JP2009168450A - 試料中の金属の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、下記の(a)〜(c)の工程よりなる、試料中の金属の測定方法である。
(a)試料と、配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブとを混合し、接触させ、この混合液中において前記試料に含まれる金属と前記蛍光プローブとの蛍光性金属錯体を形成させる工程。
(b)前記混合液をゲル電気泳動法に適用する工程。
(c)前記ゲル電気泳動法により泳動された前記蛍光性金属錯体を測定する工程。
【選択図】図1
Description
本発明は、分析化学などの化学分野、又は臨床検査などの生命科学分野において有用なものである。
また、ICP発光分析装置は、試料中の複数の金属を同時に測定することができるものであるが、これは非常に高価なものであり、そしてやはりその設置に広いスペースを必要とし、配管や換気装置が必要なものであった。
この方法は高価な装置を使用せずに測定を行える方法であるが、しかしこのキャピラリー電気泳動法による方法においては、試料中の多くの共存化学物質もまた紫外光を吸収するため、多くの場合、測定を妨害することが知られている。
また、上記吸光検出法では、蛍光検出法に比べ感度が著しく低いことが一般に知られている。
(1) 下記の(a)〜(c)の工程よりなる、試料中の金属の測定方法。
(a)試料と、配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブとを混合し、接触させ、この混合液中において前記試料に含まれる金属と前記蛍光プローブとの蛍光性金属錯体を形成させる工程。
(b)前記混合液をゲル電気泳動法に適用する工程。
(c)前記ゲル電気泳動法により泳動された前記蛍光性金属錯体を測定する工程。
(2) 配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブが、「配位部位−スペーサー−蛍光団」の構造よりなるものである、前記(1)記載の試料中の金属の測定方法。
(3) 配位部位が6座以上の配位部位である、前記(1)又は(2)記載の試料中の金属の測定方法。
(4) 配位部位が8座以上の配位部位である、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の試料中の金属の測定方法。
本発明の試料中の金属の測定方法における金属は、試料中における存在の有無又はその濃度を測定しようとする金属である。
この金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属又はその他の金属を挙げることができる。
本発明の試料中の金属の測定方法における試料は、前記の金属を含む可能性がある試料であって、これを測定しようとするものである。
金属は単体、イオン及び化合物等の種々の形態を取り、また遊離又はキャリアー(担体)に結合した状態等で存在し、そして様々な物に含まれて存在しているが、本発明の試料中の金属の測定方法により測定を行う試料中の金属は特に限定されるものではなく、直接又は処理を行うことによりゲル電気泳動法に適用することが可能であり、測定を行うことが可能なものであれば対象となる。
もし、金属を含む試料が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理等の前処理を公知の方法に従って行ない、金属を液体中に含有させるようにしてもよい。
本発明の試料中の金属の測定方法における蛍光プローブは、配位部位及び蛍光団よりなるものである。
この蛍光プローブは、測定しようとする試料中の金属と接触することにより、この金属と配位結合し、この金属との蛍光性金属錯体を形成する。
なお、この蛍光プローブにおける配位部位は、測定しようとする試料中の金属と接触することにより、この金属と配位結合し、錯体を形成することができるものであれば、特に制限なく用いることができる。
なお、この蛍光プローブにおける蛍光団は、励起光を照射することにより、蛍光を放出するものであれば、特に制限なく用いることができる。
この蛍光団としては、例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナトなどのフルオレセイン類縁体、キニーネ、ローダミンB、アクリジンオレンジ、クマリン、又はPOPOP等を挙げることができる。
この蛍光団としては、特に、フルオレセイン、又はフルオレセイン類縁体が好ましい。
このように配位部位と蛍光団との間にスペーサーを存在させることにより、この蛍光プローブが試料中に含まれる金属と蛍光性金属錯体を形成したときに消光してしまうのを抑制することができ、高いレベルの蛍光を安定して得ることができるので好ましい。
このスペーサーとしては、特に、「−NH−C(=S)−NH−C6H4−CH2−」が好ましい。
この配位部位が6座以上であることにより、6座未満のものよりも、より広い範囲の金属の測定を行うことができたり、6座未満のものでは測定することができない金属を測定することができたりする点で好ましい。
これは、配位部位が6座未満の蛍光プローブは、配位部位が6座以上の蛍光プローブよりも、金属との錯体の安定性がより小さいためではないかと推測される。
なお、これらの配位部位は、カルボキシル基、エステル基、エーテル基又はリン酸基などの酸素原子、及び窒素原子等により6座以上のものである。
