JP5697191B2 - 扁平緯糸織物製造装置 - Google Patents
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Description
特に、炭素繊維に成る扁平緯糸を用いた扁平緯糸織物は、強化プラスチック用資材として公知であるが(例えば、特許文献1参照)、その扁平緯糸に生じた捩れは強化プラスチック用資材としての扁平緯糸織物の品質を大きく損なうことになる。
しかし、無杼織機の緯糸受取部は、扁平緯糸先端の形状の製織過程での変化に追隨し難く、その緯糸引渡部から受け取るべき扁平緯糸が緯糸受取部から外れ易くなり、緯糸織込ミスが発生し易くなる。
本発明の第2の目的は、炭素繊維やガラス繊維のマルチフィラメント扁平糸条に織成されて強化プラスチック用資材に適した扁平緯糸織物を効率的に得ることにある。
経糸が扁平緯糸に斜め方向から交叉した斜め交叉二軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、経糸に対して90°未満または90°以上の交叉角度をなす方向となる。
経糸が扁平緯糸に左右斜め方向から交叉した三軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、一部の経糸に対しては90°未満の交叉角度をなす方向となり、その一部の残りの経糸に対しては90°以上の交叉角度をなす方向となる。
経糸が扁平緯糸に直交すると共に左右斜め方向からも交叉した四軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、一部の経糸に対しては90°未満の交叉角度をなす方向となり、その一部の残りの一部の経糸に対しては90°以上の交叉角度をなす方向となり、その他の残りの経糸に対しては直交する方向となる。
図2には剛直(リジット)な角形パイプの受取緯糸導入桿23と引渡緯糸導入桿29を図示しているが、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29はフレキシブルなものであってもよい。
その側縁押圧部18・19と中間押圧部21が互いに向き合う方向は、扁平緯糸織物製造装置の開口27を形成する経糸の長さ方向との関係において設定され、開口を形成する経糸の長さ方向が水平方向であれば、図4〜6に図示するように上下鉛直方向に設定される。
又、開口を形成する経糸の長さ方向が上下鉛直方向であれば、側縁押圧部18・19と中間押圧部21が互いに向き合う方向は、左右水平方向に設定される。
その扁平緯糸先端11の断面形状を左右対称形にすることは必ずしも必要ではない。
又、扁平緯糸先端11の断面形状は、図4に図示するように曲率半径が緩やかに変化した『円弧形』湾曲断面形状をなすものであっても、又、図5に図示するように左右両側縁16・17で直角に折れ曲がった『コ字形』湾曲断面形状をなすものであっても、或いは又、図6に図示するように左右両側縁の中間部分20で折れ曲がった『V字形』湾曲断面形状をなすものであってもよい。
これら図4〜6に図示される『円弧形』や『コ字形』や『V字形』の湾曲断面形状は、図4の『円弧形』湾曲断面形状と図5・6の『コ字形』と『V字形』湾曲断面形状が示すように、その左右両側縁16・17の間の中間部分20の突出方向が上下反転した形状であってもよい。
ブロアー35の排気管36は、吸引パイプ28の吸込管37に接続し、吸引パイプ28とブロアー35の間で気流を循環させることも出来る。
扁平緯糸15を巻き上げてセットするチーズ30の横幅は、図1が図示するように、扁平緯糸15の幅の数倍になっていてもよい。
しかし、チーズ30から引き出す過程で扁平緯糸15が捩じれないようにするには、テープレコーダーの磁気テープの巻取リールのように、チーズ30の横幅と扁平緯糸15の幅を略同じにすることが望ましい。
緯糸引渡部13は、そのボックス38の出口側にバネ部材43を介して突設するとよい。
そのボックス38には、板バネ41・42を押圧する押螺子44を設け、その押螺子によって向き合う一対の板バネ41の先端39と板バネ42の先端40の間の押圧を加減し、その間を通過して緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力を加減する。
緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力は、板バネ41・42の固定端部47・47を折り曲げ、その固定端部47・47とボックス38との接触角度を変えて加減することも出来る。
