(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと、または電断からの復旧中であることを、報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(設定値に関する特徴部の説明)
以下、パチンコ遊技機1における設定値に関する特徴部について説明する。
パチンコ遊技機1の主基板11は、図示は省略しているが、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケースに収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、何れも図示は省略しているが、パチンコ遊技機1の設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替えるための錠スイッチと、設定値変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチと、遊技機用枠の開放を検知する開放センサと、が設けられている。なお、本実施の形態における設定値変更状態は、遊技場の係員等がパチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能な状態(設定値確認状態)でもある。
これら錠スイッチ及び設定切替スイッチといった、遊技場の係員等が操作可能な操作部は、設定切替本体部に設けられ、主基板11とともに基板ケース内に収容されている。錠スイッチ及び設定切替スイッチは、基板ケースを開放しなくても操作可能となるように、基板ケースの背面に形成された開口を介して背面側に露出している。
錠スイッチ及び設定切替スイッチを収容した基板ケースはパチンコ遊技機1の背面に設けられている。したがって、錠スイッチ及び設定切替スイッチは、遊技機用枠を閉鎖した状態では操作が極めて困難あるいは不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠を開放することで操作が可能となる。また、錠スイッチは、遊技場の係員等が所持する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する管理者のみ操作が可能とされている。錠スイッチは、設定キーによって、ONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。本実施の形態では、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示しているが、これらは1のキーにて兼用されていてもよい。
基板ケースには、設定値やベース値を表示可能な表示モニタが配置されている。表示モニタは、主基板11に接続されているとともに、基板ケースの上部に配置されている。つまり、表示モニタは、基板ケースにおける主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。このように、表示モニタは、遊技機用枠を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面に配置されている。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
表示モニタは、第1表示部、第2表示部、第3表示部、第4表示部を備えている。表示モニタの第1表示部~第4表示部は、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。表示モニタの第1表示部~第4表示部は、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯や点滅が可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることも可能である。
パチンコ遊技機1の遊技盤2の所定位置として、例えば遊技領域の左下方位置には、遊技情報表示部が設けられていてもよい。遊技情報表示部には、ラウンド表示器、右打ちランプ、確変ランプ、時短ランプが、まとめて配置されている。ラウンド表示器は、大当り遊技中に、大当り遊技のラウンド数や大当り種別を表示可能である。右打ちランプは、時短状態としての低確高ベース状態や大当り遊技状態といった、遊技球を右遊技領域に向けて打ち出す遊技状態において点灯する。確変ランプは、確変状態であるとき点灯する。時短ランプは、時短状態であるときに点灯する。ラウンド表示器は5個のセグメント(LED)から構成されている。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。また、設定値は、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。なお、設定値に応じて出玉率が変われば、例えば、大当りの確率が設定値によって変わっていてもよいし、大当り確率は一定であるものの大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値によって変わっていてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されている。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図8-1(A)及び図8-1(B)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8-1(A)は変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図8-2(A)は変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりであり、設定値毎に乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)に設定されたテーブルである。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルにおける当り判定値も、0~65535の範囲で特図表示結果に割り当てられている。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるものに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
設定値が1であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1237までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果判定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1237までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が1であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が2であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1253までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値のうち、1020~1383までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1253までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が2であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1383までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が3であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1272までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1429までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1272までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が3であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1429までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が4であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1292までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1487までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1292までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が4であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1487までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が5であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1317までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1556までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1317までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が5であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1556までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
設定値が6であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第1特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1674までが「大当り」に割り当てられ、32767~33094までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1346までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。設定値が6であり変動特図が第2特図である場合のうち、遊技状態が確変状態である場合に、表示結果決定用の乱数値MR1と比較される当り判定値は、1020~1674までが「大当り」に割り当てられ、32767~33421までが「小当り」に割り当てられ、その他の数値範囲が「ハズレ」に割り当てられている。
各表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(例えば、設定値が1の場合は1/300、設定値が2の場合は1/280、設定値が3の場合は1/260、設定値が4の場合は1/240、設定値が5の場合は1/220、設定値が6の場合は1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(例えば、設定値が1の場合は1/200、設定値が2の場合は1/180、設定値が3の場合は1/160、設定値が4の場合は1/140、設定値が5の場合は1/120、設定値が6の場合は1/100)。大当り遊技状態に制御すると決定される確率は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて高くなるように、各表示結果判定テーブルでは、判定値が大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
各設定値に応じて通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率がそれぞれ異なる(例えば、設定値1であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.5倍であり、設定値2であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は約1.56倍であり、設定値3であれば通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は1.625倍である)ように設定されている形態に限定されるものではなく、各設定値での通常状態や時短状態における大当り確率に対する確変状態における大当り確率の倍率は全て一定(例えば、5倍)に設定してもよい。
各第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-1(A)に示すように、第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/200に設定されている。一方で、各第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。具体的には、図8-1(B)に示すように、第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が1/100に設定されている。
設定値にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一確率である形態に限定されるものではなく、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が異なる形態に限定されるものではなく、変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
各表示結果判定テーブルにおいて「大当り」や「小当り」に割り当てられている当り判定値の数値範囲に着目すると、遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値が6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が確変状態の場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が確変状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第1特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値が6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33094の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が通常状態または時短状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1237までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1238~1253の範囲、設定値3では1238~1272の範囲、設定値4では1238~1292の範囲、設定値5では1238~1317の範囲、設定値6では1238~1346の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1237)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1238を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1346までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1346)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
遊技状態が確変状態の場合における第2特図用表示結果判定テーブルでは、当り判定値のうち1020~1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている(1020~1346までが「大当り」に割り当てられている)一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1347から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。この大当り判定値の非共通数値範囲は、設定値2では1347~1383の範囲、設定値3では1347~1429の範囲、設定値4では1347~1487の範囲、設定値5では1347~1556の範囲、設定値6では1347~1674の範囲にそれぞれ設定されている。このように、遊技状態が確変状態である場合における第2図用表示結果判定テーブルでは、0~65535の範囲で値を取り得る当り判定値のうち、設定値が1の場合は共通数値範囲(1020~1346)内の数値のみが「大当り」に割り当てられている一方で、設定値が2以上である場合は共通数値範囲に非共通数値範囲を加えた範囲内の数値が「大当り」に割り当てられている。非共通数値範囲は、設定値の値が大きくなるに連れて1347を基準として増加していく。このため、大当り確率は、1020を大当り判定値の基準値(大当り基準値)として、設定値が大きくなるに連れて共通数値範囲に連続する非共通数値範囲が増加していくことによって高くなっていく。
遊技状態が確変状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態または時短状態である場合における第2特図用表示結果判定テーブルと同じく、当り判定値のうち32767~33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が6の場合に注目すると、この場合に当り判定値のうち1020~1674までが大当り判定値の数値範囲に設定されている一方で、小当り判定値は、設定値6の場合の大当り判定値の範囲(1020~1674)とは異なる数値範囲において、32767を小当り判定値の基準値(小当り基準値)として、32767~33421の範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
各表示結果判定テーブルにおいて、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の1020を基準として共通数値範囲または共通数値範囲と非共通数値範囲とからなる連続した1の数値範囲内に含まれる判定値を大当り判定値の数値範囲とするとともに、遊技状態及び設定値にかかわらず、当り判定値の32767を基準として連続した1の数値範囲(共通数値範囲)内に含まれる判定値を小当り判定値の数値範囲として、可変表示結果を判定するようになっている。
各表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が同一である場合は、遊技状態にかかわらず小当り判定値の数値範囲は同一(小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が同一)である。また、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。
各遊技状態においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が最も低く、設定値の値が大きくなるほど特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように判定値が割り当てられている(大当り確率:設定値6>設定値5>設定値4>設定値3>設定値2>設定値1)。CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、乱数値MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とすることを決定する。また、乱数値MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。こうして、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。図8-1に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1~6の計6個の設定値を設けている形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率が高まることや、特定の大当り種別が決定されやすくなること等)形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が該所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
次に、設定値に関する特徴部における遊技制御メイン処理内の処理について説明する。図8-2は、CPU103が実行する遊技制御メイン処理内にて行われる処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理内の処理は、例えば図3に示す遊技制御メイン処理において、割込禁止に設定されてから、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等の初期設定が行われた後に実行されればよい。
遊技制御メイン処理内の処理を開始すると、CPU103は、先ず、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(ステップS1A)。なお、ステップS1Aの処理の前には、所定条件に応じてRAMクリア処理を実行したことを示すRAMクリアフラグをクリアする処理が行われていればよい。
クリアスイッチがONである場合(ステップS1A;Yes)は、RAMクリアフラグをセットして(ステップS2A)ステップS3Aの処理に進み、クリアスイッチがOFFである場合(ステップS1A;No)は、ステップS2Aの処理を実行せずにステップS3Aに進む。
ステップS3AにおいてCPU103は、錠スイッチがONであるか否かを判定する(ステップS3A)。錠スイッチがONである場合(ステップS3A;Yes)は、更に開放センサがONであるか否かを判定する(ステップS4A)。開放センサがONである場合、つまり、錠スイッチがON且つ遊技機用枠が開放されている状態でパチンコ遊技機1が起動した場合(ステップS4A;Yes)は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS5A)。
RAMクリアフラグがセットされている場合(ステップS5A)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更するための設定値変更処理(ステップS6A)を実行してステップS8Aの処理に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(ステップS5A;No)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認するための設定値確認処理(ステップS7A)を実行してステップS8Aの処理に進む。なお、錠スイッチがOFFである場合(ステップS3A;No)や開放センサがOFFである場合(ステップS4A;No)は、そのままステップS8Aの処理に進む。
設定値変更処理は、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠が開放されている状態で錠スイッチとクリアスイッチとをONとすることで行われる処理である。設定値変更処理では、演出制御基板12に対して設定値変更開始通知コマンドを送信する処理、設定切替スイッチの操作に基づいて、RAM102におけるアドレスF001の内容を、仮の設定値として更新する処理、錠スイッチの状態に応じて仮の設定値を実際の設定値としてRAM102におけるアドレスF000に更新記憶する処理、および演出制御基板12に対して設定値変更終了通知コマンドを送信する処理が行われる。
設定値確認処理は、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠が開放されている状態で錠スイッチ207SG051をON(クリアスイッチはOFF)とすることで行われる処理である。設定値確認処理では、演出制御基板12に対して設定値確認開始通知コマンドを送信する処理、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタにおいて開始し、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する処理、錠スイッチの状態に応じて当該表示等を終了し、演出制御基板12に対して設定値確認終了通知コマンドを送信する処理が行われる。
なお、設定値変更処理や設定値確認処理では、それぞれの処理の開始時から第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B及びラウンド表示器の点灯と、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B及び右打ちランプの点滅とを開始することによって、遊技者や遊技場の係員等が、パチンコ遊技機1の正面側から該パチンコ遊技機1が設定値の変更中または設定値の確認中であることを認識可能となっていればよい。また、ラウンド表示器を構成するセグメントの点灯パターンは、複数の大当り種別のいずれにも該当しない態様であれば特にその点灯態様は任意の態様であってよい。また、ラウンド表示器を構成するセグメントは、設定値変更処理の開始時と設定値確認処理の開始時とで異なる態様にて点灯してもよい。
ステップS8AにおいてCPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、つまり、今回のパチンコ遊技機1の起動に際してRAM102をクリアするか(RAMクリア処理(ステップS9A)を実行するか)否かを判定する(ステップS8A)。RAMクリアフラグがセットされている場合(ステップS8A;Yes)はRAMクリア処理(ステップS9A)を実行した後にステップS10Aに進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(ステップS8A;No)はRAMクリア処理(ステップS9A)を実行せずにステップS10Aに進む。そして、CPU103は、その他の処理として、例えばRAMクリアフラグがセットされているか否かに応じて、パチンコ遊技機1がコールドスタートにて起動したのか、電断前の状態で復旧(ホットスタートで起動)したのかを判定し、それぞれに応じた処理を行い(ステップS10A)、遊技制御メイン処理内の処理を終了する。
RAMクリア処理では、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が格納される先頭のアドレス(F000)以外のアドレスに「00H」を格納することによって設定値とRAMクリアフラグ以外のデータをクリアする処理が行われる。なお、RAMクリア処理においては、設定値以外のデータをクリアするのではなく、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、RAM102の所定のアドレス(本実施の形態の特徴部048AKではアドレスF000~FXXXのうちのF003以降)に格納されている遊技情報のみをクリアするようにしてもよい。
なお、ステップS10Aの処理には、パチンコ遊技機1のコールとスタート時にコールドスタート報知タイマの期間(例えば、5秒間)に亘って表示モニタを構成する全セグメントを点滅させる処理が含まれる。その他、一部のセグメントのみを点滅させるようにしてもよいし、また、表示モニタを構成する全セグメントのうち少なくとも一部のセグメントを点灯させるようにしてもよい。また、当該遊技制御メイン処理内の処理には、例えば、RAM102に異常な設定値が記憶されていること(設定値異常エラー)や、設定変更中の電断から復帰したこと等にもとづいて、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信する処理が含まれていてもよい。さらに、設定値異常エラーの発生や設定変更中の電断から復帰しことの報知(エラー報知)として、表示モニタを構成する第1表示部、第2表示部、第3表示部、第4表示部のそれぞれにおいて「E.」を表示する処理を行ってもよい。また、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを構成する全てのLEDを点滅させるとともに、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力し、以降、CPU103は、パチンコ遊技機1の電断発生まで(遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1の電源がOFFになるまで)表示モニタ、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bによるエラーの発生報知を実行してもよい。
