JP2000097908A - 電気泳動装置 - Google Patents
電気泳動装置Info
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- JP2000097908A JP2000097908A JP10269298A JP26929898A JP2000097908A JP 2000097908 A JP2000097908 A JP 2000097908A JP 10269298 A JP10269298 A JP 10269298A JP 26929898 A JP26929898 A JP 26929898A JP 2000097908 A JP2000097908 A JP 2000097908A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】複数の泳動路を同時に、かつ複数の波長域の蛍
光強度を同時に計測でき、複数の泳動路の位置の違いに
よる検出感度が均一で、試料成分を高精度に測定する電
気泳動装置を提供する。 【解決手段】複数の泳動路(90)をほぼ同時にレーザ
光照射し、照射によって蛍光が発する部分(220)以
外の部分を、蛍光が発する部分に密着させたスリット1
14で遮蔽し、スリットを通過した蛍光のみを分光素子
(115,116)をとおして、各波長成分に分け、結
像させて検出する。 【効果】本発明によれば、検出蛍光像の位置の違いによ
る蛍光強度の低下が少なく、また迷光が少なく、目的の
蛍光成分を高精度に計測できる。
光強度を同時に計測でき、複数の泳動路の位置の違いに
よる検出感度が均一で、試料成分を高精度に測定する電
気泳動装置を提供する。 【解決手段】複数の泳動路(90)をほぼ同時にレーザ
光照射し、照射によって蛍光が発する部分(220)以
外の部分を、蛍光が発する部分に密着させたスリット1
14で遮蔽し、スリットを通過した蛍光のみを分光素子
(115,116)をとおして、各波長成分に分け、結
像させて検出する。 【効果】本発明によれば、検出蛍光像の位置の違いによ
る蛍光強度の低下が少なく、また迷光が少なく、目的の
蛍光成分を高精度に計測できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気泳動装置に関
し、特に、DNAの塩基配列の解析に好適な電気泳動装
置に関する。
し、特に、DNAの塩基配列の解析に好適な電気泳動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】DNAの塩基配列を分析するために、一
般に、電気泳動が用いられる。すなわち、蛍光標識した
試料(DNA)を調整し、これを分離媒体に注入する。
分離媒体に電界を印加して分子量分離させつつ電気泳動
させ、一定距離泳動させた位置に光を照射する。4種の
蛍光体を使用して、各々の蛍光体の強度を測定すると、
DNAの塩基配列を分析ができる。
般に、電気泳動が用いられる。すなわち、蛍光標識した
試料(DNA)を調整し、これを分離媒体に注入する。
分離媒体に電界を印加して分子量分離させつつ電気泳動
させ、一定距離泳動させた位置に光を照射する。4種の
蛍光体を使用して、各々の蛍光体の強度を測定すると、
DNAの塩基配列を分析ができる。
【0003】分離媒体としては、ゲル状物質を用い、2
枚のガラス板の間にアクリルアミド(平板ゲル)として
形成されることが多い。また、高速高分離のため、大き
な電界が印加できるように、石英毛細管(キャピラリ
ー)の内にゲルを重合させることも多くなされている。
この場合、キャピラリー下端近傍にレーザ照射し蛍光検
出するのである(オンカラム計測)。
枚のガラス板の間にアクリルアミド(平板ゲル)として
形成されることが多い。また、高速高分離のため、大き
な電界が印加できるように、石英毛細管(キャピラリ
ー)の内にゲルを重合させることも多くなされている。
この場合、キャピラリー下端近傍にレーザ照射し蛍光検
出するのである(オンカラム計測)。
【0004】ここで、試料からの蛍光を得るため、蛍光
が発生する部分の像を集光レンズでコリメートし、像分
割プリズム(あるいは、回折格子)等で光を分割し、そ
れぞれを分光フィルタにより目的の波長成分を取り出
し、結像レンズにより検出器に結像させている(例え
ば、特開平6−138037号公報に記載)。
が発生する部分の像を集光レンズでコリメートし、像分
割プリズム(あるいは、回折格子)等で光を分割し、そ
れぞれを分光フィルタにより目的の波長成分を取り出
し、結像レンズにより検出器に結像させている(例え
ば、特開平6−138037号公報に記載)。
【0005】このような技術は特にキャピラリー複数本
をアレイ化して多くの試料を同時に分析するキャピラリ
ーアレイゲル電気泳動装置で有効である。なお、キャピ
ラリーアレイゲル電気泳動装置には、キャピラリーアレ
イスキャン方式で、複数のキャピラリーアレイを順次移
動させ、キャピラリーを1本ずつ順番にレーザ照射し、
オンカラム蛍光計測するものがある。また、キャピラリ
ーアレイシースフロー方式もある。特に、後のものにお
いて、前述の技術は有効である。
をアレイ化して多くの試料を同時に分析するキャピラリ
ーアレイゲル電気泳動装置で有効である。なお、キャピ
ラリーアレイゲル電気泳動装置には、キャピラリーアレ
イスキャン方式で、複数のキャピラリーアレイを順次移
動させ、キャピラリーを1本ずつ順番にレーザ照射し、
オンカラム蛍光計測するものがある。また、キャピラリ
ーアレイシースフロー方式もある。特に、後のものにお
いて、前述の技術は有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、蛍光が
発生する部分の像を検出器に結像させる場合には、中心
軸から離れるに従って、集光効率及び結像効率が低下
し、蛍光強度が小さくなってしまう。特に、像分割プリ
ズム及び分光フィルタの前後にそれぞれ集光レンズと結
像レンズを置いた場合には、2つのレンズの中心を結ぶ
線上から離れるに従って、集光効率及び結像効率が低下
して蛍光強度が小さくなってしまう。一方、蛍光を像と
して検出するので、蛍光発生以外の要因、例えば、電気
泳動路(キャピラリー)、及びその被覆物、あるいは、
ゴミの像も検出してしまう。このように、蛍光強度が小
さくなった部分に、さらに、ゴミ等の像が重畳すると検
出精度が実用に耐えられなくなってしまう。特に、この
現象は、分光方向にキャピラリーが並んでいる場合に、
