JP5707587B2 - オルニチンケトグルタレート(okg)含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、オルニチンケトグルタレート(OKG)を含む組成物、化粧品組成物及び/又は毛包の障害に関連する様々な疾患を処置する薬剤を製造するための該組成物の使用、並びにOKGの使用による上記疾患および障害の治療法に関する。
毛包の一生は、とりわけ(ケラチン生成細胞の作用による)毛髪の成長が観察される毛包の成長段階(成長期)、それに続く、毛包細胞のかなりの割合のプログラム死(アポトーシス)が起こる退行段階(退行期)、及びその終末には毛包が新しい毛幹の形成を伴って成長期に戻る3番目の休止期の間で、連続的かつ循環的に移行することに特徴があることは、先行技術からよく知られている。
毛包の生命周期の様々な段階の持続期間は、身体の部位に実質的に依存している。例えば、頭皮部では、退行期が数週間、休止期が数ヵ月間の期間であるのに対して、成長期は2〜8年間続くが、これに対して眉毛部では成長期は数ヵ月間しか続かない。この時間比は、身体の各部位について、周期の様々な段階にある毛包の平均的な存在割合をも決定する。周期の様々な段階の持続期間や、1つの段階から別の段階への移行は、毛包の様々な部分間や毛包と周囲の上皮環境との間の複雑な生物学的相互作用(その機序は完全には明らかになっていない)により制御されている。しかし、これらの段階が、毛包に直接的または間接的に作用して個々の段階の持続期間を延長したり短縮したりする多くの内生要因や外生要因の影響を受けていることは、知られている。
これに関連して、(a)オルニチン、その塩、水和塩及び前駆物質、並びに(b)化粧品的に許容される担体を含む組成物を開示しているWO 94/09750 A1 (Unilever) を参照する。その明細書(9頁)に示されているように、オルニチンの適当な誘導体の典型例は、オルニチン塩酸塩、L-シスチニルオルニチン、L-オルニチルシトルリンなどである。この国際公開の教示によれば、組成物は、毛髪の成長を促進するために、はげた又ははげつつある頭皮に対して局所的に使用される。しかしながら、この国際公開の技術的教示は、中間体分子、例えばオルニチンを含む尿素サイクルに関連している。この国際公開は、α-ケトグルタレート又はオルニチンとα-ケトグルタレートとの組み合わせの使用を記載も示唆もしていない。
とりわけ、本発明の基礎となる具体的な課題は、毛包により長い成長時間を与えるために、毛包の成長期を延長し、退行期の衰退を遅くすることである。同時に、増殖段階にある細胞の数の増加に伴って、毛包の成長が刺激を受けなければならない。最後に、組成物は、細胞アポトーシスの増加を回避しなければならない。
本発明は、オルニチンケトグルタレート(OKG)及び2〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルコール及びポリオール並びに油体からなる群から選択される化粧品的に許容される担体を含んでなる組成物に関する。
驚くべきことに、オルニチンケトグルタレートは、毛包の成長を積極的に増進することが観察された。同時に、OKGは退行期の衰退を遅らせ、毛包の成長が起こり得る成長期を拡大する。最後に、アポトーシス細胞の数は顕著に減少し、一方、細胞の増殖は同じレベルのままである。詳細な実験データにより裏付けられたこれらの結果から得られる結論は、OKGは、毛包の障害や疾患が媒介する種類の皮膚病を含め、毛包の障害に関連する多くの種類の疾患を処置するかなり有効な活性薬剤であるということである。加えて、OKGは、人工皮膚の製造にも有用であり得る。
OKGは、約0.01質量%〜約1質量%、好ましくは約0.05質量%〜約0.1質量%(いずれも培養媒体の合計質量に基づき計算)の実用濃度で、最大活性を示すことが見出された。もちろん、より低いOKG濃度であっても、ある程度の効果が得られるが、結果は顕著ではない。より高い濃度も同様に有効であるが、通常、よりよい結果とはならない。
オルニチンケトグルタレート(OKG)
OKGと略称されるオルニチン(α-)ケトグルタレートは、オルニチン2-オキソグルタレート又はオルニチンオキソグルタレート(OGO)としても知られており、非タンパク質アミノ酸、L-オルニチン2分子と、クレブス回路ジカルボン酸、α-ケトグルタレート1分子とから形成される塩である。
Figure 0005707587
OKGは、火傷、外傷、外科的及び慢性栄養不良患者に、経口投与及び非経口投与の両方で使用されてきている。このような症状では、タンパク質異化が減少し、及び/又はタンパク質合成が増加すると考えられる。OKGは、とりわけアスリートにとっては、一般的な栄養補助食品である。OKGの作用は、OKG成分であるL-オルニチン及びα-ケトグルタレートにより生じる代謝産物に起因し得る。このような代謝産物は、L-アルギニン、L-グルタミン、L-プロリン及びポリアミンである。L-グルタミン及びL-アルギニンの代謝は外傷時に変化し、この変化は、免疫機能障害につながる。火傷に続いて起こる主たる生化学的事象の1つは、筋肉内L-グルタミンの低下(崩壊)である。このアミノ酸は、他の細胞、特に免疫細胞及び腸細胞での必要量の増加に見合うように、筋組織から放出される。今では、L-グルタミンは、免疫細胞の増殖及び活性化を維持するために不可欠であることが知られている。腸内では、粘膜関門の完全性並びにその代謝及び免疫機能を維持するために、L-グルタミンが不可欠である。免疫機能障害及び胃腸障害はL-グルタミンのデノボ合成が免疫細胞及び腸細胞の正常な機能を維持するのに不十分な場合に、起こる。
これに関連して、抗新生物薬製剤の問題に関係するWO 06/075924 A1 (SGP AND SONS AB) を参照する。解決手段の本質は、製剤がとりわけオルニチンのα-ケトグルタレートを含むことである。この国際公開は、OKG及び関連化合物がA 549 細胞の増殖を促進する能力を有することを開示している。
化粧品的に許容される担体