遊技制御メイン処理内の処理では、ステップS3Aにて錠スイッチがONであると判定されてから、ステップS4Aにて開放センサがOFFであると判定された場合に、遊技機用枠の開放が検知されずに錠スイッチの操作が検知されたことから、演出制御基板12に対してエラー指定コマンドを送信するとともに、表示モニタなどによるエラー報知を行うようにしてもよい。ステップS10Aの処理には、演出制御基板12に対して設定値通知コマンドを送信する処理が含まれていてもよい。設定値通知コマンドは、パチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かにかかわらず、ステップS10Aの処理により、主基板11から演出制御基板12に対して送信されてもよい。これにより、演出制御基板12の側では、パチンコ遊技機1の電源投入時に、パチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かにかかわらず、その設定値を特定可能に記憶しておくことができる。
異常な設定値が設定されていることや設定値の変更中の電断から復帰した場合などには、表示モニタ、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bによるエラーの発生報知を実行することで、遊技場の係員等は、パチンコ遊技機1の正面側と背面側の両面からエラーの発生や設定値の変更中の電断から復帰したことを認識することが可能となる。加えて、パチンコ遊技機1のエラーの発生や設定値の変更中の電断からの復帰などを、遊技場の管理装置においても認識可能にすることで、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになる。
以上のように、パチンコ遊技機1が備える表示結果判定テーブルは、図8-1に示すように、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず、当り判定値のうち1020~1237までの範囲が大当り判定値の共通数値範囲として設定されている。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2~6のいずれかである場合(パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1以外の場合)は、1238から各設定値に応じた値までの範囲が大当り判定値の非共通数値範囲として設定されている。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2~6のいずれかである場合は、当たり判定値の1020を大当り基準値として、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とが連続した数値範囲となるように設定されているので、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が1020から各設定値に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよい。これにより、CPU103が有利状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
0~65535の範囲内における大当り判定値の数値範囲は、1020を基準値とした1箇所に設定されているので、有利状態判定値の数値範囲が複数設けられている場合と比較して、乱数値MR1が大当り判定値の数値範囲内の値であるか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)の判定を複数回実行する必要がない。これにより、CPU103が有利状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
図8-1に示すように、表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれかであるかにかかわらず、当り判定値の1020を大当り基準値として、大当り判定値の共通数値範囲と非共通数値範囲とが連続した数値範囲となるように設定されているので、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が、1020から通常状態や時短状態に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否か、及び1020から確変状態に応じた非共通数値範囲の最大値までの範囲内であるか否を判定すればよい。これにより、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
図8-1に示すように、表示結果判定テーブルにおいては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数が異なる(第1特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は328個であるのに対して、第2特図用表示結果判定テーブルにおける小当り判定値の数値範囲に含まれる判定値数は655個と約2倍である)一方で、小当り判定値の数値範囲自体は、32767を基準値(小当り基準値)として設定されている。そこで、小当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1の値が、32767から変動特図に応じた小当り判定値の数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよい。これにより、CPU103が小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
図8-1に示すように、表示結果判定テーブルにおいて小当り判定値の数値範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合の大当りの判定値の数値範囲とは異なる数値範囲(32767~33094または、32767~33421)に設定されている。そこで、大当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1が1020から各設定値に応じた非共通数値範囲の最大値までの数値範囲内であるか否かを判定すればよく、小当り遊技状態に制御されるか否かの判定を行う際は、乱数値MR1が32767から変動特図に応じた小当り判定値の数値範囲の最大値までの範囲内であるか否かを判定すればよい。これにより、CPU103が大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷並びに小当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う処理負荷を低減することができる。
(特徴部66AKに関する説明)
特徴部66AKでは、可変表示の実行中に、所定割合で特定演出を実行可能である。特定演出は、各種の予告や示唆が行われる演出である。特徴部66AKの特定演出は、大当り遊技状態といった有利状態に制御されることを示唆する有利示唆演出と、パチンコ遊技機1における設定値を示唆する設定示唆演出とを、実行可能な演出として含んでいる。
図9-1は、特徴部66AKに関し、可変表示開始設定処理として、演出制御プロセス処理のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理では、停止図柄決定処理が実行される(ステップ66AKS011)。停止図柄決定処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄といった、飾り図柄の可変表示において停止表示される飾り図柄の組合せが決定される。停止図柄決定処理に続いて、予告演出決定処理が実行される(ステップ66AKS012)。予告演出決定処理は、有利示唆演出に含まれる予告演出を決定可能とする。
予告演出決定処理が実行された後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップ66AKS013)。演出制御パターンは、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターン、その他、各種の演出実行を制御するための制御パターンなどを含んでいればよい。例えば変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップ66AKS012の予告演出決定処理による決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。なお、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンをセットするものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンをセットするものであってもよい。演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップ66AKS014)。また、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップ66AKS015)。このときには、ステップ66AKS013にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
続いて、可変表示開始時の保留表示更新設定を行う(ステップ66AKS016)。例えば、画像表示装置5の画面上に設けられた保留表示エリアにおいて、保留番号「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」~「8」に対応した表示部位にある保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。これにより、保留表示のシフトが行われる。画像表示装置5の画面上に設けられたアクティブ表示部では、保留表示エリアにおいて消去(消化)した保留表示に対応したアクティブ表示が行われるようにすればよい。なお、保留記憶数が「0」であるときに、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて直ちに可変表示が開始される場合には、保留表示を更新することなく、アクティブ表示エリアにおけるアクティブ表示を更新するための設定が行われてもよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップ66AKS017)、可変表示開始設定処理を終了する。
図9-2は、停止図柄決定処理として、可変表示開始設定処理のステップ66AKS011にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。停止図柄決定処理では、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップ66AKS021)。スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かは、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンに基づいて判定可能である。
スーパーリーチのリーチ演出が実行されない場合には(ステップ66AKS021;No)、非リーチ時やノーマルリーチ時の最終停止図柄を決定して(ステップ66AKS022)、停止図柄決定処理を終了する。非リーチ時には、可変表示結果が「ハズレ」になる。ノーマルリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になる場合と、可変表示結果が「ハズレ」になる場合とが含まれている。飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならない非リーチ時には、最終停止図柄として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。非リーチ時の最終停止図柄は、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定される。演出制御用CPU120は、乱数回路124などにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定すればよい。次に、乱数回路124などにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定すればよい。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124などにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定すればよい。
可変表示結果が「ハズレ」になるノーマルリーチ時には、リーチハズレ時の最終停止図柄として、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。リーチハズレ時の最終停止図柄は、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。演出制御用CPU120は、乱数回路124などにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定すればよい。さらに、乱数回路124などにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定すればよい。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示結果が「大当り」になるノーマルリーチ時には、大当り時の最終停止図柄として、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される。大当り時の最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。演出制御用CPU120は、乱数回路124などにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定すればよい。
スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には(ステップ66AKS021;Yes)、スーパーリーチ時の最終停止図柄を決定する(ステップ66AKS023)。スーパーリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になる場合と、可変表示結果が「ハズレ」になる場合とが含まれている。可変表示結果が「ハズレ」になるスーパーリーチ時には、リーチハズレ時の最終停止図柄として、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される。可変表示結果が「大当り」になる大当り時には、大当り時の最終停止図柄として、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される。スーパーリーチ時には、可変表示結果が「大当り」になるか「ハズレ」になるかにかかわらず、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで同一の(一致する)飾り図柄が、確定飾り図柄として停止表示される。このようなリーチハズレ組合せや大当り組合せを構成する左右の飾り図柄は、リーチ図柄ともいう。リーチ図柄として決定可能な飾り図柄は、例えば1~7の数字に対応する7種類の飾り図柄といった、複数種類の飾り図柄を含んでいればよい。数字に対応する飾り図柄は、数字を示す演出画像のみであってもよいし、数字に加えて各種のキャラクタを示す演出画像であってもよい。
リーチ図柄は、リーチ図柄決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ図柄決定テーブルを参照することなどにより、複数の飾り図柄のいずれかに決定されるようにすればよい。リーチ図柄決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。ステップ66AKS023に続いて、決定されたリーチ図柄は7の数字に対応する飾り図柄であるか否かを判定する(ステップ66AKS024)。このとき、7以外の数字に対応する飾り図柄であれば(ステップ66AKS024;No)、停止図柄決定処理を終了する。
リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合には(ステップ66AKS024;Yes)、設定示唆演出を実行するか否かに応じた設定示唆演出の有無を決定する(ステップ66AKS025)。設定示唆演出は、設定示唆演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された設定示唆演出実行決定テーブルを参照することなどにより、実行の有無が決定されるようにすればよい。設定示唆演出実行決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。設定示唆演出の有無として、設定示唆演出を実行しない「演出なし」、または、設定示唆演出を実行する「演出あり」のうちで、いずれかに決定される。
ステップ66AKS025の決定結果に基づいて、設定示唆演出を実行する「演出あり」に決定されたか否かを判定する(ステップ66AKS026)。設定示唆演出を実行しない「演出なし」に決定された場合には(ステップ66AKS026;No)、停止図柄決定処理を終了する。「演出あり」に決定された場合には(ステップ66AKS026;Yes)、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する(ステップ66AKS027)。演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、主基板11の側から送信された設定値通知コマンドを受信し、通知された設定値をRAM122の所定領域に格納すればよい。これにより、ステップ66AKS027では、RAM122に格納されている設定値を特定すればよい。
ステップ66AKS027に続いて、設定示唆パターンを決定してから(ステップ66AKS028)、停止図柄決定処理を終了する。設定示唆パターンは、設定示唆パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された設定示唆パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数の設定示唆パターンのうちいずれかに決定されるようにすればよい。設定示唆パターン決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。
図9-3は、特徴部66AKのリーチ図柄決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、リーチ図柄決定テーブルとして、図9-3に示す決定テーブル66AKT01が予め用意されている。停止図柄決定処理のステップ66AKS023では、決定テーブル66AKT01を参照することなどにより、リーチ図柄となる飾り図柄が決定される。決定テーブル66AKT01では、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、リーチ図柄となる飾り図柄に割り当てられた判定値の個数が異なっている。例えば可変表示結果が「ハズレ」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄に80個の判定値が割り当てられ、2の数字に対応する飾り図柄に70個の判定値が割り当てられ、3の数字に対応する飾り図柄に60個の判定値が割り当てられ、4の数字に対応する飾り図柄に50個の判定値が割り当てられ、5の数字に対応する飾り図柄に40個の判定値が割り当てられ、6の数字に対応する飾り図柄に30個の判定値が割当てられ、7の数字に対応する飾り図柄に20個の判定値が割り当てられている。可変表示結果が「大当り」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄に20個の判定値が割り当てられ、2の数字に対応する飾り図柄に30個の判定値が割り当てられ、3の数字に対応する飾り図柄に40個の判定値が割り当てられ、4の数字に対応する飾り図柄に50個の判定値が割り当てられ、5の数字に対応する飾り図柄に60個の判定値が割り当てられ、6の数字に対応する飾り図柄に70個の判定値が割り当てられ、7の数字に対応する飾り図柄に80個の判定値が割り当てられている。
図9-3に示すテーブル66AKT01における設定により、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も高くなり、2の数字、3の数字、4の数字、5の数字、6の数字となるに従って、飾り図柄の決定割合が低くなり、7の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も低くなる。可変表示結果が「大当り」である場合には、1の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も低くなり、2の数字、3の数字、4の数字、5の数字、6の数字となるに従って、飾り図柄の決定割合が高くなり、7の数字に対応する飾り図柄の決定割合が最も高くなる。したがって、7の数字に対応する飾り図柄がリーチ図柄として停止表示された場合には、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が最も高くなり、6の数字、5の数字、4の数字、3の数字、2の数字となるに伴い、リーチ図柄として停止表示された場合に可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が低くなり、1の数字に対応する飾り図柄がリーチ図柄として停止表示された場合には、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が最も低くなる。
図9-4は、特徴部66AKの設定示唆演出実行決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、設定示唆演出決定テーブルとして、図9-4に示すテーブル66AKT02が予め用意されている。停止図柄決定処理のステップ66AKS025では、決定テーブル66AKT02を参照することなどにより、設定示唆演出の有無が決定される。決定テーブル66AKT02では、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、設定示唆演出の有無に割り当てられた判定値の個数が異なっている。例えば可変表示結果が「ハズレ」である場合には、設定示唆演出を実行しない「演出なし」に80個の判定値が割り当てられ、設定示唆演出を実行する「演出あり」に20個の判定値が割り当てられている。可変表示結果が「大当り」である場合には、設定示唆演出を実行しない「演出なし」に40個の判定値が割り当てられ、設定示唆演出を実行する「演出あり」に60個の判定値が割り当てられている。
図9-4に示すテーブル66AKT02における設定により、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、設定示唆演出を実行しない「演出なし」の決定割合が、設定示唆演出を実行する「演出あり」の決定割合よりも高くなる。可変表示結果が「大当り」である場合には、設定示唆演出を実行する「演出あり」の決定割合が、設定示唆演出を実行しない「演出なし」の決定割合よりも高くなる。また、設定示唆演出は、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合に実行される。7の数字に対応する飾り図柄がリーチ図柄として停止表示される割合は、可変表示結果が「ハズレ」である場合に低くなり、可変表示結果が「大当り」である場合に高くなる。これらにより、設定示唆演出が実行された場合には、設定示唆演出が実行されない場合よりも、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される割合が高くなる。
図9-5(A)は、設定示唆パターンの構成例を示している。この実施例では、複数の設定示唆パターンとして、4つのパターンRE-0~パターンRE3が設けられている。これらの設定示唆パターンは、図柄表示色を変化させるか否かや、変化させる場合の表示色に応じて、示唆内容が異なっている。図柄表示色は、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の表示色であり、通常表示色となる赤色の他に、銅色、銀色、金色を含む示唆表示色に変化可能である。パターンRE-0は、図柄表示色を変化させず、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。パターンRE-1は、図柄表示色を銅色に変化させ、設定値が2以上であることの確定を示唆する。パターンRE-2は、図柄表示色を銀色に変化させ、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。パターンRE-3は、図柄表示色を金色に変化させ、最高の設定値となる6であることの確定を示唆する。このように、リーチ図柄を用いた設定示唆演出では、図柄表示色が変化したか否かや、変化後の図柄表示色に応じて、パチンコ遊技機1における設定値に関する示唆を行うことができる。
図9-5(B)は、特徴部66AKの設定示唆パターン決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、設定示唆パターン決定テーブルとして、図9-5(B)に示す決定テーブル66AKT03が予め用意されている。停止図柄決定処理のステップ66AKS027では、決定テーブル66AKT03を参照することなどにより、設定示唆パターンが決定される。決定テーブル66AKT03では、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、設定示唆パターンの決定結果に割り当てられた判定値の個数が異なっている部分がある。例えば設定値が1である場合は、パターンRE-0に95個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1やパターンRE-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が2である場合は、パターンRE-0に65個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンRE-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が3である場合には、パターンRE-0に65個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンRE-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が4である場合には、パターンRE-0に40個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が5である場合には、パターンRE-0に40個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が6である場合には、パターンRE-0に35個の判定値が割り当てられ、パターンRE-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンRE-3に5個の判定値が割り当てられている。
特徴部66AKでは、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合に、リーチ図柄が7の数字に対応した飾り図柄となることから、大当り遊技状態に制御される割合が高い。そして、設定示唆演出がパターンRE-0で実行される場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が低く、設定示唆演出がパターンRE-1で実行される場合は設定値が2以上であることが確定する。また、設定示唆演出がパターンRE-2で実行される場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が高く、設定示唆演出がパターンRE-3で実行される場合は最高の設定値となる6であることが確定する。このように、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった場合のリーチ図柄には、7以外の数に対応した飾り図柄といった大当り遊技状態の制御に関する示唆を行う図柄表示態様と、7の数字に対応した飾り図柄といった大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うとともにパチンコ遊技機1において設定されている設定値に関する示唆を行う図柄表示態様とが含まれている。リーチ図柄が7の数字に対応した飾り図柄の場合には、リーチ図柄が通常表示色で表示されることで大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後に、図柄表示色が変更されることで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定値に関する示唆を行うことになる。