目的の蛍光像以外の像が重なってしまい、問題が大き
い。
発生する部分の像を検出器に結像させる場合には、中心
軸から離れるに従って、集光効率及び結像効率が低下
し、蛍光強度が小さくなってしまう。特に、像分割プリ
ズム及び分光フィルタの前後にそれぞれ集光レンズと結
像レンズを置いた場合には、2つのレンズの中心を結ぶ
線上から離れるに従って、集光効率及び結像効率が低下
して蛍光強度が小さくなってしまう。一方、蛍光を像と
して検出するので、蛍光発生以外の要因、例えば、電気
泳動路(キャピラリー)、及びその被覆物、あるいは、
ゴミの像も検出してしまう。このように、蛍光強度が小
さくなった部分に、さらに、ゴミ等の像が重畳すると検
出精度が実用に耐えられなくなってしまう。特に、この
現象は、分光方向にキャピラリーが並んでいる場合に、
目的の蛍光像以外の像が重なってしまい、問題が大き
い。
【0007】本発明の目的は、検出精度の向上が可能な
電気泳動装置を提供することにある。
電気泳動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、分離媒体及び蛍光標識された試料が導
入される泳動路と、分離媒体に電界を印加して試料を電
気泳動させる電界印加手段と、電気泳動された試料に光
を照射して蛍光を発生させる光源と、蛍光を少なくとも
4つの波長に分光する分光手段と、分光された少なくと
も4つの波長のそれぞれを検出する検出器と、分光され
た光が検出器に結像するように配置された収光手段と、
蛍光以外の光の少なくとも一部を遮光するように蛍光の
発生位置と検出器の間に配置された遮光手段を有するよ
うに構成した。
に、本発明では、分離媒体及び蛍光標識された試料が導
入される泳動路と、分離媒体に電界を印加して試料を電
気泳動させる電界印加手段と、電気泳動された試料に光
を照射して蛍光を発生させる光源と、蛍光を少なくとも
4つの波長に分光する分光手段と、分光された少なくと
も4つの波長のそれぞれを検出する検出器と、分光され
た光が検出器に結像するように配置された収光手段と、
蛍光以外の光の少なくとも一部を遮光するように蛍光の
発生位置と検出器の間に配置された遮光手段を有するよ
うに構成した。
【0009】好ましくは、複数の泳動路をほぼ同時に照
射し、照射によって蛍光が発する部分以外の部分を光学
的に実質的に遮蔽し、この遮蔽を泳動路近傍つまり発光
位置近傍に配置することで達成される。蛍光は、遮蔽さ
れなかった部分を通り抜け、分光・結像される。このよ
うにすれば、キャピラリー被覆をはがしてガラス部分を
露出させ、この部分を通過する試料成分を蛍光検出する
場合でも、キャピラリーアレイシースフロー方式のよう
に泳動分離した試料成分をキャピラリーの外のシースフ
ロー部で蛍光検出する場合等、種々の系で実現できる。
射し、照射によって蛍光が発する部分以外の部分を光学
的に実質的に遮蔽し、この遮蔽を泳動路近傍つまり発光
位置近傍に配置することで達成される。蛍光は、遮蔽さ
れなかった部分を通り抜け、分光・結像される。このよ
うにすれば、キャピラリー被覆をはがしてガラス部分を
露出させ、この部分を通過する試料成分を蛍光検出する
場合でも、キャピラリーアレイシースフロー方式のよう
に泳動分離した試料成分をキャピラリーの外のシースフ
ロー部で蛍光検出する場合等、種々の系で実現できる。
【0010】好ましくは、遮蔽には、レーザ光が照射さ
れる部分の形状とほぼ同等の開口を有するスリットを用
い、これをレーザ光照射部分とスリット開口部を合わせ
るようにキャピラリーに接触させたり、シースフロー部
のレーザ光照射部とスリット開口部を合わせるようにシ
ースフローセル内部に張り付ける。これにより、目的の
蛍光以外の光が分光手段寝検出器に混入されることがな
くなり、ノイズが低減できる。
れる部分の形状とほぼ同等の開口を有するスリットを用
い、これをレーザ光照射部分とスリット開口部を合わせ
るようにキャピラリーに接触させたり、シースフロー部
のレーザ光照射部とスリット開口部を合わせるようにシ
ースフローセル内部に張り付ける。これにより、目的の
蛍光以外の光が分光手段寝検出器に混入されることがな
くなり、ノイズが低減できる。
【0011】さらに、蛍光像の分光には、回折格子や、
蛍光を分割する手段と、分割された蛍光を各々異なる波
長域の光成分を有するように、分割手段の前部または後
部に各々配置した分光フィルタ等が使用できる。さら
に、蛍光像検出に2次元検出器等を用いることで、複数
の泳動路に基づく蛍光像をほぼ同時に検出できる。
蛍光を分割する手段と、分割された蛍光を各々異なる波
長域の光成分を有するように、分割手段の前部または後
部に各々配置した分光フィルタ等が使用できる。さら
に、蛍光像検出に2次元検出器等を用いることで、複数
の泳動路に基づく蛍光像をほぼ同時に検出できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
いて説明する。
【0013】〔実施例1〕実施例1として、ゲルを充填
した複数のキャピラリーつまりキャピラリーアレイを使
い、シースフローセル内で計測する方式で、DNAの塩
基配列を決定することのできる電気泳動装置及び方法に
ついて説明する。
した複数のキャピラリーつまりキャピラリーアレイを使
い、シースフローセル内で計測する方式で、DNAの塩
基配列を決定することのできる電気泳動装置及び方法に
ついて説明する。
【0014】DNAシーケンシング用の試料(蛍光標識
DNA断片)を調製する。1本の泳動路(ゲルキャピラ
リー)で4つの塩基種を識別するために、A,C,G,
T断片毎に異なる蛍光体を標識したプライマーを使用す
る。A断片には、蛍光極大波長が約550nmの蛍光体
を標識したプライマー(プライマーAと略記)を、同様
にC,G,T断片には、蛍光極大波長が各々約520,
575,605nmの蛍光体を標識したプライマー(各
々プライマーC,プライマーG,プライマーTと略記)
を使用する。これらを使用し、周知のサンガー(Sanger)
らのジデオキシ法によりDNAポリメラーゼ反応を各々
行い、蛍光標識DNA断片)を調製する。これらの断片
群は最終的に単一サンプルチューブにいれて混合し、エ
タノール沈殿処理の後、脱イオン化ホルムアミド(微量
のトリス緩衝液、またはEDTA液を含む)に溶解さ
せ、試料液とした。ゲルキャピラリーへの注入前には、
90℃で2分割加熱して熱変性させ、その後すぐに氷冷
し、注入操作に使用する。なお、蛍光標識をプライマー
