JP5702344B2 - 光ファイバおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバおよびその製造方法に関する。
光ファイバを高機能化するために、複雑な構造を有する光ファイバが製品化されている。このような複雑な構造を有する光ファイバは、その製造方法も複雑である。
このような光ファイバとしては、マルチコア光ファイバが挙げられる。マルチコア光ファイバは、1本の光ファイバに、複数のコアが設けられたものであり、近年、伝送容量を大幅に拡大できる光ファイバとして注目を集めている。
マルチコア光ファイバ用のガラス母材の作製方法としては、例えば、石英クラッド材に貫通孔を形成し、その貫通孔にコア材を挿入して、両者を加熱し、一体化するコラプス法が挙げられる。石英クラッド材に貫通孔を形成する方法としては、一般的にドリルによる穿孔加工が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−168464号公報
マルチコア光ファイバは、伝送容量を大幅に拡大できるという特長を持つ光ファイバであることから、長距離伝送用途において、その特長を発揮し得る光ファイバである。すなわち、マルチコア光ファイバは、長尺使用が想定されるため、マルチコア光ファイバ用のガラス母材も大型化が必要となる。しかしながら、ガラス母材の大型化に伴って、石英クラッド材に対するドリルによる穿孔加工の加工長も長くなるため、貫通孔の曲がりが顕著となるという課題があった。仮に、石英クラッド材に形成された貫通孔が曲がったまま、貫通孔にコア材を挿入することができて、ガラス母材とコア材を一体化し、一体化されたガラス母材を線引きして、光ファイバが得られたとしても、光ファイバの長手方向において、コア間の距離が近付いてしまい、コア間でクロストークが劣化する可能性があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加工曲がりおよびクロストークの劣化を抑制した光ファイバおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数のコアを有する光ファイバの製造方法であって、第二の屈折率を有する共通クラッド部となる領域内に互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域を備え、前記低屈折率領域はフッ素が添加され、かつ、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有する第一のガラスロッドを準備する工程と、前記低屈折率領域のそれぞれの内部に空孔を形成する工程と、前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアとなる部分と、前記コアとなる部分の周囲に配置され、前記第一の屈折率よりも低い第四の屈折率を有するクラッドとなる部分と、を備えた第二のガラスロッドを複数準備する工程と、前記低屈折率領域内に形成されたそれぞれの空孔内に前記第二のガラスロッドを挿入する工程と、前記第一のガラスロッドと前記第二のガラスロッドを一体化してガラス母材を作製する工程と、前記ガラス母材を線引きする線引き工程と、を含む光ファイバの製造方法を提供する。
また、本発明は、複数のコアを有する光ファイバの製造方法であって、第二の屈折率を有する共通クラッド部となる領域内に環状の低屈折率領域を備え、前記低屈折率領域はフッ素が添加され、かつ、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有する第一のガラスロッドを準備する工程と、前記低屈折率領域内に、互いに離隔する複数の空孔を形成する工程と、前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアとなる部分と、前記コアとなる部分の周囲に配置され、前記第一の屈折率よりも低い第四の屈折率を有するクラッドとなる部分と、を備えた第二のガラスロッドを複数準備する工程と、前記低屈折率領域内に形成されたそれぞれの空孔内に前記第二のガラスロッドを挿入する工程と、前記第一のガラスロッドと前記第二のガラスロッドを一体化してガラス母材を作製する工程と、前記ガラス母材を線引きする線引き工程と、を含む光ファイバの製造方法を提供する。
本発明の光ファイバの製造方法において、前記第一のガラスロッドを準備する工程において、前記共通クラッド部となる領域の中央に前記低屈折率領域を設け、前記空孔を形成する工程において、前記共通クラッド部となる領域に形成された低屈折率領域内に空孔を形成することが好ましい。
本発明の光ファイバの製造方法において、前記第一のガラスロッドを準備する工程において、前記共通クラッド部となる領域に、同心円状に前記低屈折率領域を複数設けることが好ましい。
本発明の光ファイバの製造方法において、前記ガラス母材を作製する工程と、前記線引き工程とを同時に行なうことが好ましい。
また、本発明は、複数のコアを有する光ファイバであって、第二の屈折率を有する共通クラッドと、前記共通クラッド内に設けられた、前記共通クラッドと同心円状の環状の低屈折率部と、前記低屈折率部内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路と、を備え、前記低屈折率部はフッ素が添加され、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有し、前記光ファイバ導波路は、前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアと、前記コアの周囲に配置され、前記第四の屈折率を有するクラッドと、を備えた光ファイバを提供する。
本発明の光ファイバにおいて、前記共通クラッドの中央に、前記光ファイバ導波路が設けられ、当該光ファイバ導波路の周囲に前記低屈折率部が設けられたことが好ましい。
本発明の光ファイバにおいて、前記共通クラッド内に、同心円状に前記低屈折率部が複数設けられたことが好ましい。
本発明によれば、加工曲がりおよびクロストークの劣化を抑制した光ファイバを提供することができる。
ガラス母材の屈折率プロファイルの一例を示す模式図である。 図1に示す屈折率プロファイルを有するガラス母材に対して、石英クラッドとフッ素添加クラッドとの境界部において、ドリルによる穿孔加工を行った場合の一例を示す模式図である。 図1に示す屈折率プロファイルを有するガラス母材に対して、石英クラッドとフッ素添加クラッドとの境界部において、ドリルによる穿孔加工を行った場合の他の例を示す模式図である。 石英クラッドとフッ素添加クラッドとの境界部において、ドリルによる穿孔加工を行った場合の加工面の状態の一例を示す模式図である。 石英クラッドとフッ素添加クラッドとの境界部において、ドリルによる穿孔加工を行った場合の加工面の状態の他の例を示す模式図である。 図1に示す屈折率プロファイルを有するガラス母材に対して、フッ素添加クラッドにおいて、ドリルによる穿孔加工を行った場合を示す模式図である。 ガラス母材の屈折率プロファイルの他の例を示す模式図である。 本発明の第一実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第四実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第五実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態における第一のガラスロッドの一例を示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態における空孔が形成された第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態におけるガラス母材を示す概略断面図である。 本発明の第六実施形態における光ファイバを示す概略断面図である。 比較例における第二のガラスロッドを有する第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 比較例における空孔付きの第一のガラスロッドを示す概略断面図である。 比較例におけるガラス母材を示す概略断面図である。 比較例における光ファイバを示す概略断面図である。 空孔付きの第一のガラスロッドの空孔位置の計測方法を示す模式図であり、(a)は空孔付きの第一のガラスロッドの斜視図、(b)は第一のガラスロッドの加工開始端面を示す側面図、(c)は第一のガラスロッドの加工終了端面を示す側面図である。 光ファイバのコアの位置の計測方法を示す模式図である。
本発明の光ファイバおよびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