特徴部66AKでは、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、設定示唆演出の演出態様が異なるように実行可能である。例えば、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1である場合には、停止図柄決定処理のステップ66AKS028にて設定示唆パターンがパターンRE-1に決定されないので、図柄表示色が銅色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1以外であるか否かに応じて、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合の図柄表示態様として、図柄表示色が銅色に変更されるか否かが異なる。パチンコ遊技機1において設定されている設定値が6以外である場合には、停止図柄決定処理のステップ66AKS028にて設定示唆演出がパターンRE-3に決定されないので、図柄表示色が金色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機において設定されている設定値が6であるか否かに応じて、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合の図柄表示態様として、図柄表示色が金色に変更されるか否かが異なる。
停止図柄決定処理では、ステップ66AKS024にてリーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄であると判定されたときに、ステップ66AKS027により設定値を特定してから、ステップ66AKS025に進むようにしてもよい。ステップ66AKS025では、可変表示結果だけでなく、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて異なる割合により、設定示唆演出の有無が決定されてもよい。この場合には、遊技者にとって有利な設定値であれば、高い割合で設定示唆演出が実行されることに決定されてもよい。リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄に決定された場合には、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることが確定してもよい。リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄ではない場合でも、所定割合で設定示唆演出を実行可能にしてもよい。この場合には、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄であれば、高い割合で設定示唆演出が実行されることに決定されてもよい。このように、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となる場合に、複数種類のリーチ態様に応じて異なる割合により、設定示唆演出が実行可能であってもよい。
設定示唆演出は、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の表示色である図柄表示色を変更するものに代えて、あるいは、図柄表示色を変更するものに加えて、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄の形状や模様といった、リーチ態様における任意の態様を変更するものであってもよい。あるいは、背景画像や外枠画像その他の任意の演出画像の表示、スピーカ8L、8Rによる音声の出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった装飾発光体の点灯、演出用可動部材の動作、これらの一部または全部の組合せといった、任意の演出装置による演出態様を変更するものであってもよい。
複数の設定示唆パターンには、大当り遊技状態に制御される場合にのみ決定可能なパターンと、大当り遊技状態に制御されない場合にも決定可能なパターンとが、含まれていてもよい。例えば、パターンRE-0とパターンRE-1は、可変表示結果が「ハズレ」である場合にも、所定割合で決定可能となるのに対し、パターンRE-2とパターンRE-3は、可変表示結果が「大当り」である場合にのみ所定割合で決定可能となり、可変表示結果が「ハズレ」である場合には決定不可能となるようにしてもよい。この場合に、パターンRE-2は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値にかかわらず、共通の割合で決定されるのに対し、パターンRE-3は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、異なる割合で決定されてもよい。
図9-6は、予告演出決定処理として、可変表示開始設定処理のステップ66AKS012にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理では、予告演出を実行するか否かに応じた演出有無と、実行する場合の演出種別とを決定する(ステップ66AKS041)。予告演出は、予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された予告演出種別決定テーブルを参照することなどにより、演出有無と演出種別が決定されるようにすればよい。予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。ステップ66AKS041では、予告演出を実行しない「予告なし」、または予告演出を実行する場合の「ステップアップ」、「キャラクタ」、「タイトル」のいずれかに決定される。
パチンコ遊技機1が実行可能な予告演出のうちには、例えば、「ステップアップ」の演出種別に対応するステップアップ予告、「キャラクタ」の演出種別に対応するキャラクタ予告、「タイトル」の演出種別に対応するタイトル予告が含まれていればよい。ステップアップ予告では、例えば画像表示装置5における演出画像の表示といった、予告演出における演出態様を1段階から複数段階まで段階的に変化させる。ステップアップ予告において変化させる演出態様は、画像表示装置5における演出画像の表示に限定されず、スピーカ8L、8Rによる音声の出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光部材の点灯、演出用可動部材の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せを、含むものであってもよい。ステップアップ予告では、最初の演出態様による演出が実行された後に、その演出態様を変化させることなく終了する場合があってもよい。この実施例において、ステップアップ予告を実行する場合には、飾り図柄の可変表示を実行中に、所定表示色の四角形状で外枠となる表示枠により囲まれた演出画像の表示領域にて、キャラクタを示す演出画像の表示内容(表示態様)を、所定の順序に従って切替可能に表示させる演出表示により、演出態様を複数段階まで変化させてステップアップとなるような演出が行われる。ステップアップ予告を実行する場合に表示される演出画像は、表示枠を示す外枠部分画像と、段階変化での切替表示に使用される枠内部分画像とを含んでいる。枠内部分画像は、段階変化の各段階において静止表示される静止画像であってもよいし、段階変化の各段階においてアニメーション表示される動画像などであってもよい。
キャラクタ予告では、画像表示装置5に所定のキャラクタを示す演出画像が表示される。キャラクタ予告は、キャラクタの種類、大きさ、色彩、模様、動作、セリフ、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む演出態様に応じて、大当り遊技状態に制御される割合(大当り期待度)が異なるように実行される。タイトル予告では、画像表示装置5に所定の文字画像によるタイトルが表示される。タイトル予告は、タイトルの内容、大きさ、色彩、模様、表示タイミング、表示期間、表示更新速度、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む演出態様に応じて、大当り遊技状態に制御される割合(大当り期待度)が異なるように実行される。
ステップ66AKS041の決定結果に基づいて、予告演出を実行しない「予告なし」に決定されたか否かを判定する(ステップ66AKS042)。「予告なし」に決定された場合には(ステップ66AKS042;Yes)、予告演出決定処理を終了する。「予告なし」ではない場合には(ステップ66AKS042;No)、ステップアップ予告に対応した「ステップアップ」に決定されたか否かを判定する(ステップ66AKS043)。「ステップアップ」以外の「キャラクタ」または「タイトル」に決定された場合には(ステップ66AKS043;No)、「キャラクタ」または「タイトル」に応じた演出パターンを決定する(ステップ66AKS044)。キャラクタ予告やタイトル予告の演出パターンは、予告演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された予告演出パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数の予告演出パターンのうちいずれかに決定されるようにすればよい。予告演出パターン決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。
予告演出の演出種別が「ステップアップ」に決定された場合には(ステップ66AKS043;Yes)、ステップ数パターンを決定する(ステップ66AKS045)。ステップ数パターンは、ステップアップ予告において演出態様を変化させる段階数としてのステップ数に対応した演出パターンである。ステップ数パターンは、ステップ数パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたステップ数パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数のステップ数パターンのうちいずれかに決定されるようにすればよい。ステップ数パターン決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。この実施例では、複数のステップ数パターンとして、5つのパターンSU-1~パターンSU-5が設けられ、各パターンに応じてステップ数が1~5のいずれかとなる。
ステップ66AKS045の決定結果に基づいて、パターンSU-5に決定されたか否かを判定する(ステップ66AKS046)。パターンSU-5以外のステップ数パターンに決定された場合には(ステップ66AKS046;No)、予告演出決定処理を終了する。パターンSU-5に決定された場合には(ステップ66AKS046;Yes)、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を特定する(ステップ66AKS047)。演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、主基板11の側から送信された設定値通知コマンドを受信し、通知された設定値をRAM122の所定領域に格納すればよい。これにより、ステップ66AKS047では、RAM122に格納されている設定値を特定すればよい。
ステップ66AKS047に続いて、外枠表示パターンを決定してから(ステップ66AKS048)、予告演出決定処理を終了する。外枠表示パターンは、ステップアップ予告において演出態様を変化させるステップ数が5に達したときに、外枠部分画像の表示色を変更するか否かや、変更する場合の外枠表示色に対応した演出パターンである。外枠表示パターンは、外枠表示パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された外枠表示パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数の外枠表示パターンのうちいずれかに決定されるようにすればよい。外枠表示パターン決定用の乱数値を示す数値データは、RAM122に設けられたランダムカウンタや乱数回路124の一方または両方を用いて、更新可能であればよい。
図9-7は、特徴部66AKの予告演出種別決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、予告演出種別決定テーブルとして、図9-7に示す決定テーブル66AKT04が予め用意されている。予告演出決定処理のステップ66AKS041では、決定テーブル66AKT04を参照することなどにより、予告演出の演出有無と演出種別が決定される。決定テーブル66AKT04では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマル(ハズレ)」、「スーパー(ハズレ)」、「大当り」のいずれであるかに応じて、演出種別などに割り当てられた判定値の個数が異なっている。
可変表示内容は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示の表示結果に基づいて、特定可能である。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「ノーマル(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されてから、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「スーパー(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示の表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「大当り」の場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後、ノーマルリーチやスーパーリーチのリーチ演出が実行されてから、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示の表示結果が「大当り」となる。
決定テーブル66AKT04において、例えば「キャラクタ」や「タイトル」の演出種別は、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には判定値の割当てがない(0個)。これに対し、可変表示内容が「ノーマル(ハズレ)」である場合には「キャラクタ」の演出種別に10個の判定値が割り当てられ、可変表示内容が「スーパー(ハズレ)」である場合には「キャラクタ」と「タイトル」の演出種別いずれにも50個の判定値が割り当てられ、可変表示内容が「大当り」である場合には「キャラクタ」の演出種別に70個の判定値と「タイトル」の演出種別に100個の判定値が割り当てられ、判定値の割当てがある。「ステップアップ」の予告種別には、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に30個の判定値が割り当てられ、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外である場合に120個の判定値が割り当てられている。「タイトル」の演出種別には、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「ノーマル(ハズレ)」である場合に判定値の割当てがなく(0個)、可変表示内容が「スーパー(ハズレ)」である場合に50個の判定値が割り当てられ、可変表示内容が「大当り」である場合に100個の判定値が割り当てられている。これにより、演出種別が「ステップアップ」と「タイトル」のいずれとなるかに応じて、大当り遊技状態に制御される割合に対応する大当り期待度が異なる。より具体的に、「ステップアップ」の演出種別は、可変表示内容が「大当り」以外の場合でも、「タイトル」の演出種別に比べて多くの判定値が割り当てられているので、可変表示内容が「大当り」以外の場合でも比較的に高い割合で決定されやすくなる。これに対し、「タイトル」の演出種別は、可変表示内容が「大当り」以外であれば、「スーパー(ハズレ)」である場合に50個の判定値が割り当てられているだけであり、「ステップアップ」の演出種別に比べて少ない判定値が割り当てられているので、可変表示結果が「大当り」以外である場合には比較的に低い割合で決定される。したがって、タイトル予告が実行された場合には、ステップアップ予告が実行された場合よりも大当り期待度が高くなる。予告演出の演出有無や演出種別に割り当てられた判定値の個数に関して、同様の比較によれば、タイトル予告が実行された場合には、キャラクタ予告が実行された場合よりも大当り期待度が高くなる。キャラクタ予告が実行された場合には、ステップアップ予告が実行された場合よりも大当り期待度が高くなる。ステップアップ予告が実行された場合には、予告演出が実行されない場合よりも大当り期待度が高くなる。
図9-8(A)は、ステップ数パターンの構成例を示している。複数のステップ数パターンは、ステップアップ予告において演出態様を変化させるステップ数が、互いに異なっている。より具体的に、パターンSU-1はステップ数が1となり、パターンSU-2はステップ数が2となり、パターンSU-3はステップ数が3となり、パターンSU-4はステップ数が4となり、パターンSU-5はステップ数が5となる。ステップアップ予告において、最初の演出態様による演出は第1ステップの演出となり、その後に演出態様を変化させるごとに第2ステップの演出から第5ステップの演出まで1ステップずつステップ数が増加するように進行する。
図9-8(B)は、特徴部66AKのステップ数パターン決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、ステップ数パターン決定テーブルとして、図9-8(B)に示す決定テーブル66AKT05が予め用意されている。予告演出決定処理のステップ66AKS045では、決定テーブル66AKT05を参照することなどにより、ステップ数パターンが決定される。決定テーブル66AKT05では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマル(ハズレ)」、「スーパー(ハズレ)」、「大当り」のいずれであるかに応じて、ステップ数パターンの決定結果に割り当てられた判定値の個数が異なっている。可変表示内容ごとに、各ステップ数パターンに割り当てられた判定値の個数を比較することにより、ステップアップ予告では、ステップ数が1から3まで増加するに従って、大当り期待度が高くなる。パターンSU-4やパターンSU-5は、可変表示内容が「大当り」以外である場合に、判定値が割り当てられていない(0個)。したがって、ステップアップ予告では、ステップ数が4または5まで達した場合に、大当り遊技状態に制御されることが確定する。このように、ステップアップ予告では、段階的に演出態様を変化させたステップ数が多くなるに従って、大当り遊技状態に制御される割合が高くなる。
図9-9(A)は、外枠表示パターンの構成例を示している。この実施例では、複数の外枠表示パターンとして、4つのパターンSC-0~パターンSC-3が設けられている。これらの外枠表示パターンは、ステップアップ予告におけるステップ数が5に達した第5ステップであるときの外枠表示色に応じて、示唆内容が異なっている。外枠表示色は、ステップアップ予告にて表示される外枠部分画像の表示色であり、通常表示色となる白色の他に、銅色、銀色、金色を含む示唆表示色に変化可能である。パターンSC-0は、外枠表示色を変化させず、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。パターンSC-1は、外枠表示色を銅色に変化させ、設定値が2以上であることの確定を示唆する。パターンSC-2は、外枠表示色を銀色に変化させ、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。パターンSC-3は、外枠表示色を金色に変化させ、最高の設定値となる6であることの確定を示唆する。このように、ステップアップ予告における第5ステップでは、外枠表示色が変化したか否かや、変化後の外枠表示色に応じて、パチンコ遊技機1における設定値に関する示唆を行うことができる。
図9-9(B)は、特徴部66AKの外枠表示パターン決定テーブルに関する設定例を示している。特徴部66AKでは、外枠表示パターン決定テーブルとして、図9-9(B)に示す決定テーブル66AKT06が予め用意されている。予告演出決定処理のステップ66AKS048では、決定テーブル66AKT06を参照することなどにより、外枠表示パターンが決定される。決定テーブル66AKT06では、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、外枠表示パターンの決定結果に割り当てられた判定値の個数が異なっている部分がある。例えば設定値が1である場合は、パターンSC-0に95個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1やパターンSC-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が2である場合は、パターンSC-0に65個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンSC-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が3である場合には、パターンSC-0に65個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に5個の判定値が割り当てられ、パターンSC-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が4である場合には、パターンSC-0に40個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が5である場合には、パターンSC-0に40個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-3には判定値の割当てがない(0個)。設定値が6である場合には、パターンSC-0に35個の判定値が割り当てられ、パターンSC-1に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-2に30個の判定値が割り当てられ、パターンSC-3に5個の判定値が割り当てられている。
特徴部66AKでは、ステップアップ予告における外枠部分画像の表示色が変更される場合に、ステップアップ予告でのステップ数が5の第5ステップまで演出態様を変化させることから、大当り遊技状態に制御されることが確定する。そして、外枠表示色がパターンSC-0により変化しない場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が低く、外枠表示色がパターンSC-1により銅色に変更された場合は設定値が2以上であることが確定する。また、外枠表示色がパターンSC-2により銀色に変更された場合は遊技者にとって有利な設定値である期待度が高く、外枠表示色がパターンSC-3により金色に変更された場合は最高の設定値となる6であることが確定する。このように、ステップアップ予告において段階的に演出態様を変化させる場合の複数段階には、ステップ数が4であるときの第4ステップといった大当り遊技状態に制御されることを報知する報知段階と、ステップ数が5であるときの第5ステップといったパチンコ遊技機1において設定されている設定値を示唆する示唆段階とが含まれている。そして、第4ステップの演出態様に変化させてから、第5ステップの演出態様に変化させるので、演出態様を報知段階に変化させた後に、演出態様を示唆段階に変化させることになる。
特徴部66AKでは、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、ステップアップ予告における第5ステップの演出態様が異なるように実行可能である。例えば、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1である場合には、予告演出決定処理のステップ66AKS048にて外枠表示パターンがパターンSC-1に決定されないので、外枠表示色が銅色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が1以外であるか否かに応じて、第5ステップの演出態様として、外枠表示色が銅色に変更されるか否かが異なる。パチンコ遊技機1において設定されている設定値が6以外である場合には、予告演出決定処理のステップ66AKS048にて外枠表示パターンがパターンSC-3に決定されないので、外枠表示色が金色に変更されることがない。このように、パチンコ遊技機1において設定されている設定値が6であるか否かに応じて、第5ステップの演出態様として、外枠表示色が金色に変更されるか否かが異なる。
予告演出決定処理では、ステップ66AKS043にて「ステップアップ予告」と判定されたときに、ステップ66AKS047により設定値を特定してから、ステップ66AKS045に進むようにしてもよい。ステップ66AKS045では、可変表示内容だけでなく、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて異なる割合により、ステップ数パターンが決定されてもよい。この場合には、遊技者にとって有利な設定値であれば、高い割合でステップ数が多くなるようにステップ数パターンが決定されてもよい。パターンSU-4やパターンSU-5に決定された場合でも、所定割合で可変表示結果が「ハズレ」となり大当り遊技状態に制御されないことがあってもよい。パターンSU-5以外のステップ数パターンに決定された場合でも、所定割合で外枠表示パターンを決定可能にしてもよい。この場合には、ステップ数パターンがパターンSU-5であれば、高い割合で外枠表示パターンがパターンSC-0以外に決定されてもよい。このように、ステップアップ予告となる予告演出が実行される場合に、演出態様を変化させる段階数としてのステップ数に応じて異なる割合により、設定値を示唆する演出態様に変化可能であってもよい。
ステップアップ予告の第5ステップにて設定値を示唆する演出態様は、外枠部分画像の表示色である外枠表示色を変更するものに代えて、あるいは、外枠表示色を変更するものに加えて、外枠部分画像の形状や模様、枠内部分画像の形状や模様や色彩、その他、スピーカ8L、8Rによる音声の出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光部材の点灯、演出用可動部材の動作、これらの一部または全部の組合せといった、ステップアップ予告における任意の演出態様を変更するものであってもよい。
複数の外枠表示パターンには、大当り遊技状態に制御される場合にのみ決定可能なパターンと、大当り遊技状態に制御されない場合にも決定可能なパターンとが、含まれていてもよい。例えば、パターンSC-0とパターンSC-1は、可変表示結果が「ハズレ」である場合にも、所定割合で決定可能となるのに対し、パターンSC-2とパターンSC-3は、可変表示結果が「大当り」である場合にのみ所定割合で決定可能となり、可変表示結果が「ハズレ」である場合には決定不可能となるようにしてもよい。この場合に、パターンSC-2は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値にかかわらず、共通の割合で決定されるのに対し、パターンSC-3は、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じて、異なる割合で決定されてもよい。
図9-10は、特徴部66AKに関し、可変表示中演出処理として、演出制御プロセス処理のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間である特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップ66AKS061)。このときには、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップ66AKS061;No)、可変表示の進行に伴い各種演出を実行するための制御が行われる。演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理のステップ66AKS013にて決定された演出制御パターンから読み出した制御データに基づいて、各種指令を作成する。この指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯や消灯や点滅させること、演出用可動部材を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて各種演出を実行できればよい。
図9-10に示す可変表示中演出処理では、予告演出期間であるか否かを判定する(ステップ66AKS062)。予告演出期間は、例えば可変表示開始設定処理のステップ66AKS013にて決定された演出制御パターン(予告演出制御パターンなど)において、予め定められていればよい。予告演出期間であると判定された場合には(ステップ66AKS062;Yes)、予告演出を実行する制御が行われる(ステップ66AKS063)。ステップ66AKS063の制御により、ステップアップ予告が実行される場合には、大当り遊技状態の制御に関する示唆として、段階的に演出態様を変化させる予告演出を実行することができる。また、ステップアップ予告のステップ数が5である場合には、外枠表示色を変更可能な第5ステップの演出態様に変化させることで、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。
