図1に示すように、燃料電池システム10は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池モジュール12を組み込むとともに、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。
燃料電池システム10は、燃料ガス(例えば、水素ガスにメタン、一酸化炭素が混合した気体)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応により発電する燃料電池モジュール(SOFCモジュール)12と、前記燃料電池モジュール12に炭化水素を主体とする原燃料(例えば、都市ガス)を供給する原燃料供給装置(燃料ガスポンプを含む)14と、前記燃料電池モジュール12に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置(空気ポンプを含む)16と、前記燃料電池モジュール12に水を供給する水供給装置(水ポンプを含む)18と、前記燃料電池モジュール12の発電量を制御する制御装置20とを備える。
燃料電池モジュール12は、複数の固体酸化物形の燃料電池22が鉛直方向(又は水平方向)に積層される固体酸化物形の燃料電池スタック24を備える。燃料電池22は、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質26の両面に、カソード電極28及びアノード電極30が設けられた電解質・電極接合体(MEA)32を備える。
電解質・電極接合体32の両側には、カソード側セパレータ34とアノード側セパレータ36とが配設される。カソード側セパレータ34には、カソード電極28に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路38が形成されるとともに、アノード側セパレータ36には、アノード電極30に燃料ガスを供給する燃料ガス流路40が形成される。なお、燃料電池22としては、従来より使用されている種々のSOFCを用いることができる。
燃料電池スタック24には、各酸化剤ガス流路38の入口側に一体に連通する酸化剤ガス入口連通孔42a、前記酸化剤ガス流路38の出口側に一体に連通する酸化剤ガス出口連通孔42b、各燃料ガス流路40の入口側に一体に連通する燃料ガス入口連通孔44a、及び前記燃料ガス流路40の出口側に一体に連通する燃料ガス出口連通孔44bとが設けられる。
燃料電池モジュール12は、炭化水素を主体とする原燃料と酸化剤ガスとの混合ガスを改質する部分酸化改質器(POX)45と、前記原燃料と水蒸気との混合ガスを改質する水蒸気改質器(SR)46と、水を蒸発させるとともに、水蒸気を前記水蒸気改質器46に供給する蒸発器48と、燃焼ガスとの熱交換により酸化剤ガスを昇温させるとともに、前記燃料電池スタック24に前記酸化剤ガスを供給する熱交換器50と、前記燃料電池スタック24から排出される前記燃料ガスである燃料排ガスと前記酸化剤ガスである酸化剤排ガスとを燃焼させ、前記燃焼ガスを発生させる排ガス燃焼器52とを備える。
燃料電池モジュール12は、基本的には、燃料電池スタック24とFC周辺機器56とにより構成される。FC周辺機器56は、部分酸化改質器45、水蒸気改質器46、蒸発器48、熱交換器50及び排ガス燃焼器52を備えるとともに、後述するように、前記水蒸気改質器46、前記熱交換器50及び前記排ガス燃焼器52間には、燃焼ガス用の配管を設けていない。
原燃料供給装置14は、原燃料を部分酸化改質器45に供給する原燃料通路57を備える。酸化剤ガス供給装置16は、酸化剤ガスを熱交換器50から燃料電池スタック24に供給する酸化剤ガス通路58を備えるとともに、水供給装置18は、水を蒸発器48に供給する水通路59を備える。
FC周辺機器56では、熱交換器50内には、排ガス燃焼器52が一体に設けられるとともに、水蒸気改質器46は、前記熱交換器50の一端に隣接して設けられる。
図2及び図3に示すように、熱交換器50は、立位姿勢に配置されており、後述するように、酸化剤ガスを鉛直下方向から鉛直上方向に流通させる。水蒸気改質器46は、立位姿勢に配置されており、改質ガスを鉛直下方向から鉛直上方向に流通させる。熱交換器50の一方の側部(一端)には、水蒸気改質器46が直接装着される。水蒸気改質器46及び熱交換器50(排ガス燃焼器52を含む)は、水平方向(矢印A方向)に積層される。
熱交換器50及び水蒸気改質器46の下方には、蒸発器48、部分酸化改質器45及び都市ガス(原燃料)中に含まれる硫黄化合物を除去するための脱硫器60が配設される。
水蒸気改質器46は、都市ガス(原燃料)中に含まれるエタン(C2H6)、プロパン(C3H8)及びブタン(C4H10)等の高級炭化水素(C2+)を、主としてメタン(CH4)、水素、COを含む燃料ガスに水蒸気改質するための予備改質器であり、数百℃の作動温度に設定される。
部分酸化改質器45は、都市ガス(原燃料)中に含まれるエタン(C2H6)、プロパン(C3H8)及びブタン(C4H10)等の高級炭化水素(C2+)を、主として水素、COを含む燃料ガスに部分酸化改質するための予備改質器であり、数百℃の作動温度に設定される。