この配位部位が8座以上であることにより、8座未満のものよりも、更により広い範囲の金属の測定を行うことができたり、8座未満のものでは測定することができない金属を測定することができたりする点でより好ましい。
これは、配位部位が8座未満の蛍光プローブは、配位部位が8座以上の蛍光プローブよりも、金属との錯体の安定性がより小さいためではないかと推測される。
なお、これらの配位部位は、カルボキシル基、エステル基、エーテル基又はリン酸基などの酸素原子、及び窒素原子等により8座以上のものである。
この配位部位の構造が非環状であることにより、環状のものよりも、より広い範囲の金属の測定を行うことができたり、環状のものでは測定することができない金属を測定することができたりする点で好ましい。
なお、これらの配位部位は、カルボキシル基、エステル基又はエーテル基などの酸素原子、及び窒素原子等により8座以上のものである。
本発明における蛍光プローブは、前記の「配位部位」及び「蛍光団」を「配位部位−蛍光団」の構造となるように結合させて調製するか、又は前記の「配位部位」、「スペーサー」及び「蛍光団」を「配位部位−スペーサー−蛍光団」の構造となるように結合させて調製すれば良い。
例えば、前記の2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕の調製方法としては、2−(4−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸溶液に、マレイン酸、フルオレセインイソチオシアナート アイソマーI溶液、及び超純水を加え、暗所で放置した後、1−ブタノールで抽出し、さらに1−ペンタノールで抽出し、そして塩酸で再結晶し、乾燥することにより2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕を取得する方法等を挙げることができる。
(1)試料中の金属の測定方法
本発明の試料中の金属の測定方法は、下記の(a)〜(c)の工程よりなるものである。
(a)試料と、配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブとを混合し、接触させ、この混合液中において前記試料に含まれる金属と前記蛍光プローブとの蛍光性金属錯体を形成させる工程。
(b)前記混合液をゲル電気泳動法に適用する工程。
(c)前記ゲル電気泳動法により泳動された前記蛍光性金属錯体を測定する工程。
本発明の試料中の金属の測定方法の工程(a)において、試料と蛍光プローブを混合する際の量比は、試料中に含まれる金属の濃度や蛍光プローブの濃度等により異なるので一概に言うことはできないが、一般的には、試料量1に対して、蛍光プローブ溶液量は、0.01〜100とすることが好ましく、0.1〜10とすることがより好ましい。
本発明の試料中の金属の測定方法の工程(b)においては、前記の工程(a)における試料と蛍光プローブとの混合液をゲル電気泳動法に適用する。
これは、この混合液をゲルに添加、接触させ、次に通電して、前記の蛍光性金属錯体を泳動させることにより行う。
この試料と蛍光プローブとの混合液をゲル電気泳動法に適用することにより、形成された蛍光性金属錯体と遊離の蛍光プローブとの分離を行い、更に複数種類の金属毎に形成された蛍光性金属錯体同士の分離を行う。
このゲル電気泳動法におけるゲルとしては、例えば、ポリアクリルアミドゲル、又はアガロースゲル等を挙げることができるが、特に、ポリアクリルアミドゲルを用いることが好ましい。
また、このゲル電気泳動法としては、スラブ型(垂直型)、ディスク型、又は水平型等のいずれの種類のゲル電気泳動法をも用いることができる。
そして、このゲル電気泳動法としては、通常のゲル電気泳動法、又はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法のいずれをも用いることができる。
更に、このゲル電気泳動法としては、一次元電気泳動法、又は二次元電気泳動法のいずれをも用いることができる。
なお、このゲル電気泳動法におけるゲルの大きさについては、特に制限はない。
適宜、適した大きさのものを使用すれば良い。
この場合、濃縮ゲルとしては、そのゲル濃度が、4%T以上でありかつ30%T以下のものが好ましく、10%T以上でありかつ20%T以下のものがより好ましい。
また、濃縮ゲルのpHは、pH6〜pH10の範囲のものが好ましく、pH8〜pH10の範囲のものがより好ましい。
この濃縮ゲルの緩衝液としては、前記のpH範囲において緩衝能を有する緩衝剤よりなるものであれば良い。
この緩衝液として、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液等を挙げることができる。
なお、この濃縮ゲルの大きさについては、特に制限はない。
適宜、適した大きさのものを使用すれば良い。
また、分離ゲルのpHは、pH6〜pH11の範囲のものが好ましい。
この分離ゲルの緩衝液としては、前記のpH範囲において緩衝能を有する緩衝剤よりなるものであれば良い。この緩衝液として、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液等を挙げることができる。
なお、この分離ゲルの大きさについては、特に制限はない。
適宜、適した大きさのものを使用すれば良い。
これに対し、本発明者らは、分離ゲルのゲル濃度を20%Tを超えかつ50%T以下の濃度のものとすることにより、分離ゲルの細孔径が小さくなり、これにより蛍光性金属錯体の拡散を防ぐことができ、その結果、非常に細いバンドでの分離が可能となること、すなわち高感度かつ高精度での試料中の金属の測定が可能となることを見出した。