予告演出期間ではない場合や(ステップ66AKS062;No)、ステップ66AKS063の制御を行った後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップ66AKS064)。リーチ演出期間は、例えば可変表示開始設定処理のステップ66AKS013にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターンなど)において、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定された場合には(ステップ66AKS064;Yes)、リーチ演出を実行する制御が行われる(ステップ66AKS065)。ステップ66AKS065の制御により、例えばノーマルリーチやスーパーリーチのリーチ演出を実行することで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことができる。また、リーチ図柄となる飾り図柄が停止表示される場合には、大当り遊技状態の制御に関する示唆として、リーチ図柄に応じて大当り遊技状態に制御される割合を異ならせることができる。このとき、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合には、図柄表示色の変更後におけるリーチ演出を実行することで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する新たな示唆を行うことができる。
リーチ演出期間ではない場合や(ステップ66AKS064;No)、ステップ66AKS065の制御を行った後には、変更演出期間であるか否かを判定する(ステップ66AKS066)。変更演出期間は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合に、図柄表示色を変更する演出の実行期間として、予め定められていればよい。変更演出期間であると判定された場合には(ステップ66AKS066;Yes)、変更演出を実行する制御が行われる(ステップ66AKS067)。
変更演出期間ではない場合や(ステップ66AKS066;No)、ステップ66AKS067の制御を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行ってから(ステップ66AKS068)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップ66AKS061にて可変表示時間が経過したと判定された場合には(ステップ66AKS061;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップ66AKS069)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップ66AKS069;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップ66AKS069;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップ66AKS070)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップ66AKS071)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップ66AKS072)、可変表示中演出処理を終了する。
図9-11は、特徴部66AKに関し、飾り図柄の可変表示を実行中における各種演出の実行期間や実行タイミングを示している。このうち、図9-11(A)は、飾り図柄の可変表示の態様を含めた可変表示関連演出について、実行期間や実行タイミングを示している。図9-11(B1)は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない場合の図柄表示色を示している。図9-11(B2)は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合の図柄表示色を示している。図9-11(C)は、ステップアップ予告となる予告演出の実行期間や実行タイミングを示している。図9-11(D)は、ステップアップ予告となる予告演出について、実行ステップに応じた実行期間、演出時間、演出内容を示している。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない場合には、タイミングT0にて飾り図柄の可変表示が開始された後に、タイミングT1にて飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様でリーチ成立となり、タイミングT2にてノーマルリーチのリーチ演出からスーパーリーチのリーチ演出へと移行するリーチ発展を経由して、タイミングT3にて飾り図柄の可変表示が終了するまで、図柄表示色が通常表示色で維持される。この場合には、タイミングT1にてリーチ成立のときに、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄が、1~7の数字のいずれに対応する飾り図柄であるかに応じて、大当り遊技状態に制御される割合が異なる。こうして、リーチ図柄として停止表示される飾り図柄を、1~7の数字のいずれかに対応する飾り図柄とすることで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことができる。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合には、例えばタイミングT2におけるノーマルリーチのリーチ演出からスーパーリーチのリーチ演出へのリーチ発展以降に、変更演出が実行され、図柄表示色が通常表示色から示唆表示色へと変更可能になる。ただし、設定示唆パターンRE-0の場合には、変更演出が実行された場合でも、図柄表示色は変化しない。変更演出が実行されて図柄表示色が変更可能となる場合には、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄が、7の数字に対応する飾り図柄であることにより、大当り遊技状態に制御される割合が高いことが示唆される。また、変更演出が実行された場合に、リーチ図柄の図柄表示色が変更されるか否かや、変更された場合の示唆表示色に応じて、遊技者にとって有利な設定値が設定されている割合が異なる。こうして、リーチ図柄として7の数字に対応する飾り図柄が停止表示された場合に、スーパーリーチのリーチ演出を実行可能なタイミングT2以降の期間など、特定タイミング以降の期間にて実行可能な演出として、変更演出によりリーチ図柄の図柄表示色を変更可能とすることで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。
リーチ図柄はタイミングT1にてリーチ成立となることで停止表示されるので、タイミングT1以降の特定期間では、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄により、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことができる。そして、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄である場合には、特定期間におけるタイミングT2まで、大当り遊技状態の制御に関する示唆として、リーチ図柄が7以外の数字に対応する飾り図柄である場合よりも、高い割合で大当り遊技状態に制御されることを示唆する。その後、特定期間におけるタイミングT2以降では、変更演出が実行された場合に、リーチ図柄の図柄表示色が変更されるか否かや、変更された場合の示唆表示色に応じて、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われる。また、変更演出が実行された場合でも、リーチ図柄として7の数字に対応する飾り図柄は継続して停止表示されるので、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うことができる。このように、ノーマルリーチやスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、リーチ成立となるタイミングT1からリーチ発展となるタイミングT2までの特定期間にてノーマルリーチのリーチ演出が実行可能となり、リーチ図柄として停止表示された飾り図柄に応じて異なる割合で大当り遊技状態に制御される示唆を行うことができる。その後、タイミングT2以降で可変表示が終了するタイミングT3までは、リーチ図柄が7以外の数字に対応する飾り図柄であれば、リーチ図柄に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を継続して行い、リーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄であれば、リーチ図柄に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を継続して行うとともに、リーチ図柄の図柄表示色に応じてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う。なお、リーチ成立となるタイミングT1から可変表示が終了するタイミングT3までを、リーチ演出が実行可能な特定期間とし、この特定期間のうち、タイミングT1からタイミングT2まで、リーチ図柄に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を行い、タイミングT2以降でタイミングT3までは、リーチ図柄に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を継続して行う場合と、リーチ図柄に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を継続して行うとともにリーチ図柄の図柄表示色に応じてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを設けてもよい。
ステップアップ予告となる予告演出が実行される場合には、タイミングT0にて飾り図柄の可変表示が開始された後に、ステップアップ予告の実行が開始され、期間D11では第1ステップとなり、期間D12では第2ステップとなり、期間D13では第3ステップとなり、期間D14では第4ステップとなり、期間D15では第5ステップとなる。この場合に、ステップアップ予告として、第1ステップから第5ステップまで枠内部分画像の表示が段階的に変化する。ただし、ステップ数パターンの決定結果に応じたステップ数まで達した場合には、次のステップとなる演出態様には変化させることなく、ステップアップ予告の実行が終了する。
期間D11~D13での第1ステップから第3ステップは、いずれも演出時間が1秒となり、タイミングT1にて飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様でリーチ成立となるより前に実行され、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行う大当り予告となる。ステップ数パターンがパターンSU-1である場合には、期間D11での第1ステップが開始され、演出時間の1秒が経過して期間D11での第1ステップが終了すると、ステップアップ予告の実行も終了する。ステップ数パターンがパターンSU-2である場合には、パターンSU-1の場合と同様に期間D11での第1ステップが終了すると、続いて枠内部分画像の表示などを変化させて、期間D12での第2ステップが開始され、演出時間の1秒が経過して期間D12での第2ステップが終了すると、ステップアップ予告の実行も終了する。ステップ数パターンがパターンSU-3である場合には、パターンSU-2の場合と同様に期間D12での第2ステップまで終了すると、続いて枠内部分画像の表示などを変化させて、期間D13での第3ステップが開始され、演出時間の1秒が経過して期間D13での第3ステップが終了すると、ステップアップ予告の実行も終了する。
期間D14での第4ステップは、演出時間が1秒よりも長い5秒となり、タイミングT1にて飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様でリーチ成立となった後に実行され、大当り遊技状態に制御されることを確定的に報知する大当り確定となる。ステップ数パターンがパターンSU-4である場合には、パターンSU-3の場合と同様に期間D13での第3ステップまで終了した後に、タイミングT1でのリーチ成立となり、続いて枠内部分画像の表示などを変化させて、期間D14での第4ステップが開始され、演出時間の5秒が経過して期間D14での第4ステップが終了すると、ステップアップ予告の実行も終了する。
期間D15での第5ステップは、演出時間が1秒や5秒よりも長い10秒となり、タイミングT2にてノーマルリーチのリーチ演出からスーパーリーチのリーチ演出へと移行するリーチ発展の以降に実行され、大当り遊技状態に制御されることを確定的に報知する大当り確定となり、加えてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う設定値示唆となる。ステップ数パターンがパターンSU-5である場合には、パターンSU-4の場合と同様に期間D14での第4ステップまで終了した後に、タイミングT2でのリーチ発展となり、続いて枠内部分画像の表示などを変化させて、期間D15での第5ステップが開始される。このときには、外枠表示パターンがパターンSC-0~パターンSC-3のいずれであるかに応じて、外枠部分画像の表示態様として、外枠表示色を変更するか否かや、変更する場合の示唆表示色を異ならせる。こうして期間D15での第5ステップが開始されてから、演出時間の10秒が経過して期間D15での第5ステップが終了すると、ステップアップ予告の実行も終了する。
ステップアップ予告はタイミングT1にてリーチ成立となる前に第3ステップまで演出態様を変化させることができるので、ステップアップ予告を実行可能なタイミングT0以降の特定期間のうち、タイミングT1までの期間では、ステップアップ予告の実行が終了するか次のステップまで継続するかにより、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことができる。そして、ステップアップ予告のステップ数が4以上である場合には、特定期間におけるタイミングT1からタイミングT2までに含まれる期間D14にて、大当り遊技状態の制御に関する示唆として、大当り確定を報知する第4ステップの演出態様に変化させることができる。さらに、ステップアップ予告のステップ数が5である場合には、特定期間におけるタイミングT2以降に含まれる期間D15にて、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆として、外枠表示パターンに応じた外枠表示色となる第5ステップの演出態様に変化させることができる。
ステップ数パターンがパターンSU-1~パターンSU-4のいずれかに対応して、ステップ数が5未満である場合には、期間D15にて第5ステップの演出態様に変化させる前に、ステップアップ予告の実行が終了する。したがって、ステップアップ予告が実行される場合には、ステップ数が5未満に対応して、特定期間におけるタイミングT2まで、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、示唆を終了する場合が含まれている。これに対し、ステップ数パターンがパターンSU-5に対応して、ステップ数が5である場合には、期間D15にて第5ステップの演出態様に変化させることで、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う。したがって、ステップアップ予告が実行される場合には、ステップ数が5に対応して、特定期間におけるタイミングT2まで、大当り遊技状態の制御に関する制御を行った後、タイミングT2以降にて実行可能な演出として、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともにパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合が含まれている。
ステップアップ予告の予告演出が実行される場合には、可変表示が開始されるタイミングT0からリーチ成立となるタイミングT1までの特定期間にて、第1ステップから第3ステップまで演出態様を変化させることができ、演出態様を変化させたステップ数に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を行うことができる。その後、タイミングT1以降でリーチ発展となるタイミングT2までは、第4ステップの演出態様に変化すれば、大当り遊技状態に制御されることが確定の示唆を行うことができる。さらに、タイミングT2以降で可変表示が終了するタイミングT3までは、第5ステップの演出態様に変化すれば、大当り遊技状態に制御されることが確定の示唆を行うとともに、外枠部分画像の外枠表示色に応じてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。なお、可変表示が開始されるタイミングT0から可変表示が終了するタイミングT3までを、ステップアップ予告となる予告演出が実行可能な特定期間とし、この特定期間のうち、タイミングT0からタイミングT2まで、演出態様を変化させたステップ数に応じた割合で大当り遊技状態に制御される示唆を行い、タイミングT2以降のタイミングT3までは、第5ステップの演出態様に変化せずに示唆が終了する場合と、第5ステップの演出態様に変化して大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに第5ステップの演出態様に応じてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを設けてもよい。
ステップアップ予告では、第1ステップから第3ステップまでの各ステップでは演出時間が1秒であり、第4ステップでは演出時間が5秒であり、第5ステップでは演出時間が10秒である。ステップアップ予告において段階的に演出態様を変化させる複数段階には、第4ステップのように、大当り遊技状態に制御されることを報知する報知段階と、第5ステップのように、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う示唆段階とが含まれている。そして、第4ステップの演出時間よりも第5ステップの演出時間の方が長くなるように設定されているので、示唆段階は報知段階よりも実行期間が長くなる。一般的に遊技者は、有利なことを報知する演出(有利な演出)が実行された場合、その演出の画像または動画を、遊技者が所有する携帯端末にて撮影し、それをSNS(Social Networking Service)等の会員登録制のウェブサイトや、インターネット動画供給サイト等に投稿する傾向にある。しかしながら、このような有利な演出の実行期間が短いと、適切な撮影時間を確保できないという問題が生じる。その一方で、不利な場合にも行われることの多い演出(不利な演出)については、撮影意欲を喚起しないため、不利な演出の実行期間が長いと、かえって遊技者に不快感を与えてしまうという問題がある。そこで、特徴部66AKでは、有利な演出についての実行期間を長くして撮影時間を確保するとともに、不利な演出については有利な演出よりも実行期間を短くして不快感を低減させるようにする。特徴部66AKのステップアップ予告では、大当り予告となる第1ステップから第3ステップまでの演出時間よりも、大当り確定となる第4ステップの演出時間が長くなる。また、大当り確定とともに設定値示唆となる第5ステップの演出時間は、第4ステップの演出時間よりも長くなる。これにより、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う第5ステップの演出態様に変化させた場合に、遊技者が見逃すことを防止できるとともに、撮影時間を確保することができる。また、撮影時間を確保できることにより、撮影された画像や動画がインターネット上で遊技者により公開され、パチンコ遊技機1に対する公衆の興味を高めることができる。加えて、多くの場合に、どの遊技場のどのパチンコ遊技機1にて撮影したものかも含めて公開されることにより、遊技場側からすれば、遊技者により遊技場の宣伝が行われたことになる。このように、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われた場合に撮影時間を確保することにより、遊技者のみならず、遊技場側にも相乗的な効果をもたらすことになる。
ステップアップ予告における第5ステップの演出時間は、複数の設定示唆パターンに応じて異ならせてもよい。例えば、パターンRE-0では演出時間が3秒であり、パターンRE-1では演出時間が7秒であり、パターンRE-2では演出時間が12秒であり、パターンRE-3では演出時間が15秒であるように、各パターンに対応した演出時間が設定されてもよい。このように、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合の演出態様に応じて、演出の実行期間を異ならせてもよい。遊技者にとっての有利度が高い演出態様となる場合には、遊技者にとっての有利度が低い演出態様となる場合よりも、実行期間が長くなるようにしてもよい。これにより、有利な設定値であることを示唆する演出態様に変化させた場合に、遊技者が見逃すことを防止できるとともに、撮影時間を確保することができる。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出では、リーチ図柄の表示色である図柄表示色を変更可能とすることにより、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。ステップアップ予告の第5ステップでは、外枠部分画像の表示色である外枠表示色を変更可能とすることにより、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。このように、リーチ図柄を用いた設定示唆演出と、ステップアップ予告の第5ステップとでは、図柄表示色と外枠表示色のように、表示色を変更可能とする対象画像といった、少なくとも一部が異なる演出態様により、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる。その一方で、図柄表示色と外枠表示色は、いずれも、銅色、銀色、金色を含む示唆表示色に変更可能であり、少なくとも一部が共通する演出態様により、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができればよい。図柄表示色と外枠表示色は、互いに異なる示唆表示色に変更可能としてもよい。あるいは、リーチ図柄を用いた設定示唆演出では図柄表示色を変更可能とする一方で、ステップアップ予告の第5ステップでは表示色以外の演出態様を変更可能としてもよい。リーチ図柄を用いた設定示唆演出では図柄表示色以外の演出態様を変更可能とする一方で、ステップアップ予告の第5ステップでは外枠表示色を変更可能としてもよい。リーチ図柄を用いた設定示唆演出では図柄表示色以外の演出態様を変更可能とし、ステップアップ予告の第5ステップでは表示色以外の演出態様を変更可能としてもよい。これらの場合に、リーチ図柄を用いた設定示唆演出と、ステップアップ予告の第5ステップとで、全部が異なる演出態様により、パチンコ遊技機1の設定に関する示唆を行うことができればよい。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出は、ステップアップ予告の第5ステップとは異なるタイミングにて実行されてもよい。例えば、リーチ図柄を用いた設定示唆演出を実行した後に、ステップアップ予告の第5ステップに対応した演出態様に変化させてもよい。あるいは、ステップアップ予告の第5ステップに対応した演出態様に変化させた後に、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されてもよい。このように、特定期間における特定タイミング以降では、複数のタイミングにてパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われてもよい。この場合には、1のタイミングにおける示唆演出の実行態様に応じて、他のタイミングにおける示唆演出の実行態様を異ならせてもよい。一例として、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されるか否かに応じて、ステップアップ予告にて第5ステップまで演出態様を変化させるか否かの割合を異ならせてもよい。1のタイミングにおける示唆演出が実行される場合には、他のタイミングにおける示唆演出が実行されないように制限してもよい。例えば、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される場合には、ステップアップ予告のステップ数パターンとして、パターンSU-5には決定されないように、決定テーブルにおける判定値などが設定されてもよい。このような設定により、ステップアップ予告は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない範囲において、所定割合で第5ステップまで演出態様を変化させることができる一方で、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される範囲では、第5ステップまで演出態様を変化させないという限界としての制限が設けられる。また、ステップアップ予告は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない範囲において、高い割合で第5ステップまで演出態様を変化させることができる一方で、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される範囲において、低い割合で第5ステップまで演出態様を変化させるという限界としての制限が設けられてもよい。あるいは、範囲と限界の関係が入れ替えられてもよい。すなわち、ステップアップ予告は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される範囲において、所定割合で第5ステップまで演出態様を変化させることができる一方で、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない範囲では、第5ステップまで演出態様を変化させないという限界としての制限が設けられてもよい。また、ステップアップ予告は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行される範囲において、高い割合で第5ステップまで演出態様を変化させることができる一方で、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない範囲では、低い割合で第5ステップまで演出態様を変化させるという限界としての制限が設けられてもよい。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出についても、ステップアップ予告の場合と同様の制限が設けられてもよい。例えば、リーチ図柄を用いた設定示唆演出は、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させない範囲において、所定割合で実行可能となる一方で、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させる範囲では、実行されないという限界としての制限が設けられてもよい。また、リーチ図柄を用いた設定示唆演出は、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させない範囲において、高い割合で実行可能となる一方で、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させる範囲では、低い割合で実行可能になるという限界としての制限が設けられてもよい。あるいは、範囲と限界の関係が入れ替えられてもよい。すなわち、リーチ図柄を用いた設定示唆演出は、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させる範囲において、所定割合で実行可能となる一方で、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させない範囲では、実行されないという限界としての制限が設けられてもよい。また、リーチ図柄を用いた設定示唆演出は、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させる範囲において、高い割合で実行可能となる一方で、ステップアップ予告が第5ステップまで演出態様を変化させない範囲では、低い割合で実行可能になるという限界としての制限が設けられてもよい。
