JP5706812B2 - 勾配用座屈拘束耐力壁の構造及び耐力フレームセット - Google Patents

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Description

本発明は、勾配用座屈拘束耐力壁の構造及び耐力フレームセットに関するものである。
従来から、特許文献1等により座屈拘束耐力壁が知られている。
上下の横梁7、5が平行な部分に形成される一般部分の座屈拘束用耐力壁は、図11(a)の模式図のような構成となっている。一般部分の座屈拘束耐力壁の構成部材である第1柱材1、第2柱材2’は同じ長さであり、第1柱材1、第2柱材2’の上下端部がそれぞれ、平行な下の横梁5と上の横梁7に接合される。また、第1柱材1の上端部に傾斜した上側座屈拘束ブレース3の上端部が接合されると共に第1柱材1の下端部に傾斜した下側座屈拘束ブレース4の下端部が接合され、第2柱材2’の上下方向の略中間の部位に上側座屈拘束ブレース3の下端部と下側座屈拘束ブレース4の上端部が接合される。
ここで、図11(a)のような上下の横梁7、5が平行な部分に形成される一般部分の座屈拘束耐力壁において、地震による水平力が作用する(図11(a)の矢印方向の外力が作用する)場合の座屈拘束用耐力壁の変形は、図11(b)、図11(c)のような模式図であらわされる。
例えば、図11(b)のように、100mm水平に変形すると仮定した場合、上側座屈拘束ブレース3と下側座屈拘束ブレース4の伸縮による水平変形量が概ね同じ(図11(b)の例ではそれぞれ50mm)になって図11(c)のように変形する。このように上側座屈拘束ブレース3と下側座屈拘束ブレース4の伸縮量の絶対値が概ね同じとなるので、傾斜した上側座屈拘束ブレース3と、傾斜した下側座屈拘束ブレース4としてそれぞれ同じ一種類の座屈拘束ブレースを用いることができる。
このように、傾斜した上側座屈拘束ブレース3、傾斜した下側座屈拘束ブレース4としてそれぞれ同じ一種類の座屈拘束ブレースを使用できるので、座屈拘束耐力壁を構成するための部材の種類が少なくなり、座屈拘束部材の製造コスト、保管等が簡略化する。
したがって、傾斜した上側座屈拘束ブレース3、傾斜した下側座屈拘束ブレース4としてそれぞれ同じ一種類の座屈拘束ブレースを使用できるので、部材の共通化が図れ、コストダウンが図れる。
特開2008−075280号公報
ところが、図12(a)のように、下の横梁5と上の傾斜梁6との間に形成される勾配用座屈拘束耐力壁を想定した場合、地震による水平力が作用する(図12(a)の矢印方向の外力が作用する)場合の座屈拘束用耐力壁の変形は、図12(b)、図12(c)のような模式図であらわされる。
例えば、図12(b)のように、100mm水平変形すると仮定した場合、例えば、上側座屈拘束ブレース3の伸縮による水平変形量が25mmで、下側座屈拘束ブレース4の伸縮による水平変形量が75mmとなる。したがって、上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4として同じ一種類の座屈拘束ブレースを用いることはできず、それぞれ別種類の座屈拘束ブレースを形成して使用しなければならない。
このため、勾配用座屈拘束耐力壁においては、座屈拘束ブレースの共通化が図れず、コスト高になるという問題がある。
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、座屈拘束ブレースの共通化が図れ、コストダウンが可能となる勾配用座屈拘束耐力壁の構造及び耐力フレームセットを提供することを課題とする。
