以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態をパチンコ遊技機を例にして説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
<1.構成の概要:図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板20(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御され、利益状態として、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
また液晶表示装置36には、小当りまたは潜伏確変大当りに当選した場合に移行する演出モードの種類(演出モード種)を、複数個の演出モード種の中から選択するための選択肢を示す演出モード選択画面361(図9参照)も表示される。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御基板20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板20に設けられるRAM203(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
(1−1.当り遊技終了後の遊技状態)
上述した各当り遊技が終了した後、その当りの当選時の遊技状態と当りの種別とに基づき、所定の遊技状態に移行される。本実施形態のパチンコ遊技機1には、内部的な遊技状態(主制御基板20側で管理される遊技状態)として、複数種類の遊技状態が設けられており、当りの種別とその当り当選時の遊技状態とに基づいて、いずれの遊技状態に移行するかが決定される。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り種別に属する当り(15R大当り、特殊15R大当り)の抽選確率が所定確率の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば39.9分の1)に変動させて大当り確率変動状態(以下、「大当り確変状態」と称する)を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態、つまり大当り確変状態下では、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動して、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生するようになり、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、たとえば30秒(特別図柄時短機能が未作動中のとき)から5秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間を短縮した普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能が未作動中のとき)から1秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が作動中の遊技状態下では、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が未作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
上述のように、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「時短状態(時短中)」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が作動する遊技状態を「確変状態(確変中)」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜伏確変中)」と称し、いずれの機能も作動中でない状態を「通常状態(通常状態中)」と称する。
(1−2.高ベース遊技状態)
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が付与された遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が付与されている「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が付与されていない状態(本実施形態では「通常遊技状態」に相当する)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
(1−3.大当りの種別)
次に、主制御部側で管理される大当りの種別について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、非確変大当りの「15R非確変大当り」と、確変大当りの「15R確変大当り」「2R突然確変大当り(2R突確大当り)」「2R潜伏確変大当り」とが設けられている。
これらの大当りによる大当り遊技のうち、15R非確変大当りと15R確変大当りでは、利益状態の供与として、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、2R突確大当りと2R潜伏確変大当りでは、2ラウンド行われる。また、上記2R突確大当りと2R潜伏確変大当りについては、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が15R非確変大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば、0.5秒)設定されている。したがって、15R確変大当りは、利益状態を供与する当りのうちの一種で供与する利益状態が相対的に大きい大当りであり、また2R潜伏確変大当りは、利益状態を供与する当りのうちの一種で、供与する利益状態が相対的に小さい特定の大当り(特定当り)である。
また大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特別遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで潜伏確変状態が発生し、15R非確変大当りには特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。ここで、確変状態中または時短状態中では、開放延長機能が付与されるので、これら遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。
また上述した大当りの他、2R潜伏確変大当りの場合と実質的に同じ遊技動作態様で大入賞口40が2回開閉される当り状態(小当り遊技)が付与される「小当り」を設けてある。この「小当り」は、上記大当りの15R確変大当りおよび上記特定当りの2R潜伏確変大当り以外の当りであって、特定当りと近似する当り動作を実行するものである。そして、この小当り遊技は、2R潜伏確変大当りの場合との違いを遊技者が識別することが困難である遊技動作態様で行われる。
したがって、小当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値と2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値とは、実質的に同じとなる。しかし小当り遊技終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特別遊技状態の発生する大当りとはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態となる。以下、特に必要がない限り、上記小当りについては他の大当りと区別することなく大当りの種別の一つとして同列に扱うことにする。
なお、上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄もしくは確変大当りか非確変大当りかいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、当選した大当りが確変大当りであっても、装飾図柄に関しては必ずしも最初から当該確変大当りが明らかとなる図柄で表示することを行わない。通常、遊技者は液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームを見ながら遊技に興じているので、当該ゲーム結果が非確変大当り種別を示す図柄であっても、遊技者に確変大当りへの期待感を残すためである。
