JP2974495B2 - 電気泳動装置及び電気泳動方法 - Google Patents

電気泳動装置及び電気泳動方法

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JP2974495B2
JP2974495B2 JP4106966A JP10696692A JP2974495B2 JP 2974495 B2 JP2974495 B2 JP 2974495B2 JP 4106966 A JP4106966 A JP 4106966A JP 10696692 A JP10696692 A JP 10696692A JP 2974495 B2 JP2974495 B2 JP 2974495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸、蛋白、糖等を分
離分析する電気泳動装置に関し、特にDNA(核酸)等
の検出に好適な電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光標識された試料を電気泳動により分
子量分離し、解析する電気泳動装置としては、例えば蛍
光体を標識物にしたDNAの塩基配列決定装置がある。
塩基配列決定方法は、周知のサンガー(Sanger)
らのジデオキシ法による。つまり、解析するDNAをベ
クターに導入して増幅し、変性させて一本鎖の鋳型DN
Aをつくる。この鋳型DNAにプライマーDNAを結合
させ、プライマーDNAを起点とした相補鎖合成を行わ
せる。この際、4種のデオキシヌクレオチド三リン酸の
他に、ターミネーターとなる特定の1種のジデオキシヌ
クレオチド三リン酸を加えておく。このジデオキシヌク
レオチド三リン酸が取り込まれたときに相補鎖合成が止
まるため、特定の塩基で止まった種々の長さのDNA断
片が得られる。そこで、アデニン(A)、シトシン
(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4種の塩基に
対するジデオキシヌクレオチド三リン酸つまりddAT
P、ddCTP、ddGTP、ddTTPを使い、それ
ぞれ上記の相補鎖合成反応を行わせることで、末端塩基
がそれぞれA、C、G、Tである種々の長さのDNA断
片を得、これらを分子量分離し、分子量順に塩基種を読
むことで塩基配列が解析できる。分子量分離は、ポリア
クリルアミドゲルを使った電気泳動で行う。
【0003】この方法に基づいた自動化装置は、主に電
気泳動部と解析部を自動化したものである。例えば「ネ
イチャー」誌、第321巻、第674〜679頁(19
86年)(Nature、321、674〜679(1
986))に記載されている装置では、DNA断片の末
端塩基の種類毎に4種の異なる蛍光体(フルオレセイ
ン、4−クロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1−
ジアゾール(NBD)、テトラメチルローダミン、テキ
サスレッド(モレキュラプローブ社製品))で標識し、
内径が1〜2mmのガラス製チューブを泳動路として泳
動し、分子量順に泳動されてくる断片をレーザ光で励起
して蛍光検出することで、塩基配列を決定する。4種の
蛍光体の最大蛍光波長は、520nm、550nm、5
78nm、605nm付近であり、それぞれの波長域を
透過させる4種のバンドパス干渉フィルタによって各々
の蛍光を分離して検出している(第1の従来例)。ま
た、内径が100μm以下のキャピラリーにゲルを作成
して電気泳動部とする方法がある。例えば「ニュークレ
イック アシッド リサーチ」誌、第18巻、第141
5〜1419頁(1990年)(Nucleic Ac
id Research、18、1415〜1419
(1990))に記載の方法では、図6に示すように、
内径75μmのキャピラリーを使用し、9kVの高電圧
を印加することで、DNA断片等の高速及び高分離検出
を図っている。この方法の検出部は、キャピラリーの軸
とレーザ光の照射軸とを、垂直方向から25度程度傾斜
させ、レーザ光をキャピラリーの中心部に直径約20μ
mに集光して照射し、生じる蛍光をバンドパス干渉フィ
ルタ等で分光して検出している(第2の従来例)。な
お、図6は上記従来例記載の装置を判りやすく改変した
ものである。
【0004】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電気泳動装置では、試
料の微量化等に伴い、検出の高感度化が望まれている。
一般に、電気泳動状態での蛍光測定では、目的とする蛍
光体自体からの蛍光の他に、背景光として、ゲルによる
励起光の散乱光(レーリー散乱など)及び蛍光、ゲルの
支持体例えばキャピラリーの内壁及び外壁での散乱光、
あるいはキャピラリー自体からの蛍光が生じる。そのた
め、バックグラウンドレベルが高くなり、検出感度の低
下を招くことになる。つまり、高感度な蛍光検出を達成
するには、このような背景光をいかに除去するかが重要
な課題となる。
【0006】上記第1の従来例では、バンドパス干渉フ
ィルタにより励起光(散乱光)と蛍光とを分離してい
る。しかし、干渉フィルタの特性上散乱光を完全に分離
することは困難である。また、ゲル及びガラス製チュー
ブ自体からも微弱ながらも蛍光が生じることがあり、バ
ンドパス干渉フィルタ等の分光のみでは十分に背景光を
除去することは困難である。
【0007】第2の従来例では、バンドパス干渉フィル
タ等で分光して蛍光検出することに加えて、キャピラリ
ーの軸をレーザ光の照射軸と蛍光集光軸とを含む平面に
対して垂直から25度程度傾斜させることで、レンズで
集光されるキャピラリーからの散乱光の割合を少なくし
ている。しかし、背景光の除去は十分とはいえない。例
えば、キャピラリーはその断面が円であり、励起光が散
乱しやすい形状である。また、キャピラリー径が小さい
ために散乱光の発生するキャピラリー内壁や外壁と試料
からの蛍光が発生する位置とが非常に近接し、空間的に
両者を分離することが困難になる。さらに、ゲルによる
