JP5703353B2 - ゼータ電位測定セル及びゼータ電位測定装置 - Google Patents

ゼータ電位測定セル及びゼータ電位測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ゼータ電位測定装置及びそのゼータ電位測定装置に用いられるゼータ電位測定セルに関するものである。
高分子やその集合体であるコロイド粒子は、水溶液中で、解離基やイオンの吸着により帯電している。この帯電により形成される電位をゼータ(ζ)電位といい、当該ゼータ電位は、粒子に電界をかけてその移動速度(電気泳動速度)を測定することにより算出される。
そして、電気泳動速度測定装置を用いてゼータ電位を測定するには、特許文献1又は特許文献2に示すように、粒子が分散している液体試料が収容された測定セルに電極を挿入し、当該電極に直流電圧を印加して、液体試料中の粒子に電界をかけながらレーザ光を照射して、所定角度で散乱される散乱光を受光し、散乱光とレーザ光の一部を分岐させた参照光との振動数の差(干渉現象)を測定することにより、液体試料中の粒子の移動速度を算出する。そして、得られた移動速度に所定の演算処理を行うことによりゼータ電位が算出される。
このように電気泳動速度測定装置を用いたゼータ電位測定においては、キャピラリー型の測定セル又は平板型の測定セルが用いられている。このキャピラリー型のセルにおいては、電気泳動測定用途においては、キャピラリーの内壁面における帯電により液体試料に電気浸透を生じさせることによって一層イオン分離が促進されるように、例えばキャピラリーの径をできるだけ小さくするように構成されている。
しかしながら、上記電気泳動速度測定装置を用いたゼータ電位測定では、キャピラリー又は平板の内壁面の帯電による電気浸透によりゼータ電位の絶対値が大きくなったり小さくなったりして悪影響を受けることから、キャピラリー内において電気浸透の影響が見かけ上無い位置(静止面)にレーザ光を照射して、電気泳動速度を算出する必要がある。このように静止面にレーザ光を照射するためには、静止面の位置の特定の他、レーザ光の光軸調整などに多大な苦労が必要であり、経験の浅いユーザには使いにくいという問題がある。
一方、上記の問題を解決すべく、例えばレーザ光の照射位置を静止面の1点のみではなく、キャピラリーの径方向の多数点にレーザ光を照射して、それら多数点における電気泳動速度を算出した後に、演算処理を施すことによって電気泳動速度を算出してゼータ電位を求める方法が考えられている。
しかしながら、この方法では、レーザ光を多数点に照射する必要があり、計測時間が非常にかかってしまうという問題だけでなく、演算処理も複雑で時間を要するという問題がある。
さらに、電気浸透流のゼータ電位に与える影響を小さくするためには、セル内壁に非接触な浸漬セルのような構造を用いることができるが、フロー測定が困難という問題がある。
特開2006−226981号公報 特開2000−171425号公報
そこで本発明は、本願発明者の鋭意検討の結果、電気浸透の影響を可及的に小さくするためには、帯電している内壁面間の距離を大きくしつつ電極面間の距離を小さくすることが必要であるとの知見を得たことによりなされたものであり、電気浸透を可及的に小さくすることにより、電気泳動による粒子の流れを精度良く測定することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係るゼータ電位測定セルは、ゼータ電位測定装置に用いられるゼータ電位測定セルであって、液体試料が収容される略柱状をなす収容空間と、当該収容空間の側周面に開口し外部から収容空間に液体試料を導入する試料導入路を内部に有するセル本体と、前記収容空間の軸方向対向面の略全面を形成する電極面を有する一対の印加電極と、前記収容空間の前記軸方向対向面とは異なる側周面において、前記導入路と干渉しない位置に対向して形成され、前記収容空間内に光を導入する光導入部及び前記収容空間を通過した光を外部に導出する光導出部と、を有することを特徴とする。
このようなものであれば、セル本体内部を収容空間と試料導入路とに分けることによって、収容空間と試料導入路とを別個に設計することができる。その結果、試料導入路の内径を小さくするとともに、収容空間を試料導入路に関係なく設計することができ、電極面間の距離を可及的に小さくすることができる上、収容空間を形成する側周壁の対向距離を可及的に大きくすることができる。したがって、液体試料のサンプル量を小さくできるだけでなく、液体試料に与える電気浸透の影響を可及的に小さくすることができ、電気泳動による粒子の速度を精度良く測定することができる。また、電極面が収容空間の軸方向対向壁の略全面に設けられ、対向壁表面の帯電が液体試料に与える電気浸透影響を無視することができる。さらに、収容空間が略柱状をなすので収容空間の中心軸に関して液体試料に与える電気浸透の影響が対称となり、液体試料が受ける電気浸透が前後、上下にバランスされた状態となる。