(1−4.演出モード)
次に、演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、遊技状態が非確変状態であることを報知する「通常演出モード」と、大当り抽選確率が高確率状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変確定演出モード」と、時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード」と、大当り当選確率状態を隠匿状態とする特別演出モード、具体的には現在の遊技状態を隠匿して遊技者に潜伏確変状態の期待感を与える「確変隠匿演出モード」とが設けられている。
この確変隠匿演出モードには演出モード1、演出モード2、演出モード3の別があり、この順序で潜伏確変状態に滞在している期待度(潜伏確変期待度)が大きくなっている。「演出モード1」は演出モード1〜3の中で潜伏確変期待度が相対的に最も低い、たとえば緑色背景の演出モードである。「演出モード2」は演出モード1〜3の中で潜伏確変期待度が中程度の、たとえば赤色背景の演出モードである。「演出モード3」は演出モード1〜3の中で潜伏確変期待度が最も高い、たとえば金色背景の演出モードである。これらの演出モード1、2、3は、2R潜伏確変大当りまたは小当りに当選したことを条件として、そのいずれかが抽選により予選択される。またこれらの演出モード1、2、3の他に演出モード0がある。「演出モード0」は演出モード1、2、3よりもさらに潜伏確変期待度が低く、したがって非確変状態であることを強く匂わす演出モードであり、非確変状態であることを報知する通常演出モードと区別がつかない演出モードである。
演出モード1、2、3については、2R潜伏確変大当りまたは小当りに当選したことを条件として、その都度抽選が行われ、抽選により選択初期位置が決定され、かつその後の手操作により変更し得る選択範囲が決定されるため、演出モード1、2、3のいずれが予選択されるかについては、主制御部が移行する先である遊技状態の種類には厳密には対応していない。すなわち2R潜伏確変大当りまたは小当りに当選した場合、演出モード1、2、3のいずれにも移行する可能性がある。2R潜伏確変大当りまたは小当りに当選した場合に演出モード1、2、3のいずれに移行するかは、モード移行演出抽選により決定される。
このモード移行演出抽選は図7のモード移行演出選択テーブルを参照して行われ、移行後の遊技状態が通常状態である場合よりも潜伏確変状態である場合の方が、演出モード2以上(演出モード2、3)に移行する割合が高くなるようになっている。また選択範囲として、演出モード1、2の2つが選択可能な演出モード選択画面(二択画面)が表示される場合と、演出モード1、2、3の3つが選択可能な演出モード選択画面(三択画面)が表示される場合とがあり、二択画面が表示される場合よりも三択画面が表示される場合の方が潜伏確変期待度が高まるようになっている。すなわち「移行後の遊技状態」との関係では、移行後の遊技状態が「通常状態」である場合には、三択画面に属する演出モード1、2、3が選択される確率よりも、二択画面に属する演出モード1、2が選択される確率の方が高くなっている。また、移行後の遊技状態が「潜伏確変状態」である場合には、二択画面に属する演出モード1、2が選択される確率よりも、三択画面に属する演出モード1、2、3が選択される確率が高くなっている。さらにまた「移行前の演出モード」との関係においても、演出モード1、2、3のいずれかが選択される場合、移行前の演出モードが潜伏確変期待度の高い演出モードであるほど三択画面が出現しやすく、また演出モード2以上(演出モード2、3)に移行する割合が高くなるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のように複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能に構成している。具体的には、移行先が確変状態であれば「確変確定演出モード」に、時短状態であれば「時短演出モード」に、潜伏確変状態であれば確変隠匿演出モード(本物)に対応する演出モード1、2、3のいずれかに移行制御され、通常遊技状態においては、小当りフラグの成立の有無に依存して確変隠匿演出モード(ガセ)に対応する演出モード1、2、3のいずれかに移行制御される。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板20(主制御部)と、主制御基板20から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板25には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
(2−1.主制御基板20)
主制御基板20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM202と、ワークエリアが形成されるRAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御基板20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
主制御基板20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板20に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御基板24)
演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
また、演出制御基板24には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、モード移行演出の演出モードの選択肢を指定するためカーソル位置(現在選択位置)を移動させる場合や、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
演出制御ROM242は、大当り中演出制御プログラム244と大当り中演出データ245の記憶領域を含む。大当り中演出データ245は、選択可能な複数の演出モード種として、演出モード1、2、3の演出モードデータを記憶している。図7のモード移行演出選択テーブルでは、抽選テーブル番号1〜6のクラスとA欄、B欄との組合せにより区分けした計12個の演出選択区分に属する二択画面用の演出モード1〜2のデータと、図7のC欄、D欄、E欄と抽選テーブル番号1〜6のクラスとの組合せにより区分けした計18個の演出選択区分に属する三択画面用の演出モード1〜3のデータとがあるが、これらの同一名の演出モード1、2、3には同じ演出モードデータが繰り返し利用される。
演出制御CPU241は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出制御手段として機能する。具体的には、上記演出制御手段は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受信するコマンド受信手段と、その受信した演出制御コマンドに基づき、表示装置における表示演出または音響演出の演出内容(演出シナリオ)を決定する演出決定手段と、決定された演出内容を実行制御する演出実行制御手段としての役割を果たす。
また演出制御CPU241は、上記演出モード選択画面を表示する場合、モード移行演出選択テーブルにおいてあらかじめ定めた選択割合(振り分け率)に従って、二択画面用の演出モード1、2のうちから、または三択画面用の演出モード1、2、3のうちから、1つの演出モードの選択肢を初期の選択状態として予め設定する予設定手段として機能する。ここでの選択状態は、前後に重ねられた演出モード種の選択肢(演出モード選択画像)が最前面に来ること、または互いに独立して配置された演出モード種の選択肢(演出モード選択画像)が明るく表示されることなどで、遊技者に判る選択状態となることである。この選択状態は、仮想的なカーソルにより指示または選択された状態と見ることができる。また、具体的な三角マークなどのカーソルを該当する演出種の選択肢に合わせることも、この選択状態に含まれる。
また演出制御CPU241は、上記二択画面または三択画面の演出モード選択画面に表示された選択肢の範囲から枠演出ボタン13(演出選択用操作手段)の操作により選ばれた演出モード種の選択肢を選択状態に設定する手操作設定手段として機能する。