よって、本発明の試料中の金属の測定方法においては、分離ゲルのゲル濃度を20%Tを超えかつ50%T以下の濃度のものとすることがより好ましいのである。
しかし、分離ゲルに、キレート剤を含有させることにより、この不純物金属のバンドの出現を抑制することができるので、好ましい。
このキレート剤として、先に本発明における蛍光プローブの配位部位として挙げたもの等を用いることができる。
このキレート剤としては、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸〔CyDTA〕等が好ましい。
この両性電解質としては、アミノ酸が好ましく、グリシン等が特に好ましい。
この両性電解質を含有させる濃度であるが、0.1mM〜1000mMが好ましく、1mM〜500mMがより好ましく、10mM〜100mMが特に好ましい。
この泳動液の緩衝液としては、前記のpH範囲において緩衝能を有する緩衝剤よりなるものであれば良い。この緩衝液として、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液等を挙げることができる。
この電気泳動度の極めて小さい物質としては、グリシン等が好ましく、電気泳動度の大きい物質としては塩化物イオン等が好ましい。
これらの電気泳動度の極めて小さい物質、電気泳動度の大きい物質を共存させる濃度であるが、1μM〜1000mMが好ましく、100μM〜500mMがより好ましく、1mM〜200mMが特に好ましい。
本発明の試料中の金属の測定方法の工程(c)においては、前記の工程(b)のゲル電気泳動法で泳動された前記蛍光性金属錯体を測定する。
すなわち、前記工程(b)のゲル電気泳動法において泳動されて、遊離の蛍光プローブと分離された蛍光性金属錯体、更には複数種類の金属毎に分離された蛍光性金属錯体を測定する。
この測定は、前記のゲル電気泳動法のゲルに、用いた蛍光プローブの蛍光団に適した波長の励起光を照射し、これに対して放出された蛍光を測定することにより行う。
また、前記ゲルの泳動パターン(バンド)を、デジタルカメラやスキャナー等により取り込んで、コンピュータで解析しても良い。
10−1mol dm−3の2−(4−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸溶液25mlに10−1mol dm−3のマレイン酸(pH6.0)を5ml、10−2mol dm−3のフルオレセインイソチオシアナート アイソマーI溶液を2.5ml、更に超純水を17.5ml加えた。
その後、暗所で6時間放置し、その後、1−ブタノールで抽出し、更に1−ペンタノールで抽出し、塩酸で再結晶し、乾燥し、2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕の粉末を得た。
前記1で調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕の元素分析を行った結果を下に示す。
測定値:C,53.30;H,5.25;N,7.05%.
計算値:C,53.31;H,4.54;N,7.40%(測定値と計算値の誤差0.71%)
その後、暗所で6時間放置し、N−[(R)−2−アミノ−3−(p−フルオレセイン−チオカルバミル−フェニル)プロピル]−トランス−(S,S)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N’,N’,N’’’,N’’’−五酢酸〔FTC−CHX−A”−DTPA〕を得た。
10−1mol dm−3の2−(4−アミノベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸溶液25mlに10−1mol dm−3のマレイン酸(pH6.0)を5ml、10−2mol dm−3のフルオレセインイソチオシアナート アイソマーI溶液を2.5ml、更に超純水を17.5ml加えた。
その後、暗所で6時間放置し、その後、1−ブタノールで抽出し、更に1−ペンタノールで抽出し、塩酸で再結晶し、乾燥し、2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸〔FTC−ABDOTA〕の粉末を得た。
前記1で調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸〔FTC−ABDOTA〕の元素分析を行った結果を下に示す。
測定値:C,52.45;H,5.48;N,8.13%
計算値:C,52.50;H,5.10;N,8.35%(測定値と計算値の誤差0.38%)
10−1mol dm−3の1−(4−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸溶液25mlに10−1mol dm−3のマレイン酸(pH6.0)を5ml、10−2mol dm−3のフルオレセインイソチオシアナート アイソマーI溶液を2.5ml、更に超純水を17.5ml加えた。
その後、暗所で6時間放置し、その後、1−ブタノールで抽出し、更に1−ペンタノールで抽出し、塩酸で再結晶し、乾燥し、1−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸〔FTC−ABEDTA〕の粉末を得た。
前記1で調製した1−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸〔FTC−ABEDTA〕の元素分析を行った結果を下に示す。
測定値:C,56.73;H,4.58;N,6.43%.
