍光)の相対光量との関係を示す図である。相対光量とは、光量検出部で検出された緑色光の光量を所定の光量で規格化した光量である。図6(b)は、製品使用時(工場出荷時から所定時間経過後)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された緑色光の相対光量との関係を示す図である。図6(b)においても、光量検出部で検出された緑色光の光量を前記所定の光量で規格化して得られる相対光量をプロットしてある。図6(c)は、図6(b)の測定結果に基づいて検出された蛍光体の異常領域を示す図である。図6(d)は、回転蛍光板の回転角と励起光の相対光量との関係を示す図である。励起光の相対光量は、励起光の最大値が1になるように規格化してある。前述したように、励起光は発光レベル補正値を用いて補正されている。
本実施形態において第1実施形態と異なる点は、光源出力レベル調整部74が、異常領域Tの前後に照射される励起光の光量を異常領域Tの中央部に照射される励起光の光量よりも小さくしている点である。
図3に示したように、蛍光体13bの変質は、主に異常領域Tの端部および該異常領域の隣接領域から励起光の照射位置Sの移動方向に沿って進行する。これは、励起光の吸収および変質が励起光の照射位置Sの軌跡上で起こるからである。異常領域Tの中央部でも励起光の吸収および変質は生じるが、異常領域の広がりは励起光の吸収によって生じた熱が蛍光体13b内を熱伝導される範囲である。そのため、照射位置Sの軌跡と交差する方向には、励起光の照射位置Sの軌跡に沿って異常領域が広がる場合のようにダイナミックに異常領域Tが広がることはない。そのため、異常領域Tの中央部には、異常領域Tの端部および該異常領域の隣接領域に比べて強い励起光を照射することができる。第1施形態のように異常領域Tに照射する励起光の光量を小さくすると、光源装置から射出される蛍光の光量が小さくなるが、本実施形態のように異常領域Tの中央部に照射する励起光の光量を大きくすれば、この光量の低下を抑えることができる。
例えば、図6(b)および図6(c)に示すように、蛍光体13bの異常領域Tが周方向に成長してしまった場合、異常領域Tの全領域において光源11を一様に減光又はOFFにしてもよいが、そうすると全体の発光量が極端に減ってしまい、光源装置として支障が出てしまう。そこで本実施形態では、図6(d)に示すように、蛍光体13bの異常領域が周方向に成長する異常領域Tの端部および該異常領域の隣接領域において励起光の光量を大きく減光し、異常領域Tの中央付近では、異常領域Tの端部および該異常領域の隣接領域よりも減光量を小さくする。この構成によれば、異常領域Tの全領域において光源11を一様に減光又はOFFにする場合に比べて発光量の低下を抑制でき、異常領域Tの周方向の広がりも抑えることができる。異常領域Tの中央付近の励起光の光量は、発熱量が大きくならないように適宜設定すればよく、発熱量が問題ない場合は、通常の光量を照射してもかまわない。異常領域Tの中央部では比較的強い励起光が照射されるので、温度上昇が生じ発光効率も低下するが、ある程度の光量を確保することができれば、この点は特に問題視する必要はない。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態のプロジェクター2の概略図である。
本実施形態において、第1実施形態のプロジェクター1と共通する構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
プロジェクター2は、赤色用光源装置80Rと、緑色用光源装置80Gと、青色用光源装置80Bと、色合成光学系90と、マイクロミラー型光変調素子100と、投射光学系50と、を備えている。
緑色用光源装置80Gは、光源11と、集光レンズ12aと、コリメートレンズ12bと、回転蛍光板13と、モーター14と、ピックアップ光学系15と、ダイクロイックミラー16と、を備えている。
光源11、集光レンズ12a、コリメートレンズ12b、回転蛍光板13、モーター14、ピックアップ光学系15およびダイクロイックミラー16の構成は、第1実施形態で説明したものと同じである。
光源11から射出された励起光は、コリメートレンズ36で平行化され、集光レンズ12aとコリメートレンズ12bで一旦光束が細められる。その後、ダイクロイックミラー16にて90度光路が折り曲げられ、ピックアップ光学系15で回転蛍光板13の蛍光体13b上に集光される。蛍光体13bから射出された緑色光は、ピックアップ光学系15によって略平行化され、ダイクロイックミラー16によって残留励起光が除去された後、色合成光学系90に入射する。