石英ガラスからなるガラス母材に対する、ドリルによる穿孔加工における加工曲がりの対策としては、(1)適切なドリルツールの選択(ツールの剛性、ドリル径、砥粒密度、砥粒径など)、(2)ドリルによる穿孔加工条件の適正化(加工速度、ドリル回転数など)が知られている。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、ドリルによる穿孔加工における加工曲がりと、ガラス母材の断面内における組成分布とは相関があることを見出した。
以下、ドリルによる穿孔加工における加工曲がりと、ガラス母材の断面内における組成分布との相関について、具体的に説明する。
ここで、図1に示すような屈折率プロファイルを有するガラス母材について考える。
このガラス母材は、中心にゲルマニウムが添加された石英ガラスからなる高屈折率コア1を有し、高屈折率コア1の周囲に、高屈折率コア1よりも屈折率が低く、石英ガラスからなる内側クラッド2を有し、内側クラッド2の周囲に、内側クラッド2よりも屈折率が低く、フッ素が添加された低屈折率クラッド(以下、「フッ素添加クラッド」と言う。)3を有し、フッ素添加クラッド3の周囲に、内側クラッド2と屈折率が等しい、石英ガラスからなる外側クラッド4を有する構造をなしている。
このような屈折率プロファイルを有するガラス母材に対して、ドリルによる穿孔加工を行う場合について考える。
例えば、図2に示すように、フッ素添加クラッド3と外側クラッド4の境界部において、ドリルツール11による穿孔加工を行うと、図2において矢印で示す方向、すなわち、フッ素添加クラッド3とは反対側の方向(ガラス母材の外側方向)に加工曲がりが生じる傾向がある。
一方、図3に示すように、内側クラッド2とフッ素添加クラッド3の境界部において、ドリルツール11による穿孔加工を行うと、図3において矢印で示す方向、すなわち、フッ素添加クラッド3とは反対側の方向(ガラス母材の内側方向)に加工曲がりが生じる傾向がある。
石英ガラスにフッ素を添加すると、石英ガラス中の一部のSi−O−Si結合が切断され、その結合が切断された部分にフッ素(F)が結合して、Si−F結合を形成する。すると、ガラス構造がより疎となり、Si−F結合を形成している部分の密度や弾性率が低下する。よって、図2や図3に示すような屈折率プロファイルを有するガラス母材において、純粋な石英ガラスからなる内側クラッド2または外側クラッド4と、フッ素添加クラッド3との境界部において、ドリルツール11による穿孔加工を行った場合、ガラス構造が疎であるフッ素添加クラッド3がより促進的に穿孔される。その結果、図4の模式図に示すように、石英ガラス部21(内側クラッド2、外側クラッド4)とフッ素添加石英ガラス部22(フッ素添加クラッド3)の境界部に対して垂直に、ドリルツール11による穿孔加工を行おうとしても、加工面23は、ガラス母材の長手方向に対して傾きを持つようになる。
そして、加工面23が傾いた状態で穿孔加工を続けると、図5に示すように、ドリルツール11にかかる剛性によって、加工面23に沿って、ドリルツール11の先端が曲がり、その結果として、加工曲がりが生じると考えられる。
これに対して、図6に示すように、フッ素添加クラッド3のみに、ドリルツール11による穿孔加工を行った場合、ドリルツール11は、ガラス構造が疎の領域のみに対して穿孔加工を行うことになるので、ドリルツール11は傾くことがなくなり、フッ素添加クラッド3の長手方向(ガラス母材の長手方向)に沿って、穿孔加工が行われる。その結果、穿孔加工の加工長全長において、加工曲がりが抑えられる。
すなわち、本発明では、ガラス母材の断面において、穿孔加工を行う領域とそれ以外の領域に屈折率差を設けることにより、ガラス母材の長手方向全長において、穿孔加工時の加工曲がりを抑制し、結果的に、光ファイバの長手方向全長において、コアが所望の位置に設けられたマルチコア光ファイバを製造することが可能となる。
本発明において、有効なフッ素添加量を、無添加の純粋石英ガラスに対する、低屈折率クラッド(フッ素添加クラッド3)の比屈折率差(Δh)によって定義する。本発明において、比屈折率差(Δh)は0.01%以上であることが好ましい。比屈折率差(Δh)が0.01%未満であると、加工曲がりが発生するおそれがある。また、フッ素が添加された石英ガラスからなるクラッド(以下、「フッ素添加クラッド」と言う。)を有する純シリカコアファイバに孔開加工を行なう場合には、図7に示すように、純シリカコア31の周囲に設けられたフッ素添加クラッド32において、穿孔加工領域のフッ素添加量を変えて、低屈折率フッ素添加クラッド33とすることによって、内側クラッド32Aまたは外側クラッド32Bに対する、低屈折率フッ素添加クラッド33の比屈折率差(Δh)を設けることができる。
(1)第一実施形態
図8に示すように、共通クラッド部となる領域41内に、互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域42を備えた第一のガラスロッド40を作製する。
低屈折率領域42は、第一のガラスロッド40(共通クラッド部となる領域41)に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられている。
共通クラッド部となる領域41は石英ガラスから構成され、低屈折率領域42はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域41の屈折率(第二の屈折率)をn、低屈折率領域42の屈折率(第三の屈折率)をnとすると、n<nの関係をなしている。
低屈折率領域42において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域42において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
ここで、無添加の純粋石英ガラスの屈折率(ここでは、共通クラッド部となる領域41の屈折率)をn、純粋石英ガラスにおけるある部分において、ドーパントが添加された領域(ドーパント(ここでは、フッ素)添加領域)があり、その部分の屈折率(ここでは、低屈折率領域42の屈折率)をnとしたとき、比屈折率差Δは、下記の式(1)によって定義される。
Figure 0005702344
このような構造を有する第一のガラスロッド40の製造方法を説明する。
まず、石英ガラス管の内部において、中心に純粋石英ガラスロッド、その周囲にフッ素添加石英ガラスロッド、さらに、その周囲に純粋石英ガラスロッドを配置する。
次に、ガラスロッドが配置された石英ガラス管の一端を封止し、開放している他端から石英ガラス管内を真空引きしながら、その石英ガラス管全体を加熱することにより、石英ガラス管を軟化させて、石英ガラス管内の隙間を埋め、図8に示す構造の第一のガラスロッド40を得る。
また、低屈折率領域42の直径、第一のガラスロッド40における低屈折率領域42の配置は、後工程で、それぞれの低屈折率領域42内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図9に示すように、それぞれの低屈折率領域42内に、ドリルによる穿孔加工により、空孔43を形成する。この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域41と低屈折率領域42の屈折率差によって、空孔43は低屈折率領域42の長手方向(第一のガラスロッド40の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
なお、図9には、低屈折率領域42の中央部に空孔43を形成する場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明にあっては、低屈折率領域内であれば、空孔を形成する位置は低屈折率領域の中央部でなくてもよい。
このようにして、空孔43の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド40Aが得られる。
次に、コアとなる部分51と、コアとなる部分51の周囲に配置されたクラッドとなる部分52と、を備えた第二のガラスロッド50を6本準備する(図10参照)。
この第二のガラスロッド50では、コアとなる部分51は、共通クラッド部となる領域41の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分52は、コアとなる部分51よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域42内に形成されたそれぞれの空孔43内に、上記の第二のガラスロッド50を挿入する。