にではなく、ターミネータにして試料を調製しても同様
である。
DNA断片)を調製する。1本の泳動路(ゲルキャピラ
リー)で4つの塩基種を識別するために、A,C,G,
T断片毎に異なる蛍光体を標識したプライマーを使用す
る。A断片には、蛍光極大波長が約550nmの蛍光体
を標識したプライマー(プライマーAと略記)を、同様
にC,G,T断片には、蛍光極大波長が各々約520,
575,605nmの蛍光体を標識したプライマー(各
々プライマーC,プライマーG,プライマーTと略記)
を使用する。これらを使用し、周知のサンガー(Sanger)
らのジデオキシ法によりDNAポリメラーゼ反応を各々
行い、蛍光標識DNA断片)を調製する。これらの断片
群は最終的に単一サンプルチューブにいれて混合し、エ
タノール沈殿処理の後、脱イオン化ホルムアミド(微量
のトリス緩衝液、またはEDTA液を含む)に溶解さ
せ、試料液とした。ゲルキャピラリーへの注入前には、
90℃で2分割加熱して熱変性させ、その後すぐに氷冷
し、注入操作に使用する。なお、蛍光標識をプライマー
にではなく、ターミネータにして試料を調製しても同様
である。
【0015】装置について説明する。図1は蛍光検出・
色分離部の原理構成図である。図2はキャピラリーアレ
イ及び蛍光測定部となるシースフローセル部の構成・配
置図、図3はキャピラリーアレイを使った電気泳動装置
の構成図。
色分離部の原理構成図である。図2はキャピラリーアレ
イ及び蛍光測定部となるシースフローセル部の構成・配
置図、図3はキャピラリーアレイを使った電気泳動装置
の構成図。
【0016】内部にゲルを充填したキャピラリーを48
本用い、一端を一直線状に揃えて並べたキャピラリーア
レイを作製する。ここで使用するキャピラリーは種々の
内外径のものが使用できるが、例えば、内径0.1mm,
外径0.2mm,長さ約20cmのものを使用し、周知の方
法でその内部にアクリルアミドゲルを充填して使用す
る。ゲル濃度は4%T((アルリルアミド+ビスアクリ
ルアミド)の全溶液量に対する比率),5%C(ビスア
クリルアミドの(アクリルアミド+ビスアクリルアミ
ド)に対する比率)とする。なお、キャピラリーはその
表面に折り曲げ時の破損を防ぐなどの目的でポリイミド
コーティングがされているが、本例では、ポリイミドに
カーボンを混入させるなどしてコーティングを黒色とし
たものを使用する。
本用い、一端を一直線状に揃えて並べたキャピラリーア
レイを作製する。ここで使用するキャピラリーは種々の
内外径のものが使用できるが、例えば、内径0.1mm,
外径0.2mm,長さ約20cmのものを使用し、周知の方
法でその内部にアクリルアミドゲルを充填して使用す
る。ゲル濃度は4%T((アルリルアミド+ビスアクリ
ルアミド)の全溶液量に対する比率),5%C(ビスア
クリルアミドの(アクリルアミド+ビスアクリルアミ
ド)に対する比率)とする。なお、キャピラリーはその
表面に折り曲げ時の破損を防ぐなどの目的でポリイミド
コーティングがされているが、本例では、ポリイミドに
カーボンを混入させるなどしてコーティングを黒色とし
たものを使用する。
【0017】キャピラリーアレイ及びシースフローセル
部について、わかりやすくするために8本のキャピラリ
ーの場合を図2に示す。また、液体をシールするための
Oリング等の部品等は省略している。キャピラリー保持
具91及び92はそれぞれ2.25mm間隔及び0.4mm間
隔の取付溝を形成したもので、キャピラリー同士の間隔
を揃え、キャピラリーアレイの取り付けなどを容易にす
るために使う。まず48本のキャピラリー90を同一平
面上に並べ、キャピラリー保持具91及び92に固定し
て、一端が2.25mm間隔,他端が0.4mm間隔になるよ
うにし、それらの端を切断して揃える。2.25mm 間隔
に固定されたキャピラリー端90aは試料注入側の端で
あり、反対側の90bは泳動分離された試料断片が排出
されるキャピラリー端である。90bは91とともに、
シースフローセル部に取り付けられる。なお、91側に
は48本のキャピラリー90のほかその外側にそれぞれ
6本ずつダミーガラス棒93をキャピラリー90と同じ
間隔で取り付けた。このダミーガラス棒93はキャピラ
リー90の端90bの個々の境環をすべて同じにするた
めに設けたもので、キャピラリー90とほぼ同等の外径
を持つものであればよい。本例ではキャピラリー90と
同じキャピラリーとし、その内部を埋めたものを使用し
た。
部について、わかりやすくするために8本のキャピラリ
ーの場合を図2に示す。また、液体をシールするための
Oリング等の部品等は省略している。キャピラリー保持
具91及び92はそれぞれ2.25mm間隔及び0.4mm間
隔の取付溝を形成したもので、キャピラリー同士の間隔
を揃え、キャピラリーアレイの取り付けなどを容易にす
るために使う。まず48本のキャピラリー90を同一平
面上に並べ、キャピラリー保持具91及び92に固定し
て、一端が2.25mm間隔,他端が0.4mm間隔になるよ
うにし、それらの端を切断して揃える。2.25mm 間隔
に固定されたキャピラリー端90aは試料注入側の端で
あり、反対側の90bは泳動分離された試料断片が排出
されるキャピラリー端である。90bは91とともに、
シースフローセル部に取り付けられる。なお、91側に
は48本のキャピラリー90のほかその外側にそれぞれ
6本ずつダミーガラス棒93をキャピラリー90と同じ
間隔で取り付けた。このダミーガラス棒93はキャピラ
リー90の端90bの個々の境環をすべて同じにするた
めに設けたもので、キャピラリー90とほぼ同等の外径
を持つものであればよい。本例ではキャピラリー90と
同じキャピラリーとし、その内部を埋めたものを使用し
た。
【0018】ダミーガラス棒93の数はシースフローセ
ルの流路の断面の幅に依存し、幅全体にキャピラリーが
均一に存在するように調整する。このようなダミーガラ
ス棒93により、端90bの個々のシースフローの環境
がすべて同じになり、キャピラリー90の1本目から4
8本目まで安定した均一の流れを形成できることにな
る。
ルの流路の断面の幅に依存し、幅全体にキャピラリーが
均一に存在するように調整する。このようなダミーガラ
ス棒93により、端90bの個々のシースフローの環境
がすべて同じになり、キャピラリー90の1本目から4
8本目まで安定した均一の流れを形成できることにな
る。
【0019】シースフローセル部は、流路の断面が0.