赤色用光源装置80Rは、光源20と、コリメートレンズ81と、を備えている。光源20の構成は、第1実施形態で説明したものと同じである。光源20から射出された赤色光は、コリメートレンズ81によって略平行化され、色合成光学系90に入射する。
青色用光源装置80Bは、光源24と、コリメートレンズ82と、を備えている。光源24の構成は、第1実施形態で説明したものと同じである。光源24から射出された青色光は、コリメートレンズ82によって略平行化され、色合成光学系90に入射する。
ここで、光源20を本発明における第2の光源とし、光源20から射出される赤色光を本発明における第2の光とすることができる。あるいは、光源24を本発明における第2の光源とし、光源24から射出される青色光を本発明における第2の光としてもよい。
色合成光学系90は、クロスダイクロイックプリズム91と、集光レンズ92と、ロッドインテグレーター93と、集光レンズ94と、反射ミラー95と、を備えている。
クロスダイクロイックプリズム91は、4つの直角プリズムを貼り合わせて立方体に形成した光学部材である。直角プリズム同士を貼り合わせたX字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光を反射するものである。クロスダイクロイックプリズム91は、これら誘電体多層膜によって進行方向をそれぞれ変更した赤色光および青色光と、透過する緑色光との進行方向をそろえる。
赤色用光源装置80R、緑色用光源装置80Gおよび青色用光源装置80Bは、時分割で交互に駆動される。赤色用光源装置80R、緑色用光源装置80Gおよび青色用光源装置80Bから順次射出された赤色光、緑色光および青色光はクロスダイクロイックプリズム91で進行方向が揃えられた後、集光レンズ92によって集光され、ロッドインテグレーター93によって輝度分布が均一化される。ロッドインテグレーター93から射出された赤色光、緑色光および青色光は、集光レンズ94で再集光された後、反射ミラー95で反射され、マイクロミラー型光変調素子100に順次入射する。
マイクロミラー型光変調素子100は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術によって製造された反射型の光変調素子である。マイクロミラー型光変調素子100としては、例えばDMD(Digital Micromirror Device)(TI社の商標)が用いられる。マイクロミラー型光変調素子100は、反射ミラー95から順次入射した赤色光、緑色光および青色光を外部から供給される画像信号に基づいて変調し、赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光を順次生成する。マイクロミラー型光変調素子100で生成された赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光は投射光学系50でスクリーンSCR上に順次拡大投射され、ユーザーの目で混色されてカラー画像として認識される。
本実施形態の場合、1フレーム期間は3つのサブフレーム期間に分割され、1サブフレーム期間ごとに赤色の画像光、緑色の画像光および青色の画像光が順次生成される。赤色用光源装置80R、緑色用光源装置80Gおよび青色用光源装置80Bは、他の色の画像光が生成されているときには、出力光量がゼロ(非発光)とされる。よって、赤色用光源装置80R、緑色用光源装置80Gおよび青色用光源装置80Bでは、特定のサブフレーム期間のみをオンとし、それ以外のサブフレーム期間をオフとする間欠発光が行われる。
図8は、プロジェクター2の動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。図8では、図7に示した構成のうち、特に励起用光源11、赤色用光源20および青色用光源24の駆動制御に必要な構成のみを抜き出し簡略化して図示している。
プロジェクター2は、制御系として、制御部69と、励起用光源駆動部66と、モーター駆動部63と、画像信号供給部64と、光量検出部60と、を備える。制御部69は、その機能構成として、発光タイミング生成部76と、回転周期決定部71と、異常領域検出部73と、光源出力レベル調整部75と、を備えている。