次に、第二のガラスロッド50が挿入された第一のガラスロッド40Aを加熱することによって、第一のガラスロッド40Aと第二のガラスロッド50を一体化して、図10に示すような断面を有するガラス母材60を得る。
得られたガラス母材60には、各第二のガラスロッド50の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域42が残っているが、この低屈折率領域42がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材60を線引きすることにより、図11に示すようなマルチコア型の光ファイバ70が得られる。
ガラス母材60を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ70は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ70は、第二の屈折率を有する共通クラッド71と、共通クラッド71内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路80とから概略構成されている。
光ファイバ導波路80は、第二のガラスロッド50と同様の構成をなし、コア81は、共通クラッド71の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド82は、コア81よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
光ファイバ導波路80は、共通クラッド71に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられている。
また、光ファイバ導波路80の周囲に低屈折率部72が設けられている。
共通クラッド71は石英ガラスから構成され、低屈折率部72はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド71の屈折率(第二の屈折率)をn、低屈折率部72の屈折率(第三の屈折率)をnとすると、n<nの関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ70は、空孔43の加工曲がりが少ないガラス母材60を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
また、本発明によれば、上記の加工曲がりの抑制以外にも以下の効果を奏する。
従来、ガラス母材に対してドリルによる穿孔加工を行った後、形成された空孔の内表面の平滑化、加工時に生じたクラックの除去、空孔径の微調整などを目的として、空孔内の研磨やエッチング加工などを行っている。空孔内の研磨やエッチング加工では、空孔の内表面を0.01〜0.3mm程度削っている。
本発明によれば、ガラス母材における、空孔を形成する領域が、フッ素が添加された低屈折率領域であるので、空孔内の研磨やエッチング加工性に優れ、より短時間で加工できるといった効果も得られる。
なお、本実施形態では、第一のガラスロッドおよび光ファイバに、空孔が6つ設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、空孔の数は、所望の光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
(2)第二実施形態
図12に示すように、共通クラッド部となる領域91内に、互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域92を備えた第一のガラスロッド90を作製する。
低屈折率領域92は、共通クラッド部となる領域91の中央に設けたれた低屈折率領域92Aと、低屈折率領域92Aの周囲に、共通クラッド部となる領域91に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられた低屈折率領域92Bと、を備えている。
共通クラッド部となる領域91は石英ガラスから構成され、低屈折率領域92はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域91の屈折率(第二の屈折率)をn12、低屈折率領域92の屈折率(第三の屈折率)をn13とすると、n13<n12の関係をなしている。
低屈折率領域92において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域92において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
このような構造を有する第一のガラスロッド90の製造方法を説明する。
まず、石英ガラス管の内部において、中心にフッ素添加石英ガラスロッド、その周囲に純粋石英ガラスロッド、その周囲にフッ素添加石英ガラスロッド、さらに、その周囲に純粋石英ガラスロッドを配置する。
次に、ガラスロッドが配置された石英ガラス管の一端を封止し、開放している他端から石英ガラス管内を真空引きしながら、その石英ガラス管全体を加熱することにより、石英ガラス管を軟化させて、石英ガラス管内の隙間を埋め、図12に示す構造の第一のガラスロッド90を得る。
また、低屈折率領域92の直径、第一のガラスロッド90における低屈折率領域92の配置は、後工程で、それぞれの低屈折率領域92内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図13に示すように、それぞれの低屈折率領域92内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔93を形成する。この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域91と低屈折率領域92の屈折率差によって、空孔93は低屈折率領域92の長手方向(第一のガラスロッド90の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
このようにして、空孔93の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド90Aが得られる。
次に、コアとなる部分101と、コアとなる部分101の周囲に配置されたクラッドとなる部分102と、を備えた第二のガラスロッド100を7本準備する(図14参照)。
この第二のガラスロッド100では、コアとなる部分101は、共通クラッド部となる領域91の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分102は、コアとなる部分101よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域92内に形成されたそれぞれの空孔93内に、上記の第二のガラスロッド100を挿入する。
次に、第二のガラスロッド100が挿入された第一のガラスロッド90Aを加熱することによって、第一のガラスロッド90Aと第二のガラスロッド100を一体化して、図14に示すような断面を有するガラス母材110を得る。
得られたガラス母材110には、各第二のガラスロッド100の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域92が残っているが、この低屈折率領域92がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材110を線引きすることにより、図15に示すようなマルチコア型の光ファイバ120が得られる。
ガラス母材110を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ120は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ120は、第二の屈折率を有する共通クラッド121と、共通クラッド121内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路130とから概略構成されている。
光ファイバ導波路130は、第二のガラスロッド100と同様の構成をなし、コア131は、共通クラッド121の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド132は、コア131よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
光ファイバ導波路130は、共通クラッド121の中央に1つと、その周囲を囲み、共通クラッド121に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つとが設けられている。
また、光ファイバ導波路130の周囲に低屈折率部122が設けられている。