散乱光・蛍光は上記方法では除去できない。また、泳動
方向に濃縮されてくる試料に対して斜めに励起光が照射
されるため、分離能が悪くなりやすいという問題もあ
る。
【0008】
【0009】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、電気泳動により分離される試料の蛍光測定
または光吸収測定を高感度で簡便に行うことのできる電
気泳動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、蛍光体で標識された核酸断片等の試料を
電気泳動により分子量分離し、分子量分離された前記試
料を光学的に検出して試料を解析する電気泳動装置にお
いて、電気泳動路を、ゲルを充填した分子量分離部と、
電解液で満たされた光学的検出部とで構成する装置を提
供するものである。
【0011】上記の分子量分離部はキャピラリーゲルで
構成することが望ましい。また、電解液で満たされた光
学的検出部は、2本のキャピラリーをその軸をほぼ一致
させて直線的に配置し、相対向するキャピラリー端をキ
ャピラリーの軸方向に一定のギャップを保って密接させ
ることによって形成することができる。この場合、少な
くとも電気泳動路の上流側に位置する一方のキャピラリ
ーが分子量分離部となり、ギャップの空間部が光学的検
出部となる。この光学的検出部において試料による蛍
光、あるいは光吸収を測定する。
【0012】また、ギャップの長さを1mm以下になる
ように構成するものである。なお、ギャップは、電気泳
動路の径より大きな内部寸法を有する光学セル内部に保
持することが望ましい。また、複数のキャピラリー対に
よって形成される複数の光学的検出部が、互いに電解液
を介して連結されるように構成することもできる。
【0013】さらに、複数本のキャピラリーによる複数
の光学的検出部を1列に配置し、単一の励起光をこの列
方向に照射して上記複数の光学的検出部を同時に照射す
ることにより、上記複数の光学的検出部で同時に蛍光測
定を行うように構成することもできる。
【0014】
【作用】蛍光体で標識された核酸断片等の試料を電気泳
動により分子量分離し、分子量分離された前記試料を光
学的に検出して試料を解析する電気泳動装置において、
電気泳動路を、ゲルを充填した分子量分離部と、ゲル外
部の電解液で満たされた光学的検出部とで構成し、試料
の蛍光または光吸収測定をゲルの無い電解液中で行うこ
とで、ゲルによる散乱光及び蛍光、並びにキャピラリー
等のゲル支持体からの散乱光及び蛍光の発生を回避する
ことができ、高感度な蛍光または光吸収検出が可能とな
る。なお、ゲルからなる分子量分離部を設けることで、
従来通り、電気泳動による分子量分離を行うことができ
る。
【0015】なお、分子量分離部をキャピラリーゲルで
構成することによって、高速分離が可能になる。また、
2本のキャピラリーをその軸をほぼ一致させて直線的に
配置し、相対向するキャピラリー端をキャピラリーの軸
方向に一定のギャップを保って密接させることにより、
簡便に分子量分離部と光学的検出部を構成することがで
きる。この場合、上記ギャップ空間が試料の蛍光または
光吸収を測定する光学的検出部となり、このギャップ空
間に電解液を満たすことで電気泳動が可能になり、ゲル
及びキャピラリーからの散乱光等の背景光を除くことが
できる。また、少なくとも一方のキャピラリーにゲルを
作成することで容易に分子量分離部が構成できる。
【0016】ギャップ長は0.1mmから1mmとする
のが好ましい。一般にギャップ長を短くすればするほど
試料がギャップ空間を泳動しやすくなるため、基本的に
ギャップ長は短い方が好ましい。しかしながら、装置を
組立てる上で、ギャップ長が短すぎるとその調整が難し
くなるため、通常現実的には0.1mm以上が好まし
い。ただし、0.1mm以下に設定することも可能であ
って、その限界は、ギャップ部でのレーザ光等の励起光
束の幅により決定される。また逆に、ギャップ長を長く
すると、試料はギャップ空間を直線的に泳動せずに、ギ
ャップ部を拡散し、他方のキャピラリー等に泳動されな
くなる。ギャップ長が2〜3mm程度であれば、試料が
正常に泳動できることを確認したが、泳動電圧等の条件
によっては正常に泳動しなくなるため、実際的にギャッ
プ長は1mm程度以下が好ましい。つまり、ギャップ長
を0.1mmから1mmとすることで、試料を簡便に効
率よく電気泳動させることができる。
【0017】また、ギャップを形成するキャピラリー端
を、電気泳動路の径より大きな内部寸法、例えばキャピ
ラリーの外径より大きな光路長及び光路幅を有する光学
セル内部に保持し、その内部を電解液で満たして試料を
電気泳動させることにより、試料はキャピラリーとキャ
ピラリーとを結ぶ線上を泳動し、光学セル内面と接触し
ないため、セル内面への吸着、及びセル内面からの散乱
光の影響を除去することができ、検出感度を向上させる
ことができる。
【0018】また、複数のキャピラリー対の各ギャップ
空間によって形成される複数の光学的検出部を、1つの
光学セル内部に保持するなどして互いに電解液を介して
連結させることにより、同時に複数の試料をほぼ同一条
件で検出することが可能になる。さらに、複数のキャピ
ラリー対を1列に配置することで、試料から発せられる
蛍光を測定する光学的検出部が列状に形成され、単一の
励起光により複数の光学的検出部を同時に照射して同時
に蛍光測定することが可能になる。さらに、複数の光学
的検出部を互いに電解液を介して連結させることによ
り、光散乱の少ない電解液を通して励起光を効率良く各
光学的検出部に導くことができ、高精度に蛍光を検出す
ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。 〔実施例1〕本実施例では、蛍光標識したDNA断片を
電気泳動により分子量分離し、蛍光によって検出を行
う。標識用の蛍光体として、フルオレセイン・イソチオ
シアネート(FITC)を使用する場合について説明す
る。
【0020】図1に、本実施例の電気泳動装置の構成図