本実施形態にかかるプロジェクター2は、発光タイミング生成部76が、励起用光源11、赤色用光源20および青色用光源24を間欠発光させるべく発光タイミング信号を生成する点において第1実施形態にかかるプロジェクター1と異なる。さらに、本実施形態にかかるプロジェクター2は、光源出力レベル調整部75が、異常領域に照射される励起光の光量を異常領域とは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくすることに対応して、赤色用光源20から射出される赤色光Rの光量および青色用光源24から射出される青色光Bの光量を小さくする点において第1実施形態にかかるプロジェクター1と異なる。
赤色用光源20から射出される赤色光Rの光量および青色用光源24から射出される青色光Bの光量は、回転蛍光板13から射出される緑色光Gの光量に対してホワイトバランスが保たれる光量として初期設定されている。しかし、蛍光体13bに異常領域が発生し、異常領域への励起光の光量が低減されると、赤色光Rおよび青色光Bに比べて緑色光Gの光量が相対的に小さくなり、ホワイトバランスが崩れる。そして、得られるカラー画像光にも色ずれが生じる。そのため、本実施形態では、蛍光体13bに異常領域が発生した場合、光源出力レベル調整部75は、赤色光Rおよび青色光Bの光量を初期設定値よりも小さくする。これにより、蛍光体13bに異常領域が発生した場合に生じる赤色光R、緑色光Gおよび青色光Bの光量のバランスの崩れ(ホワイトバランスの崩れ)を低減することができる。
光源出力レベル調整部75は、異常領域検出部73から供給された異常領域の位置情報および異常領域の光量値の情報と発光タイミング生成部72から供給された発光タイミング信号とを取り込む。さらに光源出力レベル調整部75は、異常領域および該異常領域の隣接領域に対する励起用発光レベル補正信号を生成し、この励起用発光レベル補正信号を励起用光源駆動部66に供給する。また、光源出力レベル調整部75は、励起用発光レベル補正信号に基づいて、赤色用光源20に対する赤色用発光レベル補正信号を生成し、この赤色用発光レベル補正信号を赤色用光源駆動部67に供給する。また同様に、光源出力レベル調整部75は、励起用発光レベル補正信号に基づいて、青色用光源24に対する青色用発光レベル補正信号を生成し、この青色用発光レベル補正信号を青色用光源駆動部68に供給する。赤色用発光レベル補正信号は、赤色用光源20の光量を初期設定値に対してどの程度減光するかを示す信号であり、青色用発光レベル補正信号は、青色用光源24の光量を初期設定値に対してどの程度減光するかを示す信号である。励起光は、緑色表示期間のうち異常領域および該異常領域の隣接領域の照射タイミングに合わせて減光されるのとは異なり、赤色光Rの光量は赤色表示期間中常に一定の割合で一様に減光される。青色光Bの光量も同様に、青色表示期間中常に一定の割合で一様に減光される。
発光タイミング生成部76は、画像信号供給部64から供給されるフレーム同期信号を取り込み、励起用光源11が励起光Lである青色光を射出する期間を制御するための例起光発光タイミング信号、赤色用光源20が赤色光Rを射出する期間を制御するための赤色光発光タイミング信号および青色用光源24が青色光Bを射出する期間を制御するための青色光発光タイミング信号をフレーム同期信号に同期させて生成する。そして、発光タイミング生成部76は、励起光発光タイミング信号を回転周期決定部71と励起用光源駆動部66とに供給し、赤色光発光タイミング信号を赤色用光源駆動部67に供給し、青色光発光タイミング信号を青色用光源駆動部68に供給する。
励起用光源駆動部66は、発光タイミング生成部76から供給される発光タイミング信号と、光源出力レベル調整部75から供給される励起用発光レベル補正信号とを取り込み、発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、励起用発光レベル補正信号が示す励起用発光レベル補正値で補正した出力値で励起用光源11を間欠的に発光させる。すなわち、緑色表示を行うサブフレーム期間のうち、励起光が蛍光体13bの異常領域および該異常領域の隣接領域を照射するタイミングで、励起用発光レベル補正信号が示す励起用発光レベル補正値で補正した出力値で励起用光源11を発光させ、励起光が蛍光体13bの異常領域および該異常領域の隣接領域以外の領域を照射するタイミングで、補正値がゼロである出力値(補正しない出力値)で励起用光源11を発光させる。