共通クラッド121は石英ガラスから構成され、低屈折率部122はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド121の屈折率(第二の屈折率)をn12、低屈折率部122の屈折率(第三の屈折率)をn13とすると、n13<n12の関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ120は、空孔93の加工曲がりが少ないガラス母材110を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
(3)第三実施形態
図16に示すように、共通クラッド部となる領域141内に、互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域142を備えた第一のガラスロッド140を作製する。
低屈折率領域142は、共通クラッド部となる領域の中央に設けたれた低屈折率領域142Aと、共通クラッド部となる領域141に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられた低屈折率領域142Bと、低屈折率領域142Bの周囲に、共通クラッド部となる領域141に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられた低屈折率領域142Cと、を備えている。
共通クラッド部となる領域141は石英ガラスから構成され、低屈折率領域142はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域141の屈折率(第二の屈折率)をn22、低屈折率領域142の屈折率(第三の屈折率)をn23とすると、n23<n22の関係をなしている。
低屈折率領域142において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域142において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
このような構造を有する第一のガラスロッド140の製造方法を説明する。
まず、石英ガラス管の内部において、中心にフッ素添加石英ガラスロッド、その周囲に純粋石英ガラスロッド、その周囲にフッ素添加石英ガラスロッド、その周囲に純粋石英ガラスロッド、その周囲にフッ素添加石英ガラスロッド、さらに、その周囲に純粋石英ガラスロッドを配置する。
次に、ガラスロッドが配置された石英ガラス管の一端を封止し、開放している他端から石英ガラス管内を真空引きしながら、その石英ガラス管全体を加熱することにより、石英ガラス管を軟化させて、石英ガラス管内の隙間を埋め、図16に示す構造の第一のガラスロッド140を得る。
また、低屈折率領域142の直径、第一のガラスロッド140における低屈折率領域142の配置は、後工程で、それぞれの低屈折率領域142内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図17に示すように、それぞれの低屈折率領域142内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔143を形成する。この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域141と低屈折率領域142の屈折率差によって、空孔143は低屈折率領域142の長手方向(第一のガラスロッド140の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
このようにして、空孔143の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド140Aが得られる。
次に、コアとなる部分151と、コアとなる部分151の周囲に配置されたクラッドとなる部分152と、を備えた第二のガラスロッド150を13本準備する(図18参照)。
この第二のガラスロッド150では、コアとなる部分151は、共通クラッド部となる領域141の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分152は、コアとなる部分151よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域142内に形成されたそれぞれの空孔143内に、上記の第二のガラスロッド150を挿入する。
次に、第二のガラスロッド150が挿入された第一のガラスロッド140Aを加熱することによって、第一のガラスロッド140Aと第二のガラスロッド150を一体化して、図18に示すような断面を有するガラス母材160を得る。
得られたガラス母材160には、各第二のガラスロッド150の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域142が残っているが、この低屈折率領域142がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材160を線引きすることにより、図19に示すようなマルチコア型の光ファイバ170が得られる。
ガラス母材160を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ170は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ170は、第二の屈折率を有する共通クラッド171と、共通クラッド171内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路180とから概略構成されている。
光ファイバ導波路180は、第二のガラスロッド150と同様の構成をなし、コア181は、共通クラッド171の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド182は、コア181よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
光ファイバ導波路180は、共通クラッド171の中央に1つと、その周囲を囲み、共通クラッド171に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つと、その周囲を囲み、共通クラッド171に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つとが設けられている。
また、光ファイバ導波路180の周囲に低屈折率部172が設けられている。
共通クラッド171は石英ガラスから構成され、低屈折率部172はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド171の屈折率(第二の屈折率)をn22、低屈折率部172の屈折率(第三の屈折率)をn23とすると、n23<n22の関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ170は、空孔143の加工曲がりが少ないガラス母材160を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
(4)第四実施形態
図20に示すように、共通クラッド部となる領域191内に、共通クラッド部となる領域191に対して同心円状に、環状の低屈折率領域192を備えた第一のガラスロッド190を作製する。
共通クラッド部となる領域191は石英ガラスから構成され、低屈折率領域192はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域191の屈折率(第二の屈折率)をn32、低屈折率領域192の屈折率(第三の屈折率)をn33とすると、n33<n32の関係をなしている。
低屈折率領域192において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域192において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
このような構造を有する第一のガラスロッド190の作製には、VAD(Vapor phase Axial Deposition)法やCVD(chemical vapor deposition)法などの一般的な光ファイバ用プリフォームの製造方法を適用することができる。
また、低屈折率領域192の内径および外径は、後工程で、低屈折率領域192内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図21に示すように、低屈折率領域192内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔193を形成する。この穿孔加工では、低屈折率領域192内に、互いに離隔して、共通クラッド部となる領域191に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔193を形成する。