23mm×24.2mmの石英ガラス製のシースフローセル
83、その上下をシースフローセル固定用の保持具8
2,84で固定したものである。保持具82,84はそ
の内部にシース用の液体(シース液)が流れるような空
間を有する。シース液にはアクリルアミドゲルを調製し
たものと同等の緩衝液とする。シース液はシース液容器
80からチューブ81を介し、保持具82,シースフロ
ーセル83,保持具84を通り、チューブ85を介して
廃液容器86に流れ込むという流路を形成する。なお、
シース液容器80を廃液容器86より高く配置すること
で、流路をシース液がサイホンの原理でゆっくりと安定
に流れ、キャピラリー90の端90bの近傍にシースフ
ローが形成されることになる。なお、上記キャピラリー
90のシースフローセル部への取り付けは、キャピラリ
ー端90bの乾燥によるダメージを可能な限り低減する
ため、シースフローセル内部をシース液で満たした後に
行う。同様にキャピラリー端90aも乾燥によるダメー
ジを可能な限り低減するため、切断した後は緩衝液中に
保持するようにする。
23mm×24.2mmの石英ガラス製のシースフローセル
83、その上下をシースフローセル固定用の保持具8
2,84で固定したものである。保持具82,84はそ
の内部にシース用の液体(シース液)が流れるような空
間を有する。シース液にはアクリルアミドゲルを調製し
たものと同等の緩衝液とする。シース液はシース液容器
80からチューブ81を介し、保持具82,シースフロ
ーセル83,保持具84を通り、チューブ85を介して
廃液容器86に流れ込むという流路を形成する。なお、
シース液容器80を廃液容器86より高く配置すること
で、流路をシース液がサイホンの原理でゆっくりと安定
に流れ、キャピラリー90の端90bの近傍にシースフ
ローが形成されることになる。なお、上記キャピラリー
90のシースフローセル部への取り付けは、キャピラリ
ー端90bの乾燥によるダメージを可能な限り低減する
ため、シースフローセル内部をシース液で満たした後に
行う。同様にキャピラリー端90aも乾燥によるダメー
ジを可能な限り低減するため、切断した後は緩衝液中に
保持するようにする。
【0020】図3は、電気泳動装置の構成図である。キ
ャピラリー保持具92,キャピラリー90,キャピラリ
ー保持具91,シースフローセル83等は平面内に配置
されており、これをシースフローセル83側が上になる
ように垂直に立てて固定されて、シースフローセル83
内をシース液は下から上方に流れる。キャピラリー90
の下部には、1列に並んだ端90aと同じ間隔に形成さ
れた48穴のウエルを有する試料容器100(各ウエル
には測定する試料液が入る)、及び緩衝液の入る電極槽
101,洗浄液の入る洗浄液槽102が並び、移動台1
03により上下,左右(試料容器100、及び電極槽1
01,洗浄液槽102の並び方向)に移動でき、キャピ
ラリー端90aを目的によって試料液,緩衝液,洗浄液
に挿入させることができる。
ャピラリー保持具92,キャピラリー90,キャピラリ
ー保持具91,シースフローセル83等は平面内に配置
されており、これをシースフローセル83側が上になる
ように垂直に立てて固定されて、シースフローセル83
内をシース液は下から上方に流れる。キャピラリー90
の下部には、1列に並んだ端90aと同じ間隔に形成さ
れた48穴のウエルを有する試料容器100(各ウエル
には測定する試料液が入る)、及び緩衝液の入る電極槽
101,洗浄液の入る洗浄液槽102が並び、移動台1
03により上下,左右(試料容器100、及び電極槽1
01,洗浄液槽102の並び方向)に移動でき、キャピ
ラリー端90aを目的によって試料液,緩衝液,洗浄液
に挿入させることができる。
【0021】試料容器100の48穴のウエル内には測
定用の試料液をピペットで注入する。電極槽101には
緩衝液を、洗浄液槽102には洗浄液として蒸留水を注
入する。まず、移動台103により、キャピラリー端9
0aを洗浄液槽102内に浸し先端に付着している可能
性のあるゴミや緩衝液等を洗浄する。次いで、移動台1
03により試料容器100内の試料液をキャピラリー端
90aに接触させ、試料液側に25V/cmの電界強度と
なる電圧−500V(負極側)、シースフローセル83
内のシース液側を0V(正極側)にして電圧を印加し、
キャピラリー内に試料を注入する。なお、図では正極,
負極の電極及び高電圧電源を省略している。負極の電極
は、試料容器100の48穴のウエル毎に白金電極を設
けたり等することで容易に実現できる。正極の電極は、
シースフロー固定用の保持具84をステンレスで作製し
て保持具84そのものを電極としたり、シースフローセ
ル83内の上部に白金電極を設けたり、また廃液容器8
6内に白金電極を設けたりできる。
定用の試料液をピペットで注入する。電極槽101には
緩衝液を、洗浄液槽102には洗浄液として蒸留水を注
入する。まず、移動台103により、キャピラリー端9
0aを洗浄液槽102内に浸し先端に付着している可能
性のあるゴミや緩衝液等を洗浄する。次いで、移動台1
03により試料容器100内の試料液をキャピラリー端
90aに接触させ、試料液側に25V/cmの電界強度と
なる電圧−500V(負極側)、シースフローセル83
内のシース液側を0V(正極側)にして電圧を印加し、
キャピラリー内に試料を注入する。なお、図では正極,
負極の電極及び高電圧電源を省略している。負極の電極