また演出制御CPU241は、上記予設定手段または手操作設定手段により現に選択状態にある選択肢の演出モード種を、最終的に選択されたものとして確定するとともに確定された演出モード種に関連する情報を記憶する演出モード確定手段として機能する。選択演出では、遊技者が枠演出ボタン13(演出選択用操作手段)を操作せずに何もしないで放置しておくと、予設定手段により初期の選択状態として予め設定された演出モード種についての選択肢が、自動的に確定された演出モード種として設定される。しかし演出選択用操作手段は選択スイッチ部と確定スイッチ部の2部分からなる手操作スイッチにより構成して、選択スイッチ部で演出種を選択した後に確定スイッチ部を押すことによっても、最終的な設定として確定する形態とすることもできる。
(2−3.液晶制御基板25)
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56とが設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御基板20から演出制御基板24へと送信される。
演出制御基板24側では、主制御基板20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また演出制御基板24は、主制御基板20から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置36に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に対し送信する。液晶制御基板25は、これにより演出パターンに対応した画像による演出を実現させる。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。なお、ここでも不正な行為に対する安全性を確保するため、液晶制御基板25から主制御基板20へは信号が流れないように構成される。
<3.遊技動作処理:図4〜図5>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作の制御を、図4〜図5に沿って説明する。
まず、図4のフローにおいて、ステップS101の処理で、特別図柄始動口センサ34a、35aにより始動口(上始動口34または下始動口35)への遊技球の入賞が検出され、その検出信号が入力されることで主制御基板20(主制御CPU201)側で始動条件の成立が認識される(ステップS101:YES)。つまり、特別図柄変動表示ゲームの開始条件が成立する。このとき作動保留球数が4未満(ステップS102:NO)ならば作動保留球数を1加算する(ステップS103)。この後、増加した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS104)。なお、図示はしていないが、主制御基板20は、上記特別図柄変動表示ゲームを行う最中または大当り遊技中に特別図柄始動口センサ34a、35aからの検出信号の入力を確認した場合にも、当該検出信号に基づく作動保留球を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。
上記始動条件の成立が認識されると、主制御基板20にて抽選用乱数(大当り判定用乱数)が取得され(ステップS105)、その乱数値が搭載RAM203(始動保留記憶手段)に記憶される。一方、作動保留球数が4以上の場合(ステップS102:YES)、上記ステップS103〜S105の処理は行わず、ステップS106の処理に進む。
次いで、ステップS106の処理に進み、作動保留球数が0であるか否かを確認し、作動保留球数が0の場合には(ステップS106:YES)、始動口への入賞は1つもないと判断され、再びステップS101に戻り、始動口への入賞を確認することになる。
作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS106:NO)、作動保留球数が1減算され(ステップS107)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS108)。
次いで、大当り判定処理を実行する(ステップS109)。この大当り判定処理では、ステップS105で取得した乱数値に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかの大当りに関する当否抽選(内部抽選)を行い(大当り抽選手段に相当)、次いで、その当否抽選結果に基づき、大当りとなる場合の種別を複数種類の大当り種別情報のうちから抽選する図柄抽選を行う(種別抽選手段または種別決定手段に相当)。これら抽選を経ることで大当りかハズレかの別、大当りならばその大当りの種別が決定され、これに基づいて特別図柄変動表示ゲームにて特別図柄表示装置38に停止表示する停止図柄(停止特別図柄)が決定される。これに対応して装飾図柄も確定すると共に、この決定される特別図柄に対応して確変・非確変の別とラウンド数が決定される。そして、ステップS110の当選時情報記憶処理に進み、大当りに内部当選した時点における停止図柄や大当りの種別などの情報をRAM203のバッファに記憶する(ステップS110)。
次いで、変動パターン決定処理に進む(ステップS111)。この変動パターン決定処理は、主制御基板20側で、上記大当り判定処理の結果に基づく特別図柄に関する変動パターン(コマンド)を、予め用意された多数の変動パターンの中から抽選することにより決定し、決定した変動パターンコマンドを、上記図柄抽選による停止図柄に対応する装飾図柄を指定する装飾図柄指定コマンドと共に、演出制御コマンドとして演出制御基板24に送信する。この送信される変動パターンコマンドは、それ自体に、図柄の変動時間、内部抽選結果の当否情報(大当りやハズレの別)といった変動パターン情報を持つ。
図4において、上記変動パターン決定処理を終わるとステップS112の演出抽選処理に進む。
演出制御CPU241は、主制御基板20から演出制御コマンドを受信すると、これに含まれている変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドを解析し、解析結果に基づいて、対応する演出シナリオを有する演出パターンを、演出パターン群の中から抽選により決定する(ステップS112)。
この演出抽選処理では、演出制御基板24側において装飾図柄に関する変動パターンや装飾図柄の変動表示と共に表示させるべき演出内容、つまり演出シナリオを決定することになる。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターン(停止表示を含む)に、背景演出や予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
したがって、この演出抽選処理では、主制御基板20から送られてくる変動パターンコマンドに基づき、大当りおよびハズレ別に、昇格演出ゲーム発生の有無、どのような装飾図柄内容を停止させるか(大当りの場合には確変大当り図柄または通常大当り図柄(非確変大当り図柄)のどちらで停止させるか、またその図柄の停止表示態様)、あるいは予告演出(連続変動予告、リーチ演出や背景演出)の有無やその内容を含む演出シナリオを決定する。
上記のように図柄変動パターンについての演出シナリオが決定されると、特別図柄の変動表示が開始され、このタイミングで装飾図柄の変動表示もこれに連動して開始される(ステップS113)。演出制御基板24側では、上記演出シナリオに対応するように、音制御信号や発光制御信号の出力が行われ、また演出制御基板24から液晶制御基板25に液晶表示装置36の「液晶制御コマンド」が送信される。これにより特別図柄表示装置38における特別図柄変動表示ゲームと、これと連動する形で液晶表示装置36における装飾図柄変動表示ゲームが実現される。
ここで、特別図柄変動表示ゲームの結果(内部抽選結果)を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームになるので、本明細書では、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉え、特に必要がない限り特別図柄と装飾図柄を区別することなく単に「図柄」と表現し、以下では、装飾図柄に関する動作を中心に説明することにする。