また、液体試料の電気浸透による循環を可及的に抑制するとともに、ゼータ電位測定セルの構成を簡単化するためには、前記収容空間が、概略円柱状又は概略四角柱状をなすものであることが望ましい。
このように構成した本発明によれば、電気浸透流を可及的に小さくすることにより、電気泳動による粒子の流れを精度良く測定することができる。
本発明の一実施形態に係るゼータ電位測定装置の構成を示す模式図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの斜視図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの側面図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの正面図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの平面図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの断面図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの断面図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルの分解斜視図である。 同実施形態に係るゼータ電位測定セルを用いた場合とキャピラリー型の測定セルを用いた場合とのゼータ電位を示す実験結果を示す図である。 同実施形態の電圧印加方法を示す図である。 従来及び本実施形態の電圧印加方法における過電流を示す模式図である。 同実施形態の電圧印加方法を制御する分析制御部の模式図である。
以下に本発明に係るゼータ電位測定装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るゼータ電位測定装置100は、図1に示すように、粒子群を水等の分散媒に分散させてなる液体試料を収容するとともに、その液体試料に電圧を印加する印加電極22を有するゼータ電位測定セル(以下、単に測定セルという)2と、測定セル2に収容された液体試料にレーザ光Lを照射するレーザ光源3と、レーザ光Lを照射された液体試料中の粒子群から発した散乱光Sを受光し、その光子数に応じたパルス信号又は光強度のゆらぎに応じた電気信号を出力する光電子倍増管等からなる光検出部4と、レーザ光源3から射出されるレーザ光Lの一部を分岐するハーフミラー51、ミラー52、53、及び、ミラー53からの参照光Rと散乱光Sとを混合するハーフミラー54を有する参照光学系5と、を備えている。このとき、参照光Rは変調されていても良い。
なお、本実施形態のゼータ電位測定装置100は、レーザ光源3、光検出部4及び参照光学系5が装置本体(不図示)内に収容されており、測定セル2が装置本体に装着及び取り外し可能に構成されている。
そして、このゼータ電位測定装置100によりゼータ電圧を測定する場合には、電気泳動法を用いて、測定セル2に設けた印加電極22に直流又は交流電圧を印加して、液体試料中の粒子に電界をかけながらレーザ光Lを照射して、所定角度で散乱される散乱光Sを受光し、散乱光Sと参照光Rとの振動数の差(干渉現象)を測定することにより、液体試料中の粒子の移動速度を算出する。更に、得られた移動速度に所定の演算処理を行うことによりゼータ電位を算出する。
しかして、本実施形態の測定セル2は、図2〜図7に示すように、液体試料が収容される収容空間S1及びその収容空間S1に液体試料を導入する試料導入路201を内部に有するセル本体21と、セル本体21内に埋設され収容空間S1にその電極面22Aが臨むように設けられた一対の印加電極22と、前記セル本体21に形成されて収容空間S1内にレーザ光源3からのレーザ光Lを導入する光導入部23と、収容空間S1を通過した散乱光Sを光検出部4に導出する光導出部24とを有する。
以下、各部について詳述する。
セル本体21は、図2〜図4等に示すように、アクリル樹脂、フッ素樹脂又は石英ガラス等の透明材料により概略柱状に成形されており、内部に収容空間S1及び試料導入路201及び試料導出路202が形成されている。また、セル本体21の外径寸法は、装置本体のセル設置部である挿入孔(図4中の符号100H)に挿入可能な大きさであり、本実施形態では縦寸法約12.5mm、横寸法約12.5mm、高さ寸法約50mmである。
