JP2005062115A - キャピラリー電気泳動を用いた化学発光検出装置およびこの化学発光検出装置を用いた分析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数試料を同時検出できるとともに、装置を小型化できる化学発光検出装置およびこの化学発光検出装置を用いた分析精度のよい分析方法を提供することを目的としている。
【解決手段】
一方、本発明にかかる分析方法は、検出セル内にその一端が臨むキャピラリーを3本以上備え、各キャピラリーの長さが異なる化学発光検出装置を用い、少なくとも2種類の既知濃度の試料溶液を個別に化学発光検出装置のキャピラリーに導入するとともに、残りのキャピラリーに未知濃度の試料溶液を導入し、同時に電気泳動させて各キャピラリーの先端での化学発光を検出することを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】
一方、本発明にかかる分析方法は、検出セル内にその一端が臨むキャピラリーを3本以上備え、各キャピラリーの長さが異なる化学発光検出装置を用い、少なくとも2種類の既知濃度の試料溶液を個別に化学発光検出装置のキャピラリーに導入するとともに、残りのキャピラリーに未知濃度の試料溶液を導入し、同時に電気泳動させて各キャピラリーの先端での化学発光を検出することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、キャピラリー電気泳動を用いた化学発光検出装置およびこの化学発光検出装置を用いた分析方法に関する。
近年、キャピラリー電気泳動は、溶液試料の分析に極めて高い分離性能を示す測定方法として注目を集めている。
ところで、キャピラリー電気泳動を用いて試料成分を検出する方法としては、吸光検出法、あるいは、レーザー励起蛍光検出法が通常用いられている。
ところで、キャピラリー電気泳動を用いて試料成分を検出する方法としては、吸光検出法、あるいは、レーザー励起蛍光検出法が通常用いられている。
また、レーザー励起蛍光検出法を用いた化学発光検出装置においては、複数のキャピラリーを用いて複数試料を同時検出するようなものが既に提案されている(たとえば、特許文献1等参照)。
しかしながら、レーザー励起蛍光検出法を用いて複数試料を同時検出できるようにする場合、各キャピラリーに個別にレーザー光を照射し、各キャピラリー毎に設けられた蛍光検出センサによって蛍光を検出しなければならない。したがって、装置が大掛かりなものになってしまう。また、レーザー光源から照射された光を分光して各キャピラリーにレーザー光を照射すれば、レーザー光源は1つにできるが、レーザー光源を1つにできたとしても、いずれにしても各キャピラリー毎に蛍光検出センサを配置する必要であり、装置の大型化を免れることができない。
一方、吸光検出法を用いる場合も上記レーザー励起蛍光検出法と同様の問題がある。
一方、吸光検出法を用いる場合も上記レーザー励起蛍光検出法と同様の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みて、複数試料を同時検出できるとともに、装置を小型化できる化学発光検出装置およびこの化学発光検出装置を用いた分析精度のよい分析方法を提供することを目的としている。
そこで、本発明の発明者らは、上記目的を達成するために、本発明の発明者らが、かねてより研究を行っており、吸光検出法やレーザー励起蛍光検出法に比べ検出精度が高い化学発光検出法を用いて上記問題点が解消できないかと考え、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明にかかる化学発光検出装置は、検出セルと、この検出セル内にその一端が臨むキャピラリーと、検出セル内の化学発光試薬と、キャピラリー先端から検出セル内に流入する試料溶液との反応による発光を検出する発光検出センサとを備えるキャピラリー電気泳動を用いた化学発光検出装置において、その一端が同一検出セル内に臨む複数のキャピラリーを備えていることを特徴としている。
一方、本発明にかかる分析方法は、キャピラリーを3本以上備え、各キャピラリーの長さが異なる請求項1に記載の化学発光検出装置の少なくとも2種類の既知濃度の試料溶液を個別にキャピラリーに導入するとともに、残りのキャピラリーに未知濃度の試料溶液を導入し、同時に電気泳動させて各キャピラリーの先端での化学発光を検出することを特徴としている。
本発明において、キャピラリーとしては、特に限定されないが、たとえば、溶融シリカチューブやガラスチューブ等にアクリルアミドコーティングしたもの等が挙げられる。
複数のキャピラリーは、その長さがそれぞれ異なっていても構わない。また、キャピラリーは、3本以上備えていることが好ましい。