上記図柄変動と演出の表示が開始された後、プログラムは図5のフローチャートに進み、図柄の変動時間経過後、主制御基板20は、演出停止を指示する演出停止コマンドを演出制御基板24に送信し、図柄の変動表示を停止表示すると共に上記変動表示中の演出を終了する(ステップS114)。
ここで、主制御基板20は、特別図柄変動表示装置38における停止特別図柄が大当りを示す大当り図柄であるか否かを判断し(ステップS115)、大当り図柄でなければ(ステップS115:NO)、現在の遊技状態が時短中か否かを判断し(ステップS122)、時短中であれば(ステップS122:YES)、図柄変動の変動時間の短縮状態を管理する時短遊技管理処理(ステップS123)を実行した後、図4のステップS101に戻る。時短中でなければ(ステップS122:NO)、そのまま図4のステップS101に戻る。
ステップS115の判断として、大当り図柄であるならば(ステップS115:YES)、次いで、大当り開始Fコマンド決定処理が行われる(ステップS116)。なお「Fコマンド」はファンファーレコマンドの略称である(以下同じ)。
ここではステップS115の判断材料として停止図柄としているが、当否情報を含んだたとえば変動パターンコマンドの一部または全部を判断することで大当り状態を把握するようにしてもよい。勿論、大当り図柄に代わるフラグ等によって状態を管理し判断材料とするようにしてもよい。
この大当り開始Fコマンド決定処理では、図示してない大当り開始Fコマンド選択テーブルを参照して、大当り当選時の遊技状態と大当り種別とに基づき、大当り当選時データに対応する「大当り開始Fコマンド」を決定する。本実施形態の場合、遊技機の「遊技状態」として、通常状態(通常中)、時短状態(時短中)、潜伏確変状態(潜伏確変中)、確変状態(確変中)の4つを取り扱っている。また大当り当選時の「大当り種別」として、15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当り、2R潜伏確変大当り、小当りの5種類を取り扱っているが、さらに多くの大当り種別を含ませることもできる。
この4種類の遊技状態と5種類の大当り種別との組合せで区分される大当り開始Fコマンドが、主制御基板20から演出制御基板24に送信される。演出制御基板24側は、この主制御基板20から送られて来る大当り開始Fコマンドが上記組合せのいずれの区分に属するかに基づいて、演出モード移行先を決定することが可能になる。
(3−1.大当り中演出決定処理:図6)
上記大当り開始Fコマンド決定処理(ステップS116)に続いて、大当り中演出決定処理を実行する(ステップS117)。
図6は、この大当り中演出決定処理の内容を示したものである。図6に示すように、この大当り中演出決定処理においては、受信した大当り開始Fコマンドを解析し(ステップS201)、解析結果に基づいて、大当り中の演出(シナリオ)を次のように決定する。
大当り種別を判断した結果(ステップS202)、特殊当りである場合、つまり小当りまたは2R潜伏確変大当りである場合には、図7に示すモード移行演出選択テーブルを参照してモード移行演出抽選を行い、その結果に応じてモード移行する演出種(演出モード種)を決定し(ステップS203)、大当り中演出決定処理を終了する。
この特殊当りの場合に選択されるモード移行演出種(演出シナリオ)は、選択初期位置を振り分ける対象(選択肢)として複数の選択演出区分(演出モード選択画像)が用意されており(図7の抽選テーブル番号1〜6のクラスとA〜E欄により特定されるマス目参照)、その複数の選択演出区分(マス目)の中から、移行前の演出モードと移行後の遊技状態とに基づいて抽選により1つの選択演出区分が選択され、予設定される。ここで「移行前の演出モード」とは特殊当りに当選したときに演出制御部が管理していた演出モードを指し、「移行後の遊技状態」とは主制御部が大当り後に移行する先の遊技状態を指す。いずれの選択演出区分が抽選により選択初期位置として予選択されるかは、モード移行演出選択テーブル(図7参照)であらかじめ定められた抽選割合に従う。
(3−1−1.モード移行演出選択テーブル:図7)
図7は上記のステップS203で参照するモード移行演出選択テーブルの内容を示したものである。本実施形態の場合、モード移行演出による演出制御部の状態(演出モード)の移行先として、潜伏確変期待度が低い「演出モード1」、潜伏確変期待度が中程度である「演出モード2」、潜伏確変期待度が大きい「演出モード3」の3種類を扱っており、各選択演出区分にはこれらの演出モード1、2、3のいずれかが属することになる。
A、B欄は、選択肢の演出モード選択画像が演出モード1と演出モード2の2つである範囲にある選択演出区分を特定する欄(選択区分)であり、モード移行演出抽選により、A欄の演出モード1またはB欄の演出モード2の選択肢のいずれかが選択初期位置とされる。この場合は、前提として演出モード1、2の2つの選択肢の演出モード選択画像を画面内に含む演出モード選択画面(二択画面)が表示されて、二者択一的に選択可能となる。
C、D、E欄は、選択肢の演出モード選択画像が演出モード1と演出モード2と演出モード3の3つである範囲にある選択演出区分を特定する欄(選択区分)であり、モード移行演出抽選により、C欄の演出モード1、D欄の演出モード2またはE欄の演出モード3の選択肢のいずれかが選択初期位置とされる。この場合は、前提として演出モード1、2、3の3つの選択肢の演出モード選択画像を含む演出モード選択画面(三択画面)が表示されて、三者択一の選択が可能となる。
抽選テーブル番号1〜6のクラスは、移行前の演出モードと移行後の遊技状態とに基づいて、二択画面または三択画面内に位置すべき複数の演出モードの選択肢(選択演出区分)を特定する。この特定される複数の選択演出区分のうちの一つがモード移行演出抽選により予選択されて、対応する演出モード種の選択肢が予設定されることになる。
たとえば、抽選テーブル番号1のクラスは、主制御部が通常状態でかつ演出制御部が演出モード1または演出モード0である状態下で「小当り」に当選した場合に該当する。このとき抽選により選択初期位置として予選択される選択演出区分、つまり演出モードの選択肢は、50%の割合で二択画面に属するA欄の演出モード1が、30%の割合で二択画面に属するB欄の演出モード2が、10%の割合で三択画面に属するC欄の演出モード1が、5%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、5%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、全体として60%の割合で演出モード1が選択されることを定めている。
また、抽選テーブル番号2のクラスは、主制御部が通常状態でかつ演出制御部が演出モード1または演出モード0である状態下で「潜伏確変大当り」に当選した場合に該当する。このとき抽選により選択初期位置として予選択される演出モードの選択肢は、20%の割合で二択画面に属するA欄の演出モード1が、40%の割合で二択画面に属するB欄の演出モード2が、10%の割合で三択画面に属するC欄の演出モード1が、20%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、10%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、全体として70%の割合で演出モード2以上(演出モード2または3)が選択されることを定めている。
抽選テーブル番号3のクラスは、移行前が演出モード2で移行後が通常状態となる場合であり、抽選による選択初期位置は、50%の割合で二択画面に属するB欄の演出モード2が、40%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、10%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、全体として100%の割合で演出モード2以上(90%の割合で演出モード2、10%の割合で演出モー3)が選択され、モード1は選択されないこと(0%の割合でモード1が選択されること)を定めている。
抽選テーブル番号4のクラスは、移行前が演出モード2で移行後が潜伏確変状態となる場合であり、抽選による選択初期位置は、30%の割合で二択画面に属するB欄の演出モード2が、40%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、30%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、全体として100%の割合で演出モード2以上(70%の割合で演出モード2、30%の割合で演出モー3)が選択され、モード1は選択されないこと(0%の割合でモード1が選択されること)、およびモード3が選択される割合が抽選テーブル番号3のクラスの場合よりも増えていることを定めている。