計算値:C,56.71;H,4.51;N,6.96%(測定値と計算値の誤差0.53%)
前記1で調製した1−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸〔FTC−ABEDTA〕の質量分析を行った結果を下に示す。
MS(FAB(−),glycerol matrix):m/e=785[M−H]−
前記1で調製した1−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸〔FTC−ABEDTA〕の核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果を下に示す。
1H NMR(270MHz,d6−DMSO):δ(ppm)12.4(1H,br),10.14(2H,s),10.07(1H,s),8.18(1H,d,3JHH=1.3Hz),7.80(1H,dd,2JHH=8.2Hz,3JHH=1.7Hz),7.39(2H,d,2JHH=8.6Hz),7.19(3H,d,2JHH=8.2Hz),6.66(2H,d,3JHH=1.0Hz),6.57(4H,m),3.46(5H,s),3.36(8H,m),2.77(4H,m).
前記参考例1で調製した蛍光プローブ(FTC−ABDTPA)を用いて、ゲル電気泳動法により試料中の金属の測定を行った。
下記の13種類の試料をそれぞれ調製した。
(1)カルシウム含有試料
1mMのカルシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(2)マグネシウム含有試料
1mMのマグネシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(3)アルミニウム含有試料
1mMのアルミニウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(4)鉄含有試料
1mMの鉄イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(5)銅含有試料
1mMの銅イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(6)亜鉛含有試料
1mMの亜鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(7)ニッケル含有試料
1mMのニッケルイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(8)コバルト含有試料
1mMのコバルトイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(9)マンガン含有試料
1mMのマンガンイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(10)カドミウム含有試料
1mMのカドミウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(11)水銀含有試料
1mMの水銀イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(12)鉛含有試料
1mMの鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(13)陰性対照試料
超純水を陰性対照試料とした。
参考例1にて調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕を、蛍光プローブとして用いた。
(1)濃縮ゲル
ゲル濃度が16.5%T(1.46%C)であり、0.0938Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.8)を含むポリアクリルアミドゲルを調製し、濃縮ゲルとした。
ゲル濃度が30%T(0.8%C)であり、0.166Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH9.3)、0.0853Mグリシンを含むポリアクリルアミドゲルを調製し、分離ゲルとした。
48mMグリシンを含む6.25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.3)を調製し、これを泳動液とした。
(1) 前記1の13種類の試料各々と、前記2の蛍光プローブ含有溶液と、50wt%グリセロール水溶液と、75mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.8)と、純水とを、それぞれ1:1:0.5:1:6.5で混合し、これにより試料と蛍光プローブ(FTC−ABDTPA)とを接触させ、室温にて20分間放置し、この混合液中において前記1の各試料中の金属と蛍光プローブ(FTC−ABDTPA)との蛍光性金属錯体を形成させた。
なお、このポリアクリルアミドゲル電気泳動法は、一次元・スラブ型であり、濃縮ゲルの下に分離ゲルを配置した非連続系のものである。
この濃縮ゲルとしては前記3の(1)の濃縮ゲルを用い、また、分離ゲルとしては前記3の(2)の分離ゲルを用い、そして、泳動液としては前記3の(3)の泳動液を用いた。
なお、この濃縮ゲル及び分離ゲルを合わせた大きさは、高さ20cm、幅20cmであった。
次に、計13種類の前記(1)の混合液のそれぞれの3μLを、前記の濃縮ゲルに添加し、接触させた。
この通電により、前記の蛍光性金属錯体は濃縮ゲル中で濃縮され、その後分離ゲルに移動し、分離ゲル中を泳動した。
これにより放出された蛍光による濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、デジタルカメラで撮影した。
この濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、図1に示した。
なお、この図1の泳動パターン(バンド)において、「Blank」は前記の陰性対照試料のバンドを示す。