複数のキャピラリーは、その長さがそれぞれ異なっていても構わない。また、キャピラリーは、3本以上備えていることが好ましい。
検出セルは、化学発光試薬を連続的に交換可能な化学発光試薬の給排口を備えているようにしても構わない。
本発明において化学発光試薬としては、試料に対して光反応するものであれば特に限定されないが、たとえば、ルミノール系化学発光試薬、過シュウ酸エステル系化学発光試薬、ルテニウム錯体系化学発光試薬、1,10−フェナントロリン系化学発光試薬等が挙げられる。
因みに、ルミノール系化学発光試薬を用いれば、たとえば、触媒活性を示す金属イオン、金属錯体、ヘムタンパク質、イソルミノールイソチアナート(ILITC)で標識可能なアミノ基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド等)などの検出を行うことができる。
因みに、ルミノール系化学発光試薬を用いれば、たとえば、触媒活性を示す金属イオン、金属錯体、ヘムタンパク質、イソルミノールイソチアナート(ILITC)で標識可能なアミノ基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド等)などの検出を行うことができる。
1,10−フェナントロリン系化学発光試薬を用いれば、たとえば、遷移金属イオンの検出を行うことができる。
ルテニウム錯体系化学発光試薬を用いれば、たとえば、金属イオンの検出を行うことができる。
ルテニウム錯体系化学発光試薬を用いれば、たとえば、金属イオンの検出を行うことができる。
過シュウ酸エステル系化学発光試薬を用いれば、たとえば、蛍光物質を含有したリポソーム、そのリポソームで標識したタンパク質、各種蛍光標識で標識したアミノ酸、タンパク質、糖類、核酸、環境ホルモンなどの検出を行うことができる。
因みに、過シュウ酸エステル系化学発光試薬を用いた場合の発光のメカニズムは、以下の式に示したようになる。
因みに、過シュウ酸エステル系化学発光試薬を用いた場合の発光のメカニズムは、以下の式に示したようになる。
本発明において、発光検出センサとしては、特に限定されないが、たとえば、高感度な光電子倍増管が好適に用いられる。
本発明にかかる検出装置は、以上のように構成されているので、複数試料を同時検出できるとともに、装置を小型化できる。
特に、請求項4の検出装置のようにすれば、検出セル内の化学発光試薬が常に新しいものと入れ替わる。したがって、連続分析が容易で再現性が高くなる。
特に、請求項4の検出装置のようにすれば、検出セル内の化学発光試薬が常に新しいものと入れ替わる。したがって、連続分析が容易で再現性が高くなる。
一方、本発明にかかる分析方法によれば、検量線を求めるための既知濃度試料と、未知濃度試料とがほとんど時間差なく同条件で検出できるため、検量線のずれが少なく未知試料の濃度を正確に分析することができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる化学発光検出装置の1つの実施の形態をあらわしている。
図1は、本発明にかかる化学発光検出装置の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この化学発光検出装置(以下、「検出装置」とのみ記す)Aは、フロー式であって、3本のキャピラリー11〜13と、検出セル2aと、2本の白金電極31,32と、化学発光試薬供給路4と、化学発光試薬排出路5と、発光検出装置6aと、給電装置7と、泳動緩衝液セル8とを備えている。
検出セル2aには、化学発光試薬供給路4が接続された化学発光試薬供給口21と、化学発光試薬排出路5が接続された化学発光試薬排出口22とが設けられている。
検出セル2aには、化学発光試薬供給路4が接続された化学発光試薬供給口21と、化学発光試薬排出路5が接続された化学発光試薬排出口22とが設けられている。
化学発光試薬供給路4は、たとえば、四フッ化エチレン樹脂等のチューブで形成されていて、シリンジポンプ41等の供給手段から供給された化学発光試薬を検出セル2a内に供給するようになっている。
化学発光試薬排出路5は、四フッ化エチレン樹脂等のチューブで形成されていて、検出セル2a内に供給された化学発光試薬を排出するようになっているとともに、その途中で内部に一方の白金電極31が臨んでいる。
化学発光試薬排出路5は、四フッ化エチレン樹脂等のチューブで形成されていて、検出セル2a内に供給された化学発光試薬を排出するようになっているとともに、その途中で内部に一方の白金電極31が臨んでいる。
すなわち、検出セル2aに化学発光試薬供給路を介して化学発光試薬が供給され、この供給された量と同じ量の化学発光試薬および反応物が化学発光試薬排出路5から排出され、化学発光試薬が常に新しいものと入れ替わるようになっている。