燃料電池22は、作動温度が数百℃と高温であり、アノード電極30では、燃料ガス中のメタンが改質されて水素、COが得られ、この水素、COが電解質26の前記アノード電極30側に供給される。
図1に示すように、原燃料供給装置14は、脱硫器60を備えるとともに、前記脱硫器60が原燃料通路57に配設される。この原燃料通路57は、部分酸化改質器45の混合ガス入口61aに連通する。部分酸化改質器45の改質ガス出口61bには、改質ガス通路57aが連通するとともに、前記改質ガス通路57aと水蒸気通路59a(後述する)との合流部57bを介して、水蒸気改質器46の混合ガス供給室62aに接続される。
図2及び図3に示すように、混合ガス供給室62aは、複数の改質管路64の下端側に連通するとともに、前記改質管路64の上端側に燃料ガス排出室62bが連通する。燃料ガス排出室62bには、燃料ガス通路66の一端が連通するとともに、前記燃料ガス通路66の他端が燃料電池スタック24の燃料ガス入口連通孔44aに連通する(図1参照)。各改質管路64には、改質用にペレット状の触媒(図示せず)が充填、又は、粒子状の触媒(図示せず)が担持されている。
各改質管路64間には、加熱空間68が形成される。この加熱空間68には、燃焼ガス通路70の一端が開口される一方、図1に示すように、前記燃焼ガス通路70の途上には、蒸発器48の加熱路72が設けられる。燃焼ガス通路70の他端には、第2熱電変換部74b及び第1熱電変換部74aが直列的に接続される。
第1熱電変換部74aは、酸化剤ガス通路58を構成する第1酸化剤ガス供給路部58aに配置される一方、第2熱電変換部74bは、前記酸化剤ガス通路58を構成する第2酸化剤ガス供給路部58bに配置される。第1酸化剤ガス供給路部58aと第2酸化剤ガス供給路部58bとには、酸化剤ガス通路58に設けられる酸化剤ガス調整弁75を介して酸化剤ガスが分配供給される。
水供給装置18を構成する水通路59は、蒸発器48の水入口73aに接続される。水通路59を流通する水は、加熱路72に沿って流通する燃焼ガスにより加熱され、水蒸気が発生する。蒸発器48の水蒸気出口73bには、水蒸気通路59aの一端が接続されるとともに、前記水蒸気通路59aの他端は、原燃料通路57に対して部分酸化改質器45の下流の位置に合流して合流部57bが設けられる。
なお、合流部57bには、例えば、エゼクタ(図示せず)が配設され、原燃料通路57を原燃料(又は改質ガス)が流通することにより、水蒸気通路59aから前記原燃料通路57に水蒸気が吸引される。
図3に示すように、熱交換器50は、下部側に酸化剤ガス供給室76aが設けられるとともに、上部側に酸化剤ガス排出室76bが設けられる。酸化剤ガス供給室76aと酸化剤ガス排出室76bとには、複数の酸化剤ガス管路78の両端が連通する。
酸化剤ガス供給室76aには、酸化剤ガス通路58を構成する第2酸化剤ガス供給路部58bの一端が配設される。酸化剤ガス排出室76bには、酸化剤ガス通路82の一端が配設されるとともに、前記酸化剤ガス通路82の他端は、燃料電池スタック24の酸化剤ガス入口連通孔42aに接続される(図1参照)。
熱交換器50の内部には、複数の酸化剤ガス管路78が収容された空間からなるとともに、排ガス燃焼器52を構成する燃焼室84が形成される。燃焼室84は、燃料ガス(具体的には、燃料排ガス)と酸化剤ガス(具体的には、酸化剤排ガス)との燃焼反応により、酸化剤ガスを昇温させる熱源として機能する。
燃焼室84には、酸化剤ガス排出室76b側から酸化剤排ガス通路86の一端と燃料排ガス通路88の一端とが配置される。図1に示すように、酸化剤排ガス通路86の他端は、燃料電池スタック24の酸化剤ガス出口連通孔42bに接続されるとともに、燃料排ガス通路88の他端は、前記燃料電池スタック24の燃料ガス出口連通孔44bに接続される。
図3に示すように、水蒸気改質器46と熱交換器50との間には、壁板(壁部)90が配設される。水蒸気改質器46のフランジ部92と熱交換器50のフランジ部94との間に、壁板90が挟持されるとともに、これらが複数のボルト96及びナット97により一体的に固定される。壁板90には、熱交換器50の燃焼室84に発生した燃焼ガスを、水蒸気改質器46の加熱空間68に供給するための開口部(燃焼ガス通路)98が形成される。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16は、酸化剤ガスを酸化剤ガス通路58から部分酸化改質器45と熱交換器50とに、すなわち、第1酸化剤ガス供給路部58aと第2酸化剤ガス供給路部58bとに、分配する酸化剤ガス調整弁75を備える。第1酸化剤ガス供給路部58aは、原燃料通路57に対し、脱硫器60と部分酸化改質器45との間に位置して連通する。
図4に示すように、第1熱電変換部74aは、被加熱体である酸化剤ガスを流通させる第1通路部材112と、加熱媒体である燃焼ガスを流通させる第2通路部材114と、異なる熱電変換温度に設定されたそれぞれ複数の熱電変換素子116a、116b及び116cとを備える。