また、「Ca」は前記のカルシウム含有試料のバンドを示し、同様に、「Mg」は前記のマグネシウム含有試料の、「Al」は前記のアルミニウム含有試料の、「Fe」は前記の鉄含有試料の、「Cu」は前記の銅含有試料の、「Zn」は前記の亜鉛含有試料の、「Ni」は前記のニッケル含有試料の、「Co」は前記のコバルト含有試料の、「Mn」は前記のマンガン含有試料の、「Cd」は前記のカドミウム含有試料の、「Hg」は前記の水銀含有試料の、そして「Pb」は前記の鉛含有試料のバンドを示す。
図1の濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)から、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる金属に応じたバンドが得られることが分かる。
このことより、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に微量に含まれる金属を、簡便、正確かつ高感度に測定できることが確かめられた。
また、更に、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる複数の金属を同時に測定することができることも確認できた。
前記参考例2で調製した蛍光プローブ(FTC−CHX−A”−DTPA)を用いて、ゲル電気泳動法により試料中の金属の測定を行った。
下記の14種類の試料をそれぞれ調製した。
(1)鉛含有試料
1mMの鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(2)水銀含有試料
1mMの水銀イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(3)カドミウム含有試料
1mMのカドミウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(4)マンガン含有試料
1mMのマンガンイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(5)コバルト含有試料
1mMのコバルトイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(6)ニッケル含有試料
1mMのニッケルイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(7)亜鉛含有試料
1mMの亜鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(8)銅含有試料
1mMの銅イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(9)鉄含有試料
1mMの鉄イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(10)アルミニウム含有試料
1mMのアルミニウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(11)マグネシウム含有試料
1mMのマグネシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(12)カルシウム含有試料
1mMのカルシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(13)12種類の金属含有試料
0.1mMの鉛イオン、0.1mMの水銀イオン、0.1mMのカドミウムイオン、0.1mMのマンガンイオン、0.1mMのコバルトイオン、0.1mMのニッケルイオン、0.1mMの亜鉛イオン、0.1mMの銅イオン、0.1mMの鉄イオン、0.1mMのアルミニウムイオン、0.1mMのマグネシウムイオン、及び0.1mMのカルシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(14)陰性対照試料
超純水を陰性対照試料とした。
参考例2にて調製したN−[(R)−2−アミノ−3−(p−フルオレセイン−チオカルバミル−フェニル)プロピル]−トランス−(S,S)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N’,N’,N’’’,N’’’−五酢酸〔FTC−CHX−A”−DTPA〕を、蛍光プローブとして用いた。
(1)濃縮ゲル
ゲル濃度が16.5%T(1.46%C)であり、0.0938Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.8)を含むポリアクリルアミドゲルを調製し、濃縮ゲルとした。
ゲル濃度が30%T(0.8%C)であり、0.166Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH9.3)、0.0853Mグリシンを含むポリアクリルアミドゲルを調製し、分離ゲルとした。
48mMグリシンを含む6.25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.3)を調製し、これを泳動液とした。
(1) 前記1の14種類の試料各々と、前記2の蛍光プローブ含有溶液と、50wt%グリセロール水溶液と、75mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.8)と、純水とを、それぞれ1:1:0.5:1:6.5で混合し、これにより試料と蛍光プローブ(FTC−CHX−A”−DTPA)とを接触させ、室温にて20分間放置し、この混合液中において前記1の各試料中の金属と蛍光プローブ(FTC−CHX−A”−DTPA)との蛍光性金属錯体を形成させた。
なお、このポリアクリルアミドゲル電気泳動法は、一次元・スラブ型であり、濃縮ゲルの下に分離ゲルを配置した非連続系のものである。
この濃縮ゲルとしては前記3の(1)の濃縮ゲルを用い、また、分離ゲルとしては前記3の(2)の分離ゲルを用い、そして、泳動液としては前記3の(3)の泳動液を用いた。
なお、この濃縮ゲル及び分離ゲルを合わせた大きさは、高さ20cm、幅20cmであった。
次に、計14種類の前記(1)の混合液のそれぞれの3μLを、前記の濃縮ゲルに添加し、接触させた。