収容空間S1は、セル本体21の中心軸方向(図3においては上下方向(Z軸方向))に略直交する方向(図3においては左右方向(X軸方向))に軸方向が設定された概略柱状をなす中空部である。本実施形態では収容空間S1は、セル本体の4つの側周面と後述する2つの印加電極22の対向する2つの電極面22Aにより形成された概略四角柱状をなす。4つの側周面は上下方向に沿って又は直交するように形成されており、2つの電極面22Aは、上下方向に沿って形成されている。
収容空間S1の寸法は、対向する側周面の距離(上下側面間の距離、前後側面間の距離)が、それら側周面表面の帯電による電気浸透が収容空間S1の中央部にある液体試料に循環流を生じさせにくい程度に設定している。また、電極面22A間の距離は、レーザ光Lが照射される領域を確保できる程度に小さく設定されている。これにより、側周面の面積を可及的に小さくすることができると共に、収容空間S1に収容される液体試料の体積を小さくすることができ、液体試料の電気浸透を抑制することができる。本実施形態の収容空間S1の具体的寸法は、幅(X軸方向)寸法(電極面22A間の距離)が5〜6mmであり、奥行(Y軸方向)寸法(前後側面間の距離)が4〜5mmであり、高さ(Z軸方向)寸法(上下側面間の距離)が4〜5mmである。つまり本実施形態の収容空間S1は、図4及び図7等に示すように、軸方向断面が中心軸に対して対称形状であり、略正方形となるように構成されている。
また、セル本体21には、図6等に示すように、収容空間S1を形成する側周面に開口し、外部から収容空間S1に液体試料を導入するための試料導入路201、同じく収容空間S1を形成する側周面に開口し、外部に収容空間S1内の液体試料を導出するための試料導出路202が形成されている。
具体的な構成としては、試料導入路201及び試料導出路202は、セル本体21の中心軸に沿って互いに並列に形成された概略直線状をなすものである。試料導入路201の一端部及び試料導出路202の一端部ともに、収容空間S1を形成する側周面のうち上側面に開口し、それらの他端部は、セル本体21の上面において開口している。このように試料導入路201及び試料導出路202が形成されるのは、測定セル2が起立した状態で使用される(装置本体の装着される)ため、使用中に内部の液体試料が外部に漏れないようにするためである。また、試料導入路201及び試料導出路202は略等断面形状をなす流路であり、その断面積は、収容空間S1の側周面(本実施形態では上側面)の面積に比べて十分小さくしている。また、一対の印加電極22の間に収容空間S1が形成されることから、試料導入路201及び試料導出路202はともに、図5に示すように、一対の印加電極22間に形成されることになる。ここで、試料導入路201及び試料導出路202には、キャップが取り付けられることもある。
なお、フロー測定の場合には、試料導入路201及び試料導出路202を設ける必要があるが、バッチ測定の場合、特に測定セル22が使い捨てで収容された液体試料を排出する必要が無い場合には、試料導出路202を設ける必要がない。但しこの場合においても試料導出路202を形成しておけば、空気抜き路として機能する他、収容空間S1への液体試料の導入が2本の流路によって行うことができるため、試料導入の作業性が向上する。
印加電極22は、例えば白金等からなる互いに対向した一対の長尺板状であり、セル本体21に埋設されており、収容空間S1内に電極面22Aが露出するように構成されている。つまり、収容空間S1に収容される液体試料と接触するように構成されている。
具体的に印加電極22は、図6及び図7に示すように、収容空間S1の軸方向対向面の略全面を形成する電極面22Aを有する。本実施形態の印加電極22は、セル本体21の上部から収容空間S1の形成されている位置までセル本体21の軸方向に沿って埋設されている。また、印加電極22は、セル本体21の上部において当該セル本体21の軸方向に略直交するように屈曲している。これにより、装置本体のセル設置部100Hに測定セル2を装着した状態において、印加電極22の屈曲部先端部が装置本体側に設けられた電圧印加回路(図1の符号6)の印加端子61と接触するように構成されている。
また、セル本体21には、図4等に示すように、測定セル2を装置本体のセル設置部100Hに装着した状態において、レーザ光源3からのレーザ光Lを収容空間S1内に導く光導入部23と、収容空間S1を透過した散乱光Sを光検出部4に導くための光導出部24とが形成されている。