第1通路部材112は、ボックス形状を有し、酸化剤ガス入口112aと酸化剤ガス出口112bとの間で蛇行する酸化剤ガス蛇行流路112cを設ける。酸化剤ガス蛇行流路112cは、第1通路部材112内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板112dにより形成される。
第2通路部材114は、ボックス形状を有し、燃焼ガス入口114aと燃焼ガス出口114bとの間で蛇行する燃焼ガス蛇行流路114cを設ける。燃焼ガス蛇行流路114cは、第2通路部材114内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板114dにより形成される。燃焼ガス蛇行流路114cと酸化剤ガス蛇行流路112cとは、互いに並行流に設定される。
熱電変換素子116a、116b及び116cは、第1通路部材112と第2通路部材114とに両端が挟持されるとともに、各両端に温度差を生じさせることにより起電力を発生させる機能を有する。酸化剤ガス蛇行流路112c及び燃焼ガス蛇行流路114cの上流側に配置される複数(図4には、3個配置されるが、個数は任意に設定可能である。以下、同様)の熱電変換素子116aは、高温の熱電変換温度に設定された高温型熱電変換素子である。
酸化剤ガス蛇行流路112c及び燃焼ガス蛇行流路114cの中流側に配置される複数の熱電変換素子116bは、中温の熱電変換温度に設定された中温型熱電変換素子である。酸化剤ガス蛇行流路112c及び燃焼ガス蛇行流路114cの下流側に配置される複数の熱電変換素子116cは、低温の熱電変換温度に設定された低温型熱電変換素子である。
なお、第2熱電変換部74bは、上記の第1熱電変換部74aと同様に構成されており、同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、図5以降のフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、燃料電池システム10の起動時には、酸化剤ガス調整弁75の開度が設定される(ステップS1)。具体的には、部分酸化改質に必要な空気(酸化剤ガス)及び原燃料、例えば、都市ガス(CH4、C2H6、C3H8、C4H10を含む)等が投入されるように(ステップS2)、原燃料供給装置14が駆動されるとともに、酸化剤ガス調整弁75の開度が調整される。部分酸化改質の制御は、空燃比(O2/C)(投入空気中の酸素モル数/投入原燃料中のカーボンモル数)により行われ、部分酸化改質器45には、空気と原燃料とが最適空燃比量で導入される。
原燃料供給装置14では、原燃料通路57に供給された原燃料が、脱硫器60で脱硫された後、部分酸化改質器45の混合ガス入口61aに供給される。一方、酸化剤ガス供給装置16では、酸化剤ガス通路58に供給された空気は、酸化剤ガス調整弁75を介して第1酸化剤ガス供給路部58aと第2酸化剤ガス供給路部58bとにそれぞれ所定の量ずつ分配される。第1酸化剤ガス供給路部58aに分配された空気は、原燃料通路57で原燃料に混合されて部分酸化改質器45の混合ガス入口61aに供給される。
このため、部分酸化改質器45による部分酸化改質が開始される(ステップS3)。例えば、O2/C=0.5に設定されると、2CH4+O2→4H2+2COとなる部分酸化反応が発生する。この部分酸化反応は、発熱反応であり、部分酸化改質器45から高温(約600℃)の還元ガスが発生する。
高温の還元ガスは、図2及び図3に示すように、合流部57bを通って水蒸気改質器46の混合ガス供給室62aに供給された後、複数の改質管路64内を下端側から上端側に移動する。そして、高温の還元ガスは、一旦燃料ガス排出室62bに供給された後、燃料ガス通路66を介して燃料電池スタック24の燃料ガス入口連通孔44aに供給される(図1参照)。
燃料電池スタック24では、高温の還元ガスは、燃料ガス流路40を流通した後、燃料ガス出口連通孔44bから燃料排ガス通路88に排出される。このように、部分酸化改質器45から発生した高温の還元ガスにより、水蒸気改質器46及び燃料電池スタック24が加温される。
一方、燃料排ガス通路88は、図3に示すように、排ガス燃焼器52を構成する燃焼室84に開口しており、前記燃焼室84に燃料ガスが導入される。燃焼室84では、還元ガス(燃料ガス)と酸化剤ガスとが、自己着火又は図示しないイグナイターやグロー等の着火装置により着火されて燃焼ガスが発生する(ステップS4)。
燃焼室84に発生した燃焼ガスは、熱交換器50を加温するとともに、第2酸化剤ガス供給路部58bから供給される空気を加温する。さらに、燃焼ガスは、壁板90に形成された開口部98を介して水蒸気改質器46の加熱空間68に移動する。これにより、水蒸気改質器46が加温される。加熱空間68には、燃焼ガス通路70が連通しており、この燃焼ガス通路70は、蒸発器48の加熱路72に連通している。このため、燃焼ガスは、蒸発器48を昇温させた後、第2熱電変換部74b及び第1熱電変換部74aに供給される。