本発明において、化粧品的に許容される担体は、2〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はポリオール若しくは油体である。
アルコールおよびポリオール
エタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを、化粧品的に許容される担体として使用することができる。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子と、少なくとも2つの水酸基とを含有する。ポリオールは、他の官能基、とりわけアミノ基を含んでいてよく、または窒素で変性されていてもよい。典型的な例は、以下のとおりである:
・グリセリン;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量が100〜1000ダルトンのポリエチレングリコール;
・自己縮合度が1.5〜10の工業用オリゴグリセリン混合物、例えばジグリセリン含有率が40〜50wt%の工業用ジグリセリン混合物;
・メチロール化合物、例えば、特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド、特に、アルキル基に1〜8個の炭素原子を含有するもの、例えばメチルグルコシドおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含有する糖類、例えばブドウ糖または蔗糖;
・アミノ糖類、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2-アミノプロパン-1,3-ジオール
油体
化粧品的に許容される担体を形成する好適な油体は、例えば6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール、直鎖C6〜C22脂肪酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステルもしくは分岐C6〜C13カルボン酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステル(例えばミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、べヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、べヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、べヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、べヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、べヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸べへニル、パルミチン酸べへニル、ステアリン酸べへニル、イソステアリン酸べへニル、オレイン酸べへニル、べヘン酸べへニル、エルカ酸べへニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、べヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシル)である。同様に好適であるのは、直鎖C6〜C22脂肪酸と分岐アルコール(特に2-エチルヘキサノール)とのエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステル(特にジオクチルマレエート)、直鎖状および/または分岐状の脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6〜C10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸をベースとする液状モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、C6〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2〜C12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルコールまたは2〜10個の炭素原子と2〜6個の水酸基とを有するポリオールとのエステル、植物油、分岐第1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状および分岐状のC6〜C22脂肪アルコールカーボネート(例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC))、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状および/または分岐状のC6〜C22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、アルキル基1個あたりに6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の対称または非対称ジアルキルエーテル(例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE))、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーンオイル(シクロメチコン、シリコーンメチコングレード等)、脂肪族炭化水素またはナフテン系炭化水素(例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)および/または鉱油である。
通常、化粧品組成物は、約0.1〜約15質量%、好ましくは約1〜約10質量%、より好ましくは約2〜約5質量%のOKGを含み、残部は担体である。
産業上の用途
本発明の他の目的は、化粧品組成物、特に毛髪ケア組成物の製造のためのOKGの使用に関する。
本発明の更なる目的は、
・毛包の代謝およびその生命周期の調節に影響を与え、