を示す。内径100μm、外径375μm、長さ30c
mのシリカ製のキャピラリー1及びそれと同じ内外径を
有する長さ5cmのシリカ製のキャピラリー2の2本を
使用する。キャピラリー1には、変性剤の尿素を含む5
%ポリアクリルアミドゲルを作成する。まず、キャピラ
リー内部を洗浄し、シランカップリング処理する。次い
で、脱気した4.75%のアクリルアミド、0.25%
のビスアクリルアミド、7Mの尿素、2mMのEDTA
を含むトリス、ほう酸緩衝液にテトラメチルエチレンジ
アミン、過硫酸アンモニュウム溶液を加えキャピラリー
に注入して重合させ、アクリルアミドゲルを作成する。
キャピラリーはシランカップリング処理されているた
め、アクリルアミドゲルとキャピラリーとは化学的に結
合しており、泳動時にキャピラリーからゲルがはみでる
ことがない。
【0021】また、キャピラリー2はその内面が正の電
荷を有するように調整する。まず、キャピラリーに3−
(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン溶液を注入して反応させ、110℃で熱処理して、キ
ャピラリー内面をアミノシラン化して正の電荷を有する
ようにする。このようにすることでキャピラリー2内部
の電気浸透流の向きが負極から正極の向きになり、アク
リルアミドゲルを充填したキャピラリー1での試料の泳
動方向(負極→正極)と、キャピラリー2での試料の移
動方向(負極→正極)が一致し、試料の泳動が容易にな
る。
【0022】このキャピラリー1及び2のそれぞれの一
端を、光学セル内部に対向保持して試料を光学的に検出
する。ここでは蛍光により試料を検出するため、光学セ
ルとして蛍光セルを使用する。つまり、上記キャピラリ
ー1及び2のそれぞれの一端を角形の石英製蛍光セル4
(外形3mm角、内形1mm角)内部に、同軸に且つ
0.1mmのギャップ3を形成して対向させて保持し、
ギャップ空間を光学的検出部とする。なお、キャピラリ
ー1及びキャピラリー2のそれぞれの他端は、緩衝液
(トリス、ほう酸、EDTAを含む緩衝液)を入れた陰
極側電極槽5及び陽極側電極槽6に浸す。また、石英製
蛍光セル4内部にグリセリンを含む緩衝液を注入して、
ギャップ3を緩衝液で満たし、高電圧電源7により、陰
極側電極槽5と陽極側電極槽6の間に直流高電圧を印加
する。
【0023】電圧印加により、キャピラリー2、ギャッ
プ3、及びキャピラリー1内を電流が流れる。ギャップ
3の長さは短く、ギャップ3ではキャピラリー2とキャ
ピラリー1の軸を結んだ線上を中心に電流が流れる。そ
のため、電気泳動される試料もキャピラリー1から流れ
出て、ギャップ3内をあまり拡散することなく通過し、
キャピラリー2に流れ込むことになる。つまり、試料は
蛍光セル4の内面に接触せずに泳動することになる。な
お、蛍光セル4内部つまりギャップ3にはグリセリンを
含む緩衝液を注入したが、グリセリンの添加は、緩衝液
の粘度が高まることによる対流の影響の低減、及びギャ
ップ3での電界強度の向上を目的とするものである。緩
衝液の対流を抑え、また電界強度を高めることにより、
試料のギャップ3内での拡散が抑えられ、試料をキャピ
ラリー1からキャピラリー2に容易に確実に泳動させる
ことができるようになる。
【0024】本例では上記目的のためにグリセリンを使
用したが、粘性が高く電気泳動に使用できる物質であれ
ば同様に使用できる。例えば、ポリエチレングリコー
ル、シュークロースなどが使用できる。なお、ギャップ
3が狭ければ、グリセリン等を含まない通常の緩衝液で
も十分使用可能である。試料である蛍光標識DNA断片
の導入は、陰極側のキャピラリー1の端を一時的に試料
液に浸し、試料液と陽極側電極槽6の間に5kVの電圧
を20秒間程度印加することで行う。その後キャピラリ
ー1の端を元の陰極側電極槽5に戻し、陰極側電極槽5
と陽極側電極槽6の間に10kVの直流電圧を印加する
と、試料はキャピラリー1内で陰極側から陽極側に向か
って分子量分離されつつ泳動され、ギャップ3を通過す
る。
【0025】ギャップ3を通過するDNA断片に対し
て、アルゴンレーザ光源8の波長488nmのレーザ光
9をレンズ10により20μm程度に絞って照射する。
DNA断片から発せられた蛍光11は、レーザ光照射方
向と垂直方向からレンズ12で集光され、干渉フィルタ
13で散乱光などの背景光を除去され、レンズ14でス
リツト15に結像される。スリツト15を通過する光を
光電子増倍管16で検出し、増幅器17で増幅し、コン
ピュータ等のデータ処理装置18で泳動パターン等を処
理し、それらの結果をモニタ19、プリンタ20に出力
し、またメモリ21に保存する。
【0026】干渉フィルタ13としては、FITCから
の蛍光を効果的に検出するため、500nm〜540n
mの波長域を通過するバンドパス干渉フィルタを使用す
る。また、像倍率が等倍になるようにレンズ系12、1
4を構成する。そしてスリット15の開口部を泳動方向
に50μm、レーザ光照射方向に100μmとし、ギャ
ップ3における蛍光像が開口部の中心にくるように調整
する。試料はギャップ3の近傍のみを泳動するため、こ
のように光学系を構成することで、レーザ光の石英製蛍
光セル4部での散乱光はスリット15の開口部に結像さ
れず光電子増倍管16で検出されなくなる。また、キャ
ピラリー及びゲルからの散乱光、蛍光も発生しないた
め、背景光強度が大幅に低減する。
【0027】図2は、蛍光セル部の拡大断面図である。
石英製蛍光セル4は、キャピラリー保持具23a及び2
3bで押さえられて固定される。また、蛍光セル4と保
持具23a及び23bの間に、シリコーンゴムパッキン
22a及び22bを挟むことにより、液漏れを防ぐ構造
とする。キャピラリー1は四ふっ化エチレン樹脂製のフ
ェラル24aと押しネジ25aで、キャピラリー保持具
23aに固定する。同様にキャピラリー2もフェラル2
4bと押しネジ25bで固定する。キャピラリー1とキ
ャピラリー2の間隔は、キャピラリーのフェラルからの
長さを規定することで自由に調整することができ、本実