この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域191と低屈折率領域192の屈折率差によって、空孔193は低屈折率領域192の長手方向(第一のガラスロッド190の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
なお、図21には、低屈折率領域192の中央部に空孔193を形成する場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明にあっては、低屈折率領域内であれば、空孔を形成する位置は低屈折率領域の中央部でなくてもよい。
このようにして、空孔193の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド190Aが得られる。
次に、コアとなる部分201と、コアとなる部分201の周囲に配置されたクラッドとなる部分202と、を備えた第二のガラスロッド200を6本準備する(図22参照)。
この第二のガラスロッド200では、コアとなる部分201は、共通クラッド部となる領域191の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分202は、コアとなる部分201よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域192内に形成されたそれぞれの空孔193内に、上記の第二のガラスロッド200を挿入する。
次に、第二のガラスロッド200が挿入された第一のガラスロッド190Aを加熱することによって、第一のガラスロッド180Aと第二のガラスロッド200を一体化して、図22に示すような断面を有するガラス母材210を得る。
得られたガラス母材210には、各第二のガラスロッド200の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域192が残っているが、この低屈折率領域192がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材210を線引きすることにより、図23に示すようなマルチコア型の光ファイバ220が得られる。
ガラス母材210を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ220は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ220は、第二の屈折率を有する共通クラッド221と、共通クラッド221内に、共通クラッド221に対して同心円状に配置された環状の低屈折率部222と、低屈折率部222内に、互いに離隔して、共通クラッド221に対して同心円状に、ほぼ等間隔に配置された6つの光ファイバ導波路230とから概略構成されている。
光ファイバ導波路230は、第二のガラスロッド200と同様の構成をなし、コア231は、共通クラッド221の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド232は、コア231よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
共通クラッド221は石英ガラスから構成され、低屈折率部222はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド221の屈折率(第二の屈折率)をn32、低屈折率部222の屈折率(第三の屈折率)をn33とすると、n33<n32の関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ220は、空孔193の加工曲がりが少ないガラス母材210を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
(5)第五実施形態
図24に示すように、共通クラッド部となる領域241内に低屈折率領域242を備えた第一のガラスロッド240を作製する。
低屈折率領域242は、共通クラッド部となる領域241の中央に設けたれた低屈折率領域242Aと、低屈折率領域242Aの周囲に、第一のガラスロッド240(共通クラッド部となる領域241)に対して同心円状に設けられた環状の低屈折率領域242Bと、を備えている。
共通クラッド部となる領域241は石英ガラスから構成され、低屈折率領域242はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域241の屈折率(第二の屈折率)をn42、低屈折率領域242の屈折率(第三の屈折率)をn43とすると、n43<n42の関係をなしている。
低屈折率領域242において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域242において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
このような構造を有する第一のガラスロッド240の作製には、VAD(Vapor phase Axial Deposition)法やCVD(chemical vapor deposition)法などの一般的な光ファイバ用プリフォームの製造方法を適用することができる。
また、低屈折率領域242Aの外径、並びに、低屈折率領域242Bの内径および外径は、後工程で、低屈折率領域242内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図25に示すように、低屈折率領域242内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔243を形成する。この穿孔加工では、低屈折率領域242A内に1つの空孔243を形成し、低屈折率領域242B内に、互いに離隔して、共通クラッド部となる領域241に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔243を形成する。
この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域241と低屈折率領域242の屈折率差によって、空孔243は低屈折率領域242の長手方向(第一のガラスロッド240の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
このようにして、空孔243の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド240Aが得られる。
次に、コアとなる部分251と、コアとなる部分251の周囲に配置されたクラッドとなる部分252と、を備えた第二のガラスロッド250を7本準備する(図26参照)。
この第二のガラスロッド250では、コアとなる部分251は、共通クラッド部となる領域241の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分252は、コアとなる部分251よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域242内に形成されたそれぞれの空孔243内に、上記の第二のガラスロッド250を挿入する。
次に、第二のガラスロッド250が挿入された第一のガラスロッド240Aを加熱することによって、第一のガラスロッド240Aと第二のガラスロッド250を一体化して、図26に示すような断面を有するガラス母材260を得る。
得られたガラス母材260には、各第二のガラスロッド250の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域242が残っているが、この低屈折率領域242がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材260を線引きすることにより、図27に示すようなマルチコア型の光ファイバ270が得られる。
ガラス母材260を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ270は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ270は、第二の屈折率を有する共通クラッド271と、共通クラッド271の中央に配置された低屈折率部272(272A)と、低屈折率部272(272A)内に配置された1つの光ファイバ導波路280と、共通クラッド271内に、共通クラッド271に対して同心円状に配置された環状の低屈折率部272(272B)と、低屈折率部262(262B)内に、互いに離隔して、共通クラッド261に対して同心円状に、ほぼ等間隔に配置された6つの光ファイバ導波路280とから概略構成されている。