は、試料容器100の48穴のウエル毎に白金電極を設
けたり等することで容易に実現できる。正極の電極は、
シースフロー固定用の保持具84をステンレスで作製し
て保持具84そのものを電極としたり、シースフローセ
ル83内の上部に白金電極を設けたり、また廃液容器8
6内に白金電極を設けたりできる。
【0022】試料注入後、移動台103を動作させ、キ
ャピラリー端90aを電極槽101に移して緩衝液中に
挿入する。電極槽内の緩衝液中には白金電極が保持され
ており、これに電圧を印加する。印加する電圧は最初の
5分間を25V/cmの電界強度となる電圧−500V
で、次に50V/cmの電界強度となる電圧−1000
V、次いで70V/cmの電界強度となる電圧−1400
Vと段階的に大きくする。電気泳動の結果、DNA断片
が分子量毎に分離してキャピラリー端90bからシース
フローセル中に溶出する。この溶出される試料断片をシ
ースフロー状態で蛍光計測する。シースフローにするこ
とで、各キャピラリー端90bから溶出する試料断片同
士が混じらないように流れることになる。この構成によ
り、48試料の同時注入と同時電気泳動・解析が実現で
きる。また、試料の注入は、予め、試料容器100に試
料液を入れておけば、従来の平板ゲルの場合のようにさ
らにピペッティングにより1試料ずつ手操作で行う必要
がなくなり、操作性を向上させることができる。
ャピラリー端90aを電極槽101に移して緩衝液中に
挿入する。電極槽内の緩衝液中には白金電極が保持され
ており、これに電圧を印加する。印加する電圧は最初の
5分間を25V/cmの電界強度となる電圧−500V
で、次に50V/cmの電界強度となる電圧−1000
V、次いで70V/cmの電界強度となる電圧−1400
Vと段階的に大きくする。電気泳動の結果、DNA断片
が分子量毎に分離してキャピラリー端90bからシース
フローセル中に溶出する。この溶出される試料断片をシ
ースフロー状態で蛍光計測する。シースフローにするこ
とで、各キャピラリー端90bから溶出する試料断片同
士が混じらないように流れることになる。この構成によ
り、48試料の同時注入と同時電気泳動・解析が実現で
きる。また、試料の注入は、予め、試料容器100に試
料液を入れておけば、従来の平板ゲルの場合のようにさ
らにピペッティングにより1試料ずつ手操作で行う必要
がなくなり、操作性を向上させることができる。
【0023】蛍光測定法について説明する。試料を励起
するための光源として、波長514.5nmのアルゴンレー
ザ装置108を使用する。アルゴンレーザ光112をミ
ラー110で反射させ、シースフローセル83に焦点距
離が約70mmのレンズ(図示せず)で絞って照射した。
生じる蛍光は、スリット114(図3では図示せず),
4種の分光フィルタ115a〜115d,像分割プリズ
ム116,結像レンズ117により、2次元検出器11
8に結像させ、泳動によって分離される各試料のDNA
断片からの蛍光強度の時間波形をデータ処理ユニット1
19で解析する構成である。
するための光源として、波長514.5nmのアルゴンレー
ザ装置108を使用する。アルゴンレーザ光112をミ
ラー110で反射させ、シースフローセル83に焦点距
離が約70mmのレンズ(図示せず)で絞って照射した。
生じる蛍光は、スリット114(図3では図示せず),
4種の分光フィルタ115a〜115d,像分割プリズ
ム116,結像レンズ117により、2次元検出器11
8に結像させ、泳動によって分離される各試料のDNA
断片からの蛍光強度の時間波形をデータ処理ユニット1
19で解析する構成である。
【0024】蛍光像の検出について、図1により説明す
る。シースフローセル83の流路の壁の結像レンズ11
7側に、レーザ光路に沿うようにスリット114を配置
する。スリット114はレーザ光で励起された蛍光体か
らの蛍光が結像レンズ117に到達し、セル内のキャピ
ラリー端90bによるレーザ法の散乱等の目的以外の光
が結像レンズ117に到達しないようにするものであ
る。本例では0.2mm ×21mmの開口を有する厚さ0.
15mm の黒色板状のスリットを使用し、レーザ光路上
にある蛍光発光点220と蛍光を集光する結像レンズ1
17との光軸にスリットの開口部の中心がくるようにす
る。これにより、蛍光発光点220から発する蛍光のみ
が、スリット114を通過し、像分割プリズム116に
より4つに分割され、結像レンズ117により、それぞ
れ結像(221a,221b)される。この際、4種の
分光フィルタ115a〜115dを像分割プリズムの前
面(または後面)に配置することで、それぞれ分割され
た光が別々の波長成分となるようにできる。以上は、1
つの蛍光発光点220について説明したが、すべての発
光点についても同様であり、しかもこの分割が同時に行
われる。つまり、たとえばレーザ光走査や検出器の機械
走査をする場合のように時間分割されることはないの
で、蛍光強度の測定間隔が長くなることなく、高速に計
測できるようになる。リアルタイムで連続的に計測する
ことも可能である。
る。シースフローセル83の流路の壁の結像レンズ11
7側に、レーザ光路に沿うようにスリット114を配置
する。スリット114はレーザ光で励起された蛍光体か
らの蛍光が結像レンズ117に到達し、セル内のキャピ
ラリー端90bによるレーザ法の散乱等の目的以外の光
が結像レンズ117に到達しないようにするものであ
る。本例では0.2mm ×21mmの開口を有する厚さ0.