施例では前述のように0.1mmとする。なお、蛍光セ
ル部には別に緩衝液などを注入するための導入口が設け
られており、また、それにはバルブ26a及び26bが
接続されている。これは、キャピラリーを固定した後、
蛍光セル4内に緩衝液を満たすのに使用される。なお、
緩衝液等の導入口は蛍光セルの保持具の部分に設けるこ
ともできる。
【0028】本実施例の装置により、蛍光標識DNA断
片計測を試みる。蛍光標識DNA断片は、周知のサンガ
ー(Sanger)らのジデオキシ法により、蛍光標識
したプライマーを使い、DNAポリメラーゼ反応を行う
ことで調製する。プライマーとして、フルオレセイン・
イソチオシアネート(FITC)が結合したプライマー
(標識プライマー)を使用する。まず、一本鎖DNAに
標識プライマーを加え、アニールして、一本鎖DNAに
標識プライマーを結合させる。次にdATP、dTT
P、dCTP、dGTP及びddATPを加え、DNA
ポリメラーゼ反応を行わせる。以上の操作で、末端がA
の種々の長さの蛍光標識DNA断片を得る。
【0029】上述のように試料をキャピラリーに導入
し、ギャップ空間での蛍光強度を測定することで、DN
A断片の分子量分離パターンを計測することができる。
しかも、図6の従来例のようにギャップを形成させるこ
となく蛍光検出する場合、例えば、長さ35cmの同様
の形状のキャピラリーを使い、泳動距離が30cmのと
ころのキャピラリーの保護膜をはがし、この部分で蛍光
検出する場合に比べ、本実施例では、検出される背景光
強度が1/10程度以下になり、より低濃度の試料を検
出できるようになる。
【0030】本実施例によれば、ゲルを使用して分子量
分離特性を損なうことなく、高感度に試料を検出するこ
とができるようになる。しかも、蛍光検出用の蛍光セル
内の特定の部分のみに試料を泳動させることができ、簡
便に装置を構成することができる。なお、使用するレー
ザ装置及び蛍光体は、アルゴンレーザ及びFITCに限
られるものではなく、任意の蛍光体及び適当なレーザ装
置が使用できる。また、1種の蛍光体だけでなく、同時
に2種以上の蛍光体からの蛍光を検出することも可能で
ある。その場合には、例えば図1においてレンズ12、
干渉フィルタ13、レンズ14、スリット15及び光電
子増倍管16からなる光検出装置の組を蛍光体の数に一
致する数だけ設け、それぞれが別々の波長域の蛍光を検
出するようにすればよい。または、蛍光を分光器に導
き、ラインセンサで受光することによっても可能であ
る。
【0031】この装置を応用することで、DNAの塩基
配列も決定できる。つまり、末端塩基の種類毎に、異な
る蛍光体で標識したプライマーを使用し、それぞれDN
Aポリメラーゼ反応を行わせた後、反応液を混合し、電
気泳動させる。そして、ギャップ空間を通過するDNA
断片の蛍光を検出し、そのときの蛍光体の種類を識別す
ることで塩基種が同定でき、塩基配列が決定できる。な
お、蛍光体の種類を識別するには、図1において前述の
ように4種の蛍光波長域を検出する4組の光検出装置を
設ける等すればよい。
【0032】なお、本実施例では、DNA断片の測定を
例にして説明したが、蛋白、糖等の分析にも当然のこと
ながら使用できる。また、本実施例では2本とも同じ内
径のキャピラリーを使用したが、異なる内径のキャピラ
リーの組合せも可能である。例えば、キャピラリー1の
内径よりキャピラリー2の内径を細くすれば、キャピラ
リー1端から泳動される試料がキャピラリー2に導入さ
れる時に絞られるため、試料液の濃度が高くなり、より
高感度に検出することができる。またキャピラリー1の
内径よりキャピラリー2の内径を太くすれば、キャピラ
リー1端から泳動される試料をより容易にかつ確実にキ
ャピラリー2に導入させることができる。
【0033】さらに、本実施例によれば、励起光をキャ
ピラリー部を透過させることなく試料からの蛍光を測定
できることから、キャピラリーが透明である必要はな
い。つまりキャピラリーの被覆を除去する必要がないた
め、取り扱いが容易になる。さらに四ふっ化エチレン樹
脂や三ふっ化塩化エチレン樹脂などの不透明なふっ素樹
脂製のキャピラリー等種々の材質のキャピラリーを使用
することも可能となる。ふっ素樹脂製のキャピラリーは
試料の吸着が少ないため、表面処理等の処理操作が不必
要であり、また破損がないため、操作性が向上する。ま
た耐薬品性に優れるので、幅広いpH範囲の溶媒を使用
することが可能になる。
【0034】〔実施例2〕次に、キャピラリーを4本並
べて同時に蛍光検出する装置について説明する。図3
は、本実施例の電気泳動装置の蛍光検出部の構成図であ
る。27a、27b、27c及び27dは内径100μ
m、外径375μm、長さ30cmのシリカ製のキャピ
ラリーであり、一端は(省略しているが)図1と同様に
陰極側電極槽に浸されている。また同様に、28a、2
8b、28c及び28dは上記と同じ内外径を有する長
さ5cmのシリカ製のキャピラリーであり、一端が陽極
側電極槽に浸されている。
【0035】これらのキャピラリーには、第1の実施例
と同様の手法で変性剤の尿素を含む5%ポリアクリルア
ミドゲルを作成する。また各キャピラリーにはシランカ
ップリング処理を施し、アクリルアミドゲルとキャピラ
リーとを化学的に結合させ、泳動時にキャピラリーから
ゲルがはみでないように配慮する。この27a〜27d
のキャピラリーと28a〜28dのキャピラリーは、角
形の石英製蛍光セル30の内部に、第1の実施例と同様
に一定間隔のギャップ29a〜29dを保持して固定さ
れ、複数の光学的検出部を形成する。
【0036】キャピラリーの固定は、ふっ素樹脂、例え
ば四ふっ化エチレン樹脂製のブロックに一直線上に1m
m間隔で4箇所の垂直孔を設けたキャピラリー保持具4
2及び43を使う。4箇所の垂直の孔に、1本ずつキャ
ピラリーを差し込み、27aと28a、27bと28
b、27cと28c、27dと28dがそれぞれ同軸に
なるようにし、また、ギャップ29a〜29dの長さが
それぞれ0.2mmになるように調整する。