本発明の勾配用座屈拘束耐力壁の構造は、第1柱材と、第2柱材と、傾斜した上側座屈拘束ブレースと、傾斜した下側座屈拘束ブレースとを備え、前記第2柱材が第1柱材より短く、前記上側座屈拘束ブレースと、前記下側座屈拘束ブレースがそれぞれ同じ座屈拘束ブレースで構成され、前記第1柱材の上端部に前記上側座屈拘束ブレースの上端部が接合されると共に前記第1柱材の下端部に前記下側座屈拘束ブレースの下端部が接合され、前記第2柱材の下端部が前記第1柱材の下端部と同じレベル又は略同じレベルに設定され、この第1柱材の上下方向の中間部に対応する前記第2柱材の上下方向の部位に前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合され、前記第1柱材の下端及び前記第2柱材の下端が下の横梁に接合され、前記第1柱材の上端が上の傾斜梁の傾斜上端に続く上の横梁、又は、前記上の傾斜梁の傾斜上端と前記上の横梁を接続する接続金物、又は、前記上の傾斜梁に接合され、前記第2柱材の上端が伸縮変形可能な柱頭金物を介して前記上の傾斜梁に接合されることを特徴とする。
また、前記伸縮変形可能な柱頭金物が、面内方向に伸縮変形可能で、面外方向においては変形が規制されるものであることが好ましい。
また、耐力フレームセットは、勾配用座屈拘束耐力壁の構成のために用いられる耐力フレームであって、第1柱材と、傾斜した上側座屈拘束ブレースと、傾斜した下側座屈拘束ブレースがあらかじめ接合一体化されてユニット化された略三角形状をした耐力フレーム主体と、耐力フレーム主体とは別体の第2柱材と、伸縮変形可能な柱頭金物を備え、前記ユニット化された耐力フレーム主体が、前記第1柱材の上端部に前記上側座屈拘束ブレースの上端部が接合されると共に前記第1柱材の下端部に前記下側座屈拘束ブレースの下端部が接合され、前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合されて構成され、前記上側座屈拘束ブレースと、前記下側座屈拘束ブレースがそれぞれ同じ座屈拘束ブレースで構成され、前記第2柱材が前記ユニット化された耐力フレーム主体の前記第1柱材より短く、この第2柱材の上下方向の中間よりも上位置に、前記耐力フレーム主体の前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合された部位が接合される接合部を有し、前記伸縮変形可能な柱頭金物が、前記第2柱材の上端部に接合されるものであることを特徴する。
本発明は、下の横梁と上の傾斜梁との間に形成される勾配座屈拘束用耐力壁において、上側座屈拘束ブレースと下側座屈拘束ブレースの共通化が図れ、コストダウンが可能となる。
本発明の勾配用座屈拘束耐力壁の一実施形態の概略構成図である。 (a)(b)はそれぞれ同上の勾配用座屈拘束耐力壁の他の実施形態の概略構成図である。 (a)は同上に用いる柱頭金物の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は柱頭金物の他の実施形態を示す斜視図である。 同上に用いる座屈拘束ブレースの一実施形態の斜視図である。 (a)は図4のX−X線の断面図であり、(b)は図4のY−Y線の断面図である。 同上の座屈拘束ブレースの分解斜視図である。 (a)は同上の座屈拘束ブレースの側面図であり、(b)は平面図であり、(c)は拡大断面図である。 同上の耐力フレームセットの分解正面図である。 同上の図8の耐力フレームセットを組立接合して構成される耐力フレームの正面図である。 本発明の柱頭金物を用いた勾配用座屈拘束耐力壁の水平力が作用した際の変形の説明のための図面で、(a)は勾配用座屈拘束耐力壁に水平力が作用した概略構成図であり、(b)は上記水平力が作用した際に100mm水平変形時の上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの伸縮による水平変形量を示す説明図であり、(c)は上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの変形を示す模式図である。 従来例の座屈拘束耐力壁の水平力が作用した際の変形の説明のための図面で、(a)は勾配用座屈拘束耐力壁に水平力が作用した概略構成図であり、(b)は上記水平力が作用した際に100mm水平変形時の上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの変形量を示す説明図であり、(c)は上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの変形を示す模式図である。 