・毛包の障害、特に脱毛を処置し、
・毛髪成長の疾患を処置し、
・皮膚病や毛包の代謝が媒介する障害を処置する
薬剤を製造するためのOKGの使用に関する。
最後に、本発明は、また、毛包の障害、毛髪成長の疾患および皮膚病、または毛包の代謝が媒介する障害の美容処置の方法に関し、該方法は、経口または局所適用によって毛髪または皮膚にOKGが投与されることを特徴とする。
OKGの投与は、局所または経口のどちらであってもよい。局所適用の場合には、ローション、クリーム、乳液等、あらゆる種類の組成物が可能である。経口摂取のためには、カプセルが好ましい剤型である。これらの実施形態を、以下にさらに詳細に説明する。
カプセルおよびマイクロカプセル
経口摂取のためには、組成物をカプセルに被包することが好ましい。通常、被包は、マトリックスとしてゼラチンを使用して行うことができる。OKG組成物にゲル化剤、例えばアルギン酸塩を添加し、この混合物をカルシウム塩の浴に滴下することによってもカプセルを調製することができる。どちらの方法によっても、直径が約1cm〜約5cmのマクロカプセルが得られ、これは、毒物学的に安全であり消費に適している。
また、局所適用のために開発された組成物の製剤化のために、OKGをカプセルに被包することが望ましいことがある。それには別の理由、すなわち、製剤中他の化合物と相互作用しないための安定化、化学分解からの保護、または単に非常に美しい製品を調製するためといった理由が存在し得る。このために、マイクロカプセルが通常採用される。「マイクロカプセル」とは、直径が約0.1〜約5mmの球状凝集体であると理解され、少なくとも1つの連続膜に囲まれた少なくとも1つの固体または液体のコアを含む。より正確には、マイクロカプセルは、皮膜形成ポリマーで被覆された微細分散した液相または固相であり、その製造中に、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合の後に、被包される材料の上にポリマーを堆積させる。別の方法では、マトリックス(「マイクロスポンジ」)に液体の有効成分を吸収させ、それを、微小粒子としてさらに皮膜形成ポリマーで被覆してもよい。この非常に小さなカプセル(ナノカプセルとも呼ばれる)は、粉体と同じ方法で乾燥することができる。単一コアのマイクロカプセルの他に、複数コアの凝集体(微小球とも呼ばれる)もあり、これは、連続膜材料の中に分布する2つ以上のコアを含む。加えて、単一コアまたは複数コアのマイクロカプセルは、さらに第2、第3等の膜で囲まれていてもよい。この膜は、天然、半合成または合成の材料から成っていてよい。天然の膜材料としては、例えばアラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸およびその塩(例えばアルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウム)、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、多糖類(例えばデンプンまたはデキストラン)、ポリペプチド、タンパク質加水分解物、蔗糖およびワックスが挙げられる。半合成の膜材料としては、特に化学変性セルロース、特にセルロースエステルおよびエーテル(例えば酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)およびデンプン誘導体、特にデンプンエーテルおよびエステルが挙げられる。合成の膜材料としては、例えばポリマー(例えばポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドン)が挙げられる。既知のマイクロカプセルの例としては、以下の市販品が挙げられる(膜材料を括弧内に示す):Hallcrest Microcapsules(ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalaspheres(海洋性コラーゲン)、Lipotec Millicapseln(アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres(ラクトース、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Unicetin C30(ラクトース、微晶質セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres(変性デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres(変性寒天)、Kuhs Probiol Nanospheres(リン脂質)。
人工皮膚
本発明の別の目的は、人工皮膚の製造のためのOKGの使用である。通常、再生医療全般についての実施可能な手法や、特に人工皮膚の使用は、以下の3つのカテゴリーに分類される。
・表皮代替物−単独で(組織培養フラスコの表面上で)または担体ビヒクル(例えばポリマー膜または生体吸収性マトリックス)と密接に関連して成長したケラチン生成細胞から成る。
・真皮代替物−線維芽細胞(場合によっては内皮細胞)による浸潤、接着、増殖および新たなマトリックスの産生をサポートすることができる支持構造物から成る。
・代用皮膚−上記の組み合わせであり、真皮成分と表皮成分の両方を支持することができる。
現在、人工皮膚の形成のための2つの方法が確立されている。
メッシュ状足場(mesh scaffolding)法
MS法に従って、線維芽細胞をバイアルから1リットル容のソーダの瓶に似たローラー瓶へ移す。瓶を、側面を下にして3〜4週間回転させる。回転運動により、成長過程に不可欠な酸素の循環が可能になる。次いで、ローラー瓶から細胞を取り出し、栄養分に富んだ培地と組み合わせ、管を通して生分解性のメッシュ状足場を収容した薄いカセット状の生物反応器に流し入れ、電子線照射によって滅菌する。細胞は、カセットに流れ込むと、メッシュに接着して成長を開始する。細胞を、3〜4週間にわたって澱みなく流動させる。毎日、残った細胞懸濁液を除去し、新たな栄養分を加える。酸素、pH、栄養分の流れおよび温度を、培養システムによって制御する。新しい細胞が真皮の層を作り出すにつれて、ポリマーは分解する。最後に、メッシュ上での細胞成長が完了すると、これよりもさらに栄養分に富んだ培地で組織をすすぐ。抗凍結剤を加える。カセットを1つずつ保管し、標識し、凍結させる。