3本のキャピラリー11〜13は、溶融シリカ等で形成されていて、その長さが異なっているとともに、それぞれ化学発光試薬供給路4内を通りその先端が検出セル2a内に臨み、他端が泳動緩衝液セル8内に臨むようになっている。
3本のキャピラリー11〜13は、溶融シリカ等で形成されていて、その長さが異なっているとともに、それぞれ化学発光試薬供給路4内を通りその先端が検出セル2a内に臨み、他端が泳動緩衝液セル8内に臨むようになっている。
給電装置7は、2本の白金電極31,32間に所定の電圧を印加できるようになっている。
なお、図1中、9はブラックボックスである。
なお、図1中、9はブラックボックスである。
そして、この検出装置Aは、たとえば、以下のようにして、未知濃度の試料の濃度を測定することができる。
すなわち、泳動緩衝液セル8に泳動緩衝液を入れるとともに、化学発光試薬供給路4、検出セル2aおよび化学発光試薬排出路5内に化学発光試薬を充満させたのち、落差法によって、3本のキャピラリー11〜13のうち、2本のキャピラリー11,12に異なる既知濃度の試料を注入し、残りの1本のキャピラリー13に未知濃度の試料を注入する。
すなわち、泳動緩衝液セル8に泳動緩衝液を入れるとともに、化学発光試薬供給路4、検出セル2aおよび化学発光試薬排出路5内に化学発光試薬を充満させたのち、落差法によって、3本のキャピラリー11〜13のうち、2本のキャピラリー11,12に異なる既知濃度の試料を注入し、残りの1本のキャピラリー13に未知濃度の試料を注入する。
そして、キャピラリー11〜13の後端部を泳動緩衝液セル8中の泳動緩衝液81に浸漬した状態で、給電装置7によって2本の白金電極31,32間に所定の電圧を印加して各キャピラリー中の試料成分を電気泳動によって検出セル2a側に泳動させて、泳動してきた試料成分と検出セル2a中の化学発光試薬が反応して生じる化学発光を発光検センサ6aで検出する。
以上のように、この検出装置Aは、キャピラリー11〜13の長さが異なるため、同じ試料成分でも、検出セル2aに達する時間がキャピラリー11〜13の長さに応じてずれる。したがって、2つの既知試料と、未知試料の試料成分がそれぞれ明確に分離されたピークとなって検出される。
そして、検出された2つの既知濃度試料の検出データを元に検量線を求め、この検量線と、未知濃度試料の検出データを比較し、未知濃度試料の濃度を求めることができる。
そして、検出された2つの既知濃度試料の検出データを元に検量線を求め、この検量線と、未知濃度試料の検出データを比較し、未知濃度試料の濃度を求めることができる。
すなわち、従来のように、既知濃度試料と、未知濃度試料とを個別に測定する方式では、測定時の試料溶液の入れ替え等により、各測定時間のずれが大きいため、どうしても検量線のずれが生じ、検出精度に少し問題があるが、上記検出装置Aによれば、検量線を引くための既知濃度試料データと、濃度を求めようとする未知濃度試料のデータとを略同一条件で得ることができ、正確の濃度測定を行うことができる。
また、検出セル2aが小さいため、1つの発光検出センサですべての成分の発光反応を検出できるので、検出装置A全体を小型化することができる。
さらに、上記検出装置Aの場合、検出セル2a内の化学発光試薬が常に新しいものと入れ替わっているので、反応精度が常に良好な状態に保たれるという利点を備えている。
さらに、上記検出装置Aの場合、検出セル2a内の化学発光試薬が常に新しいものと入れ替わっているので、反応精度が常に良好な状態に保たれるという利点を備えている。
図2は、本発明にかかる化学発光検出装置の他の実施の形態をあわしている。
図2に示すように、この化学発光検出装置(以下、「検出装置」とのみ記す)Bは、検出セル2bがバッチ式になっているとともに3本のキャピラリー14〜16の長さが同じになっている以外は、上記の検出装置Aと同様になっている。
図2に示すように、この化学発光検出装置(以下、「検出装置」とのみ記す)Bは、検出セル2bがバッチ式になっているとともに3本のキャピラリー14〜16の長さが同じになっている以外は、上記の検出装置Aと同様になっている。
そして、この検出装置Bは、たとえば、以下のようにして3種類の異なる試料成分を検出することができる。
すなわち、3本のキャピラリー14〜16に、pHを変更したり、界面活性剤の添加割合や粘度を変えたり、キャピラリーの内壁を処理するなどして分離モードを異ならせた状態で試料溶液を、それぞれのキャピラリー14〜16に1種ずつ注入し、キャピラリー14〜16の後端部を検出装置Aと同様に泳動緩衝液セル8中の泳動緩衝液81に浸漬した状態で、給電装置7によって2本の白金電極31,32間に所定の電圧を印加して各キャピラリー14〜16中の試料成分を電気泳動によって検出セル2a側に泳動させて、キャピラリー14〜16の先端か検出セル2b内に流出した試料成分と検出セル2b中の化学発光試薬が反応して生じる化学発光を発光検出センサ6bで検出するようになっている。なお、図2中、61は石英ガラス、62は検出窓である。