従来例の勾配座屈拘束耐力壁の水平力が作用した際の変形の説明のための図面で、(a)は勾配用座屈拘束耐力壁に水平力が作用した概略構成図であり、(b)は上記水平力が作用した際に100mm水平変形時の上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの伸縮による水平変形量を示す説明図であり、(c)は上側座屈拘束ブレース及び下側座屈拘束ブレースの変形を示す模式図である。 本発明の勾配座屈拘束耐力壁の水平加力試験の結果を示す説明図である。 従来例の勾配座屈拘束耐力壁の水平加力試験の結果を示す説明図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
勾配用座屈拘束耐力壁は、図1、図2(a)(b)の各実施形態に示されるように、下の横梁5と、上の傾斜梁6との間に耐力フレーム12を取付けることで構成される。
勾配用座屈拘束耐力壁を構成するための耐力フレーム12は、第1柱材1と、第2柱材2と、傾斜した上側座屈拘束ブレース3と、傾斜した下側座屈拘束ブレース4とを備える。
第2柱材2は第1柱材1より短い(つまり、上下長さが短い)。
上側座屈拘束ブレース3と、下側座屈拘束ブレース4はそれぞれ同じ座屈拘束ブレースで構成されていて、座屈拘束ブレースの共通化が図られている。
この上側座屈拘束ブレース3及び下側座屈拘束ブレース4として使用される座屈拘束ブレースとしては、例えは図4乃至図7のような構成をしているが、必ずしもこれにのみ限定されず、従来から公知の種々の座屈拘束ブレースであってもよい。
図4乃至図7に示される座屈拘束ブレースは、長尺板状の金属製のブレース芯材13と、このブレース芯材13の一方の片面の長手方向のほぼ全長に沿って配置される金属製の第1の座屈拘束部材14と、ブレース芯材13の他方の片面の長手方向のほぼ全長に沿って配置される金属製の第2の座屈拘束部材15とを備える。
第1の座屈拘束部材14は断面四角形の角型金属筒20により形成され、且つ、この角型金属筒の一面部25が前記ブレース芯材13の一方の片面に対面して前記ブレース芯材13の座屈を拘束する第1の座屈拘束面部16となっている。
第2の座屈拘束部材15は溝型金属材17により形成され、且つ、この溝型金属材17のウェブ18の内面が前記ブレース芯材13の他方の片面に対面して前記ブレース芯材13の座屈を拘束する第2の座屈拘束面部26となっている。
溝型金属材17の両フランジ19の巾は角型金属筒20の第1の座屈拘束面部16と直交する面部27の巾と略同じ又は長く設定される。この角型金属筒20は溝型金属材17の溝内に嵌め込まれ、溝型金属材17の両フランジ19が、それぞれ角型金属筒20の4つのコーナ部のうち第1の座屈拘束面部16と反対側に位置する2つのコーナ部又はこのコーナ部近傍において前記角型金属筒20に固着されている。
ブレース芯材13は長手方向の任意の箇所において角型金属筒20又は溝型金属材17に固定されていて、ブレース芯材13と角型金属筒20又は溝型金属材17は、上記固定箇所を除く他の部分が相対的に移動可能となっている。
ブレース芯材13の長手方向の両端部には接続部21が設けられ、第1の座屈拘束部材14、第2の座屈拘束部材15の長手方向の両端から突出している。
本実施形態では、上記の構成の座屈拘束ブレースを耐力フレーム12の構成部材である上側座屈拘束ブレース3及び下側座屈拘束ブレース4として使用する。
耐力フレーム12は、第1柱材1、第2柱材2、上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4を相互に結合することで形成される。
つまり、第1柱材1の上端部に傾斜した上側座屈拘束ブレース3の上端部が接合されると共に第1柱材1の下端部に傾斜した下側座屈拘束ブレース4の下端部が接合される。また、第2柱材2の下端部が第1柱材1の下端部と同じレベル又は略同じレベルに設定され、この第1柱材1の上下方向の中間部に対応する第2柱材2の上下方向の部位に上側座屈拘束ブレース3の下端部と下側座屈拘束ブレース4の上端部が接合される。耐力フレーム12の第1柱材1の下端と第2柱材2の下端は同じ又は略同じレベルとなる。