【0037】蛍光測定時には、石英製蛍光セル30内部
にグリセリンを含む緩衝液を注入し、ギャップ29a〜
29dを緩衝液で満たす。この状態で電圧を印加する
と、キャピラリー27aに導入された試料はギャップ2
9aへ、次にキャピラリー28aへと泳動していく。他
のキャピラリーに導入された試料も同様に泳動される。
なお、緩衝液中のグリセリンは第1の実施例と同様にギ
ャップ部の緩衝液の対流を抑え、試料をキャピラリー2
7a〜27dからキャピラリー28a〜28dへ確実に
かつ容易に泳動させるために使用される。
【0038】ギャップ29a〜29dを通過するDNA
断片の蛍光検出は次のように行う。まず、蛍光体励起用
のレーザ光源31からのレーザ光32をレンズ33によ
り絞り、複数の光学的検出部即ちギャップ29a〜29
dを同時に照射するようにする。焦点の位置は、ギャッ
プ29bと29cの中間に設定し、ギャップ29a〜2
9dの間で照射スポットサイズが最大直径100μmと
なるように調整する。例えば、レンズ33として焦点距
離が150mm程度のレンズを使用することでギャップ
29a〜29dをほぼ同じスポットサイズで照射するこ
とができる。
【0039】各ギャップを通過するDNA断片から発せ
られた蛍光44は、レーザ光照射方向と垂直の方向から
レンズ34で集光し、干渉フィルタ35で散乱光などの
背景光を除去し、レンズ36で集光し、CCDカメラや
ホトダイオードアレイ等のラインセンサ37面に結像さ
せる。ラインセンサ37の出力から、コンピュータ等の
データ処理装置38で泳動パターン等のデータ処理を行
い、それらの結果をモニタ39、プリンタ40に出力す
る。また、データはメモリ41に保存する。
【0040】レーザ光として波長488nmのアルゴン
レーザ光を、試料としてFITC溶液を使用し、各キャ
ピラリー27a〜27d内を連続的に泳動させる。光学
的検出部であるギャップ空間を泳動する試料の蛍光像を
ラインセンサ37で検出すれば、ギャップ29a〜29
dの4箇所、つまり各泳動路に対応する光学的検出部で
は、互いに他の光学的検出部と独立して強い蛍光が検出
されることになる。ラインセンサ上の各泳動路に対応す
る部分の信号強度を計測することで、それぞれのキャピ
ラリーを泳動する試料を連続的にさらに同時に検出する
ことができる。
【0041】本実施例により、複数の光学的検出部にお
いて同時に、またほぼ同一条件で泳動する試料からの蛍
光を検出することができ、例えば、DNAの塩基配列決
定、多試料DNAの塩基配列同時決定、蛍光体を利用し
た側鎖あるいは官能基の解析、液体クロマトグラフィー
で分離された試料の詳細な解析等の多項目にわたる解析
が可能となる。また、レンズ等の蛍光集光部が1個で済
むため、安価にしかも小型に構成することができる。
【0042】さらに、本実施例のようにキャピラリー対
を1列に配して各ギャップ空間を一直線上に並べ、レー
ザ光をキャピラリーの存在しない各ギャップ空間に沿っ
て照射することにより、レーザー光がキャピラリーによ
る散乱または屈折を受けないため、各ギャップ空間をほ
ぼ同一強度、同一照射スポットサイズで照射することが
でき、効率よく複数の試料を励起することができ、複数
の試料を高感度に検出する装置を簡便に構成することが
できる。ギャップ部を設けずに複数のキャピラリーを並
べて同様の蛍光検出を行う場合、例えば、図6の従来例
と同様なキャピラリーを複数本使用し、被覆を除去した
部分をレーザー光の照射軸上に順に並べて蛍光検出を行
うような場合、個々のキャピラリーを通過する度にレー
ザ光が散乱または屈折をうけ、レーザ光路が曲がった
り、レーザ光束が拡がってしまい、各キャピラリーを同
一条件で照射することができなくなり、特に後側のキャ
ピラリーに対しては十分な励起レーザ光強度が得られな
くなる。そのため、このような場合キャピラリーを複数
本並べることは困難になる。しかし、本実施例の構成の
場合、キャピラリーを複数本並べてもそれぞれのキャピ
ラリー内を泳動する試料をすべて同一条件でしかも高感
度に検出することができることになる。そのため、多数
の試料の同時計測を容易に達成することができる。
【0043】次に、本装置でDNAの塩基配列を決定す
る方法について説明する。周知のサンガー(Sange
r)らのジデオキシ法により、蛍光標識したプライマー
を使い、DNAポリメラーゼ反応を行って蛍光標識DN
A断片を調製する。プライマーとして、FITCが結合
したプライマー(標識プライマー)を使用する。まず、
一本鎖DNAに標識プライマーを加え、アニール(2本
鎖形成)して、一本鎖DNAに標識プライマーを結合さ
せる。この反応液を4分割し、それぞれにA、C、G、
Tに対応したDNAポリメラーゼ反応を行わせる。つま
り、標識プライマーの結合した一本鎖DNAに4種のデ
オキシヌクレオチド三りん酸(dATP、dTTP、d
CTP、dGTP)とターミネータとなるddATPを
加えポリメラーゼ反応を行わせる。この反応により、末
端がAの種々の長さの蛍光標識DNA断片を得る。同様
の反応をC、G、Tについても行う。
【0044】上述のようにして得られる4つのA、C、
G、Tの反応液を、それぞれ4つのキャピラリー27a
〜27dに導入する。導入法は第1の実施例と同様で、
A反応液を27aに、C反応液を27bに、G反応液を
27cに、T反応液を27dに導入する。導入後約10
kVの電圧を印加することで電気泳動させる。波長48
8nmのアルゴンレーザ光を励起光として、各ギャップ
29a〜29dでの蛍光強度の時間変化を測定する。D
NA断片は分子量の小さい順に泳動されることから、蛍
光ピークの生じたギャップ位置を時間順に解析すること
で塩基配列が解析できる。
【0045】本実施例でも、第1の実施例と同様に検出
される背景光強度が少なくなり、高感度に蛍光強度を検
出することができる。しかも簡便な装置構成で複数の試
料を同時に検出することができる。各塩基毎に蛍光体の
種類を変えて、A、C、G、Tの各反応液を混合し、任
意の1本のキャピラリーに注入し、各蛍光体の蛍光波長