支軸を介して固定端部47・47をボックス38にピン接合する場合は、その支軸を回転して固定端部47・47とボックス38との角度を変え、緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力を加減することも出来る。
その側縁押圧部用(18・19)と中間押圧部用(21)との2枚の板材に板バネを適用する場合、その2枚の板バネ(41・42)によって張力付与装置24を兼ねて断面セット装置14を構成することも出来る。
緯糸受取部12は、固定舌片45と揺動舌片46との一対の舌片によってクランプ状に形成することが出来る。
本発明において、経糸には扁平糸条の他に扁平率が概して2以下となる一般の非扁平糸条を適用することも出来る。
自動織機として調製される扁平緯糸織物製造装置では、筬を織前へと筬打ち駆動することなく固定し、緯糸導入桿23・29で扁平緯糸15を経糸間の開口27に導入しつつ経糸送出装置や織前巻取装置と共に織前を筬に向けて移動し、扁平緯糸15を織前に織り込むことも出来る。
その場合、例えば、緯糸受取部12を緯糸導入桿の先端に装着して経糸26の開口27に導入し、緯糸引渡部13を緯糸導入桿の先端に装着することなく扁平緯糸織物製造装置の織幅方向の片側に設置する場合、扁平緯糸織物製造装置の織幅方向の片側において緯糸引渡部13を開口27から突き出された緯糸受取部12に向けて僅かに移動させ、固定舌片45と揺動舌片46の間に扁平緯糸先端11を深く押し込むようにすると、緯糸織込ミスを効果的に回避することが出来る。
本発明の扁平緯糸織物の経糸は、扁平糸条であっても非扁平糸条であってもよい。
12:緯糸受取部
13:緯糸引渡部
14:断面セット装置
15:扁平緯糸
16:側縁
17:側縁
18:側縁押圧部
19:側縁押圧部
20:間の部分
21:中間押圧部
22:緯糸受渡装置
23:受取緯糸導入桿
24:張力付与装置
25:綜絖
26:経糸
27:開口
28:吸引パイプ
29:引渡緯糸導入桿
30:チーズ
31:扁平緯糸織物
32:入口
33:出口
34:折返点
35:ブロアー
36:排気管
37:吸込管
38:ボックス
39:先端
40:先端
41:板バネ
42:板バネ
43:バネ部材
44:押螺子
45:固定舌片
46:揺動舌片
47:固定端部
48:隙間
Claims (4)
- (a) 扁平緯糸織物製造装置において扁平緯糸先端(11)を受け取る緯糸受取部(12)に向けて引き渡す扁平緯糸先端(11)を係止する緯糸引渡部(13)が、その引き渡す扁平緯糸先端(11)を湾曲断面形状にセットする断面セット装置(14)を具備しており、
(b) その断面セット装置(14)が、扁平緯糸(15)の表裏何れか片面から表裏反対側の他の片面に向けて扁平緯糸(15)の左右向き合う両側縁(16・17)を押圧する左右一対の側縁押圧部(18・19)と、それら一対の側縁押圧部(18)と側縁押圧部(19)との間において扁平緯糸(15)の左右向き合う両側縁(16・17)の間の部分(20)を左右一対の側縁押圧部(18・19)の押圧方向とは逆向きに押圧する中間押圧部(21)を具備し、
その中間押圧部(21)と左右一対の側縁押圧部(18・19)は、扁平緯糸(15)が緯糸受取部(12)に把持されて引き出される際にも、当該扁平緯糸(15)を押圧している扁平緯糸織物製造装置。 - 断面セット装置(14)の緯糸受取部に向き合う緯糸引渡部(13)の先端から後退した部位に、緯糸引渡部(13)が緯糸受取部(12)に引き渡す扁平緯糸(15)に接触して張力を付与する張力付与装置(24)が設けられている前掲請求項1に記載の扁平緯糸織物製造装置。
- 綜絖(25)に駆動されて形成される経糸(26)の開口(27)へと投入される扁平緯糸(15)の緯糸引渡部(13)に到る扁平緯糸(15)の経路に、その経路を通過する扁平緯糸(15)を吸引する吸引パイプ(28)が設けられている前掲請求項1と2の何れかに記載の扁平緯糸織物製造装置。
- 緯糸受取部(12)と緯糸引渡部(13)の何れか一方または双方が、それらが向かい合う方向に向けて移動する緯糸導入桿(23・29)の先端に装着されている前掲請求項1と2と3の何れかに記載の扁平緯糸織物製造装置。
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