コラーゲン法
人工皮膚の製造のための原料としてコラーゲンを使用する。第1工程で細胞を培養システムに移す。少量の冷コラーゲンと栄養培地との混合液の約12%を、線維芽細胞に添加する。混合物を型に分注し、室温になるまで放置する。コラーゲンは、温まるとゲル化し、線維芽細胞を捕えて新たな皮膚細胞の成長を引き起こす。コラーゲンを線維芽細胞に添加してから約2週間後に、抽出したケラチン生成細胞を解凍し、新しい真皮上に播種する。これを、数日間成長させた後に空気に曝して、ケラチン生成細胞に表皮層を形成させる。最後に、新たな皮膚を必要になるまで滅菌容器に保管する。
毛包を含む人工皮膚の製造は、従来技術に属する。好適な方法が、例えば中国特許出願CN 170523 A1に開示されている。
これらの技術は、現在、動物モデルについて幾分かの結果を提供しているにすぎないが、人工皮膚組織に含まれたヒトの毛包培養物が、比較的短期間に達成できるであろうことは明らかである。これらの新技術は、人工皮膚細胞と毛包細胞および/または毛包の両方の代謝上の要件を支持するのに適した、適切な培養培地の準備を必要とする。これに関連して、OKGの添加によって、毛包の代謝に対するその刺激作用および毛包の周期に対するその調節効果の故に、これらの培養培地の組成は、非常に有利になる。
化粧品組成物
本発明の化粧品組成物、好ましくはヒトの毛髪を処置するための組成物は、さらなる助剤および添加剤として、さらなる化合物、例えば界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス(pearlizing waxes)、稠度成分、ポリマー、シリコーン化合物、ワックス、安定剤、フケ防止剤、生物起源剤(biogenic agents)、皮膜形成剤、防腐剤、香油、染料等を含んでいてもよい。
界面活性剤
他の好ましい助剤および添加剤は、アニオン性および/または両性または双性イオン性の界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセリンエーテルスルホネート、メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセリンエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ-およびジアルキルスルホスクシネート、モノ-およびジアルキルスルホスクシンナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸(例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート)、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベースの植物性産物)およびアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、これらの界面活性剤は、通常の同族体分布を有していてよいが、狭い範囲の同族体分布を有することが好ましい。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。言及した界面活性剤は、すべて既知の化合物である。それらの構造および製造に関する情報は、関連のある概要書(例えば、J. Falbe (編), “Surfactants in Consumer Products”, Springer Verlag, Berlin, 1987, 54〜124頁、またはJ. Falbe (編), “Katalysatoren, Tenside und Mineraloeladditive”, Thieme Verlag, Stuttgart, 1978, 123〜217頁)に見出すことができる。製剤中の界面活性剤の含有率は、製剤に対して0.1〜10wt%であってよく、好ましくは0.5〜5wt%である。
油体
適切な油体は、適切な化粧品担体として既に言及した油体である。
乳化剤
例えば以下のものを含め、他の界面活性剤も乳化剤として製剤に添加してよい:
・2〜30molのエチレンオキシドおよび/または0〜5molのプロピレンオキシドの、直鎖C8〜22脂肪アルコール、C12〜22脂肪酸およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を含有するアルキルフェノールへの付加生成物;
・1〜30molのエチレンオキシドのグリセリンへの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
・6〜22個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセリンモノ-およびジエステルならびにソルビタンモノ-およびジエステル、ならびにそれらのエチレンオキシド付加生成物;
・15〜60molのエチレンオキシドのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物;
・ポリオールエステルおよび特にポリグリセリンエステル(例えばポリグリセリンポリリシノレエート、ポリグリセリンポリ-12-ヒドロキシステアレートまたはポリグリセリンダイマレートイソステアレート)。これらのうちいくつかの種類からの化合物の混合物も、好適である;
・2〜15molのエチレンオキシドのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物;
・直鎖状、分岐状、不飽和または飽和C6/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)とをベースとする部分エステル;