毎の蛍光強度の時間変化を複数のキャピラリーのそれぞ
れについて検出する装置構成とすれば、多数の試料のD
NAの塩基配列を同時に計測することが可能になる。
【0046】〔実施例3〕上記第1の実施例及び第2に
実施例では、蛍光測定により試料を検出する装置につい
て説明したが、吸光度の測定、透過光強度の測定などの
光吸収測定の場合も同様に装置を構成することができ
る。図4に、光吸収測定の場合の電気泳動装置の構成図
を示す。泳動路として、内径100μm、外径200μ
m、長さ30cmのシリカ製のキャピラリー51及びそ
れと同じ内外径を有する長さ20cmのシリカ製のキャ
ピラリー52の2本を使用する。キャピラリー51及び
52には、変性剤の尿素を含む5%ポリアクリルアミド
ゲルを作成する。ゲルの作成方法は第1の実施例と同様
であり、シランカップリング処理したキャピラリーにア
クリルアミドゲルを化学的に結合させた。
【0047】このキャピラリー51及び52のそれぞれ
の一端を、第1の実施例と同様に光学セル54の内部に
保持して試料の吸収に基づく透過光強度を測定する。光
学セル54としては上下端が解放している4面透明の角
形の光学セル(外形3mm角、内形1mm角)を使用
し、第1の実施例の図2と同様の構成で、上記キャピラ
リー51及び52のそれぞれの一端を、光学セル54の
内部に、同軸にかつ0.2mmのギャップ53を形成す
るように保持する。
【0048】ギャップ53空間を光学的検出部とする。
なお、キャピラリー51及びキャピラリー52のそれぞ
れの他端は、緩衝液(トリス、ほう酸、EDTAを含む
緩衝液)を入れた陰極側電極槽5及び陽極側電極槽6に
浸す。光学セル54の内部には緩衝液を注入してギャッ
プ53を緩衝液で満たし、高電圧電源7により、陰極側
電極槽5と陽極側電極槽6の間に直流高電圧を印加す
る。電圧印加により、キャピラリー52、ギャップ5
3、及びキャピラリー51内を電流が流れ、試料がキャ
ピラリー51、ギャップ53、及びキャピラリー52と
順に泳動する。
【0049】試料、例えばDNAの制限酵素切断断片の
導入は、陰極側のキャピラリー51の端を一時的に試料
液に浸し、試料液と陽極側電極槽の間に5kVの電圧を
10秒間程度印加することで行う。その後キャピラリー
の端を元の陰極側電極槽に戻し、陰極側電極槽と陽極側
電極槽の間に10kVの直流電圧を印加することで、試
料は、キャピラリー51部で陰極側から陽極側に向かっ
て分子量分離されつつ泳動され、ギャップ53を通過
し、キャピラリー52に導かれる。
【0050】ギャップ53を通過するDNA断片に対し
て、キセノンランプやD2 ランプ等の光源55の光をモ
ノクロメータ56を通し、レンズ57で集光し、ギャッ
プ53を照射する。照射する光波長は試料の吸収波長に
設定するのが通常であり、例えばDNA断片に対して
は、260nm程度が適当である。DNA断片により光
吸収を受け透過した光は、再びレンズ58で集光されて
光電子増倍管59で検出される。光電子増倍管59から
の出力信号は増幅器60で増幅され、コンピュータ等の
データ処理装置61で泳動パターン等を処理され、それ
らの結果はモニタ62、プリンタ63に出力され、また
メモリ64に保存される。
【0051】本実施例のように、緩衝液を満たしたギャ
ップをキャピラリー間に設け、キャピラリー部を分子量
分離部、ギャップ空間を吸光度を測定する光学的検出部
と分けることで、照射光がキャピラリーで散乱されるこ
となく試料を効率よく照射することができ、高精度な吸
光度測定が可能になる。具体的には、本実施例のように
ギャップ部に光を入射させた時の透過光強度(試料が通
過しない場合で受光用のレンズの開口数が0.19の場
合)を1とすると、従来のようにキャピラリーを透過さ
せる場合はその透過光強度が0.6程度に低下する。こ
れはキャピラリー自体及び電気泳動で分子量分離させる
ための媒体であるポリアクリルアミドゲル等のゲルが光
の散乱体であるため、その部分で入射光が散乱され、そ
の結果透過光が減少するためである。透過光強度が低下
することはその分だけ光検出器等のS/Nが低下するこ
とを意味し、測定精度が低下する。また、キャピラリー
の表面等で散乱や反射した光もその一部が検出されてし
まうが、これらの光は試料を照射することなく(試料に
よる吸収を受けずに)直接検出器に入射する。このよう
な試料の存在にかかわらずに検出される光成分がある
と、微小な光強度変化が測定しにくくなり、つまり精度
の高い吸光度測定が困難になる。
【0052】本実施例では、光はギャップ空間を通過す
る、つまり光散乱の極めて少ない緩衝液中を透過するた
め、上記のようなキャピラリー自体及びゲル等による光
散乱の影響を受けることがなくなる。そのため、試料が
効率よく照射され、高精度な吸光度測定が可能になる。
なお、本実施例では、モノクロメータ56を通した光
を、レンズによりギャップ部に集光して照射している
が、集光せずにほぼ平行光として照射し、ギャップ部を
通過した光のみを空間的に分離してその光強度を測定す
ることでも同様に測定が可能である。
【0053】また、第2の実施例のように複数のキャピ
ラリー対を設け、同時に複数の試料の吸収を計測するこ
とも可能である。この場合、光の照射軸に対して垂直な
面内に複数のキャピラリー対を配置し、複数のギャップ
の個々の透過光強度を2次元センサ等で検出する装置構
成とすればよい。 〔実施例4〕上記第1から第3の実施例では、キャピラ
リー対によりギャップを形成したが、ギャップはキャピ
ラリー対のみによって形成されるものではない。例え
ば、分子量分離部を上記実施例と同じくキャピラリーと
し、このキャピラリー端と細孔を有した平板とでギャッ
プを形成することもできる。
【0054】図5にキャピラリーと細孔を有した平板と
でギャップを形成した蛍光セル部の拡大断面図を示す。
第1の実施例と同様にポリアクリルアミドゲルを充填し
たキャピラリー71と細孔72を有する平板73(例え
ば四ふっ化エチレン樹脂製の平板)を、キャピラリー7
1の軸と細孔72の軸がほぼ一致するように対向させて