光ファイバ導波路280は、第二のガラスロッド250と同様の構成をなし、コア281は、共通クラッド271の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド282は、コア281よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
共通クラッド271は石英ガラスから構成され、低屈折率部272はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド271の屈折率(第二の屈折率)をn42、低屈折率部272の屈折率(第三の屈折率)をn43とすると、n43<n42の関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ270は、空孔243の加工曲がりが少ないガラス母材260を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
(6)第六実施形態
図28に示すように、共通クラッド部となる領域291内に低屈折率領域292を備えた第一のガラスロッド290を作製する。
低屈折率領域292は、共通クラッド部となる領域の中央に設けたれた低屈折率領域292Aと、低屈折率領域292Aの周囲に、共通クラッド部となる領域281に対して同心円状に設けられた環状の低屈折率領域292Bと、低屈折率領域292Bの周囲に、共通クラッド部となる領域291に対して同心円状に設けられた環状の低屈折率領域292Cと、を備えている。
共通クラッド部となる領域291は石英ガラスから構成され、低屈折率領域292はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド部となる領域291の屈折率(第二の屈折率)をn52、低屈折率領域292の屈折率(第三の屈折率)をn53とすると、n53<n52の関係をなしている。
低屈折率領域292において、全周方向にわたって、フッ素添加量は均一であることが好ましい。また、低屈折率領域292において、全周方向にわたって、比屈折率差のばらつきは0.01%未満であることが好ましい。
このような構造を有する第一のガラスロッド290の作製には、VAD(Vapor phase Axial Deposition)法やCVD(chemical vapor deposition)法などの一般的な光ファイバ用プリフォームの製造方法を適用することができる。
また、低屈折率領域292Aの外径、低屈折率領域292Bの内径および外径、並びに、低屈折率領域292Cの内径および外径は、後工程で、低屈折率領域292内に形成される空孔に挿入される第二のガラスロッドの直径、および、所望のマルチコア光ファイバの光学特性(クロストーク)に応じて適宜調整される。
次に、図29に示すように、低屈折率領域292内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔293を形成する。この穿孔加工では、低屈折率領域292A内に1つの空孔293を形成する。また、低屈折率領域292B内に、互いに離隔して、共通クラッド部となる領域291に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔293を形成する。さらに、低屈折率領域292C内に、互いに離隔して、共通クラッド部となる領域291に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔293を形成する。
この穿孔加工では、共通クラッド部となる領域291と低屈折率領域292の屈折率差によって、空孔293は低屈折率領域292の長手方向(第一のガラスロッド290の長手方向)に沿って加工されて行くため、加工曲がりが少ない。
このようにして、空孔293の加工曲がりが少ない空孔付きの第一のガラスロッド290Aが得られる。
次に、コアとなる部分301と、コアとなる部分301の周囲に配置されたクラッドとなる部分302と、を備えた第二のガラスロッド300を13本準備する(図30参照)。
この第二のガラスロッド300では、コアとなる部分301は、クラッドとなる部分302の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッドとなる部分302は、コアとなる部分301よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
次に、低屈折率領域292内に形成されたそれぞれの空孔293内に、上記の第二のガラスロッド300を挿入する。
次に、第二のガラスロッド300が挿入された第一のガラスロッド290Aを加熱することによって、第一のガラスロッド290Aと第二のガラスロッド300を一体化して、図30に示すような断面を有するガラス母材310を得る。
得られたガラス母材310には、各第二のガラスロッド300の周囲にフッ素が添加された低屈折率領域292が残っているが、この低屈折率領域292がマルチコア光ファイバのコア間のクロストークを抑制する効果も奏する。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材310を線引きすることにより、図31に示すようなマルチコア型の光ファイバ320が得られる。
ガラス母材310を線引きする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。
線引き後の光ファイバ320は、公知の手法により、各種樹脂で被覆することが好ましい。
光ファイバ320は、第二の屈折率を有する共通クラッド321と、共通クラッド321の中央に配置された低屈折率部322A(322)と、低屈折率部322A(322)内に配置された1つの光ファイバ導波路330と、共通クラッド321内において、低屈折率部322A(322)の周囲に、共通クラッド321に対して同心円状に配置された環状の低屈折率部322B(322)と、低屈折率部322B(322)内に、互いに離隔して、共通クラッド321に対して同心円状に配置された6つの光ファイバ導波路330と、共通クラッド321内において、低屈折率部322B(322)の周囲に、共通クラッド321に対して同心円状に配置された環状の低屈折率部322C(322)と、低屈折率部322C(322)内に、互いに離隔して、共通クラッド321に対して同心円状に配置された6つの光ファイバ導波路330とから概略構成されている。
光ファイバ導波路330は、第二のガラスロッド300と同様の構成をなし、コア331は、共通クラッド321の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド332は、コア331よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
共通クラッド321は石英ガラスから構成され、低屈折率部322はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
また、共通クラッド321の屈折率(第二の屈折率)をn52、低屈折率部322の屈折率(第三の屈折率)をn53とすると、n53<n52の関係をなしている。
本実施形態の光ファイバ320は、空孔293の加工曲がりが少ないガラス母材310を線引きして得られたものであるので、クロストークの劣化が抑制されているから、伝送容量を大幅に向上することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図12に示すように、共通クラッド部となる領域91内に、互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域92を備えた第一のガラスロッド90を作製した。
低屈折率領域92は、共通クラッド部となる領域91の中央に設けたれた低屈折率領域92Aと、低屈折率領域92Aの周囲に、共通クラッド部となる領域81に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つ設けられた低屈折率領域92Bと、を備えている。
共通クラッド部となる領域91は石英ガラスから構成され、低屈折率領域92はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
第一のガラスロッド90の外径は100mm、長さは1000mmであった。また、低屈折率領域92の外径は19mmであった。