図4に示すように、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bでは、第1通路部材112の酸化剤ガス入口112aから酸化剤ガス蛇行流路112cに外部空気である酸化剤ガスが供給される一方、第2通路部材114の燃焼ガス入口114aから燃焼ガス蛇行流路114cに燃焼ガスが供給される。従って、酸化剤ガス蛇行流路112cと燃焼ガス蛇行流路114cとの間に配設されている複数の熱電変換素子116a、116b及び116cは、それぞれの両端に温度差が発生し、熱エネルギが電気エネルギとして回収される。
次いで、ステップS5に進んで、水蒸気改質器46が設定温度T1以上であり、且つ蒸発器48が設定温度T2以上であるか否かが判断される。設定温度T1は、例えば、550℃であり、設定温度T2は、例えば、150℃である。水蒸気改質器46が設定温度T1以上であり、且つ蒸発器48が設定温度T2以上であると判断されると(ステップS5中、YES)、ステップS6に進む。
このステップS6では、部分酸化改質反応から水蒸気改質反応に移行させるために、酸化剤ガス調整弁75の開度が調整されるとともに、水供給装置18が駆動される。酸化剤ガス調整弁75の開度調整により、第1酸化剤ガス供給路部58aへの空気の供給が停止される一方、第2酸化剤ガス供給路部58bから熱交換器50に供給される空気量が増量される。従って、部分酸化改質器45には、原燃料のみが供給されるため、部分酸化反応が惹起されず、前記原燃料は、合流部57bに供給される。
その際、水供給装置18では、蒸発器48に水が供給される。蒸発器48で蒸発された水は、水蒸気通路59aから合流部57bに供給され、原燃料と混合されて混合ガス供給室62aに供給される。
図2及び図3に示すように、混合ガス供給室62aに供給された原燃料と水蒸気との混合ガスは、複数の改質管路64内を下端側から上端側に移動する。その間に、混合ガスは、加熱空間68に導入された燃焼ガスにより加熱されるとともに、ペレット状の触媒を介して水蒸気改質され、C2+の炭化水素が除去(改質)されてメタンを主成分とする改質ガス及び、CH4+H2O→3H2+COとなる水蒸気改質反応が発生する(ステップS7)。
この改質ガスは、加熱された燃料ガスとして、一旦燃料ガス排出室62bに供給された後、燃料ガス通路66を介して燃料電池スタック24の燃料ガス入口連通孔44aに供給される(図1参照)。
燃料電池スタック24では、加熱された燃料ガスは、燃料ガス流路40を流通した後、燃料ガス出口連通孔44bから燃料排ガス通路88に排出される。燃料排ガス通路88は、図3に示すように、排ガス燃焼器52を構成する燃焼室84に開口しており、前記燃焼室84に燃料ガスが導入される。
一方、酸化剤ガス供給装置16では、酸化剤ガス調整弁75を介して第2酸化剤ガス供給路部58bに空気が供給され、この空気は、熱交換器50の酸化剤ガス供給室76aに導入される。
図3に示すように、酸化剤ガス供給室76aに導入された空気は、複数の酸化剤ガス管路78内を下端側から上端側に移動する間に、燃焼室84に導入された燃焼ガスにより加熱(熱交換)される。加熱された空気は、一旦酸化剤ガス排出室76bに供給された後、酸化剤ガス通路82を介して燃料電池スタック24の酸化剤ガス入口連通孔42aに供給される(図1参照)。
燃料電池スタック24では、加熱された空気は、酸化剤ガス流路38を流通した後、酸化剤ガス出口連通孔42bから酸化剤排ガス通路86に排出される。酸化剤排ガス通路86は、図3に示すように、排ガス燃焼器52を構成する燃焼室84に開口しており、前記燃焼室84に空気が導入される。
上記のように、燃料電池スタック24は、加熱された空気及び加熱された燃料ガスが流通することにより、昇温される。そして、ステップS8に進んで、燃料電池スタック24が発電可能な状態であるか否かが判断される。具体的には、燃料電池22のOCV(開回路電圧)が測定され、前記OCVが所定の値に至った際、燃料電池スタック24の発電が可能であると判断する(ステップS8中、YES)。これにより、燃料電池スタック24は、発電が開始される(ステップS9)。
燃料電池スタック24の発電時は、上記の起動時と同様に、空気が酸化剤ガス流路38を流通する一方、燃料ガスが燃料ガス流路40を流通する。従って、各燃料電池22のカソード電極28に空気が供給されるとともに、アノード電極30に燃料ガスが供給され、化学反応により発電が行われる。
反応に使用された空気(未反応の空気を含む)は、酸化剤排ガスとして酸化剤排ガス通路86に排出される。また、反応に使用された燃料ガス(未反応の燃料ガスを含む)は、燃料排ガスとして燃料排ガス通路88に排出される。酸化剤排ガス及び燃料排ガスは、排ガス燃焼器52に送られて燃焼される。排ガス燃焼器52内では、燃料ガスの自己着火温度を超えると、燃焼室84で空気と燃料ガスとによる燃焼が開始される。
次いで、燃料電池システム10による発電から低負荷運転の動作について、図6のフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、燃料電池スタック24の要求電力が確認された後(ステップS101)、ステップS102に進んで、この要求電力が水蒸気改質での高効率運転範囲か否かが判断される。図7に示すように、水蒸気改質による駆動範囲は、例えば、出力40%〜100%の範囲である一方、部分酸化改質による駆動範囲(熱自立範囲)は、例えば、出力10%〜40%の範囲である。