抽選テーブル番号5のクラスは、移行前が演出モード3で移行後が通常状態となる場合であり、抽選による選択初期位置は、25%の割合で三択画面に属するC欄の演出モード1が、25%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、50%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、すべて三択画面に属する演出モードが選択され、二択画面に属する演出モードは選択されないこと、およびモード3が選択される割合が抽選テーブル番号4のクラスの場合よりも増えていることを定めている。
抽選テーブル番号6のクラスは、移行前が演出モード3で移行後が潜伏確変状態となる場合であり、抽選による選択初期位置は、5%の割合で三択画面に属するC欄の演出モード1が、5%の割合で三択画面に属するD欄の演出モード2が、90%の割合で三択画面に属するE欄の演出モード3が選択される。すなわち、選択初期位置は、すべて三択画面に属する演出モードが選択され、二択画面に属する演出モードは選択されないこと、および90%という高い割合でモード3が選択されることを定めている。
このように抽選テーブル番号1〜6のクラスに記載の選択割合で、A〜E欄に属する演出モードの選択肢が予選択される。
次に、図6のステップS202に戻り、大当り種別が上記した特殊当り以外の大当りであると判断した場合、つまり15R確変大当り、15R非確変大当りまたは2R突確大当りである場合には、それぞれ15R確変大当り用演出(演出シナリオ)、15R非確変大当り用演出(演出シナリオ)、または2R突確大当り用演出(演出シナリオ)を決定する(ステップS204〜S206)。これにより大当り中演出決定処理(図6)を終了し、図5のステップS117に戻る。
(3−2.大当り中演出実行処理:図8)
次いで、図5において大当り中の遊技動作(大当り遊技)の実行および大当り中の演出の実行を行う(ステップS118)。ここで、大当り中の遊技動作の実行とは、特別変動入賞装置42や普通変動入賞装置41の開閉動作の実行である。また大当り中の演出の実行とは、特殊当り時の場合はモード移行演出に係る選択肢(演出モード選択画像)の選択初期位置の予設定と手操作設定の実行であり、特殊当り以外の大当りの場合は、オープニング演出およびこれに続くラウンド間インターバル中の演出やラウンド中の演出の実行である。
(3−2−1.特殊当りに当選した場合の大当り中の演出)
図8は、上記ステップS118の処理のうち、特に特殊当りに当選した場合の大当り中の演出に着目した大当り中演出実行処理の内容を示すフローチャートである。
この大当り中演出実行処理においては、まず特殊当り(小当りまたは2R潜伏確変大当り)であるか否かを判断する(ステップS301)。特殊当りの場合は(ステップS301:YES)、図6のステップS203においてモード移行演出選択テーブル(図7)に従って決定されたモード移行演出の選択画面を表示する(ステップS302)。
すなわち、演出制御部は、モード移行演出抽選(図6のステップS203)により、A、B欄の選択演出区分に属する演出モード1または演出モード2の選択肢が選択初期位置として予選択された場合、液晶表示装置36に、図9(a)に示すように、2つの演出モード選択画像362を選択肢として含む演出モード選択画面(二択画面)361aを表示する。そして、この二択画面361aにおいては、モード移行演出抽選で選択された方の演出モード1または演出モード2の選択肢を選択初期位置に設定する。ここで「選択初期位置に設定する」とは、モード移行演出抽選で選択された方の演出モード1または演出モード2の選択肢を、演出モード選択画面(二択画面)361aの最前面側に位置させることを意味する。図9(a)では演出モード2の選択肢が選択初期位置に設定されている。
またモード移行演出抽選(図6のステップS203)により、C、D、E欄の選択演出区分に属する演出モード1、演出モード2または演出モード3の選択肢が選択初期位置として選択された場合は、図9(b)に示すように、3つの演出モード選択画像362を選択肢として含む演出モード選択画面(三択画面)361bが表示されるとともに、モード移行演出抽選の結果に応じて演出モード1、演出モード2または演出モード3のいずれか1つの選択肢が選択初期位置に予設定される。図9(b)では演出モード3の選択肢が選択初期位置に設定されている。
(3−2−2.手操作設定処理)
次いで、ステップS303〜S305による手操作設定処理に進む。この手操作設定処理では、手動演出選択スイッチ(演出選択用操作手段)としての枠演出ボタン13が、手動選択操作の受付が可能な時間間隔(手操作受付可能時間と略す)内に、遊技者により操作されたか否かを判断する(ステップS303)。
手操作受付可能時間内に枠演出ボタン13が操作された場合には(ステップS303:YES)、その枠演出ボタン13の操作により指定された演出モード種の選択肢の位置にカーソルを移動させる(ステップS304)。具体的には、枠演出ボタン13を操作して希望する演出の選択肢を最前面に位置させかつ明るく表示させた状態にする。
図10は、上記した図9(b)の演出モード1、2、3の3つの選択肢の演出モード選択画像を含む演出モード選択画面(三択画面)361bにおいて、枠演出ボタン13を押下した場合の演出モード種の選択推移状況を示す。最初は図10(a)のように、最前面に演出モード3の選択肢である演出モード選択画像362が、その裏側に演出モード2の選択肢である演出モード選択画像362が、さらにその裏側に演出モード1の選択肢である演出モード選択画像362が順次に位置する。
この状態において、手動演出選択スイッチである枠演出ボタン13を1回押下すると、図10(b)に示すように、最前面に位置していた演出モード3の演出モード選択画像362は最背面に移動し、演出モード3の裏側に位置していた演出モード2の演出モード選択画像362が最前面(カーソル位置)に移行する。さらに枠演出ボタン13を1回押下すると、図10(c)に示すように、最前面に位置していた演出モード2の演出モード選択画像362は最背面に移動し、演出モード2の裏側に位置していた演出モード1の演出モード選択画像362が最前面(カーソル位置)に移行する。このように枠演出ボタン13を押すたびに最前面に位置する演出モードの演出モード選択画像362の位置が循環式に入れ替わる。遊技者は希望する演出モード種の選択肢を最前面に位置させて指定することで演出モード種を選択し、その状態のまま放置して、選択演出の演出時間が経過することにより、希望する演出モードを最終的に確定されたものとして選択設定することができる。
図8に戻り、手操作受付可能時間が経過したか否かを判断する(ステップS305)。枠演出ボタン13が操作されることなく手操作受付可能時間が経過した場合、または枠演出ボタン13が操作された後に手操作受付可能時間が終了した場合(ステップS305:YES)、モード移行演出抽選により選択初期位置に選択された演出モードの選択肢が、最終的に選択されたものとして記憶される(ステップS306)。また枠演出ボタン13が操作された後に手操作受付可能時間が経過した場合には(ステップS305:YES)、その枠演出ボタン13の操作により選択された演出モードの選択肢が、最終的に選択されたものとして確定し、記憶される(ステップS306)。
(3−2−3.特殊当りでない大当り中の演出実行処理)
一方、図8のステップS301の判断において、特殊当りでないと判断された場合、つまり15R確変大当り、15R非確変大当り、2R突確大当りであると判断された場合には(ステップS301:NO)、ステップS307に進み、図6のステップS204〜S206で決定された演出シナリオを、大当り種別に応じて実行する。この場合の大当り中の演出の実行は、オープニング演出およびこれに続くラウンド間インターバル中の演出やラウンド中の演出の実行である。
大当り中の演出として、演出制御部は、まず大当りが開始することを液晶表示装置36での画像の表示、およびスピーカ46からの音声(開始ファンファーレ)の出力により遊技者に報知する。