赤色用光源駆動部67は、発光タイミング生成部76から供給される赤色光発光タイミング信号と、光源出力レベル調整部75から供給される赤色用発光レベル補正信号とを取り込み、赤色光発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、赤色用発光レベル補正信号が示す赤色用発光レベル補正値で補正した出力値で赤色用光源20を間欠的に発光させる。赤色光Rは、赤色表示を行うサブフレーム期間の間常に一定の光量で射出される。赤色光Rの光量は、蛍光体13bに異常領域が発生したことによる緑色光Gの減光量に応じて、初期設定値から所定の光量だけ減光した光量とされる。例えば、蛍光体13bの変質による緑色光Gの減光量が、緑色表示を行う1サブフレーム期間全体で5%であるときは、赤色光Rの減光量も赤色表示を行う1サブフレーム期間において5%とされる。
青色用光源駆動部68は、発光タイミング生成部76から供給される青色光発光タイミング信号と、光源出力レベル調整部75から供給される青色用発光レベル補正信号とを取り込み、青色光発光タイミング信号が示すタイミングに基づいて、青色用発光レベル補正信号が示す青色用発光レベル補正値で補正した出力値で青色用光源24を間欠的に発光させる。青色光Bは、青色表示を行うサブフレーム期間の間常に一定の光量で射出される。青色光Bの光量は、蛍光体13bに異常領域が発生したことによる緑色光Gの減光量に応じて、初期設定値から所定の光量だけ減光した光量とされる。例えば、蛍光体13bの変質による緑色光Gの減光量が、緑色表示を行う1サブフレーム期間全体で5%であるときは、青色光Bの減光量も青色表示を行う1サブフレーム期間において5%とされる。
なお、上述したプロジェクター2の制御系のうち、制御部69、励起用光源駆動部66、赤色用光源駆動部67、青色用光源駆動部68、モーター駆動部63および光量検出部60は、赤色用光源装置80R、緑色用光源装置80Gおよび青色用光源装置80Bを含む複数の色光源装置からなる光源装置の制御系を構成する。この光源装置の制御系は、光源装置の一部を構成する。
本実施形態では、光源出力レベル調整部75が、緑色光Gの減光量に応じて赤色光Rおよび青色光Bの光量も減光するので、色ずれ(ホワイトバランスの崩れ)の少ない画像表示が可能となる。
[第4実施形態]
図9を用いて、第4実施形態のプロジェクターにおける励起光の制御方法を説明する。図9(a)は、製品使用時(工場出荷時から所定時間経過後)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された緑色光Gの相対光量との関係を示す図である。ただし、この測定を行うときには、励起光の光量を一定にしてある。図9(b)は、回転蛍光板の回転角と励起光の相対光量との関係を示す図である。励起光の相対光量は、励起光の最大値が1になるように規格化してある。前述したように、励起光は発光レベル補正値を用いて補正されている。
本実施形態においても、第1実施形態おける光源装置10Gと同様に、回転蛍光板13から射出された緑色光Gの光路の一部にビームスプリッター61を設け、分岐した緑色光Gをパワーメーター62に導入して光量測定を行う。本実施形態において第1実施形態と異なる点は、製品使用時における緑色光Gの相対光量を初期データと比較せず、光源出力レベル調整部74が、光量検出部60によって検出された緑色光Gの光量に応じて励起光の光量を制御する点である。つまり、本実施形態においては、異常領域を明確には特定していない。
図9(b)に示すように、緑色光Gの相対光量が低ければ低いほど励起光の光量を少なくする。例えば、励起光の光量が緑色光Gの相対光量に比例するように励起光を制御する。緑色光Gの相対光量がもっとも大きい部分には、もっとも強い励起光が照射される。ここで、緑色光Gの相対光量が極端に低い部分は、いわゆる異常領域である。本実施形態では異常領域に照射する励起光を大きく減光する。こうすることによって、蛍光体13bの異常領域の温度上昇を防ぎ、異常領域が周方向に成長するのを防ぐことができる。さらに、本実施形態においては、製品使用時における緑色光Gの相対光量を初期データと比較していないため、回路構成を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、励起光の光量が緑色光Gの相対光量に比例するように励起光を制御したが、そのように励起光を制御することに限定されない。たとえば、緑色光Gの相対光量に閾値を設定し、相対光量が閾値よりも小さくなった場合、励起光の光量をゼロにしてもよい。また、緑色光Gの相対光量の低下量が小さい領域では励起光の光量の減光量の変化率を比較的小さくし、緑色光Gの相対光量の低下量が大きい領域では励起光の光量の減光量の変化率を比較的大きくしてもよい。これらの制御方法によれば、緑色光Gの相対光量の低下が小さい部分には十分強い励起光を照射し、いわゆる異常領域には十分弱い励起光を照射することができる。