リーチ図柄を用いた設定示唆演出やステップアップ予告における第5ステップの他にも、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が可能な任意の示唆演出について、複数のタイミングにて複数の示唆演出が実行可能な場合に、1のタイミングにおける示唆演出の実行態様に応じて、他のタイミングにおける示唆演出の実行態様を異ならせてもよい。また、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が可能な任意の示唆演出について、複数のタイミングにて複数の示唆演出が実行可能な場合に、1のタイミングにおける示唆演出に応じて、他のタイミングにおける示唆演出に制限が設けられてもよい。
図9-12は、リーチ図柄を用いた設定示唆演出の実行例を示している。図9-12(A)は、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様でリーチ成立となる場合の演出実行例66AK101を示している。このときには、「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて、7の数字に対応する飾り図柄が停止表示されることによりリーチ成立となり、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される。図9-12(B)は、ノーマルリーチのリーチ演出がスーパーリーチのリーチ演出に移行するリーチ発展となる場合の演出実行例66AK102を示している。このときには、画像表示装置5の表示画面にて、飾り図柄が縮小表示され、スーパーリーチのリーチ演出における演出画像の表示が行われる。図9-12(C)は、変更演出が実行される場合の演出実行例66AK103を示している。このときには、停止表示されているリーチ図柄に重畳して、変更演出に対応する演出表示が表示され、また、「図柄表示色変更!!」といったメッセージを報知する演出画像が表示されることで、図柄表示色を変更する示唆が行われる。
図9-12(D1)は、設定示唆パターンがパターンRE-0である場合に対応して、図柄表示色が変化なしの演出実行例66AK111を示している。図9-12(D2)は、設定示唆パターンがパターンRE-1である場合に対応して、図柄表示色が銅色に変化した演出実行例66AK112を示している。図9-12(D3)は、設定示唆パターンがパターンRE-2である場合に対応して、図柄表示色が銀色に変化した演出実行例66AK113を示している。図9-12(D4)は、設定示唆パターンがパターンRE-3である場合に対応して、図柄表示色が金色に変化した演出実行例66AK114を示している。設定示唆パターンがパターンRE-0である場合には、演出実行例66AK111のようにリーチ図柄の表示色が変化せず、通常表示色である赤色のまま変更されない。これにより、図柄表示色が変更されない失敗演出(ガセ演出)が実行され、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。設定示唆パターンがパターンRE-1である場合には、演出実行例66AK112のようにリーチ図柄の表示色が銅色に変更されることにより、設定値が2以上であることの確定を示唆する。設定示唆パターンがパターンRE-2である場合には、演出実行例66AK113のようにリーチ図柄の表示色が銀色に変更されることにより、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。設定示唆パターンがパターンRE-3である場合には、演出実行例66AK114のようにリーチ図柄の表示色が金色に変更されることにより、最高の設定値となる6の確定を示唆する。
図9-13は、ステップアップ予告となる予告演出の実行例を示している。図9-13(A)は、ステップアップ予告の第1ステップにおける演出実行例66AK201を示している。図9-13(B)は、ステップアップ予告の第2ステップにおける演出実行例66AK202を示している。図9-13(C)は、ステップアップ予告の第3ステップにおける演出実行例66AK203を示している。図9-13(D)は、ステップアップ予告の第4ステップにおける演出実行例66AK204を示している。図9-13(E1)~(E4)は、ステップアップ予告の第5ステップにおける演出実行例66AK211~66AK214を示している。演出実行例66AK201~66AK204では、第1ステップから第4ステップまでに対応して、枠内部分画像により表示されるキャラクタを順番に切り替えることにより、段階的に演出態様を変化させる。演出実行例66AK211~66AK214では、第5ステップに対応して、枠内部分画像により表示されるキャラクタを、第1ステップから第4ステップまでに表示された全部のキャラクタに切り替えることにより、演出態様を変化させる。
また、演出実行例66AK211~66AK214では、外枠表示パターンに対応して、外枠部分画像の表示色を変更可能とする。図9-13(E1)に示す演出実行例66AK211では、外枠表示パターンがパターンSC-0に対応して、外枠表示色が変化せず、通常表示色である赤色のまま変更されない。これにより、図柄表示色が変更されない失敗演出(ガセ演出)が実行され、遊技者にとって有利な設定値である期待度が低いことを示唆する。図9-13(E2)に示す演出実行例66AK212では、外枠表示パターンがパターンSC-1に対応して、外枠表示色が銅色に変更されることにより、設定値が2以上であることの確定を示唆する。図9-13(E3)に示す演出実行例66AK213では、外枠表示パターンがパターンSC-2に対応して、外枠表示色が銀色に変更されることにより、遊技者にとって有利な設定値である期待度が高いことを示唆する。図9-13(E4)に示す演出実行例66AK214では、外枠表示パターンがパターンSC-3に対応して、外枠表示色が金色に変更されることにより、最高の設定値となる6の確定を示唆する。
一般的に、大当り遊技状態に制御される報知が行われた後には、それ以上に遊技者の期待感を高めることは困難になる。これに対し、特徴部66AKは、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、特定期間の特定タイミング以降にて、リーチ図柄を用いた設定示唆演出や、ステップアップ予告における第5ステップの演出態様により、パチンコ遊技機1における設定値に関する示唆が行われる場合を設けることにより、大当り遊技状態に制御される報知が行われた後であっても、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に期待させるように、演出を多様化して遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で示された構成の一部を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行可能である一方で、ステップアップ予告における第5ステップの演出態様による設定値に関する示唆が実行されないものであってもよい。あるいは、リーチ図柄を用いた設定示唆演出が実行されない一方で、ステップアップ予告における第5ステップの演出態様による設定値に関する示唆が実行可能であるものであってもよい。
ステップアップ予告演出やキャラクタ予告演出、タイトル予告演出とともに、あるいは、これらの一部または全部に代えて、チャンスアップ演出を実行可能にしてもよい。チャンスアップ演出は、リーチ演出中に画像表示装置5にキャラクタが登場し、キャラクタのセリフ内容によって大当り期待度を示唆する演出となっている。その他、チャンスアップ演出の演出態様は、遊技者に対して大当り期待度を示唆可能な任意の演出態様であればよく、キャラクタのセリフ内容によって大当り期待度を示唆する演出でなくともよい。
演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理において、可変表示結果が大当りであるか否かを判定する。可変表示結果が大当りである場合は、可変表示結果が大当りであること、およびパチンコ遊技機1に設定されている設定値に基づいて、チャンスアップ演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを決定する。可変表示結果がハズレである場合は、可変表示結果がハズレであること、およびパチンコ遊技機1に設定されている設定値に基づいて、チャンスアップ演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを決定する。
図9-14は、チャンスアップ演出を実行する場合に決定可能な演出パターンの設定例を示している。この設定例では、チャンスアップ演出を実行する場合に決定可能な複数の演出パターンとして、4つのパターンCU-1~パターンCU-4が予め用意されている。パターンCU-1は、大当り期待度が低い(大当り期待度:低)ことを示す演出パターンであり、パターンCU-2は、大当り期待度がパターンCU-1よりも高い(大当り期待度:高)ことを示す演出パターンである。パターンCU-3及びパターンCU-4は、可変表示結果が大当りとなることを報知するための演出パターンである。パターンCU-3とパターンCU-4は、どちらも可変表示結果が大当りとなることを報知するための演出パターンであるが、演出態様が異なっている。
図9-15(A)は、可変表示結果が大当りである場合に、チャンスアップ演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを、決定する割合の設定例を示している。この決定例において、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1である場合は、39%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、1%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、38%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、2%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、37%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、3%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4である場合は、36%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、4%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が5である場合は、35%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、5%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合は、34%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、6%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。
図9-15(B)は、可変表示結果がハズレである場合に、チャンスアップ演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを、決定する割合の設定例を示している。この決定例では、パチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず、50%の割合でチャンスアップ演出の非実行を決定し、40%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-1で実行することを決定し、10%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-2で実行することを決定し、0%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-3で実行することを決定し、0%の割合でチャンスアップ演出をパターンCU-4で実行することを決定する。
このような決定割合の設定により、チャンスアップ演出が実行される場合のうち、チャンスアップ演出がパターンCU-1で実行される場合は大当り遊技状態に制御される割合が低い(大当り期待度が低い)とともに、チャンスアップ演出がパターンCU-2で実行される場合は大当り遊技状態に制御される割合が高い(大当り期待度が高い)。チャンスアップ演出がパターンCU-3やパターンCU-4で実行される場合は必ず大当り遊技状態に制御される。チャンスアップ演出がパターンCU-3で実行される割合は、設定値にかかわらず共通(一律10%)であるのに対して、チャンスアップ演出がパターンCU-4で実行される割合は、設定値が大きくなるにつれて高くなるように設定されている。したがって、チャンスアップ演出がパターンCU-3で実行される割合とパターンCU-4で実行される割合の合計がパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なっており、特に、チャンスアップ演出がパターンCU-4で実行される割合によって設定値を示唆する形態となっている。
パターンCU-3やパターンCU-4のように、大当り遊技状態に制御されることを報知するチャンスアップ演出の決定割合は、図9-15(A)に示すように、設定値が1の場合は11%、設定値が2の場合は12%、設定値が3の場合は13%、設定値が4の場合は14%、設定値が5の場合は15%、設定値が6の場合は16%と、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なっている。このため、チャンスアップ演出が大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンにて実行される割合は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1の場合が最も低く、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が大きくなるにつれて高くなるように設定されている。
可変表示開始設定処理のステップ66AKS013では、チャンスアップ演出の実行を決定した場合に対応して、複数用意された演出制御パターン(チャンスアップ演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。あるいは、チャンスアップ演出プロセスタイマのタイマ値を設定することにより、演出パターンごとのプロセステーブルに従ったチャンスアップ演出の実行を可能にしてもよい。チャンスアップ演出のプロセステーブルをセットした場合には、可変表示中演出処理を実行するごとにチャンスアップ演出プロセスタイマの値が更新され、更新後のタイマ値に応じて演出装置(画像表示装置5やスピーカ8L,8R、演出効果ランプ9等)を制御することによってチャンスアップ演出を実行すればよい。
演出制御用CPU120は、チャンスアップ演出を実行する場合に、大当り報知の演出パターンとなるパターンCU-3またはパターンCU-4であるか否かを判定する。大当り報知の演出パターンであると判定された場合には、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に基づいて、設定値示唆演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを決定する。
図9-16は、設定値示唆演出を実行する場合に決定可能な演出パターンの設定例を示している。この設定例では、設定値示唆演出を実行する場合に決定可能な複数の演出パターンとして、5つの演出パターンSS-1~演出パターンSS-5が予め用意されている。パターンSS-1は、設定値が奇数(例えば1、3、5)である可能性を示唆し、パターンSS-2は、設定値が偶数(例えば、2、4、6)である可能性を示唆し、パターンSS-3は、設定値が奇数寄りの中間設定以上(例えば、3または5)である可能性を示唆し、パターンSS-4は、設定値が偶数寄りの中間設定以上(例えば、4または6)である可能性を示唆し、パターンSS-5は、設定値が最高設定(例えば、6)である可能性を示唆する。
パターンSS-1とパターンSS-2は、設定値が1~4(低設定)のいずれかである場合に高い割合で決定されることで、設定値5、6(高設定)のいずれかであることの期待度が低いとされ、パターンSS-3とパターンSS-4は、設定値が5、6のいずれかである場合に高い割合で決定されることで、設定値5、6であることの期待度が高いとされている。ここでは、設定値1~4を低設定、設定値5,6を高設定として説明するが、設定値1~3を低設定、設定値4~6を高設定としてもよいし、設定値1、2を低設定、設定値3、4を中間設定、設定値5、6を高設定として演出パターンの実行割合を設定するようにしてもよい。
図9-17は、設定値示唆演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを、決定する割合の設定例を示している。この設定例において、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1である場合は、90%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、7.15%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、2.35%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、0.36%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、0.14%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、0%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、85%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、3.21%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、10.73%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、0.21%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、0.85%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、0%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、80%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、11.45%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、2.85%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、4.28%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、1.42%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、0%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4である場合は、75%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、3.57%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、14.30%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、1.78%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、5.35%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、0%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が5である場合は、70%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、4.28%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、8.57%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、10.73%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、6.42%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、0%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6である場合は、65%の割合で設定値示唆演出の非実行を決定し、10.00%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-1で実行することを決定し、5.00%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-2で実行することを決定し、5.00%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-3で実行することを決定し、12.50%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-4で実行することを決定し、2.5%の割合で設定値示唆演出をパターンSS-5で実行することを決定する。
このような決定割合の設定により、設定値示唆演出がパターンSS-1やパターンSS-2にて実行されることで設定値が1~4のいずれかであることが示唆され、設定値示唆演出がパターンSS-3やパターンSS-4にて実行されることによって設定値が5または6であることが示唆される。また、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が大きいほど設定値示唆演出の実行が決定される割合が高くなる。
図9-18は、チャンスアップ演出や設定値示唆演出を実行する場合に、スーパーリーチの可変表示における演出実行期間を示している。チャンスアップ演出と設定値示唆演出とは、スーパーリーチの可変表示中におけるリーチ演出の実行期間中に実行可能な演出である。設定値示唆演出は、チャンスアップ演出が大当り遊技状態に制御されることを報知するパターンCU-3またはパターンCU-4で実行された場合に、チャンスアップ演出よりも後に実行可能となっている。設定値示唆演出は、画像表示装置5において複数のキャラクタのうち、いずれかもしくは全てのキャラクタを示す演出画像が表示されることで、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する演出である。その他、設定値示唆演出の演出態様は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆可能な任意の演出態様であればよく、複数のキャラクタを用いた演出態様でなくてもよい。
可変表示開始設定処理のステップ66AKS013では、設定値示唆演出の実行を決定した場合に対応して、複数用意された演出制御パターン(設定値示唆演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。あるいは、設定値示唆演出プロセスタイマのタイマ値を設定することにより、演出パターンごとのプロセステーブルに従った設定値示唆演出の実行を可能にしてもよい。設定値示唆演出のプロセステーブルをセットした場合には、可変表示中演出処理を実行するごとに設定値示唆演出プロセスタイマの値が更新され、更新後のタイマ値に応じて演出装置(画像表示装置5やスピーカ8L,8R、演出効果ランプ9等)を制御することによって設定値示唆演出を実行すればよい。
スーパーリーチのリーチ演出が開始されてから所定期間が経過すると、チャンスアップ演出として画像表示装置5の下部においてキャラクタが表示され、キャラクタのセリフとして演出パターンに応じて異なるセリフとなる文字情報などが表示される。特に、チャンスアップ演出をパターンCU-3やパターンCU-4にて実行する場合は、画像表示装置5に表示されるセリフによって可変表示結果が大当りであり、可変表示の終了後には大当り遊技状態に制御されることが報知される。
スーパーリーチのリーチ演出中にチャンスアップ演出がパターンCU-3やパターンCU-4にて実行された場合は、チャンスアップ演出が終了してから更に特定期間が経過した後に設定値示唆演出として複数のキャラクタのうちいずれかまたは全キャラクタの画像が表示される。例えば設定値示唆演出がパターンSS-1~パターンSS-4にて実行される場合は、画像表示装置5においてそれぞれで異なるキャラクタの画像が表示される。設定値示唆演出がパターンSS-5にて実行される場合(パチンコ遊技機1に設定されている設定値が6であることを報知する演出態様にて設定値示唆演出を実行する場合)には、画像表示装置5において、設定値示唆演出がパターンSS-1~パターンSS-4にて実行される場合に画像表示装置5に表示され得る全キャラクタが表示される。これにより、設定値示唆演出としていずれのキャラクタの画像が画像表示装置5に表示されるかに遊技者を注目させるとともに、画像表示装置5に表示されるキャラクタの画像数にも遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。チャンスアップ演出を大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンにて実行する割合は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なっている。
チャンスアップ演出は、大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンにて実行する割合によって、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を遊技者に対して示唆可能にすることで、チャンスアップ演出に遊技者を注目させて、遊技興趣を向上できる。設定値示唆演出は、スーパーリーチのリーチ演出中において、大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンであるパターンCU-3またはパターンCU-4にてチャンスアップ演出を実行した後に実行可能であり、設定値示唆演出の実行割合は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が大きいほど高くなるように設定されているので、チャンスアップ演出の後に設定値示唆演出が実行されることに遊技者を注目させて、遊技興趣を向上できる。
特定示唆演出は、パターンCU-3またはパターンCU-4にて実行されるチャンスアップ演出であってもよいし、「特定表示結果(可変表示結果が大当り)となったときに有利状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機)において、特定表示結果が表示(導出表示)されるよりも前に、有利状態に制御されることを報知する演出」であれば特にその演出態様は問わない。チャンスアップ演出を大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンにて実行する割合は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が大きいほど低くてもよい。特別示唆演出をチャンスアップ演出のパターンCU-3とパターンCU-4とし、所定演出をチャンスアップ演出とは演出態様の異なる設定値示唆演出としてもよいが、特別示唆演出と所定演出とを同一の演出態様の演出としてもよいし、特別示唆演出と所定演出とを一連の演出として実行してもよい。特別示唆演出と演出態様の異なる所定演出としては、例えば、スーパーリーチのリーチ演出等の必ずしも大当り遊技状態に制御されることを報知する演出ではない演出に適用してもよい。チャンスアップ演出と設定値示唆演出とのうち、チャンスアップ演出のみを実行可能とすることで、チャンスアップ演出のみでパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆可能としてもよい。
チャンスアップ演出は、パターンCU-3とパターンCU-4との2つの演出パターンが大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンとして設けられており、チャンスアップ演出がパターンCU-3にて実行される割合はパチンコ遊技機1に設定されている設定値にかかわらず共通の10%である一方で、チャンスアップ演出がパターンCU-4にて実行される割合はパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異なっている。パチンコ遊技機1に設定されている設定値は、チャンスアップ演出がパターンCU-4にて実行される割合によって示唆されるようになっているので、チャンスアップ演出がパターンCU-3とパターンCU-4のどちらで実行されるかに遊技者を注目させて、示唆演出の興趣を向上できる。