・モノ-、ジ-およびトリアルキルホスフェートならびにモノ-、ジ-および/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートならびにそれらの塩;
・羊毛ワックスアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/またはC6〜22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセリンまたはポリグリセリンの混合エステル;
・ポリアルキレングリコール;
・グリセリンカーボネート。
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールへの付加生成物、脂肪酸のグリセリンモノ-およびジエステルならびにソルビタンモノ-およびジエステルへの付加生成物、またはヒマシ油への付加生成物は、既知の市販品である。これらは同族体混合物であり、その平均アルコキシル化度は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの量と、付加反応を行うのに使用する基質の量との間の割合に相当する。エチレンオキシドのグリセリンへの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品製剤の脂質層増強剤として知られている。
典型的なアニオン性乳化剤は、脂肪族C12〜22脂肪酸(例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはべヘン酸)ならびにC12〜22ジカルボン酸(例えばアゼライン酸またはセバシン酸)である。その他の好適な乳化剤は、双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤は、表面活性化合物であり、分子中に少なくとも1つの第4級アンモニウム基および少なくとも1つのカルボン酸塩および1つのスルホン酸基を含有する。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)およびアルキルまたはアシル基に8〜18個の炭素原子を含有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインというCTFA名で知られている脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。両性界面活性剤も、好適な乳化剤である。両性界面活性剤は、分子中にC8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOH-または-SO3H-基を含有する表面活性化合物であり、内塩を形成することができる。好適な両性界面活性剤の例は、アルキル基に約8〜18個の炭素原子を含有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキル-アミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好適な両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
過脂肪剤
過脂肪剤は、例えばラノリンおよびレシチン、ならびにポリエトキシ化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質から選択することができる。脂肪酸アルカノールアミドは、気泡安定剤としての役割をも果たす。
稠度成分
主に使用される稠度成分は、12〜22個の炭素原子、好ましくは16〜18個の炭素原子を含有する脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、ならびに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質のアルキルオリゴグルコシドおよび/または同じ鎖長の脂肪酸N-メチルグルカミドおよび/またはポリグリセリンポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組み合わせが、好ましく使用される。
増粘剤
好適な増粘剤は、ポリマー増粘剤(例えばAerosil(登録商標)タイプ(親水性シリカ))、多糖類(より具体的にはキサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギン酸塩およびチロース)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、ならびに脂肪酸の比較的高分子量のポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopol(登録商標)[Goodrich]またはSynthalen(登録商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤(例えばエトキシ化脂肪酸グリセリド)、脂肪酸とポリオールとのエステル(例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン)、狭範脂肪アルコールエトキシレートおよび電解質(例えば塩化ナトリウムまたは塩化アンモニウム)である。
ポリマー