すなわち、3本のキャピラリー14〜16に、pHを変更したり、界面活性剤の添加割合や粘度を変えたり、キャピラリーの内壁を処理するなどして分離モードを異ならせた状態で試料溶液を、それぞれのキャピラリー14〜16に1種ずつ注入し、キャピラリー14〜16の後端部を検出装置Aと同様に泳動緩衝液セル8中の泳動緩衝液81に浸漬した状態で、給電装置7によって2本の白金電極31,32間に所定の電圧を印加して各キャピラリー14〜16中の試料成分を電気泳動によって検出セル2a側に泳動させて、キャピラリー14〜16の先端か検出セル2b内に流出した試料成分と検出セル2b中の化学発光試薬が反応して生じる化学発光を発光検出センサ6bで検出するようになっている。なお、図2中、61は石英ガラス、62は検出窓である。
この方法によれば、3つのキャピラリー14〜16に分離モードが異なる試料溶液が注入されているので、同時に検出を開始しても、時間がずれて検出セル2bに達する。したがって、各試料溶液の成分がうまく分離されて検出できる。
また、検出セル2bがバッチ式であるので、フロー式に比べ、キャピラリー後端での試料の分散が少なく鋭いピークの検出データを得ることができる。
また、検出セル2bがバッチ式であるので、フロー式に比べ、キャピラリー後端での試料の分散が少なく鋭いピークの検出データを得ることができる。
本発明にかかる検出装置は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の実施の形態では、キャピラリーがいずれも3本であったが、4本以上でも構わない。また、上記の実施の形態では、3本のキャピラリーが同一方向から検出セル内に挿入されているが、多方向から個別に挿入するようにしても構わない。
内径50μm、外径150μmで、長さが60cm,70cm、80cmの3本の溶融シリカキャピラリー11〜13を備えた図1に示すような化学発光検出装置Aを用意した。
そして、化学発光試薬としての1、10フェナントロリンを0.4mMol、CTABを0.8mMol,過酸化水素を50mMol含む、塩化ナトリウム−水酸化ナトリウム水溶液(pH12.0)を検出セル2aに充填するとともに、泳動緩衝液81としてNH2C(CH2OH)3を20mMol含むH3BO3溶液(pH9.0)を緩衝液セル8に満たした。
そして、化学発光試薬としての1、10フェナントロリンを0.4mMol、CTABを0.8mMol,過酸化水素を50mMol含む、塩化ナトリウム−水酸化ナトリウム水溶液(pH12.0)を検出セル2aに充填するとともに、泳動緩衝液81としてNH2C(CH2OH)3を20mMol含むH3BO3溶液(pH9.0)を緩衝液セル8に満たした。
そして、落差法(高さ30cm、15秒)によって各キャピラリー11〜13にCu2+を1.0×10-5モル含む試料溶液をそれぞれ注入したのち、化学発光試薬をシリンジポンプから0.4ml/hの速度で定量的に検出セルに供給しながら、電極間に15kVの電圧を印加して発光検出センサで検出を行ったところ、図3に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
このエレクトロフェログラムから、キャピラリー11(12,13)毎に鋭利なピークが得られることが判る。すなわち、60cmの長さのキャピラリー11の試料成分の発光反応がまず起こり、続いて70cmの長さのキャピラリー12の試料成分の発光反応、80cmの長さのキャピラリー13の試料成分の発光反応が個別に起こることがわかった。
つぎに、60cmのキャピラリー11にCu2+を1.0×10-6モル含む硫酸銅水溶液、70cmのキャピラリー12にCu2+を1.0×10-8モル含む硫酸銅水溶液、80cmのキャピラリー13にCu2+を1.0×10-7モル含む硫酸銅水道水溶液をそれぞれ注入した以外は、上記と同様にして検出を行ったところ、図3と同様の時間軸で3つのピークを備える図4に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
得られたエレクトロフェログラムから1.0×10-6モル含む硫酸銅水溶液およびCu2+を1.0×10-8モル含む硫酸銅水溶液のCu2+濃度と、発光強さとの関係をプロットし、図5に破線で示す検量線L1を得た。