チャンスアップ演出の演出パターンは、大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンを3つ以上設けてもよい。大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンのうち、一部の演出パターンの実行割合のみをパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよいし、全ての演出パターンの実行割合をパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよい。チャンスアップ演出を大当り遊技状態に制御されることを報知する一方の演出パターン(例えばパターンCU-3)で実行した後、更にチャンスアップ演出を大当り遊技状態に制御されることを報知する他方の演出パターン(例えばパターンCU-4)で実行可能としてもよい。この場合は、チャンスアップ演出の実行回数に応じて遊技者に対して報知する内容が異なっていてもよい。例えば1の可変表示中にチャンスアップ演出がパターンCU-3で1回のみ実行された場合は大当り遊技状態に制御されることのみを報知し、1の可変表示中にチャンスアップ演出がパターンCU-3とパターンCU-4とで2回実行された場合は、大当り遊技状態に制御されることの報知に加えて、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が所定の範囲(例えば、4~6の範囲)であることを報知してもよい。1の可変表示中にチャンスアップ演出がパターンCU-3とパターンCU-4とで実行されることによって、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかであるか否かに対して遊技者を注目させることができる。また、1の可変表示中にチャンスアップ演出が大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンで実行される回数によって、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかであるか否かに対して遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。特別示唆演出を先に実行されるチャンスアップ演出とし、特殊演出を後に実行されるチャンスアップ演出としてもよい。1の可変表示中にチャンスアップ演出がパターンCU-3とパターンCU-4とで実行される場合、両チャンスアップ演出の実行期間が重複しなくてもよいし、両チャンスアップ演出の実行期間の少なくとも一部は重複していてもよい。特別示唆演出と特殊演出とが特定期間内に実行される場合に、特別示唆演出の実行期間と特殊演出の実行期間とが重複しないものと、特別示唆演出の実行期間と特殊演出の実行期間との少なくとも一部が重複するものの両方を含んでいる。チャンスアップ演出がパターンCU-3とパターンCU-4とで実行される場合に、両チャンスアップ演出は、複数の可変表示に亘って実行されてもよい。特別示唆演出と特殊演出とが特定期間内に実行されることには、1の可変表示中に両チャンスアップ演出が実行されるものと、複数の可変表示に亘って両チャンスアップ演出が実行されるものの両方を含んでいる。1の可変表示中に両チャンスアップ演出が実行される場合は、1の可変表示中に実行されるチャンスアップ演出の実行回数によってパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆し、複数の可変表示中に亘って両チャンスアップ演出が実行される場合は、これら複数の可変表示中に実行されるチャンスアップ演出の実行回数によってパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆すればよい。パターンCU-3を、大当り遊技状態に制御されることを報知するとともにパチンコ遊技機1に設定されている設定値を所定の範囲内であること(例えば、1、2、6のいずれかであること)を報知する演出パターンとし、パターンCU-4を、大当り遊技状態に制御されることを報知するとともにパチンコ遊技機1に設定されている設定値をパターンCU-3とは異なる範囲内であること(例えば、4~6の範囲であること)を報知する演出パターンとしてもよい。この例では、パターンCU-3で設定値が1、2、6のいずれかであることを報知し、パターンCU-4で設定値が4~6のいずれかであることを報知することで設定値が6であることが確定する。このように、チャンスアップ演出が1の可変表示中にパターンCU-3とパターンCU-4とで実行されることで、パチンコ遊技機1に設定されている設定値をより正確に示唆できるようにしてもよい。1の可変表示中にチャンスアップ演出がパターンCU-3やパターンCU-4で2回実行される場合については、両チャンスアップ演出の演出期間が重複しているか否かや、両チャンスアップ演出の演出期間が重複している長さ等に応じてパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆してもよい。
パターンCU-3やパターンCU-4に替えて、チャンスアップ演出を大当り期待度が高い演出パターンであるパターンCU-2にて複数回実行可能とし、これらチャンスアップ演出がパターンCU-2にて実行された回数に応じて示唆する内容が異なるようにしてもよい。具体的には、可変表示が開始されてからリーチとなるまでの期間、リーチとなってからスーパーリーチのリーチ演出が開始されるまでの期間、スーパーリーチのリーチ演出が開始されてから可変表示が終了するまでの期間でそれぞれ1回ずつチャンスアップ演出を実行可能(1回の可変表示中に3回のチャンスアップ演出を実行可能)とし、チャンスアップ演出が1回のみ実行された場合は大当り期待度が高いことを示唆し、チャンスアップ演出が2回実行された場合は大当り遊技状態に制御されることを示唆し、チャンスアップ演出が3回実行された場合はパチンコ遊技機1に設定されている設定値が所定の範囲(例えば、4~6の範囲)であることを報知するように設定すればよい。このようにすることで、チャンスアップ演出がパターンCU-2にて実行される回数に対して遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
パターンCU-2の実行回数に応じて示唆内容を異ならせる場合については、例えば、可変表示の開始時に可変表示結果を特定し、該可変表示結果がはずれや小当りである場合は、チャンスアップ演出のパターンCU-2での実行を1回のみに決定する。一方で、可変表示結果が大当りである場合は、更にパチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定する。設定値が1~5のいずれかである場合は、チャンスアップ演出のパターンCU-2での実行を1回または2回に決定し、設定値が6である場合は、チャンスアップ演出のパターンCU-2での実行を1回~3回のいずれかに決定すればよい。パターンCU-2の実行回数に応じて示唆内容を異ならせる場合については、先に、チャンスアップ演出のパターンCU-2での実行回数を抽選により決定し、可変表示結果やパチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて該実行回数を再決定していしてもよい。
チャンスアップ演出を大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンにて実行する割合は、例えばチャンスアップ演出をパターンCU-3にて実行する割合とチャンスアップ演出をパターンCU-4にて実行する割合との合計であり、チャンスアップ演出をパターンCU-3にて実行する割合とチャンスアップ演出をパターンCU-4にて実行する割合との合計とする一方で、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じてチャンスアップ演出をパターンCU-3にて実行する割合とチャンスアップ演出をパターンCU-4にて実行する割合とを異ならせてもよい。この場合には、大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターンであるパターンCU-3とパターンCU-4との実行割合によってパチンコ遊技機1に設定されている設定値を遊技者に対して示唆することで、チャンスアップ演出の興趣を向上できる。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が変更されたことを示す設定値変更示唆演出を実行可能としてもよい。特にパチンコ遊技機1においてチャンスアップ演出等によって低設定値が示唆された翌日等に設定値変更示唆演出が実行された場合は、遊技者に対して該パチンコ遊技機1に高設定値が設定されていると期待させることができるので、遊技者の遊技を促進することができる。設定値示唆演出の演出期間をチャンスアップ演出の演出期間よりも長く設定してもよい。このようにすることで、高設定値が設定されているパチンコ遊技機1にて遊技を行ったことの証拠として、遊技者が設定値示唆演出の画像をスマートフォン等の携帯端末で撮影する期間を担保することができる。また、このように設定値示唆演出の演出期間をチャンスアップ演出の演出期間よりも長く設定することによって遊技者が設定値示唆演出の画像を撮影する期間を担保する場合においては、更に、チャンスアップ演出がパターンCU-3やパターンCU-4にて実行された後に、設定値示唆演出が実行されることを示唆する演出を実行可能とすることで、該演出を認識した遊技者が設定値示唆演出の開始までに携帯端末を準備できるようにしてもよい。変動特図において最も遊技者にとって有利な大当り種別が決定された場合のみチャンスアップ演出の演出パターンとしてパターンCU-3やパターンCU-4を決定可能としてもよい。
特別示唆演出は、飾り図柄が大当りの組合せで可変表示する演出(所謂全回転リーチ演出)であってもよい。飾り図柄の仮停止と再可変表示とを繰り返す擬似連演出を実行可能な場合に、擬似連演出として上限回数までの飾り図柄の仮停止と再可変表示を、特別示唆演出としてもよい。未だ実行されていない可変表示について可変表示結果を保留記憶表示の表示態様にて予告する保留表示予告演出を実行可能な場合に、保留記憶表示の金色や虹色等での表示を、特別示唆演出としてもよい。その他、遊技効果ランプ9の大当りを報知する態様での発光、スピーカ8L、8Rからの大当りを報知する音出力、特定の可動体の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せを、特別示唆演出としてもよい。特別示唆演出となる全回転リーチや擬似連演出、保留記憶表示演出、遊技効果ランプ9の発光、スピーカ8、8Rからの音出力、可動体の動作等を実行可能な場合に、これら複数の特別示唆演出を組み合わせて、後に実行する特別示唆演出の演出態様を異ならせることによって異なる設定値を示唆してもよい。例えば、擬似連演出として飾り図柄の仮停止と再可変表示とが上限回数(例えば4回)まで実行されて大当り遊技状態に制御されることが報知された後は、全回転リーチ演出が実行され、この全回転リーチ演出として飾り図柄の可変表示方向が上方から下方に向けてであれば設定値が1~3のいずれかであることを報知し、この全回転リーチ演出として飾り図柄の可変表示方向が左方から右方に向けてであれば設定値が4~6のいずれかであることを報知し、この全回転リーチ演出として飾り図柄の可変表示方向が遊技者から見て画像表示装置5の奥側から手前側に向けてであれば設定値が6であることを報知してもよい。あるいは、可変表示開始時に遊技効果ランプ9が虹色に発光することで大当り遊技状態に制御されることが報知された後は、スピーカ8L、8RからメロディーAが出力されれば設定値が1~3のいずれかであることを報知し、スピーカ8L、8RからメロディーBが出力されれば設定値が4~6のいずれかであることを報知し、スピーカ8L、8RからメロディーCが出力されれば設定値が6であることを報知してもよい。あるいは、保留記憶表示が虹色に表示されることで保留記憶表示に対応する可変表示結果が大当りとなる(可変表示終了後に大当り遊技状態に制御されること)が報知された後は、この大当りとなる可変表示が終了するまでに可動体Aが動作することで設定値が1~3のいずれかであることを報知し、この大当りとなる可変表示が終了するまでに可動体Bが動作することで設定値が4~6のいずれかであることを報知し、この大当りとなる可変表示が終了するまでに可動体Aと可動体Bの両方が動作することで設定値が6であることを報知してもよい。
チャンスアップ演出と設定値示唆演出との両方でパチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆可能な場合に、チャンスアップ演出において示唆する設定値と設定値示唆演出において示唆する設定値を個別に決定すると、チャンスアップ演出と設定値示唆演出との演出態様によってはこれら両示唆内容が整合しないことが考えられる。そこで、例えば、パターンCU-3やパターンCU-4での実行が決定されなかった場合など、チャンスアップ演出において設定値を示唆しない場合には、設定値示唆演出のみで設定値を示唆してもよく、設定値示唆演出の非実行が決定された場合のみ、パターンCU-3やパターンCU-4での実行を決定するなど、チャンスアップ演出において設定値を示唆するようにしてもよい。遊技場の店員等がパチンコ遊技機1に備えられた演出調整機能等を用いてチャンスアップ演出として設定値を示唆するか否かや、設定値示唆演出の実行・非実行の割合を変更可能としてもよい。
チャンスアップ演出の他にも、例えば擬似連演出や先読み予告演出など、任意の演出によって大当り期待度を示唆するとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができるようにしてもよい。可変表示の実行中に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後に、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができる演出であれば、任意の演出に特徴部66AKを適用することができる。例えば、任意の演出を実行する場合に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行う場合と、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともにパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを含むものであればよい。あるいは、任意の演出を実行する場合に、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行った後、その示唆が終了する場合と、大当り遊技状態の制御に関する示唆を継続して行うとともにパチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行う場合とを含むものであってもよい。
パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆は、パチンコ遊技機1における設定値を示唆するものに限定されず、例えばパチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かを示唆するものであってもよい。例えば、複数の設定示唆パターンは、パチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かに応じて、決定割合が異なるパターンが含まれていてもよい。あるいは、外枠表示パターンは、パチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かに応じて、決定割合が異なるパターンが含まれていてもよい。パチンコ遊技機1における設定値が変更された場合に、高い割合で決定されるパターンの演出態様による示唆が行われることで、設定値の変更があったことを遊技者が認識できるように、演出を多様化して遊技興趣を向上させることができる。
特定期間の一部または全部、あるいは、特定期間における特定タイミング以降の一部または全部は、可変表示の終了後の期間に含まれるようにしてもよい。例えば、可変表示の実行中には、大当り遊技状態の制御に関する示唆を行う一方で、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行わないようにしてもよい。その後、可変表示の表示結果が「大当り」となった場合に、大当り開始演出(ファンファーレ演出)や大当り中演出(第1ラウンドや第2ラウンドに対応する演出など)の実行に伴い、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うようにしてもよい。大当り遊技状態の制御に関する示唆を行うことなく、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆が行われる場合があってもよい。
大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部に代えて、あるいは、大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部とともに、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態の制御に関する示唆を行うものであってもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される確変状態に関する示唆を行うものであってもよい。その他、有利状態として、遊技者にとって有利な任意の遊技価値が付与される状態に関して、制御されるか否かなどに応じた示唆を行うものであってもよい。
各種の制限は、本願発明の達成目的や解決課題その他の趣旨を逸脱しないものであれば、任意の範囲や限界によるものであればよい。制限の範囲は、処理や制御や動作の実行について、有無や割合その他の分量を異ならせる条件であればよく、制限の限界は、処理や制御や動作の実行について、有無や割合その他の分量を異ならせる内容(例えば止める場合か減らす場合か、減らす程度など)であればよい。
(特徴部66AKの課題解決手段および効果に関する説明)
遊技者にとって有利な、例えば大当り遊技状態などの有利状態に制御可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値として、例えば1~6などのうちいずれかの設定値に設定可能な、例えばステップS6Aにて設定値変更処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの設定手段と、特定期間にわたり示唆演出を実行可能な、例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120などの演出実行手段とを備え、演出実行手段は、例えば図9-12に示すように、特定期間における特定タイミングまで、例えばリーチ図柄となる飾り図柄などにより、有利状態の制御に関する示唆を行った後、特定タイミング以降にて実行可能な演出として、例えばリーチ図柄が7以外の数字に対応する飾り図柄となる場合など、有利状態の制御に関する示唆を継続して行う第1示唆演出と、例えばリーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄となる場合など、有利状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定手段の設定に関する示唆を行う第2示唆演出とのうち、いずれかの示唆演出を実行可能である。
このような構成によれば、特定タイミング以降にて第1示唆演出と第2示唆演出のいずれかを実行可能にすることで、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、遊技者にとって有利な、例えば大当り遊技状態などの有利状態に制御可能な、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機であって、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値として、例えば1~6などのうちいずれかの設定値に設定可能な、例えばステップS6Aにて設定値変更処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などの設定手段と、特定期間にわたり示唆演出を実行可能な、例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120などの演出実行手段とを備え、演出実行手段は、例えば図9-13に示すように、特定期間における特定タイミングまで、有利状態の制御に関する示唆を行った後、例えばステップアップ予告のステップ数が5未満である場合など、示唆を終了する第1示唆演出と、例えばステップアップ予告のステップ数が5である場合など、特定タイミング以降にて実行可能な演出として、有利状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定手段の設定に関する示唆を行う第2示唆演出とのうち、いずれかの示唆演出を実行可能である。
このような構成によれば、特定タイミングまで示唆を行って終了する第1示唆演出と特定タイミング以降も示唆を行う第2示唆演出のいずれかを実行可能にすることで、遊技興趣を向上させることができる。
特定期間は、例えばタイミングT2以降の期間など、少なくともリーチ演出を実行可能な可変表示の実行期間に含まれてもよい。
このような構成においては、演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
可変表示のリーチ態様として、例えば1~7の数字に対応する飾り図柄によるリーチ図柄など、有利状態に制御される割合が異なる複数種類のリーチ態様が含まれ、演出実行手段は、可変表示がリーチ態様になった後に、例えば図柄表示色が銅色、銀色、金色など、リーチ態様を特定態様に変更可能であってもよい。
このような構成においては、演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
演出実行手段は、特定タイミング以降にて、例えば設定示唆パターンとなるパターンRE-0~RE-3に応じた演出など、設定手段の設定に応じて異なる態様の演出を実行可能であってもよい。
このような構成においては、演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
演出実行手段は、例えばステップアップ予告演出など、1段階から複数段階まで段階的に演出態様を変化させ、演出態様を変化させた段階数が多くなるに従って、有利状態に制御される割合が高くなる示唆演出を実行可能であってもよい。
このような構成においては、演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
複数段階には、例えばステップアップ予告演出の第4ステップなど、有利状態に制御されることを報知する有利状態報知段階と、例えばステップアップ予告演出の第5ステップなど、設定手段の設定に関する示唆を行う設定示唆段階とが含まれ、演出実行手段は、演出態様を有利状態報知段階に変化させた後に、特定タイミング以降にて、演出態様を設定示唆段階に変化させることが可能であり、例えば図9-11に示すように、設定示唆段階は、有利状態報知段階よりも実行期間が長くてもよい。
このような構成においては、演出に対する注目度を高めて遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部の関連付けに係る説明)
特徴部66AKに関する構成は、他の特徴部に関する構成などの一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
(特徴部017AKに関する説明)
続いて、特徴017AKについて説明する。特徴部017AKのパチンコ遊技機1は、遊技者が動作(操作手段への操作等)を行ったことに基づいて特殊演出を実行可能である。特殊演出は、有利状態に制御される期待度を示唆する特別演出(例えばプッシュボタン31Bを振動(バイブ)させる先読予告演出等)が実行されているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第1パターンと、特別演出が実行されていないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第2パターンと、がある。そして、第1パターンの特殊演出が実行された場合と、第2パターンの特殊演出が実行された場合と、で有利状態に制御される期待度が異なるようになっている。このように、特徴部017AKのパチンコ遊技機1では、特別演出の有無によって特殊演出の期待度が異なるので、特別演出が実行されるかに注目させることができる。これにより、遊技の興趣が向上する。
特徴部017AKでは、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて実行されるボタン演出として、複数種類のボタン演出を実行可能となっている。図10-1は、特徴部017AKのボタン演出種別を示している。図10-1に示すように、特徴部017AKは、ボタン演出として、先読ボタン予告、変動中ボタン予告、及び、裏ボタン演出を実行可能となっている。なお、特徴部017AKのプッシュボタン31Bは、内部に振動モータ等の振動機構が設けられ、演出制御用CPU120の制御のもと、振動(バイブ)可能に構成されている。
先読ボタン予告は、始動入賞の発生時に表示結果や変動パターンを先読判定し、当該判定結果に基づいて実行される先読予告演出としてのボタン演出である。先読ボタン予告を実行すると決定された場合、始動入賞時にプッシュボタン31Bがバイブし、バイブ中に押下操作が検出されたことに応じて役物(演出用の可動役物)が動作可能となっている。この実施例では、プッシュボタン31Bがバイブすることをボタンバイブともいい、ボタンバイブする演出を特別演出ともいう。この実施例では、ボタンバイブ中に押下操作が検出されたことに応じて役物が動作する場合と、役物が動作しない場合とがあるようになっている。先読ボタン予告においては、始動入賞に応じて特別演出が実行されること、及び、操作有効期間に押下操作が検出されたことに応じて役物が動作することで、大当りとなる期待度が示唆される。先読ボタン予告の操作有効期間は、例えば、特別演出の実行期間となる。
変動中ボタン予告は、変動中に当該変動の表示結果や変動パターンに基づいて実行される変動中予告演出としてのボタン演出である。変動開始時に変動中ボタン予告を実行すると決定された場合、変動中にプッシュボタン31Bへの操作を促す操作促進演出が実行される。そして、操作有効期間中に押下操作が検出されたことに応じて役物が動作することで、大当りとなる期待度が示唆される。変動中ボタン予告の操作有効期間は、例えば、操作促進演出の実行期間となる。
本実施例において、プッシュボタン31Bへの操作に応じて動作する役物は、例えばLCDや有機EL等の表示部を備える役物(可動物)であって、画像表示装置5の前面側に移動可能に構成される。当該表示部付きの役物は、演出に使用しないときには、画像表示装置5上部であって、遊技盤2の裏側の視認不可能な位置に収納された状態となっている。なお、プッシュボタン31Bへの操作に応じて動作する役物は、本実施例のものに限定されず、任意の位置に設けられ、動作可能に構成された役物であればよい。
裏ボタン演出は、スーパーリーチ中に当該変動の表示結果に基づいて実行される予告演出である。裏ボタン予告を実行すると決定された場合、スーパーリーチ中にプッシュボタン31Bへの所定の操作(例えば連打操作)が検出されたことに応じて、所定位置の遊技効果ランプ9が点灯する。裏ボタン演出は、プッシュボタン31Bへの操作が有効となっていることが報知されず、密かに実行される演出となっている。裏ボタン演出は、隠しボタン演出等とも呼ばれる。
図10-1に示すように、操作促進演出は、変動中ボタン予告のみ実行される。各ボタン演出におけるプッシュボタン31Bへの操作が有効となる操作有効期間は、先読ボタン予告<変動中ボタン予告<裏ボタン演出の順に長くなっている。また、各ボタン演出の信頼度(実行時に大当りとなる期待度)はそれぞれ異なっており、この実施例では、変動中ボタン予告<裏ボタン演出<先読ボタン予告の順に高くなっている。また、プッシュボタン31Bが長押しされた場合に、連打操作がなされたとみなす機能(オート連打機能)が、裏ボタン演出時のみ有効となる。
特徴部017AKでは、プッシュボタン31Bへの操作に基づいて実行される演出(役物動作、ランプの点灯)は、特殊演出ともいう。なお、本実施例では特殊演出で動作可能な役物は一つであるが、特殊演出で動作可能な役物が複数設けられてもよい。そして、特殊演出によって動作する役物が異なっていてもよい。また、本実施例の遊技者の動作に応じて実行される特殊演出は、ボタン操作に応じて役物が動作したりランプが点灯する演出であるが、予告画像が表示されたり音声が出力される演出であってもよい。また、遊技者の動作はプッシュボタン31Bへの操作により検出するが、他の操作手段(例えばスティックコントローラ31A)への操作や、センサ等により遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