好適なカチオン性ポリマーは、例えばカチオン性セルロース誘導体(例えばPolymer JR 400(登録商標)の名称でAmercholより入手可能な4級化ヒドロキシエチルセルロース)、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー(例えばLuviquat(登録商標)(BASF))、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、4級化コラーゲンポリペプチド(例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L、Gruenau))、4級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー(例えばアモジメチコン)、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋した水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体(例えば場合により微晶質の形で分布した4級化キトサン)、ジハロアルカン(例えばジブロモブタン)とビスジアルキルアミン(例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム(例えば、CelaneseのJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16)、4級化アンモニウム塩ポリマー(例えばMiranolのMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1)である。好適なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性のポリマーは、例えば、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、非架橋およびポリオール架橋のポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび誘導体化されていてもよいセルロースエーテルおよびシリコーンである。
真珠光沢ワックス
好適な真珠光沢ワックスは、例えばアルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;ヒドロキシ置換されていてもよい多塩基性カルボン酸と6〜22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪化合物、例えば合計で少なくとも24個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート(特にラウロンおよびジステアリルエーテル);脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはべヘン酸、12〜22個の炭素原子を含有するオレフィンエポキシドの12〜22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子と2〜10個の水酸基とを含有するポリオールによる開環生成物、ならびにそれらの混合物である。
シリコーン
好適なシリコーン化合物は、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンおよびアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および/またはアルキル変性シリコーン化合物であり、これらは室温で液状および樹脂状のいずれであってよい。その他の好適なシリコーン化合物は、シメチコン、すなわち平均鎖長がジメチルシロキサン単位200〜300個のジメチコンと水素化シリケートとの混合物である。好適な揮発性シリコーンの詳細な記述は、Todd et al. in Cosm. Toil. 91, 27 (1976)に見出すことができる。
ワックスおよび安定剤
使用される天然油に加えて、ワックス、より具体的には天然ワックス(例えばカンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、エスパルトグラス(アフリカハネガヤ)ワックス、コルクろう、グアルマワックス、米油ワックス、サトウキビワックス、オーリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜ろう、シェラックワックス、鯨ろう、ラノリン(羊毛ワックス)、尾腺脂、セレシン、オゾケライト(地ろう)、ワセリン、パラフィンワックスおよびマイクロワックス)、化学修飾ワックス(硬ろう)(例えばモンタンエステルワックス、サソールワックス、水素化ホホバワックス)および合成ワックス(例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックス)も、製剤中に存在してもよい。脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩を、安定剤として使用することができる。
生物起源剤
本発明において、生物起源剤は、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその分解生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物(例えばプルーン抽出物、バンバラナッツ抽出物)およびビタミン複合体である。
皮膜形成剤
標準的な皮膜形成剤は、例えばキトサン、微晶質キトサン、4級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第4級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩ならびに類似の化合物である。
フケ防止剤
好適なフケ防止剤は、Pirocton Olamin(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(Climbazole)、Ketoconazol(登録商標)(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル) r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イルメトキシフェニル}-ピペラジン)、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール蒸留物、サリチル酸(またはヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミドスルホスクシネートのナトリウム塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオンおよびマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウムスルフェートである。