そこで、要求電力が水蒸気改質での高効率運転範囲内であると判断されると(ステップS102中、YES)、ステップS103に進んで、水蒸気改質による発電が行われて高効率電力の供給がなされる。
また、燃料電池スタック24の要求電力が、水蒸気改質での高効率運転範囲内ではないと判断されると(ステップS102中、NO)、ステップS104に進む。このステップS104では、要求電力が部分酸化改質での熱自立範囲内であるか否かが判断される。
要求電力が、部分酸化改質での熱自立範囲内であると判断されると(ステップS104中、YES)、ステップS105に進んで、部分酸化改質による発電が行われる。一方、部分酸化改質での熱自立範囲内ではないと判断されると(ステップS104中、NO)、ステップS106に進んで、部分酸化改質による最低熱自立発電(例えば、図7における出力10%)が行われる。
次に、燃料電池システム10による発電停止の動作について、図8のフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、発電が停止されてOCVに戻される(ステップS201)。さらに、ステップS202に進んで、部分酸化改質反応に移行するための燃料ガス投入量及び酸化剤ガス調整弁75の開度が設定される。なお、燃料ガス投入量は、燃料電池スタック24のアノード側の還元状態を維持するための必要な投入量に設定される。
上記のように、部分酸化改質が開始された後(ステップS203)、燃料電池スタック24の温度T3を監視しながら、前記燃料電池スタック24の徐冷に必要な空気が熱交換器50に供給される(ステップS204)。その際、排ガス燃焼器52の燃焼室84内では、還元ガス(燃料ガス)と空気とを着火させない。
このため、燃料電池スタック24内が徐冷され、この燃料電池スタック24の温度T3が400℃未満まで降温されると(ステップS205中、YES)、ステップS206に進んで、部分酸化改質が停止される。さらに、燃料電池スタック24の温度T3が、100℃未満まで降温されると(ステップS207中、YES)、ステップS208に進んで、空気の供給が停止される。
この場合、第1の実施形態では、図1に示すように、蒸発器48の水蒸気出口73bに連通する水蒸気通路59aと、部分酸化改質器45の改質ガス出口61bに連通する改質ガス通路57aとが、合流部57bで合流して水蒸気改質器46に連通している。
従って、部分酸化改質器45で発生した高温(約600℃)の還元ガスは、水蒸気改質器46に導かれるため、前記水蒸気改質器46の起動時間(昇温及び還元時間)が短縮される。
しかも、高温の還元ガスは、水蒸気改質器46から燃料ガス通路66を介して燃料電池スタック24の燃料ガス入口連通孔44aに供給される。これにより、燃料電池スタック24の起動時間(昇温及び還元時間)が良好に短縮される。
さらに、燃料電池スタック24から排ガス燃焼器52には、高温の還元ガスが供給される。このため、排ガス燃焼器52で発生する燃焼ガスを介して、酸化剤ガス、水蒸気改質器46及び蒸発器48を昇温させることができ、燃料電池モジュール12の起動時間が有効に短縮される。
さらにまた、蒸発器48で発生した水蒸気は、部分酸化改質器45に流入することがない。従って、部分酸化改質器45の触媒が水蒸気酸化されることを抑制することが可能になり、耐久性の向上が容易に図られる。
また、燃料電池スタック24の負荷変動等に起因した熱不足で水蒸気改質器46による改質不足が惹起された際にも、部分酸化改質器45により改質不足を補うことができる。
具体的には、燃料電池スタック24の要求電力に基づいて、改質ガス量Xが算出される。そして、改質ガス量Xが、水蒸気改質器46から得られる改質ガス量Yよりも多い際には(X>Y)、前記改質ガス量Yを前記水蒸気改質器46により処理し、差分の改質ガス量Z(X−Y)を部分酸化改質器45により処理する。このため、低出力及び負荷変動に追従することが可能になるとともに、改質不足に起因する燃料枯渇及び炭素析出を抑制することができ、耐久性の向上が容易に図られる。
さらに、燃料電池モジュール12は、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差により熱電変換を行う第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bを備えている。図4に示すように、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bは、被加熱体である酸化剤ガスを流通させる第1通路部材112と、加熱媒体である燃焼ガスを流通させる第2通路部材114と、前記第1通路部材112及び前記第2通路部材114間に配置されてそれぞれ異なる熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子116a、116b及び116cとを備えている。