そして、電流20mA(一定)、電圧680−1150Vで、180分間通電した。
この通電により、前記の蛍光性金属錯体は濃縮ゲル中で濃縮され、その後分離ゲルに移動し、分離ゲル中を泳動した。
これにより放出された蛍光による濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、デジタルカメラで撮影した。
この濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、図2に示した。
なお、この図2の泳動パターン(バンド)において、「L」は前記の陰性対照試料のバンドを示す。
また、「Metal*12」は前記の12種類の金属含有試料のバンドを示す。
そして、「Pb」は前記の鉛含有試料のバンドを示し、同様に、「Hg」は前記の水銀含有試料の、「Cd」は前記のカドミウム含有試料の、「Mn」は前記のマンガン含有試料の、「Co」は前記のコバルト含有試料の、「Ni」は前記のニッケル含有試料の、「Zn」は前記の亜鉛含有試料の、「Cu」は前記の銅含有試料の、「Fe」は前記の鉄含有試料の、「Al」は前記のアルミニウム含有試料の、「Mg」は前記のマグネシウム含有試料の、そして「Ca」は前記のカルシウム含有試料のバンドを示す。
図2の濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)から、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる金属に応じたバンドが得られることが分かる。
このことからも、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に微量に含まれる金属を、簡便、正確かつ高感度に測定できることが確かめられた。
また、更に、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる複数の金属を同時に測定することができることも確認できた。
前記参考例3で調製した蛍光プローブ(FTC−ABDOTA)を用いて、ゲル電気泳動法により試料中の金属の測定を行った。
下記の13種類の試料をそれぞれ調製した。
(1)カルシウム含有試料
1mMのカルシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(2)マグネシウム含有試料
1mMのマグネシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(3)アルミニウム含有試料
1mMのアルミニウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(4)鉄含有試料
1mMの鉄イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(5)銅含有試料
1mMの銅イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(6)亜鉛含有試料
1mMの亜鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(7)ニッケル含有試料
1mMのニッケルイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(8)コバルト含有試料
1mMのコバルトイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(9)マンガン含有試料
1mMのマンガンイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(10)カドミウム含有試料
1mMのカドミウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(11)水銀含有試料
1mMの水銀イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(12)鉛含有試料
1mMの鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(13)陰性対照試料
超純水を陰性対照試料とした。
参考例3にて調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸〔FTC−ABDOTA〕を、蛍光プローブとして用いた。
(1)濃縮ゲル
ゲル濃度が16.5%T(1.46%C)であり、0.0938Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.8)を含むポリアクリルアミドゲルを調製し、濃縮ゲルとした。
ゲル濃度が30%T(0.8%C)であり、0.166Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH9.3)、0.0853Mグリシンを含むポリアクリルアミドゲルを調製し、分離ゲルとした。
48mMグリシンを含む6.25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.3)を調製し、これを泳動液とした。
(1)前記1の13種類の試料各々と、前記2の蛍光プローブ含有溶液と、純水を、それぞれ0.5:5.5:6.5で混合し、これにより試料と蛍光プローブ(FTC−ABDOTA)とを接触させ、室温にて20分間放置し、この混合液中において前記1の各試料中の金属と蛍光プローブ(FTC−ABDOTA)との蛍光性金属錯体を形成させた。
なお、このポリアクリルアミドゲル電気泳動法は、一次元・スラブ型であり、濃縮ゲルの下に分離ゲルを配置した非連続系のものである。
この濃縮ゲルとしては前記3の(1)の濃縮ゲルを用い、また、分離ゲルとしては前記3の(2)の分離ゲルを用い、そして、泳動液としては前記3の(3)の泳動液を用いた。
なお、この濃縮ゲル及び分離ゲルを合わせた大きさは、高さ20cm、幅20cmであった。
次に、計13種類の前記(1)の混合液のそれぞれの3μLを、前記の濃縮ゲルに添加し、接触させた。
そして、電流20mA(一定)、電圧680−1150Vで、180分間通電した。