次いで主制御基板20では、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンで開閉制御して大当り遊技を実行制御する。そこで、演出制御基板24では、この大当り遊技の進行に伴って、大当り中の音および光に関する演出を実行制御し、また液晶制御基板25では、液晶表示装置36にラウンド間インターバル中の演出やラウンド中演出を表示し、これにより15R確変大当り用演出、15R非確変大当り用演出、2R突確大当り用演出を実行する。
(3−3.大当り終了処理)
上記した大当り中演出実行処理が終了すると、図5の大当り終了処理(ステップS119)に進む。この大当り終了処理においては、特殊当たりに当選したことを契機として発動されたモード移行演出が終了する場合も含めて、大当りが終了することを、液晶表示装置36での画像の表示やスピーカ46からの音声(終了ファンファーレ)の出力により、遊技者に報知することとなる。なお、この大当り終了演出(エンディング演出)においては、必要に応じて確変報知演出が行われる。
(3−4.遊技状態移行処理)
上記の大当り終了演出が終了すると、遊技状態移行処理(ステップS120)および演出モード移行処理(ステップS121)を順次実行する。
大当り終了後の移行先として選択しうる遊技状態としては、通常状態、時短状態、潜伏確変状態、確変状態の4つがある。ステップS120の遊技状態移行処理では、大当りの種別にしたがい、上記4つの遊技状態のうちの一つに大当り終了後の遊技状態を移行させる(ステップS120)。
具体的には、15R確変大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「確変状態」に設定し、15R非確変大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「時短状態」に設定し、2R突確大当りに当選した場合は、大当り遊技後の遊技状態を「確変状態」に設定し、2R潜伏確変大当りに当選した場合は、大当り後の遊技状態を「潜伏確変状態」に設定する。上記の大当りに当選した場合、小当りフラグについては非設定状態に戻す。一方、小当りに当選した場合は、当選時の遊技状態を変更せずに小当りフラグを設定状態にする。なお、本実施形態では、確変状態中または時短状態中もしくは潜伏確変状態中に2R潜伏確変大当りに当選した場合、その大当り遊技後の遊技状態を「潜伏確変状態」に設定するのではなく「確変状態」に設定する。
(3−5.演出モード移行処理:図11)
次の演出モード移行処理(ステップS121)では、大当り開始Fコマンドに含まれる大当り種別の情報に基づいて、移行先の演出モードを決定する。
図11は、この演出モードの移行先を決定する演出モード移行テーブルを示したものである。図示するように、この演出モード移行処理(ステップS121)では、15R確変大当りまたは2R突確大当りに当選した場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、確変確定演出モード(たとえば夜背景演出)に移行設定する。また15R非確変大当りに当選した場合は、大当り終了後の遊技状態の演出モードを、時短演出モード(たとえば朝方背景演出)に移行設定する。
また小当りまたは2R潜伏確変大当りに当選した場合には、「ボタンで決定した演出モード」に移行設定する。ここに「ボタンで決定した演出モード」とは、(a)図6のステップ203で選択初期位置が予設定された演出モードが、図8の手操作設定処理(ステップS303〜S305)で枠演出ボタン13を操作することで変更され、または操作後に同じ演出モードに選択状態が戻されることで、その演出モードが最終的に確定された演出モードとされた場合だけでなく、(b)選択初期位置が予設定された演出モードが、図8の手操作設定処理(ステップS303〜S305)を経ても枠演出ボタン13が操作されなかったため、そのまま最終的に確定された演出モードとされた場合をも含む。
演出制御部の状態が演出モード1〜3のいずれかにあるときに小当りまたは潜伏確変大当りに当選し、主制御部の移行後の遊技状態が通常状態または潜伏確変状態となる場合において、演出モード選択画面361として二択画面361aと三択画面361bのいずれが表示されるか、また、この二択画面361aまたは三択画面361bの画面内に位置する複数の演出モードの選択肢(演出モード選択画像)のうちで、いずれの演出モードの選択肢(演出モード選択画像)を選択初期位置として予設定するかについては、図7のモード移行演出選択テーブルに示す選択割合に従う。
たとえば、演出モード1の状態下で「小当り」に当選し、通常状態に移行すべき場合(抽選テーブル番号1)、抽選により選択初期位置として選択される割合は、二択画面の演出モード1、2がそれぞれ50%、30%、三択画面の演出モード1、2、3がそれぞれ10%、5%、5%である。また、演出モード1である状態下で「潜伏確変大当り」に当選し、潜伏確変状態に移行すべき場合(抽選テーブル番号2)、抽選により選択初期位置として選択される割合は、二択画面の演出モード1、2がそれぞれが20%、40%、三択画面の演出モード1、2、3がそれぞれ10%、20%、10%である。また、演出モード2である状態下で「小当り」または「潜伏確変大当り」に当選した場合(抽選テーブル番号3、4)、および演出モード3である状態下で「小当り」または「潜伏確変大当り」に当選した場合(抽選テーブル番号5、6)についても、同様に、モード移行演出選択テーブルに記載の割合で、A〜E欄の演出モードが選択される。ここで移行する先の演出モード1、2および3は、いずれも「確変隠匿演出モード」に属し、演出モード1は潜伏確変期待度が小さい演出モードとして緑色背景演出となり、演出モード2は潜伏確変期待度が中程度である演出モードとして赤色背景演出となり、演出モード3は潜伏確変期待度が大きい金色背景となる。
<具体例1:図12、図13>
次に、図12に示す具体例について説明する。この例は演出モードが演出モード0にある通常状態中の時刻t1において小当りに当選し、その通常状態中の時刻t2において再び小当りに当選し、その通常状態中の時刻t3において2R潜伏確変大当りに当選し、この潜伏確変状態中の時刻t4において小当りに当選したケースを扱っている。
(イ)時刻t1
図12に示す具体例1では、時刻t1において1回目の小当りに当選する。このとき演出制御部の状態は演出モード0にあり、また小当りであるので移行後の遊技状態は移行前と同じ通常状態となる。これはクラス1(抽選テーブル番号1のクラス)でのケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選により、クラス1において選択区分A〜E欄に属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
図12に示すケースの場合、選択初期位置としてクラス1で選択区分Aに属する演出モード1(選択割合が50%)に当選した場合を扱っている。時刻t1において演出モード1と演出モード2の2つの選択肢が二択画面361aに表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード1の選択肢(演出モード選択画像362)が最前面に位置される(図13(a)の左側図を参照)。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード1の選択肢となっている。このカーソル位置は固定的なものではなく、本発明に従い、演出モード1と演出モード2の選択肢の間を移動させて、いずれかを選択可能となっている。したがって選択可能範囲としては、二択画面により演出モード1と演出モード2の2つ(A/B)が提供されている。
ここで遊技者が演出モード1に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないか、または操作したが再び演出モード1の選択肢に戻した場合であれば、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード1が最終的に設定されたものとなる。しかし、この図12の具体例1では、手操作によりカーソル位置が演出モード1から演出モード2の選択肢に切り替えられ、手操作設定位置が演出モード2の選択肢に最終的に設定される(図13の右側図参照)。したがって、これ以降は演出モード2が続くことになる。
(ロ)時刻t2