従って、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bは、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、特に起動時間を損なうことがなく、発電効率を向上させることが可能になる。しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる。なお、少なくとも第1熱電変換部74a又は第2熱電変換部74bのいずれか一方のみを備えていてもよい。
ここで、燃焼ガスとは、排ガス燃焼器52で生成されるガスであって、他のガス等の被加熱体と熱交換を行って熱エネルギを与えることができる加熱媒体をいい、熱エネルギを放出した後には、排ガスという。
熱自立とは、燃料電池システム10の運転に必要な熱の全量を外部から加えることなく、自ら発生する熱のみで前記燃料電池システム10の動作温度を維持することをいう。
また、燃料電池モジュール12では、燃焼ガスを熱交換器50、水蒸気改質器46及び蒸発器48に、順次、供給する燃焼ガス通路70と、酸化剤ガスを部分酸化改質器45から燃料電池スタック24に供給する酸化剤ガス通路58とを備えるとともに、第1熱電変換部74aは、前記燃焼ガス通路70の前記蒸発器48の下流側に、且つ、前記酸化剤ガス通路58の前記部分酸化改質器45の上流側に設けられている。
このため、熱自立を妨げることがなく、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、発電効率を向上させることが可能になる。しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる。
さらに、燃料電池モジュール12では、原燃料を部分酸化改質器45に供給する原燃料通路57を備え、酸化剤ガス通路58は、前記原燃料通路57に前記部分酸化改質器45の上流側で合流するとともに、前記酸化剤ガス通路58には、第1熱電変換部74aが配設されている。従って、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、発電効率を向上させることが可能になる。しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる。
さらにまた、酸化剤ガス通路58は、部分酸化改質器45に酸化剤ガスを供給する第1酸化剤ガス供給路部58aと、熱交換器50に前記酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給路部58bとに分岐するとともに、分岐部位には、前記酸化剤ガスの分配量を調整する酸化剤ガス調整弁75が配設されている。
これにより、燃料電池スタック24と、水蒸気改質器46、蒸発器48及び熱交換器50を含むFC周辺機器56とを同時に昇温させることができ、起動時間の短縮化を図ることが可能になる。一方、水蒸気改質触媒及びアノード側を還元することができ、起動時間が短縮される。
しかも、燃料電池スタック24の負荷変動等に起因した熱不足で水蒸気改質器46による改質不足が惹起された際にも、部分酸化改質器45により改質不足を補うことができる。このため、負荷変動に追従することが可能になるとともに、改質不足に起因する燃料枯渇を抑制することができ、耐久性の向上が容易に図られる。
また、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bは、第1酸化剤ガス供給路部58a及び第2酸化剤ガス供給路部58bに酸化剤ガス調整弁75の下流側に位置して配置されている。従って、熱自立を妨げることがなく、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、発電効率を向上させることが可能になる。
しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる。その上、酸化剤ガスは、酸化剤ガス調整弁75の下流側で昇温されるため、熱影響による前記酸化剤ガス調整弁75の耐久性を損なうことがない。
さらに、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bでは、燃焼ガス蛇行流路114cを流通する燃焼ガスと、酸化剤ガス蛇行流路112cを流通する酸化剤ガスとが、互いに並行流に設定されるとともに、異なる熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子116a、116b及び116cを備えている。
従って、図4に示すように、例えば、並行流の上流側は、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差が大きくなるため、高温型の熱電変換素子116aを使用する一方、並行流の下流側は、前記温度差が小さくなるため、低温型の熱電変換素子116cを使用することができる。これにより、温度差に応じて最適な熱電変換素子116a、116b及び116cが用いられるため、効率的な熱電変換が確実に遂行可能になる。