耐力フレーム12は、図1、図2(a)(b)に示されるように下の横梁5と、上の傾斜梁6との間に配置されて取付けられて勾配用座屈拘束耐力壁が構成される。
ここで、第1柱材1の下端及び第2柱材2の下端が下の横梁5に接合され、第1柱材1の上端が上の傾斜梁6の傾斜上端に続く上の横梁7、又は、上の傾斜梁6の傾斜上端と上の横梁7を接続する接続金物8、又は、上の傾斜梁6に接合される。
図1は、第1柱材1の上端が上の傾斜梁6の傾斜上端と上の横梁7を接続する接続金物8に接合された例が示され、図2(a)(b)は、第1柱材1の上端が上の横梁7に接合された例が示されている。なお、図2(b)は上の横梁7の端部に上の傾斜梁6が一体に形成された曲がり梁の例を示している。
また、図示を省略しているが、第1柱材1の上端が上の傾斜梁6に接合されるものであってもよい。
そして、第2柱材2の上端が伸縮変形可能な柱頭金物9を介して上の傾斜梁6に接合される。
伸縮変形可能な柱頭金物9は、地震外力を受けて上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4が伸縮変形する際、地震の外力により柱頭金物9の下端部と上端部との間の距離が変化するように変形可能となっている。
図3(a)には柱頭金物9の一例が示されている。本実施形態においては、1.5mm〜6mm厚の帯鋼板を屈曲形成して柱頭金物9が形成されている。すなわち、帯鋼板を屈曲形成することで、水平な下接合片30の一端から屈曲片31が一体に連出されると共に、屈曲片31の上端から傾斜した上接合片32が一体に連出されて柱頭金物9が構成されている。
屈曲片31は例えば、図3(a)のように略く字状に屈曲されており、この屈曲片31が外力を受けて変形することで、下接合片30の一端(屈曲片31の下端)から上接合片32の下端(屈曲片31の上端)までの距離が可変可能となっている。言い換えれば、柱頭金物9は、屈曲片31部分が伸縮変形可能となっている。
この伸縮可変可能な柱頭金物9の下接合片30が第2柱材2の上端面にボルト、ナットなどの接合具で接合され、傾斜した上接合片32がボルト、ナットなどの接合具で上の傾斜梁6に接合される。
なお、柱頭金物9は図3(a)に示される実施形態にのみ限定されず、例えば図3(b)に示されるようなものでもよく、更に、図示を省略しているが、地震の外力により下端部と上端部との間の距離が変化するように変形可能なものであれば、他の形態のものであってもよい。
このように下の横梁5と、上の傾斜梁6との間に耐力フレーム12を配置して取付けることで構成された勾配用座屈拘束耐力壁に、地震による水平力が作用すると(図10(a)の矢印方向の外力が作用する)と、図10(c)のように柱頭金物9の屈曲片31部分が大きく伸縮変形することで、上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4の伸縮量の絶対値が概ね同じとなる。例えば、図10(b)のように、100mm水平変形すると仮定した場合、例えば、上側座屈拘束ブレース3の伸縮による水平変形量が50mmで、下側座屈拘束ブレース4の伸縮による水平変形量が50mmとなる。したがって、勾配用座屈拘束耐力壁を構成するための上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4として同じ一種類の座屈拘束ブレースを使用することができる。
これにより、上側座屈拘束ブレース3と下側座屈拘束ブレース4の共通化が図れ、コストダウンが可能となる。
ここで、上記上側座屈拘束ブレース3、下側座屈拘束ブレース4として使用する共通化した座屈拘束ブレースが、図11(a)のような上下の横梁7、5が平行な部分に形成される一般部分の座屈拘束耐力壁に使用する座屈拘束ブレースと同じものであってもよい。