この通電により、前記の蛍光性金属錯体は濃縮ゲル中で濃縮され、その後分離ゲルに移動し、分離ゲル中を泳動した。
これにより放出された蛍光による濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、デジタルカメラで撮影した。
この濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、図3に示した。
なお、この図3の泳動パターン(バンド)において、「Blank」は前記の陰性対照試料のバンドを示す。
また、「Ca」は前記のカルシウム含有試料のバンドを示し、同様に、「Mg」は前記のマグネシウム含有試料の、「Al」は前記のアルミニウム含有試料の、「Fe」は前記の鉄含有試料の、「Cu」は前記の銅含有試料の、「Zn」は前記の亜鉛含有試料の、「Ni」は前記のニッケル含有試料の、「CO」は前記のコバルト含有試料の、「Mn」は前記のマンガン含有試料の、「Cd」は前記のカドミウム含有試料の、「Hg」は前記の水銀含有試料の、そして「Pb」は前記の鉛含有試料のバンドを示す。
図3の濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)から、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる金属に応じたバンドが得られることが分かる。
このことより、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に微量に含まれる金属を、簡便、正確かつ高感度に測定できることが確かめられた。
更に、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる複数の金属を同時に測定することができることも確認できた。
前記参考例4で調製した蛍光プローブ(FTC−ABEDTA)を用いて、ゲル電気泳動法により試料中の金属の測定を行った。
下記の2種類の試料をそれぞれ調製した。
(1)銀含有試料
1mMの銀イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(2)陰性対照試料
超純水を陰性対照試料とした。
参考例4にて調製した1−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸〔FTC−ABEDTA〕を、蛍光プローブとして用いた。
(1)濃縮ゲル
ゲル濃度が16.5%T(1.46%C)であり、0.0938Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.8)を含むポリアクリルアミドゲルを調製し、濃縮ゲルとした。
ゲル濃度が30%T(0.8%C)であり、0.166Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH9.3)、0.0853Mグリシンを含むポリアクリルアミドゲルを調製し、分離ゲルとした。
48mMグリシンを含む6.25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.3)を調製し、これを泳動液とした。
(1)前記1の2種類の試料各々と、前記2の蛍光プローブ含有溶液と、50wt%グリセロール水溶液と、75mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.8)と、純水とを、それぞれ1:1:0.5:1:6.5で混合し、これにより試料と蛍光プローブ(FTC−ABEDTA)とを接触させ、室温にて20分間放置し、この混合液中において前記1の試料中の金属と蛍光プローブ(FTC−ABEDTA)との蛍光性金属錯体を形成させた。
なお、このポリアクリルアミドゲル電気泳動法は、一次元・スラブ型であり、濃縮ゲルの下に分離ゲルを配置した非連続系のものである。
この濃縮ゲルとしては前記3の(1)の濃縮ゲルを用い、また、分離ゲルとしては前記3の(2)の分離ゲルを用い、そして、泳動液としては前記3の(3)の泳動液を用いた。
なお、この濃縮ゲル及び分離ゲルを合わせた大きさは、高さ7cm、幅9cmであった。
次に、計2種類の前記(1)の混合液のそれぞれの3μLを、前記の濃縮ゲルに添加し、接触させた。
この通電により、前記の蛍光性金属錯体は濃縮ゲル中で濃縮され、その後分離ゲルに移動し、分離ゲル中を泳動した。
これにより放出された蛍光による濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、デジタルカメラで撮影した。
この濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)を、図4に示した。
なお、この図4の泳動パターン(バンド)において、「L」は前記の陰性対照試料のバンドを示す。また、「Ag」は前記の銀含有試料のバンドを示す。
図4の濃縮ゲル及び分離ゲルの泳動パターン(バンド)から、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に含まれる金属に応じたバンドが得られることが分かる。
このことより、本発明の試料中の金属の測定方法においては、試料中に微量に含まれる金属を、簡便、正確かつ高感度に測定できることが確かめられた。
参考として、蛍光プローブ(FTC−ABDTPA又はFTC−ABDOTA)を用いて、キャピラリー電気泳動−レーザー誘起蛍光検出法(CE−LIF)により試料中の金属の測定を行った。
下記の13種類の試料をそれぞれ調製した。
(1)マグネシウム含有試料
1mMのマグネシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(2)アルミニウム含有試料
1mMのアルミニウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(3)カルシウム含有試料
1mMのカルシウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(4)マンガン含有試料
1mMのマンガンイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(5)鉄含有試料