得られたエレクトロフェログラムから1.0×10-6モル含む硫酸銅水溶液およびCu2+を1.0×10-8モル含む硫酸銅水溶液のCu2+濃度と、発光強さとの関係をプロットし、図5に破線で示す検量線L1を得た。
そして、Cu2+を1.0×10-7モル含む硫酸銅水道水溶液の発光強さを検量線L1に当てはめたところ、Cu2+濃度が8.8×10-8モルと判定された。
また、70cmのキャピラリー1本のみを備えた以外は、上記検出装置と同様の検出装置を用意し、Cu2+を1.0×10-8モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-7モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-6モル含む試料溶液、Cu2+を1.0×10-5モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-4モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-3モル含む硫酸銅水溶液のそれぞれについて個別に発光強さを調べ、濃度と発光強さとの関係をプロットしたところ、図5に実線で示す検量線L2が得られた。
また、70cmのキャピラリー1本のみを備えた以外は、上記検出装置と同様の検出装置を用意し、Cu2+を1.0×10-8モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-7モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-6モル含む試料溶液、Cu2+を1.0×10-5モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-4モル含む硫酸銅水溶液、Cu2+を1.0×10-3モル含む硫酸銅水溶液のそれぞれについて個別に発光強さを調べ、濃度と発光強さとの関係をプロットしたところ、図5に実線で示す検量線L2が得られた。
この検量線L2にCu2+を1.0×10-7モル含む硫酸銅水道水溶液の発光強さを結果を当てはめたところ、Cu2+濃度が1.7×10-8モルと判定された。
上記実施例1から、本発明の方法によれば、略同一条件で検量線用の既知濃度試料溶液と、未知濃度試料溶液をほとんど時間差なく略同一条件で検出することができるので、検量線のずれがなく、正確に未知試料の濃度を測定できることがわかる。
上記実施例1から、本発明の方法によれば、略同一条件で検量線用の既知濃度試料溶液と、未知濃度試料溶液をほとんど時間差なく略同一条件で検出することができるので、検量線のずれがなく、正確に未知試料の濃度を測定できることがわかる。
内径50μm、外径150μmで、長さが50cmの3本のキャピラリーと、内容量7mlの検出セルを備えた図2示すようなバッチ式の検出装置Bを用意した。
□そして、この検出装置Bの検出セル2b内に化学発光試薬として1.4mMのTDPO(ビス[2−(3,6,9−トリオキサデカニルオキシカルボニル)−4−ニトロフェニル]オキサレート)と200mMの過酸化水素とを含むアセトニトリルを充填するとともに、緩衝液セルに緩衝溶液として10mMリン酸緩衝溶液(pH8.0)を満たした。
□そして、この検出装置Bの検出セル2b内に化学発光試薬として1.4mMのTDPO(ビス[2−(3,6,9−トリオキサデカニルオキシカルボニル)−4−ニトロフェニル]オキサレート)と200mMの過酸化水素とを含むアセトニトリルを充填するとともに、緩衝液セルに緩衝溶液として10mMリン酸緩衝溶液(pH8.0)を満たした。
つぎに、アセトニトリルを50V/V%およびSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を2mM含んでいる10mMリン酸緩衝液(pH8.0)中に、ダンシル化フェノール(以下、「Phe」と記す)、ダンシル化2−クロロフェノール(以下、「2−CP」と記す)、ダンシル化4−クロロフェノール(以下、「4−CP」と記す)が混合された分離モードMEKC(ミセル導電クロマトグラフィー)の試料溶液1を落差法(30cm、15秒)で1本のキャピラリーのみに注入したのち、電極間に15kVの電圧を印加して発光検出センサで検出を行ったところ、図6(a)に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
図6(a)からPhe、2−CP、4−CPがうまく分離泳動してそれぞれの成分に対応して3つのピークが得られることがわかる。