配置し、ギャップ74を形成させる。これらを蛍光セル
75の内部に保持する。蛍光セルは、上下端が開放して
いる例えば外形3mm角、内形1mm角の角形の蛍光セ
ルであり、上部から例えば四ふっ化エチレン樹脂製のブ
ロック76で押さえ、また下部からは平板73で押さえ
て固定され、セル内に緩衝液などを保持できるようにす
る。四ふっ化エチレン樹脂製ブロック76にはキャピラ
リー71の外形に一致する孔が設けられており、その孔
にキャピラリー71を通してキャピラリー71を保持
し、また、ギャップ74の長さが0.1mmから1mm
となるように調整できるようにする。キャピラリー71
の他端は第1の実施例と同様に陰極側電極槽に浸され
る。また平板73の下部には、チューブ固定具78によ
り四ふっ化エチレン樹脂製チューブ77を接続し、陽極
側電極槽に導かれる。なお、直接平板73を陽極側電極
槽に接触させてもよい。
【0055】なお、図5では図示していないが図2と同
様に蛍光セル75の内部に緩衝液等を注入するための注
入口が設けられており、泳動時にはバルブなどを介して
緩衝液を注入して蛍光セル75の内部及びギャップ74
空間及び四ふっ化エチレン樹脂製チューブ77を満た
し、緩衝液の注入を止めた後、試料を電気泳動させる。
本実施例によれば、第1の実施例と同様に背景光強度の
少ない蛍光検出ができ、試料の高感度蛍光検出が可能に
なる。
【0056】また、平板73に複数の細孔を一直線上に
配置すれば、第2の実施例と同様の効果を有する蛍光セ
ル部を構成することもできる。また、本実施例によれ
ば、一方が平板73であるため、装置の組立てが容易に
なる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、光学測定をキャピラリ
ーゲル等の分子量分離部の外で行うことにより、背景光
等の影響の少ない高感度な蛍光または光吸収計測が可能
な電気泳動装置が実現できる。また、ゲル電気泳動での
分子量分離性能を損なうことなく、電解液からなる蛍光
または光吸収測定部を簡便に構成でき、容易に装置化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の電気泳動装置の構成
図。
【図2】 本発明の第1の実施例の蛍光セル部の拡大断
面図。
【図3】 本発明の第2の実施例の電気泳動装置の蛍光
検出部の構成図。
【図4】 本発明の第3の実施例の電気泳動装置の構成
図。
【図5】 本発明の第4の実施例の蛍光セル部の拡大断
面図。
【図6】 従来例のキャピラリーを使った電気泳動装置
の蛍光測定部の構成図。
【符号の説明】
1…キャピラリー、2…キャピラリー、3…ギャップ、
4…蛍光セル、5…陰極側電極槽、6…陽極側電極槽、
7…高電圧電源、8…アルゴンレーザ光源、9…レーザ
光、10…レンズ、11…蛍光、12…レンズ、13…
干渉フィルタ、14…レンズ、15…スリット、16…
光電子増倍管、17…増幅器、18…データ処理装置、
19…モニタ、20…プリンタ、21…メモリ、22a
及び22b…シリコーンゴムパッキン、23a及び23
b…キャピラリー保持具、24a及び24b…フェラ
ル、25a及び25b…押しネジ、26a及び26b…
バルブ、27a、27b、27c及び27d…キャピラ
リー、28a、28b、28c及び28d…キャピラリ
ー、29a、29b、29c及び29d…ギャップ、3
0…蛍光セル、31…レーザ光源、32…レーザ光、3
3…レンズ、34…レンズ、35…干渉フィルタ、36
…レンズ、37…ラインセンサ、38…データ処理装
置、39…モニタ、40…プリンタ、41…メモリ、4
2及び43…キャピラリー保持具、44…蛍光、51…
キャピラリー、52…キャピラリー、53…ギャップ、
54…光学セル、55…光源、56…モノクロメータ、
57…レンズ、58…レンズ、59…光電子増倍管、6
0…増幅器、61…データ処理装置、62…モニタ、6
3…プリンタ、64…メモリ、71…キャピラリー、7
2…細孔、73…平板、74…ギャップ、75…蛍光セ
ル、76…四ふっ化エチレン樹脂製のブロック、77…
四ふっ化エチレン樹脂製チューブ、78…チューブ固定
具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 27/26 315K

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】泳動分離媒体が充填される複数の第1のキ
    ャピラリーと、前記複数の第1のキャピラリーの一端が
    内部に配置され、溶液が満たされる光学セルと、前記複
    数の第1のキャピラリーの前記一端の外を光照射する光
    照射手段と、光照射された部位を通過する試料の検出を
    行う光検出手段とを有することを特徴とする電気泳動装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記溶液が緩衝液であることを特徴とする電気泳動装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記泳動分離媒体がポリアクリルアミドであることを特
    徴とする電気泳動装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記光学セルの内部に前記複数の第1のキャピラリーの
    各キャピラリーの一端と対向して第2のキャピラリーを
    それぞれ配置して、前記複数の第1のキャピラリーの一
    端と前記複数の第2のキャピラリーの一端とが所定の間
    隙をもって配置されることを特徴とする電気泳動装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記光学セルに、複数の細孔を有する平板を前記試料の
    泳動方向と交叉する方向に配置し、前記複数の細孔と前
    記複数の第1のキャピラリーの一端とが所定の間隙をも
    って配置されることを特徴とする電気泳動装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5に記載の電気泳動装