15mm の黒色板状のスリットを使用し、レーザ光路上
にある蛍光発光点220と蛍光を集光する結像レンズ1
17との光軸にスリットの開口部の中心がくるようにす
る。これにより、蛍光発光点220から発する蛍光のみ
が、スリット114を通過し、像分割プリズム116に
より4つに分割され、結像レンズ117により、それぞ
れ結像(221a,221b)される。この際、4種の
分光フィルタ115a〜115dを像分割プリズムの前
面(または後面)に配置することで、それぞれ分割され
た光が別々の波長成分となるようにできる。以上は、1
つの蛍光発光点220について説明したが、すべての発
光点についても同様であり、しかもこの分割が同時に行
われる。つまり、たとえばレーザ光走査や検出器の機械
走査をする場合のように時間分割されることはないの
で、蛍光強度の測定間隔が長くなることなく、高速に計
測できるようになる。リアルタイムで連続的に計測する
ことも可能である。
【0025】本例では、キャピラリーアレイを泳動する
すべての試料を、同時に、各々4分割して高精度に計測
できる。そこで4種の分光フィルタ115a,115d
をプライマーA,プライマーC,プライマーG,プライ
マーTの蛍光を透過するように調整することにより、プ
ライマーA,プライマーC,プライマーG,プライマー
Tを識別して計測することができるようになる。ただ
し、実際は、各蛍光標識プライマーの蛍光はブロードで
あり、4種の蛍光標識プライマーの蛍光が重なり合って
いる。そのため、その重なりを補正することで、プライ
マーT,プライマーG,プライマーA,プライマーC単
独の蛍光強度の時間波形が得られる。これはそれぞれ
T,G,A,C断片の泳動スペクトルとなり、この波形
から通常の方法により、DNAの塩基配列が決定でき
る。
すべての試料を、同時に、各々4分割して高精度に計測
できる。そこで4種の分光フィルタ115a,115d
をプライマーA,プライマーC,プライマーG,プライ
マーTの蛍光を透過するように調整することにより、プ
ライマーA,プライマーC,プライマーG,プライマー
Tを識別して計測することができるようになる。ただ
し、実際は、各蛍光標識プライマーの蛍光はブロードで
あり、4種の蛍光標識プライマーの蛍光が重なり合って
いる。そのため、その重なりを補正することで、プライ
マーT,プライマーG,プライマーA,プライマーC単
独の蛍光強度の時間波形が得られる。これはそれぞれ
T,G,A,C断片の泳動スペクトルとなり、この波形
から通常の方法により、DNAの塩基配列が決定でき
る。
【0026】なお、本実施例での泳動条件(泳動電圧,
時間,ゲル濃度),キャピラリーの数,長さ,太さ,キ
ャピラリーアレイの上下端の間隔,試料容器の形状(ウ
エルの数,間隔,材質を含む)等は種々変更可能であ
る。また、実施例ではキャピラリー端90aは1列であ
るが、端90aの部分近傍のみを2列又はそれ以上にす
ることも可能である。その場合、試料容器の形状もそれ
に合わせて変更する必要がある。
時間,ゲル濃度),キャピラリーの数,長さ,太さ,キ
ャピラリーアレイの上下端の間隔,試料容器の形状(ウ
エルの数,間隔,材質を含む)等は種々変更可能であ
る。また、実施例ではキャピラリー端90aは1列であ
るが、端90aの部分近傍のみを2列又はそれ以上にす
ることも可能である。その場合、試料容器の形状もそれ
に合わせて変更する必要がある。
【0027】また、DNA塩基配列のみでなく、DNA
の制限酵素断片の多型性等のDNA断片一般の検出・診
断に使用することができる。レーザ照射法も、実施例に
限定されず、レーザ光を走査させたり、レーザ光をキャ
ピラリーアレイの幅以上に拡げて照射する方法も可能で
ある。
の制限酵素断片の多型性等のDNA断片一般の検出・診
断に使用することができる。レーザ照射法も、実施例に
限定されず、レーザ光を走査させたり、レーザ光をキャ
ピラリーアレイの幅以上に拡げて照射する方法も可能で
ある。
【0028】なお、図1で、スリット114を設けない
場合は、キャピラリー90(及び端90b)の像も結像
されてしまう。しかも、キャピラリー端90bと蛍光発
光点220の位置が異なるため、4つに分割されること
で、蛍光発光点の像とキャピラリーの像が重なってしま
うという問題が生じるが、本例のようにスリットを設け
ることで、目的の蛍光のみを検出することができる精度
が向上できる。
場合は、キャピラリー90(及び端90b)の像も結像
されてしまう。しかも、キャピラリー端90bと蛍光発
光点220の位置が異なるため、4つに分割されること
で、蛍光発光点の像とキャピラリーの像が重なってしま
うという問題が生じるが、本例のようにスリットを設け
ることで、目的の蛍光のみを検出することができる精度
が向上できる。
【0029】また、本例では、レンズが1つであり、通
常、キャピラリーの位置による蛍光集光効率のちがいが
少なく、また、レンズのF値を大きくすればすべての試
料位置で蛍光強度を大きくすることができ、精度を向上
させることができる。
常、キャピラリーの位置による蛍光集光効率のちがいが
少なく、また、レンズのF値を大きくすればすべての試
料位置で蛍光強度を大きくすることができ、精度を向上
させることができる。
【0030】なお、スリット114のかわりに、黒色ガ
ラスと透明の石英ガラスとでシースフローセルを作成す
ることで、セル自体に同様の機能を持たせることもでき
る。また、本例ではシースフローセル内で計測する方式
について説明したが、キャピラリーの一部の被覆を除去
しこの部分にレーザ光を照射し、その部分での蛍光を測
定する様な場合でも同様に実施可能である。
ラスと透明の石英ガラスとでシースフローセルを作成す
ることで、セル自体に同様の機能を持たせることもでき
る。また、本例ではシースフローセル内で計測する方式
について説明したが、キャピラリーの一部の被覆を除去
しこの部分にレーザ光を照射し、その部分での蛍光を測
定する様な場合でも同様に実施可能である。
【0031】〔実施例2〕実施例2を説明する。ゲルを
充填したキャピラリーアレイを使った別の構成の蛍光機
構について説明する。図4は蛍光検出・色分離部の原理
構成図である。
充填したキャピラリーアレイを使った別の構成の蛍光機
構について説明する。図4は蛍光検出・色分離部の原理
構成図である。
【0032】本実施例では、キャピラリーの一部の被覆
を除去しこの部分にレーザ光を照射し、その部分での蛍
光を測定する系で説明する。実施例1と同様に、周知の
方法でその内部にアクリルアミドゲルを充填したキャピ
ラリーを用意する。だたし、最終的にキャピラリーの試
料注入端から約15cmの位置に蛍光測定用の窓を予め開
けておく。窓はキャピラリーのポリイミドコーティング
を除去して作成する。蛍光測定用の窓の位置をそろえ
て、複数のキャピラリーを平面状に並べておく。複数の
キャピラリーのうちの片側から、蛍光測定用の窓にレー
ザ光を照射し、複数のキャピラリーの窓を通過させて、
すべてのキャピラリー内を泳動する試料を蛍光計測でき
るようにする。
を除去しこの部分にレーザ光を照射し、その部分での蛍
光を測定する系で説明する。実施例1と同様に、周知の
方法でその内部にアクリルアミドゲルを充填したキャピ
ラリーを用意する。だたし、最終的にキャピラリーの試
料注入端から約15cmの位置に蛍光測定用の窓を予め開
けておく。窓はキャピラリーのポリイミドコーティング
を除去して作成する。蛍光測定用の窓の位置をそろえ
て、複数のキャピラリーを平面状に並べておく。複数の
キャピラリーのうちの片側から、蛍光測定用の窓にレー
ザ光を照射し、複数のキャピラリーの窓を通過させて、
すべてのキャピラリー内を泳動する試料を蛍光計測でき
るようにする。
【0033】図4を説明する。キャピラリー300は紙