さらにまた、熱交換器50内には、排ガス燃焼器52が一体に設けられるとともに、前記熱交換器50の一端には、水蒸気改質器46が隣接して設けられている。このため、燃料電池モジュール12の放熱を最小限に抑制することができ、熱エネルギの損失を良好に抑制することが可能になる。換言すれば、熱自立運転が促進される。しかも、燃焼用回路(配管等)が簡素化され、部品点数も削減されるため、小型化及び低コスト化が図られる。
また、燃料電池モジュール12は、固体酸化物形燃料電池モジュールである。これにより、特にSOFC等の高温型燃料電池に最適である。
図9に示されるように、燃料電池システム10aは、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池モジュール12aを備える。なお、第1の実施形態に係る燃料電池モジュール12と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池モジュール12aは、熱電変換部74を備えるとともに、前記熱電変換部74は、酸化剤ガス通路58に酸化剤ガス調整弁75の上流側に位置して配置される。この熱電変換部74には、酸化剤ガス通路58を介して酸化剤ガスが供給される一方、燃焼ガス通路70を介して燃焼ガスが供給される。熱電変換部74は、第1の実施形態の第1熱電変換部74a(及び第2熱電変換部74b)と同様に構成される。
このように構成される第2の実施形態では、熱自立を妨げることがなく、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、発電効率を向上させることが可能になる。しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、熱電変換部74は、酸化剤ガス通路58に酸化剤ガス調整弁75の上流側に位置して配置されるため、単一の前記熱電変換部74のみを設けることができる。従って、構成が簡素化するとともに、経済的であるという利点が得られる。
図10に示されるように、燃料電池システム120は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池モジュール122と、水供給装置124と、原燃料供給装置126と、酸化剤ガス供給装置16と、制御装置20とを備える。水供給装置124は、水通路59、蒸発器48、水蒸気通路59a及び合流部59bを介して水蒸気改質器46の混合ガス供給室62aに接続される。
原燃料供給装置126は、原燃料通路57に脱硫器60及び部分酸化改質器45が配設されるとともに、改質ガス通路57aは、水蒸気通路59aの途上に合流する。なお、合流部59bには、例えば、エゼクタ(図示せず)が配設され、水蒸気通路59aを水蒸気が流通することにより、改質ガス通路57aから前記水蒸気通路59aに原燃料(又は改質ガス)が吸引される。
蒸発器48の水入口73aに接続される燃焼ガス通路70には、第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bが直列的に接続される。第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74bは、第1酸化剤ガス供給路部58a及び第2酸化剤ガス供給路部58bに配設される。
このように構成される第3の実施形態では、蒸発器48で発生した水蒸気は、部分酸化改質器45に流入することがなく、前記部分酸化改質器45の触媒が水蒸気酸化されることを抑制することが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図11に示されるように、燃料電池システム120aは、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池モジュール122aを備える。なお、第3の実施形態に係る燃料電池モジュール122と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
燃料電池モジュール122aは、熱電変換部74を備えるとともに、前記熱電変換部74は、酸化剤ガス通路58に酸化剤ガス調整弁75の上流側に位置して配置される。
このように構成される第4の実施形態では、熱自立を妨げることがなく、燃焼ガスと酸化剤ガスとの温度差、すなわち、熱エネルギを電気エネルギとして回収することができ、発電効率を向上させることが可能になる。しかも、燃焼ガスの温度が低下されるため、廃熱の抑制が図られる一方、酸化剤ガスが昇温されるため、熱自立の促進が図られる等の効果が得られる。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池モジュールを構成する熱電変換部130の要部分解斜視説明図である。
熱電変換部130は、第1〜第4の実施形態に係る第1熱電変換部74a及び第2熱電変換部74b(熱電変換部74)の少なくともいずれかに代えて使用することができる。なお、以下に説明する第6以降の実施形態においても同様である。