防腐剤
好適な防腐剤は、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびKosmetikverordnung(「Cosmetics Directive」)のAppendix 6, Part AおよびBに列挙されている他の種類の化合物である。
香油
好適な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然香料としては、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)の抽出物、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)の抽出物、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、トショウ)の抽出物、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)の抽出物、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、フクジンソウ、アイリス、カルムス)の抽出物、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン)の抽出物、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)の抽出物、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)の抽出物、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナクス)の抽出物が挙げられる。動物性原料、例えばジャコウネコおよびビーバーも使用することができる。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素系の生成物である。エステル系の香料化合物の例としては、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルフォルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートが挙げられる。エーテルとしては、例えばベンジルエチルエーテルが挙げられるが、アルデヒドとしては、例えば8〜18個の炭素原子を含有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールが挙げられる。好適なケトンの例は、イオノン、イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素としては、主にテルペンおよびバルサムが挙げられる。しかし、異なる香料化合物の混合物を使用することが好ましく、それらの化合物は一緒になって好ましい香料を作り出す。その他の好適な香油は、芳香成分として使用されることの多い比較的揮発性の低い精油である。例としては、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ハッカ油、桂皮油、ライム花油、トショウの実油、べチベル油、オリバナム油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラベンディン油が挙げられる。以下のものを、個々にまたは混合物の形で使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシル桂皮アルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロオール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、へジオン、サンデリス、かんきつ油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル、ラベンディン油、クラリー油、ダマスコン、ゼラニウム油(ブルボン)、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール、イソ-イー-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エバニール、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート、イロチルおよびフロラマット。
染料
好適な染料は、例えばFarbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの文献“Kosmetische Faerbemittel”, Verlag Chemie, Weinheim, 1984, 81〜106頁に列挙されているような、美容目的に好適であり承認を受けているあらゆる物質である。例としては、コチニールレッドA(C. I. 16255)、パテントブルーV(C. I. 42051)、インジゴチン(C. I. 73015)、クロロフィリン(C. I. 75810)、キノリンイエロー(C. I. 47005)、二酸化チタン(C. I. 77891)、インダンスレンブルーRS(C. I. 69800)、マダーレーキ(C. I. 58000)が挙げられる。発光染料としてルミノールも存在してよい。これらの染料は、通常、混合物全体に対して0.001〜0.1wt%の濃度で使用される。
助剤および添加剤の合計含有率は、当該組成物に対して1〜50wt%であってよく、好ましくは5〜40wt%である。組成物は、標準的な熱処理または冷処理によって製造することができる。
実施例1及び2
毛包の代謝に対するOKGの活性
ヒトの成長期の毛包を頭皮から単離し、変性Williams培地Eを使用して培養するために、滅菌した24ウェルプレートに移した。培養は9日間行い、培養開始から24時間後に毛包の実験的処置を開始した。