また、試料溶液1に代えて100mMトリスほう酸緩衝液(pH7.0)中にダンシル化グリシン(以下、「Dns−Gly」と記す)、ダンシル化トリプトファン(以下、「Dns−Try」と記す)、ダンシル化リシン(以下、「Dns−Lys」と記す)が混合された分離モードCZE(キャピラリー等電点電気泳動)の試料溶液2を1本のキャピラリーに注入した以外は、上記試料溶液1と同様にして電極間に15kVの電圧を印加して発光検出センサで検出を行ったところ、図6(b)に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
図6(b)からDns−Gly、Dns−Try、Dns−Lysがうまく分離泳動してそれぞれの成分に対応して3つのピークが得られることがわかる。
さらに、試料溶液1に代えてCMC(カルボキシメチルセルロース)を0.1重量%、および、EDTA(エチレンジアミンテトラアセテート)を1mM含むのと100mMトリスほう酸緩衝液(pH8.4)中にFITC(蛍光性イソチオシアネート)によって標識化されたリボヌクレアーゼA(以下、「Ribo」と記す)、リゾチーム(以下、「Lyso」と記す)およびチトクロームC(以下、「Cyto」と記す)が混合された分離モードCGE(キャピラリーゲル電気泳動)の試料溶液3を1本のキャピラリーに注入した以外は、上記試料溶液1と同様にして電極間に15kVの電圧を印加して発光検出センサで検出を行ったところ、図6(c)に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
さらに、試料溶液1に代えてCMC(カルボキシメチルセルロース)を0.1重量%、および、EDTA(エチレンジアミンテトラアセテート)を1mM含むのと100mMトリスほう酸緩衝液(pH8.4)中にFITC(蛍光性イソチオシアネート)によって標識化されたリボヌクレアーゼA(以下、「Ribo」と記す)、リゾチーム(以下、「Lyso」と記す)およびチトクロームC(以下、「Cyto」と記す)が混合された分離モードCGE(キャピラリーゲル電気泳動)の試料溶液3を1本のキャピラリーに注入した以外は、上記試料溶液1と同様にして電極間に15kVの電圧を印加して発光検出センサで検出を行ったところ、図6(c)に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
図6(c)からRibo、Lyso、Cytoがうまく分離泳動してそれぞれの成分に対応して3つのピークが得られることがわかる。
つぎに、3本のキャピラリーに上記試料溶液1、2、3を1つずつ落差法(30cm、15秒)注入し、電極間に15kVの電圧を印加して同時に検出を行ったところ、図7に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
そして、得られた図7のエレクトロフェログラムから、キャピラリーの長さが同じでも分離モードを代えれば、同時に複数の試料溶液中の成分を分離検出できることがわかる。
つぎに、3本のキャピラリーに上記試料溶液1、2、3を1つずつ落差法(30cm、15秒)注入し、電極間に15kVの電圧を印加して同時に検出を行ったところ、図7に示すようなエレクトロフェログラムが得られた。
そして、得られた図7のエレクトロフェログラムから、キャピラリーの長さが同じでも分離モードを代えれば、同時に複数の試料溶液中の成分を分離検出できることがわかる。
A,B 化学発光検出装置
11〜16 キャピラリー
2a,2b 検出セル
6a,6b 発光検出センサ
11〜16 キャピラリー
2a,2b 検出セル
6a,6b 発光検出センサ
Claims (5)
- 検出セルと、この検出セル内にその一端が臨むキャピラリーと、検出セル内の化学発光試薬と、キャピラリー先端から検出セル内に流入する試料溶液との反応による発光を検出する発光検出センサとを備えるキャピラリー電気泳動を用いた化学発光検出装置において、その一端が同一検出セル内に臨む複数のキャピラリーを備えていることを特徴とする化学発光検出装置。
- キャピラリーの長さがそれぞれ異なる請求項1に記載の化学発光検出装置。
- キャピラリーを3本以上備えている請求項1または請求項2に記載の化学発光検出装置。
- 検出セルが化学発光試薬を連続的に交換可能な化学発光試薬の給排口を備えている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化学発光検出装置。
- キャピラリーを3本以上備え、各キャピラリーの長さが異なる請求項1に記載の化学発光検出装置の少なくとも2種類の既知濃度の試料溶液を個別にキャピラリーに導入するとともに、残りのキャピラリーに未知濃度の試料溶液を導入し、同時に電気泳動させて各キャピラリーの先端での化学発光を検出することを特徴とする分析方法。
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