この場合は、上側座屈拘束ブレース3と下側座屈拘束ブレース4として一般部分の座屈拘束耐力壁に使用する座屈拘束ブレースと共通化できる。
図3に示される柱頭金物9の屈曲片31は、地震の水平力が加わると、面内方向において、下接合片30と屈曲片31とのなす角度、屈曲片31の中間の屈曲部分の角度、上接合片31と屈曲片31とのなす角度が可変することで、下接合片30の一端(屈曲片31の下端)から上接合片31の下端(屈曲片31の上端)までの距離が可変される。つまり、柱頭金物9は、勾配用座屈拘束耐力壁の面内で変形する。そして、面外方向においては、帯鋼よりなる柱頭金物9の屈曲片31の幅方向であるため変形し難い。つまり、本実施形態では、屈曲片31を備えた柱頭金物9が帯鋼により形成され、屈曲片31の幅方向を面外方向とすることで、屈曲片31の面外方向の変形が規制される。
図13には図10に示される座屈変形可能な柱頭金物9を有する勾配用座屈拘束耐力壁の水平加圧力試験の結果を示すグラフが示されている。また、図14には図11に示される座屈変形可能な柱頭金物9を有さない勾配用座屈拘束耐力壁の水平加圧力試験の結果を示すグラフが示されている。
すなわち図12、図13は、それぞれ図10(a)、図11(a)に示される勾配用座屈拘束耐力壁に対して、上の傾斜梁6と上の横梁7との接続部分Aが100mm水平変形するような水平加圧力試験を行った場合の結果が示され、図12、図13において実線の太線は水平加圧力を加える前の状態、実線の細線は水平加圧力を加えた状態が示されている。
この水平加圧試験状態の荷重増分解析の結果、図11(a)の勾配用座屈拘束耐力壁における上側座屈拘束ブレース3の下端と下側座屈拘束ブレース4の上端との接合部分Bの水平変形量は76.27mmであり、上側座屈拘束ブレース3の伸縮量が小さく、下側座屈拘束ブレース4の伸縮が大きかった。
一方、伸縮変形自在な柱頭金物9を備えた図10(a)の勾配用座屈拘束耐力壁における上側座屈拘束ブレース3の下端と下側座屈拘束ブレース4の上端との接合部分Bの水平変形量は50.71mmであり、下側座屈拘束ブレース4と上側座屈拘束ブレース3の伸縮量が略同じであった。
これにより、伸縮変形自在な柱頭金物9を備えた図10(a)に示される本実施形態の勾配用座屈拘束耐力壁は、柱頭金物9の屈曲片31が屈曲変形することで、上側座屈拘束ブレース3と下側座屈拘束ブレース4の伸縮量の絶対値が概ね同じとなり、勾配用座屈拘束耐力壁全体の変形能力が向上し、地震エネルギーを吸収できることが判明する。
ところで、耐力フレーム12は、第1柱材1と、第2柱材2と、傾斜した上側座屈拘束ブレース3と、傾斜した下側座屈拘束ブレース4、柱頭金物9が現場で接合することで構成されるようにしてもよい。
また、図8に示されるように、あらかじめユニット化された耐力フレーム主体10と、第2柱材2と、柱頭金物9を耐力フレーム12を形成するための一つのセットとして準備するようにしてもよい。
耐力フレーム主体10は、第1柱材1と、傾斜した上側座屈拘束ブレース3と、傾斜した下側座屈拘束ブレース4をあらかじめ工場で接合一体化してユニット化されたものである。
すなわち、工場において、上側座屈拘束ブレース3のブレース芯材13の上端、及び、下側座屈拘束ブレース4のブレース芯材13の下端に接続部材22が溶接により固着される。そして、上側座屈拘束ブレース3の上端の接続部材22が第1柱材1の側面の上端部に溶接により固着されると共に、下側座屈拘束ブレース4の下端の接続部材22が第1柱材1の側面の下端部に溶接により固着される。また、上側座屈拘束ブレース3の下端及び下側座屈拘束ブレース3の上端の接続部21が接合部材23に溶接により固着される。このようにして図8に示されるような略三角形状をした耐力フレーム主体10があらかじめ工場で形成される。
また、図8に示されるように、第2柱材2の上下方向の中間よりも上位置(つまり、第1柱材1の上下方向の中間位置に対応した位置)に接合部11があらかじめ工場で形成される。