また、本実施形態では、励起光の光量を決定するために緑色光Gの相対光量を測定するときに、励起光の光量を一定にしたが、これに限定されない。緑色光Gの相対光量に応じて調整された励起光を用いて測定してもよいが、一定の励起光を用いて測定したほうがより正確に励起光を制御することができる。
[第5実施形態]
図10,11,12を用いて第5実施形態のプロジェクター3を説明する。第5実施形態のプロジェクター3と第1実施形態のプロジェクター1との違いは、主として異常領域の検出方法とにあるため、第1実施形態のプロジェクー1と異なる点について説明する。第1実施形態のプロジェクター1と共通する構成については説明を省略する。
図10は、第5実施形態のプロジェクター3の概略図である。
第1実施形態のプロジェクター1は反射型の回転蛍光板を備えていたが、本実施形態のプロジェクター3は透過型の回転蛍光板113を備えている。光源11から射出された励起光は、集光レンズ12aによって回転蛍光板113の蛍光体13b上に集光される。
回転蛍光板113は、ガラスなどの透明な円板113aの一方の面に、蛍光体13bを円板113aの周方向に沿って連続的に形成したものである。蛍光体13bは、蛍光体13bに入射した励起光Lの一部を緑色光Gに変換し、緑色光Gをピックアップ光学系15にむけて射出する。また、蛍光体13bに入射した励起光のうち緑色光Gに変換されなかった成分は、蛍光体13bを透過して、青色光Bとしてピックアップ光学系15に入射する。
ピックアップ光学系15を透過した青色光Bと緑色光Gとはダイクロイックミラー116によって分離される。青色光Bはさらにミラー117とミラー118とによって青色用液晶表示素子30Bへ導かれる。
図11は、プロジェクター3の動作を制御する制御系の機能構成を表すブロック図である。プロジェクター3は制御系として、制御部165と、光源駆動部66と、モーター駆動部63と、画像信号供給部64と、光量検出部160と、を備える。
制御部165は、その機能構成として、発光タイミング生成部72と、回転周期決定部71と、異常領域検出部173と、光源出力レベル調整部74と、を備えている。
異常領域に入射した励起光Lの一部は、異常領域の変質した蛍光体13bに吸収される。そのため、回転蛍光板113の異常領域を透過する青色光Bの光量は、回転蛍光板113の異常領域以外の領域を透過する青色光Bの光量よりも小さくなる。そこで、本実施形態では、回転蛍光板113を透過する青色光Bの光量を用いて異常領域を検出する。
光量検出部160は、ビームスプリッター161と、パワーメーター162と、を備えている。回転蛍光板113を透過した青色光Bの一部はビームスプリッター161で分岐され、パワーメーター162に入射する。パワーメーター162は、高速で回転する回転蛍光板113の所定回転角ごとに光量を高い分解能で測定できるものであり、例えば、帯域が1MHzのフォトディテクター(Photo Ditector;PD)が使用される。パワーメーター162で検出された青色光Bの光量の情報(光量値)は、異常領域検出部173に供給される。
異常領域検出部173は、光量検出部160から供給される青色光Bの光量の情報(光量値)と回転周期決定部71から供給される回転軸Axの位置情報およびモーター14の回転周期値の情報とを取り込み、これらの情報に基づいて、蛍光体13bの異常領域を検出する。さらに異常領域検出部173は、その異常領域の位置情報を、光量検出部160から供給された光量値の情報と回転周期決定部71から供給された回転軸Axの位置情報およびモーター14の回転周期値の情報とともに光源出力レベル調整部74に供給する。