また、共通クラッド部となる領域91の屈折率(第二の屈折率)をn12、低屈折率領域92の屈折率(第三の屈折率)をn13とすると、n13<n12の関係をなしていた。さらに、低屈折率領域92の比屈折率差は0.7%であった。
次に、図13に示すように、それぞれの低屈折率領域92内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔93を形成した。
このとき、ドリルツールの先端の外径を18mmとし、穿孔加工による加工長を1000mmとし、第一のガラスロッド90の長手方向に沿って貫通孔を形成し、空孔付きの第一のガラスロッド90Aを得た。
次に、コアとなる部分101と、コアとなる部分101の周囲に配置されたクラッドとなる部分102と、を備えた第二のガラスロッド100を7本準備した(図14参照)。
次に、低屈折率領域92内に形成されたそれぞれの空孔93内に、上記の第二のガラスロッド100を挿入した。
次に、第二のガラスロッド100が挿入された第一のガラスロッド90Aを加熱することによって、第一のガラスロッド90Aと第二のガラスロッド100を一体化して、図14に示すような断面を有するガラス母材110を得た。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材110を線引きすることにより、図15に示すような外径140μmのマルチコア型の光ファイバ120を得た。
光ファイバ120は、第二の屈折率を有する共通クラッド121と、共通クラッド121内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路130とから概略構成されている。
光ファイバ導波路130は、共通クラッド121の中央に1つと、その周囲を囲み、共通クラッド121に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つとが設けられている。
光ファイバ導波路130は、コア131が、共通クラッド121の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド132が、コア131よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
また、光ファイバ導波路130の周囲に低屈折率部122が設けられている。
また、共通クラッド121の屈折率(第二の屈折率)をn12、低屈折率部122の屈折率(第三の屈折率)をn13とすると、n13<n12の関係をなしていた。
[実施例2]
図24に示すように、共通クラッド部となる領域241内に低屈折率領域242を備えた第一のガラスロッド240を作製した。
低屈折率領域242は、共通クラッド部となる領域241の中央に設けたれた低屈折率領域242Aと、低屈折率領域242Aの周囲に、共通クラッド部となる領域241に対して同心円状に設けられた環状の低屈折率領域242Bと、を備えている。
共通クラッド部となる領域241は石英ガラスから構成され、低屈折率領域242はフッ素が添加された石英ガラスから構成されている。
共通クラッド部となる領域241の外径は100mm、長さは1000mmであった。また、低屈折率領域242の厚さは19mmであった。
また、共通クラッド部となる領域241の屈折率(第二の屈折率)をn42、低屈折率領域242の屈折率(第三の屈折率)をn43とすると、n43<n42の関係をなしていた。さらに、低屈折率領域242の比屈折率差は0.7%であった。
次に、図25に示すように、低屈折率領域242内において、第二のガラスロッドを挿入する位置に、ドリルによる穿孔加工により、空孔243を形成した。この穿孔加工では、低屈折率領域242A内に1つの空孔243を形成し、低屈折率領域242B内に、互いに離隔して、共通クラッド部となる領域241に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔243を形成した。
このとき、ドリルツールの先端の外径を18mmとし、穿孔加工による加工長を1000mmとし、第一のガラスロッド240の長手方向に沿って貫通孔を形成し、空孔付きの第一のガラスロッド240Aを得た。
次に、コアとなる部分251と、コアとなる部分251の周囲に配置されたクラッドとなる部分252と、を備えた第二のガラスロッド250を7本準備した(図26参照)。
次に、低屈折率領域242内に形成されたそれぞれの空孔243内に、上記の第二のガラスロッド250を挿入した。
次に、第二のガラスロッド250が挿入された第一のガラスロッド240Aを加熱することによって、第一のガラスロッド240Aと第二のガラスロッド250を一体化して、図26に示すような断面を有するガラス母材260を得た。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材260を線引きすることにより、図27に示すような外径140μmのマルチコア型の光ファイバ270を得た。
光ファイバ270は、第二の屈折率を有する共通クラッド271と、共通クラッド271の中央に配置された低屈折率部272(272A)と、低屈折率部272(272A)内に配置された1つの光ファイバ導波路280と、共通クラッド271内に、共通クラッド271に対して同心円状に配置された環状の低屈折率部272(272B)と、低屈折率部272(272B)内に、互いに離隔して、共通クラッド271に対して同心円状に、ほぼ等間隔に配置された6つの光ファイバ導波路280とから概略構成されている。
光ファイバ導波路280は、コア281が、共通クラッド271の屈折率(第二の屈折率)よりも高い屈折率(第一の屈折率)を有する。また、クラッド282が、コア281よりも低い屈折率(第四の屈折率)を有する。
また、光ファイバ導波路280の周囲に低屈折率部272が設けられている。
また、共通クラッド271の屈折率(第二の屈折率)をn42、低屈折率部272の屈折率(第三の屈折率)をn43とすると、n43<n42の関係をなしていた。
[比較例]
図32に示すように、共通クラッド部となる領域341と、その中央に、コアとなる部分351、コアとなる部分351の周囲に配置されたクラッドとなる部分352、および、その周囲に配置されたフッ素が添加された低屈折率部353を備えた第二のガラスロッド350とを有する第一のガラスロッド340を作製した。
第一のガラスロッド340の外径は100mm、長さは1000mmであった。
また、共通クラッド部となる領域341の屈折率をn102、低屈折率部353の屈折率をn103とすると、n103<n102の関係をなしていた。
次に、図33に示すように、共通クラッド部となる領域341において、コア材を挿入する位置(ここでは、低屈折率部353の周囲)に、ドリルによる穿孔加工により、共通クラッド部となる領域341に対して同心円状に、ほぼ等間隔に6つの空孔342を形成した。
このとき、ドリルツールの先端の外径を18mmとし、穿孔加工による加工長を1000mmとし、第一のガラスロッド340の長手方向に沿って貫通孔を形成し、空孔付きの第一のガラスロッド340Aを得た。
次に、コアとなる部分351、コアとなる部分351の周囲に配置されたクラッドとなる部分352、および、その周囲に配置されたフッ素が添加された低屈折率部353を備えた第二のガラスロッド350を6本準備した(図34参照)。
次に、共通クラッド部となる領域341内に形成されたそれぞれの空孔332内に、上記の第二のガラスロッド350を挿入した。
次に、第二のガラスロッド350が挿入された第一のガラスロッド340Aを加熱することによって、第一のガラスロッド340Aと第二のガラスロッド350を一体化して、図34に示すような断面を有するガラス母材360を得た。
次に、上記の方法で製造されたガラス母材360を線引きすることにより、図35に示すような外径140μmのマルチコア型の光ファイバ370を得た。
光ファイバ370は、共通クラッド371と、共通クラッド371の中央に配置された光ファイバ導波路380と、共通クラッド371内において、中央に配置された光ファイバ導波路380の周囲に、互いに離隔して、共通クラッド371に対して同心円状に配置された6つの光ファイバ導波路380とから概略構成されている。
光ファイバ導波路380は、コア371と、コア371の周囲に配置されたクラッド372と、クラッド372の周囲に配置されたフッ素が添加された低屈折率領部373とから構成されている。
また、クラッド361の屈折率をn102、低屈折率領部373の屈折率をn103とすると、n103<n102の関係をなしていた。
[評価]
実施例1および2と比較例について、以下の3つの方法により、加工曲がり量の評価を行った。