1mMの鉄イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(6)コバルト含有試料
1mMのコバルトイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(7)ニッケル含有試料
1mMのニッケルイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(8)銅含有試料
1mMの銅イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(9)亜鉛含有試料
1mMの亜鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(10)カドミウム含有試料
1mMのカドミウムイオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(11)水銀含有試料
1mMの水銀イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(12)鉛含有試料
1mMの鉛イオンを含む、10mM塩酸溶液を調製した。
(13)陰性対照試料
超純水を陰性対照試料とした。
(1)FTC−ABDTPA含有溶液
参考例1にて調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸〔FTC−ABDTPA〕を、蛍光プローブとして用いた。
参考例3にて調製した2−(4−フルオレセイン−チオカルバミル−アミノベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸〔FTC−ABDOTA〕を、蛍光プローブとして用いた。
0.05wt%のポリブレン、及び1mMの1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)を含む50mMリン酸−ホウ酸緩衝液(pH10.09)を調製し、これを泳動液とした。
(1)前記1の13種類の試料各々と、前記2の(1)のFTC−ABDTPA含有溶液と、100mMホウ酸緩衝液(pH10.0)と、純水とを、それぞれ0.001:0.05:2:8で混合し、これにより試料と蛍光プローブ(FTC−ABDTPA)とを接触させ、室温にて20分間放置し、この混合液中において前記1の各試料中の金属と蛍光プローブ(FTC−ABDTPA)との蛍光性金属錯体を形成させた。
なお、キャピラリー電気泳動−レーザー誘起蛍光検出法(CE−LIF)における高電圧電源は松定プレシジョンのHCZE−30Pを、レーザー装置はSpectra−Physics社製ArレーザーシステムModel263Dを、レーザー誘起蛍光検出器はPicometrics社製ZETALIFを使用した。
Arレーザー(励起波長488nm)の出力は8.0mWとした。
また、キャピラリー電気泳動法の印加電圧は20kV一定とした。
キャピラリーチューブは、ジーエルサイエンス社製の内径0.05mm、全長60cm、及び有効長47cmの溶融シリカキャピラリーを使用した。
なお、この図において、「L2」は前記の陰性対照試料のピークを示す。
また、「Cd」は前記のカドミウム含有試料のピークを示し、同様に、「Mn」は前記のマンガン含有試料の、「Pb」は前記の鉛含有試料の、「Zn」は前記の亜鉛含有試料の、「Ni」は前記のニッケル含有試料の、「Co」は前記のコバルト含有試料のピークを示す。
そして、この図において、横軸は移動時間(分)を表し、縦軸は測定により得られた蛍光強度を表す。
このFTC−ABDOTAを用いてキャピラリー電気泳動−レーザー誘起蛍光検出法(CE−LIF)により試料中の金属を測定した結果を、図6に示した。
なお、この図において、「L3」は前記の陰性対照試料のピークを示す。
また、「Ca2+」は前記のカルシウム含有試料のピークを示し、同様に、「Mn2+」は前記のマンガン含有試料の、「Mg2+」は前記のマグネシウム含有試料の、「Zn2+」は前記の亜鉛含有試料の、「Co2+」は前記のコバルト含有試料の、「Cu2+」は前記の銅含有試料の、「Ni2+」は前記のニッケル含有試料のピークを示す。
そして、「■」は未確定なピークを示す。
なお、この図において、横軸は移動時間(分)を表し、縦軸は測定により得られた蛍光強度を表す。
図5より、蛍光プローブとしてFTC−ABDTPAを用いてキャピラリー電気泳動−レーザー誘起蛍光検出法(CE−LIF)により試料中の金属を測定した場合には、試料中のカドミウム、鉛、マンガン、亜鉛、ニッケル及びコバルトの各イオン(計6種類)を測定することができたことが分かる。
これに対し、同じ蛍光プロープをゲル電気泳動法に適用した場合には、より多くの金属のシグナル(バンド)が得られている。
すなわち、蛍光プローブをゲル電気泳動法に適用した場合には、ゲル電気泳動法以外の方法に適用した場合よりも、より多数の金属を同時に測定することができ、ゲル電気泳動法に適用することの優位性を確認することができた。
Claims (4)
- 下記の(a)〜(c)の工程よりなる、試料中の金属の測定方法。
(a)試料と、配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブとを混合し、接触させ、この混合液中において前記試料に含まれる金属と前記蛍光プローブとの蛍光性金属錯体を形成させる工程。
(b)前記混合液をゲル電気泳動法に適用する工程。
(c)前記ゲル電気泳動法により泳動された前記蛍光性金属錯体を測定する工程。 - 配位部位及び蛍光団よりなる蛍光プローブが、「配位部位−スペーサー−蛍光団」の構造よりなるものである、請求項1記載の試料中の金属の測定方法。
- 配位部位が6座以上の配位部位である、請求項1又は請求項2記載の試料中の金属の測定方法。
- 配位部位が8座以上の配位部位である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の試料中の金属の測定方法。
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