具体的に光導入部23及び光導出部24は、収容空間S1の側周面において、試料導入路201及び試料導出路202と干渉しない位置に対向して形成されている。本実施形態では、試料導入路201及び試料導出路202が上側面に開口するように形成されていることから、光導入部23及び光導出部24は、図3、7に示すように、前後方向(Y軸方向)に対向する側壁に形成されている。つまり、これら光導入部23及び光導出部24は、セル本体21の中心軸方向に直交するとともに、電極面22Aの対向方向と直交するように形成されている。光導入部23及び光導出部24は、周囲部材とは異なる材質よりなる部分であっても、周囲部材と一体であっても良いが、光を透過するに足りる材質、表面平滑度があれば良い。
次にこのように構成した測定セル2の製造方法について図8を参照して簡単に説明しておく。セル本体21は、第1要素21aと第2要素21bとから構成される。なお、第1要素21a又は第2要素21bには、予め試料導入路201、試料導出路202及び収容空間S1を形成する凹部並びに光導入部23又は光導出部24が形成されている。そして第2要素21bに形成された電極設置溝に印加電極22を嵌め込み接着剤などによって固定する。その後、第1要素21aに形成された電極設置溝に、第2要素21bに固定された印加電極22が嵌るように、第1要素21a及び第2要素21bを例えば超音波接合により接着させる。
次にこのように構成した測定セル2を用いたゼータ電位測定と、従来のキャピラリー型の測定セルとの比較例を図9を参照して説明する。図9に示すように、従来のキャピラリーセルでは、中心位置では、ゼータ電位が一番大きくなり、壁面に近づくほど小さくなるような放物線を描く。これは、キャピラリー内壁面の帯電によって液体試料に電気浸透流が生じ、それによって、循環流が生じてゼータ電位に悪影響を与えているからである。一方で、本実施形態の測定セル2では、ゼータ電位が放物線とならずに、測定位置に関わらず略一定となっていることが分かる。これは、本実施形態の測定セルで2は、収容空間S1内において液体試料が電気浸透による循環流が抑制されているからである。
最後に本実施形態のゼータ電位測定セル2を用いたゼータ電位測定装置100における好適な電圧印加方法について図10及び図11を参照して説明する。
本実施形態のゼータ電位測定セル2では電極面22A間の距離が小さくなるため、従来のセルではあまり問題にならなかった過渡状態において生じる過電流が問題となる。つまり、電極面22A間の距離を小さくすることによってサンプル量が小さくなり、過電流により生じるジュール熱によってサンプルが損傷しやすくなり、また、過電流による電気分解によって生じる気体が無視できなくなり、ゼータ電位の測定精度に悪影響を与えてしまうという問題がある。なお、サンプルとしては、タンパク質などの熱に弱いものや、電解質を多く含むサンプル等において、上記の問題が顕著となる。
従来の交流電圧を印加する方法は、プラス電圧(+A[V])とマイナス電圧(−A[V])とから成る矩形波の交流電圧を印加するように構成されている。このような矩形波の交流電圧を印加するものでは、マイナス電圧からプラス電圧へ直接切り替えられ、サンプルに生じる電位差が2A[V]となり、サンプルに流れる過電流が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態の電圧印加方法は、切り替え時においてサンプルで生じる電位差を小さくして過電流を小さくするために、図10に示すように、極性の異なる概略矩形状の電圧に切り替える際に、サンプルに電圧を印加しないゼロ電圧期間を設けることを特徴としている。つまり、この電圧印加方法としては、プラス電圧(+A[V])からマイナス電圧(−A[V])への切り替え、及びマイナス電圧(−A[V])からプラス電圧(+A[V])への切り替えの際に、ゼロ電圧期間を設けている。このゼロ電圧期間は、例えば電極面22A間のサンプル等に応じて適宜設定される。例えば、図12に示すように、サンプルの名称又は種類等に応じて適正なゼロ電圧時間を予め分析制御部7のメモリに記憶させておき、この分析制御部7は、ユーザからのサンプル名称等の入力を受け付けることにより、自動的にゼロ電圧期間(時間)を設定することができる。なお、この分析制御部7は、電源におけるプラス電圧(+A[V])からマイナス電圧(−A[V])への切り替え、及びマイナス電圧(−A[V])からプラス電圧(+A[V])への切り替えの制御も行う。
なお、上記の電圧印加方法を実現する回路構成としては、例えば、電極22に対して互いに極性が異なるように接続された2つの直流電源と、各直流電源と電極22とを接続する回路と、当該回路上に設けられ、前記いずれか一方の直流電源からの電圧を電極22に印加するための切替スイッチとを備えている。