面に対して垂直方向に並べてある。蛍光測定用の窓30
1も紙面に対して垂直方向に連なっている。レーザ光は
窓301の中心を通して、紙面に対して垂直方向に照射
する。これにより、適当なキャピラリー本数であれば、
すべてのキャピラリーをレーザ光で同時に照射すること
ができる。複数のキャピラリーの窓の部分から発する蛍
光のみが通過するようにスリット302を、キャピラリ
ーの窓に沿って、キャピラリーに密着して配置する。通
過する蛍光はミラー304により曲げられ、それ自身に
集光作用のある凹面の入射面を有する凹面回折格子30
5に入射する。蛍光は凹面回折格子305により、分光
され、かつ集光されて2次元検出器306に結像され
る。2次元検出器306上に結像された像は、紙面に対
して垂直方向に複数のキャピラリー内の試料成分から発
せられる蛍光像の各々の像,紙面に対して平行方向に任
意のキャピラリー内の試料成分から発せられる蛍光が波
長方向に分光された像となり、これらから複数のキャピ
ラリーに対して同時に、特定の波長成分の蛍光強度を同
時に計測することができる。DNAの塩基配列解析等の
データ処理については、実施例1と同様に行うことがで
きる。
面に対して垂直方向に並べてある。蛍光測定用の窓30
1も紙面に対して垂直方向に連なっている。レーザ光は
窓301の中心を通して、紙面に対して垂直方向に照射
する。これにより、適当なキャピラリー本数であれば、
すべてのキャピラリーをレーザ光で同時に照射すること
ができる。複数のキャピラリーの窓の部分から発する蛍
光のみが通過するようにスリット302を、キャピラリ
ーの窓に沿って、キャピラリーに密着して配置する。通
過する蛍光はミラー304により曲げられ、それ自身に
集光作用のある凹面の入射面を有する凹面回折格子30
5に入射する。蛍光は凹面回折格子305により、分光
され、かつ集光されて2次元検出器306に結像され
る。2次元検出器306上に結像された像は、紙面に対
して垂直方向に複数のキャピラリー内の試料成分から発
せられる蛍光像の各々の像,紙面に対して平行方向に任
意のキャピラリー内の試料成分から発せられる蛍光が波
長方向に分光された像となり、これらから複数のキャピ
ラリーに対して同時に、特定の波長成分の蛍光強度を同
時に計測することができる。DNAの塩基配列解析等の
データ処理については、実施例1と同様に行うことがで
きる。
【0034】本例では、結像素子が分光素子を兼ねてい
る凹面回折格子の1つのみであり、実施例1と同様の効
果が得られる。
る凹面回折格子の1つのみであり、実施例1と同様の効
果が得られる。
【0035】また、本例でも、スリットがない場合、目
的の蛍光以外の散乱などの光が結像され、しかもそれぞ
れの発光位置が異なるため、2次元検出器上での、それ
ぞれ別々に分光された像の波長位置がずれ、目的の波長
の蛍光成分を精度よく検出できなくなるが、スリットを
配置することで、実施例1と同様に、目的の波長の蛍光
成分を精度よく検出することができる。
的の蛍光以外の散乱などの光が結像され、しかもそれぞ
れの発光位置が異なるため、2次元検出器上での、それ
ぞれ別々に分光された像の波長位置がずれ、目的の波長
の蛍光成分を精度よく検出できなくなるが、スリットを
配置することで、実施例1と同様に、目的の波長の蛍光
成分を精度よく検出することができる。
【0036】また、本例での蛍光検出・色分離部は、実
施例1に記載した泳動装置に適用でき、シースフローセ
ル内で計測する方式でも同様の効果がある。
施例1に記載した泳動装置に適用でき、シースフローセ
ル内で計測する方式でも同様の効果がある。
【0037】〔実施例3〜5〕以上、実施例3〜5を説
明する。なお、実施例3〜5は、シースフローセル83
の断面構造が異なり、他の部分は同様であるので、その
部分のみ説明する。集光レンズ側からレーザ光照射部か
らの蛍光等を集光することができるが、キャピラリーに
よる散乱光を集光しないようにするため、キャピラリー
がある部分のフローセルの部分に光を通さない黒色石光
ガラスを使用し、フローセルを通常の透明石英ガラス
と、自色石英ガラスとを合わせた遮光部付フローセルの
形状とする。
明する。なお、実施例3〜5は、シースフローセル83
の断面構造が異なり、他の部分は同様であるので、その
部分のみ説明する。集光レンズ側からレーザ光照射部か
らの蛍光等を集光することができるが、キャピラリーに
よる散乱光を集光しないようにするため、キャピラリー
がある部分のフローセルの部分に光を通さない黒色石光
ガラスを使用し、フローセルを通常の透明石英ガラス
と、自色石英ガラスとを合わせた遮光部付フローセルの
形状とする。
【0038】この際、蛍光等の集光効率が落ちないよう
に、図5,図6及び図7のようにレンズ側に向かって、
透明石英部が広がるようにする。
に、図5,図6及び図7のようにレンズ側に向かって、
透明石英部が広がるようにする。
【0039】このときの角度はレンズの集光の立体角よ
りも大きければよく、45度以上であれば通常の測定に
支障がない。
りも大きければよく、45度以上であれば通常の測定に
支障がない。
【0040】また、流路の部分の透明石英ガラスと黒色
石英ガラスとの境界は通常キャピラリーとレーザ光照射
部との中間になるように配置する。これにより、キャピ
ラリーのレーザ光側の端面での散乱光は黒色石英で遮蔽
され、蛍光測定時のノイズを防ぐことができる。
石英ガラスとの境界は通常キャピラリーとレーザ光照射
部との中間になるように配置する。これにより、キャピ
ラリーのレーザ光側の端面での散乱光は黒色石英で遮蔽
され、蛍光測定時のノイズを防ぐことができる。
【0041】図5では、キャピラリーのある下部のみに
遮蔽用の黒色石英ガラスを配置した(実施例3)。
遮蔽用の黒色石英ガラスを配置した(実施例3)。
【0042】図6では、図5に加えてレーザ光の上部に
も遮蔽用の黒色石英ガラスを配置し、レーザ光軸を中心
とするスリット状にした。これにより、レーザ光照射部
のみからの蛍光を精度よく集光することができる(実施
例4)。
も遮蔽用の黒色石英ガラスを配置し、レーザ光軸を中心
とするスリット状にした。これにより、レーザ光照射部
のみからの蛍光を精度よく集光することができる(実施
例4)。
【0043】図7は、図6の変形である。レーザ光の散
乱がレーザ光照射部近傍のみの場合、セルの全体に渡っ
て黒色石英ガラスを配置する必要はなく、図7のように
レーザ光照射部の近傍のみに黒色石英ガラスを配置して
もよい(実施例5)。
乱がレーザ光照射部近傍のみの場合、セルの全体に渡っ
て黒色石英ガラスを配置する必要はなく、図7のように
レーザ光照射部の近傍のみに黒色石英ガラスを配置して
もよい(実施例5)。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検出蛍光像の位置の違いによる蛍光強度低下の少ない、
また迷光の少ない高精度な電気泳動装置を実現すること
ができる。
検出蛍光像の位置の違いによる蛍光強度低下の少ない、
また迷光の少ない高精度な電気泳動装置を実現すること
ができる。
【図1】実施例1の蛍光検出・色分離部の原理構成図で
ある。
ある。
【図2】実施例1のキャピラリーアレイ及び蛍光測定部
となるシースフローセル部の構成・配置図である。
となるシースフローセル部の構成・配置図である。
【図3】実施例1の電気泳動装置の構成図である。
【図4】実施例2の蛍光検出・色分離部の原理構成図で
ある。
ある。
【図5】実施例3のシースフローセルの断面図である。
【図6】実施例4のシースフローセルの断面図である。
【図7】実施例5のシースフローセルの断面図である。
1,21,90,300…キャピラリー、1a,1b,
21a,21b,90a,90b…キャピラリー端、2,