続いて時刻t2の2回目の小当り時の選択演出においては、演出制御部の状態が演出モード2であるときに小当りに当選している。小当りの場合、主制御部は移行前と同じ遊技状態である通常状態に移行するので、これはクラス3(抽選テーブル番号3のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス3で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Bに属する演出モード2(選択割合が50%)に当選した場合を扱っている。時刻t2において演出モード1と演出モード2の2つの選択肢が二択画面361aに表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード2の選択肢(演出モード選択画像362)が最前面に位置される(図13(b)参照)。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード2の選択肢となっている。このカーソル位置は演出モード1と演出モード2の選択肢間を移動でき、いずれかを選択可能となっている。したがって選択可能範囲は、二択画面により演出モード1と演出モード2の2つ(A/B)が提供されている。
ここでは遊技者が演出モード2に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないことで、演出モード2の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード2が最終的に設定されたものとなる(図13(b)参照)。したがって、これ以降も演出モード2が続くことになる。
やがて時刻t3aに至り、上記の演出モード2(選択区分B)は、あらかじめ定めた所定の終了条件が達成されたとき、たとえば図柄変動が所定回数の30回実行されたことや、あるいは図柄変動に伴って行われる演出モードの転落抽選に当選すること、などで終了となる。これにより演出制御部の状態は、演出モード2から演出モード1に戻る。
しかし、演出モード2が終了してしまった場合、演出制御部の状態を演出モード2から演出モード0に戻るようにしてもよい。この場合は、演出モード1、2、3へ移行するための選択画面は現れず、ただちに演出モード0に戻り、非確変状態であることを強く匂わすことになる。
(ハ)時刻t3
続いて時刻t3においては、演出制御部の状態が演出モード1であるときに2R潜伏確変大当りに当選している。2R潜伏確変大当りの場合、主制御部は潜伏確変状態に移行するので、これはクラス2(抽選テーブル番号2のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス2で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Bに属する演出モード2(選択割合が40%)に当選した場合を扱っている。時刻t3において演出モード1と演出モード2の2つの選択肢が二択画面361aに表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード2の選択肢が最前面に位置される(図13(c)参照)。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード2の選択肢となっている。このカーソル位置は演出モード1と演出モード2の選択肢間を移動でき、いずれかを選択可能となっている。したがって選択可能範囲は、二択画面により演出モード1と演出モード2の2つ(A/B)が提供されている。
ここでは遊技者が演出モード2に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないことで、演出モード2の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード2が最終的に設定されたものとなる(図13(c)参照)。したがって、これ以降は演出モード2が続くことになる。
(ニ)時刻t4
続いて時刻t4においては、演出制御部の状態が演出モード2であるときに小当りに当選している。小当りの場合、主制御部は移行前と同じ遊技状態である潜伏確変状態に移行するので、これはクラス4(抽選テーブル番号4のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス4で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Eに属する演出モード3(選択割合30%)に当選した場合を扱っている。時刻t4において演出モード1と演出モード2と演出モード3の3つの選択肢が三択画面361bに表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード3の選択肢(演出モード選択画像362)が最前面に位置される(図13(d)参照)。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード3(選択区分E)の選択肢となっている。
この三択画面361bの出現および演出モード3の選択肢が選択初期位置となっていることは、モード移行演出画面において、現在遊技機が潜伏確変状態に滞在している可能性を強く遊技者に暗示し、潜伏確変状態に滞在しているとの期待感を高めることとなる。
カーソル位置は演出モード1、演出モード2および演出モード3の選択肢間を移動でき、いずれかを選択可能となっている。したがって選択可能範囲は、三択画面により演出モード1、演出モード2、演出モード3の3つ(C/D/E)が提供されている。しかし遊技者は、潜伏確変状態に滞在している可能性が最も高い演出モード3に移行することに満足するので、通常は手操作による演出モードの選択変更を行わない。
この例でも、遊技者は演出モード3に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないことで演出モード3の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード3の選択肢が最終的に設定されたものとなる(図13(d)参照)。したがって、これ以降は演出モード3が続き、その後、たとえば15R確変大当りに当選することで演出モード3は終了となる。
以上の演出モードの推移を、図12の(ニ)に示す。この演出モードの推移において、遊技者は、最初の小当り(時刻t1)においてカーソル位置(操作ボタンの選択位置)を演出モード1から演出モード2に変更するだけで、その後はカーソル位置の変更操作をすることなく、潜伏確変状態に滞在する期待度の高い方の演出モード(演出モード2以上)を選択可能となっている。
このような長所が得られるのは、モード移行演出選択テーブル(図7)において、一旦演出モード2に入ると、二択画面では、選択初期位置として、演出モード1が抽選される割合(0%)よりも演出モード2が抽選される割合(50〜30%)の方が高くなるようにしていること、また、三択画面では、演出モード1が抽選される割合(0%)よりも演出モード2が抽選される割合(40%)および演出モード3が抽選される割合(10〜30%)の方が高くなるようにしていること、に基づく。
<具体例2:図14>
図14は他の具体例2を示したものである。この具体例2は、一旦、2R潜伏確変大当りに当選し、潜伏確変に滞在する期待度の高い演出モード3に移行した場合、次の特殊当たりを契機として、演出制御部の状態が、より期待度の低い演出モード1や演出モード2に転落することは殆ど起こらない、という長所が得れるケースを示したものである。この長所は、三択画面では演出モード1および演出モード2が抽選される割合(5%)よりも演出モード3が抽選される割合の方を圧倒的に高い値(90%)にしていること、および、三択画面しか出現しないようにしていること、により得られるものである。
(イ)時刻t1
この図14に示す具体例2でも、主制御部の遊技状態の推移は図12の場合と同じである。まず時刻t1においては、通常状態かつ演出モード0において小当りに当選し、移行後は移行前と同じ通常状態となるので、クラス1(抽選テーブル番号1のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス1で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Aに属する演出モード1(選択割合50%)に当選した場合を扱っている。したがって二択画面が出現し、演出モード1と演出モード2の2つの選択肢が表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード1の選択肢が最前面に位置される。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード1の選択肢となっている。