電圧印加過程としては、プラス電圧が印加される「プラス電圧期間」→「ゼロ電圧期間」→マイナス電圧が印加される「マイナス電圧期間」→「ゼロ電圧期間」→、・・・、という順番でサンプルに電圧が印加される。これにより、極性の異なる電圧に切り替える際にサンプルに生じる電位差をA(V)とすることができる。これにより、図11に示すように、従来の矩形波の交流電圧を印加する場合に比べて電位差を小さくすることができ、サンプルに流れる過電流を小さくすることができる。例えば+3[V]の電圧と−3[V]の電圧とを交互に印加する場合において、その電圧切り替えの際にゼロ電圧期間を設けることによって、発生する過電流を約1/4に低減することができた。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係るゼータ電位測定装置100によれば、セル本体21内部を収容空間S1と試料導入路201及び試料導出路202とに分けることによって、収容空間S1と試料導入路201及び試料導出路202とを別個に設計することができる。その結果、試料導入路201及び試料導出路202の内径を小さくするとともに、収容空間S1を試料導入路201及び試料導出路202に関係なく設計することができ、電極面22A間の距離を可及的に小さくすることができる上、収容空間S1の側周面の対向距離を可及的に大きくすることができる。したがって、液体試料のサンプル量を小さくできるだけでなく、液体試料に与える電気浸透の影響を可及的に小さくすることができ、電気泳動による粒子の速度を精度良く測定することができ、ゼータ電位を精度良く測定することができる。
また、電極面22Aが収容空間S1の軸方向対向面の略全面を形成し、対向面の帯電が液体試料に与える電気浸透影響を無視することができる。
さらに、収容空間S1が略柱状をなすので収容空間S1の中心軸に関して液体試料に与える電気浸透の影響が対称となり、液体試料が受ける電気浸透が前後、上下でバランスされた状態となる。
その上、従来のように測定セル内部を多数点測定して静止面におけるゼータ電位を算出したり、電気浸透の影響をキャンセルするために印加電極に交流電圧を高速で反転させながら印加して測定したりする必要が無く、構造的に電気浸透の影響を小さくしているので、簡単にゼータ電位を精度良く測定することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態の収容空間は概略四角柱状をなすものであったが、その他の概略多角柱状をなすものであっても良いし、概略円柱状をなすものであっても良い。
また、前記実施形態の印加電極は軸方向に延設され、セル本体の上部に延出しているが、セル本体の側周面から外部に延出するようにしても良い。
さらに、電圧印加方法に関して言うと、前記実施形態では、極性の異なる電圧に切り替える際にゼロ電圧期間を設けて段階的に電圧が変化するように構成しているが、その他、ゼロ電圧期間に加えて、又はゼロ電圧期間を設ける他に、印加電圧(プラス電圧、マイナス電圧)を段階的に変化させるように構成しても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・ゼータ電位測定装置
L ・・・レーザ光
2 ・・・ゼータ電位測定セル
21 ・・・セル本体
S1 ・・・収容空間
201・・・試料導入路
22 ・・・印加電極
22A・・・電極面
23 ・・・光導入部
24 ・・・光導出部

Claims (5)

  1. ゼータ電位測定装置に用いられるゼータ電位測定セルであって、
    液体試料が収容される略柱状をなす収容空間と、当該収容空間の側周面に開口し外部から収容空間に液体試料を導入する試料導入路を内部に有するセル本体と、
    前記収容空間の軸方向対向面の略全面を形成する電極面を有する一対の印加電極と、
    前記収容空間の前記軸方向対向面とは異なる側周面において、前記導入路と干渉しない位置に対向して形成され、前記収容空間内に光を導入する光導入部及び前記収容空間を通過した光を外部に導出する光導出部とを有し、
    前記試料導入路が開口する前記収容空間の側周面と、前記印加電極の電極面が形成する前記収容空間の軸方向対向面とは、異なる面であることを特徴とするゼータ電位測定セル。
  2. 前記セル本体が、前記収容空間から液体試料を導出する試料導出路をさらに具備し、
    前記試料導出路が、前記試料導入路が開口する前記収容空間の側周面と同じ面に開口するものであることを特徴とする請求項1記載のゼータ電位測定セル。
  3. 前記軸方向対向面の対向方向と、前記光導入部及び前記光導出部の対向方向とが、直交している請求項1又は2記載のゼータ電位測定セル。
  4. 前記収容空間が、略円柱状又は略四角柱状をなすものである請求項1、2又は3記載のゼータ電位測定セル。
  5. 請求項1、2、3又は4記載のゼータ電位測定セルを用いたゼータ電位測定装置。
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