熱電変換部130は、酸化剤ガスを流通させる第1通路部材132と、燃焼ガスを流通させる第2通路部材134と、前記第1通路部材132及び前記第2通路部材134間に配置されて所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子136とを備える。
第1通路部材132は、酸化剤ガス入口132aと酸化剤ガス出口132bとの間で蛇行する酸化剤ガス蛇行流路132cを有する。酸化剤ガス蛇行流路132cは、第1通路部材132内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板132dにより形成される。
第2通路部材134は、燃焼ガス入口134aと燃焼ガス出口134bとの間で蛇行する燃焼ガス蛇行流路134cを有する。燃焼ガス蛇行流路134cは、第2通路部材134内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板134dにより形成される。燃焼ガス蛇行流路134cと酸化剤ガス蛇行流路132cとは、互いに対向流に設定される。
このように構成される第5の実施形態では、熱電変換部130は、燃焼ガスと酸化剤ガスとが互いに対向流に設定されるとともに、所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子136を備えている。このため、熱電変換部130内では、想定される温度差に応じて、最適な熱電変換温度に設定された熱電変換素子136を用いることができる。従って、効率的な熱電変換が確実に遂行可能になるという効果が得られる。
図13は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池モジュールを構成する熱電変換部140の要部分解斜視説明図である。
熱電変換部140は、酸化剤ガスを流通させる第1通路部材142と、燃焼ガスを流通させる第2通路部材144と、前記第1通路部材142及び第2通路部材144間に配置されて所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子146とを備える。
第1通路部材142は、酸化剤ガス入口142aと酸化剤ガス出口142bとの間で蛇行する酸化剤ガス蛇行流路142cを有する。酸化剤ガス蛇行流路142cは、第1通路部材142内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板142dにより形成される。
第2通路部材144は、燃焼ガス入口144aと燃焼ガス出口144bとの間で蛇行する燃焼ガス蛇行流路144cを有する。燃焼ガス蛇行流路144cは、第2通路部材144内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板144dにより形成される。燃焼ガス蛇行流路144cと酸化剤ガス蛇行流路142cとは、互いに交差する流れに設定される。
このように構成される第6の実施形態では、熱電変換部140は、燃焼ガスと酸化剤ガスとが互いに交差する流れに設定されるとともに、所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子146を備えている。これにより、熱電変換部140内では、想定される温度差に応じて、最適な熱電変換温度に設定された熱電変換素子146を用いることができる。このため、効率的な熱電変換が確実に遂行可能になるという効果が得られる。
図14は、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池モジュールを構成する熱電変換部150の要部分解斜視説明図である。
熱電変換部150は、酸化剤ガスを流通させる第1通路部材152と、燃焼ガスを流通させる第2通路部材154と、前記第1通路部材152及び第2通路部材154間に配置されて所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子156とを備える。
第1通路部材152は、酸化剤ガス入口152aと酸化剤ガス出口152bとの間で蛇行する酸化剤ガス蛇行流路152cを有する。酸化剤ガス蛇行流路152cは、第1通路部材152内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板152dにより形成される。
第2通路部材154は、燃焼ガス入口154aと燃焼ガス出口154bとの間で蛇行する燃焼ガス蛇行流路154cを有する。燃焼ガス蛇行流路154cは、第2通路部材154内に交互に且つ千鳥状に配置される仕切板154dにより形成される。燃焼ガス蛇行流路154cと酸化剤ガス蛇行流路152cとは、互いに対称の流れに設定される。
このように構成される第7の実施形態では、熱電変換部150は、燃焼ガスと酸化剤ガスとが互いに対称の流れに設定されるとともに、所定の熱電変換温度に設定された複数の熱電変換素子156を備えている。これにより、熱電変換部150内では、想定される温度差に応じて、最適な熱電変換温度に設定された熱電変換素子156を用いることができる。このため、効率的な熱電変換が確実に遂行可能になるという効果が得られる。