このユニット化された略三角形状の耐力フレーム主体10と、接合部11が形成された第2柱材2と、前述の柱頭金物9を一つの耐力フレームセットとして現場に搬送し、これらの部材を現場で接合して図9に示される耐力フレーム12が形成される。
現場における耐力フレーム主体10と、第2柱材2との結合は、接合部材23が接合部11にボルト28などの接合手段に接合されることにより行われる。
これにより、現場において第1柱材1、上側座屈拘束ブレース3のブレース芯材13の接合が必要でないので、現場作業が簡略化されることになる。
ここで、第2柱材2に代えて、耐力フレーム主体10の第1柱材1とは別の第1柱材1を用いることで、ユニット化された略三角形状の耐力フレーム主体10の接合部材23に別の第1柱材1が接合され、図11(a)に示される上下の横梁7、5が平行な部分に形成される一般部分の座屈拘束耐力壁を構成する耐力フレームを形成することが可能となる。
つまり、この例の場合、ユニット化された略三角形状の耐力フレーム主体10を、勾配用座屈拘束耐力壁、一般部分の座屈拘束耐力壁に用いる主要構成部材として共用でき、大巾なコストダウンが図れる。
1 第1柱材
2 第2柱材
3 上側座屈拘束ブレース
4 下側座屈拘束ブレース
5 下の横梁
6 上の傾斜梁
7 上の横梁
8 接続金物
9 柱頭金物
10 耐力フレーム主体
11 接合部

Claims (3)

  1. 第1柱材と、第2柱材と、傾斜した上側座屈拘束ブレースと、傾斜した下側座屈拘束ブレースとを備え、前記第2柱材が第1柱材より短く、前記上側座屈拘束ブレースと、前記下側座屈拘束ブレースがそれぞれ同じ座屈拘束ブレースで構成され、
    前記第1柱材の上端部に前記上側座屈拘束ブレースの上端部が接合されると共に前記第1柱材の下端部に前記下側座屈拘束ブレースの下端部が接合され、
    前記第2柱材の下端部が前記第1柱材の下端部と同じレベル又は略同じレベルに設定され、この第1柱材の上下方向の中間部に対応する前記第2柱材の上下方向の部位に前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合され、
    前記第1柱材の下端及び前記第2柱材の下端が下の横梁に接合され、
    前記第1柱材の上端が上の傾斜梁の傾斜上端に続く上の横梁、又は、前記上の傾斜梁の傾斜上端と前記上の横梁を接続する接続金物、又は、前記上の傾斜梁に接合され、
    前記第2柱材の上端が伸縮変形可能な柱頭金物を介して前記上の傾斜梁に接合される
    ことを特徴とする勾配用座屈拘束耐力壁の構造。
  2. 前記伸縮変形可能な柱頭金物が、面内方向に伸縮変形可能で、面外方向においては変形が規制されるものであることを特徴とする請求項1記載の勾配用座屈拘束耐力壁の構造。
  3. 勾配用座屈拘束耐力壁の構成のために用いられる耐力フレームであって、第1柱材と、傾斜した上側座屈拘束ブレースと、傾斜した下側座屈拘束ブレースがあらかじめ接合一体化されてユニット化された略三角形状をした耐力フレーム主体と、耐力フレーム主体とは別体の第2柱材と、伸縮変形可能な柱頭金物を備え、
    前記ユニット化された耐力フレーム主体が、前記第1柱材の上端部に前記上側座屈拘束ブレースの上端部が接合されると共に前記第1柱材の下端部に前記下側座屈拘束ブレースの下端部が接合され、前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合されて構成され、前記上側座屈拘束ブレースと、前記下側座屈拘束ブレースがそれぞれ同じ座屈拘束ブレースで構成され、
    前記第2柱材が前記ユニット化された耐力フレーム主体の前記第1柱材より短く、この第2柱材の上下方向の中間よりも上位置に、前記耐力フレーム主体の前記上側座屈拘束ブレースの下端部と前記下側座屈拘束ブレースの上端部が接合された部位が接合される接合部を有し、
    前記伸縮変形可能な柱頭金物が、前記第2柱材の上端部に接合されるものである
    ことを特徴とする耐力フレームセット。
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