    置において、前記所定の間隙が3mm以下であることを
    特徴とする電気泳動装置。
  7. 【請求項7】請求項4又は請求項5に記載の電気泳動装
    置において、前記所定の間隙が1mm以下であることを
    特徴とする電気泳動装置。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記光検出手段は前記試料を標識する蛍光体から発する
    蛍光を検出することを特徴とする電気泳動装置。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の電気泳動装置において、
    前記光検出手段は前記試料による吸光を検出することを
    特徴とする電気泳動装置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の電気泳動装置におい
    て、前記複数のキャピラリーの一端が直線上に配置さ
    れ、前記光照射手段は前記直線に平行な方向から光照射
    することを特徴とする電気泳動装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の電気泳動装置におい
    て、前記光検出手段は前記試料を標識する蛍光体から発
    する蛍光を前記直線と交叉する方向より検出することを
    特徴とする電気泳動装置。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の電気泳動装置におい
    て、前記溶液が、グリセリン、ポリエチレングリコー
    ル、シュークロースのいずれかを添加した緩衝液である
    ことを特徴とする電気泳動装置。
  13. 【請求項13】試料を泳動分離する泳動分離媒体が充填
    され、一端が緩衝液の中に配置される複数のキャピラリ
    ーと、前記複数のキャピラリーの一端の近傍の緩衝液に
    光の照射を行う光照射手段と、前記複数のキャピラリー
    を泳動し分離され前記緩衝液の中を通過する前記試料の
    検出を行う光検出手段とを有することを特徴とする電気
    泳動装置。
  14. 【請求項14】泳動分離媒体が充填される複数のキャピ
    ラリーと、前記複数のキャピラリーの一端が内部に配置
    され、緩衝液が満たされる光学セルと、前記複数のキャ
    ピラリーの一端の外を光照射する光照射手段と、光照射
    された部位を通過する試料の検出を行う光検出手段とを
    有することを特徴とする電気泳動装置。
  15. 【請求項15】蛍光標識された試料を泳動分離する泳動
    分離媒体が充填された複数のキャピラリーと、泳動分離
    された前記試料にレーザー光を照射する光照射手段と、
    前記レーザー光の照射により前記蛍光標識から発する蛍
    光を検出する光検出器と、前記光照射手段と前記光検出
    器に対応する位置で前記複数のキャピラリーを一列に保
    持する保持具とを具備し、前記光照射手段は前記複数の
    キャピラリーの列方向に前記レーザー光を照射すること
    を特徴とする電気泳動装置。
  16. 【請求項16】蛍光標識された試料を泳動分離する泳動
    分離媒体が充填された複数のキャピラリーと、泳動分離
    された前記試料にレーザー光を照射する光照射手段と、
    前記レーザー光の照射により前記蛍光標識から発する蛍
    光を検出する光検出器と、前記光照射手段と前記光検出
    器に対応する位置で前記複数のキャピラリーを一列に保
    持する保持具とを具備し、前記光照射手段は前記複数の
    キャピラリーの列方向に前記レーザー光を照射し、前記
    光検出器は前記複数のキャピラリーで分離された前記試
    料からの前記蛍光を同時に検出することを特徴とする電
    気泳動装置。
  17. 【請求項17】泳動分離媒体が充填された複数のキャピ
    ラリーを用いて蛍光標識された試料を泳動分離する工程
    と、前記複数のキャピラリーで泳動分離された前記試料
    にレーザー光を照射する工程と、前記レーザー光の照射
    により前記蛍光標識から発する蛍光を検出する工程とを
    有し、前記レーザー光は一列に保持された前記複数のキ
    ャピラリーの列方向に照射されることを特徴とする電気
    泳動方法。
  18. 【請求項18】泳動分離媒体が充填された複数のキャピ
    ラリーを用いて蛍光標識された試料を泳動分離する工程
    と、前記複数のキャピラリーで泳動分離された前記試料
    にレーザー光を照射する工程と、前記レーザー光の照射
    により前記蛍光標識から発する蛍光を検出する工程とを
    有し、前記レーザー光は一列に保持された前記複数のキ
    ャピラリーの列方向に照射され、前記列方向と交差する
    方向から前記蛍光が検出されることを特徴とする電気泳
    動方法。
  19. 【請求項19】試料を泳動分離する泳動分離媒体が充填
    された複数のキャピラリーと、前記複数のキャピラリー
    の一端が内部に配置され、緩衝液が満たされる光学セル
    と、泳動終端側で前記複数のキャピラリーの軸が直線を
    なして配列するように、前記複数のキャピラリーを保持
    する手段と、前記複数のキャピラリーの一端の外を光照
    射する光照射手段と、光照射された部位を通過する前記
    試料の検出を行う光検出手段とを有することを特徴とす
    る電気泳動装置。
  20. 【請求項20】試料を泳動分離する泳動分離媒体が充填
    された複数のキャピラリーと、前記複数のキャピラリー
    の一端の外を光照射する光照射手段と、光照射された部
    位を通過する前記試料の検出を行う光検出手段とを有す
    ることを特徴とする電気泳動装置。
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