本実施形態の場合、例えば工場出荷時に、回転蛍光板113の各回転角における回転蛍光板113を透過する青色光Bの光量を測定し、初期データとして、光源装置110GBに備えられた図示略の記憶装置に記憶する。そして、光源装置110GBを使用するときに、常時又は定期的に同様の測定を行い、初期データとの比較を行う。比較を行った結果、初期データから光量が低下(例えば初期から80%以下に低下)している部分が存在すれば、その部分を蛍光体13bの異常領域として検出する。
光源出力レベル調整部74および光源駆動部66の動作は第1実施形態における光源出力レベル調整部74および光源駆動部66の動作と同様である。
図12は、蛍光体の異常領域の検出方法と励起光の照射光量の制御方法の説明図である。図12(a)は、初期状態(工場出荷時)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された青色光Bの相対光量との関係を示す図である。図12(b)は、製品使用時(工場出荷時から所定時間経過後)における、回転蛍光板の回転角と光量検出部で検出された青色光Bの相対光量との関係を示す図である。図12(c)は、図12(b)の測定結果に基づいて検出された蛍光体の異常領域を示す図である。図12(d)は、回転蛍光板の回転角と励起光の相対光量との関係を示す図である。励起光は発光レベル補正値を用いて補正されている。
本実施形態ではまず、図12(a)に示すように、光源装置110GBの出荷前に回転蛍光板113からの青色光Bの光量(強度)を回転蛍光板113の所定回転角ごとに測定し、回転蛍光板113の所定回転角ごとの相対光量を求める。そして、各回転角における青色光Bの相対光量のデータを初期データとして記憶装置に保存する。そして、図12(b)に示すように、光源装置110GBを使用するときに常時又は定期的に同様の測定を行い、回転蛍光板113の所定回転角ごとの相対光量を求める。そして、光源装置110GBの使用時における相対光量を初期データと比較する。
図12(c)に示すように、比較を行った結果、初期データから相対光量が低下(例えば初期から80%以下に低下)している部分があったら、その部分を蛍光体13bの異常領域Tとして認定する。そして、図12(d)に示すように、蛍光体13bの異常領域Tを励起光が照射するタイミングで光源11に供給する電流を低減して励起光の光量(強度)を減光する。例えば励起光の光量を50%程度に減光する。こうすることによって、蛍光体13bの異常領域Tの温度上昇を防ぎ、異常領域Tが周方向に成長するのを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、初期データとの比較を行うことで青色光Bの経時的な光量変化を検出したが、初期状態の相対光量が回転角に対して十分平坦な場合は初期状態の青色光Bの相対光量を測定し記憶装置に保存しておく必要はない。この場合、光源装置の使用時に常時又は定期的に青色光Bの光量を測定し、1周内で青色光Bの光量が他の回転角に比べて著しく低下している部分を検出すればよい。また、本実施形態では蛍光体13bの異常領域Tに対して励起光を減光したが、スイッチにより完全にOFF、すなわち励起光の光量をゼロにしてもよい。
以上のように本実施形態のプロジェクター3では、異常領域Tに照射される励起光の光量を異常領域Tとは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくしている。そのため、異常領域Tの広がりが抑制され、蛍光体13bの性能劣化が生じにくいプロジェクターが提供される。さらに、本実施形態のプロジェクター3では、光源出力レベル調整部74は、異常領域Tに照射される励起光の光量および異常領域の隣接領域に照射される励起光の光量を、異常領域Tおよび該異常領域の隣接領域以外の領域に照射される励起光の光量よりも小さくしている。そのため、異常領域Tの隣接領域で変質が進行し、励起光の照射位置Sの移動方向に沿って異常領域Tが大きく広がることが抑制される。
[変形形態]
(1)第2実施形態では、異常領域Tの前後に照射される励起光の光量を異常領域Tの中央部に照射される励起光の光量よりも小さくした。この構成は、第3実施形態にも適用可能である。
(2)第3実施形態では、光源出力レベル調整部75が、異常領域に照射される励起光の光量を異常領域とは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくすることに対応して、赤色用光源20から射出される赤色光Rの光量および青色用光源24から射出される青色光Bの光量を小さくした。この構成は、第1実施形態および第2実施形態にも適用可能である。