(1)空孔付きの第一のガラスロッドの空孔位置の計測による加工曲がり量の評価
実施例1および2と比較例の第一のガラスロッドに穿孔加工を行った後、図36に示すように、第一のガラスロッド390の加工開始端面391と加工終了端面392において、空孔393の位置を計測した。
ここで、加工開始端面391において、第一のガラスロッド390の中心(コア394の中心)から、6つの空孔393の中心までの距離をそれぞれRs1、Rs2、Rs3、Rs4、Rs5、Rs6とし、それぞれの距離を計測した。そして、これらの距離の平均値を加工開始端面391における空孔位置Rsとした。
同様に、加工終了端面392において、第一のガラスロッド390の中心(コア394の中心)から、6つの空孔393の中心までの距離をそれぞれRe1、Re2、Re3、Re4、Re5、Re6とし、それぞれの距離を計測した。そして、これらの距離の平均値を加工終了端面392における空孔位置Reとした。
そして、第一のガラスロッド390における加工曲がり量ΔRを|Rs−Re|とした。結果を表1に示す。
(2)光ファイバのコアの位置の計測による加工曲がり量の評価
実施例1および2と比較例で得られた光ファイバについて、図37に示すように、上記の加工開始端面に相当する端面と加工終了端面に相当する端面において、光学顕微鏡により、コア間の距離を計測した。
加工開始端面に相当する端面において、中央のコア401の中心から、6つの外側にあるコア402の中心までの距離をそれぞれΛs1、Λs2、Λs3、Λs4、Λs5、Λs6とし、それぞれの距離を計測した。そして、これらの距離の平均値を加工開始端面に相当する端面におけるコア間距離Λsとした。
同様に、加工終了端面に相当する端面において、中央のコア401の中心から、6つの外側コア402の中心までの距離をそれぞれΛe1、Λe2、Λe3、Λe4、Λe5、Λe6とし、それぞれの距離を計測した。そして、これらの距離の平均値を加工終了端面に相当する端面におけるコア間距離Λeとした。
そして、光ファイバ400における加工曲がり量ΔΛを|Λs−Λe|とした。結果を表1に示す。
(3)光ファイバのクロストークの評価
実施例1および2と比較例で得られた光ファイバについて、以下示す方法によりクロストークを測定した。
光源から、光ファイバの一端面において、いずれかのコア(例えば、中央に設けられたコア)に光を入射させ、光ファイバの他端面において、光を入射したコア(例えば、中央に設けられたコア)から出力した光の強度を測定する。
また、光ファイバの他端面において、光を入射したコアとは異なるコア(例えば、中央に設けられたコアの周囲を囲むように設けられたコア)から出力した光の強度を測定する。
そして、光を入射したコア(例えば、中央に設けられたコア)から出力した光の強度と、光を入射したコアとは異なるコア(例えば、中央に設けられたコアの周囲を囲むように設けられたコア)から出力した光の強度との比率から、クロストーク値を算出する。
結果を表1に示す。
Figure 0005702344
表1の結果から、実施例1および2は、比較例に比べて、加工曲がりが小さいことが分かった。これにより、本発明は、加工曲がりの抑制に有効であることが確認された。
なお、加工曲がり量ΔΛが大きい程、コア間距離が近付くことを示しているとともに、コア間クロストークが劣化することを意味している。したがって、加工曲がりが大きい比較例では、加工曲がり量ΔΛが大きくなっており、その結果、クロストークが劣化していることが分かる。
1・・・高屈折率コア、2・・・内側クラッド、3・・・低屈折率クラッド、4・・・外側クラッド、21・・・石英ガラス部、22・・・フッ素添加石英ガラス部、23・・・加工面、31・・・純シリカコア、32・・・フッ素添加クラッド、33・・・低屈折率フッ素添加クラッド、40・・・第一のガラスロッド、41・・・共通クラッド部となる領域、42・・・低屈折率領域、43・・・空孔、50・・・第二のガラスロッド、51・・・コアとなる部分、52・・・クラッドとなる部分、60・・・ガラス母材、70・・・光ファイバ、71・・・共通クラッド、72・・・低屈折率部、80・・・光ファイバ導波路、81・・・コア、82・・・クラッド、190・・・第一のガラスロッド、191・・・共通クラッド部となる領域、192・・・低屈折率領域、193・・・空孔、200・・・第二のガラスロッド、201・・・コアとなる部分、202・・・クラッドとなる部分、210・・・ガラス母材、220・・・光ファイバ、221・・・共通クラッド、222・・・低屈折率部、230・・・光ファイバ導波路、231・・・コア、232・・・クラッド。

Claims (8)

  1. 複数のコアを有する光ファイバの製造方法であって、
    第二の屈折率を有する共通クラッド部となる領域内に互いに離隔して配置された複数の低屈折率領域を備え、前記低屈折率領域はフッ素が添加され、かつ、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有する第一のガラスロッドを準備する工程と、
    前記低屈折率領域のそれぞれの内部に空孔を形成する工程と、
    前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアとなる部分と、前記コアとなる部分の周囲に配置され、前記第一の屈折率よりも低い第四の屈折率を有するクラッドとなる部分と、を備えた第二のガラスロッドを複数準備する工程と、
    前記低屈折率領域内に形成されたそれぞれの空孔内に前記第二のガラスロッドを挿入する工程と、
    前記第一のガラスロッドと前記第二のガラスロッドを一体化してガラス母材を作製する工程と、
    前記ガラス母材を線引きする線引き工程と、を含むことを特徴とする光ファイバの製造方法。
  2. 複数のコアを有する光ファイバの製造方法であって、
    第二の屈折率を有する共通クラッド部となる領域内に環状の低屈折率領域を備え、前記低屈折率領域はフッ素が添加され、かつ、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有する第一のガラスロッドを準備する工程と、
    前記低屈折率領域内に、互いに離隔する複数の空孔を形成する工程と、
    前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアとなる部分と、前記コアとなる部分の周囲に配置され、前記第一の屈折率よりも低い第四の屈折率を有するクラッドとなる部分と、を備えた第二のガラスロッドを複数準備する工程と、
    前記低屈折率領域内に形成されたそれぞれの空孔内に前記第二のガラスロッドを挿入する工程と、
    前記第一のガラスロッドと前記第二のガラスロッドを一体化してガラス母材を作製する工程と、
    前記ガラス母材を線引きする線引き工程と、を含むことを特徴とする光ファイバの製造方法。
  3. 前記第一のガラスロッドを準備する工程において、前記共通クラッド部となる領域の中央に前記低屈折率領域を設け、
    前記空孔を形成する工程において、前記共通クラッド部となる領域に形成された低屈折率領域内に空孔を形成することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記第一のガラスロッドを準備する工程において、前記共通クラッド部となる領域に、同心円状に前記低屈折率領域を複数設けることを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 前記ガラス母材を作製する工程と、前記線引き工程とを同時に行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 複数のコアを有する光ファイバであって、
    第二の屈折率を有する共通クラッドと、前記共通クラッド内に設けられた、前記共通クラッドと同心円状の環状の低屈折率部と、前記低屈折率部内に互いに離隔して配置された複数の光ファイバ導波路と、を備え、
    前記低屈折率部はフッ素が添加され、前記第二の屈折率よりも低い第三の屈折率を有し、
    前記光ファイバ導波路は、前記第二の屈折率よりも高い第一の屈折率を有するコアと、前記コアの周囲に配置され、前記第四の屈折率を有するクラッドと、を備えたことを特徴とする光ファイバ。
  7. 前記共通クラッドの中央に、前記光ファイバ導波路が設けられ、当該光ファイバ導波路の周囲に前記低屈折率部が設けられたことを特徴とする請求項に記載の光ファイバ。
  8. 前記共通クラッド内に、同心円状に前記低屈折率部が複数設けられたことを特徴とする請求項またはに記載の光ファイバ。
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