先読ボタン予告において、特別演出(ボタンバイブ)が実行されているときに、プッシュボタン31Bへの操作に応じて実行される特殊演出(役物を動作させる演出)が、特徴部017AKの第1パターンの特殊演出となる。また、変動中ボタン予告において、特別演出が実行されていないときに、プッシュボタン31Bへの操作に応じて実行される特殊演出(役物を動作させる演出)が、特徴部017AKの第2パターンの特殊演出となる。そして、特徴部017AKでは、第1パターンの特殊演出が実行された場合と、第2パターンの特殊演出が実行された場合と、で大当りとなる期待度が異なっている。これにより、遊技者に遊技に介入する要素を持たせて興趣を向上させることができ、特別演出の有無に遊技者を注目させることができる。また、この実施例では、特別演出を伴う第1パターンの特殊演出(先読ボタン予告における特殊演出)の方が、特別演出を伴わない第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告における特殊演出)よりも、実行された場合の大当り期待度が高くなっている。これにより、特別演出が実行されているときに、遊技者に積極的に動作を行う意欲を持たせることができる。
図10-2は、特殊演出(役物動作)の実行タイミングを示すタイミングチャートである。変動中に始動入賞が発生して、先読ボタン予告を実行すると決定された場合、図10-2に示すように、ボタンバイブがオンになる。このときに、プッシュボタン31Bへの操作が検出されると、役物が動作する第1パターンの特殊演出が実行される。また、続く変動にて変動中ボタン予告を実行すると決定された場合、当該変動の所定タイミングで操作促進演出が実行される。そして、プッシュボタン31Bへの操作が検出されると、役物が動作する第2パターンの特殊演出が実行される。
図10-2に示すように、第1パターンの特殊演出は、第2パターンの特殊演出が実行されるよりも前に終了するようになっている。このようにすることで、双方の特殊演出の実行タイミングが重複してしまうことなく、双方の特殊演出を実行することができ、演出の興趣が向上する。また、同一のターゲットに対して第1パターンの特殊演出(先読ボタン予告)と、第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告)と、を実行できるので演出が多彩になるとともに、特殊演出の機会を確保することができる。また、一方の特殊演出が実行したことで、他方の特殊演出が制限されることはないため、興趣が低下してしまうこともない。
なお、同一のターゲットに対して第1パターンの特殊演出(先読ボタン予告)を実行した後に、第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告)を実行する場合において、第2パターンの特殊演出のみを実行するときと演出態様を異ならせてもよい。例えば、第1パターンの特殊演出で移動させた役物を移動後の位置に待機させた状態で、変動中ボタン予告に係る操作促進演出を実行し、操作に応じて第2パターンの特殊演出を実行するようにしてもよい。そのような、第2パターンの特殊演出をスーパーリーチのリーチ演出中として、チャンスアップ(期待度向上を示唆する)演出としてもよい。
また、第1パターンの特殊演出と第2パターンの特殊演出との実行タイミングが重複してしないようにすることで、双方の特殊演出を実行することができるようにすることに限定されず、第1パターンの特殊演出と第2パターンの特殊演出とで、演出装置を異ならせることで、同じタイミングで双方の特殊演出を実行することができるようにしてもよい。
続いて、特徴部017AKの動作について説明する。図10-3(A)は、特徴部017AKの先読予告設定処理の動作を示すフローチャートである。先読予告設定処理は、図7のステップS161にて実行される。先読予告設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ017AKS001)。始動入賞指定コマンドを受信していれば(ステップ017AKS001;Yes)、画像表示装置5に保留表示(またはアクティブ表示)を表示するための処理を行う(ステップ017AKS002)。ステップ017AKS002では、保留表示の表示態様により大当りとなることを予告する先読予告演出(保留表示予告、保留変化予告)を実行するようにしてもよい。
続いて、特別演出(ボタンバイブ)の実行中であることを示す特別演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ017AKS003)。特別演出中フラグがオフ状態である場合(ステップ017AKS003;No)、スーパーリーチのリーチ演出中であるか否かを判定する(ステップ017AKS004)。スーパーリーチのリーチ演出中であるかは演出制御パターンや変動開始からの経過時間から判定すればよい。
この実施例では、特別演出中フラグがオン状態である場合(ステップ017AKS003;Yes)、即ち、特別演出を既に実行している場合、後述するステップ017AKS005等の処理を実行せずにステップ017AKS011に移行することで、新たな始動入賞に基づく特別演出を実行しないようになっている。これにより、特別演出(ボタンバイブ)の実行中にさらに特別演出を実行すると判定されて、不具合や演出の不整合が生じてしまうことを防止できる。なお、これに対して特別演出の実行中であっても、新たな始動入賞に基づく特別演出を実行するようにしてもよい。例えば、実行中の特別演出の終了後に新たな始動入賞に基づく特別演出を実行するようにしてもよいし、新たな始動入賞に基づいて実行中の特別演出の実行期間を延長するようにしてもよい。このようにすることで、特別演出が多彩になり、興趣が向上する。
また、スーパーリーチのリーチ演出中である場合には(ステップ017AKS004;Yes)、特別演出を実行しないため、先読予告設定処理を終了する。このように、特徴部017AKでは、スーパーリーチのリーチ演出中である場合には、特別演出を実行しないようになっている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されているにも関わらず、特別演出が開始されてしまうことで、リーチ演出を阻害してしまうことを防止できる。また、特別演出が実行中のリーチ演出に関する演出(例えばリーチの期待度が向上するような演出)であると勘違いさせて、必要以上に遊技者を期待させてしまうことを防止できる。
また、他の所定演出(他の予告演出や擬似連等の期待度を示す演出)が実行されているときにも、特別演出を実行しないようにしてもよい。これにより他の所定演出が実行されているにも関わらず、特別演出が開始されてしまうことで、所定演出を阻害してしまうことを防止できる。また、特別演出が実行中の所定演出に関する演出(例えば予告演出の期待度が向上するような演出)であると勘違いさせて、必要以上に遊技者を期待させてしまうことを防止できる。なお、特別演出の実行中に、所定演出を制限するようにしてもよいし、所定演出を制限せずに実行可能としてもよい。
スーパーリーチのリーチ演出中でなければ場合には(ステップ017AKS004;No)、特別演出を実行有無の判定を行う(ステップ017AKS005)。ステップ017AKS005では、始動入賞指定コマンドから特定される表示結果(入賞時判定結果)に基づいて、例えば図10-3(B)に示す割合で、特別演出の実行有無の判定を行う。この実施例では、特別演出(ボタンバイブ)が実行された後、プッシュボタン31Bが操作されたことに応じて役物が動作する演出パターン(特殊演出が実行される演出パターン)と、特別演出(ボタンバイブ)が実行された後、プッシュボタン31Bが操作されても役物が動作しない演出パターン(特殊演出が実行されない演出パターン)と、が設けられている。図10-3(B)に示すように、入賞時判定結果が大当りの場合の方がハズレの場合よりも高い割合で特別演出を実行すると判定され、入賞時判定結果が大当りの場合の方がハズレの場合よりも役物動作有りの演出パターンに判定される割合が高くなっている。これにより、特別演出の有無やプッシュボタン31B操作時の役物動作(特殊演出)の有無によって大当りとなることを予告、示唆することができる。
なお、この実施例では、入賞時判定結果が大当りかハズレかのみに基づいて特別演出の実行有無の判定を行うが、入賞時に判定した変動パターン(リーチの有無や種類、擬似連の有無等)に基づいて特別演出の実行有無や演出パターンの判定を行うようにしてもよい。
この実施例では、ボタンバイブの特別演出のみ実行可能となっているが、特別演出の演出態様が複数種類あってもよい。例えば、プッシュボタン31Bにランプを設けて点灯可能に構成し、プッシュボタン31Bを点灯させる演出態様を設けてもよい。
このように、特別演出として、遊技者の動作を検出可能な検出手段としてのプッシュボタン31Bを振動させたり点灯させたりする演出を実行することで、プッシュボタン31Bに注目させたり興味を持たせたりすることができ、遊技者が動作をすることで遊技に介入することを促すことができる。
ステップ017AKS005にて特別演出を実行しないと判定された場合は(ステップ017AKS006;No)、先読予告設定処理を終了する。ステップ017AKS005にて特別演出を実行すると判定された場合は(ステップ017AKS006;Yes)、特別演出を開始するための制御を実行する(ステップ017AKS007)。ステップ017AKS007では、所定期間(例えば5秒間)プッシュボタン31Bをバイブさせるための演出制御データに基づいて、特別演出(ボタンバイブ)の実行が開始される。
続いて、特別演出の実行中であることを示す特別演出実行中フラグをオン状態にセットして(ステップ017AKS008)、先読予告設定処理を終了する。
始動入賞指定コマンドを受信していない場合(ステップ017AKS001;No)、特別演出(ボタンバイブ)の実行中であることを示す特別演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ017AKS010)。特別演出中フラグがオフ状態である場合(ステップ017AKS010;No)、先読予告設定処理を終了する。
ステップ017AKS003またはステップ017AKS010にて特別演出中フラグがオン状態であると判定された場合(ステップ017AKS003;Yes、ステップ017AKS010;Yes)、特別演出(先読ボタン予告)におけるプッシュボタン31Bへの操作が有効となる操作有効期間が終了したか否かを判定する(ステップ017AKS011)。例えば、ボタンバイブが実行されている期間が操作有効期間として設定されており、ボタンバイブが開始してから所定期間(例えば5秒等)経過すると、ボタンバイブが終了するとともに操作有効期間も終了する。
特別演出(先読ボタン予告)の操作有効期間が終了していなければ(ステップ017AKS011;No)、プッシュボタン31Bからの操作信号の有無を判定すること等により、プッシュボタン31Bへの押下操作を検出したか否かを判定する(ステップ017AKS012)。プッシュボタン31Bへの押下操作を検出していなければ(ステップ017AKS012;No)、先読予告設定処理を終了する。
プッシュボタン31Bへの押下操作を検出した場合(ステップ017AKS012;Yes)、役物動作有りの演出パターンであるか否かを判定する(ステップ017AKS013)。役物動作有りの演出パターンである場合には(ステップ017AKS013;Yes)、役物を動作させるための制御を実行する(ステップ017AKS014)。ステップ017AKS014では、先読ボタン予告において操作検出時の役物の演出動作に対応した演出制御データに基づいて、第1パターンの特殊演出(第1特殊演出)を実行するための制御が実行される。
特別演出(先読ボタン予告)の操作有効期間が終了した場合や(ステップ017AKS012;Yes)、ステップ017AKS014にて役物を動作させるための制御を実行した場合、ボタンバイブを停止させて特別演出を終了させるための制御を実行する(ステップ017AKS015)。その後、特別演出中フラグをオフ状態にリセットし(ステップ017AKS016)、先読予告設定処理を終了する。
役物動作有りの演出パターンでない場合には(ステップ017AKS013;No)、設定示唆演出を実行するための設定示唆演出処理を実行する(ステップ017AKS017)。
設定示唆演出処理では、現在パチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を示唆する設定示唆演出(設定値示唆演出ともいう)を実行するか否かを決定する。そして、設定示唆演出を実行する場合には、例えば特定した設定値に基づいて設定示唆演出の演出態様(演出パターン)を決定する。そして、決定した演出態様で設定示唆演出を実行するための処理が含まれる。
このように、この実施例では、特別演出が実行されているときに、プッシュボタン31Bを操作したにも関わらず、役物動作有りの演出パターンでない場合であって、特殊演出(役物動作)が実行されなかった場合には、設定示唆演出を実行可能としている。これにより、有利な設定値が示唆されることもあるので、特殊演出が実行されなかったことによる遊技者の落胆を軽減することができる。
特徴部017AKでは、例えば図9-16に示すような複数種類の設定値示唆演出の演出パターンが設けられている。設定値示唆演出は、例えばプッシュボタン31Bへの押下操作があった場合に、画像表示装置5に演出パターンに応じた画像や文字が表示される演出であればよい。なお、設定値を示唆することができれば演出態様や演出手段は任意でよい。そして、設定示唆演出処理では、例えば図9-17に示す割合で、設定値示唆演出の実行の有無と、実行する場合の演出パターンとを決定すればよい。また、設定示唆演出処理では、設定値示唆演出を実行すると決定された場合は、決定された演出パターンで設定値示唆演出を実行するための制御が行われる。
なお、設定示唆演出(設定値示唆演出)に関して、特徴部66AKのものを適宜特徴部017AKに採用してもよい。例えばプッシュボタン31Bへの押下操作後直ちに設定示唆演出が実行されるのではなく、その後の任意のタイミング(例えばリーチ中の図柄色や他の予告演出中等)で設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
例えば、特徴部66AKに係るパチンコ遊技機1のように、特定期間にわたり示唆演出を実行可能な、例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120などの演出実行手段とを備え、演出実行手段は、例えば図9-12に示すように、特定期間における特定タイミングまで、例えばリーチ図柄となる飾り図柄などにより、有利状態の制御に関する示唆を行った後、特定タイミング以降にて実行可能な演出として、例えばリーチ図柄が7以外の数字に対応する飾り図柄となる場合など、有利状態の制御に関する示唆を継続して行う第1示唆演出と、例えばリーチ図柄が7の数字に対応する飾り図柄となる場合など、有利状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定手段の設定に関する示唆を行う第2示唆演出とのうち、いずれかの示唆演出を実行可能であるようにしてもよい。即ち、ステップ017AKS017にて設定示唆演出を実行すると決定した場合に、第2示唆演出を実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、特定タイミング以降にて第1示唆演出と第2示唆演出のいずれかを実行可能にすることで、遊技興趣を向上させることができる。
また、特徴部66AKに係る他のパチンコ遊技機1のように、特定期間にわたり示唆演出を実行可能な、例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120などの演出実行手段とを備え、演出実行手段は、例えば図9-13に示すように、特定期間における特定タイミングまで、有利状態の制御に関する示唆を行った後、例えばステップアップ予告のステップ数が5未満である場合など、示唆を終了する第1示唆演出と、例えばステップアップ予告のステップ数が5である場合など、特定タイミング以降にて実行可能な演出として、有利状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに設定手段の設定に関する示唆を行う第2示唆演出とのうち、いずれかの示唆演出を実行可能であるようにしてもよい。即ち、ステップ017AKS017にて設定示唆演出を実行すると決定した場合に、第2示唆演出を実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、特定タイミングまで示唆を行って終了する第1示唆演出と特定タイミング以降も示唆を行う第2示唆演出のいずれかを実行可能にすることで、遊技興趣を向上させることができる。
以上のような設定示唆演出処理を実行した後は、特別演出を終了させるための制御を実行する(ステップ017AKS015)。その後、特別演出中フラグをオフ状態にリセットし(ステップ017AKS016)、先読予告設定処理を終了する。
なお、このような設定示唆演出処理(ステップ017AKS017)による設定示唆演出は必ずしも実行しなくてもよい。例えば、設定値が遊技者な不利な設定値である場合には、設定示唆演出処理を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、プッシュボタン31Bを操作したにも関わらず、特殊演出が実行されず、さらに不利な設定値が示唆されて遊技者の落胆が増してしまうことを防止できる。
図10-4(A)は、ボタン演出設定処理の動作を示すフローチャートである。ボタン演出設定処理は、可変表示の開始時に図7のステップS171の可変表示開始設定処理内で実行される。ボタン演出設定処理は、変動中ボタン予告や裏ボタン演出の実行有無の決定や実行するため設定を行うための処理である。
図10-4(A)に示すボタン演出設定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、RAM122の受信コマンドバッファを確認すること等により、主基板11から変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ017AKS021)。変動パターン指定コマンドを受信していなければ(ステップ017AKS021;No)、ボタン演出設定処理を終了する。
変動パターン指定コマンドを受信していれば(ステップ017AKS021;Yes)、変動中ボタン予告を実行有無の判定を行う(ステップ017AKS022)。ステップ017AKS022では、変動パターン指定コマンドや表示結果指定コマンドから特定される表示結果に基づいて、例えば図10-4(B)に示す割合で、変動中ボタン予告の実行有無の判定を行う。図10-4(B)に示すように、表示結果が大当りの場合の方がハズレの場合よりも高い割合で変動中ボタン予告を実行すると判定されるようになっている。これにより、変動中ボタン予告の有無よって大当りとなることを予告、示唆することができる。
なお、この実施例では、表示結果が大当りかハズレかのみに基づいて変動中ボタン予告の実行有無の判定を行うが、変動パターン(リーチの有無や種類、擬似連の有無等)に基づいて変動中ボタン予告の実行有無の判定を行うようにしてもよい。また、変動中ボタン予告の演出パターンを複数設けて、演出パターンによって予告内容や信頼度を異ならせてもよい。
ステップ017AKS022にて変動中ボタン予告を実行すると判定された場合は(ステップ017AKS023;Yes)、変動中ボタン予告における操作促進演出を実行するための設定を行う(ステップ017AKS024)。ステップ017AKS024では、例えば、変動中において操作促進演出を実行するための演出制御データを読み出して、当該演出制御データを今回の変動中の使用データとしてRAM122の所定領域にセットする。また、操作促進演出を実行することを示す促進演出フラグをセットする(ステップ017AKS025)。
ステップ017AKS025の処理を実行した後や、ステップ017AKS022にて変動中ボタン予告を実行しないと判定された場合は(ステップ017AKS023;No)、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチを実行する変動パターンであるか否かを判定する(ステップ017AKS031)。スーパーリーチを実行しない変動パターンである場合(ステップ017AKS031;No)、ボタン演出設定処理を終了する。
スーパーリーチを実行する変動パターンである場合(ステップ017AKS031;Yes)、裏ボタン演出を実行有無の判定を行う(ステップ017AKS032)。ステップ017AKS032では、変動パターン指定コマンドや表示結果指定コマンドから特定される表示結果に基づいて、例えば図10-4(C)に示す割合で、裏ボタン演出の実行有無の判定を行う。図10-4(C)に示すように、表示結果が大当りの場合の方がハズレの場合よりも高い割合で裏ボタン演出を実行すると判定されるようになっている。これにより、裏ボタン演出の有無よって大当りとなることを予告、示唆することができる。
なお、この実施例では、表示結果が大当りかハズレかのみに基づいて裏ボタン演出の実行有無の判定を行うが、変動パターン(スーパーリーチの種類、擬似連の有無等)に基づいて裏ボタン演出の実行有無の判定を行うようにしてもよい。また、裏ボタン演出の演出パターンを複数設けて、演出パターンによって予告内容や信頼度を異ならせてもよい。
ステップ017AKS032にて裏ボタン演出を実行しないと判定された場合(ステップ017AKS033;No)、ボタン演出設定処理を終了する。ステップ017AKS032にて裏ボタン演出を実行すると判定された場合は(ステップ017AKS033;Yes)、裏ボタン演出を実行するための設定を行う(ステップ017AKS034)。ステップ017AKS034では、例えば、スーパーリーチ中において裏ボタン演出を実行するための演出制御データを読み出して、当該演出制御データを今回の変動中の使用データとしてRAM122の所定領域にセットする。また、裏ボタン演出を実行することを示す裏ボタン演出フラグをセットして(ステップ017AKS035)、ボタン演出設定処理を終了する。
図10-5は、ボタン演出実行処理の動作を示すフローチャートである。ボタン演出実行処理は、可変表示中に図7のステップS172の可変表示中演出処理内で実行される。ボタン演出実行処理は、図10-4(A)のボタン演出設定処理において決定されたボタン演出の実行中に、ボタン演出やプッシュボタン31Bへの操作の検出に応じた演出を実行するための処理である。
ボタン演出実行処理では、演出制御用CPU120は、先ず、促進演出フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ017AKS041)。促進演出フラグがオン状態である場合(ステップ017AKS041;Yes)、変動開始からの経過時間等に基づいて、変動中ボタン予告における操作促進演出の実行期間が終了したか否かを判定する(ステップ017AKS042)。
変動中ボタン予告において、例えば操作促進演出の実行期間が操作有効期間となっている。なお、操作促進演出の実行期間と操作有効期間とが完全に一致していなくてもよい。この実施例では、変動中ボタン予告の操作有効期間は、図10-1に示したように、先読ボタン予告よりも長く、裏ボタン演出よりも短くなっている。これに限定されず、変動中ボタン予告の操作有効期間は、先読ボタン予告以下であってもよいし、裏ボタン演出以上であってもよい。また、変動中ボタン予告を実行する変動の変動時間に応じて操作有効期間が変化してもよいし、変動中ボタン予告の演出パターンを複数設けて、演出パターンによって操作有効期間が異なるようにしてもよい。
操作促進演出の実行期間が終了していなければ(ステップ017AKS042;No)、プッシュボタン31Bからの操作信号の有無を判定すること等により、プッシュボタン31Bへの押下操作が検出したか否かを判定する(ステップ017AKS043)。プッシュボタン31Bへの押下操作を検出した場合(ステップ017AKS043;Yes)、役物を動作させるための制御を実行する(ステップ017AKS044)。ステップ017AKS044では、変動中ボタン予告において操作検出時の役物の演出動作に対応した演出制御データに基づいて、第2パターンの特殊演出を実行するための制御が実行される。
図10-1、図10-3(B)、図10-4(B)に示すように、特別演出が実行されているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第1パターンの特殊演出が実行された場合と、特別演出が実行されていないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第2パターンの特殊演出が実行された場合と、で有利状態に制御される期待度(大当り信頼度)が異なっている。具体的には、図10-3(B)に示すように、第1パターンの特殊演出(役物動作有りの特別演出)は、大当り時に60%の割合で実行すると決定され、ハズレ時に2%の割合で実行すると決定される。また、図10-4(B)に示すように、第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告)は、大当り時に50%の割合で実行すると決定され、ハズレ時に20%の割合で実行すると決定される。このように、第1パターンの特殊演出の方が第2パターンの特殊演出よりも実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。これにより、特別演出が実行されているときに、遊技者に積極的に動作を行う意欲を持たせることができる。
操作促進演出の実行期間(操作有効期間)が終了した場合や(ステップ017AKS042;Yes)、ステップ017AKS044にて役物を動作させるための制御を実行した場合、操作促進演出を終了させるための制御を実行する(ステップ017AKS045)。その後、促進演出フラグをオフ状態にリセットする(ステップ017AKS046)。
促進演出フラグがオフ状態である場合(ステップ017AKS041;No)、変動中ボタン予告の操作有効期間中であって、プッシュボタン31Bへの押下操作を検出しない場合(ステップ017AKS043;No)、または、ステップ017AKS046の処理を実行した後には、裏ボタン演出フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ017AKS051)。裏ボタン演出フラグがオフ状態である場合(ステップ017AKS051;No)、ボタン演出実行処理を終了する。
裏ボタン演出フラグがオン状態である場合(ステップ017AKS051;Yes)、変動開始からの経過時間等に基づいて、裏ボタン演出の操作有効期間が終了したか否かを判定する(ステップ017AKS052)。この実施例では、裏ボタン演出の操作有効期間は、他のボタン演出よりも長く設定されている。裏ボタン演出の操作有効期間は、例えば、スーパーリーチのリーチ演出が開始されてからリーチの演出結果が表示される前までの特別期間(例えば30秒)となっている。
図10-1に示したように、裏ボタン演出の操作有効期間は先読ボタン予告よりも長くなっている。具体的には、裏ボタン演出の操作有効期間は特別期間(例えば30秒)であり、先読ボタン予告の操作有効期間は所定期間(例えば5秒)となっている。このように、先読ボタン予告の操作有効期間を短くしたことで、特別演出(ボタンバイブ)が実行されてから、早く動作(プッシュボタン31Bへの操作)を行うことを意識させることができる。また、裏ボタン演出の操作有効期間を長くしたことで、リーチ演出中にリーチ演出に集中しつつ、遊技者の好みのタイミングで動作(プッシュボタン31Bへの操作)を行って裏ボタン演出の有無を確認することができる。
なお、裏ボタン演出の操作有効期間を先読ボタン予告よりも長くするものに限定されず、裏ボタン演出の操作有効期間を先読ボタン予告よりも短くしてもよいし、先読ボタン予告と同じにしてもよい。
裏ボタン演出の操作有効期間が終了していなければ(ステップ017AKS052;No)、プッシュボタン31Bへの連打操作を検出したか否かを判定する(ステップ017AKS053)。例えば操作有効期間の所定時間(例えば5秒)内に所定回数(例えば5回)以上の押下操作を検出した場合に、プッシュボタン31Bへの連打操作が検出されたと判定する。
また、この実施例では、裏ボタン演出においてプッシュボタン31Bへのオート連打機能が有効となっており、プッシュボタン31Bが特定時間(例えば2秒)長押しされた場合、それ以降プッシュボタン31Bが押しっぱなしになっている間、プッシュボタン31Bへ連打されているものとみなすようになっている。図10-1に示すように、本実施例では、ボタン演出のうち裏ボタン演出おいてのみオート連打機能が有効となっており、先読ボタン予告や変動中ボタン予告ではオート連打機能が無効となっている。これにより、先読ボタン予告や変動中ボタン予告では、自ら動作(プッシュボタン31Bへの操作)をすることを意識させることができる。なお、本実施例では、先読ボタン予告や変動中ボタン予告では、連打操作に応じて特殊演出を実行するものではないが、先読ボタン予告や変動中ボタン予告においても、連打操作に応じて特殊演出を実行するようにしてもよい。この場合において、先読ボタン予告や変動中ボタン予告では、オート連打機能を無効とすることで、自らプッシュボタン31Bへの連打操作をすることを意識させることができる。
なお、先読ボタン予告や変動中ボタン予告でオート連打機能を無効とするものに限定されず、先読ボタン予告や変動中ボタン予告でも、オート連打機能を有効または一部有効にしてもよい。
プッシュボタン31Bへの連打(またはオート連打)操作を検出しない場合(ステップ017AKS053;No)、ボタン演出実行処理を終了する。