(3)第4実施形態では、蛍光体13bが熱によって変質した部分を異常領域として認定したが、これに限定されない。工場出荷時において、蛍光体13bの厚みむらや蛍光体13bに付着した異物などの欠陥がある場合も、蛍光体13bが局所的に発熱し、蛍光体13bを変質させる原因となる。そこで、蛍光体13bの変質を防ぐために、このような欠陥部分を異常領域として認定し、このような欠陥部分に照射される励起光を減光してもよい。
(4)第5実施形態では、回転蛍光板を透過した青色光(励起光)の光量を初期データと比較して異常領域を検出した。これに対して、第4実施形態と同様に、異常領域を明確には特定せずに、光源出力レベル調整部が、光量検出部によって検出された青色光(励起光)の光量に応じて励起光の光量を制御してもよい。このように、蛍光体層から射出された光の光量に応じて光源出力レベル調整部が励起光の光量を制御することによって、異常領域の広がりが抑制され、蛍光体層の性能劣化が生じにくくなる。
1,2,3…プロジェクター、10G…緑色用光源装置、11…光源、13b…蛍光体(蛍光体層)、20…光源、24…光源、60…光量検出部、73…異常領域検出部、74…光源出力レベル調整部、75…光源出力レベル調整部、80G…緑色用光源装置、110GB…光源装置、173…異常領域検出部、R…赤色光、G…緑色光、B…青色光、L…励起光、r…励起光の照射位置の軌跡、S…励起光が照射される蛍光体上の照射位置、T…異常領域

Claims (9)

  1. 蛍光体層と、
    前記蛍光体層を励起する励起光を射出する第1の光源と、
    前記蛍光体層の前記励起光が照射される照射位置を前記蛍光体層に対して相対的に移動させる駆動部と、
    前記蛍光体層において異常が発生している異常領域に照射される励起光の光量を、前記異常領域とは異なる領域に照射される励起光の光量よりも小さくする光源出力レベル調整部と、を備えている光源装置。
  2. 前記光源出力レベル調整部は、前記蛍光体層から射出された光の光量に応じて前記励起光の光量を制御する請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記異常領域を検出する異常領域検出部をさらに備える請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 前記蛍光体層から放射される第1の光の光量を検出する光量検出部を備え、
    前記異常領域検出部は、前記光量検出部で検出された光量が予め設定された第1の光量以下となる前記蛍光体層の領域を前記異常領域として検出する請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記光源出力レベル調整部は、前記異常領域に照射される前記励起光の光量と、前記異常領域に隣り合い、前記蛍光体層から射出された光の光量が前記第1の光量より大きく且つ予め設定された第2の光量より小さい隣接領域に照射される前記励起光の光量とを、前記異常領域および前記隣接領域以外の領域に照射される前記励起光の光量よりも小さくする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 前記光源出力レベル調整部は、前記隣接領域に照射される前記励起光の光量を、前記異常領域の中央部に照射される前記励起光の光量よりも小さくする請求項5に記載の光源装置。
  7. 前記照射位置は前記蛍光体層上を所定の軌跡を描いて周期的に移動し、
    前記異常領域検出部は、前記蛍光体層のうち一の位置から放射される前記第1の光の光量を複数回検出する請求項3または4に記載の光源装置。
  8. 前記蛍光体層から放射される光の色とは異なる色の第2の光を射出する第2の光源を備え、
    前記光源出力レベル調整部は、前記異常領域に照射される前記励起光の光量を前記異常領域とは異なる領域に照射される前記励起光の光量よりも小さくすることに対応して、前記第2の光源から射出される前記第2の光の光量を小さくする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光源装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光源装置を備えているプロジェクター。
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