22…蛍光測定用の窓、3,23,100…試料容器、
4,24…ウエル、5,25,101…電極槽、6,
7,26,27,91,92…キャピラリー保持具、8
0…シース液容器、81,85…チューブ、82,84
…シースフローセル固定用の保持具、83…シースフロ
ーセル、86…廃液容器、93…ダミーガラス棒、10
2…洗浄液槽、103…移動台、108…アルゴンレー
ザ装置、110,304…ミラー、112…アルゴンレ
ーザ光、114,302…スリット、115a〜115
d…分光フィルタ、116…像分割プリズム、117…
結像レンズ、118,306…2次元検出器、119…デ
ータ処理ユニット、220…蛍光発光点、221a,2
21b…結像、301…窓、303…蛍光、305…凹面
回折格子。
21a,21b,90a,90b…キャピラリー端、2,
22…蛍光測定用の窓、3,23,100…試料容器、
4,24…ウエル、5,25,101…電極槽、6,
7,26,27,91,92…キャピラリー保持具、8
0…シース液容器、81,85…チューブ、82,84
…シースフローセル固定用の保持具、83…シースフロ
ーセル、86…廃液容器、93…ダミーガラス棒、10
2…洗浄液槽、103…移動台、108…アルゴンレー
ザ装置、110,304…ミラー、112…アルゴンレ
ーザ光、114,302…スリット、115a〜115
d…分光フィルタ、116…像分割プリズム、117…
結像レンズ、118,306…2次元検出器、119…デ
ータ処理ユニット、220…蛍光発光点、221a,2
21b…結像、301…窓、303…蛍光、305…凹面
回折格子。
Claims (15)
- 【請求項1】分離媒体及び蛍光標識された試料が導入さ
れる泳動路と、前記分離媒体に電界を印加して前記試料
を電気泳動させる電界印加手段と、前記電気泳動された
試料に光を照射して蛍光を発生させる光源と、前記蛍光
を少なくとも4つの波長に分光する分光手段と、前記分
光された少なくとも4つの波長のそれぞれを検出する検
出器とを有する電気泳動装置において、前記分光された
光が前記検出器に結像するように配置された収光手段
と、前記蛍光以外の光の少なくとも一部を遮光するよう
に前記蛍光の発生位置と前記検出器の間に配置された遮
光手段を有することを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記検出器は単一構成
され、この単一構成の検出器で前記少なくとも4つの波
長のそれぞれを検出することを特徴とする電気泳動装
置。 - 【請求項3】請求項1において、前記泳動路はキャピラ
リーで構成され、複数のキャピラリーを有し、前記複数
のキャピラリーから発生する蛍光を前記検出器で検出す
ることを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項4】請求項3において、前記検出器は2次的検
出が可能であることを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項5】請求項4において、前記複数のキャピラリ
ーに接続されるシースフローセルを有し、前記シースフ
ローセルに光を照射し蛍光を発生させることを特徴とす
る電気泳動装置。 - 【請求項6】請求項5において、前記遮光手段は、前記
シースフローセルの一部の黒色部であることを特徴とす
る電気泳動装置。 - 【請求項7】請求項6において、前記シースフローセル
は透明石英ガラスであり、前記黒色部は前記照射された
光を挟んだ両方向に広がっていることを特徴とする電気
泳動装置。 - 【請求項8】請求項7において、前記シースフローセル
は前記黒色部に対して前記照射された光と反対側の部分
が透明であることを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項9】請求項3において、結像した複数の泳動路
に基づく蛍光像をほぼ同時に検出する手段を有すること
を特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項10】請求項1において、前記泳動路の一部が
キャピラリー、またはキャピラリーの出口近傍の実質的
に試料が存在する空間であることを特徴とする電気泳動
装置。 - 【請求項11】請求項1において、照射される光はレー
ザ光であり、前記遮光手段が、前記レーザ光が照射され
る部分の形状とほぼ同等の開口を有するスリットである
ことを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項12】請求項1において、前記分光手段は像分
割プリズムであることを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項13】請求項1において、前記分光手段は回折
格子であることを特徴とする電気泳動装置。 - 【請求項14】請求項12あるいは13において、前記
分光された光が通過する分光フィルタを有することを特
徴とする電気泳動装置。 - 【請求項15】請求項14において、前記蛍光の発生す
る位置と前記分光手段の間に第1のレンズを配置し、前
記分光フィルタと前記検出器の間に、第2のレンズを配
置することを特徴とする電気泳動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10269298A JP2000097908A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 電気泳動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10269298A JP2000097908A (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 電気泳動装置 |
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Family
ID=17470408
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2000097908A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6808610B2 (en) | 2000-05-15 | 2004-10-26 | Hitachi, Ltd. | Capillary array electrophoresis apparatus |
JP2007171215A (ja) * | 2007-03-26 | 2007-07-05 | Hitachi Ltd | キャピラリアレイ |
JP2007212449A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-08-23 | Hitachi High-Technologies Corp | キャピラリ電気泳動装置及び電気泳動方法 |
JP2010072003A (ja) * | 2010-01-04 | 2010-04-02 | Hitachi High-Technologies Corp | 電気泳動装置 |
-
1998
- 1998-09-24 JP JP10269298A patent/JP2000097908A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6808610B2 (en) | 2000-05-15 | 2004-10-26 | Hitachi, Ltd. | Capillary array electrophoresis apparatus |
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