プッシュボタン31Bへの連打(またはオート連打)操作を検出した場合(ステップ017AKS053;Yes)、所定位置の遊技効果ランプ9を点灯させる制御を実行する(ステップ017AKS054)。ステップ017AKS054では、裏ボタン演出において操作検出時の役物の演出動作に対応した演出制御データに基づいて、特殊演出(第2特殊演出)を実行するための制御が実行される。
このように、先読ボタン演出における特殊演出(特別演出が実行された時に動作に応じて実行される特殊演出)は役物が動作することで、明確に遊技者に有利度合いが示されるのに対して、裏ボタン演出における特殊演出は、スーパーリーチのリーチ演出中に実行されるため、ランプの点灯といったリーチ演出を妨げない態様であり、先読ボタン演出における特殊演出よりも遊技者による認識度合いが低い態様で実行される。このようにすることで、裏ボタン演出においては、リーチ演出を妨げずに特殊演出を実行できる。また、先読ボタン演出においては、特別演出が実行されたときに動作(プッシュボタン31Bへの操作)したにも関わらず、認識度合いの低い態様で特殊演出が実行されて、興趣が低下してしまうことを防止できる。
なお、裏ボタン演出における特殊演出を、先読ボタン演出における特殊演出よりも遊技者による認識度合いが低い態様で実行されるものに限定されず、裏ボタン演出における特殊演出を、先読ボタン演出における特殊演出よりも遊技者による認識度合いが高い態様で実行されるようにしてもよいし、同様の特殊演出を実行するようにしてもよい。
裏ボタン演出の操作有効期間が終了した場合や(ステップ017AKS052;Yes)、ステップ017AKS054にて所定位置の遊技効果ランプ9を点灯させるための制御を実行した場合、裏ボタン演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップ017AKS055)、ボタン演出実行処理を終了する。
続いて、特徴部017AKのボタン演出の演出動作例について説明する。図10-6は、特徴部017AKの先読ボタン予告の演出動作例を示している。図10-6(A)は、下向き矢印により、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、飾り図柄が可変表示されていることを示している。
このとき、入賞球装置6A(第1始動入賞口)に遊技球が進入して始動入賞が発生し、当該始動入賞に基づいて、図10-3のステップ017AKS005にて、特定演出を実行すると判定されると、図10-6(B)に示すように、プッシュボタン31Bがバイブする特別演出が実行される。このとき、画像表示装置5においては継続して飾り図柄の可変表示が実行され、操作促進演出等の特別演出に係る報知は実行されない。
図10-3のステップ017AKS005にて、役物動作有りの演出パターンに決定されていた場合にプッシュボタン31Bが押下されると、図10-3のステップ017AKS014、ステップ017AKS015の処理が実行されることで、図10-6(C)に示すように、プッシュボタン31Bのバイブが停止して特別演出が終了するとともに、役物017AK01が画像表示装置5上部の収納位置から移動して、図10-6(D)に示すように、画像表示装置5の前面(遊技者側)に位置する。このとき、役物017AK01の表示部に今回の始動入賞の期待度(当該始動入賞に対応した可変表示の大当り信頼度)を示唆する「激アツ!」という文字が表示される。その後、例えば時間経過により役物017AK01は収納位置に戻り、少なくとも同じ始動入賞に基づく変動中ボタン予告の実行開始タイミングよりも前に先読ボタン予告(第1パターンの特殊演出)が終了する。
なお、この実施例では、役物017AK01の表示部に「激アツ!」という文字が表示される第1パターンの特殊演出が実行されるが、表示部に表示される文字を異ならせるなど、第1パターンの特殊演出の中にも複数のパターンがあるようにしてもよい。そして、文字の種類等のパターンにより期待度を異ならせてもよい。
また、第1パターンの特殊演出を実行する場合において、プッシュボタン31Bが操作されたにも関わらず、役物017AK01の故障により動作しない場合には、第1パターンの特殊演出が実行されていること(第1パターンの特殊演出の実行条件が成立していること)が分かるように、役物017AK01の正常動作時と同様の報知音やエフェクト表示を行ったり、第1パターンの特殊演出実行時専用のスーパーリーチへ発展する等してもよい。
図10-7は、特徴部017AKの変動中ボタン予告の演出動作例を示している。図10-7(A)は、下向き矢印により、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、飾り図柄が可変表示されていることを示している。この可変表示の開始時に、図10-4のステップ017AKS022にて変動中ボタン予告を実行すると判定された場合、操作促進演出の開始タイミングとなると、図10-7(B)に示すようにプッシュボタン31Bへの操作を促す操作促進画像017AK02が表示される操作促進演出が実行される。
操作促進演出の実行中の操作有効期間内にプッシュボタン31Bが押下されると、図10-5のステップ017AKS044、ステップ017AKS045の処理が実行されることで、図10-7(C)に示すように、操作促進画像017AK02が消去されて操作促進演出が終了するとともに、役物017AK01が画像表示装置5上部の収納位置から移動して、図10-7(D)に示すように、画像表示装置5の前面(遊技者側)に位置する。このとき、役物017AK01の表示部に今回の変動の表示結果の期待度(大当り信頼度)を示唆する「チャンス!」という文字が表示される。その後、例えば時間経過により役物017AK01は収納位置に戻り、変動中ボタン予告が終了する。
なお、この実施例では、役物017AK01の表示部に「チャンス!」という文字が表示される変動中ボタン予告が実行されるが、表示部に表示される文字を異ならせるなど、変動中ボタン予告の中にも複数のパターンがあるようにしてもよい。そして、文字の種類等のパターンにより期待度を異ならせてもよい。
変動中ボタン予告では、図10-7(B)に示すような操作促進演出が実行されるが、先読ボタン予告における特別演出の実行中は、操作促進演出は実行されないようになっている。このようにすることで、操作促進演出が実行されていないにも関わらず、遊技者の動作(プッシュボタン31Bへの操作)に応じて特殊演出が実行される場合があるので、遊技者に意外性を与えることができ、興趣が向上する。
図10-8は、特徴部017AKの裏ボタン演出の演出動作例を示している。図10-8(A)は、画像表示装置5の「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにおいて「7」の数字の飾り図柄が停止し、下向き矢印により「中」の飾り図柄表示エリア5Lにおいて飾り図柄が可変表示されて、リーチとなっていることを示している。また、図10-8(B)は、その後スーパーリーチに発展してスーパーリーチのリーチ演出が開始されたことを示している。スーパーリーチのリーチ演出中は、例えば、飾り図柄の可変表示は画像表示装置5の右下領域にて縮小して実行される。
この可変表示の開始時に、図10-4のステップ017AKS032にて裏ボタン演出を実行すると判定された場合、図10-8(C)に示すようなスーパーリーチのリーチ演出(ここではキャラクタが戦う演出)中に、プッシュボタン31Bが長押しされて、所定時間連打操作がなされているとみなされると、図10-5のステップ017AKS054の処理が実行されることで、図10-8(D)に示すように、所定位置の遊技効果ランプ9が点灯する特殊演出が実行される。当該所定位置の遊技効果ランプ9は、その後時間経過等により消灯されればよい。
(特徴部018AKに関する説明)
特徴017AKは、特徴部018AKを含んでいる。特徴部018AKでは、操作促進演出が実行されていないときに遊技者の動作(操作手段への操作等)に基づいて実行される演出が特殊演出である。そして、特別演出(ボタンバイブ)が実行されているときに、プッシュボタン31Bへの操作に応じて実行される特殊演出(役物を動作させる演出)が、特徴部018AKの第1特殊演出となる。また、裏ボタン演出において、特別演出が実行されていないときに、プッシュボタン31Bへの操作に応じて実行される特殊演出(ランプを点灯させる演出)が、特徴部018AKの第2特殊演出となる。そして、特徴部018AKでは、第1特殊演出が実行された場合と、第2特殊演出が実行された場合と、で大当りとなる期待度が異なっている。これにより、遊技者に遊技に介入する要素を持たせて興趣を向上させることができ、特別演出の有無に遊技者を注目させることができる。また、この実施例では、特別演出を伴う第1特殊演出(先読ボタン予告における特殊演出)の方が、特別演出を伴わない第2特殊演出(裏ボタン演出における特殊演出)よりも、実行された場合の大当り期待度が高くなっている。これにより、特別演出が実行されているときに、遊技者に積極的に動作を行う意欲を持たせることができる。
具体的には、図10-1、図10-3(B)、図10-4(C)に示すように、特別演出が実行されているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第1特殊演出が実行された場合と、特別演出が実行されていないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第2特殊演出が実行された場合と、で有利状態に制御される期待度(大当り信頼度)が異なっている。具体的には、図10-3(B)に示すように、第1パターンの特殊演出(役物動作有りの特別演出)は、大当り時に60%の割合で実行すると決定され、ハズレ時に2%の割合で実行すると決定される。また、図10-4(C)に示すように、第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告)は、大当り時に60%の割合で実行すると決定され、ハズレ時に15%の割合で実行すると決定される。このように、第1特殊演出の方が第2特殊演出よりも実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。これにより、特別演出が実行されているときに、遊技者に積極的に動作を行う意欲を持たせることができる。
なお、特徴部018AKの特殊演出、操作促進演出が実行されていないときに遊技者の動作(操作手段への操作等)に基づいて実行される演出が特殊演出であるが、操作促進演出が実行されていないとは、操作促進演出が全く実行されていないことに限定されない。特徴部018AKにおいて、操作促進演出が実行されていないとは、他の操作促進演出(例えば変動中ボタン予告の操作促進演出)と比べて操作促進演出の一部の演出態様が実行されていないこと、他の操作促進演出にと比べて操作促進演出が一部の演出装置で実行されていないこと、他の操作促進演出にと比べて演出期間が短いこと等、操作促進演出が制限されることを含む。
(特徴部017AK(018AK)の変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。例えば、特徴部66AKに係る特定演出(有利示唆演出、設定示唆演出)を実行するようにしてもよい。また、特徴部66AKの手段を特徴部017AK(018AK)に採用してもよい。
上記実施例では、特別演出を伴う第1パターンの特殊演出(先読ボタン予告における特殊演出)の方が、特別演出を伴わない第2パターンの特殊演出(変動中ボタン予告における特殊演出)よりも、実行された場合の大当り期待度が高くなっていた。これとは逆に、特別演出を伴わない第2パターンの特殊演出の方が、特別演出を伴う第1パターンの特殊演出よりも、実行された場合の大当り期待度を高くしてもよい。これにより、特別演出が実行されない場合でも、期待度の高い特殊演出が実行されることに対して、遊技者の期待感を持たせることができる。
上記実施例では、特別演出を伴う第1特殊演出(先読ボタン予告における特殊演出)の方が、特別演出を伴わない第2特殊演出(裏ボタン演出における特殊演出)よりも、実行された場合の大当り期待度が高くなっていた。これとは逆に、特別演出を伴わない第2特殊演出の方が、特別演出を伴う第1特殊演出よりも、実行された場合の大当り期待度を高くしてもよい。これにより、特別演出が実行されない場合でも、期待度の高い特殊演出が実行されることに対して、遊技者の期待感を持たせることができる。
プッシュボタン31Bにランプを設けて点灯可能に構成してもよい。そして、特別演出や操作促進演出としてプッシュボタン31Bを点灯させてもよい。例えば、特別演出として、プッシュボタン31Bを点灯させる特別演出、プッシュボタン31Bをバイブさせる特別演出、プッシュボタン31Bを点灯させるとともにバイブさせる特別演出を実行可能にしてもよい。そして、特別演出の種類によって、各種の期待度(大当りとなる期待度、その後特殊演出が実行される期待度等)が異なるようにしてもよい。さらに、ボタンバイブやランプ点灯の演出期間が異なる複数種類の演出パターンを設けて、演出期間に応じて、各種の期待度(大当りとなる期待度、その後特殊演出が実行される期待度等)が異なるようにしてもよい。
また、上記実施例では、特別演出(ボタンバイブ)中に遊技者の動作(プッシュボタン31Bへの操作)が検出されると、特別演出を終了するようになっていたが、遊技者の動作の検出後も特別演出を継続するようにして、特別演出の演出期間に応じて、各種の期待度(大当りとなる期待度、その後特殊演出が実行される期待度等)が異なるようにしてもよい。このようにすることで、特別演出の演出期間や検出手段(プッシュボタン31B)により注目させることができる。
また、特別演出は、保留表示とは異なる演出態様によって大当りとなる期待度を予告・示唆する先読予告演出であればよく、遊技者の動作を検出可能な検出手段をバイブさせたり点灯させる演出に限定されない。この場合でも、特別演出は遊技者に動作することを意識させるような演出や、動作を検出する検出手段に興味を持たせるような演出であることが好ましい。
上記実施例では、特別演出中に積極的にプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進演出は全く実行されないものとして説明したが、特別演出中に操作促進演出が実行される場合があるようにしてもよい。例えば、特別演出が所定回数実行された間にプッシュボタン31Bが一度も操作されなかった場合など、プッシュボタン31Bへの操作頻度が低い場合には、特別演出中にプッシュボタン31Bへの操作を促す操作促進演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、全く第1パターンの特殊演出(第1特殊演出)が実行されずに、大当りとなる期待度が示唆されないことを防止できる。
ボタンバイブ中(特別演出中)にプッシュボタン31Bを操作すると演出(役物が動作する第1パターンの特殊演出)が実行されることや、スーパーリーチ中の裏ボタン演出といった、特徴部17AKの隠し要素をデモ画面等で説明するようにしてもよい。
また、上記実施例では、スーパーリーチのリーチ演出中は、特別演出の実行が制限されるようになっていたが、スーパーリーチのリーチ演出や他の演出状況によらず、始動入賞に基づいて特別演出が実行するようにしてもよい。この場合、特別演出や特別演出の動作に基づいて実行される第1パターンの特殊演出(第1特殊演出)は、他の演出を妨げない態様であることが好ましい。
スーパーリーチ中の裏ボタン演出において、プッシュボタン31Bへの操作回数(連打回数)に応じて、異なる演出が実行されるようにしてもよい。例えば、裏ボタン演出において、プッシュボタン31Bへの操作回数に応じてランプの点灯色が段階的に変化する(ステップアップする)ことで、有利度合いを示唆するようにしてもよい。例えば、ランプの点灯色が、有利度合い及び連打回数に応じて白→青→緑→赤というように変化するようにしてもよい。このようにすることで、プッシュボタン31Bへの連打や長押し(オート連打)を促すことができる。なお、裏ボタン演出では、スーパーリーチの終盤ではプッシュボタン31Bへの操作が無効となるようにしてもよい。このようにすることで、スーパーリーチのリーチ演出に注目させることができる。また、このようなプッシュボタン31Bへの操作が無効となる期間においては、他のボタン演出(先読ボタン予告や変動中ボタン予告)の実行を禁止するようにしてもよい。
上記実施例の第1パターンの特殊演出と第2パターンの特殊演出とは、図10-6(D)、図10-7(D)に示したように、いずれも役物017AK01を動作させる演出であって、役物017AK01の表示部に表示させる文字が異なる演出であった。これに限定されず、第1パターンの特殊演出と第2パターンの特殊演出とは全く異なる演出であってもよい。例えば、第1パターンの特殊演出は、先読ボタン予告の一部として実行され、予告対象の可変表示以前に実行される演出であるため、その可変表示における他の演出を妨げたり、その可変表示を必要以上に期待させないようにするために、遊技者による認識度合いの低い控えめな演出としてもよい。これに対して、第2パターンの特殊演出は、変動中ボタン予告の一部として実行され、予告対象の可変表示にて実行される演出であるため、第1パターンの特殊演出よりも、遊技者による認識度合いの高い派手な演出としてもよい。
また、変動中予告演出として、プッシュボタン31Bをバイブ(または点灯)させる予告演出を実行可能としてもよい。この予告演出では、プッシュボタン31Bを操作しても、特殊演出は実行されないものとしてもよい。このようにすることで、擬似的な特別演出を実行することができ、遊技者の動作に応じて特殊演出を実行されることを期待させることができる。
先読ボタン予告として、特別演出(ボタンバイブやボタン点灯)が実行されているときに遊技者の動作(プッシュボタン31Bへの操作)に応じて役物が動作し、役物の動作中にさらに遊技者の動作(プッシュボタン31Bへの操作)に応じて異なる演出が実行されるようにしてもよい。このような先読ボタン予告と、上記実施例の先読ボタン予告と、で各種の期待度(大当りとなる期待度、その後特殊演出が実行される期待度等)が異なるようにしてもよい。
上記実施例では、第2特殊演出は、所定位置の遊技効果ランプ9を点灯させる演出であったが、特殊音を出力する演出であったり、画像表示装置5に表示される他の演出(例えばリーチ演出)の演出態様(キャクタや文字の色)を異ならせるものであってもよい。
(特徴部017AKに係る手段の説明)
(1)特徴部017AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(特徴部017AKのパチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体が始動領域(例えば第1始動入賞口、第2始動入賞口)を通過したことに基づいて、当該通過に対応した保留表示を表示可能な保留表示手段(ステップ017AKS002の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて、前記保留表示とは異なる演出態様により、当該通過に対応して前記有利状態に制御される期待度を示唆する特別演出を実行可能な特別演出実行手段(ステップ017AKS005、ステップ017AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
遊技者が動作を行ったことに基づいて特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段(ステップ017AKS014、ステップ017AKS044、ステップ017AKS054の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特殊演出は、
前記特別演出が実行されているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第1パターン(例えば図10-6)と、
前記特別演出が実行されていないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第2パターン(例えば図10-7)と、があり、
前記第1パターンの前記特殊演出が実行された場合と、前記第2パターンの前記特殊演出が実行された場合と、で前記有利状態に制御される期待度が異なる(例えば図10-1、図10-3(B)、図10-4(B))。
このような構成によれば、遊技者が動作を行ったことに基づいて特殊演出を実行可能であり、特別演出の実行中であるか否かによって有利状態に制御される期待度が異なるので、特別演出が実行されるか否かに注目させることができるので、興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、前記特別演出として、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えばプッシュボタン31B)の態様を変化させるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者を検出手段に注目させることができ、遊技者の動作を促すことができる。
(3)上記(2)の遊技機において、
遊技者の動作を促進する動作促進演出(例えば操作促進演出)を実行しているときに、前記検出手段により遊技者の動作が検出されたことに基づいて、前記有利状態に制御される期待度を示唆する予告演出(例えば変動中ボタン予告)を実行可能な予告演出実行手段(ステップ017AKS022、ステップ017AKS024、ステップ017AKS044の処理を実行する演出制御用CPU120)を備え、
前記特別演出が実行されて、遊技者が動作を行ったことに基づいて前記第1パターンの前記特殊演出が実行可能なときには、前記動作促進演出を実行しないようにしてもよい。
このような構成によれば、動作促進演出が実行されていないにも関わらず、特殊演出が実行される場合があるので、意外性のある演出を実行できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
所定演出の実行中は前記第1パターンの前記特殊演出の実行を制限する(例えばステップ017AKS004でYesの場合、先読予告設定処理を終了する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊演出により他の演出が妨げられてしまうことを防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記特別演出が実行されているときに、遊技者が動作を行ったにも関わらず前記特殊演出が実行されなかった場合、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれに設定されているかを示唆する設定示唆演出を実行可能である(例えばステップ017AKS017の処理を実行する)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特殊演出が実行されなかった場合の落胆を軽減することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記特殊演出実行手段は、
遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて、前記第1パターンの前記特殊演出を実行可能であり、
遊技媒体が始動領域を通過したことに対応する可変表示が実行されるときに、前記第2パターンの前記特殊演出を実行可能であり、
前記第1パターンの前記特殊演出は、同じ通過に基づく前記第2パターンの前記特殊演出が実行されるタイミングよりも前に終了する(例えば図10-2)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1パターンの特殊演出が実行された後で、同じ通過に基づく第2パターンの特殊演出が実行可能なので、興趣が低下してしまうことを抑制できる。
(特徴部018AKに係る手段の説明)
(1)特徴部018AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(特徴部018AKのパチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体が始動領域(例えば第1始動入賞口、第2始動入賞口)を通過したことに基づいて、当該通過に対応した保留表示を表示可能な保留表示手段(ステップ017AKS002の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて、前記保留表示とは異なる演出態様により、当該通過に対応して前記有利状態に制御される期待度を示唆する特別演出を実行可能な特別演出実行手段(ステップ017AKS005、ステップ017AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
遊技者の動作を促進する動作促進演出(例えば操作促進演出)を実行可能な動作促進演出実行手段(ステップ017AKS024の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記動作促進演出を実行しているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて予告演出を実行可能な予告演出実行手段(ステップ017AKS044の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記動作促進演出を実行していないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段(ステップ017AKS014、ステップ017AKS054の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特殊演出として、
前記特別演出が実行されているときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第1特殊演出(例えば図10-6)と、
前記特別演出が実行されていないときに、遊技者が動作を行ったことに基づいて実行される第2特殊演出(例えば図10-8)と、があり、
前記第1特殊演出が実行された場合と、前記第2特殊演出が実行された場合と、で前記有利状態に制御される期待度が異なる(例えば図10-1、図10-3(B)、図10-4(C))。
このような構成によれば、遊技者が動作を行ったことに基づいて特殊演出を実行可能であり、特別演出の実行中であるか否かによって有利状態に制御される期待度が異なるので、特別演出が実行されるか否かに注目させることができるので、興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1特殊演出の方が前記第2特殊演出よりも、遊技者の認識度合いの高い態様で実行する(例えば図10-6、図10-8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1特殊演出の認識度合いが低いことにより、興趣が低下することを抑制できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記第1特殊演出の方が前記第2特殊演出よりも、遊技者が動作を検出可能な期間が短い(例えば図10-1)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1特殊演出が実行される場合に、遊技者の動作を促すことができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えばプッシュボタン31B)を備え、
前記特殊演出実行手段は、前記検出手段により遊技者の動作が検出されたことに基づいて前記特殊演出を実行可能であり、
前記検出手段は、所定期間遊技者の継続的な動作が検出された場合に、遊技者の連続的な動作が検出されたとみなす連続動作みなし検出(例えばオート連打機能)が可能であり(例えばステップ017AKS053)、
前記特殊演出実行手段は、遊技者の連続的な動作が検出されたことに基づいて前記第2特殊演出を実行するとともに、前記連続動作みなし検出に基づいて前記第2特殊演出を実行可能であり、前記連続動作みなし検出に基づいて前記第1特殊演出を実行しないようにしてもよい。
このような構成によれば、第1特殊演出が実行される場合に、遊技者の動作を促すことができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値(例えば1~6など)のうちいずれかの設定値に設定可能な設定手段(例えばステップS6Aにて設定値変更処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103など)と、
特定期間にわたり示唆演出を実行可能な演出実行手段(例えば画像表示装置5、演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記演出実行手段は、前記特定期間における特定タイミングまで、前記有利状態の制御に関する示唆を行った後、該特定タイミング以降にて実行可能な演出として、前記有利状態の制御に関する示唆を継続して行う第1示唆演出と、前記有利状態の制御に関する示唆を継続して行うとともに前記設定手段の設定に関する示唆を行う第2示唆演出と、のうちいずれかの示唆演出を実行可能である(例えば図9-12)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定タイミング以降にて第1示唆演出と第2示唆演出のいずれかを実行可能にすることで、遊技興趣を向上させることができる。