培養の18時間後に、一人のドナーから採取した毛包を実験のために選択した。良好な生命段階および0.2mm以上の成長を示している毛包のみが、培養物中に維持するのに好適であると見なした。9つの毛包から成る4つの群を準備し、プレート1枚あたり毛包3個の密度でプレートに置いた。毛包の成長に対するOKGの活性を実証するために、対照群と比較して、(全培養培地に基づいて計算して)0.005質量%〜0.01質量%の濃度で、以下の実験を行った。OKG処置の活性は、2日おきに測定した毛包の成長(mm単位で表示)の増加によって実証する。毛包の成長を、顕微鏡写真によって調べ、続いて画像解析によって測定した。すべての毛包を、2日おきに撮影した。結果を、表1に示す。
Figure 0005707587
この結果は、OKGの添加が毛包の成長に有意な増加をもたらすことを示している。
実施例3及び4、比較例C1〜C4
従来技術と比較した毛包の代謝に対するOKGの活性
一方ではオルニチンと他方ではα-ケトグルタレートと比較したOKGの優位性を示す為、毛包の代謝に対するこれら化合物の影響を、実施例1及び2に記載した条件で調べた。表2に、6日間の培養後の毛包の成長を、対照試料に対する相対値として示す。実施例3及び4は、本発明による例であり、比較例C1〜C4は比較である。
Figure 0005707587
上記実施例及び比較例は、OKGが、毛包の刺激に対して、オルニチン及びα-ケトグルタレートを単独で使用した場合に比べて優れた相乗効果を有することを示している。
実施例5
毛包の退行期の衰退に対するOKGの活性
実施例1及び2による実験を、培養の9日後に終了した。続いて、皮膚乳頭の形態学的状態を確認するために、毛包をヘマトシリンおよびエオシンで染色して、組織学的分析に付した。結果を、表3に示す。
Figure 0005707587
この結果は、OKG処置が毛包の退行期における衰退を有意に遅らせたことを示している。毛包の成長は成長期にのみ起こるため、この結果は、OKGの刺激効果も支持している。
実施例6
増殖細胞およびアポトーシス細胞の数に対するOKGの活性
培養の3日後に、増殖状態またはアポトーシス状態にある細胞の相対数を測定するために試料を採取した。アポトーシス状態にある細胞を、Apoptag Fluorescein In-situ Apoptosis Detection Kit(Chemicon International cod. S7110)を使用して測定し、増殖状態にある細胞を、抗体Ki-67(モノクローナルマウス抗ヒトKi-67、クローンMIB1、Dako Cytomation cod. M7240)で標識した。皮膚乳頭の細胞の総数を、それらの核をDAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールジヒドロクロライド)で標識することによって分析した。細胞の総数に対する増殖状態にある細胞およびアポトーシス状態にある細胞の割合は、ここでも画像解析によって測定した。結果を、表4に示す。
Figure 0005707587
この結果は、OKGによる毛包の処置が、アポトーシス細胞の数を有意に減少することを示している。

Claims (5)

  1. オルニチンα-ケトグルタレート(OKG)、及びエタノール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択されるアルコールを含んでなる、毛包に適用される薬剤組成物。
  2. オルニチンα-ケトグルタレート(OKG)、及び6〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール、直鎖C6〜C22脂肪酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステルもしくは分岐C6〜C13カルボン酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステル、直鎖C6〜C22脂肪酸と分岐アルコールとのエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状または分岐状のC6〜C22脂肪アルコールとのエステル、C 6〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、C2〜C12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルコールまたは2〜10個の炭素原子と2〜6個の水酸基とを有するポリオールとのエステル、分岐第1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状および分岐状のC6〜C22脂肪アルコールカーボネート、6〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状および/または分岐状のC6〜C22アルコールとのエステル、アルキル基1個あたりに6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状の対称または非対称ジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーンオイル、脂肪族炭化水素またはナフテン系炭化水素、鉱油およびそれらの混合物から成る群から選択される油体を含んでなる、毛包に適用される薬剤組成物。
  3. オルニチンα-ケトグルタレート(OKG)を含んでな、毛包の代謝およびその生命周期の調節に影響を与える、毛包に適用される薬剤。
  4. オルニチンα-ケトグルタレート(OKG)を含んでな、毛包の障害を処置する、毛包に適用される薬剤。
  5. オルニチンα-ケトグルタレート(OKG)を含んでな、毛髪成長の疾患を処置する、毛包に適用される薬剤。
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