ここで遊技者のカーソル手操作により、カーソル位置が演出モード1から演出モード2に切り替えられ、手操作設定位置が演出モード2の選択肢に最終的に設定される。したがって、これ以降は演出モード2が続くことになる。
(ロ)時刻t2
続いて時刻t2においては、演出モード2であるときに小当りに当選し、主制御部の遊技状態は移行前と同じ通常状態に移行するので、クラス3(抽選テーブル番号3のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス3で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Dに属する演出モード2(選択割合20%)に当選した場合を扱っている。したがって三択画面が出現し、演出モード1と演出モード2と演出モード3の3つの選択肢が表示されると共に、このうち自動的な選択初期位置として演出モード2の選択肢が最前面に位置される。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード2の選択肢となっている。遊技者は、このカーソル位置を、演出モード1と演出モード2と演出モード3の選択肢間で移動させて、いずれかを選択することが可能となっている。
ここでは遊技者が演出モード2に移行することに満足せず、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行って演出モード3の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード3が最終的に設定されたものとなる。したがって、これ以降も演出モード3が続くことになる。
(ハ)時刻t3
続いて時刻t3においては、演出モード3であるときに2R潜伏確変大当りに当選し、主制御部の遊技状態は潜伏確変状態に移行するので、クラス5(抽選テーブル番号5のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス5で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Eに属する演出モード3(選択割合が50%)に当選した場合を扱っている。したがって三択画面が出現し、演出モード1と演出モード2と演出モード3の3つの選択肢が表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード3の選択肢が最前面に位置される。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード3の選択肢となっている。このカーソル位置は演出モード1と演出モード2と演出モード3の選択肢間を移動でき、いずれかを選択可能となっている。
ここでは遊技者が演出モード3に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないことで演出モード3の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード3が最終的に設定されたものとなる。したがって、これ以降も演出モード3が続くことになる。
(ニ)時刻t4
続いて時刻t4においては、演出モード3であるときに小当りに当選し、主制御部の遊技状態が移行前と同じ潜伏確変状態に移行する場合であるので、クラス6(抽選テーブル番号6のクラス)のケースに相当する。そこでモード移行演出選択テーブル(図7)に示す選択割合に応じて、モード移行演出抽選によりクラス6で選択区分A〜Eに属するいずれかの演出モードが選択され、その選択肢に選択初期位置が設定される。
ここでは選択初期位置として選択区分Eに属する演出モード3(選択割合90%)に当選した場合を扱っている。したがって三択画面が出現し、演出モード1と演出モード2と演出モード3の3つの選択肢が表示され、このうち自動的な選択初期位置として演出モード3の選択肢が最前面に位置される。つまり仮想的なカーソルの初期位置は演出モード3の選択肢となっている。このカーソル位置は演出モード1と演出モード2と演出モード3の選択肢間を移動でき、いずれかを選択可能となっている。
ここでは遊技者が演出モード3に移行することに満足し、手動演出選択スイッチによるカーソル手操作を行わないことで演出モード3の選択肢を選択した場合を想定しており、手操作受付可能時間が終了した時点で演出モード3が最終的に設定されたものとなる。したがって、これ以降も演出モード3が続くことになる。
このように、一旦演出モード3に移行した場合、特殊当たりを契機として二択画面が出現する割合はゼロであって、三択画面のみが出現し、その演出モード3が通常遊技状態下でのものであれば50%、その演出モード3が潜伏確変状態下のものであれば90%という高い選択割合で、特殊当たりを契機として再び演出モード3が選択される。このため遊技者は、一度は演出モード3に移行したのに、特殊当たりを契機として再び演出モード2や演出モード1に転落してしまう、という落胆する状況にあまり遭遇せずに、潜伏確変状態に滞在している期待感を高く維持しながら遊技を楽しむことができる。
また一旦演出モード2(選択区分D)に移行した場合、二択画面および三択画面のいずれが出現する場合でも、特殊当たりを契機として演出モード1(選択区分A、C)に転落してしまう可能性はゼロであり、演出モード2以上が出現することから、遊技者は同様に潜伏確変状態に滞在している期待感を維持しながら遊技を楽しむことができる。
<変形例1:図15>
上記実施形態では、演出モード種の選択肢を最前面側に明るく位置させることで演出モードを選択状態とし、この選択状態がここに仮想的にカーソルが存在することと等価になる、という例について説明した。しかし、図15に示すように、演出モード種の選択肢としての演出モード選択画像362を、演出モード選択画面361内に互いに重ならないように必要な数(図15では演出モード1〜3の3種類)だけ配置し、その1つを明るくさせる(図15では演出モード選択画像362を太黒枠で囲って示す)ことで当該演出モードの選択肢を選択状態とし、この選択状態がここに仮想的にカーソルが存在することと等価になる構成とすることもできる。
<変形例2:図16>
また上記の仮想的なカーソルの替わりに、またはこの仮想的なカーソルと共に、演出モード選択画面中に具体的にカーソルを表示させ、このカーソル位置を枠演出ボタン13または専用のカーソル操作スイッチを押下操作することにより変更し、演出を指定することもできる。
たとえば、図16に示すように、複数種類の演出モードのそれぞれに対応する選択肢362と、その選択肢のうちの1つを指定するカーソル363(黒三角)とを、演出モード選択画面361中に表示させると共に、このカーソル363を隣の選択肢へと移動させる上下左右の四方向に操作しうる十字キースイッチ131からなる手動演出選択スイッチ(演出選択用操作手段)を設ける。そして、この十字キースイッチ131における上向スイッチ部aまたは下向スイッチ部cが押下されると、カーソル363(黒三角)の位置を右回りに見て1つ上または下に移動させる。また左向スイッチ部dまたは右向スイッチ部bが押下されると、演出制御部は、カーソル363(黒三角)の位置を左または右の選択肢に移動させるような表示を行わせる。そして、十字キースイッチ131の中央の決定スイッチ部eが押下されると、そのときにカーソル363が位置していた選択肢が最終的に選択されたものとして確定する構成とする。そして、選択された選択肢に対応する演出モードを実行する。
<変形例3>
上記実施形態では、主制御部において特殊当たり(小当りまたは2R潜伏確変大当り)に当選した場合、主制御部から演出制御部に大当り開始Fコマンドを送信し、この大当り開始Fコマンドを演出制御部が解析して特殊当たりか否かを判断し、特殊当たり(小当りまたは2R潜伏確変大当り)である場合にはモード移行演出が発生する構成とした。
しかし、主制御部においては、大当り抽選の抽選結果と図柄変動パターンコマンドと装飾図柄指定コマンドとを含む演出制御コマンドを作成して演出制御部に送信しているので、この装飾図柄指定コマンドに大当り種別の一部として特殊当たり(小当りまたは2R潜伏確変大当り)の情報を含ませて演出制御部に送信し、この演出制御コマンドを演出制御部で解析して特殊当たりか否かを判断し、特殊当たり(小当りまたは2R潜伏確変大当り)である場合にはモード移行演出を発生させる構成とすることもできる。